JP2014217103A - 電流差動保護継電装置および送電線保護システム - Google Patents

電流差動保護継電装置および送電線保護システム Download PDF

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Abstract

【課題】演算処理を最小限に抑え、且つ、伝送路の障害が発生した場合や伝送品質が低い場合にも、信頼性が改善された保護継電装置を提供する。
【解決手段】電流差動保護継電装置1−0,2−0は、送電線TLの保護区間の端部に配置され、端部の電流値を互いに伝送し合う。電流差動保護継電装置1−0は、第1伝送路6Aから第1データを受信する第1伝送部1−7Aと、第1伝送路6Aとは異なる第2伝送路6Bから第1データと同じ情報を含む第2データを受信する第2伝送部1−7Bと、第1伝送部1−7Aおよび第2伝送部1−7Bからデータを受信することが可能に構成され、第1データおよび第2データのうちの先着のデータと自端の電流値とを使用した電流差動演算を行なう演算処理部1−10とを備える。第1データおよび第2データは、自端の電流値と同時刻に測定された他端の電流値をともに含む。
【選択図】図1

Description

この発明は、電流差動保護継電装置および送電線保護システムに関し、特に、複数の伝送路を使用し送電線を保護する電流差動保護継電装置および送電線保護システムに関する。
一般に、変電所間の送電線系統では、送電線の保護区間の各端部に電流差動継電装置を配置し、これらの電流差動継電装置間において、検出した電流値を互いに伝送しあい、その二つの電流のベクトル和から保護区間内の事故であるか、保護区間外の事故であるかを判別している。
ディジタル形電流差動保護継電装置では、各地点の情報(電流・電圧など)を伝送路に乗せて、やり取りすることにより、高精度の故障検出を実現している。システムの信頼度を高めるために伝送路を二重化することも行なわれている。
複数の伝送路を使用している保護リレーシステムにおいて、伝送路に障害があった場合に、保護機能が一時的に成り立たなくなり、無保護期間が発生する。この対策として、伝送路が切断された場合には、健全な伝送路に切り替えを実施する方法が一般的である。この方法の場合、伝送路の切り替えのために保護機能の一時停止が発生する。これを補うための方策として、同機能の保護装置を複数台配置することも考えられるが、保護装置数が増えてしまう。特開2007−236097号公報(特許文献1)は、二重化された伝送路の一方が伝送不良であっても、送電線機能を停止することなく継続可能な電流差動継電装置を開示する。
特開2007−236097号公報
塩山拓人、外1名、"系統保護リレーシステム用IP系ネットワークの信頼度評価"、[online]、平成24年3月29日、電力中央研究所、[平成25年2月25日検索]、インターネット<URL:http://criepi.denken.or.jp/jp/kenkikaku/report/detail/R11032.html>
IP系ネットワークの普及に伴い、専用線の伝送路の代わりに電流差動保護継電装置に使用される伝送路にIP系ネットワークを使用することが検討されている(非特許文献1)。これにより、機器のコストダウンや軽量化などが期待できる。
しかし、保護継電装置では高速動作のために、常に最新のデータを用いた演算を、高精度に実施する必要があり、リアルタイム性も非常に重要である。伝送路にIP系ネットワークを使用した場合に、データ誤りやパケットロスの発生のために、保護リレーの信頼度が低下するという問題がある。また、IP系ネットワーク以外の伝送路を使用した場合にも、同様の問題が発生する。
また、特許文献1に記載の電流差動継電装置では、装置数を増やさずに伝送路、伝送手段、電流差動演算手段を2重化することによって、伝送不良と系統事故の同時発生時にも保護機能の停止を避けているが、演算処理部または、演算能力が2倍必要となる問題がある。
この発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、演算処理を最小限に抑え、且つ、伝送路の障害が発生した場合や伝送品質が低い場合にも、信頼性が改善された電流差動保護継電装置および送電線保護システムを提供することである。
この発明は、要約すると、送電線の保護区間の複数の端部のいずれかに配置され、複数の端部の電流値を互いに伝送し合う電流差動保護継電装置であって、第1伝送路から第1データを受信する第1伝送部と、第1伝送路とは異なる第2伝送路から第1データと同じ情報を含む第2データを受信する第2伝送部と、第1伝送部および第2伝送部からデータを受信することが可能に構成され、第1データおよび第2データのうちの先着のデータと自端の電流値とを使用した電流差動演算を行なう演算処理部とを備える。第1データおよび第2データは、自端の電流値と同時刻に測定された他端の電流値をともに含む。
本発明によれば、演算処理を最小限に抑え、且つ、伝送路の障害が発生した場合や伝送品質が低い場合にも、高信頼の保護継電装置の動作が可能である。
また、伝送路の障害に対しても、障害箇所が複数の場合にも保護の継続が可能である。加えて、複数の伝送路の伝送遅延時間が異なる場合には、自動的にもっとも遅延時間が短い方のデータを用いることが可能であり、高速動作が可能となる。
実施の形態1のリレー保護システムおよび電流差動保護継電装置の構成図である。 図1の電流差動保護継電装置で実行される処理を説明するためのフローチャートである。 2つの伝送路からのデータが同時に到着した場合の受信データテーブルの内容と演算に用いられるデータ群とを示した図である。 2つの伝送路からのデータの到着時刻が異なり、伝送路B系の方が到着時刻が早い場合の受信データテーブルの内容と演算に用いられるデータ群とを示した図である。 図4に示した場合と同様に、伝送路B系の方が到着時刻が早いが途中でB系伝送路に障害発生したときの受信データテーブルの内容と演算に用いられるデータ群とを示した図である。 2つの伝送路からのデータが同時に到着する場合であるが、A系、B系で複数のデータ誤りが発生したときの受信データテーブルの内容と演算に用いられるデータ群とを示した図である。 3端子の場合の送電線の電流差動演算について説明するための図である。 基本的な検討例である3端子での構成図である。 図8に示した検討例の伝送路に障害が発生した場合の電流差動演算の成否について示した図である。 他の検討例である3端子での構成図である。 図10に示した検討例の伝送路に障害が発生した場合の電流差動演算の成否について示した図である。 実施の形態2の送電線保護システムの3端子での構成図である。 図12に示した構成の送電線保護システムの伝送路に障害が発生した場合の電流差動演算の成否について示した図である。 図12に示した送電線保護システムの端子1でのデータ遅延について説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1のリレー保護システムおよび電流差動保護継電装置の構成図である。図1を参照して、電気所1と電気所2間は、送電線TLおよび互いに独立した伝送路6A,6Bで接続されている。伝送路6A,6Bとしては、たとえば、PDH(Plesiochronous Digital Hierarchy)網や、イーサネット(登録商標)網が使用されるが、他のネットワークを使用してもよい。
電気所1は、送電線TLの事故時などに送電線を切り離す遮断器1−2と、送電線TLの電流情報を変換する電流変換器1−3と、電流差動保護継電装置1−0とを含む。
電気所2は、送電線TLの事故時などに送電線を切り離す遮断器2−2と、送電線TLの電流情報を変換する電流変換器2−3と、電流差動保護継電装置2−0とを含む。
電流差動保護継電装置1−0は、入力部1−5と、伝送部1−7Aと、伝送部1−7Bと、処理部1−12と、電流差動演算部1−13と、シーケンス演算部1−14と、出力部1−15とを含む。電流差動保護継電装置を慣例的に端子と呼ぶ場合があるので電流差動保護継電装置1−0を端子1とも表記している。
電流差動保護継電装置2−0(端子2)は、入力部2−5と、伝送部2−7Aと、伝送部2−7Bと、処理部2−12と、電流差動演算部2−13と、シーケンス演算部2−14と、出力部2−15とを含む。
電流差動保護継電装置1−0では、次のように処理が行なわれる。まず、入力部1−5は、送電線TLの電流情報をディジタル変換した後、伝送部1−7A、1−7Bへ電流情報を渡す。伝送部1−7Aは、伝送路A系(6A)を介して電流情報を電流差動保護継電装置2−0とやり取りする。伝送部1−7Bは、伝送路B系(6B)を介して電流情報を電流差動保護継電装置2−0とやり取りする。
また、入力部1−5は、のちに他端の電流値と比較するために、処理部1−12にも電流情報を送信する。
処理部1−12は、入力部1−5、伝送部1−7A、1−7Bからの電流情報等のデータをデータテーブルに格納し、フィルタ処理および選択処理したのち、処理結果を電流差動演算部1−13に渡す。電流差動演算部1−13は、処理部1−12で選択された同時刻の自端の電流情報と、伝送部1−7A,1−7Bのいずれか一方から得られた他端の電流情報とに基づいて電流差動演算を実施し、所定のしきい値に基づいてトリップ判定を行なってその結果をシーケンス演算部1−14に渡す。シーケンス演算部1−14は、遮断器1−2のON/OFF設定や、その他パーソナルコンピュータからの諸設定に基づいて、電流差動演算部1−13によってトリップ判定された結果をトリップ信号TP1として出力させるか否かを決定する。事故判定の場合は、シーケンス演算部1−14は、出力部1−15にトリップ出力TP等を出力させる。トリップ出力TPは、たとえば、単独でまたは他の保護装置の出力と組み合わせて、遮断器1−2の遮断制御に用いられる。
なお、電流差動保護継電装置2−0でも電流差動保護継電装置1−0と同様な処理が行なわれるので、ここでは説明は繰返さない。
図2は、図1の電流差動保護継電装置で実行される処理を説明するためのフローチャートである。図1、図2を参照して、ステップS1A〜S3Aは、伝送路A系に関する受信処理を示し、ステップS1B〜S3Bは、伝送路B系に関する受信処理を示す。これらの処理は、伝送路B系の受信処理を伝送路A系の受信処理よりも先に実行するように順序を入れ替えてもよいし、両方の受信処理を同時並行して行なってもよい。
伝送路A系(6A)、伝送路B系(6B)からデータが各々伝送部1−7A、伝送部1−7Bで受信される。
ステップS1Aでは、伝送部1−7Aが伝送路A系からの受信データが正常であるか確認を実施する。ステップS1Aでデータが正常に受信されている場合にはステップS2Aに処理が進められ、正常に受信されていなかった場合にはステップS3Aに処理が進められる。
ステップS2Aでは、伝送部1−7Aは、処理部1−12中にあるA系データテーブルに受信したデータを保持する。一方、ステップS3Aでは、伝送部1−7Aは、処理部1−12中にあるA系データテーブルは更新しないか、または、データを正しく受信できなかったことをA系データテーブルに書き込む。
ステップS1Bでは、伝送部1−7Bが伝送路B系からの受信データが正常であるか確認を実施する。ステップS1Bでデータが正常に受信されている場合にはステップS2Bに処理が進められ、正常に受信されていなかった場合にはステップS3Bに処理が進められる。
ステップS2Bでは、伝送部1−7Bは、処理部1−12中にあるB系データテーブルに受信したデータを保持する。一方、ステップS3Bでは、伝送部1−7Bは、処理部1−12中にあるB系データテーブルは更新しないか、または、データを正しく受信できなかったことをB系データテーブルに書き込む。
続いて、ステップS1Cにおいて、処理部1−12が、A系データテーブルとB系データテーブルより不到着データを除き、差動電流演算に用いるデータ群を抽出する。そして、ステップS2Cにおいて、電流差動演算部1−13が抽出された最新のデータ群を差動演算電流に用いる。
電流差動演算部1−13は、基本的には、自端の電流値と同時刻における他端の電流値とを比較してその差があらかじめ定められたしきい値を超えた場合に保護区間の送電線に地絡等の事故が発生したと判断する。
図3は、2つの伝送路からのデータが同時に到着した場合の受信データテーブルの内容と演算に用いられるデータ群とを示した図である。
図1の電流差動演算部1−13,2−13は、最新のデータだけではなく、図3中に「電流差動演算に用いるデータ群」と示すように、複数のデータを差動電流演算に用いる。図3に示す例では、5つのデータが演算に用いるデータ群である。また、演算は一定周期(破線で区切る間隔)で実施されており、ある一定期間に到着したデータが次回の差動電流演算に用いられる。たとえば、期間T1で受信されたデータA(1)が期間T2の電流差動演算に用いられる。
送付するデータには、時刻情報(一定の連続する番号、または、全体時刻情報)が付加されている。ここでは、A(t)のtがどのタイミングで取得されたかの時間情報を示す。
電流差動保護継電装置2−0(端子2)は、同じデータ(A(1)=B(1)、A(2)=B(2)、…、A(N)=B(N))を別伝送路である伝送路Aと伝送路Bを介して、電流差動保護継電装置1−0(端子1)に送信している。
また、図1の処理部1−12は、伝送路A系からのデータを保持するデータテーブル、伝送路B系からのデータを保持するデータテーブル、電流差動演算に使用するデータを保持するデータテーブルを含んでおり、これらのデータテーブルの内容が図3に示されている。
図3には、伝送路A経由のデータと伝送路B経由のデータの到着時刻が同時の場合が示されている。期間T1では、処理部1−12中の伝送路A系からのデータテーブルには、データA(−4),A(−3),A(−2),A(−1),A(0)が保持されている。また、処理部1−12中の伝送路B系からのデータテーブルには、データB(−4),B(−3),B(−2),B(−1),B(0)が保持されている。また、処理部1−12は、電流差動演算に用いるデータ群として、伝送路A系からのデータテーブルが保持しているデータA(−4),A(−3),A(−2),A(−1),A(0)を電流差動演算部1−13に出力している。
データテーブルがこのような状態において、期間T1において、電流差動保護継電装置2−0(端子2)から同時刻にデータA(1),B(1)が到着したことが示される。
期間T2では、期間T1の間に到着したデータA(1),B(1)が伝送路A系データテーブルおよび伝送路B系データテーブルにそれぞれ格納される。このとき、一番古いデータA(−4),B(−4)がデータテーブルから消える。処理部1−12は、A系、B系のデータがともに同時にかつ正常に受信されている場合には、A系のデータを電流差動演算部1−13に出力する。したがって、期間T2では、電流差動演算に用いるデータ群にデータA(1)が追加されデータA(−4)は削除されている。
すなわち、図3に示す例では、電流差動保護継電装置2−0(端子2)からの2つの経路を経由する情報が電流差動保護継電装置1−0(端子1)に同時刻に到着しているが、あらかじめ優先する順位を決めた経路(ここでは仮に伝送路A系)からのデータを用いて、演算が実施される。
以降、期間T3〜T6においても、1つ前の期間T2〜T5で受信された伝送路A経由のデータA(2)〜A(5)が電流差動演算に用いられるデータ群にそれぞれ追加されている。
図4は、2つの伝送路からのデータの到着時刻が異なり、伝送路B系の方が到着時刻が早い場合の受信データテーブルの内容と演算に用いられるデータ群とを示した図である。
図4を参照して、期間T11では電流差動保護継電装置2−0(端子2)の伝送路A系からはデータA(−1)が入力され、伝送路B系からはデータB(1)が入力される。伝送路A系からデータB(1)に対応するデータA(1)が入力されるのは、期間T13である。したがって伝送路B系の方が伝送路A系よりもデータが早く到着する。
定常的に伝送路B系の方がデータが先着である場合には、図4の電流差動演算に用いるデータ群としては、処理部1−12は常時伝送部1−7Bからのデータを採用する。先着のデータを使用することにより、遮断器1−2を速やかに制御することが可能となる。
たとえば、同期通信を行ない常時遅延速度が固定の場合であっても、伝送路は独立したルートに敷設するため、工事が完了してみないとどちらの伝送路のデータが先着かわからない場合も多い。このような場合にも本実施の電流差動保護継電装置を使用すれば、自動的に先着のデータが採用されるので、両方の伝送路の通信が正常な場合に最速の制御が可能となる。
なお、図4では、差動電流演算に用いるデータ群としては、到着時間の早いB系からのデータを使用しているが、逆に信頼性を高めるために、遅いA系からのデータ到着を待ってから演算することも可能である。
図5は、図4に示した場合と同様に、伝送路B系の方が到着時刻が早いが途中でB系伝送路に障害発生したときの受信データテーブルの内容と演算に用いられるデータ群とを示した図である。
図5を参照して、期間T21,T22においては、伝送路A系、伝送路B系ともに正常な通信が行なわれているが、期間T23以降は、伝送路B系で障害が発生しデータが到着していない(またはデータに問題がある)様子が示される。
データが未着であるので、期間T24以降は、処理部1−12中の伝送路B系からのデータを格納するデータテーブルは更新されていない。この時、伝送路A系のデータは伝送路B系からのデータよりも到着が遅かったので、処理部1−12は、期間T23で入力されるはずであったデータB(3)に対応するデータA(3)が到着するまで待つことになる。したがって、期間T24、T25では電流差動演算に用いるデータ群も更新されていない。
期間T25において、次に必要なデータA(3)が到着すると、期間T26において、処理部1−12中の伝送路AからのデータテーブルにデータA(3)が保持され、これに応じて処理部1−12は、電流差動演算に用いるデータ群を保持するデータテーブルにもデータA(3)を書き込み、このデータが電流差動演算部1−13に送られる。
期間T26では、処理部1−12が電流差動演算に用いるデータを、A系からB系に最後の1つのみ切り替えて、B(−1),B(0),B(1),B(2),A(3)がデータテーブルに保持されている。この保持されたデータ群が電流差動演算に使用される。
図6は、2つの伝送路からのデータが同時に到着する場合であるが、A系、B系で複数のデータ誤りが発生したときの受信データテーブルの内容と演算に用いられるデータ群とを示した図である。
各データには、誤り検出ビットが付加されており、誤りを受信側で検出することが可能である。処理部1−12はこのような誤り検出処理を併せて行っている。
図6の期間T32では、伝送路B系からのデータB(2)に誤りが検出され、期間T34では、伝送路A系からのデータA(4)に誤りが検出されたことが示されている。
その結果、伝送路B系のデータテーブルの期間T33では、データが更新されておらず、期間T34〜T36では、データB(2)の部分に受信ができなかった旨が書き込まれている。
また、伝送路A系のデータテーブルの期間T35では、データが更新されておらず、期間T36では、データA(4)の部分に受信ができなかった旨が書き込まれている。
このような場合に、処理部1−12は、正常に受信できた先着のデータを採用するので(ただしA系、B系同時着の場合にはA系を採用)、期間T35,T36においては、受信できなかったデータA(4)に代えて正常に受信できたデータB(4)が採用されるので正常に電流差動演算を行なうことができる。
すなわち、図6に示すようなA系、B系の複数のデータに障害が発生した場合であっても、演算に用いるデータとしては、A(1)=B(1)、A(2)=B(2)、…、A(N)=B(N)であるため図3と同じ演算結果となる。
実施の形態1では、処理部1−12は、正常に受信された同着のA系データB系データがあればA系データを採用し、いずれかのデータが遅いか受信でなかったか誤りが検出された場合には、正常に受信された先着のデータを採用する。
これにより、正常時には、応答速度が速く遮断器を制御可能であり、通信異常発生時でも遮断器の制御を継続することが可能となる。
実施の形態1の保護継電装置は、要約すると、送電線TLの保護区間の複数の端部のいずれかに配置され、複数の端部の電流値を互いに伝送し合う電流差動保護継電装置であって、図1に示すように、第1伝送路6Aから第1データを受信する第1伝送部1−7Aと、第1伝送路6Aとは異なる第2伝送路6Bから第1データと同じ情報を含む第2データを受信する第2伝送部1−7Bと、第1伝送部1−7Aおよび第2伝送部1−7Bからデータを受信することが可能に構成され、第1データおよび第2データのうちの先着のデータと自端の電流値とを使用した電流差動演算を行なう演算処理部1−10とを備える。第1データおよび第2データは、自端の電流値と同時刻に測定された他端の電流値をともに含む。
好ましくは、第1伝送部1−7Aおよび第2伝送部1−7Bは、各々が随時伝送遅延時間が変化し得る規格(たとえばイーサネット(登録商標))で通信を行なう。演算処理部1−10は、たとえば図4に示したように時間T15において現時点で受信した先着データB(5)と、過去に時間T11〜T14において受信したデータB(1)〜B(4)とから計測データを抽出した計測データ列を使用する演算を時間T16において実行する。
好ましくは、後に図7および図12に示すように、保護区間の複数の端部は、3以上である。演算処理部1−10は、2以上の他端の電流値を第1伝送路A−1を経由して第1伝送部1−7Aで取得することを試み、並行して2以上の他端の電流値を第2伝送路B−1を経由して第2伝送部1−7Bで取得することを試み、受信に成功した第1伝送路A−1を経由したデータと第2伝送路B−1を経由したデータから、2以上の他端(端子2、端子3)の電流値がすべて揃った場合には、電流差動演算を行なう。この複数の端部を備える場合について実施の形態2で詳述する。
[実施の形態2]
実施の形態1では、送電線の端部が2である例を示して説明した。しかし、本発明は3端子以上の端子構成の場合にも適用が可能であり、実施の形態2では、3端子の例を示して説明する。
この場合には、複数個所の伝送路の障害に対して信頼度の向上が可能であり、かつ、伝送路の遅延時間が異なる場合には、到着が早い(伝送遅延時間の短い)方のデータを自動的に選択して使用し、高速に動作することが可能となる。
図7は、3端子の場合の送電線の電流差動演算について説明するための図である。図7を参照して、送電線TLには第1端から電流I1が流入し、第2端から電流I2が流入し、第3端から電流I3が流入する。この場合、送電線に事故が発生していなければ、理想的にはキルヒホッフの法則によりI1+I2+I3=0が成立する。したがって、各端において同時刻の電流を計測し、I1+I2+I3が所定のしきい値以下であるか否かによって送電線に事故が発生したか否かを各端の電流差動保護継電装置は判断する。
図8は、基本的な検討例である3端子での構成図である。図8を参照して、電流差動保護継電装置1−0Y(端子1)は伝送路A−1を使用して各端と電流値の計測データを通信する。電流差動保護継電装置2−0Y(端子2)は伝送路A−2を使用して各端と電流値の計測データを通信する。電流差動保護継電装置3−0Y(端子3)は伝送路A−3を使用して各端と電流値の計測データを通信する。
伝送路A−1、A−2、A−3は、ともに伝送路A系の通信網に接続されている。
図9は、図8に示した検討例の伝送路に障害が発生した場合の電流差動演算の成否について示した図である。
図8、図9を参照して、ケース1は、伝送路A−1、A−2、A−3のいずれにも障害が発生していない場合である。ケース1では、端子1、端子2、端子3の計測データが相互に通信可能であるので、端子1〜3のすべてにおいて差動電流演算が可能である。
ケース2は、伝送路A−2、A−3のいずれにも障害が発生していないが、伝送路A−1に障害が発生した場合である。ケース2では、端子1の計測データが端子2または3に送信できず、また端子2、3のデータが端子1に送信できないので、端子1〜3のすべてにおいて差動電流演算が不可能である。
ケース3は、伝送路A−3には障害が発生していないが、伝送路A−1、A−2に障害が発生した場合である。ケース3では、端子1〜3のいずれも相互の通信ができないので、端子1〜3のすべてにおいて差動電流演算が不可能である。
図10は、他の検討例である3端子での構成図である。図10の構成は、伝送路および電流差動保護継電装置を2重化したものである。
図10を参照して、電流差動保護継電装置1−0A(端子1A)は伝送路A−1を使用して各端と電流値の計測データを通信する。電流差動保護継電装置2−0A(端子2A)は伝送路A−2を使用して各端と電流値の計測データを通信する。電流差動保護継電装置3−0A(端子3A)は伝送路A−3を使用して各端と電流値の計測データを通信する。
伝送路A−1、A−2、A−3は、ともに伝送路A系の通信網に接続されている。
電流差動保護継電装置1−0B(端子1B)は伝送路B−1を使用して各端と電流値の計測データを通信する。電流差動保護継電装置2−0B(端子2B)は伝送路B−2を使用して各端と電流値の計測データを通信する。電流差動保護継電装置3−0B(端子3B)は伝送路B−3を使用して各端と電流値の計測データを通信する。
伝送路B−1、B−2、B−3は、ともに伝送路B系の通信網に接続されている。
電流差動保護継電装置1−0A(端子1A)と電流差動保護継電装置1−0B(端子1B)とは、同じ電気所に設置されている。電流差動保護継電装置2−0A(端子2A)と電流差動保護継電装置2−0B(端子2B)とは、同じ電気所に設置されている。電流差動保護継電装置3−0A(端子3A)と電流差動保護継電装置3−0B(端子3B)とは、同じ電気所に設置されている。
図11は、図10に示した検討例の伝送路に障害が発生した場合の電流差動演算の成否について示した図である。
図10、図11を参照して、ケース1は、伝送路A−1、A−2、A−3、B−1、B−2、B−3のいずれにも障害が発生していない場合である。ケース1では、端子1A、端子2A、端子3Aの計測データが相互に通信可能であり、端子1B、端子2B、端子3Bの計測データが相互に通信可能であるので、端子1A〜3A,1B〜3Bのすべてにおいて差動電流演算が可能である。
ケース2は、伝送路A−2、A−3、B−1、B−2、B−3のいずれにも障害が発生していないが、伝送路A−1に障害が発生した場合である。ケース2では、端子1Aの計測データが端子2A、端子3Aに送信できず、また端子2A、端子3Aのデータが端子1Aに送信できないので、端子1A〜3Aにおいて差動電流演算が不可能である。
一方、ケース2では伝送路B系を使用して端子1B〜3Bは相互に電流計測値の送受信が可能であるため、端子1B〜3Bにおいて差動電流演算が可能である。
ケース3は、ケース2の場合に加えて伝送路A−2に障害が発生した場合である。この場合もケース2と同様に伝送路A系を使用する端子1A〜3Aにおいて差動電流演算が不可能である一方で、伝送路B系を使用する端子1B〜3Bにおいては差動電流演算が可能である。
ケース4は、ケース2の場合に加えて伝送路A−3に障害が発生した場合である。この場合もケース2と同様に伝送路A系を使用する端子1A〜3Aにおいて差動電流演算が不可能である一方で、伝送路B系を使用する端子1B〜3Bにおいては差動電流演算が可能である。
ケース5は、ケース2の場合に加えて伝送路B−1に障害が発生した場合である。この場合は、ケース2と同様に伝送路A系を使用する端子1A〜3Aにおいて差動電流演算が不可能である。さらに、伝送路B系を使用する端子1B〜3Bにおいてもデータの相互通信ができなくなるので、差動電流演算が不可能である。
ケース6,7は、それぞれケース2の場合に加えて伝送路B−2,B−3に障害が発生した場合であるが、これらのケースもケース5の場合と同様に、端子1A〜3A、1B〜3Bのすべてにおいて差動電流演算が不可能である。
図12は、実施の形態2の送電線保護システムの3端子での構成図である。図12の構成は、伝送路を2重化し、各端子として図1に示した電流差動保護継電装置を配置したものである。
図12を参照して、電流差動保護継電装置1−0(端子1)は伝送路A−1および伝送路B−1を使用して各端と電流値の計測データを通信する。電流差動保護継電装置2−0(端子2)は伝送路A−2および伝送路B−2を使用して各端と電流値の計測データを通信する。電流差動保護継電装置3−0(端子3)は伝送路A−3および伝送路B−3を使用して各端と電流値の計測データを通信する。
電流差動保護継電装置1−0(端子1)、電流差動保護継電装置2−0(端子2)、電流差動保護継電装置3−0(端子3)は、図1で説明した電流差動保護継電装置1−0と同様に各々伝送部を2つ有しており、2つの伝送路に対して計測データを送受信することができる。各電流差動保護継電装置の内部の構成は図1で説明したので、ここでは説明は繰返さない。
伝送路A−1、A−2、A−3は、ともに伝送路A系の通信網に接続されている。伝送路B−1、B−2、B−3は、ともに伝送路B系の通信網に接続されている。伝送路A系の通信網と伝送路B系の通信網は、互いに独立した通信網である。
各伝送路A−1〜A−3、B−1〜B−3はそれぞれ伝送遅延時間がある。たとえば、図12に示すように、伝送路A−1、A−2、A−3の遅延時間は、それぞれ、1,5,1単位時間である。また、伝送路B−1、B−2、B−3の遅延時間は、それぞれ、1,1,5単位時間である。またここでは固定の遅延時間である例を示したが、各々の伝送路で遅延時間が変動する場合もある。
図13は、図12に示した構成の送電線保護システムの伝送路に障害が発生した場合の電流差動演算の成否について示した図である。
図12、図13を参照して、ケース1は、伝送路A−1、A−2、A−3、B−1、B−2、B−3のいずれにも障害が発生していない場合である。ケース1では、端子1、端子2、端子3の計測データが相互に通信可能であるので、端子1〜3のすべてにおいて差動電流演算が可能である。
ケース2は、伝送路A−2、A−3、B−1、B−2、B−3のいずれにも障害が発生していないが、伝送路A−1に障害が発生した場合である。ケース2では、端子1は、伝送路A−1を使用することはできないが、代わりに伝送路B−1を使用することによって計測データを端子2、端子3に送信でき、また端子2、端子3のデータを伝送路B−1を経由して取得できるので、端子1〜3において差動電流演算が可能である。
ケース2では、端子1は伝送路B系を使用して端子2および端子3とデータの授受を行ない、端子2と端子3の間の通信は伝送路A系、伝送路B系の遅延時間の短い方で通信が行なわれる。
ケース3は、ケース2の場合に加えて伝送路A−2に障害が発生した場合である。この場合は、端子3しか伝送路A系に接続されていないので、伝送路A系では、データの通信ができなくなる。しかし、伝送路B系に接続された伝送路B−1、B−2、B−3のいずれにも障害が発生していないので、伝送路B系を用いて端子1〜3は相互の通信を行なうことができる。
ケース4は、ケース2の場合に加えて伝送路A−3に障害が発生した場合である。この場合は、端子2しか伝送路A系に接続されていないので、伝送路A系では、データの通信ができなくなる。しかし、伝送路B系に接続された伝送路B−1、B−2、B−3のいずれにも障害が発生していないので、伝送路B系を用いて端子1〜3は相互の通信を行なうことができる。
ケース5は、ケース2の場合に加えて伝送路B−1に障害が発生した場合である。この場合は、端子1は、伝送路A系、伝送路B系のいずれとも通信不可能となるため、端子1〜3の間で相互のデータ通信ができなくなるので、差動電流演算が不可能である。
ケース6は、ケース2の場合に加えて伝送路B−2に障害が発生した場合である。伝送路A−1に障害が発生しているので、端子1は伝送路B系を使用して他の端子のデータを収集する。伝送路B−2に障害が発生しているので、端子2は伝送路A系を使用して他の端子にデータを送信する。
ケース6の場合であれば、端子3の計測データは、伝送路B−3、伝送路B系通信網、伝送路B−1を順に経由して端子1に送信される。また、端子2の計測データは、伝送路A−2、伝送路A系通信網、伝送路A−3を経由して端子3に送信され、その後伝送路B−3、伝送路B系通信網、伝送路B−1を順に経由して端子1に送信される。
なお、ケース6の場合は、端子3は、伝送路A−3を使用して伝送路A系通信網と通信可能であり、かつ伝送路B−3を使用して伝送路B系通信網と通信可能である。そこで、端子3が伝送路B系通信網を経由して端子1の計測データを取得し、伝送路A系通信網を経由して端子2の計測データを取得して、差動電流演算を行なって、その判定結果を端子1、端子2に送信するようにしてもよい。
ケース7は、ケース2の場合に加えて伝送路B−3に障害が発生した場合である。伝送路A−1に障害が発生しているので、端子1は伝送路B系を使用して他の端子のデータを収集する。伝送路B−3に障害が発生しているので、端子3は伝送路A系を使用して他の端子にデータを送信する。
ケース7の場合であれば、端子2の計測データは、伝送路B−2、伝送路B系通信網、伝送路B−1を順に経由して端子1に送信される。また、端子3の計測データは、伝送路A−3、伝送路A系通信網、伝送路A−2を経由して端子2に送信され、その後伝送路B−2、伝送路B系通信網、伝送路B−1を順に経由して端子1に送信される。
なお、ケース7の場合は、端子2は、伝送路A−2を使用して伝送路A系通信網と通信可能であり、かつ伝送路B−2を使用して伝送路B系通信網と通信可能である。そこで、端子2が伝送路B系通信網を経由して端子1の計測データを取得し、伝送路A系通信網を経由して端子3の計測データを取得して、差動電流演算を行なって、その判定結果を端子1、端子3に送信するようにしてもよい。
図11と図13とを比較してみると、図12で示した実施の形態2の構成の場合には、伝送路の複数個所で障害が発生しても、図10の構成よりも演算可能なケースが多く、高い信頼性を確保できることがわかる。
また、ここでの伝送路の障害は、継続的なものに限らず、瞬時的、断続的を含む。
図14は、図12に示した送電線保護システムの端子1でのデータ遅延について説明するための図である。図12、図14を参照して、伝送路A系を経由した端子2から端子1までのデータ遅延は、伝送路A−1の遅延時間“1”と伝送路A−2の遅延時間“5”の和であり、遅延時間“6”となる。一方、伝送路B系を経由した端子2から端子1までのデータ遅延は、伝送路B−1の遅延時間“1”と伝送路B−2の遅延時間“1”の和であり、遅延時間“2”となる。通信正常時には先着のデータが採用されるので、結局、端子2から端子1への遅延時間は、短い方である遅延時間“2”となる。
また、伝送路A系を経由した端子3から端子1までのデータ遅延は、伝送路A−1の遅延時間“1”と伝送路A−3の遅延時間“1”の和であり、遅延時間“2”となる。一方、伝送路B系を経由した端子3から端子1までのデータ遅延は、伝送路B−1の遅延時間“1”と伝送路B−3の遅延時間“5”の和であり、遅延時間“6”となる。通信正常時には先着のデータが採用されるので、結局、端子2から端子1への遅延時間は、短い方である遅延時間“2”となる。
このように、正常に通信が行なわれている場合には、常時短い方の遅延時間の伝送ルートが使用されることになる。
たとえば、図10に示したような構成では、伝送路A系では、伝送路A−2(遅延時間=5)が端子1Aの電流差動演算のボトルネックとなり、伝送路B系では、伝送路B−3(遅延時間=5)が端子1Bの電流差動演算のボトルネックとなる。したがって、端子1Aと端子1Bのデータ到着の早い方を採用したとしても、図12に示した実施の形態2の伝送線保護システムよりも動作が遅くなる。
図12、図14に示すように、実施の形態2の送電線保護システムでは、伝送路Aでは、端子2から端子1へのデータの遅延時間は“6”であるが、伝送路Bでは、同データが遅延時間2で端子2から端子1へ到着する。したがって、端子1としては、端子2、3からの情報がそれぞれ遅延時間2で到着し、図10で示す例と比較し、高速な動作が可能となる。
実施の形態2について再び図を参照して総括する。mを3以上の自然数とすると、送電線保護システムは、送電線の保護区間の第1端〜第m端にそれぞれ対応して設けられた第1〜第mの遮断器を遮断するためのトリップ信号を出力する第1〜第mの電流差動保護継電装置を備える。
mは3以上の自然数であれば3より多くてもよい。m=3の場合が図7および図12に示される。この場合、送電線保護システムは、送電線の保護区間の第1端〜第3端にそれぞれ対応して設けられた第1〜第3の遮断器を遮断するためのトリップ信号を出力する第1〜第3の電流差動保護継電装置1−0,2−0,3−0を備える。
電流差動保護継電装置1−0,2−0,3−0の各々は、図1の電流差動保護継電装置1−0に示したように、送電線の対応する端部での計測データを冗長に送受信する第1の伝送部1−7Aおよび第2の伝送部1−7Bと、自端での計測データと第1の伝送部1−7Aおよび第2の伝送部1−7Bで受信された他端での計測データとを用いてトリップ信号を生成するための演算を行なう演算処理部1−10とを含む。第1〜第3の電流差動保護継電装置の各第1の伝送部1−7Aは、第1の通信網A−1、A−2,A−3を経由して送受信を行ない、第1〜第3の電流差動保護継電装置の各第2の伝送部1−7Bは、第2の通信網B−1、B−2,B−3を経由して送受信を行ない、第1の電流差動保護継電装置の演算処理部1−10は、第2〜第3端の各々のデータについて、第1の伝送部1−7Aから第1の通信網A−1を経由した受信と、第2の伝送部1−7Bから第2の通信網B−1を経由した受信とを行ない、成功した受信によって得た他端での計測データを用いて演算を行なう。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,2 電気所、1−2,2−2 遮断器、1−3,2−3 電流変換器、1−0,2−0,3−0 電流差動保護継電装置、1−5,2−5 入力部、1−7A,1−7B,2−7A,2−7B 伝送部、1−10,2−10 演算処理部、1−12,2−12 処理部、1−13,2−13 電流差動演算部、1−14,2−14 シーケンス演算部、1−15,2−15 出力部、6A,6B,A−1〜A−3,B−1〜B−3 伝送路、TL 送電線。

Claims (7)

  1. 送電線の保護区間の複数の端部のいずれかに配置され、前記複数の端部の電流値を互いに伝送し合う電流差動保護継電装置であって、
    第1伝送路から第1データを受信する第1伝送部と、
    前記第1伝送路とは異なる第2伝送路から前記第1データと同じ情報を含む第2データを受信する第2伝送部と、
    前記第1伝送部および前記第2伝送部からデータを受信することが可能に構成され、前記第1データおよび前記第2データのうちの先着のデータと自端の電流値とを使用した電流差動演算を行なう演算処理部とを備え、
    前記第1データおよび前記第2データは、前記自端の電流値と同時刻に測定された他端の電流値をともに含む、電流差動保護継電装置。
  2. 前記第1伝送部および前記第2伝送部は、各々が随時伝送遅延時間が変化し得る規格で通信を行ない、
    前記演算処理部は、現時点で受信した先着データと、過去に受信したデータとから計測データを抽出した計測データ列を使用する演算を実行する、請求項1に記載の電流差動保護継電装置。
  3. 前記保護区間の前記複数の端部は、3以上であり、
    前記演算処理部は、2以上の他端の電流値を前記第1伝送路を経由して前記第1伝送部で取得することを試み、並行して2以上の他端の電流値を前記第2伝送路を経由して前記第2伝送部で取得することを試み、
    受信に成功した前記第1伝送路を経由したデータと前記第2伝送路を経由したデータから、前記2以上の他端の電流値がすべて揃った場合には、前記電流差動演算を行なう、請求項1または2に記載の電流差動保護継電装置。
  4. 送電線の保護区間の第1端に設けられた第1遮断器を遮断するための第1トリップ信号を出力する第1電流差動保護継電装置と、
    前記送電線の第2端に設けられた第2遮断器を遮断するための第2トリップ信号を出力する第2電流差動保護継電装置とを備え、
    前記第1電流差動保護継電装置は、
    前記第2電流差動保護継電装置から第1伝送路を用いて前記第2遮断器の付近の前記送電線の状態を計測した計測データと計測時刻を示す時刻データを含む第1データを受信する第1伝送部と、
    前記第2電流差動保護継電装置から前記第1伝送路とは別の第2伝送路を用いて前記第1データと同じ計測データおよび時刻データを含む第2データを受信する第2伝送部と、
    前記第1データおよび前記第2データのいずれか一方を選択し、選択した前記一方に含まれる計測データと同時刻における前記第1遮断器付近の前記送電線の状態を計測した計測データとを用いて前記第1トリップ信号を生成するための演算を行なう演算処理部とを含み、
    前記演算処理部は、前記第1データと前記第2データのうち先着の情報を使用して前記演算を行なう、送電線保護システム。
  5. nを2以上の自然数とすると、
    前記第1伝送部は、等間隔の計測時刻である第1時刻〜第n時刻に対応する前記第1データを前記第2電流差動保護継電装置から受信し、
    前記第2伝送部は、前記第1時刻〜前記第n時刻に対応する前記第2データを前記第2電流差動保護継電装置から受信し、
    前記演算処理部は、前記第1時刻〜前記第n時刻の各々について前記第1データおよび前記第2データのうち先着の情報から前記計測データを抽出した計測データ列を用いて前記演算を行なう、請求項4に記載の送電線保護システム。
  6. 前記第1伝送部および前記第2伝送部は、前記第2電流差動保護継電装置に含まれる第1送信部および第2送信部との間で、各々が随時伝送遅延時間が変化し得る規格で通信を行なう、請求項4または5に記載の送電線保護システム。
  7. mを3以上の自然数とすると、
    送電線の保護区間の第1端〜第m端にそれぞれ対応して設けられた第1〜第mの遮断器を遮断するためのトリップ信号を出力する第1〜第mの電流差動保護継電装置を備え、
    前記第1〜第mの電流差動保護継電装置の各々は、
    前記送電線の対応する端部での計測データを冗長に送受信する第1、第2の伝送部と、
    自端での計測データと前記第1、第2の伝送部で受信された他端での計測データとを用いてトリップ信号を生成するための演算を行なう演算処理部とを含み、
    第1〜第mの電流差動保護継電装置の各前記第1の伝送部は、第1の通信網を経由して送受信を行ない、
    第1〜第mの電流差動保護継電装置の各前記第2の伝送部は、第2の通信網を経由して送受信を行ない、
    前記第1の電流差動保護継電装置の前記演算処理部は、前記第2〜第m端の各々のデータについて、前記第1の伝送部から前記第1の通信網を経由した受信と、前記第2の伝送部から前記第2の通信網を経由した受信とを行ない、成功した受信によって得た前記他端での計測データを用いて前記演算を行なう、送電線保護システム。
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