JP2023087699A - 幸福実感の表れた顔の度合い推定方法、幸福実感の表れた顔の度合い推定装置、及び幸福実感の表れた顔の度合い推定プログラム - Google Patents

幸福実感の表れた顔の度合い推定方法、幸福実感の表れた顔の度合い推定装置、及び幸福実感の表れた顔の度合い推定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】高精度かつ再現性良く、「幸福実感の表れた顔」の度合いを推定する新規な推定方法、推定装置及び推定プログラムを提供する。【解決手段】推定方法は、顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔の評価値との相関関係に基づいて、対象者の顔画像データから該対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを推定することを含む。【効果】これにより、高精度かつ再現性良く、「幸福実感の表れた顔」の度合いを推定する新規な技術を提供することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、幸福実感の表れた顔の度合い推定方法、幸福実感の表れた顔の度合い推定装置、及び幸福実感の表れた顔の度合い推定プログラムに関するものである。
「幸せそうに見える顔/幸福実感の表れた顔」であることは、万人にとって重要な評価の一つである。特に、「幸せそうに見える顔/幸福実感の表れた顔」の度合いの評価は、エステティックや化粧料等の各種分野で極めて重要である。
従来、顔画像をコンピュータに取り込み、年齢層、性別、顔特性を認識し、人物を推定する監視・認識システムが知られている。特許文献1~3には、エッジ化や二値化等の画像処理値を用いた年齢の推定システム(例えば、特許文献1、2)、目鼻や口等の特徴点の特徴量(位置、濃淡、皺の数)を利用した人物属性推定技術(例えば、特許文献3)が開示されている。
また、空間的な周期性(空間周波数)によって画像のテクスチャ特性が変化することに着目した技術が知られている。空間周波数に着目した技術として、特許文献4には、空間周波数を変えることによる各種のテクスチャを持つ肌のシミュレーション画像作成方法が開示されている。
また、本出願人は、メークアップ時の空間周波数のパターン分析を行い、メークアップの持つ「顔の立体感」に関する効果を評価する技術を開示している(例えば、特許文献5)。
特開2009-086901号公報 特開2009-271885号公報 特開2008-282089号公報 特開2004-283357号公報 特開2004-272849号公報
上記先行技術のあるところ、本発明者が鋭意研究努力を重ねた結果、顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔の評価値との間に、高い相関関係があることを見出した。
すなわち、本発明は、高精度かつ再現性良く、「幸福実感の表れた顔」の度合いを推定する新規な技術を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明は、顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔の評価値との相関関係に基づいて、対象者の顔画像データから該対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを推定することを含む、推定方法である。
後述する実施例に示すとおり、空間周波数の強度は幸福実感の表れた顔と高い相関関係を有する。
そのため、本発明の推定方法によれば、高精度かつ再現性良く対象者の顔画像データから該対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを推定することができる。
本発明の好ましい形態は、カラー顔画像データのRGB、BWのカラーチャネルのデータのうち、任意のチャネルから得られるデータを単独で、或いは組み合わせで得られる空間周波数の強度を算出する空間周波数算出工程と、
予め用意した、顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔の評価値との相関関係を示す式又はモデルに、前記算出した空間周波数の強度を適用して、前記対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを評価する評価工程と、
を含む、推定方法である。
本発明の好ましい形態では、前記式が、重回帰分析により得られた重回帰式又はPLSにより得られた予測式であることを特徴とする。
重回帰式又は予測式を用いることで、高精度かつ再現性良く対象者の顔画像データから該対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを推定することができる。
本発明の好ましい実施の形態では、前記の幸福実感の表れた顔の度合いは、頬のリフトアップの程度、口周りの立体感、肌色の均一性、肌の滑らかさ、目周りの明るさの少なくとも何れかの度合いを含む。
本発明の好ましい実施の形態では、前記顔画像データは、顔の部位又は全顔の顔画像データである。
本発明の好ましい形態では、前記顔画像データはカラー顔画像データであり、前記空間周波数は、前記カラー顔画像データのRGB、BWの少なくとも何れかのカラーチャネルデータから得られる空間周波数である。
本発明の好ましい形態では、前記空間周波数は、顔画像のRGB、BWのカラーチャネルデータのうち、複数のカラーチャネルデータから得られる空間周波数である。
顔画像のRGB、BWのカラーチャネルデータのうち、複数のカラーチャネルデータから得られる空間周波数の強度を組み合わせて用いることにより、高精度かつ再現性良く対象者の顔画像データから該対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを推定(評価)することができる。
本発明の好ましい形態では、前記の空間周波数域(cycle/image-width)は、画像長が1024ピクセルの画像のとき、0~512cycle/image-widthである。
また、本発明は、対象者に任意の刺激(だたし、医療行為は除く)を適用する適用工程と、
前記適用工程前に取得した、前述の推定方法により推定した幸福実感の表れた顔の度合いと、前記適用工程後の幸福実感の表れた顔の度合いの変化の程度を測定する測定工程と、
前記測定工程の結果に基づき、幸福実感の表れた顔の度合いの上昇がみられる場合に、前記対象者に適した刺激であると判定する判定工程と、
を有することを特徴とする、対象者に適した刺激の選択方法でもある。
また、本発明は、対象者に肌状態改善剤及び/又は美容手段を適用する適用工程と、
前記適用工程前に取得した、前述の推定方法により推定した幸福実感の表れた顔の度合いと、前記適用工程後の幸福実感の表れた顔の度合いの変化の程度を測定する測定工程と、
前記測定工程の結果に基づき、幸福実感の表れた顔の度合いの上昇率が高いほど、前記対象者に適した肌状態改善剤及び/又は美容手段であると判定する判定工程と、
を有することを特徴とする、肌状態改善剤及び/又は美容手段の選択方法である。
また、本発明は、顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔の評価値との相関関係に基づく、肌状態改善剤のスクリーニング方法でもある。
本発明の肌状態改善剤のスクリーニング方法の好ましい形態では、肌に物質を適用する適用工程と、
前記適用工程前に取得した、前述の推定方法により推定した幸福実感の表れた顔の度合いと、前記適用工程後の幸福実感の表れた顔の度合いの変化の程度を測定する測定工程と、
前記測定工程の結果に基づき、幸福実感の表れた顔の度合いの上昇率が高い肌状態改善剤ほど、優れた肌状態改善剤であると判定する判定工程と、
を有することを特徴とする。
また、上記課題を解決する本発明は、カラー顔画像データのRGB、BWのカラーチャネルのデータのうち、任意のチャネルから得られるデータを単独で、或いは組み合わせで得られる空間周波数の強度を算出する空間周波数算出手段と、
予め用意した、顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔との相関関係を示す式又はモデルに、前記算出した空間周波数の強度を適用して、前記対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを評価する評価手段と、
を備える、推定装置に関する。
本発明の推定装置によれば、対象者の顔画像データから、高精度かつ再現性良く対象者の顔画像データから該対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを推定することができる。
また、上記課題を解決する本発明は、コンピュータを、
カラー顔画像データのRGB、BWのカラーチャネルのデータのうち、任意のチャネルから得られるデータを単独で、或いは組み合わせで得られる空間周波数の強度を算出する空間周波数算出手段と、
予め用意した、顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔との相関関係を示す式又はモデルに、前記算出した空間周波数の強度を適用して、前記対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを評価する評価手段と、
として機能させるための、推定プログラムに関する。
本発明の推定プログラムによれば、コンピュータに対象者の顔画像データから、高精度かつ再現性良く対象者の顔画像データから該対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを推定することができる。
本発明によれば、高精度かつ再現性良く、「幸福実感の表れた顔」の度合いを推定する新規な技術を提供することができる。
「幸せそうにみえる顔」と「幸せそうに見えない顔」の代表例を示す図である。 「幸福実感のあるようにみえる顔」の平均評価値(以下、スコア値とも表記)と年齢の関係を示す図である。 スコア値と各空間周波数のパワー値の相関係数を示す図である。 重回帰分析結果の推定値と幸福実感のあるようにみえる顔のスコア値の関係を示す図である。 R4 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像である。 R6 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像である。 R10 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像である。 R11 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像である。 R12 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像である。 R13 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像である。 R24 c/iw、R29 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像である。 R68 c/iw、R79 c/iw、R80 c/iw、R88 c/iw、R109 c/iw、R112 c/iw、R127 c/iw、R133 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(10倍処理)した画像である。 G5 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像である。 G8 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像である。 G12 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像である。 G13 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像である。 G22 c/iw、G26 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像である。 G33 c/iw、G105 c/iw、G115 c/iw、G125 c/iw、G132 c/iw、のパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(10倍処理)した画像である。 G43 c/iw、G110 c/iw、G128 c/iw、のパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(10倍処理)した画像である。 B9 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像である。 B15 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像である。 B28 c/iw、B47 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(10倍処理)した画像である。 B36 c/iw、B41 c/iw、B48 c/iw、B57 c/iw、B68 c/iw、B93 c/iw、B102 c/iw、B108 c/iw、B122 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(10倍処理)した画像である。 BW2 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像である。 BW46 c/iw、BW63 c/iw、BW75 c/iw、BW85 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(10倍処理)した画像である。 BW74 c/iw、BW83 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(10倍処理)した画像である。 本発明の推定方法の具体的な態様を示すフロー図である。 本発明の推定装置のハードウェアブロック図である。
<幸福実感の表れた顔の度合いの推定方法>
本発明は、顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔の評価値との相関関係に基づいて、対象者の顔画像データから該対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを推定することを含む。
本発明にいう「幸福実感の表れた顔」は、その第三者が客観的に見た印象により、幸福実感の表れた顔と評価される顔をいう。
具体的には、本発明にいう「幸福実感の表れた顔」は、真顔なのに「幸福実感のあるようにみえる人」であり、笑顔などの表情をしていなくても、その第三者が客観的に見た印象により、幸福実感の表れた顔と評価される顔をいう。
本発明にいう「幸福実感の表れた顔の度合いの推定」には、後述する実施例で示すとおり、頬のリフトアップの程度、口周りの立体感、肌色の均一性、肌の滑らかさ、目周りの明るさ、から選ばれる、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、さらに好ましくは4以上、特に好ましくは全ての度合いを含む。
「顔画像データ」の取得は、定法に従い行うことができる。「顔画像データ」の取得方法としては、例えば、デジタルカメラ等を利用し正面顔を撮像し、撮像した情報をデジタル情報としてパソコンに取り込む方法を挙げることができる。
本発明に用いる対象者の顔画像データには、全顔又は顔の部位の顔画像データを用いることができる。
全顔の顔画像データを用いる場合には、頭髪部分を除いた全顔データを用いることがより好ましい。これにより、高精度かつ再現性良く対象者の顔画像データから該対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを推定することができる。
この場合の該顔画像の大きさは、幸福実感の表れた顔の度合いを推定するために必要な解像度及び空間周波数の強度を算出するためのサンプリング定理を考慮すると、30cm×30cm程度の範囲で撮影すればよく、該画像は512×512画素以上の画像であることが好ましい。
顔の部位の顔画像データとしては、頬全体、額全体、顎全体、鼻筋、目尻の上部位(目鼻のT型)、目の下、唇、目、鼻、額、頬、首等の顔画像データが挙げられる。
中でも、頬全体、額全体、顎全体、鼻筋、目尻の上部位(目鼻のT型)及び/又は目の下の顔画像データを好ましく用いることができる。
後述する実施例に示すとおり、頬全体、額全体、顎全体、鼻筋、目尻の上部位(目鼻のT型)及び/又は目の下の顔画像データから得られる空間周波数の強度は、幸福実感の表れた顔との相関関係が高い。
そのため、頬全体、額全体、顎全体、鼻筋、目尻の上部位(目鼻のT型)及び/又は目の下の顔画像データを用いることで、高精度かつ再現性良く対象者の顔画像データから該対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを推定することができる。
頬全体、額全体、顎全体、鼻筋、目尻の上部位(目鼻のT型)及び/又は目の下の画像を用いる場合には、少なくともこれらの部位の2cm×2cm程度の領域の画像を用いることが好ましい。頬全体、額全体、顎全体、鼻筋、目尻の上部位(目鼻のT型)及び/又は目の下の顔画像データから得られる空間周波数に関する情報を取得することで、高精度かつ再現性良く対象者の顔画像データから該対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを推定できる。また、これらの場合において、顔画像データの画素数は、好ましくは256画素以上、より好ましくは512画素以上である。
本発明は、顔画像のR(赤)、G(緑)、B(青)、BW(グレー)の何れかのカラーチャネルデータを用い、推定する形態であることが好ましい。
本明細書において「顔画像のR(赤)、G(緑)、B(青)、BW(グレー)の何れかのカラーチャネルデータ」は、カラーの顔画像を、RGB、BWのカラーチャネル分割した顔画像データのうち、特定の色相を保持したカラーチャネルデータをいう。
顔画像のR(赤)、G(緑)、B(青)、BW(グレー)の何れかのカラーチャネルデータを取得する方法としては、カラーの顔画像を画像処理システムに供し、カラーチャネル分割する方法を挙げることができる。
顔画像のR(赤)、G(緑)、B(青)、BW(グレー)の何れかのカラーチャネルデータを用いることで、高精度かつ再現性良く対象者の顔画像データから該対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを推定することができる。
本発明において、前記空間周波数は、顔画像のRGB、BWのカラーチャネルデータのうち、好ましくは2種以上、より好ましくは3種のカラーチャネルデータから得られる空間周波数を組み合わせて利用する形態とすることが好ましい。
顔画像のRGB、BWのカラーチャネルデータのうち、複数のカラーチャネルデータから得られる空間周波数の強度を用いることで、高精度かつ再現性良く、対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを推定することができる。
「空間周波数」は、空間的周期を持つ構造の性質であり、単位長に含まれる構造の繰り返しの多さを指す。ここで、「空間周波数」は、国際単位系においてはメートル当たりの周期を指すものの、画像処理分野においてはミリメートル当たりの線数が用いられる。
また、空間周波数の単位として、画像長あたりの周期数(cycle/image-width)を用いることもできる。
ある画像に含まれる最大周期数は、該画像の長さに含まれる画素数(ピクセル、ドット)の1/2である。すなわち、画像長が512ピクセルの画像であれば、空間周波数帯域は0~256cycle/image-width、画像長が1024ピクセルの画像であれば、空間周波数帯域は0~512cycle/image-widthとなる。
本明細書において、顔画像のR(赤)、G(緑)、B(青)、BW(グレー)の何れかのカラーチャネルデータの空間周波数域を指すときには、「色相 空間周波数域」で表現する。
例えば、顔画像のR(赤)、G(緑)、B(青)、BW(グレー)のカラーチャネルデータのうち、R(赤)のカラーチャネルデータから取得された空間周波数域が4 c/iwである場合、「R 4 c/iw」と表現する。(表1 図5 参照)。
「空間周波数の強度」とは、各空間周波数における振幅値又はパワー(パワー対数)である。空間周波数の強度は、一般的な方法に従って算出することができる。
具体的には、前述の方法により取得した顔画像データについて、RGB、BW何れかのカラーチャネルへのカラーチャネル分割をしたあと、市販の画像解析ソフトウェア(例えば、イメージセンス社製のフーリエ位相解析プログラムやデジタル・ビーイング・キッズ社製のPoplmaGinG)等を利用して、FFT(FastFouRieRTRansfoRm:高速フーリエ変換)をおこなえば、振幅値又はパワー(空間周波数の強度)を算出できる。
図2に空間周波数解析の例として、1024×1024画素のグレー画像(カラー顔画像データの場合には、カラーチャネル分割された画像)をFFT処理した結果であるスペクトルパターンを示す。
FFT処理により0~1024/2の各空間周波数(単位:cycle/image-width)ごとの強度(振幅値又はパワー値)を算出することができる。
算出した各空間周波数の強度(振幅値又はパワー値)により、顔画像が有する空間周波数特性が明らかとなる。
本発明の大きな利点は、対象者の顔画像データから幸福実感の表れた顔の度合いの推定に必要な数値データ(空間周波数の強度(パワースペクトル))を容易に得ることができる点にある。本発明においては、市販のソフトウェアを用いて、容易に定量的に算出することができる。
本発明における「幸福実感の表れた顔の度合いの推定」は、定量的な推定値でもよく、予め設定した「幸福実感の表れた顔の指標」を基準とした相対的かつ定性的な推定でもよい。
定量的な推定手法として、具体的には、顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔の評価値との相関関係を示す式又はモデルを予め作成しておき、対象者より取得したR(赤)、G(緑)、B(青)、BW(グレー)の何れかのカラーチャネルデータから得られる空間周波数の強度を当該式又はモデルと照合することにより、対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを推定する実施の形態を好ましく挙げることができる。このような実施の形態とすることにより推定精度を向上させることができる。
ここで、顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔の評価値との相関関係は、回帰分析等の多変量解析により予め求めておくことができる。該多変量解析としては、目的変数と説明変数との関係を利用できるものが好ましく、判別分析、回帰分析(MLR、PLS、PCR、ロジスティック)を好ましく例示することができる。
これらの内、特に好ましいのは重回帰分析(MLR)、非線形回帰分析(PLS:PaRtialLeastSquaRes)である。例えば、空間周波数の強度を説明変数、幸福実感の表れた顔を目的変数として重回帰分析をおこなうことで、重回帰式を得ることができる。また、同様にPLSをおこなえば予測式(予測モデル)を得ることができる。
以下、顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔の評価値との相関関係を示す式又はモデルの用意の方法について説明する。
精度良い式又はモデルを得る手法として、主成分分析、因子分析、数量化理論一類、数量化理論二類、数量化理論三類、多次元尺度法、教師ありクラスタリング、ニューラルネットワーク、アンサンブル学習法、等の多変量解析を適宜用いることができる。中でも好ましいのは、ニューラルネットワーク、判別分析及び数量化理論一類である。これらの多変量解析は、フリーソフトや市販されているものを用いておこなうことができる。
ここで、精度良い式又はモデルを得るために、顔画像データから得られる空間周波数の強度と、予め目視で評価した幸福実感の表れた顔の評価値との相関関係を、入力情報として記憶する記憶部と、
前記相関関係を教師データとして、対象者の顔画像データから該対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを推定するための変数が機械学習された学習済みモデルを生成する学習部と、
を備える、学習装置を用いることもできる。
顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔の評価値との相関関係を示す式又はモデルを作成するため、顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔の評価値との相関関係を関連付けたデータベース(DB)を作成することが好ましい。ここで、DBの人数は、好ましくは10人以上、より好ましくは20人以上、より好ましくは50人以上、より好ましくは100人以上、さらに好ましくは200人以上である。
DBの構造としては、例えば行列形式(マトリックス)であれば、行に顔画像データから得られる空間周波数の強度を、列に幸福実感の表れた顔の度合いを入力することができる。
このDBは、新規に取得した対象者の顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔の評価値との相関関係を推定したあと、該推定値を追加することで、更新してもよい。必要に応じて、更新したDBに対し上述した多変量解析を行って、式又はモデルを更新することもできる。
以下、式又はモデルの作成、又は上記DBの作成にあたって必要となる情報の取得方法を説明する。
(1)幸福実感の表れた顔の評価
まず、顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔の評価値との相関関係を示す式又はモデルを得るために、評価者が、複数の人物について幸福実感の表れた顔を目視評価する。評価される人物の数は、少なくとも50以上、好ましくは100以上、より好ましくは500以上である。また、各年代別に同程度の人数分布であることが好ましい。幸福実感の表れた顔に関して、本人による評価と第三者による評価とではギャップが存することが多いため、評価者は第三者であることが望ましい。評価者の選定は、第三者を代指するのに適当な評価者を選ぶという観点でよく、評価者の個人差、男女差、幸福実感の表れた顔差、嗜好性、さらには再現性等、種々の問題を考慮することが重要である。
例えば、美容分野での評価等の経験や専門性を有する評価者が好ましく挙げられる。評価者の数としては複数、具体的には、5~10名程度が好ましい。複数の評価者による評価結果を統計的に処理することが好ましい。
また、外れ値を除いた平均値や中央値等を算出し、各人物の客観的な幸福実感の表れた顔の度合いとすることができる。
幸福実感の表れた顔の度合いの評価は、後述する実施例に示すように、顔画像を用いて評価することが望ましい。これは、表情、髪型や背景、あるいは肌色や肌トラブル等による評価精度を低下させる影響を除外できるためである。
(2)空間周波数の強度の算出
次に、前記複数の人物が写された顔画像データから空間周波数の強度を算出する。空間周波数の強度の算出については、上述したとおりである。ここで用いる顔画像は、上記の幸福実感の表れた顔の評価に用いた顔画像と同じものであることが好ましい。これにより、空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔の評価値との相関関係をより正確に求めることができる。
以下、本発明の推定方法に利用する空間周波数の好ましい実施の形態を、詳細に説明する。
本発明の推定方法には、画像長(ピクセル)の好ましくは1/5以下、より好ましくは1/10、さらに好ましくは1/15の値の空間周波数(cycle/image-width)における、空間周波数の強度を用いることが好ましい。
以下の説明において、特段指定のない限りは、画像長1024ピクセルの顔画像データを用いた場合の好ましい形態を指す。
また、本発明の推定方法には、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、より好ましくは5以上、より好ましくは8以上、さらに好ましくは10以上、さらに好ましくは15以上、特に好ましくは全ての空間周波数の空間周波数の強度を用いることが好ましい。
本発明の推定方法には、
R4 c/iw、R6 c/iw、R10 c/iw、R11 c/iw、R24 c/iw、R29 c/iw、G5 c/iw、G8 c/iw、G13 c/iw、G22 c/iw、G26 c/iw、B9 c/iw、B15 c/iw、B28 c/iw、B47 c/iw、BW2 c/iw、BW46 c/iw、BW63 c/iw、BW75 c/iw、BW85 c/iwから選ばれる1以上、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、より好ましくは5以上、より好ましくは8以上、さらに好ましくは10以上、さらに好ましくは15以上、特に好ましくは全ての空間周波数における、空間周波数の強度を用いることが好ましい。
本発明の特に好ましい実施の形態では、R4 c/iw、R6 c/iw、R10 c/iw、R11 c/iw、R24 c/iw、R29 c/iw、G5 c/iw、G8 c/iw、G13 c/iw、G22 c/iw、G26 c/iw、B9 c/iw、B15 c/iw、B28 c/iw、B47 c/iw、BW2 c/iw、BW46 c/iw、BW63 c/iw、BW75 c/iw、BW85 c/iwから選ばれる空間周波数の強度が顕著である(表1、図3に示す相関係数の符号(正負)が正の場合は強度が高いほど、表1、図3に示す相関係数の符号(正負)が負の場合は強度が低い)ほど、頬のリフトアップの程度に優れていると判定し、該判定に基づき幸福実感の表れた顔であると推定する。
また、本発明の推定方法には、R4 c/iw、R11 c/iw、R12 c/iw、R13 c/iw、R24 c/iw、R29 c/iw、G5 c/iw、G8 c/iw、G12 c/iw、G13 c/iw、B9 c/iw、B15 c/iw、BW2 c/iw、BW46 c/iw、BW63 c/iw、BW75 c/iw、BW85 c/iw、から選ばれる1以上、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、より好ましくは5以上、より好ましくは8以上、さらに好ましくは10以上、特に好ましくは全ての空間周波数における、空間周波数の強度を用いることが好ましい。
本発明の特に好ましい実施の形態では、R4 c/iw、R11 c/iw、R12 c/iw、R13 c/iw、R24 c/iw、R29 c/iw、G5 c/iw、G8 c/iw、G12 c/iw、G13 c/iw、B9 c/iw、B15 c/iw、BW2 c/iw、BW46 c/iw、BW63 c/iw、BW75 c/iw、BW85 c/iwから選ばれる空間周波数の強度が顕著である(表1、図3に示す相関係数の符号(正負)が正の場合は強度が高いほど、表1、図3に示す相関係数の符号(正負)が負の場合は強度が低い)ほど、口周りの立体感に優れていると判定し、該判定に基づき幸福実感の表れた顔であると推定する。
また、本発明の推定方法には、R10 c/iw、G5 c/iw、G8 c/iw、G12 c/iw、G22 c/iw、G26 c/iw、B9 c/iw、B15 c/iw、B28 c/iw、B47 c/iw、から選ばれる1以上、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、より好ましくは5以上、より好ましくは8以上、さらに好ましくは10以上、特に好ましくは全ての空間周波数における、空間周波数の強度を用いることが好ましい。
本発明の特に好ましい実施の形態では、R10 c/iw、G5 c/iw、G8 c/iw、G12 c/iw、G22 c/iw、G26 c/iw、B9 c/iw、B15 c/iw、B28 c/iw、B47 c/iwから選ばれる空間周波数の強度が顕著である(表1、図3に示す相関係数の符号(正負)が正の場合は強度が高いほど、表1、図3に示す相関係数の符号(正負)が負の場合は強度が低い)ほど、肌色の均一性に優れていると判定し、該判定に基づき幸福実感の表れた顔であると推定する。
また、本発明の推定方法には、R68 c/iw、R79 c/iw、R80 c/iw、R88 c/iw、R109 c/iw、R112 c/iw、R127 c/iw、R133 c/iw、G33 c/iw、G105 c/iw、G115 c/iw、G125 c/iw、G132 c/iw、G43 c/iw、G110 c/iw、G128 c/iw、B36 c/iw、B41 c/iw、B48 c/iw、B57 c/iw、B68 c/iw、B93 c/iw、B102 c/iw、B108 c/iw、B122 c/iw、BW74 c/iw、BW83 c/iw、から選ばれる1以上、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、より好ましくは5以上、より好ましくは8以上、さらに好ましくは10以上、特に好ましくは全ての空間周波数における、空間周波数の強度を用いることが好ましい。
本発明の特に好ましい実施の形態では、R68 c/iw、R79 c/iw、R80 c/iw、R88 c/iw、R109 c/iw、R112 c/iw、R127 c/iw、R133 c/iw、G33 c/iw、G105 c/iw、G115 c/iw、G125 c/iw、G132 c/iw、G43 c/iw、G110 c/iw、G128 c/iw、B36 c/iw、B41 c/iw、B48 c/iw、B57 c/iw、B68 c/iw、B93 c/iw、B102 c/iw、B108 c/iw、B122 c/iw、BW74 c/iw、BW83 c/iw、から選ばれる空間周波数の強度が顕著である(表1、図3に示す相関係数の符号(正負)が正の場合は強度が高いほど、表1、図3に示す相関係数の符号(正負)が負の場合は強度が低い)ほど、肌の滑らかさに優れていると判定し、該判定に基づき幸福実感の表れた顔であると推定する。
また、本発明の推定方法には、R10 c/iw、R11 c/iw、R13 c/iw、
G8 c/iw、G12 c/iw、G13 c/iw、B9 c/iw、B15 c/iw、BW2 c/iw、BW46 c/iw、BW63 c/iw、BW75 c/iw、BW85 c/iw、から選ばれる1以上、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、より好ましくは5以上、より好ましくは8以上、さらに好ましくは10以上、特に好ましくは全ての空間周波数における、空間周波数の強度を用いることが好ましい。
本発明の特に好ましい実施の形態では、R10 c/iw、R11 c/iw、R13 c/iw、G8 c/iw、G12 c/iw、G13 c/iw、B9 c/iw、B15 c/iw、BW2 c/iw、BW46 c/iw、BW63 c/iw、BW75 c/iw、BW85 c/iwから選ばれる空間周波数の強度が顕著である(表1、図3に示す相関係数の符号(正負)が正の場合は強度が高いほど、表1、図3に示す相関係数の符号(正負)が負の場合は強度が低い)ほど、目周りの明るさに優れていると判定し、該判定に基づき幸福実感の表れた顔であると推定する。
以下、本発明の推定方法の具体的なフローを説明する。
また、本発明の推定方法の具体的な態様として、
対象者から顔画像データを取得する顔画像取得工程S1と、
前記顔画像取得工程で取得した顔画像データから、R(赤)、G(緑)、B(青)、BW(グレー)のカラーチャネルデータを取得するチャネル分割工程S2と、
RGB、BWの少なくとも何れかのカラーチャネルデータから空間周波数の強度を算出する空間周波数算出工程S3と、
予め用意した、顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔の評価値との相関関係を示す式又はモデルに、前記算出した空間周波数の強度を適用して、前記対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを評価する評価工程S4と、
評価工程S4での評価結果を表示する表示工程S5と、
を有する態様を挙げることができる(図27 参照)。
ここで、本発明においては、上記のS1~S5の全ての工程を必ずしもおこなう必要はなく、例えば、顔画像のRGB、BWの少なくとも何れかのカラーチャネルデータから空間周波数の強度を算出する空間周波数算出工程S3と、
予め用意した、顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔の評価値との相関関係を示す式又はモデルに、前記算出した空間周波数の強度を適用して、前記対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを評価する評価工程S4とを含む形態であってもよい。
また本発明において、評価工程S4で評価した結果を基にDB(データベース)の更新及び/又は評価工程S4で評価した結果のDB(データベース)への蓄積を含む形態であることが好ましい。
特に上述の更新・蓄積をフィードバックし、評価工程S4での評価をおこなう形態であることが好ましい。
本発明の好ましい実施の形態では、本発明により推定された幸福実感の表れた顔の度合いは、対象者に適した刺激の指標として利用することができる。
具体的には、本発明は、対象者に任意の刺激を適用する適用工程と、
前記適用工程前に取得した、前述の推定方法により推定した幸福実感の表れた顔の度合いと、前記適用工程後の幸福実感の表れた顔の度合いの変化の程度を測定する測定工程と、
前記測定工程の結果に基づき、幸福実感の表れた顔の度合いの上昇がみられる場合に、前記対象者に適した刺激であると判定する判定工程と、
を有することを特徴とする、対象者に適した刺激の選択方法でもある。
ここで、判定工程は、幸福実感の表れた顔の度合いの上昇率が高いほど、対象者に適した刺激であると判定する工程であることが好ましい。
また、任意の刺激としては、旅行体験、会話体験(カウンセリング、コミュニケーション)、芸術鑑賞(音楽、演劇、パフォーマンス、絵画、読書、美術品)、食事体験、スポーツ体験(運動体験、スポーツ鑑賞)、入浴体験(温泉、サウナ)、睡眠、アニマルセラピー(動物とのふれあい)、創作活動、趣味を挙げることができる。
特に、本発明の好ましい実施の形態では、本発明により推定された幸福実感の表れた顔の度合いは、化粧品を選択する際の指標として利用することができる。
具体的には、本発明は、対象者に肌状態改善剤及び/又は美容手段を適用する適用工程と、
前記適用工程前に取得した、前述の推定方法により推定した幸福実感の表れた顔の度合いと、前記適用工程後の幸福実感の表れた顔の度合いの変化の程度を測定する測定工程と、
前記測定工程の結果に基づき、幸福実感の表れた顔の度合いの上昇がみられる場合に、前記対象者に適した肌状態改善作用を奏する物質及び/又は美容手段であると判定する判定工程と、
を有することを特徴とする、肌状態改善剤及び/又は美容手段の選択方法でもある。
ここで、判定工程は、幸福実感の表れた顔の度合いの上昇率が高いほど、対象者に適した刺激であると判定する工程であることが好ましい。
肌状態改善剤としては、市販の化合物(ペプチドを含む)、公知化合物(ペプチドを含む)、コンビナトリアル・ケミストリー技術によって得られた化合物群、植物や海洋生物由来の天然成分、動物組織抽出物などの物質を挙げることができる。
動植物由来の抽出物は、動物又は植物由来の抽出物自体のみならず、抽出物の画分、精製した画分、抽出物乃至は画分、精製物の溶媒除去物の総称を意味する。
また、植物由来の抽出物は、自生若しくは生育された植物、漢方生薬原料等として販売されるものを用いた抽出物、市販されている抽出物等を挙げることができる。
美容手段としては、顔パック、マッサージ手法、アロマ等を挙げることができる。
また、本発明により判定された幸福実感の表れた顔の度合いの結果は、肌の手入れ(スキンケア)や化粧方法に関するカウンセリングにおいても有用な指標となり得る。
ここで、本発明の肌状態改善剤及び/又は美容手段の選択方法の好ましい実施の形態は、前述の説明を援用することができる。
<肌状態改善剤のスクリーニング方法>
本発明は、顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔の評価値との相関関係に基づく、肌状態改善剤のスクリーニング方法でもある。
本発明は、
肌に物質を適用する適用工程と、
前記適用工程前に取得した、前述の推定方法により推定した幸福実感の表れた顔の度合いと、前記適用工程後の幸福実感の表れた顔の度合いの変化の程度を測定する測定工程と、
前記測定工程の結果に基づき、幸福実感の表れた顔の度合いの上昇率が高いほど、優れた肌状態改善剤であると判定する判定工程と、
を有する形態とすることもできる。
また、本発明は、2種以上の物質を、2以上の対象者に対し各々適用する適用工程と、
前記適用工程後に、前記適用工程前に予め取得した幸福実感の表れた顔の度合いと、前記適用工程後の幸福実感の表れた顔の度合いの変化の程度を測定する測定工程と、
前記測定工程の測定結果に基づき、幸福実感の表れた顔の度合いの上昇率が高い肌状態改善剤ほど、優れた肌状態改善剤であると判定する判定工程と、
を有する形態とすることもできる。
本発明のスクリーニング方法において、スクリーニングの対象となる肌状態改善剤は特に限定されず、たとえば、市販の化合物(ペプチドを含む)、公知化合物(ペプチドを含む)、コンビナトリアル・ケミストリー技術によって得られた化合物群、植物や海洋生物由来の天然成分、動物組織抽出物などの物質を挙げることができる。
動植物由来の抽出物は、動物又は植物由来の抽出物自体のみならず、抽出物の画分、精製した画分、抽出物乃至は画分、精製物の溶媒除去物の総称を意味する。
また、植物由来の抽出物は、自生若しくは生育された植物、漢方生薬原料等として販売されるものを用いた抽出物、市販されている抽出物等を挙げることができる。
本発明においては、特に、植物由来の抽出物を含む剤をスクリーニングの対象とすることが好ましい。
また、本発明において、適用する候補物質の種類は、2以上、好ましくは3以上であってもよい。
本発明によれば、複数種の候補物質を適用した場合における、相乗的な肌状態改善作用を発揮する肌状態改善剤のスクリーニングをすることができる。
また、本発明のスクリーニング方法は、スクリーニングの対象としては、化粧品の形態であってもスクリーニングの対象とすることができる。
ここで、化粧品は、皮膚に適用するものであることが好ましい。また、化粧品としては、例えば、ウォッシュ、化粧水、乳液を好ましく挙げることができる。
また、本発明において、適用工程の期間は、好ましくは2週間以上、より好ましくは3週間以上、さらに好ましくは6週間以上、特に好ましくは10週以上である。
上記期間以上の適用工程を行うことで、より的確に、肌状態改善剤のスクリーニングをすることができる。
ここで、本発明のスクリーニング方法の好ましい実施の形態は、前述の説明を援用することができる。
<幸福実感の表れた顔の度合いの推定装置>
以下、本発明の推定装置のハードウェアブロック図(図28)を参照しつつ、本発明の推定装置の説明をする。
本発明の推定装置1は、対象者の顔画像データを取得する顔画像取得手段11と、取得した顔画像データを特定のカラーチャネルに分割するチャネル分割手段12と、対象者のカラー顔画像データのRGB、BWのカラーチャネルのデータのうち、任意のチャネルから得られるデータを単独で、或いは組み合わせで得られる空間周波数の強度を算出する空間周波数算出手段13と、顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔の評価値との相関関係を示す相関データを記憶する記憶部14と、評価手段15と、評価手段15の評価結果を表示する表示手段16と、を備える。
顔画像取得手段11は、デジタルカメラ、デジタル式マイクロスコープ、デジタルビデオあるいはスキャナー等の顔画像データを入力するための装置により得られた顔画像を取得する手段である。
チャネル分割手段12は、顔画像取得手段11が取得したカラーの顔画像データを、後述する空間周波数算出手段13に供するために、RGB、BWのカラーチャネルに顔画像データを分割し、RGB、BWの何れかの色相を保持したグレースケール画像データ(顔画像のRGB、BWのカラーチャネルデータ)を生成する手段である。
空間周波数算出手段13は、FFT処理による空間周波数の強度の算出、幸福実感の表れた顔(幸福実感の表れた顔又は幸福実感の表れた顔)と空間周波数の強度との関係を示す式又はモデル(相関データ)の算出等の処理を実行する。
記憶部14は、本発明の幸福実感の表れた顔の度合いの推定装置が機能する上で必要なプログラム、及び、幸福実感の表れた顔の度合いの推定に必要な各種の式又はモデル(相関データ)を記憶する。記憶部14には、式又はモデルを作成するのに必要なデータベースがさらに記憶されていてもよい。
評価手段15は、前記空間周波数算出手段13により算出された空間周波数の強度と前記記憶部14に記憶された相関データとを基に前記対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを評価する手段である。
表示手段16は、任意の表示装置に対し、評価手段15による評価結果の表示指示をおこなう手段である。
ここで、表示装置としては、幸福実感の表れた顔の度合いの推定結果等を表示できるものであればよく、例えば、CRT(CathodeRayTuBu)や液晶ディスプレイ等による表示装置、スピーカー等の音声出力装置あるいはプリンタ等が挙げられる。
なお、本発明においては、上記の構成を必ずしも備える必要はなく、例えば、顔画像のRGB、BW少なくとも何れかのカラーチャネルデータから得られる空間周波数の強度を算出する空間周波数算出手段13と、
予め用意した、顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔との相関関係を示す式又はモデルに、前記算出した空間周波数の強度を適用して、前記対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを評価する評価手段15と、
を備える、推定装置の形態であってもよい。
また、本発明は、顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔の評価値との相関関係に基づいて、対象者の顔画像データから該対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを推定することを含む、推定装置の形態であってもよい。
ここで、本発明の推定装置の好ましい実施の形態は、前述の説明を援用することができる。
<幸福実感の表れた顔の度合いの推定プログラム>
本発明の推定プログラムは、コンピュータ、その他の装置、機械等を、対象者の顔画像データを取得する顔画像取得手段11と、取得した顔画像データを特定のカラーチャネルに分割するチャネル分割手段12と、対象者のカラー顔画像データのRGB、BWのカラーチャネルのデータのうち、任意のチャネルから得られるデータを単独で、或いは組み合わせで得られる空間周波数の強度を算出する空間周波数算出手段13と、顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔の評価値との相関関係を示す相関データを記憶する記憶部14と、評価手段15と、評価手段15の評価結果を表示する表示手段16として機能させる(図28 参照)。
なお、本発明においては、上記の構成全てを機能させるプログラムである必要はなく、例えば、コンピュータをカラー顔画像データのRGB、BWのカラーチャネルのデータのうち、任意のチャネルから得られるデータを単独で、或いは組み合わせで得られる空間周波数の強度を算出する空間周波数算出手段13と、
予め用意した、顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔との相関関係を示す式又はモデルに、前記算出した空間周波数の強度を適用して、前記対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを評価する評価手段15と、
として機能させる、推定プログラムの形態であってもよい。
また、本発明は、コンピュータを、
顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔の評価値との相関関係に基づいて、対象者の顔画像データから該対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを推定するよう機能させるための、推定プログラムの形態であってもよい。
また、本発明はこのようなプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録したものでもよい。
ここで、本発明の推定プログラムの好ましい実施の形態は、前述の説明を援用することができる。
以下、本願発明の基となった試験結果を示す。
<1> 幸福実感の表れた顔の評定
(1)評価対象画像の用意
まず、18~82歳の女性272名(平均49.1歳、SD=16.91)の顔画像を撮影した。撮影した顔画像を基に、試験に供するための1024×1024画素の画像データを作成した。ここで、試験に供する画像の作成にあたり、元の画像から髪と耳の除去処理、左右の瞳孔を画像の一定位置にする固定処理、顔の大きさと位置の基準化処理を施した。
(2)印象評価
健常な女性20名(20代5名、30代5名、40代5名、50代5名、平均39.7歳、SD=12.1)を「幸福実感の表れた顔」の評価者とした。
上記評価者は、(1)で用意した顔画像の人物が「幸せそうにみえるか否か」を下記の7段階で評価した(図1 参照)。
なお、評価者の反応の偏りを避けるため、顔画像の提示順序は評価者ごとに変更し、試験に供した。顔画像ごとの「幸福実感の表れた顔」の平均評価値(以下、スコア値とする)を算出した。
評点1: 非常に幸せそうにみえない
評点2: かなり幸せそうにみえない
評点3: やや幸せそうにみえない
評点4: どちらとも言えない
評点5: やや幸せそうにみえる
評点6: かなり幸せそうにみえる
評点7: 非常に幸せそうにみえる
(3)スコア値と年齢の関係
スコア値を縦軸、年齢を横軸に設定し、スコア値と年齢の関係を図示した(図2)。
図2に示すように、スコア値は加齢により低くなることはなかった。
すなわち、スコア値と年齢との間には、相関関係がないことがわかった。
(4)スコア値と各空間周波数の強度の関係
(4-1)顔画像の空間周波数解析
まず、(2)の試験に供したカラーの顔画像を画像処理システムによりRGB、BWカラーチャネル分割し、R(赤)、G(緑)、B(青)、BW(グレー)のカラーチャネルデータ(本明細書における、顔画像データに相当)を得た。R(赤)、G(緑)、B(青)、BW(グレー)のうち、特定の色相を保持したカラーチャネルデータをTheMathWoRk社製のMATLAB(登録商標)による自社製の空間周波数解析ソフトウェアに供し、空間周波数解析をおこなった。
MATLAB(登録商標)を用いた空間周波数解析により、(2)の試験に供した顔画像のR(赤)、G(緑)、B(青)、BW(グレー)の何れかのカラーチャネルデータについて、1~512 cycle/image-width(以下、c/iw)のパワー値(空間周波数の強度)を得た。
(4-2)スコア値と各空間周波数のパワー値の相関係数の導出
R(赤)、G(緑)、B(青)、BW(グレー)の何れかのカラーチャネルデータごとにスコア値と各空間周波数のパワー値の相関係数を導出した。結果を図3に示す。
図3に示すとおり、スコア値と相関のある有意なパワー値を確認することができた。
(4-3)重回帰分析
スコア値と各空間周波数のパワー値について重回帰分析を行い、特徴的なパワー値の確認をおこなった。
ここで、重回帰分析は、スコア値を目的変数、各空間周波数のパワー値を説明変数とし、ステップワイズ法によりおこなった。
結果を表1に示す。なお表1では、重回帰分析結果の推定値(以下、単に推定値という)の符号(正負)と図3に示す相関係数の符号(正負)が一致する項目を選定している。
以下、本実施例において、R(赤)、G(緑)、B(青)、BW(グレー)の何れかのカラーチャネルデータのうち、特定の色相を保持したカラーチャネルデータから取得されたデータの空間周波数域を指すときには、「分割したカラーチャネルの色相 空間周波数域」で表現する。
例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)、BW(グレー)のカラーチャネルデータのうち、R(赤)のカラーチャネルデータから取得されたデータの空間周波数域が4 c/iwである場合、「R 4 c/iw」と表現する。(表1 図5 参照)。
Figure 2023087699000001
R2乗:0.444658
自由度調整R2乗:0.402787
分散分析:F値 p<0.0001
推定式:
=-4.433832+(1.0291806*R4)+(2.1284523*R6)+(-1.14673*R10)+(1.3188023*R11)+(3.1612062*R12)+(-2.509092*R13)+(0.7406471*R24)+(-1.540866*R29)+(-2.062135*R68)+(-3.977294*R79)+(1.8109804*R80)+(1.5980875*R88)+(-3.278925*R109)+(2.0183678*R112)+(-2.000037*R127)+(4.1881341*R133)+(-0.418772*G5)+(1.1394821*G8)+(-2.334774*G12)+(1.634245*G13)+(-2.010401*G22)+(0.8383603*G26)+(1.3526653*G33)+(-1.684988*G43)+(-2.425363*G105)+(-2.259147*G110)+(4.125416*G115)+(2.454947*G125)+(-2.971531*G128)+(1.9774756*G132)+(-0.791885*B9)+(-1.018734*B15)+(-2.012453*B28)+(1.8795505*B36)+(1.7686815*B41)+(-1.311655*B47)+(1.355811*B48)+(2.8066131*B57)+(3.6181894*B68)+(1.8173531*B93)+(-2.622764*B102)+(4.0632072*B108)+(-2.448105*B122)+(-0.649974*BW2)+(-1.1173*BW46)+(-2.503334*BW63)+(2.1046171*BW74)+(-2.912047*BW75)+(2.382319*BW83)+(-2.74303*BW85)
(1)で取得した各顔画像データについて、スコア値を縦軸、重回帰式による推定値(以下、単に推定値という)を横軸に設定し、スコア値と推定値の関係を図示した(図4)。
図4に示すように、スコア値が高いほど、推定値も高くなることがわかった。
すなわち、本実施例で導出された重回帰式は、スコア値(幸福実感の表れた顔の度合い)と推定値の相関関係を示すものであることがわかった。
<2> 幸福実感の表れた顔の度合いの推定値の検証
<1>で導出した結果の検証をおこなった。
表1に示す空間周波数における各々のパワー値が、顔の印象においてどのような特徴を反映したものであるかの検証をおこなった。
上記の検証のために、特定の空間周波数におけるパワー値を除去あるいは強調した画像を作製し、該画像を肌状態に関する技術を専門とする有識者による評価に供した。
(1)空間周波数域 R4 c/iwのパワー値が、顔画像においてどのような特徴を反映したものであるかの検証
表1に示すとおり、R4 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、-0.00271である。そして、R4 c/iwのパワー値が低いほど、幸福実感の表れた顔と評価される。
上記評価の確認のため、R4 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像を用意した。結果を図5に示す。
図5に示すとおり、R4 c/iwのパワー値が低いほど、幸福実感の表れた顔となることがわかった。
図5に示すとおり、パワー値を除去(0倍処理)した画像では、頬全体、額全体、顎全体が暗く、鼻筋、目尻の上部位(目鼻のT型)が明るく、立体感があるようにみえることがわかった。
図5に示すとおり、パワー値を強調(5倍処理)した画像では、頬全体、額全体、顎全体に赤みが強く、頬の立体感がなくなることにより幸せそうにみえないことがわかった。
また、図5に示すとおり、パワー値を強調(5倍処理)した画像では鼻筋、目尻の上部位(目鼻のT型)が暗く、立体感がなくなることにより幸せそうにみえないことがわかった。
(2)空間周波数域 R6 c/iwのパワー値が、顔画像においてどのような特徴を反映したものであるかの検証
表1に示すとおり、R6 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、0.1882である。そして、R6 c/iwのパワー値が高いほど、幸福実感の表れた顔と評価される。
上記評価の確認のため、R6 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像を用意した。結果を図6に示す。
図6に示すとおり、R6 c/iwのパワー値が高いほど、幸福実感の表れた顔となることがわかった。
図6に示すとおり、パワー値を除去(0倍処理)した画像では頬の盛り上がった部分、口横の部分、鼻根部、目尻の上部分、額中央が暗くなり、リフトアップ感がなくなるため、幸せそうにみえなくなることがわかった。
また、図6に示すとおり、パワー値を強調(5倍処理)した画像では頬の盛り上がった部分、口横の部分、鼻根部、目尻の上部分、額中央に赤みが強く、頬がリフトアップしてみえることで幸せそうにみえることがわかった。
また、パワー値を強調(5倍処理)した画像では鼻筋が高くみえることにより幸せそうにみえることがわかった。
また、パワー値を強調(5倍処理)した画像では眉間、目頭の下部位、口角の上部位が暗く、コントラストで立体感があるようにみえることにより幸せそうにみえることがわかった。
(3)空間周波数域 R10 c/iwのパワー値が、顔画像においてどのような特徴を反映したものであるかの検証
表1に示すとおり、R10 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、-0.021である。そして、R10 c/iwのパワー値が低いほど、幸福実感の表れた顔と評価される。
上記評価の確認のため、R10 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像を用意した。結果を図7に示す。
図7に示すとおり、R10 c/iwのパワー値が低いほど、幸福実感の表れた顔となることがわかった。
図7に示すとおり、パワー値を除去(0倍処理)した画像では頬の盛り上がった部分が明るく、立体感があるようにみえることより幸せそうにみえることがわかった。
図7に示すとおり、パワー値を強調(5倍処理)した画像では目の下、鼻根の上、額中央が暗く、目の下にクマがあるようにみえることより幸せそうにみえないことがわかった。
図7に示すとおり、パワー値を強調(5倍処理)した画像では頬全体に赤みが強く、頬の立体感がなくなることにより幸せそうにみえないことがわかった。
(4)空間周波数域 R11 c/iwのパワー値が、顔画像においてどのような特徴を反映したものであるかの検証
表1に示すとおり、R11 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、0.0988である。そして、R11 c/iwのパワー値が高いほど、幸福実感の表れた顔と評価される。
上記評価の確認のため、R11 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像を用意した。結果を図8に示す。
図8に示すとおり、R11 c/iwのパワー値が高いほど、幸福実感の表れた顔となることがわかった。
図8に示すとおり、パワー値を除去(0倍処理)した画像ではコントラストがなくなることにより立体感がなくなり、幸せそうにみえなくなることがわかった。
また、パワー値を強調(5倍処理)した画像では目尻、下唇の下、鼻の下に赤みが強く、口まわりの印象が明るくみえることにより幸せそうにみえることがわかった。また、パワー値を強調(5倍処理)した画像では眉間、目頭の上と下部位、鼻頭、目尻の下、下唇と顎の中央が暗く、コントラストで立体感がでることにより幸せそうにみえることがわかった。
(5)空間周波数域 R12 c/iwのパワー値が、顔画像においてどのような特徴を反映したものであるかの検証
表1に示すとおり、R12 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、0.0146である。そして、R12 c/iwのパワー値が高いほど、幸福実感の表れた顔と評価される。
上記評価の確認のため、R12 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像を用意した。結果を図9に示す。
図9に示すとおり、R12 c/iwのパワー値が高いほど、幸福実感の表れた顔となることがわかった。
図9に示すとおり、パワー値を除去(0倍処理)した画像ではコントラストがなくなることにより立体感がなくなるため、幸せそうにみえなくなることがわかった。
図9に示すとおり、パワー値を強調(5倍処理)した画像では目の下、鼻根と眉間の間、下唇の下、上唇の上に赤みが強く、目の下が明るくみえることにより幸せそうにみえることがわかった。
また、図9に示すとおり、パワー値を強調(5倍処理)した画像では、口まわりが明るくみえることで立体感がでることにより幸せそうにみえることが分かった。
(6)空間周波数域 R13 c/iwのパワー値が、顔画像においてどのような特徴を反映したものであるかの検証
表1に示すとおり、R13 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、-0.0574である。そして、R13 c/iwのパワー値が低いほど、幸福実感の表れた顔と評価される。
上記評価の確認のため、R13 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像を用意した。結果を図10に示す。
図10に示すとおり、R13 c/iwのパワー値が低いほど、幸福実感の表れた顔となることがわかった。
図10に示すとおり、パワー値を除去(0倍処理)した画像ではコントラストにより立体感があるようにみえることより幸せそうにみえることがわかった。
図10に示すとおり、パワー値を強調(5倍処理)した画像では目頭の下(ゴルゴライン)、眉間、目尻下、口角横が暗いため、目まわり、口まわりの印象が暗いことにより幸せそうにみえないことがわかった。また、図10に示すとおり、パワー値を強調(5倍処理)した画像では頬全体に赤みが強く、頬の立体感がなくなることにより幸せそうにみえないことがわかった。
(7)空間周波数域 R24 c/iw、R29 c/iwのパワー値が、顔画像においてどのような特徴を反映したものであるかの検証
表1に示すとおり、R24 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、-0.0426である。
R29 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、-0.1171である。
そして、上記のパワー値が低いほど、幸福実感の表れた顔と評価される。
上記評価の確認のため、R24 c/iw、R29 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像を用意した。結果を図11に示す。
図11に示すとおり、R24 c/iw、R29 c/iwのパワー値が低いほど、幸福実感の表れた顔となることがわかった。
図11に示すとおり、パワー値を除去(0倍処理)した画像ではコントラストにより立体感があるようにみえることより幸せそうにみえることがわかった。
また、パワー値を強調(5倍処理)した画像では口まわりが暗く、口角が下がってみえることにより幸せそうにみえないことがわかった。
また、パワー値を強調(5倍処理)した画像では頬全体に赤みが強く、頬の立体感がなくなることにより幸せそうにみえないことがわかった。
(8)空間周波数域 R68 c/iw、R79 c/iw、R80 c/iw、R88 c/iw、R109 c/iw、R112 c/iw、R127 c/iw、R133 c/iwのパワー値が、顔画像においてどのような特徴を反映したものであるかの検証
表1に示すとおり、
R68 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は-0.0936である。
R79 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は-0.0923である。
R80 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は-0.0723である。
R88 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は-0.0239である。
R109 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は-0.0992である。
R112 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は-0.0353である。
R127 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は-0.0541である。
R133 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は-0.0639である。
そして、上記のパワー値が低いほど、幸福実感の表れた顔と評価される。
上記評価の確認のため、R68 c/iw、R79 c/iw、R80 c/iw、R88 c/iw、R109 c/iw、R112 c/iw、R127 c/iw、R133 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(10倍処理)した画像を用意した。結果を図12に示す。
図12に示すとおり、R68 c/iw、R79 c/iw、R80 c/iw、R88 c/iw、R109 c/iw、R112 c/iw、R127 c/iw、R133 c/iwのパワー値が低いほど、幸福実感の表れた顔となることがわかった。
図12に示すとおり、パワー値を除去(0倍処理)した画像ではコントラストによりなめらかさがあるようにみえることより幸せそうにみえることがわかった。
図12に示すとおり、パワー値を強調(10倍処理)した画像では顔全体になめらかさが無くなることにより幸せそうに見えないことがわかった。
(9)空間周波数域 G5 c/iwのパワー値が、顔画像においてどのような特徴を反映したものであるかの検証
表1に示すとおり、G5 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、-0.1143である。そして、G5 c/iwのパワー値が低いほど、幸福実感の表れた顔と評価される。
上記評価の確認のため、G5 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像を用意した。結果を図13に示す。
図13に示すとおり、G5 c/iwのパワー値が低いほど、幸福実感の表れた顔となることがわかった。
図13に示すとおり、パワー値を除去(0倍処理)した画像ではコントラストにより立体感があるようにみえることより幸せそうにみえることがわかった。
図13に示すとおり、パワー値を強調(5倍処理)した画像では頬の小鼻より、眉と目の間、下唇の下に緑が強く、顔が暗い印象になることにより幸せそうにみえないことがわかった。
(10) 空間周波数域 G8 c/iwのパワー値が、顔画像においてどのような特徴を反映したものであるかの検証
表1に示すとおり、G8 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、0.0576である。そして、G8 c/iwのパワー値が高いほど、幸福実感の表れた顔と評価される。
上記評価の確認のため、G8 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像を用意した。結果を図14に示す。
図14に示すとおり、G8 c/iwのパワー値が高いほど、幸福実感の表れた顔となることがわかった。
図14に示すとおり、パワー値を除去(0倍処理)した画像では眉間、目の下、鼻根部、鼻頭、口角の上が暗く、目の下のクマ、鼻筋が低くみえることにより幸せそうにみえなくなることがわかった。
図14に示すとおり、パワー値を強調(5倍処理)した画像では目尻上下、目頭下、眉と鼻根の間、鼻下、下唇の下、頬の外側に緑が強く、コントラストでリフトアップしてみえることにより幸せそうにみえることがわかった。
(11) 空間周波数域 G12 c/iwのパワー値が、顔画像においてどのような特徴を反映したものであるかの検証
表1に示すとおり、G12 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、-0.0028である。そして、G12 c/iwのパワー値が低いほど、幸福実感の表れた顔と評価される。
上記評価の確認のため、G12 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像を用意した。結果を図15に示す。
図15に示すとおり、G12 c/iwのパワー値が低いほど、幸福実感の表れた顔となることがわかった。
図15に示すとおり、パワー値を除去(0倍処理)した画像ではコントラストにより立体感があるようにみえることより幸せそうにみえることがわかった。
図15に示すとおり、パワー値を強調(5倍処理)した画像では目の下、目頭の上、鼻根と眉間の間、上唇上、下唇の下、目尻の上に緑が強く、目の下のクマ、口まわりの印象が悪くみえるため幸せそうにみえないことがわかった。
(12) 空間周波数域 G13 c/iwのパワー値が、顔画像においてどのような特徴を反映したものであるかの検証
表1に示すとおり、G13 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、-0.0692である。そして、G13 c/iwのパワー値が低いほど、幸福実感の表れた顔と評価される。
上記評価の確認のため、G13 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像を用意した。結果を図16に示す。
図16に示すとおり、G13 c/iwのパワー値が低いほど、幸福実感の表れた顔となることがわかった。
図16に示すとおり、パワー値を除去(0倍処理)した画像ではコントラストにより立体感があるようにみえることより幸せそうにみえることがわかった。
図16に示すとおり、パワー値を強調(5倍処理)した画像では目の下、目頭の上、目尻横、鼻頭、上唇の上、下唇の下、口角、顎に緑が強く、口まわりの印象が悪くみえることより幸せそうにみえない、また、頬、目まわり、下唇と顎の間が暗く、立体感がなくなることより幸せそうにみえないことがわかった。
(13) 空間周波数域 G22 c/iw、G26 c/iwのパワー値が、顔画像においてどのような特徴を反映したものであるかの検証
表1に示すとおり、G22 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、-0.1686である。
表1に示すとおり、G26 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、-0.0265である。
そして、上記のパワー値が低いほど、幸福実感の表れた顔と評価される。
上記評価の確認のため、G22 c/iw、G26 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像を用意した。結果を図17に示す。
図17に示すとおり、G22 c/iw、G26 c/iwのパワー値が低いほど、幸福実感の表れた顔となることがわかった。
図17に示すとおり、パワー値を除去(0倍処理)した画像ではコントラストにより立体感があるようにみえることより幸せそうにみえることがわかった。
図17に示すとおり、パワー値を強調(5倍処理)した画像では顔全体(幅が大きい)に緑が強く、また顔全体(幅が小さい)が暗く、立体感がなくなることより幸せそうにみえないことがわかった。
(14) 空間周波数域 G33 c/iw、G105 c/iw、G115 c/iw、G125 c/iw、G132 c/iwのパワー値が、顔画像においてどのような特徴を反映したものであるかの検証
表1に示すとおり、G33 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、0.0622である。
表1に示すとおり、G105 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、0.0018である。
表1に示すとおり、G115 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、0.0464である。
表1に示すとおり、G125 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、0.0716である。
表1に示すとおり、G132 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、0.0011である。
そして、上記のパワー値が高いほど、幸福実感の表れた顔と評価される。
上記評価の確認のため、G33 c/iw、G105 c/iw、G115 c/iw、G125 c/iw、G132 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(10倍処理)した画像を用意した。結果を図18に示す。
図18に示すとおり、G33 c/iw、G105 c/iw、G115 c/iw、G125 c/iw、G132 c/iwのパワー値が高いほど、幸福実感の表れた顔となることがわかった。
図18に示すとおり、パワー値を除去(0倍処理)した画像ではコントラストによりなめらかさが無くなることにより幸せそうにみえないことがわかった。
図18に示すとおり、パワー値を強調(10倍処理)した画像では顔全体(幅が小さい)に緑が強く、また顔全体(幅が小さい)が暗く、コントラストの影響でなめらかさがあるようにみえることより幸せそうにみえることがわかった。
(15) 空間周波数域 G43 c/iw、G110 c/iw、G128 c/iwのパワー値が、顔画像においてどのような特徴を反映したものであるかの検証
表1に示すとおり、G43 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、-0.0315である。
表1に示すとおり、G110 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、-0.0004である。
表1に示すとおり、G128 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、-0.0568である。
そして、上記のパワー値が低いほど、幸福実感の表れた顔と評価される。
上記評価の確認のため、G43 c/iw、G110 c/iw、G128 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(10倍処理)した画像を用意した。結果を図19に示す。
図19に示すとおり、G43 c/iw、G110 c/iw、G128 c/iwのパワー値が低いほど、幸福実感の表れた顔となることがわかった。
図19に示すとおり、パワー値を除去(0倍処理)した画像ではコントラストによりなめらかさがあるようにみえることより幸せそうにみえることがわかった。
図19に示すとおり、パワー値を強調(10倍処理)した画像では顔全体(幅が小さい)に緑が強く、また顔全体(幅が小さい)が暗く、コントラストの影響でなめらかさが無くなることにより幸せそうにみえないことがわかった。
(16) 空間周波数域 B9 c/iwのパワー値が、顔画像においてどのような特徴を反映したものであるかの検証
表1に示すとおり、B9 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、0.1055である。そして、B9 c/iwのパワー値が高いほど、幸福実感の表れた顔と評価される。
上記評価の確認のため、B9 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像を用意した。結果を図20に示す。
図20に示すとおり、B9 c/iwのパワー値が低いほど、幸福実感の表れた顔となることがわかった。
図20に示すとおり、パワー値を除去(0倍処理)した画像ではコントラストの影響で立体感がなくなることより幸せそうにみえないことがわかった。
図20に示すとおり、パワー値を強調(5倍処理)した画像では頬の盛り上がった部分、目尻の上下、鼻頭、口角の横に青みが強いと頬がリフトアップしてみえることより幸せそうにみえることがわかった。
図20に示すとおり、パワー値を強調(5倍処理)した画像では目まわりの印象が良くみえることより幸せそうにみえることがわかった。
図20に示すとおり、パワー値を強調(5倍処理)した画像では口角が上がってみえることより幸せそうにみえることがわかった。
図20に示すとおり、パワー値を強調(5倍処理)した画像では頬の盛り上がった部分の周り、目の上、鼻筋、鼻下、下唇の下が暗いとコントラストで頬がリフトアップしてみえることより幸せそうにみえることがわかった。
図20に示すとおり、パワー値を強調(5倍処理)した画像では目まわり、口まわりの印象が良くみえることより幸せそうにみえることがわかった。
(17) 空間周波数域 B15 c/iwのパワー値が、顔画像においてどのような特徴を反映したものであるかの検証
表1に示すとおり、B15 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、-0.1746である。そして、B15 c/iwパワー値が高いほど、幸福実感の表れた顔と評価される。
上記評価の確認のため、B15 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像を用意した。結果を図21に示す。
図21に示すとおり、B15 c/iwのパワー値が低いほど、幸福実感の表れた顔となることがわかった。
図21に示すとおり、パワー値を除去(0倍処理)した画像ではコントラストにより立体感があるようにみえることより幸せそうにみえることがわかった。
図21に示すとおり、パワー値を強調(5倍処理)した画像では目の下、目頭の上、目尻横、鼻頭、上唇と上唇の上、下唇の下、口角、顎に緑が強く、口まわりの印象が悪くみえることより幸せそうにみえないことがわかった。
図21に示すとおり、パワー値を強調(5倍処理)した画像では頬、目まわり、下唇と顎の間が暗く、立体感がなくなることより幸せそうにみえないことがわかった。
(18) 空間周波数域 B28 c/iw、B47 c/iwのパワー値が、顔画像においてどのような特徴を反映したものであるかの検証
表1に示すとおり、B28 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、-0.1054である。
表1に示すとおり、B47 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、-0.0493である。
そして、上記のパワー値が低いほど、幸福実感の表れた顔と評価される。
上記評価の確認のため、B28 c/iw、B47 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(10倍処理)した画像を用意した。結果を図22に示す。
図22に示すとおり、B28 c/iw、B47 c/iwのパワー値が低いほど、幸福実感の表れた顔となることがわかった。
図22に示すとおり、パワー値を除去(0倍処理)した画像ではコントラストにより立体感があるようにみえることより幸せそうにみえることがわかった。
図22に示すとおり、パワー値を強調(10倍処理)した画像では顔全体(幅が大きい)に青みが強く、または顔全体(幅が大きい)が暗く、立体感がなくなることより幸せそうにみえないことがわかった。
(19) 空間周波数域 B36 c/iw、B41 c/iw、B48 c/iw、B57 c/iw、B68 c/iw、B93 c/iw、B102 c/iw、B108 c/iw、B122 c/iwのパワー値が、顔画像においてどのような特徴を反映したものであるかの検証
表1に示すとおり、B36 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、0.0677である。
表1に示すとおり、B41 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、0.122である。
表1に示すとおり、B48 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、0.1056である。
表1に示すとおり、B57 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、0.1093である。
表1に示すとおり、B68 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、0.0463である。
表1に示すとおり、B93 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、0.0469である。
表1に示すとおり、B102 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、0.0567である。
表1に示すとおり、B108 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、0.0775である。
表1に示すとおり、B122 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、0.0591である。
そして、上記のパワー値が高いほど、幸福実感の表れた顔と評価される。
上記評価の確認のため、B36 c/iw、B41 c/iw、B48 c/iw、B57 c/iw、B68 c/iw、B93 c/iw、B102 c/iw、B108 c/iw、B122 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(10倍処理)した画像を用意した。結果を図23に示す。
図23に示すとおり、B28 c/iw、B47 c/iwのパワー値が高いほど、幸福実感の表れた顔となることがわかった。
図23に示すとおり、パワー値を除去(0倍処理)した画像ではコントラストによりなめらかさが無くなることより幸せそうにみえないことがわかった。
図23に示すとおり、パワー値を強調(10倍処理)した画像では顔全体(幅が小さい)に青みが強く、また顔全体(幅が小さい)が暗く、コントラストの影響でなめらかさがあるようにみえることより幸せそうにみえることがわかった。
(20) 空間周波数域 BW2 c/iwのパワー値が、顔画像においてどのような特徴を反映したものであるかの検証
表1に示すとおり、B28 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、-0.1028である。
そして、上記のパワー値が低いほど、幸福実感の表れた顔と評価される。
上記評価の確認のため、BW2 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(5倍処理)した画像を用意した。結果を図24に示す。
図24に示すとおり、BW2 c/iwのパワー値が低いほど、幸福実感の表れた顔となることがわかった。
図24に示すとおり、パワー値を除去(0倍処理)した画像ではコントラストにより立体感があるようにみえることより幸せそうにみえることがわかった。
図24に示すとおり、パワー値を強調(5倍処理)した画像では顔の中心部が明るく、コントラストで立体感がなくなることにより幸せそうにみえないことがわかった。
(21) 空間周波数域 BW46 c/iw、BW63 c/iw、BW75 c/iw、BW85 c/iw、のパワー値が、顔画像においてどのような特徴を反映したものであるかの検証
表1に示すとおり、BW46 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、-0.0789である。
表1に示すとおり、BW63 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、-0.0673である。
表1に示すとおり、BW75 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、-0.0769である。
表1に示すとおり、BW85 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、-0.0366である。
そして、上記のパワー値が低いほど、幸福実感の表れた顔と評価される。
上記評価の確認のため、BW46 c/iw、BW63 c/iw、BW75 c/iw、BW85 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(10倍処理)した画像を用意した。結果を図25に示す。
図25に示すとおり、BW2 c/iwのパワー値が低いほど、幸福実感の表れた顔となることがわかった。
図25に示すとおり、パワー値を除去(0倍処理)した画像ではコントラストにより立体感があるようにみえることより幸せそうにみえることがわかった。
図25に示すとおり、パワー値を強調(10倍処理)した画像では顔全体(幅が大きい)に明るさが強く、また顔全体(幅が大きい)が暗く、立体感がなくなることより幸せそうにみえないことがわかった。
(22) 空間周波数域 BW74 c/iw、BW83 c/iwのパワー値が、顔画像においてどのような特徴を反映したものであるかの検証
表1に示すとおり、BW74 c/iw、のパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、0.0403である。
表1に示すとおり、BW83 c/iwのパワー値と幸福実感の表れた顔の相関係数は、0.0258である。
そして、上記のパワー値が高いほど、幸福実感の表れた顔と評価される。
上記評価の確認のため、BW74 c/iw、BW83 c/iwのパワー値を除去(0倍処理)あるいは強調(10倍処理)した画像を用意した。結果を図26に示す。
図26に示すとおり、BW2 c/iwのパワー値が高いほど、幸福実感の表れた顔となることがわかった。
図26に示すとおり、パワー値を除去(0倍処理)した画像ではコントラストの影響でなめらかさが無くなることにより幸せそうにみえないことがわかった。
図26に示すとおり、パワー値を強調(10倍処理)した画像では顔全体(幅が小さい)の明るさと暗さのコントラストの影響でなめらかさがあるようにみえることより幸せそうにみえることがわかった。
(23)結果及び考察
上記(1)~(22)の検証の結果を、表2に示す。
Figure 2023087699000002
本実施例の結果より、顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔の評価値との相関関係に基づいて、対象者の顔画像データから該対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを推定できることがわかった。
特に、本実施例の結果より、R4 c/iw、R6 c/iw、R10 c/iw、R11 c/iw、R24 c/iw、R29 c/iw、G5 c/iw、G8 c/iw、G13 c/iw、G22 c/iw、G26 c/iw、B9 c/iw、B15 c/iw、B28 c/iw、B47 c/iw、BW2 c/iw、BW46 c/iw、BW63 c/iw、BW75 c/iw、BW85 c/iwから選ばれる空間周波数の強度が顕著である(表1、図3に示す相関係数の符号(正負)が正の場合は強度が高いほど、表1、図3に示す相関係数の符号(正負)が負の場合は強度が低い)ほど、頬のリフトアップの程度に優れていると判定し、該判定に基づき幸福実感の表れた顔であると推定できることがわかった。
また、本実施例の結果より、R4 c/iw、R11 c/iw、R12 c/iw、R13 c/iw、R24 c/iw、R29 c/iw、G5 c/iw、G8 c/iw、G12 c/iw、G13 c/iw、B9 c/iw、B15 c/iw、BW2 c/iw、BW46 c/iw、BW63 c/iw、BW75 c/iw、BW85 c/iwから選ばれる空間周波数の強度が顕著である(表1、図3に示す相関係数の符号(正負)が正の場合は強度が高いほど、表1、図3に示す相関係数の符号(正負)が負の場合は強度が低い)ほど、口周りの立体感に優れていると判定し、該判定に基づき幸福実感の表れた顔であると推定できることがわかった。
また、本実施例の結果より、R10 c/iw、G5 c/iw、G8 c/iw、G12 c/iw、G22 c/iw、G26 c/iw、B9 c/iw、B15 c/iw、B28 c/iw、B47 c/iwから選ばれる空間周波数の強度が顕著である(表1、図3に示す相関係数の符号(正負)が正の場合は強度が高いほど、表1、図3に示す相関係数の符号(正負)が負の場合は強度が低い)ほど、肌色の均一性に優れていると判定し、該判定に基づき幸福実感の表れた顔であると推定できることがわかった。
また、本実施例の結果より、R68 c/iw、R79 c/iw、R80 c/iw、R88 c/iw、R109 c/iw、R112 c/iw、R127 c/iw、R133 c/iw、G33 c/iw、G105 c/iw、G115 c/iw、G125 c/iw、G132 c/iw、G43 c/iw、G110 c/iw、G128 c/iw、B36 c/iw、B41 c/iw、B48 c/iw、B57 c/iw、B68 c/iw、B93 c/iw、B102 c/iw、B108 c/iw、B122 c/iw、BW74 c/iw、BW83 c/iw、から選ばれる空間周波数の強度が顕著である(表1、図3に示す相関係数の符号(正負)が正の場合は強度が高いほど、表1、図3に示す相関係数の符号(正負)が負の場合は強度が低い)ほど、肌の滑らかさに優れていると判定し、該判定に基づき幸福実感の表れた顔であると推定できることがわかった。
本発明の幸福実感の表れた顔の度合いの推定技術は、エステティック、スキンケア、メークアップ、健康食品、美容整形等の効果の評価、又はその評価結果を用いたアドバイスやカウンセリングにおいて利用できる。

Claims (14)

  1. 顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔の評価値との相関関係に基づいて、対象者の顔画像データから該対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを推定することを含む、推定方法。
  2. 顔画像のカラー顔画像データのRGB、BWのカラーチャネルのデータのうち、任意のチャネルから得られるデータを単独で、或いは組み合わせで得られる空間周波数の強度を算出する空間周波数算出工程と、
    予め用意した、顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔の評価値との相関関係を示す式又はモデルに、前記算出した空間周波数の強度を適用して、前記対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを評価する評価工程と、
    を含む、請求項1に記載の推定方法。
  3. 前記式が、重回帰分析により得られた重回帰式又はPLSにより得られた予測式であることを特徴とする、請求項2に記載の推定方法。
  4. 本発明の好ましい実施の形態では、前記の幸福実感の表れた顔の度合いは、頬のリフトアップの程度、口周りの立体感、肌色の均一性、肌の滑らかさ、目周りの明るさの少なくとも何れかの度合いを含む、請求項1~3の何れか一項に記載の推定方法。
  5. 前記顔画像データは、顔の部位又は全顔の顔画像データである、請求項1~4の何れか一項に記載の推定方法。
  6. 前記顔画像データはカラー顔画像データであり、前記空間周波数は、前記カラー顔画像データのRGB、BWの少なくとも何れかのカラーチャネルデータから得られる空間周波数である、請求項1~5の何れか一項に記載の推定方法。
  7. 前記空間周波数は、顔画像のRGB、BWのカラーチャネルデータのうち、複数のカラーチャネルデータから得られる空間周波数である、請求項6に記載の推定方法。
  8. 前記空間周波数の空間周波数域(cycle/image-width)は、画像長が1024ピクセルの画像のとき、0~512cycle/image-widthである、請求項1~7の何れかに記載の推定方法。
  9. 対象者に任意の刺激(だたし、医療行為は除く)を適用する適用工程と、
    前記適用工程前に取得した、請求項1~8の何れか一項に記載の推定方法により推定した幸福実感の表れた顔の度合いと、前記適用工程後の幸福実感の表れた顔の度合いの変化の程度を測定する測定工程と、
    前記測定工程の結果に基づき、幸福実感の表れた顔の度合いの上昇がみられる場合に、前記対象者に適した刺激であると判定する判定工程と、
    を有することを特徴とする、対象者に適した刺激の選択方法。
  10. 顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔の評価値との相関関係に基づく、肌状態改善剤のスクリーニング方法。
  11. 肌に物質を適用する適用工程と、
    前記適用工程前に取得した、請求項1~8の何れか一項に記載の推定方法により推定した幸福実感の表れた顔の度合いと、前記適用工程後の幸福実感の表れた顔の度合いの変化の程度を測定する測定工程と、
    前記測定工程の結果に基づき、幸福実感の表れた顔の度合いの上昇率が高い肌状態改善剤ほど、優れた肌状態改善剤であると判定する判定工程と、
    を有することを特徴とする、請求項10に記載のスクリーニング方法。
  12. カラー顔画像データのRGB、BWのカラーチャネルのデータのうち、任意のチャネルから得られるデータを単独で、或いは組み合わせで得られる空間周波数の強度を算出する空間周波数算出手段と、
    予め用意した、顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔との相関関係を示す式又はモデルに、前記算出した空間周波数の強度を適用して、対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを評価する評価手段と、
    を備える、推定装置。
  13. コンピュータを、
    カラー顔画像データのRGB、BWのカラーチャネルのデータのうち、任意のチャネルから得られるデータを単独で、或いは組み合わせで得られる空間周波数の強度を算出する空間周波数算出手段と、
    予め用意した、顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔との相関関係を示す式又はモデルに、前記算出した空間周波数の強度を適用して、対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを評価する評価手段と、
    として機能させるための、推定プログラム。
  14. 顔画像データから得られる空間周波数の強度と幸福実感の表れた顔の評価値との相関関係を、入力情報として記憶する記憶部と、
    前記相関関係を教師データとして、対象者の顔画像データから該対象者の幸福実感の表れた顔の度合いを推定するための変数が機械学習された学習済みモデルを生成する学習部と、
    を備える、学習装置。

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