JP2014212667A - 制御盤装置 - Google Patents

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Yasuyuki Hashimoto
康之 橋本
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Abstract

【課題】外部からの塵や埃、水滴等の侵入を防ぐと共に、アナログ回路の精度安定化を実現した上で、必要な放熱量を確保した特に発電プラント向け制御盤等に好適な制御盤装置を提供する。【解決手段】密閉断熱構造でなる盤筐体、この盤筐体の内部に設けられた、電気回路を有するユニットを装脱し得るユニット装着部、及び前記盤筐体の外気に面する前面部に開閉し得るように設けられ、閉じたときには密閉される断熱構造の盤扉を有する制御盤と、前記制御盤の上部に配設され前記ユニットを冷却するための冷媒循環型の冷却装置を備えるようにしたものである。【選択図】図1

Description

この発明は、例えば電源、コントローラ等の発熱体が収納されて屋外等に設置される可能性のある発電プラントの制御盤などとして好適な制御盤装置に関するものである。
従来の密閉型の制御盤においては、以下のような対策が施され、必要な放熱量を確保している。
1)筐体の内面/外面を凹凸構造とし、表面積を大きくする(特許文献1参照)。
2)筐体の材質を熱伝導率の高い金属とし、内面/外面に赤外線放射率の高い表面処理を施す(特許文献2参照)。
3)筐体を2重構造として天井に発生する結露を防止する(特許文献3参照)。
特開2001−358483号公報(第1頁、図1) 特開平04−084496号公報(第1頁、第1図) 特開平11−195878号公報(第1頁、図1)
上記のような従来の技術の内、筐体に吸気口や排気口を設け、自然換気もしくは強制換気により放熱する構造とするものでは、発電プラント向けの制御盤のように屋外に設置される場合、外部からの塵や埃、水滴、小動物等の侵入を許す恐れがあり、ユニット動作停止等の不具合につながる。また、盤扉の開閉によって盤内温度が変化することにより、アナログ回路の精度に誤差が発生するため、空調管理され過度の塵や埃にさらされることのないクリーンな部屋に設置しなければならなかった。また、筐体を2重構造とするものでは結露防止に有効ではあるが冷却性能に限界があるという課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、屋外に設置可能で外部からの塵や埃、水滴等の侵入を防ぐと共に、必要な放熱量を確保した制御盤装置を提供することを目的としている。
この発明に係る制御盤装置は、密閉断熱構造でなる盤筐体、この盤筐体の内部に設けられた、電気回路を有するユニットを装脱し得るユニット装着部、及び前記盤筐体の外気に面する前面部に開閉し得るように設けられ、閉じたときには密閉される断熱構造の盤扉を有する制御盤と、前記制御盤の上部に配設され前記ユニットを冷却するための冷媒循環型の冷却装置を備えたことを特徴とするものである。
この発明によれば、外部からの塵や埃、水滴等の侵入を防ぐと共に、必要な放熱量を確保することができる。
この発明の実施の形態1に係る制御盤装置を模式的に示す構成図。 この発明の実施の形態2に係る制御盤装置を模式的に示す構成図。 この発明の実施の形態3に係る制御盤装置を模式的に示す構成図。 この発明の実施の形態4に係る制御盤装置を模式的に示す構成図。 この発明の実施の形態5に係る制御盤装置を模式的に示す構成図。 この発明の制御盤装置の外観例を概略的に示す斜視図。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る制御盤装置を模式的に示す構成図、図6はこの発明の制御盤装置の外観例を概略的に示す斜視図である。図において、制御盤装置は天井部、壁面部、床部の何れにも断熱材(図示省略)が設備されて密閉構造に形成された盤筐体1と、盤筐体1の内部に設けられたユニット装着部1aに装脱可能に収容された発熱部品となる電気回路(電子回路を含む)を有する少なくとも1つのユニット2と、盤筐体1の外気に面した前面部に開閉可能に設けられ、閉成時には周囲に設けられた図示省略しているゴムパッキングによって内外が密閉される断熱構造の盤扉3(図6に図示)を有する制御盤4と、制御盤4の上部に設置されユニット2を冷却する冷媒循環型の冷却装置5を備えている。なお、図示の例では制御盤4は3面の略同一サイズの制御盤4を隣接させて相互に連結されている。
また、盤筐体1の密閉性は気圧の変動や気温の変化による盤筐体1内外の圧力変化による呼吸は許すように構成され、塵や埃、水滴、小動物等の侵入はシャットアウトし得るように構成されている。前記した気体(空気)の呼吸を許しつつ断熱性を確保し、しかも塵や埃、水滴、小動物等の侵入はシャットアウトする機能を実現するための構成は、例えば公知の技術を適宜選択して用いることができる。この実施の形態1では、盤筐体1の壁面等に内外を連通する小穴を設け、その内外の小穴の連通路に所望の細かさのフィルタを交換可能に設置することで構成している(小穴、連通路、及びフィルタの何れも図示省略)。なお、小穴は盤筐体1の内部から外部に向けて下方向への傾斜を設け、外部には雨水等の侵入を防ぐフード状のカバー(図示省略)が設けられている。
冷却装置5は、連結された3面の制御盤4の上部に設置され、冷媒を圧縮するコンプレッサ51、圧縮された冷媒を凝縮させるコンデンサ52、凝縮時にコンデンサ52で発生した熱を系外に排出するためのコンデンサファン53、およびコンデンサ52で凝縮された冷媒を膨張弁(図示省略)を介して噴出、膨張させ、気化熱によって周囲の熱を奪うエバポレータ54からなる一般的な冷凍サイクルを用いて構成されている。この実施の形態1においては、エバポレータ54は、各制御盤4の内部に分散して設置された小型のものからなり、コンデンサ52で凝縮された冷媒が分配器55と、パイプ56を用いて各制御盤4に通流され、収容されたユニット2の発生熱をエバポレータ54で奪った後、コンプレッサ51に循環するように構成されている。なお、冷媒の種類などは特に限定されるものではなく、例えば一般的に用いられている炭化水素系冷媒や二酸化炭素冷媒などから適宜選択して用いることができる。
前記冷却装置5は制御盤4とは独立した専用の筐体50に収容するようにしても良いし、あるいは筐体50と3面の制御盤4を合わせた大きさの大きな筐体(図示省略)を用意して、その筐体の下部側にそれぞれ断熱密閉構造の所定数の前記制御盤4を収容し、上部側に冷却装置5を設置するようにしても良い。何れの場合も、発熱部となるコンプレッサ51とコンデンサ52はコンデンサファン53による通風構造を確保して発生した熱を筐体50の外部に排出できるように構成される。また、独立した専用の筐体50とする場合は、下部側に設置される制御盤4のサイズや、制御盤装置1台当たりの制御盤4の連結予定数に見あう適宜の大きさに形成する。
分配器55には予め所定数の分岐流路とその分岐流路の開閉バルブ、及び分岐流路にパイプを接続するための接続部(何れも図示省略)が設けられている。エバポレータ54は制御盤4内部の上方部に設置されている。制御盤4の盤筐体1は密閉断熱構造であり、しかも盤扉3の開閉回数は例えば食品用の冷蔵庫のように多くなされるものではないため、稼働中におけるエバポレータ54への水蒸気の凝縮は、例えば梅雨時などであっても少ない。なお、万一凝縮した水がエバポレータ54から滴り落ちることがあっても、ユニット2にはかからないように傾斜された水受け部材がエバポレータ54の下部に設置され、仮に流れを生じるほどのドレン水を生じても盤筐体1の外部に排出されるように図示省略している前記小穴にパイプで接続されている(何れも図示省略)。上記のほか、屋外で設置されるものについては、日除けや降雨から保護する機能などを有する屋根や庇、筐体表面への反射塗料の塗布など、適宜に設けることができる。
上記のように構成された実施の形態1においては、コンプレッサ51によって圧縮された冷媒ガスはコンデンサ52でコンデンサファン53の風によって冷却され、液冷媒となる。そして、分配器55を経由して膨張弁を介し盤筐体1の内部に設けられたエバポレータ54内へ噴射され、液冷媒は気化する。冷媒は気化するときに周囲の熱を奪い、エバポレータ54は冷却される。エバポレータ54が冷却されることで盤筐体1の内部に設置された発熱部品であるユニット2が冷却される。気化した冷媒はコンプレッサ51に戻され再び圧縮されて系内を循環する。このように冷媒がパイプ中を循環することにより、制御盤4は必要な放熱が行われる。なお、制御盤4の内部の温度を所定の範囲内に維持するための制御機能などは周知の技術を用いて適宜追加することができる。その場合にはアナログ回路の精度安定化を実現できる。
上記のように実施の形態1によれば、密閉断熱構造でなる盤筐体の内部に電気回路を有する少なくとも1つのユニットが装脱可能に収容され、前記盤筐体の外気に面する前面部に前記ユニットの交換時やメンテナンス時に開閉し得る密閉断熱構造の盤扉を有する制御盤と、前記制御盤の上部に配設され前記ユニットを冷却する冷媒循環型の冷却装置を備えるようにしたので、屋外に設置可能で外部からの塵や埃、水滴等の侵入を防ぐと共に、必要な放熱量を確保した制御盤装置を得ることができる。特に発電プラント向けの制御盤として好適に用いることができる。温度制御を行うようにした場合にはアナログ回路の精度安定化を実現できる。また、万一制御盤4の内部で水分がエバポレータ54に凝縮しても、図示していない小穴から盤外に排出されるので短絡事故を防止できる。
実施の形態2.
図2はこの発明の実施の形態2に係る制御盤装置を模式的に示す構成図である。図において、冷却装置5には、制御盤4の内部空間の温度を温度検出手段57aによって検出してコンプレッサ51の回転数を制御することによって制御盤4の内部の温度を適正に保つための温度制御手段57を備えている。なお、ここでは、コンプレッサ51はインバータ回路によって制御されるように構成されている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
上記のように構成された実施の形態2においては、温度制御手段57によって制御盤4の内部の温度が設定された所定の温度範囲内に維持されることにより、制御盤4に収容されたユニット2の動作が安定し、特にアナログ回路の精度安定化を実現できる。なお、温度制御手段57の構成は上記のものに特に限定されるものではなく、例えばエバポレータ54の温度を検知し、図示されていない膨張弁の噴射量を調整することで、温度を制御するように構成しても良い。また、制御盤4の内部に対流を促進するための電動ファンを設け、温度制御手段57によって、例えば設定温度と現在温度の差が大きい場合にその電動ファンの回転数を上げるなどの制御を合わせて行うようにしても良い。
実施の形態3.
図3はこの発明の実施の形態3に係る制御盤装置を模式的に示す構成図である。図において、エバポレータ54は冷水を作るための熱交換器58の一部として組み込まれている。熱交換器58で作られた例えば5℃程度の冷水は循環ポンプ59によって循環パイプ59aを用いて制御盤4内に実装されている各ユニット装着部1aにそれぞれ引き込み循環させることにより、筐体内部の冷却が必要なユニット装着部1aを個々の直接的な冷却を実現するように構成されている。なお、冷水としてはエバポレータ54での氷結を避けるために例えばアルコール類など公知の一般的な凍結防止剤などを適宜加えたものを用いることが望ましい。その他の構成は実施の形態1と同様である。
上記のように構成された実施の形態3においては、盤内に実装されている各ユニット2(図示省略)に冷水の循環パイプ59aを引き込み、各ユニット2を直接的に冷却し得るようにしたことにより、盤内全体を冷却する場合に比べて、各ユニット2が直接的に冷却できる。ユニット2の動作状況確認時やユニット2を交換するときの盤扉3の開閉により盤内温度が変化した場合でも、交換の必要のないユニット2の温度を一定に保つことができる。このため、特にユニット2がアナログ回路からなる場合の入出力精度誤差の発生を抑制することができるという効果が得られる。
実施の形態4.
図4はこの発明の実施の形態4に係る制御盤装置を模式的に示す構成図である。図において、盤筐体1の内部には、ユニット装着部1aに装着されたユニット2の周囲を包囲するように箱状に形成され、ユニット装着部1aの近傍の取付部(図示省略)に着脱可能に形成されたユニットカバー6が設けられている。なお、ユニットカバー6は、例えば冷接点保証回路(図示省略)などを含むアナログ回路を主体とするユニットであるアナログユニット2Aのユニット装着部に設置される。なお、ユニットカバー6の材質や固定手段などは特に限定されるものではない。例えばユニットカバー6の内側が透視できる透明なガラスやプラスチック材料などを用いることは好ましい。また、ユニット2の装脱を容易にするために、ユニットカバー6を、ヒンジ機構を用いた開閉式にし、あるいはスナップフィットなどの弾性変形を利用した係止手段によって固定するようにしても良い。なお、冷却装置5を構成するエバポレータ54などは盤筐体1の奥側に設置されていて、ここでは図示されていない。その他の構成は実施の形態2と同様である。
上記のように構成された実施の形態4においては、制御盤4内に実装されているアナログユニット2Aの周囲が、ユニットカバー6で包囲されていることで、盤扉3(図6に図示)を開いた場合でも、外気による影響を抑制することができる。また、ユニットカバー6によって未使用のユニット装着部1aもカバーされているので、ユニットカバー6の内部の温度は安定している。このため、アナログユニット2Aの入出力精度誤差の発生を抑制することができる。また、図示省略している冷接点を外気に触れることのない盤筐体1内に取り付けることができるため、冷接点保証誤差の発生を防ぐことができる。なお、ユニットカバー6は複数のユニット装着部1aをまとめて一括してカバーするようにしたが、ユニット装着部1aを個別にカバーするようにしても良い。
実施の形態5.
図5はこの発明の実施の形態5に係る制御盤装置を模式的に示す構成図である。図において、ユニット装着部1aには、該ユニット装着部1aに装着されたユニット2の側方部周囲を包囲し得るように形成され、前方部にそのユニット2を挿通し得る穴7aが開口された枠状部材7bと、ユニット2が装着されていない状態では穴7aを遮蔽し、2をユニット装着部1aに装着するときには該ユニット2の背面部に係合して、装着するときの動作によるアナログユニット2A背面部の後方への移動によって穴7aを開放するように、奥側に破線で示すように観音扉方式で逆方向に開閉動作されるユニット部開閉扉7cを有するユニット包囲部材7が設けられている。なお、ユニット包囲部材7は複数のユニット装着部1aの所定の一部に設けても良いし、全てに設けても良い。その他の構成は実施の形態2と同様である。また、ユニット2はアナログユニット2Aでもよい。
上記のように構成された実施の形態5においては、例えばアナログユニット2Aの未挿入時にはユニット部開閉扉7cが閉じているが、アナログユニット2Aを挿入するときには、アナログユニット2Aの背面部がユニット部開閉扉7cに係合してユニット部開閉扉7cを奥側に押し込むことでユニット部開閉扉7cが破線で示すように開き、アナログユニット2Aがユニット包囲部材7に隙間なく実装される。このため、ユニット交換時にユニット装着部1aが外気に曝されるのを抑制することができる。このように、実施の形態5は外気に触れることなくユニット交換できることを特徴としている。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態の一部または全部を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 盤筐体、1a ユニット装着部、2 ユニット、2A アナログユニット、3 盤扉、4 制御盤、5 冷却装置、50 筐体、51 コンプレッサ、52 コンデンサ、53 コンデンサファン、54 エバポレータ、55 分配器、56 パイプ、57 温度制御手段、57a 温度検出手段、58 熱交換器、59 循環ポンプ、59a 循環パイプ、6 ユニットカバー、7 ユニット包囲部材、7a 穴、7b 枠状部材、7c ユニット部開閉扉。

Claims (6)

  1. 密閉断熱構造でなる盤筐体、この盤筐体の内部に設けられた、電気回路を有するユニットを装脱し得るユニット装着部、及び前記盤筐体の外気に面する前面部に開閉し得るように設けられ、閉じたときには密閉される断熱構造の盤扉を有する制御盤と、前記制御盤の上部に配設され前記ユニットを冷却するための冷媒循環型の冷却装置を備えたことを特徴とする制御盤装置。
  2. 前記制御盤の内部の温度を一定に保つ温度制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の制御盤装置。
  3. 前記冷却装置は前記制御盤の内部に冷水を循環させる循環パイプと循環ポンプを備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の制御盤装置。
  4. 前記ユニット装着部に装着された前記ユニットの周囲を包囲するユニットカバーが設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の制御盤装置。
  5. 前記ユニットカバーは、前記ユニット装着部に対して着脱可能または回動可能に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の制御盤装置。
  6. 前記ユニット装着部に装着された前記ユニットの側方部周囲を包囲し得るように設けられ、その前方部に前記ユニットを挿通し得る穴が形成された枠状部材と、前記ユニットが装着されていない状態では前記穴を遮蔽し、前記ユニットを前記ユニット装着部に装着するときには該ユニットの背面部に係合して装着動作による該ユニット背面部の移動よって前記穴を開放するように動作されるユニット部開閉扉を有するユニット包囲部材を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の制御盤装置。
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