JP2014204011A - 有機電界発光素子用材料、有機電界発光素子、照明装置、及び表示装置 - Google Patents

有機電界発光素子用材料、有機電界発光素子、照明装置、及び表示装置 Download PDF

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幸民 水野
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Akio Amano
昌朗 天野
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Tomoko Sugisaki
知子 杉崎
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Abstract

【課題】電荷が流れることによる劣化が生じにくいホスト材料を用いて、寿命および輝度が向上した有機電界発光素子を提供する。【解決手段】ホスト材料および発光ドーパントを含む発光層のホスト材料として、下記式(1)で表される骨格を繰り返し単位に有し、繰り返し数が20以上10000以下であるポリマーを含むことを特徴とする有機電界発光素子:(式中、Xがポリマーの主鎖を構成する一元素であり、R1、R2、R3、R4はそれぞれ同じでも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、芳香環基、アルコキシ基、アルコチオ基、またはハロゲン原子からなる群から選択されるいずれか一つである)。【選択図】なし

Description

本発明の実施形態は、有機電界発光素子用材料、有機電界発光素子、照明装置、及び表示装置に関する。
近年、次世代ディスプレイや照明のための発光技術として有機電界発光素子(以下、有機EL素子とも称する)が注目されている。
ホスト材料として高分子材料を使用する場合、高分子材料中を電荷が流れると、材料自
体が分解したりや副反応を起こして別の物質になったりするなど、様々なメカニズムで高分子材料自体が劣化するという問題が生じる。以上のことから、電荷が流れても劣化が生じにくいホスト材料が求められている。
特願2012−190843号公報
本発明が解決しようとする課題は、電荷が流れることによる劣化が生じにくいホスト材料を提供することと、寿命および輝度が向上した有機電界発光素子、表示装置および照明装置を提供することにある。
実施形態に係る有機電界発光素子は、陽極と、前記陽極と離間して設けられた陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置され、ホスト材料および発光ドーパントを含む発光層と、を具備する有機電界発光素子であって、前記ホスト材料として、下記式(1)で表される骨格を繰り返し単位に有し、繰り返し数が20以上10000以下であるポリマーを含むことを特徴とする有機電界発光素子:
(式中、Xがポリマーの主鎖を構成する一元素であり、R1、R2、R3、R4はそれぞれ同じでも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、芳香環基、アルコキシ基、アルコチオ基、またはハロゲン原子からなる群から選択されるいずれか一つである)。
図1は、第1の実施形態に係る有機電界発光素子を示す断面図である。 図2は、実施例に係る有機電界発光素子を示す断面図である。 図3は、実施例および参考例1に係る有機電界発光素子の電流密度と発光効率の関係を示す図である。 図4は、実施例および参考例1に係る有機電界発光素子の発光時間と輝度の関係を示す図である。 図5は、実施例、参考例1および参考例2に係る有機電界発光素子の電流密度と電圧の関係を示す図である。 図6は、実施例、参考例1および参考例2に係る有機電界発光素子の発光時間と輝度の関係を示す図である。 図7(a)はジベンゾチオフェンの分子軌道計算結果を示す図であり、図7(b)は図7(a)に対応するジベンゾチオフェン分子の構造を示す図である。 3位をビニル化したジベンゾチオフェンの1H NMRスペクトルを示す図である。 P3VDBTの1H NMRスペクトルを示す図である。 P3VDBTのGPCスペクトルを示す図である。 図11は、第2の実施形態に係る照明装置を示す断面図である。 図12は、第3の実施形態に係る表示装置を示す回路図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る有機電界発光素子を示す断面図である。
有機電界発光素子10は、陽極12と、陰極18と、陽極12および陰極18の間に設けられた発光層15とを備える。
有機電界発光素子10は、さらに基板11と、正孔注入層13と、正孔輸送層14と、電子輸送層16と、電子注入層17とを備えていても良い。陽極12は基板11の上に設けられる。正孔注入層13は、陽極12と発光層15との間に設けられる。正孔輸送層14は正孔注入層13と発光層15との間に設けられる。電子輸送層16は、陰極18と発光層15との間に設けられる。電子注入層17は、電子輸送層16と陰極18との間に設けられる。正孔注入層13と正孔輸送層14は、いずれか一方が省略されても良い。電子輸送層16と電子注入層17は、いずれか一方が省略されても良い。
発光層15は、ホスト材料と発光材料とを含む。発光層15は、陽極12側から正孔を受け取り、陰極18側から電子を受け取る。発光層15において、正孔と電子とが再結合する。この再結合によるエネルギーによって、発光層15中のホスト材料が励起される。励起状態のホスト材料から発光ドーパントへエネルギーが移動することにより、発光ドーパントが励起状態となり、発光ドーパントが基底状態に戻る際に発光が生じる。
発光層15は、例えば、有機材料からなるホスト材料中に、発光材料(以下、発光ドーパントと称する)がドープされたものである。本実施形態においては、ホスト材料として、以下の式(1)で表されるジベンゾチオフェン骨格を繰り返し単位に含むポリマーを有する材料を使用する。
上記式(1)で表わされるポリマーにおいて、原子Xはポリマーの主を構成する一原子であり、例えば炭素である。すなわち、ホスト材料は、ポリマーの主鎖の原子Xにジベンゾチオフェンの3位が結合した構造を有する。式(1)で表わされるポリマーにおいて、ジベンゾチオフェンは側鎖である。R1〜R4は、それぞれ同じでも異なっていても良い。R1〜R4は、水素原子、アルキル基、芳香環基、アルコキシ基、アルコチオ基、ハロゲン原子である。アルキル基は、直鎖状、分岐状、または環状である。アルキル基は、炭素数が1以上10以下であることが好ましい。アルキル基は、炭素数が1以上6以下であることがより好ましい。アルキル基は、例えば、メチル基、イソプロキル基、シクロへキシル基等である。芳香環基は、置換基を有していても良い。芳香環基は、炭素数が1以上6以下であることが好ましい。芳香環基は、炭素数が1以上6以下であることが好ましい。芳香環基は、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基等である。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、カルボキシル基等である。
例えばR1〜R4を水素原子とすることができる。
ポリマーの主鎖は、例えば、ポリビニルやポリオキセタンである。主鎖をポリビニルとした場合のポリマーは下記式(2)で表わされる。
ポリマーの繰り返し数nは20以上10000以下であり、100以上5000以下であることが特に好ましい。nが20未満である場合、一般的には高分子とは定義しにくく、発光層15を塗布法により形成すると成膜性が良くない。一方、nが10000より大きくなると、ホスト材料が溶媒に溶けにくくなり、発光層15を塗布法により形成しにくい。上記式(1)で表されるポリマーとして、特に、数平均分子量または重量平均分子量が20000以上1,000000以下のものを使用することが好ましい。
上記式(1)で表されるポリマーは、電荷が流れることによる劣化が生じにくい。従って、ホスト材料として上記式(1)で表される化合物を使用することにより、従来よりも寿命の長い有機電界発光素子を得ることができる。
また、ホスト材料として上記式(1)で表されるポリマーを使用して作製した有機電界発光素子と従来の素子それぞれに同じ量の電流を流した場合に、前者の素子の方が高い発光効率および輝度を得ることができる。
上記式(1)で表されるポリマーとしては、例えば、式(3)で表わされる繰り返し単位を有するポリマーを用いることができる。
上記式(3)で表されるポリマーを、ポリ(3−ビニルジベンゾチオフェン)(P3VDBT)と称する。
すなわち、上記式(3)で表わされるポリマーは、ポリビニルをポリマーとして有する。上記式(3)で表わされるポリマーの繰り返し単位は、ビニル基の炭素原子にジベンゾチオフェンの3位が結合したものである。上記式(3)で表わされるポリマーは、上記式(1)であらわされるポリマーにおいてR1〜R4を水素原子としたものである。nは上述した繰り返し単位の繰り返し数を表す。
発光ドーパントは、当該分野で既知の種々の発光ドーパントの中から選択することができる。発光ドーパントとしては、発光性金属錯体を用いることができる。発光性金属錯体としては、例えば、イリジウムや白金などを中心金属とする発光性金属錯体がある。発光ドーパントとしては、燐光発光ドーパントおよび蛍光発光ドーパントのいずれも使用することができる。発光ドーパントとして、例えば、以下式(4)〜式(8)のような材料を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
式(4)で表わされる化合物は、Flrpic(イリジウム(III)ビス(4,6−ジ-フルオロフェニル)-ピリジネート-N,C2’-ピコリネート)である。式(5)で表わされる化合物は、Flr6(ビス(2,4−ジフルオロフェニルピリジナト)−テトラキス(1−ピラゾリル)ボラート−イリジウム(III))である。式(6)で表わされる化合物は、フェイシャル‐イリジウム(III)トリス(1−フェニル−3−メチルメンジミダゾリン−2−イリデン−C,C2’)である。式(7)で表わされる化合物は、白金(III)[2(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナト‐N‐C]−(アセチルアセトネート)である。式(8)で表わされる化合物は、トリス(2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン)イリジウム(III)である。
発光層15の厚さは、10nm以上100nm以下であることが好ましい。発光層15におけるホスト材料と発光ドーパントの割合は任意である。発光層15内の正孔と電子とのキャリアバランスをとり有機電界発光素子10の発光効率を向上させるために、発光層10中にさらに電子輸送性材料または正孔輸送性材料を含有させてもよい。
陽極12は、発光層15に正孔を注入する。陽極12の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されない。陽極12には、例えば、光透過性の導電性を有する材料を用いる。陽極12には、例えば、導電性の金属酸化物膜、光透過性の金属薄膜等を用いることができる。陽極12には、具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、およびそれらの複合体であるインジウム錫酸化物(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、インジウム亜鉛酸化物等からなる導電性ガラスを用いて作製された膜(NESA等)や、金、白金、銀、銅やこれらの合金等を用いることができる。特に、ITOからなる透明電極であることが好ましい。
また、陽極12には、有機系の導電性ポリマーを用いることもできる。陽極12には、例えば、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体等を用いてもよい。陽極12をITOとする場合、その膜厚は30nm以上300nm以下であることが好ましい。膜厚を30nmより薄くすると導電性が低下して抵抗が高くなり、有機電界発光素子10の発光効率が低下する原因となる。膜厚を300nmよりも厚くすると、ITOに可撓性がなくなり、陽極12に応力が作用するとひび割れが生じやすくなる。
陽極12は、単層であってもよく、異なる仕事関数の材料からなる層を積層したものであってもよい。
陰極18は、発光層15に電子を注入する。陰極18には、例えば、光透過性の導電性を有する材料を用いる。陰極18には、導電性の金属酸化物膜や金属薄膜等を用いることができる。陽極12に仕事関数の高い材料を用いる場合、陰極18には仕事関数の低い材料を用いることが好ましい。仕事関数の低い材料としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属等が挙げられる。仕事関数の低い材料としては、具体的には、Li、In、Al、Ca、Mg、Li、Na、K、Yb、Cs等を挙げることができる。
陰極18は、単層であってもよく、異なる仕事関数の材料で構成される層を積層したものであってもよい。また、2種以上の金属の合金を使用してもよい。合金の例としては、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、カルシウム−アルミニウム合金等が挙げられる。
陰極18の膜厚は、10nm以上300nm以下であることが好ましい。膜厚を10nmより薄くすると、抵抗が大きくなりすぎる。膜厚を300nmより厚くすると、陰極18の成膜に長時間を要し、隣接する層にダメージを与えて性能が劣化する。
基板11は、他の部材を支持するためのものである。この基板11は、熱や有機溶剤によって変質しないものが好ましい。基板11の材料としては、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス等の無機材料、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、液晶ポリマー、シクロオレフィンポリマー等のプラスチック、高分子フィルム、およびステンレス鋼(SUS)、シリコン等の金属基板が挙げられる。発光を取り出すため、ガラス、合成樹脂等からなる透明な基板を用いることが好ましい。基板11の形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、用途、目的等に応じて適宜選択することができる。
正孔注入層13は、陽極12から正孔を受け取り、正孔輸送層14に注入する機能を有する層である。正孔注入層13の材料としては、例えば、導電性インクであるポリ(エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレンスルホン酸)(以下、PEDOT:PSSと記す)のようなポリチオフェン系ポリマーを使用することができるが、これに限定されない。
正孔輸送層14は、正孔注入層13から正孔を受け取り、発光層15に正孔を輸送する機能を有する層である。正孔輸送層14の材料としては、例えば、トリフェニルアミンなどから成るポリマーを使用することができるが、これに限定されない。発光層15のホスト材料として使用する式(1)で表わされるポリマーを、正孔輸送層14の材料として使用することもできる。
電子注入層17は、陰極18から電子を受け取り、電子輸送層16へ注入する機能を有する層である。電子注入層17の材料としては、例えば、CsF、LiF等を使用することができるが、これらに限定されない。
電子輸送層16は、電子注入層17からから電子を受け取り、発光層15へ電子を輸送する機能を有する層である。電子輸送層16の材料としては、例えば、トリス[3−(3−ピリジル)−メシチル]ボラン(3TPYMB)、トリス(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム錯体(Alq3)、バソフェナントロリン(BPhen)等を使用することができるが、これらに限定されない。発光層15のホスト材料として使用する式(1)で表わされるポリマーを、を、電子輸送層16の材料として使用することもできる。
図1においては、基板11と陰極18の間に陽極を配置する構成としているが、基板11と陽極12の間に陰極18を配置する構成としてもよい。
<実施例>
図2は、実施例に係る有機電界発光素子を示す断面図である。
発光層15におけるホスト材料としてP3VDBTを使用して、有機電界発光素子110を作製した。有機電界発光素子110は、陽極12と、正孔注入層13と、正孔輸送層14と、発光層15と、電子注入層17と、陰極18と、を有する。有機電界発光素子110の層構成は、以下の通りである。
ITO 100nm/PEDOT:PSS 50nm/IL001 20nm/P3VDBT:TG001 80nm/CsF 0.5nm/Al 150nm。
陽極12は、膜厚が100nmのITO(インジウムスズ酸化物)からなる透明電極とした。
正孔注入層13は、導電性インクであるPEDOT:PSSの水溶液をスピンコート法によって陽極12上に塗布し、加熱して乾燥させることにより得た。正孔注入層13は、膜厚が50nmであった。
正孔輸送層14は、トリフェニルアミン系の材料を溶剤のキシレンに溶かした溶液を用いて形成した。この溶液をスピンコート法によって正孔注入層13の上に塗布し、加熱して乾燥させることにより膜厚50nmの正孔輸送層を得た。
発光層15は、発光ドーパントとしての緑色の発光材料と、ホスト材料としてのP3VDBTと、さらに電子輸送性材料とにより形成した。P3VDBTと発光ドーパントと電子輸送性材料の重量比が2:1:2となるよう秤量し、これらをクロロベンゼンに溶解した溶液をスピンコートによって正孔輸送層14上に塗布し、加熱して乾燥させることにより膜厚80nmの発光層を得た。
電子注入層17は、膜厚が0.5nmのCsFとした。
陰極18は、膜厚が150nmのAlとした。
<参考例1>
発光層15のホスト材料としてP3VDBTの代わりに、以下式(9)に示す繰り返し単位を有するポリマーであるポリ(2−ビニルジベンゾチオフェン)(P2VDBT)を用いた。これ以外は、実施例と同様にして有機電界発光素子を作製した。P2VDBTの数平均分子量は約2万である。
<試験例1:発光特性の比較>
実施例および参考例1に係る有機電界発光素子について、電流密度と発光効率の関係を調べた。図3は、実施例および参考例1に係る有機電界発光素子の電流密度と発光効率の関係を示す図である。縦軸は発光効率(/(cd・A))であり、横軸は電流密度(/(mA・cm))である。発光効率は、積分球による発光量の測定と印加された電流および電圧の測定を同時に行う、浜松ホトニクス製量子効率評価装置C9920−12システムを用いて測定した。
実施例に係る有機電界発光素子110と参考例1に係る有機電界発光素子に印加される電流の密度が同じ場合、高い電流密度においては実施例に係る有機電界発光素子110の方が高い発光効率が得られることが分かる。すなわち、実施例に係る有機電界発光素子110は、輝度が高い。
<試験例2:素子寿命の比較>
実施例および参考例1に係る有機電界発光素子について、素子寿命を比較した。図4は、実施例および参考例1に係る有機電界発光素子の発光時間と輝度の関係を示す図である。縦軸は輝度(cd/m)であり、横軸は発光時間(時間)である。輝度は、浜松ホトニクス社製視感度フィルタ付きSiフォトダイオードS7610を用いて測定した。
実施例および参考例1に係る有機電界発光素子について、初期輝度4000cd/mで連続通電を行った。初期輝度の半分の輝度である2000cd/mになるまでの時間は、参考例1に係る有機電界発光素子は16.6時間であったのに対して、実施例に係る有機電界発光素子110は22.1時間であった。すなわち、実施例に係る有機電界発光素子110の寿命は、参考例1に係る有機電界発光素子の約1.3倍であった。この結果から、P3VDBTはP2VDBTと比較して電荷が流れることによる劣化が生じにくく、これをホスト材料として使用することにより、長寿命の有機電界発光素子が得られることが分かる。
<参考例2>
発光層15のホスト材料としてP3VDBTの代わりに、以下式(10)に示す繰り返し単位を有するポリマーであるポリビニルカルバゾール(PVK)を用いた。これ以外は、実施例と同様にして有機電界発光素子を作製した。P2VDBTの数平均分子量は約2万程度あるいはそれ以上である。
<試験例3:発光特性の比較>
実施例、参考例1及び参考例2に係る有機電界発光素子について、電流密度と電圧の関係を調べた。図5は、実施例、参考例1及び参考例2に係る有機電界発光素子の電流密度と電圧の関係を示す図である。縦軸は電流密度(/(mA・cm))であり、横軸は電圧(V)である。
実施例に係る有機電界発光素子110と参考例1および参考例2に係る有機電界発光素子に同じ電圧を印加する場合、実施例に係る有機電界発光素子110は最も電流密度が大きい。すなわち、実施例に係る有機電界発光素子110は、電流が流れやすい。
<試験例4:素子寿命の比較>
実施例、参考例1および参考例2に係る有機電界発光素子について、素子寿命を比較した。図6は、実施例、参考例1および参考例2に係る有機電界発光素子の発光時間と輝度の関係を示す図である。縦軸は輝度(cd/m)であり、横軸は発光時間(時間)である。縦軸の輝度は、各有機電界発光素子に0.72mAの電圧を印加して連続駆動した時の初期輝度を1として、規格化して示している。輝度は、浜松ホトニクス社製視感度フィルタ付きSiフォトダイオードS7610を用いて測定した。
初期輝度の半分の輝度になるまでの時間は、参考例1に係る有機電界発光素子が95時間、参考例2に係る有機電界発光素子が66時間であったのに対して、実施例に係る有機電界発光素子110は241時間であった。すなわち、実施例に係る有機電界発光素子110の寿命は、参考例1に係る有機電界発光素子の約1.3倍であった。この結果から、P3VDBTはP2VDBTやPVKと比較して電荷が流れることによる劣化が生じにくく、これをホスト材料として使用することにより、長寿命の有機電界発光素子が得られることが分かる。
試験例1〜4から分かるように、P3VDBTは電荷が流れることによる劣化が生じにくく、これをホスト材料として用いた有機電界発光素子は寿命が長く輝度も高い。
従来、有機電界素子の発光層のホスト材料としてPVKが用いられてきた。しかしながら、PVKは劣化が生じやすいという問題があった。また、PVKは、電荷を流しにくく、電荷を流すためには高電圧を印加する必要がある。
これはPVKに含まれるC−N結合が切断し易いためであると考えられる。一方、P3VDBTにおいては、ジベンゾチオフェンにC−N結合が含まれない。従って、P3VDBTは劣化しにくく、このポリマーをホスト材料として用いる有機電界発光素子110は寿命が長かったと考えられる。
また、P3VDBTとP2VDBTの比較を行うために、ジベンゾチオフェンの分子軌道計算を行った。図7(a)はジベンゾチオフェン分子のHOMOエネルギーを示す図であり、電子密度が高いところをAで示している。図7(b)は図7(a)に対応するジベンゾチオフェン分子の構造を示す図である。図7(a)に示すように、ジベンゾチオフェン分子の2位の炭素原子においては電子密度が高く3位の炭素原子においては電子密度が低い。従って、ジベンゾチオフェン分子の2位の炭素原子は他の分子との反応性が高く、3位の炭素原子は他の分子との反応性が低い。
以上のことから、ジベンゾチオフェン分子の2位の炭素原子がポリマーの主鎖と結合しているP2VDBTは、ポリマー主鎖とジベンゾチオフェンの間で結合が切断し易い。一方、ジベンゾチオフェン分子の3位の炭素原子がポリマーの主鎖と結合しているP3VDBTは、ポリマー主鎖とジベンゾチオフェンの間で結合が切断し難い。
式(1)で表わされるポリマーも、側鎖にC−N結合を含まない。また、式(1)で表わされるポリマーも、ジベンゾチオフェンの3位の炭素原子が主鎖に結合する。従って、式(1)で表わされるポリマーは劣化が生じにくく、これをホスト材料として用いた有機電界発光素子は寿命が長く輝度も高い。
式(1)で表わされるポリマーに含まれるポリマーとしては、例えば、式(11)〜式(15)であらわれるポリマーがある。
式(11)で表わされるポリマーは、式(1)で表わされるポリマーにおいてR2、R3およびR4を水素原子、R1をメトキシ基としたものである。式(12)で表わされるポリマーは、式(1)で表わされるポリマーにおいてR1、R3およびR4を水素原子、R2をメトキシ基としたものである。式(13)で表わされるポリマーは、式(1)で表わされるポリマーにおいてR1、R2およびR4を水素原子、R3をメトキシ基としたものである。式(14)で表わされるポリマーは、式(1)で表わされるポリマーにおいてR1、R3およびR4を水素原子、R2をメチルチオ基としたものである。式(15)で表わされるポリマーは、式(1)で表わされるポリマーにおいてR1、R3およびR4を水素原子、R2をt−ブチル基(三級ブチル基)としたものである。
<有機電界発光素子の製造方法>
以下に有機電界発光素子10の形成方法を説明する。
まず、基板11の上に陽極12を形成する。陽極12は、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法、塗布法等で成膜する。
次に、陽極12の上に正孔注入層13を形成する。次に、正孔注入層13の上に正孔輸送層14を形成する。次に、正孔輸送層14の上に発光層15を形成する。次に、発光層15の上に電子輸送層16を形成する。次に、電子輸送層16の上に電子注入層17を形成する。
正孔注入層13、正孔輸送層14、発光層15、電子輸送層16および電子注入層17の形成方法は、薄膜を形成できる方法であれば特に限定されない。例えばスピンコート法によってその材料を含む溶液を所望の膜厚に塗布した後、ホットプレート等で加熱乾燥する。塗布する溶液は、予めフィルタでろ過してもよい。
<式(2)で表わされるポリマーの製造方法>
式(2)で表わされるポリマーは、以下の式(16)ようにして製造することができる。
具体的には、以下のように行う。全てArガスをフローした状態で実施し、反応に用いた溶媒は全て脱水溶媒である。ガラス器具を130℃の乾燥器で3時間乾燥させた後、吸引栓からArを流しながら、ガラス器具を組み立て、一昼夜放置する。このガラス器具のうち、三口フラスコに、Mg粉末(2.3 eq.)を加え、THFを添加し、さらにヨウ素をミクロスパーテル半杯分加えて撹拌する。ヨウ素があるため、茶色に着色し、しかもMgの粉末で白濁する。一方、別の三口フラスコにジベンゾチオフェンのモノブロモ体(1.0 eq.)を入れ、THFを加えて撹拌する。無色透明の液体となったフラスコから、シリンジで溶液を吸いだし、先のガラス器具に組まれた滴下ロートに移す。滴下ロートから数的滴下した後、ドライヤーで加熱すと、直ちにヨウ素の茶色の色が消失し、グリニヤール試薬の生成が確認できる。さらに、1秒1滴のペースで加えると、フラスコ内の温度が上昇するが、50℃を超えたら滴下を止めるようにして、少しずつ滴下する。その後、沸騰するまでオイルバスで約3時間半加熱する。次に、三口フラスコに、NiCl2(dppp)を(0.013 eq.)を添加し、ジエチルエーテルを添加する。これに、ビニルブロマイドのTHF溶液(1.2 eq.)を添加し、氷浴で8℃に冷却する。この実験器具に組まれた滴下ロートに、前述したグリニヤール試薬をトランスファー(テフロン(R)チューブと針から構成)を用いて、Mg粉末と共に移し入れる。氷浴での冷却を続けたまま、撹拌した状態で、この滴下ロートから、1秒1滴のペースでジベンゾチオフェンのグリニヤール試薬を約30分かけて滴下する。その後、氷浴をはずし、オイルバスで31℃で加熱しながら、撹拌を続ける。滴下終了から、約5時間半加熱撹拌した後、撹拌を停止し、約12時間放置する。
反応溶液に0.95N HClを加え、さらに、ジエチルエーテルと水を加える。この水相に関して、クロロホルムを用いて5回抽出し、TLCで生成物がなくなったことを確認する。硫酸マグネシウムで1時間乾燥させた後、この乾燥剤をろ過で除いて溶媒を留去する。これにヘキサンを入れたところ、ほとんど溶けないが、クロロホルムを加えてオレンジ色の懸濁液とする。これにシリカゲルを加えて溶媒を留去しながら担持させる。これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサンのみ)に充填して、精製を実施する。溶出されたものをTLCで評価し、目的物質と思われる部分のみが含まれているフラクションを集め、溶媒を減圧留去し、ビニル体を得る。
続いて、ラジカル重合反応を行い、式(2)で表わされるポリマーを得る。
具体的には、以下の手法で実施する。なお、Arガスフロー雰囲気で実験する。また、反応溶媒は全て脱水溶媒を用いる。三口フラスコにビニル体 (1.0 eq.)を入れ、THFで溶解させる。一方、三口フラスコにラジカル重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を入れて、THFを加えて撹拌し、均一な溶液とする。これから、シリンジでAIBN溶液(1/268 eq.)を採取し、ビニル体のTHF溶液に添加する。その後、オイルバスでナシフラスコ周辺が63℃になるようにして、8時間20分加熱を行う。
室温まで冷却後、メタノールが入った三角フラスコに反応溶液を滴下し、再沈殿法による精製を3回行い、白色の固体である目的のポリマーを得る。
<P3VDBTの製造方法>
式(4)で表わされるP3VDBTは、新規の材料である。
まず、公知文献(Milton, L. L. J Heterocyclic Chem. 1985, 22, 215-218)を参考にして、ジベンゾチオフェンの3位をブロモ化したものを合成した。
公知文献(Shimomura, O.; Sato, T.; Tomita, I.; Suzuki, M.; Endo, T. J. Polym. Sci. part A: Polym Chem. 1997, 35, 2813-2819)の反応例では、2位がブロモ化されたジベンゾチオフェンのビニル化反応に関して言及されている。これを参考にして、式(17)に示すように、3位がブロモ化されたジベンゾチオフェンのビニル化を行った。具体的には、以下のスキームに従い、ワンポッドで、ジベンゾチオフェンのモノブロモ体をMgと反応させでグリニヤール試薬を生成させ、これをNi触媒の存在下、ビニル源と反応させることでビニル体(3−ビニルジベンゾチオフェン)を合成した。ここでNi触媒として使用したNiCl2(dppp)は、(1,3-bis[diphenylphosphino]propane) dichloronickel(II)である。
具体的には、以下のように行った。全てArガスをフローした状態で実施し、反応に用いた溶媒は全て脱水溶媒であった。ガラス器具を130℃の乾燥器で3時間乾燥させた後、吸引栓からArを流しながら、ガラス器具を組み立て、一昼夜放置した。このガラス器具のうち、50 mLの三口フラスコに、Mg粉末(1.058 g, 43.53 mmol, 2.3 eq.)を加え、THFを5.0 mL添加し、さらにヨウ素をミクロスパーテル半杯分加えて撹拌した。ヨウ素があるため、茶色に着色し、しかもMgの粉末で白濁した。一方、別の50 mL三口フラスコにジベンゾチオフェンのモノブロモ体(5.017 g, 19.07 mmol, 1.0 eq.)を入れ、THF(25.0 mL)を加えて撹拌した。無色透明の液体となったフラスコから、シリンジで溶液を吸いだし、先のガラス器具に組まれた滴下ロートに移した。滴下ロートから数的滴下した後、ドライヤーで加熱したところ、直ちにヨウ素の茶色の色が消失し、グリニヤール試薬の生成が確認できた。さらに、1秒1滴のペースで加えたところ、フラスコ内の温度が上昇したが、50℃を超えたら滴下を止めるようにして、少しずつ滴下していった。約13分で滴下を完了し、その後、沸騰するまでオイルバスで約3時間半加熱した。次に、100 mL三口フラスコに、NiCl2(dppp)を(130 mg, 0.240 mmol, 0.013 eq.)を添加し、ジエチルエーテル(10 mL)を添加した。これに、ビニルブロマイドのTHF溶液(1 mol/L, 23.0 mL, 23.0 mmol, 1.2 eq.)を添加し、氷浴で8℃に冷却した。この実験器具に組まれた滴下ロートに、前述したグリニヤール試薬をトランスファー(テフロン(R)チューブと針から構成)を用いて、Mg粉末と共に移し入れた。氷浴での冷却を続けたまま、撹拌した状態で、この滴下ロートから、1秒1滴のペースでジベンゾチオフェンのグリニヤール試薬を約30分かけて滴下した。その後、氷浴をはずし、オイルバスで31℃で加熱しながら、撹拌を続けた。滴下終了から、約5時間半加熱撹拌した後、撹拌を停止し、約12時間放置した。
反応溶液に0.95N HCl (10 mL)を加え、さらに、ジエチルエーテル(10 mL)と水を加えた。この水相に関して、クロロホルム20 mLを用いて5回抽出し、TLCで生成物がなくなったことを確認した。硫酸マグネシウムで1時間乾燥させた後、この乾燥剤をろ過で除いて溶媒を留去した。これにヘキサンを入れたところ、ほとんど溶けなかったが、クロロホルム100 mLを加えてオレンジ色の懸濁液とした。これにシリカゲル16.75 gを加えて溶媒を留去しながら担持させた、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、φ60 mm×h:245 mm、ヘキサンのみ)に充填して、精製を実施した。溶出されたものをTLCで評価し、目的物質と思われる部分のみが含まれているフラクションを集め、溶媒を減圧留去し、ビニル体を得た(2.3188 g, 11.026 mmol)。収率は58%であった。
1H NMRスペクトルによる測定の結果を図8に示す。5.3-6.0 ppm付近の2本のダブレットのピーク、及び6.8-7.0 ppm付近の4本ピークは、ビニル基に由来するピークである。また、7.4-8.2 ppmのピークはジベンゾチオフェンの芳香環に由来するものである。以上から、目的物質であることが確認できた。また、他に、不純物が無いことも確認した。
続いて、式(18)に示すようにして、3−ビニルジベンゾチオフェンのラジカル重合反応を行い、P3VDBTを得た。
具体的には、以下の手法で実施した。なお、Arガスフロー雰囲気で実験した。また、反応溶媒は全て脱水溶媒を用いた。10 mLの三口フラスコに3−ビニルジベンゾチオフェン(1.016 g, 4.831 mmol, 1.0 eq.)を入れ、THF (4 mL)で溶解させた。一方、50 mL三口フラスコにラジカル重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(11mg, 0.067 mmol)を入れて、THF (19 mL)を加えて撹拌し、均一な溶液とした。これから、シリンジでAIBN溶液(5.0 mL, 0.018 mmol, 1/268 eq.)を採取し、3-ビニルジベンゾチオフェンのTHF溶液に添加した。その後、オイルバスでナシフラスコ周辺が63℃になるようにして、8時間20分加熱を行った。
室温まで冷却後、メタノール100 mLが入った200 mL三角フラスコに反応溶液を滴下し、再沈殿法による精製を3回行い、白色の固体を得た(275.6 mg)。収率は、原料の重量を基準として、27%であった。
なお、得られたポリマーに関して1H NMRスペクトルを測定した結果を図9に示す。芳香環に由来するケミカルシフトの領域に関しては、ブロードなピークが得られ、原料等に由来するピークが見られないことが確認された。なお、1.8 ppmと3.8 ppmのマルチプレットのピークはTHFに由来するピークと思われる。また、7.3 ppmと1.5 ppmのピークは、NMR測定用のクロロホルムと、それに含まれる水であると思われる。また、2.2 ppmと1.4 ppmの小さなピークは、その位置からスピニングサイドバンドであると予想される。
次に、THFを展開溶媒に用いてGPCを測定した結果を図10に示す。1H NMRスペクトルと同様の位置にピークが現れた。得られたP3VDBTの数平均分子量(Mn)は72000、重量平均分子量(Mw)は126000であり、重合度(Mw/Mn)は1.75であった。
(第2の実施形態)
図11は、第2の実施形態に係る照明装置を示す断面図である。照明装置100は、積層された陽極107、有機層106、および陰極105と、陽極107および陰極105に電気的に接続された駆動部108とを有する。照明装置100は、さらに、陽極107の下に設けられたガラス基板101と、陰極105を覆う封止ガラス102と、封止ガラス102を陽極107に固定する接着剤104とを有していても良い。さらに、封止ガラス102の陰極105側の面には、乾燥剤103が設置されていても良い。
なお、有機層106は、発光層15を含む。発光層15は有機材料からなるホスト材料中に、発光材料(以下、発光ドーパントと称する)がドープされたものである。本実施形態においては、ホスト材料として、式(1)で表されるジベンゾチオフェン骨格を繰り返し単位に含むポリマーを有する材料を使用する。
すなわち、陽極107、有機層106、および陰極105は第1の実施形態に係る有機電界発光素子10を構成する。
有機層106は、さらに、上記の正孔注入層13、正孔輸送層14、発光層15、電子輸送層16、電子注入層17を含んでいても良い。
本実施形態に係る照明装置100は、寿命が長く、輝度が高い。
(第3の実施形態)
図12は、本発明の実施態様に係る表示装置を示す回路図である。表示装置20は、横方向の制御線(CL)と縦方向の信号線(DL)がマトリックス状に配置された回路の中に、それぞれ画素21を配置した構成をとる。画素21には、発光素子25および発光素子25に接続された薄膜トランジスタ(TFT)26が含まれる。TFT26の一端子は制御線に接続され、他の一端子は信号線に接続される。信号線は、信号線駆動回路22に接続されている。画素21が設けられた領域の周囲には、画素を駆動する駆動部が設けられている。駆動部は、信号線駆動回路22、制御線駆動回路23、およびコントローラ24を含む。信号線は信号線駆動回路22に接続されている。制御線は、制御線駆動回路23に接続されている。信号線駆動回路22および制御線駆動回路23は、コントローラ24により制御される。
発光素子25は、第1の実施形態に係る有機電界発光素子10である。
本実施形態に係る表示装置20は、寿命が長く、輝度が高い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…有機電界発光素子、11…基板、12…陽極、13…正孔注入層、14…正孔輸送層、15…発光層、16…電子輸送層、17…電子注入層、18…陰極、20…表示装置、21…画素、22…信号線駆動回路、23…制御線駆動回路、24…コントローラ、25…発光素子、26…TFT、100…照明装置、101…ガラス基板、102…封止ガラス、103…乾燥剤、104…接着剤、105…陰極、106…有機EL層、107…陽極、108…駆動部

Claims (7)

  1. 陽極と、
    前記陽極と離間して設けられた陰極と、
    前記陽極と前記陰極との間に配置され、ホスト材料および発光ドーパントを含む発光層と、
    を具備する有機電界発光素子であって、
    前記ホスト材料として、下記式(1)で表される骨格を繰り返し単位に有し、繰り返し数が20以上10000以下であるポリマーを含むことを特徴とする有機電界発光素子:
    (式中、Xがポリマーの主鎖を構成する一元素であり、R1、R2、R3、R4はそれぞれ同じでも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、芳香環基、アルコキシ基、アルコチオ基、またはハロゲン原子からなる群から選択されるいずれか一つである)。
  2. 前記ホスト材料は、下記式(2)で表される骨格を繰り返し単位に有するポリマーを含むことを特徴とする請求項2に記載の有機電界発光素子:
    (式中、nは20以上10000以下である)。
  3. 前記R1、前記R2、前記R3および前記R4は水素原子である請求項2に記載の有機電界発光素子。
  4. 前記R1、前記R2、前記R3および前記R4のうち、一はアルキル基、アルコキシ基、アルコチオ基からなる群から選択されるいずれか一つであり、他は水素原子である、請求項1に記載の有機電界発光素子。
  5. 請求項1に記載の有機電界発光素子と駆動部とを具備することを特徴とする照明装置。
  6. 請求項1に記載の有機電界発光素子と駆動部とを具備することを特徴とする照明装置。
  7. 下記式(3)で表されるジベンゾチオフェン骨格を繰り返し単位に含み、繰り返し数が20以上10000以下であるポリマーからなるホスト材料:
    (式中、Xがポリマーの主鎖を構成する一元素であり、R1、R2、R3、R4はそれぞれ同じでも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、芳香環基、アルコキシ基、アルコチオ基、またはハロゲン原子からなる群から選択されるいずれか一つである)。
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