JP2014200297A - 口腔清掃用具 - Google Patents

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Abstract

【課題】口腔清掃用具の先端部の向きによらずに、液体を排出できるようにする。【解決手段】先端部2Aにブラシ4を設けた柄部3Aを有する口腔清掃用具1は、柄部3Aの内部に設けられた、液体を移動させる取込管11と、排出管12と、液体を収容するための液体収容部7Aとを備える。排出管12は、液体収容部7Aと排出管12との内部を連通するように配置された可動管15を備える。柄部3Aには、可撓性を有する操作部6と、可動管15の位置を変える変位部9が設けられる。そして、操作部6を操作することにより、取込口5Aから取込管11を通じて液体収容部7Aに液体を取り込み、又は排出口8Aから可動管15を通じて液体収容部7Aに収容された液体を排出する。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、高齢者や要介護者等の被介護者の口腔内を清掃するために用いられる口腔清掃用具に関する。
従来、寝たきり状態となっている高齢者や要介護者等の被介護者の主要死因には、肺炎、心疾患、腎疾患、ガン等がある。そのうち肺炎の占める割合が3割程度であり、最も高い割合を占める。この肺炎の主要因は誤嚥性肺炎であり、原因の6割強を占める。誤嚥性肺炎とは、口腔内の細菌が唾液や胃液と共に肺に流れ込んで生じる肺炎であり、高齢者に多く発症しやすい。また、栄養状態の悪い患者では、誤嚥性肺炎の再発を繰り返すことが多い。
被介護者が誤嚥性肺炎を起こしやすい理由として、被介護者の嚥下反射や咳反射機能が低下しているため、気管内に唾液や埃等の異物が進入しても、咳き込んで異物を体外に排出することが困難になることや、自覚症状無しに唾液や胃液が肺に流れ込む不顕性誤嚥が起きやすいことが挙げられる。また、被介護者は免疫力が低下していることが多いため、口腔内で細菌が増殖しやすく、この口腔内の細菌を誤嚥すると肺炎を発症しやすいことも挙げられる。さらに、一旦、被介護者が肺炎を発症すると、被介護者の免疫力が一層低下し、口腔内の細菌が増殖しやすくなって、肺炎を悪化させるという悪循環を繰り返すことがあった。
このような事情から、被介護者が自力で口腔内を十分に清掃できない場合、被介護者の口腔ケアを行うことが、誤嚥性肺炎を予防するために効果的であることが知られていた。また、口腔内を清潔に保つことの重要性に鑑み、近年の介護保険制度では、施設の管理体制に応じて、口腔ケア実施に対する介護給付費が増額されつつある。
寝たきり状態であったり、認知機能が低下していたりする被介護者では、口が開いたままとなりやすい。このため、口腔内が乾燥しやすく、乾燥した汚れ、食べかす、細菌由来のバイオフィルム等が歯や口腔内の粘膜壁にこびりつきやすい。乾燥した口腔内を清掃する際には、まず、汚れに水を含ませて、汚れを柔らかくしなければ、汚れを取り除くことが難しい。従来、介護者は、水を入れたコップに歯ブラシの先端部を浸し、先端部に植毛されたブラシに微量の水を含ませ、この水を使って、歯や口腔内粘膜壁を磨く作業を何度も繰り返さなければならなかった。
また、被介護者の中には、頚部や手先等の身体の一部が拘縮している者も少なくなく、自力で口に水を含むことや、うがいをできないことが多い。このような場合においても、介護者は歯ブラシを水で浸して作業を行う必要があり、口腔内を簡単に清掃できなかった。
また、コップと口腔との間で何度も歯ブラシを往復させると、移動途中で歯ブラシから滴り落ちた水が被介護者の衣服やベッド等にかかることがあり、介護上の手間が増えることや、被介護者に不快な思いをさせることがあった。さらに、口腔内に発生する雑菌の増殖を抑えるためには、1日に複数回口腔内を清掃することが効果的であるが、一度の口腔ケアに対しても十分な量の水を口腔内に含ませて清掃を完了するまでに時間を要するため、介護者にとっては大きな負担となることがあった。
さらに、口腔内に含ませる水の量が不足しているために口腔内の清掃が十分に行えず、口腔ケアの効果が不十分となることもあった。
そこで、介護者が被介護者の口腔内を清掃するための各種の技術が提案されてきた。
特許文献1には、押しスイッチ部を押動させ、握り柄ケース中に収容した歯磨き液をブラシ部の根元に穿設された数個の孔より流出させることで、片手でブラシ部に歯磨き液を塗布することを可能とした技術が開示されている。
また、特許文献2には、柄部の基端に給水チューブと排水チューブを設けて、口腔内において給水と排水を同時に行うことができる歯ブラシ装置について開示されている。
特開2003−19033号公報 特開2006−334276号公報
上述したものの他にも、歯ブラシの内部に収容した水等の液体を用いて被介護者の口腔内を清掃することを可能とする口腔清掃用具が提案されていた。しかしながら、それらの清掃用具は、大型で重く扱いにくかったり、貯水部と歯ブラシとを連結するチューブ等の器材が清掃作業の邪魔になったりしていたため、口腔内を清掃する作業負荷を軽減できていなかった。また、歯ブラシの内部に貯水部を設置した清掃用具も提案されたが、口腔内の清掃に使用する水を貯水部に貯水するための貯水機構が複雑であり、貯水作業に手間を要していた。このため、清掃作業の開始から終了までに長時間を要することや、追加で水が必要な際に、清掃の途中で再貯水することが困難であるといった課題があった。さらには、貯水に対する特殊な操作を必要とする用具では、いわゆる老々介護など、高齢者が介護者として使用する場合には特に適していなかった。
また、歯ブラシの先端部を下に向けると、貯水部に貯水された水が自然に先端部から排出されるが、歯ブラシの先端部を上に向けると、貯水部に貯水された水を先端部まで上げて口腔内に水を排出することが難しかった。このような課題の結果、口腔内に含ませる水の量が不足した状態で清掃を行うことで、口腔内の清掃が十分に行えず、口腔ケアの効果が不十分となることもあった。
さらに、特許文献1に開示された技術は、頻繁に交換することがない歯磨き液を塗布することに特化したものであり、日常生活において、常に清潔な水を被介護者の口腔内に与える用途には適していなかった。
また、特許文献2に開示された技術は、口腔内の清掃時において柄部に設けた給水チューブと排水チューブの取り回しが不便であり、さらに歯ブラシとは別に必要とする専用の注射器と排水装置の持ち運びが不便であった。
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、使用時の口腔清掃用具の先端部の向きによらずに、液体を排出できるようにすることを目的とする。
本発明は、先端部に清掃部材を設けた柄部を有する口腔清掃用具である。
この口腔清掃用具は、柄部の内部に設けられた、液体を収容するための液体収容部と、先端部に設けられ、柄部の外部から液体を取り込むための第1の流路口と、第1の流路口に取り込んだ液体を液体収容部に移動させるための第1の管部と、を備える。
また、先端部に設けられ、液体を柄部の外部に排出するための第2の流路口と、液体収容部に収容された液体を第2の流路口に移動させるための第2の管部と、液体収容部と第2の管部との内部を連通するように配置された可動管と、柄部の表面に設けられた、可撓性を有する操作部と、可動管の位置を変える変位部と、を備える。
そして、操作部を操作することにより、第1の流路口から第1の管部を通じて液体収容部に液体を取り込み、又は第2の流路口から可動管を通じて液体収容部に収容された液体を排出するものである。
本発明によれば、変位部によって液体収容部に収容された液体に浸るまで位置を変えられた可動管を通じて、液体収容部に収容された液体を第2の流路口から排出する。このため、口腔清掃用具の先端部の向きによらずに、被介護者の口腔内を湿らせることが可能となり、被介護者の口腔内を清掃する際に介護者の負担を少なくすることができる。また、口腔内清掃時に十分な量の液体を用いることが可能であるため、口腔内を効果的に清掃することができる。
本発明の第1の実施の形態例における口腔清掃用具の構成例を示す外観斜視図である。 本発明の第1の実施の形態例における口腔清掃用具の柄部内に設けられる液体収容部の構成例を示す外観斜視図である。 本発明の第1の実施の形態例における排出管の拡大斜視図である。 本発明の第1の実施の形態例における取込管と排出管の拡大斜視図である。 本発明の第1の実施の形態例における取込管に取付けられた第1の逆止弁の取付け例及び動作例を示す説明図である。 図1のA−A′線に沿って、横方向から口腔清掃用具を断面視した場合における先端部の部分断面図である。 本発明の第1の実施の形態例における液体収容部の概略断面図である。 本発明の第1の実施の形態例における液体収容部に収容されている液体を排出する際の動作例を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態例における液体収容部に水を収容する場合における口腔清掃用具の使用例を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態例における液体収容部の構成例を示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態例における液体収容部の概略断面図である。 本発明の第3の実施の形態例における液体収容部に収容されている液体を排出する際の動作例を示す説明図である。 本発明の液体収容部の変形例を示す概略図である。
<1.第1の実施の形態例>
以下、本発明の第1の実施の形態例に係る口腔清掃用具1Aについて、図1〜図9を参照して説明する。
本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
図1は、口腔清掃用具1Aの構成例を示す外観斜視図である。
図2は、口腔清掃用具1Aの柄部3A内に設けられる液体収容部7Aの構成例を示す外観斜視図である。
図3は、排出管12の構成例を示す説明図である。図3Aは、排出管12の拡大斜視図であり、図3Bは、図3AのB−B′線に沿って、排出管12の軸方向から断面視した場合における排出管12の部分断面図である。
口腔清掃用具1Aは、清掃部材の一例としてのブラシ4が片側(上面部)に植毛された先端部2Aと、介護者が被介護者の口腔内を清掃する際に握り込んで操作を行うための柄部3Aとを備える。以下の説明において、口腔清掃用具1Aを介護者が使用するものとしているが、被介護者が自ら口腔清掃用具1Aを使用することも当然に可能である。
柄部3Aの内部には、液体を収容するための液体収容部7Aが設けられる。液体収容部7Aに収容される液体には、水の他に口腔内を洗浄するために用いられる洗浄液等も含まれる。液体収容部7Aは、柄部3Aと一体に形成されている。ただし、液体収容部7Aは、柄部3Aと別体に形成された後、柄部3Aに一体に組み合わせてもよい。
先端部2Aには、柄部3Aの外部から取込管11を通じて液体収容部7Aに液体を取り込むための取込口5Aと、排出管12を通じて、液体収容部7Aに収容された液体を柄部3Aの外部に排出するための排出口8Aが設けられる。
液体収容部7Aは、取込口5Aから取り込まれた液体を貯留する空間を有する貯留部14と、取込管11及び排出管12とを備える。なお、取込管11は、第1の管部の一例として示し、取込口5Aは、第1の流路口の一例として示すものである。また、排出管12は、第2の管部の一例として示し、排出口8Aは、第2の流路口の一例として示すものである。
柄部3Aは、排出管12の内部における可動管15の位置を変える変位部の一例として、変位部9を備える。変位部9は、柄部3Aの長手方向に移動可能なスライドスイッチ9aと、スライドスイッチ9a及び可動管15を連絡する脚部9bとを備える。そして、柄部3Aには、スライドスイッチ9aの可動方向と可動距離を規定する開口部10が柄部3Aの軸方向に形成される。そして、可動管15は、液体収容部7Aと排出管12の内部を連通するように配置されている。
排出管12には、変位部9が可動管15を移動させるための切り込み12aが形成されている。切り込み12aは、可動管15の表面に沿って切り込まれた排出管12の管面の一部を円筒状に丸めて形成したことにより、排出管12の管面の縁が互いに接触する部分である。切り込み12aの軸方向の長さは、開口部10の軸方向の長さにほぼ等しい。
スライドスイッチ9aは、排出管12の内部にある可動管15を軸方向に可動させるものであり、介護者が操作しやすいように、表面が凹面に加工され、表面に複数の溝が切ってある。開口部10からは排出管12の切り込み12aが外部から視認可能となっている。スライドスイッチ9aと開口部10は、柄部3Aの上面に形成してあればスライドスイッチ9aを動かした位置を視認しやすいが、柄部3Aの側面に形成してもよい。
取込管11の一端は、貯留部14に一体に連接され、他端が取込口5Aに接続されており、取込管11は、取込口5Aに取り込んだ液体を液体収容部7Aに移動させるために用いられる。また、排出管12の一端は、貯留部14に一体に連接され、他端が排出口8Aに接続されており、排出管12は、液体収容部7Aに収容された液体を排出口8Aに移動させるために用いられる。
取込管11及び排出管12は、内部に液体が移動する空間を有している。このため、取込口5Aから取り込まれた液体が取込管11を移動して貯留部14に貯留され、又は貯留部14に貯留された液体が排出管12を移動して排出口8Aから流れ出す。
また、取込管11は、排出管12よりも長くしてあるため、後述する図9に示すように、先端部2Aを下向きにしてコップ19b内の水19aに浸けると、取込口5Aから水19aを取込みやすい。また、取込管11の上部に排出管12を設け、排出口8Aをブラシ4の根元付近に配置したことにより、排出口8Aから排出された液体によりブラシ4を湿らせやすい。
ブラシ4の素材としては、ポリアミド(例えばナイロン6−10、ナイロン6−12)、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート)、ポリブチレンテレフタレートなどが挙げられる。
また、取込管11は、液体収容部7Aに取り込まれた液体を排出口8Aから排出する際に、取込口5Aから柄部3の外部へ液体が流出することを妨げる第1の逆止弁13を取込口5Aの近傍に有している。同様に排出管12は、柄部3Aの外部から排出口8Aを経て液体収容部7Aに液体が流入することを妨げる第2の逆止弁16を排出口8Aの近傍に有している。第1の逆止弁13、第2の逆止弁16は、例えば、2つの弁体を組み合わせて開部と閉部を構成した構造であり、ダックビル弁等が用いられる。第1の逆止弁13、第2の逆止弁16を用いれば、一方向だけに液体の流れを制御することができる。液体の流れる方向は、図2の取込管11と排出管12に矢印で示しており、第1の逆止弁13の詳細な構成例及び動作例は図4及び図5を参照して後述する。
柄部3Aは、柄部3Aの表面に設けられた、操作部の一例として、可撓性を有する操作部6を備える。操作部6は、介護者が操作部6を指で押さえて操作するものであり、簡単に取り扱うことが可能である。操作部6の操作によって、取込口5Aから取込管11を通じて液体収容部7Aに液体を取り込む、又は液体収容部7Aに取り込んだ液体を取込口5Aから排出することができる。
取込口5Aから取り込まれた液体を貯留する貯留部14の一部が操作部6に相当している。貯留部14は、例えば、5ml程度の液体を貯留することが可能である。そして、貯留部14の操作部6に相当する箇所が透明の素材で形成されることにより、介護者は、外部から貯留部14に取り込んだ液体の量を視認可能である。なお、図中では操作部6が、柄部3Aの一方の側面に一つ設けられているが、柄部3Aの両側面や、上下面など、様々な方向に複数個所の操作部6を設けることにより、操作部6の操作性を向上させることも可能である。
図3Aに示すようにスライドスイッチ9aは、接続部の一例として、中空とした可動管15の外周面に一体に形成される脚部9bを備える。切り込み12aにおいて、排出管12の管面の両縁は、スライドスイッチ9aの脚部9bの両側面から強く押しつけてあるため、切り込み12aからの液体の漏れを抑えることができる。
図3Bに示すように可動管15の外径は、排出管12の内径よりも小さい。また、可動管15の長さは、貯留部14に連接される排出管12の根元付近から排出口8A付近まであればよい。可動管15の硬度は、スライドスイッチ9aを動かす途中で可動管15が変形しないように、排出管12の硬度よりも高くすることが望ましい。
脚部9bを介してスライドスイッチ9aを排出管12に接続したことにより、介護者が操作するスライドスイッチ9aの軸方向の動きに合わせて脚部9bが動き、この脚部9bの動きに合わせて可動管15を動かすことができる。このため、介護者は、スライドスイッチ9aを用いて、切り込み12aに沿って可動管15を移動させることができる。
図4は、取込管11と排出管12の拡大斜視図である。
取込管11に設けられた第1の逆止弁13は、液体が流れる方向を取込口5Aから貯留部14の方向へ制御するものであり、排出管12に設けられた第2の逆止弁16は、液体が流れる方向を貯留部14から排出口8Aの方向へ制御するものである。液体の流れる方向を、図中の取込管11と排出管12に矢印で示している。
図5は、取込管11に取付けられた第1の逆止弁13の取付け例及び動作例を示す説明図である。図5Aは、第1の逆止弁13を上方斜め後ろ方向から視認した場合における斜視図であり、図5Bは、第1の逆止弁13を上方斜め前方向から視認した場合における斜視図である。図5Cは、図5AのC−C′線に沿って、横方向から取込管11と第1の逆止弁13を断面視した場合において、取込口5Aから貯留部14に液体が移動する状態の例を示す。図5Dは、図5AのC−C′線に沿って、横方向から取込管11と第1の逆止弁13を断面視した場合において、貯留部14から第1の逆止弁13に液体が移動する状態の例を示す。
図5Aと図5Bに示すように、取込管11の内部であって、取込口5Aの近傍に第1の逆止弁13が取付けられている。第1の逆止弁13は、基端から先端に向けて収束するように延出された略平板状の2枚の弁体13bと、弁体13bの基端側が接続され、かつ、取込管11の内部で第1の逆止弁13の位置を固定する固定部13cとを備える。そして、第1の逆止弁13は、弁体13bの裾を開部とし、弁体13bの頂点を閉部とした構造としてあり、弁体13bの頂点には、直線状のスリット13aが形成される。スリット13aは、取込口5Aから液体収容部7Aに液体を取り込むときは開き、液体を取り込むとき以外では閉じたままとなっている。
図5Cに示すように、固定部13cと弁体13bの内面はなだらかに傾斜を付けて接続されており、固定部13cの径方向の断面積に比べて、弁体13bの径方向の断面積が基端から先端に向けて徐々に小さくなるように形成されている。第1の逆止弁13では、閉部から開部方向(すなわち貯留部14から取込口5A方向)への耐圧性が、開部から閉部方向(すなわち取込口5Aから貯留部14方向)への耐圧性よりも高くなっている。このため、介護者が操作部6を操作して、貯留部14を減圧した場合に、取込口5Aから取り込まれ、固定部13cから流入した液体が、弁体13bの内側から外側に向けて加圧し、スリット13aを押し広げる。そして、押し広げられたスリット13aから流出した液体が取込管11を経て貯留部14に貯留される。
一方、図5Dに示すように、介護者が操作部6を操作して、貯留部14を加圧した場合に、貯留部14に貯留されていた液体が取込管11から取込口5Aに逆流しようとする。しかし、弁体13bの内部には液体が存在しておらず、貯留部14から取込管11に逆流する液体が弁体13bの外側から内側に向けて加圧し、スリット13aを閉じる。このため、スリット13aから弁体13bの内部に向けて液体が通過することができない。
このように、取込管11の管内に第1の逆止弁13を用いれば、一方向(すなわち取込口5Aから貯留部14への方向)だけに液体の流れを制御することができる。そして、介護者が操作部6を操作することにより、取込口5Aから取込管11を介して貯留部14に液体を貯留することは簡便に実施できるが、貯留部14に貯留されている液体が第1の逆止弁13から容易に流出しない。そのため、より効率的に貯留部14への液体の貯留操作を行うことができる。また、このように第1の逆止弁13を設けたことによって、先端部2Aを下に傾けても容易に取込口5Aから液体が排出されることがない。なお、第1の逆止弁13の耐圧性は、弁体の硬度を変えることで容易に調整することが可能である。
なお、排出管12に取付けた第2の逆止弁16についても、第1の逆止弁13と同様の構成としてあり、液体の流れを一方向に制御する機能を有している。つまり、第2の逆止弁16は、液体の排出時に、貯留部14に貯留されていた液体を、排出口8Aから排出させるものであり、液体の取込時には、排出口8Aから排出管12を経て液体を取り込まないように液体の流れを制御している。
さらに、第2の逆止弁16の耐圧性を、第1の逆止弁13の耐圧性よりも高くしてあることが望ましい。このように耐圧性を変えるためには、例えば、第2の逆止弁16の弁体の硬度を、第1の逆止弁13の弁体13bの硬度よりも高くすることが挙げられる。これにより、第2の逆止弁16を経て排出口8Aから排出される液体の流量を少なくすることができる。すなわち、介護者が操作部6を操作する際であって、液体の取込時と排出時のいずれの場合も同程度の圧力で液体収容部7Aを圧迫したとしても、液体収容部7Aから排出する液体の流量を、液体収容部7Aに取り込む液体の流量より少なくすることができる。そうすることにより、液体の取り込み時には素早く液体を取り込むことができる。また、液体の排出時には排出口8Aから少しずつ液体を排出して被介護者の口腔内を清掃することにより、被介護者が液体を誤嚥する危険性を低めることが出来る。
図6は、図1のA−A′線に沿って、横方向から口腔清掃用具1Aを断面視した場合における先端部の部分断面図である。図6Aは、先端部2Aの例を示し、図6Bは、先端部2Bの例を示す。なお、図6では、第1の逆止弁13と第2の逆止弁16の図示を省略している。
図6Aに示すように、ブラシ4は、先端部2Aの片側に設けられている。取込管11は、貯留部14から柄部3Aに平行な状態で真っ直ぐに伸びており、取込口5Aは、先端部2Aの端面に設けられている。そして、取込口5Aから取込管11を通じて、液体が貯留部14に取り込まれる。
一方、排出管12は、先端部2Aに植毛されたブラシ4の手前でブラシ4側に屈曲して形成されており、排出口8Aは、ブラシ4が設けられた位置と同じ側の位置に設けられている。そして、貯留部14に貯留された液体が排出管12を通じて、排出口8Aから排出され、ブラシ4を湿らせる。
図6Bに示すように、口腔清掃用具1Aの先端部2Bを構成してもよい。ここで、ブラシ4は、先端部2Bの片側に設けられている。そして、第1の管部の一例としての取込管17は、貯留部14から柄部3Aに平行な状態で真っ直ぐに伸びているが、先端部2Bにおいて、直角に曲げられている。そして、第1の流路口の一例としての取込口5Bは、先端部2Bにブラシ4が設けられた位置と反対側の位置に設けられている。
同様に、第2の管部の一例としての排出管18は、貯留部14から柄部3Aに平行な状態で真っ直ぐに伸びているが、先端部2Bにおいて、ブラシ4が設けられた位置と同じ側の位置に向けて直角に曲げられている。そして、第2の流路口の一例としての排出口8Bは、ブラシ4が設けられた位置と同じ側の位置に設けられている。また、排出管18は、先端部2Bにおいて二手に分かれており、二手に分かれた排出管18に合わせて、ブラシ4の根元に排出口8Bを2箇所設けてある。この2箇所の排出口8Bは、柄部3Aの長手方向に沿って、ブラシ4が植毛される範囲を略3分割した箇所に設けたものである。このように複数箇所に設けた排出口8Bから均等に排出した液体により、ブラシ4を均一に湿らせやすくなる。
このように取込口5Bを構成することにより、口腔内の清掃時、取込口5Bの角部によって口腔内を損傷する可能性を低くすることができる。また、口腔内の清掃で発生した汚れや汚水が取込管11を通じて、貯留部14に混入しにくくなる。
図7は、液体収容部7Aの概略断面図である。
図7に示す貯留部14には、液体L1が重力方向に溜まっているものとする。そして、上述したように可動管15が、液体収容部7Aが備える排出管12の内部を排出管12の軸方向に移動する。なお、排出管12が貯留部14に連接される近傍には、シール部材の一例として環状パッキンであるOリング12bが設けられている。Oリング12bは、可動管15の外周面と、排出管12の内周面との間に設けられている。このOリング12bは、後述する図8Aに示すように、先端部2Aを上に向けた状態で排出口8Aから液体L1を排出する際に、排出管12の内部で移動する液体L1が、排出管12の内周面と可動管15の外周面の隙間から貯留部14に漏れないようにするために用いられる。また、Oリング12bは、排出管12の内部で可動管15の移動が容易となるように可動管15を保持している。
図8は、液体収容部7Aに収容されている液体L1を排出する際の動作例を示す説明図である。図8Aは、先端部2Aを上に向けた場合における液体収容部7Aの動作例を示し、図8Bは、先端部2Aを下に向けた場合における液体収容部7Aの動作例を示す。
図8Aに示すように先端部2Aを上に向けて使用する場合に、介護者は、スライドスイッチ9aを先端部2Aから遠ざける操作を行う。この操作により、先端部2Aから可動管15が遠ざけられて、可動管15の取込口15aが貯留部14に貯留された液体L1に浸かる。その後、介護者は、図中に示す矢印方向に操作部6を押圧する。この操作により、貯留部14が加圧されて、可動管15と排出管12を通じて排出口8Aから液体L1を排出することが可能となる。また、可動管15の取込口15aから液体L1が取り込まれることにより、先端部2Aを上向きとしても、継続して液体L1を排出口8Aから排出できる。液体L1の流れる方向は、図8Aの可動管15、排出管12及び排出口8Aに矢印で示している。
一方、図8Bに示すように先端部2Aを下に向けて使用する場合に、介護者は、スライドスイッチ9aを先端部2Aに近づける操作を行う。この操作により、先端部2Aに可動管15が近づけられて、可動管15の取込口15aが貯留部14に貯留された液体L1に浸かる。そして、介護者は、図中に示す矢印方向に操作部6を押圧する。この操作により、貯留部14が加圧されて、可動管15と排出管12を通じて排出口8Aから液体L1を排出することが可能となる。また、可動管15の取込口15aから液体L1が取り込まれることにより、先端部2Aを下向きとしても、継続して液体L1を排出口8Aから排出できる。液体L1の流れる方向は、図8Bの可動管15、排出管12及び排出口8Aに矢印で示している。
図9は、液体収容部7Aに水を収容する場合における口腔清掃用具1Aの使用例を示す説明図である。なお、図9では、貯留部14の記載を省略してある。
介護者が、水19aを溜めたコップ19bに口腔清掃用具1Aの先端部2Aと取込口5Aを浸し、操作部6を指で圧迫した後、操作部6から指を離すと、可撓性に起因する操作部6の復元力により貯留部14が減圧される。このとき、コップ19bから取込管11を通じて、貯留部14に水19aが貯留され、液体収容部7Aに水19aが取り込まれる。なお、貯留部14に水19aを貯留する際にスライドスイッチ9aは、どの位置にあってもよい。
その後、介護者は、口腔清掃用具1Aの先端部2Aを、被介護者の口腔内に差し込み、操作部6を操作する。介護者が操作部6を指で押さえると、貯留部14が加圧され、液体収容部7Aに収容された水19aが排出口8Aから排出される。そして、介護者は、柄部3Aを握って、先端部2Aを被介護者の口腔内で前後、上下左右に動かすことによって、口腔内をブラシ4で洗浄することができる。
以上説明した第1の実施の形態例に係る口腔清掃用具1Aによれば、貯留部14には、取込管11と排出管12が連接される。そして、液体の取込みは、取込口5Aから行い、液体の排出は、排出口8Aから行う。口腔清掃用具1Aの使用に際して、先端部2Aを上に向けたときには、先端部2Aからスライドスイッチ9aを遠ざける操作を行った後、操作部6を操作して、可動管15で移動させた液体を、排出口8Aから排出することができる。一方、先端部2Aを下に向けたときには、先端部2Aにスライドスイッチ9aを近づける操作を行った後、操作部6を操作して、可動管15で移動させた液体を、排出口8Aから排出することができる。これにより、先端部2Aを上下方向のいずれの向きの状態でも、排出口8Aから適量の液体を排出して、被介護者の口腔内を容易に清掃することができる。また、従来用いていた歯ブラシと同じような動作で、適切な量の液体を取込み又は排出を行うことができる。
また、取込管11には第1の逆止弁13を備え、排出管12には第2の逆止弁16を備えたことにより、液体を意図した方向に流すことが容易となる。すなわち、第1の逆止弁13により、貯留部14に貯留した液体を排出する際に、取込口5Aから液体を排出せず、排出口8Aから排出する。また、第2の逆止弁16により、一旦、被介護者の口腔内に排出された液体が排出口8Aから排出管12を通じて貯留部14に流入しないようにする。そして、介護者は、片手で柄部3Aを持ったまま、操作部6を押圧する簡単な操作を繰り返すだけで、貯留部14に液体を貯留し、微量の液体を被介護者の口腔内に排出することができる。このため、被介護者の口腔内を湿らせやすく、口腔内の洗浄を容易に行うことができる。また、第2の逆止弁16により汚れた液体を貯留部14に貯留させることなく、清潔な液体を用いて被介護者の口腔内を洗浄することができる。
また、口腔清掃用具1Aに複雑な機構部を設けず、従来の口腔清掃用具と同様の形状としているため、口腔清掃用具1Aの使用に際して介護者への複雑な操作説明を必要としない。また、口腔清掃用具1Aが簡便な機構であるため、手指の運動機能が低下した介護者であっても操作しやすい。また、液体収容部7Aをスポイト状に形成したことにより、操作部6に押圧する力を加減することで、取込口5Aから取り込まれる液体の量や、排出口8Aから排出される液体の量を容易に調整しやすくなる。また、口腔清掃用具1Aは小型かつ軽量であるため、使用時の負担とならない。さらに、口腔清掃用具1Aを簡単な構成としたことにより、製造コストを抑えることができる。このため、口腔清掃を行う度に、口腔清掃用具1Aを新品に交換しても、コストを低くすることができる。
なお、上述したように口腔内を清掃する必要がある被介護者は嚥下反射機能が低下していることが多い。このため、ブラシ4を液体で湿潤する際には、被介護者がブラシ4を湿潤するために用いた液体を誤嚥しないように、微量の液体を少しずつブラシ4に排出できる方がよい。また、ブラシ4を湿潤するために用いる液体を簡便な操作で貯留部14に貯留できることが望ましい。
取込管11と排出管12の径方向の断面積は、異ならせてもよい。取込管11の径方向の断面積よりも排出管12の径方向の断面積を小さくしておけば、操作部6によって貯留部14に圧力がかかっても、取込管11を通過する液体の流量に比べて、排出管12を通過する液体の流量が少なくなる。このため、同様の力での操作部6の操作により、液体の取り込み又は排出を、それぞれ適切な量で行うことができる。また、液体を排出口8Aから少しずつ排出して被介護者の口腔内を清掃することができるため、被介護者が液体を誤嚥する危険性が低い。
<2.第2の実施の形態例>
次に、本発明の第2の実施の形態例に係る液体収容部7Bについて、図10を参照して説明する。
図10は、液体収容部7Bの構成例を示す説明図である。図10Aは、先端部2A付近における液体収容部7Bの部分斜視図の例を示し、図10Bは、図10AのD−D′線に沿って断面視した場合における先端部2A付近における液体収容部7Bの部分断面図である。図10Cは、排出管24の端部に設けられた方向規定部の部分斜視図の例を示す。
図10Aに示すように、液体収容部7Bが備える不図示の貯留部14には、取込管11と排出管24が連接されている。取込管11を通じて取り込まれた液体は貯留部14に貯留され、貯留部14に貯留された液体は排出管24を通じて排出口8Cから排出される。排出口8Cは、先端部2Aにブラシ4が植毛された根元付近に形成される。そして、柄部3Bには、可動管15の位置を変位させる変位部20を設けてある。
変位部20は、柄部3Bに形成されたスリット21を移動可能なスライドスイッチ22と、スライドスイッチ22と可動管15が融着して接続されたベルト23を備える。ベルト23は、例えばプラスチックによって形成されており、折り曲げ可能であるが伸縮することはない。スリット21は排出口8Cと一体に形成されており、ベルト23の一部を外部から視認可能である。
スライドスイッチ22は、柄部3Bの表面に現れたつまみ部の一例として設けたものである。介護者は、このスライドスイッチ22をつまみ、スライドスイッチ22を柄部3Bの長手方向に移動させる操作を行う。ベルト23は、排出管12の縁で折り曲げて配置され、スライドスイッチ22及び可動管15を接続する接続部の一例として設けたものである。
図10Bに示すように、ベルト23は、排出管24の先端部2A側の縁に沿って180度折り曲げて配置されている。また、スリット21は、柄部3Bの長手方向に形成されているため、スリット21に沿ってスライドスイッチ22を柄部3Bの長手方向に移動させることができる。
図10Cに示すように、排出管24の排出口8Cから露出する箇所には、ベルト23の移動方向を規定する方向規定部の一例として、突起部25が設けられている。この突起部25は、排出管24の端部の上面に2箇所設けてあり、ベルト23を両端から保持する。この突起部25により、排出管24の端部からベルト23が浮き上がって排出口8Cを塞がないようにしている。なお、方向規定部の一例として、ベルト23の移動方向に沿って2本のガイドレールを排出管24の管上と管内に設けておき、これら2本のガイドレールでベルト23を両側から挟み込むことで、ベルト23の移動方向を規定してもよい。
介護者がスライドスイッチ22を先端部2Aに向けて動かすと、排出管24の上側に配置されたベルト23が先端部2Aに向けて動く。ベルト23は排出管24の縁に沿って先端部2Aとは反対方向に曲がり、排出管24の管内ではベルト23が柄部3Bの基端部に向けて動く。すなわち、スライドスイッチ22の変位に合わせてベルト23が排出口8Cから排出管24の管内に潜り込む。このベルト23の動きによって、ベルト23に連結された可動管15が柄部3Bの基端部に向けて動かされる。可動管15の変位は、スライドスイッチ22の変位と同じとなる。
一方、介護者がスライドスイッチ22を柄部3Bの基端部に向けて動かすと、排出管24の上側に配置されたベルト23が基端部に向けて動く。ベルト23は排出管24の縁に沿って先端部2Aとは反対方向に曲がり、排出管24の管内ではベルト23が先端部2Aに向けて動く。すなわち、スライドスイッチ22の変位に合わせてベルト23が排出管24の管内から排出口8Cに現れる。このベルト23の動きによって、ベルト23に連結された可動管15が先端部2Aに向けて動かされる。
このように、スライドスイッチ22が移動する方向とは逆の方向に、ベルト23が可動管15を移動させることができる。
以上説明した第2の実施の形態例に係る液体収容部7Bは、柄部3Bに変位部20を設けており、柄部3Bの長手方向にスライドスイッチ22を移動させることで、ベルト23を介して、可動管15の変位を変えることができる。このため、先端部2Aを上に向けたときはスライドスイッチ22を先端部2Aに向けて動かし、先端部2Aを下に向けたときはスライドスイッチ22を柄部3Bの基端部に向けて動かして、可動管15の取込口15aを貯留部14に貯留された液体に浸すことができる。このため、先端部2Aの向きによらずに、液体収容部7Bの内部で移動させた可動管15を通じて液体を排出口8Cから排出して、被介護者の口腔内を清掃することが容易となる。
<3.第3の実施の形態例>
次に、本発明の第3の実施の形態例に係る液体収容部7Cについて、図11と図12を参照して説明する。
図11は、液体収容部7Cの概略断面図である。
液体収容部7Cは、貯留部14に連接される取込管11と排出管31とを備えており、可動管15の取込口15aに、変位部の一例としてのおもり26を備える。おもり26は、取込口15aの外周面に巻き付けて構成されるものであり、先端部2Aとは反対側に設けられる。この理由は、先端部2Aに排出管31とは別に取込管11を設けているため、おもり26を可動管15の先端部2A側に設けるために必要とされる広い内径の排出管31を形成できないことによる。
また、おもり26は、排出管31の管内に接触したおもり26の側面に生じる摩擦力により、可動管15の動きが鈍くなることを防ぐため、可動管15の取込口15aに取り付けられている。そして、おもり26は、貯留部14に貯留された液体の浮力によって、可動管15及びおもり26が浮き上がらない程度の重さの金属等によって形成される。
排出管31の内周面であって、排出管31が貯留部14に連接される近傍には、シール部材の一例として環状パッキンであるOリング31aが設けられている。Oリング31aは、可動管15の外周面と、排出管31の内周面との間に設けられている。Oリング31aの機能は、上述したOリング12bと同様である。
図12は、液体収容部7Cに収容されている液体を排出する際の動作例を示す説明図である。図12Aは、先端部2Aを上に向けた場合における液体収容部7Cの動作例を示し、図12Bは、先端部2Aを下に向けた場合における液体収容部7Cの動作例を示す。
図12Aに示すように先端部2Aを上に向けると、おもり26が液体収容部7Cの底部に向けて沈み始め、可動管15がおもり26の沈み込みに合わせて移動し、可動管15の取込口15aが貯留部14に貯留された液体L2に浸かった状態となる。可動管15の先端部2A側の端面には不図示の突起が設けてあり、この突起がOリング31aに引っかかることによって、可動管15が貯留部14に沈み込み過ぎないように調整されている。可動管15が移動した後、介護者は、図中に示す矢印方向に操作部6を押圧する。これにより、貯留部14が加圧されて、可動管15と排出管31を通じて排出口8Aから液体L2を排出することが可能となる。なお、液体L2の流れる方向は、図12Aの可動管15、排出管31及び排出口8Aに矢印で示している。
一方、図12Bに示すように先端部2Aを下に向けると、おもり26が先端部2Aに向けて沈み始め、可動管15がおもり26の沈み込みに合わせて移動し、可動管15の取込口15aが貯留部14に貯留された液体L2に浸かった状態となる。そして、介護者は、図中に示す矢印方向に操作部6を押圧する。これにより、貯留部14が加圧されて、可動管15と排出管31を通じて排出口8Aから液体L2を排出することが可能となる。なお、液体L2の流れる方向は、図12Bの可動管15、排出管31及び排出口8Aに矢印で示している。
以上説明した第3の実施の形態例に係る液体収容部7Cは、変位部として、おもり26を設けており、先端部2Aの向きに合わせて可動管15が排出管31の管内を移動し、先端部2Aの傾きによらず、可動管15の取込口15aが貯留部14に貯留された液体L2に浸かった状態となる。このため、介護者は先端部2Aの向きに合わせて変位部を外部から操作しなくても、液体収容部7Bの内部で移動させた可動管15を通じて液体を排出口8Cから排出して、被介護者の口腔内を清掃することが容易となる。
<4.変形例>
上述した第1〜第3の実施の形態例に示した口腔清掃用具には、以下に示すように各種の変形例が考えられる。
例えば、貯留部14の内部は排出管12の内部に比べて広いため、貯留部14まで可動管15を移動させる際に、移動する可動管15の姿勢が不安定となりやすく、可動管15を真っ直ぐ貯留部14内に下ろしにくい。このため、可動管15の変位に合わせて可動管15を保持する保持部を設けるとよい。
図13は、液体収容部7Dに保持部27を設けた変形例を示す概略図である。
液体収容部7Dは、貯留部14の内部に可動管15の外周面と嵌合して、可動管15を保持する保持部の一例として、保持部27を備える。保持部27は、貯留部14の内壁面に固定されている。保持部27は、例えば、板状の硬化樹脂を折り曲げ、断面形状を半円弧とした半円管としてある。このため、保持部27の内周面が可動管15の外周面に嵌合しており、保持部27に沿って、可動管15の位置を変位させることが可能である。
このように保持部27を設けることにより、貯留部14の内部で、可動管15が貯留部14の内壁面から離れて不安定な状態とならないようにしたり、排出管12の内部で可動管15をスムーズに動かしたりすることが可能となる。
なお、保持部27の断面形状は、3/4円弧や全円弧としてもよいし、多角形状としてもよい。
他にも口腔清掃用具には、以下に示す変形例が考えられる。
例えば、操作部6の形状は、図1に示したものに限られない。操作部6の形状として、例えば、介護者の指先に合わせた小さな形状としてもよい。
また、第2の流路口としての排出口は、ブラシ4の近傍におけるいずれの位置に開口してもよく、複数個あってもよい。また、取込口は先端部のいずれの位置に開口してもよく、複数個あってもよい。
また、第1の流路口としての取込口には、フィルタやシャッタ等を設けることにより、取込口からの液垂れを防いだり、口腔内の清掃中に取れた汚れ等が取込口から侵入することを防いだりすることが可能となる。
また、柄部3Aから露出した貯留部14の一部の厚みを薄くしたり、柄部3Aを透明樹脂で形成したりすることによって、貯留部14に貯留された液体の量を視認しやすくしてもよい。
また、操作部6は、数回の押圧操作によって、液体収容部に十分な水を貯留し、又は排出することができるのであれば、不透明であってもよい。
また、清掃部材としてスポンジを用い、先端部2Aを覆ってもよい。なお、スポンジの素材としては、ポリウレタン等の合成樹脂製のスポンジの他、海綿などの天然スポンジ、セルローススポンジ、圧迫綿(脱脂綿等を固めたもの)などが挙げられる。また、スポンジに換えて無発泡の可撓性材料を用いても良い。
また、排出管12の内面には、取込管11の内面とは異なる加工をしてもよい。この加工としては、排出管12の内面に撥水処理を施したり、排出管12と取込管11を異なる材料で形成したりするものがある。また、排出管12の内部には、メッシュ布を設けたり、細毛を密集させたりしてもよい。このような加工により、排出管12を流れる液体に対する通液抵抗を、取込管11を流れる液体に対する通液抵抗よりも大きくすることもできる。
また、第2の流路口としての排出口には、メッシュ状の蓋や不織布を設けたり、細毛を密集させたり、活性炭等の多孔質材料を設けたりしてもよい。これにより、口腔内を湿らせる程度の微量の液体を排出することができ、被介護者が口腔清掃時に液体を誤嚥する可能性が低くなる。また、排出口から排出される液体に汚れ等が混ざらなくなる。
また、第1の逆止弁13や第2の逆止弁16は、弁体以外の構造(例えば、ボールバルブ、スイングチャッキバルブやウエハチャッキバルブ等)としてもよい。これにより、弁体の硬軟以外の要素による耐圧性の変化を用いても、液体の流れる方向を制御することが可能である。
また、本発明は上述した実施の形態例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。各実施の形態例、変形例は任意に組み合わせることも可能である。
1A…口腔清掃用具、2A…先端部、3…柄部、4…ブラシ、5A…取込口、6…操作部、7A…液体収容部、8A…排出口、9…変位部、11…取込管、12…排出管、13…逆止弁、14…貯留部

Claims (7)

  1. 先端部に清掃部材を設けた柄部を有する口腔清掃用具であって、
    前記柄部の内部に設けられた、液体を収容するための液体収容部と、
    前記先端部に設けられ、前記柄部の外部から前記液体を取り込むための第1の流路口と、
    前記第1の流路口に取り込んだ前記液体を前記液体収容部に移動させるための第1の管部と、
    前記先端部に設けられ、前記液体を前記柄部の外部に排出するための第2の流路口と、
    前記液体収容部に収容された前記液体を前記第2の流路口に移動させるための第2の管部と、
    前記液体収容部と前記第2の管部との内部を連通するように配置された可動管と、
    前記柄部の表面に設けられた、可撓性を有する操作部と、
    前記可動管の位置を変える変位部と、を備え、
    前記操作部を操作することにより、前記第1の流路口から前記第1の管部を通じて前記液体収容部に液体を取り込み、又は前記第2の流路口から前記可動管を通じて前記液体収容部に収容された前記液体を排出する
    口腔清掃用具。
  2. 前記第2の管部は、前記変位部が前記可動管を移動させるための切り込みを設けた
    請求項1記載の口腔清掃用具。
  3. 前記変位部は、
    前記柄部の表面に現れたつまみ部と、
    前記第2の管部の縁で折り曲げて配置され、前記つまみ部及び前記可動管を接続するベルト状の接続部と、
    前記接続部の移動方向を規定する方向規定部と、を備え、
    前記つまみ部が移動する方向とは逆の方向に、前記可動管を移動させる
    請求項1記載の口腔清掃用具。
  4. 前記変位部は、前記可動管の一端に設けられたおもりである
    請求項1記載の口腔清掃用具。
  5. 前記液体収容部は、前記可動管に嵌合して前記可動管を保持する保持部を備える
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の口腔清掃用具。
  6. 前記第1の管部は、前記液体収容部に取り込んだ前記液体を前記第2の流路口から排出する際に、前記第1の流路口から前記液体が流出することを妨げる逆止弁を有する
    請求項1〜5のいずれかに記載の口腔清掃用具。
  7. 前記第2の流路口を流れる液体の流量を、前記第1の流路口を流れる液体の流量よりも少なくする
    請求項1〜6のいずれかに記載の口腔清掃用具。
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