JP2014199733A - イオン伝導膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた寸法安定性と力学的強度を実現するイオン伝導膜を提供することを目的とするものである。
【解決手段】イオン交換樹脂と、アラミド短繊維およびフィルム状アラミドパルプからなるアラミド紙とからなるイオン伝導膜であって、該アラミド紙の厚み方向において該アラミド短繊維が1〜2本で構成されていることを特徴とするイオン伝導膜とする。
【選択図】なし
【解決手段】イオン交換樹脂と、アラミド短繊維およびフィルム状アラミドパルプからなるアラミド紙とからなるイオン伝導膜であって、該アラミド紙の厚み方向において該アラミド短繊維が1〜2本で構成されていることを特徴とするイオン伝導膜とする。
【選択図】なし
Description
本発明はイオン伝導膜に関し、詳細にはイオン交換樹脂とアラミド繊維からなるイオン伝導膜に関する。
従来、クリーンでかつ高効率という特徴を有する燃料電池の研究が進められている。燃料電池用イオン交換膜としては高い化学的安定性を有することからフッ素系イオン交換樹脂が広く用いられている。中でも、主鎖がパーフルオロカーボンで、側鎖末端にスルホン酸基を有するデュポン社製の「ナフィオン(登録商標)」が広く用いられている。こうしたフッ素系イオン交換樹脂は、固体高分子電解質材料として概ねバランスのとれた特性を有するが、当該電池の実用化が進むにつれて、さらなる物性の改善が要求されるようになってきた。イオン交換膜の要求特性としては、第一に高いイオン伝導性が上げられる。プロトンがイオン交換膜の内部を移動する際は、水分子が水和することによって安定化すると考えられるため、イオン伝導性と共に高い含水性と水分散性も重要な要求特性となっている。また、イオン交換膜は、水素と酸素の直接反応を防止するバリアとしての機能を担うため、ガスに対する低透過性が要求される。その他の要求特性としては、燃料電池運転中の強い酸化雰囲気に耐えるための化学的安定性、さらなる薄膜化に耐えうる機械強度などを挙げることができる。
燃料電池の長期耐久性に関しては、その要因として、例えば、高温高湿状態における寸法安定性との関連が示唆されている。イオン交換膜の寸法安定性を向上する手段として、従来からいくつかの方法が提案されている。
特許文献1および2には、PTFE微多孔膜にフッ素系イオン交換樹脂の水溶液を含浸させたフッ素系イオン交換膜が開示されている。通常のフッ素系イオン交換膜は高い含水率を持つため、高温高湿状態では機械強度が大きく低下するが、前記特許文献においては、強固なPTFE微多孔膜の微細孔内部にフッ素系イオン交換樹脂を支持することにより、高温高湿状態でも高い寸法安定性を維持している。しかしながら、充放電によるイオン交換樹脂の膨張・収縮の繰り返しにより、高温高湿状態で長期にわたって安定に存在し得ないという問題があった。
すなわち、従来技術は、高温高湿状態における寸法安定性、ひいては長期耐久性を向上する手段としては不十分であり、産業上有用な燃料電池用イオン交換膜とはなり得ていなかった。
特許文献1および2には、PTFE微多孔膜にフッ素系イオン交換樹脂の水溶液を含浸させたフッ素系イオン交換膜が開示されている。通常のフッ素系イオン交換膜は高い含水率を持つため、高温高湿状態では機械強度が大きく低下するが、前記特許文献においては、強固なPTFE微多孔膜の微細孔内部にフッ素系イオン交換樹脂を支持することにより、高温高湿状態でも高い寸法安定性を維持している。しかしながら、充放電によるイオン交換樹脂の膨張・収縮の繰り返しにより、高温高湿状態で長期にわたって安定に存在し得ないという問題があった。
すなわち、従来技術は、高温高湿状態における寸法安定性、ひいては長期耐久性を向上する手段としては不十分であり、産業上有用な燃料電池用イオン交換膜とはなり得ていなかった。
本発明は、優れた寸法安定性と力学的強度を実現するイオン伝導膜を提供することを目的とするものである。
本発明者が鋭意検討した結果、アラミド短繊維とフィルム状アラミドパルプを巧みに組み合わせたアラミド紙を含むイオン伝導膜は、機械的強度に優れ、かつ燃料電池の充放電による膨張・収縮の繰り返しによる寸法安定性に優れていることを見いだし、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、イオン交換膜樹脂と、アラミド短繊維およびフィルム状アラミドパルプからなるアラミド紙とからなるイオン伝導膜であって、該アラミド紙の厚み方向において該アラミド短繊維が1〜2本で構成されていることを特徴とするイオン伝導膜が提供される。
本発明のイオン伝導膜は、アラミド短繊維とフィルム状アラミドパルプにより少ない本数でも十分に補強されていることで、薄膜でありながら、イオン交換膜の機械物性が向上すると共に寸法安定性にも優れたイオン伝導膜とすることができる。
本発明のイオン伝導膜は、イオン交換膜樹脂と、アラミド短繊維およびフィルム状アラミドパルプからなるアラミド紙とからなるイオン伝導膜である。
本発明に用いられるイオン交換膜樹脂の種類としては、ナフィオン等に代表されるパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー、ポリスチレンスルホン酸、ポリ(トリフルオロスチレン)スルホン酸、ポリビニルホスホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリビニルスルホン酸成分の少なくとも1種を含むアイオノマーが挙げられる。さらに、芳香族系のポリマーとして、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリパラフェニレン、ポリアリーレン系ポリマー、ポリフェニルキノキサリン、ポリアリールケトン、ポリエーテルケトン、ポリベンズオキサゾール、ポリベンズチアゾール、ポリイミド等の構成成分の少なくとも1種を含むポリマーに、スルホン酸基、ホスホン酸基、カルボキシル基、およびそれらの誘導体の少なくとも1 種が導入されているポリマーが挙げられる。なお、ここでいうポリスルホン、ポエーテルスルホン、ポリエーテルケトン等は、その分子鎖にスルホン結合、エーテル結合、ケトン結合を有しているポリマーの総称であり、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンスルホンなどを含むとともに、特定のポリマー構造に限定するものではない。
本発明に用いられるイオン交換膜樹脂の種類としては、ナフィオン等に代表されるパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー、ポリスチレンスルホン酸、ポリ(トリフルオロスチレン)スルホン酸、ポリビニルホスホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリビニルスルホン酸成分の少なくとも1種を含むアイオノマーが挙げられる。さらに、芳香族系のポリマーとして、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリパラフェニレン、ポリアリーレン系ポリマー、ポリフェニルキノキサリン、ポリアリールケトン、ポリエーテルケトン、ポリベンズオキサゾール、ポリベンズチアゾール、ポリイミド等の構成成分の少なくとも1種を含むポリマーに、スルホン酸基、ホスホン酸基、カルボキシル基、およびそれらの誘導体の少なくとも1 種が導入されているポリマーが挙げられる。なお、ここでいうポリスルホン、ポエーテルスルホン、ポリエーテルケトン等は、その分子鎖にスルホン結合、エーテル結合、ケトン結合を有しているポリマーの総称であり、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンスルホンなどを含むとともに、特定のポリマー構造に限定するものではない。
また、アラミド短繊維は、次のポリマーからなる短繊維を例示することができる。該ポリマーとしては、芳香族ジカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分、もしくは芳香族アミノカルボン酸成分から構成される芳香族ポリアミド、又はこれらの芳香族共重合ポリアミドからなるポリマーであり、例えば、ポリメタフェニレンテレフタルアミド、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド、ポリメタフェニレンイソフタルアミドなどが例示できる。特に、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミドが、イオン交換膜の力学特性、特に引裂強度を向上させる上で好ましい。
上記短繊維の平均繊維長は0.1mm以上10mm以下のアラミド短繊維が含有されていることが肝要である。繊維長が、1mm未満ではイオン伝導膜の補強性能が不足し好ましくなく、10mmを超えるとイオン伝導膜成型時に凹凸が生じるなどし、好ましくない。
上記短繊維の平均繊維長は0.1mm以上10mm以下のアラミド短繊維が含有されていることが肝要である。繊維長が、1mm未満ではイオン伝導膜の補強性能が不足し好ましくなく、10mmを超えるとイオン伝導膜成型時に凹凸が生じるなどし、好ましくない。
一方、本発明に用いるフイルム状アラミドパルプは、例えば、WO2004/099476A1、特公昭35−11851号公報、特公昭37−5732号公報等に記載された方法により、アラミド重合体溶液をその沈澱剤と剪断力の存在する系において混合することにより製造されるフィルム状パルプや、特公昭59−603号公報に記載された方法により、光学的異方性を示す高分子重合体溶液から成形した分子配向性を有する成形物に叩解等の機械的剪断力を与えてランダムにフィブリル化させる、湿式抄造工程において得られるフィルム状のフィブリル短繊維も含まれる。フィルム状アラミドパルプの比表面積は、3〜20m2/gが好ましく、5〜15m2/gがより好ましい。本発明で用いるフィルム状アラミドパルプの水分率は80%以上が好ましい。水分率が80%未満では乾燥時の収縮が十分に得られず、バインダー効果が得られないため好ましくない。フィルム状パルプの収縮率は40%以上であることが好ましく、より好ましくは50%以上である。収縮率が40%未満では収縮によるバインダー効果が得られ難く好ましくない。
本発明においては、イオン伝導膜を構成するアラミド短繊維およびフィルム状アラミドパルプからなるアラミド紙が、該アラミド紙の厚み方向において該アラミド短繊維が1〜2本で構成されていることが肝要である。
本発明において、上記のアラミド紙は一般的な抄紙法により得ることができ、その際、抄紙における濾過時間を調整する必要がある。アラミド紙抄紙時の濾水時間は50秒未満、より好ましくは20秒未満が好ましい。濾水時間が50秒を超えると、アラミド紙の厚み方向において、繊維が1〜2本、より好ましくは均一に2本で構成されず、厚みのバラつきが生じるため好ましくない。
アラミド紙の厚みは25μm未満が好ましい。厚みが25μmを超えるとイオン伝導膜の厚みが大きくなると共にアラミド短繊維の交絡が3本以上となり紙の通気性及び平滑性が低下し、イオン伝導性が低下するなど燃料電池の性能低下を引き起こすため好ましくない。
本発明において、上記のアラミド紙は一般的な抄紙法により得ることができ、その際、抄紙における濾過時間を調整する必要がある。アラミド紙抄紙時の濾水時間は50秒未満、より好ましくは20秒未満が好ましい。濾水時間が50秒を超えると、アラミド紙の厚み方向において、繊維が1〜2本、より好ましくは均一に2本で構成されず、厚みのバラつきが生じるため好ましくない。
アラミド紙の厚みは25μm未満が好ましい。厚みが25μmを超えるとイオン伝導膜の厚みが大きくなると共にアラミド短繊維の交絡が3本以上となり紙の通気性及び平滑性が低下し、イオン伝導性が低下するなど燃料電池の性能低下を引き起こすため好ましくない。
上記アラミド紙における、フィルム状アラミドパルプとアラミド短繊維の重量比率(フィルム状アラミドパルプ/アラミド短繊維)は1/9〜2/8が好ましい。フィルム状アラミドパルプの比率が10重量%未満ではアラミド短繊維を十分に接着できずイオン交換膜の補強性能が発現しないため好ましくない。また、比率が20重量%を超えると厚み方向のアラミド短繊維が3本以上となり、平滑性が失われるため好ましくない。
イオン伝導膜の厚みは10〜100μmであることが好ましい。イオン伝導膜の厚みが10μm未満ではイオン交換膜の寸法安定性が得られないため、また、100μmを超えるとイオン伝導膜において十分な通気性が得られずイオン伝導性が低下するため好ましくない。
イオン伝導膜の厚みは10〜100μmであることが好ましい。イオン伝導膜の厚みが10μm未満ではイオン交換膜の寸法安定性が得られないため、また、100μmを超えるとイオン伝導膜において十分な通気性が得られずイオン伝導性が低下するため好ましくない。
以下に本発明のイオン伝導膜の製造方法について説明する。イオン交換膜樹脂とアラミド紙の複合化の方法としては、該イオン交換膜樹脂溶液に作製したアラミド紙を浸漬させて得られた樹脂成型体を厚みが均一になるよう成型し、溶媒を除去することにより、本発明のイオン伝導膜が得られるが、これらに限定されるものではない。これら樹脂液の調製に用いることのできる溶媒としては一般に各種炭化水素系の有機溶剤、水、あるいはこれらの混合溶剤が挙げられるが、樹脂によって適する物があり、これらに限定されるものではない。溶媒の除去の方法としては水洗・加熱乾燥が最も有効であるが、これに限定されるものではない。
(評価方法)
(1)濾水時間
20Lの水にフィルム状アラミドパルプとアラミド短繊維の水分散体2Lを投入し、25cm×25cmのメッシュから水を抜き抄紙する際の水が完全に抜ける時間を計測した。
(2)イオン伝導膜の厚み方向の短繊維本数
幅25cmの紙の厚みは膜厚計(東洋精機製作所)を用いて長手方向に1cm間隔で25点計測し厚みが±2μm以下のものが、イオン伝導膜の厚み方向の短繊維数2本であり、イオン伝導膜として平滑である。また光学顕微鏡でイオン伝導膜の厚み方向の短繊維の構成本数を上記間隔で観察したが、短繊維の構成本数が5点で均一に2本であることが確認できた。
(3)膜厚
イオン交換膜を23℃・65%の恒温室で12時間以上放置したあと、膜厚計(東洋精機製作所)を用いて測定した。
(4)膨潤率
イオン伝導膜の膨潤率は、90℃95%RHの恒温恒湿槽(カトー株式会社、SSE−23TPA)中に試料を60分保持し、寸法変化より算出した。膨潤率は5%以下が好ましく、より好ましくは2%以下である。膨潤率が5%を超えると、燃料電池中でピンホールが生じやすくなり電極の遮断ができなくなるなど弊害が多く好ましくない。膨潤しないことがイオン伝導膜として最も好ましいため、下限は規定されない。
(5)収縮率
イオン伝導膜の収縮率は、20℃20%に調整されたデシケータ内に資料を60分保持した後の、寸法変化より算出した。収縮率は5%以下が好ましく、より好ましくは2%以下である。収縮率が5%を超えると、燃料電池中の電極が接触し性能が低下するため好ましくない。収縮しないことがイオン伝導膜の理想であるため、下限は規定されない。
(6)引裂強力
イオン伝導膜の機械物性(引裂強力)は、JIS K7128−2に従いエルメンドルフ引裂度試験機(安田精機製)を用いて測定した。強力は50g以上が好ましい。引裂強度が50g未満では、高い寸法安定性がえられないため好ましくない。引裂強度の上限は燃料電池の性能に影響を与えないため限定されない。
(1)濾水時間
20Lの水にフィルム状アラミドパルプとアラミド短繊維の水分散体2Lを投入し、25cm×25cmのメッシュから水を抜き抄紙する際の水が完全に抜ける時間を計測した。
(2)イオン伝導膜の厚み方向の短繊維本数
幅25cmの紙の厚みは膜厚計(東洋精機製作所)を用いて長手方向に1cm間隔で25点計測し厚みが±2μm以下のものが、イオン伝導膜の厚み方向の短繊維数2本であり、イオン伝導膜として平滑である。また光学顕微鏡でイオン伝導膜の厚み方向の短繊維の構成本数を上記間隔で観察したが、短繊維の構成本数が5点で均一に2本であることが確認できた。
(3)膜厚
イオン交換膜を23℃・65%の恒温室で12時間以上放置したあと、膜厚計(東洋精機製作所)を用いて測定した。
(4)膨潤率
イオン伝導膜の膨潤率は、90℃95%RHの恒温恒湿槽(カトー株式会社、SSE−23TPA)中に試料を60分保持し、寸法変化より算出した。膨潤率は5%以下が好ましく、より好ましくは2%以下である。膨潤率が5%を超えると、燃料電池中でピンホールが生じやすくなり電極の遮断ができなくなるなど弊害が多く好ましくない。膨潤しないことがイオン伝導膜として最も好ましいため、下限は規定されない。
(5)収縮率
イオン伝導膜の収縮率は、20℃20%に調整されたデシケータ内に資料を60分保持した後の、寸法変化より算出した。収縮率は5%以下が好ましく、より好ましくは2%以下である。収縮率が5%を超えると、燃料電池中の電極が接触し性能が低下するため好ましくない。収縮しないことがイオン伝導膜の理想であるため、下限は規定されない。
(6)引裂強力
イオン伝導膜の機械物性(引裂強力)は、JIS K7128−2に従いエルメンドルフ引裂度試験機(安田精機製)を用いて測定した。強力は50g以上が好ましい。引裂強度が50g未満では、高い寸法安定性がえられないため好ましくない。引裂強度の上限は燃料電池の性能に影響を与えないため限定されない。
[実施例1]
フィルム状アラミドパルプ/アラミド短繊維の比率1/9(0.06g/0.65g)に調整した懸濁液を抄紙し、濾水時間20秒で厚さ20μm±2μm以下の平滑なアラミド紙が得られた。得られたアラミド紙にイオン交換膜樹脂としてナフィオン(デュポン社製)を60μmの厚みにキャストし、これをNMP/水=60/40(重量比)、80℃からなる凝固浴に10min浸漬し、水洗後150℃にて5min乾燥イオン伝導膜を得た。イオン伝導膜の膜厚52μmであり引裂き強力は68gであり、膨潤率は1.5%、収縮率は0.3%であった。また、厚み方向で観察したところ、イオン伝導膜の断面において繊維の本数は均一に2本であった。
フィルム状アラミドパルプ/アラミド短繊維の比率1/9(0.06g/0.65g)に調整した懸濁液を抄紙し、濾水時間20秒で厚さ20μm±2μm以下の平滑なアラミド紙が得られた。得られたアラミド紙にイオン交換膜樹脂としてナフィオン(デュポン社製)を60μmの厚みにキャストし、これをNMP/水=60/40(重量比)、80℃からなる凝固浴に10min浸漬し、水洗後150℃にて5min乾燥イオン伝導膜を得た。イオン伝導膜の膜厚52μmであり引裂き強力は68gであり、膨潤率は1.5%、収縮率は0.3%であった。また、厚み方向で観察したところ、イオン伝導膜の断面において繊維の本数は均一に2本であった。
[実施例2]
フィルム状アラミドパルプ/アラミド短繊維の比率2/8に調整した以外は実施例1と同様にしてイオン伝導膜を得た。濾水時間は45秒であり、アラミド紙の厚み差異は±2μm以下であり、イオン伝導膜の膜厚30μmであり引裂き強力は53gであり、膨潤率は2.0%、収縮率は2.2%であった。また、厚み方向で観察したところ、イオン伝導膜の断面において、繊維の本数は均一に2本であった。
フィルム状アラミドパルプ/アラミド短繊維の比率2/8に調整した以外は実施例1と同様にしてイオン伝導膜を得た。濾水時間は45秒であり、アラミド紙の厚み差異は±2μm以下であり、イオン伝導膜の膜厚30μmであり引裂き強力は53gであり、膨潤率は2.0%、収縮率は2.2%であった。また、厚み方向で観察したところ、イオン伝導膜の断面において、繊維の本数は均一に2本であった。
[比較例1]
アラミド紙抄紙時の濾水時間を60秒とした以外は実施例1と同様にしてイオン交換膜を得た。アラミド紙の平滑性は無く、厚みの差異は±26μmとなり、イオン伝導膜に穴が生じた。引裂き強力は12gであり、膨潤率は6%、収縮率は6.2%であった。また、厚み方向で観察したところ、イオン伝導膜の断面において、繊維の本数は3本以上であった。
アラミド紙抄紙時の濾水時間を60秒とした以外は実施例1と同様にしてイオン交換膜を得た。アラミド紙の平滑性は無く、厚みの差異は±26μmとなり、イオン伝導膜に穴が生じた。引裂き強力は12gであり、膨潤率は6%、収縮率は6.2%であった。また、厚み方向で観察したところ、イオン伝導膜の断面において、繊維の本数は3本以上であった。
[比較例2]
フィルム状アラミドパルプ/アラミド短繊維の比率4/6に調整した以外は実施例1と同様にしてイオン伝導膜を得た。濾水時間は95秒であり、アラミド紙の厚み差異は±12μmであり、イオン伝導膜の膜厚50μmであり引裂き強力は53gであり、膨潤率は2.0%、収縮率は2.2%であった。また、厚み方向で観察したところ、イオン伝導膜の断面において、繊維の本数は3本以上であった。
フィルム状アラミドパルプ/アラミド短繊維の比率4/6に調整した以外は実施例1と同様にしてイオン伝導膜を得た。濾水時間は95秒であり、アラミド紙の厚み差異は±12μmであり、イオン伝導膜の膜厚50μmであり引裂き強力は53gであり、膨潤率は2.0%、収縮率は2.2%であった。また、厚み方向で観察したところ、イオン伝導膜の断面において、繊維の本数は3本以上であった。
本発明のイオン伝導膜は、寸法安定性と力学的強度に同時に優れており、その産業上の利用価値が極めて高いものである。
Claims (4)
- イオン交換膜樹脂と、アラミド短繊維およびフィルム状アラミドパルプからなるアラミド紙とからなるイオン伝導膜であって、該アラミド紙の厚み方向において該アラミド短繊維が1〜2本で構成されていることを特徴とするイオン伝導膜。
- フィルム状アラミドパルプとアラミド短繊維の重量比率が1/9〜2/8である請求項1記載のイオン伝導膜。
- アラミド紙の厚みが25μm未満である請求項1または2のいずれかに記載のイオン伝導膜。
- イオン伝導膜の膜厚が10〜100μmである請求項1または2のいずれかに記載のイオン伝導膜。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013073948A JP2014199733A (ja) | 2013-03-29 | 2013-03-29 | イオン伝導膜 |
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