JP2014196828A - 倍力機構付きシリンダ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ハウジング(2)に第1ピストン(10)を上下方向へ保密移動可能に挿入し、その第1ピストン(10)の筒孔(14)に第2ピストン(20)を上下方向へ保密移動可能に挿入する。第1ピストン(10)を上方へ押す力を上記の上方への力に倍力変換して第2ピストン(20)に伝達する倍力機構(52)を設ける。その倍力機構(52)は、上記第1ピストン(10)と上記第2ピストン(20)との間に周方向へ所定の間隔をあけて配置された複数の係合ボール(58)を有する。上記係合ボール(58)は、上記第2ピストン(20)に対して上記第1ピストン(10)を上方へ相対移動させない状態と上方へ相対移動させて倍力駆動する状態とに切り換え可能に構成される。
【選択図】図1
Description
そして、上記クランプロッドをロック駆動するときには、上記第1ロック室および第2ロック室に圧縮空気を供給して、上記第1ピストン及び第2ピストンを下向きに駆動する。すると、まず、上記ロック駆動の低負荷ストローク時に第2ピストンが当該クランプロッドを下向きに駆動し、その後の高負荷ストローク時に第1ピストンが倍力機構を介して当該クランプロッドを下向きに倍力駆動する。
本発明では、第1ピストンに貫通させた筒孔に第2ピストンを挿入することにより、上記2つのピストンを並列状に配置したので、2つのピストンを直列状に配置した前記の従来技術とは異なり、ハウジングの高さを大幅に小さくしてシリンダ装置をコンパクトに造れる。
前記倍力機構52の倍力駆動の開始時に前記係合ボール58を半径方向の内方へ押し出すための押部66であって、その倍力駆動が開始される前の低負荷ストローク時に前記係合ボール58を前記第2ピストン20の外周面へ向けて半径方向の内方へ押す押部66を、前記第1ピストン10に設ける。
前記ハウジング2の一方の端壁(2a,2b)から他方の端壁(2b,2a)へガイド筒6を突出させる。前記倍力機構52は、前記ガイド筒6の筒壁6aに周方向へ所定の間隔をあけて形成されると共に半径方向へ貫通された支持孔56と、各支持孔56に挿入された前記係合ボール58と、当該係合ボール58が係合するように前記第2ピストン20の外周に形成されたカム面62であって前記他方の端壁(2b,2a)へ向かうにつれて軸心に近づくように形成されたカム面62と、前記第1ピストン10の前記筒孔14に形成されると共に前記他方の端壁(2b,2a)へ向かうにつれて軸心に近づくように形成された倍力面64と、を備える。
上記シリンダ装置1はハウジング2を有し、そのハウジング2が上端壁2aと下端壁2bと胴部2cとを備える。上記ハウジング2が複数のボルトによってワークパレット等の固定側部材に固定されている(いずれも図示せず)。
上記シリンダ孔4に、倍力用の第1ピストン10が外封止部材12を介して上下方向へ保密移動可能に挿入される。上記第1ピストン10に筒孔14が上下方向へ貫通され、その筒孔14に第2ピストン20が上下方向へ移動可能に挿入される。
その大径部28の外周に設けたガイド面32が前記ガイド筒6の筒孔に挿入される。上記ピストン本体24の外径寸法は、上記ガイド筒6の内径寸法よりも大きい値に設定される。また、上記の小径部30は、前記の上端壁2aよりも上方へ突出されると共に、その上端壁2aの貫通孔34に上封止部材36を介して保密状に挿入される。その上封止部材36は、スクレーパの機能も備えている。
なお、前記ガイド筒6の筒壁6aと上記出力ロッド26との間には、直進ガイド手段(図示せず)が設けられている。その直進ガイド手段は、第2ピストン20を上下方向へ真っ直ぐに案内すると共に上記第2ピストン20が軸心回りに回転するのを防止するように機能する。
上記ロック室40は、第1ピストン10の下側の第1ロック室40aと第2ピストンの下側の第2ロック室40bとを備える。これら2つのロック室40a,40bが、第1ピストン10の下端面に形成した横溝44によって連通可能になっている(後述の図2Aを参照)。
前記リリース室42は、第1ピストン10の上側の第1リリース室42aと、出力ロッド26の大径部28の上側の第2リリース室42bとを備える。これら2つのリリース室42a,42bが、ガイド筒6の筒壁6aの上部に形成した横孔46によって連通されている。
なお、上記第1ロック室40aに保持バネ47が装着され、その保持バネ47が第1ピストン10を上方へ付勢している。また、第2ピストン20において、ピストン本体24の受圧面積は、出力ロッド26の小径部30の受圧面積よりも大きい値に設定される。
ガイド筒6の筒壁6aの下部に、4つの支持孔56が、周方向へ所定の間隔をあけて形成されると共に半径方向へ貫通される。各支持孔56に係合ボール58が挿入される。上記係合ボール58に対応させて出力ロッド26の大径部28の外周にカム溝60が形成される。そのカム溝60の底壁に形成したカム面62は、下方へ向かうにつれて軸心に近づくように形成されている。換言すると、上記カム面62は、下方のロック室40へ向かうにつれて小径になるように形成されている。そして、上記の各カム面62に係合ボール58が係合可能になっている。
また、前記第1ピストン10の前記筒孔14の上半部分に倍力面64が形成される。その倍力面64は、テーパ面からなり、下方へ向かうにつれて(ロック室40へ向かうにつれて)軸心に近づくように形成されている。
図2Aのリリース状態では、ロック室40の圧縮空気が排出されると共にリリース室42に圧縮空気が供給されている。これにより、リリース室42の圧縮空気が第1ピストン10を下降させると共に第2ピストン20を下降させている。
上記リリース状態でハウジング2の上方にワーク(被押圧部材)Wが搬入される。
より詳しくいえば、ロック室40の圧縮空気の圧力と保持バネ47の付勢力との合力が第1ピストン10に上向き作用し、前記押部66が係合ボール58を出力ロッド26のガイド面32に押圧するので、その押圧力が第2ピストン20の摺動抵抗となる。さらには、その第2ピストン20には前記の封止部材22,36からも摺動抵抗が作用する。従って、第2ピストン20は、上記の摺動抵抗に抗して上昇されていくのである。
そして、図2Bに示す低負荷上昇の終期には、係合ボール58がカム面62に係合し始める直前の状態となる。
上記ロック状態では、第1ピストン10から倍力機構52を介して第2ピストン20に作用する力と上記第2ピストン20に作用する空圧力との合力が上向きに作用して、上記出力ロッド26がワークWを強力に押圧する。なお、何らかの原因で前記ロック室40の圧力が低下または消失した場合であっても、前記保持バネ47の付勢力が倍力機構52(倍力面64,係合ボール58,カム面62等)の楔作用を介して上記ロック状態を機械的に保持するので、そのロック状態が確実に維持される。
これにより、図2Cに示すように、上記出力ロッド26のカム面62が係合ボール58を半径方向の外方へ押圧し始める。引き続いて、図2Bに示すように、第1ピストン10の下降が下端壁2bによって阻止され、これとほぼ同時に、上記出力ロッド26のガイド面32が係合ボール58を半径方向の外方へ押し出す。このため、第1ピストン10と第2ピストン20との連結状態が解除されると共に、上記第1ピストン10が係合ボール58を介してガイド筒6に受け止められ、その第1ピストン10の上昇が阻止される。その後、図2Aに示すように、上下移動が阻止された第1ピストン10に対して第2ピストン20がさらに下降される。
なお、上記シリンダ装置1のリリース駆動は、前記の第1実施形態で説明したように、上記ロック駆動とは逆の手順でなされる。
上述した別体形のカム部材86は、後述の各実施形態にも適用できることは勿論である。
前記ガイド筒6は、ハウジング2の下端壁2bから上方へ(上端壁2aへ向けて)突出される。上記ガイド筒6の上部に支持孔56が形成される。
前記の複数のカム面62は第2ピストン20のピストン本体24の下部に設けられる。
また、前記の倍力面64は、第1ピストン10の筒孔14の上下方向の途中部に設けられる。
さらに、この第3実施形態では、前記の倍力機構52及び切換機構54がロック室40内に配置されている。
また、この第3実施形態では、前記の図4中の保持バネ47が省略されている。なお、その保持バネ47は、前記図1の第1実施形態や後述の各実施形態においても省略可能である。
前記ハウジング2に挿入した第1ピストン10の筒孔14に、第2ピストン20のピストン本体24が挿入され、そのピストン本体24から上方へ出力ロッド26が突出されると共に、上記ピストン本体24から下方へ下ロッド部分88が突出される。上記第1ピストン10及び第2ピストン20の上側にロック室40が形成されると共に下側にリリース室42が形成される。上記リリース室42内に倍力機構52と切換機構54が設けられる。
即ち、この第4実施形態では、第1ピストン10と第2ピストン20と倍力機構52と切換機構54が、前記の第1実施形態と比べると、上下逆に配置されている。
下ロッド部分88には、複数のガイド溝93が周方向へ等間隔に形成されるにこでは一つのガイド溝93だけを示している)。各ガイド溝93は、螺旋状の旋回溝93aと直進溝93bとを上向きに連ねて構成される(図6Bを参照)。上記各ガイド溝93に嵌合される案内ボール94は上記ガイド筒6に支持される。上記案内ボール94と螺旋状の旋回溝93aとによって旋回機構が構成されている。
図6Aのリリース状態では、ロック室40の圧縮空気が排出されると共にリリース室42に圧縮空気が供給されている。これにより、リリース室42の圧縮空気が第1ピストン10と第2ピストン20を上方へ押し、前記クランプ部材77が旋回退避状態に切り換えられている。上記第1ピストン10は、係合ボール58を介してハウジング2のガイド筒6に受け止められて下方移動が阻止されている。
すると、まず、ロック室40の圧縮空気が、第2ピストン20を下方へ押して出力ロッド26を低負荷で下降させていく。これにより、図6Bに示すように、前記の案内ボール94が旋回溝93aを介して上記出力ロッド26及び前記クランプ部材77を低負荷で旋回させながら下降させる。
上記ガイド機構92は、例示の構造に限定されないことは勿論である。例えば、ガイド溝93に嵌合する案内部材は、例示のボール94に代えて円柱状のピンを利用してもよい。
また、前記の下ロッド部分88の下部を下端壁2bよりも下方へ突出させると共に、その下端壁2bに上記の突出部分を保密状に挿入し、上記突出部分の下部に、シリンダ装置の作動状態の被検出部を連結し、その被検出部にリミットスイッチ等のセンサを対面させてもよい。
上記の第4実施形態においては、前記ガイド溝93と案内ボール94を省略して、クランプ部材77を上下方向だけに移動させるようにしてもよい。
横向きに配置したハウジング2の右部に、前記図2Aと同様の倍力機構付きシリンダ装置1が設けられる。また、ハウジング2の左下部にクランプ部材77が支持ピン98を介して揺動可能に支持される。上記の揺動式クランプ部材77の途中高さ部に、前記出力ロッド26の左端部が、左右方向へ押し引き可能に連結される。
図7のリリース状態では出力ロッド26が右方へ後退し、クランプ部材77も時計回りの方向へ後退揺動している。ロック駆動時に出力ロッド26を左方へ進出させると、クランプ部材77が反時計回りの方向へ進出揺動し、そのクランプ部材77の出力部77aが金型Dを押圧する。
前記出力ロッド26は、大径部28と小径部30とを備えた段付き形状に構成することに代えて、ストレート形状に構成してもよい。
前記の係合ボール58の設置数量は、3つ又は4つが好ましいが、2つ又は5つ以上であってもよい。
上記係合ボール58が挿入される前記支持孔56は、ガイド筒6の周壁6aに水平方向へ貫通させることに代えて、斜め方向へ貫通させてもよい。
本発明のシリンダ装置に使用される圧力流体は、例示した圧縮空気に代えて、他の圧縮気体や圧油等の液体であってもよい。
シリンダ装置の設置姿勢は、例示した姿勢とは上下逆の姿勢であってもよく、また、水平方向に設置したり斜め方向に設置してもよい。
その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行えることは勿論である。
Claims (4)
- ハウジング(2)に軸方向へ保密移動可能に挿入された第1ピストン(10)であって、軸方向へ貫通された筒孔(14)を有する第1ピストン(10)と、
上記筒孔(14)に軸方向へ保密移動可能に挿入された第2ピストン(20)と、
上記第1ピストン(10)を軸方向の一端側へ押す力を当該一端側への力に倍力変換して上記第2ピストン(20)に伝達する倍力機構(52)であって、上記第1ピストン(10)と上記第2ピストン(20)との間に周方向へ所定の間隔をあけて配置された複数の係合ボール(58)を有する倍力機構(52)と、を備え、
上記係合ボール(58)は、上記第2ピストン(20)に対して上記第1ピストン(10)を上記一端側へ相対移動させない状態と当該一端側へ相対移動させて倍力駆動する状態とに切り換え可能に構成される、
ことを特徴とする倍力機構付きシリンダ装置。 - ハウジング(2)に軸方向へ保密移動可能に挿入された第1ピストン(10)であって、軸方向へ貫通された筒孔(14)を有する第1ピストン(10)と、
上記筒孔(14)に軸方向へ保密移動可能に挿入された第2ピストン(20)と、
上記第1ピストン(10)を軸方向の一端側へ押す力を当該一端側への力に倍力変換して上記第2ピストン(20)に伝達する倍力機構(52)であって、上記第1ピストン(10)と上記第2ピストン(20)との間に周方向へ所定の間隔をあけて配置された複数の係合ボール(58)を有する倍力機構(52)と、を備え、
上記倍力機構(52)の倍力駆動が開始される前の低負荷ストローク時には、上記第2ピストン(20)の外周面が上記係合ボール(58)を半径方向の内方から受け止めると共に、当該第2ピストン(20)が上記第1ピストン(10)に対して上記一端側へ移動可能に構成される、
ことを特徴とする倍力機構付きシリンダ装置。 - 請求項1又は2の倍力機構付きシリンダ装置において、
前記倍力機構(52)の倍力駆動の開始時に前記係合ボール(58)を半径方向の内方へ押し出すための押部(66)であって、その倍力駆動が開始される前の低負荷ストローク時に前記係合ボール(58)を前記第2ピストン(20)の外周面へ向けて半径方向の内方へ押す押部(66)を、前記第1ピストン(10)に設けた、
ことを特徴とする倍力機構付きシリンダ装置。 - 請求項1から3のいずれかの倍力機構付きシリンダ装置において、
前記ハウジング(2)の一方の端壁(2a,2b)から他方の端壁(2b,2a)へガイド筒(6)を突出させ、
前記倍力機構(52)は、前記ガイド筒(6)の筒壁(6a)に周方向へ所定の間隔をあけて形成されると共に半径方向へ貫通された支持孔(56)と、各支持孔(56)に挿入された前記係合ボール(58)と、当該係合ボール(58)が係合するように前記第2ピストン(20)の外周に形成されたカム面(62)であって前記他方の端壁(2b,2a)へ向かうにつれて軸心に近づくように形成されたカム面(62)と、前記第1ピストン(10)の前記筒孔(14)に形成されると共に前記他方の端壁(2b,2a)へ向かうにつれて軸心に近づくように形成された倍力面(64)と、を備える、
ことを特徴とする倍力機構付きシリンダ装置。
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