JP2014210018A - 生体装置 - Google Patents

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    • A61B5/02Detecting, measuring or recording pulse, heart rate, blood pressure or blood flow; Combined pulse/heart-rate/blood pressure determination; Evaluating a cardiovascular condition not otherwise provided for, e.g. using combinations of techniques provided for in this group with electrocardiography or electroauscultation; Heart catheters for measuring blood pressure

Abstract

【課題】生体情報を検出する際に、生体特有の個体差や変動の影響を除去して、安定した追従制御を実現する。【解決手段】生体装置(10)は、生体に対して光を照射する発光手段(110)と、生体からの戻り光を受光する受光手段(120)と、生体が有する所定のパラメータに基づいて、受光手段で受光される戻り光の量が目標値となるように、発光手段から照射する光の量を制御する制御手段(140)とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば光を照射することで生体の脈波を検出する光容積脈波計等を含む生体装置の技術分野に関する。
この種の装置として、例えば生体に対して光を照射すると共に、生体で反射又は透過された光を検出することで、脈波等の生体信号を得る装置が知られている。このような装置では、検出される光量等を適切な値に近づけるため、追従制御が実行される場合がある。例えば特許文献1では、受信された画像信号が示す輝度値と所定の目標値との差分に対応するように、発光素子の光量を制御するという技術が提案されている。
特開2006−305322号公報
しかしながら、例えば生体の血管の密度や筋組織の厚さは個体差が非常に大きく、更には測定部のわずかなズレによっても変化する。このため、生体による光の吸収率(言い換えれば、光の透過率)は、一意的に決定することができない。また、特定の個体の特定の部位における測定でも、血流量の変化党により生体特有の変動が生じ得る。このため、光の吸収率は常に変化することとなる。以上のような理由から、上述した特許文献に記載されている追従制御では、全ての個体において等しい追従特性を実現することが困難である。
本発明が解決しようとする課題には上記のようなものが一例として挙げられる。本発明は、生体特有の個体差や変動の影響を除去して、安定した追従制御を実現することが可能な生体装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための生体装置は、生体に対して光を照射する発光手段と、前記生体からの戻り光を受光する受光手段と、前記生体が有する所定のパラメータに基づいて、前記受光手段で受光される前記戻り光の量が目標値となるように、前記発光手段から照射する光の量を制御する制御手段とを備える。
実施例に係る生体装置の全体構成を示すブロック図である。 実施例に係る生体装置によるサーボ制御を示すブロック図である。 生体透過率の個体差を示すグラフである。 異なる被験者に同じ設計の追従制御を行った際の追従特性を示すグラフである。 同一の被験者が姿勢を変えて測定した場合の生体透過率を示すグラフである。 同一の被験者が姿勢を変えて測定した場合の追従特性を示すグラフである。 第1実施例に係る生体装置の動作を示すフローチャートである。 第2実施例に係る生体装置の動作を示すフローチャートである。
本実施形態に係る生体装置は、生体に対して光を照射する発光手段と、前記生体からの戻り光を受光する受光手段と、前記生体が有する所定のパラメータに基づいて、前記受光手段で受光される前記戻り光の量が目標値となるように、前記発光手段から照射する光の量を制御する制御手段とを備える。
本実施形態の生体装置によれば、その動作時には、例えば発光ダイオードとして構成される発光手段から生体に対して光りが照射されると共に、例えばフォトダイオード等として構成される受光手段により生体からの戻り光が受光される。受光手段で受光された戻り光は、生体に関する情報を示す信号として処理され、例えば生体の容積脈波が検出される。
上述した動作において、発光手段から照射される光の量は、制御手段によって制御されている。具体的には、受光手段で受光される戻り光の量が目標値となるように制御されている。なお、ここでの「目標値」とは、生体装置による生体情報の検出を適切に実行し得る値であり、予め理論的又は実験的に、或いは経験的に設定されている。
制御手段は、受光手段で受光される戻り光の量が目標値となるように、生体が有する所定のパラメータに基づいて、発光手段から照射する光の量を制御している。なお、ここでの「所定のパラメータ」とは、受光手段で受光される戻り光の量に生体が与える影響を示すパラメータであり、例えば光の透過率や光の反射率等が挙げられる。
ここで特に、上述した所定のパラメータは、例えば生体の血管密度や筋組織の厚さの個体差や、光の照射位置のわずかなズレによって変化する。また、特定の個体の特定の部位における測定でも、血流量の変化党により生体特有の変動が生じ得る。このため、生体が有する所定のパラメータは、一意的に決定することができない。
しかるに本実施形態では、上述したように、発光手段から照射される光の量が所定のパラメータに基づいて制御される。即ち、所定のパラメータの変動に応じて、発光手段から照射される光の量が調整される。従って、所定のパラメータが変動した場合であっても、受光手段で受光される戻り光の量が目標値に近づけられ、適切な検出動作を行うことができる。
本実施形態に係る生体装置の一態様では、前記所定のパラメータは、光の透過率又は光の反射率である。
この態様によれば、生体における光の透過率又は光の反射率に基づいて、発光手段から照射される光が制御される。具体的には、受光手段が生体を透過した光を戻り光として受光する場合には、光の透過率の変動に応じて、発光手段から照射される光が制御される。また、受光手段が生体で反射された光を戻り光として受光する場合には、光の反射率の変動に応じて、発光手段から照射される光が制御される。このように制御すれば、受光手段で受光される戻り光の量を確実に目標値に近づけることができる。
本実施形態に係る生体装置の他の態様では、前記制御手段は、前記所定のパラメータの変動を打ち消すように、前記発光手段から照射する光の量を制御する。
この態様によれば、制御手段による制御によって、所定のパラメータの変動が打ち消される。例えば、所定のパラメータの変動により、受光手段で受光される戻り光の量が大きくなった場合には、受光手段で受光される戻り光の量が小さくなるように制御される。また、受光手段で受光される戻り光の量が小さくなった場合には、受光手段で受光される戻り光の量が大きくなるように制御される。よって、受光手段で受光される戻り光の量を確実に目標値に近づけることができる。
本実施形態に係る生体装置の他の態様では、前記制御手段は、前記所定のパラメータに基づいてサーボゲインを設定するサーボゲイン設定手段と、前記設定されたサーボゲインにより、前記発光手段から照射する光の量に対する追従制御を実行するサーボ制御手段とを有する。
この態様によれば、制御手段による制御の実行時には、先ずサーボゲイン設定手段により、所定のパラメータに基づいてサーボゲインが設定される。即ち、所定のパラメータの変動に応じてサーボゲインが可変に設定される。なお、サーボゲインは連続的に変更されてもよいし、段階的に変更されてもよい。サーボゲイン設定手段には、所定のパラメータの値からサーボゲインを算出するための算出式等が予め記憶されている。
サーボゲインが設定されると、サーボ制御手段により、設定されたサーボゲインを用いた追従制御が実行される。これにより、発光手段から照射する光の量が調整され、結果として受光手段で受光される戻り光の量が目標値に近づけられる。
本実施形態に係る生体装置の他の態様では、前記サーボゲイン設定手段は、前記所定のパラメータを測定して測定値を取得する測定手段と、前記所定のパラメータの第1基準値及び前記第1基準値で第1追従特性を実現する第1基準サーボゲインを夫々記憶する第1記憶手段と、前記測定値で前記第1追従特性が実現されるように、前記第1基準サーボゲインに対し前記第1基準値及び前記測定値を含む係数を乗じて、第1修正サーボゲインを算出する第1サーボゲイン算出手段とを有する。
この態様によれば、サーボゲインを設定するために、所定のパラメータの第1基準値及び第1基準値で第1追従特性を実現する第1基準サーボゲインが、第1記憶手段に夫々記憶されている。なお、ここでの「第1基準値」とは、所定のパラメータの基準として予め設定される値である。また、「第1追従特性」とは、サーボ制御手段が実現すべき追従特性である。「第1基準サーボゲイン」は、所定のパラメータが第1基準値である場合に、第1追従特性を実現するためのサーボゲインである。
サーボゲインの設定動作時には、先ず測定手段により所定のパラメータが測定され、測定値が取得される。所定のパラメータは、例えば発光手段による光の照射量をスイープさせながら、受光手段で受光される戻り光の量を監視することで測定できる。
所定のパラメータが測定されると、第1サーボゲイン算出手段により、測定値において第1追従特性を実現するための第1修正サーボゲインが算出される。第1修正サーボゲインは、記憶されている第1基準サーボゲインに対し第1基準値及び測定値を含む係数を乗じて算出される。具体的には、第1基準サーボゲインが、第1基準値及び測定値の比率に応じて修正される。このようにすれば、比較的簡単な演算処理により、適切なサーボゲインを算出し設定することができる。
上述した第1サーボゲイン算出手段を有する態様では、前記第1サーボゲイン算出手段は、前記第1基準値をG1m、前記測定値をG1x、前記第1基準サーボゲインをG3mとした場合に、前記第1修正サーボゲインG3xを、以下の数式G3x=(G1m/G1x)G3mを用いて算出してもよい。
この場合、所定のパラメータの第1基準値(G1m)、所定のパラメータの測定値(G1x)、及び第1基準サーボゲイン(G3m)の3つのパラメータから、適切な第1修正サーボゲイン(G3x)を容易に算出できる。
本実施形態に係る生体装置の他の態様では、前記サーボゲイン設定手段は、前記発光手段から照射する光の量を制御するために前記制御手段から出力される制御信号のレベルを検出して検出値を取得する検出手段と、前記制御信号のレベルの第2基準値及び前記第2基準値で第2追従特性を実現する第2基準サーボゲインを夫々記憶する第2記憶手段と、前記検出値で前記第2追従特性が実現されるように、前記第2基準サーボゲインに対し前記第2基準値及び前記検出値を含む係数を乗じて、第2修正サーボゲインを算出する第2サーボゲイン算出手段とを有する。
この態様によれば、サーボゲインを設定するために、制御信号レベルの第2基準値及び第2基準値で第2追従特性を実現する第2基準サーボゲインが、第2記憶手段に夫々記憶されている。なお、ここでの「第2基準値」とは、制御信号のレベル基準として予め設定される値である。また、「第2追従特性」とは、サーボ制御手段が実現すべき追従特性である。「第2基準サーボゲイン」は、制御信号のレベルが第2基準値である場合に、第2追従特性を実現するためのサーボゲインである。ちなみに、制御信号レベルは、発光手段から照射される光の照射量を制御するために制御手段が出力する信号であり、照射量を調整するためのレベルを有している。
サーボゲインの設定動作時には、先ず検出手段により制御信号のレベルが検出され、検出値が取得される。制御信号のレベルは、出力元である制御手段や出力先である発光手段等から取得されてもよいし、制御信号の生成過程において取得されてもよい。ここで特に、制御信号のレベルは、制御手段において所定のパラメータに基づき設定されるものである。即ち、制御信号のレベルは、所定のパラメータに依存する値である。
制御信号のレベルが検出されると、第2サーボゲイン算出手段により、検出値において第2追従特性を実現するための第2修正サーボゲインが算出される。第2修正サーボゲインは、記憶されている第2基準サーボゲインに対し第2基準値及び検出値を含む係数を乗じて算出される。具体的には、第2基準サーボゲインが、第2基準値及び検出値の比率(言い換えれば、第2基準値に対応する所定のパラメータの値と検出値に対応する所定のパラメータの値の比率)に応じて修正される。このようにすれば、比較的簡単な演算処理により、適切なサーボゲインを算出し設定することができる。
本態様は特に、所定のパラメータを測定せずとも、制御信号のレベルから所定のパラメータを推定してサーボゲインを算出できる。よって、例えば所定のパラメータを測定することが困難な生体信号の検出時においても、サーボゲインの算出を実行することが可能である。
上述した第2サーボゲイン算出手段を有する態様では、前記第2サーボゲイン算出手段は、前記第2基準値をV、前記検出値をV’、前記第2基準サーボゲインをG3とした場合に、前記第2修正サーボゲインG3’を、以下の数式G3’=(V’/V)G3を用いて算出する。
この場合、制御信号のレベルの第2基準値(V)、制御信号のレベルの検出値(V’)、及び第2基準サーボゲイン(G3)の3つのパラメータから、適切な第2修正サーボゲイン(G3’)を容易に算出できる。
本実施形態に係る生体装置の他の態様では、前記サーボ制御手段は、前記生体信号の周波数以下で前記追従制御を実行する。
この態様によれば、追従制御の周波数が、生体信号の周波数(例えば、脈拍数に対応する0.5〜5Hz)を抑圧しない範囲に抑えられる。よって、生体信号の検出における問題の発生を防止できる。なお、好適な検出を実現するためには、追従制御の周波数は、生体信号の周波数以下となる範囲で可能な限り速く設定されることが好ましい。
本実施形態に係る生体装置の他の態様では、前記受光手段で受光された前記戻り光から、前記生体の容積脈波を検出する脈波検出手段を更に備える。
この態様によれば、脈波検出手段により生体の容積脈波が検出される。よって、例えば、生体の血管年齢の推定、生体の自律神経機能の評価、或いは生体の血圧の推定や心疾患や各種臓の疾患等の診断等に利用することができる。
本実施形態に係る生体装置の作用及び他の利得については、以下に示す実施例において、より詳細に説明する。
以下では、図面を参照して生体装置の実施例について詳細に説明する。
<全体構成>
先ず、図1を参照しながら、本実施例の生体装置10の全体構成について説明する。ここに図1は、実施例に係る生体装置100の全体構成を示すブロック図である。
図1において、本実施例に係る生体装置10は、発光部110と、受光部120と、容積脈波検出部130と、照射量制御部140とを備えて構成されている。
発光部110は、「発光手段」の一具体例であり、例えば発光ダイオード等を含んで構成される。発光部110は、生体に20に対して照射光を照射可能とされている。なお、発光部110の照射量は、照射量制御部140によって制御される。
受光部120は、「受光手段」の一具体例であり、例えばフォトダイオード等を含んで構成される。受光部120は、発光部110から生体20に照射され、生体20を透過した(或いは、生体20で反射された)戻り光を検出可能とされている。受光部120において検出された光は、生体の情報を示す生体信号に変換され容積脈波検出部130に出力される。また、受光部120において検出された光の量を示す情報が、照射量制御部140に出力される。
容積脈波検出部130は、「脈波検出手段」の一具体例であり、受光部120から入力された生体信号を利用して、生体20の容積脈波を検出する。検出された容積脈波は装置外部に出力され、例えばディスプレイ等において表示される。
照射量制御部140は、「制御手段」の一具体例であり、受光部120で検出される光の量に基づいて、発光部110の照射量を制御する。照射量制御部140は、「サーボゲイン設定手段」の一具体例であるサーボゲイン設定部141、及び「サーボ制御手段」の一具体例であるサーボ制御実行部142を備えている。サーボゲイン設定部141は、生体20の光の透過率又は反射率(以下、適宜「生体透過率」と称する)に基づいてサーボゲインを設定する。サーボ制御実行部142は、サーボゲイン設定部141で設定されたサーボゲインによりサーボ制御を実行する。なお、サーボ制御における周波数は、生体信号を抑圧しない範囲とされることが好ましい。
<サーボ制御>
次に、図2を参照しながら、上述した生体装置10で実行されるサーボ制御について説明する。ここに図2は、実施例に係る生体装置によるサーボ制御を示すブロック図である。
図2において、発光部110から照射された光は、生体20において生体透過率の影響を受けた後、受光部120において検出される。そして、受光部において検出された光から、生体信号という出力結果が得られる。
上述した検出動作と並行して、発光部110に対し、受光部120において検出される光の量を目標値とするためのサーボ制御が実行される。サーボ制御は、目標値と、受光部において検出される光の量から得られるサーボゲインとを利用して実行される。
ここで特に、図中の生体透過率は、例えば生体の個体差や血流量、動き、姿勢等の様々な条件に応じて変化する。よって、同一の条件でサーボ制御を続ける場合、追従特性にズレが生じるおそれがある。
<追従特性のズレ>
以下では、図3から図6を参照しながら、上述したサーボ制御において生じ得る追従特性のズレについて説明する。ここに図3は、生体透過率の個体差を示すグラフであり、図4は、異なる被験者に同じ設計の追従特性を行った際の追従特性を示すグラフである。また図5は、同一の被験者が姿勢を変えて測定した場合の生体透過率を示すグラフであり、図6は、同一の被験者が姿勢を変えて測定した場合の追従特性を示すグラフである。
図3に示すように、発光部110からの照射光量と、受光部120における出力(即ち、受光部で検出される光量)との関係は、被験者が異なることで違いが生じる。これは、被験者毎に生体透過率が違うことに起因している。具体的には、被験者1は4人の中で生体透過率が最も高く、被験者2、被験者3、被験者4の順番で生体透過率が低くなる。
図4に示すように、サーボ制御における追従特性は、追従周波数とサーボ抑圧率との関係によって示すことができる。ここで、図4(a)は、図3で示した4人の被験者のうち、生体透過率が最も高い被験者1に対する追従特性を示している。被験者1に対する追従特性は、サーボ抑圧率が0dBとなる追従周波数fcが0.04Hzである。一方で、図4(b)は、図3で示した4人の被験者のうち、生体透過率が最も低い被験者4に対する追従特性を示している。被験者4に対する追従特性は、サーボ抑圧率が0dBとなる追従周波数fcが0.065Hzである。このように、被験者1と被験者4とでは、追従周波数fcに約1.5倍のズレが生じている。
図5において、生体透過率は、同一の被験者であっても姿勢等により異なる場合がある。具体的には、状態1での生体透過率と、状態1と異なる姿勢である状態2での生体透過率とは、図を見ても分かるように明らかに異なる。
図6(a)に示すように、状態1での追従特性は、サーボ抑圧率が0dBとなる追従周波数fcが0.04Hzである。一方、図6(b)に示すように、状態2での追従特性は、サーボ抑圧率が0dBとなる追従周波数fcが0.037Hzである。このように、状態1と状態2とでは、追従周波数fcに約5%のズレが生じている。
以上のように、追従特性にズレが生じてしまうと、容積脈波の検出が適切に行えないおそれがある。よって、本実施例に係る生体装置10は、このような追従特性のズレを低減可能なサーボ制御を提供可能とされている。
<動作説明>
以下では、本実施例に係る生体装置10の動作について、2つの実施例を挙げて説明する。なお、以下では、生体装置10が実行する処理のうち、特に本実施例に関連の深い処理について詳細に説明し、その他の一般的な動作については適宜説明を省略するものとする。
<第1実施例>
先ず、図7を参照しながら、第1実施例に係る生体装置10の動作について説明する。ここに図7は、第1実施例に係る生体装置の動作を示すフローチャートである。
図7において、第1実施例に係る生体装置10の動作時には、容積脈波の検出動作を開始する前に、測定対象である生体20の生体透過率が測定される(ステップS101)。生体透過率は、例えば発光部110からの照射光をスイープさせながら、受光部120において戻り光を検出することで測定できる。生体透過率の測定が終了すると、容積脈波を検出するための動作が開始される。即ち、発光部110から生体20に対して照射光の照射が開始される(ステップS102)。
照射光の照射が開始されると、受光部120における受光量を目標値に近づけるために、発光部110の照射量に対してサーボ制御が実行される(ステップS103)。ここで特に、サーボ制御に用いられるサーボゲインは、検出動作の開始前に測定された生体透過率に基づいて設定される。具体的には、生体透過率に基づいて、追従特性が一定となるようなサーボゲインが設定される。以下では、このサーボゲインの設定方法について詳細に説明する。
先ず、生体透過率の伝達関数をG1、発光部110及び受光部120の伝達関数G2、サーボゲインをG3とする。この場合、一巡伝達関数はG1G2となり、入力Uと出力Yは、以下の数式(1)で表される。
Y/U=(G1G2)/(1+G1G2G3) ・・・(1)
また、入力Uから追従誤差Eまでの伝達関数は、以下の数式(2)で表される。
E/U=1/(1+G1G2G3) ・・・(2)
ここで、追従特性を一定とするためには、上記数式(2)で表されるE/Uが一定となればよい。このため本実施例では、モデルケースとして透過率G1mを設定し、その際のE/U(m)を所望値とするためのサーボゲインG3mを設定している。
モデルケースにおける一巡関数はG1mG2となり、その際の入力U及び出力Yの関係は、以下の数式(3)で表される。
Y/U(m)=(G1mG2)/(1+G1mG2G3n) ・・・(3)
また、モデルケースにおける入力Uから追従誤差Eまでの伝達関数は、以下の数式(4)で表される。
E/U(m)=1/(1+G1mG2G3m) ・・・(4)
ここで仮に、生体透過率の測定値がG1xであったとする。この場合のサーボゲインG3xは、以下の数式(5)のように設定されればよい。
G3x=(G1m/G1x)G3m ・・・(5)
測定値がG1xである場合、一巡関数はG1xG2となり、その際の入力U及び出力Yの関係は、以下の数式(6)で表される。
Y/U(x)=(G1xG2)/(1+G1xG2G3x) ・・・(6)
また、測定値がG1xである場合の入力Uから追従誤差Eまでの伝達関数は、以下の数式(7)で表される。
E/U(x)=1/(1+G1xG2G3x) ・・・(7)
ここで、数式(6)に数式(5)を代入すると、以下の数式(8)が得られる。
Y/U(x)=(G1mG2)/(1+G1mG2G3n) ・・・(8)
即ち、Y/U(m)とY/U(x)とが等しくなる。
また、数式(7)に数式(5)を代入すると、以下の数式(9)が得られる。
E/U(x)=1/(1+G1mG2G3m) ・・・(9)
即ち、E/U(m)とE/U(x)とが等しくなる。
以上の結果、サーボゲインを数式(5)のように設定すれば、生体透過率G1が変化したとしても追従特性が一定となることが確認できる。
図7に戻り、上述したサーボ制御によれば、受光部120における受光量を目標値に近づけることができ、好適に容積脈波を検出することができる(ステップS104)。なお、サーボ制御及び容積脈波の検出は、検出が全て終了したと判定されない場合(ステップS105:NO)、繰り返し実行される。検出が全て終了したと判定されると(ステップS105:YES)、発光部110からの照射が停止され(ステップS106)、生体装置10による一連の処理は終了する。
以上説明したように、本実施例に係る生体装置10によれば、生体透過率が変化する場合であっても、サーボ制御において適切な追従特性を実現できる。
<第2実施例>
次に、図8を参照しながら、第2実施例に係る生体装置10の動作について説明する。ここに図8は、第2実施例に係る生体装置の動作を示すフローチャートである。なお、第2実施例は、上述した第1実施例と一部の動作が異なるのみであり、その他の多くの動作は概ね第1実施例と同様である。このため、以下では、第1実施例と異なる部分について詳細に説明し、重複する部分については適宜説明を省略する。
図8において、第2実施例に係る生体装置10の動作時には、容積脈波の検出動作を開始する前に、照射量制御部140から発光部110に出力される制御信号のレベルが検出される(ステップS201)。制御信号のレベルは、例えば第1実施例におけるステップS101でのスイープ動作等により検出できる。制御信号のレベルの検出が終了すると、容積脈波を検出するための動作が開始される。即ち、発光部110から生体20に対して照射光の照射が開始される(ステップS202)。
照射光の照射が開始されると、照射時の制御信号レベルが検出される(ステップS203)。即ち、上述したステップS201において、容積脈波の検出動作を開始する前に制御信号のレベルを検出したのとは別に、容積脈波の検出動作を開始した後にも制御信号のレベルが検出される。
制御信号のレベルが検出されると、受光部120における受光量を目標値に近づけるために、発光部110の照射量に対してサーボ制御が実行される(ステップS204)。ここで特に第2実施例では、サーボ制御に用いられるサーボゲインは、制御信号のレベルに基づいて設定される。具体的には、制御信号のレベルから推定される生体透過率に基づいて、追従特性が一定となるようなサーボゲインが設定される。以下では、このサーボゲインの設定方法について詳細に説明する。
先ず、測定開始前における生体透過率の伝達関数をG1、発光部110及び受光部120の伝達関数G2、サーボゲインをG3とする。また、測定開始前におけるE=0となるドライブ電圧(即ち、制御信号のレベル)をVとする。加えて第2実施例では、測定中に生体透過率が変動すると仮定し、測定中の生体透過率の伝達関数をG1’、サーボゲインをG3’とする。また、測定中のE=0となるドライブ電圧をV’とする。
ここで、測定中の入力Uから追従誤差Eまでの伝達関数は、以下の数式(10)で表される。
E/U(x)=1/(1+G1’G2G3’) ・・・(10)
よって、上記数式(10)が、測定開始前(即ち、数式(2))と等しくなれば、追従特性を一定にできる。即ち、以下の数式(11)の関係が満たされればよい。
G1’G3’=G1G3=const ・・・(11)
即ち、測定中のサーボゲインG3’が、以下の数式(12)で表される値に設定されればよい。
G3’=(G1/G1’)G3 ・・・(12)
上記数式(12)からも分かるように、測定中の生体透過率G1’が検出できれば、容易にサーボゲインG3’を設定できる。しかしながら、測定中に照射光をスイープさせることはできないため、測定中の生体透過率G1’を検出することは容易ではない。このため第2実施例では、制御信号のレベルV及びV’を利用する。
具体的には、測定開始前のG1及びVと、測定中のG1’及びV’とには以下の数式(13)で示される関係が成り立っている。
G1=V’ G1’=const ・・・(13)
そして、上記数式(13)を変形すると、以下の数式(14)として表せる。
G1’=(V/V’)G1 ・・・(14)
即ち、測定中の生体透過率は、測定開始前の制御信号のレベルVと、測定中の制御信号のレベルV’との関係から推定できる。そして、数式(14)を数式(12)に代入すると、以下の数式(15)が得られる。
G3’=(V/V’)G3 ・・・(15)
よって、測定中の測定開始前の制御信号のレベルVと、測定中の制御信号のレベルV’が検出できれば、適切なサーボゲインG3’を設定できる。
図8に戻り、上述したサーボ制御によれば、受光部120における受光量を目標値に近づけることができ、好適に容積脈波を検出することができる(ステップS205)。なお、制御信号のレベル検出、サーボ制御及び容積脈波の検出は、検出が全て終了したと判定されない場合(ステップS206:NO)、繰り返し実行される。検出が全て終了したと判定されると(ステップS206:YES)、発光部110からの照射が停止され(ステップS207)、生体装置10による一連の処理は終了する。
以上説明したように、本実施例に係る生体装置10によれば、測定中に生体透過率が変化する場合であっても、制御信号のレベルを利用することで、好適なサーボ制御を実現できる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う生体装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
10 生体装置
20 生体
110 発光部
120 受光部
130 容積脈波検出部
140 照射量制御部
141 サーボゲイン設定部
142 サーボ制御実行部

Claims (10)

  1. 生体に対して光を照射する発光手段と、
    前記生体からの戻り光を受光する受光手段と、
    前記生体が有する所定のパラメータに基づいて、前記受光手段で受光される前記戻り光の量が目標値となるように、前記発光手段から照射する光の量を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする生体装置。
  2. 前記所定のパラメータは、光の透過率又は光の反射率であることを特徴とする請求項1に記載の生体装置。
  3. 前記制御手段は、前記所定のパラメータの変動を打ち消すように、前記発光手段から照射する光の量を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の生体装置。
  4. 前記制御手段は、
    前記所定のパラメータに基づいてサーボゲインを設定するサーボゲイン設定手段と、
    前記設定されたサーボゲインにより、前記発光手段から照射する光の量に対する追従制御を実行するサーボ制御手段と
    を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の生体装置。
  5. 前記サーボゲイン設定手段は、
    前記所定のパラメータを測定して測定値を取得する測定手段と、
    前記所定のパラメータの第1基準値及び前記第1基準値で第1追従特性を実現する第1基準サーボゲインを夫々記憶する第1記憶手段と、
    前記測定値で前記第1追従特性が実現されるように、前記第1基準サーボゲインに対し前記第1基準値及び前記測定値を含む係数を乗じて、第1修正サーボゲインを算出する第1サーボゲイン算出手段と
    を有することを特徴とする請求項4に記載の生体装置。
  6. 前記第1サーボゲイン算出手段は、前記第1基準値をG1m、前記測定値をG1x、前記第1基準サーボゲインをG3mとした場合に、前記第1修正サーボゲインG3xを、以下の数式
    G3x=(G1m/G1x)G3m
    を用いて算出することを特徴とする請求項5に記載の生体装置。
  7. 前記サーボゲイン設定手段は、
    前記発光手段から照射する光の量を制御するために前記制御手段から出力される制御信号のレベルを検出して検出値を取得する検出手段と、
    前記制御信号のレベルの第2基準値及び前記第2基準値で第2追従特性を実現する第2基準サーボゲインを夫々記憶する第2記憶手段と、
    前記検出値で前記第2追従特性が実現されるように、前記第2基準サーボゲインに対し前記第2基準値及び前記検出値を含む係数を乗じて、第2修正サーボゲインを算出する第2サーボゲイン算出手段と
    を有することを特徴とする請求項4に記載の生体装置。
  8. 前記第2サーボゲイン算出手段は、前記第2基準値をV、前記検出値をV’、前記第2基準サーボゲインをG3とした場合に、前記第2修正サーボゲインG3’を、以下の数式
    G3’=(V’/V)G3
    を用いて算出することを特徴とする請求項7に記載の生体装置。
  9. 前記サーボ制御手段は、前記生体信号の周波数以下で前記追従制御を実行することを特徴とする請求項4から8のいずれか一項に記載の生体装置。
  10. 前記受光手段で受光された前記戻り光から、前記生体の容積脈波を検出する脈波検出手段を更に備えることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の生体装置。
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