JP2012055079A - 保護リレー装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明の実施形態は、サンプリングタイミングを合わせることなく、電気量演算を可能とする保護リレー装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
絶対時刻を持つ内部時計と、電気量検出手段により検出される電気量に基づいて電気量データを取得し、電気量が検出された絶対時刻を内部時計から取得するサンプリング処理手段と、電気量データ及び絶対時刻を保存する送信データ記憶手段と、他端子に設置された保護リレー装置から受信した、電気量データ及び絶対時刻を保存する受信データ記憶手段と、送信データ記憶部及び受信データ記憶部に保存された電気量データ及び絶対時刻とに基づいて、差動演算を行う差動演算処理手段とを備え、ネットワーク通信手段は、送信データ記憶手段に保存された電気量データ及び絶対時刻を付加した通信フレームを他端子に設置された保護リレー装置に送信することを特徴とする。
【選択図】図3
【解決手段】
絶対時刻を持つ内部時計と、電気量検出手段により検出される電気量に基づいて電気量データを取得し、電気量が検出された絶対時刻を内部時計から取得するサンプリング処理手段と、電気量データ及び絶対時刻を保存する送信データ記憶手段と、他端子に設置された保護リレー装置から受信した、電気量データ及び絶対時刻を保存する受信データ記憶手段と、送信データ記憶部及び受信データ記憶部に保存された電気量データ及び絶対時刻とに基づいて、差動演算を行う差動演算処理手段とを備え、ネットワーク通信手段は、送信データ記憶手段に保存された電気量データ及び絶対時刻を付加した通信フレームを他端子に設置された保護リレー装置に送信することを特徴とする。
【選択図】図3
Description
本発明の実施形態は、保護リレー装置に関する。
電流差動リレーは、送電線保護を目的として、送電線端子間に配置される。この電流差動リレーは、各端子における電流量や電圧量(以下、電気量とする)を演算することによって、系統事故を検出できる。
この電流差動リレーが設置された送電線等の系統事故を検出するための、電気量演算の代表的な一例としては、電流差動演算が挙げられる。電流差動演算は、任意の回路網に対して、流入/流出する電流量の総和はゼロである、というキルヒホッフの電流法則に基づく演算である。
つまり、保護区間の各端子に設置された計器用変圧器、変流器等の計器用変成器(電気量検出部)からの検出値に基づいて、各々に接続された電流差動リレーが電流量データを計測し、これを伝送し合うことにより、電流の総和を演算する。電流量の総和がゼロ以外であれば、電流差動リレーは、保護区間内に事故が発生したと判断する。事故を検出した電流差動リレーは、電力系統から事故区間の切り離しが行われるように、遮断器等へ制御信号を出力する。
上述した電気量演算には各端子の電気量データが必要であり、自端子の電気量データを計測するとともに、他端子に配置された保護リレー装置への専用回線のシリアル通信にて自端子の電気量データを送信している。また、他端子に配置された保護リレー装置からも同様に、専用回線のシリアル通信にて他端子の電気量データを受信している。
この電気量演算においては、各端子における電気量の計測タイミング(サンプリングタイミング)が、高精度に同期している必要がある。これは、サンプリング同期と呼ばれている。また、電気量演算は、同一電気角の電気量データ同士で行う必要もある。このため、各端子に設置された保護リレー装置は、夫々が計測した電気量データに、計測時の電気角を表現するサンプリングアドレスを付加する。
そして、保護リレー装置は、自端子が計測した電気量データと他端子から受信した電気量データとに基づいて、サンプリングアドレスが同一のデータを用いた演算を行っている。
また、専用回線を用いたシリアル通信にて各端子の電気量データの送受信を行う代わりに、イーサネット(登録商標)通信を用いた保護リレー装置も考えられている。つまり、各端子に設置された保護リレー装置をイーサネット通信網に接続し、各保護リレー装置がサンプリング同期された電気量データに基づいて電気量演算を行っている。
ここでのサンプリング同期は、イーサネット通信網に接続された時刻サーバが持つ絶対時刻に、各保護リレー装置が持つ絶対時刻を同期させ、各保護リレー装置同士が通信を行うことによって、サンプリングタイミングを合わせている。
上述したように、ネットワーク通信を用いた保護リレー装置においても、サンプリング同期された電気量データに基づいて電気量演算を行っているが、各保護リレー装置同士を通信させることによって、サンプリングタイミングを合わせる必要があった。
本発明の実施形態は、サンプリングタイミングを合わせることなく、電気量演算を可能とする保護リレー装置を提供することを目的とする。
ネットワーク通信手段を介してネットワーク通信網に接続され、電力系統の端子間の電気量差動演算を行うことで電力系統の保護を行う保護リレー装置において、絶対時刻を持つ内部時計と、電気量検出手段により検出される電気量に基づいて電気量データを取得し、前記電気量が検出された絶対時刻を前記内部時計から取得するサンプリング処理手段と、前記サンプリング処理手段により取得された電気量データ及び絶対時刻を保存する送信データ記憶手段と、他端子に設置された保護リレー装置から前記ネットワーク通信手段を介して受信した、電気量データ及び絶対時刻を保存する受信データ記憶手段と、前記送信データ記憶部に保存された電気量データ及び絶対時刻と、前記受信データ記憶部に保存された電気量データ及び絶対時刻とに基づいて、差動演算を行う差動演算処理手段とを備え、前記ネットワーク通信手段は、前記送信データ記憶手段に保存された前記電気量データ及び前記絶対時刻を付加した通信フレームを他端子に設置された保護リレー装置に送信することを特徴とする。
本発明の実施形態における保護リレー装置について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態の保護リレー装置の構成について図1を用いて説明する。図1は、3端子の電力系統の構成と、各端子に設置され、イーサネット接続された保護リレー装置の構成を示す図である。
本実施形態の保護リレー装置の構成について図1を用いて説明する。図1は、3端子の電力系統の構成と、各端子に設置され、イーサネット接続された保護リレー装置の構成を示す図である。
送電線8の各端子に変流器(以下、CTとする)7−1〜7−3が設置され、このCT7−1〜7−3に保護リレー装置1−1〜1−3が接続している。この保護リレー装置1−1〜1−3は、保護制御部2−1〜2−3、イーサ通信部3−1〜3−3を備える。保護制御部2−1〜2−3に備えられた内部時計は、GPS装置6を用いて時刻同期が行われ、夫々の内部時計は同一の絶対時刻を保持している。
保護制御部2−1〜2−3は、接続するCT7−1〜7−3にて検出された電気量に基づいて電気量データを取得する。イーサ通信部3−1〜3−3は、保護制御部2−1〜2−3により取得された電気量データに基づいて、他の保護リレー装置1−1〜1−3のイーサ通信部3−1〜3−3に対して、伝送路4−1〜4−3、イーサネット通信網5を介して、電気量データ及び絶対時刻を送信する。例えば、CT7−1にて検出され、保護制御部2−1にて取得された電気量に基づいた電気量データ及び絶対時刻は、イーサ通信部3−1からイーサ通信部3−2、3−3に対して送信される。
イーサ通信部3−1〜3−3にて受信した電気量データ及び絶対時刻は、保護制御部2−1〜2−3にて差動演算され、演算結果に従って、図示しない遮断器に対して制御信号を出力する。ここで、イーサ通信部3−1〜3−3が送受信する通信フレームフォーマットを図2に示す。図2は、イーサネット通信を用いた場合の通信フレームフォーマットを示す。
「宛先addr」は、通信フレームを送信する宛先の保護リレー装置1−1〜1−3を識別する固有のアドレスを示し、6byteで表わされている。同様に「発信元addr」は、通信フレームを送信した送信元の保護リレー装置1−1〜1−3を識別する固有のアドレスを示し、6byteで表されている。「タイプ」は、イーサネット層の上位プロトコルの種別を示し、2byteで表されており、例えば、IPV4は0800、ARPは0806、SNMPは814C、NetBIOSは8191としている。
「時刻」、「電気量データ」は夫々、自端子のCT7−1〜7−3にて検出され、保護制御部2−1〜2−3にて取得された絶対時刻と電気量データを示し、「時刻」は8byte、「電気量データ」は38〜1492byteで表されている。「電気量データ」の情報量は、通信するデータによって38〜1492byteで適宜変更することが出来る。
また、「時刻1」は「電気量データ1」に対応し、「電気量データ1」が取得された絶対時刻を示しており、以下「時刻2」〜「時刻n」も同様に、夫々「電気量データ2」「電気量データn」に対応している。「FCS」は、データに損失があるか否かを判断するためのフレームチェックシーケンスコードを示しており、4byteで表される。
次に、本実施形態の保護リレー装置の動作について、図3を用いて説明する。図3は、保護リレー装置1−1の構成と信号の流れを示すブロック図である。前述したように保護リレー装置1−1は、保護制御部2−1、イーサ通信部3−1を備えており、この保護制御部2−1は、サンプリング処理部9、内部時計10、全端子データ記憶部11、差動演算処理部12を備えている。
サンプリング処理部9は、CT7−1にて検出された電気量を事前に設定されたサンプリング周期にてサンプリングを行い、サンプリングを行った絶対時刻を内部時計10から取得する。さらに、A/D変換を行い、電気量データと絶対時刻とを全端子データ記憶部11の送信データバッファ11−1に送信する。
全端子データ記憶部11は、送信データバッファ11−1、受信データバッファ11−2から構成される。送信データバッファ11−1は、サンプリング処理部9から受信した電気量データと絶対時刻とをバッファへ保存し、受信データバッファ11−2は、他イーサネット通信網5、イーサ通信部3−1を介して、端子に設置された保護リレー装置1−2、1−3から他端子で取得された電気量データと絶対時刻とをバッファとして保存する。
差動演算処理部12は、送信データバッファ11−1、受信データバッファ11−2にてバッファとして保存された、自端子と他端子における電気量データと絶対時刻とに基づいて、差動演算を行う。
イーサ通信部3−1は、全端子データ記憶部11の送信データバッファ11−1に保存された電気量データ及び絶対時刻を、イーサネット通信網5を介して他端子に設置された保護リレー装置1−2、1−3に送信する。さらに、保護リレー装置1−2、1−3から送信された電気量データ及び絶対時刻を受信し、受信データバッファ11−2に保存する。
ここで、送信データバッファ11−1及び受信データバッファ11−2に保存されるデータの一例を図4及び図5に示す。図4は、送信データバッファ11−1に保存された絶対時刻と受信データバッファ11−2に保存された絶対時刻が同一の場合である。図5は、送信データバッファ11−1に保存された絶対時刻と受信データバッファ11−2に保存された絶対時刻が異なる場合である。
図4において、(a)は送信データバッファ11−1に保存されているデータを示し、(b)は受信データバッファ11−2に保存されているデータを示している。「データインデックス」はデータのインデックス番号を示し、「絶対時刻」は電気量データをサンプリングした絶対時刻を示し、「電気量データ」はサンプリングした値を示している。ここで、「電気量データ」は、システムに応じて任意となるが、例えば、電流値、電圧値に対応した値である。
また、ここでは電気角0.2度(約11マイクロ秒11ナノ秒)間隔でサンプリングした電気量を65536ブロック分準備したバッファ領域で表記している。なお、バッファ量は必要分解能や保持期間に応じて任意に決定可能である。また、受信した「絶対時刻」「電気量データ」は、「データインデックス」が小さい順に格納され、この「データインデックス」の値が65535まで達した場合は、0に戻って事前に格納された値に最新の値を上書きする。
そして、差動演算処理部12は、この送信データバッファ11−1及び受信データバッファ11−2とから差動演算を行う。つまり、「絶対時刻」が同一となる、送信データバッファ11−1の「電気量データ」と受信データバッファ11−2の「電気量データ」との差動演算を行い、その差が事前に設定された値以上であれば保護区間内に事故が発生していると判断し、図示しない遮断器に対して制御指令を出力する。
図5も前述した図4と同様の「データインデックス」「絶対時刻」「電気量データ」に加え、「近似絶対時刻」をバッファとして保存している。図5(a)の送信データバッファ11−1及び、図5(b)の受信データバッファ11−2では、絶対時刻の有効桁1マイクロ秒桁を四捨五入している。
そして、差動演算処理部12は、「近似絶対時刻」が同一となる、送信データバッファ11−1の「電気量データ」と受信データバッファ11−2の「電気量データ」との差動演算を行い、その差が事前に設定された値以上であれば保護区間内に事故が発生していると判断し、図示しない遮断器に対して制御指令を出力する。
さらに、図1に示すような3端子の電力系統の場合、保護リレー装置1−1が受信した通信フレームが、保護リレー装置1−2から送信された通信フレームか、保護リレー装置1−3から送信された通信フレームかは、通信フレームフォーマットにおける「発信元addr」を参照して判別している。
つまり、例えば図6に示すように、保護リレー装置1−2の「発信元addr」は123.456.7.8、保護リレー装置1−3の「発信元addr」は123.456.7.9と事前に設定しておき、受信した通信フレームにおける「発信元addr」に基づいて受信データバッファ11−2に格納している。
本実施形態によれば、イーサネット通信網に接続された保護リレー装置において、サンプリングされた絶対時刻を付加した電気量データを保護リレー装置間で伝送し合い、その絶対時刻及び電気量データに基づいて差動演算を行うことによって、サンプリングタイミングの同期が不要となり、システム起動時間を短縮することが可能となる。また、電気量のサンプリングタイミング動作も各端子で任意のタイミングにて実施することができ、A/D変換速度に応じたサンプリングデータによる演算が可能となる。
なお、本実施形態では各端子の電気量を検出するための電気量検出部として、CTを用いているが、計器用変圧器(VT、PT)等の差動演算が可能な電気量を検出できれば、適応可能である。
また、本実施形態では、ネットワーク通信の一例として、図2の通信フレームフォーマットを用いたイーサネット通信を使用しているが、UDP/IP通信、TCP/IP通信等でも同様の効果を得ることが可能である。一例としてUDP/IP通信を用いた場合の通信フォーマットを図7に示す。
図7では、イーサネット通信での通信フレームフォーマットの「宛先addr」、「発信元addr」、「タイプ」、「時刻」、「電気量データ」、「FCS」に加え、宛先IPアドレス、発信元IPアドレス、IPフィールドサイズ等の「IPヘッダ」及び、宛先ポート番号、発信元ポート番号、UDPフィールドサイズ等の「UDPヘッダ」が送信される。
また、本実施形態では図5の送信データバッファ11−1及び受信データバッファ11−2に保存されている2つの絶対時刻が同一ではない場合、有効桁1マイクロ秒桁を四捨五入しているが、切捨て、切上げを行っても良い。さらに、送信データバッファ11−1及び受信データバッファ11−2に保存されている2つの絶対時刻の差が、事前に設定された値以下であれば、その絶対時刻にサンプリングされた電気量データを用いて差動演算処理部12において差動演算を行うとしても良い。
また、ここでは電気角0.2度といった高速サンプリングを例にしたが、電気角7.5度、15度のようなサンプリング周期でも、電気量データとサンプリング時刻に基づいてサンプリング間のデータを補間することで、差動演算処理部12において差動演算が可能である。ここで、補間後のサンプリング周期は、電気角0.3度以下であることが望ましい。
また、保護リレー装置が通信フレームを受信するフレーム受信処理は、従来の保護リレー装置と同様に、電力系統の端子数と同じ回数実施するが、通信フレームを送信するフレーム送信処理は、「宛先addr」をマルチキャストアドレスまたはブロードキャストアドレスとして配信することで、フレーム送信処理の実施回数を低減することが可能である。
ここで、保護区間が異なる複数の保護リレー装置が1つのネットワーク上に接続される場合は、マルチキャスト配信にして別の保護区間の保護リレー装置に通信フレームを配信されないようにできる。1つの保護区間で閉じたネットワーク内であれば、ブロードキャスト配信でもよい。
(第2の実施形態)
本実施形態の保護リレー装置の構成について図8を用いて説明する。第1の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、説明は省略する。図8は、2端子の電力系統に設置された第1の実施形態に示す保護リレー装置において、冗長構成をとる場合を記している。ここで、端子aにおいて、保護リレー装置を2重化し、端子bにおいて保護リレー装置のイーサ通信部を2重化した例である。
本実施形態の保護リレー装置の構成について図8を用いて説明する。第1の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、説明は省略する。図8は、2端子の電力系統に設置された第1の実施形態に示す保護リレー装置において、冗長構成をとる場合を記している。ここで、端子aにおいて、保護リレー装置を2重化し、端子bにおいて保護リレー装置のイーサ通信部を2重化した例である。
端子aでは、保護リレー装置1−1を運用モード、保護リレー装置1−2を待機モードとしている。運用モードの保護リレー装置1−1が系統保護制御を管轄し、待機モードの保護リレー装置1−2は系統保護制御ロック状態となるが、電気量データサンプリングや端子間データ送受信は運用/待機モードに関わらず実施する。
ここで、待機モードの系統保護制御ロック状態とは、差動演算部にて差動演算を行わない状態や、遮断器に対して制御指令を送信しない状態を指すが、本実施形態では詳細な説明を省略する。
保護リレー装置1−1の内部構成について図9を用いて説明する。第1の実施形態の図3と異なる点は、モード切り替え部13を備える点である。
モード切り替え部13は、保護リレー装置1−1もしくは付随機器/設備の故障検出時、またはこれらの機器のメンテナンスによる停止時に、作業員が行う操作により、モード切り替え指令を受信し、保護リレー装置1−2に対して運用モード切り替え指令を送信する。
運用モード切り替え指令を受信した保護リレー装置1−2は、待機モードから運用モードに切り替える。つまり、系統保護制御ロック状態を解除する。
また、保護リレー装置1−3の内部構成について図10を用いて説明する。第1の実施形態の図3と異なる点は、通信部切り替え部14を備える点である。
通信部切り替え部14は、イーサ通信部3−3に故障が発生した場合やメンテナンスによる停止時に、作業員が行う操作により、通信部切り替え指令を受信し、イーサ通信部3−4に切替える。
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加え、運用/待機モードの冗長構成をとり、それらのモードを切り替えるモード切り替え部13を備えることによって、一方に故障が発生した場合等でも保護機能を維持することが可能となる。また、通信部切り替え部14を備えることによって、保護リレー装置の部分機器のみを冗長化することも可能となる。
さらに、保護リレー装置間においてサンプリングタイミングを同期していないため、冗長機器間では動作タイミングや端子データの同調が不要である。そのため、切り替え時においても状態引継ぎや動作タイミングの合わせこみなどの複雑な制御は不要である。
なお、本実施形態では、運用/待機のモード切り替えにおいては、待機モードの保護リレー装置1−2が保護リレー装置1−1を監視し、不良を検知することでの自立切り替えを行っても良く、図8に示すようにネットワーク上に機器監視サーバ15を設置し、この機器監視サーバ15からネットワーク経由でモード切り替えを制御しても良い。このとき、保護リレー装置1−2または機器監視サーバ15が、保護リレー装置1−1の不良を検知した場合に、モード切り替え手段13に対してモード切り替え指令を出力する。
また、通信部切り替え部14によるイーサ通信部の切り替えも同様に、機器監視サーバ15がイーサ通信部3−1の不良を検出した場合に、通信部切り替え手段14に対して通信部切り替え指令を出力しても良い。
本発明に係る実施形態によれば、サンプリングタイミングを合わせることなく、電気量演算を可能とすることができる保護リレー装置を提供することが可能となる。
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1−1、1−2、1−3…保護リレー装置
2−1、2−2、2−3…保護制御部
3−1、3−2、3−3…イーサ通信部
4−1、4−2、4−3…伝送路
5…イーサネット通信網
6…GPS装置
7−1、7−2、7−3…CT
8…送電線
9…サンプリング処理部
10…内部時計
11…全端子データ記憶部
12…差動演算処理部
13…モード切り替え部
14…通信部切り替え部
15…機器監視サーバ
2−1、2−2、2−3…保護制御部
3−1、3−2、3−3…イーサ通信部
4−1、4−2、4−3…伝送路
5…イーサネット通信網
6…GPS装置
7−1、7−2、7−3…CT
8…送電線
9…サンプリング処理部
10…内部時計
11…全端子データ記憶部
12…差動演算処理部
13…モード切り替え部
14…通信部切り替え部
15…機器監視サーバ
Claims (6)
- ネットワーク通信手段を介してネットワーク通信網に接続され、電力系統の端子間の電気量差動演算を行うことで電力系統の保護を行う保護リレー装置において、
絶対時刻を持つ内部時計と、
電気量検出手段により検出される電気量に基づいて電気量データを取得し、前記電気量が検出された絶対時刻を前記内部時計から取得するサンプリング処理手段と、
前記サンプリング処理手段により取得された電気量データ及び絶対時刻を保存する送信データ記憶手段と、
他端子に設置された保護リレー装置から前記ネットワーク通信手段を介して受信した、電気量データ及び絶対時刻を保存する受信データ記憶手段と、
前記送信データ記憶部に保存された電気量データ及び絶対時刻と、前記受信データ記憶部に保存された電気量データ及び絶対時刻とに基づいて、差動演算を行う差動演算処理手段とを備え、
前記ネットワーク通信手段は、前記送信データ記憶手段に保存された前記電気量データ及び前記絶対時刻を付加した通信フレームを他端子に設置された保護リレー装置に送信する
ことを特徴とする保護リレー装置。 - 前記ネットワーク通信手段は、前記送信データ記憶手段に保存された前記電気量データ、前記絶対時刻に加え、発信元の保護リレー装置固有の発信元アドレスを付加した通信フレームを他端子に設置された保護リレー装置に送信することを特徴とする請求項1記載の保護リレー装置。
- 前記ネットワーク通信手段は、前記送信データ記憶手段に保存された前記電気量データ、前記絶対時刻に加え、宛先の保護リレー装置固有の宛先アドレスを付加した通信フレームを他端子に設置された保護リレー装置に送信することを特徴とする請求項1又は2記載の保護リレー装置。
- 前記宛先アドレスは、複数の保護リレー装置を示し、
前記ネットワーク通信手段は、前記複数の保護リレー装置に対して、前記通信フレームをマルチキャスト送信又はブロードキャスト送信する
ことを特徴とする請求項3記載の保護リレー装置。 - 切り替え指令を受信したことを検出し、前記ネットワーク通信網に接続された待機モードにて運転される保護リレー装置を運転モードに切替えるモード切り替え手段を備える
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の保護リレー装置。 - 複数の前記ネットワーク通信手段と、
通信部切り替え指令を受信したことを検出し、通信フレームを送信する前記ネットワーク通信手段を切り替える通信部切り替え手段とを備える
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の保護リレー装置。
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