JP2014198173A - 湾曲装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 細身であるとともに容易に湾曲可能な柔軟性を有する湾曲装置を提供する。【解決手段】 可撓性のチューブaをその内部から電動で湾曲させるようにした湾曲装置において、チューブa内の長手方向に沿う可動軸11を電動で軸方向と回転方向へ駆動するようにした電動アクチュエータ10と、一端側を可動軸11に接続するとともに他端側を前記接続の箇所からチューブaの長手方向へ離れた位置でチューブaの内面に接続した長尺状部材40とを備え、長尺状部材40と可動軸との接続箇所を、可動軸11の中心に対し偏心した位置とすることで、可動軸11の後退により長尺状部材40を牽引した際の牽引方向が、可動軸11の回転により周方向へ変位するようにした。【選択図】 図1
Description
本発明は、可撓性のチューブを内部から電動機構等により湾曲させるようにした湾曲装置に関し、特に、医療用内視鏡装置や工業用管内観察装置等において、観察者が前記チューブを意図する方向に湾曲させながら管内に挿入させ、さらに管内奥側の被観察部や患部にチューブ先端のカメラや診断センサー等を向けて、観察及び治療等を行うのに好適な湾曲装置に関するものである。
医療機器の進歩は急速である。特に大腸や小腸の内視鏡下での低侵襲治療装置は、従来、内視鏡装置のチューブが太くて曲がり難いため人体の奥部まで挿入できず、大直腸とこれに隣接する範囲の大腸(下行結腸と横行結腸等)の治療だけに限定して行われていたが、近年では、大腸の最奥部にまで柔軟で湾曲自在な内視鏡チューブを侵入させて、患部を観察するとともに開腹する事なく低侵襲に治療を行うことが求められている。
前述したような医療目的の内視鏡装置として、例えば、以下の発明が開示されている。
特許文献1に記載の発明では、第2図及び第3図等に示されるように、内視鏡用のチューブ(可撓管部:17)の先端側の湾曲部(16)内に、軸方向に複数連結されるとともに自在に湾曲可能な管状の関節駒(26)と、この関節駒の周囲に間隔を置いて支持された計4本の湾曲ワイヤ(30)と、ワイヤ駆動部31a〜31d(リニアモータ)とを具備し、前記ワイヤ駆動部で前記湾曲ワイヤを選択的に引っ張ることにより、前記湾曲部を上下及び左右の全方向に湾曲させるようにしている。
また、特許文献2に記載される発明では、第3図及び第4図に示すように、内視鏡用のチューブ(可撓管部:8)の先端側の湾曲部(7)内に、軸方向に複数連結されるとともに自在に湾曲可能な管状の関節駒(18)と、この関節駒の内部に周方向に間隔を置いて支持された計4本の湾曲操作用ワイヤ(22)と、ワイヤ駆動部23a〜23d(リニアモータ)とを具備し、前記ワイヤ駆動部で前記湾曲操作用ワイヤを選択的に引っ張ることにより、前記湾曲部を上下及び左右の全方向に湾曲させるようにしている。
また、特許文献3に記載される発明では、第1図及び第2図に示すように、
内視鏡用のチューブ(可撓管部:5)の先端側の湾曲部(4)と、該湾曲部から手元側の操作部(2)にわたって挿通される複数本の無端輪ベルト状の湾曲駆動ワイヤ(19a,19b)と、前記操作部内で前記湾曲駆動ワイヤが掛け回されたワイヤドラム(18a,18b)とを備え、前記ワイヤドラムの回転により前記湾曲駆動ワイヤを選択的に引っ張って、前記湾曲部を上下及び左右の全方向に湾曲させるようにしている。
特許文献1に記載の発明では、第2図及び第3図等に示されるように、内視鏡用のチューブ(可撓管部:17)の先端側の湾曲部(16)内に、軸方向に複数連結されるとともに自在に湾曲可能な管状の関節駒(26)と、この関節駒の周囲に間隔を置いて支持された計4本の湾曲ワイヤ(30)と、ワイヤ駆動部31a〜31d(リニアモータ)とを具備し、前記ワイヤ駆動部で前記湾曲ワイヤを選択的に引っ張ることにより、前記湾曲部を上下及び左右の全方向に湾曲させるようにしている。
また、特許文献2に記載される発明では、第3図及び第4図に示すように、内視鏡用のチューブ(可撓管部:8)の先端側の湾曲部(7)内に、軸方向に複数連結されるとともに自在に湾曲可能な管状の関節駒(18)と、この関節駒の内部に周方向に間隔を置いて支持された計4本の湾曲操作用ワイヤ(22)と、ワイヤ駆動部23a〜23d(リニアモータ)とを具備し、前記ワイヤ駆動部で前記湾曲操作用ワイヤを選択的に引っ張ることにより、前記湾曲部を上下及び左右の全方向に湾曲させるようにしている。
また、特許文献3に記載される発明では、第1図及び第2図に示すように、
内視鏡用のチューブ(可撓管部:5)の先端側の湾曲部(4)と、該湾曲部から手元側の操作部(2)にわたって挿通される複数本の無端輪ベルト状の湾曲駆動ワイヤ(19a,19b)と、前記操作部内で前記湾曲駆動ワイヤが掛け回されたワイヤドラム(18a,18b)とを備え、前記ワイヤドラムの回転により前記湾曲駆動ワイヤを選択的に引っ張って、前記湾曲部を上下及び左右の全方向に湾曲させるようにしている。
しかしながら、前述した何れの従来技術も、複数本のワイヤや、これらワイヤを選択的に引っ張る複数のワイヤ駆動部(又はワイヤドラム)、これらワイヤ駆動部へ電源を供給する多数本の電線等を必要とするため、チューブ外径が太くなり易い。しかも、このようにして太くなったチューブや、多数本のワイヤ及び電線の剛性により、チューブの長手方向における柔軟性を損ねてしまい、十分な湾曲を行えない可能性がある。
このため、前記従来技術では、例えば、前記チューブの先端側にセンサー部(例えばCCDカメラ等)を装着して医療用内視鏡装置を構成し、図12に示すように、人体へ挿入された場合、チューブ100は、直腸111、S状結腸112、下行結腸113、左結腸曲114、横行結腸115、右結腸曲116など、複数のコーナ部を有する曲がりくねった経路を柔軟に曲がることができないため、図示のように、辛うじて横行結腸115までは挿入可能だとしても、右結腸曲116よりも先側の上行結腸117及び大腸最奥部等の観察及び治療が困難となるおそれがある。
このため、前記従来技術では、例えば、前記チューブの先端側にセンサー部(例えばCCDカメラ等)を装着して医療用内視鏡装置を構成し、図12に示すように、人体へ挿入された場合、チューブ100は、直腸111、S状結腸112、下行結腸113、左結腸曲114、横行結腸115、右結腸曲116など、複数のコーナ部を有する曲がりくねった経路を柔軟に曲がることができないため、図示のように、辛うじて横行結腸115までは挿入可能だとしても、右結腸曲116よりも先側の上行結腸117及び大腸最奥部等の観察及び治療が困難となるおそれがある。
本発明は上記従来事情に鑑みてなされたものであり、その課題とする処は、細身であるとともに容易に湾曲可能な柔軟性を有する湾曲装置を提供することを提供することにある。
上記課題を解決するための一手段は、可撓性のチューブをその内部から電動で湾曲させるようにした湾曲装置において、前記チューブ内の長手方向に沿う可動軸を電動で軸方向と回転方向へ駆動するようにした電動アクチュエータと、一端側を前記可動軸に接続するとともに他端側を前記接続の箇所から前記チューブの長手方向へ離れた位置で前記チューブの内面に接続した長尺状部材とを備え、前記長尺状部材と前記可動軸との接続箇所を、前記可動軸の中心に対し偏心した位置とすることで、前記可動軸の後退により前記長尺状部材を牽引した際の牽引方向が、前記可動軸の回転により周方向へ変位するようにしたことを特徴とする。
本発明は、以上説明したように構成されているので、細身であるとともに容易に湾曲可能な柔軟性を有する湾曲装置を提供することができる。
本実施の形態の湾曲装置の第一の特徴は、可撓性のチューブをその内部から電動で湾曲させるようにした湾曲装置において、前記チューブ内の長手方向に沿う可動軸を電動で軸方向と回転方向へ駆動するようにした電動アクチュエータと、一端側を前記可動軸に接続するとともに他端側を前記接続の箇所から前記チューブの長手方向へ離れた位置で前記チューブの内面に接続した長尺状部材とを備え、前記長尺状部材と前記可動軸との接続箇所を、前記可動軸の中心に対し偏心した位置とすることで、前記可動軸の後退により前記長尺状部材を牽引した際の牽引方向が、前記可動軸の回転により周方向へ変位するようにした。
この構成によれば、前記電動アクチュエータの駆動力により前記可動軸を後退させて前記長尺状部材を牽引すると、前記チューブが前記長尺状部材に引っ張られて湾曲する。また、前記駆動アクチュエータの駆動力により前記可動軸を回転させると、前記長尺状部材による牽引方向が周方向に変位するため、前記チューブの湾曲する方向も前記チューブの周方向へ変化する。
この構成によれば、前記電動アクチュエータの駆動力により前記可動軸を後退させて前記長尺状部材を牽引すると、前記チューブが前記長尺状部材に引っ張られて湾曲する。また、前記駆動アクチュエータの駆動力により前記可動軸を回転させると、前記長尺状部材による牽引方向が周方向に変位するため、前記チューブの湾曲する方向も前記チューブの周方向へ変化する。
第二の特徴としては、前記チューブの内面に接続されるとともに前記長尺状部材の前記他端側にも接続された接続部材を備え、前記長尺状部材の前記他端側と前記接続部材との接続箇所を、前記チューブの内面から離して配置した。
この構成によれば、前記可動軸の回転により前記チューブの湾曲方向を周方向へ変位させる際の動作性を向上することができる。
この構成によれば、前記可動軸の回転により前記チューブの湾曲方向を周方向へ変位させる際の動作性を向上することができる。
第三の特徴としては、前記長尺状部材の前記一端側と前記可動軸との接続箇所が前記可動軸の中心に対し偏心する半径を第1半径とし、前記長尺状部材の前記他端側と前記接続部材との接続箇所が前記可動軸の中心に対し偏心する半径を第2半径とした場合に、第1半径>第2半径の寸法関係が成立するようにした(図2参照)。
この構成によれば、前記可動軸の回転により前記チューブの湾曲方向を周方向へ変位させる際の動作性をいっそう向上することができる。
なお、前記動作性をより向上するとともに生産性の良好な態様としては、前記長尺状部材の前記他端側と前記接続部材との接続箇所を前記可動軸の中心軸上に配置して、前記第2半径を略ゼロにする。更に好ましくは、前記長尺状部材の前記他端側と前記接続部材との接続箇所を、前記チューブの径方向における略中心部に配置するとともに、前記第2半径を略ゼロにする。
この構成によれば、前記可動軸の回転により前記チューブの湾曲方向を周方向へ変位させる際の動作性をいっそう向上することができる。
なお、前記動作性をより向上するとともに生産性の良好な態様としては、前記長尺状部材の前記他端側と前記接続部材との接続箇所を前記可動軸の中心軸上に配置して、前記第2半径を略ゼロにする。更に好ましくは、前記長尺状部材の前記他端側と前記接続部材との接続箇所を、前記チューブの径方向における略中心部に配置するとともに、前記第2半径を略ゼロにする。
第四の特徴としては、前記長尺状部材を、前記可動軸に対し回転可能且つ首振り可能に接続するとともに、前記接続部材に対しても回転可能且つ首振り可能に接続した。
この構成によれば、前記チューブの湾曲方向を周方向へ変位させる際の動作性が良好な具体的構造を提供することができる。
この構成によれば、前記チューブの湾曲方向を周方向へ変位させる際の動作性が良好な具体的構造を提供することができる。
第五の特徴としては、前記電動アクチュエータは、前記可動軸の外周部に接触する可振部材と、該可振部材に固定された圧電素子と、前記圧電素子に固定された電極とを備え、前記電極を周方向及び軸方向へ複数組並び設けている。
この構成によれば、軸方向へ並ぶ複数組の電極に順次に通電すれば、圧電素子及び可振部材に軸方向の振動波が生じ、この振動波によって可振部材が軸方向へ直進運動する。また、周方向へ並ぶ複数組の電極に順次に通電すれば、圧電素子及び可振部材に周方向の振動波が生じ、この振動波によって可動軸が回転運動する。
なお、前記振動波の伝達効率を向上する好ましい態様としては、前記可振部材を、前記可動軸の周囲で周方向に分離するように複数個設ける。
さらに、前記振動波の伝達効率をより向上する好ましい態様としては、前記可振部材を径内方向へ付勢して前記可動軸の外周面に押し付ける付勢部材(例えば、板バネやコイルスプリング等)を備える。この構成によれば、前記付勢部材の付勢力が前記可振部材と前記可動軸の間に摩擦力を働らかせるため電動アクチュエータの通電を切っても可動軸はその位置を自己保持することが可能で、前記チューブの湾曲状態を通電なしにそのまま維持する事ができる。
また、前記チューブ内周面と前記可振部材の隙間には、必要に応じて、信号線や電力線等の配線を挿通する。
この構成によれば、軸方向へ並ぶ複数組の電極に順次に通電すれば、圧電素子及び可振部材に軸方向の振動波が生じ、この振動波によって可振部材が軸方向へ直進運動する。また、周方向へ並ぶ複数組の電極に順次に通電すれば、圧電素子及び可振部材に周方向の振動波が生じ、この振動波によって可動軸が回転運動する。
なお、前記振動波の伝達効率を向上する好ましい態様としては、前記可振部材を、前記可動軸の周囲で周方向に分離するように複数個設ける。
さらに、前記振動波の伝達効率をより向上する好ましい態様としては、前記可振部材を径内方向へ付勢して前記可動軸の外周面に押し付ける付勢部材(例えば、板バネやコイルスプリング等)を備える。この構成によれば、前記付勢部材の付勢力が前記可振部材と前記可動軸の間に摩擦力を働らかせるため電動アクチュエータの通電を切っても可動軸はその位置を自己保持することが可能で、前記チューブの湾曲状態を通電なしにそのまま維持する事ができる。
また、前記チューブ内周面と前記可振部材の隙間には、必要に応じて、信号線や電力線等の配線を挿通する。
第六の特徴としては、前記チューブを湾曲前の状態に戻すように付勢する復元手段を設けた。
この構成によれば、復元手段の付勢力によって前記チューブを湾曲前の状態に速やかに戻すことができる。
なお、前記「復元手段」には、前記チューブを該チューブ自身の形状保持力によって湾曲前の状態に戻るように付勢する構成や、前記チューブを他の部材によって湾曲前の状態に戻るように付勢する構成等を含む。
この構成によれば、復元手段の付勢力によって前記チューブを湾曲前の状態に速やかに戻すことができる。
なお、前記「復元手段」には、前記チューブを該チューブ自身の形状保持力によって湾曲前の状態に戻るように付勢する構成や、前記チューブを他の部材によって湾曲前の状態に戻るように付勢する構成等を含む。
第七の特徴としては、前記長尺状部材を可撓性長尺体によって形成した。
この構成によれば、前記チューブを曲げようとする外力が作用した場合に、この外力に反することなく、前記チューブ及び前記長尺状部材を柔軟に曲げることができ、特に、当該湾曲装置を医療用の体内挿入具(内視鏡装置等)として用いる場合等に有用である。
この構成によれば、前記チューブを曲げようとする外力が作用した場合に、この外力に反することなく、前記チューブ及び前記長尺状部材を柔軟に曲げることができ、特に、当該湾曲装置を医療用の体内挿入具(内視鏡装置等)として用いる場合等に有用である。
また、他の好ましい特徴としては、前記可動軸に軸方向へ貫通する貫通孔を設けるとともに、この貫通孔内に、配線を挿通するようにした。
この構成によれば、前記配線によって前記チューブの湾曲性が損なわれてしまうのを軽減することができる。
この構成によれば、前記配線によって前記チューブの湾曲性が損なわれてしまうのを軽減することができる。
また、他の好ましい特徴としては、前記チューブにおける湾曲される部分の内周面に近接又は接触するように、前記チューブの湾曲に沿って変形可能な管状補強部材を設けた。
この構成によれば、前記チューブを湾曲させた際に、その湾曲部分の内径側の周壁が皺になったり折れたりするのを、前記環状補強部材によって防ぐことができる。
この構成によれば、前記チューブを湾曲させた際に、その湾曲部分の内径側の周壁が皺になったり折れたりするのを、前記環状補強部材によって防ぐことができる。
また、他の好ましい態様としては、前記電動アクチュエータ及び前記長尺状部材を具備してなる駆動ユニットを複数備え、これら複数の駆動ユニットを単数の前記チューブ内に長手方向へ間隔を置いて設け、前記チューブが長手方向の複数箇所で前記駆動ユニットによって湾曲するようにした。
この構成によれば、チューブを長手方向の複数箇所で湾曲させることができ、例えば、当該湾曲装置を医療用の体内挿入具(内視鏡等)として用いれば、体内の複数のコーナ部分等に対応してチューブを湾曲させることが可能である。
この構成によれば、チューブを長手方向の複数箇所で湾曲させることができ、例えば、当該湾曲装置を医療用の体内挿入具(内視鏡等)として用いれば、体内の複数のコーナ部分等に対応してチューブを湾曲させることが可能である。
次に、上記特徴を有する本実施の形態の好ましい実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下の説明中、チューブaの長手方向とは、チューブaの中心軸が延びる方向を意味する。また、チューブaの径外方向とは、チューブaの径方向に沿って外側へ向かう方向(換言すれば遠心方向)を意味する。また、チューブaの径内方向とは、チューブaの径方向に沿って内側へ向かう方向(換言すれば求心方向)を意味する。
なお、以下の説明中、チューブaの長手方向とは、チューブaの中心軸が延びる方向を意味する。また、チューブaの径外方向とは、チューブaの径方向に沿って外側へ向かう方向(換言すれば遠心方向)を意味する。また、チューブaの径内方向とは、チューブaの径方向に沿って内側へ向かう方向(換言すれば求心方向)を意味する。
図1〜図6に示す湾曲装置Aは、可撓性のチューブaと、該チューブa内に挿入された駆動ユニット1とを具備し、チューブaを駆動ユニット1によって電動で湾曲させるように構成される。
チューブaは、後述する駆動ユニット1から受ける力により湾曲状に曲げられるとともに、前記力が作用しない状態では元の形状(図示例によれば直管状)に復元する形状保持力(復元力)を有するチューブであればよく、例えば、弾性を有する合成樹脂材料やゴム等から円筒直管状に形成される。
駆動ユニット1は、チューブaの長手方向に沿う可動軸11を電動で軸方向と回転方向へ駆動するようにした電動アクチュエータ10と、該電動アクチュエータ10をチューブaの内周面に固定する固定ブラケット20と、可動軸11の前端側(図1によれば左端側)に固定された偏心接続部材30と、この偏心接続部材30を介することで後端側が可動軸11に対し偏心した位置で接続された長尺状部材40と、この長尺状部材40の前端側に接続されるとともにチューブaの内周面にも接続された接続部材50とを具備している。
電動アクチュエータ10は、図2〜図6に示すように、略中心部に配置された可動軸11と、可動軸11の周囲で周方向に分離して配置された複数の可振部材12と、各可振部材12の外面に固定された圧電ユニット13と、付勢部材14bによって可振部材12を径内方向へ付勢して可動軸11の外周面に押し付けるケース部材14とを備え、圧電ユニット13に通電した際の可振部材12の振動により可動軸11を、直進運動及び回転運動させる。
可動軸11は、少なくとも外周面における可振部材12に接触する部分を円筒面に形成した円柱又は円筒状の長尺体であればよく、例えば、金属等の剛性を有する材料から形成されている。
この可動軸11は、図示した好ましい一例によれば、軸方向へ貫通する貫通孔11a(図5及び図6参照)を有する。この貫通孔11aには、必要に応じて、信号線や電力線等の配線を挿通することが可能である。
この可動軸11は、図示した好ましい一例によれば、軸方向へ貫通する貫通孔11a(図5及び図6参照)を有する。この貫通孔11aには、必要に応じて、信号線や電力線等の配線を挿通することが可能である。
可振部材12は、可動軸11の外周面に対し径外方向から接触するようにして、周方向に分離して複数配設される。なお、図5は、可振部材12を径方向に対向するように二つ配設した一例を示している。また、図6は、可振部材12を周方向において等間隔に四つ配設した一例を示している。
各可振部材12は、金属等の剛性材料から可動軸11の軸方向へわたる長尺片状に形成され、その内周側に可動軸11の外周面にならう凹曲面部12aを有するとともに、外周面側には、圧電ユニット13を貼り付け易くする平坦面部12bを有する。
各可振部材12は、金属等の剛性材料から可動軸11の軸方向へわたる長尺片状に形成され、その内周側に可動軸11の外周面にならう凹曲面部12aを有するとともに、外周面側には、圧電ユニット13を貼り付け易くする平坦面部12bを有する。
凹曲面部12aは、可動軸11の外周面に沿って軸方向へ延設された断面略円弧状の曲面である。この凹曲面部12aには、必要に応じて、溝、突条、又は凹凸部等が、適宜間隔をおいて単数もしくは複数設けられ、これらによって可振部材12の振動を効率的に可動軸11へ伝達するようにしている。
平坦面部12bは、可動軸11の軸方向及び接線方向に平行する平坦状の面であり、その表面に、圧電ユニット13を固定している。
また、圧電ユニット13は、可動軸11の軸方向と周方向に並ぶように、可振部材12の平坦面部12bに複数固定され、図5に示す一例では、軸方向に四つ、周方向に二つ並んでいる。
各圧電ユニット13は、一枚の圧電素子13aに一組の電極13bを設けてなり、各電極には給電用の配線13c(図2参照)が接続されている。
各圧電ユニット13は、一枚の圧電素子13aに一組の電極13bを設けてなり、各電極には給電用の配線13c(図2参照)が接続されている。
圧電素子13aは、薄手の圧電素子(圧電セラミックや、ピエゾ素子、電歪素子、圧電樹脂フィルム等と称されるものを含む)と金属板を接着剤(例えば、導電性熱硬化型接着剤等)により張り合わせた構造(ユニモルフ等と称される)を有し、図示例によれば一枚の平板状に構成され、その表面には、電極13bがパターン状に形成される。
配線13cは、電極13bに対し電力を供給するように電気的に接続され、図6に示すように、可振部材12とケース部材14の間の隙間や、ケース部材14とチューブaの間の隙間等を通って、可動軸11の軸方向へ導かれる。
上記構造の圧電ユニット13は、所定周波数の電力を複数の電極13bに順次に通電することで、圧電素子13aに進行波状の振動を発生させ、この振動を、可振部材12を介して可動軸11に伝達して、可動軸11を、複数の電極13bに対する通電順序の方向へ運動させる。
すなわち、例えば、可動軸11の軸方向に並ぶ複数の電極13bに対し、前方へ順次に通電した場合には、可動軸11が前方へ直進運動し、後方へ順次に通電した場合には、可動軸11が後方へ直進運動する。
また、可動軸11の周方向に並ぶ複数の電極13bに対し、時計方向へ順次に通電した場合には、可動軸11が時計方向へ回転運動し、反時計方向へ順次に通電した場合には、可動軸11が反時計方向へ回転運動する。
すなわち、例えば、可動軸11の軸方向に並ぶ複数の電極13bに対し、前方へ順次に通電した場合には、可動軸11が前方へ直進運動し、後方へ順次に通電した場合には、可動軸11が後方へ直進運動する。
また、可動軸11の周方向に並ぶ複数の電極13bに対し、時計方向へ順次に通電した場合には、可動軸11が時計方向へ回転運動し、反時計方向へ順次に通電した場合には、可動軸11が反時計方向へ回転運動する。
なお、上記態様では、一枚の圧電素子13aに一組の電極13bを設けたが、他例として、圧電素子13aをユニモルフ構造とした場合には、一枚の圧電素子に所定方向へ並ぶ複数組の電極を設けた態様とすることも可能である。
これら何れの態様の場合も、可動軸11の軸方向へ並ぶ電極13bの数は、可動軸11の進行方向を容易に特定できるように三組以上とするのが好ましいが、制御方法や別途付加される構成等によっては二組とすることも可能である。同様に、可動軸11の周方向へ並ぶ電極13bの数(図示例によれば複数の可振部材12にわたって並ぶ電極13bの数)も、可動軸11の回転方向を容易に特定できるように三組以上とするのが好ましいが、制御方法や別途付加される構成等によっては二組とすることも可能である。
さらに、圧電素子13aの他例としては、ユニモルフ構造以外の構造(例えばバイモルフ構造等)を採用することも可能である。
これら何れの態様の場合も、可動軸11の軸方向へ並ぶ電極13bの数は、可動軸11の進行方向を容易に特定できるように三組以上とするのが好ましいが、制御方法や別途付加される構成等によっては二組とすることも可能である。同様に、可動軸11の周方向へ並ぶ電極13bの数(図示例によれば複数の可振部材12にわたって並ぶ電極13bの数)も、可動軸11の回転方向を容易に特定できるように三組以上とするのが好ましいが、制御方法や別途付加される構成等によっては二組とすることも可能である。
さらに、圧電素子13aの他例としては、ユニモルフ構造以外の構造(例えばバイモルフ構造等)を採用することも可能である。
また、ケース部材14は、可動軸11、可振部材12及び圧電ユニット13の周囲を環状に囲む角筒状のケース本体14aと、該ケース本体14aから内側へ突出する板バネ状の付勢部材14bとから一体に構成される(図2及び図6等参照)。このケース部材14aは、付勢部材14bを板バネ状に弾性変形させることが可能なように、弾性的に撓むことが可能な金属材料等から形成される。
なお、図示例によれば、付勢部材14bを軸方向へ延びる板バネ状に形成したが、他例としては、付勢部材14bを周方向へ延びる板バネ状に形成してもよい。さらに、この付勢部材14bの他例としては、ケース本体14aとは別体の板バネとした態様や、コイルスプリングを用いた態様、ゴム等の弾性体を用いた態様等とすることが可能である。
また、固定ブラケット20は、ケース部材14の前端と後端に、それぞれ、回転不能且つ進退不能に固定された環状の部材である。この固定ブラケット20の外周部は、チューブaの内周面に対しても、回転不能且つ進退不能に固定されている。この固定ブラケット20をケース部材14やチューブaに固定する手段は、例えば、溶着や嵌合等の適宜な構造とすればよい。
各固定ブラケット20は、その中心側に、可動軸11を、回転自在且つ進退自在に挿通する貫通孔21を有する。
さらに、各固定ブラケット20の外周部寄りには、信号線や電力線等の配線p,13cを挿通するための貫通孔22が設けられる。
なお、他例としては、この固定ブラケット20を省き、ケース部材14外面の角部分をチューブa内周面に圧接して固定することも可能である。
各固定ブラケット20は、その中心側に、可動軸11を、回転自在且つ進退自在に挿通する貫通孔21を有する。
さらに、各固定ブラケット20の外周部寄りには、信号線や電力線等の配線p,13cを挿通するための貫通孔22が設けられる。
なお、他例としては、この固定ブラケット20を省き、ケース部材14外面の角部分をチューブa内周面に圧接して固定することも可能である。
また、偏心接続部材30は、可動軸11の前端側の外周部に、該可動軸11と一体的に回転し且つ進退するように固定された円盤状の部材である。
この偏心接続部材30は、可動軸11に対し偏心した位置に、長尺状部材40の後端側を接続している。
この偏心接続部材30は、可動軸11に対し偏心した位置に、長尺状部材40の後端側を接続している。
長尺状部材40は、チューブaの長手方向へわたる長尺状の部材であり、その後端側を、偏心接続部材30の偏心位置に対し回転可能且つ首振り可能に接続するとともに、前端側を、偏心接続部材30との接続箇所から所定長さ前方へ離れた位置で接続部材50に対し回転可能且つ首振り可能に接続している。
また,長尺状部材40の後端側と可動軸11との接続箇所(図2によれば係合部43の中心)が、可動軸11の中心に対して偏心する第1の半径を図中の記号R1とし、長尺状部材40の前端側と接続部材50との接続箇所(図2によれば係合部42の中心)が、可動軸11の中心に対し偏心した第2半径を図中R2としたとき、第1半径R1>第2半径R2の寸法関係になるようにしている。さらに理想的には、第2半径R2をゼロに近づける事で湾曲動作をスムーズにできる。
なお、図2に示す好ましい一例では、第2半径R2を略ゼロとし、係合部42の中心を、可動軸11及びチューブaの中心に、略一致させている。
ここで、前記「回転可能」とは、長尺状部材40が軸心を中心にして自転可能であることを意味する。また、前記「首振り可能」とは、長尺状部材40が偏心接続部材30との接続箇所を支点にして揺動可能であることを意味する。
この接続構造は、例えば、図2〜図4に示す好ましい一例によれば、長尺状部材40の後端側の球状の係合部43を、球状内面によって抱持してなる。
また,長尺状部材40の後端側と可動軸11との接続箇所(図2によれば係合部43の中心)が、可動軸11の中心に対して偏心する第1の半径を図中の記号R1とし、長尺状部材40の前端側と接続部材50との接続箇所(図2によれば係合部42の中心)が、可動軸11の中心に対し偏心した第2半径を図中R2としたとき、第1半径R1>第2半径R2の寸法関係になるようにしている。さらに理想的には、第2半径R2をゼロに近づける事で湾曲動作をスムーズにできる。
なお、図2に示す好ましい一例では、第2半径R2を略ゼロとし、係合部42の中心を、可動軸11及びチューブaの中心に、略一致させている。
ここで、前記「回転可能」とは、長尺状部材40が軸心を中心にして自転可能であることを意味する。また、前記「首振り可能」とは、長尺状部材40が偏心接続部材30との接続箇所を支点にして揺動可能であることを意味する。
この接続構造は、例えば、図2〜図4に示す好ましい一例によれば、長尺状部材40の後端側の球状の係合部43を、球状内面によって抱持してなる。
詳細に説明すれば、長尺状部材40は、可撓性を有する長尺状の本体部41と、該本体部41の後端側に一体に接続された球状の係合部43と、同本体部41の前端側に一体に接続された球状の係合部42とを具備している。
本体部41は、可撓性を有する長尺体であればよく、本実施例によれば金属製ワイヤーを用いている。この本体部41の他例としは、適度な引張強度を有する合成樹脂製ワイヤーや紐等とすることも可能である。
前後端側の係合部42,43の各々は、例えば、金属や合成樹脂等の硬質材料によって球状に形成される。
また、接続部材50は、略円盤状の部材であり、チューブaの内周面に進退不能且つ回転不能に固定されるとともに、長尺状部材40前端側の係合部42に対して回転可能且つ首振り可能に接続される。
この接続部材50をチューブaに接続する手段は、例えば、接着や嵌合等とすればよい。
また、この接続部材50を長尺状部材40に接続する手段は、例えば、図2〜図4に示すように、長尺状部材40の本体部41を前方へ挿通するとともにその前端の球状の係合部42を円錐状の面により回転自在且つ首振り自在に受けるようにした態様とすればよい。
そして、この接続部材50と長尺状部材40との接続箇所は、長尺状部材40後端側と可動軸11(詳細には偏心接続部材30)との接続箇所よりも、径内方向側に配置しており、図示例によれば、接続部材50の略中心部に位置する。
この接続部材50をチューブaに接続する手段は、例えば、接着や嵌合等とすればよい。
また、この接続部材50を長尺状部材40に接続する手段は、例えば、図2〜図4に示すように、長尺状部材40の本体部41を前方へ挿通するとともにその前端の球状の係合部42を円錐状の面により回転自在且つ首振り自在に受けるようにした態様とすればよい。
そして、この接続部材50と長尺状部材40との接続箇所は、長尺状部材40後端側と可動軸11(詳細には偏心接続部材30)との接続箇所よりも、径内方向側に配置しており、図示例によれば、接続部材50の略中心部に位置する。
また、接続部材50の外周寄りには、チューブaの中心軸方向に略平行する貫通孔51が設けられ、この貫通孔51には、信号線や電力線等の配線pが挿通される。前記配線pは、チューブa内の機器(例えば、センサやCCDカメラ等)に対し、電気信号や電源電力を通電する電線、あるいは光信号を伝達する光ファイバーケーブル等とすることが可能である。
次に上記構成の湾曲装置Aの特徴的な作用効果について説明する。
先ず、駆動ユニット1に対し通電しない初期状態では、当該湾曲装置Aは、図2に示すように、略直線状に維持される。
先ず、駆動ユニット1に対し通電しない初期状態では、当該湾曲装置Aは、図2に示すように、略直線状に維持される。
前記状態から、駆動ユニット1の軸方向に並ぶ複数の電極13bに対し後方向へ順次に通電することにより、可動軸11を後退させれば、図3に示すように、接続部材50が長尺状部材40によって駆動ユニット1側へ引き寄せられ、チューブaにおける接続部材50と電動アクチュエータ10との間の部分が湾曲状に曲げられる。この際の曲げ角度は、可動軸11の後退量の調整(詳細には、圧電ユニット13への通電時間の制御)により自在に調整することができる。
この湾曲状態は、駆動ユニット1への通電を遮断した後も、可振部材12と可動軸11との摩擦により維持される。すなわち、チューブaには弾性的な復元力が作用するが、可振部材12が付勢部材14bに付勢された状態で可動軸11の外周面に押し付けられているため、駆動ユニット1への通電を遮断した後も、可動軸11が前記復元力によって前進することはなく、チューブaの湾曲状態を維持することができる。
チューブaを元の状態(図2の例示によれば直管状)に戻す場合には、駆動ユニット1の軸方向に並ぶ複数の電極13bに対し前方向へ順次に通電すれば、可動軸11の前進に伴って長尺状部材40も前進して張力を緩め、チューブaが弾性的な復元力(形状保持力)により、元の略直線状に戻る。
この湾曲状態は、駆動ユニット1への通電を遮断した後も、可振部材12と可動軸11との摩擦により維持される。すなわち、チューブaには弾性的な復元力が作用するが、可振部材12が付勢部材14bに付勢された状態で可動軸11の外周面に押し付けられているため、駆動ユニット1への通電を遮断した後も、可動軸11が前記復元力によって前進することはなく、チューブaの湾曲状態を維持することができる。
チューブaを元の状態(図2の例示によれば直管状)に戻す場合には、駆動ユニット1の軸方向に並ぶ複数の電極13bに対し前方向へ順次に通電すれば、可動軸11の前進に伴って長尺状部材40も前進して張力を緩め、チューブaが弾性的な復元力(形状保持力)により、元の略直線状に戻る。
また、湾曲装置Aを図4に示すように逆方向へ湾曲させる場合には、先ず、湾曲装置Aの初期状態(直管状)において、駆動ユニット1の周方向に並ぶ複数の電極13bに対し順次に通電することにより、可動軸11を所定量回転させる。すると、可動軸11と一体の偏心接続部材30の回転に伴って、長尺状部材40の後端側が、自転しながら可動軸11の中心軸周りを公転して、周方向へ変位する。この際の動作は、長尺状部材40の前後端側の球状の係合部42,43が自在に自転しながら首振り運動(歳差運動と称する場合もある)し、長尺状部材40自体も柔軟に変形するため、引っ掛かり等を生じることなくスムーズに行われる。
なお、長尺状部材40後端側の公転方向の移動量は、可動軸11の回転量の調整(詳細には、周方向に並ぶ複数の圧電ユニット13への通電時間の制御)により全周にわたって無段階に調整することができる。
そして、前記回転後に、駆動ユニット1の軸方向に並ぶ複数の電極13bに対し後方向へ順次に通電することにより、可動軸11を後退させれば、図4に示すように、接続部材50が長尺状部材40によって駆動ユニット1側へ引き寄せられ、チューブaにおける接続部材50と駆動ユニット1との間の部分が、図3に示した方向とは異なる方向(図4の例示によれば180度反対の方向)へ湾曲状に曲げられる。この際の曲げ角度は、可動軸11の後退量の調整(詳細には、圧電ユニット13への通電時間の制御)により自在に調整することができる。
この湾曲状態は、上述したように、駆動ユニット1への通電を遮断した後も、可振部材12と可動軸11との摩擦により維持される。チューブaを元の状態(図2の例示によれば直管状)に戻す場合には、駆動ユニット1の軸方向に並ぶ複数の電極13bに対し前方向へ順次に通電すればよい。
なお、長尺状部材40後端側の公転方向の移動量は、可動軸11の回転量の調整(詳細には、周方向に並ぶ複数の圧電ユニット13への通電時間の制御)により全周にわたって無段階に調整することができる。
そして、前記回転後に、駆動ユニット1の軸方向に並ぶ複数の電極13bに対し後方向へ順次に通電することにより、可動軸11を後退させれば、図4に示すように、接続部材50が長尺状部材40によって駆動ユニット1側へ引き寄せられ、チューブaにおける接続部材50と駆動ユニット1との間の部分が、図3に示した方向とは異なる方向(図4の例示によれば180度反対の方向)へ湾曲状に曲げられる。この際の曲げ角度は、可動軸11の後退量の調整(詳細には、圧電ユニット13への通電時間の制御)により自在に調整することができる。
この湾曲状態は、上述したように、駆動ユニット1への通電を遮断した後も、可振部材12と可動軸11との摩擦により維持される。チューブaを元の状態(図2の例示によれば直管状)に戻す場合には、駆動ユニット1の軸方向に並ぶ複数の電極13bに対し前方向へ順次に通電すればよい。
なお、図3に示す湾曲状態から、元の直管状に戻すことなく、可動軸11を回転させて、図4に示す逆向きの湾曲状態にすることも可能である。
よって、湾曲装置Aによれば、チューブaを全周360度の範囲で自在に曲げ伸ばしすることができ、湾曲部分の曲げ角度も自在に調整することができる。
その上、複数本のワイヤや複数の駆動ユニット等を必要としない構造であるため、チューブa内に挿通される給電用の配線13c等も比較的少なくすることができ、図示例のように、わずか一本の長尺状部材40及び一個の駆動ユニット1を用いた構成とすることが可能である。したがって、チューブaの外径を比較的小さくして当該湾曲装置Aを細身に構成できる上、チューブaを柔軟に湾曲させることができる。
さらに、長尺状部材40を可撓性の材料から形成しているため、チューブaを外部からの力により湾曲変形させることができる。例えば、湾曲装置Aを医療用や工業用の内視鏡装置として用いた場合には、管路内壁との当接によりチューブaを柔軟に湾曲変形させることができ、曲部等を有する細い管路の奥部まで、電動式の操作でチューブaを自在に湾曲させて挿入し、観察等を行うことができる。
しかも、チューブaの湾曲部の近くに駆動ユニット1を配置するとともに、長尺状部材40を比較的短くできるため、操作時における機構的なバクラッシュや遊びがほとんどなく、その操作性が著しく良好であり、特に、内視鏡装置としての適用性に優れている。
その上、複数本のワイヤや複数の駆動ユニット等を必要としない構造であるため、チューブa内に挿通される給電用の配線13c等も比較的少なくすることができ、図示例のように、わずか一本の長尺状部材40及び一個の駆動ユニット1を用いた構成とすることが可能である。したがって、チューブaの外径を比較的小さくして当該湾曲装置Aを細身に構成できる上、チューブaを柔軟に湾曲させることができる。
さらに、長尺状部材40を可撓性の材料から形成しているため、チューブaを外部からの力により湾曲変形させることができる。例えば、湾曲装置Aを医療用や工業用の内視鏡装置として用いた場合には、管路内壁との当接によりチューブaを柔軟に湾曲変形させることができ、曲部等を有する細い管路の奥部まで、電動式の操作でチューブaを自在に湾曲させて挿入し、観察等を行うことができる。
しかも、チューブaの湾曲部の近くに駆動ユニット1を配置するとともに、長尺状部材40を比較的短くできるため、操作時における機構的なバクラッシュや遊びがほとんどなく、その操作性が著しく良好であり、特に、内視鏡装置としての適用性に優れている。
なお、長尺状部材40の前端側の接続構造(球状の係合部42を円錐面で受けるようにした構造)と、後端側の接続構造(球状の係合部43を球状内面で受けるようにした構造)は、互いに置換した構造としたり、同一の構造としたりすることが可能である。
また、この接続構造の他例としては、長尺状部材40を回転可能且つ首振り可能にする構造であれば図示例以外のものとしてもよい。例えば、長尺状部材40を捩じり可能な可撓性の部材(例えば、柔軟な紐等)により構成した場合には、長尺状部材40の一端側を回転不能に固定した場合でも、該長尺状部材40の他端側が、捩じれたり撓んだりすることで、回転運動及び首振り運動する。
また、この接続構造の他例としては、長尺状部材40を回転可能且つ首振り可能にする構造であれば図示例以外のものとしてもよい。例えば、長尺状部材40を捩じり可能な可撓性の部材(例えば、柔軟な紐等)により構成した場合には、長尺状部材40の一端側を回転不能に固定した場合でも、該長尺状部材40の他端側が、捩じれたり撓んだりすることで、回転運動及び首振り運動する。
また、上記態様によれば、長尺状部材40を可撓性の材料によって形成したが、他例としては、長尺状部材40を剛性を有する材料(例えば、金属や硬質合成樹脂)等によって形成することも可能であり、この他例によれば、可動軸11を前進させてチューブaを元の形状(直管状等)に戻す際の動作を、より速やかに行うことができる。
また、上記態様によれば、チューブa自体を形状保持力を有する材料から形成したが、他例として、チューブaが外部のものから受ける力によって元の形状に復元する場合や、前記のように長尺状部材40を剛性材料により形成することでチューブaを元の状態に戻し易くした場合、チューブaを元の形状に戻す必要のない用途で用いる場合等には、チューブaを形状保持力を有さない可撓性の材料から形成するようにしてもよい。
次に、本発明に係る他の実施例について説明する。なお、以下に示す実施例は、上記実施例1の一部を変更したものであるため、主にその変更部分について詳述し、略同様の部分について同一の符号を付け、重複する説明は適宜省略する。
図7に例示する湾曲装置Bは、複数の駆動ユニット1を一本の前記チューブa内に長手方向へ間隔を置いて設け、チューブaが長手方向の複数箇所で湾曲するように構成したものである。
複数の駆動ユニット1の間隔は、当該湾曲装置Bの用途等に応じて適宜間隔に設定される。例えば、湾曲装置Bを内視鏡装置として用いる場合には、図9に示すように、隣り合う二つの駆動ユニット1の間隔が、大腸内のコーナ部(左右の結腸曲等)の間の標準的な長さに対応して設定される。
複数の駆動ユニット1には、それぞれ、独立して給電配線が接続されている。したがって、複数の駆動ユニット1は、それぞれ、独立して動作することが可能である。
この湾曲装置Bのチューブaの最先端部には、図示例によれば、CCDセンサ等のセンサ部a1が装着される。このセンサ部a1の配線pは、上述した各駆動ユニット1の貫通孔51,22等を通って、チューブa内を後方へ導かれ、当該湾曲装置Bを制御するための装置(例えば、図8の操作部b1)等に電気的に接続される。
複数の駆動ユニット1の間隔は、当該湾曲装置Bの用途等に応じて適宜間隔に設定される。例えば、湾曲装置Bを内視鏡装置として用いる場合には、図9に示すように、隣り合う二つの駆動ユニット1の間隔が、大腸内のコーナ部(左右の結腸曲等)の間の標準的な長さに対応して設定される。
複数の駆動ユニット1には、それぞれ、独立して給電配線が接続されている。したがって、複数の駆動ユニット1は、それぞれ、独立して動作することが可能である。
この湾曲装置Bのチューブaの最先端部には、図示例によれば、CCDセンサ等のセンサ部a1が装着される。このセンサ部a1の配線pは、上述した各駆動ユニット1の貫通孔51,22等を通って、チューブa内を後方へ導かれ、当該湾曲装置Bを制御するための装置(例えば、図8の操作部b1)等に電気的に接続される。
図8は、上記構成の湾曲装置Bを用いて構成された内視鏡装置Xを例示している。
この内視鏡装置Xは、上記構成の湾曲装置B、湾曲装置Bを制御するための制御回路やスイッチ等を有する操作部b1、チューブa先端のセンサ部a1によって撮像された画像を表示するディスプレイ装置b2、湾曲装置Bへ電源を供給する電源装置b3等を具備している。
この内視鏡装置Xは、上記構成の湾曲装置B、湾曲装置Bを制御するための制御回路やスイッチ等を有する操作部b1、チューブa先端のセンサ部a1によって撮像された画像を表示するディスプレイ装置b2、湾曲装置Bへ電源を供給する電源装置b3等を具備している。
次に、上記内視鏡装置Xを医療用として用いた場合における湾曲装置Bの作用効果について、図9を参照して詳細に説明する。
センサ部a1を先頭にして体内へ挿入された湾曲装置Bは、直腸111、S状結腸112、下行結腸113、左結腸曲114、横行結腸115、右結腸曲116など、複数のコーナ部を有する曲がりくねった経路を通過して、図示のように、右結腸曲116よりも先側の上行結腸117及び大腸最奥部に達することが可能である。
しかも、前記のようにして体内に挿入される際、複数の駆動ユニット1を個別に制御して、大腸内のコーナ部(例えば、左結腸曲114や右結腸曲116)等に対応して湾曲可能であるため、挿入時の抵抗が少なく、人体に対する刺激や負担を軽減でき、その挿入作業をスムーズに行うことができる。
なお、複数の駆動ユニット1を大腸内のコーナ部に対応して曲げる操作は、例えば、前記挿入作業中に、人体をX線ビデオ撮影して、各駆動ユニット1と前記コーナ部との位置関係を把握することで、容易に行うことができる。
そして、各駆動ユニット1は、複数の圧電ユニット13の制御により、周方向のどの位置でも自在に曲げることができる上、その曲げ量も無段階に変化させることができる。よって、湾曲装置Cによれば、大腸経路のほとんどの範囲での観察及び治療等を容易に行うことができ、さらには、センサ部a1を大腸に続く小腸経路まで挿入させる可能性も有している。
また、上記構成の内視鏡装置Xは、胃内視鏡装置等、他の器官に挿入する内視鏡装置として用いたり、工業用内視鏡等の医療以外の用途に応用したりすることも可能である。
センサ部a1を先頭にして体内へ挿入された湾曲装置Bは、直腸111、S状結腸112、下行結腸113、左結腸曲114、横行結腸115、右結腸曲116など、複数のコーナ部を有する曲がりくねった経路を通過して、図示のように、右結腸曲116よりも先側の上行結腸117及び大腸最奥部に達することが可能である。
しかも、前記のようにして体内に挿入される際、複数の駆動ユニット1を個別に制御して、大腸内のコーナ部(例えば、左結腸曲114や右結腸曲116)等に対応して湾曲可能であるため、挿入時の抵抗が少なく、人体に対する刺激や負担を軽減でき、その挿入作業をスムーズに行うことができる。
なお、複数の駆動ユニット1を大腸内のコーナ部に対応して曲げる操作は、例えば、前記挿入作業中に、人体をX線ビデオ撮影して、各駆動ユニット1と前記コーナ部との位置関係を把握することで、容易に行うことができる。
そして、各駆動ユニット1は、複数の圧電ユニット13の制御により、周方向のどの位置でも自在に曲げることができる上、その曲げ量も無段階に変化させることができる。よって、湾曲装置Cによれば、大腸経路のほとんどの範囲での観察及び治療等を容易に行うことができ、さらには、センサ部a1を大腸に続く小腸経路まで挿入させる可能性も有している。
また、上記構成の内視鏡装置Xは、胃内視鏡装置等、他の器官に挿入する内視鏡装置として用いたり、工業用内視鏡等の医療以外の用途に応用したりすることも可能である。
次に、図10に示す湾曲装置Cについて説明する。
この湾曲装置Cは、上記湾曲装置Aに対し、チューブaを湾曲させるための駆動ユニット1を、駆動ユニット2に置換した構成である。そして、駆動ユニット2は、駆動ユニット1に対し、偏心接続部材30を偏心接続部材30’に置換し、長尺状部材40を長尺状部材40’に置換し、接続部材50を接続部材50’に置換するとともに、チューブaを湾曲前の状態に戻す復元手段として弾性筒状部材60(図示例によればコイルスプリング)を加えた構成になっている。
この湾曲装置Cは、上記湾曲装置Aに対し、チューブaを湾曲させるための駆動ユニット1を、駆動ユニット2に置換した構成である。そして、駆動ユニット2は、駆動ユニット1に対し、偏心接続部材30を偏心接続部材30’に置換し、長尺状部材40を長尺状部材40’に置換し、接続部材50を接続部材50’に置換するとともに、チューブaを湾曲前の状態に戻す復元手段として弾性筒状部材60(図示例によればコイルスプリング)を加えた構成になっている。
偏心接続部材30’は、長尺状部材40’に対する接続構造を変更したものであり、基本的には上述した偏心接続部材30と同様の構成である。この偏心接続部材30’の前記接続構造は、上記接続部材50(図2参照)と略同様に、長尺状部材40’の本体部41’を後方へ挿通するとともにその後端の球状の係合部43’を円錐状の面により回転自在に受けるようにしている。
長尺状部材40’は、可撓性を有する長尺状の本体部41’と、該本体部41’の後端側に一体化された球状の係合部43’と、同本体部41’の前端側に一体化された係合部42’とを具備している。
本体部41’は、例えば、金属製ワイヤーや、合成樹脂製ワイヤー、紐等とすることが可能であり、チューブaを引っ張って湾曲させることが可能なように適度な引張強度を有する。この本体部41’は、上記湾曲装置Aと同様に、剛性を有する長尺体(金属棒や合成樹脂製の棒)等とすることも可能である。
係合部42’は、金属や合成樹脂等により、後述する接続部材50’に対し掛止可能な形状に形成され、図示例によれば、略フック状に形成される。
接続部材50’は、チューブaの内周面に固定される略円盤状の固定部51’と、該固定部51’の中心側で回転自在に支持された回転部52’とから構成される。
固定部51’は、チューブaの内周面に進退不能且つ回転不能に接続されるとともに、その中心側の段付き貫通状の支持孔51a’に、回転部52’を挿通して回転自在に支持している。また、該固定部51’の外周寄りには、必要に応じて、信号線や電力線等の配線を挿通するための貫通孔51b’が設けられる。
回転部52’は、固定部51’の中心側に貫通状に挿入され、後方へ抜けないように回転自在に支持された略筒状の部材である。
より詳細に説明すれば、この回転部52’は、接続部材50’の前側の部分に、回転自在に嵌り合った円筒状の大径部52a’と、該大径部52a’から後方へ突出して接続部材50’を貫通する円筒状の小径部52b’と、該小径部52b’における接続部材50’よりも後方側の部分に固定された被係止部52c’とから一体に構成される。前記被係止部52c’は、図示例によれば、フック状の係合部42’を掛止可能な環状に形成される。
そして、大径部52a’及び小径部52b’内には、信号線や電力線等の配線pを挿通するための貫通孔52d’が設けられている。
より詳細に説明すれば、この回転部52’は、接続部材50’の前側の部分に、回転自在に嵌り合った円筒状の大径部52a’と、該大径部52a’から後方へ突出して接続部材50’を貫通する円筒状の小径部52b’と、該小径部52b’における接続部材50’よりも後方側の部分に固定された被係止部52c’とから一体に構成される。前記被係止部52c’は、図示例によれば、フック状の係合部42’を掛止可能な環状に形成される。
そして、大径部52a’及び小径部52b’内には、信号線や電力線等の配線pを挿通するための貫通孔52d’が設けられている。
また、弾性筒状部材60(復元手段)は、その長手方向において弾性的に湾曲したり元の略直線状に復元したりする略筒状の部材であればよく、図示例によれば、コイルスプリングが用いられる。この弾性筒状部材60の他例としては、ゴム等の弾性材料からなる筒体とすることも可能である。
そして、前記構成の弾性筒状部材60は、その前端側を、回転部52’に対し回転自在に嵌め合せるとともに、その後端側を、可動軸11に対し回転自在に嵌め合せ、その内部に、配線pを挿通している。
そして、前記構成の弾性筒状部材60は、その前端側を、回転部52’に対し回転自在に嵌め合せるとともに、その後端側を、可動軸11に対し回転自在に嵌め合せ、その内部に、配線pを挿通している。
この湾曲装置Cにおける配線pは、当該駆動ユニット2以外の機器(例えば、上記センサ部a1や隣り合う他の駆動ユニット2等)への電気配線や光ファイバー配線等であり、接続部材50’、弾性筒状部材60及び可動軸11の内部を貫通して、チューブaの長手方向へ導かれる。
また、この湾曲装置Cにおけるチューブaは、上記湾曲装置Aのチューブaと同様に形状保持力を有するチューブとすればよいが、弾性筒状部材60がチューブaを湾曲前の状態に戻すように付勢する復元手段として作用するため、形状保持力を有さないチューブとすることも可能である。
上記構成の湾曲装置Cによれば、上記湾曲装置Aと同様に、可動軸11を後退させれば、長尺状部材40’によって接続部材50’が引き寄せられ、可動軸11を回転させれば長尺状部材40’の後端部が周方向に変位するため、チューブaを周方向360度の範囲で自在に曲げ伸ばしすることができ、湾曲部分の曲げ角度も自在に調整することができる。
しかも、チューブaを湾曲状態から元の直管状に戻す際には、弾性筒状部材60による復元力も作用するため、その動作を速やかに行うことができる。
その上、チューブaの中心寄りに配線pを挿通するようにしているため、配線pによってチューブaが曲がり難くなるようなことを防ぐことができる。すなわち、仮に、配線pを外周寄りに配置した場合には、曲げられた際のチューブaの内壁に配線pが干渉し、チューブaが曲がり難くなるおそれがあるが、上記構造の湾曲装置Cの場合には、チューブaの略中心部に配線pを配置しているため(図10参照)、前記のような干渉を避けて、チューブaの柔軟性を確保することができる。
しかも、チューブaを湾曲状態から元の直管状に戻す際には、弾性筒状部材60による復元力も作用するため、その動作を速やかに行うことができる。
その上、チューブaの中心寄りに配線pを挿通するようにしているため、配線pによってチューブaが曲がり難くなるようなことを防ぐことができる。すなわち、仮に、配線pを外周寄りに配置した場合には、曲げられた際のチューブaの内壁に配線pが干渉し、チューブaが曲がり難くなるおそれがあるが、上記構造の湾曲装置Cの場合には、チューブaの略中心部に配線pを配置しているため(図10参照)、前記のような干渉を避けて、チューブaの柔軟性を確保することができる。
次に、図11に示す湾曲装置Dについて説明する。
この湾曲装置Dは、上記湾曲装置Aに対し、上記駆動ユニット1を駆動ユニット3に置換した構成としている。そして、駆動ユニット3は、上記駆動ユニット1に対し、接続部材50を接続部材50”に置換するとともに、チューブaにおける湾曲される部分の内周面に近接又は接触するように、チューブaの湾曲に伴って変形可能な管状補強部材70を加えた構成になっている。
この湾曲装置Dは、上記湾曲装置Aに対し、上記駆動ユニット1を駆動ユニット3に置換した構成としている。そして、駆動ユニット3は、上記駆動ユニット1に対し、接続部材50を接続部材50”に置換するとともに、チューブaにおける湾曲される部分の内周面に近接又は接触するように、チューブaの湾曲に伴って変形可能な管状補強部材70を加えた構成になっている。
接続部材50”は、長尺状部材40に対する接続構造を変更したものであり、基本的には上述した接続部材50と同様の構成である。この接続部材50”の前記接続構造は、上記偏心接続部材30の接続部分の構造と略同様に、長尺状部材40の前端側の球状の係合部42を、球状内面によって回転可能且つ首振り可能に抱持し支持している。
この接続部材50”の外周寄りには、貫通孔51”が設けられ、配線pが挿通される。
この接続部材50”の外周寄りには、貫通孔51”が設けられ、配線pが挿通される。
管状補強部材70は、チューブaの内周面に近接する短尺の筒状部材71をチューブ長手方向に複数並べ設け、一つの筒状部材71に対しその隣の筒状部材71を、径方向の軸を中心にして回動するように接続し、この接続された筒状部材71に対し、さらに隣りの筒状部材71を、周方向に角度180度ずれた軸を中心にして回動するように接続し、このような接続を順次に繰り返すようにしたものである。
この管状補強部材70の他例としては、チューブaの内周面に近接又は接触するコイルスプリングとした態様や、チューブaの内周面に近接又は接触する蛇腹状や網管状のフレキシブルチューブ等とすることも可能である。
そして、この管状補強部材70の内側には、配線pが挿通される。この配線pは、信号線や電力線等であり、接続部材50”、複数の筒状部材71及び可動軸11を通って、チューブaの長手方向へ導かれる。
この管状補強部材70の他例としては、チューブaの内周面に近接又は接触するコイルスプリングとした態様や、チューブaの内周面に近接又は接触する蛇腹状や網管状のフレキシブルチューブ等とすることも可能である。
そして、この管状補強部材70の内側には、配線pが挿通される。この配線pは、信号線や電力線等であり、接続部材50”、複数の筒状部材71及び可動軸11を通って、チューブaの長手方向へ導かれる。
上記構成の湾曲装置Dによれば、上記湾曲装置Aと同様に、可動軸11を後退させれば、長尺状部材40によって接続部材50”が引き寄せられ、可動軸11を回転させれば長尺状部材40の後端部が周方向に変位するため、チューブaを周方向360度の範囲で自在に曲げ伸ばしすることができ、湾曲部分の曲げ角度も自在に調整することができる。
しかも、チューブaにおける湾曲部分の内周面に管状補強部材70を近接しているため、チューブaにおける湾曲半径の内側の壁面が皺になったり折れたりするようなことを軽減することができる(図11参照)。
しかも、チューブaにおける湾曲部分の内周面に管状補強部材70を近接しているため、チューブaにおける湾曲半径の内側の壁面が皺になったり折れたりするようなことを軽減することができる(図11参照)。
なお、上記実施例によれば、駆動ユニット1への通電を遮断した後も、チューブaの湾曲状態が維持されるようにしたが、他例としては、付勢部材14bの付勢力を弱くするか、又は付勢部材14b自体を省くことにより、駆動ユニット1の通電を遮断した際に、チューブaが弾性的な復元力によって元の状態(例えば直管状)に戻るようにすることも可能である。
また、上記実施例によれば、特に好ましい具体例として振動によって可動軸11を直進運動及び回転運動させる電動アクチュエータ10を用いたが、この電動アクチュエータは可動軸を電動で軸方向と回転方向へ駆動する構成であればよく、他例としては、リニアモータと回転式モータを組み合わせてなる構造や、電磁作動式プランジャと回転式モータを組み合わせた構造、その他の構造等とすることが可能である。
また、上記実施例によれば、チューブaの湾曲方向を周方向に変位する際の動作性を向上する好ましい態様として、長尺状部材40(又は40’)の前端側を、チューブa内面から径内方向へ離れた位置で接続部材50(50’又は50”)に接続するとともに、この接続部材50(50’又は50”)をチューブa内面に接続したが、他例としては、長尺状部材40(又は40’)の前端側を、チューブa内面に直接接続した態様とすることも可能である。
また、上記内視鏡装置Xは、湾曲装置Bを用いた態様を例示したが、他例としては、湾曲装置Bを、湾曲装置A,C,Dの何れかに置換することが可能である。
本発明の一実施形態である湾曲装置は、近年急速に進歩する内視鏡による低侵襲手術システム等において、チューブ内の1個の駆動ユニットで自在な方位に自在な角度だけチューブを電動により湾曲させる事が可能であり、チューブを細く形成でき該チューブの柔軟性も高いため、例えば医療用内視鏡装置等において、最先端部を、曲がりくねった体内器官の奥まで送り込むことが可能である。また、この湾曲装置は、医療用内視鏡装置以外にも工業用内視鏡装置や管内探索装置等としても有用である。
さらに、この湾曲装置は、内視鏡以外にもマイクロロボットのハンドやアクチュエータ等を組み込んで、医療用として治療等に用いたり、工業用として製造等に用いたりすることが可能である。
さらに、この湾曲装置は、内視鏡以外にもマイクロロボットのハンドやアクチュエータ等を組み込んで、医療用として治療等に用いたり、工業用として製造等に用いたりすることが可能である。
1,2,3:駆動ユニット
10:電動アクチュエータ
11:可動軸
12:可振部材
13:圧電ユニット
13a:圧電素子
13b:電極
20:固定ブラケット
30:偏心接続部材
40:長尺状部材
50:接続部材
60:弾性筒状部材(復元手段)
70:管状補強部材
a:チューブ
13c,p:配線
A,B,C,D:湾曲装置
X:内視鏡装置
10:電動アクチュエータ
11:可動軸
12:可振部材
13:圧電ユニット
13a:圧電素子
13b:電極
20:固定ブラケット
30:偏心接続部材
40:長尺状部材
50:接続部材
60:弾性筒状部材(復元手段)
70:管状補強部材
a:チューブ
13c,p:配線
A,B,C,D:湾曲装置
X:内視鏡装置
Claims (7)
- 可撓性のチューブをその内部から電動で湾曲させるようにした湾曲装置において、
前記チューブ内の長手方向に沿う可動軸を電動で軸方向と回転方向へ駆動するようにした電動アクチュエータと、一端側を前記可動軸に接続するとともに他端側を前記接続の箇所から前記チューブの長手方向へ離れた位置で前記チューブの内面に接続した長尺状部材とを備え、
前記長尺状部材と前記可動軸との接続箇所を、前記可動軸の中心に対し偏心した位置とすることで、前記可動軸の後退により前記長尺状部材を牽引した際の牽引方向が、前記可動軸の回転により周方向へ変位するようにしたことを特徴とする湾曲装置。 - 前記チューブの内面に接続されるとともに前記長尺状部材の前記他端側にも接続された接続部材を備え、前記長尺状部材の前記他端側と前記接続部材との接続箇所を、前記チューブの内面から離して配置したことを特徴とする請求項1記載の湾曲装置。
- 前記長尺状部材の前記一端側と前記可動軸との接続箇所が前記可動軸の中心に対し偏心する半径を第1半径とし、前記長尺状部材の前記他端側と前記接続部材との接続箇所が前記可動軸の中心に対し偏心する半径を第2半径とした場合に、第1半径>第2半径の寸法関係が成立するようにしたことを特徴とする請求項2記載の湾曲装置。
- 前記長尺状部材を、前記可動軸に対し回転可能且つ首振り可能に接続するとともに、前記接続部材に対しても回転可能且つ首振り可能に接続したことを特徴とする請求項2又は3記載の湾曲装置。
- 前記電動アクチュエータは、前記可動軸の外周部に接触する可振部材と、該可振部材に固定された圧電素子と、前記圧電素子に固定された電極とを備え、前記電極を周方向及び軸方向へ複数組並び設けていることを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の湾曲装置。
- 前記チューブを湾曲前の状態に戻すように付勢する復元手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至5何れか1項記載の湾曲装置。
- 前記長尺状部材を可撓性長尺体によって形成したことを特徴とする請求項1乃至6何れか1項記載の湾曲装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013075169A JP2014198173A (ja) | 2013-03-29 | 2013-03-29 | 湾曲装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013075169A JP2014198173A (ja) | 2013-03-29 | 2013-03-29 | 湾曲装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014198173A true JP2014198173A (ja) | 2014-10-23 |
Family
ID=52355486
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013075169A Pending JP2014198173A (ja) | 2013-03-29 | 2013-03-29 | 湾曲装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014198173A (ja) |
-
2013
- 2013-03-29 JP JP2013075169A patent/JP2014198173A/ja active Pending
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