JP2014195998A - 圧電素子の製造方法及び圧電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧電体層の劣化や破壊を抑制して、低エネルギーで圧電特性を向上することができる液体噴射ヘッドの製造方法、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】ノズル開口に連通する圧力発生室に圧力変化を生じさせる、第1電極、圧電体層及び第2電極を有する圧電素子を具備した液体噴射ヘッドの製造方法であって、前記圧電体層は、ペロブスカイト型構造を有し、前記圧電体層は(100)面に優先配向しており、前記圧電体層に印加される電界方向が、前記第2電極が設けられた面に対して垂直な<001>方向であるとき、<111>方向の分極方向を<110>方向にするのに要するエネルギーよりも大きく、<111>方向の分極方向を<00>方向にするのに要するエネルギーより小さいエネルギーの電界を印加して、前記圧電体層の分極処理を行う分極工程を有する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、第1電極、圧電体層及び第2電極からなる圧電素子を具備する液体噴射ヘッドの製造方法、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関する。
インクジェット式記録ヘッド等の液体噴射ヘッドに用いられる圧電素子は、電気機械変換機能を呈する圧電材料からなる圧電体層を2つの電極で挟んだ素子であり、圧電体層としては、鉛、ジルコニウム及びチタンを含んだ、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等を用いたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−223404号公報
液体噴射ヘッド等に用いられる圧電素子に、低い電圧で大きな変位量を得ることができる優れた圧電特性を出させるには、印加電界の方向に分極モーメントのベクトル成分があることが重要である。これは、電界の方向とは逆方向の分極モーメントを有するドメインは、圧電特性を低下させるように寄与するからである。
このため、例えば、圧電体層を形成した後、圧電体層に液体噴射時に印加する駆動電界と同一方向の電界を印加して、分極モーメントの方向を揃える初期化を行っている。
しかしながら、圧電体層の分極モーメントを揃える初期化を行う際、比較的大きな電界を印加して初期化を行っていたため、大きなエネルギーが必要となりコストが増大すると共に、大きな電界を印加することによって圧電体層の劣化や破壊などが生じる虞があった。
なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッドに限定されず、インク以外の他の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、圧電体層の劣化や破壊を抑制して、低エネルギーで圧電特性を向上することができる液体噴射ヘッドの製造方法、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室に圧力変化を生じさせる、第1電極、圧電体層及び第2電極を有する圧電素子を具備した液体噴射ヘッドの製造方法であって、前記圧電体層は、ペロブスカイト型構造を有し、前記圧電体層は(100)面に優先配向しており、前記圧電体層に印加される電界方向が、前記第2電極が設けられた面に対して垂直な<001>方向であるとき、<111>方向の分極方向を<110>方向にするのに要するエネルギーよりも大きく、<111>方向の分極方向を<00>方向にするのに要するエネルギーより小さいエネルギーの電界を印加して、前記圧電体層の分極処理を行う分極工程を有することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる態様では、比較的低いエネルギーの電界強度の電界を印加して分極処理を行うことができ、コストを低減して、圧電体層の破壊を抑制することができる。
ここで、前記分極工程において、電界の印加により前記圧電体層の分極方向が<111>方向から<11>方向へ変化する際に、変化途中の前記分極方向が<110>方向を向くことが好ましい。これによれば、比較的小さい印加電圧で<111>方向の分極方向を<110>方向を通過させて<11>方向に変化させることができる。
また、前記分極工程において、前記圧電体層は分極モーメントが消失する常誘電性状態とならないことが好ましい。これによれば、分極工程中に分極モーメントが反転する際に、常誘電性状態とすると、かなり高いエネルギー状態を要するが、常誘電性状態とならないようにすることで、小さい印加電圧で分極モーメントを反転させて初期化することができるため、圧電体層の絶縁破壊を抑制することができる。
また、前記圧電体層が、鉛、ジルコニウム及びチタンを含むことが好ましい。これによれば、圧電特性に優れた圧電素子を実現できる。
また、前記圧電体層の前記第2電極が設けられた面方向の格子定数よりも、当該第2電極が設けられた面に垂直な方向の格子定数が小さいことが好ましい。これによれば、圧電特性に優れた圧電素子を実現できる。
また、前記圧電体層が、単斜晶系であることが好ましい。これによれば、耐久性及び圧電特性に優れた圧電素子を実現できる。
さらに本発明の他の態様は、上記態様の何れかに記載の製造方法によって製造された液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、低コストで且つ液体噴射特性に優れた液体噴射ヘッドを実現できる。
また本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、低コストで印刷品質に優れた液体噴射装置を実現できる。
実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。 実施形態1に係る結晶の格子モデルを示す図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 実施形態1に係る結晶の分極軸方向の変化を模式的に示す図である。 本実施形態の第一原理電子状態計算の結果を示すグラフである。 一実施形態に係る記録装置の概略図である。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの概略構成を示す分解斜視図であり、図2は、流路形成基板の平面図及びそのA−A′断面図である。
図示するように、流路形成基板10は、本実施形態ではシリコン単結晶基板からなり、その一方の面には二酸化シリコンを主成分とする弾性膜50が形成されている。
流路形成基板10には、複数の圧力発生室12がその幅方向に並設されている。また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向外側の領域には連通部13が形成され、連通部13と各圧力発生室12とが、各圧力発生室12毎に設けられたインク供給路14及び連通路15を介して連通されている。連通部13は、後述する保護基板のリザーバー部31と連通して各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバーの一部を構成する。インク供給路14は、圧力発生室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。なお、本実施形態では、流路の幅を片側から絞ることでインク供給路14を形成したが、流路の幅を両側から絞ることでインク供給路を形成してもよい。また、流路の幅を絞るのではなく、厚さ方向から絞ることでインク供給路を形成してもよい。
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が、接着剤や熱溶着フィルム等によって固着されている。なお、ノズルプレート20は、例えばガラスセラミックス、シリコン単結晶基板又はステンレス鋼などからなる。
一方、このような流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述したように、弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、絶縁体膜55が形成されている。さらに、この絶縁体膜55上には、第1電極60と圧電体層70と第2電極80とが、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部320という。本実施形態では、第1電極60を圧電素子300の共通電極とし、第2電極80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせてアクチュエーター装置と称する。なお、上述した例では、弾性膜50、絶縁体膜55及び第1電極60が振動板として作用するが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、弾性膜50及び絶縁体膜55を設けずに、第1電極60のみが振動板として作用するようにしてもよい。また、圧電素子300自体が実質的に振動板を兼ねるようにしてもよい。
圧電体層70は、第1電極60上に形成される分極構造を有する一般式ABO3で示されるペロブスカイト型構造を有する圧電材料からなる。圧電体層70としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の強誘電体材料や、これに酸化ニオブ、酸化ニッケル又は酸化マグネシウム等の金属酸化物を添加したもの等が好適である。具体的には、チタン酸鉛(PbTiO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3)、ジルコニウム酸鉛(PbZrO3)、チタン酸鉛ランタン((Pb,La),TiO3)、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン((Pb,La)(Zr,Ti)O3)又は、マグネシウムニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛(Pb(Zr,Ti)(Mg,Nb)O3)等を用いることができる。これらの結晶は全て擬キュービックのペロブスカイト型構造であり、代表的な格子定数は405pm〜425pm程度である。
また、圧電体層70は、結晶が(100)面に優先配向しており、その結晶構造は、菱面体晶系(rhombohedral)又は単斜晶系(monoclinic)となっている。なお、本発明で「結晶が(100)面に優先配向している」とは、全ての結晶が(100)面に配向している場合と、ほとんどの結晶(例えば、90%以上)が(100)面に配向している場合と、を含むものである。また、本発明で「結晶構造が、菱面体晶系(rhombohedral)となっている」とは、全ての結晶が菱面体晶系である場合と、ほとんど全ての結晶(例えば、90%以上)が菱面体晶系であり、菱面体晶系ではない残りの結晶が、単斜晶系(monoclinic)、正方晶系(tetragonal)等である場合と、を含むものである。なお、本実施形態においては、圧電体層70は結晶構造が単斜晶系(monoclinic)となっている。
さらに、圧電体層70は、分極モーメントの向いている方向を示す分極方向が膜面垂直方向(圧電体層70の厚さ方向、すなわち、第1電極60又は第2電極80が設けられた面に対して垂直な方向)に対して所定角度傾いているエンジニアード・ドメイン配置であることが望ましい。圧電体層70の分極方向がエンジニアード・ドメイン配置となることで、圧電体層70として良好な圧電特性を得ることができる。
ここで、圧電体層70の結晶構造は、上述のように一般式ABO3で示されるペロブスカイト型構造を有するものである。したがって、圧電体層70としてPb(Zr,Ti)O3を用いた場合には、図3に示すように、Aサイトには鉛(Pb)、Bサイトにはジルコニウム(Zr)又はチタン(Ti)、Cサイトには酸素(O)が配置される。そして、圧電体層70の分極方向がエンジニアード・ドメイン配置になっているとは、図3に示すように、圧電体層70を構成する結晶を擬立方晶で表記した際に、膜面内(第1電極60又は第2電極80が設けられた面内)における結晶軸をa軸<100>方向、b軸<010>方向とし、膜面垂直方向をc軸<001>方向としたとき、略中心のBサイトを基点として、分極モーメントの向いている方向を示す分極方向がc軸のプラス方向である<111>方向、<11>方向、<11>方向、<111>方向と、c軸のマイナス方向である<11>方向、<>方向、<111>方向、<111>方向との8方向となっていることを言う。なお、上記方向を示す下線は、各軸におけるマイナス方向を示している。したがって、c軸のプラス方向は、<111>方向、<−111>方向、<1−11>方向、<−1−11>方向と、c軸のマイナス方向である<11−1>方向、<−11−1>方向、<1−1−1>方向、<−1−1−1>方向とも書き換えることができる。ちなみに、圧電体層70の分極方向がエンジニアード・ドメイン配置となっているとは、分極方向が擬立方晶の表記で上述した<111>方向等に完全に一致している場合と、分極方向が上述した<111>方向と僅かにずれているが、略<111>方向等になっている場合と、を含むものである。分極方向が略<111>方向になっている場合とは、例えば、分極方向が、<111>方向と<100>方向との間にあり、分極方向と<111>方向とのなす角度が、例えば10度以下である場合などである。このように分極が<111>方向からずれることにより、圧電体層70は単斜晶系となり、より高い変位量を得ることができる。
圧電体層70の面内(第2電極80が設けられた面)の格子定数(a軸、b軸)は、この面に垂直な方向、すなわち厚さ方向の格子定数(c軸)に比べて大きいものが好ましい。すなわち、a軸、b軸の格子定数よりも、c軸の格子定数が小さいものが好ましい。このように、圧電体層70として、面内の格子定数(a軸、b軸)をc軸の格子定数よりも大きいものを用いることで、圧電体層70を低い駆動電圧で大きな変位量を得ることができる、いわゆる高い変位特性の圧電体層70を用いることができ、インク(液体)噴射特性を向上することができる。ここで、本実施形態とは異なる厚膜(バルク粉末)の場合において菱面体晶系となる組成の圧電体層70(例えば、PZT)であったとしても、本実施形態のように圧電体層70が薄膜の場合には、面内応力(引っ張り応力)を利用することにより、c軸よりもa軸の格子定数を大きくすることができる。また、このとき結晶構造は単斜晶系となる。
圧電体層70の厚さについては、製造工程でクラックが発生しない程度に厚さを抑え、且つ十分な変位特性を呈する程度に厚く形成する。例えば、本実施形態では、圧電体層70を0.5〜2.0μm前後の厚さで形成した。ここで、圧電体層70の膜厚をこの範囲とすることにより、インク滴(液滴)の吐出量を向上することができる。例えば、圧電体層70の膜厚を1.1μmとし、圧力発生室12の横幅(最短幅)を60μm、駆動電圧を25Vとした際には、弾性膜50の膜面垂直方向(厚さ方向)への変位は300nm程度の大きな変異を得ることができ、結果、5ピコリットル程度のインク滴の吐出が可能となる。
また、圧電素子300の個別電極である各第2電極80には、インク供給路14側の端部近傍から引き出され、絶縁体膜55上にまで延設される、例えば、金(Au)等からなるリード電極90が接続されている。
このような圧電素子300が形成された流路形成基板10上、すなわち、第1電極60、絶縁体膜55及びリード電極90上には、リザーバー100の少なくとも一部を構成するリザーバー部31を有する保護基板30が接着剤35を介して接合されている。このリザーバー部31は、本実施形態では、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバー100を構成している。また、流路形成基板10の連通部13を圧力発生室12毎に複数に分割して、リザーバー部31のみをリザーバーとしてもよい。さらに、例えば、流路形成基板10に圧力発生室12のみを設け、流路形成基板10と保護基板30との間に介在する部材(例えば、弾性膜50、絶縁体膜55等)にリザーバーと各圧力発生室12とを連通するインク供給路14を設けるようにしてもよい。
また、保護基板30の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電素子保持部32が設けられている。圧電素子保持部32は、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有していればよく、当該空間は密封されていても、密封されていなくてもよい。
このような保護基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
また、保護基板30には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられている。そして、各圧電素子300から引き出されたリード電極90の端部近傍は、貫通孔33内に露出するように設けられている。
また、保護基板30上には、並設された圧電素子300を駆動するための駆動回路120が固定されている。この駆動回路120としては、例えば、回路基板や半導体集積回路(IC)等を用いることができる。そして、駆動回路120とリード電極90とは、ボンディングワイヤー等の導電性ワイヤーからなる接続配線121を介して電気的に接続されている。
また、このような保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料からなり、この封止膜41によってリザーバー部31の一方面が封止されている。また、固定板42は、比較的硬質の材料で形成されている。この固定板42のリザーバー100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバー100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドでは、図示しない外部インク供給手段と接続したインク導入口からインクを取り込み、リザーバー100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路120からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの第1電極60と第2電極80との間に電圧を印加し、弾性膜50、絶縁体膜55、第1電極60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
ここで、インクジェット式記録ヘッドの製造方法について、図4〜図7を参照して説明する。なお、図4〜図7は、インクジェット式記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。
まず、図4(a)に示すように、流路形成基板10が複数一体的に形成されるシリコンウェハーである流路形成基板用ウェハー110の表面に弾性膜50を構成する二酸化シリコン(SiO2)からなる二酸化シリコン膜51を形成する。次いで、図4(b)に示すように、弾性膜50(二酸化シリコン膜51)上に、酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜55を形成する。
次いで、図4(c)に示すように、白金及びイリジウムからなる第1電極60を絶縁体膜55上に形成した後、所定形状にパターニングする。第1電極60の形成方法は特に限定されないが、例えば、スパッタリング法や化学蒸着法(CVD法)などが挙げられる。なお、本実施形態では、第1電極60の材料として白金及びイリジウムを用いるようにしたが、第1電極60の材料は、特にこれに限定されず、白金又はイリジウムだけであってもよく、またその他の金属材料を用いるようにしてもよい。
次に、図5(a)に示すように、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層70と、例えば、イリジウムからなる第2電極80とを流路形成基板用ウェハー110の全面に形成する。なお、圧電体層70の形成方法は、本実施形態では、金属有機物を溶媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電体層70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用いて圧電体層70を形成した。なお、圧電体層70の形成方法は、特に限定されず、例えば、MOD(Metal-Organic Decomposition)法、スパッタリング法又はレーザーアブレーション法等のPVD(Physical Vapor Deposition)法等を用いてもよい。
次に、図5(b)に示すように、第2電極80及び圧電体層70を同時にエッチングすることにより各圧力発生室12に対応する領域に圧電素子300を形成する。ここで、第2電極80及び圧電体層70のエッチングは、例えば、反応性イオンエッチングやイオンミリング等のドライエッチングが挙げられる。
次に、図5(c)に示すように、流路形成基板用ウェハー110の全面に亘って金(Au)からなるリード電極90を形成後、各圧電素子300毎にパターニングする。
次に、図6(a)に示すように、保護基板用ウェハー130を、流路形成基板用ウェハー110上に接着剤35を介して接着する。ここで、この保護基板用ウェハー130は、保護基板30が複数一体的に形成されたものであり、保護基板用ウェハー130には、リザーバー部31及び圧電素子保持部32が予め形成されている。保護基板用ウェハー130を接合することによって流路形成基板用ウェハー110の剛性は著しく向上することになる。
次いで、図6(b)に示すように、流路形成基板用ウェハー110を所定の厚みに薄くする。
次いで、図6(c)に示すように、流路形成基板用ウェハー110上にマスク52を新たに形成し、所定形状にパターニングする。そして、図7に示すように、流路形成基板用ウェハー110をマスク52を介してKOH等のアルカリ溶液を用いた異方性エッチング(ウェットエッチング)することにより、圧電素子300に対応する圧力発生室12、連通部13、インク供給路14及び連通路15等を形成する。
その後は、流路形成基板用ウェハー110表面のマスク52を除去し、流路形成基板用ウェハー110及び保護基板用ウェハー130の外周縁部の不要部分を、例えば、ダイシング等により切断することによって除去する。そして、流路形成基板用ウェハー110の保護基板用ウェハー130とは反対側の面にノズル開口21が穿設されたノズルプレート20を接合すると共に、保護基板用ウェハー130にコンプライアンス基板40を接合し、流路形成基板用ウェハー110等を図1に示すような一つのチップサイズの流路形成基板10等に分割する。
その後、圧電体層70に電界を印加して分極処理を行う。ここで分極処理とは、圧電素子300の製造時に結晶の分極方向が任意の方向を向いている圧電体層70に対して、圧電体層70の一方向(第1電極60と第2電極80とを結ぶ方向、すなわち、圧電体層70の膜厚方向)に電界を印加して、分極モーメントのc軸方向(電界印加方向)の成分の方向を揃えることを言う。ここで、分極処理時の電界EIの方向は、インクジェット式記録ヘッドIの使用時の実駆動電界ER方向と同じ方向であり、分極処理時の電界EIの大きさはインクジェット式記録ヘッドIの使用時の実駆動電界ERの絶対値よりも大きくする。そうすることで分極処理を十分に行うことができ、インクジェット式記録ヘッドIの使用時に十分な圧電変位を得ることができる。例えば、代表的な分極処理時の電界EIの大きさは30V〜60Vである。圧電体層70を十分に分極処理するためには、より大きな分極処理時の電界EIの値が求められるが、一方で分極処理時の電界EIが大きいと、分極処理時の駆動回路にかかるコストが大幅に増大する。また、分極処理時に大きな電界EIを圧電体層70に印加することで、圧電体層70自体にクラックが入ってしまい構造破壊に至ることもある。このため、分極処理時に小さな電界EIを印加することにより十分な分極処理を行うことが求められる。
本実施形態では、圧電体層70に膜面(すなわち、第1電極60又は第2電極80が設けられた面)に対して垂直な方向である<001>方向(第1電極60から第2電極80に向かって)に電界を印加する。具体的には、例えば、図8に示すように、分極方向が<111>方向、<11>方向、<11>方向、<111>方向となっているものに対して、<00>方向に電界を印加することによって、分極方向をそれぞれ<11>方向、<>方向、<111>方向、<111>方向とする。すなわち、例えば、分極方向が<111>方向である分極モーメントP1を、<111>方向である分極モーメントP5等にするのではなく、<111>方向の分極モーメントP1を、c軸のみを移動させて<11>方向の分極モーメントP3とする。
このときの印加電界の大きさ(電界強度)は、分極方向が<111>方向であるとき(分極モーメントP1)、この分極方向を<110>方向の分極方向(分極モーメントP2)にするのに必要なエネルギーよりも大きく、<111>方向の分極方向(P1)を<00>方向の分極方向(分極モーメントP4)にするのに必要なエネルギーよりも小さくする。このような電界強度の電界を印加することによって、<111>方向の分極方向(P1)を<110>方向(P2)を通過させて、<11>方向(P3)とすることができる。同様に、その他の分極方向、すなわち、<11>方向、<11>方向、<111>方向のものをそれぞれ<10>方向、<10>方向、<110>方向を通過させて<>方向、<111>方向、<111>方向とすることができる。
ここで、例えば、分極方向が<111>方向の分極モーメントP1を、<110>方向の分極モーメントP2、<11>方向の分極モーメントP3、<00>方向の分極モーメントP4、<111>方向の分極モーメントP5となるように移動させた際の経路とエネルギー(meV/cell)との関係を、第一原理電子状態計算で求めた。この結果を図9に示す。なお、図9中、「neutral」は常誘電性状態を示す。また、図9では、圧電体層70の1単位格子を示す1 unit cellで求めた。なお、圧電体層70が常誘電性状態となっているとは、分極モーメントが消失し、分極モーメントが存在していない状態を言う。
図9に示すように、分極方向が<111>方向の分極モーメントP1を<110>方向を通過させて<11>方向まで移動させた分極モーメントP3とするには、約20meV/cell必要なのに対し、分極方向が<111>方向の分極モーメントP1を<110>方向と<00>方向とを通過させて<111>方向まで移動させた分極モーメントP5とするには、約40meV/cell以上必要となる。また、分極方向を<111>方向から正反対の方向である<111>方向に反転させる経路としては、上述した<110>方向と<00>方向とを通過させるのが必要となるエネルギーが最も低いと考えられる。
また、図9に示す線200は、結晶のa軸長とb軸長とが同じ長さ(例えば、420pm)の場合である。a軸長(b軸長)がc軸長よりも長い場合(例えば、1.01倍)には、図9に示す線200Aとなり、<111>方向の分極モーメントを<00>方向を通過させるには、さらに大きなエネルギーが必要となることが分かる。ここで、本実施形態にて行った第一原理電子状態計算は、Generalized Gradient近似の範囲での密度汎関数法に基づき、超ソフトポテンシャル法を用いて行った。エネルギーカットオフは、40ハートリー、電子密度のカットオフは36ハートリーとし、逆格子空間のk点メッシュは4×4×4とした。
以上のことから、圧電体層70の分極処理を行う電界強度は、分極方向が<111>方向であるとき、<110>方向を通過させて<11>方向とする大きさ、すなわち、分極方向を<110>方向の分極方向にするのに必要なエネルギーよりも大きく、<111>方向の分極方向を<00>方向の分極方向にするのに必要なエネルギーよりも小さくすることで、分極方向を正反対に反転させることなく、低いエネルギーで分極処理を行うことができる。
このように、印加する電界の電界強度を規定することで、分極方向を反転させる経路を規定することができる。そして、最もエネルギーが小さくて済む経路を通過させることで、電界強度を小さくすることができ、省エネルギー化してコストを低減することができる。また、圧電体層70に大きな電界を印加して分極処理を行う必要がないため、圧電体層70に電界を印加することによるダメージを抑制することができる。特に、a軸長(b軸長)がc軸長よりも大きな格子定数の圧電体層70を用いた場合、このような効果がさらに顕著に現れる。
また、分極工程において、圧電体層70は、分極モーメントが消失する常誘電性状態とならないことが好ましい。すなわち、図9に示すように、本実施形態では、圧電体層70の分極処理を行う電界強度は、分極方向が<111>方向であるとき、<110>方向を通過させて<11>方向とする大きさ、すなわち、分極方向を<110>方向の分極方向にするのに必要なエネルギーよりも大きく、<111>方向の分極方向を<00>方向の分極方向にするのに必要なエネルギーよりも小さくすることで、そのエネルギーは圧電体層70を常誘電性状態「neutral」(図9)としない大きさと言える。
ちなみに、図9に示すように、分極工程中に分極モーメントが反転する際に、常誘電性状態とするには、かなり高いエネルギー状態(<111>方向の分極方向を<00>方向の分極方向にするのに必要なエネルギーよりもかなり高いエネルギー)を要するが、圧電体層70が常誘電性状態とならないエネルギーで分極工程を行うことで、小さい印加電圧で分極モーメントを反転させて初期化することができるため、圧電体層70に印加する電圧を低くして圧電体層70の絶縁破壊を抑制することができる。
なお、本実施形態では、分極処理を行う電界強度が、<111>方向の分極方向を基準として、<110>方向の分極方向にするのに必要なエネルギーよりも大きく、<111>方向の分極方向を<00>方向の分極方向にするのに必要なエネルギーよりも小さいと説明したが、これは、他の方向を基準とした分極方向でも言い換えることができる。すなわち、例えば、電界強度の大きさは、分極方向が<11>方向を基準として、<10>方向の分極方向にするのに必要なエネルギーよりも大きく、<11>方向の分極方向を<00>方向の分極方向にするのに必要なエネルギーよりも小さいものと同じである。同様に、初期状態の分極方向が<11>方向であったとしても同様に、<110>方向の分極方向にするのに必要なエネルギーよりも大きく、<11>方向の分極方向を<001>方向の分極方向にするのに必要なエネルギーよりも小さいとも言える。すなわち、本発明の印加電界は、分極方向をc軸方向だけ反転させるのに必要な電界強度(エネルギー)と言える。
そして、このような電界強度の電界を印加することで、<111>方向以外の<11>方向、<11>方向、<111>方向の分極方向の分極モーメントも、それぞれ<>方向、<111>方向、<111>方向にc軸方向だけ反転させるように移動させることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1では、流路形成基板10としてシリコン単結晶基板を例示したが、特にこれに限定されず、例えば、SOI基板、ガラス基板、MgO基板等においても本発明は有効である。また、振動板の最下層に二酸化シリコンからなる弾性膜50を設けるようにしたが、振動板の構成は、特にこれに限定されるものではない。
また、上述した実施形態1では、圧力発生室12に圧力変化を生じさせる圧力発生手段として、薄膜型の圧電素子300を有するアクチュエーター装置を用いて説明したが、特にこれに限定されず、例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型のアクチュエーター装置や、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型のアクチュエーター装置などを使用することができる。
また、これら各実施形態のインクジェット式記録ヘッドIは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図10は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
図10に示すインクジェット式記録装置IIにおいて、インクジェット式記録ヘッドIを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
また、上述したインクジェット式記録装置IIでは、インクジェット式記録ヘッドI(ヘッドユニット1A、1B)がキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、インクジェット式記録ヘッドIが固定されて、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
なお、上述した実施形態1では、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを挙げて説明したが、本発明は広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
また、本発明は、インクジェット式記録ヘッドに代表される液体噴射ヘッドに搭載される圧電素子の製造方法に限られず、他の装置に搭載される圧電素子の製造方法にも適用することができる。
I インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 II インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 13 連通部、 14 インク供給路、 15 連通路、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 31 リザーバー部、 32 圧電素子保持部、 40 コンプライアンス基板、 60 第1電極、 70 圧電体層、 80 第2電極、 90 リード電極、 100 リザーバー、 120 駆動回路、 121 接続配線、 200、200A 線、 300 圧電素子、 P1〜P5 分極モーメント
本発明は、第1電極、圧電体層及び第2電極からなる圧電素子の製造方法及び圧電素子に関する。
本発明はこのような事情に鑑み、圧電体層の劣化や破壊を抑制して、低エネルギーで圧
電特性を向上することができる圧電素子の製造方法及び圧電素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室に圧力変化を生
じさせる、第1電極、圧電体層及び第2電極を有する圧電素子を具備した圧電素子の製造方法であって、前記圧電体層は、ペロブスカイト型構造を有し、前記圧電体層は(100)面に優先配向しており、前記圧電体層に印加される電界方向が、前記第2電極が設けられた面に対して垂直な<001>方向であるとき、<111>方向の分極方向を<110>方向にするのに要するエネルギーよりも大きく、<111>方向の分極方向を<00>方向にするのに要するエネルギーより小さいエネルギーの電界を印加して、前記圧電体層の分極処理を行う分極工程を有することを特徴とする圧電素子の製造方法にある。
かかる態様では、比較的低いエネルギーの電界強度の電界を印加して分極処理を行うことができ、コストを低減して、圧電体層の破壊を抑制することができる。
さらに本発明の他の態様は、上記態様の何れかに記載の製造方法によって製造された圧電素子にある。
かかる態様では、低コストで圧電素子を実現できる。

Claims (8)

  1. ノズル開口に連通する圧力発生室に圧力変化を生じさせる、第1電極、圧電体層及び第2電極を有する圧電素子を具備した液体噴射ヘッドの製造方法であって、
    前記圧電体層は、ペロブスカイト型構造を有し、
    前記圧電体層は(100)面に優先配向しており、
    前記圧電体層に印加される電界方向が、前記第2電極が設けられた面に対して垂直な<001>方向であるとき、<111>方向の分極方向を<110>方向にするのに要するエネルギーよりも大きく、<111>方向の分極方向を<00>方向にするのに要するエネルギーより小さいエネルギーの電界を印加して、前記圧電体層の分極処理を行う分極工程を有することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  2. 前記分極工程において、電界の印加により前記圧電体層の分極方向が<111>方向から<11>方向へ変化する際に、変化途中の前記分極方向が<110>方向を向くことを特徴とする請求項1記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  3. 前記分極工程において、前記圧電体層は分極モーメントが消失する常誘電性状態とならないことを特徴とする請求項1又は2記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  4. 前記圧電体層が、鉛、ジルコニウム及びチタンを含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  5. 前記圧電体層の前記第2電極が設けられた面方向の格子定数よりも、当該第2電極が設けられた面に垂直な方向の格子定数が小さいことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  6. 前記圧電体層が、単斜晶系であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の製造方法によって製造された液体噴射ヘッド。
  8. 請求項7記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
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