JP2014202686A - 非停電絶縁診断装置及び非停電絶縁診断方法 - Google Patents

非停電絶縁診断装置及び非停電絶縁診断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】静電容量が比較的小さい変圧器についても絶縁診断を行うことが可能な非停電絶縁診断装置を提供する。
【解決手段】補助素子24は補助抵抗Raと補助コンデンサCaとを備え、一次側に高圧の引き込みケーブル60が接続された変圧器50に対して並列に接続される。電圧注入用RTは、試験電圧発生器10からの試験電圧Vsfを変圧器50と補助素子24とに印加する。電流検出用CTは、変圧器50の一次側から引き込みケーブル60を介して流れる漏れ電流と補助素子24に流れる漏れ電流との合計の漏れ電流Iscを検出する。演算部30は、試験電圧Vsfと漏れ電流Iscとを用いることで、系全体の静電容量Cm及び誘電正接tanδmを求め、静電容量Cm及び誘電正接tanδmを用いることで、変圧器50の誘電正接tanδx等を求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、変圧器の絶縁診断を非停電で行う非停電絶縁診断装置及び非停電絶縁診断方法に関する。
変圧器やケーブルの絶縁診断を非停電で行う装置が知られている。
例えば特許文献1には、母線に接続された被診断機器の接地線に磁気誘導セットしたクランプ型変成器と、クランプ型変成器の1次側に商用周波より充分高い周波数の高周波電流を供給する高周波電源とを備え、母線へ給電している電力の引込ケーブルに一括してクランプする電流センサを磁気誘電セットし、高周波電流に起因する漏れ電流を検出し、被診断機器の絶縁抵抗、誘電体損失率及び静電容量を検出結果に従って演算する装置が開示されている。
また、特許文献2には、低圧単相電路をクランプする零相変流器のクランプアームの内面に、電路導体の非接地線との間に静電容量を形成するための導電薄板を設け、当該導電薄板から得られる容量性電流を基準電圧ベクトルとして、零相変流器の測定電流から漏洩抵抗又は漏洩抵抗分電流を求める測定器が開示されている。
また、特許文献3には、被測定ケーブルの接地線電流を検出する変流器に近接して誘電電流を打ち消すためのダミー変流器を備えた装置が開示されている。
また、特許文献4には、ケーブル線路の遮断層を接地する接地線に装着される変流器と、変流器の出力電流から損失電流成分を抽出し、ケーブル線路のケーブル絶縁体の誘電正接を測定する誘電正接測定部と、変流器に対して予め設定されたバイアス電流を供給するバイアス電流発生部と、変流器の出力電流からバイアス電流分を差引くバイアス電流減算部と、を備えた装置が開示されている。
特許第2577825号公報 特開2009−25219号公報 特公平7−52205号公報 実公平4−30487号公報
とこで、変圧器については、静電容量が小さくなるほど正確に絶縁診断を行うことが困難になる。変圧器には油入り変圧器とモールド変圧器とがあるが、モールド変圧器内の主絶縁物である空気は、油入り変圧器の主絶縁物である油に比べて誘電率が半分以下であるため、充電電流が小さくなり、その結果、検出される信号が小さくなる。また、絶縁診断を行う現場によってノイズの大きさにばらつきがあり、モールド変圧器では信号ノイズ比(S/N)が悪くなる場合がある。例えば200kVA未満のモールド変圧器では静電容量が極めて小さくなるため、静電容量が、診断装置によって測定可能な静電容量の下限レベル以下となる場合がある。この場合、測定値が安定せず、誘電正接tanδ等を正確に測定することが困難になる。このことは油入り変圧器についても言えることであり、油入り変圧器についても静電容量が小さくなる場合には測定値が安定せず、誘電正接tanδ等を正確に測定することが困難となる。
本発明の目的は、静電容量が比較的小さい変圧器についても絶縁診断を行うことが可能な非停電絶縁診断装置及び非停電絶縁診断方法を提供することである。
請求項1に係る発明は、補助抵抗と補助コンデンサとを備え、一次側に高圧ケーブルが接続された変圧器に対して並列に接続される補助素子と、前記変圧器の二次側から前記変圧器と前記補助素子とに試験電圧を印加する試験電圧印加手段と、前記変圧器の一次側から前記高圧ケーブルを介して流れる漏れ電流と前記補助素子に流れる漏れ電流との合計の漏れ電流を検出するクランプ型の電流検出手段と、前記試験電圧と前記合計の漏れ電流とを用いることで、前記変圧器と前記補助素子とによって構成される系全体の静電容量及び誘電正接を求め、前記系全体の静電容量及び誘電正接を用いることで、前記変圧器の静電容量、誘電正接及び絶縁抵抗のうちの少なくとも1つを求める演算手段と、を有することを特徴とする非停電絶縁診断装置である。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の非停電絶縁診断装置であって、前記演算手段は、前記系全体の静電容量及び誘電正接から前記補助素子の静電容量及び誘電正接を差引くことで、前記変圧器の静電容量及び誘電正接を求める、ことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の非停電絶縁診断装置であって、相対的に大きい静電容量の変圧器を測定するための第1モードと、相対的に小さい静電容量の変圧器を測定するための第2モードとを切り替えるためのスイッチを更に有し、前記補助素子は、前記スイッチによってモードが前記第2モードに切り替えられると、前記変圧器に対して並列に接続される、ことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、補助抵抗と補助コンデンサとを備えた補助素子を、一次側に高圧ケーブルが接続された変圧器に対して並列に接続するステップと、前記変圧器の二次側から前記変圧器と前記補助素子とに試験電圧を印加するステップと、前記変圧器の一次側から前記高圧ケーブルを介して流れる漏れ電流と前記補助素子に流れる漏れ電流との合計の漏れ電流を検出するステップと、前記試験電圧と前記合計の漏れ電流とを用いることで、前記変圧器と前記補助素子とによって構成される系全体の静電容量及び誘電正接を求め、前記系全体の静電容量及び誘電正接を用いることで、前記変圧器の静電容量、誘電正接及び絶縁抵抗のうちの少なくとも1つを求めるステップと、を含むことを特徴とする非停電絶縁診断方法である。
本発明によると、補助抵抗と補助コンデンサとを備えた補助素子を変圧器に対して並列に接続することで、系全体の静電容量を測定可能な範囲に増大させることが可能となる。これにより、変圧器の静電容量が比較的小さい場合であっても、測定値に基づき変圧器の誘電正接tanδ等を求めることができるため、変圧器の絶縁診断を行うことが可能となる。
本発明の実施形態に係る非停電絶縁診断装置の一例を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る非停電絶縁診断装置の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る非停電絶縁診断装置の一例を示す模式図である。 静電容量と誘電正接tanδとの関係を模式的に示すグラフである。 変形例に係る非停電絶縁診断装置の一例を示す模式図である。
図1から図3に、本実施形態に係る非停電絶縁診断装置の一例を示す。本実施形態に係る非停電絶縁診断装置は、試験電圧発生器10、電圧注入用RT、電流検出用CT及び測定器20を含み、被診断機器の静電容量や誘電正接tanδ等を求める。
一例として、変圧器50が被診断機器である。変圧器50は例えば受変電機器として用いられる。変圧器50には、静電容量Cxと絶縁抵抗Rxとが存在する。変圧器50の一次側には高圧の引き込みケーブル60が接続され、変圧器50は引き込みケーブル60から課電される。変圧器50の二次側には接地線12が接続される。なお、変圧器50は、モールド変圧器であってもよいし、油入り変圧器であってもよい。
試験電圧発生器10は交流の試験電圧Vsfを発生させる。電圧注入用RTは電圧注入用変圧器である。変圧器50の二次側に接続された接地線12が電圧注入用RTに挿入され、これにより、電圧注入用RTは、試験電圧Vsfを変圧器50に印加する。図2に示すように、電圧注入用RTと変圧器50との間にて接地線12にVsケーブルの一端が接続され、Vsケーブルの他端は測定器20に接続されている。これにより、試験電圧Vsfが測定器20に入力される。
電流検出用CTは電流検出用のクランプ型の変流器であり、引き込みケーブル60や補助素子用ケーブル26をクランプすることで、引き込みケーブル60や補助素子用ケーブル26に流れ込んだ漏れ電流を検出する。
例えば、変圧器50の静電容量Cxが比較的小さい場合、後述する補助素子24を用いて変圧器50の絶縁診断が行われる。この場合、図1及び図2に示すように、補助素子24に接続された補助素子用ケーブル26と引き込みケーブル60とが電流検出用CTに挿入され、電流検出用CTは、変圧器50を介して引き込みケーブル60に流れ込んだ漏れ電流と、補助素子24を介して補助素子用ケーブル26に流れ込んだ漏れ電流との合計である漏れ電流Iscを検出する。
一方、変圧器50の静電容量Cxが比較的大きい場合、補助素子24を用いずに変圧器50の絶縁診断を行う。この場合、図3に示すように、引き込みケーブル60のみが電流検出用CTに挿入され、電流検出用CTは、変圧器50を介して引き込みケーブル60に流れ込んだ漏れ電流Iscを検出する。
測定器20は、図1に示すように、校正器22、補助素子24、モード切換スイッチ28、演算部30及び表示部32を含み、試験電圧Vsfと漏れ電流Iscとを受け、それらの値を用いることで、変圧器50の静電容量Cx、絶縁抵抗Rx及び誘電正接tanδxを求める。また、測定器20は、検出回路、フィルタ、A/D変換器及びD/A変換器等の処理部を含む。
校正器22は、静電容量が異なる複数のコンデンサCaを含み、スイッチSbによってコンデンサCaの切り替えが可能となっている。一例として、コンデンサCaの静電容量は、0.5nF、1nF、10nF、100nFである。
補助素子24は、並列に接続されたコンデンサCaと補助抵抗Raとを含む。以下の説明において、補助素子24に含まれるコンデンサCaを「補助コンデンサCa」と称することとする。例えば、モード切換スイッチ28をオンすることで、スイッチSaとスイッチSbとがオンになり、補助コンデンサCaと補助抵抗Raとによって補助素子24が形成される。なお、図1に示す例では、校正器22に含まれるコンデンサCaを補助コンデンサCaとして用いているが、この例に限らず、校正器22とは別のコンデンサを補助コンデンサとして用いてもよい。本実施形態では、一例として0.5nFのコンデンサCaが補助コンデンサCaとして選択される。
補助素子24は、変圧器50に対して並列に接続される。具体的には、補助素子24の一端は電圧注入用RTと変圧器50との間にて接地線12に接続され、他端には補助素子用ケーブル26が接続され、電圧注入用RTによって試験電圧Vsfが補助素子24に印加される。なお、上記のように、補助素子用ケーブル26は電流検出用CTに挿入される。
モード切換スイッチ28は、測定モードを切り替えるためのスイッチである。本実施形態では、一例として3つの測定モードが存在する。例えば、モード切換スイッチ28がオフの場合、スイッチSa,Sbはオフとなる。モード切換スイッチ28が第1のオン状態の場合、スイッチSaはオフでスイッチSbがオンとなる(0.5nF、tanδ=0%の状態)。また、モード切換スイッチ28が第2のオン状態の場合、スイッチSa,Sbともにオンとなる(0.5nF、tanδ=1%の状態)。すなわち、モード切換スイッチ28をオンにするとスイッチSbはオン状態になる。そして、例えばモード切換スイッチ28を第2のオン状態にすると、図1に示す補助抵抗Ra用のスイッチSaと補助コンデンサCa用のスイッチSbとがオンになる。そして、補助コンデンサCaと補助抵抗Raとによって補助素子24が形成される。一方、モード切換スイッチ28をオフするとスイッチSa,Sbがオフとなり、補助素子24は形成されない。例えば、変圧器50の静電容量Cxが比較的小さい場合、モード切換スイッチ28をオンすることで補助素子24を形成し、補助素子24を用いて測定する。一方、変圧器50の静電容量Cxが比較的大きい場合、モード切換スイッチ28をオフすることで補助素子24の機能を解除し、補助素子24を用いずに測定する。
演算部30は一例としてCPUであり、試験電圧Vsfと漏れ電流Iscとを用いることで、変圧器50の静電容量Cx、絶縁抵抗Rx及び誘電正接tanδxを求める。例えば、演算部30はベクトル演算を行うことで誘電正接tanδを求める。
表示部32は演算部30の演算結果を表示する。表示部32は、例えば、静電容量、絶縁抵抗、tanδ、試験電圧Vsf、漏れ電流Isc等を表示する。
次に、図1及び図2を参照して、変圧器50の静電容量Cxが比較的小さい場合の測定方法について説明する。例えば容量が50〜200kVAの変圧器が、静電容量Cxが比較的小さい変圧器に該当する。まず、モード切換スイッチ28をオンすることで、補助抵抗Ra用のスイッチSaと補助コンデンサCa用のスイッチSbとをオンする。これにより、補助コンデンサCaと補助抵抗Raとによって補助素子24が形成される。また、補助素子用ケーブル26を補助素子24の他端に接続し、引き込みケーブル60と補助素子用ケーブル26とを電流検出用CTでクランプする。また、接地線12を電圧注入用RTに挿入する。そして、試験電圧発生器10によって試験電圧Vsfを発生させ、電圧注入用RTによって接地線12を介して変圧器50と補助素子24とに試験電圧Vsfを印加する。これにより、電流検出用CTは、変圧器50を介して引き込みケーブル60に流れ込んだ漏れ電流と、補助素子24を介して補助素子用ケーブル26に流れ込んだ漏れ電流との合計である漏れ電流Iscを検出し、漏れ電流Iscを測定器20に出力する。測定器20の演算部30は、試験電圧Vsfと漏れ電流Iscとを用いることで、変圧器50の静電容量Cx等を求める。
次に、演算部30での具体的な演算処理について説明する。まず、演算部30は、試験電圧Vsfと漏れ電流Iscとを用い、従来技術と同様にベクトル演算を行うことで、変圧器50と補助素子24とによって構成される系全体の誘電正接tanδm及び静電容量Cmを求める。漏れ電流Iscは、変圧器50を介して流れる漏れ電流と補助素子24を介して流れる漏れ電流との合計であるため、漏れ電流Iscと試験電圧Vsfとを用いることで、変圧器50と補助素子24とによって構成される系全体の誘電正接tanδm及び静電容量Cmを求める。さらに、演算部30は、系全体の誘電正接tanδm及び静電容量Cmから、既知の値である補助素子24の静電容量Ca及び誘電正接tanδaを差引くことで、変圧器50の静電容量Cx及び誘電正接tanδxを求める。以下、演算処理について更に詳しく説明する。
変圧器50と補助素子24とは並列に接続されているため、系全体の静電容量Cmは以下の(式1)で表され、系全体の合成抵抗Rmは以下の(式2)で表される。
(式1):Cm=Cx+Ca
(式2):Rm=(Rx・Ra)/(Rx+Ra)
ここで、Caは補助コンデンサの静電容量であり、Raは補助抵抗の値であるため、Ca及びRaはそれぞれ既知の値である。
また、系全体の誘電正接tanδmは以下の(式3)で表され、変圧器50の誘電正接tanδxは以下の(式4)で表される。
(式3):tanδm=1/(2π・f・Cm・Rm)
(式4):tanδx=1/(2π・f・Cx・Rx)
ここで、fは試験電圧Vsfの周波数である。
従って、測定値である系全体の静電容量Cmと補助コンデンサCaの静電容量とを(式1)に代入することで、変圧器50の静電容量Cx(=Cm−Ca)が求められる。すなわち、系全体の静電容量Cmから補助素子24の静電容量Caを減算する(差引く)ことで、変圧器50の静電容量Cxが求められる。
また、測定値である静電容量Cm及び誘電正接tanδmを(式3)に代入することで、系全体の合成抵抗Rmが求められる。
さらに、抵抗値であるRa及びRmを(式2)に代入することで、変圧器50の絶縁抵抗Rxが求められる。
そして、求められたCx及びRxを(式4)に代入することで、変圧器50の誘電正接tanδxが求められる。
また、(式4)に(式1)及び(式2)を代入することで、tanδxは以下の(式5)で表される。
(式5):
tanδx=1/{2π・f・(Cm−Ca)・(Ra・Rm)/(Ra−Rm)}
=(2π・f・Cm・Ra・tanδm−1)/(2π・f・(Cm−Ca)・Ra)
=(Cm・tanδm−Ca・tanδa)/(Cm−Ca)
ここで、Ca及びtanδaは既知の値であり、Cm及びtanδmは計測値であるため、これらの値により、tanδxが求められる。
すなわち、系全体の静電容量Cm及び誘電正接tanδmから、補助素子24の静電容量Ca及び誘電正接tanδaを減算する(差引く)ことで、変圧器50の誘電正接tanδxが求められる。
以上のように、補助抵抗Raと補助コンデンサCaとを備えた補助素子24を変圧器50に対して並列に接続することで、測定器20によって測定される静電容量を増大させることが可能となる。補助素子24を用いない場合、測定器20によって測定される静電容量はCxであるが、補助素子24を用いる場合、測定器20によって測定される静電容量はCm=Cx+Caとなる。従って、補助素子24を用いることで、補助コンデンサCaの値分、測定器20によって測定される静電容量を増加させることができる。例えば図4に示すように、変圧器50の静電容量Cxが小さくて元々診断困難な範囲に含まれている場合(黒丸の印で示す)であっても、補助素子24を変圧器50に対して並列に接続することで、測定器20によって測定される静電容量を診断可能な範囲に増大させることが可能となる(白丸の印で示す)。すなわち、系全体の静電容量Cmが測定器20で測定可能な範囲に含まれるように補助コンデンサCaを用いることで、静電容量を診断可能な範囲に増大させることができる。このように、測定される静電容量が増大するため、検出される信号が増大し、信号ノイズ比(S/N)が向上する。以上のように、静電容量を測定器20で測定可能な範囲に増大させることができるため、変圧器50の静電容量Cxが測定器20によって測定可能な値未満であっても、変圧器50の静電容量Cx、絶縁抵抗Rx及び誘電正接tanδxを求めることが可能となる。従って、静電容量Cxが小さい変圧器50であっても絶縁診断を正確に行うことが可能となる。また、モード切換スイッチ28によって測定モードを切り替えるだけで、静電容量Cxが小さい変圧器50の絶縁診断が可能となるため、作業者の作業負荷が増大せず、簡易な方法により非停電状態で絶縁診断を行うことが可能となる。
次に、図1及び図3を参照して、変圧器50の静電容量Cxが比較的大きい場合の測定方法について説明する。例えば容量が200kVA以上の変圧器が、静電容量Cxが比較的大きい変圧器に該当する。まず、モード切換スイッチ28をオフすることで、補助抵抗Ra用のスイッチSaと補助コンデンサCa用のスイッチSbとをオフする。これにより、補助素子24の機能が解除される。図3に示すように、接地線12を電圧注入用RTに挿入し、補助素子用ケーブル26を用いず、引き込みケーブル60のみを電流検出用CTでクランプする。そして、試験電圧発生器10によって試験電圧Vsfを発生させ、電圧注入用RTによって接地線12を介して変圧器50に試験電圧Vsfを印加する。これにより、電流検出用CTは、変圧器50を介して引き込みケーブル60に流れ込んだ漏れ電流Iscを検出する。演算部30は、補助抵抗Ra及び補助コンデンサCaのそれぞれの値を考慮せずに、従来技術と同じ方法により、試験電圧Vsfと漏れ電流Iscとを用いることで、変圧器50の静電容量Cx、絶縁抵抗Rx及び誘電正接tanδxを求める。なお、変圧器50の静電容量Cxが比較的大きい場合であっても、補助素子24を用いて変圧器50の静電容量Cx等を求めてもよい。この場合、補助素子24に接続される補助素子用ケーブル26を電流検出用CTに挿入し、系全体の静電容量Cm及び誘電正接tanδmを求め、上記の(式1)〜(式5)に従って変圧器50の静電容量Cx等を求めればよい。
以上のように、補助素子24を設け、補助素子24の機能を切換可能とすることで、変圧器50の静電容量Cxが比較的小さい場合と比較的大きい場合との両方に対応して測定することが可能となる。
次に、具体的な実施例について説明する。上記の実施形態に係る非停電絶縁診断装置について、100kVAのモールドトランスを被診断機器として検証を行った。この検証では、試験電圧発生器10によって、1035Hz、6Vの試験電圧Vsfを印加した。
既知である補助コンデンサCaの静電容量、補助抵抗Raの抵抗値及び誘電正接tanδaは以下の通りである。
Ca=0.5nF
Ra=30.75MΩ
tanδa=1.0%
そして、本実施形態に係る非停電絶縁診断装置を用いて静電容量Cm及び誘電正接tanδmを計測し、静電容量Cm及び誘電正接tanδmを用いることで(式3)から合成抵抗Rmを求めた。静電容量Cm、合成抵抗Rm及び誘電正接tanδmのそれぞれの値は以下の通りであった。
Cm=0.78nF
Rm=28.16MΩ
tanδm=0.7%
そして、既知のCaと測定された静電容量Cmとを(式1)に代入することで静電容量Cxを求め、既知の抵抗Raと求められた合成抵抗Rmとを(式2)に代入することで絶縁抵抗Rxを求め、(式4)又は(式5)によって誘電正接tanδxを求めた。静電容量Cx、絶縁抵抗Rx及び誘電正接tanδxのそれぞれの値は以下の通りである。
Cx=0.28nF
Rx=334.29MΩ
tanδx=0.16%
このように、100kVAのモールドトランスのtanδx(=0.16%)を算出することができた。
上記の方法で求められた静電容量Cx及び誘電正接tanδxの値が正しいかどうかを調べるために、変圧器50を停電させてシェーリングブリッジ法にて静電容量Cx及び誘電正接tanδxを測定した。その結果、Cx=0.28nF、tanδx=0.16%が得られた。本実施形態と別手法とで同じ値が得られたため、本実施形態の手法が有効であることが分かった。
次に、図5を参照して変形例について説明する。変形例では測定器20内に補助素子24を設けず、測定器20の外部に設置される外部補助素子40を用いる。例えば、変圧器50の静電容量Cxが比較的小さい場合、外部補助素子40を用いて測定し、変圧器50の静電容量Cxが比較的大きい場合、外部補助素子40を用いずに測定する。外部補助素子40は、補助素子24と同様に、並列に接続された補助コンデンサCaと補助抵抗Raとを含む。上述した実施形態と同様に、Ca、Ra及びtanδaの値は既知である。
変圧器50の静電容量Cxが比較的小さい場合、外部補助素子40を変圧器50に対して並列に接続する。具体的には、外部補助素子40の一端を電圧注入用RTと変圧器50との間にて接地線12に接続し、他端には補助素子用ケーブル26を接続し、補助素子用ケーブル26を、GNDと電圧注入用RTとの間にて接地線12に接続する。また、引き込みケーブル60と補助素子用ケーブル26とを電流検出用CTに挿入する。そして、電圧注入用RTによって接地線12を介して変圧器50と外部補助素子40とに試験電圧Vsfを印加する。これにより、電流検出用CTは、変圧器50を介して引き込みケーブル60に流れ込んだ漏れ電流と、外部補助素子40を介して補助素子用ケーブル26に流れ込んだ漏れ電流との合計である漏れ電流Iscを検出する。そして、上述した実施形態と同様に、測定器20の演算部30は、試験電圧Vsfと漏れ電流Iscとを用いることで、変圧器50の静電容量Cx等を求める。
変圧器50の静電容量Cxが比較的大きい場合、外部補助素子40及び補助素子用ケーブル26を用いずに、引き込みケーブル60に流れ込んだ漏れ電流Iscを電流検出用CTで検出し、変圧器50の静電容量Cx等を求める。
以上のように、測定器20に補助素子24を設けずに外部補助素子40を用いた場合も、上記の実施形態と同様に、測定器20によって計測される静電容量を増大させることができるので、変圧器50の静電容量Cxが測定器20によって測定可能な値未満であっても、変圧器50の静電容量Cx等を求めることが可能となる。従って、変圧器50の絶縁診断を正確に行うことが可能となる。
10 試験電圧発生器、12 接地線、20 測定器、22 校正器、24 補助素子、26 補助素子用ケーブル、28 モード切換スイッチ、30 演算部、32 表示部、40 外部補助素子、50 変圧器、60 引き込みケーブル。

Claims (4)

  1. 補助抵抗と補助コンデンサとを備え、一次側に高圧ケーブルが接続された変圧器に対して並列に接続される補助素子と、
    前記変圧器の二次側から前記変圧器と前記補助素子とに試験電圧を印加する試験電圧印加手段と、
    前記変圧器の一次側から前記高圧ケーブルを介して流れる漏れ電流と前記補助素子に流れる漏れ電流との合計の漏れ電流を検出するクランプ型の電流検出手段と、
    前記試験電圧と前記合計の漏れ電流とを用いることで、前記変圧器と前記補助素子とによって構成される系全体の静電容量及び誘電正接を求め、前記系全体の静電容量及び誘電正接を用いることで、前記変圧器の静電容量、誘電正接及び絶縁抵抗のうちの少なくとも1つを求める演算手段と、
    を有することを特徴とする非停電絶縁診断装置。
  2. 請求項1に記載の非停電絶縁診断装置であって、
    前記演算手段は、前記系全体の静電容量及び誘電正接から前記補助素子の静電容量及び誘電正接を差引くことで、前記変圧器の静電容量及び誘電正接を求める、
    ことを特徴とする非停電絶縁診断装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の非停電絶縁診断装置であって、
    相対的に大きい静電容量の変圧器を測定するための第1モードと、相対的に小さい静電容量の変圧器を測定するための第2モードとを切り替えるためのスイッチを更に有し、
    前記補助素子は、前記スイッチによってモードが前記第2モードに切り替えられると、前記変圧器に対して並列に接続される、
    ことを特徴とする非停電絶縁診断装置。
  4. 補助抵抗と補助コンデンサとを備えた補助素子を、一次側に高圧ケーブルが接続された変圧器に対して並列に接続するステップと、
    前記変圧器の二次側から前記変圧器と前記補助素子とに試験電圧を印加するステップと、
    前記変圧器の一次側から前記高圧ケーブルを介して流れる漏れ電流と前記補助素子に流れる漏れ電流との合計の漏れ電流を検出するステップと、
    前記試験電圧と前記合計の漏れ電流とを用いることで、前記変圧器と前記補助素子とによって構成される系全体の静電容量及び誘電正接を求め、前記系全体の静電容量及び誘電正接を用いることで、前記変圧器の静電容量、誘電正接及び絶縁抵抗のうちの少なくとも1つを求めるステップと、
    を含むことを特徴とする非停電絶縁診断方法。
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