JP2014213450A - 中綴印刷物、及び、識別情報付き針金 - Google Patents

Abstract

【課題】生産ログ情報等の識別情報付きの中綴印刷物を提供する。
【解決手段】中綴じ製本に用いる針金に識別情報が印字された識別情報付き針金１１を用い、中綴印刷物に識別情報を添付した識別情報付き中綴印刷物１を生産する。針金供給装置１１と中綴機２１のステッチ部２４の間に識別情報印字装置４１を設け、針金供給装置３１から送られる針金３が印字窓４４を有する送り部材４３を通過する際、レーザーマーカー４２により生産ログ等の識別情報を印字する。識別情報が印字された識別情報付き針金１１は、ステッチ部２４において所定の長さに切断され、丁合された丁合印刷物２５を中綴じする。
【選択図】図４

Description

本発明は、針金で中綴じ製本をした中綴印刷物に関し、更に詳しくは、識別情報付き針金で中綴じ製本をした中綴印刷物に関する。

書籍を生産する過程では、印刷ミスや乱丁・落丁等の品質不良が発生することがあり、生産された書籍を流通過程で管理したいという要望がある。

従来、書籍の流通管理方法として、書籍ＩＤ情報等が格納されている非接触ＩＣタグを書籍の奥付部分等に添付し、流通過程の各組織に当該書籍が流通する際に、各書籍に添付されている非接触ＩＣタグの情報と、流通過程の組織の情報とを一元的に管理するシステムが提案されている（例えば、特許文献１）。

特開２００４−１１８６００号公報

しかしながら、雑誌、フリーペーパー等の中綴本では、消費者から見えない場所が無いため、非接触ＩＣタグ等を添付したり、生産ログ等の識別情報を印刷する場所がないという問題がある。

また、定期刊行の雑誌等では、日本雑誌協会、日本取次協会、日本書店組合連合会による共通雑誌コードが印刷されているが、雑誌、フリーペーパー等の種類は非常に多く、コードのついていないものも多いという問題がある。

そのため、品質不良等の事故が発生した場合に、その印刷物の生産場所や日時等が分からず、全数検品を実施する必要が生じ、多額なコストがかかるという問題がある。

本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、生産ログ情報等の識別情報付きの中綴印刷物を提供することである。

前述した目的を達成するために、第１の発明は、識別情報を印字した針金により中綴じ製本されていることを特徴とする中綴印刷物である。
第１の発明によって、中綴印刷物を綴じる針金に識別情報が印字されることにより、消費者の目にはめだたない又は見えない部分に識別情報を添付することが可能になる。

前記識別情報は、生産ログ情報であることが好ましい。
これにより、生産ログ情報が中綴じ製本の針金に印字されることにより、中綴印刷物の生産場所や生産日時が個々の中綴印刷物に添付され、個々の中綴印刷物のトレーサビリティーが向上する。

前記生産ログ情報は、前記中綴印刷物を中綴じ製本した日付、時間、又は、製本機械の識別番号のすくなくとも１つを含むことが望ましい。
これにより、中綴印刷物から、中綴じ製本した日付、時間、又は、製本機械の少なくとも１つを特定することができる。

前記識別情報は、前記針金にレーザーマーカーにより印字されていることが好ましい。
レーザーマーカーにより針金に微細な文字で識別情報が印字され、中綴印刷物に識別情報を添付することが可能になる。

前記識別情報は、前記針金に肉眼では視認できない大きさで印字されていることが望ましい。
識別情報が肉眼では視認できない大きさで印字されていることにより、消費者に生産ログ等が付されていることを気づかれることがない。

第２の発明は、複数の印刷物を中綴じ製本して中綴印刷物を製作する際に用いられる識別情報付き針金であって、前記中綴印刷物の識別情報が印字されていることを特徴とする識別情報付き針金である。
中綴じ製本に用いる針金に中綴じ印刷物の識別情報を印字することにより、中綴印刷物のトレーサビリティーを安価に向上することが可能になる。

前記識別情報は、生産ログ情報であることが好ましい。
これにより、生産ログ情報が中綴じ製本の識別情報付き針金に印字されることにより、中綴印刷物の生産場所や生産日時が個々の中綴印刷物に添付され、個々の中綴印刷物のトレーサビリティーが向上する。

前記生産ログ情報は、前記中綴印刷物を中綴じ製本する日付、時間、又は、製本機械の識別番号のすくなくとも１つを含むことが望ましい。
これにより、識別情報付き針金から、中綴じ製本した日付、時間、又は、製本機械の少なくとも１つを特定することができる。

前記識別情報は、前記針金にレーザーマーカーにより印字されていることが好ましい。
レーザーマーカーにより針金に微細な文字で識別情報が印字することが可能になる。

前記識別情報は、前記針金に肉眼では視認できない大きさで印字されていることが望ましい。
識別情報が肉眼では視認できない大きさで印字されていることにより、消費者に生産ログ等が付されていることを気づかれることがない。

本発明により、生産ログ情報等の識別情報付きの中綴印刷物を提供することが可能になる。

本発明の実施の形態に係る識別情報付き中綴印刷物１を示す斜視図 識別情報付き針金１１を説明する図 中綴印刷物１の生産工程を説明する図 本発明の実施の形態に係るステッチ部２４へ供給する識別情報付き針金１１の供給方法を示す図

以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係る識別情報付き中綴印刷物１の好適な実施形態について詳細に説明する。

図１は、本発明の実施の形態に係る識別情報付き中綴印刷物１を示す斜視図である。

図１（ａ）は、識別情報付き中綴印刷物１を中央のページで見開いた状態を示す図である。
図１（ａ）に示すように、識別情報付き中綴印刷物１は、識別情報付き針金１１により中綴じ製本される。同図に示すように、中綴印刷物１は針金１１により通常２箇所を綴じるが、綴じる箇所数はこれに限られない。

図１（ｂ）は、識別情報付き中綴印刷物１の表裏表紙の状態を示す図である。
図１（ｂ）に示すように、識別情報付き中綴印刷物１は、中綴印刷物１の背となる中央に、例えば、２箇所、識別情報付き針金１１を打ち込み、図１（ａ）に示すように、見開きページの部分で識別情報付き針金１１の両端が向き合うように折り込むことにより綴じられる。

図２は、本発明の実施の形態に係る識別情報付き中綴印刷物１の中綴じ製本に用いられる識別情報付き針金１１の例を説明する図である。
識別情報付き針金１１には、例えば、生産ログである生産日時（日付１３と時間１５）や、製本機械の機械番号１７等が印字される。この例では、日付１３として「２０１２０３２１」が印字され、時間１５として「１６：１０」が印字され、機械番号１７として「Ａ」が印字されている。

識別情報付き針金１１は、後述するように、レーザーマーカー等により識別情報が針金上に印字されたものである。図２は、識別情報付き針金１１の識別情報を拡大して示したものであり、肉眼では見えにくく、例えば、拡大鏡等により見ることが可能である。また、識別情報は、肉眼では視認できない大きさで、印字されていることが望ましい。こうすることにより、消費者に生産ログ等が付されていることを気づかれることがない。

識別情報付き針金１１には、図２に示すような識別情報が長さ方向に繰り返し印字され、識別情報付き中綴印刷物１では、その識別情報付き針金１１が所定の長さに切断され、図１に示すように中綴じされる。
よって、針金の所定の長さの間に図２に示すような生産ログ等の識別情報が印字されることが望ましい。

識別情報としては、図２に示すような生産ログに限ることなく、中綴印刷物１の印刷ロット番号等、その他の情報を印字するようにしてもよい。

以上のように、中綴印刷物１を綴じる針金として識別情報付き針金１１を用いることにより、個々の中綴印刷物１に生産ログ等の識別情報を付与することが可能になり、例えば、製本ミス等の事故が発生した場合に、事故が起きた中綴印刷物１の識別情報付き針金１１を中綴印刷物１から抜いて識別情報を確認することにより、事故の発生日時や機械番号を生産ログ情報である日付１３、時間１５、機械番号１７から得ることが可能になり、従来の全品検査等にかかるコストを削減することが可能になる。

また、製本等の生産工程のビデオ映像を撮影しておけば、識別情報付き針金１１から得られる事故の発生日時、機械番号から検証すべき映像を特定することが可能になり、事故原因の特定を容易に行うことが可能になる。

図３は、中綴印刷物１の生産工程を説明する図である。
通常、中綴印刷物１は、通常、中綴機２１で生産される。
中綴機２１は、オフセット印刷機等により印刷された複数の印刷物を丁合する丁合部２２と、丁合部２２で丁合した丁合印刷物２５を針金で綴じるステッチ部２４と、ステッチ部２４で綴じた丁合印刷物２５を折って成型する折り部２６等で構成される。
丁合部２２には、折丁の印刷物が給紙される場合もある。

本実施形態の識別情報付き中綴印刷物１の生産工程では、ステッチ部２４において、識別情報付き針金１１を用いて丁合印刷物２５を綴じる。

図４は、本発明の実施の形態に係るステッチ部２４へ供給する識別情報付き針金１１の供給方法を示す図である。
図４（ａ）は、ステッチ部２４への識別情報付き針金１１の供給部分の構成を示す図である。

ステッチ部２４への識別情報付き針金１１の供給部分は、針金供給装置３１と、針金に識別情報を印刷する識別情報印字装置４１で構成される。

針金供給装置３１は、従来から用いられているものである。針金台３２上に針金３が巻かれたボビン３３を装着され、ボビン３３に巻かれた針金３が、ボビン３３の中心を軸として回転する回転部３５に接続された回転腕部３４により取出され、送りガイド部３６を介して識別情報印字装置４１に送られる。

識別情報印字装置４１は、針金３を送る送り部材４３と、識別情報を印字するレーザーマーカー４２等で構成される。
送り部材４３の情報にレーザーマーカー４２が設置され、送り部材４３に送られた針金３に矢印Ａ方向にレーザーが照射され識別情報が印字される。
印字が完了した識別情報付き針金１１は、中綴機２１のステッチ部２４に送られ、所定の長さに切断されてステッチ処理が行なわれる。

図４（ｂ）は、送り部材４３のＡ方向矢視図、図４（ｃ）は送り部材４３の断面図である。
送り部材４３は図４（ｃ）に示すように筒状であり、この中を針金３が送られる。図４（ｂ）に示すように、送り部材４３には、レーザーマーカー４２に相対する面に印字窓４４が設けられる。送り部材４３は、例えばスチール管であり、印字窓４４の部分に切り込みを入れて作成される。

針金３の送り制御装置（図示せず）は、針金３を間欠的にステッチ部２４に送り込むが、レーザーマーカー４２は、送り部材４３内に針金３が停止している間に、レーザー照射により識別情報を印字する。
レーザーマーカー４２は、例えばＣＯ_２レーザーマーカーを使用可能である。

以上に説明したように、本発明の識別情報付き中綴印刷物１により、消費者の目には見えにくい中綴じ用の針金に識別情報を付加することが可能になり、個々の中綴印刷物１に生産ログ等の識別情報を添付し、トレーサビリティーを向上することが可能になる。
これにより、製本ミス等の事故の発生時には、発生日時や機械番号等を容易に識別することが可能になり、検品コストを削減することが可能になるとともに、事故原因の特定も容易になる。

以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

１………識別情報付き中綴印刷物
３………針金
１１………識別情報付き針金
２１………中綴機
２２………丁合部
２４………ステッチ部
２６………折り部
３１………針金供給装置
４１………識別情報印字装置
４２………レーザーマーカー
４３………送り部材
４４………印字窓

Claims (10)

1. 識別情報を印字した針金により中綴じ製本されている
   ことを特徴とする中綴印刷物。
2. 前記識別情報は、生産ログ情報である
   ことを特徴とする請求項１に記載の中綴印刷物。
3. 前記生産ログ情報は、前記中綴印刷物を中綴じ製本した日付、時間、又は、製本機械の識別番号のすくなくとも１つを含む
   ことを特徴とする請求項２に記載の中綴印刷物。
4. 前記識別情報は、前記針金にレーザーマーカーにより印字されている
   ことを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれかに記載の中綴印刷物。
5. 前記識別情報は、前記針金に肉眼では視認できない大きさで印字されている
   ことを特徴とする請求項１乃至請求項４のいずれかに記載の中綴印刷物。
6. 複数の印刷物を中綴じ製本して中綴印刷物を製作する際に用いられる識別情報付き針金であって、
   前記中綴印刷物の識別情報が印字されている
   ことを特徴とする識別情報付き針金。
7. 前記識別情報は、生産ログ情報である
   ことを特徴とする請求項６に記載の識別情報付き針金。
8. 前記生産ログ情報は、前記中綴印刷物を中綴じ製本する日付、時間、又は、製本機械の識別番号のすくなくとも１つを含む
   ことを特徴とする請求項７に記載の識別情報付き針金。
9. 前記識別情報は、前記識別情報付き針金にレーザーマーカーにより印字されている
   ことを特徴とする請求項６乃至請求項８のいずれかに記載の識別情報付き針金。
10. 前記識別情報は、前記針金に肉眼では視認できない大きさで印字されている
    ことを特徴とする請求項６乃至請求項９のいずれかに記載の識別情報付き針金。

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