JP2014216173A - 燃料電池システム - Google Patents

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繁樹 保田
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悟 成田
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Abstract

【課題】燃料電池システムに供給される原料ガスの組成が変化した場合に改質温度が高温となることを防ぎ、発電を継続することが可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
【解決手段】改質温度検知器の検知温度が定められる目標温度となるように前記原料供給器の制御を行う制御器は、改質温度検知器の検知温度が目標温度よりも第1所定温度以上高い場合、燃料電池の発電量を低下させることで、燃料電池システムに供給される原料ガスの組成が変化した場合においても改質温度が高温となることを防ぎ、燃料電池システムの発電継続を実現させることが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも炭素及び水素から構成される有機化合物原料と水蒸気との水蒸気改質反応により水素を含む燃料ガスを生成する改質器と、改質器で得られた燃料ガスを用いて発電を行う燃料電池とを備えた燃料電池システムに関する。
燃料電池システムは、水素含有ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により、発電を行う燃料電池を備える。
従来、この種の燃料電池システムは、天然ガス等の炭化水素系原料ガスを水蒸気改質して水素含有ガスを生成する改質器を含む水素生成装置を備え、この水素生成装置で生成された水素含有ガスが燃料電池に供給される。(例えば、特許文献1参照)
図3は、公報に記載された従来の燃料電池システムの構成図である。
図3に示すように、従来の燃料電池システムは、原料ガスと水蒸気との改質反応により水素を含む燃料ガスを生成する改質器26と、水蒸気と一酸化炭素ガスを変成反応により水素ガスと二酸化炭素ガスとに変える変成器27と、一酸化炭素選択酸化反応により一酸化炭素を二酸化炭素に変える選択酸化器28と、選択酸化器28で処理された水素を含む燃料ガスと空気とを用いて発電する燃料電池29と、燃料電池29から排出される燃料ガスであるオフ燃料ガスを燃焼させて改質器26を加熱する燃焼器30と、改質器26に原料ガスを供給する原料供給器31と、改質器26に水を供給する水供給器32と、燃焼器30に燃焼用空気を供給する燃焼空気供給器33と、制御器34とを備える。
改質器26には、天然ガス等の原料と水とがそれぞれ原料供給器31、水供給器32により供給され、改質触媒のもとで水蒸気改質されて水素を含む燃料ガスが生成される。改質反応が行われる改質器26は、改質反応に最適な温度に維持する必要があるため、バーナ等の燃焼器30で加熱される。燃焼器30には、燃料電池29での発電に利用されなかったオフ燃料ガスが供給され、空気供給器より供給される空気と共に燃焼される。制御器34は、改質器26の温度が一定になるように燃焼器30に供給されるオフ燃料ガス量を調整するよう原料供給器31を制御するとともに、燃焼器30に供給されるオフ燃料ガスを燃焼させるのに必要な燃焼用空気量を供給するように、燃焼空気供給器33を制御する。
また、改質温度が高温になることで改質触媒が劣化すること、及び、改質器の構造体が熱負荷により破損することを防止する為に、改質器の温度を検知する改質温度検知器を備え、制御器は改質温度検知器の検知温度が予め定められた設定温度を超えると燃料電池システムの発電を停止し、触媒劣化、及び構造体の破損を回避するように構成されている燃料電池システムもある(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−6093号公報 特開平9−320621号公報
しかしながら、従来の燃料電池システムでは、燃料電池システムに供給される原料ガス
の組成が変化した場合、改質温度が予め定められる目標温度となるように燃焼器に供給されるオフ燃料ガス量を減らすよう原料供給器を制御し原料供給量を低下させたとしても、充分に対応することができない、という課題を有していることが本願発明者らの鋭意検討の結果、明らかになった。
つまり、従来の燃料電池システムでは、改質温度に基づいて原料供給量を減らすように制御していたとしても、単位時間当たりの原料供給量の減少量は予め想定された原料ガス組成に適した減少量であるため、予め想定された原料ガス組成と異なる組成のガスが供給され燃焼器に供給されるオフ燃料ガスの熱量が想定より高くなった場合には、単位時間当たりのオフ燃料ガス熱量の低減量が小さく、改質温度が予め定められた設定温度を超え、改質触媒の劣化、改質器の破損を防ぐために、燃料電池システムが停止するという課題を有していた。
また、従来の燃料電池システムでは、改質温度に基づいて原料供給量を制御していたとしても、燃料電池の安定発電に必要な最低限な量の水素を生成しなければならないという理由のために、予め想定された原料ガス組成に基づいて原料供給量の下限値が設定されていた。そのために、原料ガスの組成が変化しあらかじめ想定された原料ガス組成と異なる組成の原料ガスが供給された場合においても、その下限値を超えて原料供給量を減少させることができなかった。その結果、原料ガスのガス組成が変化した場合には、原料ガスがその下限値で供給され続け、改質温度が予め定められた設定温度を超え、改質触媒の劣化、改質器の破損を防ぐために、燃料電池システムが停止するという課題を有していた。
さらに具体的に説明すると、従来の燃料電池システムでは、制御器は原料供給器を制御し、燃焼器に供給されるガス量を変化させることで、改質温度が目標温度となるように制御する。仮に、改質温度が予め定められた目標温度より高い場合は、制御器は原料供給器を制御し、原料供給量を低下させる。一方で、原料供給量は、改質器が燃料電池での発電に必要な水素量以上の水素を生成できるように制御される必要があり、原料供給量には予め想定された原料ガス組成に基づいて燃料電池の安定発電を実現するための下限値が設定されている。したがって、改質温度が目標温度より高い場合は、原料供給量はその下限値まで低下させることで、改質温度を目標温度に制御しつつ、燃料電池での安定発電を実現しようとする。しかしながら、例えば、燃料電池システムに供給される原料ガスの組成が変化し、単位体積当たりの熱量が想定よりも高い熱量の原料ガスが供給される場合は、原料供給量を下限値まで低下させたとしても、燃焼器に供給されるガスの熱量が想定より高くなり、改質温度が高くなる。その結果、改質温度検知器の検知温度が予め定められた設定温度を超え、触媒劣化、及び構造体の破損を回避する為に燃料電池システムの発電が停止するという課題があった。
更には、予め想定された組成の原料ガスの質量流量を計測可能な原料供給量計測器を備え、原料供給量計測器の計測値が目標流量となるように制御する燃料電池システムにおいても、例えば燃料電池システムに高濃度の水素を含む原料ガスが供給された場合には、原料供給量計測器の計測値が原料供給量の下限値となるよう制御しても、改質温度が高温となり、燃料電池システムが停止することが想定される。これは、水素は他の気体と比べて熱伝導率が極端に大きいため、一般的な質量流量計では水素を含む原料ガスの流量を正しく検知することが出来ず、原料供給量計測器で計測される原料供給量以上の原料が供給されるためである。そのため、原料給料計測器の計測する原料供給量が原料供給量の下限値となるように制御したとしても、燃焼器に供給されるガス熱量が想定より高くなることで改質温度が高くなり、改質温度検知器の検知温度が予め定められた設定温度を超え、燃料電池システムの発電が停止するという可能性があった。
また、従来の燃料電池システムでは、燃料電池システムが電力を供給する電力負荷の消
費電力を検知する消費電力検知器をさらに備え、制御器は、消費電力検知器の検知電力量に基づいて燃料電池の発電量を制御する。仮に、原料ガス組成の組成が変化しオフ燃料ガスの熱量が想定よりも高くなる場合においても、消費電力検知器の検知電力量が燃料電池の発電量より大きい際には、検知電力量と同等となるように燃料電池の発電量を増加させる。燃料電池の発電量を増加させると、燃料電池で消費される水素量が増加する為、原料供給量を増加させる必要がある。つまり、原料ガス組成の組成が予め想定された組成と異なる場合においても、燃料電池の発電量を増加させ原料供給量を増加させることになる。この結果、燃焼器に供給されるガス熱量が想定より高くなることで改質温度が高温になり、改質温度検知器の検知温度が予め定められた設定温度を超え、燃料電池システムの発電が停止するという可能性があった。
本発明は、従来の課題を解決するもので、燃料電池システムに供給される原料ガスの組成が変化した場合に改質温度が高温となることを防ぎ、発電を継続することが可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
従来の課題を解決するために、本発明の燃料電池システムでは、原料ガスと水蒸気との改質反応により水素を含む燃料ガスを生成する改質器と、改質器から供給される燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電する燃料電池と、改質器に原料ガスを供給する原料供給器と、原料ガス、燃料ガス及び燃料電池から排出される燃料ガスであるオフ燃料ガスのうちの少なくとも一つの可燃性ガスを燃焼させて改質器を加熱する燃焼器と、改質器の温度を検知する改質温度検知器と、改質温度検知器の検知温度が定められる目標温度となるように原料供給器の制御を行う制御器と、を備えている。そして、制御器は、改質温度検知器の検知温度が目標温度より第1所定温度以上高くなった場合は、燃料電池の発電量を減少させるように構成されている。
本発明の燃料電池システムでは、改質温度検知器の検知温度が目標温度よりも第1所定温度以上高くなる場合に、システムに供給されている原料ガスの組成が変化したと推定し、燃料電池の発電量を減少させる。燃料電池の発電量を減少させることで、燃料電池での発電に必要な水素量が低下するため、原料供給器により供給される原料供給量を減らすことが可能となり、燃焼器に供給されるガス量も減少させることが可能となる。一方で、改質器の温度は改質反応に最適な温度に維持する必要があり、燃料電池の発電量が変化しても、改質器からの放熱量はほぼ一定である。つまり、発電量を低下させるほど、燃焼器に供給されるガス熱量に対する改質器の放熱量の割合が大きくなるため、改質温度は低下することとなる。したがって、発電量を減少させることで、改質温度を下げることでき、燃料電池システムに供給される原料ガスの組成が変化した場合においても改質温度が高温となることを防ぎ、燃料電池システムの発電継続を実現させることが可能となる。また、発電量を減少させることで原料供給量下限値を減少させることが可能となり、原料供給量をより減少させることが可能となり、改質温度が高温となることを防ぎ、燃料電池システムの発電継続を実現させることが可能となる。なお、改質温度が低下したとしても、改質触媒の体積に対する原料ガス量の割合が小さくなるため、改質器における触媒の処理性能は発電量の大小に関係なく同等に維持することができる。
本発明の燃料電池システムによれば、燃料電池システムに供給される原料ガスの組成が変化した場合においても改質温度が高温となることを防ぎ、燃料電池システムの発電継続を実現させることが可能となる。
本発明の実施の形態1における燃料電池システムの構成図 本発明の実施の形態1における燃料電池システムの動作方法の一例を示すフロー図 従来の燃料電池システムの構成図
第1の発明は、原料ガスと水蒸気との改質反応により水素を含む燃料ガスを生成する改質器と、改質器から供給される燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電する燃料電池と、改質器に原料ガスを供給する原料供給器と、原料ガス、燃料ガス及び燃料電池から排出される燃料ガスであるオフ燃料ガスのうちの少なくとも一つの可燃性ガスを燃焼させて改質器を加熱する燃焼器と、改質器の温度を検知する改質温度検知器と、改質温度検知器の検知温度が定められる目標温度となるように原料供給器の制御を行う制御器と、を備えている。そして、制御器は、改質温度検知器の検知温度が目標温度より第1所定温度以上高くなった場合は、燃料電池の発電量を減少させるように構成されている燃料電池システムである。
本発明の燃料電池システムでは、改質温度検知器の検知温度が目標温度よりも第1所定温度以上高くなる場合に、システムに供給されている原料ガスの組成が変化したと推定し、燃料電池の発電量を減少させる。燃料電池の発電量を減少させることで、燃料電池での発電に必要な水素量が低下するため、原料供給器により供給される原料供給量を減らすことが可能となり、燃焼器に供給されるガス量も減少させることが可能となる。一方で、改質器の温度は改質反応に最適な温度に維持する必要があり、燃料電池の発電量が変化しても、改質器からの放熱量はほぼ一定である。つまり、発電量を低下させるほど、燃焼器に供給されるガス熱量に対する改質器の放熱量の割合が大きくなるため、改質温度は低下することとなる。したがって、発電量を減少させることで、改質温度を下げることでき、燃料電池システムに供給される原料ガスの組成が変化した場合においても改質温度が高温となることを防ぎ、燃料電池システムの発電継続を実現させることが可能となる。また、発電量を減少させることで原料供給量下限値を減少させることが可能となり、原料供給量をより減少させることが可能となり、改質温度が高温となることを防ぎ、燃料電池システムの発電継続を実現させることが可能となる。
第2の発明は、原料ガスの供給量を計測する原料供給量計測手段をさらに備え、制御器は、原料供給量計測手段の検知流量が予め定められた原料供給量下限値であり、かつ改質温度検知器の検知温度が目標温度より第1所定温度以上高くなった場合に、燃料電池の発電量を減少させるように構成されている燃料電池システムである。
本発明では、原料供給量が予め定められた原料供給量下限値まで減少しているか否かを判定する。もし、原料供給量下限値まで減少しておらず、かつ改質温度が目標温度より高温である場合は、発電量を減少させる前に、改質温度に基づく原料供給器の制御により原料供給量を原料供給量下限値まで減少させる。このことにより、原料供給量を原料供給量下限値まで減少させることで改質温度の高温化を防ぐことが出来る場合は、燃料電池の発電量減少による燃料電池システムのエネルギー効率の低下を防ぐことが可能となる。一方で、原料供給量を原料供給量下限値まで減少させても改質温度が目標温度より第1所定温度以上である場合は、燃料電池の発電量を減少させることで、改質温度が高温となることを防ぎ、燃料電池システムの発電継続を実現させる。
第3の発明は、制御器は、原料供給量下限値を燃料電池の発電量に応じて変更させるように構成されている燃料電池システムである。
仮に原料供給量下限値を燃料電池の発電量に応じて変更せず、燃料電池の発電量の減少前後で原料供給量下限値が同じ値に保持される燃料電池システムにおいて、燃料電池の発
電量を減少させると、燃料電池システムに供給される原料供給量は一定の原料供給量下限値のまま、燃料電池で消費される水素量が減少するため、燃焼器に供給されるガス量が増加し、改質器の温度が上昇する。しかしながら、本発明では、原料供給量下限値を燃料電池の発電量に応じて変更させる、より具体的には、燃料電池の発電量の減少に伴い原料供給量下限値も減少するように変更させることで、発電量減少時に燃料電池システムに供給される原料供給量を減少させることが可能となり、改質温度が高温となることを防ぎ、燃料電池システムの発電継続を実現させる。なお、燃料電池の発電量を減少させると、燃料電池で必要な水素量も減少する為、原料供給量下限値を減少させても燃料電池の発電を継続することは可能である。
第4の発明は、制御器は、改質温度検知器の検知温度が第1所定時間以上の間、目標温度より第1所定温度以上高くなった場合は、燃料電池の発電量を減少させるように構成されている燃料電池システムである。
改質温度の一時的な温度変動により、目標温度より第1所定温度以上高くなるが、改質温度が更に高温になる可能性はない場合が考えられる。本発明では、改質温度が目標温度より第1所定温度以上高くなっている時間が第1所定時間未満の場合は、改質温度が更に高温になる可能性はないと判定し発電量を減少させないことで燃料電池システムのエネルギー効率の低下を防止し、一方、改質温度が目標温度より第1所定温度以上高くなっている時間が第1所定時間以上の場合は、燃料電池の発電量を減少させることで、改質温度が高温となることを防ぎ、燃料電池システムの発電継続を実現させる。
第5の発明は、制御器は、改質温度検知器の検知温度が第1所定温度と目標温度との和より低い第2所定温度以上かつ第3所定温度未満である場合に、燃料電池の発電量を増加させるように構成されている燃料電池システムである。
これにより、改質温度が目標温度より第1所定温度以上高くなっている際には、発電量を減少させることで改質温度が高温となることを防ぎ、燃料電池システムの発電継続を実現すると共に、改質温度が低下し第2所定温度以上かつ第3所定温度未満になった場合には、発電量を増加させることでエネルギー効率の向上が可能となる。ここで第2所定温度とは、燃料電池4での発電に必要な水素量を生成可能な改質温度であり、第3所定温度とは、発電量を増加させることにより改質温度が高温になる恐れはないと推定される温度である。
第6の発明は、気温を検知する気温検知器をさらに備え、制御器は、気温検知器が検知する温度に基づいて、第1所定温度、第2所定温度、および第3所定温度のうちの少なくとも一つの温度を補正するように構成されている燃料電池システムである。
周囲気温が変わると改質器から外部への放熱量も変化する為、改質温度は周囲気温の影響を受ける。例えば、気温が高い時の改質器から外部への放熱量は、気温が低い時の放熱量に比べて小さいため、気温が低い場合と同様に燃料電池の発電量を減少させたとしても改質温度は高温となり、燃料電池システムが停止する恐れがある。そこで、気温が高い時は、第1所定温度を気温が低いときよりも低い温度となるように補正し、燃料電池の発電量を減少させる。このように、気温検知器が検知する温度に基づいて第1所定温度を補正することにより、改質温度が高温となることを防ぎ、燃料電池システムの発電継続を実現することが可能となる。
また、第2所定温度についても、気温検知器が検知する温度に基づいて補正することにより、発電量増加時にも燃料電池での発電に必要な水素量を供給可能な改質温度に維持することが可能となる。例えば、気温が低いときは第2所定温度を気温が高いときよりも高
い温度となるように補正する。
また、第3所定温度についても、気温検知器が検知する温度に基づいて補正することにより、発電量増加時に気温の差異により改質温度が高温になることを防ぎつつ、発電量増加によるエネルギー効率の向上が可能となる。例えば、気温が高いときは、第2所定温度を気温が低いときよりも低い温度となるように補正することで、燃料電池の発電量を増加させることにより改質温度が高温になることを防ぐ。
第7の発明は、燃料電池システムが電力を供給する電力負荷の消費電力を検知する消費電力検知器をさらに備えている。そして、制御器は、消費電力検知器の検知電力量に基づいて燃料電池の発電量を制御する通常運転と、改質温度検知器の検知温度が目標温度より第1所定温度以上高くなった場合に、改質温度検知器の検知温度が目標温度より第1所定温度未満になるように燃料電池の発電量を減少させる特別運転と、を含む運転プログラムを記憶しているように構成されている燃料電池システムである。
これにより、改質温度が目標温度より第1所定温度以上高い場合は、燃料電池の発電量を減少させることで改質温度が高温となることを防ぎ、燃料電池システムの発電継続を実現するとともに、改質温度が目標温度より第1所定温度以上でない場合は、負荷消費電力に基づいて可能な限り高い発電量で発電を継続することで、燃料電池システムのエネルギー効率の向上が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における燃料電池システムの構成図を示すものである。
図1に示すように、燃料電池システムは、少なくとも炭素及び水素から構成される有機化合物を含む原料ガスと水蒸気との水蒸気改質反応によって水素を含む燃料ガスを生成する改質器1と、水蒸気と一酸化炭素ガスを変成反応により水素ガスと二酸化炭素ガスとに変える変成器2と、一酸化炭素選択酸化反応により一酸化炭素を二酸化炭素に変える選択酸化器3と、選択酸化器3から供給される燃料ガスと発電用酸化剤ガスとを用いて発電する燃料電池4と、改質器1に原料ガスを供給する原料供給器5と、原料供給器5の原料供給量を計測する原料供給量計測器6と、改質器1に水蒸気になる水を供給する水供給器7と、選択酸化器3に一酸化炭素選択酸化反応に用いる酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給器8と、燃料電池4に発電用酸化剤ガスを供給する発電用酸化剤ガス供給器9と、燃料電池4から排出される排出燃料ガス及び排出発電用酸化剤ガスを冷却し、水を凝縮させる水凝縮器10と、水凝縮器10で凝縮させた水を回収する水回収器11と、燃料電池4の内部で消費されなかった未反応の燃料ガスを燃焼させて改質器1を加熱する燃焼器12と、燃焼器12に空気を供給する燃焼空気供給器13と、改質器1の温度を検知する改質温度検知器14と、燃料電池システムが電力を供給する電力負荷の消費電力を検知する消費電力検知器15と、制御器16とを備える。
なお、本発明の実施の形態1における燃料電池システムでは、燃料電池4として、固体高分子型燃料電池を用い、固体高分子型燃料電池にとって被毒物質である一酸化炭素の濃度を低減する為に、変成器2と選択酸化器3とを備える構成とした。しかしながら、一酸化炭素に対して耐性のある燃料電池4を用いる場合は、必ずしも変成器2と選択酸化器3とを備える必要はない。
なお、本発明の実施の形態1における燃料電池システムでは、改質器1に原料ガスを供
給する原料供給器5と、原料供給器5の原料供給量を計測する原料供給量計測器6と、を備える構成としたが、予め定められた操作量において、所定の体積流量の原料ガスを改質器1に供給することが可能な定容積形原料供給器のみを備える構成としても良い。定容積形原料供給器とは、定容積形原料供給器の作動領域内では、負荷(背圧)の変化がある場合でも、所定の操作量では所定の一定量の体積流量を供給することが出来る原料供給器を指し、定容積形原料供給器の操作量に基づいて、原料ガスの体積流量を算出することができるため、原料供給量計測器6を備える必要がない。ここで、操作量とは定容積形原料供給器に供給する電圧値、電流値、周波数、またはduty比等を指す。
なお、制御器16は、単独の制御器で構成される形態だけでなく、複数の制御器が協働して、燃料電池システムの制御を実行する制御器群で構成される形態であっても構わない。また、制御器16は、マイクロコントローラで構成されていてもよく、MPU、PLC(Programmable Logic Controller)、論理回路等によって構成されていてもよい。
次に、本発明の実施の形態1における燃料電池システムの動作を説明する。なお、以下の諸動作は、制御器16が燃料電池システムの各機器を制御することにより行われる。
燃料電池システムは、制御器16からの運転開始の制御信号により起動する。原料供給器5を制御し、原料ガス供給経路17を介して改質器1に原料ガスを供給する。その際、制御器16は、改質温度検知器14の検知する温度が予め定められる目標温度となるように、原料供給器5が供給する原料ガス流量をフィードバック制御する。また、制御器16は、水供給器7を制御し、水供給経路18を介して改質器1に水蒸気改質反応に必要な水蒸気(以下、改質水とする)を供給する。改質器1に供給された原料ガスと改質水は、改質器1内部の改質触媒(図示せず)存在下で水蒸気改質反応によって水素含有ガスに改質される。水蒸気改質反応後の水素含有ガスには10%程度の一酸化炭素が含まれているが、この一酸化炭素は燃料電池4にとって被毒物質であり、燃料電池4の発電性能を著しく損なうため、一酸化炭素濃度を低減させる必要がある。そこで、改質器1の下流の変成器2で、水蒸気と一酸化炭素ガスを水素ガスと二酸化炭素ガスに変成反応させ、一酸化炭素濃度を低減する。変成器2を経た水素含有ガスは、更に、選択酸化器3に供給される。制御器16は、酸化剤ガス供給器8を制御し、酸化剤ガス供給経路19を介して、一酸化炭素選択酸化反応に必要な酸化剤ガスを選択酸化器3に供給する。選択酸化器3では、酸化剤ガスを利用して一酸化炭素を二酸化炭素に変える一酸化炭素選択酸化反応を行う。これにより、一酸化炭素濃度10ppm以下の水素含有ガスが生成される。
なお、改質器1の目標温度は、燃料電池の発電量に比例して上昇するように設定してもよい。
なお、本発明の実施の形態1における燃料電池システムでは、改質器1に供給した水蒸気のうち、改質反応に使用されなかった分を変成器2に供給するようにした(図示せず)が、改質器1へ供給する水供給経路18を途中で分岐する、または、別経路にするなどして、別々に供給する構成としてもよい。
なお、原料ガス供給経路17上に、原料ガス中の硫黄成分を低減する脱硫器を備える構成としてもよい。
制御器16は、水素含有ガスを燃料電池4の燃料ガスとして、燃料ガス供給経路20を介して、燃料電池4のアノード(図示せず)に供給する。ここで、燃料ガスには、改質反応に供された水蒸気が一定量含まれているが、さらに一定量の水蒸気を加湿するような構成としてもよい。
また、制御器16は、発電用酸化剤ガス供給器9を制御し、発電用酸化剤ガス供給経路21を介して、発電用酸化剤ガスを燃料電池4のカソード(図示せず)に供給する。ここで、発電用酸化剤ガス供給器9は、吸入口が大気開放されているブロワを用いたが、シロッコファンなどのファン類を用いる構成としてもよい。また、発電用酸化剤ガス供給経路21上に、発電用酸化剤ガスを一定量の水蒸気で加湿する加湿器を備える構成としてもよい。
燃料電池4では、アノードに供給された燃料ガスとカソードに供給された発電用酸化剤ガスとが電気化学的に反応して、電気と熱と水とが発生する。図1では、図示を省略しているが、燃料電池4で得られた電気は、電力負荷に供給されて使用され、一方、発電反応に伴って発生した熱は、熱回収手段によって回収され、熱負荷に供給されて種々の用途で利用される。熱回収手段としては、例えば、温水回収手段等の従来の構成のものが用いられる。
なお、燃料電池4での発電量は、消費電力検知器15の検知する消費電力量に基づいて制御される。具体的には、制御器16は、燃料電池4の発電量が消費電力検知器15の検知する消費電力量と同等となるように制御する。
燃料電池4の内部で消費されなかった未反応の燃料ガス(以下、排出燃料ガスと呼ぶ)中に含まれる水蒸気は、水凝縮器10で排出燃料ガスと分離されて、水に凝縮される。水蒸気を除去された排出燃料ガスは、排出燃料ガス経路22を介して燃焼器12に供給される。
一方、制御器16は、燃焼空気供給器13を制御し、燃焼空気供給経路23を介して、燃焼器12に供給された排出燃料ガスを燃焼させるのに必要な燃焼空気量を供給する。燃焼器12では、排出燃料ガスと、燃焼空気供給器13から供給された燃焼空気とを混合し燃焼させ、改質器1での水蒸気改質反応に必要な熱を供給する。
改質器1の温度は、水蒸気改質反応を促進させるために予め定められた目標温度に制御される必要がある。そこで、制御器16は、改質温度検知器14の検知温度が予め定められる目標温度となるように、原料供給器5を制御して原料供給量を調整する。原料供給量を制御することで燃焼器12へ供給される可燃性ガスの供給熱量を制御することが可能となり、燃焼器12から改質器1への供給熱量を調整することが可能となる。
また、燃料電池4の内部で消費されなかった未反応の発電用酸化剤ガス(以下、排出酸化剤ガスと呼ぶ)中に含まれる水蒸気も、水凝縮器10で排出酸化剤ガスと分離されて、水に凝縮される。水蒸気を除去された排出酸化剤ガスは、排出酸化剤ガス経路24を介してシステム外へ排出される。
水凝縮器10にて排出燃料ガス及び排出酸化剤ガスから分離された水は、凝縮水経路25を介して水回収器11回収される。水回収器11に回収された凝縮水の一部又は全部が、水供給経路18を介して水供給器7に供給される。なお、水回収器11は、導電性イオン等の不純物を取り除く浄化器やフィルターを備える構成としてもよい。
なお、本発明の実施の形態1における燃料電池システムでは、排出燃料ガス及び排出酸化剤ガスの両方から水を回収する形態を採用したが、これに限定されない。どちらか一方の排出ガスから水を回収する構成としても良い。水凝縮器10としては、例えば、熱交換器を使用することが出来る。
なお、本発明の実施の形態1における燃料電池システムでは、水供給器7は、水回収器
11に回収された水を改質器1に供給する構成としたが、インフラ等から供給される水を水供給器7が供給する構成としても良い。
そして、燃料電池システムは、制御器16からの運転停止の制御信号により停止する。具体的には、制御器16は、燃料電池システムの各機器に停止指令を出し、停止動作を実施する。停止動作が完了すると、燃料電池システムは停止する。
また、本発明の実施の形態1における燃料電池システムでは、改質温度が高温になることで改質触媒が劣化すること、及び、改質器1の構造体が熱負荷により破損することを防止する為に、制御器16は改質温度検知器14の検知温度が予め定められた設定温度を超えると燃料電池システムの発電を停止し、触媒劣化、及び構造体の破損を回避するように構成されている。
次に、供給される原料ガスの組成が変化した場合の本発明の実施の形態1における燃料電池システムへの影響について説明する。
改質器1に供給される原料ガスの組成が変わり、原料ガスの単位体積あたりの熱量が増加した場合、燃焼器12に供給される燃焼ガスの供給熱量が増加するため、燃焼器12から改質器1への供給熱量が増加し、改質温度が上昇する。制御器16は、改質温度検知器14の検知する改質温度が目標温度となるように、原料供給器5を制御して原料供給量を低下させる。しかしながら、改質温度に基づいて原料供給量を減らすように制御していたとしても、単位時間当たりの原料供給量の減少量は予め想定された原料ガス組成に適した減少量であるため、燃焼器12に供給されるオフ燃料ガスの熱量が想定より高い場合には、原料供給量の低減による単位時間当たりのオフ燃料ガス熱量の低減量が小さく、改質温度が予め定められた設定温度を超え、触媒劣化、及び構造体の破損を回避する為に燃料電池システムの発電が停止するという課題があった。
また、改質器1には、燃料電池4での発電に必要な水素量を生成する為に必要な原料供給量が供給される必要があるため、予め想定されている原料ガスの組成に基づいて、燃料電池4での安定発電に必要な水素量を生成する為に必要な原料供給量の下限値が設定されている。そのために、予め想定された原料ガス組成と異なる組成の原料ガスが供給された場合においても、その下限値を超えて原料供給量を減少させることができず、改質温度が予め定められた設定温度を超え、触媒劣化、及び構造体の破損を回避する為に燃料電池システムの発電が停止するという課題があった。
また、原料供給量計測器6が予め想定された組成の原料ガスの質量流量を計測可能な計測器である場合、例えば燃料電池システムに高濃度の水素を含む原料ガスが供給された場合には、原料供給量計測器6の計測値が原料供給量の下限値となるよう制御しても、改質温度が高温となり、燃料電池システムが停止する可能性がある。これは、水素は他の気体と比べて熱伝導率が極端に大きいため、一般的な質量流量計では水素を含む原料ガスの流量を正しく検知することが出来ず、原料供給量計測器6で計測される原料供給量以上の原料が供給されるためである。そのため、原料供給量計測器6の計測する原料供給量が原料供給量の下限値となるように制御したとしても、燃焼器12に供給される燃焼ガス熱量が想定より高くなることで改質温度が高くなり、改質温度検知器14の検知温度が予め定められた設定温度を超え、燃料電池システムの発電が停止するという可能性があった。
次に、システムに供給される原料ガスの組成が変化し改質温度が目標温度より高くなった場合の、本発明の実施の形態1における燃料電池システムの動作方法について説明する。図2は、本発明の実施の形態1における燃料電池システムの動作方法の一例を示すフロー図である。この制御は制御器16により行われる。
図2に示すように、制御器16は、まず、原料供給量計測器6の検知する原料供給量が原料供給量下限値であるか否か、かつ、改質温度検知器14の検知する改質温度が目標温度よりも第1所定温度以上高いか否か、かつ、を判定する(S101)。
ここで、第1所定温度は、目標温度と第1所定温度との和が改質器1の耐熱温度よりも小さい値になるように設定され、そして、燃料電池システムに供給される原料ガス組成が予め想定された原料ガス組成と異なる場合の改質温度の変化速度から設定される。つまり、改質温度の上昇速度、および燃料電池の発電量を減少させた際の改質温度の低下速度とから、改質温度検知器14の検知温度が燃料電池システムの発電を停止させる設定温度を超えないように設定される。また、改質温度の目標温度が変化する場合、第1所定温度は変化させずに一定値としても良いし、目標温度と第1所定温度との和が一定温度となるように第1所定温度を変化させるように設定しても良い。
なお、本発明の実施の形態1における燃料電池システムでは、原料供給量計測器6の検知する原料供給量が原料供給量下限値であるか否か、を判定することとした。このことにより、原料供給量を原料供給量下限値まで減少させることで改質温度の高温化を防ぐことが出来る場合は、燃料電池の発電量減少による燃料電池システムのエネルギー効率の低下を防ぐことが可能となる。ただし、改質温度の高温化を防ぐために、改質温度が目標温度よりも第1所定温度以上高いか否か、のみを用いて判定することとしても良い。その場合、原料供給量計測器6を含まない構成としてよい。
なお、原料供給量下限値は、燃料電池4の発電量に応じて変更するように制御されており、より具体的には、発電量の減少に伴い、原料供給量も減少するように制御される。仮に原料供給量下限値を燃料電池4の発電量に応じて変更せず、燃料電池4の発電量の減少前後で原料供給量下限値が同じ値に保持される燃料電池システムにおいて、燃料電池4の発電量を減少させると、燃料電池システムに供給される原料供給量は一定の原料供給量下限値のまま、燃料電池4で消費される水素量が減少するため、燃焼器12に供給されるガス量が増加し、改質器1の温度が上昇する。しかしながら、本発明では、原料供給量下限値を燃料電池4の発電量に応じて変更させる、より具体的には、燃料電池4の発電量の減少に伴い原料供給量下限値も減少するように変更させることで、発電量減少時に燃料電池システムに供給される原料供給量を減少させることが可能となり、改質温度が高温となることを防ぐ。なお、燃料電池4の発電量を減少させると、燃料電池4で必要な水素量も減少する為、原料供給量下限値を減少させても燃料電池の発電を継続することは可能である。
なお、制御器16は、改質温度が第1所定時間以上の間、目標温度より第1所定温度以上高いか否かを判定するようにしても良い。改質温度が目標温度より第1所定温度以上高くなっている時間が第1所定時間未満の場合は、燃料電池4の発電量を減少させないことで燃料電池システムのエネルギー効率の低下を防止することが可能となる。
燃料電池システムに供給される原料ガス組成が予め想定された原料ガス組成と異なり、原料供給量が第1所定流量以下であり、かつ、改質温度が目標温度よりも第1所定温度以上高い場合、S101の判定結果がYESとなり、制御器16は、改質温度が目標温度となるよう燃料電池4の発電量を減少させる特別運転を実施する(S102)。燃料電池の発電量を減少させることで、燃料電池での発電に必要な水素量が低下するため、原料供給器により供給される原料供給量を減らすことが可能となり、燃焼器に供給されるガス量も減少させることが可能となる。一方で、改質器の温度は改質反応に最適な温度に維持する必要があり、燃料電池の発電量が変化しても、改質器からの放熱量はほぼ一定である。つまり、発電量を低下させるほど、燃焼器に供給されるガス熱量に対する改質器の放熱量の割合が大きくなるため、改質温度は低下することとなる。したがって、従来の改質温度に
基づいて原料供給量を減らす制御に加えて、発電量を減少させることで、より早く改質温度を下げることが可能となる。但し、改質温度が低下したとしても、改質触媒の体積に対する原料ガス量の割合が小さくなるため、改質器1における触媒の処理性能は発電量の大小に関係なく同等に維持することができる。
ここで、本発明の実施の形態1における燃料電池システムでは、制御器16は、発電量を低下させる方法として、具体的には、改質温度検知器14の検知する改質温度が目標温度となるように燃料電池4の発電量をフィードバック制御することとしたが、任意の固定発電量に低下させるように制御しても良い。
以上のように、発電量を減少させる特別運転を実施することにより、改質温度が高温となることを防ぎ、燃料電池の発電継続を実現することが可能となる。
さらに、本発明の実施の形態1における燃料電池システムでは、改質温度検知器14の検知する改質温度が第1所定温度と目標温度との和より低い第2所定温度以上かつ第3所定温度未満であるか否かを判定する(S103)。ここで第2所定温度とは、燃料電池4での発電に必要な水素量を生成可能な改質温度であり、第3所定温度とは、発電量を増加させることにより改質温度が高温になる恐れはないと推定される温度である。
S103の判定結果がYESとなる場合、制御器16は、燃料電池4の発電量を減少させる特別運転を停止し、消費電力検知器15の検知する消費電力量に基づいて燃料電池4の発電量を調整しつつ、改質温度検知器14の検知温度が予め定められる目標温度となるように原料供給器5の制御を行う(S104)。これにより、負荷消費電力に基づいて可能な限り高い発電量で発電を継続することで、燃料電池システムのエネルギー効率の向上が可能となる。S103の判定結果がNOとなる場合は、燃料電池4の発電量を減少させる特別運転を継続する。
燃料電池システムに供給される原料ガス組成が予め想定された原料ガス組成と同等であり、S101の判定結果がNOとなるとき、制御器16は、特別運転を行わず通常運転を実施する(S105)。つまり、制御器16は、消費電力検知器15の検知する消費電力量に基づいて燃料電池4の発電量を調整しつつ、改質温度検知器14の検知温度が予め定められる目標温度となるように原料供給器5の制御を行う。これにより、負荷消費電力に基づいて可能な限り高い発電量で発電を継続することで、燃料電池システムのエネルギー効率の向上が可能となる。
以上のように、本発明の実施の形態1における燃料電池システムでは、燃料電池システムに供給される原料ガスの組成が変化した場合に改質温度が高温となることを防ぎ、発電を継続することが可能となる。
なお、気温を検知する気温検知器をさらに備え、制御器16は、気温検知器が検知する温度に基づいて、第1所定温度、第2所定温度、および第3所定温度のうちの少なくとも一つの温度を補正するようにしても良い。周囲気温が変わると改質器1から外部への放熱量も変化する為、改質温度は周囲気温の影響を受ける。例えば、気温が高い時の改質器から外部への放熱量は、気温が低い時の放熱量に比べて小さいため、気温が低い場合と同様に燃料電池の発電量を減少させたとしても改質温度は高温となり、燃料電池システムが停止する恐れがある。そこで、気温が高い時は、第1所定温度を気温が低いときよりも低い温度となるように補正し、燃料電池4の発電量を減少させることで改質温度が高温となることを防ぐ。このように、気温検知器が検知する温度に基づいて第1所定温度を補正することにより、改質温度が高温となることを防ぎ、燃料電池システムの発電継続を実現することが可能となる。
また、第2所定温度についても、気温検知器が検知する温度に基づいて補正することにより、発電量増加時にも燃料電池4での発電に必要な水素量を供給可能な改質温度に維持することが可能となる。例えば、気温が低いときは第2所定温度を気温が高いときよりも高い温度となるように補正する。
また、第3所定温度についても、気温検知器が検知する温度に基づいて補正することにより、発電量増加時に気温の差異により改質温度が高温になることを防ぎつつ、発電量増加によるエネルギー効率の向上が可能となる。例えば、気温が高いときは、第2所定温度を気温が低いときよりも低い温度となるように補正することで、燃料電池4の発電量を増加させることにより改質温度が高温になることを防ぐ。
なお、本発明の実施の形態1における燃料電池システムでは、燃料電池4から排出される燃料ガスであるオフ燃料ガスを燃焼させて改質器1を加熱する燃焼器12を備える構成としたが、原料ガス、ないし燃料ガスを直接燃焼させる構成の燃料電池システムでも、本発明の実施の形態1における燃料電池システムと同様の効果を得ることができる。
以上のように、本発明にかかる燃料電池システムは、システムに供給される原料ガスの組成が変化した場合に改質温度が高温となることを防ぎ、燃料電池システムの発電継続を実現させることが可能となるので、家庭用等で用いられる燃料電池システムに有用である。
1、26 改質器
2、27 変成器
3、28 選択酸化器
4、29 燃料電池
5、31 原料供給器
6 原料供給量計測器
7、32 水供給器
8 酸化剤ガス供給器
9 発電用酸化剤ガス供給器
10 水凝縮器
11 水回収器
12、30 燃焼器
13、33 燃焼空気供給器
14、 改質温度検知器
15 消費電力検知器
16、34 制御器
17 原料ガス供給経路
18 水供給経路
19 酸化剤ガス供給経路
20 燃料ガス供給経路
21 発電用酸化剤ガス供給経路
22 排出燃料ガス経路
23 燃焼空気供給経路
24 排出酸化剤ガス経路
25 凝縮水経路

Claims (7)

  1. 原料ガスと水蒸気との改質反応により水素を含む燃料ガスを生成する改質器と、
    前記改質器から供給される前記燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電する燃料電池と、
    前記改質器に前記原料ガスを供給する原料供給器と、
    前記原料ガス、前記燃料ガス及び前記燃料電池から排出される燃料ガスであるオフ燃料ガスのうちの少なくとも一つの可燃性ガスを燃焼させて前記改質器を加熱する燃焼器と、
    前記改質器の温度を検知する改質温度検知器と、
    前記改質温度検知器の検知温度が定められる目標温度となるように前記原料供給器の制御を行う制御器と、
    を備え、
    前記制御器は、前記改質温度検知器の検知温度が前記目標温度より第1所定温度以上高くなった場合は、前記燃料電池の発電量を減少させる、
    燃料電池システム。
  2. 前記原料ガスの供給量を計測する原料供給量計測手段をさらに備え、
    前記制御器は、
    前記原料供給量計測手段の検知流量が予め定められた原料供給量下限値であり、かつ前記改質温度検知器の検知温度が前記目標温度より前記第1所定温度以上高くなった場合に、前記燃料電池の発電量を減少させる、
    請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記制御器は、前記原料供給量下限値を前記燃料電池の発電量に応じて変更させる、
    請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記制御器は、前記改質温度検知器の検知温度が第1所定時間以上の間、前記目標温度より第1所定温度以上高くなった場合は、前記燃料電池の発電量を減少させる、
    請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記制御器は、前記改質温度検知器の検知温度が前記第1所定温度と前記目標温度との和より低い第2所定温度以上かつ第3所定温度未満である場合に、前記燃料電池の発電量を増加させる、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の燃料電池システム。
  6. 気温を検知する気温検知器をさらに備え、
    前記制御器は、前記気温検知器が検知する温度に基づいて、前記第1所定温度、前記第2所定温度、および前記第3所定温度のうちの少なくとも一つの温度を補正する、
    請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  7. 前記燃料電池システムが電力を供給する電力負荷の消費電力を検知する消費電力検知器をさらに備え、
    前記制御器は、
    前記消費電力検知器の検知電力量に基づいて前記燃料電池の発電量を制御する通常運転と、
    前記改質温度検知器の検知温度が前記目標温度より前記第1所定温度以上高くなった場合に、前記改質温度検知器の検知温度が前記目標温度より前記第1所定温度未満になるように前記燃料電池の発電量を減少させる特別運転と、
    を含む運転プログラムを記憶している、
    請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016146287A (ja) * 2015-02-09 2016-08-12 パナソニックIpマネジメント株式会社 燃料電池システム

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