[遊技システムの概要]
本実施形態に係る遊技システムについて図を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る遊技システムの全体構成を示す図である。図2は、本実施形態に係る遊技システムのデータの送受信について説明するためのブロック図である。
図1および図2に示すように、本実施形態に係る遊技システム500は、遊技機10に対して遊技媒体管理装置20をデータ通信可能に接続された構成であり、遊技に用いられる遊技媒体の増減に関するデータ等を遊技機10および遊技媒体管理装置20間で送受信する。そして、このデータの送受信に関する不正行為を抑制することが可能なシステムである。
遊技システム500は、遊技機10と、遊技機10とデータの送受信が可能に接続された遊技媒体管理装置20とを有している。遊技機10と遊技媒体管理装置20とは、通信ケーブル30を介して接続されていて、これらの間で光信号を用いたデータ通信が可能である。
遊技機10は、いわゆるパチンコ機であり、遊技媒体として遊技球11を用いる。遊技機10は、発射装置110と、磨き装置120と、揚送装置130とを有している。発射装置110は、遊技機10の前面に設置された透過性を有する板状の保護ガラスによって覆われた遊技領域140の上方に位置し、遊技領域140に対して上方から遊技球11を発射する。これにより、遊技機10ではいわゆる戻り玉を回避することができる。戻り玉とは、遊技領域の下方に設けられた発射装置から発射された遊技球が上方に向かって通路を通って当該通路終端から遊技領域へと放出される構造の一般的な遊技機において生じる現象であり、通路を通って上方に向かった遊技球が通路終端から遊技領域に放出されず、通路を上方から下方に向かって通り、再び発射装置へと戻ってくる現象をいう。
磨き装置120は、遊技領域140を転動した後に遊技領域140から排出された遊技球11を磨く。揚送装置130は、磨き装置120により磨かれた遊技球11を上方へと搬送して、発射装置110へと導く。遊技球11は遊技機10の外部に排出されずに、遊技機10において一定数(例えば、50個)の遊技球11が一連の経路を循環するように構成されている。遊技球11が遊技機10の外部に排出されないため、遊技機10には外部に排出された遊技球11を一時的に保持するための上皿や下皿は設けられていない。ここで、一連の経路とは、具体的には、発射装置110、遊技領域140、磨き装置120、揚送装置130である。なお、発射装置110、磨き装置120および揚送装置130については、後に詳述する。
遊技機10では遊技球11が外部に排出されないことから、遊技者の手元に遊技球11が実際にあるわけではなく、遊技を行うことにより遊技球11が現実に増減するわけではない。遊技機10において、遊技者は遊技媒体管理装置20からの貸出により持ち球を得てから遊技を開始する。ここで、持ち球を得るとは、遊技者が、データ管理上、遊技媒体を得ることをいう。そして、発射装置110から遊技球11が発射されることにより持ち球が消費され、持ち球数が減少する。また、遊技球11が遊技領域140に設けられた各入賞口等を通過することにより、入賞口に応じて設定された条件に従った数だけ払出が行われ、持ち球数が増加する。さらに、遊技媒体管理装置20からの貸出によっても、持ち球数が増加する。
なお、本明細書において、「遊技媒体の消費、貸出および払出」とは、持ち球の消費、貸出および払出が行われることを示す。また、「遊技媒体の増減」とは、消費、貸出および払出によって持ち球数が増減することを示す。また、「遊技媒体の消費、貸出および払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータ」とは遊技球11が発射されることによる持ち球の減少と、貸出および払出による持ち球の増加とに関するデータである。
図2に示すように、遊技機10は、払出制御回路101およびタッチパネル式である第1液晶表示装置102を有している。払出制御回路101は、遊技球11が各入賞口等の通過を検出する各種センサに接続されている。払出制御回路101は、持ち球数を管理している。例えば、遊技球11が各入賞口を通過した場合には、そのことによる遊技球11の払出個数を持ち球数に加算する。また、遊技球11が発射されると持ち球数を減算する。払出制御回路101は、遊技者の操作により、持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置20へ送信する。また、第1液晶表示装置102は遊技機10の上部に位置し、遊技媒体管理装置20で管理する遊技価値から持ち球への変換(球貸し)や、持ち球の計数(返却)の要求を受け付ける。そして、これらの要求を遊技媒体管理装置20を介して払出制御回路101に伝え、払出制御回路101が現在の持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置20に送信するように指示する。
ここで、「遊技価値」とは、貨幣・紙幣、プリペイド媒体、トークン、電子マネーおよびチケット等であり、遊技媒体管理装置20によって持ち球に変換することが可能であるものを示す。なお、本実施形態において、遊技媒体管理装置20は、いわゆるCRユニットであり、紙幣およびプリペイド媒体等を受付可能に構成されている。また、計数された持ち球は、遊技システム500が設置される遊技場などにおいて、景品交換等に用いることができる。
遊技媒体管理装置20は、紙幣を挿入可能な紙幣挿入口21と、プリペイド媒体を挿入可能なプリペイド媒体挿入口22と、を有している。これにより、遊技媒体管理装置20は、外部から紙幣およびプリペイド媒体を受け付けることができ、遊技価値の管理を行うことができる。なお、図示していないが、遊技媒体管理装置20は遊技者を特定するための会員ID等の情報が記録された会員カードを挿入可能な挿入口を有していてもよく、会員カード挿入口をプリペイド媒体挿入口22と兼用させてもよい。なお、本実施形態では、遊技媒体管理装置20で受け付けた遊技価値を「残高」という。また、遊技媒体管理装置20は、残高に関するデータおよび貸出に関するデータを遊技機10に送信する。このデータに基づいて、遊技機10は、残高および持ち球数についての表示を行う。また、遊技機10において遊技者が持ち球の計数(返却)操作を行った場合は、遊技媒体管理装置20は遊技機10から送信される持ち球数に関するデータを受信する。
遊技媒体管理装置20は、遊技機接続基板201を有している。遊技媒体管理装置20は、遊技機接続基板201を介して、遊技機10とのデータ(送信信号)の送受信を行うように構成されている。
[遊技機および遊技媒体管理装置間のデータの送受信]
ここで、上述のような遊技システム500における遊技機10および遊技媒体管理装置20間のデータの送受信について、図を用いて具体的に説明する。
このような、遊技システム500における遊技機10および遊技媒体管理装置20間のデータの送受信においては、遊技機10および遊技媒体管理装置20のいずれか一方を送信元とし他方を送信先として、送信元が送信信号を送信した際に、送信信号を受信した送信先が送信信号と同じ信号である確認用信号を送信元に送信し、送信元は、送信信号と確認用信号とを比較して、これらが同一か否かを判別するように構成されている。
図3は、本実施形態に係る遊技システムにおける遊技機および遊技媒体管理装置間のデータの送受信について説明するためのブロック図である。図3に示すように、遊技機10は、払出制御回路101および第1液晶表示装置102以外に、表示装置制御基板103、第1接続部104および第2接続部105を有している。
第1接続部104は、払出制御回路101に接続されている。払出制御回路101は、第1接続部104を介して、遊技媒体管理装置20の遊技機接続基板201に接続されている。第1接続部104は、各入賞センサ1061および減算センサ1011からの信号を光信号に変換する信号変換器を有しており、遊技媒体管理装置20に対して光通信方式による通信が可能である。ここで、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律によると、遊技機と外部装置とは電気的に接続することが認められていないと解釈できる。そこで、例えば、特開2008−173202号公報に開示されているように、従来の遊技機は、機械的に動作する電磁継電器を有する集中端子板を備え、この集中端子板と外部装置とが接続されていた。一方、本実施形態の遊技システム500では、上述したように、遊技機10と外部装置である遊技媒体管理装置20とが光通信方式により光通信ケーブルを介して接続されていることから、電気的に接続されているわけではなく適法であるといえる。また、遊技システム500は、以下に示すように従来の遊技機に対して様々な有利な効果を奏する。
遊技システム500において、従来の遊技機における外部装置と端子板を接続する場合のように、これらの間に外部装置に対する信号の種別毎にそれぞれ電磁継電器を設ける必要がない。遊技システム500では、第1接続部104と遊技媒体管理装置20との間に信号変換器を1つ備えるだけでよく、コストの軽減を図ることができる。また、電磁継電器を用いたリレー回路では、その構造上、空きピンを設けることが困難であるが、光通信方式を用いる場合は、例えば受信側においても複数の空きピンを設けることが可能であり拡張性が高い。また、電磁継電器は電磁石により機械的に動作するものであるため故障が発生しやすいが、光通信方式では故障が少なく、電磁継電器を用いた場合よりも平均故障時間を低減し信頼性を向上させることができる。また、電磁継電器はノイズが発生しやすいが、光通信方式はノイズの影響を受けにくい。また、光通信方式の場合、電磁継電器を用いた場合よりも応答速度が速く、一度のパケットで大容量データを転送することもできる。一度のパケット通信で大容量のデータを送ることができるので、通信回数が減り、データ生成量が減少される。例えば、持ち球を15個増加させるという信号を送信する場合、電磁継電器を用いた方式では、1個の持ち球を増加させる信号を15回送信する必要がある。しかし、光通信方式では、15個の持ち球を増加させる信号を一括で送信できる。さらに、その他の信号(例えば、コマンド種別、通信日時などの日時データ、および、遊技機固有番号等)を同時に送信することも可能である。その結果、通信における送信側の制御および受信側の制御を、ともに簡素化することができる。それにより、各制御基板(回路)が有するCPUの小型化が可能となる。なお、払出制御回路101から光通信ケーブルを、遊技媒体管理装置20に直接接続してもよい。これにより、第1接続部104が不要となり、コストの軽減を図ることができる。
第2接続部105は、表示装置制御基板103に接続されている。表示装置制御基板103は、第2接続部105を介して、遊技媒体管理装置20の遊技機接続基板201に接続される。また、表示装置制御基板103は第1液晶表示装置102と接続されている。表示装置制御基板103は、第1液晶表示装置102の表示を制御する。例えば、第1液晶表示装置102に送信される画像用の信号を第1液晶表示装置102においての表示に適するように変換する。例えば、表示装置制御基板103は画像のサイズが第1液晶表示装置102の画面のサイズに合うように画像用の信号を変換する。また、表示装置制御基板103は、第1液晶表示装置102の入力信号に応じて、遊技媒体管理装置20に指示を行う送信信号を生成する。
また、払出制御回路101、表示装置制御基板103および遊技機接続基板201は、それぞれ同様の認証・通信制御回路300(300a、300b、300c)を有している。払出制御回路101および遊技機接続基板201間のデータ通信において、送信信号は、送信元および送信先の認証・通信制御回路300を経由して、送信元から送信先に送信される。また、表示装置制御基板103および遊技機接続基板201間のデータ通信においても、送信信号は、送信元および送信先の認証・通信制御回路300を経由して、送信元から送信先に送信される。
認証・通信制御回路300(300a、300b、300c)の構成について、図3の認証・通信制御回路300aを用いて説明する。なお、図示していないが、認証・通信制御回路300bおよび認証・通信制御回路300cについても、認証・通信制御回路300aと同様の構成を有している。認証・通信制御回路300は、記憶部301と、確認用信号送信制御部302と、判別部303と、送受信部304と、変調部305と、復調部306と、承認信号送信制御部307とを有している。なお、認証・通信制御回路300は、認証・通信制御回路300が設けられた基板と独立して動作することが好ましい。これにより、基板における制御の負担を軽減することができる。
記憶部301は、認証・通信制御回路300が送信元となる場合と、送信先となる場合とで異なる働きをする。送信元となる認証・通信制御回路300において記憶部301は、送信先へ送る送信信号を記憶する。また、送信先となる認証・通信制御回路300において記憶部301は、送信元からの送信信号を記憶する。この送信信号は、送信元から送信先に送信した信号であるが、確認用信号としても用いられる。また、記憶部301は、送信信号を記憶する際に、送信信号を識別するための識別情報を対応付けて記憶することとしてもよい。これにより、送信信号を取り違えるといった不具合を防止することができる。識別情報としては、例えば、送信元に関する情報や、送信信号の受信時刻や送信時刻を用いればよい。また、識別情報を、送信信号自体に含めてもよい。また、記憶部301は、認証・通信制御回路300における各部が動作するためのアルゴリズムを記憶することとしてもよい。
確認用信号送信制御部302は、送信先となる認証・通信制御回路300において動作する。確認用信号送信制御部302は、記憶部301に記憶された送信元からの送信信号を確認用信号として送信元に送信する。
判別部303は、送信元となる認証・通信制御回路300において動作する。判別部303は、記憶部301に記憶された送信信号と、送信先から返送される確認用信号とを比較し、これらが同一であるか否かを判別する。なお、判別部303は、送信信号と、確認用信号とが同一でないと判別した場合は、送信元の基板へ同一でないことを示す警告用の信号を送信してもよいし、送信先の認証・通信制御回路300へ同一でないことを示す警告用の信号を送信することとしてもよい。
このように、遊技システム500によれば、送信元において、送信先から送信された確認用信号を送信信号と比較して、これらが同一か否かを判別することにより、送信元から送信した信号が、改ざんされることなく送信元に送信されていることを確認することができる。これにより、遊技機10と遊技媒体管理装置20との間での送信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
送受信部304は、認証・通信制御回路300間における上記の送信信号や確認用信号を送受信する。認証・通信制御回路300における各部から送受信部304を介して、送信先の認証・通信制御回路300へ信号が送信される。また、送信元からの信号は、送受信部304によって受信される。
変調部305は、送信元となる認証・通信制御回路300において、送信信号を変調する。なお、変調とは、信号を読み取ることが困難となるように、信号を変更して解読できにくくすることである。変調としては、データの付加、暗号化、データ長の変更等が挙げられる。変調を行うための情報は記憶部301が予め記憶していればよい。例えば、暗号化を行う場合は、記憶部301に暗号鍵が記憶されていることとすればよい。暗号化としては、共通鍵ブロック暗号方式のAES(Advanced Encryption Standard)を挙げることができる。また、付加されるデータとしては、送信信号自体の誤り訂正データや誤り検出を行うためのパリティビットが挙げられる。また、変調部305で行われる変調は、複数の変調が組み合わされるものであってもよい。また、変調を行うための情報を記憶部301に記憶させる場合は、記憶部301は不揮発性メモリとすればよい。
復調部306は、送信先となる認証・通信制御回路300において、送信元で変調された送信信号の復調を行う。なお、送信信号の復調が行われるのは、判別部303によって送信信号と確認用信号とが比較される前であってもよいし、比較された後であってもよい。
このように、変調部305と復調部306とを設けることで、仮に、遊技機10と遊技媒体管理装置20との間での送信信号を読み取られたとしても、この信号を解読することが困難である。これにより、遊技機10と遊技媒体管理装置20との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
承認信号送信制御部307は、送信先となる認証・通信制御回路300において動作する。承認信号送信制御部307は、送信元から送信信号が送られた場合には、確認用信号送信制御部302が確認用信号を送信するのとは別に、送信信号を受信したことを示す信号である承認信号を送信元へ送る。送信先から承認信号を送信していることがわかるように、承認信号には送信先(承認信号の送信元)を特定できる情報が含まれることとすることが好ましい。送信元は、承認信号が正しく送られてきたことを確認することにより、正規の送信信号が送信先に送信されたと判定することができる。なお、確認用信号を送信するよりも先に承認信号を送信することとすればよい。
承認信号送信制御部307は、送信信号に識別情報が付加されている場合には、この識別情報を承認信号に含めてもよい。これにより、送信元が複数の送信信号を送信している場合に、どの送信信号に対する承認信号であるかを正確にかつ容易に判定することができる。また、承認信号は、送信信号のハッシュ値などの不可逆的な一方向関数により算出される一意なデータを含むものであってもよい。これにより、承認信号を受信した送信元において、記憶部301に記憶される送信信号から一意なデータを算出し、一意なデータ同士を比較することで、送信先へ送信信号が正常に送信されたことを判定することができる。
このように、遊技システム500によれば、送信信号と確認用信号とを比較することで正規の信号の送受信が行われたことを確認することに加えて、承認信号に基づいて正規の信号の送受信が行われたことも確認することから、不正行為の抑制をより強化することができる。
なお、本実施形態では、遊技機10および遊技媒体管理装置20間で送受信されるすべての送信信号について確認用信号を返送しなくもよい。例えば、外部から読み取られても問題とはならないことが明確な送信信号であれば、送受信が正規の信号によるものか否かを確認する必要はない。例えば、送信信号に含まれる識別情報により、確認用信号を返送するか否かを判断することとしてもよい。これにより、確認用信号の送信量を減少させることができ、認証・通信制御回路300への負担を軽減できる。
また、本実施形態では、払出制御回路101、表示装置制御基板103および遊技機接続基板201に、認証・通信制御回路300を設けたがこのような態様に限定されない。例えば、払出制御回路101および表示装置制御基板103のいずれか一方にだけ設けられていることとしてもよい。
また、本実施形態では、認証・通信制御回路300は、送信元としての機能と送信先としての機能との両方を有するものとしたが、この構成に限定されなくてもよい。例えば、払出制御回路101、表示装置制御基板103および遊技機接続基板201は、送信元としての機能のみを有する認証・通信制御回路300と、送信先としての機能のみを有する認証・通信制御回路300と、の2種類の認証・通信制御回路300を有することとしてもよい。具体的には、記憶部301、判別部303および送受信部304のみを少なくとも有し、付加的に変調部305を有する認証・通信制御回路300と、記憶部301、確認用信号送信制御部302および送受信部304のみを少なくとも有し、付加的に復調部306および承認信号送信制御部307を有する認証・通信制御回路300と、を有することとしてもよい。
なお、認証・通信制御回路300の各部は、ハードウェアにより構成してもよいし、ソフトウェアにより構成してもよい。例えば、記憶部301が各部の機能を実現するためのプログラムおよびデータ等を記憶しており、このプログラムがCPUにより実行されることにより、各部が実現されることとしてもよい。
[認証・通信制御回路の動作]
認証・通信制御回路300による動作についてフローチャートを用いて説明する。本実施形態に係る遊技システムにおける、認証・通信制御処理のフローチャートであって、図4(a)は送信元における認証・通信制御処理のフローチャートであり、図4(b)は送信先における認証・通信制御処理のフローチャートである。
まず、図4(a)を参照して、送信信号の送信元となる認証・通信制御回路300の動作について説明する。送信元の認証・通信制御回路300において、自身が設けられている基板から、送信先への送信信号となるデータを受信したか否かが判定される(S101)。具体的には、認証・通信制御回路300aは払出制御回路101から送信信号となるデータを受信し、認証・通信制御回路300bは表示装置制御基板103から送信信号となるデータを受信し、認証・通信制御回路300cは遊技機接続基板201から送信信号となるデータを受信する。
基板から送信信号となるデータが受信されない場合は(S101でNO)、ステップS101が再度実行される。一方、基板から送信信号となるデータが受信された場合は(S101でYES)、当該送信信号が変調され(S102)、変調された送信信号が記憶部301により記憶され(S103)、その後、変調された送信信号が送信先の認証・通信制御回路300へ送信される(S104)。
その後、送信元の認証・通信制御回路300において、送信先からの確認用信号が受信されたか否かが判定される(S105)。確認用信号が受信されない場合は(S105でNO)、ステップS105が再度実行される。一方、確認用信号が受信された場合は(S105でYES)、承認信号が受信されたか否かが判定される(S106)。確認用信号が送信先から送信された場合には、承認信号も送信先から送信されているはずであり、確認用信号が受信されたにもかかわらず、承認信号が受信されていなければ正規の送信がなされていないことになる。そこで、承認信号が受信されない場合は(S106でNO)、認証・通信制御回路300は自身が設けられている基板に対してアラート信号を送信する。なお、アラート信号が送信された場合は、例えば、遊技機10および遊技媒体管理装置20の動作を停止させ、音声等により報知する等により、不正行為を停止させることとすればよい。なお、ステップS105にて所定時間受信されなかった場合には送信先の異常と判断し、エラー処理を行うようにしてもよい。
一方、承認信号が受信された場合は(S106でYES)、確認用信号に基づいて、正規の送信信号が送信先に送信されているとの認証がなされるか否か判定される(S107)。具体的には、記憶部301に記憶されている送信信号と、受信した確認用信号とが同一の信号であるか否かが判別される。これらの信号が同一であれば認証され(S106でYES)、認証・通信制御処理が終了する。これらの信号が同一でなければ、認証されない(S107でNO)。認証されない場合は、認証・通信制御回路300は自身が設けられている基板に対してアラート信号を送信(S108)し、認証・通信制御処理が終了する。
また、認証・通信制御回路300とこの認証・通信制御回路300自身が設けられる基板との接続部において信号を改ざんする等の不正行為に対応できるような構成としてもよい。具体的には、基板が、認証・通信制御回路300に送信する送信信号を予め記憶することとする。なお、この送信信号は、認証・通信制御回路300自身が設けられている基板から送信される、ステップS101にて認証・通信制御回路300が受信する送信信号である。そして、ステップS107における認証の判定とは別に別途判定を行う。具体的には、認証・通信制御回路300が受信した確認用信号を自身が設けられる基板に送信して、自身が設けられる基板において確認用信号に基づいて正規の送信信号が送信先に送信されていることの認証について別途判定を行うようにする。例えば、遊技機接続基板201から1000円紙幣が挿入された信号を払出制御回路101へ送信するときに、遊技機接続基板201から認証・通信制御回路300cに信号を送信する際になんらかの不正が行われ、1000円である旨の信号が5000円である旨の信号に改ざんされた場合を例にする。この場合に、上述した別途判定を行わない場合には、改ざんされた5000円の信号が遊技機接続基板201の認証・通信制御回路300cの記憶部301に記憶され、払出制御回路101に送信される。そして、払出制御回路101の認証・通信制御回路300aにて5000円の確認信号が遊技機接続基板201の認証・通信制御回路300cへ送信される。そして、遊技機接続基板201の認証・通信制御回路300cにおいて、記憶部301に記憶されている「5000円の記憶内容」と確認信号の「5000円の内容」とが判定され、正常と判定されてしまうおそれがある。これに対し、上述したように、認証・通信制御回路300が設けられている基板にて別途判定することとすれば、基板において記憶している「1000円の記憶内容」と受信した確認信号の「5000円の内容」とが判定され、異常であることを判定可能となる。このように、送信信号を生成する送信元の基板において最初に生成した信号を記憶し、最終的な信号である確認信号との整合性を判断することで、最初に信号を生成した基板内での不正行為にも対応可能な、セキュリティに優れた遊技機を提供可能となる。
次に、図4(b)を参照して、送信信号の送信先となる認証・通信制御回路300の動作について説明する。まず、送信元の認証・通信制御回路300からの送信信号が受信されたか否かが判定される(S201)。送信信号が受信されない場合は(S201でNO)、ステップS201が再度実行される。一方、送信信号が受信された場合は(S201でYES)、当該送信信号を記憶部301に記憶する(S202)。そして、送信信号を受信したことを示す承認信号を送信元の認証・通信制御回路300へ送信する(S203)。また、記憶部301により記憶された送信信号を確認用信号として、送信元の認証・通信制御回路300へ送信する(S204)。さらに、送信信号の変調が復調される(S205)。認証・通信制御回路300は、復調された送信信号を、自身が設けられた基板へ送信し(S206)、認証・通信制御処理が終了する。
[遊技システムの電気的構成および動作]
遊技システムのネットワーク構成、電気的構成および動作について、図を用いて説明する。図5は、本実施形態に係る遊技システムのネットワーク構成を示す図である。図6は、本実施形態に係る遊技システムにおける遊技機および遊技媒体管理装置の電気的構成を示すブロック図である。図7は、本実施形態に係る遊技機および遊技媒体管理装置の正面図である。
図5に示すように、遊技機10が設置される遊技場等において、遊技機10および遊技媒体管理装置20を含む複数の遊技システム500が、パケット通信による光信号のデータ通信が可能に、ホールコンピュータ(遊技場管理装置)50と接続されている。また、表示装置(遊技用装置)40は、遊技機10および遊技媒体管理装置20に対応付けられている。図示していないが、情報表示装置40は遊技機10の上方等に設置され、遊技機10における入賞数等を示す入賞履歴等の遊技情報を表示する。なお、情報表示装置40と第1液晶表示装置102とを一体としてもよい。この遊技情報は、遊技機10から遊技媒体管理装置20を介して情報表示装置40へ送信される。遊技機10は、情報表示装置40と直接データ通信を行うことはできない。また、ホールコンピュータ50は、遊技遊技媒体管理装置20および情報表示装置40のそれぞれとデータ通信可能に接続されている。しかし、遊技機10は、ホールコンピュータ50と直接データ通信を行うことはできない。
遊技機10は、遊技機固有情報と、遊技情報等の遊技に関する情報およびその情報が送信された日時を示す日時情報を含む遊技機データと、を遊技媒体管理装置20へ送信する。ここで、遊技機固有情報とは、各遊技機10を識別するための識別情報であり、各遊技機10に固有の情報である。遊技機固有情報は、遊技機データとセットで遊技機10から遊技媒体管理装置20へ送信される。遊技機固有情報は、遊技機10が有するROM、RAM等の記憶手段に予め記憶されている。
遊技媒体管理装置20は、遊技機10から送信された遊技機固有情報および遊技機データを受信すると、遊技機データを情報表示装置40へ送信するとともに、遊技機固有情報および遊技機データをホールコンピュータ50へ送信する。遊技媒体管理装置20からホールコンピュータ50へ送信されたデータは、パケット通信による光信号として送信される。情報表示装置40は、遊技媒体管理装置20から遊技機データを受信した場合、表示装置固有情報(遊技用装置固有情報)と遊技機データとをホールコンピュータ50へ、パケット通信による光信号として送信する。ここで、表示装置固有情報とは、各情報表示装置40を識別するための識別情報であり、各情報表示装置40に固有の情報である。また、遊技媒体管理装置20および情報表示装置40は、電気信号を光信号に変換する信号変換器を有し、光信号をホールコンピュータ50に送信する。
ホールコンピュータ50は、信号を受信する受信部51と、受信部51が受信した遊技機データを集計して集計結果を表示する表示部52と、互いに対応付けられた遊技機10と情報表示装置40とを記憶している記憶部53と、受信部51で受信したデータを照合することにより、不正行為が行われていないか判断する照合部54とを有している。なお、ホールコンピュータ50は、いわゆるサーバであり、CPU、メモリ、各種入出力デバイス等を有する構成である。ホールコンピュータ50が有する上記各部は、ハードウェアとメモリ内のソフトウェアとが協働して構築されている。
受信部51は、光信号を電気信号に変換する信号変換器を有し、パケット通信による光信号を受信可能である。受信部51は、遊技システム500ごとに、遊技媒体管理装置20からの遊技機固有情報および遊技機データの信号をパケット通信により受信するとともに、情報表示装置40からの表示装置固有情報および遊技機データの信号をパケット通信により受信する。表示部52は、受信部51により受信された遊技機データに基づいて各遊技機の遊技に関するデータを集計し、集計結果を表示する。
記憶部53は、互いに対応している遊技機10および情報表示装置40を記憶している。つまり、互いに対応している遊技機10と情報表示装置40とについて、それらの遊技機固有情報と表示装置固有情報とを対応付けて、予め記憶している。照合部54は、情報表示装置40から受信した表示装置固有情報と、遊技媒体管理装置20を介して遊技機10から受信した遊技機固有情報とを、記憶部53に記憶された内容と照合する。照合部54の照合の結果、遊技機固有情報と表示装置固有情報とが、記憶部53において対応付けられているものとは異なっていると判断した場合には、表示部52はその旨を表示する。この場合は、不正行為が行われたと判断される。
このように、ホールコンピュータ50は、データを受信する受信部51と、受信したデータを集計して表示する表示部52と、を備え、受信部51は、遊技機固有情報と、日時情報および遊技情報を含む遊技機データとを、情報表示装置40および遊技媒体管理装置20を介して遊技機10から信号変換器を通じてパケット通信による光信号により受信し、表示部52、受信した遊技機データに基づいて各遊技機10のデータを集計し表示する。
これにより、パケット通信は送信容量が大きいことから、各遊技機10は機種IDやメイン基板のシリアル番号等の遊技機固有の情報や対応する情報表示装置40に固有の情報を、ホールコンピュータ50に送信することができる。従来は遊技機と遊技機上部に備えられた表示装置との管理は、遊技機と表示装置の番号を予め紐付けて管理していた。それに対して本実施形態では、上記構成により、遊技媒体管理装置20および情報表示装置40から送信されるデータにより遊技機10および情報表示装置40を識別することにより、これらを管理できる。したがって、遊技機10を管理するホールコンピュータ50側で、予め、遊技機10を設置場所に関連付けてデータ設定しておく必要がない。また、遊技場内で遊技機の移動を行った際に、移動先の情報表示装置40の番号を新たに遊技機10に関連付けて再設定する必要もない。これにより、遊技場の管理者の負担を軽減することができる。
また、ホールコンピュータ50は、受信部51と、表示部52と、記憶部53と、表示部52と、を備え、受信部51は、ある遊技機10とは異なる他の複数の遊技機10それぞれからデータを受信可能に配されるとともに、自身の表示装置固有情報を送信可能な情報表示装置40からの信号を受信可能に構成され、記憶部53は、遊技機10と情報表示装置40とを対応付けて記憶し、照合部54は、情報表示装置40から受信した表示装置固有情報と、遊技機10から受信した遊技機固有情報とを記憶部に記憶された情報と照合し、表示部52は、照合部54による照合の結果、受信した表示装置固有情報と受信した遊技機固有情報とが対応付けられたものでないと判断したときにはその旨を表示する。
このような構成により、遊技機10と情報表示装置40とが対応付けられているか否かを、遊技機10から遊技媒体管理装置20を介して受信された遊技機固有情報と情報表示装置40から受信された表示装置固有情報とを予め記憶された情報と照合することで判定することができる。判定の結果、これらの情報が不一致である場合には、遊技機固有情報が正しくないと判断できる。それにより、遊技機10の制御基板等を不正に交換する等の不正行為が行われたか否かを検出することができる。このように簡素な構成で不正行為を検出可能である。なお、表示装置固有情報と遊技機固有情報とが対応付けられたものでないと照合部54で判断された場合には、遊技機10になんらかの不正行為が行われたのではなく、情報表示装置40になんらかの不正行為が行われた可能性も考えられるが、不正行為を行う者は、普通、不正出玉獲得を行うことから、情報表示装置40に不正行為が行われることはほとんどない。
上述の特開2008−173202号公報に開示された従来の遊技機の集中端子板は、外部装置との信号の送受信を複数の信号ごとに設置された電磁継電器を用いて行っているため、大容量のデータを、簡単な構成により高速で簡単に送受信することが困難であった。しかし、本実施形態では、上述したように、遊技システム500と外部装置であるホールコンピュータ50とは、パケット通信による光信号のデータ通信が可能に接続されている。そのため、ホールコンピュータ50は、それぞれ大容量のデータである、遊技機固有情報および遊技機データの信号と、表示装置固有情報および遊技機データとを、遊技システム500ごとにパケット通信により一括して受信することができる。それにより、簡素な構成で不正行為を検出可能である。
図6に示すように、遊技機10は、上述した払出制御回路101、表示装置制御基板103および遊技機接続基板201の他に、主制御回路106および副制御回路107を有している。これらは、マイクロコンピュータを主要な構成部品として有している。マイクロコンピュータは、CPUおよび処理プログラム等が記憶される記憶部(RAM、ROM等)により構成される。
また、遊技機10は電源供給用の電源108を有している。電源108は、遊技機10の各部に電力を供給する。なお、主制御回路106には払出制御回路101を経由して、電源108から電力が供給されている。また、表示装置制御基板103には副制御回路107を経由して、電源108から電力が供給されている。
主制御回路106は、各入賞センサ1061、磁石センサ1062および第2電波センサ1063と接続され、これらセンサからの信号を受信する。また、主制御回路106は、普通電動役物ソレノイド1064、大入賞口ソレノイド1065およびLED1066と接続され、これらの動作を制御する。
副制御回路107は、演出用ボタン1071および演出用センサ1072と接続され、これらからの信号を受信する。また、第2液晶表示装置1073、第1LED基板1074、スピーカ1075、第2LED基板1076、アクチュエータ1077が接続され、これらの動作を制御する。
払出制御回路101は、上述の各入賞センサ1061の他、第1電波センサ1001、第1開放センサ1002、第2開放センサ1003、遊技球ゼロセンサ1004、適正数センサ1005、アウト口センサ1006、ハンドルボリューム1007、停止スイッチ1008、タッチセンサ1009、発射装置入口センサ1010、減算センサ1011、揚送装置入口センサ1012、揚送モータセンサ基板1013、着脱ユニットセンサ1014、磨きモータセンサ1015および磨き装置入口センサ1016と接続され、これらからの信号を受信する。また、球送りソレノイド1017、発射ソレノイド1018、揚送モータ1019、着脱ユニットモータ1020および磨きモータ1021と接続され、これらの動作を制御する。また、払出制御回路101は、計数スイッチ1023を有した表示基板1022と接続されている。表示基板1022は、遊技球数表示装置1024(図7参照)を制御する。
遊技媒体管理装置20は、遊技機接続基板201以外に管理装置制御部202を備えている。管理装置制御部202はCPUおよび処理プログラム等が記憶される記憶部(RAM、ROM等)により構成される。
以下、これらの構成の説明とともに遊技システム500について説明する。
各入賞センサ1061は、各入賞口を遊技球11が通過したことを検出して検出信号を出力する。主制御回路106は、各入賞センサ1061による検出信号に基づいて入賞を決定し、当該入賞に応じたコマンドデータを払出制御回路101へ送信する。
磁石センサ1062は、遊技機10における異常な磁気を検出する。これにより、磁石を利用して遊技球11を操作するといった不正行為を防止することができる。第2電波センサ1063は、遊技機10における異常な電波を検出する。これにより、遊技機10に対して電波を照射したり放電させたりすることにより、遊技機10の誤動作を誘発させるといった不正行為を防止することができる。
普通電動役物ソレノイド1064は、始動口141に設けられる羽根部材143を有した普通電動役物142(図7参照)に接続されており、主制御回路106から供給される駆動信号に応じて、羽根部材143が開放状態または閉鎖状態とする。また、大入賞口ソレノイド1065は、シャッタ145を有した大入賞口144に接続されており、主制御回路106から供給される駆動信号に応じて、シャッタ145を駆動させ、大入賞口144を開放状態または閉鎖状態とする。LED1066は、始動口141に遊技球が入球したことに基づいて大入賞口144を開放させるか否かの抽選結果である特別図柄表示装置、普通電動役物を開放するか否かの普通図柄表示装置、またはこれらの保留数である保留表示装置等の状態を表示するものであり、主制御回路106から供給される駆動信号に応じて点灯態様が変動する。
例えば、針金等を用いて大入賞口144のシャッタ145を強制的に開放状態とする不正行為を行ったとしても、シャッタ145を駆動させる駆動信号が供給されているか否かを検出することにより、不正が行われていることを検出することができ、不正行為を防止することができる。
表示基板1022は、遊技者が有している持ち球数を表示する遊技球数表示装置1024を制御する。具体的には、図7に示すように、遊技機10の前面における下部には、遊技球数表示装置1024が設けられている。遊技球数表示装置1024は液晶表示装置であり、6桁までの持ち球数が表示されるようになっている。持ち球数は、上述したとおり、払出制御回路101によって管理されている。遊技が実行されることにより持ち球数は増減する。払出制御回路101は、各センサから送信される検出信号に基づいて加算および減算を行い、持ち球数を管理している。そして、遊技媒体管理装置20は、持ち球数に関する信号を払出制御回路101へと送信する。さらに、表示基板1022は、払出制御回路101から持ち球数の増減に関する信号を受信して、遊技球数表示装置1024に表示される持ち球数を更新する。
主制御回路106から、払出制御回路101へ入賞に応じたコマンドデータが送信された場合、入賞ごとに設定される獲得遊技球数が持ち球数に加算される。払出制御回路101は各入賞に応じた獲得遊技球数を現在の持ち球数に加算する。そして、加算後の持ち球数に関するデータを表示基板1022に送信し、表示基板1022により遊技球数表示装置1024が表示される持ち球を更新する。
減算センサ1011は、発射装置110における遊技球11の出口に設けられており、発射装置110から遊技球11が発射されたこと(発射球)を検出する。払出制御回路101は、減算センサ1011からの検出信号を受信すると、現在の持ち球数を減算する。これにより、払出制御回路101により管理される持ち球数および遊技球数表示装置1024に表示される持ち球数が更新される。なお、戻り玉が生じた場合は、実際には遊技球11が遊技領域140に発射されていないにも関わらず、減算センサ1011では遊技球11が発射されたと誤って検出をする可能性がある。しかし、上述したように、遊技機10は戻り玉を回避することができる構造であるため、払出制御回路101は持ち球数を正しく管理できる。
表示基板1022が有する計数スイッチ1023は、図7に示すように遊技球数表示装置1024の左側に配設される計数ボタン1025への入力を検出する。遊技者が計数ボタン1025を押下すると、計数スイッチ1023から検出信号が出力される。払出制御回路101は計数スイッチ1023からの検出信号を受信すると、遊技球数表示装置1024に表示された持ち球数を徐々に減少させるように、表示基板1022に指示を与える。そして、同時に、遊技球数表示装置1024に表示された持ち球数の減少分に関してのデータが遊技媒体管理装置20に送信される。管理装置制御部202はこのデータに応じて、遊技球数表示装置1024に表示された持ち球数の減少分を、計数球数として遊技媒体管理装置20の表示装置(図示せず)に表示させる。つまり、持ち球を計数球に変換する。
また、計数ボタン1025の押下時間が長くなればなるほど、遊技球数表示装置1024に表示された持ち球数の減少速度が速くなるようにしてもよい。その場合は、持ち球数の減少速度に対応して、遊技媒体管理装置20に表示される計数球数の増加速度も速くなる。そして、持ち球数が所望の値となったところで、計数ボタン1025の押下操作を停止すれば、計数球への変換が停止する。これにより、遊技者は容易に、持ち球のうち所望の数の球を計数球に変換することができる。
また、遊技者が第1液晶表示装置102における特定領域(後述の返却表示領域102b)を押下した後、10秒以内に計数ボタン1025を押下した場合には、遊技球数表示装置1024に表示された持ち球数がゼロになり、遊技球数表示装置1024に表示されていた持ち球数が計数球数に加算されて、遊技媒体管理装置20に表示されることとしてもよい。これにより、持ち球を一括で計数球数とすることができるため、すべての持ち球を計数する場合に、遊技者の操作が容易である。また、計数ボタン1025を1回操作するだけですべての持ち球を一括で計数するようにしてもよい。また、第1液晶表示装置102において、計数球に変換する持ち球の数を設定できることとしてもよい。これにより、遊技者は任意の数の持ち球を容易に計数球に変換することができる。
遊技球11は各入賞口を通過して磨き装置120に到達するか、各入賞口を通過せずに遊技領域140の下部に形成されたアウト口146を通過して磨き装置120に到達するかのいずれかである。したがって、各入賞センサ1061およびアウト口センサ1006の検出信号に基づいて、遊技領域140から磨き装置120へと到達して循環されるすべての遊技球11の個数(アウト球数)を検出することができる。
また、遊技システム500は、エラー検出機能を有している。例えば、発射球の検出信号およびアウト球の検出信号により、遊技領域140に発射された遊技球11の個数と、遊技領域140から磨き装置120へ到達する遊技球11の個数とを比較することができる。すなわち、外部から遊技球11が遊技領域140内へ投入されるような不正行為を検出することができる。このように、遊技システム500は、遊技球数オーバーフローエラーを検出することができる。なお、遊技球数オーバーフローエラーは、遊技機10において、認識できる持ち球数を超えた場合に生じるエラーとしてもよい。例えば、持ち球数が、遊技球数表示装置1024に表示可能な6桁の持ち球を超えた場合に、遊技球数オーバーフローエラーが検出されることとしてもよい。
また、発射球の検出信号およびアウト球の検出信号により、遊技領域140に発射された遊技球11の個数と、遊技領域140から磨き装置120へ到達する遊技球11の個数とを比較し、アウト球が検出され続ける一方で発射球が検出されない状態が生じた場合には、減算センサエラーを検出することができる。すなわち、遊技球11が発射装置110において球詰まりしていることを検出することができる。
また、発射球の検出信号およびアウト球の検出信号により、遊技領域140に発射された遊技球11の個数と、遊技領域140から磨き装置120に到達する遊技球11の個数とを比較し、発射球が検出され続ける一方で、発射球に応じたアウト球が検出されない状態が生じた場合には、入賞センサエラーを検出することができる。すなわち、遊技球11が各入賞口等において球詰まりしていることを検出することができる。
第1液晶表示装置102は、球貸に関する遊技者の入力を受け付けるための入力装置であると共に、遊技価値の残高を表示する表示装置として機能する。図7に示すように、遊技機10の上方には、第1液晶表示装置102が設けられている。第1液晶表示装置102の画面上には、再プレイ表示領域102a、返却表示領域102b、球貸表示領域102cおよび残高表示領域102dが形成されている。残高表示領域102dには、遊技媒体管理装置20において、外部から紙幣またはプリペイド媒体等の遊技価値を受け付けた場合に、その遊技価値のうち持ち球に変換可能である額が表示される。
再プレイ表示領域102a、返却表示領域102bおよび球貸表示領域102cは、遊技者の入力を受け付けるための入力用の領域である。第1液晶表示装置102が遊技者によるタッチ操作がなされた領域が球貸表示領域102cであることを検出したときは、表示装置制御基板103は、球貸を要求する送信信号を遊技媒体管理装置20に送信する。遊技媒体管理装置20では球貸要求に基づいて、残高を減算すると共に減算した分に対応する持ち球数を加算する貸出処理を行う。そして、更新された残高は、表示装置制御基板103を介して遊技媒体管理装置20から第1液晶表示装置102へ送信され、残高表示領域102dの残高表示が更新される。また、加算された持ち球数は、遊技媒体管理装置20から払出制御回路101へ送信され、遊技球数表示装置1024の持ち球の表示が更新される。
また、遊技媒体管理装置20において残高がない状態(例えば、遊技媒体管理装置20にプリペイド媒体が挿入されていない場合等)では、球貸表示領域102cへの入力は無効となる。このような状態で、球貸表示領域102cにおける遊技者のタッチ操作を検出した場合には、不正加算エラーが検出される。なお、残高があり、持ち球への変換が可能な場合は、球貸表示領域102cが発光しているように表示し、残高がなく、持ち球への変換が不可能な場合は、球貸表示領域102cはやや暗めとなるように表示してもよい。
また、第1液晶表示装置102が遊技者によるタッチ操作がなされた領域が返却表示領域102bであることを検出したときは、表示装置制御基板103は、遊技の終了を要求する送信信号を遊技媒体管理装置20に送信する。そして、遊技媒体管理装置20は、遊技の終了を指示するための送信信号を払出制御回路101に対して送信する。また、返却表示領域102bがタッチ操作された後、10秒以内に遊技者が計数ボタン1025を押下した場合には、上述したように、持ち球数が一括で計数球数に変換されて遊技媒体管理装置20に表示される。
なお、第1液晶表示装置102の再プレイ表示領域102aは、再プレイ貯玉がある場合にのみ入力の受け付けが有効となる。再プレイ貯玉とは、前日以前に遊戯した際の持ち球を持ち越すことをいう。再プレイ球の数等の持ち越した持ち球に関する情報は、例えば、遊技場以外の場所に設置された貯玉サーバに、遊技者を特定できる会員ID等の情報と対応付けて記憶されている。遊技者は、例えば、遊技中はこの会員カードを遊技媒体管理装置20に挿入しておくこととすればよい。遊技者が、会員カードを遊技媒体管理装置20に挿入した状態で再プレイ表示領域102aをタッチ操作することで、遊技媒体管理装置20は会員カードに記録された会員IDを読み取り、貯玉サーバより当該会員IDに対応付けられた、再プレイ球の数等の情報を入手する。遊技媒体管理装置20はこの情報を払出制御回路101に送信し、払出制御回路101はこの情報に基づいて再プレイ球の数を持ち球数に加算する。
第1液晶表示装置102が遊技者によるタッチ操作がなされた領域が再プレイ表示領域102aであることを検出したときは、表示装置制御基板103において再プレイを要求する送信信号が遊技媒体管理装置20へ送信される。そして、遊技媒体管理装置20は、再プレイ球数の個数情報を払出制御回路101へ送信する。払出制御回路101は、再プレイ球数の個数情報に基づいて持ち球数を増加させ、さらに遊技球数表示装置1024の持ち球数の表示を更新する。そして、貯玉サーバに記憶された情報が更新される。
また、図示していないが、第1液晶表示装置102には、画面切り替え領域が表示されていることとしてもよい。第1液晶表示装置102が遊技者によるタッチ操作がなされた領域が画面切り替え領域であることを検出したときは、第1液晶表示装置102に表示される内容が切り替えられることとしてもよい。例えば、上述した貸出動作の結果内容や返却動作の結果内容等の遊技媒体管理装置20からの情報と、副制御回路107から送信される演出用の画像等の情報とで、切り替えが行われることとしてもよい。
また、図示していないが、第1液晶表示装置102は、遊技媒体管理装置20に挿入された会員カードに記録された会員ID等のカード情報や遊技機10の遊技情報等を表示可能であることとしてもよい。これらのカード情報や遊技情報の表示は、第1液晶表示装置102のタッチ操作により、図7に示すような表示態様と切り替えが可能であることとしてもよい。
遊技機10は、電源が投入されると、主制御回路106に設けられたCPUの固有ID、払出制御回路101に設けられたCPUの固有ID、遊技機10に記憶された遊技機製造業者コード、上述の認証・通信制御回路300等の実現に用いられるセキュリティチップの製造業者コード、遊技機10の型式コードおよび遊技場の整合性を判定する。
第1開放センサ1002は、本体191において、ガラス枠が開放されていることを検出する。また、第2開放センサ1003は、本体191において、内枠が開放されていることを検出する。
第1電波センサ1001は、遊技機10の本体191に対する異常な電波を検出する。
また、遊技機10は、上記のようなエラーを検知した場合は、エラー報知を行う。エラー報知としては、エラーを検出する基板にもよるが、遊技の停止、遊技媒体管理装置20によるエラー情報の表示、スピーカ1075によるエラー情報の音声出力、本体演出用の第1LED基板1074や盤面演出用の第2LED基板1076に接続されるLEDの点灯、アクチュエータ1077の駆動および第1液晶表示装置102におけるエラー情報の表示等とすればよい。
遊技機10は、遊技媒体管理装置20に対して、遊技状態の情報を出力する。具体的には、遊技機10は、遊技媒体管理装置20に対して、アウト球数、入賞により得た持ち球数、入賞毎に出力される入賞種別(始動口、大当り、小当り、出玉大の大当り、出玉小の大当り、出玉中の大当り)、大当りかつ時短状態、確変状態、時短状態、不正検出に関するセキュリティ、ガラス枠開放状態、内枠開放状態、遊技機エラー時、に関する情報を出力する。
電源108は、単相交流100Vから遊技機10に必要な電源を生成する。本実施形態では、電源108は、払出制御回路101と、副制御回路107とに直接電力を供給する。そして、主制御回路106に払出制御回路101を介して電力を供給する。また、表示装置制御基板103には副制御回路107を介して電力を供給する。なお、電力の供給は上述の態様に限定されるわけではない。
また、電源108は、図示していないバックアップ電源を有している。そのため、電源がOFFにされても、主制御回路106および払出制御回路101のそれぞれのRAMに記憶された情報を保持することができる。なお、電源108には、図示していないクリアスイッチが設けられている。クリアスイッチを操作することにより、主制御回路106および払出制御回路101のそれぞれのRAMに記憶された情報を初期化することができる。
具体的には、主制御回路106のRAMにおいて保持される内容は、大当り状態(ラウンド回数含む)、高確率・時短状態、保留メモリ(特別図柄、普通図柄)の乱数値、エラー状態、払出制御回路101への未送信コマンドデータ、普通電動役物および特別電動役物、である。また、払出制御回路101のRAMにおいて保持される内容は、持ち球数、エラー状態、遊技媒体管理装置20への未送信コマンドデータ、遊技台情報、遊技情報および遊技媒体管理装置20に挿入された会員カードのカード情報等、である。
発射ソレノイド1018は、発射装置110に設けられ、払出制御回路101からの駆動制御信号に応じて遊技球11の発射を行うための動作を行う。発射ソレノイド1018を駆動するための駆動制御信号は、遊技者によってハンドル1026(図7参照)が操作されることにより出力される。タッチセンサ1009は、ハンドル1026の周縁に設けられており、遊技者がハンドル1026を握持した場合にはタッチセンサ1009にも触れることとなるような位置に配置されている。したがって、タッチセンサ1009からの検出信号により、遊技者がハンドル1026を握持しているか否かの検出を行うことができる(タッチ検出)。
ハンドル1026は、回転可能なように本体191に設置されている。また、ハンドル1026は、回転させた場合に、時計回りの反対方向へ付勢力が働くように設置されている。したがって、ハンドル1026を回転させて手を離すと、ハンドル1026は回転して元の位置に戻る。
ハンドル1026には、時計回り方向への回転角度に応じた検出信号を出力するハンドルボリューム1007が設けられている。このハンドルボリューム1007から出力される信号に応じて、発射装置110からの遊技球11の発射強度が変更される。
また、ハンドル1026には保持レバー1026aが設けられており、遊技者が保持レバー1026aを操作することで、ハンドル1026の回転位置が固定される。すなわち、ハンドル1026を回転させて、所望の位置で保持レバー1026aを操作することにより、ハンドル1026から手を離してもハンドル1026が回転することがなく、その位置で保持される。これにより、長時間にわたる遊技による疲労を軽減することができる。
さらに、図示していないが、ハンドル1026はスイング移動構造を有しており、ハンドル1026を上下左右にスイング移動させることができる。つまり、ハンドル1026は一般的には、本体191に対して略垂直方向に突出しているが、スイング移動構造を有することから、本体191に対してハンドル1026が傾斜するように配置することができる。これにより、遊技者はハンドル1026の操作において操作しやすいように、ハンドル1026を適度にスイング移動させることができる。
また、停止スイッチ1008は、例えばハンドル1026の近傍に設けられている。払出制御回路101は停止スイッチ1008からの検出信号を受信した場合は、ハンドルボリューム1007から検出信号を受信している場合でも、発射ソレノイド1018の動作を停止させる。つまり、遊技者が停止スイッチ1008を操作している場合は、ハンドル1026が回転させられていても、発射装置110から遊技球11が発射されることはない。なお、ハンドル1026が回転させられていても、タッチセンサ1009からの検出信号が出力されていない場合すなわち遊技者がハンドル1026を握持していない場合、および、ハンドル1026の回転角度が小さすぎる場合には、発射装置110から遊技球11が発射されることはない。
ここで、発射装置110について図を用いて説明する。図8は、本実施形態に係る遊技機の発射装置について説明するための図である。また、図9は、本実施形態に係る遊技機の発射装置の平面図である。
図8に示すように、発射装置110は、発射ソレノイド1018、発射台1101、発射杵1102および支持軸1103を有している。発射杵1102はその上端部が支持軸1103に支持されており、支持軸1103を回転中心として回転可能に設置されている。発射ソレノイド1018は発射杵1102の近傍に配置されている。発射ソレノイド1018が払出制御回路101により駆動させられることにより、発射杵1102は発射ソレノイド1018に引き寄せられて、回転駆動する。発射杵1102が発射ソレノイド1018に引き寄せられることにより遊技球11を打撃し、遊技球11が発射装置110から斜め上方へと発射される。発射台1101は発射杵1102により打撃される遊技球11の待機位置である。遊技球11が発射台1101に配置された状態で、発射杵1102の反対側が発射方向であり、開放されている。
図9に示すように、発射装置110は、上述した部材以外に、球入口1104、発射装置入口センサ1010、球通路1105、球送りソレノイド1017および減算センサ1011を有している。遊技球11は、球送りソレノイド1017によって発射台1101へ送り出される。揚送装置130によって遊技機上部へ搬送された遊技球11は球入口1104に導かれる。さらに、球通路1105を通過し、待機位置にて待機する。球通路1105に設けられた発射装置入口センサ1010は、遊技球11が球通路1105を通過することにより検出信号を出力する。遊技者がハンドル1026を操作した場合は、払出制御回路101により球送りソレノイド1017が駆動させられ、図示していない球送り杵が発射台1101の方向(図9では下方向)へと、待機状態の遊技球11を押し出す。これにより、遊技球11が発射台1101へ移動する。また、待機位置から発射台1101への経路には減算センサ1011が設けられており、発射台1101へ移動する遊技球11を検出する。減算センサ1011によって、遊技球11が検出された場合には、持ち球数が1減算される。
図7に示すように、遊技領域140において、始動口141や大入賞口144等の各入賞口、または、アウト口146を通過した遊技球11は、ガイド経路147を経由して磨き装置120に案内される。
ここで、磨き装置120について説明する。磨き装置120の詳細は図示していないが、磨き装置120は筐体と筐体に着脱自在な着脱ユニットとを有している。筐体には、ガイド経路147によって案内された遊技球11を筐体の内部へ導くための球入口が形成されている。球入口には、遊技球11が投入されたことを検出する磨き装置入口センサ1016が設けられている。筐体の前面側には、着脱ユニットを嵌め込むための嵌合凹部が形成されている。また、嵌合凹部の内側には、遊技球11の搬送経路となるガイド溝が形成されている。また、球入口とガイド溝との間には遊技球11を導くために入口案内経路が形成されている。また、ガイド溝の端部には、球出口が形成されている。ガイド溝には、ガイド溝に沿って遊技球11を導くためのらせん状のスクリューが設置されている。ガイド溝に導かれた遊技球11は、このスクリューが回転することによりガイド溝に沿って搬送され、球出口へと導かれる。
着脱ユニットは、遊技球11を磨くための布を有している。当該布の一部は着脱ユニットの外部に露呈しており残りは着脱ユニットの内部に設置されている。磨き装置120に設けられた着脱ユニットモータ1020が駆動することにより、この布は一定方向に送られ、外部に露呈される部分が変化する。つまり、着脱ユニットモータ1020が駆動することにより、露呈された布が着脱ユニット内部へと送られていき、それに伴って、着脱ユニット内部から布の新たな部分が外部に送られてくる。
着脱ユニットを筐体の嵌合凹部に嵌め込むことにより、ガイド溝1204の開放された側に露呈された布が押し付けられる態様となる。つまり、スクリューが回転することにより遊技球11がガイド溝に沿って搬送されている際に、遊技球が11布に接触することとなる。なお、筐体には、着脱ユニットが嵌合凹部に嵌め込まれていることを検出する着脱ユニットセンサ1014が設けられている。磨き装置120は、さらに払出制御回路101によって制御される着脱ユニットモータ1020および磨きモータ1021を有する。
着脱ユニットが筐体の嵌合凹部に嵌め込まれている状態で、着脱ユニットモータ1020および磨きモータ1021が駆動する。これにより、布は移動し始め、スクリューは回転し始める。スクリューが回転することにより、遊技球11がガイド溝に沿って搬送される。この際に、布は、遊技球11の搬送方向とは逆方向に移動される。ガイド溝に沿って搬送される遊技球11は、遊技球11の搬送方向とは逆方向に移動される布と接触することにより、遊技球11が布により擦られて、遊技球11は磨かれる。このように、遊技球11は、布によって磨かれながらガイド溝を搬送され、球出口から排出されて、揚送装置130に導かれる。なお、着脱ユニットモータ1020および磨きモータ1021は、磨き装置入口センサ1016によって遊技球11が検出されたことを契機に駆動される。磨きモータセンサ1015は磨きモータ1021の駆動を検出する。これにより、磨きモータ1021が正常に回転駆動されているかを検出することができる。
揚送装置について図を用いて説明する。図10は、本実施形態に係る遊技機の揚送装置について説明するための図である。図11は、本実施形態に係る遊技機の揚送装置の動作について説明するための図である。
図10および図11に示すように、揚送装置130は、球入口1301、球出口1302、揚送部1303、スクリュー1304、揚送装置入口センサ1012および揚送モータ1019を有している。また、揚送装置130は、揚送モータセンサ基板1013を備えている。球入口1301には、磨き装置120によって搬送された遊技球11が導かれる。揚送装置入口センサ1012は、球入口1301に導入された遊技球11を検出する。揚送装置入口センサ1012による遊技球11の検出に応じて揚送モータ1019が駆動する。揚送部1303の内側に設けられたらせん状のスクリュー1304には、下部に設けられたギアを介して、揚送モータ1019からの動力が伝達される。球入口1301を通過した遊技球11は、さらに球通路(図示せず)を通過して、筒状の揚送部1303の下部に到達する。スクリュー1304は揚送モータ1019により回転しており、遊技球11はスクリュー1304により上方へ搬送される。揚送モータセンサ基板1013は、揚送モータ1019の駆動を検出する。これにより、揚送モータ1019が正常に回転駆動されているかを検出することができる。
スクリュー1304によって、揚送部1303の上部に到達した遊技球11は、揚送部1303の上側に設けられた球出口1302から排出され、球出口1302と連通された発射装置110の球入口1104に導かれる。そして、遊技球11は発射装置110に送られる。
また、遊技システム500は、遊技領域140における遊技球11の数を管理している。払出制御回路101に接続される適正数センサ1005は、遊技領域140内にある遊技球11の数が適正量か否かを検出する。遊技機10内に50個の遊技球11が循環しているとすると、例えば遊技領域140内に存在する遊技球が10個以下である場合を適正量とし、遊技領域140内に存在する遊技機10が10個を超えると検出信号を出力し、異常であることを知らせる。また、払出制御回路101に接続される遊技球ゼロセンサ1004は、遊技領域140内に遊技球11がない場合に検出信号を出力する。
払出制御回路101は、接続された各種センサ等に基づき、省電力状態へ移行する。例えば、タッチセンサ1009によって、所定の期間、遊技者がハンドル1026を握持していないことを検出した場合、省電力状態へ移行すればよい。例えば、副制御回路107に接続された各種演出デバイスをOFFとしてもよい。また、持ち球が0になった場合、プリペイド媒体が未挿入である場合、および現金が投入されていない場合等には、省電力状態へ移行することとしてもよい。このように、払出制御回路101は、遊技が行われているか否かを判定し、遊技機10を省電力状態に移行することができる。
電源108は、図示しないバックアップ電源を有している。これにより、夜間等に電源をOFFにした場合であっても、OFFにする直前のデータを保持することができる。また、このバックアップ電源により、例えば、第2開放センサ1003による内枠開放の検出を継続して実行させてもよい。これにより、夜間に不正行為を行われることも防止することができる。
なお、この場合は、内枠が開放された回数等の情報を記憶するものであってもよい。さらに、電源が投入された際に、内枠が開放された回数等の情報を、遊技機10の第1液晶表示装置102等に出力するものであってもよい。
[遊技機の動作]
以下に、遊技機10で実行される処理動作について図を用いて説明する。
[メイン処理]
最初に、図12に示すように、主制御回路106におけるCPU(以下、メインCPU)は、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域の初期化等の初期設定処理を実行する(S10)。そして、詳しくは図14を用いて後述するが、メインCPUは、特別図柄ゲームの進行、液晶表示装置、特別図柄表示装置に表示される特別図柄、装飾図柄に関する特別図柄制御処理を実行する(S11)。
そして、詳しくは図17を用いて後述するが、メインCPUは、普通図柄ゲームの進行、普通図柄表示装置に表示される普通図柄に関する普通図柄制御処理を実行する(S12)。そして、メインCPUは、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理の実行の結果にしたがって、特別図柄、普通図柄などの可変表示の表示制御を行う図柄表示装置制御処理を実行する(S13)。
このように、メイン処理においては、初期設定処理が終了した後、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理、図柄表示装置制御処理を繰り返し実行することとなる。
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPUは、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。主制御回路106には、図示しないリセット用クロックパルス発生回路が設けられている。リセット用クロックパルス発生回路は、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生するものである。メインCPUは、発生したクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図13を用いて説明する。
最初に、図13に示すように、メインCPUは、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ等の各カウント値を“1”増加するように乱数更新処理を実行する(S20)。そして、メインCPUは、始動口141等の各入賞口への遊技球11の入賞または通過を検知する入力検出処理を実行する(S21)。そして、メインCPUは、主制御回路106および副制御回路107間等の制御基板間の同期をとるための待ち時間タイマ、大入賞口144の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する(S22)。そして、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給するために、出力処理を実行する(S23)。
そして、メインCPUは、各種のコマンドを払出制御回路101や副制御回路107に供給するコマンド出力処理を実行する(S24)。そして、メインCPUは、入賞による持ち球の増加等の賞球を行わせるための賞球制御コマンドを払出制御回路101へ送信する等の払出処理を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる(S25)。
[特別図柄制御処理]
図12の特別図柄制御処理について図14を用いて説明する。なお、図14において、各処理の側方に記載された数値は、それら各処理に対応する制御状態フラグを示し、その制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することとなる。
最初に、図14に示すように、メインCPUは、制御状態フラグをロードする処理を実行する(S30)。
なお、後述する各処理において、メインCPUは、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、各処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPUは、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。
なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
そして、メインCPUは、特別図柄記憶チェック処理を実行する(S31)。詳しくは図16を用いて後述するが、メインCPUは、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、保留個数のチェックを行い、保留個数がある場合に、大当り判定、導出特別図柄、特別図柄の変動パターン等の決定を行う。また、メインCPUは、特別図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、今回決定された変動パターンに対応する変動時間を経過した後、後述する特別図柄変動時間管理処理を実行するように設定することとなる。
一方、メインCPUは、保留個数がない場合には、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。
そして、メインCPUは、特別図柄変動時間管理処理を実行する(S32)。この処理において、メインCPUは、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、後述する特別図柄表示時間管理処理を実行するように設定することとなる。
そして、メインCPUは、特別図柄表示時間管理処理を実行する(S33)。この処理において、メインCPUは、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当りか否かを判断する。メインCPUは、大当りである場合に、大当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、後述する大当り開始インターバル管理処理を実行するように設定することとなる。
一方、メインCPUは、大当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。つまり、後述する特別図柄ゲーム終了処理を実行するように設定することとなる。
そして、メインCPUは、大当りであると判別した場合には、大当り開始インターバル管理処理を実行する(S34)。この処理において、メインCPUは、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口144を開放させるために、主制御回路106のROMから読み出されたデータに基づいて、主制御回路106のRAMに位置付けられた変数を更新する。メインCPUは、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、後述する大入賞口開放中処理を実行するように設定することとなる。
そして、メインCPUは、大入賞口開放中処理を実行する(S35)。この処理において、メインCPUは、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが所定数以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが“0”である)という条件のいずれかを満たす(所定の閉鎖条件が成立した)か否かを判断する。
メインCPUは、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口144を閉鎖させるために、メインRAMに位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPUは、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。メインCPUは、大入賞口内残留球監視時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大入賞口内残留球監視時間が経過した後、後述する大入賞口内残留球監視処理を実行するように設定することとなる。
そして、メインCPUは、大入賞口内残留球監視処理を実行する(S36)。この処理において、メインCPUは、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上である(最終ラウンドである)という条件を満たすか否かを判断する。
メインCPUは、この条件を満たした場合に、大当り終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、後述する大当り終了インターバル処理の処理を実行するように設定することとなる。
一方、メインCPUは、この条件を満たさない場合に、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPUは、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、後述する大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行するように設定することとなる。
そして、メインCPUは、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上ではないと判別した場合に、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する(S37)。この処理において、メインCPUは、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPUは、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPUは、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、上述した大入賞口開放中処理を再度実行するように設定することとなる。
そして、メインCPUは、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上であると判別した場合に、大当り終了インターバル処理を実行する(S38)。この処理において、メインCPUは、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。つまり、後述する特別図柄ゲーム終了処理を実行するように設定することとなる。
そして、メインCPUは、大当り図柄が確変図柄である場合には、確変状態に移行させる制御を行うとともに、大当り図柄が非確変図柄である場合には、通常遊技状態に移行させる制御を行うこととなる。
そして、メインCPUは、大当り遊技状態が終了した場合、または、はずれとなった場合には、特別図柄ゲーム終了処理を実行する(S39)。この処理において、メインCPUは、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、保留個数を示すデータ(始動記憶情報)を“1”減少するように記憶更新する。そして、メインCPUは、次回の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。メインCPUは、特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、上述した特別図柄記憶チェック処理を実行するように設定することとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
上述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPUは、図15に示すように、大当り遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“08”と順にセットすることにより、図14に示す特別図柄記憶チェック処理、特別図柄変動時間管理処理、特別図柄表示時間管理処理、特別図柄ゲーム終了処理の処理を所定のタイミングで実行することとなる。
また、メインCPUは、大当り遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果が大当りであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“03”と順にセットすることにより、図14に示す特別図柄記憶チェック処理、特別図柄変動時間管理処理、特別図柄表示時間管理処理、大当り開始インターバル管理処理の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態への制御を実行することとなる。
更に、メインCPUは、大当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“04”、“05”、“06”と順にセットすることにより、図14に示す大入賞口開放中処理、大入賞口内残留球監視処理、大入賞口再開放前待ち時間管理処理の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技を実行することとなる。
なお、大当り遊技が実行されている場合において、大当り遊技状態の終了条件が成立した場合には、“04”、“05”、“07”、“08”と順にセットすることにより、図14に示す大入賞口開放中処理、大入賞口内残留球監視処理、大当り終了インターバル処理、特別図柄ゲーム終了処理の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を終了することとなる。
[特別図柄記憶チェック処理]
図14の特別図柄記憶チェック処理について図16を用いて説明する。
最初に、図16に示すように、メインCPUは、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かの判断を行う(S40)。メインCPUは、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判別した場合(S40でYES)には、保留個数が“0”であるか否かの判断を行う(S41)。一方、メインCPUは、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるとは判別しなかった場合(S40でNO)には、本サブルーチンを終了する。
そして、メインCPUは、保留個数を示すデータが“0”であると判別した場合(S41でYES)には、デモ表示処理を実行する(S42)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。一方、メインCPUは、保留個数を示すデータが“0”であるとは判別しなかった場合(S41でNO)には、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する(S43)。
そして、メインCPUは、大当り判断処理を実行する(S44)。この処理において、メインCPUは、高確率フラグを読み出し、読み出した高確率フラグに基づいて、大当りの判定値(大当り判定値)の数が異なる複数の大当り判定テーブルから1つの大当り判定テーブルを選択する。
このように、高確率フラグが所定の値である場合、つまり遊技状態が確変状態である場合には、大当り遊技状態に移行する確率は、通常時よりも向上することとなる。そして、メインCPUは、始動入賞時に抽出された大当り判定用乱数値と、選択された大当り判定テーブルとを参照する。つまり、メインCPUは、遊技者に有利な大当り遊技状態とするか否かの判定を行うこととなる。
そして、メインCPUは、特別図柄決定処理を実行する(S45)。この処理において、メインCPUは、始動入賞時に抽出された大当り図柄用乱数値を読み出し、その大当り図柄用乱数値と、上述した大当り判定の結果と、に基づいて、特別図柄を決定し、その特別図柄を示すデータを、主制御回路106が有するメインRAMの所定領域に記憶する。また、メインCPUは、特別図柄を特別の表示態様(大当り図柄が確変図柄となる表示態様)として決定する場合には、確変状態に移行させる制御を行うこととなる。
このように記憶された特別図柄を示すデータは、特別図柄表示装置に供給される。これによって、特別図柄表示装置に、特別図柄が導出表示されることとなる。また、このように記憶された特別図柄を示すデータは、主制御回路106のメインCPUから副制御回路107のCPUに導出図柄指定コマンドとして供給される。これによって、副制御回路107において、特別図柄に対応する装飾図柄が第2液晶表示装置1073に導出表示されることとなる。
そして、メインCPUは、変動パターン決定処理を実行する(S46)。この処理において、メインCPUは、演出条件選択用乱数値を抽出する。メインCPUは、上述したように決定された特別図柄に基づいて、変動パターンを決定するための変動パターン振分テーブルを選択する。そして、メインCPUは、演出条件選択用乱数カウンタから抽出した演出条件選択用乱数値と選択した変動パターン振分テーブルとに基づいて、変動パターンを決定し、メインRAMの所定領域に記憶する。メインCPUは、このような変動パターンを示すデータに基づいて、特別図柄の変動表示態様(特に、変動表示時間)を決定することとなる。
このように記憶された変動パターンを示すデータは、特別図柄表示装置に供給される。これによって、特別図柄表示装置に、特別図柄が決定した変動パターンで変動表示することとなる。また、このように記憶された変動パターンを示すデータは、主制御回路106のメインCPUから副制御回路107のCPUに変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路107のCPUは、受信した変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行することとなる。
そして、メインCPUは、決定した変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットし(S47)、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する(S48)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[普通図柄制御処理]
図12の普通図柄制御処理について図17を用いて説明する。なお、図17において、各処理の側方に記載された数値は、それらのステップに対応する普通図柄制御状態フラグを示し、その普通図柄制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行され、普通図柄ゲームが進行することとなる。
最初に、図17に示すように、普通図柄制御状態フラグをロードする処理を実行する(S50)。この処理において、メインCPUは、普通図柄制御状態フラグを読み出す。
なお、後述する処理において、メインCPUは、普通図柄制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この普通図柄制御状態フラグは、普通図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、各処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPUは、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。
なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
そして、メインCPUは、普通図柄記憶チェック処理を実行する(S51)。この処理において、メインCPUは、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、普通図柄に関する保留個数のチェックを行い、保留個数がある場合に、当り判定等を行う。そして、メインCPUは、普通図柄変動時間管理を示す値(01)を普通図柄制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、今回決定された変動時間を経過した後、後述する普通図柄変動時間監視処理を実行するように設定するのである。
そして、メインCPUは、普通図柄変動時間監視処理を実行する(S52)。この処理において、メインCPUは、普通図柄制御状態フラグが普通図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、普通図柄表示時間監視を示す値(02)を普通図柄制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば0.5秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、後述する普通図柄表示時間監視処理を実行するように設定するのである。
そして、メインCPUは、普通図柄表示時間監視処理を実行する(S53)。この処理において、メインCPUは、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間監視を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、当りか否かを判断する。メインCPUは、当りである場合に、普通電動役物開放設定処理を実行し、普通電動役物開放を示す値(03)を普通図柄制御状態フラグにセットする。つまり、後述する普通電動役物開放処理を実行するように設定するのである。
一方、メインCPUは、当りではない場合に、普通図柄ゲーム終了を示す値(04)をセットする。つまり、後述する普通図柄ゲーム終了処理を実行するように設定するのである。
そして、メインCPUは、普通電動役物開放処理を実行する(S54)。この処理において、メインCPUは、普通図柄制御状態フラグが普通電動役物開放を示す値(03)である場合に、普通電動役物の開放中において所定数の始動入賞があったという条件、普通電動役物開放時間タイマが“0”であるという条件のいずれかを満たすか否かを判断する。
メインCPUは、いずれかの条件を満たした場合に、普通電動役物である羽根部材を閉鎖状態にさせるために、メインRAMに位置付けられた変数を更新する。メインCPUは、普通図柄ゲーム終了を示す値(04)を普通図柄制御状態フラグにセットする。つまり、後述する普通図柄ゲーム終了処理を実行するように設定するのである。
そして、メインCPUは、普通図柄ゲーム終了処理を実行する(S55)。この処理において、メインCPUは、普通図柄制御状態フラグが普通図柄ゲーム終了を示す値(04)である場合に、普通図柄に関する保留個数を示すデータを“1”減少するように記憶更新する。メインCPUは、次回の普通図柄の変動表示を行うために、普通図柄記憶領域の更新を行う。メインCPUは、普通図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、上述した普通図柄制御状態フラグをロードする処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[副制御回路メイン処理]
一方、副制御回路107は、副制御回路メイン処理を実行することとなる。この副制御回路メイン処理について図18を用いて説明する。なお、この副制御回路メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
最初に、図18に示すように、副制御回路107のCPU(以下、サブCPUと称す)は、RAMアクセス許可、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(S60)。そして、サブCPUは、ワークRAMの所定領域に位置付けられた各種の乱数カウンタの乱数値を更新する乱数更新処理を実行する(S61)。
そして、詳しくは図19を用いて後述するが、サブCPUは、受信したコマンドを解析し、その解析したコマンドに応じたコマンド解析処理を実行する(S62)。そして、サブCPUは、遊技領域140内に設けられる第2液晶表示装置1073における画像の表示制御を行う表示制御処理を実行する(S63)。そして、サブCPUは、スピーカ1075から発生させる音の制御を行う音声制御処理(S64)、各種のランプの発光制御を行うランプ制御処理を実行する(S65)。この処理が終了した場合には、再度、乱数更新処理(S61)に処理を移す。
このように、副制御回路メイン処理においては、初期設定処理が終了した後、乱数更新処理からランプ制御処理を繰り返し実行することとなる。
[コマンド解析処理]
図18のコマンド解析処理について図19を用いて説明する。
最初に、図19に示すように、サブCPUは、コマンドバッファにコマンドが格納されているか否かによって、主制御回路106からの受信コマンドがあるか否かを判断する(S71)。この処理において、サブCPUは、受信コマンドがあると判別した場合には、ワークRAMの所定領域に位置付けられたコマンドバッファから、コマンドデータを読み出す(S72)。これ以降の処理については以下に詳しく説明する。一方、サブCPUは、受信コマンドがないと判別した場合(S71でNO)には、本サブルーチンを終了する。
受信コマンドがあると判別した場合(S71でYES)には、サブCPUは、読み出したコマンドデータに基づいて、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断する(S73)。サブCPUは、変動パターン指定コマンドを受信したと判別した場合(S73でYES)には、装飾図柄の変動パターン、背景画像を表示する画像演出パターンなど、各種の演出パターンを決定する演出パターン決定処理を実行する(S74)。なお、演出パターンの決定には、現在行われている演出の状況を検出する演出用センサ1072からの信号および遊技者が演出用ボタン1071を操作したことにより出力される信号も考慮される。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
一方、サブCPUは、変動パターン指定コマンドを受信していないと判別した場合(S73でNO)には、読み出したコマンドデータに基づいて、導出図柄指定コマンドを受信したか否かを判断する(S75)。サブCPUは、導出図柄指定コマンドを受信したと判別した場合(S75でYES)には、導出図柄指定コマンドに基づいて、導出表示させる装飾図柄を決定する導出装飾図柄決定処理を実行し(S76)、本サブルーチンを終了する。一方、サブCPUは、導出図柄指定コマンドを受信していないと判別した場合(S75でNO)には、受信コマンドに対応する演出制御データをセットし(S77)、本サブルーチンを終了する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述の実施形態は具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは適宜設計変更可能である。また、上述の作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
例えば、本実施形態においては、複数の制御基板を備える構成としたが、例えば、これら複数の制御基板のすべてをワンボードに構成してもよい。
なお、上述した実施形態においては、液晶表示装置付きのパチンコ遊技機を例に挙げたが、これに限らず、羽根モノ、ヒコーキモノと称されるパチンコ遊技機、権利モノと称されるパチンコ遊技機、その他別の態様であってもよい。
なお、本実施形態においては、パチンコ遊技機に本発明を採用したが、パチスロ遊技機に本発明を採用することもできる。この場合は、通常のパチスロ遊技機において使用される遊技媒体であるメダルがすべてデータ化されて扱われるようになり、遊技は遊技機および遊技機と相互に通信可能な遊技媒体管理装置において管理されるメダルデータにより行われる。本願の発明は、このようにまったく遊技媒体を使用せずもっぱら遊技媒体データのみで遊技される遊技機も含むものであり、この遊技機は、「遊技媒体が外部に排出されずに遊技可能に構成された封入式の遊技機」である。
また、ゲーム機など、各種の遊技機に本発明を採用してもよい。さらに、スロットゲームが実行されるゲーム機でなくとも、ビンゴゲームやクジが実行されるゲーム機等に適用することも可能である。