JP2014214702A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP2014214702A
JP2014214702A JP2013094203A JP2013094203A JP2014214702A JP 2014214702 A JP2014214702 A JP 2014214702A JP 2013094203 A JP2013094203 A JP 2013094203A JP 2013094203 A JP2013094203 A JP 2013094203A JP 2014214702 A JP2014214702 A JP 2014214702A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scroll
slider
centrifugal force
eccentric
orbiting scroll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013094203A
Other languages
English (en)
Inventor
英彰 永田
Hideaki Nagata
英彰 永田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2013094203A priority Critical patent/JP2014214702A/ja
Publication of JP2014214702A publication Critical patent/JP2014214702A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/02Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)

Abstract

【課題】可変クランク機構を備えたスクロール圧縮機において、揺動スクロールと固定スクロールの接触による摺動損失と摺動騒音を低減する。
【解決手段】バランサ10Bを一体としたスライダ10で発生する遠心力を揺動スクロール11で発生する遠心力より大きくすることで、高速運転時に揺動スクロール11と固定スクロール12を離隔させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷凍サイクル回路を循環する冷媒等を圧縮するスクロール圧縮機に関するものである。
従来より、スライダを用いた可変クランク機構を備えたスクロール圧縮機として、スライダに揺動スクロールの反偏心方向に遠心力が発生するアンバランスウエイトを取付けることで、固定スクロールと揺動スクロールとの側面の接触力を軽減する機構が提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1には、スライダに取付けたアンバランスバランサの回転による遠心力を揺動スクロールで発生する遠心力の80〜97%になるように設定し、シール性を高める機構が開示されている。
特開平7−151080号公報(段落0004、図1)
しかし、特許文献1のように、シール性を高めるために固定スクロールと揺動スクロールとが渦巻き側面で接触させたとき、高速運転時に摺動損失及び摺動騒音が増大してしまうという問題がある。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、固定スクロールと揺動スクロールとの接触による摺動損失と摺動騒音を防止するスクロール圧縮機を提供することを目的としている。
本発明のスクロール圧縮機は、密閉空間を有するシェルと、シェル内に回転可能に収容された主軸と、主軸の回転中心から偏心した位置に固定された偏心軸部と、偏心軸部に取付けられ、偏心軸部が回転した際に揺動運動を行うスライダと、スライダに取付けられ、一面に渦巻き体が設けられた揺動スクロールと、シェル側に固定され、揺動スクロールの渦巻き体に嵌め込まれる渦巻き体を有し揺動スクロールと協働して作動ガスを圧縮する固定スクロールとを備え、スライダは、偏心軸部が挿入されるものであって偏心方向において偏心軸部との間に隙間を形成したスリットを有し、揺動スクロールを偏心方向にスライドさせるものであり、スライダには、揺動運動時に揺動スクロールが発生する偏心方向の遠心力よりも大きい反偏心方向の遠心力を発生させるバランサが設けられており、スライダは、回転速度が所定の回転速度以下のときに揺動スクロールと固定スクロールとの渦巻き体の側面同士が接触状態になり、回転速度が所定の回転速度より大きくなったときに揺動スクロールと固定スクロールとの渦巻き体の側面の間に隙間が形成された非接触状態になるような遠心力を発生するものである。
本発明のスクロール圧縮機によれば、所定の回転速度になるまでは、スクロール内部のガス圧によって、揺動と固定のスクロール側面は接触して内部ガス漏れを防止するとともに、所定の回転速度より大きい領域では、スライダと一体としたバランサの遠心力によってスクロール同士の渦巻き側面が離隔し、渦巻き側面が摺動することで生じる摺動損失と摺動騒音を防止することができる。
本発明の実施形態1に係るスクロール圧縮機の縦断面模式図である。 図1の偏心軸部6及びスライダ10の一例(低速回転時)を示す模式図である。 図2の状態(低速運転時)における揺動スクロールと固定スクロールとの渦巻き体の側面の関係を示す模式図である。 図1の偏心軸部及びスライダの一例(高速回転時)を示す模式図である。 図4の状態(高速運転時)における揺動スクロールと固定スクロールとの渦巻き体の側面の関係を示す模式図である。 図3の揺動スクロールに作用する力の計算結果の一例を示すグラフである。 本発明の実施形態2に係るスクロール圧縮機におけるスライダの周辺部位を示す模式図である。 スクロール圧縮機を適用した冷凍サイクル装置の一例を示す冷媒回路図である。
実施形態1.
以下、図面を参照しながら本発明のスクロール圧縮機の実施形態について説明する。図1は本発明の実施形態1に係るスクロール圧縮機1の縦断面構造図である。図1のスクロール圧縮機1は、例えば冷媒等の作動ガスをスクロール状の圧縮室において圧縮して吐出するものであって、シェル2、主軸5、モータ8、スライダ10、揺動スクロール11、固定スクロール12を備えている。
シェル2は、密閉空間を有する円筒形状に形成されたものであって耐圧性を有している。シェル2の側面には作動ガスをシェル2内に取り込むための吸入配管2Aが接続されており、上面には圧縮した作動ガスをシェル2から吐き出す吐出配管2Bが接続されている。シェル2の上部側にはフレーム3が固定されており、下部側には主軸5を保持するサブフレーム4が固定されている。また、シェル2の底部には潤滑油を貯留する油溜め2Cが形成されている。
主軸5は、フレーム3及びサブフレーム4にベアリング等によりシェル2内において回転可能に支持されている。主軸5の上端には主軸5に対し偏心した状態で偏心軸部6が取付けられている。また、主軸5の下端には油ポンプ7が取付けられており、油ポンプ7は、主軸5内に設けた通路を介してシェル2の下部に貯蔵された油を偏心軸部6の上部から揺動軸受13に供給する。
モータ8は、主軸5を回転駆動させるものであって、モータロータ8A及びモータステータ8Bを有している。モータステータ8Bはシェル2に固定されており、モータロータ8Aは主軸5に固定されている。そして、インバータ60から電力が供給されたとき、主軸5及びモータロータ8Aがモータステータ8Bに対し回転する。
スライダ10は、揺動スクロール11を公転運動させるために揺動スクロール11を支承するものである。図2は偏心軸部6及びスライダ10の一例を示す模式図(低速回転時)である。スライダ10には例えば中央に略長方形状に穴であるスリット10Cが形成された円筒部10Aと、円筒部10Aの外周側に一体的に形成されたバランサ10Bとを有しており、円筒部10Aとバランサ10Bとは一体的に成形されている。バランサ10Bは、たとえば円弧状(半円状)に形成されており、スライダ10の回転時に所定の遠心力を発生するものである。
スリット10C内には偏心軸部6が挿入されており、偏心軸部6の回転によりスライダ10が回転する。ここで、偏心軸部6は、スリット10C内で摺動可能であるようにスリット10Cよりも短い略長方形の横断面を有するように加工されており、側面に2つの平行な平坦面6aが形成されている。この平坦面6aは偏心方向(矢印α方向)に対し主軸5の回転方向(矢印R方向)とは逆側に角度φだけ傾いている。一方、スリット10Cは、偏心軸部6よりも大きい外形に形成されており、偏心軸部6の平坦面6aと摺動する角度φだけ傾いた平面を有する。また、スリット10C内においてスライダ10と偏心軸部6との間には偏心方向(矢印α方向)に隙間δが形成されている。よって、スライダ10は偏心軸部6の平坦面6aに沿って角度φだけ傾いた方向に移動可能な構造を有している。すなわち、スライダ10には、偏心軸部6との位置関係を変化させる機能を有するとともに主軸5の回転を公転運動に変換する可変クランク機構が構成されている。
図1の揺動スクロール11の上面及び固定スクロール12の下面にはそれぞれ渦巻き体が形成されており、揺動スクロール11及び固定スクロール12は渦巻き体が向き合うように配置されている。そして、固定スクロール12の渦巻部および揺動スクロール11の渦巻部との間に圧縮室が形成される。揺動スクロール11は、フレーム3に公転運動可能に支持されており、揺動スクロール11の下面にはスライダ10の円筒部10Aに回転可能に接続される筒状の揺動軸受13が設けられている。なお、フレーム3と揺動スクロール11との間には、揺動スクロール11の自転を防止しながら揺動運動を与えるために、フレーム3に揺動自在に支持されたオルダムリング(図示せず)が設けられている。
固定スクロール12は、揺動スクロール11の上部に配置されたものであってフレーム3に固定されている。固定スクロール12の中心には作動ガスを吐出するための吐出口11aが形成されており、吐出口11a上には圧縮された作動ガスの逆流を防止する逆止弁14が配置されている。この逆止弁14は弁押さえ15により可動範囲を規制されており、逆止弁14及び弁押さえ15はそれらを弁ボルト16により固定スクロール12に固定されている。
ここで、上述したスライダ10の可変クランク機構により、揺動スクロール11と固定スクロール12との渦巻き体の側面同士は、接触状態及び非接触状態のいずれかの状態になる。具体的には、図3は図2の状態(低速運転時)における揺動スクロール11と固定スクロール12との渦巻き体の側面の関係を示す模式図である。図2に示すように偏心方向(矢印α1方向)側の隙間δが生じている場合、すなわち揺動スクロール11が偏心方向側に移動した場合、揺動スクロール11と固定スクロール12との渦巻き体の側面同士が接触するようになっている。
一方、図4は図1の偏心軸部6及びスライダ10の一例(高速回転時)を示す模式図、図5は図4の状態(高速運転時)における揺動スクロール11と固定スクロール12との渦巻き体の側面の関係を示す模式図である。図4のように、偏心方向(矢印α1方向)側の隙間δがなくなった場合、すなわち揺動スクロール11が反偏心方向(矢印α2方向)側に移動した場合、図5に示すように揺動スクロール11と固定スクロール12との渦巻き体の側面同士は非接触状態になる。
また、スライダ10の内面と偏心軸部6との間に形成される隙間δと、揺動スクロール11と固定スクロール12との渦巻き体の側面の間に形成される隙間δはほぼ一致する。したがって、スライダ10のスリット10Cは、低速運転時の揺動スクロール11と固定スクロール12が接触している時のスライダ10の内面と主軸5の偏心方向に生じる隙間が所定の隙間δとなるように形成されている。
また、主軸5には、揺動スクロール11及びスライダ10により生じるアンバランスを相殺する第1バランサ21と第2バランサ22が設けられている。なお、図1では、第1バランサ21と第2バランサ22の2個のバランサを設けた場合について例示しているが、第1バランサ21のみで構成してもよいし、第2バランサ22のみで構成してもよい。
次に、図1から図4を参照してスクロール圧縮機の動作例について説明する。まず、インバータ60からモータ8へ電力が供給されることにより主軸5が矢印R方向に回転する。すると、主軸5の回転により偏心軸部6が回転し、偏心軸部6をスリット10Cに挿入したスライダ10が揺動運動(公転運動)を行う。スライダ10の揺動運動に伴い、揺動軸受13においてスライダ10に接続された揺動スクロール11が揺動運動(公転運動)を行う。このとき、揺動スクロール11と固定スクロール12との間に形成された圧縮室で作動ガスが圧縮される。そして、圧縮された作動ガスは逆止弁14を押し上げて固定スクロール12の背面とシェル2の間の空間に吐き出された後、吐出配管2Bを通過し、スクロール圧縮機1の外部に吐出される。
ここで、上述のように、主軸5と揺動スクロール11との間に設けられたスライダ10は作動ガスの圧力による力で揺動半径が大きくなる方向に移動する可変クランク機構を構成している。このクランク機構において、低速回転時には揺動スクロール11及び固定スクロール12の渦巻き体の側面同士が接触するようにし、高速回転時には揺動スクロール11及び固定スクロール12の渦巻き体の側面同士が非接触になるように設定されている。具体的には、スライダ10は、回転速度が所定の回転速度Nref以下のときに、作動ガスの吸入及び吐出による圧力による偏心方向に作用する力よりも小さくなる遠心力を発生し、回転速度が所定の回転速度Nrefより大きくなったときに、作動ガスの吸入及び吐出による圧力による偏心方向に作用する力以上の遠心力を発生するように構成されている。以下に図2を参照して詳細に説明する。
まず、運転動作中、揺動スクロール11には遠心力Fcと作動ガスの圧力によるガス荷重力Fgrとが作用する。このうち、揺動スクロール11に加わる遠心力Fcは、揺動スクロール11の偏心量である揺動半径と重量と回転数とに応じた第1遠心力Fc_osと、バランサ10Bが一体となったスライダ10の重心位置と重量に応じた第2遠心力Fc_slとからなる。第1遠心力Fc_osと第2遠心力Fc_slとは作用する方向は相反する。
次に、運転動作中、揺動スクロール11には作動ガスの圧力による力Frが作用する。図2及び図4に示すように、偏心軸部6とスライダ10とが接触している面には、作動ガスの接線方向ガス荷重力Fgθが揺動半径を増大させる方向に加わる。このとき、偏心軸部6とスライダ10のスリット10Cとには角度φ(スライダ角φ)が付けられているため、揺動スクロール11には、接線方向ガス荷重力Fgθにおける偏心方向の力(Fgθ×tanφ)が作用する。また、揺動スクロール11には作動ガスの圧力によるガス荷重力Fgrが半径方向(反偏心方向側)に作用する。なお、スライダ10が半径方向に移動する際は偏心軸部6とスリット10Cとの接触面上に摩擦力が作用するが、揺動スクロール11の半径方向に作用する力の向きには影響しないため、ここでは無視する。
以上、揺動スクロール11の半径方向に作用する力Frは次の式(1)となる。
Fr=Fc+Fg
=Fc_os−Fc_sl+Fgθ×tanφ−Fgr ・・・(1)
ここで、スライダ10は、揺動運動時に揺動スクロール11が発生する偏心方向の第1遠心力Fc_osよりも大きい反偏心方向の第2遠心力Fc_slを発生するように、すなわち第1遠心力Fc_osが下記式(2)を満たすようにバランサ10Bが設定されている。具体的には、スライダ10におけるバランサ10Bは、第2遠心力Fc_slが揺動スクロール11で発生する第1遠心力Fc_osより大きくなるような重量と形状を有している。
Fc_os−Fc_sl<0 ・・・(2)
スライダ角φは、接線方向ガス荷重力Fgθがガス荷重力Fgrよりも大きくなるように設定されている。すなわち、スライダ角φは少なくとも作動ガスの圧力に起因する力が下記式(3)を満たすように設定されている。
Fgθ×tanφ−Fgr>0 ・・・(3)
作動ガスの吸入及び吐出の状態とスライダ角φとが一定である場合、作動ガスによる力Fgは一定値になり、式(1)の力Frは遠心力Fcを決定する回転速度Nのみの関数となる。また式(2)において、回転速度Nが大きくなればなるほど、Fc_os−Fc_slのマイナス値は大きくなっていく。そして、上記式(1)において、反偏心方向(矢印α2方向)の遠心力Fcが偏心方向(矢印α1方向)の作動ガスによる力Fg以下(Fc≦Fg)になる回転速度Nのうちは、揺動スクロール11は偏心方向(矢印α1方向)へ移動し、揺動スクロール11と固定スクロール12との渦巻き体の側面同士が接触した状態になる(図2、図3参照)。一方、遠心力Fcが作動ガスによる力Fgよりも大きくなった場合(Fc>Fg)、揺動スクロール11は反偏心方向(矢印α2方向)へ移動し、揺動スクロール11と固定スクロール12との渦巻き体の側面同士が非接触状態になる(図4、図5参照)。
図6は揺動スクロール11の半径方向に作用する力Frの計算結果の一例を示すグラフである。なお、図6(A)〜図6(C)中、横軸はスクロール圧縮機1の回転数、縦軸は図6(A)では揺動スクロール11及びスライダ10の偏心方向に作用する遠心力Fc、図6(B)は揺動スクロール11及びスライダ10の偏心方向に作用する作動ガスの圧力による力、図6(C)は揺動スクロール11の偏心方向(矢印α1方向)に作用する力Frを示している。
図6(A)に示すように、第1遠心力Fc_os及び第2遠心力Fc_slはともに回転速度Nの二乗に比例して大きくなる。式(2)に示したように、揺動スクロール11とスライダ10の遠心力の合計(Fc=Fc_os−Fc_sl)はマイナス値、つまり、揺動スクロール11の反偏心方向(矢印α1方向)に作用する。また、図6(B)に示すように、作動ガスの圧力による力Fg(=Fgθ×tanφ−Fgr)は式(3)に示したようにプラス値、つまり揺動スクロール11の偏心方向(矢印α1方向)に作用する。また、作動ガスの吸入及び吐出の状態とスライダ角φとが一定である場合、作動ガスによる力Fgはほぼ一定値になっている。
そして、図6(C)に示すように、揺動スクロール11の半径方向に作用する力Frは、回転数が低い低速運転時は、作動ガスの圧力による力Fgの方が遠心力Fcよりも大きくなり(Fg>Fc)、スライダ10の内面と主軸5との偏心方向側に隙間δが生じる。これに伴い揺動スクロール11及び固定スクロール12の渦巻き体の側面同士が接触する(図3参照)。よって、低速回転時において揺動スクロール11と固定スクロール12との間に隙間が生じることによる作動ガスの漏れを防止することができる。
一方、回転速度Nが増加して所定の回転速度Nrefより大きい高速運転時になると、遠心力Fcの方が作動ガスによる力Fgよりも大きくなる(Fc>Fg)。すると、スライダ10の内面と偏心軸部6との偏心方向(矢印α1方向)側の隙間がなくなる。これに伴い揺動スクロール11及び固定スクロール12の渦巻き体の側面同士の間に隙間δが生じ両者は離隔された状態になる(図5参照)。
このように、高速回転時において揺動スクロール11と固定スクロール12とが接触することによる摺動損失と摺動騒音を防止することができる。特に、スライダ10のスリット10Cは、高速運転時に揺動スクロール11及び固定スクロール12が離隔したとき、漏れによる損失が摺動損失以下となるように隙間δが形成されている。したがって、隙間δを形成したことによる漏れ損失により圧縮性能が低下することを防止することができる。
すなわち、従来のように、低速回転時のみならず高速回転時においても揺動スクロール11と固定スクロール12とが接触状態を維持する場合、摺動損失及び摺動騒音が大きくなり却って不利益が生じる場合がある。一方、上述したスクロール圧縮機1においては、所定の回転速度Nref以下の低速回転時においては、揺動スクロール11と固定スクロール12とを接触状態にしてシール性を高めるとともに、所定の回転速度Nrefより大きい高速回転時においては、揺動スクロール11と固定スクロール12とを非接触状態にして摺動損失及び摺動騒音の発生を抑えることができる。したがって、すべての回転速度領域において、圧縮性能の高いスクロール圧縮機1を提供することができる。なお、渦巻き体の側面に生じる隙間δが過剰とならないように、スライダ10の内面と偏心軸部6とは接触し、揺動スクロール11が反偏心方向(矢印α2方向)に移動することを規制している。このように、スライダ10のスリット10Cと偏心軸部6間の隙間δを調整しているため、渦巻き側面の隙間δが過大となることがないため、漏れ損失を低減する事ができる。
実施形態2.
図7は本発明の実施形態2に係るスクロール圧縮機におけるスライダの周辺部位を示す模式図であり、図7を参照してスクロール圧縮機のスライダについて説明する。なお、図7に示すスクロール圧縮機において図1〜図6に示すスクロール圧縮機と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。図7において、バランサ10Bと一体としたスライダ10の軸方向の重心位置が揺動軸受13の中心H1と一致するような形状を有している。
図7に示すようなスクロール圧縮機であっても、実施形態1と同様、渦巻き側面が摺動することで生じる摺動損失と摺動騒音を防止することができる。さらに、揺動スクロール11の軸受である揺動軸受13で支持されているスライダ10に対してモーメントが発生しないため、スライダ10が揺動軸受13内で傾くことが無く片当りが生じることがない。よって、軸受負荷容量の低下や片当り接触による摩耗が生じるのを防止することができる。
実施形態3.
図8は、図1から図7のスクロール圧縮機1を適用した冷凍サイクル装置100の一例を示す冷媒回路図であり、図8を参照して冷凍サイクル装置100について説明する。図8の冷凍サイクル装置100は、スクロール圧縮機1、凝縮器80、膨張弁81、蒸発器82を冷媒配管で接続した冷凍サイクル回路を形成している。そして、蒸発器82から流出した冷媒はスクロール圧縮機1に吸入され圧縮されて高温・高圧となる。高温・高圧となった冷媒は凝縮器80において凝縮され液体になる。液体となった冷媒は膨張弁81で減圧・膨張されて低温・低圧の気液二相となり、気液二相状態の冷媒が蒸発器82において熱交換される。
このような冷凍サイクル装置100においても、上述したスクロール圧縮機1を用いることにより、スクロール圧縮機1を低速で運転するとき、揺動スクロール11と固定スクロール12が接触して漏れ損失を防止することができる。一方、スクロール圧縮機1を高速で運転するとき、揺動スクロール11と固定スクロール12は離隔され、スクロール同士の接触による摺動損失と摺動騒音の発生を防止することができる。
本発明の実施形態は、上記各実施形態に限定されない。たとえば、図2及び図4において、バランサ10Bが略円弧状に形成された場合について例示しているが、この形状に限られず、揺動スクロール11に上述した条件を満たす遠心力を発生させるものであれば、その形状を問わない。また、所定の回転速度Nrefは、回転速度Nrefの設定は、バランサ10Bによる遠心力の大きさ及びスライダ角φ等の設定により、材料、作動ガス(冷媒)の種類等に応じて適宜設定することができる。
1 スクロール圧縮機、2 シェル、2A 吸入配管、2B 吐出配管、2C 油溜め、3 フレーム、4 サブフレーム、5 主軸、6 偏心軸部、6a 平坦面、7 油ポンプ、8 モータ、8A モータロータ、8B モータステータ、10 スライダ、10A 円筒部、10B バランサ、10C スリット、11 揺動スクロール、11a 吐出口、12 固定スクロール、13 揺動軸受、14 逆止弁、15 弁押さえ、16 弁ボルト、21 第1バランサ、22 第2バランサ、60 インバータ、80 凝縮器、81 膨張弁、82 蒸発器、100 冷凍サイクル装置、Fc 遠心力、Fc_os 第1遠心力、Fc_sl 第2遠心力、Fg 作動ガスによる力、Fgr ガス荷重力、Fgθ 接線方向ガス荷重力、Fr 揺動スクロールに加わる力、N 回転速度、Nref 所定の回転速度、α1 偏心方向、α2 反偏心方向、δ 隙間、φ スライダ角。

Claims (5)

  1. 密閉空間を有するシェルと、
    前記シェル内に回転可能に収容された主軸と、
    前記主軸の回転中心から偏心した位置に固定された偏心軸部と、
    前記偏心軸部に取付けられ、前記偏心軸部が回転した際に揺動運動を行うスライダと、
    前記スライダに取付けられ、一面に渦巻き体が設けられた揺動スクロールと、
    前記シェル側に固定され、前記揺動スクロールの渦巻き体に嵌め込まれる渦巻き体を有し前記揺動スクロールと協働して作動ガスを圧縮する固定スクロールと
    を備え、
    前記スライダは、前記偏心軸部が挿入されるものであって偏心方向において前記偏心軸部との間に隙間を形成したスリットを有し、前記揺動スクロールを偏心方向にスライドさせるものであり、
    前記スライダには、揺動運動時に前記揺動スクロールが発生する偏心方向の遠心力よりも大きい反偏心方向の遠心力を発生させるバランサが設けられており、
    前記スライダは、回転速度が所定の回転速度以下のときに前記揺動スクロールと前記固定スクロールとの渦巻き体の側面同士が接触状態になり、回転速度が前記所定の回転速度より大きくなったときに前記揺動スクロールと前記固定スクロールとの渦巻き体の側面の間に隙間が形成された非接触状態になるような遠心力を発生するものである
    ことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 前記隙間は、漏れによる損失が防止した摺動損失以下となるように形成されることを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記揺動スクロールは、作動ガスの吸入及び吐出の圧力により偏心方向に作動ガスによる力を受けるものであり、
    前記スライダは、回転速度が前記所定の回転速度以下のときに、作動ガスによる力及び前記揺動スクロールによる遠心力の合力以下の遠心力を発生し、回転速度が前記所定の回転速度より大きくになったときに、作動ガスによる力及び前記揺動スクロールによる遠心力の合力より大きい遠心力を発生するものであることを特徴とする請求項1または2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記バランサは、揺動運動時に前記揺動スクロールが発生する偏心方向の遠心力よりも大きい反偏心方向の遠心力を発生する重量及び/又は形状を有するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  5. 前記スライダは、前記スリットが形成された円筒部及び前記円筒部に接続された前記バランサを有するものであり、
    前記揺動スクロールは、前記円筒部の外周に回転可能に接続される揺動軸受を備えたものであり、
    前記スライダは、軸方向の重心位置が前記揺動軸受の軸方向の中心に一致する形状を有することを特徴する請求項1〜4のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
JP2013094203A 2013-04-26 2013-04-26 スクロール圧縮機 Pending JP2014214702A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013094203A JP2014214702A (ja) 2013-04-26 2013-04-26 スクロール圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013094203A JP2014214702A (ja) 2013-04-26 2013-04-26 スクロール圧縮機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014214702A true JP2014214702A (ja) 2014-11-17

Family

ID=51940707

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013094203A Pending JP2014214702A (ja) 2013-04-26 2013-04-26 スクロール圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014214702A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109312745A (zh) * 2016-07-27 2019-02-05 比泽尔制冷设备有限公司 压缩机
US11353022B2 (en) 2020-05-28 2022-06-07 Emerson Climate Technologies, Inc. Compressor having damped scroll

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0447104U (ja) * 1990-08-28 1992-04-22
JPH05187366A (ja) * 1992-01-10 1993-07-27 Mitsubishi Electric Corp スクロール圧縮機
JPH07324689A (ja) * 1994-05-31 1995-12-12 Mitsubishi Heavy Ind Ltd スクロール型流体機械
JPH10281084A (ja) * 1997-04-04 1998-10-20 Mitsubishi Electric Corp スクロール圧縮機

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0447104U (ja) * 1990-08-28 1992-04-22
JPH05187366A (ja) * 1992-01-10 1993-07-27 Mitsubishi Electric Corp スクロール圧縮機
JPH07324689A (ja) * 1994-05-31 1995-12-12 Mitsubishi Heavy Ind Ltd スクロール型流体機械
JPH10281084A (ja) * 1997-04-04 1998-10-20 Mitsubishi Electric Corp スクロール圧縮機

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109312745A (zh) * 2016-07-27 2019-02-05 比泽尔制冷设备有限公司 压缩机
US11353022B2 (en) 2020-05-28 2022-06-07 Emerson Climate Technologies, Inc. Compressor having damped scroll
US11692546B2 (en) 2020-05-28 2023-07-04 Emerson Climate Technologies, Inc. Compressor having damped scroll

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003269346A (ja) スクロール型流体機械
Teh et al. Theoretical study of a novel refrigeration compressor–Part I: Design of the revolving vane (RV) compressor and its frictional losses
RU2567346C1 (ru) Спиральный компрессор
JPH04365902A (ja) スクロール型流体機械
WO2010125961A1 (ja) スクロール圧縮機
JP2015165105A (ja) スクロール圧縮機
JPH0545800B2 (ja)
JP6554926B2 (ja) スクロール圧縮機
JP5455763B2 (ja) スクロール圧縮機,冷凍サイクル装置
JPWO2016046877A1 (ja) スクロール圧縮機
JP2014214702A (ja) スクロール圧縮機
JP2000320475A (ja) 容積形流体機械
JP6137876B2 (ja) 冷凍機用スクロール圧縮機
JP5506839B2 (ja) スクロール圧縮機及び空気調和装置
JP6607970B2 (ja) スクロール圧縮機
WO2013145018A1 (ja) スクロール圧縮機
JP6104396B2 (ja) スクロール圧縮機
KR20040111345A (ko) 스크롤압축기
CN112240296A (zh) 涡旋式压缩机
JPS61265376A (ja) スクロ−ル圧縮機
JP2003301784A (ja) スクロール流体機械の自転防止機構
WO2022097299A1 (ja) スクロール圧縮機
JPS58106190A (ja) スクロ−ル型圧縮機
WO2022264792A1 (ja) スクロール圧縮機
WO2023100271A1 (ja) スクロール圧縮機および冷凍サイクル装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151019

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160726

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160913

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170228

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170905