JP2014203600A - 電池パック - Google Patents

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Abstract

【課題】モジュールケース内の単電池への冷却風の分配が均一で良好なものとなる電池パックを提供する。【解決手段】電池パック(1)は、電池(18)と、複数のモジュールケース(4〜7)と、電池パックケース(2)と、送風機(8)とを備える。送風機(8)は、電池パックケース(2)内部からの空気を、排気口(31)を介して外気に放出する。このとき、電池パックケース(2)内に空気が空気吸入部(3)を介して流入される。空気吸入部(3)からの空気は、各モジュールケース(4〜7)内部にダクト(20)で導かれる。ダクト(20)からの空気は、各モジュールケース(4〜7)に形成された流出開口部(14〜17)によって、モジュールケース(4〜7)外部に導かれる。各モジュールケース(4〜7)の複数の流出開口部(14〜17)からの空気が集合する内部空間(30)が設けられている。【選択図】図4

Description

本発明は、単電池が複数集合して配置された電池パックに関するものである。
従来、特許文献1に記載の蓄電装置が知られている。この装置は、ダクトから各単電池に冷却用の空気が分配され、単電池の入ったモジュールを2段積みにし、モジュール内の空気をダクトなどで吸引し、その後流に排気用のファンが設けてあった。またファンは単電池の上流側である吸気側に設けてもよいと記載されている。そして、風の流れは、上流側から直角に曲がって単電池の周囲を流れ、更に直角に曲がって排気される。また、モジュールは単電池とモジュールケースで形成され、モジュールケースは単電池を収納できる程度の大きさである。
特開2010−33799号公報
上記特許文献1の技術によると、単電池に対し風量により単電池間風速にばらつきが生じる。つまりファンの風量または流速の影響により、単電池は空気流の動圧の影響を強く受け、複数の単電池の冷却が不均一になる。
本発明は、上記問題点に鑑み、モジュールケース内部に配置された単電池への冷却風の分配が均一で良好なものとなる電池パックを提供することを目的とする。
従来技術として列挙された特許文献の記載内容は、この明細書に記載された技術的要素の説明として、参照によって導入ないし援用することができる。
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、本発明では、電池パック(1)は、単電池(18)の集合体をそれぞれ収容する複数のモジュールケース(4〜7)と、複数のモジュールケース(4〜7)を収容する電池パックケース(2)とを有している。かつ、電池パック(1)は、電池パックケース(2)内に外部の空気を空気吸入部(3)から取り入れる送風機(8)を備えている。また、電池パック(1)は、電池パックケース(2)の空気吸入部(3)とモジュールケース(4〜7)の空気導入部(26、27、28、29)とを接続するダクト(20)とを備えている。モジュールケース(4〜7)には、ダクト(20)を介して内部に吸い込まれた空気がモジュールケース(4〜7)の外部であって電池パックケース(2)の内部空間(30)に排出される流出開口部(14〜17)が形成されている。そして、電池パックケース(2)の内部空間(30)は、送風機(8)に設けられる排気口(31)に連通している。
この発明によれば、送風機(8)が回転して各モジュールケース(4〜7)の複数の流出開口部(14〜17)からの空気が集合し送風機(8)に導かれる電池パックケース(2)内の共通空間となる内部空間(30)を備える。また、電池パックケース(2)は、複数のモジュールケース(4〜7)を包囲するため、その分、容積が大きい。よって、送風機(8)の回転時において、電池パックケース(2)の内部空間(30)は、送風機(8)に導かれる負圧と同じ静圧で満たされている。一方、各モジュールケース(4〜7)内部には、空気導入部(26、27)を介してダクト(20)からの空気が導かれる。この空気導入部(26、27)の静圧は、ダクト(20)の通風抵抗等を調整することで、各モジュールケース(4〜7)間で差が出ないように均一化することが容易である。従って、各モジュールケース(4〜7)の空気の入口と成る空気導入部(26、27)の圧力も、空気の出口と成る流出開口部(14〜17)の圧力も、モジュールケース(4〜7)間で不均一にならないようにすることができる。換言すれば、電池パックケース(2)の内部は、容積が大きいため風速が緩やかに成り、動圧の影響を無視できる。このため、電池パックケース(2)の内部空間(30)は、送風機(8)に導かれる共通空間の負圧と同じ静圧で満たされている。この静圧は、モジュールケースからの出口となる流出開口部(14〜17)にも作用している。よって、各モジュールケース(4〜7)の入口である空気導入部(26、27)と出口である流出開口部(14〜17)との間に均等に静圧間の差圧が印加され、モジュールケース(4〜7)内に配置された単電池(18)への冷却風の分配が均一で良好なものとなる。
なお、特許請求の範囲および上記各手段に記載の括弧内の符号ないし説明は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を分かり易く示す一例であり、発明の内容を限定するものではない。
本発明の第1実施形態を成す電池パックの内部が、透視されて模式的に示された斜視図である。 上記実施形態のモジュールケースの一つの内部が、透視されて模式的に示された斜視図である。 上記実施形態において、電池パックケース内部の空気の流れが矢印で示された透視斜視図である。 図3の矢印IV方向から見た電池パックの透過側面図である。 本発明の第2実施形態を示す電池パックの透過斜視図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部を説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。
各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1ないし図4を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の電池パック1の第1実施形態を示している。この電池パック1は、電気自動車、ハイブリッド自動車等に搭載され、走行用の電気エネルギーを蓄える。
図1において、矢印にて示す三次元の方向は、車両の天井方向Uと、車両前方方向Fと、車両後方方向Bと運転者の右手方向RHとを示している。図1は、全体として直方体の電池パックケース2の内部が透視されて模式的に図示されている。
電池パック1は、外気からの空気を空気吸入部3から吸い込んで電池パックケース2内の後述する電池の冷却を行う。電池パックケース2内には、図1の場合、4個のモジュールケース4、5、6、7が設けられている。モジュールケース4〜7内には、後述する単位電池を成す単電池の集合から成る電池が収納されている。この電池、つまり単電池の集合をモジュールケース4〜7が包囲している。
更に、4個のモジュールケース4〜7は、電池パックケース2によって全周が包囲されている。空気吸入部3から吸い込まれた空気は、電池パックケース2内の後述するダクト(20)を通り、各モジュールケース4〜7に導かれる。
そして、モジュールケース4〜7から出て電池パックケース2の内部に流れた空気は、排気口31を介して送風機8によって外気に放出される。なお、空気吸入部3と送風機8とは、直方体の電池パックケース2において、中央部よりも対角線上に位置する角部に近い位置に設けられている。なお、対角線上であることは必須でなく、中央部よりも隣接する角部に近い位置に設けられていても良い。
電池パックケース2内に外気からの空気を流入させる空気吸入部3は、電池パックケース2の上方(車両天井側)の平面部(第1面とも言う)9から突出している。空気吸入部3からの空気を各モジュールケース4〜7内部に各分岐口10〜13を介して導くダクト(20)は図1では省略されている。
このダクトからの空気は、モジュールケース4〜7の底(車両床側)から孔が開けられた図示しない底板を通過して、モジュールケース4〜7内に導かれる。各モジュールケース4〜7の上方には、流出開口部14〜17が夫々4箇所設けられている。例えば、モジュールケース4の上方には、流出開口部14a、14b、14c、14d(代表して流出開口部14と言う)が設けられている。
この流出開口部14〜17を通過した空気は、モジュールケース4〜7の外部に導かれる。各モジュールケース4〜7の複数の流出開口部14〜17からの空気が電池パックケース2の上部に集合し、送風機8に導かれる。送風機8は遠心ファンを有するブロワから成る。
図2は、上記実施形態のモジュールケース4〜7の一つであるモジュールケース4の内部を模式的に示している。図示しないダクトからの空気は、分岐口10からモジュールケース4の底に矢印Y31、Y32のように入る。
モジュールケース4(モジュールケース5〜7も同様)には、2列に多数の単位電池を成す単電池18が並べられている。単電池18相互間の少なくとも一部には隙間があり、モジュールケース4の底(車両床側)から孔が開けられた底板19を通過した空気が、単電池18相互間および単電池18とモジュールケース4の間を矢印Y23a〜Y23d、Y24a〜Y24dのように流れる。この単電池18の配置構造は、モジュールケース5〜7も同様である。
図3は、上記実施形態において、電池パックケース2内の空気の流れを矢印で示したものである。空気吸入部3から矢印Y300のように入った空気は、ダクト20(図4)を通過して、モジュールケース4〜7の底に矢印Y31〜Y38のように入る。
モジュールケース4〜7内を通過した空気は、各モジュールケース4〜7の上部に位置する夫々4箇所の流出開口部(図1の流出開口部14〜17)から吹出す。例えば、図3のモジュールケース4からは、矢印Y341、Y342、Y343、Y344のように空気が吹きだし、送風機8の吸い込み側の内部空間に向かう。
図3のモジュールケース5からも、矢印Y351、Y352、(Y353)、Y354のように空気が吹きだし、送風機8の吸い込み側の内部空間に向かう。モジュールケース6からも、矢印Y361、Y362、(Y363)、Y364のように空気が吹きだし、送風機8の吸い込み側の内部空間に向かう。
モジュールケース7からも、矢印Y371、Y372、(Y373)、Y374のように空気が吹きだし、送風機8の吸い込み側の内部空間に向かう。なお、モジュールケース5〜7から吹出す風については一部の矢印(Y353)(Y363)(Y373)の図示が省略されている。そして、送風機8からの空気は矢印Y308のように外気に吹出される。
図4は、図3の矢印IV方向から見た電池パック1を示している。図4において、空気吸入部3下の吸気口32からダクト20を通過した空気は、モジュールケース4、5(6、7)内に入る。空気吸入部3には、フィルタが設けられ異物が除去される。ダクト20とは上下方向に延在する主ダクト21と、主ダクト21から分岐して車両の後方から前方に延在する分岐ダクト22、23、(24、25)からなる。分岐ダクト(24、25)は図4では図示されていない(紙面向こう側に存在し、図1に図示されている)。分岐ダクト22、23、(24、25)は、空気導入部26、27、(28、29)を介してモジュールケース4〜7に接続されている。
上述したように、図1において、モジュールケース4、5の上方には、流出開口部14a〜14d、15a〜15dが設けられている。図4においては、これらの流出開口部14a〜14d、15a〜15dのうち流出開口部14b、15bが図示されている。
送風機8が回転して各モジュールケース4、5、(6、7)の合計16個の流出開口部14a〜14d、15a〜15d、16a〜16d、17a〜17dからの空気が集合し、送風機8に導かれる。送風機8の吸い込み側に電池パックケース2内の共通空間を成す内部空間30(図4)を備え、この内部空間30に空気の流れが集まる。
また、電池パックケース2は、複数のモジュールケース4〜7を包囲するため、容積が比較的大きい。よって、送風機8が回転した時において、電池パックケース2の内部は、送風機8に導かれる内部空間30の負圧と同じ静圧で満たされている。
一方、各モジュールケース4〜7の内部には、空気導入部26、27、(28、29)を介してダクト20(主ダクト21と分岐ダクト22、23等)からの空気が導かれる。この空気導入部26、27、(28、29)の静圧は、ダクト20の通風抵抗等を調整することで各モジュールケース4〜7間で差が出ないように均一化することが容易である。例えば、分岐ダクト22、23等の開口面積を調整したり、内部の突起等の障害物の大きさを変えたりすることで通風抵抗等の風の流れを調整することができる。
モジュールケース4〜7の流出開口部14b、15b等は、各モジュールケース4〜7の内部空間30側、つまり、上方(車両の天井側)に4箇所形成されている。すなわち、直方体のモジュールケース4〜7の周囲の4面の上方に流出開口部14b、15b等が形成されている。このように、各モジュールケース4〜7は直方体であり、モジュールケース4〜7の4面の夫々に流出開口部14b、15b等が形成されており、流出開口部14b、15b等は、全体としてモジュールケース4〜7の周囲に環状に配置されている。
電池パックケース2は、少なくとも6面を持つ箱型であり、6面の一つの第1面である図1の平面部9に送風機8と空気吸入部3とが形成されている。また、電池パックケース2は、車両の天井側に第1面(平面部9)を有し。車両の床側に第2面(底部9b)を有している。
各モジュールケース4〜7内に、単電池18(図2)が複数並置されている。図2の単電池18の高さH2、つまり、第1面(平面部)9側の一端と第2面(底部)9b側の他端までの高さ(寸法)H2は、図4の空気導入部26、27等の上端と流出開口部14b、15b等の下端との間に設定されている。すなわち、図4の離間寸法H4内に図2の単電池の高さH2が設定されている。
これにより、分岐ダクト22、23等からモジュールケース4〜7の底板19(図2)の多数の孔を抜け出た空気が単電池18の側面に沿って流れる。つまり、図2の単電池18の一端(下端)から他端(上端)まで空気が良好に矢印Y23a〜Y23d等およびY24a〜Y24d等のように流れで、単電池18の冷却が均等に行われる。
単電池18の表面を流れる空気の後流に送風機8(図4)が設けられ、電池パックケース2は排気口31と吸気口32とを除いては密閉されている。よって、空気の流れが主に静圧により形成され、動圧(風量でその影響が変わる)の影響を極力排除できる。また、吸気口32を除いた部分からの空気の吸い込みが排除でき、塵埃等が侵入し難い。以上のように、電池パックケース2内部の空間は、空気が入る吸気口32と空気が排出される排気口31を除いた部分が密閉された空間である。
電池パックケース2内には、上下方向2段に積層されたモジュールケース4〜7が設けられている。そして、複数の単電池18が各モジュールケース4〜7に設けられている。電池パックケース2内の送風機8がある側が内部空間30をなしている。この内部空間30を通り排気口31から送風機8内を通過した空気は外気に排出される。
上述のように、内部空間30につながるように各モジュールケースに流出開口部14〜17(図1)が複数設けられている。単電池18はモジュールケース4〜7と称される箱に入り、単電池18の上端より上部に上記流出開口部14〜17が設定されている。一方、単電池18の下端より下にもう一方の孔が底板19に設けられている。複数の孔が開けられた底板19を通過した空気が、単電池18相互間および単電池18とモジュールケース4の間を下方(地面側)から上方(天側)である内部空間30に向けて流れる。
このような構成によって、モジュールケース4〜7の後流に位置する内部空間30を所定の均一な負の静圧領域とすることができる。内部空間30が存在する電池パックケース2の容積はモジュールケース4〜7を含むため充分に大きいから、内部空間30の静圧は電池パックケース1の内部全体に及ぶ。
これにより、単電池18に対する空気の流れは、モジュールケース4〜7の空気の入口部分(図4の空気導入部26、27等)における入り口静圧と、モジュールケース4〜7の空気の出口部分(流出開口部14、15等)における出口静圧とのの単純な静圧差により発生する。つまり、単電池18に対する空気の流れに関して、風の通路の風量および風速により変わる要素を排除することができる。
(第1実施形態の作用効果)
上記第1実施形態においては、電池パック1は、外気からの空気を吸い込んで電池18の冷却を行う。電池パック1は、送風機8と、空気吸入部3と、モジュールケース4〜7と、電池パックケース2と、ダクト20と、流出開口部14〜17と、共通空間を成す内部空間30とを備える。
組電池は、単電池18の集合(単電池18群とも言う)から成る。モジュールケース4〜7の各々は、単電池18群を包囲する。電池パックケース2は、複数のモジュールケース4〜7を包囲する。送風機8は、電池パックケース2内部からの空気を、排気口31を介して外気に放出する。
空気吸入部3は、電池パックケース2内に外気からの空気を流入させる。ダクト20は、空気吸入部3からの空気を各モジュールケース4〜7内部に接続口を成す空気導入部26、27を介して導く。モジュールケース4〜7に設けられダクト20からの空気をモジュールケース4〜7外部に導くために、各モジュールケース4〜7に、流出開口部14〜17が形成されている。
各モジュールケース4〜7の複数の流出開口部14〜17からの空気が集合し送風機8に導かれる内部空間30が、電池パックケース2内に存在する。これによれば、電池パックケース2は、複数のモジュールケース4〜7を包囲するため、その分、容積が大きい。
よって、送風機8の回転時において、電池パックケース2の内部空間30は、送風機8に導かれる共通空間の負圧と同じ静圧で満たされている。一方、各モジュールケース4〜7内部には、空気導入部26、27を介してダクト20からの空気が導かれる。
この空気導入部26、27等の静圧は、主ダクト21の通風抵抗等を調整することで、各モジュールケース4〜7間で差が出ないように均一化することが容易である。従って、各モジュールケース4〜7の空気の入口と成る空気導入部26、27等の圧力も、空気の出口と成る流出開口部14〜17の圧力も、モジュールケース4〜7間で不均一にならないようにすることができる。
換言すれば、電池パックケース2の内部は、容積が大きいため風速が緩やかに成り、動圧の影響を無視でき、電池パックケース2の内部は、送風機8に導かれる内部空間30の負圧と同じ静圧で満たされている。
この静圧は、モジュールケース4〜7からの出口となる流出開口部14〜17にも作用している。このため、各モジュールケース4〜7の入口である空気導入部26、27等と出口である流出開口部14〜17との間に均等に静圧の差圧が印加され、モジュールケース4〜7内に配置された単電池18への冷却風の分配が均一なものとなる。
また、流出開口部14〜17は、各モジュールケース4〜7の内部空間30側に形成されている。従って、各モジュールケース4〜7内に吸い込まれた空気が効率よく内部空間30に集まり送風機8を介して排気される。
更に、電池パックケース2は、少なくとも6面を持つ箱型であり、6面の一つの第1面9に送風機8と空気吸入部3が形成されている。電池パックケース2は、第1面9と対向する方向に6面の一つとなる第2面9bを有する。単電池18の各々は、高さよりも小さい厚さを有する扁平形状であり、単電池18は、厚さ方向に並置されている。各モジュールケース4〜7内において、単電池18の高さH2は、空気導入部26、27等と流出開口部14〜17までの離間寸法H4の範囲内に設定されている。これによれば、単電池18の一端から他端まで空気が良好に流れ、単電池18の冷却が良好に行われる。
次に、単電池18の表面を流れる空気の後流に送風機8が設けられ、電池パックケース2は排気口31と空気吸入部3とを除いた部分は密閉されている。従って、空気の流れが実質的に静圧により形成され易く、風量または風速でその圧力が変わる動圧の影響を極力排除できる。これにより、単電池18の均一な冷却が行いやすい。また、空気吸入部3を除く部分からの空気の吸い込みが排除でき、塵埃等が侵入し難い。
また、各モジュールケース4〜7は直方体であり、モジュールケース4〜7の周囲の4面の夫々に流出開口部14〜17が形成されている。流出開口部14〜17は、全体としてモジュールケース4〜7の周囲に環状に配置されている。
これによれば、流出開口部14〜17は、全体としてモジュールケース4〜7の周囲に環状に配置されている。従って、モジュールケース4〜7の周囲を取り巻く比較的均一な静圧によってモジュールケース内部から均等にモジュールケースの流出開口部14〜17の夫々から空気が均等に流れ出る。このため、モジュールケース4〜7内の単電池18を均一に冷却し易い。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以降の各実施形態においては、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について説明する。なお、第2実施形態以下については、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明が援用される。
図5を用いて、本発明の第2実施形態を示す電池パック1を説明する。図5において、電池パックケース2は上部ケース2uと下部ケース2dに分割可能となっており、上部ケース2uと下部ケース2dとは共にセンタープレート2cを介して結合されている。センタープレート2cは、剛性の高い金属版であり、車両への取付孔が複数設けられている。
電池パックケース2内には、合計8個のモジュールケースが内蔵されている。空気吸入部3から入った空気は、主ダクト21の中を矢印Y51からY54のように進み、上部分岐ダクト22a〜22d内に入る。上部分岐ダクト22a〜22dは、図示しない4個の上部モジュールケースの底に空気を導く。
更に、上部分岐ダクト22a〜22dの風は、下部分岐ダクト23a〜23dに流れ込み、この下部分岐ダクト23a〜23dは、図示しない4個の下部モジュールケースの底に空気を導く。
図5において、遠心ファンから成る送風機8の吐出側に位置する排気口31には格子が設けられ、送風機8の吸入側の図示されない内部空間(30)から吸い込んだ空気が外気に排出される。カバー62の下の電池パックケース2内には、図示されないジャンクションボックス65が内蔵されている。カバー62の横にはサービスプラグ63が設けられている。
サービスプラグ63の一部と、制御系のために使用される12ボルトの電力アウトプット部64の一部とが平面部9の上方に突出し、サービスプラグ63の他部と、電力アウトプット部64の他部は、電池パックケース2内に収納されている。
ジャンクションボックス65は、単電池18の所定の接続端子間を連結する電流制御機器であり、絶縁カバーの内部に電流をオンオフするリレーおよび抵抗類を収納する。サービスプラグ63は、電流線に接続されている単電池18の群を非導通状態および導通状態にできる抜き取り式のプラグである。例えば、サービスプラグ63は、メンテナンス時に操作される非通電用のスイッチであり、プラグを抜けば電流が流れない状態を外部から目視できるものであり、電池パック1の回路を強制的に切断することができる。サービスプラグ63は、抜き取り可能な把手部を含むプラグが電池パックケース2の外部に露出する形態で、土台部が電池パックケース2に固定されている。
図示しない吸気口(32)と送風機8吐出側の排気口31とを除いて、電池パックケース2の内部は外気に接続されておらず、気密構造と成っている。送風機8も電池パックケース2内に収納されている。
(第2実施形態の作用効果)
上記第2実施形態においては、単電池18の接続端子間を連結する電流制御機器であるジャンクションボックス65と、電流線に接続されている単電池18の群を非導通状態および導通状態にする抜き取り式のプラグであるサービスプラグとを有する。そして、ジャンクションボックス65と、サービスプラグ63の一部とが、電池パックケース2内に収納されている。これによれば、容積の大きい電池パックケース2内の空間を利用して、サービスプラグ63の一部と、ジャンクションボックス65とが、電池パックケース2内に収納できる。
また、空気吸入部3と送風機8とは、直方体の電池パックケース2において、中央部よりも隣接する角部または対角線上に位置する角部に近い位置に設けられている。また、ダクト20は、一端に欠損部21mを有するL字形の主ダクト21と、主ダクト21に接続された上下方向に2段の分岐ダクト22a〜22d、23a〜23d)とから成る。そして、送風機8は、欠損部21mに空気を吹出す排気口31を有する。これによれば、主ダクト21の欠損部21mを利用して排気口31を設けているから、電池パックケース2の限られた大きさ内に多くのモジュールケースを収納できる。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものである。
上記実施形態においては、各モジュールケースの流出開口部の数は4箇所としたが、これはより少なくても多くても良い。送風機は、シロッコファン、軸流ファンを持つものであってもよい。
3 空気吸入部
4〜7 モジュールケース
9 第1面
14〜17 流出開口部
18 単電池
26、27 空気導入部
30 内部空間
31 排気口
H2 単電池の高さ
H4 空気導入部と流出開口部の間の離間寸法

Claims (7)

  1. 電池パック(1)において、
    単電池(18)の集合体をそれぞれ収容する複数のモジュールケース(4〜7)と、
    前記複数のモジュールケース(4〜7)を収容する電池パックケース(2)と、
    前記電池パックケース(2)内に外部の空気を空気吸入部(3)から取り入れる送風機(8)と、
    前記電池パックケース(2)の前記空気吸入部(3)と前記モジュールケース(4〜7)の空気導入部(26、27、28、29)とを接続するダクト(20)とを備え、
    前記モジュールケース(4〜7)には、前記ダクト(20)を介して内部に吸い込まれた空気が前記モジュールケース(4〜7)の外部であって前記電池パックケース(2)の内部空間に排出される流出開口部(14〜17)が形成され、
    前記電池パックケース(2)の内部空間(30)は、前記送風機(8)に設けられる排気口(31)に連通していることを特徴とする電池パック。
  2. 前記流出開口部(14〜17)は、各前記モジュールケース(4〜7)の前記内部空間(30)側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
  3. 前記電池パックケース(2)は、少なくとも6面を持つ箱型であり、前記6面の一つの第1面(9)に前記送風機(8)と前記空気吸入部(3)が設けられており、
    前記電池パックケース(2)は、前記第1面(9)と対向する方向に前記6面の一つとなる第2面(9b)を有し、
    前記単電池(18)の各々は、前記対向する方向の高さよりも小さい厚さを有する扁平形状であり、前記単電池(18)は、前記厚さ方向に並置されており、
    各前記モジュールケース(4〜7)内において、前記単電池(18)の前記高さ(H2)は、前記空気導入部(26、27、28、29)と前記流出開口部(14〜17)までの離間寸法(H4)の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電池パック。
  4. 前記単電池(18)の表面を流れる前記空気の後流に前記送風機(8)が設けられ、前記電池パックケース(2)は前記排気口(31)と前記空気吸入部(3)とを除いた部分が密閉されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電池パック。
  5. 前記各モジュールケース(4〜7)は直方体であり、前記モジュールケース(4〜7)の4つの側面の夫々に前記流出開口部(14〜17)が形成されており、
    前記流出開口部(14〜17)は、前記モジュールケース(4〜7)の前記側面に環状に配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の電池パック。
  6. 前記単電池(18)の接続端子間を連結する電流制御機器であるジャンクションボックス(65)と、電流線に接続されている前記単電池(18)の群を非導通状態および導通状態にする抜き取り式のプラグであるサービスプラグ(63)とを更に有し、
    前記ジャンクションボックス(65)と、前記サービスプラグ(63)の一部とが、電池パックケース(2)内に収納されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の電池パック。
  7. 前記空気吸入部(3)と前記送風機(8)とは、直方体の電池パックケース(2)において、中央部よりも隣接する角部または対角線上に位置する角部に近い位置に設けられ、
    前記ダクト(20)は、一端に欠損部(21m)を有するL字形の主ダクト(21)と、前記主ダクト(21)に接続された上下方向に2段の分岐ダクト(22a〜22d、23a〜23d)とから成り、
    前記送風機(8)は、前記欠損部(21m)に空気を吹出す前記排気口(31)を有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の電池パック。
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