JP2014206705A - 光沢性検知装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被検対象面の熱や粉塵による測距センサーの故障や誤検知を引き起こすことなく、被検対象面の光沢変化に対するセンサー出力を最大感度で得る。【解決手段】測距センサー70を用いて被検対象面の光沢性を検知した結果に基づいて、被検対象面の劣化度合いを判定する構成において、測距センサー70の受光面で受光される正反射光の光量ピーク部分の受光面における受光位置と、受光面における拡散反射光の光量ピーク部分の受光位置とを互いに異ならせるように、被検対象面に対する測距センサー70の位置合わせを行うための位置合わせ機構700を設けた。【選択図】図36
Description
本発明は、光源と、被検対象面で得られる正反射光及び拡散反射光を自らの受光面で受光して両者の受光量の違いに応じた出力を行う受光手段とを具備する光学センサーを有する光沢性検知装置や、これを備える画像形成装置に関するものである。
従来、この種の画像形成装置として、特許文献1に記載のものが知られている。この画像形成装置は、三角測距によって距離を測定するための測距センサーを用いて、無端状の定着ベルトの光沢性を検知する。そして、その結果に基づいて定着ベルトの劣化度合いを判定し、必要に応じてユーザーに対して定着ベルトの交換を促すようになっている。
塗装面や研磨面などの被検対象面の光沢性については、光沢度判別センサーによって検知するのが一般的であるが、特許文献1に記載の画像形成装置では、光沢度判別センサーの代わりに、測距センサーを用いて定着ベルトの光沢性を検知するようになっている。これは次に説明する理由による。即ち、JIS測定法に準拠した一般的な光沢度判別センサーは、被検対象面に接近した状態で使用される仕様になっている。このような光沢度判別センサーに対し、定着ベルトのような高温の部材や、感光体のような粉体(トナー)を付着させる部材の光沢度を長時間に渡って検知させ続けると、熱による故障や、粉体の付着による誤検知を引き起こしてしまう。このため、定着ベルトの光沢度を検知するためのセンサーとして光沢度判別センサーを用いることはできない。一方、一般に市販されている汎用の測距センサーは、三角測距の原理を利用した測距が可能になるように、被検対象面から離れた位置に配設できる仕様になっている。このような測距センサーを用いて、被検対象面で反射させた正反射光と拡散反射光とをそれぞれ測距センサーの受光素子で受光させると、それら反射光の光量バランスに応じた電圧が受光素子から出力される。被検対象面の光沢性が低下していくと、それに応じて被検対象面で得られる正反射光が低下し、それに伴って受光素子からの出力電圧が変化する。特許文献1に記載の画像形成装置では、かかる測距センサーを定着ベルトから比較的離れた位置に配設したことで、測距センサーを熱によって故障させることなく、定着ベルトの光沢性を長期間に渡って検知させることができるようになっている。
ところが、この画像形成装置と同様の構成のプリンタ試験機を用いて本発明者らが行った実験では、測距センサーの受光素子から定着ベルトの光沢性に応じた出力電圧が得られないことがあった。そこで、本発明者らがその原因について鋭意研究を行ったところ、次のようなことが判明した。即ち、図1は、測距センサーの受光素子として用いられるPSD(Position Sensitive Detector)710を示す部分断面図である。PSD710は、N型高抵抗シリコン基板(I層)710a、これの表面に積層されたP型抵抗層(P層)710b、N型高抵抗シリコン基板(I層)710aの裏面に形成されたN型抵抗層(N層)710cなどを具備している。また、受光面と抵抗層を兼ねたP型抵抗層(P層)710bの表面上における両端部にそれぞれ形成された電極X1、X2や、N型抵抗層(N層)710cに接続された共通電極なども具備している。受光面を構成しているP型抵抗層(P層)710bにおいて、2つの電極X1、X2の並び方向(以下、電極並び方向という)における図の矢印で示される位置に入射光が入射すると、その位置には光量に比例した電荷が発生する。この電荷は光電流として、2つの電極X1、X2までの距離にそれぞれ逆比例して2つに分割されて、電極X1,X2に電流IX1,IX2として流れる。そして、PSD710は、それら2つの電流IX1,IX2の大小関係(例えば、両者の差や比)に応じた電圧を出力する。この電圧に基づいて、電極並び方向における入射位置を把握することができる。
同図は、PSD710の受光面に対して入射光が1つだけ入射している例を示しているが、光沢性の高い被検対象面を被検対象にすると、図示しない被検対象面で反射した正反射光が電極並び方向における位置Xαに入射しつつ、拡散反射光が位置Xβに入射する。このとき、拡散反射光の光量に対する正反射光の光量の割合が小さくなるほど、PSD710からの出力電圧が位置Xαに対応する値から遠ざかるとともに、位置Xβに対応する値に近づく。そして、被検対象面の光沢性が低くなるほど、PSD710の受光面に対する正反射光の入射光量が少なくなって出力電圧が位置Xβに対応する値に近づくことから、出力電圧に基づいて被検対象面の光沢性を把握することができる。
ところが、このようなPSD710が設けられた測距センサーを保持する保持具の寸法誤差や組み付け誤差などが大きいと、PSD710の受光面において、正反射光の入射位置と拡散反射光の入射位置とが重なったり、両者が非常に接近したりすることがある。すると、被検対象面としての定着ベルトの光沢性が変化しても、それに伴ってPSD710の出力電圧が殆ど変化しなくなる。このため、定着ベルトの光沢性に応じた出力電圧が得られなくなっていたことがわかった。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次のような光沢性検知装置や画像形成装置を提供することである。即ち、被検対象面の熱や粉塵による光学センサーの故障や誤検知を引き起こすことなく、被検対象面の光沢変化に対するセンサー出力を最大感度で得ることができる光沢性検知装置等である。
上記目的を達成するために、本発明は、被検対象面に向けて光を放つ光源と、前記被検対象面で得られる正反射光及び拡散反射光を自らの受光面で受光して両者の受光量の違いに応じた出力を行う受光手段とを具備する光学センサーを有する光沢性検知装置において、前記受光面における前記正反射光の光量ピーク部分の受光位置と、前記受光面における前記拡散反射光の光量ピーク部分の受光位置とを互いに異ならせるように、前記被検対象面に対する前記光学センサーの位置合わせを行うための位置合わせ機構を設けたことを特徴とするものである。
本発明においては、受光面における正反射光と拡散反射光との受光量の違いに応じた出力を行う受光手段を具備する光学センサーを用いて、被検対象面の光沢性を検知する。このような光沢センサーとしては、一般に市販されている測距センサーを用いることが可能である。測距センサーは、被検対象面から比較的離れた位置で被検対象面の光沢性を検知することが可能であることから、被検対象面の熱や粉塵によるセンサーの故障や誤検知を解消することができる。
また、本発明においては、位置合わせ機構により、光学センサーの受光手段の受光面における正反射光の光量ピーク部分の受光位置と、拡散反射光の光量ピーク部分の受光位置とを互いに異ならせるように光学センサーを位置合わせする。このような位置合わせにより、被検対象面の光沢変化に対するセンサー出力を最大感度で得ることができる。
以下、本発明を適用した画像形成装置の一実施形態について説明する。
まず、先に示した図1を用いて、PSD710の動作原理について説明する。PSD710は、高抵抗半導体基板の片面または両面に均一な抵抗層が形成され、抵抗層の両端に信号取り出し用の一対の電極X1,X2が設けられたものである。その受光面は光起電力効果によって光電流を生成する。
まず、先に示した図1を用いて、PSD710の動作原理について説明する。PSD710は、高抵抗半導体基板の片面または両面に均一な抵抗層が形成され、抵抗層の両端に信号取り出し用の一対の電極X1,X2が設けられたものである。その受光面は光起電力効果によって光電流を生成する。
PSD710においては、N型高抵抗シリコン基板(I層)710aの表面に、受光面と抵抗層を兼ねたP型抵抗層(P層)710b(例えばP型シリコン半導体からなる抵抗層)が形成されている。P型抵抗層(P層)710bの表面の両端部には、一対の出力電極X1,X2が形成されている。また、N型高抵抗シリコン基板(I層)710aの裏面には、N型抵抗層(N層)710c(例えばN型シリコン半導体からなる抵抗層)が形成されている。このN型抵抗層(N層)710cには共通電極が形成されている。基本的な構造は、P型抵抗層(P層)710bを除けばPINフォト・ダイオードと同様である。
PSD710にスポット光が入射すると、入射位置には光量に比例した電荷が発生する。この電荷は光電流として抵抗層に到達し、それぞれの電極までの距離に逆比例して分割され、電極X1,X2より電流IX1,IX2として取り出される。その際、次式のように、IX1,IX2の大小関係(例えば、両者の差や比)を求めることにより、光強度およびその変化とは無関係に、光の入射位置(重心位置)XAを求めることができる。
図2は、PSD等の受光手段を具備する光学センサーとしての測距センサーのメカニズムを説明するための模式図である。同図において、測距センサー70は、PSD(または分割型フォト・ダイオード)等からなる光検出素子71を具備している。測距センサー70は、この光検出素子71の他に、LED等からなる光源72や、レンズ73、74などによって光学系を構成している。このような構成の測距センサー70は、三角測距を利用して、受光手段たる光検出素子71と被検対象物75との距離を測定することができる。具体的には、光検出素子71上の表面に当てられた光スポットの重心位置d、光源72と光検出素子71との距離B、及びレンズ74の焦点距離fに基づいて、次の数2で示されるように距離Lを求めることができる。
光検出素子71は、入射光の受光面における光スポットの重心位置がわかる素子であるので、測定したい光以外の光が入ると、期待した出力を行わないことがある。この背景光の問題は、光検出素子71の応答が非常に高速であることと、背景光の変化が通常はゆっくりであることを利用し、測定したい光(測距センサーの場合は、LED等の光源の光)を点滅させるなど、光の強さを変調して解決する方法がある。例えば、ある周波数でLEDなどの光源72を点滅させ、その光が被検対象物75の表面で反射した反射光が光検出素子71に入射すると、光検出素子71の出力電流にも光源72を点滅させた周波数で変化する成分が現れる。これを適当なフィルタ回路で抽出することで、背景光をキャンセルすることができる。
なお、測距センサー70としては、例えばコーデンシ株式会社製の「ORA1S01」という測距センサーを使用することができる。この測距センサーは、これまで説明してきた測距センサー70と同様な動作をし、例えば17ms毎に距離Lに対応した電圧値を出力することができる。
図3は、測距センサー70の距離−出力特性を調べるための装置の一構成例を示す説明図である。図3の装置では、測距センサー70から距離Lだけ離れた位置に被検対象物75を配設し、測距センサー70の出力を観測する。本発明者らは、被検対象物75として、普通紙の白紙と普通紙に黒ベタ画像を印刷した印刷済み紙との2種類を用意した。
図4は、図3に示される装置を用いて得られる距離Lとセンサー出力電圧V0との関係の一例を示すグラフである。上記数2の式において、光源72と光検出素子71との距離B及び焦点距離fはセンサーの設計値であり公表されない。このため、電圧に変換したセンサー出力をV0、定数をCとする次の式における定数Cを実験的に求める。
図4のグラフから、被検対象面の色の違いにより、同じ距離Lでも得られるセンサー出力電圧V0が異なることが分かる。これは、測距センサー70が被検対象物75の光沢の影響を受けていることによる。詳しくは後述する(図6参照)。
図5は、JIS測定法に準拠した光沢度判別センサーによる一般的な光沢度の検出メカニズムを説明するための説明図である。光沢度判別センサー80は、光検出素子(検出器)81として、PSDや分割型フォト・ダイオードが用いられ、LEDなどの光源82を有する。但し、図2に示される測距センサー70は、距離Lを測定する目的で拡散反射光を検出していたのに対し、図5に示される光沢度判別センサー80は正反射光を検出している点が異なる。光沢度判別センサー80において、センサーと被検対象物85の検出対象面85aとの距離は、測距センサー70に比べて小さい。この結果、レンズ83、84や光検出素子81の向きに違いが生じる。なお、光沢度判別センサー80は、距離変動に弱いという特性を有している。
図6は、測距センサー70を用いて光沢性を検知する際のメカニズムを説明するための説明図である。測距センサー70における本来の検出メカニズムは、検出対象面75aで拡散反射光KLを受光することによって距離Lを求めるものである(三角測距)。しかし、検出対象面75aの光沢度が高い場合、受光面で得られる拡散反射光KLの光量に比べて正反射光SLの光量が多くなる。そして、光検出素子71上では、図中dの位置に重心をもつ入射光(拡散反射光KL)と、Kの位置に重心をもつ入射光(正反射光SL)とが検出される。なお、図5に示される光沢度判別センサー80に比べて、測距センサー70は被検対象面との距離Lが大きいため、光検出素子71やレンズ73、74を傾けなくても正反射光SLを入射させることが可能である。そして、2つの入射光の光量バランス(大小関係)に応じて、検出対象面75aの光沢度が高い場合はKに近い値が出力され、検出対象面75aの光沢度が低い場合はdに近い値が出力されることになる。
なお、被検対象物75の表面に対しては、図中の正反射光(SL)の入射位置と、拡散反射光(KL)の入射位置とを包含するビームスポットで、光が照射されている。また、偏光光を使用すれば正反射光SLと拡散反射光KLとは偏光方向に違いを生じることから、光検出素子71の前に偏光フィルタを配置すれば、正反射光SLをカットすることが可能ではある。しかし、本実施形態では、被検対象面の光沢性を検知する狙いで、2つの反射光を受光する必要があることから、偏光フィルタを設けない。
光沢度判別センサー80と測距センサー70とを比較してみると、光沢一定を条件として光学系を設計したセンサーが測距センサー70であり、距離一定を条件として光学系を設計したセンサーが光沢センサー80であると考えることができる。そして、PSDや分割型フォトダイオードは、測距センサー70及び光沢度判別センサー80の何れにおける光検出素子にも使用される検出器である。これらの測距センサー70及び光沢度判別センサー80の検出特性及び誤差要因を比較すると、次の表1のようになる。
図7は、測距センサー70の出力電圧V0と、距離Lと、被検対象面の種類との関係を示すグラフである。同図では、被検対象面として、白色紙の表面と、新品の定着ベルトの表面との2種類について、前記関係を示している。また、同図において、三角のプロット点で示される特性は、測距センサー70を2[°]傾けた状態で新品の定着ベルトの表面を検出した場合のものである。横軸の距離Lは、測距センサー70と被検対象面との距離である。同じ距離Lにおける出力差ΔVは、光沢変化による出力変化幅すなわちダイナミックレンジを表し、距離Lの値によらずほぼ一定である。
図8及び図9はそれぞれ、被検対象面の光沢度と測距センサー70の出力電圧V0との関係を示すグラフである。被検対象面として、互いに光沢度が異なるいくつかのサンプルを用意し、それぞれの光沢度と測距センサー70の出力電圧V0とを対応させたものである。図8のグラフは黒色サンプルの測定結果、図9のグラフは白色サンプルの測定結果の例を示している。光沢度の測定方法については、JIS Z 8741によれば、(鏡面)光沢度の測定は測定角度60[°]を標準とし、10以下の場合は測定角度85[°]を、70を超える場合は測定角度20[°]を適用することになっている。しかし、ここでは、データの連続性を重視して測定角度60[°]で統一している。
測距センサー70の出力電圧V0は、拡散反射光が検出メカニズムに関係しているため色による差がある。図9に示されるように、白色サンプルに対しては約0.1[V]と変化が小さい。一方、黒色サンプルに対しては、図8に示されるように、白色の場合よりも大きな変化を示し、少なくとも新品状態のベルトよりも小さい光沢度領域(55以下)では、光沢度に対して直線的に単調変化する。そして、黒色サンプルの場合、光沢度が55以上でセンサー出力Voはほぼ一定となる。これは、拡散反射光の入射レベルが微弱となり、正反射光の入射が支配的になっていることによる。両者のバランスによって出力電圧V0が変化するメカニズムであるので、どちらか一方が支配的になると距離一定の下でセンサー出力V0も一定になる。
図10は、光路面に垂直な回転軸を中心にして被検対象面を回転させて傾けた場合の角度−出力特性を得るための装置の一構成例であり、図11は、その角度−出力特性の一例を示すグラフである。角度としては、光軸に対して二つの角度がある。すなわち、光路が成す平面に垂直な回転軸を中心にして被検対象面を回転させて傾けた場合の角度(傾斜角度)と、光路が成す平面に平行な回転軸を中心にして被検対象面を回転させて傾けた場合の角度である。先ず、図10に示されるように、測距センサー70を光路が成す平面に垂直な回転軸を中心にした角度で被検対象面傾けた場合について説明する。
測距センサー70の検出メカニズムから、正反射光がセンサーに最も有効に入射しているときには、センサーからの出力電圧V0が最小になる。光路に垂直な回転軸を中心にして被検対象面(被検対象物75の面)を回転させて傾けた場合、出力電圧V0の最小領域(=有効入射領域)が距離に対応して移動する。特に距離L=50[mm]では、出力電圧V0の最小領域が角度θ=0[°]から完全にずれている。これは、距離Lが小さいために正反射光のピークが測距センサー70の光検出素子71から外れているからである。なお、距離L=50[mm]において、角度θ=0[°]のときの出力電圧V0と、角度θ=+2[°]のときの出力電圧V0との差δが、図7における「定着ベルト面(新品)」条件と「傾斜条件」との差を表す。
図11から、測距センサー70を使って角度θ=0[°]で光沢性を感度良く検知するには、距離L≧75[mm]という条件を満足させる必要があることがわかる。しかし、被検対象面を図中の+(プラス)側に傾ければ、距離L<75[mm]であっても正反射光を有効に検知できることもわかる。よって、被検対象面を+側に傾ければ、距離L=75[mm]未満に設定しても、測距センサー70に光沢性を検知させることが可能である。このことは、後述する湾曲面の場合と同様に、被検対象面が平面の場合であっても、調整によって光沢検知に対するセンサーの最大感度が得られることを表している。
図12は、光路が成す平面に平行な回転軸を中心にして被検対象面を傾けた場合の角度−出力特性を得るための装置の一構成例を示す図であり、図13は、その角度−出力特性の一例を示すグラフである。正反射光は拡散反射光に比べて指向性が高いので、同じ角度でも距離Lに比例して入射位置がずれてくる。その結果、正反射光の最小領域(=有効入射領域)は距離Lが大きいほど狭くなる。
図14は、測距センサー70から出射される光のビーム径の簡易測定方法について説明するための斜視図である。また、図15は、測距センサー70を被検対象物75の幅方向に移動させ、測距センサー70の光軸近傍が被検対象物75の端部を通過するときの出力電圧V0の変化を求めたグラフである。また、表2は、図15における各センサーの出力電圧V0の変化A〜Dに対応する画像パターンの種類及び距離Lを示している。
センサーの出力電圧V0が受光量に比例する場合には、ビーム中心が被検対象物75の端部(この場合ではX=±25[mm])にあるときに、出力電圧V0が約0.5[相対値]になる。このとき、出力電圧V0をXで微分して得られる波形がビームプロファイルである。そして、そのピーク強度に対して所定の割合となる大きさがビーム径である。
測距センサー70の場合、PSDの動作原理に起因して出力電圧V0が受光量と対応しないため、ビーム中心が被検対象物75の外側にある状態でも出力電圧V0が比較的高くなる。従って、この場合、出力電圧V0から正しいビームプロファイルを得ることはできない。但し、出力電圧V0が変化を始める位置では、少なくともビームが被検対象物75にかかっていることを意味しているので、およそのビーム径を知ることができる。なお、一般に、ビームプロファイルは釣り鐘型であるので、中心に近いほど光エネルギーが大きく、ビーム端部の寄与は小さい。
出力電圧V0が変化を始める位置と被検対象物75の端部位置との差がビーム半径と対応するので、画像パターンや距離Lによって値が異なるが、この実験で検出しようとする黒色の被検対象物75ではビーム径が最大で約20[mm]になることがわかる。
なお、図15のグラフは、測距センサー70を画像形成装置の定着ベルトにおける定型サイズ紙の余白部分やエッジ部に対応する領域に位置合わせする際に利用することができるが、これについては後に説明する。
一般に画像形成装置においては、記録媒体としてカット紙が用いられており、様々なサイズのカット紙を通紙することが行われている。通紙サイズは、個々のユーザー毎に異なるものの、ほとんどの場合概ね2〜4種類程度である。また、通紙幅については、A4短手送りとA3長手送りは同一幅であるので、通紙幅の種類は2〜3種類程度になる。
また、画像形成装置においては、感光体などの像担持体上に形成されたトナー像をカット紙に転写する転写工程がある。そして、トナー像の位置をカット紙に正確に合わせることが困難であることなどの理由により、カット紙の端部に画像形成が行われない余白領域が存在する。この余白領域ではトナー像が存在しないため、紙搬送と直交する方向(主走査方向)では、感光体や転写ベルトなどの像担持体の無端移動する表面が紙表面と直接接触した状態となり、ダメージを受けることになる。同様に、カット紙に転写されたトナー像を熱と圧力とにより定着させる定着工程においても、定着ベルト(又はローラ)の無端移動する表面が余白領域の用紙表面と直接接触した状態となり、ダメージを受けることになる。例えば、定着ベルト(又はローラ)の場合、離型性を維持するためにその表面は光沢を持っているが、余白領域の用紙表面と接触する部分は他の部分よりも早く光沢が失われる。光沢が失われた部分では離型性が低下しており、複数のカット紙が通紙されると、大サイズ紙の画像領域中に小サイズ紙の余白領域が含まれることになるため、大サイズ紙の画像上に光沢ムラや汚れとなって現れるという不具合が生じる。
図16は、用紙サイズ(長手方向送りのみ表示)と、定着ベルト26の定型サイズ紙余白対応領域との関係を説明するための模式図である。同図に示される例は、A系列及びB系列の定型サイズ紙Pのサイズを示しているが、海外では様々なサイズの用紙が使用される。幅方向のサイズに限定してみると、A3長手送りとA4短手送りのように、あるサイズの長手送りとその半分のサイズの短手送りで幅が同一となる。画像形成装置にA3長手送りとA4長手送りの2種類の定型サイズ紙Pが格納されているとすると、そのサイズは実線の通りである。それぞれの余白の位置では、定着ベルト(又はローラ)26と紙の無垢の表面とが直接接触する状態となるので、定着ベルト(又はローラ)26の表面における余白対応領域26c,26dは光沢性の低下(離型性の低下)が早く進行する。余白の幅は5[mm]前後であり、やがてA3サイズ紙の画像領域にA4サイズ紙の余白対応領域26cに光沢ムラが発生したり、後汚れが発生したりする。なお、最大サイズ自身の余白に対応した余白対応領域26dは画像に何ら影響を及ぼすことはない。
図17は、実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。同図において、画像形成装置は、画像形成手段としてのプリンタ部100、記録媒体としての記録紙をプリンタ部100に供給する記録媒体供給手段としての給紙装置200などを備えている。また、プリンタ部100の上に固定されている画像読取手段としてのスキャナ300、スキャナ300の上に配設された原稿自動給送装置400なども備えている。
プリンタ部100は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像を形成するための4組のプロセスカートリッジ18からなる画像形成ユニット20を備えている。プリンタ部100は、プロセスカートリッジ18の他に、潜像書込手段としての光書込ユニット21、中間転写ユニット17、二次転写装置22、レジストローラ対49、ベルト定着方式の定着装置25などが配設されている。
光書込ユニット21は、図示しない光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラーなどを有し、画像データに基づいて後述の感光体40の表面にレーザ光を照射する。
プロセスカートリッジ18は、像担持体としてのドラム状の感光体40、感光体40の表面を帯電する帯電手段としての帯電装置、感光体40に形成された潜像を現像する現像手段としての現像装置などを有している。更には、感光体40の表面をクリーニングする像担持体クリーニング手段としてのドラムクリーニング装置、感光体40の表面を除電する除電手段としての除電器なども有している。
帯電装置によって、感光体40の表面は一様帯電される。帯電処理が施された感光体40の表面には、光書込ユニット(露光装置)21によって変調及び偏向されたレーザ光が照射される。これにより、照射部(露光部)の感光体40の表面の電位が減衰する。この表面の電位の減衰により、感光体40表面にY用の静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、現像装置によって現像されてトナー像となる。感光体40上に形成されたトナー像は、後述の中間転写体としての中間転写ベルト10に一次転写される。一次転写後の感光体40の表面は、ドラムクリーニング装置によって転写残トナーがクリーニングされる。また、プロセスカートリッジ18において、ドラムクリーニング装置によってクリーニングされた感光体40は、除電器によって除電される。そして、帯電装置によって一様帯電されて初期状態に戻る。以上のような一連のプロセスは、他のプロセスカートリッジ18についても同様に行われる。
中間転写ユニット17は、中間転写体としての中間転写ベルト10、中間転写ベルト10の表面をクリーニングする中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置などを有している。また、中間転写ユニット17は、張架ローラ14、駆動ローラ15、二次転写バックアップローラ16、4つの一次転写バイアスローラ62なども有している。
中間転写ベルト10は、所定の張力を有するように張架ローラ14を含む複数のローラによって張架されている。そして、図示しないベルト駆動モータによって駆動される駆動ローラ15の回転により、中間転写ベルト10は図中時計回りに無端移動する。
一次転写バイアスローラ62はそれぞれ、中間転写ベルト10の内周面側に接触するように配設され、図示しない電源から一次転写バイアスの印加を受ける。また、中間転写ベルト10をその内周面側から感光体40に向けて押圧してそれぞれ一次転写ニップを形成する。各一次転写ニップには、一次転写バイアスの影響により、感光体40と一次転写バイアスローラ62との間に一次転写電界が形成される。感光体40上に形成されたトナー像(例えば、イエロー)は、この一次転写電界やニップ圧の影響によって中間転写ベルト10上に一次転写される。このトナー像の上には、他の色用の感光体40上に形成されたトナー像(例えば、マゼンタ、シアン、ブラック)が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト10上には多重トナー像たる4色重ね合わせトナー像(以下、「4色トナー像」という。)が形成される。
中間転写ベルト10上に重ね合わせ転写された4色トナー像は、後述の二次転写ニップで図示しない記録媒体としての転写紙に二次転写される。二次転写ニップ通過後の中間転写ベルト10の表面に残留する転写残トナーは、図中左側の駆動ローラ15との間にベルトを挟み込むベルトクリーニング装置によってクリーニングされる。
中間転写ユニット17の図中下方には、2本の張架ローラ23によって紙搬送ベルト24を張架している二次転写装置22が配設されている。紙搬送ベルト24は、少なくとも何れか一方の張架ローラ23の回転駆動に伴って、図中反時計回りに無端移動する。2本の張架ローラ23のうち、図中右側に配設された一方の張架ローラ23は、転写紙搬送方向の上流側に配設されている。この張架ローラ23は、中間転写ユニット17の二次転写バックアップローラ16との間に、中間転写ベルト10及び紙搬送ベルト24を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ユニット17の中間転写ベルト10と、二次転写装置22の紙搬送ベルト24とが接触する二次転写ニップが形成されている。そして、上記一方の(上流側の)張架ローラ23には、トナーと逆極性の二次転写バイアスが図示しない電源によって印加される。この二次転写バイアスの印加により、二次転写ニップには中間転写ユニット17の中間転写ベルト10上の4色トナー像をベルト側から上記一方の(上流側の)張架ローラ23側に向けて静電移動させる二次転写電界が形成される。後述のレジストローラ対49によって中間転写ベルト10上の4色トナー像に同期するように二次転写ニップに送り込まれた転写紙には、上記二次転写電界やニップ圧の影響を受けた4色トナー像が二次転写される。なお、上記一方の(上流側の)張架ローラ23に二次転写バイアスを印加する二次転写方式に代えて、転写紙を非接触でチャージさせるチャージャを設けてもよい。
画像形成装置本体の下部に設けられた給紙装置200には、内部に複数の転写紙を紙束の状態で複数枚重ねて収容可能な給紙カセット44が、鉛直方向に複数重なるように配設されている。それぞれの給紙カセット44は、紙束の一番上の転写紙に給紙ローラ42を押し当てている。そして、給紙ローラ42を回転させることにより、一番上の転写紙が給紙路46に向けて送り出される。
給紙カセット44から送り出された転写紙を受け入れる給紙路46,48は、複数の搬送ローラ対47と、給紙路48内の末端付近に設けられたレジストローラ対49とを有している。そして、転写紙をレジストローラ対49に向けて搬送する。レジストローラ対49に向けて搬送された転写紙は、レジストローラ対49のローラ間に挟まれる。一方、中間転写ユニット17において、中間転写ベルト10上に形成された4色トナー像は、ベルトの無端移動に伴って二次転写ニップに進入する。レジストローラ対49は、ローラ間に挟み込んだ転写紙を二次転写ニップにて4色トナー像に密着させ得るタイミングで送り出す。これにより、二次転写ニップでは、中間転写ベルト10上の4色トナー像が転写紙に密着する。そして、転写紙上に二次転写されて、白色の転写紙上でフルカラー画像となる。このようにしてフルカラー画像が形成された転写紙は、紙搬送ベルト24の無端移動に伴って二次転写ニップを出た後、紙搬送ベルト24上から定着装置25に送られる。
定着装置25は、無端状の定着ベルト26を2本のローラによって張架して無端移動させるベルトユニットと、このベルトユニットの一方のローラに向けて押圧される加圧ローラ27とを備えている。定着ベルト26と加圧ローラ27とは互いに当接して定着ニップを形成しており、紙搬送ベルト24から受け取った転写紙をここに挟み込む。ベルトユニットにおける2本のローラのうち、加圧ローラ27から押圧される方のローラは、内部に図示しない熱源を有しており、この熱源の発熱によって定着ベルト26を加熱する。加熱された定着ベルト26は、定着ニップに挟み込まれた転写紙を加熱する。この加熱やニップ圧の影響により、フルカラー画像が転写紙に定着される。
定着装置25内で定着処理が施された転写紙は、プリンタ筐体の図中左側板の外側に設けたスタック部57上にスタックされるか、もう一方の面にもトナー像を形成するために上述の二次転写ニップに戻されるかの何れかの搬送形態が選択される。
図示しない原稿のコピーがとられる際には、例えばシート原稿の束が原稿自動搬送装置400の原稿台30上セットされる。但し、その原稿が本状に閉じられている片綴じ原稿である場合には、コンタクトガラス32上にセットされる。このセットに先立ち、複写機本体に対して原稿自動搬送装置400が開かれ、スキャナ300のコンタクトガラス32が露出される。この後、閉じられた原稿自動搬送装置400によって片綴じ原稿が押さえられる。このようにして原稿がセットされた後、図示しないコピースタートスイッチが押下されると、スキャナ300による原稿読取動作がスタートする。一方、原稿自動搬送装置400にシート原稿がセットされた場合には、この原稿読取動作に先立って、原稿自動搬送装置400がシート原稿をコンタクトガラス32まで自動移動させる。原稿読取動作では、まず、第1走行体33と第2走行体34とがともに走行を開始し、第1走行体33に設けられた光源から光が発射される。そして、原稿面からの反射光が第2走行体34内に設けられたミラーによって反射され、結像レンズ35を通過した後、読取センサー36に入射される。読取センサー36は、入射光に基づいて画像情報を構築する。
このような原稿読取動作と並行して、各プロセスカートリッジ18内の各装置や、中間転写ユニット17、二次転写装置22、定着装置25がそれぞれ駆動を開始する。そして、読取センサー36によって構築された画像情報に基づいて、光書込ユニット(露光装置)21が駆動制御され、各感光体40上に各色トナー像が形成される。これらトナー像は、中間転写ベルト10上に重ね合わせ転写された4色トナー像となる。
また、原稿読取動作の開始とほぼ同時に、給紙装置200内では給紙動作が開始される。この給紙動作では、給紙ローラ42の1つが選択回転せしめられ、ペーパーバンク43内に多段に収容される給紙カセット44の1つから転写紙が送り出される。送り出された転写紙は、分離ローラ45で1枚ずつ分離されて給紙路46に進入した後、搬送ローラ対47によって二次転写ニップに向けて搬送される。このような給紙カセット44からの給紙に代えて、手差しトレイ51からの給紙が行われる場合もある。この場合、手差し給紙ローラ50が選択回転せしめられて手差しトレイ51上の転写紙を送り出した後、分離ローラ52が転写紙を1枚ずつ分離してプリンタ部100の手差し給紙路53に給紙する。
画像形成装置は、2色以上のトナーからなる多色画像を形成する場合には、中間転写ベルト10をその上部張架面がほぼ水平になる姿勢で張架し、その上部張架面に全ての感光体40を接触させる。これに対し、黒トナーのみからなるモノクロ画像を形成する場合には、図示しない機構により、中間転写ベルト10を図中左下に傾けるような姿勢にして、その上部張架面を図中左側から3つの感光体40(イエロー、マゼンタ、シアン)から離間させる。そして、4つの感光体40のうち、図中最も右側の黒用の感光体40だけを図中反時計回りに回転させて、黒トナー像だけを作像する。この際、他の色については、感光体40だけでなく、現像装置4も駆動を停止させて、感光体40や現像装置4の各部材及び現像装置4内のトナーと磁性キャリア(以下「キャリア」という)とを含む二成分現像剤(以下「現像剤」という)の不要な消耗を防止する。
画像形成装置は、本体内の各機器の制御を司るCPU等から構成される図示しない制御手段としての制御部と、液晶ディスプレイや各種キーボタンなどから構成される図示しない操作表示部とを備えている。操作者は、この操作表示部に対するキー入力操作により、制御部に対して命令を送ることで、転写紙の片面だけに画像を形成するモードである片面プリントモードについて、例えば3つのモードの中から1つを選択することができる。この3つの片面プリントモードとは、ダイレクト排出モードと、反転排出モードと、反転デカール排出モードとからなる。
この画像形成装置では、用紙の搬送方向両端部の画像が形成されない余白領域に対応する定着ベルト26(またはローラ)や中間転写ベルト10の表面状態(光沢)変化が検出可能になるので、光沢ムラや汚れが生じる前に交換を報知することができる。また、次のようにすることで、定着ベルト26(またはローラ)や中間転写ベルト10の交換時期を遅らせて寿命を延ばすことができる。即ち、用紙の搬送方向と直交する幅方向の位置を移動させて用紙を搬送して、上記余白領域に対応する定着ベルト26(またはローラ)や中間転写ベルト10の表面をずらすのである。なお、上記報知手段としては、例えば、図示しない操作パネルに部品交換のメッセージを表示したり、アラーム音を鳴らしたりすることにより、ユーザーやサービスマンに報知する。また、この画像形成装置においては、定着部のような高温環境や転写部のような粉塵環境で、離れた場所にセンサーを配置できるので、温度や粉塵の影響を回避することもできる。
JIS Z 8741で示される光沢度の測定原理から、検出対象は平面であることが想定されているため、定着ベルト26の周方向における全域のうち、平面状態となる領域を被検対象面とすることが一般的には考えられる。定着ベルト26において、平面状態となる領域は、定着ローラ26bと加熱ローラ26aとの間で掛け渡される部分に限られ、観測可能な領域に制約がある。また、定着部材として、無端状の定着ベルトではなく、定着ローラを用いる場合には、被検対象となる定着ローラに平面となる領域が存在しない。このため、測距センサーの設置箇所の自由度を上げるため、ローラ巻き付け部などの曲率を有する曲面で光沢度の測定ができることが望ましい。
そこで、曲率を有する曲面を被検対象面として、測距センサー70によって光沢性を検知する実験を行った。まず、測距センサー70で曲率を有する曲面の光沢度の測定ができるか否かについて評価した本発明者らによる評価実験について説明する。図18は、曲率を有する曲面を測距センサーで観測した評価実験装置の概略構成の一例を示す説明図である。また、図19は、図18の評価実験装置において、曲率を有する曲面(直径(2R)=74.4mm)に対して距離L=50mm離した測距センサーによって光沢性を検知する実験で得られたセンサーの出力電圧V0と位置yとの関係を示すグラフである。また、図20、図21、図22は、曲面の曲率や距離Lを図19のグラフの条件とは異ならせた条件における出力電圧V0と位置yとの関係を示すグラフである。
図18に示されるように、所定の光沢度を有する被検対象物100を巻き付け径2Rの円筒101に貼付し、距離Lだけ離れた位置から測距センサー70で観測できるようにした。そして、測距センサー70のy方向(図中上下方向)の位置を変化させ、センサーからの出力電圧V0の変化を測定した。測距センサー70を図18におけるy方向に変化させると、測距センサー70と被検対象物100との距離Lは円筒101の曲率分だけ変化(増大)するが、本明細書ではその変化は無視し、公称値Lで統一表記する。
図19〜図22に示されるように、被検対象物100としては、光沢度が9であるものと、光沢度が48であるものとの2種類を用いている。また、図中における計算値は、測距センサー70としての検量線データ(図4参照)から算出された推定値である。低光沢時(光沢度9)の変化が計算値と一致せず右上がりなのは、拡散反射の不完全さを表し、正反射の影響を反映していることによる。
図19〜図22の何れのグラフにおいても、A点は、PSD上の遠隔検出側端部(受光面における電極並び方向の両端部のうち、光源72に近い方の端部)に正反射光が入射している状態を表す。また、B点は、拡散反射光と正反射光とが同一の光路を形成しPSDの同位置に入射している状態を表す。また、C点は、PSD上の近接検出側端部(受光面における電極並び方向の両端部のうち、光源72から離れている方の端部)に正反射光が入射している状態を表す。また、A点とC点との間の範囲Wは、PSDの受光面における正反射光の移動範囲を表している。これらのグラフと、平面を被検対象面とした上述した実験の結果との比較から、光沢変化を検出可能なセンサー位置はA点であり、A点での光沢度変化に対する出力電圧V0の変化の範囲ΔVはセンサー出力範囲を表している。それぞれのグラフの条件において、y=A点の値となるように測距センサー70を位置合わせすれば、曲率を持った曲面に対して、光沢度が低い場合(光沢度9)と高い場合(光沢度48)とで、最も大きなセンサー感度を得ることができる。
なお、図18から、A点は半径Rの円の中心からセンサー面へ下ろした垂線からのオフセット量で定義される。また、C点においても光沢変化に対応するセンサー出力変化が得られており、この位置でも光沢変化検出が可能である。この場合は、高光沢出力>低光沢出力となっており、A点の場合とは逆で、センサー出力Voは高光沢であるほど大きくなる。
図23、図24は、A点における出力電圧V0が平面観測時の出力電圧V0からどれだけ変化するのかを、低光沢(図23)と高光沢(図24)とに分けて、巻き付け径2Rとの関係で距離L別に表したグラフである。これらのグラフの横軸は巻き付け径(2R)を表している。また、縦軸はA点におけるセンサーの出力電圧V0[V]と平面観測時の出力電圧V0[V]との出力差ΔV0[V](=V0a−V0f)を表している。これらのグラフから、被検対象面が低光沢である場合の出力差ΔV0が小さいほど、または、高光沢である場合の出力差ΔV0が大きいほど、低光沢と高光沢との間の出力電圧V0の変化幅(以下「センサー出力幅」という。)が小さくなることがわかる。
例えば、観測する定着ベルト巻き付け径(2R)がφ90[mm]であるとすると、距離L=75[mm]の場合には、図23の低光沢での出力差ΔV0は−0.01[V]である。また、図24の高光沢での出力差ΔV0は0.02[V]である。この場合、低光沢と高光沢との間の出力幅はおよそ0.03[V]である。一方、距離L=100[mm]の場合には、図23の低光沢での出力差ΔV0は−0.03[V]である。また、図24の高光沢での出力差ΔV0は0.02[V]である。この場合、低光沢と高光沢との間のセンサー出力幅はおよそ0.05[V]である。これらのセンサー出力幅は、平面観測時の約10%減であり、センサー出力幅は狭くなるが、ベルト巻き付け部で光沢変化を検出可能であることがわかる。
センサー出力幅とは、同一の曲率を有する検出対象に対して同一の検出距離において、光沢度が大きい高光沢のセンサー出力と光沢度が小さいとき低光沢の出力電圧V0との差であり、このセンサー出力幅が大きいほど光沢に対する検出感度が高いことになる。
図25は、定着ベルト26における周方向の全域のうち、ローラに巻き付いていて所定の曲率で湾曲している領域に向けて測距センサー70を配設した場合における定着装置25の概略構成の一例を示す斜視図である。図示の例では、測距センサー70は、定型サイズ紙Pの排出側の斜め下方から定着ベルト面を観測するように配設されている。これにより、検出光の光路中を定型サイズ紙Pが通過する。かかる構成において、移動手段90等を用いて測距センサー70を定着ベルト26の無端移動方向と交差する幅方向に移動させて定型サイズ紙Pの側端部を検出する。これにより、検出したい用紙サイズの端部の余白領域に対応した定着ベルト26の表面を観測できるように、センサー位置を正確に調整することができる。また、定型サイズ紙Pの側端部を検出するとき、背景が高光沢の定着ベルト26であるため、用紙端部での出力差△V0が大きく現れ、用紙端部の検出を容易に行うことができる。
また、測距センサー70で用紙端部の検出を行う際に、定着ローラ26bの図示しない駆動モータの回転を停止させて定型サイズ紙Pの搬送を停止させるように、図示しない制御部を構成している。これにより、測距センサー70による定型サイズ紙Pの側端部の検出時間を十分に確保することができ、正確なセンサー位置の調整が可能となる。また、測距センサー70の本体を検出方向と平行な所定の軸を中心として90度回転可能な構成とすれば、より大サイズの定型サイズ紙Pの剥離挙動を観測することができる。
光沢度の観測にあたって、定着ベルト26は定着ローラ26bの表面に密着して掛け渡されているため、測距センサー70と定着ベルト26との間の距離が安定し、ベルトの波打ちやカールによる距離変動に伴う出力電圧V0の不安定性を回避することができる。このように、曲率を持った曲面であっても光沢変化が検出できるので、定着ベルトを用いないローラ定着装置であっても適用可能となる。
図26は、通紙領域の上部に測距センサー70を配設した場合における定着装置25の概略構成の一例を示す側面図である。図示の例では、測距センサー70の検出光は定着ローラ26bに掛け渡された定着ベルト26を観測するが、図25に示される構成とは異なり、その光路中を定型サイズ紙Pは通過しない。このため、測距センサー70で定型サイズ紙Pの側端部を検出するために、測距センサー70を90[°]回転させて用紙通過領域に向けることができるように、図示しない回転機構などの検出方向切換手段が設けられている。また、定着後の定型サイズ紙Pを搬送するための搬送ガイド部材102が設けられている。
測距センサー70を用紙通過領域に向けてセンサーの位置合わせを行う場合において、定型サイズ紙Pを停止させた場合、定型サイズ紙Pは搬送ガイド部材102上で停止する。測距センサー70の位置合わせを行う際に、搬送ガイド部材102の搬送面の光沢性が高くなるほど、用紙端部での出力差△V0が大きく現れるので、位置合わせが容易になる。一般に、搬送ガイド部材は表面が黒色であるが、表面状態が粗く低光沢であることが多い。そこで、実施形態に係る画像形成装置に図示の構成を適用した場合の搬送ガイド部材102は、表面加工して光沢度を高くしたり、金属などの鏡面を有する高光沢部材を用いたりすることにより、光沢度を高くしている。このように、測距センサー70の検出方向を切り換えることにより、測距センサー70を用紙搬送路である通紙領域の上部に設けた場合であっても、用紙端を検出してセンサー位置調整を行うことができる。
図27は、測距センサー70を定着ベルト26の展張領域(平面)に向けて配設した場合における定着装置25の概略構成の一例を示す側面図である。図示の例では、定着ベルト26の展張領域に対して用紙搬送路の下側に測距センサー70を配設しているので、光路中を定型サイズ紙Pが通過し、検出したい用紙サイズの端部にセンサー位置を調整することができる。
図28は、測距センサーの位置合わせのために検出する記録紙上の画像パターンの一例を示している。図28(a)はおもて面である第1面の画像パターン、図28(b)は両面印刷時の裏面である第2面の画像パターンである。前述の図25〜27に示される構成では、図15に示されるような端部検出特性によって、白紙であっても位置調整が可能である。しかし、記録紙上に画像形成を行って余白領域を明示することによって、余白領域に精度良く位置を合わせることができるようになる。
図28(a)に示される画像パターンは、定型サイズ紙Pの第1面の両端部側にそれぞれ余白領域Paを開けて形成された正方形のベタ画像パターンPbである。余白領域Paの幅は、例えば5[mm]に設定されている。図26に示される構成では、定着通過後に定型サイズ紙Pの搬送を停止することによって測距センサー70が余白領域Paとベタ画像パターンPbとを検出できるようになる。測距センサー70によるセンサー出力V0は、余白領域Paとベタ画像パターンPbとで大きく異なる。このため、測距センサー70をベタ画像パターンPbから余白領域Paを検出するように移動させると、検出光がベタ画像パターンPbから余白領域Paの検出に切り替わったことが容易にわかる。この位置で測距センサー70を停止させることによりセンサーを定着ベルト26の余白対応領域に正確に位置合わせすることができる。また、ベタ画像パターンPbから余白領域Paに出力電圧V0が変化した位置と、余白領域Paから定型サイズ紙Pの端部に出力電圧V0が変化した位置(定型サイズ紙Pの外側を検出した位置)との中間位置にセンサー位置を設定調整してもよい。これにより、余白領域Paの幅方向の中心位置にセンサー位置を調整することができる。
一方、図25や図27に示される構成では、次のようにする。即ち、両面通紙とし、第1面の両端部にベタ画像パターンPbを形成して定着装置25を通過した後に反転装置に送り、定型サイズ紙Pを再び定着装置25に送って、所定の位置で停止させて第1面がセンサー側に向くようにする。第1面に形成されたベタ画像パターンPbと余白領域Paとを測距センサー70で検出することにより、図26を用いて説明したのと同様の方法により、測距センサー70を定着ベルト26の余白対応領域に位置合わせすることができる。
また、図28(b)に示される画像パターンは、両面印刷時のウラ面である第2面の先端部に形成されたベタ画像パターンPcである。定着ベルト26と加圧ローラ27との間に形成される定着ニップを通過した直後の定型サイズ紙Pの先端部を定着ベルト26に巻き付かせるための画像パターンである。図25に示される構成では、定型サイズ紙Pの先端部が定着ニップを通過した直後に定型サイズ紙Pを停止させると、ベタ画像パターンPcのトナーにより定型サイズ紙Pの先端部が定着ベルト26に付着して巻き付いた状態で停止させることができる。これにより、測距センサー70と定型サイズ紙Pとの距離が一定に保たれるので、第1面に形成されたベタ画像パターンPbや余白領域Paを検出する測距センサー70の検出精度が向上する。よって、測距センサー70の位置調整をより正確に行うことができる。測距センサー70の位置調整後に定型サイズ紙Pの搬送を再開すると、定型サイズ紙Pの先端部は定着ベルト26の曲率によりベルト表面から剥離して搬送され、スタック部57にスタックされる。
これに対して図27に示される構成では、定着ニップよりも定着ベルト26の無端移動方向上流側で定型サイズ紙Pの第1面のベタ画像パターンPbを測距センサー70で検出する。このため、定型サイズ紙Pを定着ベルト26に巻き付かせる必要がなく、定型サイズ紙Pの第2面は白紙の状態でよい。
図29は、測距センサー70における位置合わせの手順の一例を説明するためのフローチャートである。同図において、まず、「通紙開始」を行う(ステップ1:以下、ステップをSと記す)。このS1は、センサー位置調整モードを選択し通紙を開始するステップである。センサー位置調整モードは、製造工程やフィールドの保守要員によって実行されるモードであり、画像形成条件や動作が異なる。また、搬送上の不具合を回避するために紙厚を検出し規格外の用紙を遮断する機能を持つ画像形成装置では、定着装置で意図的に用紙の巻き付きジャムを発生させる場合、その機能を無効に設定しておく。
次に、「画像形成」を行う(S2)。このS2は、センサー位置調整用の画像パターンを形成するステップである。定型サイズ紙Pのオモテ面である第1面にセンサー位置調整用の画像が形成される。特に、図25に示される構成の場合には、第1面の画像を定着した後、両面印刷により定型サイズ紙Pのウラ面である第2面に巻き付き発生用の画像を形成する。このとき、巻き付き対象となる部位では、裏面通紙時に巻き付き発生用の条件設定がされる。例えば、画像は先端部にベタ画像を形成する条件設定がされる。また、定着装置では線速を低下させ、定着温度を上昇させる条件設定がされる。
次に、「停止」を行う(S3)。このS3は、定型サイズ紙Pを定着装置25で停止させるステップである。定型サイズ紙Pの第1面が測距センサー70に向くようにして停止させる。特に、図25に示される構成の場合には、定型サイズ紙Pが定着ニップを所定量通過して定着ベルト26に巻き付いた状態で停止させる。次いで、「センサー位置調整」を行う(S4)。このS4は、停止した定型サイズ紙Pの第1面に形成された余白領域Paを検出して、測距センサー70の位置を調整するステップである。特に、図25に示される構成の場合には、上述したように定着ベルト26に巻き付いた定型サイズ紙Pの余白領域Paを検出して、測距センサー70の位置を調整する。測距センサー70が定着ベルト26に対して図19中のA点に対応する位置にある場合には、測距センサー70のビームが有効に余白領域にあるとき、出力電圧V0が最大になる。ただし、測距センサー70が定着ベルト26に対して図19中のC点に対応する位置にある場合には、出力電圧V0が最小になる。
最後に、「用紙除去」を行う(S5)。このS5は、測距センサー70の位置調整後、停止して残っている定型サイズ紙Pを取り除くステップである。定型サイズ紙Pの搬送を再開すれば用紙は除去されて、スタック部57に排出される。
定着ベルト26は、使用による経時劣化や付着トナーの影響などにより、通常の画像形成時において、定着ニップを通過した定型サイズ紙Pが定着ベルト26から剥離され難くなって挙動が不安定になり、巻き付いてジャムが発生するおそれがある。そこで、測距センサー70を用いて定型サイズ紙Pの搬送方向の変位を検出することにより、定型サイズ紙Pの定着ベルト26への巻き付きの発生を予測してもよい。
図25に示される構成において、測距センサー70は、定着ベルト26表面の光沢度の検出に加えて、その測距機能を用いて、定着ニップを通過した定型サイズ紙Pとの間の距離を測定することができる。定着ニップを通過した後の定型サイズ紙Pが定着ベルト26から剥離し難くなると、定型サイズ紙Pの先端部が定着ベルト26から剥離する位置が、定着ニップに対して定着ベルト26の無端移動方向下流側の遠い位置に徐々に移っていく。すると、定着ニップを通過した直後の定型サイズ紙Pの先端部が、通常の搬送方向の位置から変位し、測距センサー70との距離が徐々に大きくなっていく。この距離が所定の大きさを超えたときに巻き付き予測のアラームを発するように構成しておき、定着ベルトの交換を促すことにより、定型サイズ紙Pの定着ベルト26への巻き付きによるジャムの発生を防止することが可能となる。
定着ベルト26からの定型サイズ紙Pの剥離挙動は大サイズ紙ほど不安定になりやすいので、大サイズ紙の剥離挙動を観測して巻き付き発生を予測するのが好ましい。
測距センサー70について、これまで説明してきた位置合わせは、測距センサー70による検知対象領域を、定着ベルト26の軸線方向における余白対応領域に合わせるためのものである。かかる位置合わせについては、位置合わせ精度としてそれほど高いものは要求されない。しかし、測距センサー70によって定着ベルト26の光沢性を最大感度で検知できるようにするためには、被検対象面に対する高精度の位置合わせを行う必要があることが、本発明者らの鋭意研究によって判明した。
このような高精度の位置合わせを行う上での測距センサー70の移動について説明する。図30は、測距センサー70の位置及び姿勢と、測距センサー70の移動態様とを説明するための模式図である。同図において、x軸、y軸、z軸は互いに直交している。測距センサー70などの物体の位置と姿勢は、次の6つの位置によって決まる。即ち、物体のx軸方向の位置x、y軸方向の位置y、z軸方向の位置z、x軸を中心とする回転位置rx、y軸を中心とする回転位置ry、及びz軸を中心とする回転位置rzである。実施形態に係る画像形成装置のように、測距センサー70を被検対象面たる定着ベルト26の表面から比較的離して配設する場合に、例えば図12に示されるようにセンサー光軸と被検対象面との間に傾きがあったとする。すると、反射光とセンサー内部の光検出素子71(PSD)とのずれ量が大きくなり易い。特に、ベルト湾曲面のように、被検対象面が湾曲面である場合には、被検対象面への光入射位置がずれると、被検対象面で正反射した正反射光のPSDへの入射位置がずれる。
図25〜図27に示される構成においては、回転位置ryや回転位置rzを調整することで、PSDの受光面上で電極並び方向と直交する方向における正反射光の入射位置のずれを補正することができる。また、位置yや回転位置rxを調整することで、PSDの受光面上で電極並び方向における正反射光の入射位置のずれを補正することができる。なお、位置xを調整することで、定着ベルト26の表面における曲率中心軸線(ローラ軸線)方向の光入射位置を変化させてベルトの余白対応領域に合わせることができるが、x軸方向への移動は、PSDの受光面に対する正反射光の入射位置を変化させない。
PSDの受光面において、正反射光の電極並び方向の入射位置がずれると、その入射位置と、拡散反射光の入射位置とが重なったり、互いに接近したりして、図19〜図22におけるB点の状態になってしまう。この状態では、測距センサー70の出力電圧V0を定着ベルト26の光沢性に応じて変化させることができない。このため、B点の状態ではなく、A点やC点の状態になるように、測距センサー70を高精度に位置合わせする必要がある。
本発明者らは、図19〜図22のグラフに基づいて、測距センサー70を高精度に位置合わせする位置合わせ方式について、三つの方式で優劣を比較した。この結果を、図31、図32、図33に示す。これらの図における記号の意味は、次の表3に示される通りである。
何れの位置合わせ方式においても、被検対象面として定着ベルト26の湾曲表面に対して測距センサー70を図18に示されるように位置させた状態を基準状態とする。図31に示される位置合わせ方式1は、基準状態にある測距センサー70によるベルト面上での湾曲方向における入射位置(以下、基準入射位置という)に、ベルト面の曲率中心軸と平行な回動軸線(x軸)を位置させる。そして、この状態で、測距センサー70を回動させることで、前記入射位置における光の入射角度を変化させる。これにより、回動にかかわらず光入射位置を基準入射位置に固定した状態で、光源72の光軸を定着ローラ26bの中心(ベルトの曲率中心)からオフセット量δだけオフセットさせて、PSDの受光面における正反射光の電極並び方向の入射位置を変化させる。そして、ベルト表面上での光反射位置が変わらないので距離Dが一定になることから、測距機能には影響しないと考えられるが、測距センサー70の移動量hが大きくなり易いことから調整機構が大型化すると考えられる。位置合わせ方式1において、δ、D、hはそれぞれ次の数4、数5、数6の式によって表すことができる。なお、hは、各位置合わせ方式を共通の尺度で比較するために定義されたものである。
図32で示される位置合わせ方式2は、測距センサー70を回転させることなく、基準入射位置にあるx軸に対してy軸方向に直線移動させる。これにより、光源72の光軸を定着ローラ26bの中心(ベルトの曲率中心)からオフセット量δだけオフセットさせて、PSDの受光面における正反射光の電極並び方向の入射位置を変化させる。測距センサー70を直線移動させるために、ガイドレールなどの付設が必要になって位置合わせ機構がやや複雑になる。位置合わせ方式3におけるδ、D、hはそれぞれ次の数7、数8、数9の式で表すことができる。
図33に示される位置合わせ方式3は、ベルト面とは異なる位置に固定したx軸(ベルト曲率中心軸と平行な軸)を中心にして測距センサー70を回動させる。これにより、光源72の光軸を定着ローラ26bの中心(ベルトの曲率中心)からオフセット量δだけオフセットさせて、PSDの受光面における正反射光の電極並び方向の入射位置を変化させる。この位置合わせ方式3において、r=−Lとすれば位置合わせ方式1と同じになり、r→∞とすれば位置合わせ方式2と同じになる。このことから、位置合わせ方式3は、位置合わせ方式1と位置合わせ方式2との中間的な性質の方式であると言える。この位置合わせ方式3において、δ、D、hはそれぞれ次の数10、数11、数12の式で表すことができる。但し、r=0ではhが常に0となって比較できないため、ここではr≠0とする。
以上の3つの位置合わせ方式における移動距離hとオフセット量δとの関係を図34に示す。同図における移動距離hやオフセット量δは、数4〜数12の式に基づいて数値計算されたものである。計算条件は、L=50mm、R=45mm、r=20mmとした。同図から、位置合わせ方式3におけるオフセット量δが他の方式におけるものよりも大きな値になることがわかる。これは、同じオフセット量δを得る上では、位置合わせ方式3が移動距離hを最も小さくし得ることを意味している。移動距離を小さくすることに加えて、位置合わせ方式2とは異なって測距センサー70を直線移動ではなくて回動させる方式であることから、ネジや回動軸などを組み合わせることによって、コンパクトな位置合わせ機構にすることができる。
図35は、オフセット量δと距離Dとの関係を示すグラフである。このグラフの傾きは、測距センサー70の光軸をベルト面の曲率中心からオフセットさせる場合のオフセットによる測距量の変化の度合いを表しており、傾きが大きくなるほど、測距量の変化率が大きくなる。図19などにおけるA点の状態にする場合においては、図19〜図22から、−3mm≦δ≦0mmという条件になることがわかることから、何れの位置合わせ方式でもオフセット量δを与えても出力電圧V0を大きく変化させることはない。なお、図35における位置合わせ方式4は、位置合わせ方式3において、特にr=0に設定した方式である。図示しないが、r<0という条件を満足させた位置合わせ方式3における距離Dは、位置合わせ方式4における距離Dよりも小さくなる。また、r>0という条件を満足させた位置合わせ方式3における距離Dは、位置合わせ方式4における距離Dよりも大きくなる。同図では、r>0という条件を満足させている。この場合、距離Dの大きさは、位置合わせ方式1<位置合わせ方式4<位置合わせ方式3<位置合わせ方式2となる。つまり、位置合わせ方式3や位置合わせ方式4は、位置合わせ方式2に比べて距離Dを小さくする。以上の結果から、位置合わせ方式としては、位置合わせ機構をコンパクトにしつつ、距離Dを小さくすることが可能な位置合わせ方式3や位置合わせ方式4がよいと言える。また、位置合わせ方式4は、移動量hが0になる(センサー基準位置が移動しないので他の調整項目に対する影響が無く調整機構が単純になる)点で、位置合わせ方式3よりも優れている。
そこで、実施形態に係る画像形成装置においては、測距センサー70をベルト面に対して位置合わせする位置合わせ機構として、位置合わせ方式4を採用したものを設けている。図36は、実施形態に係る画像形成装置に搭載された測距センサー70の位置合わせ機構700を示す分解斜視図である。同図において、測距センサー70のケーシングには、センサー固定用の固定ネジ701を貫通させるための貫通口が形成されている。この貫通口に貫通した固定ネジ701が回動ブラケット702に設けられた雌ネジ部に螺合することにより、測距センサー70を回動ブラケット702に固定する。板状の回動ブラケット702における短手方向の両端面には、それぞれ回動軸部材703が短手方向に沿って延在する姿勢で固定されている。それぞれの回動軸部材703の軸線は互いに一致しており、且つこの軸線は、それら回動軸部材703の間に固定された測距センサー70の光源72の基準面と一致している。
支持板705は、回動ブラケット702を回動可能に支持するものである。支持板705の短手方向の両端部には、回動ブラケット702の2つの回動軸部材703をそれぞれ回動自在に受けるための軸受け部705aが設けられている。回動ブラケット702は、それら2つの軸受け部705aの間に挿入された状態で、2つの回動軸部材703が軸受け部705aによって回動自在に支持される。
位置合わせ機構700は、ねじりバネとしてのダブルトーションバネ704を有している。ダブルトーションバネ704は、2つのコイル部704aと、それらの間に介在するゲート形状のキック部704bとを具備している。そして、2つのコイル部704aによってそれぞれ発せられるねじり力により、キック部704bに対してコイル軸線を中心にした回転キック力を付与する。2つのコイル部704aのうち、一方には2つの回動軸部材703の一方が差し込まれている。また、他方のコイル部704aには他方の回動軸部材703が差し込まれている。ダブルトーションバネ704は、この状態で、キック部704bを揺動ブラケット702の裏面に押し当てながら、キック部704bのキック力により、回動軸部材703を中心にした回転方向に揺動ブラケット702を付勢する。そして、このように付勢される揺動ブラケット702は、支持板705をその裏面からおもて面に向けて貫通するように、支持板705の雌ネジ部に螺合している調整ネジ708の先端に突き当たる。これにより、ダブルトーションバネ704による付勢力で回転しようとする揺動ブラケット702の回転が所定の回転位置で係止される。つまり、調整ネジ708の雌ネジ部に対する螺合量の調整により、調整ネジ708の先端部の支持板705おもて面からの突出量を調整することで、回動軸部材703を中心にした揺動ブラケット702の回転を所望の係止位置で係止することができる。
回動軸部材703を中心にした揺動ブラケット702の回動角度範囲については、例えば図19等に示されるA点の状態に合わせる場合、A点付近で正反射光のスポットを移動させるのに必要な量だけを確保すればよく、これはごく僅かな回動角度範囲になる。よって、位置合わせ機構700をコンパクトなものにすることができる。
支持板705の裏面には、その軸中心がセンサー基準面上の光源中心と一致する支軸705bが突設せしめられており、画像形成装置のフレーム800に設けられた貫通口に差し込まれている。これにより、支持板705のフレーム800に対する位置合わせが行われている。支持板705はこのように位置合わせされた状態で、固定ネジ707によってフレーム800に固定されている。
2つの回動軸部材703のうち、一方の回動軸部材703の先端部には、雄ネジ部703aが設けられている。そして、この雄ネジ部703aは、比較的大きな径の円盤つまみ部706cを具備する調整ダイヤル706の雌ネジ部706aが螺合せしめられている。調整ダイヤル706はこのように螺合した状態で、その回転軸線方向の端面になっている突き当て面706bを軸受け部705aに突き当てている。
図37は、互いに螺合している回転軸部材703及び調整ダイヤル706を部分的に示す部分断面図である。同図の回動軸部材703において、雄ネジ部703aと非ネジ部との境には段差が形成されており、雄ネジ部703aは根本側の非ネジ部よりも小径になっている。調整ダイヤル706は、その段差に対応する2段の円筒状凹部を具備しており、1段目の円筒状凹部の径は、回動軸部材703の非ネジ部の径よりも少しだけ大きくなっている。このため、1段目の円筒状凹部は、回動軸部材703の雄ネジ部703aや非ネジ部を受け入れることができる。また、調整ダイヤル706における2段目の円筒状凹部は、雌ネジが形成された雌ネジ部(706a)になっていて、回動軸部材703の雄ネジ部703aに螺合する。
ダブルトーションバネ704のコイル部704aには、回動軸部材703が差し込まれている。このコイル部704aは、巻線方向のねじり力を発揮することに加えて、コイル軸線方向における伸縮力を発揮する。そして、コイル軸線方向において、収縮した状態で、軸受け705aと、図示しない揺動ブラケット(702)の短手方向の端面とに突き当たりながら、揺動ブラケット(702)を不動の軸受け705aとは反対方向(図中の矢印a2の方向)に付勢する。これにより、揺動ブラケット(702)は、図中の矢印a2の方に移動しようとするが、回動軸部材703の雄ネジ部703aに螺合している調整ダイヤル706の端面が軸受け705aに突き当たることで、その移動が阻止される。つまり、調整ダイヤル706は、保持部材たる揺動ブラケット(702)をコイル部704aの軸線方向の付勢力に抗して軸線方向における任意の位置で係止するための軸線方向係止部材として機能している。かかる構成において、作業者は、調整ダイヤル706の雄ネジ部703aに対する螺合量を調整することにより、測距センサー70の回動中心軸線方向(x軸方向)の位置を調整することができる。
図36において、調整ダイヤル706を矢印(a3)方向に回すと、調整ダイヤル706を回動軸部材703の雄ネジ部703aにねじ込んで、揺動ブラケット702や測距センサー70をx軸に沿って図中奥側に移動させていく。この矢印(a3)方向は、x軸を中心にしたダブルトーションバネ704による回転付勢方向と同じである。つまり、実施形態に係る画像形成装置では、調整ダイヤル706の雌ネジ部を回動軸部材703の雄ネジ部703aにねじ込む際における雌ネジ部の回転方向と、前記回転付勢方向とを同じにしている。かかる構成では、調整ダイヤル706を締め込む際に、揺動ブラケット702をその締め込みに伴って回転させようとしても、揺動ブラケット702を調整ネジ708の先端に突き当てることで、その回転を阻止して、安定した締め込みを行うことができる。なお、作業性を考慮すると、測距センサー70のx軸方向における位置合わせについては、x軸方向に沿った一方向だけに測距センサー70を移動させることが望ましい。このため、初めは、揺動ブラケット702をx軸方向に沿った図面の手前側に片寄った位置にしておくのがよい。
画像形成装置のフレーム800には、第1貫通窓800a及び第2貫通窓800bが設けられている。位置合わせ機構700をフレーム800に固定した状態では、位置合わせ機構700の調整ダイヤル706における円盤つまみ部706cの一部を、第1貫通窓800aに通してフレーム800aの裏面側に突出させる。これにより、作業者は、測距センサー70の周辺の部材を取り外すことなく、測距センサー70の背面側から調整ダイヤル706を操作して、測距センサー70のx軸方向の位置合わせを行うことができる。
また、位置合わせ機構700をフレーム800に固定した状態では、位置合わせ機構800の調整ネジ708におけるネジ頭部を、第2貫通窓800bに通してフレーム800aの裏面側に突出させる。これにより、作業者は、測距センサー70の周辺の部材を取り外すことなく、測距センサー70の背面側から調整ネジ708を操作して、測距センサー70の回転位置rxを位置合わせすることができる。
作業者は、測距センサーの回転位置rxについては、次のようにして位置合わせする。即ち、この位置合わせを行う前提として、実施形態に係る画像形成装置の標準機における初期状態の定着ベルトについて、出力電圧V0〜位置y特性が予め測定されている。これは、例えば、定着ローラ26bの直径(2R)が74.4mmで、距離Lが50mmである場合には、図19のグラフにおける光沢度49の出力電圧V0〜位置y特性である。以下、この出力電圧V0〜位置y特性を例にして説明する。標準機の初期状態の定着ローラにおける出力電圧V0〜位置y特性では、図示のように、グラフのA点は測距センサー70の位置yが0mmになるときに得られる。そこで、作業者はまず、測距センサー70をy=0mmとする回転角度姿勢にするように、調整ネジ708を大雑把に操作する。次に、この状態で、調整ネジ708を締め込んでいきながら、出力電圧V0の変化を見る。このとき、出力電圧V0が減少する場合には、締め込みがまだ足りないことになるので、更に調整ネジ708を締め込んでいく。そして、出力電圧V0の変化が減少から増加に転じるところまで調整ネジ708を締め込んだら、転じる段階の直前の位置まで調整ネジ708を緩める。これにより、測距センサー70をA点の状態で位置合わせする。
これに対し、初めに出力電圧V0の変化を見た際に、その変化が増加であった場合には、調整ネジ708を締め込み過ぎているので、調整ネジ708を緩めていく。そして、出力電圧V0の変化が増加から減少に転じるところまで調整ネジ708を緩めたら、転じる段階の直前の位置まで調整ネジ708を締める。これにより、測距センサー70をA点の状態で位置合わせする。
図38は、定着ベルト26の劣化していない表面を被検対象とする測距センサー70の出力電圧V0の経時変化を示すグラフである。このグラフを得たときの測定条件は、ベルトの線速度=440mm/s、サンプリング周波数fs=1kHzである。定着ベルト26の周方向における所定の位置には、マーカーが付されており、このマーカーは図示しないマーク検知センサーにより、ベルトが1周する毎に検知される。同図には、その検知タイミングを重ねて示している。
同図の(a)に示されるように、基波形は、測距センサー70の出力電圧V0のサンプリング結果をそのまま用いて作成されたものである。これに対し、同図の(b)に示されるように、フィルタ後の波形は、サンプリング結果を、50[Hz]を遮断周波数とするローパスフィルタに通した後の値を用いて作成されたものである。
図39は、定着ベルト26の劣化した表面を被検対象とする測距センサー70の出力電圧V0の経時変化を示すグラフである。このグラフを得たときの測定条件は、図38のグラフを得たときのものと同じである。図38及び図39から、次のことがわかる。
(1)細かいノイズ(センサーの発振に伴う17ms周期のノイズ)が常に混入している。
(2)このノイズは、ローパスフィルタによって除去される。
(3)出力電圧V0の定着ベルトの周期に従う周期変動はほとんど発生していない。
(4)出力電圧V0が平均的な値から外れて不連続に変動することがある。
(5)劣化した表面を対象とするときの出力電圧V0の値が、劣化していない表面を対象とするときの出力電圧V0よりも大きい。
(1)細かいノイズ(センサーの発振に伴う17ms周期のノイズ)が常に混入している。
(2)このノイズは、ローパスフィルタによって除去される。
(3)出力電圧V0の定着ベルトの周期に従う周期変動はほとんど発生していない。
(4)出力電圧V0が平均的な値から外れて不連続に変動することがある。
(5)劣化した表面を対象とするときの出力電圧V0の値が、劣化していない表面を対象とするときの出力電圧V0よりも大きい。
図40は、出力電圧V0の定着ベルト1周期分のサンプリング結果(被検対象=劣化していない表面)について、出力区間幅を0.0025[V]として出現頻度を表すグラフである。また、図41は、出力電圧V0の定着ベルト1周期分のサンプリング結果(被検対象=劣化した表面)について、出力区間幅を0.0025[V]として出現頻度を表すグラフである。これらの図において、基波形では、分布における最頻値のピークの前後に、そのピークよりも小さなピークがはっきりと出現している(出力電圧値の小さい側に1つ、大きい側に主に二つ)。最頻値の前後のピークは、統計上はノイズであると考えることができるので、前後のピークや、それよりも外側のデータを除外することによって、光沢性を反映した最頻値付近の分布を抽出することができる。なお、ローパスフィルタを通した後のデータを用いても、前後のピークを完全に除去することはできない。
図42は、定着ベルトの劣化していない表面を被検対象にしているときの出力電圧V0(フィルタ未処理)の頻度と、定着ベルトの劣化した表面を被検対象にしているときの出力電圧V0(フィルタ未処理)の頻度とを示すグラフである。最頻値の前後のピークやそれよりも外側のデータを除去しない場合、図示のように2つのグラフが重なってしまう。2つの最頻値の差(約0.03V)が定着ベルト26の劣化に伴う光沢性の変化に対応するものであるが、互いのグラフが重なっていることから、平均や標準偏差を求めたとしても、光沢性の変化を感度良く検知することができない。統計的検定手法のt検定では、2群の平均に差があっても、標準偏差が大きいと差が無いと判定される可能性が高くなるため、感度が低下することになる。
図43は、定着ベルトの劣化していない表面を被検対象にしているときの電圧頻度、及び定着ベルトの劣化した表面を被検対象にしているときの電圧頻度について、最頻値の前後のピークや、それよりも外側のデータを除外して示すグラフである。図示のように、最頻値の前後のピークやそれよりも外側のデータを除去すると、劣化している表面を被検対象にする場合と、劣化していない表面を被検対象にする場合とで、最頻値やその近傍のデータ分布を互いに独立させて抽出することができる。2つのグラフが重ならないので、光沢性の変化を感度良く検知できる。
そこで、画像形成装置の制御部は、定着ベルト1周あたりにおける出力電圧V0の平均値を、図44に示される処理フローによって求めるようになっている。具体的には、制御部は、まず、定着ベルト26を無端移動させながら、所定の時間間隔で測距センサー70の出力電圧V0をサンプリングする処理をベルト1周期に渡って行う(S1)。定着ベルト26の被検対象面に局所的なキズや付着物があると正確な分析が困難になるので、サンプリング期間については、定着ベルトの回転周期の整数倍にすることが望ましい。サンプリングが終わると、それらのサンプリング結果に基づいて、出力電圧V0について電圧値と頻度との関係を示すグラフを解析した後(S2)、そのグラフに基づいて最頻値を検出する(S3)。電圧値の区間幅はデータのばらつきに基づいて変更するのが一般的であるが、ほぼ一定の出力値にノイズが重畳され、そのノイズによってグラフが変動するだけであり、データのばらつきの変化が非常に小さいことから、区間幅を変更する必要はない。最頻値を検出したら、最頻値の前後で最初に出現頻度が最小となる区間を極小値として検出する(S4)。そして、最頻値の前後に出現する2つの極小値の間に含まれるデータ群を抽出した後(S5)、それらを平均して平均値を求める(S6)。このようにして出力電圧V0の平均値を求めることで、定着ベルト26の表面における光沢性の変化を感度良く検出することができる。
画像形成装置の制御部は、ROM(Read Only memory)やフラッシュメモリなどのデータ記憶手段に、出力電圧V0について、低光沢対応データVLと高光沢対応データVHとを記憶している。これらのデータは、測距センサー70の固体毎に固有の数値であり、個々の測距センサー70によって実際に被検対象面を測定した結果によって定められるものである。また、光沢対応データVLは、光沢度が所定の低光沢度値に調整された低光沢部材を被検対象とする測距センサー70からの出力電圧V0である。また、高光沢対応データVHは、光沢度が所定の高光沢度値に調整された高光沢部材を被検対象とする測距センサー70からの出力電圧V0である。工場での作業員やサービスマンは、画像形成装置に測距センサー70を組み付けた際、あるいは、ユーザーのもとで測距センサー70を交換した際に、図45に示される作業フローにより、2つの光沢度対応データを取得する。即ち、まず、画像形成装置に組み付けた測距センサー70の位置合わせを行って(S1)、定着ベルト面における余白対応領域でLED光を反射させるようにしたり、定着ベルト面で反射させた正反射光をPSDの受光面に正しく入射させるようにしたりする。次に、定着ベルト26の余白対応領域に、シート状の低光沢部材を巻き付けて、出力電圧V0をサンプリングし、その値を低光沢対応データVLとする(S2)。その後、定着ベルト26の余白対応領域から低光沢部材を剥がした後、余白対応領域に高光沢部材を巻き付けて出力電圧V0をサンプリングし、その値を高光沢対応データVHとする(S3)。このようにして2つの光沢度対応データを取得した後、それらを制御部のデータ記憶手段に記憶させる。
なお、低光沢度部材として、白紙を用いることが可能である。この場合、白紙としては、その幅が、定型サイズ紙の幅よりも大きくしたものを用いる。定型サイズ紙と同じ幅のものを用いると、白紙の端部だけでなく、その横のベルト表面も測距センサー70に検知させてしまうからである。また、高光沢度部材として、黒色光沢フィルムを用いることができる。
図46は、制御部によって実施される劣化判定報知処理の処理フローを示すフローチャートである。制御部は、まず、定着装置に対する通紙枚数カウント値を通紙枚数データとして取得する。通紙枚数カウント値は、定着装置に対して記録紙が1枚通紙される毎にカウントアップされ、且つ所定枚数nになった時点でゼロにリセットされる。通紙枚数カウント値である通紙枚数が所定枚数nになると(S2でY)、通紙枚数カウント値がゼロにリセットされるとともに、処理フローがS2からS3に進められる。これにより、定着装置に対して所定数nの通紙が行われる毎に、定着ベルトの劣化の度合いが判定されることになる。
制御部は、図44に示されるフローに従って、定着ベルト1周期における出力電圧V0の平均値を求めた後(S3)、平均値に基づいて、定着ベルト26の劣化度合いを示す指標値を算出する(S4)。その後、指標値Eについて、閾値kを超えたか否かを判定し(S5)、超えていない場合には(S5でN)、処理フローをS1にループさせる。これにより、通紙枚数の増加数が所定数nになるまで待機した後、所定数nになった時点で定着ベルト26の劣化度合いを再び判定する。また、指標値Eが閾値kを超えた場合には(S5でY)、ユーザーに対し、定着ベルト26の交換を促すメッセージをディスプレイに表示させた後、一連の制御フローを終了させる。かかる構成において、制御部は、判定手段を構成しているとともに、報知手段を構成している。
定着ベルト26の光沢性の変化に伴う出力電圧V0の変動は、測距センサー70の固体間でのバラツキが比較的大きい。しかし、観測値を既知の光沢度に対する出力電圧V0を基準とする相対値とすることで、ばらつきを抑えて、検出すべき光沢性低下レベルを統一的に取り扱うことが可能になる。すなわち、低光沢対応データVLや高光沢対応データVHを出力電圧V0の観測値として、次の13の式によって指標値Eを求めれば良い。
これまで、被検対象面として、定着ベルト26の表面の光沢性を検知する例について説明したが、定着ローラや感光体など、定着ベルト26とは異なる物の表面の光沢性を検知する構成においても、本発明の適用が可能である。
なお、図36に示した位置合わせ機構700を改良して、回転位置rxに加えて、回転位置ryを調整できるようにしてもよい。具体的には、回動軸部材703の回動軸線である第1回動軸線に直交しつつ、光源72から定着ベルト26に向けての光出射方向に直交する第2回動軸線を中心にして延在する第2回動軸部材を設ける。また、この第2回動部材が固定される第2揺動ブラケットを設ける。より詳しくは、それら第2回動軸部材や第2揺動ブラケットを具備する追加機構として、図示の揺動ブラケット702、回動軸部材703、ダブルトーションバネ704、支持板705、調整ダイヤル706、調整ネジなどを具備する機構と同じものを設ける。そして、その追加機構の第2回動軸部材をy軸方向に延在させる姿勢でフレーム800に固定してから、その追加機構の上に、図36の機構を固定する。これにより、追加機構によって測距センサー70の回転位置ryを調整することができるようになる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[態様A]
態様Aは、被検対象面(例えば定着ベルト26の表面)に向けて光を放つ光源(例えば光源72)と、前記被検対象面で得られる正反射光及び拡散反射光を自らの受光面で受光して両者の受光量の違いに応じた出力を行う受光手段(例えば光検出素子71)とを具備する光学センサー(例えば測距センサー70)を有する光沢性検知装置において、前記受光面における前記正反射光の光量ピーク部分の受光位置と、前記受光面における前記拡散反射光の光量ピーク部分の受光位置とを互いに異ならせるように、前記被検対象面に対する前記光学センサーの位置合わせを行うための位置合わせ機構(例えば位置合わせ機構700)を設けたことを特徴とするものである。
[態様A]
態様Aは、被検対象面(例えば定着ベルト26の表面)に向けて光を放つ光源(例えば光源72)と、前記被検対象面で得られる正反射光及び拡散反射光を自らの受光面で受光して両者の受光量の違いに応じた出力を行う受光手段(例えば光検出素子71)とを具備する光学センサー(例えば測距センサー70)を有する光沢性検知装置において、前記受光面における前記正反射光の光量ピーク部分の受光位置と、前記受光面における前記拡散反射光の光量ピーク部分の受光位置とを互いに異ならせるように、前記被検対象面に対する前記光学センサーの位置合わせを行うための位置合わせ機構(例えば位置合わせ機構700)を設けたことを特徴とするものである。
[態様B]
態様Bは、態様Aにおいて、前記光学センサーとして、前記受光面の受光位置で発生した電荷を電流として伝えるために前記受光面の両端部にそれぞれ配設された電極(例えば電極X1、電極X2)を具備するものを用い、前記電極を所定の曲率で湾曲する前記被検対象面の曲率中心軸線と平行な方向に延在させる姿勢で前記光学センサーを配設し、且つ、前記正反射光について、前記両端部にそれぞれ設けられた2つの前記電極の並び方向における前記受光位置を変化させて所定の位置に合わせるように、前記位置合わせ機構を構成したことを特徴とするものである。
態様Bは、態様Aにおいて、前記光学センサーとして、前記受光面の受光位置で発生した電荷を電流として伝えるために前記受光面の両端部にそれぞれ配設された電極(例えば電極X1、電極X2)を具備するものを用い、前記電極を所定の曲率で湾曲する前記被検対象面の曲率中心軸線と平行な方向に延在させる姿勢で前記光学センサーを配設し、且つ、前記正反射光について、前記両端部にそれぞれ設けられた2つの前記電極の並び方向における前記受光位置を変化させて所定の位置に合わせるように、前記位置合わせ機構を構成したことを特徴とするものである。
[態様C]
態様Cは、態様Bにおいて、前記曲率中心軸線と平行な方向に延在する回動軸線を中心にして前記光学センサーを回動させるのに伴って前記受光面における前記正反射光の前記受光位置を変化させ、且つ前記回動軸線を中心にした任意の回動位置で前記光学センサーを係止するように、前記位置合わせ機構を構成したことを特徴とするものである。
態様Cは、態様Bにおいて、前記曲率中心軸線と平行な方向に延在する回動軸線を中心にして前記光学センサーを回動させるのに伴って前記受光面における前記正反射光の前記受光位置を変化させ、且つ前記回動軸線を中心にした任意の回動位置で前記光学センサーを係止するように、前記位置合わせ機構を構成したことを特徴とするものである。
[態様D]
態様Dは、態様Cにおいて、前記回動軸線を前記被検対象面に位置させたことを特徴とするものである。
態様Dは、態様Cにおいて、前記回動軸線を前記被検対象面に位置させたことを特徴とするものである。
[態様E]
態様Eは、態様C又はDにおいて、前記回動軸線に沿って延在する回動軸部材を自らのコイル部(例えばコイル部704a)に挿入された状態で、前記光学センサー、又は前記光学センサーを保持する保持部材(例えば揺動ブラケット702)、に対して前記回動軸線を中心にした回転方向の付勢力を付与するねじりバネ(例えばダブルトーションバネ704)と、前記光学センサー又は前記保持部材を前記ねじりバネの付勢力に抗して任意の前記回動位置で係止する回動係止手段(例えば調整ネジ708)とを前記位置合わせ機構に設けたことを特徴とするものである。
態様Eは、態様C又はDにおいて、前記回動軸線に沿って延在する回動軸部材を自らのコイル部(例えばコイル部704a)に挿入された状態で、前記光学センサー、又は前記光学センサーを保持する保持部材(例えば揺動ブラケット702)、に対して前記回動軸線を中心にした回転方向の付勢力を付与するねじりバネ(例えばダブルトーションバネ704)と、前記光学センサー又は前記保持部材を前記ねじりバネの付勢力に抗して任意の前記回動位置で係止する回動係止手段(例えば調整ネジ708)とを前記位置合わせ機構に設けたことを特徴とするものである。
[態様F]
態様Fは、態様Eにおいて、前記光学センサー又は前記保持部材に突き当てた前記コイル部によって前記光学センサー又は前記保持部材を前記回動軸線の延在方向である軸線方向に付勢するように前記位置合わせ機構を構成し、且つ、前記光学センサー又は前記保持部材を前記コイル部の前記軸線方向の付勢力に抗して前記軸線方向における任意の位置で係止するための軸線方向係止部材(例えば調整ダイヤル706)を前記位置合わせ機構に設けたことを特徴とするものである。
態様Fは、態様Eにおいて、前記光学センサー又は前記保持部材に突き当てた前記コイル部によって前記光学センサー又は前記保持部材を前記回動軸線の延在方向である軸線方向に付勢するように前記位置合わせ機構を構成し、且つ、前記光学センサー又は前記保持部材を前記コイル部の前記軸線方向の付勢力に抗して前記軸線方向における任意の位置で係止するための軸線方向係止部材(例えば調整ダイヤル706)を前記位置合わせ機構に設けたことを特徴とするものである。
[態様G]
態様Gは、態様Fにおいて、前記回動軸部材を前記保持部材に固定し、前記回動軸部材を自らに挿入された状態で前記保持部材と軸受け(例えば軸受け705a)との間に介在する前記コイル部によって前記保持部材を前記軸線方向に付勢するようにし、前記回動軸部材(例えば703)の端部に雄ネジ部(例えば703a)を設け、前記雄ネジ部に螺合する雌ネジ部(例えば706a)を前記軸線方向係止部材に設け、且つ、前記雄ネジ部に螺合させた前記軸線方向係止部材を前記軸受けに突き当てることで、前記保持部材の前記軸線方向への動きを係止するようにしたことを特徴とするものである。
態様Gは、態様Fにおいて、前記回動軸部材を前記保持部材に固定し、前記回動軸部材を自らに挿入された状態で前記保持部材と軸受け(例えば軸受け705a)との間に介在する前記コイル部によって前記保持部材を前記軸線方向に付勢するようにし、前記回動軸部材(例えば703)の端部に雄ネジ部(例えば703a)を設け、前記雄ネジ部に螺合する雌ネジ部(例えば706a)を前記軸線方向係止部材に設け、且つ、前記雄ネジ部に螺合させた前記軸線方向係止部材を前記軸受けに突き当てることで、前記保持部材の前記軸線方向への動きを係止するようにしたことを特徴とするものである。
[態様H]
態様Hは、態様Gにおいて、前記雌ネジ部を前記雄ネジ部にねじ込む際における前記雌ネジ部の回転方向と、前記ねじりバネによって前記回動軸線を中心にした回転方向に前記保持部材を付勢する方向とを同じにしたことを特徴とするものである。
態様Hは、態様Gにおいて、前記雌ネジ部を前記雄ネジ部にねじ込む際における前記雌ネジ部の回転方向と、前記ねじりバネによって前記回動軸線を中心にした回転方向に前記保持部材を付勢する方向とを同じにしたことを特徴とするものである。
[態様I]
態様Iは、態様C〜Hの何れかにおいて、前記回動軸線としての第1回動軸線に直交しつつ、前記光源から前記被検対象面に向けての光出射方向に直交する第2回動軸線を中心にして前記光学センサーを回動させ、且つ前記第2回動軸線を中心にした任意の回動位置で前記光学センサーを係止するように、前記位置合わせ機構を構成したことを特徴とするものである。
態様Iは、態様C〜Hの何れかにおいて、前記回動軸線としての第1回動軸線に直交しつつ、前記光源から前記被検対象面に向けての光出射方向に直交する第2回動軸線を中心にして前記光学センサーを回動させ、且つ前記第2回動軸線を中心にした任意の回動位置で前記光学センサーを係止するように、前記位置合わせ機構を構成したことを特徴とするものである。
[態様J]
態様Jは、自らの無端移動する表面に可視像を担持するか、あるいは、自らの無端移動する表面を記録シートに押し当てる無端移動体(例えば定着ベルト26)と、前記無端移動体の表面を被検対象面としてその光沢性を検知する光沢性検知手段とを備える画像形成装置において、前記光沢性検知手段として、態様A〜Iの何れかを用いたことを特徴とするものである。
態様Jは、自らの無端移動する表面に可視像を担持するか、あるいは、自らの無端移動する表面を記録シートに押し当てる無端移動体(例えば定着ベルト26)と、前記無端移動体の表面を被検対象面としてその光沢性を検知する光沢性検知手段とを備える画像形成装置において、前記光沢性検知手段として、態様A〜Iの何れかを用いたことを特徴とするものである。
[態様K]
態様Kは、態様Jにおいて、前記光沢性検知手段の前記受光手段からの出力値に基づいて前記無端移動体の劣化度合いを判定する判定手段(例えば制御部)を設けたことを特徴とするものである。
態様Kは、態様Jにおいて、前記光沢性検知手段の前記受光手段からの出力値に基づいて前記無端移動体の劣化度合いを判定する判定手段(例えば制御部)を設けたことを特徴とするものである。
[態様L]
態様Lは、態様Kにおいて、前記無端移動体の表面における表面移動方向の互いに異なる領域をそれぞれ前記被検対象面として前記出力値を取得し、それぞれの出力値の分布における最頻値を中心とする所定の分布範囲の出力値を抽出してそれらの平均値を求めた結果に基づいて前記劣化度合いを判定する処理を実施するように、前記判定手段を構成したことを特徴とするものである。
態様Lは、態様Kにおいて、前記無端移動体の表面における表面移動方向の互いに異なる領域をそれぞれ前記被検対象面として前記出力値を取得し、それぞれの出力値の分布における最頻値を中心とする所定の分布範囲の出力値を抽出してそれらの平均値を求めた結果に基づいて前記劣化度合いを判定する処理を実施するように、前記判定手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様M]
態様K又はLにおいて、前記出力値又は前記平均値に基づいて前記劣化度合いを反映する指標値を算出するように前記判定手段を構成し、且つ、前記指標値が所定の閾値を超えたことに基づいてユーザーに対して前記無端移動体の交換を促すメッセージを報知する報知手段(例えば制御部)を設けたことを特徴とするものである。
態様K又はLにおいて、前記出力値又は前記平均値に基づいて前記劣化度合いを反映する指標値を算出するように前記判定手段を構成し、且つ、前記指標値が所定の閾値を超えたことに基づいてユーザーに対して前記無端移動体の交換を促すメッセージを報知する報知手段(例えば制御部)を設けたことを特徴とするものである。
26:定着ベルト(被検対象面、無端移動体)
70:測距センサー(光学センサー)
71:光検出素子(受光手段)
72:光源
700:位置合わせ機構
702:揺動ブラケット(保持部材)
703:回転軸部材
703a:雄ネジ部
704:ダブルトーションバネ(ねじりバネ)
704a:コイル部
705a:軸受け
706:調整ダイヤル(軸線方向係止部材)
706c:雌ネジ部
708:調整ネジ(回動係止手段)
X1、X2:電極
70:測距センサー(光学センサー)
71:光検出素子(受光手段)
72:光源
700:位置合わせ機構
702:揺動ブラケット(保持部材)
703:回転軸部材
703a:雄ネジ部
704:ダブルトーションバネ(ねじりバネ)
704a:コイル部
705a:軸受け
706:調整ダイヤル(軸線方向係止部材)
706c:雌ネジ部
708:調整ネジ(回動係止手段)
X1、X2:電極
Claims (12)
- 被検対象面に向けて光を放つ光源と、前記被検対象面で得られる正反射光及び拡散反射光を自らの受光面で受光して両者の受光量の違いに応じた出力を行う受光手段とを具備する光学センサーを有する光沢性検知装置において、
前記受光面における前記正反射光の光量ピーク部分の受光位置と、前記受光面における前記拡散反射光の光量ピーク部分の受光位置とを互いに異ならせるように、前記被検対象面に対する前記光学センサーの位置合わせを行うための位置合わせ機構を設けたことを特徴とする光沢性検知装置。 - 請求項1の光沢性検知装置において、
前記光学センサーとして、前記受光面の受光位置で発生した電荷を電流として伝えるために前記受光面の両端部にそれぞれ配設された電極を具備するものを用い、前記電極を所定の曲率で湾曲する前記被検対象面の曲率中心軸線と平行な方向に延在させる姿勢で前記光学センサーを配設し、且つ、前記正反射光について、前記両端部にそれぞれ設けられた2つの前記電極の並び方向における前記受光位置を変化させて所定の位置に合わせるように、前記位置合わせ機構を構成したことを特徴とする光沢性検知装置。 - 請求項2の光沢性検知装置において、
前記曲率中心軸線と平行な方向に延在する回動軸線を中心にして前記光学センサーを回動させるのに伴って前記受光面における前記正反射光の前記受光位置を変化させ、且つ前記回動軸線を中心にした任意の回動位置で前記光学センサーを係止するように、前記位置合わせ機構を構成したことを特徴とする光沢性検知装置。 - 請求項3の光沢性検知装置において、
前記回動軸線を前記被検対象面に位置させたことを特徴とする光沢性検知装置。 - 請求項3又は4の光沢性検知装置において、
前記回動軸線に沿って延在する回動軸部材を自らのコイル部に挿入された状態で、前記光学センサー、又は前記光学センサーを保持する保持部材、に対して前記回動軸線を中心にした回転方向の付勢力を付与するねじりバネと、前記光学センサー又は前記保持部材を前記ねじりバネの付勢力に抗して任意の前記回動位置で係止する回動係止手段とを前記位置合わせ機構に設けたことを特徴とする光沢性検知装置。 - 請求項5の光沢性検知装置において、
前記光学センサー又は前記保持部材に突き当てた前記コイル部によって前記光学センサー又は前記保持部材を前記回動軸線の延在方向である軸線方向に付勢するように前記位置合わせ機構を構成し、且つ、前記光学センサー又は前記保持部材を前記コイル部の前記軸線方向の付勢力に抗して前記軸線方向における任意の位置で係止するための軸線方向係止部材を前記位置合わせ機構に設けたことを特徴とする光沢性検知装置。 - 請求項6の光沢性検知装置において、
前記回動軸部材を前記保持部材に固定し、前記回動軸部材を自らに挿入された状態で前記保持部材と軸受けとの間に介在する前記コイル部によって前記保持部材を前記軸線方向に付勢するようにし、前記回動軸部材の端部に雄ネジ部を設け、前記雄ネジ部に螺合する雌ネジ部を前記軸線方向係止部材に設け、且つ、前記雄ネジ部に螺合させた前記軸線方向係止部材を前記軸受けに突き当てることで、前記保持部材の前記軸線方向への動きを係止するようにしたことを特徴とする光沢性検知装置。 - 請求項7の光沢性検知装置において、
前記雌ネジ部を前記雄ネジ部にねじ込む際における前記雌ネジ部の回転方向と、前記ねじりバネによって前記回動軸線を中心にした回転方向に前記保持部材を付勢する方向とを同じにしたことを特徴とする光沢性検知装置。 - 請求項3乃至8の何れかの光沢性検知装置において、
前記回動軸線としての第1回動軸線に直交しつつ、前記光源から前記被検対象面に向けての光出射方向に直交する第2回動軸線を中心にして前記光学センサーを回動させ、且つ前記第2回動軸線を中心にした任意の回動位置で前記光学センサーを係止するように、前記位置合わせ機構を構成したことを特徴とする光沢性検知装置。 - 自らの無端移動する表面に可視像を担持するか、あるいは、自らの無端移動する表面を記録シートに押し当てる無端移動体と、前記無端移動体の表面を被検対象面としてその光沢性を検知する光沢性検知手段とを備える画像形成装置において、
前記光沢性検知手段として、請求項1乃至9の何れかの光沢性検知装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項10の画像形成装置において、
前記無端移動体の表面における表面移動方向の互いに異なる領域をそれぞれ前記被検対象面として前記光沢性検知手段の前記受光手段からの出力値を取得し、それぞれの出力値の分布における最頻値を中心とする所定の分布範囲の出力値を抽出してそれらの平均値を求めた結果に基づいて前記無端移動体の劣化度合いを判定する判定手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11の画像形成装置において、
前記平均値に基づいて前記劣化度合いを反映する指標値を算出するように前記判定手段を構成し、且つ、前記指標値が所定の閾値を超えたことに基づいてユーザーに対して前記無端移動体の交換を促すメッセージを報知する報知手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013085547A JP2014206705A (ja) | 2013-04-16 | 2013-04-16 | 光沢性検知装置及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013085547A JP2014206705A (ja) | 2013-04-16 | 2013-04-16 | 光沢性検知装置及び画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014206705A true JP2014206705A (ja) | 2014-10-30 |
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ID=52120266
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013085547A Pending JP2014206705A (ja) | 2013-04-16 | 2013-04-16 | 光沢性検知装置及び画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014206705A (ja) |
-
2013
- 2013-04-16 JP JP2013085547A patent/JP2014206705A/ja active Pending
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