JP2014217405A - 多針ミシンの上糸掛け装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フック部材のストローク長を長くしながらも、フック部材がミシンフレームに干渉しないようにする。
【解決手段】針棒ケース2の下部には糸保持部材6が設けられている。フック部材26は、縫針5から被縫製物へと延びる上糸を引掛けるためのフック部26aを先端に有し、フック部26aが糸保持部材6の後方に位置する待機位置と上死点位置にある縫針5の下方に位置する突出位置との間で糸保持部材6の間を通り抜けて往復動作するように構成されており、駆動装置13,21によって往復駆動される。案内部材24は往復動作するフック部材26を案内面25に沿って案内する。案内面25は、後方に延びる水平部25bと、前方に傾斜して延びる傾斜部25aとを有する。フック部材26は、可撓性を持ち、案内面25に沿って変形して案内される。水平部25bはミシンフレームMの下方にて延びるように配置でき、フック部材26のストローク長を長くできる。
【選択図】 図2
【解決手段】針棒ケース2の下部には糸保持部材6が設けられている。フック部材26は、縫針5から被縫製物へと延びる上糸を引掛けるためのフック部26aを先端に有し、フック部26aが糸保持部材6の後方に位置する待機位置と上死点位置にある縫針5の下方に位置する突出位置との間で糸保持部材6の間を通り抜けて往復動作するように構成されており、駆動装置13,21によって往復駆動される。案内部材24は往復動作するフック部材26を案内面25に沿って案内する。案内面25は、後方に延びる水平部25bと、前方に傾斜して延びる傾斜部25aとを有する。フック部材26は、可撓性を持ち、案内面25に沿って変形して案内される。水平部25bはミシンフレームMの下方にて延びるように配置でき、フック部材26のストローク長を長くできる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、多針ミシンにおいて、色換え時や縫製終了後などに縫針から被縫製物へと延びる上糸を引掛けて、糸切り後の上糸端を縫針の後方に配置された糸保持部材へと導き込む多針ミシンの上糸掛け装置に関する。
下記特許文献1には、従来の多針ミシンの上糸掛け装置の一例が開示されている。周知のように多針ミシンのミシンヘッドは、ミシンフレームの前面に固定されたアームと、アームの前面に横方向のスライド可能に支持された針棒ケースより構成してあり、針棒ケースには下端に縫針が固定された複数の針棒が上下動可能に支持してある。針棒ケースの下部には糸保持部材が設けてある。糸保持部材は針棒ケースの幅に略対応する長さの受けフレームと、受けフレームの受け部にスペーサを介して平行に固定された蓋板とを備えており、受け部と蓋板の対向する面にはそれぞれ植毛シートが貼付してある。糸保持部材の背部にはアームに固定された上糸掛け装置が配置してある。上糸掛け装置には、先端部にフック部が形成されたフック部材が前後のスライド可能に設けてあるとともに、フック部材をスライド駆動するモータが設けてある。モータとフック部材はリンク機構を介して連結してあり、モータの駆動によってフック部材が待機位置と突出位置との間で往復駆動する。このフック部材の突出位置への前進時に、その先端のフック部が糸保持部材の受け部と蓋板との間を通り抜ける。
下記特許文献1の上糸掛け装置では、例えば選択されている針棒を切り換える色換え時や、刺繍などの縫製終了後に糸切りが行われると、モータを駆動して待機位置にあるフック部材を突出位置へと前進する。この前進時にフック部材の先端のフック部は糸保持部材の受け部と蓋板との間を通り抜ける。そして、フック部材が突出位置に到達すると、縫針から垂れ下がっている上糸がフック部の内側に入り込んだ状態となる。次に、フック部材を待機位置へと復動する。これにより、上糸がフック部に引掛けられて後方へ引き込まれ、フック部材が待機位置に復帰すると上糸が受け部と蓋板との間で対向する植毛シートによって保持された状態となる(特許文献1の図6(c)参照)。なお、この時点では上糸端は受け部と蓋板との間を通り抜けておらず、糸保持部材の前方に位置している。そして、その後の針棒の選択動作のために針棒ケースがスライドされると、糸保持部材は針棒ケースに固定してあるため針棒ケースと一緒にスライドする。一方で、上糸掛け装置はアームに固定してあり、フック部材はスライドしない。このため、フック部に引掛けられた上糸は針棒ケースのスライドに伴って引張られ、上糸端が受け部と蓋板との間を通り抜けてフック部から外れ、上糸端が糸保持部材の後方に垂れ下がった状態(特許文献1の図6(c)の想像線に示す状態)で糸保持部材に保持されることとなる。
上記特許文献1の多針ミシンの上糸掛け装置では、フック部材が突出位置から待機位置に復帰した時点においては、上糸端は糸保持部材の前方に位置している。そして、針棒の選択動作のために針棒ケースがスライドされることにより、上糸端が糸保持部材の受け部と蓋板との間を通り抜けてフック部から外れ、上糸端が糸保持部材の後方に垂れ下がった状態となる。このため、選択されている針棒、又は、その隣の針棒の糸の種類によって、特に何れかが太糸と呼ばれる径の太い糸の場合には針棒ケースがスライドされたときに、フック部に引掛けられている上糸が糸保持部材に保持されている隣接する上糸と絡まることがある。この隣接する上糸同士が絡まると、縫い出し時に選択された針棒以外の上糸も引き出されて被縫製物上に放り出され、一緒に縫製されることがあった。また、隣接する上糸同士が絡まることにより、縫い出し時に糸保持部材から解放されるべき上糸が糸保持部材から解放されずに、縫い出し部の被縫製物上に非常に長い上糸が残ることがあった。
これを解決するには、フック部材が突出位置から待機位置に復帰したときに、上糸端が受け部と蓋板との間を通り抜けて糸保持部材の後方に垂れ下がった状態で糸保持部材に保持されるようにするとよい。それには、フック部材のストローク量を増やして待機位置をより上方にする必要がある。そのために、モータとフック部材を連結しているリンク機構を変更することが考えられる。しかしながら、このようにしてフック部材のストロークを増やしたとしても、上糸掛け装置の後方上部に位置するミシンフレームに干渉することとなる。従って、フック部材のストロークを増やすことはできない、
下記特許文献2には、従来の多針ミシンの上糸掛け装置の別の形態が開示されている。特許文献2の上糸掛け装置は、モータとフック部材がラック・アンド・ピニオン形式にて連結されている。この上糸掛け装置の構成であれば、フック部材に設けられたラックの全長を長くすることによってフック部材のストロークを増やすことができる。しかしながら、該特許文献2中には特に記載されてはいないが、上記特許文献1と同様に上糸掛け装置の後方上部にはミシンフレームが位置しているため、ラックの全長を長くするとミシンフレームに干渉することとなり、該特許文献2においてもフック部材のストロークを増やすことはできない。
なお、特許文献2の上糸掛け装置では、糸切りを行う前にフック部材を作動して縫針から被縫製物に延びる上糸を引掛けた後に中間位置に停止し、上糸を縫針より後方に引き寄せた後に糸切りを行うようになっている。これにより、縫針から先に残る上糸残長を長くすることができる。そして、中間位置は任意に設定でき、縫針から先に残る上糸残長も任意に変更できるようになっている。但し、この場合では縫針から先に残る上糸残長がより長くなるため、隣接する上糸同士が絡まり易くなる。
多針ミシンの上糸掛け装置の後方上部にはミシンフレームが位置しており、従来の多針ミシンの上糸掛け装置では、フック部材をミシンフレームと干渉しない範囲でストロークさせるように構成している。このため、フック部材が突出位置から待機位置に復帰した時点においては、上糸端は糸保持部材の前方に位置しており、針棒の選択動作のために針棒ケースがスライドされることによって、上糸端が糸保持部材の後方に垂れ下がった状態となる。この針棒ケースがスライドされたときに、フック部に引掛けられている上糸が糸保持部材に保持されている隣接する上糸と絡まることがある。この隣接する上糸同士が絡まると、縫い出し時に選択された針棒以外の上糸も引き出されて被縫製物上に放り出され、一緒に縫製されることがあった。また、隣接する上糸同士が絡まることにより、縫い出し時に糸保持部材から解放されるべき上糸が糸保持部材から解放されずに、縫い出し部の被縫製物上に非常に長い上糸が残ることがあった。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、フック部材のストローク長を長くとりながらも、該フック部材がミシンフレームに干渉することがないように構成した多針ミシンの上糸掛け装置を提供しようとするものである。
ミシンフレーム(M)に固定されたアーム(1)と、前記アーム(1)の前面において横方向にスライド可能に支持され、下端に縫針を備えた複数の針棒を上下動可能に横方向に配列してなる針棒ケース(2)と、前記針棒ケース(2)の下部に設けられた糸保持部材(6)とを備えた多針ミシンにおいて、本発明に係る多針ミシンの上糸掛け装置(10)は、縫針(5)から被縫製物へと延びる上糸を引掛けるためのフック部(26a)を先端に有し、該フック部(26a)が前記糸保持部材(6)の後方に位置する待機位置と、上死点位置にある縫針(5)の下方に位置する突出位置との間で、前記糸保持部材(6)の間を通り抜けて往復動作するフック部材(26)と、前記フック部材(26)を往復駆動する駆動装置(13,21)と、往復動作する前記フック部材(26)を案内面(25)に沿って案内する案内部材(24)と、を備え、前記案内部材(24)の前記案内面(25)は、後方に延びる水平部(25b)を有し、前記フック部材(26)は可撓性を持ち、前記案内面(25)に沿って変形して案内され得ることを特徴とする。なお、括弧内に示した符号は、後述する実施例における図面参照番号を示し、理解を容易にするための単なる参考として示すものである。
これによれば、フック部材(26)は可撓性を持ち、案内部材(24)の案内面(25)に倣って変形する(撓む)ため、案内部材(24)の案内面(25)の水平部(25b)に位置するフック部材(26)の部分は、該水平部(25b)に倣って水平となる。このため、フック部材(26)のストローク長を長くしても上糸掛け装置の後方上部に位置するミシンフレームなどと干渉することがない。すなわち、案内部材(24)の案内面(25)の水平部(25b)は、水平であるが故に、ミシンフレーム(M)の下方に入り込んで延びるように配置することができ、これにより、水平部(25b)の長さを長くして、フック部材(26)のストローク長を長くすることができる。このように、フック部材(26)のストローク長を長くすることができることにより、待機位置を従来よりもより後方に設定できるので、フック部材(26)が突出位置から待機位置に復帰したときに、上糸端が糸保持部材(6)を通り抜けて糸保持部材(6)の後方に垂れ下がった状態で保持されるようにすることができることとなる。これにより、針棒の選択動作のために針棒ケース(2)が横方向にスライドされても、隣接する上糸同士が絡まることがなく、特に太糸を使用する刺繍などの縫製を綺麗に仕上げることができることとなる。
一例として、前記駆動装置(13,21)は、駆動源(13)と、該駆動源(13)の駆動に応じて往復回転する複数の歯を備えた回転体(21)とを備え、前記フック部材(26)には前記回転体(21)の歯と係合する係合孔(26b)が該フック部材(26)のストローク長に対応して複数形成してある構成とするとよい。これにより、フック部材(26)を軽量とすることができるだけでなく、フック部材(26)が案内部材(24)の案内面(25)に倣って撓い易くなるため、フック部材(26)の往復動作がスムーズに行われることとなる。
図1には、本発明の一実施例に係る多針ミシンの上糸掛け装置を適用したミシンヘッドHの側面図が示してある。ミシンヘッドHは、ミシンフレームMに固定されたアーム1と、該アーム1の前面において横方向にスライド可能に支持された針棒ケース2とを具備する。なお、図示例では、横方向のスライド運動が直線状をなすような針棒ケース2を示しているが、これに限らず、横方向のスライド運動が円弧状をなすような針棒ケースであっても、本発明を適用することができる。ミシンヘッドHの下方には針板3が設けてあり、針板3の下方には回転駆動される図示しない周知の釜が設けてある。アーム1には図示しないミシン駆動モータによって回転駆動されるミシン主軸4が貫通して設けてある。針棒ケース2には下端に縫針5が固定された複数の針棒が上下動可能に支持してあり、公知のように、これらの複数の針棒は横方向(スライド方向)に配列されている。公知のように、針棒ケース2は、図示しない色換え機構によってスライドされ、任意の1針棒が選択位置に位置されるようになっており、ミシン主軸4の回転に応じて図示しない駆動機構を介して、該選択された針棒(及びその下端の縫針5)が上下動することとなる。周知のように、この針棒の上下動と釜の協働により縫い動作が行われる。
針棒ケース2の下部には糸保持部材6が設けてある。糸保持部材6は、針棒ケース2の幅に略対応する長さを有し、両端部が針棒ケース2の両側面にブラケット7を介して固定された受け部材8と、受け部材8にスペーサを介して平行に固定された蓋板9とを備えており、受け部材8と蓋板9の対向する面にはそれぞれ図示しない植毛シートが貼付してある。
糸保持部材6の背部(すなわち後方)において、アーム1に固定された1つの上糸掛け装置10が、針棒の選択位置(つまり上下動する1つの選択された針棒の位置)に対応する配置で、設けられている。図2には上糸掛け装置10の分解立体図が示してある。図2に示されるように、上糸掛け装置10は、アーム1の側面に固定されたベース部材11を備えている。ベース部材11にはブラケット12を介して駆動モータ13が固定してある。駆動モータ13のモータ軸には駆動ギヤ14が固定してあるとともに、モータ軸上には駆動ギヤ14を図1において時計方向に付勢するトーションバネ15が設けてある。駆動ギヤ14は、トーションバネ15の付勢によって、常にはブラケット12に固定したストッパ16と当接する図1に示す位置に保持される。ベース部材11には、駆動ギヤ14の半時計方向への回動範囲を規制するもう一つのストッパ17が固定してあり、駆動ギヤ14は駆動モータ13の駆動によって両ストッパ16、17間を往復回動する。
ベース部材11には軸受部材18が固定してある。軸受部材18には、駆動ギヤ14と噛合する従動ギヤ19が一端に形成されたシャフト20が軸支してある。シャフト20の他端側にはスプロケット21、ワッシャー22、及び、カラー23が固定してある。なお、ワッシャー22、カラー23はスプロケット21の回転方向に対する固定位置を調整するときに位置決めを容易にするもので、必ずしも必要ではない。軸受部材18には案内部材24が固定してある。案内部材24は、両側部と上部に案内面(3面の案内面)を有する案内レール25を備えている。案内レール25は、その略中央より前方の部分において、アーム1の下方部背面に沿うように形成した傾斜部25aと、その略中央より後方の部分において、ミシンフレームMの下方において略水平に延びるように形成した水平部25bとを有している。案内部材24には、スプロケット21の歯先の貫通を許容する抜き穴24aが形成してある。案内部材24の案内レール25には、先端部にフック部26aが形成されたフック部材26が摺動可能に嵌合してある。
フック部材26は、傾斜部25aと水平部25bとを有する屈曲した若しくは湾曲した案内レール25に沿って変形して案内され得るように、可撓性を持つ材質からなる。一例として、フック部材26は、平板状で、案内レール24の上方の案内面に倣って変形する(撓う)ような材質及び板厚で成形してある。フック部材26には、スプロケット21の歯と係合する係合孔26bが、スプロケット21の歯と対応するピッチで複数形成してある。そして、駆動ギヤ14が図1に示す位置のときに、フック部材26が図1に破線で示す待機位置となるように、その対応する係合孔26bにスプロケット21の歯が係合してある。なお、係合孔26bと係合するスプロケット21の歯の先端は案内部材24の抜き穴24aに入り込むようになっており、係合孔26bはスプロケット21の歯の根元に近い位置に確実に係合されることとなる。フック部材26は、図1で示すように案内レール25の上方の案内面に倣って変形しており、案内レール25の傾斜部25aでは傾斜した状態となっており、案内レール25の水平部25bでは水平な状態となっている。なお、軸受部材18にはカバー27が固定してある。また、駆動ギヤ14が図3に示す位置のときに、フック部材26は突出位置となる。待機位置においては、フック部材26の先端のフック部26aが糸保持部材6の後方に位置する。突出位置においては、選択された針棒の縫針5が上死点にあり、フック部材26の先端のフック部26aが該上死点にある該縫針5の下方に位置する。
上記構成の上糸掛け装置10によれば、駆動モータ13の駆動によって駆動ギヤ14を往復回動すれば、従動ギヤ19とともにスプロケット21が回転し、フック部材26が図1に示す待機位置と図3に示す突出位置との間で往復駆動される。このフック部材26の突出位置への前進時に、その先端のフック部26aが、糸保持部材6の受け部材8と蓋板9との間を通り抜けるようになっている。
次に本実施例の上糸掛け装置10の動作について説明する。例えば選択されている針棒を切り換える色換え時や、刺繍などの縫製終了後に糸切りを行うとき、図4(a)に示すように選択されている針棒(縫針5)が上死点で停止した後に、上糸掛け装置10の駆動モータ13を駆動して駆動ギヤ14を反時計方向に回動し、フック部材26を待機位置から突出位置へ向けて前進する。この前進時にフック部材26の先端のフック部26aは糸保持部材6の受け部材8と蓋板9との間を通り抜ける。そして、駆動ギヤ14がストッパ17と当接する図3に示す位置まで回動すると、図4(b)に示すようにフック部材26は突出位置に到達して、縫針5から被縫製物Hに延びる上糸Tがフック部26aの内側に入り込んだ状態となる。
次に、駆動ギヤ14を時計方向に回動してフック部材26を突出位置から待機位置へ向けて後退する。これにより、上糸Tがフック部26aに引掛けられて後方へ引き込まれる。そして、図4(c)に示すようにフック部材26を中間位置にて停止し、上糸Tを縫針5より後方に引き寄せた状態で糸切りを行う。このように、上糸Tを縫針5より後方に引き寄せた状態で糸切りを行うことにより、縫針5から先に残る上糸残長を長くすることができることとなる。なお、中間位置は任意に設定でき、縫針5から先に残る上糸残長も任意に変更できるようになっている。
糸切りが行われたら、更に駆動ギヤ14を時計方向に回動してフック部材26を中間位置から待機位置へと後退する。これにより、フック部26aが糸保持部材6の受け部材8と蓋板9との間を通り抜け、フック部26aに引掛けられている上糸Tが受け部材8と蓋板9との間で対向する植毛シートによって保持される。フック部材26は更に後退し、フック部26aに引掛けられている上糸Tが外れ、図4(d)に示すように上糸端(上糸Tの端部)が糸保持部材6の後方に垂れ下がった状態となる。その後、駆動ギヤ14がストッパ16と当接する図1に示す位置まで回動し、フック部材26が待機位置に復帰する。
このとき、フック部材26は案内レール25の上方の案内面に倣って変形しながら往復スライドする。このため、フック部材26の後方部は案内レール25の水平部25bに倣って水平となるため、フック部材26のストローク量を増やしてもミシンフレームMと干渉することがなく、フック部材26が待機位置に復帰したときに確実に上糸端が糸保持部材6を通り抜けて、糸保持部材6の後方に垂れ下がった状態で保持されるように十分なストローク量とすることができる。すなわち、案内レール25の水平部25bは、水平であるが故に、ミシンフレームMの下方に入り込んで長く延びるように配置することができ、これにより、水平部25bの長さを長くして、フック部材26のストローク長を長くすることができる。これにより、針棒の選択動作のために針棒ケース2がスライドされても、隣接する上糸同士が絡まることがなく、特に太糸を使用する刺繍などの縫製を綺麗に仕上げることができることとなる。
本実施例において、フック部材26を往復スライドする駆動機構として、シャフト20に固定したスプロケット21を備え、フック部材26にスプロケット21の歯と係合する係合孔26bを複数形成した構成としたが、フック部材26の後端部に樹脂製のフレキシブルなラックを固定し、シャフト20にラックと噛合するピニオンを備えた構成とするなど、別の形態としてもよい。但し、本実施例の構成であれば、フック部材26を軽量にできるだけでなく、案内レール24の上方の案内面に倣って変形し易くできるため、フック部材26の往復スライドがスムーズに行われることとなる。
また、本実施例で説明した上糸掛け装置10の動作は一例であり、これに限定されるものでない。例えば、縫針5から先に残る上糸残長を長くするため、糸切りを行う前にフック部材26を作動し、フック部材26を中間位置に停止して上糸Tを縫針5より後方に引き寄せた状態で糸切りを行うようにしたが、糸切りを行った後にフック部材26を作動するようにしてもよい。
H ミシンヘッド
M ミシンフレーム
1 アーム
2 針棒ケース
5 縫針
6 糸保持部材
10 上糸掛け装置
13 駆動モータ(駆動装置)
21 スプロケット(駆動装置)
24 案内部材
25 案内レール(案内面)
26 フック部材
26a フック部
M ミシンフレーム
1 アーム
2 針棒ケース
5 縫針
6 糸保持部材
10 上糸掛け装置
13 駆動モータ(駆動装置)
21 スプロケット(駆動装置)
24 案内部材
25 案内レール(案内面)
26 フック部材
26a フック部
Claims (5)
- 多針ミシンの上糸掛け装置(10)であって、
前記多針ミシンは、ミシンフレーム(M)に固定されたアーム(1)と、前記アーム(1)の前面において横方向にスライド可能に支持され、下端に縫針を備えた複数の針棒を上下動可能に横方向に配列してなる針棒ケース(2)と、前記針棒ケース(2)の下部に設けられた糸保持部材(6)とを備えており、
前記上糸掛け装置(10)は、
縫針(5)から被縫製物へと延びる上糸を引掛けるためのフック部(26a)を先端に有し、該フック部(26a)が前記糸保持部材(6)の後方に位置する待機位置と、上死点位置にある縫針(5)の下方に位置する突出位置との間で、前記糸保持部材(6)の間を通り抜けて往復動作するフック部材(26)と、
前記フック部材(26)を往復駆動する駆動装置(13,21)と、
往復動作する前記フック部材(26)を案内面(25)に沿って案内する案内部材(24)と、
を備え、
前記案内部材(24)の前記案内面(25)は、後方に延びる水平部(25b)を有し、前記フック部材(26)は可撓性を持ち、前記案内面(25)に沿って変形して案内され得ることを特徴とする、多針ミシンの上糸掛け装置。 - 前記案内部材(24)の前記案内面(25)は、更に、前方に傾斜して延びる傾斜部(25a)を有する、請求項1に記載の多針ミシンの上糸掛け装置。
- 前記駆動装置(13,21)は、駆動源(13)と、該駆動源(13)の駆動に応じて往復回転する複数の歯を備えた回転体(21)とを備え、前記フック部材(26)には前記回転体(21)の歯と係合する係合孔(26b)が該フック部材(26)のストローク長に対応して複数形成してある、請求項1又は2に記載の多針ミシンの上糸掛け装置。
- 前記フック部材(26)は、細長い板状であり、前記案内部材(24)の前記案内面(25)は、前記フック部材(26)の両側面と上面とに対応する3面でなる、請求項1乃至3のいずれかに記載の多針ミシンの上糸掛け装置。
- 前記案内部材(24)の前記案内面(25)の前記水平部(25b)は、前記ミシンフレーム(M)の下方に入り込んで延びている、請求項1乃至4のいずれかに記載の多針ミシンの上糸掛け装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP3786291A1 (en) | 2014-10-24 | 2021-03-03 | Kikkoman Corporation | Amadoriase having enhanced dehydrogenase activity |
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2013
- 2013-04-30 JP JP2013096084A patent/JP2014217405A/ja active Pending
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