JP2014204615A - 電力変換装置および該方法ならびにキャリア周波数制御装置および該方法 - Google Patents

電力変換装置および該方法ならびにキャリア周波数制御装置および該方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、用途限定されることなく、キャリア周波数に起因するノイズを低減し得る電力変換装置および該方法ならびにキャリア周波数制御装置および該方法を提供する。【解決手段】本発明の電力変換装置は、スイッチング素子を備え、前記スイッチング素子をPWM制御することによって、入力電力を、前記入力電力の態様とは異なる他の態様の出力電力に変換する電力変換部と、前記電力変換部の前記出力電力における出力電圧の微分に関する所定値を求める微分演算部と、前記微分演算部で求められた所定値に基づいて前記PWM制御のキャリア周波数を制御するキャリア周波数制御部とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、PWM制御によって入力電力を他の態様の出力電力に変換する電力変換装置および電力変換方法に関する。そして、本発明は、この電力変換装置および該方法で用いられるキャリア周波数制御装置およびキャリア周波数制御方法に関する。
電力変換装置は、例えば、周波数、位相、電流および電圧のうちの少なくとも一つを変えることによって入力電力を、入力電力の態様(形態)とは異なる他の態様(形態)の出力電力に変換する装置であり、コンバータやインバータとして一般に知られている。コンバータには、大別すると、直流入力電力を他の直流出力電力に変換するDC−DCコンバータ、交流入力電力を他の交流出力電力に変換するAC−ACコンバータ、および、交流入力電力を直流出力電力に変換するAC−DCコンバータがある。インバータは、直流入力電力を交流出力電力に変換する装置であり、DC−ACコンバータとも呼ばれる。このような電力変換装置は、様々な機器に活用されており、例えば、家電を駆動する電源装置や、太陽電池のパワーコンディショナーや、モータ制御装置等に活用されている。特に、近年では、ハイブリッド自動車や電気自動車、あるいは、電車等のモータを動力源とする車両に、例えばVVVF制御(可変電圧可変周波数制御)等の電力変換装置が活用されている。
このような電力変換装置には、いわゆるPWM(pulse width modulation、パルス幅変調)制御によって電力変換する装置がある。このPWM制御を用いた電力変換装置では、スイッチング素子のゲート電極にスイッチング制御信号を流すタイミングを決めるために、例えば三角波や鋸波等の搬送波(キャリア)と、例えば正弦波等の基本波(信号波)とが生成される。そして、キャリアと基本波との交差点が検出され、この検出されたキャリアと基本波との交差タイミングでスイッチング素子がオンオフされる。これによって入力電力が他の態様の出力電力に変換され、入出力間で互いに異なる態様の電力となる。なお、このキャリア(搬送波)の周波数(キャリア周波数)は、スイッチング素子の動作周波数を示しており、基本波の波形は、電力変換装置から出力させたい目標の出力電圧を示している。このようなPWM制御によって電力を変換する電力変換装置では、キャリア周波数およびこのキャリア周波数の高調波成分を持ったノイズが発生することが知られている。特に、キャリア周波数やその高調波成分の周波数が、人間の可聴域(一般に20Hz〜20kHz)のうち、人間の感度の高い領域(例えば100Hz〜4kHz程度)である場合には、電力変換装置は、耳障りな騒音の騒音源となる。
このようなノイズ対策として例えば特許文献1に開示の技術がある。この特許文献1に開示の電力変換装置は、PWM制御で駆動されるインバータまたはコンバータのスイッチング部と、車内騒音を検出する騒音レベルセンサと、前記騒音レベルセンサの検出騒音の逆に前記スイッチング部のPWM制御のキャリア周波数を可変するキャリア周波数制御部とを備える。車両の移動時(走行時)には風きり音やロードノイズ等のいわゆるバックグランドノイズとなる騒音が車内に発生するが、この特許文献1に開示の電力変換装置は、前記バックグランドノイズに基づく車内の騒音が大きくなる高速走行の場合等にはキャリア周波数を低くして電力変換効率を向上し、車内の騒音が小さくなる低速走行の場合等にはキャリア周波数を高くしてノイズ音を抑えている。
特開2006−333572号公報
ところで、前記特許文献1に開示の電力変換装置は、車両のバックグランドノイズを利用するので、その用途が車両用に限定されてしまう。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、用途限定されることなく、キャリア周波数に起因するノイズを低減することができる電力変換装置および電力変換方法ならびにキャリア周波数制御装置およびキャリア周波数制御方法を提供することである。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかる電力変換装置は、スイッチング素子を備え、前記スイッチング素子をPWM制御することによって、入力電力を、前記入力電力の態様とは異なる他の態様の出力電力に変換する電力変換部と、前記電力変換部の前記出力電力における出力電圧の微分に関する所定値を求める微分演算部と、前記微分演算部で求められた所定値に基づいて前記PWM制御のキャリア周波数を制御するキャリア周波数制御部とを備えることを特徴とする。
このような電力変換装置では、電力変換部の出力電力における出力電圧の微分に関する所定値に基づいてPWM制御のキャリア周波数が制御され、この制御されたキャリア周波数で電力変換部がPWM制御される。このため、キャリア周波数が変更されるので、このような電力変換装置は、キャリア周波数に起因するノイズを低減することができる。そして、キャリア周波数の制御は、電力変換部の出力電力における出力電圧の微分に関する所定値に基づくので、このような電力変換装置は、用途限定されない。
また、他の一態様では、上述の電力変換装置において、前記微分演算部は、前回のキャリア周波数の制御に用いた前記出力電圧の第1電圧値と、今回のキャリア周波数の制御に用いる前記出力電圧の第2電圧値との差を、前記出力電圧の微分に関する所定値として求めることを特徴とする。
このような電力変換装置は、いわゆる後退差分によって前記出力電圧の微分に関する所定値を求めるので、前記出力電圧の微分に関する所定値を容易に演算することができる。また、このような電力変換装置は、いわゆる後退差分によって前記出力電圧の微分に関する所定値を求めるので、電力変換部の出力電力における出力電圧を時間に対する関数で表した場合に前記関数にいわゆる特異点を含む場合でも、前記出力電圧の微分に関する所定値を求めることができる。
また、他の一態様では、上述の電力変換装置において、前記微分演算部は、前記出力電圧を時間に対する関数で表した場合に、前記出力電圧の微分に関する所定値を前記関数の有限差分法によって求めることを特徴とする。
このような電力変換装置は、有限差分法によって前記出力電圧の微分に関する所定値を求めるので、前記関数が連続関数であったとしても離散関数に置き換わるから、前記出力電圧の微分に関する所定値を容易に演算することができる。
また、本発明の他の一態様にかかる電力変換方法は、スイッチング素子を備え、前記スイッチング素子をPWM制御することによって、入力電力を、前記入力電力の態様とは異なる他の態様の出力電力に変換する電力変換工程と、前記電力変換工程の前記出力電力における出力電圧の微分に関する所定値を求める微分演算工程と、前記微分演算工程で求められた所定値に基づいて前記PWM制御のキャリア周波数を制御するキャリア周波数制御工程とを備えることを特徴とする。
また、本発明の他の一態様にかかる電力変換装置のキャリア周波数制御装置は、スイッチング素子を備え、前記スイッチング素子をPWM制御することによって、入力電力を、前記入力電力の態様とは異なる他の態様の出力電力に変換する電力変換装置における前記PWM制御のキャリア周波数制御するキャリア周波数制御装置であって、前記電力変換装置の前記出力電力における出力電圧の微分に関する所定値を求める微分演算部と、前記微分演算部で求められた所定値に基づいて前記PWM制御のキャリア周波数を求めるキャリア周波数演算部とを備えることを特徴とする。
また、本発明の他の一態様にかかる電力変換装置のキャリア周波数制御方法は、スイッチング素子を備え、前記スイッチング素子をPWM制御することによって、入力電力を、前記入力電力の態様とは異なる他の態様の出力電力に変換する電力変換装置における前記PWM制御のキャリア周波数制御するキャリア周波数制御方法であって、前記電力変換装置の前記出力電力における出力電圧の微分に関する所定値を求める微分演算工程と、前記微分演算工程で求められた所定値に基づいて前記PWM制御のキャリア周波数を求めるキャリア周波数演算工程とを備えることを特徴とする。
このような電力変換方法ならびにキャリア周波数制御装置およびキャリア周波数制御方法は、前記出力電圧の微分に関する所定値に基づいてPWM制御のキャリア周波数を制御するので、キャリア周波数に起因するノイズを低減することができる。そして、キャリア周波数の制御は、前記出力電圧の微分に関する所定値に基づくので、このような電力変換方法ならびにキャリア周波数制御装置およびキャリア周波数制御方法電力変換装置は、用途限定されない。
本発明にかかる電力変換装置および電力変換方法ならびにキャリア周波数制御装置およびキャリア周波数制御方法は、用途限定されることなく、キャリア周波数に起因するノイズを低減することができる。
実施形態における電力変換負荷駆動システムの構成を示すブロック図である。 実施形態の電力変換負荷駆動システムにおけるPWM制御部の構成を示すブロック図である。 実施形態の電力変換負荷駆動システムにおけるACフィルタの構成を示す回路図である。 実施形態の電力変換負荷駆動システムにおけるPWM制御部の動作を示すフローチャートである。 実施形態の電力変換負荷駆動システムのPWM制御における出力電圧波形およびPWM波形を示す図である。 実施形態の電力変換負荷駆動システムのPWM制御におけるPWM波形の周波数解析結果を示す図である。 キャリア周波数を固定した比較例のPWM制御における出力電圧波形およびPWM波形を示す図である。 キャリア周波数を固定した比較例のPWM制御におけるPWM波形の周波数解析結果を示す図である。
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。また、本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
図1は、実施形態における電力変換負荷駆動システムの構成を示すブロック図である。図2は、実施形態の電力変換負荷駆動システムにおけるPWM制御部の構成を示すブロック図である。図2(A)は、コンバータ用PWM制御部の構成を示すブロック図であり、図2(B)は、インバータ用PWM制御部の構成を示すブロック図である。図3は、実施形態の電力変換負荷駆動システムにおけるACフィルタの構成を示す回路図である。
実施形態における電力変換負荷駆動システムSは、所定の電源から受電した電力を電力変換装置で負荷に応じた態様の電力に変換し、この変換した電力を前記負荷に給電し、前記負荷を駆動するシステムである。このような電力変換負荷駆動システムSは、例えば、図1に示すように、ACフィルタ部1と、コンバータ部2と、DCフィルタ部3と、インバータ部4と、ACフィルタ部5と、コンバータ用PWM制御部6と、インバータ用PWM制御部7とを備え、前記所定の電源の一例である系統電源PSからACフィルタ部1で受電した電力をコンバータ部2およびインバータ部4で負荷LDに応じた態様の電力に変換し、この変換した電力を負荷LDに給電し、負荷LDを駆動する。このような電力変換負荷駆動システムSにおけるコンバータ部2およびインバータ部4は、電力変換装置の一例に相当する。
ACフィルタ部1は、その一方が系統電源PSに接続され、その他方がコンバータ部2に接続され、予め設定された所定の第1周波数帯域の交流電力を透過する交流フィルタ回路である。ACフィルタ部1の前記第1周波数帯域は、系統電源PSから受電する電力、例えば商用周波数の電力を透過させる帯域であって、当該ACフィルタ部1より負荷側で生じたノイズを遮断するような帯域に設定される。当該ACフィルタ部1より負荷側で生じるノイズは、主にコンバータ部2で生じる高周波ノイズである。このACフィルタ部1を系統電源PSとコンバータ部2との間に設けることによって、当該ACフィルタ部1より負荷側で生じたノイズが系統電源PSへ流れ込むことを防止または低減できる。
このようなACフィルタ部1は、例えば、図3に示すように、系統電源SPから三線式で電力を受電する場合、3個のコイル(インダクタ)L1、L2、L3と、3個のコンデンサC1、C2、C3とを備える。コイルL1は、三線式の第1ラインPL1と第3ラインPL3との間に接続され、コイルL2は、三線式の第1ラインPL1と第2ラインPL2との間に接続され、そして、コイルL3は、三線式の第2ラインPL2と第3ラインPL3との間に接続される。コンデンサC1は、第1ラインPL1とグランド(接地)との間に接続され、コンデンサC2は、第2ラインPL2とグランド(接地)との間に接続され、そして、コンデンサC3は、第3ラインPL3とグランド(接地)との間に接続される。
コンバータ部2は、その一方がACフィルタ部1に接続され、その他方がDCフィルタ部3に接続され、スイッチング素子を備え、前記スイッチング素子をPWM制御することによって、入力電力を、前記入力電力の態様とは異なる他の態様の出力電力に変換する回路である。より具体的には、本実施形態では、コンバータ部2は、ACフィルタ部1を介して系統電源PSから受電した交流入力電力を所定の電圧値(コンバータ出力目標電圧値)を持つ直流出力電力に変換して出力する回路である。このようにコンバータ部2は、AC−DCコンバータであり、周波数および電圧を変えることによって入力電力を、入力電力の態様(形態)とは異なる他の態様(形態)の出力電力に変える。コンバータ部2は、例えば、周知の電力用コンバータと同様に、例えばIGBT等の電力用のスイッチング半導体素子の例えばハーフブリッジ回路やフルブリッジ回路等で構成され、コンバータ用PWM制御部6によってPWM制御される。すなわち、このコンバータ部2における前記スイッチング半導体素子のオンオフは、コンバータ用PWM制御部6によってPWM制御される。コンバータ用PWM制御部6によるPWM制御については、後述する。
DCフィルタ部3は、その一方がコンバータ部2に接続され、その他方がインバータ部4に接続され、コンバータ部2の出力電力に含まれるいわゆるリップル等を除去するためのフィルタ回路である。このDCフィルタ部3をコンバータ部2とインバータ部4との間に設けることによって、コンバータ部2から当該DCフィルタ部3を介してインバータ部4へ供給される電力が安定化される。DCフィルタ部3は、例えば、コンデンサと抵抗素子とを用いたRCフィルタや、オペアンプを用いたフィルタ等である。
インバータ部4は、その一方がDCフィルタ部3に接続され、その他方がACフィルタ部5に接続され、スイッチング素子を備え、前記スイッチング素子をPWM制御することによって、入力電力を、前記入力電力の態様とは異なる他の態様の出力電力に変換する回路である。より具体的には、本実施形態では、インバータ部4は、DCフィルタ部3を介してコンバータ部2から受電した直流入力電力を所定の電圧値(インバータ出力目標電圧値)を持つ交流出力電力に変換して出力する回路である。このようにインバータ部4は、DC−ACコンバータであり、周波数および電圧を変えることによって入力電力を、入力電力の態様(形態)とは異なる他の態様(形態)の出力電力に変える。インバータ部4は、例えば、周知の電力用インバータと同様に、例えばIGBT等の電力用のスイッチング半導体素子の例えばハーフブリッジ回路やフルブリッジ回路等で構成され、インバータ用PWM制御部7によってPWM制御される。すなわち、このインバータ部4における前記スイッチング半導体素子のオンオフは、インバータ用PWM制御部7によってPWM制御される。インバータ用PWM制御部7によるPWM制御については、後述する。
ACフィルタ部5は、その一方がインバータ部4に接続され、その他方が負荷LDに接続され、予め設定された所定の第2周波数帯域の交流電力を透過する交流フィルタ回路である。ACフィルタ部5の前記第2周波数帯域は、インバータ部4で生成した交流電力を透過させる帯域であって、当該ACフィルタ部5よりインバータ部4側で生じたノイズを遮断するような帯域に設定される。当該ACフィルタ部5よりインバータ部4側で生じるノイズは、主にインバータ部4で生じる高周波ノイズである。このACフィルタ部5をインバータ部4と負荷LDとの間に設けることによって、当該ACフィルタ部5よりインバータ部4側で生じたノイズが負荷LDへ流れ込むことを防止または低減できる。このようなACフィルタ部5は、例えば、回路定数が異なるが、図3に示すACフィルタ部1と同様に構成される。
負荷LDは、電力によって駆動される電気機器や電子機器であり、特に、限定されないが、本実施形態では、例えば、モータである。
コンバータ用PWM制御部6は、コンバータ部2のスイッチング素子をPWM制御する回路である。コンバータ用PWM制御部6は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、記憶素子およびその周辺回路を備えるマイクロコンピュータによって構成される。前記記憶素子には、コンバータをPWM制御するための制御プログラムが記憶されており、前記CPUが前記制御プログラムを実行することによって、コンバータ用PWM制御部6は、図2(A)に示すように、機能的に、コンバータ用スイッチング制御部61と、コンバータ用キャリア生成部62と、コンバータ用キャリア周波数制御部63と、コンバータ用電圧演算基本波生成部64と、コンバータ用微分演算部65とを備える。なお、これらコンバータ用スイッチング制御部61、コンバータ用キャリア生成部62、コンバータ用キャリア周波数制御部63、コンバータ用電圧演算基本波生成部64およびコンバータ用微分演算部65のうちの1または複数は、前記マイクロコンピュータとは別に、個別の回路で構成されてもよい。
コンバータ用電圧演算基本波生成部64は、コンバータ部2から出力させたい出力電力の出力電圧を求め、コンバータ部2をPWM制御するための基本波であって、前記求めた出力電圧に応じた基本波を生成するものである。コンバータ部2から出力させたい出力電力の出力電圧は、例えば、予め設定されてよく、基本波は、前記予め設定された前記出力電力の出力電圧に応じて例えば正弦波等が生成されてよい。また例えば、このコンバータ部2から出力させたい出力電力の出力電圧は、図1に破線で示すように、インバータ部4の出力変動に応じてインバータ用PWM制御部7から入力される指令に基づいて求められ、基本波は、前記求められた前記出力電力の出力電圧に応じて例えば正弦波等が生成されてよい。コンバータ用電圧演算基本波生成部64は、この生成した基本波をコンバータ用スイッチング制御部61およびコンバータ用微分演算部65へそれぞれ出力する。
コンバータ用微分演算部65は、コンバータ部2の出力電力における出力電圧の微分に関する所定値を求めるものである。この基本波は、上述のように、コンバータ部2の出力電力における出力電圧の波形であるので、コンバータ用微分演算部65は、コンバータ用電圧演算基本波生成部64から入力された基本波の微分に関する所定値を求める。微分に関する所定値は、微分値そのものであってよく、また、差分値であってもよい。この差分値が用いられる場合、例えば、コンバータ用微分演算部65は、前回のキャリア周波数の制御に用いた前記出力電圧(基本波)の第1電圧値と、今回のキャリア周波数の制御に用いる前記出力電圧(基本波)の第2電圧値との差(後退差分による差分値)を、前記出力電圧の微分に関する所定値として求めるように、構成されてよい。また例えば、コンバータ用微分演算部65は、前記出力電圧(基本波)を時間tに対する関数f(t)で表した場合に、前記出力電圧の微分に関する所定値を前記関数f(t)の有限差分法によって求めるように、構成されてよい。例えば、有限差分法は、公知の手法であり、大略、微分係数が△tを0に近づけた場合の{(f(t+△t)−f(t))/△t}の値であると定義された場合に、当該微分係数を差分商{(f(t+△t)−f(t))/△t}で置き換える近似法である。なお、コンバータ用微分演算部65は、他の手法によって差分値を求めてもよい。そして、コンバータ用微分演算部65は、この求めた前記出力電圧の微分に関する所定値をコンバータ用キャリア周波数制御部63へ出力する。
コンバータ用キャリア周波数制御部63は、コンバータ用微分演算部65で求められた、前記出力電圧の微分に関する所定値に基づいて前記PWM制御のキャリア周波数を制御するものである。より具体的には、コンバータ用キャリア周波数制御部63は、コンバータ用微分演算部65で求められた、前記出力電圧の微分に関する所定値に基づいてPWM制御のキャリア周波数を求めて決定し、この決定したキャリア周波数をコンバータ用キャリア生成部62に出力する。そして、コンバータ用キャリア生成部62がこの通知されたキャリア周波数でキャリアを生成することで、コンバータ用キャリア周波数制御部63は、前記PWM制御のキャリア周波数を制御する。
この前記出力電圧の微分に関する所定値に基づくPWM制御のキャリア周波数の演算では、例えば、前記出力電圧の微分に関する所定値とPWM制御のキャリア周波数との対応関係を登録したいわゆるルックアップテーブルを用いて参照することによって、前記出力電圧の微分に関する所定値からPWM制御のキャリア周波数が求められてよい。また例えば、前記出力電圧の微分に関する所定値とPWM制御のキャリア周波数との対応関係を表す関数式を用いることによって、前記出力電圧の微分に関する所定値からPWM制御のキャリア周波数が求められてよい。例えば、本実施形態では、出力電圧f(t)の微分に関する所定値をXc(V/sec)とし、PWM制御のキャリア周波数をYc(Hz)とする場合に、Yc=a×Xc+bの一次関数式が用いられる。なお、関数f(t)は、高次の多項式であってもよく、非線形であってもよい。
コンバータ用キャリア生成部62は、コンバータ用キャリア周波数制御部63の制御に従いコンバータ用キャリア周波数制御部63によって指定されたキャリア周波数で、コンバータ部2をPWM制御するための例えば三角波や鋸波等のキャリア(搬送波)を生成するものである。前記三角波では、時間経過に対する電圧変化は、ピークに対し左右対称であり、前記鋸波では、時間経過に対する電圧変化は、ピークに対し左右非対称である。本実施形態では、コンバータ用キャリア生成部62は、三角波のキャリアを生成する。このキャリア(搬送波)は、コンバータ部2におけるスイッチング素子の動作周波数を示している。コンバータ用キャリア生成部62は、この生成した基本波をコンバータ用スイッチング制御部61へ出力する。
コンバータ用スイッチング制御部61は、コンバータ部2のスイッチング素子をPWM制御でオンオフ制御する回路である。より具体的には、コンバータ用スイッチング制御部61は、コンバータ用キャリア生成部62から入力されたキャリアと、コンバータ用電圧演算基本波生成部64から入力された基本波との交差点を検出し、この検出されたキャリアと基本波との交差タイミングでコンバータ部2のスイッチング素子をオンオフする。すなわち、コンバータ用スイッチング制御部61は、前記キャリアの大きさ(電圧値)と前記基本波の大きさ(電圧値)とを比較し、前記キャリアの大きさが前記基本波の大きさ以上である期間(PWM制御信号のパルス幅)、コンバータ部2のスイッチング素子をオンし、前記キャリアの大きさが前記基本波の大きさを下回る期間、コンバータ部2のスイッチング素子をオフする。
インバータ用PWM制御部7は、インバータ部4のスイッチング素子をPWM制御する回路である。インバータ用PWM制御部7は、例えば、CPU、記憶素子およびその周辺回路を備えるマイクロコンピュータによって構成される。前記記憶素子には、コンバータをPWM制御するための制御プログラムが記憶されており、前記CPUが前記制御プログラムを実行することによって、インバータ用PWM制御部7は、図2(A)に示すコンバータ用PWM制御部6と同様に、図2(B)に示すように、機能的に、インバータ用スイッチング制御部71と、インバータ用キャリア生成部72と、インバータ用キャリア周波数制御部73と、インバータ用電圧演算基本波生成部74と、インバータ用微分演算部75とを備える。なお、これら各部71〜75のうちの1または複数は、前記マイクロコンピュータとは別に、個別の回路で構成されてもよい。
インバータ用電圧演算基本波生成部74は、インバータ部4から出力させたい出力電力の出力電圧を求め、コンバータ部2をPWM制御するための基本波であって、前記求めた出力電圧に応じた基本波を生成するものである。インバータ部4から出力させたい出力電力の出力電圧は、例えば、予め設定されてよく、基本波は、前記予め設定された前記出力電力の出力電圧に応じて例えば正弦波等が生成されてよい。また例えば、このインバータ部4から出力させたい出力電力の出力電圧は、図1に破線で示すように、負荷LDの変動に応じたフィードバック制御で負荷LDから入力される指令に基づいて求められ、基本波は、前記求められた前記出力電力の出力電圧に応じて例えば正弦波等が生成されてよい。この基本波は、インバータ部4から出力させたい出力電力の波形であり、インバータ部4の出力電力における出力電圧の波形でもある。インバータ用電圧演算基本波生成部74は、この生成した基本波をインバータ用スイッチング制御部71およびインバータ用微分演算部75へそれぞれ出力する。
インバータ用微分演算部75は、インバータ部4の出力電力における出力電圧の微分に関する所定値を求めるものである。この基本波は、上述のように、インバータ部4の出力電力における出力電圧の波形であるので、インバータ用微分演算部75は、インバータ用電圧演算基本波生成部74から入力された基本波の微分に関する所定値を求める。微分に関する所定値は、微分値そのものであってよく、また、差分値であってもよい。この差分値が用いられる場合、例えば、インバータ用微分演算部75は、前回のキャリア周波数の制御に用いた前記出力電圧(基本波)の第1電圧値と、今回のキャリア周波数の制御に用いる前記出力電圧(基本波)の第2電圧値との差(後退差分による差分値)を、前記出力電圧の微分に関する所定値として求めるように、構成されてよい。また例えば、インバータ用微分演算部75は、前記出力電圧(基本波)を時間tに対する関数h(t)で表した場合に、前記出力電圧の微分に関する所定値を前記関数h(t)の有限差分法によって求めるように、構成されてよい。なお、インバータ用微分演算部75は、他の手法によって差分値を求めてもよい。インバータ用微分演算部75は、この求めた前記出力電圧の微分に関する所定値をインバータ用キャリア周波数制御部73へ出力する。
インバータ用キャリア周波数制御部73は、インバータ用微分演算部75で求められた、前記出力電圧の微分に関する所定値に基づいて前記PWM制御のキャリア周波数を制御するものである。より具体的には、インバータ用キャリア周波数制御部73は、インバータ用微分演算部75で求められた、前記出力電圧の微分に関する所定値に基づいてPWM制御のキャリア周波数を求めて決定し、この決定したキャリア周波数をインバータ用キャリア生成部72に出力する。そして、インバータ用キャリア生成部72がこの通知されたキャリア周波数でキャリアを生成することで、インバータ用キャリア周波数制御部73は、前記PWM制御のキャリア周波数を制御する。
この前記出力電圧の微分に関する所定値に基づくPWM制御のキャリア周波数の演算では、上述と同様に、ルックアップテーブルが用いられてよく、また例えば、関数式が用いられてもよい。本実施形態では、出力電圧h(t)の微分に関する所定値をXi(V/sec)とし、PWM制御のキャリア周波数をYi(Hz)とする場合に、Yi=a×Xi+bの一次関数式が用いられる(例えばa=−300×10−6、b=400×10−6)。なお、関数h(t)は、高次の多項式であってもよく、非線形であってもよい。
インバータ用キャリア生成部72は、インバータ用キャリア周波数制御部73の制御に従いインバータ用キャリア周波数制御部73によって決定されたキャリア周波数で、インバータ部4をPWM制御するための例えば三角波や鋸波等のキャリア(搬送波)を生成するものである。本実施形態では、インバータ用キャリア生成部72は、三角波のキャリアを生成する。このキャリア(搬送波)は、インバータ部4におけるスイッチング素子の動作周波数を示している。そして、インバータ用キャリア生成部72は、この生成した基本波をインバータ用スイッチング制御部71へ出力する。
インバータ用スイッチング制御部71は、インバータ部4のスイッチング素子をPWM制御でオンオフ制御する回路である。より具体的には、インバータ用スイッチング制御部71は、インバータ用キャリア生成部72から入力されたキャリアと、インバータ用電圧演算基本波生成部74から入力された基本波との交差点を検出し、この検出されたキャリアと基本波との交差タイミングでインバータ部4のスイッチング素子をオンオフする。すなわち、インバータ用スイッチング制御部71は、前記キャリアの大きさ(電圧値)と前記基本波の大きさ(電圧値)とを比較し、前記キャリアの大きさが前記基本波の大きさ以上である期間(PWM制御信号のパルス幅)、インバータ部4のスイッチング素子をオンし、前記キャリアの大きさが前記基本波の大きさを下回る期間、インバータ部4のスイッチング素子をオフする。
次に、本実施形態の動作について説明する。図4は、実施形態の電力変換負荷駆動システムにおけるPWM制御部の動作を示すフローチャートである。図5は、実施形態の電力変換負荷駆動システムのPWM制御における出力電圧波形およびPWM波形を示す図である。図6は、実施形態の電力変換負荷駆動システムのPWM制御におけるPWM波形の周波数解析結果を示す図である。図7は、キャリア周波数を固定した比較例のPWM制御における出力電圧波形およびPWM波形を示す図である。図8は、キャリア周波数を固定した比較例のPWM制御におけるPWM波形の周波数解析結果を示す図である。図5および図7の各横軸は、秒(sec)単位で表す時間(経過時間)であり、各縦軸は、電圧レベル(振幅)である。図6および図8の各横軸は、Hz単位で表す周波数であり、各縦軸は、ノイズレベルである。
このような電力変換負荷駆動システムSでは、系統電源PSからACフィルタ部1を介して電力がコンバータ部2へ給電される。
コンバータ部2は、コンバータ用PWM制御部6のPWM制御に従って入力電力を他の態様の出力電力に変換する。より具体的には、コンバータ部2では、そのスイッチング素子がコンバータ用PWM制御部6によってPWM制御され、交流入力電力が所定の電圧値を持つ直流出力電力に変換される。この変換された直流出力電力は、DCフィルタ部3を介してインバータ部4へ給電される。
インバータ部4は、インバータ用PWM制御部7のPWM制御に従って入力電力を他の態様の出力電力に変換する。より具体的には、インバータ部4では、そのスイッチング素子がインバータ用PWM制御部7によってPWM制御され、直流入力電力が所定の周波数および電圧値を持つ交流出力電力に変換される。この変換された交流出力電力は、ACフィルタ部5を介して負荷LDへ給電される。負荷LDは、この受電した交流出力電力によって駆動する。
このような電力変換負荷駆動システム2の動作において、コンバータ用PWM制御部6がコンバータ部2をPWM制御する場合に、そのキャリア周波数は、次のように設定され、そして、インバータ用PWM制御部7がインバータ部4をPWM制御する場合に、そのキャリア周波数は、次のように設定される。ここで、このキャリア周波数を決定するコンバータ用PWM制御部6およびインバータ用PWM制御部7の各動作は、同様であるので、インバータ用PWM制御部7におけるキャリア周波数の決定動作を以下に説明し、コンバータ用PWM制御部6におけるキャリア周波数の決定動作の説明を省略する。
このキャリア周波数の決定動作において、図4に示すように、まず、処理S1では、インバータ用PWM制御部7のインバータ用電圧演算基本波生成部74は、インバータ部4から出力させたい出力電力の出力電圧を求め、この求めた出力電圧に応じた基本波を生成する。そして、インバータ用電圧演算基本波生成部74は、この生成した基本波をインバータ用スイッチング制御部71およびインバータ用微分演算部75へそれぞれ出力する。
次に、処理S2では、インバータ用PWM制御部7のインバータ用微分演算部75は、インバータ部4の出力電力における出力電圧の微分に関する所定値を求める。
例えば、前記基本波を表す関数h(t)が与えられている場合に、インバータ用微分演算部75は、前記出力電圧の微分に関する所定値として、この関数h(t)の時間微分を求めて微分値(dh(t)/dt)を求めてもよい。
また例えば、図5に示すように、今回時点(t)の前記出力電圧の微分に関する所定値を求める場合に、インバータ用微分演算部75は、前回(t−1)のキャリア周波数の制御に用いた前記出力電圧(基本波)の第1電圧値BV(t−1)と、今回(t)のキャリア周波数の制御に用いる前記出力電圧(基本波)の第2電圧値BV(t)との差(後退差分による差分値)△Vを(△V=|BV(t)−BV(t−1)|)、前記出力電圧の微分に関する所定値として求めてもよい。このようなインバータ用PWM制御部7は、前記出力電圧の微分に関する所定値を容易に演算することができる。また、このようなインバータ用PWM制御部7は、前記関数h(t)にいわゆる特異点を含む場合でも、前記出力電圧の微分に関する所定値を求めることができる。
また例えば、前記基本波を表す関数h(t)が与えられている場合に、インバータ用微分演算部75は、差分商{(h(t+△t)−h(t))/△t}を用いた前記関数h(t)の有限差分法によって前記出力電圧の微分に関する所定値を求めてもよい。このようなインバータ用PWM制御部7は、前記関数h(t)が連続関数であったとしても離散関数に置き換わるから、前記出力電圧の微分に関する所定値を容易に演算することができる。
そして、インバータ用微分演算部75は、この求めた前記出力電圧の微分に関する所定値をコンバータ用キャリア周波数制御部63へ出力する。
次に、処理S3では、インバータ用PWM制御部7のインバータ用キャリア周波数制御部73は、インバータ用微分演算部75で求められた、前記出力電圧の微分に関する所定値に基づいてPWM制御のキャリア周波数を求めて決定し、この決定したキャリア周波数をインバータ用キャリア生成部72に出力する。例えば、インバータ用キャリア周波数制御部73は、出力電圧h(t)の微分に関する所定値をXi(V/sec)とし、PWM制御のキャリア周波数をYi(Hz)とする場合に、Yi=a×Xi+b(例えばa=−300×10−6、b=400×10−6)の一次関数式を用いることによって、前記所定値XiからPWM制御のキャリア周波数Yi(Hz)を求めて決定する。
次に、処理S4において、インバータ用PWM制御部7のインバータ用キャリア生成部72は、インバータ用キャリア周波数制御部73の制御に従いインバータキャリア周波数制御部73によって上述のように決定されたキャリア周波数で、インバータ部4をPWM制御するための例えば三角波のキャリア(搬送波)を生成する。そして、インバータ用キャリア生成部72は、この生成した基本波をインバータ用スイッチング制御部71へ出力する。インバータ用PWM制御部7のインバータ用スイッチング制御部71は、インバータ用キャリア生成部72から入力されたキャリアと、インバータ用電圧演算基本波生成部74から入力された基本波との交差点を検出し、この検出されたキャリアと基本波との交差タイミングでインバータ部4のスイッチング素子をオンオフし、インバータ部4をPWM制御する。
このような前記出力電力における出力電圧の微分に関する所定値に基づいてキャリア周波数を可変した場合におけるPWM制御のパルスの一例が図5に示されている。また、図5には、正弦波の基本波(インバータ部4の出力電力における出力電圧、インバータ部4から出力させた出力電力における出力電圧)も示されている。そして、この図5に示すパルスでPWM制御した場合におけるPWM波形の周波数解析結果が図6に示されている。
一方、この比較例としてキャリア周波数を一定値に固定した場合におけるPWM制御のパルスの一例が図7に示され、そのPWM波形の周波数解析結果が図8に示されている。
キャリア周波数(図8に示す例では10kHz)を変更しない比較例の場合では、キャリアに起因するノイズは、図8に示すように、大略、キャリア周波数の成分およびその整数倍の周波数の高調波成分のみを含み、ノイズのエネルギーは、これらキャリア周波数およびその高調波のみに離散的に分布することになる。一方、本実施形態のインバータ部4では、キャリア周波数が変更されるので、ノイズは、所定の周波数帯域全体に亘った周波数成分を持つことになり、ノイズのエネルギーは、この周波数帯域全体に亘って分布することになる。したがって、ノイズの全エネルギーは、キャリア周波数の変更に関係なく略一定であるので、キャリア周波数を変更することによってノイズの最大値(ピーク)がキャリア周波数を変更しない場合に較べて低減される。図6および図8に示す例では、キャリア周波数を変更しない場合、その最大値(ピーク)は、約10kHzの周波数付近に約80dB(図8)であるが、キャリア周波数を可変する本実施形態の場合、その最大値(ピーク)は、約8kHzの周波数付近に約75dB(図6)である。このようにキャリア周波数に起因するノイズの最大値(ピーク)が人間の可聴域であっても、その官能レベルを低減できる。
コンバータ部2の場合は、上述したように、その図示および説明を省略するが、インバータ部4の場合と同様となる。
このように本実施形態のコンバータ部2およびインバータ部4は、キャリア周波数に起因するノイズを低減することができる。したがって、コンバータ部2やインバータ部4に接続される他の機器やその周辺の人間に対し、コンバータ部2やインバータ部4におけるキャリア周波数に起因する高調波ノイズの影響を低減することができる。そして、キャリア周波数の制御は、コンバータ部2およびインバータ部4の出力電力における出力電圧の微分に関する所定値に基づくので、本実施形態のコンバータ部2およびインバータ部4は、用途限定されない。
また、前記特許文献1に開示の電力変換装置は、低速走行の場合にはキャリア周波数を高くするので、低速走行の場合には電力変換効率を向上させることができない。しかしながら、本実施形態のコンバータ部2およびインバータ部4は、キャリア周波数を低減することができれば、PWM制御に伴ういわゆるスイッチング損失を低減することができ、電力変換効率を向上することもできる。
なお、上述の電力変換負荷駆動システムSは、系統電源PSの交流電力をコンバータ部2で直流電力に変換することによって、直流電力をインバータ部4側へ供給したが、系統電源PS、ACフィルタ部1、コンバータ部2およびDCフィルタ部3に代え、例えば二次電池や太陽電池等の直流電源が用いられてもよい。また、この直流電源を用いる場合に、安定した直流電力をインバータ部4へ給電するために、前記直流電源とインバータ部4との間に、DCフィルタ部が備えられてもよい。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
S 電力変換負荷駆動システム
2 コンバータ部
4 インバータ部
6 コンバータ用PWM制御部
7 インバータ用PWM制御部
61 コンバータ用スイッチング制御部
62 コンバータ用電圧演算基本波生成部
63 コンバータ用微分演算部
64 コンバータ用キャリア周波数制御部
65 コンバータ用キャリア生成部
71 インバータ用スイッチング制御部
72 インバータ用電圧演算基本波生成部
73 インバータ用微分演算部
74 インバータ用キャリア周波数制御部
75 インバータ用キャリア生成部

Claims (6)

  1. スイッチング素子を備え、前記スイッチング素子をPWM制御することによって、入力電力を、前記入力電力の態様とは異なる他の態様の出力電力に変換する電力変換部と、
    前記電力変換部の前記出力電力における出力電圧の微分に関する所定値を求める微分演算部と、
    前記微分演算部で求められた所定値に基づいて前記PWM制御のキャリア周波数を制御するキャリア周波数制御部とを備えること
    を特徴とする電力変換装置。
  2. 前記微分演算部は、前回のキャリア周波数の制御に用いた前記出力電圧の第1電圧値と、今回のキャリア周波数の制御に用いる前記出力電圧の第2電圧値との差を、前記出力電圧の微分に関する所定値として求めること
    を特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記微分演算部は、前記出力電圧を時間に対する関数で表した場合に、前記出力電圧の微分に関する所定値を前記関数の有限差分法によって求めること
    を特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  4. スイッチング素子を備え、前記スイッチング素子をPWM制御することによって、入力電力を、前記入力電力の態様とは異なる他の態様の出力電力に変換する電力変換工程と、
    前記電力変換工程の前記出力電力における出力電圧の微分に関する所定値を求める微分演算工程と、
    前記微分演算工程で求められた所定値に基づいて前記PWM制御のキャリア周波数を制御するキャリア周波数制御工程とを備えること
    を特徴とする電力変換方法。
  5. スイッチング素子を備え、前記スイッチング素子をPWM制御することによって、入力電力を、前記入力電力の態様とは異なる他の態様の出力電力に変換する電力変換装置における前記PWM制御のキャリア周波数制御するキャリア周波数制御装置において、
    前記電力変換装置の前記出力電力における出力電圧の微分に関する所定値を求める微分演算部と、
    前記微分演算部で求められた所定値に基づいて前記PWM制御のキャリア周波数を求めるキャリア周波数演算部とを備えること
    を特徴とするキャリア周波数制御装置。
  6. スイッチング素子を備え、前記スイッチング素子をPWM制御することによって、入力電力を、前記入力電力の態様とは異なる他の態様の出力電力に変換する電力変換装置における前記PWM制御のキャリア周波数制御するキャリア周波数制御方法において、
    前記電力変換装置の前記出力電力における出力電圧の微分に関する所定値を求める微分演算工程と、
    前記微分演算工程で求められた所定値に基づいて前記PWM制御のキャリア周波数を求めるキャリア周波数演算工程とを備えること
    を特徴とするキャリア周波数制御方法。
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