JP2014201618A - 金属微粒子分散液からなる導電インク、導体付き基材 - Google Patents

金属微粒子分散液からなる導電インク、導体付き基材 Download PDF

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智 柏原
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英之 平社
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貴重 米田
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Abstract

【課題】インクジェット印刷法により印刷し、焼成して導体を形成する場合においても導体の端部に突起状部分が発生しにくい金属微粒子分散液を使用した導電インク、および該導電インクを使用した導体付き基材の提供。【解決手段】溶媒に金属微粒子が分散した分散液からなる導電インクであって、金属微粒子の平均粒子径が5〜50nmであり、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、1−アミノデカン、および、1−アミノウンデカンから選択される少なくとも一つのアルキルアミンが、該金属微粒子100gに対する質量%で1〜10質量%吸着し、溶媒の溶解度パラメータ(SP値)と、アルキルアミンのアルキル基部の溶解度パラメータ(SP値)と、の差が0.1〜3.5(MPa)1/2であり、前記分散液の固形分濃度が15〜70質量%であり、下記手順で測定される導電インクの凝集性が1〜10%であることを特徴とする導電インク。【選択図】なし

Description

本発明は、金属微粒子分散液からなる導電インク、およびこれを用いた導体付き基材に関する。
プリント配線等の回路パターン等を有する導体付き基材の製造方法としては、銀、銅等の金属微粒子を分散させた分散液からなる導電インクを、基材上にインクジェット印刷法により塗布し、焼成して導体を形成する方法が知られている(特許文献1参照)。
特開2002−324966号公報
従来の金属微粒子分散液からなる導電インクを基材上にインクジェット印刷法により塗布し、焼成して導体を形成する方法では導体の端部に突起状部分が発生し、導体上部に素子を実装する場合に接触面積が小さくなってしまうために密着性が確保しにくいといった問題を有していた。
本発明は、上記した従来技術の問題点を解決するため、インクジェット印刷法により塗布し、焼成して導体を形成する場合においても導体の端部に突起状部分が発生しにくい金属微粒子分散液を使用した導電インク、および該導電インクを使用した導体付き基材の提供を目的とする。
上記した目的を達成するため、本発明は、溶媒に金属微粒子が分散した分散液からなる導電インクであって、
前記金属微粒子の平均一次粒子径が5〜50nmであり、
前記金属微粒子には、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、1−アミノデカン、および、1−アミノウンデカンからなる群から選択される少なくとも一つのアルキルアミンが、該金属微粒子100gに対する質量%で1〜10質量%吸着しており、
前記溶媒の溶解度パラメータ(SP値)と、前記アルキルアミンのアルキル基部の溶解度パラメータ(SP値)と、の差が0.1〜3.5(MPa)1/2であり、
前記分散液の固形分濃度が15〜70質量%であり、
下記手順で測定される導電インクの凝集性が1〜10%であることを特徴とする導電インクを提供する。
(凝集性:動的光散乱式粒子径測定装置を用いて、前記分散液の固形分濃度が0.01〜0.1質量%となるよう前記溶媒で希釈した希釈液中の金属微粒子の粒子径を測定し、粒子径が500nm以上の金属微粒子が測定限度以下であることを確認する。次に、前記希釈液を20分間放置した後、希釈液中の金属微粒子の粒子径を測定し粒子径分布を求める。得られた粒子径分布から、粒子径が100nm以下の粒子の頻度の積分値A、および、粒子径が500nm以上の粒子の頻度の積分値Bを求める。B/A×100(%)を導電インクの凝集性とする。)
本発明の導電インクにおいて、前記溶媒の溶解度パラメータ(SP値)が7〜10(MPa)1/2であることが好ましい。
本発明の導電インクにおいて、前記アルキルアミンのアルキル基部の溶解度パラメータ(SP値)が7.4〜7.7(MPa)1/2であることが好ましい。
本発明の導電インクにおいて、前記金属微粒子が水素化銅微粒子であることが好ましい。
また、本発明は、基材上に、本発明の導電インクをインクジェット印刷法により塗布し、加熱焼成することによって形成される導体を有する導体付き基材を提供する。
本発明の導電インクによれば、インクジェット印刷法により塗布し、焼成して導体を形成する場合において導体の端部に突起状部分が発生しにくい。
また、本発明の導体付き基材によれば、導体上部に素子を実装する場合に、導体の端部に突起状部分が発生しないので密着性が確保しやすい。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明は、以下の説明に限定して解釈されるものではない。
本発明の導電インクは、溶媒に金属微粒子が分散した分散液からなり、以下に定義する凝集性が特定の範囲を満たすものを指す。
(凝集性の定義)
本発明における凝集性とは、溶媒に分散された金属微粒子が凝集しやすい状態で放置された場合に、どの程度凝集するかという分散安定性の程度を示し、次のように測定することができる。
凝集性の評価では、溶媒に金属微粒子が分散した分散液からなる導電インクを、該分散液の固形分濃度が0.01〜0.1質量%となるよう、該分散液と同じ溶媒で希釈した希釈液を用いる。
動的光散乱式粒径測定装置を用いて希釈液中の金属微粒子の粒子径を測定し、粒子径が500nm以上の金属微粒子が測定限度以下であることを確認する。
詳しくは後述するが、本発明の導電インクでは、金属微粒子として、平均一次粒子径が5〜50nmの一次粒子を用いる。したがって、粒子径が500nm以上の金属微粒子は凝集粒子である。溶媒で希釈した直後の分散液中にこのような凝集粒子が存在すると、均一な導電膜が形成できなくなり、導電膜の導電性が悪くなる点で問題となる。
次に、この希釈液を20分間放置した後、希釈液中の金属微粒子の粒子径を測定し粒子径分布を求める。得られた粒子径分布から、粒子径が100nm以下の粒子の頻度の積分値A、および、粒子径が500nm以上の粒子の頻度の積分値Bを求める。B/A×100(%)を導電インクの凝集性と定義する。
本発明の導電インクは、上記で定義される凝集性が1〜10%である。
本発明の導電インクは、凝集性が1〜10%であることで、インクジェット印刷法により塗布し、焼成しても端部に突起状部分を有しない導体を形成することができる。このような導体膜を形成できる理由は必ずしも明らかではないが、次のように推定される。
導電インクの焼成時、加熱されることによる溶媒の気化速度、つまり、分散液中の固形分濃度の増加速度と、金属微粒子の凝集沈殿の生成速度と、の関係で焼成膜における突起部分発生の有無が決まると考える。分散液中の金属微粒子の分散性が高すぎると、具体的には、凝集性が1%未満の場合は、金属微粒子の凝集沈殿が起こりにくくなり、溶媒の対流によって微粒子が分散状態で塗布物の端部に運ばれた後に溶媒の気化による凝集沈殿が生成して端部が突起形状となる。
一方、分散液中の金属微粒子の分散性が適度である場合は、具体的には、凝集性が1〜10%の場合は微粒子の凝集沈殿が適度に起こり、溶媒の対流によって塗布物の端部に運ばれる途中で中心部から徐々に凝集沈殿が生成し、端部に突起形状が発生することはない。
これに対して、分散液中の金属微粒子の分散性が低い場合、具体的には、凝集性が10%超の場合は、導電インクの保管中やインクジェット印刷法による塗布中に微粒子が自発的に凝集することにより沈殿が生成してしまい、インクジェット印刷装置のノズル閉塞などの問題が生じてしまう。
以上のように本発明の導電インクでは、分散媒である溶媒中に金属微粒子が適度な分散安定性を有した状態で存在していると考えることができる。ただし、適度な分散安定性の同定が困難であるため、上記で定義した凝集性が1〜10%になることをもって、適度な分散安定性としている。
導電インクの凝集性が1%以上であれば、導電インクの焼成時に、金属微粒子の凝集が適度に進行して、導体の端部に突起状部分が発生することはない。導電インクの凝集性が10%以下であれば、導電インク保管中やインクジェット印刷法による塗布中に微粒子が自発的に凝集することによる沈殿の生成を抑制できる。
本発明の導電インクは、凝集性が1〜5%であることが好ましく、2〜5%であることがより好ましい。
本発明の導電インクは、(1)平均一次粒子径が特定の範囲の金属微粒子を使用し、(2)該金属微粒子として、特定のアルキルアミンが特定の吸着量で吸着されているものを使用し、(3)金属微粒子を分散する溶媒および金属微粒子に吸着させるアルキルアミンを、それら溶解度パラメータ(SP値)の差、具体的には、溶媒のSP値と、アルキルアミンのアルキル基部のSP値と、の差が特定の範囲となるものを使用することで、導電インクの凝集性を1〜10%とする。但し、導電インクが、金属微粒子に表面に吸着し得る他の成分を含有する場合は、当該成分も導電インクの凝集性に影響する可能性があるため、当該成分の量も制御する必要がある。このような成分の具体例としては、後述する例5における高分子分散剤がある。
本発明の導電インクでは、平均一次粒子径が5〜50nmの金属微粒子を用いる。金属微粒子の平均一次粒子径が50nm以下であれば、微粒子の特徴である低温での焼結性が良好となり、得られる導体の体積抵抗値を低くすることが可能になる。また、金属微粒子の平均一次粒子径が5nm以上であれば、金属微粒子を安定に分散させることができる。
金属微粒子の平均一次粒子径は、無作為に抽出した100個の微粒子の粒子径を、透過型電子顕微鏡または走査型電子顕微鏡を使用して測定し、それらの値を平均して求めた値である。
金属微粒子の平均一次粒子径としては、5〜30nmがより好ましく、10〜30nmがさらに好ましい。
金属微粒子の金属種としては、導電性に優れた金属種から適宜選択することができ、金、銀、銅、白金、ニッケルなどの純金属を用いることでき、また、水素化銅のような金属化合物であってもよい。これらの中でも、水素化銅が、焼成時の加熱により、金属銅に変換され、表面酸化が少ない銅微粒子となることから好ましい。
金属微粒子として、アルキルアミンが吸着しているものを用いるのは、金属微粒子の表面にアルキルアミンが吸着することにより、金属微粒子と溶媒との界面で発生する界面エネルギーを変化させて、金属微粒子の凝集性を制御できるためである。
この目的で使用するアルキルアミンは、炭素数7以上のアルキル基を有し、かつ沸点が250℃以下のアルキルアミンが好ましい。アルキルアミンにおけるアルキル基の炭素数が7以上であれば、該アルキルアミンを吸着させた金属微粒子の分散性が良好となる。
アルキルアミンにおけるアルキル基の炭素数は、沸点が高くなりすぎることを抑制する点から、11以下が好ましい。アルキルアミンの沸点が250℃以下であれば、導体を形成する際、150℃以下の加熱でもアルキルアミンが金属微粒子表面から脱離し、揮発して体積抵抗率の低い導体を形成できる。アルキルアミンの沸点は、加熱時の脱離性および揮発性の点から、250℃以下が好ましく、200℃以下がより好ましい。また、アルキルアミンの沸点は、アルキル基の炭素数を7以上とする点から、通常は150℃以上が好ましい。
アルキルアミンのアルキル基は、得られる金属微粒子の分散安定性の点から、直鎖アルキル基が好ましい。ただし、アルキルアミンのアルキル基は、分岐アルキル基であってもよい。
上述したアルキル基の炭素数、および、沸点の条件を満たすアルキルアミンとしては、n−ヘプチルアミン(アルキル基の炭素数7、アルキル基部のSP値:7.4(MPa)1/2)、n−オクチルアミン(アルキル基の炭素数8、アルキル基部のSP値:7.5(MPa)1/2)、n−ノニルアミン(アルキル基の炭素数9、アルキル基部のSP値:7.6(MPa)1/2)、1−アミノデカン(アルキル基の炭素数10、アルキル基部のSP値:7.7(MPa)1/2)、1−アミノウンデカン(アルキル基の炭素数11、アルキル基部のSP値:7.7(MPa)1/2)が挙げられる。
これらの中でも、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミンが、金属微粒子の凝集を抑制する性能に優れ、低温でも比較的大きな蒸気圧を有していることから好ましい。
上記のアルキルアミンは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
金属微粒子に対するアルキルアミンの吸着量は、金属微粒子の分散性が良好になる点から、金属微粒子100gに対する質量%で1〜10質量%とする。アルキルアミンの吸着量が過剰、具体的には、10質量%超であると、導体の体積抵抗率を上昇させるおそれがある。アルキルアミンの吸着量が不足、具体的には、1質量%未満であると、十分な分散安定性が得られなくなる。
金属微粒子に対するアルキルアミンの吸着量としては3〜8質量%が好ましい。
金属微粒子と、溶媒と、の界面で発生する界面エネルギーには、金属微粒子の表面に吸着させたアルキルアミンの溶解度パラメータ(SP値)と、溶媒のSP値と、の差が影響する。但し、アルキルアミンのアミノ基部は、吸着させた金属微粒子の側に配向するため、実際には、アルキルアミンのアルキル基部のSP値と、溶媒のSP値と、の差が影響する。
本発明の導電インクでは、溶媒のSP値と、アルキルアミンのアルキル基部のSP値と、の差が0.1〜3.5(MPa)1/2となるものを使用する。
両者のSP値の差が上記の範囲であれば、優れた分散性が得られ、均一な導電膜が形成できる。
両者のSP値の差は、0.3〜1.0(MPa)1/2であることが好ましい。
アルキルアミンのアルキル基部のSP値については、本発明の導電インクに用いられるアルキルアミンの具体例における数値をすでに示した。アルキルアミンのアルキル基部のSP値は、7.4〜7.7(MPa)1/2であることが良好な分散安定性を得られることから好ましい。
一方、溶媒のSP値は7〜10(MPa)1/2であることが、良好な分散安定性を得られることから好ましい。
上記のSP値を満たす溶媒としては、例えば、デカン(SP値:7.8(MPa)1/2)、ドデカン(SP値:7.9(MPa)1/2)、テトラデカン(SP値:8.0(MPa)1/2)、デセン(SP値:7.8(MPa)1/2)、ドデセン(SP値:7.9(MPa)1/2)、テトラデセン(SP値:8.0(MPa)1/2)、ジペンテン(SP値:8.5(MPa)1/2)、シクロヘキサノン(SP値:10(MPa)1/2等が挙げられる。なかでも、導電インクの乾燥性の制御、塗布性の制御が容易である点からドデカン、ドデセン、テトラデカン、テトラデセンが好ましい。
溶媒は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の導電インク(100質量%)の固形分濃度は、要求される粘度によっても異なるが、インクジェット印刷法により塗布し、加熱焼成することで導体を形成するため、15〜70質量%である。導電インクの固形分濃度が15質量%以上であれば、充分な厚みを有する導体を形成しやすい。導電インクの固形分濃度が70質量%以下であれば、粘度、表面張力等のインク特性の制御が容易であり、導体の形成が容易になる。
導電インク(100質量%)の固形分濃度は、20〜60質量%であることが好ましい。
本発明の導電インクは、アルキルアミンを吸着させた金属微粒子以外の成分を必要に応じて含有してもよい。このような成分の具体例としては、高分子分散剤、密着性付与剤、酸化防止剤などが挙げられる。
本発明の導電インクの粘度は、5〜60mPa・sが好ましく、8〜40mPa・sがより好ましい。導電インクの粘度が5mPa・s以上であれば、インクジェット印刷法により塗布する際に、精度良く導電インクを吐出できる。導電インクの粘度が60mPa・s以下であれば、入手しうるほとんどのインクジェットヘッドに適用可能となる。
本発明の導電インクの表面張力は、20〜45dyn/cmが好ましく、25〜40dyn/cmがより好ましい。導電インクの表面張力が20dyn/cm以上であれば、インクジェット印刷法により塗布する際に、精度良くインクを吐出できる。導電インクの表面張力が45dyn/cm以下であれば、入手しうるほとんどのインクジェットヘッドに適用可能となる。
<導体付き基材>
本発明の導体付き基材は、基材上に、前述した本発明の導体インクを塗布し、加熱焼成して導体を形成したものである。
基材としては、ガラス基板、プラスチック基材(PET(ポリエチレンテレフタレート)基材、PEN(ポリエチレンナフタレート)基材等。)、繊維強化複合材料製の基材(ガラス繊維強化プラスチック基板等。)等が挙げられる。
導体インクを塗布する方法としては、インクジェット印刷法が、極めて狭い範囲のみに塗布することが可能となり、例えば、回路間の間隔が0.3mm以下の高密度な回路パターンの作製にも適用できること、および、回路パターン形状が複雑なもの、例えば、細い線幅部と広いベタ印刷領域が混在する際にも、高い膜厚の均一性を達成することも可能となるから好ましい。
インクジェット印刷法の場合、所望のパターンの導体の形成が容易な点から、インクジェットヘッドの吐出孔の孔径を0.5〜100μmとし、基材上に塗布した際の導電インクの直径が1〜100μmとなるようにすることが好ましい。
基材上に導電インクを塗布した後の加熱焼成温度は、60〜300℃が好ましく、60〜150℃がより好ましい。
加熱焼成時間は、加熱焼成温度に応じて、溶媒、金属微粒子表面から脱離したアルキルアミン等を揮発させて導体が形成できる時間を設定すればよい。
また、加熱焼成は、形成する導体の酸化を抑制しやすい点から、窒素雰囲気等の不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
本発明の導体付き基材における導体の厚さは、0.3〜2.0μmであることが良好な導電性が得られることから好ましく、0.5〜1.0μmであることがより好ましく、0.5〜0.8μmであることがさらに好ましい。
本発明の導体付き基材における導体の体積抵抗率は、3〜35μΩ・cmであることが回路設計の自由度が広がることから好ましく、3〜30μΩ・cmであることがより好ましく、3〜20μΩ・cmであることがさらに好ましい。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。例1〜4は実施例、例5〜7は比較例である。なお、金属微粒子の平均粒子径、導電インクの凝集性、導体付き基材における導体の厚さ、および、導体の体積抵抗率はそれぞれ以下に示す方法で測定した。
(金属微粒子の平均粒子径)
無作為に抽出した100個の微粒子の粒子径を、透過型電子顕微鏡(日立製作所社製、H−9000)または走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、S−800)を使用して測定し、それらの値を平均して求めた。
(導電インクの凝集性)
導電インクの凝集性は、動的光散乱式粒径分布測定装置(日機装株式会社製、Nanotrac150)を使用して、以下の手順で測定した。
凝集性の評価では、溶媒に金属微粒子が分散した分散液からなる導電インクを、該分散液の固形分濃度が0.01〜0.1%質量%となるよう、該分散液と同じ溶媒で希釈した希釈液を用いる。動的光散乱式粒径測定装置を用いて希釈液中の金属微粒子の粒子径を測定し、粒子径が500nm以上の金属微粒子が測定限度以下であることを確認する。
次に、この希釈液を20分間放置した後、希釈液中の金属微粒子の粒子径を測定し粒子径分布を求める。得られた粒子径分布から、粒子径が100nm以下の粒子の頻度の積分値A、および、粒子径が500nm以上の粒子の頻度の積分値Bを求める。B/A×100(%)を導電インクの凝集性とする。
(導体の厚さ)
導体の厚さは、接触式膜厚測定装置(Veeco社製、DEKTAK150)を使用して測定した。
(導体の体積抵抗率)
導体の体積抵抗率は、四探針式抵抗計(三菱油化社製、ロレスタGP MCP−T610)を使用して測定した表面抵抗値に、導体の厚さを乗じて求めた。
[例1]
ガラス容器に、トルエンの300g、銅(II)塩としてギ酸銅(II)四水和物の30g、および、n−ヘプチルアミン(沸点157℃、アルキル基部のSP値:7.4(MPa)1/2)の15gを加えて撹拌した。つぎに、NaBH4の4.5gを添加し、撹拌することによって、金属微粒子がトルエン中に分散した黒色の分散液を得た。
該分散液中の金属微粒子を回収し、X線回折で同定を行ったところ、水素化銅微粒子であることが確認された。水素化銅微粒子(一次粒子)の平均一次粒子径は10nmであった。
また、水素化銅微粒子には、該微粒子100gに対する質量%でn−ヘプチルアミンが5質量%吸着していることを、熱質量分析(TG)により確認した。
得られた水素化銅分散溶液を減圧濃縮し、溶媒としてドデセン(SP値:7.9(MPa)1/2)を添加することで、粘度を調整して導電インクを得た。得られた導電インクの固形分濃度は30質量%であった。導電インクをドデセンで0.05%に希釈した希釈液を用いて導電インクの凝集性を評価した。希釈直後の測定では、粒子径が500nm以上の金属微粒子が測定限度以下であった。20分間放置後に測定した粒子径分布の測定結果から求めた凝集性は5%であり、金属微粒子の平均一次粒子径は10nmであった。
導電インクを使用し、インクジェット印刷機により、長さ5cm、幅2mmの配線パターンをPETフィルム上に印刷した。印刷後のPETフィルムを、窒素中、150℃で1時間加熱し、導体付きPETフィルムを得た。形成した導体の体積抵抗率は20μΩ・cmであり、配線形状は端部に突起は存在しなかった。
[例2]
ドデセンに高分子分散剤(ビックケミー製、AntiTerra−U)を全インクに対して0.4wt%になるように添加した以外は例1と同様にして導電インクを得た。水素化銅微粒子(一次粒子)の平均一次粒子径は10nmであった。得られた導電インクの固形分濃度は30質量%であった。導電インクをドデセンで0.05%に希釈した希釈液を用いて導電インクの凝集性を評価した。希釈直後の測定では、粒子径が500nm以上の金属微粒子が測定限度以下であった。20分間放置後に測定した粒子径分布の測定結果から求めた凝集性は2%であり、金属微粒子の平均一次粒子径は10nmであった。
該導電インクを使用し、インクジェット印刷機により、長さ5cm、幅2mmの配線パターンをPETフィルム上に印刷した。印刷後のPETフィルムを、窒素中、150℃で1時間加熱し、導体付きPETフィルムを得た。形成した導体の体積抵抗率は30μΩ・cmであり、配線形状は端部に突起は存在しなかった。
[例3]
ドデセンの代わりにデカン(SP値:7.8(MPa)1/2)を使用した以外は例1と同様にして導電インクを得た。水素化銅微粒子(一次粒子)の平均一次粒子径は10nmであった。得られた導電インクの固形分濃度は30質量%であった。導電インクをデカンで0.05%に希釈した希釈液を用いて導電インクの凝集性を評価した。希釈直後の測定では、粒子径が500nm以上の金属微粒子が測定限度以下であった。20分間放置後に測定した粒子径分布の測定結果から求めた凝集性は1%であり、金属微粒子の平均一次粒子径は10nmであった。
該導電インクを使用し、インクジェット印刷機により、長さ5cm、幅2mmの配線パターンをPETフィルム上に印刷した。印刷後のPETフィルムを、窒素中、150℃で1時間加熱し、導体付きPETフィルムを得た。形成した導体の体積抵抗率は20μΩ・cmであり、配線形状は端部に突起は存在しなかった。
[例4]
ドデセンの代わりにシクロヘキサノン(SP値:10(MPa)1/2)を使用した以外は例1と同様にして導電インクを得た。水素化銅微粒子(一次粒子)の平均一次粒子径は10nmであった。得られた導電インクの固形分濃度は30質量%であった。導電インクをシクロヘキサンで0.05%に希釈した希釈液を用いて導電インクの凝集性を評価した。希釈直後の測定では、粒子径が500nm以上の金属微粒子が測定限度以下であった。20分間放置後に測定した粒子径分布の測定結果から求めた凝集性は1.5%であり、金属微粒子の平均一次粒子径は10nmであった。
該導電インクを使用し、インクジェット印刷機により、長さ5cm、幅2mmの配線パターンをPETフィルム上に印刷した。印刷後のPETフィルムを、窒素中、150℃で1時間加熱し、導体付きPETフィルムを得た。形成した導体の体積抵抗率は20μΩ・cmであり、配線形状は端部に突起は存在しなかった。
[例5]
ドデセンに高分子分散剤(ビックケミー製、AntiTerra−U)を全インクに対して1.0wt%になるように添加した以外は例1と同様にして導電インクを得た。水素化銅微粒子(一次粒子)の平均一次粒子径は10nmであった。得られた導電インクの固形分濃度は30質量%であった。導電インクをドデセンで0.05%に希釈した希釈液を用いて導電インクの凝集性を評価した。希釈直後の測定では、粒子径が500nm以上の金属微粒子が測定限度以下であった。20分間放置後に測定した粒子径分布の測定結果から求めた凝集性は0.5%であり、金属微粒子の平均一次粒子径は10nmであった。
該導電インクを使用し、インクジェット印刷機により、長さ5cm、幅2mmの配線パターンをPETフィルム上に印刷した。印刷後のPETフィルムを、窒素中、150℃で1時間加熱し、導体付きPETフィルムを得た。形成した導体の体積抵抗率は50μΩ・cmであり、配線形状は端部に突起が存在した。
[例6]
作製した水素化銅微粒子の代わりに市販の銀ナノインク(ハリマ化成製、NPS−J、溶媒 テトラデカン、銀微粒子100gに対する質量%でドデシルアミンが5質量%吸着)を使用した以外は例1と同様に試験を行った。銀微粒子の平均一次粒子径は5nmであった。得られた導電インクの固形分濃度は60質量%であった。導電インクをドデセンで0.05%に希釈した希釈液を用いて導電インクの凝集性を評価した。希釈直後の測定では、粒子径が500nm以上の金属微粒子が測定限度以下であった。20分間放置後に測定した粒子径分布の測定結果から求めた凝集性は0%であり、銀微粒子の平均一次粒子径は10nmであった。
該導電インクを使用し、インクジェット印刷機により、長さ5cm、幅2mmの配線パターンをPETフィルム上に印刷した。印刷後のPETフィルムを、空気中、150℃で1時間加熱し、導体付きPETフィルムを得た。形成した導体の体積抵抗率は5μΩ・cmであり、配線形状は端部に突起が存在し、導体上部に素子を実装する場合に密着性が確保しにくいといった問題を有していることがわかった。
[例7]
ドデセンの代わりにシクロヘキサノール(SP値:12(MPa)1/2)を使用した以外は例1と同様にして導電インクを得た。水素化銅微粒子(一次粒子)の平均一次粒子径は10nmであった。得られた導電インクの固形分濃度は30質量%であった。
導電インクをシクロヘキサノールで0.05%に希釈した希釈液を用いて導電インクの凝集性を評価した。希釈直後の測定では、粒子径が500nm以上の金属微粒子が測定限度以下であった。20分間放置後に測定した粒子径分布の測定結果から求めた凝集性は20%であり、金属微粒子の平均一次粒子径は10nmであった。
該導電インクを使用し、インクジェット印刷機により、長さ5cm、幅2mmの配線パターンをPETフィルム上に印刷した。印刷後のPETフィルムを、窒素中、150℃で1時間加熱し、導体付きPETフィルムを得た。形成した導体の体積抵抗率は200μΩ・cmであり、導電性の良好な導体が得られなかった。ただし、配線形状は端部に突起は存在しなかった。
以上の実験結果から、溶媒のSP値とアルキルアミンのアルキル基部のSP値との差が0.1〜3.5(MPa)1/2の範囲であり、凝集性が2〜10%である導電インクを使用した例1〜4では、導電性が良好で端部に突起が存在しない導体を形成することができた。一方で、溶媒のSP値とアルキルアミンのアルキル基部のSP値との差が0.1〜3.5(MPa)1/2の範囲であっても、凝集性が2〜10%の範囲にない導電インクを使用した例5,6では、端部に突起が存在する導体が形成され、導体上部に素子を実装する場合に密着性が確保しにくいといった問題を有していることがわかった。なお、溶媒のSP値とアルキルアミンのアルキル基部のSP値との差が0.1〜3.5(MPa)1/2の範囲であっても、凝集性が2〜10%の範囲にならなかったのは、例5では高分子分散剤が過剰に添加されているために、該高分子分散剤が金属微粒子(水素化銅微粒子)の表面に吸着したことで、金属微粒子の分散安定性が高くなり、凝集性が低下したと考えられる。
溶媒のSP値とアルキルアミンのアルキル基部のSP値との差が0.1〜3.5(MPa)1/2の範囲にない例7では、凝集性が20%ときわめて高く、導電性の良好な導体が得られないことが分かった。

Claims (5)

  1. 溶媒に金属微粒子が分散した分散液からなる導電インクであって、
    前記金属微粒子の平均一次粒子径が5〜50nmであり、
    前記金属微粒子には、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、1−アミノデカン、および、1−アミノウンデカンからなる群から選択される少なくとも一つのアルキルアミンが、該金属微粒子100gに対する質量%で1〜10質量%吸着しており、
    前記溶媒の溶解度パラメータ(SP値)と、前記アルキルアミンのアルキル基部の溶解度パラメータ(SP値)と、の差が0.1〜3.5(MPa)1/2であり、
    前記分散液の固形分濃度が15〜70質量%であり、
    下記手順で測定される導電インクの凝集性が1〜10%であることを特徴とする導電インク。
    (凝集性:動的光散乱式粒子径測定装置を用いて、前記分散液の固形分濃度が0.01〜0.1質量%となるよう前記溶媒で希釈した希釈液中の金属微粒子の粒子径を測定し、粒子径が500nm以上の金属微粒子が測定限度以下であることを確認する。次に、前記希釈液を20分間放置した後、希釈液中の金属微粒子の粒子径を測定し粒子径分布を求める。得られた粒子径分布から、粒子径が100nm以下の粒子の頻度の積分値A、および、粒子径が500nm以上の粒子の頻度の積分値Bを求める。B/A×100(%)を導電インクの凝集性とする。)
  2. 前記溶媒の溶解度パラメータ(SP値)が7〜10(MPa)1/2である、請求項1に記載の導電インク。
  3. 前記アルキルアミンのアルキル基部の溶解度パラメータ(SP値)が7.4〜7.7(MPa)1/2である、請求項1または2に記載の導電インク。
  4. 前記金属微粒子が水素化銅微粒子である、請求項1〜3のいずれかに記載の導電インク。
  5. 基材上に、請求項1〜4のいずれかに記載の導電インクをインクジェット印刷法により塗布し、加熱焼成することによって形成される導体を有する導体付き基材。
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