JP2012185475A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】無端移動表面を有する回転部材から離れた位置で、その回転部材の無端移動表面における微小領域の光沢変化を検出することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】無端移動表面を有する回転部材としての定着ベルト26を備えた画像形成装置であって、定着ベルト26の無端移動表面に光を照射する光源72と当該無端移動表面で反射された正反射光と拡散光とを受光し両者の光量の大小関係に応じた出力を発生する光検出素子71とを有する測距センサ70と、定着ベルト26の無端移動表面と測距センサ70との間の当該無端移動表面の近傍における光源72からの照射光の光路上に設けられた所定の大きさの開口77aを有する遮光部材77と、を備える。
【選択図】図18

Description

本発明は、無端移動面を有する回転部材を備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
従来、この種の画像形成装置では、一般に、記録媒体としてカット紙が用いられており、様々なサイズの用紙を通紙することが行われている。通紙サイズは、個々のユーザ毎に異なるものの、ほとんどの場合概ね2〜4種類程度である。また、通紙幅については、A4短手送りとA3長手送りは同一幅であるので、通紙幅の種類は2〜3種類程度となる。
上記画像形成装置では、像担持体上に形成されたトナー像を用紙に転写する転写工程があり、トナー像の位置を用紙に正確に合わせることが困難であることなどの理由により、用紙の端部に画像形成が行われない余白領域が存在する。この余白領域ではトナー像が存在しないため、用紙搬送と直交する方向(主走査方向)では、感光体や転写ベルトなどの像担持体の無端移動する表面が用紙表面と直接接触した状態となり、ダメージを受けることになる。同様に、用紙に転写されたトナー像を熱と圧力とにより定着させる定着工程においても、定着ベルト(又はローラ)の無端移動する表面が余白領域の用紙表面と直接接触した状態となり、ダメージを受けることになる。例えば、定着ベルト(又はローラ)の場合、離型性を維持するためにその表面は光沢を持っているが、余白領域の用紙表面と接触する部分は他の部分よりも早く光沢が失われる。光沢が失われた部分では離型性が低下しており、上述したように複数の用紙サイズが通紙されると、大サイズ紙の画像領域中に小サイズ紙の余白領域が含まれることになるため、大サイズ紙の画像上に光沢ムラや汚れとなって現れるという問題が生じる。
このような光沢ムラや汚れの発生時期は、紙種や当該紙幅の通紙枚数によって変化するので、一律に寿命設定することができない。そこで、像担持体や定着ベルト(又はローラ)等の部品表面の光沢変化を検出して適切なタイミングで部品交換を行うことが望まれる。一般に、部材表面の光沢の度合いは、部品表面に照射した光の正反射光強度を検出することによって判定される。しかしながら、光沢検出は対象面に近接した状態で行われるので、170℃前後の表面温度をもつ定着ベルト(又はローラ)やトナー雰囲気である像担持体にそのまま適用することができない。
従来、定着ベルト(又はローラ)やトナー雰囲気である像担持体の表面の光沢の変化を検出可能な画像形成装置として、測距センサの光沢依存性を利用したものが開示されている(特許文献1参照)。この画像形成装置では、用紙の挙動を検出する測距センサを検出対象から離れた所定の位置に配設し、定着ベルト(又はローラ)等の光沢変化を検出している。
しかしながら、上記特許文献1で開示された画像形成装置では、用紙のトナー領域に対応する定着ベルト(又はローラ)の比較的広範囲の領域の光沢変化を検出するものであり、前述の用紙の余白領域に対応した定着ベルト(又はローラ)の微小領域の光沢変化については検出するものではないため、上述したような大サイズ紙の画像上に現れる光沢ムラや汚れという問題は解決されない。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、無端移動表面を有する回転部材から離れた位置で、その回転部材の無端移動表面における微小領域の光沢変化を検出することができる画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、無端移動表面を有する回転部材を備えた画像形成装置であって、前記回転部材の無端移動表面に光を照射する光源と、該無端移動表面で反射された正反射光と拡散光とを受光し両者の光量の大小関係に応じた出力を発生する光検出素子とを有する光学的検出手段と、前記回転部材の無端移動表面と前記光学的検出手段との間の該無端移動表面の近傍における前記光源からの照射光の光路上に設けられた所定の大きさの開口を有する遮光部材と、を備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、回転部材の無端移動表面から離れた位置に光学的検出手段を配置した状態で、光学的検出手段の光源から回転部材の無端移動表面に光を照射すると、その無端移動表面の光沢の程度に応じて無端移動表面で反射される正反射光及び拡散光の光量の大小関係が変化する。従って、無端移動表面で反射された正反射光と拡散光とを受光した光検出素子が両者(正反射光及び拡散光)の光量の大小関係に応じて発生する出力に基づいて、上記回転部材の無端移動表面の光沢の変化を検出することができる。しかも、光学的検出手段の光源からの光は、遮光部材の開口を通して回転部材の無端移動表面の微小領域に照射できるため、その微小領域における光沢の変化を検出することができる。よって、無端移動表面を有する回転部材から離れた位置で、その回転部材の無端移動表面における微小領域の光沢変化を検出することができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置における光学的検出手段を構成する位置検出素子(PSD)の動作原理を示す説明図。 測距センサの検出メカニズムを示す説明図。 測距センサの距離−出力特性を得るための装置の一構成例を示す説明図。 図3の装置によって得られた距離−出力特性の一例を示す図。 光沢度センサによる一般的な光沢度の検出メカニズムを示す説明図。 測距センサによる光沢変化検出のメカニズムについて説明する説明図。 測距センサの出力が検出対象の表面の光沢によってどの程度変化するかを表す距離−出力特性の一例を示すグラフ。 光沢度と測距センサ出力との関係を示すグラフ(黒色サンプル)。 光沢度と測距センサ出力との関係を示すグラフ(白色サンプル)。 検出対象を光路面に垂直な回転軸で傾けた場合の角度−出力特性を得るための装置の一構成例を示す図。 検出対象を光路面に垂直な回転軸で傾けた場合の角度−出力特性を示すグラフ。 検出対象を光路面に平行な回転軸で傾けた場合の角度−出力特性を得るための装置の一構成例を示す図。 検出対象を光路面に平行な回転軸で傾けた場合の角度−出力特性の一例を示すグラフ。 余白部の光沢が失われた状態の定着ベルト表面を測距センサで観測する装置の一構成例を示す斜視図。 図14の装置における観測結果と新品の定着ベルトの観測結果とを比較するグラフ。 測距センサから出射される検出光のビーム径の簡易測定方法について説明するための斜視図。 測距センサを検出対象物の幅方向に移動させ、検出対象物の端部が測距センサの光軸近傍を通過するときの出力変化を求めたグラフ。 スリット(開口)を設けた遮光部材を検出対象物側に配置した装置の一構成例を示す斜視図。 遮光部材自体の光沢度(低光沢度)とスリット幅とによって生じるセンサ出力変化の一例を示すグラフ。 遮光部材自体の光沢度(高光沢度)とスリット幅とによって生じるセンサ出力変化の一例を示すグラフ。 低光沢度の遮光部材を用いた場合のセンサ出力変化をスリット幅との関係で表したグラフ。 高光沢度の遮光部材を用いた場合のセンサ出力変化をスリット幅との関係で表したグラフ。 定着ベルトの表面を測距センサで測定した結果を示すグラフ。 測距センサと遮光部材とを適用した定着装置の概略構成の一例を示す斜視図。 センサユニットを移動させる移動手段と、遮光部材を測距センサから相対移動させる遮光部材移動手段を設けた構成の概略構成斜視図。 検出対象の光沢度の低下を検出して、異常発生を回避しながら運用し、最終的に部品交換を促すシステムの運用フローを示すフローチャート。 図26のセンサ位置の変更を行う際の移動量の算出フローを説明するフローチャート。 検出対象の光沢低下を検出して部品交換を促すシステムの運用フローによって得られるセンサ出力の時系列データを示すグラフ。 用紙をレジストローラ前の搬送部で幅方向に移動させる用紙移動機構の一例を示す概略構成斜視図。 用紙を給紙部で幅方向に移動させる用紙移動機構の一例を示す概略構成上面図。 用紙サイズ(長手方向送りのみ表示)と光沢変化部との関係を示す説明図。 本発明が適用される画像形成装置の一例の概略構成図。 曲率を有する曲面を測距センサで観測した評価実験装置の一例を示す概略構成図。 曲率を有する曲面を測距センサで観測した評価実験の測定結果の一例を示すグラフ。 光沢度が低い場合における平面観測と曲面観測とのセンサ出力差と巻き付け径との関係を測定距離ごとに測定したグラフ。 光沢度が高い場合における平面観測と曲面観測とのセンサ出力差と巻き付け径との関係を測定距離ごとに測定したグラフ。 定着ベルトの曲率を有する巻き付け部に向けて測距センサを配設した場合の定着装置の一例を示す概略構成斜視図。 通紙領域の上部に測距センサを配設した場合の定着装置の概略構成の一例を示す側面図。 測距センサを定着ベルトの掛け渡し部に向けて配設した場合の定着装置の概略構成の一例を示す側面図。 測距センサの位置を調整するために検出する用紙上の画像パターンの一例を示す説明図。(a)はオモテ面である第1面の画像パターンの一例を示を示す説明図。(b)は両面印刷時のウラ面である第2面の画像パターンの一例を示す説明図。 測距センサの位置調整の手順を説明するためのフローチャート。 図37に示す構成において大サイズ紙の剥離挙動の観測の様子を示す説明図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
〔実施形態1〕
図1は、本発明の一実施形態(実施形態1)に係る画像形成装置における光学的検出手段を構成する光検出素子としてのPSD(Position Sensitive Detector)710の動作原理を示す断面図である。なお、光検出素子としては、図示のPSD710のほか、分割型フォト・ダイオードを用いることもできる。
PSD710の基本構造は、高抵抗半導体基板の片面または両面に均一な抵抗層が形成され、抵抗層の両端に信号取り出し用の一対の電極X,Xが設けられたものである。受光面は抵抗層であると同時にPN接合をも形成しており、光起電力効果によって光電流を生成する。
図1に例示するPSD710では、N型高抵抗シリコン基板(I層)710aの表面に、受光面と抵抗層を兼ねたP型抵抗層(P層)710b(例えばP型シリコン半導体からなる抵抗層)が形成されている。P型抵抗層(P層)710bの表面の両端部には、一対の出力電極X,Xが形成されている。また、N型高抵抗シリコン基板(I層)710aの裏面には、N型抵抗層(N層)710c(例えばN型シリコン半導体からなる抵抗層)が形成されている。このN型抵抗層(N層)710cには共通電極が形成されている。基本的な構造は、P型抵抗層(P層)710bを除けばPINフォト・ダイオードと同様の構造をしている。
PSD710にスポット光が入射すると、入射位置には光量に比例した電荷が発生する。この電荷は光電流として抵抗層に到達し、それぞれの電極までの距離に逆比例して分割され、電極X,Xより電流IX,IXとして取り出される。その際、次の(1)式で示すようにIX,IXの大小関係(例えば、両者の差や比)を求めることにより、光強度およびその変化とは無関係に、光の入射位置(重心位置)Xを求めることができる。
Figure 2012185475
図2は、上記PSD等の光検出素子を有する光学的検出手段としての測距センサの検出メカニズムの説明図である。図2において、光学的検出手段としての測距センサ70は、PSD(または分割型フォト・ダイオード)を光検出素子71に利用している。測距センサ70は、このPSD等からなる光検出素子71とLED等からなる光源72とを組み合わせ、更にレンズ73、74などの適切な光学系を用いている。このような構成の測距センサ70は、光検出素子(検出器)71上の光スポット重心位置dと、光源72と光検出素子71との距離B、レンズ74の焦点距離fから、三角測距により、次の(2)式で示すように距離を測定できる。
Figure 2012185475
光検出素子71は、入射光の重心位置がわかる素子であるので、測定したい光以外の光が入ると、期待した出力を行わないことがある。この背景光の問題は、光検出素子71の応答が非常に高速であることと、背景光の変化が通常はゆっくりであることを利用し、測定したい光(測距センサの場合は、LED等の光源の光)を点滅させるなど、光の強さを変調して解決する方法がある。例えば、ある周波数でLEDなどの光源72を点滅させ、その光が検出対象物75の表面で反射した反射光が光検出素子71に入射すると、光検出素子71の出力電流にも光源72を点滅させた周波数で変化する成分が現れる。これを適当なフィルタ回路で抽出することで、背景光がキャンセルできる。
なお、測距センサ70としては、例えばコーデンシ株式会社製の「ORA1S01」という測距センサを使用することができる。この測距センサは、上記と同様な動作をし、例えば17ms毎に距離に対応した電圧値を出力することができる。
図3は、測距センサ70の距離−出力特性を得るための装置の一構成例を示す説明図である。図3の装置において、測距センサ70から距離Lだけ離れた検出対象面に所望の検出対象物75を配し、測距センサ70の出力を観測する。ここでは、検出対象物75として、普通紙の白紙と普通紙に黒ベタ画像を印刷した物との2種類を用意した。
図4は、上記図3で示した装置を用いて測定した結果によって得られた距離−出力特性の一例を示すグラフである。上記(2)式において、光源72と光検出素子71との距離B及び焦点距離fはセンサの設計値であり公表されないので、一般的には、電圧に変換したセンサ出力をV、定数をCとする次の(3)式から実験的に定数Cを求めて、検出距離Lを推定する。(検量線)
Figure 2012185475
上記図4の距離−出力特性から、検出対象によって得られる出力が異なることが分かる。これは、測距センサ70が検出対象物75の光沢の影響を受けていることによる。詳しくは後述する(図6参照)。
図5は、光沢度センサによる一般的な光沢度の検出メカニズムを示す説明図である。光沢度センサ80は、光検出素子(検出器)81として、図2を用いて説明した場合と同様にPSDや分割型フォト・ダイオードが用いられ、LEDなどの光源82を有する。但し、図2を用いて説明した測距センサ70では拡散光を検出していたのに対し、図5に示す光沢度センサ80では正反射光を検出している点が異なる。そして、光沢度センサ80と検出対象物85の検出対象面85aとの距離は、測距センサ70に比べて小さく、その結果、レンズ83、84や光検出素子81の向きに違いが生じる。なお、光沢度センサ80は、距離変動に弱いという特性を有している。
図6は、本実施形態の測距センサ70による光沢変化検出のメカニズムについて説明する説明図である。測距センサ本来の検出メカニズムは、検出対象面75aの拡散光KLを検出することによって検出距離Lを求めるものである(三角測距)。しかし、検出対象面75aの光沢度が大きい場合、拡散光KLに比べて正反射光SLの強度が大きくなり、光検出素子71上では、図中dの位置に重心をもつ入射光(拡散光KL)と、Kの位置に重心をもつ入射光(正反射光SL)が検出される。なお、図5で示した光沢度センサ80に比べて、測距センサ70は検出距離Lが大きいため、光検出素子71やレンズ73、74を傾けなくても正反射光SLが入射可能になっている。その結果、二つの入射光の強度(光量)のバランス(大小関係)によって、検出対象面75aの光沢度が大きい場合はKに近い値が出力され、検出対象面75aの光沢度が小さい場合はdに近い値が出力されることになる。
なお、偏光光を使用すれば正反射光SLと拡散光KLとは偏光方向に違いを生じることから、光検出素子71の前に偏光フィルタを配置すれば、正反射光SLをカットすることが可能ではある。しかし、本実施形態では敢えて両者を検出することを狙っているので、偏光フィルタは設けない。
以上のことから、光沢度センサ80と測距センサ70とを比較してみると、光沢一定を条件として光学系を設計したセンサが測距センサ70であり、距離一定を条件として光学系を設計したセンサが光沢センサ80であると考えることができる。そして、PSDや分割型フォトダイオードは、測距センサ70及び光沢度センサ80のどちらのセンサの受光部(光検出素子)にも使用される検出器である。これらの測距センサ70及び光沢度センサ80の検出特性及び誤差要因を比較すると、次の表1のようになる。
Figure 2012185475
図7は、測距センサ70の出力が検出対象の表面の光沢によってどの程度変化するのかを表す距離−出力特性の一例を示すグラフである。検出対象は白紙面と定着ベルト面(新品)とである。白紙面のときの値は、図4で示したものと同じである。図中の「傾斜条件」とは、測距センサ70を2度傾けた状態の定着ベルト面(新品)出力を表す(詳しくは図11で述べる)。横軸の距離は、測距センサ70と検出対象の表面との距離である。それぞれの距離における出力差ΔVは、光沢変化による出力変化幅すなわちダイナミックレンジを表し、距離によらずほぼ一定である。
図8及び図9はそれぞれ、光沢度と測距センサ70の出力Voとの関係を示すグラフである。光沢度が異なるいくつかのサンプルを用意し、それぞれの光沢度と測距センサ70の出力Voとを対応させたものである。図8のグラフは黒色サンプルの測定結果、図9のグラフは白色サンプルの測定結果の例を示す。光沢度の測定方法については、JIS Z 8741によれば、(鏡面)光沢度の測定は測定角度60[°]を標準とし、10以下の場合は測定角度85[°]を、70を超える場合は測定角度20[°]を適用することになっている。しかし、ここでは、データの連続性を重視して測定角度60[°]で統一している。
測距センサ70の出力Voは、拡散光が検出メカニズムに関係しているため色による差があり、図9に示すように、白色サンプルに対しては約0.1[V]と変化が小さい。一方、黒色サンプルに対しては、図8に示すように、白色の場合よりも大きな変化を示し、少なくとも新品状態のベルトよりも小さい光沢度領域(55以下)では、光沢度に対して直線的に単調変化する。そして、黒色サンプルの場合、光沢度が55以上でセンサ出力Voはほぼ一定となる。これは、拡散光の入射レベルが微弱となり、正反射光の入射が支配的になっていることによる。両者のバランスによってセンサ出力Voが変化する検出メカニズムであるので、どちらか一方が支配的になると距離一定の下でセンサ出力Voも一定になるのである。
図10は、検出対象を光路面に垂直な回転軸で傾けた場合の角度−出力特性を得るための装置の一構成例であり、図11は、その角度−出力特性の一例を示すグラフである。角度の与え方は光軸に対して二つの方向が考えられる。すなわち、光路が成す平面に垂直な回転軸で傾けた場合と、光路が成す平面に平行な回転軸で傾けた場合である。先ず、図10に示すように、光路が成す平面に垂直な回転軸で傾けた場合について説明する。
測距センサ70の検出メカニズムから、正反射光がセンサに最も有効に入射しているとき、センサ出力Voは最小となる。光路に垂直な回転軸で傾けた場合、センサ出力Voの最小領域(=有効入射領域)が距離に対応して移動する。特に検出距離L=50[mm]ではセンサ出力Voの最小領域が角度θ=0[°]から完全にずれている。これは、検出距離Lが小さいために正反射光のピークが測距センサ70の光検出素子71から外れていることが理由である。なお、検出距離L=50[mm]において、角度θ=0[°]のときのセンサ出力Voと角度θ=−2[°]のときのセンサ出力Voとの差δが、図7における「定着ベルト面(新品)」条件と「傾斜条件」との差を表す。
図11から、この測距センサ70を使って角度θ=0[°]で光沢変化を感度良く検出するには、検出距離L≧75[mm]であることが必要である。しかし、測距センサ70を傾ければ、検出距離L=75[mm]であっても正反射光を有効に検出できることも示している。これによって測距センサ70の距離に関する設置可能範囲が近距離側に拡大され、レイアウトの制約により測距センサ70を離すことができず、気流などの冷却手段によって温度上昇を回避する場合にも適用できる。
図12は、光路が成す平面に平行な回転軸で傾けた場合の角度−出力特性を得るための装置の一構成例を示す図であり、図13は、その角度−出力特性の一例を示すグラフである。正反射光は拡散光に比べて指向性が高いので、同じ角度でも検出距離Lに比例して入射位置がずれてくる。その結果、正反射光の最小領域(=有効入射領域)は検出距離Lが大きいほど狭くなる。
図14は、実際に、余白部の光沢が失われた状態の定着ベルト表面を測距センサ70で観測する装置の一構成例を示す斜視図である。また、図15は、その観測結果と新品の定着ベルトの観測結果とを比較するグラフである。定着ベルト26の右端部側の光沢低下領域前部26Fでは右端部からの距離が42[mm]から5[mm]幅で光沢低下がある。また、左端部側の光沢低下領域後部26Rでは左端部からの距離が40[mm]から7[mm]幅で光沢低下がある。これらの光沢低下部では、図15に示すように、センサ出力Voは対応した変化を示している。但し、測距センサ70のビーム径が大きいため、周辺の光沢の影響を受けて裾の広い変化を示す(詳しくは図16、17で述べる)。また、光沢低下部の図中左右で光沢に差があると高光沢の側にピークが移動する。このことは、光沢低下の程度と位置とを正しく検出できないことを意味しており、不都合となる。
図16は、測距センサ70から出射される光のビーム径の簡易測定方法について説明するための斜視図である。また、図17は、測距センサ70を検出対象物75の幅方向に移動させ、検出対象物75の端部が測距センサ70の光軸近傍を通過するときの出力変化を求めたグラフである。また、表2は、図17における各センサ出力Voの変化A〜Dに対応する画像パターンの種類及び上記距離Lを示している。
Figure 2012185475
ここで、センサ出力Voが受光量に比例する場合は、ビーム中心が検出対象物75の端部(この場合ではX=±25[mm])にあるとき約0.5となる。このとき、センサ出力VoをXで微分して得られた波形がビームプロファイルである。そして、そのピーク強度に対して所定の割合となる大きさがビーム径である。
しかし、本実施形態の測距センサ70の場合、PSDの動作原理により出力が受光量と対応しないため、ビーム中心が検出対象物の外側にある状態でも高い出力状態となる。従って、この場合、センサ出力Voから正しいビームプロファイルを得ることはできない。しかし、センサ出力Voが変化を始める位置では、少なくともビームが検出対象物にかかっていることを意味しているので、およそのビーム径を知ることができる。但し、一般にビームプロファイルは釣り鐘型であるので、中心に近いほど光エネルギーが大きく、ビーム端部の寄与は小さい。
センサ出力Voが変化を始める位置と検出対象物の端部位置との差がビーム半径と対応するので、画像パターンや距離によって値が異なるが、今回検出しようとする黒色の対象物ではビーム径が最大約20[mm]であることが分かる。これは、検出しようとする光沢変化領域の幅(約5[mm])よりも大きい。これが、光沢低下の程度と位置とを正しく検出できない理由である。
なお、図17に示すグラフは、測距センサ70のセンサ位置の調整に利用することができる。すなわち、定着ベルト26に巻き付いたり、定着ベルト26から剥離して停止した用紙Pの端部を検出することによって、用紙Pの余白領域に対応した定着ベルト26の表面に光源からの照射光の光軸を合わせるようにセンサ位置の調整を行うことができる。このセンサ位置調整については、後述する(図40,41参照)。
上述した光沢低下の程度と位置とを正しく検出できない理由について、本発明者が鋭意検討した結果、スリット(開口)を設けた遮光部材を検出対象物側に配設することが有効であることがわかった。
図18は、所定の大きさのスリット(開口)を設けた遮光部材を検出対象物側に配置した装置の一構成例を示す斜視図である。図18の構成例では、検出対象物である無端移動表面を有する回転部材としての定着ベルト26の光沢低下領域前部26Fの光沢低下領域に平行なスリット77aを設けた遮光部材77を光路中に配置する。遮光部材77は定着ベルト26の表面に近いことが望ましい。遮光部材77を定着ベルト26表面から離すと、その距離に応じてセンサ出力Voが変化する。その変化量は、図7、8によって決定される。
図19及び図20は、遮光部材自体の光沢度とスリット幅とによって生じるセンサ出力変化の一例を示すグラフである。図19は、遮光部材を光沢度9の低光沢部材で構成した場合のグラフであり、図20は、遮光部材を光沢度100の高光沢部材で構成した場合のグラフである。
図19に示すグラフでは、遮光部材の77のスリット幅Sが大きいものに比べて小さいものの方が、高光沢側でセンサ出力Voが上昇する。そして、測距センサ70が感度を持つ(出力が変化する)光沢領域が、遮光部材無しの場合よりも高光沢側に拡がる。これは、遮光部材77が低光沢であることで、光検出素子71に対する拡散光の入射レベルが上昇するため、正反射光の入射レベル上昇に伴う両者のバランス変化を反映する余裕が増大したことがその理由である。
一方、図20に示すグラフでは、遮光部材77のスリット幅Sが大きいものに比べて小さいものの方が、低光沢側でセンサ出力Voが減少する。
遮光部材77が低光沢と高光沢との何れの場合も、遮光部材77の光沢度に近い領域ではセンサ出力Voの変化が小さい。スリット77aを有する遮光部材77を配設した場合、スリット77aのスリット幅Sや、スリット77aの中心軸と測距センサ70の光軸とのズレなどがセンサ出力Voに影響するが、検出(判別)したい光沢度に近い光沢を持つ部材を遮光部材77に採用することで影響を受けにくくすることができる。すなわち、ベタ画像中の光沢ムラは光沢低下の比較的早い段階で発生するため、遮光部材77を高光沢にすれば安定に予測でき、汚れは光沢低下の遅い段階で発生するため、遮光部材を低光沢にすれば安定に予測できる。
図21及び図22は、センサ出力変化をスリット幅との関係で表したグラフである。図21は、遮光部材77を光沢度9の低光沢部材で構成した場合のグラフであり、図22は、遮光部材77を光沢度100の高光沢部材で構成した場合のグラフである。図21及び図22のグラフでは、いずれもスリット幅Sが小さくなるに従い、ダイナミックレンジ(センサ出力Voの変化幅)が狭くなることが示されている。そして、図21に示すように、遮光部材77が低光沢の場合、低光沢側が安定している(スリット幅に対して変化が小さい)。また、図22に示すように、遮光部材77が高光沢の場合では、高光沢側が安定(スリット幅に対して変化が小さい)。
図23は、検出対象である無端移動表面を有する回転部材としての定着ベルト26の表面を測距センサ70で測定した結果を示すグラフである。
遮光部材77としては、スリット幅Sが5[mm]で、光沢度が9と100との2種類のものを用いた。そして、遮光部材77のスリット77aから定着ベルト26表面の光沢低下部が測定できるように、遮光部材77を固定し、測距センサ70を移動させて測定した(図18参照)。また、遮光部材無しの場合は、遮光部材77を取り外し、測距センサ70を移動させて測定した。
図23中のグラフAが遮光部材77が低光沢の場合、グラフBが遮光部材77が高光沢の場合、グラフCが遮光部材無しの場合を示している。図中の横軸の「位置(端部基準)[mm]」は、図18に示した定着ベルト26の端部からの距離Xに相当する。また、表3は、図23における各センサ出力Voの変化A,Bに対応する遮光部材77の光沢度(測定角度60[°])及びスリット77aの幅S[mm]を示している。
Figure 2012185475
遮光部材77が無い場合は、グラフCで示すように、光沢低下部の左右で光沢に違いがあり、その結果、より高光沢である右側にピークがずれている。一方、遮光部材77が有る場合は、グラフA及びグラフBに示すように、共に周辺の光沢変化部の影響を遮光部材77で除いているため、ピーク位置が光沢低下部の中央にある。グラフBよりもグラフAの方でセンサ出力の変化が小さいのは、光沢低下部の光沢度がグラフAの遮光部材77の光沢度に近いことが理由である。
なお、遮光部材77を固定し、測距センサ70のみを移動させるのではなく、測距センサ70と遮光部材77とを一体的に移動した場合、その変化は、グラフA及びB共に基本的に遮光部材77が無い場合に近い形(波形)となった(不図示)。ただし、センサ出力値は異なる。
ここで、経時では定着ベルト26全体の光沢度が低下しているため、グラフAの方が変化が小さくなる。つまり、低光沢の遮光部材77を用いた方が安定に検出できる。逆に、比較的初期の段階では、定着ベルト26全体の光沢度が高いため、グラフBの方が変化が小さくなる。つまり、高光沢の遮光部材77を用いた方が安定に検出できる。このように、検出する対象(定着ベルト26)の表面の光沢に応じて、遮光部材77の光沢度を選択することにより、安定した検出が可能となる。
図24は、本実施形態の測距センサ70と遮光部材77とを適用した定着装置の概略構成の一例を示す斜視図である。図24において、定着装置25は、定着ベルト26と、定着ベルト26を張架してその表面を無端移動させる一対の加熱ローラ26a,定着ローラ26bと、定着ベルト26を介して定着ローラ26bに圧接する加圧ローラ27とから主に構成されている。これらの加熱ローラ26a、定着ローラ26b及び加圧ローラ27は、定着装置25の図示しない筐体に軸受で回転可能に支持されている。また、定着ベルト26表面の光沢度を検出するセンサユニット78が設けられている。センサユニット78は、測距センサ70と、所定幅のスリット77aを有する遮光部材77と、支持部材79とから構成されている。
定着ベルト26は、基材(ポリイミドフィルム)−弾性層(シリコンゴム)−離型層(PFA)の3層によって構成された無端ベルトである。なお、定着装置25は、定着ベルトを用いないローラ方式であってもよい。定着ベルト26表面は、その温度が170℃前後となるように制御される。一方、本実施形態で用いた測距センサ70は、動作保証温度上限が60℃であるため、定着ベルト26表面から所定の距離Lだけ離して設置する。
センサユニット78は、測距センサ70の検出光が遮光部材77のスリット77aを通って定着ベルト26上のセンサ観測点を検出するように配設されている。定着ベルト26のセンサ観測点が、記録媒体としての用紙の余白領域が接触する部分となるように、ユーザ又はサービスマンが定着装置25の図示しない筐体に手動で固定してもよい。
なお、遮光部材77の光沢度は、予測したい現象によって選択する。すなわち、ベタ画像中の光沢ムラを予測する場合は高光沢部材を、画像汚れを予測する場合は低光沢部材を選択することにより、それぞれの現象を安定に予測することができる。
図24に示すセンサユニット78を用いて定着ベルト26表面の光沢の変化を検出し、その検出結果に基づいて定着ベルト26のダメージを予測することにより、ユーザ又はサービスマンに定着ベルト26の交換を促すことができる。
図24では、センサユニット78が固定配置され、定着ベルト26の所定の箇所を検出する構成となっているが、センサユニット78を定着ベルト26の表面移動方向(用紙搬送方向)と直交する幅方向に移動させて、複数の箇所を検出する構成としてもよい。また、遮光部材77を測距センサ70に対して相対的に移動させてもよい。
図25は、センサユニット78を移動させる移動手段と、遮光部材77を測距センサ70から相対移動させる遮光部材移動手段とを設けた定着装置の概略構成の一例を示す斜視図である。図25において、移動手段90は、センサユニット78の支持部材79をスライド可能に保持するスライドホルダ91、スライドホルダ91を直動可能に支持するリニアガイド軸92aとリニアブッシュ92b、スライドホルダ91を支持しつつ往復運動させるボールネジ93aとボールネジナット93b、ボールネジ93aを回動させるモータ94から構成されている。上記リニアガイド軸92a、ボールネジ93a及びモータ94は、定着装置25の図示しない筐体に支持されている。
上記移動手段90により、センサユニット78を定着ベルト26と所定の距離を保ちながら、用紙搬送方向(表面移動方向)と直交する方向に移動させることにより、後述するように、用紙搬送位置を順次変更して異常発生を回避しながら動作させることが可能となる。
また、上記遮光部材移動手段95は、支持部材79に配設されたソレノイド96で構成されている。ソレノイド96にはプランジャ(可動鉄芯)96aが設けられている。このプランジャ96aは、支持部材79にスライド可能に支持された遮光部材77と接続されており、プランジャ96aの往復移動動作に連動させて遮光部材77をスライドさせる。ソレノイド96はプッシュ式のソレノイドであり、電源オフ時にはプランジャ96aは図示しないスプリングによりソレノイド本体内部に位置している。そして、電源オンによりプランジャ96aはコイルの磁力によりソレノイド本体内部から押し出され、図中一点鎖線で示すように遮光部材77をスライドさせる。
上記遮光部材移動手段95により、遮光部材77を測距センサ70に対して相対移動させることにより、センサ観測領域からスリット77aを退避させ、遮光部材77そのものを観測可能にすることができる。これにより、センサ出力Voの校正を行うことができ、長期的に安定な観測が可能となる。また、その時系列観測値から、測距センサ70の異常や遮光部材77の異常を検出することもできる。
なお、上記遮光部材77を、スリット形成面、低光沢面、高光沢面の3つの面が切り替わるように同一平面内で回転可能に構成し、3ポジション停止制御可能なロータリ式ソレノイドを用いて遮光部材77の停止位置を切り換えてもよい。これにより、測距センサ70の検出光を、スリット形成面、低光沢面又は高光沢面のうちからいずれか1つの検出面を選択して、照射することができる。また、4ポジション停止制御可能なロータリ式ソレノイドを用いることにより、測距センサ70の検出光を、遮光部材77ではなく定着ベルト26表面に対して、直接照射することも可能となる。
図26は、定着ベルト26等の対象の光沢度の低下を検出して、異常発生を回避しながら運用し、最終的に部品交換を促すシステムの運用フローを示すフローチャートである。
図26において、まず、「サイズ別通紙枚数データ取得」を行う(ステップS1)。このスッテプS1は、画像形成装置に格納されている用紙の幅毎の通紙枚数情報を取得するステップである。
次に、「観測対象紙サイズ決定」を行う(ステップS2)。このステップS2は、その時点の通紙枚数と変化データによって最も早く余白部の光沢低下を示すであろう紙サイズ(=観測対象)を決定するステップである。
次に、「センサ位置移動」を行う(ステップS3)。このステップS3は、前記ステップS2で決定された紙サイズの余白位置へセンサを移動するステップである。
次に、「通紙枚数データ取得」を行う(ステップS4)。このステップS4は、センサデータ取得タイミングを判定するため、当該サイズ紙の通紙枚数データを取得するステップである。
次に、「通紙枚数増分≧N?」か否かの判断を行う(ステップS5)。このステップS5は、センサデータ取得タイミングであるかどうかを判定するステップである。ステップS5がNoのとき、すなわち「通紙枚数増分<N」のときは、ステップS4に戻る。
一方、ステップS5がYesのとき、すなわち「通紙枚数増分≧N」のときは、次のステップS6に進み、「センサデータ取得」を行う(ステップS6)。このステップS6は、対象の光沢変化データを取得するステップである。
次に、「V≧K?」の判断を行う(ステップS7)。このステップS7は、センサ出力Vが予め設定された閾値Kを越えたかどうかを判定するステップである。このステップS7がNoのとき、すなわち「V<K」のときは、ステップS4に戻る。
一方、ステップS7がYesのとき、すなわち「V≧K」のときは、次のステップS8に進み、「センサ位置変更」を行う(ステップS8)。このステップS8は、当該サイズ紙の余白位置を変更するために、先行してセンサの位置を変更するステップである。ここでセンサ位置の変更量の決定は、後述する算出フローによる(図27参照)。
ステップS8のセンサ位置の変更後、「K−V≦α?」の判断を行う(ステップS9)。このステップS9は、センサ移動先の検出値Vが閾値Kに対して所定の余裕αが得られているか判定するステップである。センサ移動先の検出値Vは、他サイズ紙の画像領域に対するものである。画像領域も長期的には光沢が徐々に失われていくので、Vが上昇する。その結果、閾値KとVとが近くなる。そうなると、最早余白位置を変更することができなくなるので、ある余裕αを設定して部品交換の判定の基準とする。
このステップS9がNoのとき、すなわち、「K−V>α」のときは、「用紙搬送位置変更」を行う(ステップS10)。このステップS10は、センサの位置変更量だけ当該サイズ紙の搬送位置(横レジスト)を変更するステップである。ステップS10で用紙搬送位置変更を行った後、ステップS1に戻る。
これに対して、ステップS9がYesのとき、すなわち「K−V≦α」のときは、「部品交換要求報知」を行う(ステップS11)。このステップS11は、判定結果に基づいて対象部品の交換を促す報知を行うステップである。このステップS11で報知を行って終了する。
図27は、図26のステップS8でセンサ位置の変更を行う際の移動量の算出フローを説明するためのフローチャートである。
図27において、まず、「用紙幅情報取得」を行う(ステップS101)。このステップS101は、画像形成装置に格納されている用紙のサイズ(主走査方向)情報を取得するステップである。
次に、「前部余裕算出」を行う(ステップS102)。このステップS102は、取得した用紙幅情報に基づいて、その時点でのセンサ位置との余裕を前部について算出するステップである。センサが前側(後側)に移動する場合、より大(小)サイズ紙の余白部に対する余裕を算出する。
次に、「後部余裕算出」を行う(ステップS103)。このステップS103は、取得した用紙幅情報に基づいて、その時点でのセンサ位置との余裕を後部について算出するステップである。センサが前側(後側)に移動する場合、より小(大)サイズ紙の余白部に対する余裕を算出する。
次に、「移動余裕有り?」か否かの判断を行う(ステップS104)。このステップS104は、前記二つのステップS102,103で前側と後側の何れかに移動可能な余裕があるか判定するステップである。
ステップS104がYesのとき、すなわち、「移動余裕有り」のとき、「移動量決定」を行う(ステップS105)。このステップS105は、前側と後側の何れかに移動可能な余裕がある場合、センサの移動量を決定するステップである。このステップS105を行って終了となる。
一方、ステップS104がNoのとき、すなわち、「移動余裕無し」のとき、「部品交換要求報知」を行う(ステップS106)。このステップS106は、前側と後側の何れにも移動可能な余裕が無い場合、対象部品の交換を促す報知を行うステップである。このステップS106を行って終了となる。
図28は、定着ベルト26等の対象の光沢度低下を検出して部品交換を促すシステムの運用フローによって得られるセンサ出力Voの時系列データを示すグラフである。図28に示すように、対象の光沢を表すセンサ出力Voは通紙枚数の増加と共に増大する。そして何もしなければ、やがて当該部位での離型性が低下し、破線で示すように大サイズ紙の画像上の光沢低下、更に汚れに繋がる。そこで閾値Kを設定し、この閾値Kを越えたことが検出されたところで、当該サイズ紙の搬送位置(=センサ位置)を変更する。これを繰り返すことによって、センサ出力(=当該サイズ紙の余白部光沢低下)は実線のような時系列変化を示し、大サイズ紙の画像上の光沢ムラや汚れが長期にわたって回避される。すなわち、定着ベルト又はローラ等の対象とする部品の長寿命化が図られる。しかし、センサ位置変更時の観測値は、画像領域の光沢を表しており、この領域も長期的には光沢低下を示すので、やがて画像領域の光沢低下が閾値Kに近づくことになる。そこで余裕度がある値αより小さくなったときに、対象部品の交換を促すことで、異常画像発生前の適切なタイミングで、部品交換を行うことができる。
次に、用紙を搬送方向と直交する幅方向の位置を移動させて搬送させるための記録媒体搬送位置変更手段としての用紙移動機構について説明する。
図29は、用紙をレジストローラ49前の搬送部で幅方向に移動させる用紙移動機構の一例を示す概略構成斜視図である。図29に示す用紙搬送機構では、レジストローラ49前の搬送部を構成する搬送手段として搬送ローラ対47を上記幅方向に移動させることにより、通紙動作毎に用紙Pの搬送位置を変更する機構である。同時に画像形成位置も変更する。この用紙搬送機構によれば、1枚毎に用紙Pの搬送位置を変更可能であり、変更後の位置精度が高く、画像位置調整も高精度に行えるという利点がある。
図30は、用紙を給紙部で幅方向に移動させる用紙移動機構の一例を示す概略構成上面図である。図30において、給紙部を構成する記録媒体供給部としての給紙カセット44は、画像が形成される用紙Pを収容し用紙供給方向と直交する幅方向における側端部をガイドするガイド部としてのサイドガイド44aと、用紙の後端に当接するエンドフェンス44bとを備える。図30に示す用紙搬送機構は、給紙カセット44全体または用紙位置を決定するサイドガイド44aを移動することで行う。この場合は、用紙サイズを一括して移動可能であるので、1枚毎での変更の必要が無く、高スループットを維持できる。
図31は、用紙サイズ(長手方向送りのみ表示)と光沢変化部の関係を示す説明図である。図31に示す例は、A系列及びB系列の用紙Pのサイズを示しているが、海外では様々なサイズの用紙が使用される。幅方向のサイズに限定してみると、A3長手送りとA4短手送りのように、あるサイズの長手送りとその半分のサイズの短手送りで幅が同一となる。画像形成装置にA3長手送りとA4長手送りの2種類が格納されているとすると、そのサイズは実線の通りであり、それぞれの余白位置では、定着ベルト(又はローラ)26と用紙Pが直接接触する状態となるので、定着ベルト(又はローラ)26の表面には当該位置26c,26dで光沢の低下(離型性の低下)が早く進行する。余白の幅は5[mm]前後であり、やがてA3用紙の画像領域にA4用紙の余白に対応した位置26cに光沢ムラが発生し、その後汚れが発生してしまう。当然のことながら、最大サイズ自身の余白に対応した位置26dは画像に何ら影響を及ぼすことはない。
図32は、本発明を適用可能な画像形成装置の一例の概略構成図である。
図32において、画像形成装置は、画像形成手段としてのプリンタ部100、記録媒体としての転写紙をプリンタ部100に供給する記録媒体供給手段としての給紙装置200、プリンタ部100の上に固定されている画像読取手段としてのスキャナ300などを備えている。また、スキャナ300の上には原稿自動給送装置400が備えられている。
プリンタ部100は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像を形成するための4組のプロセスカートリッジ18からなる画像形成ユニット20を備えている。プリンタ部100は、プロセスカートリッジ18の他に、潜像書込手段としての光書込ユニット21、中間転写ユニット17、二次転写装置22、レジストローラ対49、ベルト定着方式の定着装置25などが配設されている。
光書込ユニット21は、図示しない光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラーなどを有し、画像データに基づいて後述の感光体40の表面にレーザ光を照射する。
プロセスカートリッジ18は、像担持体としてのドラム状の感光体40、感光体40の表面を帯電する帯電手段としての帯電装置、感光体40に形成された潜像を現像する現像手段としての現像装置、感光体40の表面をクリーニングする像担持体クリーニング手段としてのドラムクリーニング装置、感光体40の表面を除電する除電手段としての除電器などを有している。
帯電装置によって、感光体40の表面は一様帯電される。帯電処理が施された感光体40の表面には、光書込ユニット(露光装置)21によって変調及び偏向されたレーザ光が照射される。これにより、照射部(露光部)の感光体40の表面の電位が減衰する。この表面の電位の減衰により、感光体40表面にY用の静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、現像装置によって現像されてトナー像となる。感光体40上に形成されたトナー像は、後述の中間転写体としての中間転写ベルト10に一次転写される。一次転写後の感光体40の表面は、ドラムクリーニング装置によって転写残トナーがクリーニングされる。また、プロセスカートリッジ18において、ドラムクリーニング装置によってクリーニングされた感光体40は、除電器によって除電される。そして、帯電装置によって一様帯電されて初期状態に戻る。以上のような一連のプロセスは、他のプロセスカートリッジ18についても同様に行われる。
次に、中間転写ユニット17について説明する。
中間転写ユニット17は、中間転写体としての中間転写ベルト10、中間転写ベルト10の表面をクリーニングする中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置などを有している。また、中間転写ユニット17は、張架ローラ14、駆動ローラ15、二次転写バックアップローラ16、4つの一次転写バイアスローラ62なども有している。
中間転写ベルト10は、所定の張力を有するように張架ローラ14を含む複数のローラによってテンション張架されている。そして、図示しないベルト駆動モータによって駆動される駆動ローラ15の回転により、中間転写ベルト10は図中時計回りに無端移動する。
一次転写バイアスローラ62はそれぞれ、中間転写ベルト10の内周面側に接触するように配設され、図示しない電源から一次転写バイアスの印加を受ける。また、中間転写ベルト10をその内周面側から感光体40に向けて押圧してそれぞれ一次転写ニップを形成する。各一次転写ニップには、一次転写バイアスの影響により、感光体40と一次転写バイアスローラ62との間に一次転写電界が形成される。感光体40上に形成されたトナー像(例えば、イエロー)は、この一次転写電界やニップ圧の影響によって中間転写ベルト10上に一次転写される。このトナー像の上には、他の色用の感光体40上に形成されたトナー像(例えば、マゼンタ、シアン、ブラック)が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト10上には多重トナー像たる4色重ね合わせトナー像(以下、「4色トナー像」という。)が形成される。
中間転写ベルト10上に重ね合わせ転写された4色トナー像は、後述の二次転写ニップで図示しない記録媒体としての転写紙に二次転写される。二次転写ニップ通過後の中間転写ベルト10の表面に残留する転写残トナーは、図中左側の駆動ローラ15との間にベルトを挟み込むベルトクリーニング装置によってクリーニングされる。
次に、二次転写装置22について説明する。
中間転写ユニット17の図中下方には、2本の張架ローラ23によって紙搬送ベルト24を張架している二次転写装置22が配設されている。紙搬送ベルト24は、少なくとも何れか一方の張架ローラ23の回転駆動に伴って、図中反時計回りに無端移動する。2本の張架ローラ23のうち、図中右側に配設された一方の張架ローラ23すなわち転写紙搬送方向の上流側に配設された上流側の張架ローラ23は、中間転写ユニット17の二次転写バックアップローラ16との間に、中間転写ベルト10及び紙搬送ベルト24を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ユニット17の中間転写ベルト10と、二次転写装置22の紙搬送ベルト24とが接触する二次転写ニップが形成されている。そして、上記一方の(上流側の)張架ローラ23には、トナーと逆極性の二次転写バイアスが図示しない電源によって印加される。この二次転写バイアスの印加により、二次転写ニップには中間転写ユニット17の中間転写ベルト10上の4色トナー像をベルト側から上記一方の(上流側の)張架ローラ23側に向けて静電移動させる二次転写電界が形成される。後述のレジストローラ対49によって中間転写ベルト10上の4色トナー像に同期するように二次転写ニップに送り込まれた転写紙には、上記二次転写電界やニップ圧の影響を受けた4色トナー像が二次転写される。なお、上記一方の(上流側の)張架ローラ23に二次転写バイアスを印加する二次転写方式に代えて、転写紙を非接触でチャージさせるチャージャを設けてもよい。
画像形成装置本体の下部に設けられた給紙装置200には、内部に複数の転写紙を紙束の状態で複数枚重ねて収容可能な給紙カセット44が、鉛直方向に複数重なるように配設されている。それぞれの給紙カセット44は、紙束の一番上の転写紙に給紙ローラ42を押し当てている。そして、給紙ローラ42を回転させることにより、一番上の転写紙が給紙路46に向けて送り出される。
給紙カセット44から送り出された転写紙を受け入れる給紙路46,48は、複数の搬送ローラ対47と、給紙路48内の末端付近に設けられたレジストローラ対49とを有している。そして、転写紙をレジストローラ対49に向けて搬送する。レジストローラ対49に向けて搬送された転写紙は、レジストローラ対49のローラ間に挟まれる。一方、中間転写ユニット17において、中間転写ベルト10上に形成された4色トナー像は、ベルトの無端移動に伴って二次転写ニップに進入する。レジストローラ対49は、ローラ間に挟み込んだ転写紙を二次転写ニップにて4色トナー像に密着させ得るタイミングで送り出す。これにより、二次転写ニップでは、中間転写ベルト10上の4色トナー像が転写紙に密着する。そして、転写紙上に二次転写されて、白色の転写紙上でフルカラー画像となる。このようにしてフルカラー画像が形成された転写紙は、紙搬送ベルト24の無端移動に伴って二次転写ニップを出た後、紙搬送ベルト24上から定着装置25に送られる。
定着装置25は、定着ベルト26を2本のローラによって張架して無端移動させるベルトユニットと、このベルトユニットの一方のローラに向けて押圧される加圧ローラ27とを備えている。定着ベルト26と加圧ローラ27とは互いに当接して定着ニップを形成しており、紙搬送ベルト24から受け取った転写紙をここに挟み込む。ベルトユニットにおける2本のローラのうち、加圧ローラ27から押圧される方のローラは、内部に図示しない熱源を有しており、この熱源の発熱によって定着ベルト26を加熱する。加熱された定着ベルト26は、定着ニップに挟み込まれた転写紙を加熱する。この加熱やニップ圧の影響により、フルカラー画像が転写紙に定着される。
定着装置25内で定着処理が施された転写紙は、プリンタ筐体の図中左側板の外側に設けたスタック部57上にスタックされるか、もう一方の面にもトナー像を形成するために上述の二次転写ニップに戻されるかの何れかの搬送形態が選択される。
図示しない原稿のコピーがとられる際には、例えばシート原稿の束が原稿自動搬送装置400の原稿台30上セットされる。但し、その原稿が本状に閉じられている片綴じ原稿である場合には、コンタクトガラス32上にセットされる。このセットに先立ち、複写機本体に対して原稿自動搬送装置400が開かれ、スキャナ300のコンタクトガラス32が露出される。この後、閉じられた原稿自動搬送装置400によって片綴じ原稿が押さえられる。このようにして原稿がセットされた後、図示しないコピースタートスイッチが押下されると、スキャナ300による原稿読取動作がスタートする。一方、原稿自動搬送装置400にシート原稿がセットされた場合には、この原稿読取動作に先立って、原稿自動搬送装置400がシート原稿をコンタクトガラス32まで自動移動させる。原稿読取動作では、まず、第1走行体33と第2走行体34とがともに走行を開始し、第1走行体33に設けられた光源から光が発射される。そして、原稿面からの反射光が第2走行体34内に設けられたミラーによって反射され、結像レンズ35を通過した後、読取センサ36に入射される。読取センサ36は、入射光に基づいて画像情報を構築する。
このような原稿読取動作と並行して、各プロセスカートリッジ18内の各装置や、中間転写ユニット17、二次転写装置22、定着装置25がそれぞれ駆動を開始する。そして、読取センサ36によって構築された画像情報に基づいて、光書込ユニット(露光装置)21が駆動制御され、各感光体40上に各色トナー像が形成される。これらトナー像は、中間転写ベルト10上に重ね合わせ転写された4色トナー像となる。
また、原稿読取動作の開始とほぼ同時に、給紙装置200内では給紙動作が開始される。この給紙動作では、給紙ローラ42の1つが選択回転せしめられ、ペーパーバンク43内に多段に収容される給紙カセット44の1つから転写紙が送り出される。送り出された転写紙は、分離ローラ45で1枚ずつ分離されて給紙路46に進入した後、搬送ローラ対47によって二次転写ニップに向けて搬送される。このような給紙カセット44からの給紙に代えて、手差しトレイ51からの給紙が行われる場合もある。この場合、手差し給紙ローラ50が選択回転せしめられて手差しトレイ51上の転写紙を送り出した後、分離ローラ52が転写紙を1枚ずつ分離してプリンタ部100の手差し給紙路53に給紙する。
画像形成装置は、2色以上のトナーからなる多色画像を形成する場合には、中間転写ベルト10をその上部張架面がほぼ水平になる姿勢で張架し、その上部張架面に全ての感光体40を接触させる。これに対し、黒トナーのみからなるモノクロ画像を形成する場合には、図示しない機構により、中間転写ベルト10を図中左下に傾けるような姿勢にして、その上部張架面を図中左側から3つの感光体40(イエロー、マゼンタ、シアン)から離間させる。そして、4つの感光体40のうち、図中最も右側の黒用の感光体40だけを図中反時計回りに回転させて、黒トナー像だけを作像する。この際、他の色については、感光体40だけでなく、現像装置4も駆動を停止させて、感光体40や現像装置4の各部材及び現像装置4内のトナーと磁性キャリア(以下「キャリア」という。)とを含む二成分現像剤(以下「現像剤」という。)の不要な消耗を防止する。
画像形成装置は、本体内の各機器の制御を司るCPU等から構成される図示しない制御手段としての制御部と、液晶ディスプレイや各種キーボタン等などから構成される図示しない操作表示部とを備えている。操作者は、この操作表示部に対するキー入力操作により、制御部に対して命令を送ることで、転写紙の片面だけに画像を形成するモードである片面プリントモードについて、例えば3つのモードの中から1つを選択することができる。この3つの片面プリントモードとは、ダイレクト排出モードと、反転排出モードと、反転デカール排出モードとからなる。
図32の画像形成装置において、用紙の搬送方向両端部の画像が形成されない余白領域に対応する定着ベルト26(またはローラ)や中間転写ベルト10の表面状態(光沢)変化が検出可能になるので、光沢ムラや汚れが生じる前に交換を報知することができる。また、用紙の搬送方向と直交する幅方向の位置を移動させて用紙を搬送して、上記余白領域に対応する定着ベルト26(またはローラ)や中間転写ベルト10の表面をずらすことにより、定着ベルト26(またはローラ)や中間転写ベルト10の交換時期を遅らせて寿命を延ばすことができる。なお、上記報知手段としては、例えば、図示しない操作パネルに部品交換のメッセージを表示したり、アラーム音を鳴らしたりすることにより、ユーザやサービスマンに報知する。
また、本実施形態の画像形成装置においては、定着部のような高温環境や転写部のような粉塵環境で、離れた場所にセンサを配置できるので、温度や粉塵の影響を回避することもできる。
〔実施形態2〕
次に、本発明の他の実施形態(実施形態2)について説明する。
上記実施形態1では、遮光部材77を備えた画像形成装置について説明したが、測距センサ70の検出光のビーム径が遮光部材77のスリット77aの幅よりも小さければ遮光部材77を設けずに定着ベルト26表面の光沢度の測定が可能である。例えば、用紙Pの余白部に対応する定着ベルト26表面の余白対応領域の幅が5[mm]のとき、定着ベルト26表面に照射される検出光のビーム径をφ4[mm]となるように測距センサ70の光学系を設定しておくことで、遮光部材77を設けずに光沢度を測定することが可能となる。
また、上記実施形態1では、上述したように、JIS Z 8741で示される光沢度の測定原理から、検出対象は平面であることが想定されているため、定着ベルト26が平面状態となる位置で光沢度の測定を行った。しかし、定着ベルト26が平面状態となる位置は、定着ローラ26bと加熱ローラ26aとの間で掛け渡される部分に限られ、観測可能な領域に制約がある。また、定着ベルトを用いないローラ定着の場合は、平面となる部分が存在しないので、このままでは光沢度の測定が難しい。このため、測距センサの設置箇所の自由度を上げるため、ローラ巻き付け部などの曲率を有する曲面で光沢度の測定ができることが望ましい。
そこで、本実施形態2では、遮光部材77を設けない構成を採用するとともに、本発明者らによる実験及び検討結果に基づき、曲率を有する曲面で光沢度を測定できるように光学的検出手段を構成した。
まず、測距センサ70で曲率を有する曲面の光沢度の測定ができるか否かについて評価した本発明者らによる評価実験について説明する。
図33は、曲率を有する曲面を測距センサで観測した評価実験装置の概略構成の一例を示す説明図である。また、図34は、図33の評価実験装置を用いた評価実験による測定結果の一例を示すグラフである。
図33に示すように、所定の光沢度を有する検出対象100を巻き付け径2Rの円筒101に貼付し、距離Lだけ離れた位置から測距センサ70で観測し、その出力を得た。そして、測距センサ70のX方向(図中上下方向)の位置を変化させ、センサ出力Voの変化を求めた。ここで、測距センサ70をX方向に変化させたとき、測距センサ70と検出対象100との距離Lは円筒101の曲率分だけ変化(増大)するが、ここではその変化は無視し、公称値Lで統一表記する。
図34に示すグラフは、図33の評価実験装置において、距離L=75[mm]および巻き付け径2R=74.4[mm]の条件下で、光沢度が9と48との2種類の検出対象100に対する測定結果を表している。また、計算値は、測距センサ70としての検量線データ(図4参照)から算出した推定値である。低光沢時(光沢度9)の変化が計算値と一致せず右上がりなのは、拡散反射の不完全さを表し、正反射の影響を反映していることによる。
図34のグラフ中、A点は、PSD上の遠隔検出側端部に正反射光が入射している状態を表す。B点は、拡散光と正反射光とが同一の光路を形成しPSDの同位置に入射している状態を表す。C点は、PSD上の近接検出側端部に正反射光が入射している状態を表す。また、A点とC点との間の範囲Dは、PSD上を正反射光が移動する範囲を表す。
図34の結果と平面を検出対象としたときの結果との比較から、光沢変化を検出可能なセンサ位置はA点であり、A点での光沢度変化に対する測距センサ出力Voの変化の範囲ΔVが求めるセンサ出力範囲を表す。すなわち、X=Aとなるように測距センサ70を配置すれば、曲率を持った曲面に対して、光沢度が低い場合(光沢度9)と高い場合(光沢度48)とで、最も大きなセンサ感度を得ることができる。
なお、図33から、A点は半径Rの円の中心からセンサ面へ下ろした垂線からのオフセット量で定義される。
また、C点においても光沢変化に対応するセンサ出力変化が得られており、この位置でも光沢変化検出が可能である。この場合は、高光沢出力>低光沢出力となっており、A点の場合とは逆で、センサ出力Voは高光沢であるほど大きくなる。
図35及び図36は、上記A点におけるセンサ出力が平面観測時のセンサ出力を基準としてどれだけ変化するのかについて、低光沢(図35)と高光沢(図36)とに分けて、巻き付け径2Rとの関係で距離L別に表したものである。図35及び図36の横軸は巻き付け径(2R)であり、縦軸は上記A点におけるセンサ出力Voa[V]と平面観測時のセンサ出力Vof[V]との出力差ΔVo[V](=Voa−Vof)である。
図35及び図36の結果から、低光沢でのセンサ出力差ΔVoが小さいほど、また高光沢でのセンサ出力差ΔVoが大きいほど、低光沢と高光沢との間のセンサ出力Voの変化幅(以下「センサ出力幅」という。)が小さくなることがわかる。
例えば、観測する定着ベルト巻き付け径(2R)がφ90[mm]であるとすると、距離L=75[mm]の場合、図35の低光沢でのセンサ出力差ΔVoが−0.01[V]、図36の高光沢でのセンサ出力差ΔVoは0.02[V]である。この場合、低光沢と高光沢との間のセンサ出力幅はおよそ0.03[V]である。一方、距離L=100[mm]の場合、図35の低光沢でのセンサ出力差ΔVoは−0.03[V]、図36の高光沢でのセンサ出力差ΔVoは0.02[V]である。この場合、低光沢と高光沢との間のセンサ出力幅はおよそ0.05[V]である。。これらのセンサ出力幅は、平面観測時の約10%減であり、センサ出力幅は狭くなるが、ベルト巻き付け部で光沢変化を検出可能であることがわかる。
ここで、センサ出力幅とは、同一の曲率を有する検出対象に対して同一の検出距離において、光沢度が大きい高光沢のセンサ出力と光沢度が小さいとき低光沢のセンサ出力との差であり、このセンサ出力幅が大きいほど光沢に対する検出精度が高いことになる。
次に、本実施形態2に係る画像形成装置の構成例について説明する。
図37は、定着ベルト26の曲率を有する巻き付け部に向けて測距センサ70を配設した場合の定着装置25の概略構成の一例を示す斜視図である。図示の例では、測距センサ70は、用紙Pの排出側の斜め下方から定着ベルト面を観測するように配設されている。これにより、検出光の光路中を用紙Pが通過することになるため、上記移動手段90等を用いて測距センサ70を定着ベルト26の無端移動方向と交差する幅方向に移動させて用紙Pの側端部を検出することにより、検出したい用紙サイズの端部の余白領域に対応した定着ベルト26の表面を観測できるように、センサ位置を正確に調整することができる。また、用紙Pの側端部を検出するとき、背景が高光沢の定着ベルト26であるため、用紙端部でのセンサ出力差が大きく現れ、用紙端部の検出を容易に行うことができる。
また、測距センサ70で用紙端部の検出を行う際に、定着ローラ26bの図示しない駆動モータの回転を停止させて用紙Pの搬送を停止させるように、図示しない制御部などの制御手段を制御している。これにより、測距センサ70による用紙Pの側端部の検出時間を十分に確保することができ、正確なセンサ位置の調整が可能となる。
また、測距センサ70の本体を検出方向と平行な所定の軸を中心として90度回転可能な構成とすれば、より大サイズの用紙Pの剥離挙動を観測することができる。この剥離挙動については、後で詳述する(図42参照)。
測距センサ70は、定着ベルト26で用紙Pを搬送していないタイミングで、定着ベルト26の用紙端部位置26eの内側(ベルト幅に対して中央寄り)の余白対応領域の光沢度を観測する。この余白対応領域の幅は、例えば5[mm]である。一方、定着ベルト26の表面における検出光のビーム径は、余白対応領域の幅よりも小さい径、例えばφ4[mm]となるように光学系が設定されている。
光沢度の観測にあたって、定着ベルト26は定着ローラ26bの表面に密着して掛け渡されているため、測距センサ70と定着ベルト26との間の距離が安定し、ベルトの波打ちやカールによる距離変動に伴うセンサ出力Voの不安定性を回避することができる。このように、曲率を持った曲面であっても光沢変化が検出できるので、定着ベルトを用いないローラ定着装置であっても適用可能となる。
図38は、通紙領域の上部に測距センサ70を配設した場合の定着装置25の概略構成の一例を示す側面図である。図示の例では、測距センサ70の検出光は定着ローラ26bに掛け渡された定着ベルト26を観測するが、上記図37で示した構成と異なり、その光路中を用紙Pは通過しない。このため、測距センサ70で用紙Pの側端部を検出するために、測距センサ70を90度回転させて用紙通過領域に向けることができるように、図示しない回転機構などの検出方向切換手段が設けられている。また、定着後の用紙Pを搬送するための搬送ガイド部材102が設けられている。
測距センサ70を用紙通過領域に向けてセンサ位置の調整を行う場合において、用紙Pを停止させた場合、用紙Pは搬送ガイド部材102上で停止する。測距センサ70の位置調整を行う際に、搬送ガイド部材102の搬送面の光沢度が大きい方が、用紙端部でのセンサ出力差が大きく現れるので位置調整が容易となる。一般的に、搬送ガイド部材は表面が黒色であるが、表面状態が粗く低光沢であることが多い。そこで、本実施形態に係る搬送ガイド部材102は、表面加工して光沢度を高くしたり、金属などの鏡面を有する高光沢部材を用いたりすることにより、光沢度を高くしている。このように、測距センサ70の検出方向を切り換えることにより、測距センサ70を用紙搬送路である通紙領域の上部に設けた場合であっても、用紙端を検出してセンサ位置調整を行うことができる。
図39は、測距センサ70を定着ベルト26の掛け渡し部に向けて配設した場合の定着装置25の概略構成の一例を示す側面図である。図示の例では、定着ベルト26の掛け渡し部に対して用紙搬送路の下側に測距センサ70を配設したので、光路中を用紙Pが通過し、検出したい用紙サイズの端部にセンサ位置を調整することができる。なお、図39の構成例において、測距センサ70の検出光が照射される定着ベルト26の表面付近に遮光部材を設けてもよい。この場合、測距センサ70と遮光部材とを一体的に構成しなくてもよく、センサ位置と遮光部材の位置とを独立に調整できるように構成することにより、用紙端に対するセンサ位置の調整を行った後で、測距センサに対する遮光部材の位置調整を行うことにより、位置調整を行うことができる。
図40は、測距センサの位置を調整するために検出する用紙上の画像パターンの一例を示している。図40(a)はオモテ面である第1面の画像パターン、図40(b)は両面印刷時のウラ面である第2面の画像パターンである。前述の図37〜39に示した構成では、図17に示すような端部検出特性によって、白紙であっても位置調整が可能である。しかし、用紙上に画像形成を行い余白領域を明示することによって、余白領域に精度良く位置を合わせることができるようになる。
図40(a)に示した画像パターンは、用紙Pの第1面の両端部側にそれぞれ余白領域Paを開けて形成された正方形のベタ画像パターンPbである。余白領域Paの幅は、例えば5[mm]に設定されている。図38に示した構成では、定着通過後に用紙Pの搬送を停止することによって測距センサ70が余白領域Paとベタ画像パターンPbとを検出できるようになる。測距センサ70によるセンサ出力Voは、余白領域Paとベタ画像パターンPbとで大きく異なるので、測距センサ70をベタ画像パターンPbから余白領域Paを検出するように移動させると、検出光がベタ画像パターンPbから余白領域Paの検出に切り替わったことが容易にわかる。この位置で測距センサ70を停止させることによりセンサ位置を正確に調整することができる。また、ベタ画像パターンPbから余白領域Paにセンサ出力Voが変化した位置と、余白領域Paから用紙Pの端部にセンサ出力Voが変化した位置(用紙Pの外側を検出した位置)との中間位置にセンサ位置を設定調整してもよい。これにより、余白領域Paの幅方向の中心位置にセンサ位置を調整することができる。
一方、図37及び図39に示した構成では、両面通紙とし、第1面の両端部にベタ画像パターンPbを形成して定着装置25を通過した後に反転装置に送り、用紙Pを再度定着装置25に送って、所定の位置で停止させて第1面がセンサ側に向くようにする。第1面に形成されたベタ画像パターンPbと余白領域Paとを測距センサ70で検出することにより、図38を用いて説明したのと同様の方法により、測距センサ70の位置調整を行うことができる。
また、図40(b)に示した画像パターンは、両面印刷時のウラ面である第2面の先端部に形成されたベタ画像パターンPcであり、定着ベルト26と加圧ローラ27との間に形成される定着ニップを通過した直後の用紙Pの先端部を定着ベルト26に巻き付かせるための画像パターンである。図37に示した構成では、用紙Pの先端部が定着ニップを通過した直後に用紙Pを停止させると、ベタ画像パターンPcのトナーにより用紙Pの先端部が定着ベルト26に付着して巻き付いた状態で停止させることができる。これにより、測距センサ70と用紙Pとの距離が一定に保たれるので、第1面に形成されたベタ画像パターンPbや余白領域Paを検出する測距センサ70の検出精度が向上する。よって、測距センサ70の位置調整をより正確に行うことができる。測距センサ70の位置調整後に用紙Pの搬送を再開すると、用紙Pの先端部は定着ベルト26の曲率によりベルト表面から剥離して搬送され、スタック部57にスタックされる。
これに対して図39に示した構成では、定着ニップよりも定着ベルト26の無端移動方向上流側で用紙Pの第1面のベタ画像パターンPbを測距センサ70で検出する構成のため、用紙Pを定着ベルト26に巻き付かせる必要がなく、用紙Pの第2面は白紙の状態でよい。
図41は、本実施形態2に係る測距センサ70の位置調整の手順の一例を説明するためのフローチャートである。
図41において、まず、「通紙開始」を行う(ステップS1)。このステップS1は、センサ位置調整モードを選択し通紙を開始するステップである。センサ位置調整モードは、製造工程やフィールドの保守要員によって実行されるモードであり、画像形成条件や動作が異なる。また、搬送上の不具合を回避するために紙厚を検出し規格外の用紙を遮断する機能を持つ画像形成装置では、定着装置で意図的に用紙の巻き付きジャムを発生させる場合、その機能を無効に設定しておく。
次に、「画像形成」を行う(ステップS2)。このステップS2は、センサ位置調整用の画像パターンを形成するステップである。用紙Pのオモテ面である第1面にセンサ位置調整用の画像が形成される。特に、図37で示した構成の場合には、第1面の画像を定着した後、両面印刷により用紙Pのウラ面である第2面に巻き付き発生用の画像を形成する。このとき、巻き付き対象となる部位では、裏面通紙時に巻き付き発生用の条件設定がされる。例えば、画像は先端部にベタ画像を形成する条件設定がされる。また、定着装置では線速を低下させ、定着温度を上昇させる条件設定がされる。
次に、「停止」を行う(ステップS3)。このステップS3は、用紙Pを定着装置25で停止させるステップである。用紙Pの第1面が測距センサ70に向くようにして停止させる。特に、図37で示した構成の場合には、用紙Pが定着ニップを所定量通過して定着ベルト26に巻き付いた状態で停止させる。
次に、「センサ位置調整」を行う(ステップS4)。このステップS4は、停止した用紙Pの第1面に形成された余白領域Paを検出して、測距センサ70の位置を調整するステップである。特に、図37で示した構成の場合には、上述したように定着ベルト26に巻き付いた用紙Pの余白領域Paを検出して、測距センサ70の位置を調整する。測距センサ70が定着ベルト26に対して図34中のA点に対応する位置にある場合には、測距センサ70のビームが有効に余白領域にあるとき、センサ出力Voは最大を示す(ただし、測距センサ70が定着ベルト26に対して図34中のC点に対応する位置にある場合には、センサ出力Voは最小となる)。
最後に、「用紙除去」を行う(ステップS5)。このステップS5は、測距センサ70の位置調整後、停止して残っている用紙Pを取り除くステップである。用紙Pの搬送を再開すれば用紙は除去されて、スタック部57に排出される。
ここで、上記定着ベルト26は、使用による経時劣化や付着トナーの影響などにより、通常の画像形成時において、定着ニップを通過した用紙Pが定着ベルト26から剥離され難くなって挙動が不安定になり、巻き付いてジャムが発生するおそれがある。そこで、測距センサ70を用いて用紙Pの搬送方向の変位を検出することにより、用紙Pの定着ベルト26への巻き付きの発生を予測してもよい。
図37に示す構成において、測距センサ70は、定着ベルト26表面の光沢度の検出に加えて、その測距機能を用いて、定着ニップを通過した用紙Pとの間の距離を測定することができる。定着ニップを通過した後の用紙Pが定着ベルト26から剥離し難くなると、用紙Pの先端部が定着ベルト26から剥離する位置が、定着ニップに対して定着ベルト26の無端移動方向下流側の遠い位置に徐々に移っていく。すると、定着ニップを通過した直後の用紙Pの先端部が、通常の搬送方向の位置から変位し、測距センサ70との距離が徐々に大きくなっていく。この距離が所定の大きさを超えたときに巻き付き予測のアラームを発するように構成しておき、定着ベルトの交換を促すことにより、用紙Pの定着ベルト26への巻き付きによるジャムの発生を防止することが可能となる。
ここで、定着ベルト26からの用紙Pの剥離挙動は大サイズ紙ほど不安定になりやすいので、大サイズ紙の剥離挙動を観測して巻き付き発生を予測するのが好ましい。
図42は、図37に示す構成において、容易に大サイズ紙の剥離挙動を観測して巻き付き発生を予測する一例の概略構成説明図である。図42に示すように、光沢変化を検出する用紙サイズよりも大きいサイズの用紙の剥離挙動(搬送方向における通常の搬送経路との変位)を検出できるように、センサの検出面の向きを変えずにセンサ本体を90度回転させる検出位置変更手段としての図示しない回転機構を設けた。例えば、測距センサ70の位置をA4サイズ縦送りの余白領域に対応する部分の定着ベルト26表面の光沢変化を検出する位置に調整しておいた場合、ソレノイドとリンク機構とにより構成された回転機構を用いて、センサ本体を検出方向と平行な所定の軸を中心として90度回転させることにより、A4サイズより外側の領域を通過するB4サイズやA3サイズの用紙の剥離挙動を検出することができる。このように、センサ本体を回転させるだけで、小サイズ紙の光沢度の検出と、大サイズ紙の剥離挙動の検出とを容易に切り換えることができ、大サイズ紙の定着ベルト26への巻き付きによるジャムの発生を防止することが容易となる。
なお、上記実施形態において、測距センサ70は、B4サイズの用紙の余白領域に対応する部分の定着ベルト26表面まで検出できるように位置調整が可能であるが、最大通紙サイズであるA3サイズの用紙の余白領域に対応する部分の定着ベルト26表面を検出する位置まで移動することはできない場合がある。この場合は、A3サイズの用紙の余白領域に対応する部分の定着ベルト26表面の光沢変化を検出することはできないが、測距センサ70のセンサ本体を回転させることにより、A3サイズの用紙の定着ベルト26からの剥離挙動を検出することはできるようになる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
無端移動表面を有する定着ベルト26などの回転部材を備える画像形成装置であって、回転部材の無端移動表面に光を照射する光源72などの光源と当該無端移動表面で反射された正反射光と拡散光とを受光し両者の光量の大小関係に応じた出力を発生する光検出素子71などの光検出素子とを有する測距センサ70などの光学的検出手段と、回転部材の無端移動表面と光学的検出手段との間の無端移動表面の近傍における光源からの照射光の光路上に設けられた所定の大きさのスリット77aなどの開口を有する遮光部材77などの遮光部材と、を備える。これよれば、上記実施形態1について説明したように、回転部材の無端移動表面から離れた位置に光学的検出手段を配置した状態で、光学的検出手段の光源から回転部材の無端移動表面に光を照射すると、その無端移動表面の光沢の程度に応じて無端移動表面で反射される正反射光及び拡散光の光量の大小関係が変化する。従って、無端移動表面で反射された正反射光と拡散光とを受光した光学的検出手段が両者(正反射光及び拡散光)の光量の大小関係に応じて発生する出力に基づいて、回転部材の無端移動表面の光沢の変化を検出することができる。しかも、光学的検出手段の光源からの光は、遮光部材の開口を通して回転部材の無端移動表面の微小領域に照射できるため、その微小領域における光沢の変化を検出することができる。よって、無端移動表面を有する回転部材から離れた位置で、その回転部材の無端移動表面における微小領域の光沢変化を検出することができる。
また、光学的検出手段は、光検出素子が回転部材の無端移動表面で反射した正反射光と拡散光とを受光し、これら正反射光と拡散光とのそれぞれの受光光量に基づいて表面の光沢度に応じた出力値を出力する。回転部材が新しい場合には光沢度が高いため、回転部材の無端移動表面における記録媒体の搬送方向両端部の画像が形成されない余白領域に対応した表面部分で反射する検出光は、拡散光に比べて正反射光の光量が大きい。これに対して、回転部材の使用により、回転部材の無端移動表面における余白領域に対応した表面部分の光沢が徐々に失われていくと、拡散光の光量が増えて正反射光の光量が減少していく。以上により、光検出素子は、拡散光と正反射光との受光光量に基づいて、記録媒体の搬送方向両端部の画像が形成されない余白領域に対応した回転部材の無端移動する表面の光沢度に応じた出力値を出力することができる。
(態様B)
上記態様Aにおいて、遮光部材の開口は、光源からの照射光のビーム径よりも小さい。これよれば、上記実施形態1について説明したように、回転部材の無端移動表面における上記余白領域に対応した部分の幅が、光源から照射される光のビーム径よりも小さい場合、その照射光は、回転部材の無端移動表面における上記余白領域に対応した部分以外の表面にも照射されてしまうため、検出精度が低下してしまう。よって、遮光部材で、検出光の一部を遮光して、回転部材の無端移動表面における上記余白領域に対応した表面部分のみを検出することにより、上記検出精度の低下を防ぐことができる。
(態様C)
上記態様A又はBにおいて、遮光部材の開口の周辺における照射光が照射される表面部分が、回転部材の無端移動表面の劣化状態と同程度の光沢度を有する。これによれば、上記実施形態1について説明したように、遮光部材の開口の幅や、開口の中心軸と光学的検出手段の光軸とのズレなどの影響を受けにくくなり、光沢低下の遅い段階で発生する画像汚れ発生を安定に予測することができる。また、光検出素子に対する拡散光の入射レベルが増大することにより、正反射光と拡散光との光量の差が大きくなって、光量の変化に対する光検出素子の検出に余裕が生じる(高感度となる)。その結果として高光沢側に感度を持たせることができ、検出可能な光沢度範囲が拡大する。
(態様D)
上記態様A乃至Cのいずれかにおいて、遮光部材の開口の周辺における照射光が照射される表面部分が、回転部材の無端移動表面の初期状態と同程度の光沢度を有する。これによれば、上記実施形態1について説明したように、開口の幅や、開口の中心軸とセンサの光軸とのズレなどの影響を受けにくくなり、光沢低下の比較的早い段階で発生するベタ画像中の光沢ムラ発生を安定に予測することができる。また、光検出素子に対する拡散光の入射レベルが増大することにより、正反射光と拡散光との光量の差が大きくなって、光量の変化に対する光検出素子の検出に余裕が生じる(高感度となる)。その結果として高光沢側に感度を持たせることができ、検出可能な光沢度範囲が拡大する。
(態様E)
上記態様A乃至Dのいずれかにおいて、光源から出射される光の進行方向に対して交差する方向に遮光部材を光学的検出手段に対して相対的に移動させる遮光部材移動手段95などの遮光部材移動手段を備え、遮光部材の開口が形成されていない表面に光源からの光を照射して表面の光沢を検出可能に構成した。これによれば、上記実施形態1について説明したように、回転部材の無端移動表面における検出対象領域(センサ観測領域)から遮光部材の開口を退避させ、遮光部材そのものの表面を基準面として観測可能にすることができるので、光学的検出手段の出力の校正を行うことができ、長期的に安定な観測が可能となる。また、光学的検出手段の時系列観測値から、光学的検出手段の異常や遮光部材の異常を検出することができる。
(態様F)
無端移動表面を有する定着ベルト26などの回転部材を備える画像形成装置であって、回転部材の無端移動表面に光を照射する光源72などの光源と当該無端移動表面で反射された正反射光と拡散光とを受光し両者の光量の大小関係に応じた出力を発生する光検出素子71などの光検出素子とを有する測距センサ70などの光学的検出手段を備え、光源からの照射光が回転部材の無端移動表面に照射されたときのビーム径を、画像が形成される記録媒体の搬送方向と交差する幅方向両端部に設けられた余白領域よりも小さくなるように設定した。これよれば、上記実施形態2について説明したように、回転部材の無端移動表面から離れた位置に光学的検出手段を配置した状態で、光学的検出手段の光源から回転部材の無端移動表面に光を照射すると、その無端移動表面の光沢の程度に応じて無端移動表面で反射される正反射光及び拡散光の光量の大小関係が変化する。従って、無端移動表面で反射された正反射光と拡散光とを受光した光学的検出手段が両者(正反射光及び拡散光)の光量の大小関係に応じて発生する出力に基づいて、回転部材の無端移動表面の光沢の変化を検出することができる。しかも、光源からの照射光が回転部材の無端移動表面に照射されたときのビーム径を、画像が形成される記録媒体の搬送方向と交差する幅方向両端部に設けられた余白領域よりも小さくなるように設定したので、回転部材の無端移動表面の記録媒体の余白領域に対応した微小領域に照射できるため、その微小領域における光沢の変化を検出することができる。よって、無端移動表面を有する回転部材から離れた位置で、その回転部材の無端移動表面における記録媒体の余白領域に対応した微小領域の光沢変化を検出することができる。特に、遮光部材を設けることなく上記微小領域の光沢変化の検出が可能になるので、装置のコストダウンや小型化を図ることができる。
(態様G)
上記態様A乃至Fのいずれかにおいて、回転部材の無端移動方向における移動方向と交差する幅方向に光学的検出手段を移動させる移動手段90などの移動手段を備えた。これによれば、上記実施形態1について説明したように、光学的検出手段で、複数種類の記録媒体それぞれについて、回転部材の無端移動表面における搬送方向両端部の画像が形成されない余白領域に対応した表面部分の光沢を検出することができる。また、記録媒体を幅方向で移動させた場合、回転部材の無端移動表面における記録媒体の余白領域に対応した表面部分も移動するが、この表面部分の移動に追従して光学的検出手段による検出が可能となる。
(態様H)
上記態様Gにおいて、画像が形成される用紙Pなどの記録媒体を搬送する搬送ローラ対47などの搬送手段と、光学的検出手段の出力に基づいて、回転部材の無端移動表面における移動方向と交差する幅方向における検出位置の変更量を算出する制御部などの算出手段と、その変更量に基づいて、前記幅方向における記録媒体の搬送位置を変更する用紙移動機構などの記録媒体搬送位置変更手段と、を備え、前記移動手段は、前記変更量に基づいて、記録媒体の幅方向に光学的検出手段及び前記遮光部材を一体的に移動させ、又は、該幅方向に該光学的検出手段を移動させる。これによれば、上記実施形態1について説明したように、光学的検出手段の出力に基づいて、その出力が所定の閾値を超えたときに出力が閾値を下回るような回転部材の無端移動表面を検出する位置まで、幅方向に光学的検出手段を移動させ、又は、幅方向に光学的検出手段を遮光部材と一体的に移動させる。そして、この光学的検出手段の移動量に基づいて、幅方向における記録媒体の搬送位置を変更することができる。これにより、回転部材の無端移動表面における上記余白領域に対応する表面部分を、光沢低下が少ない領域に順次移動させることができ、回転部材の長寿命化が可能となる。よって、回転部材の長寿命化を図りつつ、長期にわたって光沢ムラや汚れの発生を回避することが可能となる。
(態様I)
上記態様Hにおいて、光源からの照射光の光路を記録媒体が通過するように光学的検出手段を配設し、記録媒体の搬送方向と交差する幅方向の端部近傍に光学的検出手段で検出可能な所定の画像を形成する画像形成ユニット20などの画像形成手段と、記録媒体を回転部材による搬送の途中で停止させるように搬送手段を制御する制御部などの制御手段と、を備えた。これによれば、上記実施形態2について説明したように、光学的検出手段の光源からの照射光の光路を記録媒体が通過するので、光学的検出手段で記録媒体を検出することができる。しかも、この記録媒体の幅方向の端部近傍には光学的検出手段で検出可能な所定の画像が形成されており、この画像を検出することにより、記録媒体の端部を容易に検出することができる。また、記録媒体を回転部材による搬送の途中で停止させることができるので、停止させないで通過させる場合に比べて、十分な検出時間を確保することができ、光学的検出手段のより正確な検出位置の調整が可能となる。
(態様J)
上記態様Hにおいて、記録媒体の搬送方向と交差する幅方向の端部近傍に光学的検出手段で検出可能な所定の画像を形成する画像形成ユニット20などの画像形成手段と、記録媒体を回転部材による搬送の途中で停止させるように搬送手段を制御する制御部などの制御手段と、光学的検出手段が回転部材の無端移動表面と記録媒体の表面とを切り換えて検出するように検出方向を切り換える回転機構などの検出方向切換手段と、を備えた。これによれば、上記実施形態2について説明したように、検出方向切換手段で光学的検出手段の検出方向を切り換えることにより、光学的検出手段で記録媒体を検出することができる。しかも、この記録媒体の幅方向の端部近傍には光学的検出手段で検出可能な所定の画像が形成されており、この画像を検出することにより、記録媒体の端部を容易に検出することができる。また、記録媒体を回転部材による搬送の途中で停止させることができるので、記録媒体を停止させないで通過させる場合に比べて、十分な検出時間を確保することができ、光学的検出手段のより正確な検出位置の調整が可能となる。
(態様K)
上記態様I又はJにおいて、画像形成手段で形成される所定の画像は、記録媒体の第1面に形成される。これによれば、上記実施形態2について説明したように、光学的検出手段が回転部材に対して記録媒体の裏側を検出する場合(態様I)には、記録媒体の表裏を反転させて第1面に形成された所定の画像を検出することができる。また、光学的検出手段が回転部材に対して記録媒体の表側を検出する場合(態様J)には、記録媒体を反転させることなくそのままの状態で第1面に形成された所定の画像を検出することができる。
(態様L)
上記態様I乃至Kのいずれかにおいて、記録媒体の搬送をガイドする搬送ガイド部材を備え、搬送ガイド部材の搬送面が記録媒体の表面よりも高い光沢度を有する。これによれば、上記実施形態2について説明したように、光学的検出手段の位置調整を行う際に、搬送ガイド部材の搬送面の光沢度が記録媒体の表面の光沢度より高いので、記録媒体の端部とその外側とでセンサ出力差が大きく現れ、記録媒体の端部を確実に検出することができ、位置調整が容易となる。
(態様M)
上記態様H乃至Lのいずれかにおいて、記録媒体搬送位置変更手段は、記録媒体搬送方向と交差する幅方向における記録媒体の搬送位置を変更するように搬送手段を移動させる。これによれば、上記実施形態1について説明したように、画像形成部に記録媒体を搬送する搬送手段を移動させて、記録媒体搬送方向と交差する幅方向に記録媒体を移動させる。これにより、記録媒体1枚毎に搬送位置を変更することができ、しかも、記録媒体の搬送位置を変更した後の記録媒体の位置精度が高く、画像位置調整も高精度に行うことができる。
(態様N)
上記態様H乃至Lのいずれかにおいて、画像が形成される記録媒体を収容し記録媒体の供給方向と交差する幅方向における側端部をガイドするサイドガイド44aなどのガイド部材を有する給紙カセット44などの記録媒体供給部を備え、記録媒体搬送位置変更手段は、幅方向における記録媒体の搬送位置を変更するように、記録媒体供給部の全体又はガイド部材を幅方向に移動させる。これによれば、上記実施形態1について説明したように、記録媒体のサイズ一括での移動が可能であるので、1枚毎での変更の必要が無く、高スループットを維持できる。また、光学的検出手段の移動時に動作するだけでよいので、エネルギ消費が極小で済む。このように、スループットを低下させず、エネルギ消費を抑えた記録媒体搬送位置変更手段を実現することができる。
(態様O)
上記態様A乃至Nのいずれかにおいて、記録媒体は回転部材の無端移動表面に当接して搬送されるものであり、互いにサイズが異なる複数種類の記録媒体それぞれについて回転部材の無端移動表面から記録媒体が離間するときの記録媒体の搬送経路からの変位を光学的検出手段で検出できるように光学的検出手段の検出位置を変更する回転機構などの検出位置変更手段を備えた。これによれば、上記実施形態2について説明したように、検出位置変更手段で光学的検出手段の検出位置を変更することにより、互いにサイズが異なる複数種類の記録媒体それぞれについて回転部材の無端移動表面から記録媒体が離間するときの記録媒体の搬送経路からの変位を光学的検出手段で検出することができる。光学的検出手段による変位の検出結果が所定の大きさを超えた場合、回転部材の無端移動表面から記録媒体が剥離するときの挙動が不安定になって回転部材に巻き付いてジャムが発生するおそれが大きくなるので、回転部材への記録媒体の巻き付き予測に利用することができる。特に大きいサイズの記録媒体で剥離挙動が不安定になりやすいが、光学的検出手段が小さいサイズの記録媒体の余白領域に対応した回転部材の無端移動表面の光沢変化を検出する位置にあるときであっても、光学的検出手段の検出位置を変更して大きいサイズの記録媒体の剥離挙動を容易に検出することができる。
(態様P)
上記態様A乃至Oのいずれかにおいて、光学的検出手段の光源から出射される光が、回転部材の無端移動表面と直交する方向から傾いた入射角で無端移動表面に入射するように、光学的検出手段を配設した。これによれば、上記実施形態1について説明したように、光学的検出手段の距離に関する設置可能範囲が回転部材(検出対象物)により近い近距離側に拡大される。従って、装置のレイアウトの制約により、回転部材(検出対象物)から光学的検出手段を離すことができず、気流などの冷却手段によって温度上昇を回避する場合にも適用できる。このように、光沢検出可能な光学的検出手段の設置可能範囲を拡大することができる。
(態様Q)
上記態様A乃至Pのいずれかにおいて、光学的検出手段の出力と所定の閾値との比較結果に基づいて異常と判断されたときに回転部材の交換を報知する操作パネルなどの報知手段を備えた。これによれば、上記実施形態1について説明したように、回転部材の無端移動表面における記録媒体の搬送方向両端部の画像が形成されない余白領域に対応する部分に対して、光学的検出手段の光源から光を照射すると、余白領域に対応する部分の光沢の程度に応じて表面部分から反射してくる正反射光と拡散反射光との大小関係が変化する。光学的検出手段の光検出素子は、この正反射光と拡散反射光との大小関係に応じた出力を行う。この検出結果に基づいて、余白領域に対応する回転部材の無端移動表面の光沢の程度が、その無端移動表面における所定のダメージを超えた光沢であると判断した場合、報知手段で回転部材の交換を促す報知が可能となる。この報知を受けて回転部材を交換し、回転部材の無端移動表面のダメージに起因した画像ムラや画像汚れを未然に防ぐことが可能となる。
(態様R)
上記態様A乃至Qのいずれかにおいて、光源は、回転部材の曲率を有する無端移動表面に光を照射する。これによれば、上記実施形態2について説明したように、回転部材の平面状の無端移動面だけでなく、回転部材の曲率を有する無端移動表面についても光沢度の測定が可能になるので、光学的検出手段の設置自由度を向上させることができる。
1 感光体
10 中間転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
40 感光体
44 給紙カセット
44a サイドガイド
47 搬送ローラ対
49 レジストローラ対
70 測距センサ
71 光検出素子
72 光源
73、74 レンズ
77 遮光部材
77a スリット
78 センサユニット
79 支持部材
90 移動手段
95 遮光部材移動手段
102 搬送ガイド部材
710 PSD
P 用紙
Pa 余白領域
Pb 余白領域を開けて両端部に形成されたベタ画像パターン
Pc 先端部に形成されたベタ画像パターン
特開2010−60910号公報

Claims (18)

  1. 無端移動表面を有する回転部材を備えた画像形成装置であって、
    前記回転部材の無端移動表面に光を照射する光源と、該無端移動表面で反射された正反射光と拡散光とを受光し両者の光量の大小関係に応じた出力を発生する光検出素子とを有する光学的検出手段と、
    前記回転部材の無端移動表面と前記光学的検出手段との間の該無端移動表面の近傍における前記光源からの照射光の光路上に設けられた所定の大きさの開口を有する遮光部材と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    前記遮光部材の開口は、前記光源からの照射光のビーム径よりも小さいことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2の画像形成装置において、
    前記遮光部材の開口の周辺における前記照射光が照射される表面部分が、前記回転部材の無端移動表面の劣化状態と同程度の光沢度を有することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかの画像形成装置において、
    前記遮光部材の開口の周辺における前記照射光が照射される表面部分が、前記回転部材の無端移動表面の初期状態と同程度の光沢度を有することを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかの画像形成装置において、
    前記光源から出射される光の進行方向に対して交差する方向に前記遮光部材を前記光学的検出手段に対して相対的に移動させる遮光部材移動手段を備え、前記遮光部材の前記開口が形成されていない表面に前記光源からの光を照射して該表面の光沢を検出可能に構成したことを特徴とする画像形成装置。
  6. 無端移動表面を有する回転部材を備えた画像形成装置であって、
    前記回転部材の無端移動表面に光を照射する光源と、該無端移動表面で反射された正反射光と拡散光とを受光し両者の光量の大小関係に応じた出力を発生する光検出素子とを有する光学的検出手段を備え、
    前記光源からの照射光が前記回転部材の無端移動表面に照射されたときのビーム径を、画像が形成される記録媒体の搬送方向と交差する幅方向両端部に設けられた余白領域よりも小さくなるように設定したことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかの画像形成装置において、
    前記回転部材の無端移動表面における移動方向と交差する幅方向に前記光学的検出手段を移動させる移動手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項7の画像形成装置において、
    画像が形成される記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記光学的検出手段の出力に基づいて、前記回転部材の無端移動表面における移動方向と交差する幅方向における検出位置の変更量を算出する算出手段と、
    前記変更量に基づいて、前記幅方向における記録媒体の搬送位置を変更する記録媒体搬送位置変更手段と、を備え、
    前記移動手段は、前記変更量に基づいて、前記幅方向に前記光学的検出手段及び前記遮光部材を一体的に移動させ、又は、該幅方向に該光学的検出手段を移動させることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項8の画像形成装置において、
    前記光源からの照射光の光路を前記記録媒体が通過するように前記光学的検出手段を配設し、
    前記記録媒体の搬送方向と交差する幅方向の端部近傍に前記光学的検出手段で検出可能な所定の画像を形成する画像形成手段と、
    前記記録媒体を前記回転部材による搬送の途中で停止させるように前記搬送手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項8の画像形成装置において、
    前記記録媒体の搬送方向と交差する幅方向の端部近傍に前記光学的検出手段で検出可能な所定の画像を形成する画像形成手段と、
    前記記録媒体を前記回転部材による搬送の途中で停止させるように前記搬送手段を制御する制御手段と、
    前記光学的検出手段が前記回転部材の無端移動表面と前記記録媒体の表面とを切り換えて検出するように検出方向を切り換える検出方向切換手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項9又は10の画像形成装置において、
    前記画像形成手段で形成される所定の画像は、前記記録媒体の第1面に形成されることを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項9乃至11のいずれかの画像形成装置において、
    前記記録媒体の搬送をガイドする搬送ガイド部材を備え、
    前記搬送ガイド部材の搬送面が前記記録媒体の表面よりも高い光沢度を有することを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項8乃至12のいずれかの画像形成装置において、
    前記記録媒体搬送位置変更手段は、前記幅方向における記録媒体の搬送位置を変更するように前記搬送手段を移動させることを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項8乃至12のいずれかの画像形成装置において、
    画像が形成される記録媒体を収容し該記録媒体の供給方向と交差する幅方向における側端部をガイドするガイド部材を有する記録媒体供給部を備え、
    前記記録媒体搬送位置変更手段は、前記幅方向における記録媒体の搬送位置を変更するように、前記記録媒体供給部の全体又は前記ガイド部材を前記幅方向に移動させることを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項1乃至14のいずれかの画像形成装置において、
    前記記録媒体は前記回転部材の無端移動表面に当接して搬送されるものであり、
    互いにサイズが異なる複数種類の記録媒体それぞれについて前記回転部材の無端移動表面から該記録媒体が離間するときの該記録媒体の搬送経路からの変位を前記光学的検出手段で検出できるように該光学的検出手段の検出位置を変更する検出位置変更手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  16. 請求項1乃至15のいずれかの画像形成装置において、
    前記光学的検出手段の前記光源から出射される光が、前記回転部材の無端移動表面と直交する方向から傾いた入射角で該無端移動表面に入射するように、該光学的検出手段を配設したことを特徴とする画像形成装置。
  17. 請求項1乃至16のいずれかの画像形成装置において、
    前記光学的検出手段の出力と所定の閾値との比較結果に基づいて異常と判断されたときに前記回転部材の交換を報知する報知手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  18. 請求項1乃至17のいずれかの画像形成装置において、
    前記光源は、前記回転部材の曲率を有する無端移動表面に光を照射することを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017167300A (ja) * 2016-03-16 2017-09-21 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置

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