JP2014216830A - 画像追尾装置、画像追尾方法及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】被写体の追尾精度を向上させる。【解決手段】画像追尾装置1は、時系列に入力される複数のフレーム画像中の一つのフレーム画像の中から特定被写体の一部を含む追尾領域を抽出する抽出手段22と、一つのフレーム画像とは異なるフレーム画像から抽出された比較領域の各々と追尾領域との間の類似度を各々演算して類似度の組を出力する類似度演算手段(24,25,26)と、類似度を補正する補正手段(32、33,34)と、を備える。補正手段は、基準位置に対応する位置からの各比較領域の距離に関する値と、異なるフレーム画像を生成する際の画角とに基づいて類似度の組を補正する第1の補正部と、第1の位置に対応する位置からの各比較領域の方向に基づいて類似度の組を補正する第2の補正部と、のうち少なくともいずれかを備える。【選択図】 図3

Description

本発明は、画像追尾装置、画像追尾方法及びプログラムに関する。
近年、デジタルカメラにより撮像された画像の中から被写体の一部(例えば「顔」)を抽出し、該被写体の一部を自動的に追尾する技術が提案されている。被写体の追尾の精度を向上させるため、下記特許文献1の技術は、マッチング演算の結果であるスコア値(相関値)を、参照フレーム画像の注目画素領域の位置に対応する現フレーム画像の位置からの距離が小さい位置ほど小さな重み係数を有する相関度補正マップ(図7の6g)で補正する補正手段を備えている。
特開2008−28890号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、様々な撮影状況に対して、追従精度の向上が図れるとは限らなかった。
本発明は、上記事実に鑑みなされたもので、被写体の追尾精度を向上することを目的としてなされたものである。
上記課題を解決するため、本発明は、時系列に入力される複数のフレーム画像内の特定被写体を追尾する画像追尾装置であって、入力された前記複数のフレーム画像のうち一つのフレーム画像の中から、前記特定被写体の少なくとも一部を含む追尾領域を抽出する抽出手段と、前記一つのフレーム画像の次に入力された異なるフレーム画像から比較領域を順次抽出し、該比較領域の各々と前記追尾領域との間の類似度を各々演算して類似度の組を出力する類似度演算手段と、前記類似度の組を補正する補正手段と、前記補正手段により補正された類似度の組に基づいて前記異なるフレーム画像における追尾領域を決定する追尾領域決定手段と、を備え、前記補正手段は、前記一つのフレーム画像の前記追尾領域の位置に対応する前記異なるフレーム画像における基準位置からの前記比較領域の各々の距離に関する値と、前記異なるフレーム画像を生成する際の画角又は画角に関する値とに基づいて前記類似度の組を補正する第1の補正部と、前記異なるフレーム画像における前記基準位置からの前記比較領域の各々の方向に基づいて前記類似度の組を補正する第2の補正部と、のうち少なくともいずれかを備えることを特徴として構成したものである。
時系列に入力される複数のフレーム画像は、撮影時刻の古い順番、新しい順番のいずれの順番に並べられていてもよい。また、複数のフレーム画像は、デジタルカメラの撮像素子等から順次転送されてきた時系列画像であっても、或いは、予めメモリ等に記憶されている時系列画像を読み込むことで取得されてもよい。
本発明では、先ず、抽出手段が、入力された複数のフレーム画像のうち一つのフレーム画像の中から、特定被写体の少なくとも一部を含む追尾領域を抽出する。類似度演算部は、一つのフレーム画像の次に入力された異なるフレーム画像から比較領域を順次抽出し、該比較領域の各々と前記追尾領域との間の類似度を各々演算して類似度の組を出力する。類似度を表す値としては、相関値等が挙げられるが、本発明は、この例に限定されず、異なるフレーム画像において追尾領域を判定可能な類似度を示すものであれば、任意の演算量を用いることができる。また、類似度演算手段は、追尾領域と比較領域とのマッチング方法として、テンプレートマッチングやブロックマッチングなど様々な方法を採用することができるが、これらのマッチング例に限定されるものではない。
補正手段は、類似度の組を補正する。追尾領域決定手段は、補正手段で補正された類似度の組に基づいて異なるフレーム画像における追尾領域を決定する。
本発明の第1の補正部は、抽出手段により抽出された一つのフレーム画像の追尾領域の位置に対応する異なるフレーム画像における基準位置からの比較領域の各々の距離に関する値と、異なるフレーム画像を生成する際の画角とに基づいて類似度の組を補正する。その一例としての第1の距離補正では、比較領域の各々の類似度を、距離に関する値の増加に応じて減少させると共に、画角が大きくなった場合に、該画角が大きくなる前と比較して、距離に関する値の増加に応じて減少された類似度をさらに減少させる。また、その一例としての第2の距離補正では、比較領域の各々の類似度を、距離に関する値の増加に応じて減少させると共に、画角が小さくなった場合に、該画角が小さくなる前と比較して、距離に関する値の増加に応じて減少された類似度を増加させる。第1及び第2の距離補正を両方とも適用するのが好ましいが、いずれか一方を適用してもよい。
ここで、画角は、異なるフレーム画像を生成するときに使用した撮影レンズの焦点距離、及び、クロップ領域のサイズのうち少なくともいずれかに基づいて決定される。補正手段は、「画角又は画角に関する値」として焦点距離の値やクロップ領域のサイズを直接使用して類似度を補正する態様、或いは、焦点距離及びクロップ領域のサイズを撮像素子のサイズを考慮して画角に換算した値若しくは拡大/縮小率に換算した値等を使用する態様のいずれも含んでいる。「画角に関する値」は、「画角」を反映する限り如何なる表現による値も含んでおり、画角を決定する要素の値のみならず、当該要素の様々な表現、当該要素の組み合わせによる様々な表現による値を含んでいる。
また、第1の補正部における、「画角が大きくなった場合」とは、焦点距離が小さくなったことにより、より広角側の画角となった場合、クロップ領域のサイズがより大きくなった場合、或いは、その両方の総合的な効果の結果として画角が広くなった場合のいずれをも含んでいる。一方、「画角が小さくなった場合」とは、焦点距離が大きくなり、より望遠側の画角となった場合、クロップ領域のサイズがより小さくなった場合、或いは、その両方の総合的な効果の結果として画角が狭くなった場合のいずれをも含んでいる。なお、クロップ領域は、撮影時に撮影者が指定することで撮影画面をクロップした場合や、時系列画像から追尾位置の周囲の領域を切り取って新たな動画を生成する場合等、様々な状況で指定され得る。
本発明の第2の補正部は、前記基準位置からの方向が画面横方向範囲にある比較領域の類似度を、前記基準位置からの方向が画面縦方向範囲にある比較領域の類似度に対して相対的に大きくする。この態様は、通常、被写体が水平方向すなわち画面上では横方向範囲に動きやすいという事実を利用したものである。
前記特定被写体の移動方向を決定する移動方向予測手段を更に備えている場合、前記第2の補正部は、前記基準位置からの方向が前記特定被写体の移動方向から所定範囲内にある比較領域の類似度を、前記移動方向から所定範囲外にある比較領域の類似度に対して相対的に大きくする。
好ましくは、前記類似度演算手段は、前記異なるフレーム画像の探索範囲にある比較領域の各々と前記追尾領域との間の類似度を演算するものであり、前記探索範囲は、前記画角又は画角に関する値及び前記特定被写体の移動方向の少なくともいずれかに基づいて決定される。類似度演算の対象となる異なるフレーム画像の範囲を探索範囲に限定することによって、演算量を軽減することができ、処理の高速化が図れる。さらに探索範囲が画角及び前記特定被写体の移動方向の少なくともいずれかに基づいて決定される。例えば、画角が大きくなった場合には、探索範囲のサイズを小さくし、画角が小さくなった場合には、探索範囲のサイズを大きくする。また、探索範囲を被写体の移動方向にずれた位置範囲に設定する。
好ましくは、前記補正手段は、前記異なるフレーム画像を生成する際の画像の振れ量と、前記異なるフレーム画像を生成する際の画角又は画角に関する値とに基づいて、前記類似度の組を補正する第3の補正部を更に備える。
第1、第2及び第3の補正部による補正は、各々単独でも、組み合わせて使用してもよい。
本発明の好ましい態様は、前記異なるフレーム画像における前記比較領域の各々の類似度に基づいて該異なるフレーム画像の追尾領域を検出する追尾領域検出手段と、前記異なるフレーム画像において検出された追尾領域の類似度が所定値より小さい場合、タイムアウト時間を設定する設定手段と、前記タイムアウト時間以内に、次に続く異なるフレーム画像において検出された追尾領域の類似度が前記所定値よりも大きくならない場合は、被写体追尾を中止する処理を行う中止手段と、を備え、前記設定手段は、前記画角が減少したとき、前記タイムアウト時間をより長くし、前記画角が増加したとき、前記タイムアウト時間をより短く設定する。
本発明の上記態様に係るタイムアウト処理では、設定手段は、異なるフレーム画像において検出された追尾領域の類似度が所定値より小さい場合に被写体がフレームアウトしたとみなし、画角に応じたタイムアウト時間を設定し、タイムアウト時間内で追尾を続行させる。設定手段は、画角が減少したとき、タイムアウト時間をより長くし、画角が増加したとき、タイムアウト時間をより短く設定する。このため、被写体がフレームインしたときに再び被写体を捕捉できるチャンスを保持することができる。また、タイムアウト時間を過ぎると、中止手段により、追尾が中止されるため、偽の被写体を長時間に亘って追尾する不具合な状況を回避することができる。
前記画像追尾装置は、デジタルカメラ、デジタルカメラボディ、ビデオカメラ、コンピュータ、画像解析装置、携帯電話、スマートフォン、又は、タブレット型端末に実装されたものとして実現することができる。
本発明の別の態様は、時系列に入力される複数のフレーム画像内の特定被写体を追尾する画像追尾方法であって、入力された前記複数のフレーム画像のうち一つのフレーム画像の中から、前記特定被写体の少なくとも一部を含む追尾領域を抽出する抽出工程と、前記一つのフレーム画像の次に入力された異なるフレーム画像から比較領域を順次抽出し、該比較領域の各々と前記追尾領域との間の類似度を各々演算して類似度の組を出力する類似度演算工程と、前記類似度の組を補正する補正工程と、前記補正工程で補正された類似度の組に基づいて前記異なるフレーム画像における追尾領域を決定する追尾領域決定工程と、を備え、前記補正工程は、前記一つのフレーム画像の前記追尾領域の位置に対応する前記異なるフレーム画像における基準位置からの前記比較領域の各々の距離に関する値と、前記異なるフレーム画像を生成する際の画角又は画角に関する値とに基づいて前記類似度の組を補正する第1の補正工程と、前記異なるフレーム画像における前記基準位置からの前記比較領域の各々の方向に基づいて前記類似度の組を補正する第2の補正工程と、のうち少なくともいずれかを備えることを特徴とする。
好ましい画像追尾方法によれば、前記追尾領域が決定された前記異なるフレーム画像を新たな一つのフレーム画像として、前記抽出工程、前記類似度演算工程、前記補正工程及び前記追尾領域決定工程が繰り返し実行される。これによって、複数のフレーム画像で順次追尾領域が決定される。
本発明の画像追尾方法の各態様は、上記画像処理装置の各態様と同様に提供される。
本発明の更に別の態様は、上記画像処理方法を画像情報処理装置に実行させるためのプログラムとして提供される。当該プログラムは、インターネット等からダウンロードされたものでも、記憶媒体に記憶されたもののいずれでも提供することができる。
以上説明した通り、本発明によれば、被写体の追尾精度を向上させることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る画像追尾装置、画像追尾方法及びプログラムが適用されるデジタルカメラの概略構成図である。 図2は、図1のデジタルカメラの回路ブロック図である。 図3は、図1のデジタルカメラのCPUユニットが本発明の画像追尾方法である被写体追尾モードを実行している場合の機能ブロック図である。 図4は、図3の補正テーブル演算部の機能ブロック図である。 図5は、本発明の実施形態に係る画像追尾装置及び方法の処理の流れを示すフローチャートである。 図6は、本発明の実施形態に係る画像追尾装置の処理の対象となる時系列画像を説明するための図である。 図7は、異なる焦点距離(広角及び望遠)に起因した画角の相違、並びに、相関値に与える距離の評価を説明するための図である。 図8は、焦点距離の相違による、フレーム画像における被写体の存在確率分布の相違を説明するための概念図であって、(A)は基準となる焦点距離を使用した場合、(B)は広角レンズを使用した場合、(C)は望遠レンズを使用した場合における、被写体の存在確率分布を各々示す。 図9は、本発明の実施形態に係る画像追尾装置、方法及びプログラムで使用される、補正テーブルを示す図であって、(A)は基準となる焦点距離を使用した場合、(B)は広角レンズを使用した場合、(C)は望遠レンズを使用した場合における、補正テーブルの具体的な数値例を示す。 図10は、被写体が移動したときのフレーム画像における被写体の存在確率分布を説明するための概念図である。 図11は、被写体の移動方向を反映した補正テーブルの具体的な数値例を示す。 図12は、テンプレートマッチングの概要を説明するための図である。 図13(A)は、テンプレートマッチングによる相関値演算結果の具体的数値例を示し、(B)は、図13(A)の相関値演算結果に、図9(A)の補正テーブルを適用した補正相関値演算の具体的数値例を示す。 図14(A)、(B)及び(C)は、被写体追尾において撮影者による手振れの影響を軽減するための補正テーブルの具体的数値例を示す。 本発明の実施形態に係るタイムアウト処理の流れを示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1には、本発明の実施形態に係る画像追尾装置、画像追尾方法及びプログラムが適用されるデジタルカメラの概略構成図が示されている。
図1に示されるデジタルカメラ10は、カメラボディ11と、カメラボディ11に交換可能に着脱された撮影レンズ12と、を備えている。撮影レンズ12は、カメラボディ11に固定されたものであってもよいが、本実施形態では撮影レンズ12を交換レンズとして説明する。
カメラボディ11は、デジタルカメラ10全体を制御するCPUユニット1と、画像処理ユニット2と、CCDやCMOS等で構成される撮像素子5と、撮像素子5により撮影された画像、撮影情報、各種操作系などを表示するディスプレイ6と、無線通信部9とを備えている。
デジタルカメラ10は、自動的に被写体の合焦を行う自動合焦(AF)を可能としている。その合焦方式としては、例えば、コントラスト式AF、位相差検出式AF、或いは両者を併用した合焦方式が採用される。コントラスト式AFは撮像素子5の出力に基づいて実行される。位相差検出式AFは、図示しないAFセンサモジュール、或いは、撮像素子5に埋め込まれた位相差検出AFセンサを用いて実行される。
撮影レンズ12は、自動合焦を実行するように駆動制御される合焦レンズ群15と、手振れを防止するように駆動制御される防振レンズ群16と、を備えている。なお、本実施形態では、デジタルカメラ10が「光学式手振れ補正機能」を有するものとして説明するが、本発明は、光学式手振れ補正機能が存在しない態様も含んでいる(この場合には、防振レンズ群16は省略される)。本発明は、光学式手振れ補正機能の代わりに、所謂「電子式手振れ補正機能」を含んでいてもよく、或いは、光学式及び電子式の両方の手振れ補正機能を含んでいてもよい。
図2には、デジタルカメラ10の各構成要件の接続態様を示す回路ブロック図が示されている。同図に示されるように、前述したCPUユニット1、画像処理ユニット2、撮像素子5、ディスプレイ6、無線通信部9及び撮像レンズ12は、双方向に通信可能にシステムバス3に接続されている。更に、デジタルカメラ10(カメラボディ11)は、操作インターフェース部7及びメモリカードインターフェース部8を備えている。これらの構成要素も、上記した構成要素と共に双方向に通信可能にシステムバス3に接続されている。
CPUユニット1は、少なくとも、CPU1a、RAM1b、ROM1c、及び、フラッシュメモリ1dを備えている。これらの構成要素は、内部バス1eを介して双方向に通信可能に接続され、内部バス1eは、システムバス3に接続されている。CPU1aは、ROM1c又はフラッシュメモリ1dに予め格納されているプログラムに基づいて所定の処理、例えば後述する本願発明の被写体追尾を実行する。CPU1aは、内部バス1e及びシステムバス3を介して他の構成要素にコマンドを送信することによって、当該他の構成要素を制御する。また、当該他の構成要素からのデータ、例えば画像処理ユニット2から送信された画像データは、システムバス3及び内部バス1eを介してRAM1bに送られ、RAM1bに格納される。また、ROM1cは、例えば、撮像素子5のセンサーサイズ等のデジタルカメラ10に関する情報も格納している。
画像処理ユニット2は、少なくとも、CPU2a、画像バッファ2b、及び、ROM2cを備えている。これらの構成要素は、内部バス2dを介して双方向に通信可能に接続され、内部バス2dは、システムバス3に接続されている。撮像素子5によって取得された画像データは、システムバス3及び内部バス2dを介して、画像バッファ2bに転送される。CPU2aは、ROM2cに格納されているプログラムに基づいて、画像バッファ2bに格納された画像データに対して所定の画像処理、例えばホワイトバランス処理、ガンマ補正処理、レンズ収差の補正処理、ノイズ低減処理、ダイナミックレンジの拡大処理、画像データのリサイズ処理、RAWデータからJPEG等の圧縮データへの変換処理などを実行する。
撮像素子5は、静止画撮影に加え、所定のフレームレートでの連写撮影及び動画撮影が可能な構成とされている。撮影された画像のデータは、システムバス3を介して画像処理ユニット2及びディスプレイ6に転送される。
ディスプレイ6は、撮影された静止画または動画をリアルタイムに表示できる他、記憶媒体に記憶された静止画または動画を再生表示することもできる。さらにディスプレイ6は、タッチパネルセンサを備えていてもよく、撮影者がディスプレイ6に表示された画面上の一部をタッチするだけで、合焦部分を指定できるようにしてもよい。
操作インターフェース部7は、デジタルカメラ10に備えられた図示しないダイヤル、ボタン、タッチパネル等から送られてきた撮影者の操作指令をシステムバス3を介してCPUユニット1に伝達する。CPUユニット1のCPU1aは、操作インターフェース部7から伝達された操作指令に基づいて、システムバス3に接続された各構成要素を制御する。また、操作インターフェース部7は、撮影者により指定されたクロップ領域の位置とサイズをシステムバス3及び内部バス1eを介してCPU1aに伝達する。
メモリカードインターフェース部8は、デジタルカメラ10に挿入されたメモリカード13に記憶されている画像データ、プログラム、ファームウェアなどを読み取ったり、撮像素子5により撮影され、画像処理ユニット2により画像処理された画像データをメモリカード13に書き込むための処理を実行する。また、メモリカードインターフェース部8は、CPUユニット1の指令により、メモリカード13に記憶されているプログラムやファームウェアを、システムバス3を介してCPUユニット1に転送することもできる。CPUユニット1のCPU1aは、転送されてきたプログラム等がフラッシュメモリ1dに書き込まれるようにフラッシュメモリ1dを制御する。CPU1aは、更新されたプログラムやファームウェアにより、所定の処理、例えば本願発明の後述する被写体追尾処理を実行する。
無線通信部9は、例えばWiFi(登録商標)機能を備えており、デジタルカメラ10を無線でインターネットなどのネットワークに接続する際の通信を制御する。例えば、無線通信部9は、CPUユニット1の指令により、インターネット上で提供されるプログラムやファームウェアをダウンロードし、ダウンロードしたプログラム等を、システムバス3を介してCPUユニット1に転送する。CPUユニット1のCPU1aは、転送されてきたプログラム等がフラッシュメモリ1dに書き込まれるようにフラッシュメモリ1dを制御する。CPU1aは、更新されたプログラムやファームウェアにより、所定の処理、例えば本願発明の後述する被写体追尾処理を実行する。
また、無線通信部9は、スマートフォンやタブレット型端末などの携帯通信端末との間の双方向の通信を制御する。例えば無線通信部9は、画像処理ユニット2により画像処理された画像データを携帯通信端末に送信したり、携帯通信端末からの画像データを受信して画像処理ユニット2やディスプレイ6に転送することができる。また、無線通信部9は、携帯通信端末から送られてきたコマンドやプログラムを受信してCPUユニット1に転送する。CPUユニット1は、携帯通信端末から送られてきたコマンドやプログラムに基づいてデジタルカメラ10を制御することもできる。
撮影レンズ12は、CPUユニット1からの指令に応じて撮影レンズ12の後述する各構成要件を制御するレンズCPU12aと、撮影レンズ12の焦点距離(撮影レンズ12が単焦点レンズの場合)、開放F値及び収差情報などのレンズ情報を記憶するレンズROM12bと、撮影レンズ12の各構成要件が接続された内部バス12kと、を備えている。レンズROM12bに記憶されたレンズ情報は、内部バス12k及びシステムバス3を介してCPUユニット1及び画像処理ユニット2に送られる。CPUユニット1は、撮影レンズ12の焦点距離の情報に基づいて所定の処理、例えば本願発明の後述する被写体追尾処理を実行する。また、画像処理ユニット2のCPU2aは、当該レンズ情報を所定の画像処理に用いる他、コマ毎の画像データ撮影情報領域に記憶させる。
また、撮影レンズ12は、合焦モータ12cと、防振レンズ群16を駆動させるための防振駆動部12dと、を備えている。レンズCPU12aは、CPUユニット1からの指令に従って、合焦レンズ群15(図1)を合焦位置まで移動させるように合焦モータ12cを制御する。
更に、撮影レンズ12は、合焦レンズ群15の合焦位置を検出することにより撮像素子5から被写体までの距離を検出する距離エンコーダ12eと、撮影レンズ12がズームレンズの場合、撮影レンズ12の焦点距離に対応するズームリングの位置を検出する焦点距離エンコーダ12fとを備えている。検出された被写体までの距離及び焦点距離に関する情報は、内部バス12k及びシステムバス3を介してCPUユニット1に送られる。CPUユニット1は、検出された被写体までの距離及び焦点距離に基づいて所定の処理、例えば本願発明の後述する被写体追尾処理を実行する。
また、撮影レンズ12は、撮影者の手振れ量を検出するための手振れ検出センサ12gを備えている。手振れ検出センサ12gにより検出された手振れ量を示す信号は、内部バス12k及びシステムバス3を介してCPUユニット1に送られる。CPUユニット1は、検出された手振れ量を打ち消すための防振レンズ群16の制御量を計算し、当該制御量をレンズCPU12aに伝達する。レンズCPU12aは、防振駆動部12dを制御することにより、手振れ量を打ち消すように防振レンズ群16を駆動させる。
手振れ検出センサ12gは、デジタルカメラ10の角速度を手振れ(角度振れ)として検出する角速度センサ17a、17b(図1)を含む。また、手振れ検出センサ12gは、近距離撮影時に特に問題となる直線方向の振れ(所謂「シフト振れ」)も防止するため加速度センサ18a、18b(図1)も含んでいてもよい。
本発明の実施形態が適用されるデジタルカメラは、図1に示すようなミラーレスのカメラには限定されず、一眼レフカメラや、ビデオカメラにも同様に適用可能である。また、携帯電話、スマートフォン、多機能情報通信端末等に備えられたデジタルカメラやビデオカメラにも適用可能である。
図3には、デジタルカメラ10のCPUユニット1の機能ブロック図が示されている。
図3に示すように、CPUユニット1は、画像処理ユニット2から転送されてきた時系列画像の画像データを記憶する時系列画像メモリ20と、時系列画像を構成するフレーム画像のうち最初に入力されたフレーム画像(以下、「参照フレーム画像」という)を記憶する参照画像メモリ21と、参照フレーム画像より時間的に後に入力された時系列画像のフレーム画像(以下、「照合フレーム画像」という)の画像データを記憶する照合画像メモリ24と、を備えている。メモリ20、21及び24は、図2のRAM1bのメモリ領域として実現できる。
CPUユニット1は、参照フレーム画像と照合フレーム画像との間で相関演算を行う。この相関演算のため、CPUユニット1は、参照フレーム画像から、追尾するべき被写体の少なくとも一部の領域(以下、「追尾領域」)の画像データを抽出する追尾領域抽出部22と、照合フレーム画像において設定された探索範囲内で、追尾領域と照合する比較領域の画像データを照合フレーム画像から順次抽出する照合領域抽出部25と、追尾領域の画像データと比較領域の画像データとの間で相関演算を行い、相関演算結果27を出力するマッチング部26と、を備えている。なお、CPU1aがプログラムに基づいてこの相関演算を実行するが、高速演算のため専用の相関演算モジュールをCPUユニット1内に設けてもよい。
本実施形態では、CPUユニット1は、上記相関演算結果27に対して画角や被写体の移動方向を反映した補正を行うことを特徴としている。この補正に必要な情報を得るため、CPUユニット1は、撮影時の画角を演算する画角演算部28と、過去に追尾した画像データ等に基づいて被写体の移動方向を予測する移動方向予測部30と、を備えている。画角演算部28は、撮影レンズ12の焦点距離の情報と予め記憶された撮像素子5のサイズとに基づいて撮影画角を演算する。撮影領域がクロップされた場合には、画角演算部28は、撮影レンズ12の焦点距離と撮像素子5上で換算したクロップ領域のサイズとに基づいて撮影画角を演算する。画角演算部28は、撮影レンズ12の焦点距離を、撮影レンズ12から直接送られてきた情報又は画像データ撮影情報領域に記憶された情報を検索することによって取得する。ここで、クロップとは、撮影画面若しくは再生画面の一部を切り取って撮影若しくは再生表示することをいう。クロップ領域の指定方法としては、例えば複数の固定枠の中から撮影者が選択する方式(例えば35mmフルサイズ領域からAPS−Cサイズ領域、焦点距離換算1.2倍サイズ領域等への変更)、タッチパネル機能付き電子ファインダー上などで撮影者が操作指定する方式などが挙げられる。移動方向の予測方法に関しては詳細を後述する。
CPUユニット1は、追尾領域抽出部22により抽出された追尾領域の位置を基点とし、上記のようにして演算された画角及び被写体の予測移動方向に基づいて照合フレーム画像の探索範囲を決定する探索範囲決定部31を備えている。探索範囲決定部31により決定された探索範囲は、照合領域抽出部25に伝達され、照合領域抽出部25は、決定された探索範囲に基づいて上述した抽出処理を行う。
CPUユニット1は、上記のようにして演算された画角及び被写体の予測移動方向に基づいて相関演算結果27を補正する。この補正手段として、CPUユニット1は、補正テーブルデータベース32に格納されている補正テーブルを参照して画角や被写体の移動方向を反映した補正テーブルを演算する補正テーブル演算部33と、相関演算結果27に対して補正テーブル演算部33で演算された補正テーブルを乗じることにより画角や被写体の移動方向を反映した補正演算結果35を演算する補正演算部34と、を備えている。
CPUユニット1は、補正演算結果35に基づく追尾処理を実行する。この追尾処理のため、CPUユニット1は、補正演算結果35から照合フレーム画像における追尾領域を決定する追尾領域決定部36と、決定された追尾領域に基づいてデジタルカメラを制御するための制御信号を出力する追尾制御部37とを備えている。デジタルカメラ10は、追尾制御部37からの制御信号により、ディスプレイ6上に表示された画像の追尾領域に対応する位置に追尾枠を順次表示させ、当該追尾位置の領域に対応する被写体に合焦させるための動作を実行する。
ここで、マッチング部26による演算を図12を用いて詳しく説明する。図12において、80は、抽出された参照フレーム画像の追尾領域の画像データ(テンプレート)であり、82はマッチングの対象となるフレーム画像fkの探索範囲内にある画像データである。図3の照合領域抽出部25は、探索範囲の画像データ82を走査し、追尾領域の画像データ80と同じ画像サイズの比較領域84の画像データを順次抽出する。例えば、照合領域抽出部25は、最初に探索範囲82の左上端の画像データを抽出し、次に1画素分X方向にずれた位置で同サイズの画像データを抽出する。照合領域抽出部25は、このような抽出処理を繰り返してX方向の走査を終了し、次に探索開始位置をY方向に1画素分ずらした状態で、再びX方向に同様の処理を繰り返す。このように照合領域抽出部25は、X方向及びY方向に画素をずらしながら探索範囲全体に亘ってデータを抽出することで、探索範囲内から、参照フレーム画像の追尾領域と照合されるべき複数の比較領域の画像データを抽出する。これらの比較領域のいずれが最も参照フレーム画像の追尾領域に類似しているかを判定するため、即ち、当該照合フレーム画像のどの領域が参照フレーム画像の追尾領域に相当するかを判定するため、本実施形態のマッチング部26は、上記の抽出処理と並行して、次式で表される相関値Sijを演算する。
ij=ΣΣ|hijpq−gpq| (1)
ここで、Sijは、X方向にi番目、Y方向にj番目の比較領域84(以下、比較領域(i,j))と追尾領域との間の相関値を示している。また、hijpqは、比較領域(i,j)を構成する画素のうちX方向にp番目、Y方向にq番目の画素のデータ値(階調値)を示している。gpqは参照フレーム画像の追尾領域の画像データ80を構成する画素のうちX方向にp番目、Y方向にq番目の画素のデータ値(階調値)を示している。なお、(1)式におけるΣΣは、全てのp=1,2,・0, 及び、全てのq=1,2,・1,に関して総和を取ることを意味している。
相関値Sijは、小さい値ほど類似度が大きい(すなわち、より類似している)ことを意味している。よって、補正テーブルによる相関演算結果の補正が無ければ、追尾領域決定部36は、最小の相関値Sijを持つ比較領域(i,j)を当該照合フレーム画像における追尾領域として決定することができる。なお、類似度の算出方法は、相関値を与える(1)式に限定されるものでなく、類似度を表すことができる限り任意好適の演算式を使用することが可能である。
なお、(1)式では、画素単位に演算を行う例について説明したが、隣接する複数の画素を1つのブロックとして、ブロック単位で演算を行うことも可能である。例えば、画像データ80(テンプレート)が21画素×21画素の場合、1ブロックを7画素×7画素とし、当該1ブロックの画素値を、当該1ブロックを構成する全画素の画素値の平均値又は総和値とすることでテンプレートを3ブロック×3ブロックで表すことが可能となり、(1)式によるマッチング演算量を大幅に低減させることができる。
次に、補正テーブル演算部33の内部構成を図4の機能ブロック図を用いて説明する。図4に示されるように、補正テーブル演算部33は、距離補正テーブル演算部70と、方向補正テーブル72と、振れ補正テーブル74と、を備えている。
距離補正テーブル演算部70は、照合フレーム画像内において参照フレーム画像の追尾領域に対応する位置からの(照合フレーム画像内での)距離が大きくなるほど追尾対象の存在する確率が低くなるという経験事実に鑑みて相関演算結果27に対して上記距離が大きいほど相関値を増大させる補正を適用するものである。本実施形態の距離補正テーブル70は、画角(撮影レンズ12の焦点距離、及び/又は、クロップ領域のサイズ)、及び、撮影距離の少なくともいずれかに基づいて、補正テーブルにおける上記距離に応じた相関値増大補正を変更して距離補正テーブルを演算することを特徴としている。その変更方法の詳細に関しては後述する。
方向補正テーブル演算部72は、照合フレーム画像内において参照フレーム画像の追尾領域に対応する位置からの比較領域の方向が移動方向予測部30により予測された被写体の移動方向に近いほど相関値が小さく(遠いほど相関値が大きく)なるように当該比較領域の相関値を補正するための方向補正テーブルを演算する。方向補正テーブル演算部72は、デジタルカメラ10自体が動くことによる被写体の画像上での移動方向を予測するためにセンサ17a、17b、18a,18bにより検出された角速度/加速度を使用してもよい。方向補正テーブルの演算方法の詳細については後述する。
振れ補正テーブル演算部74は、光学式手振れ補正がオフのときに手振れによる追尾対象検出への影響を軽減するための振れ補正テーブルを演算する。振れ補正テーブルの演算方法の詳細については後述する。
補正テーブル演算部33は、演算された距離補正テーブル、方向補正テーブル及び振れ補正テーブルを掛け合わせて補正テーブル76を生成するための演算子75を更に備えている。
次に、デジタルカメラ10の被写体追尾モードにおける処理の流れを図5のフローチャートに沿い、図2、図3、図6及び図13を参照しながら説明する。なお、図5は、CPUユニット1の処理手順の一例を示すフローチャートである。図5に示す処理手順のプログラムは、上述したようにCPUユニット1内のROM1c又はフラッシュメモリ1dに記録されている。
図5に示されるようにCPUユニット1は、時系列画像を取得する(ステップ100)。図6には、時系列画像40の一例が示されている。時系列画像40は、時系列的に並べられた複数のフレーム画像f、f、...fである。時系列画像40は時系列画像メモリ20に順次格納される。なお、ステップ100の時系列画像の取得は、次のステップ102の実行前に完了されても、或いは、ステップ102以降のステップが実行されている間に並列に実行されてもよい。
次に、CPUユニット1は、最初に入力されたフレーム番号fの参照フレーム画像を時系列画像メモリ20から読み出し、参照画像メモリ21に格納する。図3の追尾領域抽出部22は、参照画像メモリ21の画像データ(参照フレーム画像f)から、追尾するべき被写体の少なくとも一部を含む追尾領域を特定し、当該追尾領域の画像データを内部メモリ(図2のRAM1b)に格納する(ステップ102)。被写体の追尾領域の特定方法としては、CPU1aが、ディスプレイ6のタッチパネルに撮影者が触れた箇所若しくはディスプレイ6上で指定されたAFフレームの位置を追尾領域として特定する方法や、参照フレーム画像を検索して「顔」などの特定箇所を自動認識して追尾領域として特定する方法などが挙げられる。図6の例では、参照フレーム画像fにおいて被写体の一部50(例えば人物の顔)が特定され、当該被写体50の追尾領域52が示されている。
次に、CPUユニット1(図3の画角演算部28)は、時系列画像40の撮影時の画角を決定する(ステップ104)。なお、画角演算部28は、クロップをしない場合には、撮影レンズ12から送られてきた焦点距離情報又は画像データ撮影情報領域に記憶されている「焦点距離」情報を「画角」として直接出力してもよい。
次に、CPUユニット1(図3の探索範囲決定部31)は、画角演算部28から出力された画角(焦点距離)等に基づいて探索範囲を決定する(ステップ106)。後述するマッチング演算を行う範囲を、この探索範囲の画像データに限定することによって演算量を大幅に軽減することが可能となる。この探索範囲の決定方法を図6を用いて説明する。追尾領域抽出部22は、参照フレーム画像fにおいて特定された追尾領域の中心の画素の座標位置を決定する。この位置は、図6では参照フレーム画像fにおいて位置Aとして示されている。また、照合フレーム画像fにおいてもこれと同じ座標位置が基準位置Aとして示されている。探索範囲決定部31は、照合フレーム画像fにおいて、例えば、基準位置Aを中心として水平方向及び垂直方向に所定の画素数の領域を探索範囲56として決定する。後述するように探索範囲決定部31は、探索範囲の大きさ(縦横の画素数)を画角(焦点距離)に応じて増減させる。
次に、CPUユニット1(補正テーブル演算部33)は、画角演算部28から出力された画角(焦点距離)に基づいて補正テーブル(図4の76)を演算する(ステップ108)。このような補正テーブルの例が、図9(A)、(B)、(C)、図11に示されている。補正テーブルの詳細に関しては後述する。
次に、CPUユニット1は、フレーム番号kを1だけインクリメントする(ステップ110)。CPUユニット1は、フレーム画像f(この場合、ステップ110でk=2となるため、フレーム画像fは参照フレーム画像の次に入力されたフレーム画像fとなる)を時系列画像メモリ20から読み出し、照合画像メモリ21に格納する(ステップ112)。
次に、マッチング部26が、参照フレーム画像から抽出された追尾領域52の画像と照合フレーム画像fとの間でマッチング演算を実行し、相関演算結果27を出力する(ステップ114)。相関演算結果27は、フレーム画像fに関して、全ての比較領域(i,j)の相関値の組(類似度の組)として与えられる。この相関演算結果27の具体的数値例を図13(A)に示す。図13(A)の中央の値50に付けられた(A)は、この相関値を与えた比較領域の中心位置が上記位置Aであることを示している。この位置Aは、図12でも示されており、この相関値50は、位置Aを中心とする比較領域84とテンプレート80との間の相関値を示している。
次に、CPUユニット1(補正演算部34)が、ステップ108で演算された補正テーブルを用いてフレーム画像fの相関演算結果27を補正し、補正演算結果35(補正された類似度の組)を出力する(ステップ116)。この補正相関演算結果35の具体的数値例を、図13(B)に示す。図13(B)の補正相関演算結果は、図13(A)の演算結果の各値に対して図9(A)の補正テーブルで対応位置の値を各々乗算した結果である。
次に、CPUユニット1(追尾領域決定部36)が、補正演算結果35を検索することにより、フレーム画像fから参照フレーム画像fの追尾領域に最も類似した領域(相関値最小の領域)を新たな追尾領域として決定する(ステップ118)。図13(B)の補正相関演算結果の例では、最小の相関値40を与えるのは、位置Aを中心とする比較領域から右方向に2番目の比較領域であり、この比較領域の位置に被写体が移動したとみなすことができる。なお、相関値(類似度)が上位にある複数の位置を候補として選択し、複数の候補の中から、他の条件を考慮して追尾位置を決定するようにしてもよい。
CPUユニット1は、フレーム番号kが所定のフレーム追尾制限数nに達しているか否かを判定し(ステップ120)、フレーム番号kがnに達した場合、追尾を完了する。
フレーム番号kが所定のフレーム追尾制限数nに達していない場合、移動方向予測部30が追尾領域の移動方向を予測する(ステップ122)。移動方向予測部30は、例えば、直前のフレーム画像(最初のループでは、参照フレーム画像f)で抽出された追尾領域の位置から、ステップ118で決定された現段階での照合フレーム画像(最初のループでは、f)の追尾領域の位置までの方向を被写体の移動方向と予測する。例えば、図6では、フレーム画像fにおける被写体50の位置は、フレーム画像fにおける被写体50の位置Aよりも画面に向かって右側に移動している。この場合は、移動方向予測部30は、例えば、次のフレーム画像fにおいても、被写体50が右方向に移動していると予測する。なお、移動方向予測部30は、過去の複数のフレーム画像の被写体の位置が与えられた場合には、これらの複数の位置から最小二乗法などを用いて被写体の移動方向を予測してもよい。
移動方向が予測されると、CPUユニット1は処理をステップ106に戻し、探索範囲決定部31が、探索範囲を決定する。最初のループのときは、探索範囲決定部31は、フレーム画像fにおけるフレーム画像fでの被写体の位置Aが探索範囲の中心となるように、画角(焦点距離)に応じたサイズの探索範囲を決定していた。2回目のループでは、探索範囲決定部31は、フレーム画像fにおいて、フレーム画像fの追尾領域52に対応する位置から、予測移動方向にずれた探索範囲を設定する。
2回目のループにおいては、被写体の移動方向の情報が得られているため、ステップ108において、方向補正テーブル演算部72(図4)が予測移動方向に基づいて方向補正テーブルを演算する。補正テーブル演算部33は、新たに演算された方向補正テーブルと最初のループで演算された距離補正テーブルとを掛け合わせることによって画角(焦点距離)及び移動方向の両方を考慮した補正テーブル76を出力する。
CPUユニット1は、図3の参照画像メモリ21に、照合画像メモリ24に格納されているフレーム画像fの画像データを転送/上書きする。すなわち、フレーム画像fを新たな参照画像とする。また、CPUユニット1は、照合画像メモリ24に、時系列画像メモリ20に格納されているフレーム画像fの画像データを転送/上書きする。追尾領域抽出部22は、追尾領域決定部36により決定されたフレーム画像fの追尾領域52の画像データを抽出する。マッチング部26は、フレーム画像fの追尾領域52の画像データとフレーム画像fとのマッチング演算を実行し、フレーム画像fにおける相関演算結果27を出力する(ステップ114)。補正演算部34が、新たな補正テーブルを用いてフレーム画像fの相関演算結果27を補正し、補正演算結果35を出力する(ステップ116)。次に、追尾領域決定部36が、補正演算結果35を検索することにより、フレーム画像fから参照フレーム画像fの追尾領域に最も類似した領域を新たな追尾領域として決定する(ステップ118)。
以上の処理を繰り返すことにより、時系列画像の各フレーム画像において順次、追尾領域が検出される。追尾制御部37は、追尾領域決定部36が決定した追尾領域の情報に基づいて、ディスプレイ6上に表示された画像の追尾領域に対応する位置に追尾枠を順次表示させ、当該追尾位置の領域に合焦させるための動作を実行するようにデジタルカメラ10を制御する。
なお、図5の被写体追尾処理で用いられる補正テーブルは、補正演算部33が距離補正テーブルと方向補正テーブルとに基づいて生成したものであるが、振れ補正テーブルを考慮した補正テーブルも同様に適用可能である。
ここで補正演算部34の作用及びステップ108において演算された補正テーブルの作用に関して、図4、図7乃至図11を用いて詳しく説明する。
画角に基づいて生成される補正テーブルに関連して、図7には、撮影レンズの焦点距離が広角の場合と望遠の場合との画角の相違が示されている。被写体50が同一の撮影距離Lにおいて矢印58の方向に同じ移動量で移動する場合(矢印58の長さが移動量を表すものとする)を想定する。広角レンズで撮影した場合、広い画角により撮影距離Lにおける撮影範囲60が広くなるため、当該撮影範囲60に対する被写体移動距離の比は望遠の場合よりも小さくなる。これに対して望遠レンズで撮影した場合、狭い画角により撮影距離Lにおける撮影範囲62が狭くなるため、当該撮影範囲62に対する被写体移動距離の比は広角の場合よりも大きくなる。この状況は、撮影レンズの焦点距離が同一であっても、撮影領域の一部をクロップすることにより望遠効果をもたせる場合にも当てはまる。
図8は、位置Aを中心とした照合フレーム画像において、被写体が存在する確率の分布を基準画角、広角、望遠の各々について示している。これらの図において「確率大」と示された領域は、「確率小」と示された領域よりも、被写体が存在する確率が高いことを示している。図8(A)の基準画角での確率分布に示すように、一般に、被写体は位置Aの近傍に留まる方が周辺に存在するよりも確率が高くなる。一方、図8(A)の基準画角よりも広角側で撮影する場合、図8(B)に示すように、被写体が存在する確率が高くなる「確率大」の領域は、図8(A)の「確率大」の領域よりも小さくなる。この理由は、図7で説明したように、撮影範囲60に対する被写体移動距離58の比が小さくなるからである。逆に、図8(A)の基準画角よりも望遠側で撮影する場合、図8(C)に示すように、被写体が存在する確率が高くなる「確率大」の領域は、図8(A)の「確率大」の領域よりも大きくなる。この理由は、図7で説明したように、撮影範囲62に対する被写体移動距離58の比が大きくなるからである。そのため、画角(焦点距離)に応じて変化する確率分布に適合するように、相関値(類似度)の分布(相関演算結果35)を補正することによって、被写体をより正確に追尾することができることが理解できる。すなわち、「確率大」の領域では、演算された相関値が相対的に小さくなり(類似度が相対的に大きくなり)、「確率小」の領域では、演算された相関値が相対的に大きくなる(類似度が相対的に小さくなる)ように、画角(焦点距離)に応じて相関演算結果35を補正する。この点に関して、前述した図9の補正テーブルを例にして説明する。
図9(A)には、基準画角に対応した補正テーブルが示されている。この補正テーブルの各数値は、図13(A)に示されるような相関演算結果27の各々対応する位置の相関値に乗算される。すなわち、補正テーブルの各数値は相関値の重み係数である。補正テーブルには、位置Aからの距離が大きいほど大きな重み係数値が記載されている。そのため、補正演算結果35の各相関値は、当該距離が大きいほど最初に演算された相関演算結果27の相関値よりも増加される割合が大きくなり、類似度が小さいと判断される可能性が高くなる。これによって追尾領域決定部36が本来追尾したい被写体の周辺部に存在する領域を誤って追尾領域と誤認識する可能性は大幅に減少する。これは、図8(A)に示した状況に対応している。図9(A)の補正テーブルの各値は、位置Aの係数を1とし、それ以外は1画素を1単位として位置Aからの距離を2倍した値を採用している。例えば位置Aから水平方向に2画素、垂直方向に1画素ずれた領域の重み係数は2√5となる。勿論、距離補正テーブル演算部70は、位置Aからの距離に応じて増大する限り、任意の値を重み係数として採用可能である。また距離補正テーブル演算部70は、平方根の計算を省略して演算量を軽減するため、例えば位置Aから水平方向に2画素、垂直方向に1画素ずれた場合の距離を2+1=3と考えて、重み係数を設定してもよい。
図9(B)には、広角に対応した補正テーブルが示されている。この補正テーブルの各重み係数は、図9(A)の補正テーブルの各重み係数を2倍した値に対応している(位置A除く)。図9(B)の重み係数は、位置Aからの距離が大きいほど大きくなるが、図9(A)に比べてより大きい重み係数が設定されるため、被写体が位置Aのより近傍に存在し得る図8(B)の状況を想定したものとなっている。
図9(C)には、望遠に対応した補正テーブルが示されている。この補正テーブルの各重み係数は、図9(A)の補正テーブルの各重み係数を1/2倍した値に対応している(位置A除く)。図9(C)の重み係数は、位置Aからの距離が大きいほど大きくなるが、図9(A)に比べてより小さい重み係数が設定されるため、被写体が位置Aから離れた領域まで存在し得る図8(C)の状況を想定したものとなっている。
従って、補正テーブル演算部33は、焦点距離を小さくして、あるいはクロップ領域のサイズを大きくして画角を広くする場合には、図9(B)に示すように重み係数の分布の分散・標準偏差を小さくする。補正テーブル演算部33は、焦点距離を大きくするか或いはクロップすることで画角を狭くする場合には、図9(C)に示すように重み係数の分布の分散・標準偏差を大きくする。
補正テーブルを画角に応じて変更する具体的構成として、例えば、図4に示すように、距離補正テーブル演算部70が、入力された画角(焦点距離、クロップ領域サイズ)に応じた係数を演算し、補正テーブルデータベース32に格納された図9(A)の補正テーブルの各値に乗算することによって画角を考慮した距離補正テーブルを生成する構成が考えられる。また、補正テーブルデータベース32に、例えば特定の複数の焦点距離に対応する補正テーブルを記憶し、距離補正テーブル演算部70が設定された焦点距離に応じて補正テーブルを読み込むようにしてもよい。この場合、記憶されていない焦点距離情報が与えられた場合には、距離補正テーブル演算部70は、補間演算によって、入力された焦点距離に対応する補正テーブルを求める。なお、距離補正テーブル演算部70は、画角(焦点距離)毎に補正内容を設定しても、画角(焦点距離)の変化量に応じて、補正内容を設定・変更してもよい。また、上記画角(焦点距離)情報は、時系列画像撮影時に撮影レンズから得られる情報を用いるものであっても、時系列画像データに関連付けて記憶されている撮影時の画角(焦点距離)情報を用いるもののいずれであっても構わない。
距離補正テーブル演算部70の他の実施形態は、画角のみならず、被写体との撮影距離も考慮して距離補正テーブルを生成する。図7に示されるように、被写体50が撮影距離Lよりも撮影者により近い距離Lに存在する場合、距離Lでの撮影範囲61、63は、距離Lでの撮影範囲60、62よりも各々小さくなり、被写体が同じ距離移動したとしても、その移動距離が撮影範囲61、63に対して占める割合は、大きくなる。このため、補正テーブルの重み係数を小さくし、位置Aから比較的離れた領域まで類似度が大きくなることを可能にする。逆に、撮影距離が遠くなった場合は、位置Aから離れた領域では類似度を小さく抑えるように補正テーブルの重み係数を大きくする。中遠距離の場合は、画角情報のみで距離補正テーブルを生成し、近距離時のみ、画角情報及び撮影距離の両方を考慮して距離補正テーブルを生成するようにしてもよい。
被写体の移動方向に基づいて生成される補正テーブルに関連して、図10は、一例として被写体が水平右方向に移動する場合の被写体の存在確率の分布を示している。この例の場合、図10に示されるように、中心位置から水平右方向に、被写体が存在する確率が大きい「確率大」の領域が存在し、当該方向以外の領域には、被写体が存在する確率が小さい「確率小」の領域が存在する。そのため、被写体の移動方向に応じて変化する確率分布に適合するように、相関値(類似度)の分布(相関演算結果35)を補正することによって、被写体をより正確に追尾することができることが理解できる。このような被写体の移動方向に応じて相関値を補正するための補正テーブルの例が図11に示されている。図11の補正テーブルでは、位置Aより右側の重み係数が左側の重み係数よりも小さくなり、非対称となっている。これによって、水平右方向にある比較領域ほど相関値の増加が小さく、即ち類似度が大きくなりやすく、追尾領域対象として抽出される可能性が高くなる。勿論、これ以外の移動方向においても、当該他の移動方向に重み係数が小さい補正テーブルを生成することによって、対応することができる。
図11の補正テーブルは、特定方向に関してだけでなく、位置Aからの距離に応じて重み係数を大きくするテーブル内容となっている。しかし、図4の方向補正テーブル演算部72は、この例に限定されず、位置Aからの距離にはよらず特定の移動方向にのみ重み係数を小さくした補正テーブルを生成することもできる。方向のみを考慮した方向補正テーブルと、距離補正テーブル演算部70により生成された距離補正テーブルとを、演算子75で掛け合わすことによって、方向と距離の両方に対応した補正テーブル76を生成することができるからである。また、距離補正テーブル演算部70で距離補正テーブルを生成せず、方向補正テーブルを補正テーブル76として使用することも可能である。例えば被写体が一定の方向に速度を変えながら移動している場合、当該方向に沿って被写体が存在することは確実であるが、位置Aからのどの距離にあるかが不確実である場合など、方向補正テーブルのみで相関演算結果を補正することで被写体追尾により的確に対応することができる。
また、一般的に追尾対象被写体は、撮影画面上の横方向(水平な方向)に移動することが多い。このため、方向補正テーブル演算部72は、位置Aからの方向が画面横方向範囲にある比較領域の類似度を、位置Aからの方向が画面縦方向範囲にある比較領域の類似度よりも相対的に増加させるような補正テーブルを生成してもよい。すなわち、撮影画面上の横方向の重み係数の分布の標準偏差を、縦方向の重み係数の分布の標準偏差より大きくする。この横方向重点補正テーブルは、被写体の移動方向を検出しない場合にも、適用することができるし、被写体の移動方向を考慮した上記補正テーブルと結合させて適用することもできる。
方向補正テーブル演算部72の他の実施形態は、移動方向予測部30により決定された移動方向だけではなく、センサ17a,17b及び18a、18bにより検出された加速度/角速度情報に基づいて移動方向を決定する。被写体が静止している場合(例えば人物の姿勢認識で静止していると判断された場合など)、構図を変えるためカメラを一定方向に回転させると、被写体自体は移動してなくても撮影画面上では被写体が移動する。2つの角速度センサ17a、17bにより検出された角速度に基づけば撮像素子上の被写体の像の移動方向を推定することができるため、この移動方向を考慮した方向補正テーブルを生成することが可能となる。また、加速度センサ18a、18bにより加速度が検出された場合にも、方向補正テーブル演算部72は、被写体が検出された加速度及び被写体までの撮影距離に応じた移動量で移動すると判定できる。2つの加速度センサ18a、18bにより検出された加速度に基づけば撮像素子上の被写体の像の移動方向を推定することができるため、この移動方向を考慮した方向補正テーブルを生成することも可能となる。逆に、移動方向予測部30で被写体が移動していると判断されても、手振れ以外に起因する角速度等が検出されなければ、その移動は被写体自身によるものと判定することができる。
次に、図4の振れ補正テーブル演算部74の作用について説明する。
デジタルカメラ10の光学式手振れ補正モードがオンのとき、センサ17a,17b及び18a、18bにより検出された加速度/角速度情報から撮影者の手振れ量を検出し、当該手振れ量を打ち消すように防振レンズ群16を動作させる。この場合、撮影画像上には手振れによる影響は表れないため、振れ補正テーブル演算部74は、手振れを考慮した補正テーブルを生成する必要はない。振れ補正テーブル演算部74は、光学式手振れ補正モードがオフのときは、電子振れ補正がオンであったとしても補正テーブルを生成する。なお、検出された加速度/角速度情報の中には、上述のような手振れでない一方向の移動を反映した情報もあるが、手振れに起因する振動と一方向の移動とは一方向の加速度/角速度の変動成分を遮断し手振れ付近の振動成分を通過させるフィルターを用いて分離することができる。
デジタルカメラ10の光学式手振れ補正モードがオフのとき、追尾対象被写体の移動とは無関係に手振れによる画像の揺れが発生し、被写体追尾に悪影響を与えるおそれがある。そこで、振れ補正テーブル演算部74は、手振れ補正モードオフ時に手振れに起因する角速度又は加速度が検出されたとき、この手振れ範囲に相当する領域の補正量を小さくした揺れ補正テーブルを生成する。図14(A)には、揺れ補正テーブルの一例が示されている。図14(A)の例では、振れ補正テーブル演算部74は、位置Aの周囲に、位置Aと同じ重み係数が1の範囲を設け、手振れによりこの範囲に被写体位置がずれたとしても追尾精度に影響がないように値を設定している。図14(A)の場合よりもさらに焦点距離が大きくなるか或いはクロップされるなどして画角が狭くなった場合、振れ補正テーブル演算部74は、図14(B)に示すように、より広い範囲で重み係数を小さくする。或いは、振れ補正テーブル演算部74は、図14(C)に示すようにより広い範囲の重み係数を位置Aでの係数と同じ1にする。逆に、図14(A)の場合よりもさらに焦点距離が小さくなるか或いはクロップ領域がより大きく設定されるなどして画角が広くなった場合、振れ補正テーブル演算部74は、重み係数が小さく設定された範囲を縮小する。これによって、任意の画角で手振れの影響を防止することができる。なお、手振れ範囲は、画角のみならず、検出された角速度又は加速度の大きさ、角度振れ/シフト振れの別、撮影距離に応じて異なるので、これらを考慮して振れ補正テーブル内の手振れ対応範囲を設定するのがより好ましい。
手振れと一定方向の加速度/角速度が同時に存在している場合は、方向補正テーブル演算部72及び振れ補正テーブル演算部74が方向補正テーブル及び振れ補正テーブルを各々演算し、これらのテーブルを演算子75が結合することによって、手振れと一定方向の加速度/角速度の両方に対応した補正テーブル76を生成することができる。
次に、図5のステップ106の具体的内容に関して説明する。
上述したように、ステップ106では、探索範囲決定部31は、探索範囲を、位置Aを中心として水平方向及び垂直方向に所定の画素数の領域として設定した。例えば図12では、位置Aが中心位置となるように探索範囲(82)を設定している。しかし、図6の例のように、被写体50が水平右方向に移動する場合には、探索範囲決定部31は、位置Aが中心位置よりも被写体移動方向とは反対の方向にずれた位置となるように探索範囲56を設定するのが好ましい。すなわち、探索範囲決定部31は、被写体移動方向に、より広い範囲を取る非対称の探索範囲とする。これによって、マッチング部26が、被写体が存在する確率がほとんどない領域までマッチング演算する必要はなくなり、追尾領域検出精度の向上、並びに、追尾処理の高速化を図ることができる。なお、図6では、右方向に被写体が移動する例が示されているが、探索範囲決定部31は、左方向、上下方向に移動する場合や斜め方向に移動する場合であっても、移動方向にずれた探索範囲を設定することができる。
また、探索範囲決定部31は、探索範囲のサイズを画角及び撮影距離等に応じて変えるのが好ましい。探索範囲決定部31は、例えば画角が狭い場合、探索範囲をより広く取り、画角が広い場合には、探索範囲をより狭くする。また、探索範囲決定部31は、被写体までの撮影距離が小さい場合、探索範囲をより広く取り、撮影距離が大きい場合には、探索範囲をより狭くする。さらに、探索範囲決定部31は、相関演算結果27に基づいて探索範囲を決定してもよい。例えば探索範囲決定部31は、相関値が小さい領域が広い場合は探索範囲を広く取り、相関値が小さい領域が狭い場合は探索範囲を狭く取る。
なお、図5のフローチャートでは、取得された時系列画像の全てに対して追尾処理を行っている。しかし、被写体がフレームアウトすることもあるので、この場合には、被写体追尾ができなくなる。一方、被写体がフレームアウトしたとしても再度フレームインすることもあるため、フレームイン時に再度追尾対象を捕捉可能にするため追尾処理を続行することが要求されている。しかし、再度フレームインするかもしれない被写体を待っていると、その間、追尾枠が画面上を移動することになり、見た目が好ましくない上に、その追尾枠の点に合焦し続けることとなる。
上記点に鑑みて本発明の実施形態では、検出された追尾領域の相関値が大きい場合に、タイムアウト時間を設定し、タイムアウト時間以内に相関値が小さくならない場合には、被写体追尾を中止する処理を行う。図15には、CPUユニット1のCPU1aが実行するタイムアウト処理の一例が示されている。このタイムアウト処理は、図5の処理と並列に実行され、追尾を中止するときは、図5の処理に割り込みをかける。なお、タイムアウト処理のプログラムは、CPUユニット1のROM1c又はフラッシュメモリ1dに格納されている。
図15に示されるように、CPU1aは、図5のステップ118で決定されたフレーム画像fの追尾領域(追尾対象候補)の相関値Sが所定の閾値Thを超えるまで待機する(ステップ200)。CPU1aは、相関値Sが閾値Thを超えたと判定した場合(ステップ200肯定判定)、すなわち、相関値が大きいと判定した場合、当該追尾対象候補は、真の追尾領域ではなく、被写体がフレームアウトした可能性が高いとみなし、タイムカウントを開始する(ステップ201)。すなわち、タイムカウント値Tcountが逐次更新される。以後、バックグラウンドでカウントが進行する。次にCPU1aは、画角等に応じたタイムアウト時間Toutを設定する(ステップ202)。例えば焦点距離が長い場合には、撮影範囲が小さくなるので、手振れなどにより、被写体がフレームアウトした場合に、再度撮影範囲内に追尾対象被写体を捉えるのは難しくなる。従って、焦点距離が長いほど、タイムアウト時間を長く設定する構成とするのが好ましい。
CPU1aは、追尾対象候補の相関値Sを監視し(ステップ204)、相関値Sが所定の閾値Thを超えたか否かを判定する(ステップ206)。CPU1aは、相関値Sが閾値Thを超えていると判定した場合(ステップ206肯定判定)、タイムカウント値Tcountがステップ202で設定されたタイムアウト時間Toutを超えたか否かを判定する(ステップ208)。CPU1aは、タイムカウント値Tcountがタイムアウト時間Toutを超えていないと判定した場合(ステップ208否定判定)、ステップ204に戻り、追尾対象候補の相関値Sの監視を続行する。CPU1aは、タイムカウント値Tcountがタイムアウト時間Toutを超えたと判定した場合(ステップ208肯定判定)、図5の被写体追尾を中止するための割り込み信号を生成し、リターンする。
一方、CPU1aは、タイムアウト時間内で、追尾対象候補の相関値Sが閾値Th以下となったと判定した場合(ステップ206否定判定)、すなわち、類似度が大きくなったと判定した場合、被写体がフレームインした可能性が高いとみなし、タイムカウント値Tcountをクリアし、再カウントを開始する(ステップ212)。CPU1aは、再びステップ202に戻り、時系列画像の追尾が終了するまで同様の処理を繰り返す。なお、ステップ206では、一度でも相関値Sが小さくなると、被写体がフレームインしたとみなしているが、フレームインの判定条件はこれに限定されず、例えば連続的に複数のフレーム画像に亘って相関値Sが小さい状況が続いたときに、ステップ212を実行するようにしてもよい。
本発明の実施形態に係るタイムアウト処理では、被写体がフレームアウトした場合に、画角に応じたタイムアウト時間内で追尾を続行するため、被写体がフレームインしたときに再び被写体を捕捉できるチャンスを保持することができる。また、タイムアウト時間を過ぎると、追尾を中止するため、偽の被写体を長時間に亘って追尾する不具合な状況を回避することができる。
以上が本発明の実施形態であるが、本発明は上記例にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で任意好適に変更可能である。
例えば、本発明の画像追尾装置及び方法をデジタルカメラ10を例にして説明したが、本発明は、デジタルカメラへの応用には限定されない。例えば、コンピュータ、専用の画像解析装置、携帯型情報処理端末(携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末などを含む)等を始めとした画像情報処理装置にも、カメラ機能の有無によらず、広く適用可能である。本発明には、カメラ機能を有していないか或いはカメラ機能を使用しない場合でも、時系列画像を入力することによって本発明の画像追尾方法を実行可能な全ての装置が含まれる。
図5のステップ100において、CPUユニット1は、時系列画像40として、デジタルカメラ10により静止画として連続撮影若しくは動画撮影されて画像処理ユニット2から送られてきたデータを直接、取得してもよい。或いは、CPUユニット1は、時系列画像として、媒体に記憶され若しくはダウンロードされた複数の撮影画像を使用してもよい。また、CPUユニット1は、後の処理の演算省力化のために、撮影時よりも小さい画像サイズにリサイズされた時系列画像40を用いてもよい。時系列画像40のフレーム画像f、f、...fは、古い順(即ち、フレーム番号が大きいほど後の時刻で撮影されたもの)でも、新しい順(即ち、フレーム番号が大きいほど、以前の時刻に遡って撮影されたものである)のいずれの順で並べられていてもよい。後者の場合は、時系列画像は撮影済であり、時間的に過去に遡って被写体追尾することになる。
また、本発明は、本発明の画像処理方法を上記画像情報処理装置に実行させるためのプログラムの形態で提供されてもよい。当該プログラムは、インターネット等からダウンロードする電子データの形態、記憶媒体に記憶された形態、ソースコードで記述された形態のいずれでも本発明の範囲内に含まれる。
さらに、本発明の類似度を示すものとして、(1)式で表される相関値を例にしたが、上述の通り類似度を示す演算値であれば任意の値を用いることができるのは勿論のこと、演算値が大きいほど類似度が大きいことを示すものであってもよい。この場合、上記補正テーブルの例とは逆に、大きい類似度の領域では補正テーブルの重み係数を大きくし、小さい類似度の領域では重み係数を小さくする。また、マッチングの仕方も変更可能であり、例えば図12のマッチング演算では比較領域84を1画素ずらしながら、相関値を演算していたが、2画素以上ずらしながら演算することもできる。
図5の処理の流れは、一例であって、本発明の範囲内において変更可能である。例えば、図5では、CPUユニット1が、参照フレーム画像の追尾領域を直前に追尾位置が決定されたフレーム画像の追尾領域に順次置き換え、探索範囲決定部がこの更新された追尾位置に基づいて探索範囲を決定していた。しかし、CPUユニット1は、時系列画像40の追尾処理において一旦特定した参照フレーム画像の追尾領域とその位置Aを変更せずにマッチング演算及び探索範囲の決定に使用してもよい。また、マッチング部が、参照フレーム画像f1の画像データをマッチング演算にそのまま用い(すなわち、f1とf2、f1とf3、f1とf4...との間でマッチングを行う)、探索範囲決定部が、更新された照合フレーム画像の追尾領域の位置に基づいて探索範囲を決定してもよい。
また、図5の処理では、画角等に基づいて補正テーブルを決定し(ステップ104〜106)、その後の照合フレーム画像とのマッチングのループ(ステップ122〜122)では、決定された補正テーブルを変更せずに使用している。これは、フレーム画像(f〜f)において焦点距離が一定、すなわち画角が一定であることを仮定したものである。本発明は、この例に限定されず、照合フレーム画像の途中で焦点距離(画角)が変化する態様も含んでいる。この場合、焦点距離の変化によって被写体領域の大きさが変化するため、追尾精度を維持するためには、テンプレートの画像サイズを焦点距離に応じて変化させるのが好ましい。例えば、焦点距離が広角側に変化したときは、テンプレートの画像サイズを大きくし、望遠側に変化したときはテンプレートの画像サイズを小さくする(画素をビニングする)。テンプレートの画像サイズの変更に応じて、補正テーブルの重み係数の分布を調整するのが好ましい。このような形態は、フレーム番号kが所定のフレーム追尾制限数nに達していない場合に、図5のステップ122の処理の実行の後に、ステップ104に戻る構成とすることにより実現できる。このような構成とすれば、時系列画像取得時に、画角が変化したような場合であっても、適切な補正テーブルの演算を行うことができる。
また、上記図11の説明においては、被写体の移動方向に基づいて生成される補正テーブルについて説明したが、被写体の移動方向、及び被写体の予測位置に基づいて補正テーブルを生成する構成としてもよい。この場合、図11中の(A)で示される画素を、被写体の予測位置に対応させる。ここで、被写体の予測位置は、過去の複数回の追尾処理の結果得られた被写体の動きベクトルの方向、及び大きさをもとに算出することができる。
さらには、上記実施形態においては、補正テーブルデータベース32から読み出した補正テーブルを、補正テーブル演算部33で演算する例について示したが、補正演算部43で演算に用いられる補正テーブルを、補正テーブルデータベース32から補正テーブルを読み出すことなく、補正テーブル演算部33で直接生成する構成としてもよい。
上記実施形態における「画角」は、「対角線画角」で表すことができるが、状況に応じて「水平画角」又は「垂直画角」を使用することができる。また、クロップしない場合は、撮像素子のサイズは一定なので、撮影レンズの「焦点距離値」そのものを画角として使用することができる(この場合、「画角が大きくなる」とは「焦点距離が小さくなる」ことに対応し、「画角が小さくなる」とは「焦点距離が大きくなる」ことに対応する)。クロップする場合は、クロップしないときの元の撮影面積をクロップ領域の面積で除算した値の平方根(クロップによる拡大率)を撮影レンズの焦点距離に乗算した値(換算焦点距離)を画角として使用してもよい(この場合、「画角が大きくなる」とは「換算焦点距離が小さくなる」ことに対応し、「画角が小さくなる」とは「換算焦点距離が大きくなる」ことに対応する)。しかし、クロップ領域は、様々なアスペクト比を持ち得るので、アスペクト比に応じても補正テーブルの作り方を変えることが好ましい。従って、この場合には画角の情報として、「アスペクト比」も含まれる。
上記実施例では、デジタルカメラ10が「光学式手振れ補正機能」を有するものとして説明したが、撮像素子5をシフトすることによって手振れを補正する「撮像素子シフト式手振れ補正機能」を有する実施例にも適用可能である。この場合、振れ補正テーブル演算部74は、撮像素子シフト振れ補正モードがオフのときは、電子振れ補正がオンであったとしても補正テーブルを生成する。
1 CPUユニット
2 画像処理ユニット
5 撮像素子
6 ディスプレイ
10 デジタルカメラ
12 撮影レンズ
14 レンズ制御部
15 合焦レンズ群
16 防振レンズ群
17a、17b 角速度センサ
18a、18b 加速度センサ
20 時系列画像メモリ
21 参照画像メモリ
22 追尾領域抽出部
23 追尾領域位置検出部
24 照合画像メモリ
25 照合領域抽出部
26 マッチング部
27 相関演算結果
28 画角演算部
30 移動方向予測部
31 探索範囲決定部
32 補正テーブルデータベース
33 補正テーブル演算部
34 補正演算部
35 補正演算結果
36 追尾領域決定部
37 追尾制御部
40 時系列画像
50 被写体
52 追尾領域
56 探索範囲
58 移動方向
70 距離補正テーブル演算部
72 方向補正テーブル演算部
74 振れ補正テーブル演算部
75 演算子
76 補正テーブル
80 追尾領域(テンプレートの画像データ)
82 探索範囲(画像データ)
84 比較領域(画像データ)

Claims (21)

  1. 時系列に入力される複数のフレーム画像内の特定被写体を追尾する画像追尾装置であって、
    入力された前記複数のフレーム画像のうち一つのフレーム画像の中から、前記特定被写体の少なくとも一部を含む追尾領域を抽出する抽出手段と、
    前記一つのフレーム画像の次に入力された異なるフレーム画像から比較領域を順次抽出し、該比較領域の各々と前記追尾領域との間の類似度を各々演算して類似度の組を出力する類似度演算手段と、
    前記類似度の組を補正する補正手段と、
    前記補正手段により補正された類似度の組に基づいて前記異なるフレーム画像における追尾領域を決定する追尾領域決定手段と、
    を備え、
    前記補正手段は、
    前記一つのフレーム画像の前記追尾領域の位置に対応する前記異なるフレーム画像における基準位置からの前記比較領域の各々の距離に関する値と、前記異なるフレーム画像を生成する際の画角又は画角に関する値とに基づいて前記類似度の組を補正する第1の補正部と、
    前記異なるフレーム画像における前記基準位置からの前記比較領域の各々の方向に基づいて前記類似度の組を補正する第2の補正部と、
    のうち少なくともいずれかを備えることを特徴とする、画像追尾装置。
  2. 前記第1の補正部は、
    前記比較領域の各々の類似度を、前記距離に関する値の増加に応じて減少させると共に、前記画角が大きくなった場合に、該画角が大きくなる前と比較して、前記距離に関する値の増加に応じて減少された類似度をさらに減少させる、請求項1に記載の画像追尾装置。
  3. 前記第1の補正部は、
    前記比較領域の各々の類似度を、前記距離に関する値の増加に応じて減少させると共に、前記画角が小さくなった場合に、該画角が小さくなる前と比較して、前記距離に関する値の増加に応じて減少された類似度を増加させる、請求項1又は2に記載の画像追尾装置。
  4. 前記第2の補正部は、
    前記基準位置からの方向が画面横方向範囲にある比較領域の類似度を、前記基準位置からの方向が画面縦方向範囲にある比較領域の類似度に対して相対的に大きくする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像追尾装置。
  5. 前記特定被写体の移動方向を決定する移動方向予測手段を更に備え、
    前記第2の補正部は、
    前記基準位置からの方向が前記特定被写体の移動方向から所定範囲内にある比較領域の類似度を、前記移動方向から所定範囲外にある比較領域の類似度に対して相対的に大きくする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像追尾装置。
  6. 前記類似度演算手段は、前記異なるフレーム画像の探索範囲にある比較領域の各々と前記追尾領域との間の類似度を演算するものであり、
    前記探索範囲は、前記画角又は画角に関する値及び前記特定被写体の移動方向の少なくともいずれかに基づいて決定される、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像追尾装置。
  7. 前記補正手段は、
    前記異なるフレーム画像を生成する際の画像の振れ量と、前記異なるフレーム画像を生成する際の画角又は画角に関する値とに基づいて、前記類似度の組を補正する第3の補正部を更に備える、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像追尾装置。
  8. 前記異なるフレーム画像における前記比較領域の各々の類似度に基づいて該異なるフレーム画像の追尾領域を検出する追尾領域検出手段と、
    前記異なるフレーム画像において検出された追尾領域の類似度が所定値より小さい場合、タイムアウト時間を設定する設定手段と、
    前記タイムアウト時間以内に、次に続く異なるフレーム画像において検出された追尾領域の類似度が前記所定値よりも大きくならない場合は、被写体追尾を中止する処理を行う中止手段と、
    を備え、
    前記設定手段は、前記画角が減少したとき、前記タイムアウト時間をより長くし、前記画角が増加したとき、前記タイムアウト時間をより短く設定する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像追尾装置。
  9. 前記画角は、前記異なるフレーム画像を生成するときに使用した撮影レンズの焦点距離、及び、クロップ領域のサイズのうち少なくともいずれかに基づいて決定される、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像追尾装置。
  10. 時系列に入力される複数のフレーム画像内の特定被写体を追尾する画像追尾方法であって、
    入力された前記複数のフレーム画像のうち一つのフレーム画像の中から、前記特定被写体の少なくとも一部を含む追尾領域を抽出する抽出工程と、
    前記一つのフレーム画像の次に入力された異なるフレーム画像から比較領域を順次抽出し、該比較領域の各々と前記追尾領域との間の類似度を各々演算して類似度の組を出力する類似度演算工程と、
    前記類似度の組を補正する補正工程と、
    前記補正工程で補正された類似度の組に基づいて前記異なるフレーム画像における追尾領域を決定する追尾領域決定工程と、
    を備え、
    前記補正工程は、
    前記一つのフレーム画像の前記追尾領域の位置に対応する前記異なるフレーム画像における基準位置からの前記比較領域の各々の距離に関する値と、前記異なるフレーム画像を生成する際の画角又は画角に関する値とに基づいて前記類似度の組を補正する第1の補正工程と、
    前記異なるフレーム画像における前記基準位置からの前記比較領域の各々の方向に基づいて前記類似度の組を補正する第2の補正工程と、
    のうち少なくともいずれかを備えることを特徴とする、画像追尾方法。
  11. 前記第1の補正工程は、
    前記比較領域の各々の類似度を、前記距離に関する値の増加に応じて減少させると共に、前記画角が大きくなった場合に、該画角が大きくなる前と比較して、前記距離に関する値の増加に応じて減少された類似度をさらに減少させる、請求項10に記載の画像追尾方法。
  12. 前記第1の補正工程は、
    前記比較領域の各々の類似度を、前記距離に関する値の増加に応じて減少させると共に、前記画角が小さくなった場合に、該画角が小さくなる前と比較して、前記距離に関する値の増加に応じて減少された類似度を増加させる、請求項10又は11に記載の画像追尾方法。
  13. 前記第2の補正工程は、
    前記基準位置からの方向が画面横方向範囲にある比較領域の類似度を、前記基準位置からの方向が画面縦方向範囲にある比較領域の類似度に対して相対的に大きくする、請求項10乃至12のいずれか1項に記載の画像追尾方法。
  14. 前記特定被写体の移動方向を決定する移動方向予測工程を更に備え、
    前記第2の補正工程は、
    前記基準位置からの方向が前記特定被写体の移動方向から所定範囲内にある比較領域の類似度を、前記移動方向から所定範囲外にある比較領域の類似度に対して相対的に大きくする、請求項10乃至13のいずれか1項に記載の画像追尾方法。
  15. 前記類似度演算工程は、前記異なるフレーム画像の探索範囲にある比較領域の各々と前記追尾領域との間の類似度を演算するものであり、
    前記探索範囲は、前記画角又は画角に関する値及び前記特定被写体の移動方向の少なくともいずれかに基づいて決定される、請求項10乃至14のいずれか1項に記載の画像追尾方法。
  16. 前記補正工程は、
    前記異なるフレーム画像を生成する際の画像の振れ量と、前記異なるフレーム画像を生成する際の画角又は画角に関する値とに基づいて、前記類似度の組を補正する第3の補正工程を更に備える、請求項10乃至15のいずれか1項に記載の画像追尾方法。
  17. 前記異なるフレーム画像における前記比較領域の各々の類似度に基づいて該異なるフレーム画像の追尾領域を検出する追尾領域検出工程と、
    前記異なるフレーム画像において検出された追尾領域の類似度が所定値より小さい場合、タイムアウト時間を設定する設定工程と、
    前記タイムアウト時間以内に、次に続く異なるフレーム画像において検出された追尾領域の類似度が前記所定値よりも大きくならない場合は、被写体追尾を中止する処理を行う中止工程と、
    を備え、
    前記設定工程は、前記画角が減少したとき、前記タイムアウト時間をより長くし、前記画角が増加したとき、前記タイムアウト時間をより短く設定する、請求項10乃至16のいずれか1項に記載の画像追尾方法。
  18. 前記画角は、前記異なるフレーム画像を生成するときに使用した撮影レンズの焦点距離、及び、クロップ領域のサイズのうち少なくともいずれかに基づいて決定される、請求項10乃至17のいずれか1項に記載の画像追尾方法。
  19. 前記追尾領域が決定された前記異なるフレーム画像を新たな一つのフレーム画像として、前記抽出工程、前記類似度演算工程、前記補正工程及び前記追尾領域決定工程が繰り返し実行される、請求項10乃至18のいずれか1項に記載の画像追尾方法。
  20. 請求項10乃至19のいずれか1項に記載の画像処理方法を画像情報処理装置に実行させるためのプログラム。
  21. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像追尾装置を備える、デジタルカメラ。
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