JP2014195852A - ブローチを用いた捩れ溝加工方法、ブローチ盤及びブローチ - Google Patents

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直樹 善積
好夫 小林
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Abstract

【課題】安価なブローチ盤を用いて被削材の下孔に簡単に捩れ溝加工を施すことが可能なブローチを用いた捩れ溝加工方法、ブローチ盤及びブローチを提供すること。
【解決手段】軸状をなし外周に複数の切刃2が螺旋状に配列されたブローチ1を、該ブローチ1の軸線O方向に向けて被削材Wに形成された下孔Hに挿入し軸線O方向に沿う工具送り方向Dに送りつつ、これらブローチ1と被削材Wとを軸線O回りに相対回転させることにより、下孔Hに捩れ溝加工を施すブローチ1を用いた捩れ溝加工方法であって、ブローチ1及び被削材Wの少なくともいずれかを軸線O回りに回転自在に配設し、被削材Wに対してブローチ1を工具送り方向Dに移動させつつ、該被削材Wの下孔Hを加工する切刃2からこの被削材Wに作用する押圧力のうち軸線O回りへの周方向の分力によって、ブローチ1と被削材Wとを軸線O回りに相対回転させることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ブローチを用いて被削材の下孔に捩れ溝加工を施す方法、ブローチ盤及びブローチに関するものである。
従来、下記特許文献1に示されるようなヘリカルブローチ盤が知られている。このヘリカルブローチ盤は、下孔が形成された被削材を支持する支持部と、軸状をなし外周に複数の切刃が螺旋状に配列されたブローチと前記支持部とを該ブローチの軸線方向に向けて相対移動させる直動機構と、前記ブローチと前記支持部とを前記軸線回りに相対回転させる回動機構とを備えている。
ここで図4は、従来のヘリカルブローチ盤100に配設されたブローチ101と、被削材Wを支持する支持部102とを簡略化して示すものである。このヘリカルブローチ盤100は、加工時にブローチ101を被削材Wの下孔Hに挿入し、該ブローチ101の外周に配列する切刃103のリードLに対応するように、直動機構(不図示)によってブローチ101と被削材Wとを該ブローチ101の軸線O方向に相対移動させつつ回動機構(不図示)によって被削材Wに対してブローチ101を強制的に回転させることにより、被削材Wの下孔Hに例えばヘリカル内歯車(はす歯の内歯車)形状等の捩れ溝加工を施す。
一方、上記ヘリカルブローチ盤100における回動機構を備えない、一般のブローチ盤が公知である(例えば下記特許文献2を参照)。このブローチ盤は、ヘリカルブローチ盤100に比べて構造が簡単で安価に製作できることから、被削材Wの下孔Hに捩れ溝加工を施す必要がない場合(つまり下孔Hに軸線O方向に平行な溝加工を行う場合)において広く使用されている。尚、下記特許文献2のブローチ盤においては、加工時に被削材の加工基準面をブローチの軸線に対して直角に保つ目的で、スプリングの付勢力及び球面構造を利用した軸心調整機構を用いている。
特開2003−251522号公報 特開2011−73096号公報
しかしながら、上記従来のヘリカルブローチ盤は、被削材の下孔に捩れ溝加工を施すことはできるものの、構造が複雑で高価であるために設備の導入が困難であった。
一方、回動機構を備えないブローチ盤は、安価で設備導入しやすいものの、被削材の下孔に捩れ溝加工を施すことができないという問題を有している。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、安価なブローチ盤を用いて被削材の下孔に簡単に捩れ溝加工を施すことが可能なブローチを用いた捩れ溝加工方法、ブローチ盤及びブローチを提供することを目的としている。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち本発明は、軸状をなし外周に複数の切刃が螺旋状に配列されたブローチを、該ブローチの軸線方向に向けて被削材に形成された下孔に挿入し前記軸線方向に沿う工具送り方向に送りつつ、これらブローチと被削材とを前記軸線回りに相対回転させることにより、前記下孔に捩れ溝加工を施すブローチを用いた捩れ溝加工方法であって、前記ブローチ及び前記被削材の少なくともいずれかを前記軸線回りに回転自在に配設し、前記被削材に対して前記ブローチを前記工具送り方向に移動させつつ、該被削材の下孔を加工する前記切刃からこの被削材に作用する押圧力のうち前記軸線回りへの周方向の分力によって、前記ブローチと前記被削材とを前記軸線回りに相対回転させることを特徴とする。
また、本発明のブローチ盤は、下孔が形成された被削材を支持する支持部と、軸状をなし外周に複数の切刃が螺旋状に配列されたブローチと前記支持部とを該ブローチの軸線方向に向けて相対移動させる直動機構と、を備え、前記支持部に支持される前記被削材及び前記ブローチの少なくともいずれかが前記軸線回りに回転自在に配設されることを特徴とする。
本発明に係るブローチを用いた捩れ溝加工方法及びブローチ盤によれば、ブローチ及び被削材の少なくともいずれかが軸線回りに回転自在に配設されており、被削材の下孔にブローチが挿入され工具送り方向に送られることで、該ブローチの外周に螺旋状に配列する複数の切刃が順次下孔に切り込まれつつ、該切刃からこの被削材に作用する押圧力のうち軸線回りへの周方向の分力によって、ブローチと被削材とを自然に(強制的でなく自発的に)軸線回りに相対回転させて、下孔に捩れ溝加工を施すことができる。
つまり、従来のように回動機構を備えた高価なヘリカルブローチ盤を用いることなく、本発明によれば回動機構を備えない安価なブローチ盤を用いて、被削材の下孔に捩れ溝加工を簡単に施すことができるのである。
また、本発明のブローチを用いた捩れ溝加工方法において、少なくとも前記被削材を前記軸線回りに回転自在とすることとしてもよい。
また、本発明のブローチ盤において、少なくとも前記支持部に支持される前記被削材が前記軸線回りに回転自在であることとしてもよい。
この場合、例えば外径が大きく重量が重いブローチを軸線回りに回転自在に配設するような構成に比べて、簡単な構造によって上述の作用効果を確実に得ることができる。
また、本発明のブローチを用いた捩れ溝加工方法において、前記ブローチの外周に配列された複数の前記切刃のうち、一の切刃の前記軸線回りに沿う周方向の幅を、該一の切刃に対して前記工具送り方向の後方に位置する他の切刃の前記幅よりも小さくすることとしてもよい。
また、本発明は、前述したブローチ盤に配設されるブローチであって、前記ブローチの外周に配列された複数の前記切刃のうち、一の切刃の前記軸線回りに沿う周方向の幅は、前記被削材に対して前記ブローチが送られる前記軸線方向に沿う工具送り方向における前記一の切刃の後方に位置する他の切刃の前記幅よりも小さくされたことを特徴とする。
この場合、ブローチ外周に配列する複数の切刃のうち、工具送り方向の前方に位置する切刃を被削材に食い付きやすくすることができ、これにより加工初期から捩れ溝加工が精度よく施されることとなる。
本発明のブローチを用いた捩れ溝加工方法、ブローチ盤及びブローチによれば、安価なブローチ盤を用いて被削材の下孔に簡単に捩れ溝加工を施すことが可能である。
本発明の一実施形態に係るブローチ盤及びこれに配設されたブローチを簡略化して示す図である。 図1のブローチ盤に配設されたブローチにおいて切刃から被削材に作用する押圧力とその分力とを説明する切刃周辺の拡大図である。 ブローチの切刃の変形例であり、この切刃から被削材に作用する押圧力とその分力とを説明する切刃周辺の拡大図である。 従来のヘリカルブローチ盤及びこれに配設されたブローチを簡略化して示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係るブローチ盤10について、図面を参照して説明する。
本実施形態のブローチ盤10は、下孔Hが形成された被削材Wを支持する支持部3と、軸状をなし外周に複数の切刃2が螺旋状に配列されたブローチ1と支持部3とを該ブローチ1の軸線O方向に向けて相対移動させるサーボモータ等を含む直動機構(不図示)とを備えている。ブローチ1は、ブローチ盤10に着脱可能に配設される。このブローチ盤10は、被削材Wに形成された貫通孔である下孔Hに、ブローチ1を挿入し軸線O方向に沿う工具送り方向Dに送りつつ、これらブローチ1と被削材Wとを軸線O回りに自然に(サーボモータ等を含む回動機構によらず自発的に、非強制的に)相対回転させることにより、下孔Hに例えばヘリカル内歯車(はす歯の内歯車)形状等の捩れ溝加工を施すものである。
ここで、ブローチ1は、その軸線Oが被削材Wの下孔Hの中心軸に対して同軸となるように該下孔H内に挿入される。本明細書では、ブローチ1の軸線O方向のうち、被削材Wに対してブローチ1が送られる向き(図1における下側)を工具送り方向D(又は工具送り方向Dの前方)といい、これとは反対側の向き(図1における上側)を工具送り方向Dの後方という。また、軸線Oに直交する方向を径方向といい、軸線O回りに周回する方向を周方向という。
ブローチ1は、工具送り方向Dの前方の端部に位置する前つかみ部4と、工具送り方向Dの後方の端部に位置する後つかみ部5と、前つかみ部4と後つかみ部5との間に配置された複数の切刃2と、を備えている。また、ブローチ1において、前つかみ部4と複数の切刃2との間には前部案内6が配置され、複数の切刃2と後つかみ部5との間には後部案内7が配置されている。
前つかみ部4及び後つかみ部5は、ブローチ盤10の不図示の把持部により支持される。前つかみ部4及び後つかみ部5の形状としては、例えば丸首形、コッタ形、DIN形、台形溝形等が挙げられる。
前部案内6及び後部案内7は、ともに丸棒状又は円柱状をなしている。
前部案内6は、被削材Wに最初に切り込まれる、工具送り方向Dの最も前方に位置する切刃2を、下孔Hに対して径方向に精度よく位置決めし案内する目的で設けられる。
後部案内7は、被削材Wに最後に切り込まれる、工具送り方向Dの最も後方に位置する切刃2が切削を終えるまで、ブローチ1と被削材Wとを径方向に位置決めする目的で設けられる。
切刃2は、ブローチ1の外周に複数突設されており、これら切刃2はブローチ1の後端側(図1における上側)に向けて軸線O回りに捩れるリードLに沿った螺旋状をなすように配列されている。また、これら切刃2の列は、周方向に間隔をあけて複数列形成されている。尚、図1に示されるブローチ1は、軸線O方向における複数の切刃2間に形成される刃溝がこの軸線O回りに捩れた螺旋状をなすオフノルマルタイプ(捩れ刃溝タイプ)のヘリカルブローチとなっている。
図2において、切刃2は概略直方体状をなしており、各切刃2の工具送り方向Dの前方を向く面はすくい面8とされ、径方向の外側を向く面は逃げ面9とされている。尚、図2は、1つの切刃2をブローチ1径方向から見たときの該切刃2形状と、被削材Wの下孔H近傍とを簡略化して表している。また特に図示しないが、すくい面8は径方向外側へ向かうに従い漸次工具送り方向Dの前方(具体的にはリードLに沿う前方)に向かうように傾斜しており、逃げ面9は工具送り方向Dの後方(具体的にはリードLに沿う後方)に向かうに従い漸次径方向内側に向かうように傾斜している。また、すくい面8と逃げ面9との交差稜線が被削材Wに切り込む刃先とされている。
また、周方向に隣り合う切刃2同士の間に位置する部分は、これら切刃2よりも径方向内側に窪む凹状をなしているとともに切削に特に寄与しない歯底部とされており、切刃2において前記歯底部側を向く面が、側面11とされている。切刃2の周方向の両側には歯底部がそれぞれ配置されており、これに伴って切刃2には一対の側面11が形成されている。尚、切刃2の一対の側面11のうち、少なくとも工具送り方向Dの前方を向く側面11aが切刃2のリードLに平行となるように形成されている場合は、該側面11aが下孔Hに加工された溝の内壁に対して摺接しやすくなるとともに、後述するように被削材Wに対して切刃2がリードLに沿って(平行に)移動しやすくなることから、より好ましい。ただし、切刃2の側面11a(11)形状は、本実施形態で説明したものに限定されない。
また、ブローチ1の外周に配列された(リードLの列をなす)複数の切刃2のうち、一の切刃2の周方向の幅は、該一の切刃2に対して工具送り方向Dの後方に位置する他の切刃2の前記幅よりも小さくされている。詳しくは、前記一の切刃2における一対の側面11同士の間の距離が、前記他の切刃2における一対の側面11同士の間の距離よりも小さくされている。尚、前記一の切刃2の周方向の幅は、前記他の切刃2の前記幅に対して同等か又は大きくされていても構わない。この場合、前記一の切刃2における一対の側面11同士の間の距離は、前記他の切刃2における一対の側面11同士の間の距離に対して同等か又は大きくされる。ただし、加工初期から被削材Wに対して切刃2を安定して食い付かせるためには、前記一の切刃2の周方向の幅が、前記他の切刃2の前記幅よりも小さくされていることがより好ましい。
また、前記一の切刃2の径方向外側へ向けた突出量は、前記他の切刃2の前記突出量よりも小さくされている。すなわち、後方に位置する切刃2は、その前方に位置する切刃2が切削していない箇所を切削可能に形成されている。
尚、前記一の切刃2の径方向外側へ向けた突出量は、前記他の切刃2の前記突出量に対して同等か又は大きくされていても構わない。この場合、例えば前記一の切刃2の周方向位置に対して、前記他の切刃2の周方向位置が、該周方向にずらされるように配置されることで、後方に位置する前記他の切刃2は、前方に位置する前記一の切刃2が切削していない箇所を切削可能である。或いは、前記一の切刃2の周方向の幅に対して、前記他の切刃2の周方向の幅が大きくされていてもよい。
ここで、図2に矢印で示す符号Fは、被削材Wに対してブローチ1が工具送り方向Dに送られるときに、該ブローチ1の切刃2の側面11aから被削材Wの下孔Hの内周に作用する押圧力を表している。また、図2に矢印で示す符号F1は、押圧力Fの側面11aの面方向に沿う分力(切刃2のリードL方向への分力)を表しており、矢印で示す符号F2は、押圧力Fの側面11aに垂直な方向への分力を表している。分力F2は、軸線O回りに沿う周方向(図2の回転方向R)に対して若干傾斜する向きとされつつも、周方向へ向かう力(軸線O回りへの周方向の分力)となっている。
また特に図示しないが、一の切刃2が被削材Wを切削した後、該一の切刃2の工具送り方向Dの後方に続く他の切刃2のすくい面8から被削材Wに作用する押圧力は、当該他の切刃2の側面11aから被削材Wに作用する押圧力Fに比べて十分に小さくなっている。
そしてこのブローチ盤10は、支持部3に支持される被削材W、及びブローチ1の少なくともいずれかが軸線O回りに回転自在に配設されている。具体的には図1に示されるように、支持部3が、ブローチ盤10の不図示の本体部に固定される受け台12と、該受け台12と被削材Wとの間に配設される軸受け部13とを備えており、該軸受け部13上に固定された被削材Wが、受け台12に対して軸線O回りに回転自在とされている。すなわち、本実施形態のブローチ盤10では、少なくとも支持部3に支持される被削材Wが周方向に回転自在とされている。尚、前記軸受け部13としては、軸線O方向への荷重を安定して許容しやすいスラストベアリングを用いることが好ましい。
また、本実施形態のブローチ盤10では、該ブローチ盤10の本体部に支持部3が固定されており、直動機構は、支持部3に対してブローチ1を軸線O方向に移動させるように構成されている。
次に、本実施形態のブローチ盤10及びブローチ1を用いた捩れ溝Gの加工手順について説明する。
本実施形態では、ブローチ盤10の直動機構によって、被削材Wに対してブローチ1を工具送り方向Dに移動させつつ、該被削材Wの下孔Hを加工する切刃2からこの被削材Wに作用する押圧力Fのうち軸線O回りへの周方向の分力F2によって、ブローチ1に対して被削材Wを周方向に沿う回転方向Rに回転させるようにしている。
具体的には、図2において、被削材Wに対してブローチ1とともに切刃2が工具送り方向Dに移動させられると、切刃2の側面11aが被削材Wの下孔Hの内周に押し当てられて、押圧力Fが発生する。この押圧力Fの分力F2は、軸受け部13により回転自在とされた被削材Wが回転方向Rに回転することで、逃がされる。また、押圧力Fの分力F1は、切刃2が工具送り方向Dへ移動しつつ被削材Wが回転方向Rに回転することで、該切刃2がリードL方向に滑るのと同様の動きとなって、逃がされている。
このようにして被削材Wの下孔Hには捩れ溝Gが形成され、この捩れ溝Gは、図2に示されるように切刃2のリードLに沿った形状となる。
尚、被削材Wに対する工具送り方向Dへ向けたブローチ1の送り速度(切削速度)は、被削材Wの性質(特に材質に伴う硬度など)や切刃2の形状、リードLに応じて適宜設定されることが好ましい。また、前記送り速度を速めていくことによって、捩れ溝Gの捩れ角をリードLよりも緩やかに設定することが可能である。
以上説明した本実施形態のブローチ盤10及びブローチ1、並びにブローチ1を用いた捩れ溝加工方法によれば、ブローチ盤10の本体部に対してブローチ1及び被削材Wの少なくともいずれかが軸線O回りに回転自在に配設されており、具体的には支持部3に支持される被削材Wが回転自在とされていて、被削材Wの下孔Hにブローチ1が挿入され工具送り方向Dに送られることで、該ブローチ1の外周に螺旋状に配列する複数の切刃2が順次下孔Hの内周に切り込まれつつ、該切刃2からこの被削材Wに作用する押圧力Fのうち軸線O回りへの周方向の分力F2によって、ブローチ1と被削材Wとを自然に(強制的でなく自発的に)軸線O回りに相対回転させて、下孔Hに対して切刃2のリードLに沿う捩れ溝Gの加工を施すことができる。
つまり、従来のように回動機構を備えた高価なヘリカルブローチ盤を用いることなく、本実施形態によれば回動機構を備えない安価なブローチ盤10を用いて、被削材Wの下孔Hに例えばヘリカル内歯車形状等の捩れ溝加工を簡単に施すことができるのである。
また本実施形態では、少なくとも被削材Wを周方向に回転自在としたので、例えば他の部材に比べて外径が大きく重量が重いブローチ1を軸線O回りに回転自在に配設するような構成に比べて、簡単な構造によって上述の作用効果を確実に得ることができる。
また、ブローチ1の外周に配列された複数の切刃2のうち、一の切刃2の軸線O回りに沿う周方向の幅を、該一の切刃2に対して工具送り方向Dの後方に位置する他の切刃2の前記幅よりも小さくすることで、工具送り方向の前方に位置する一の切刃2を被削材Wに食い付きやすくすることができ、これにより加工初期から捩れ溝Gの加工が精度よく施されることとなる。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前述の実施形態では、ブローチ盤10に配設されるブローチ1としてオフノルマルタイプのヘリカルブローチを用いて説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、ブローチ1は、軸線O方向における複数の切刃2間に形成される刃溝がこの軸線Oに垂直とされた環状をなす軸直タイプ(軸直刃溝タイプ)のヘリカルブローチであってもよい。
ここで、図3は、軸直タイプの切刃2の形状を簡略化して表しており、該切刃2においても、切刃2の側面11aから被削材Wに作用する押圧力Fのうち周方向への分力F2によって、被削材Wが回転方向Rへ回転しつつ該切刃2が切り込んでいくこととなり、捩れ溝Gが形成されるようになっている。
また、前述の実施形態では、被削材Wに対して工具送り方向Dへ向けて移動する切刃2における側面11aから被削材Wに作用する押圧力Fの軸線O回りへの周方向の分力F2により、ブローチ1に対して被削材Wを回転方向Rへ向けて回転させるとしたが、これに限定されるものではない。すなわち本発明は、工具送り方向Dに移動する切刃2から被削材Wに作用する押圧力の軸線O回りへの周方向の分力によりブローチ1と被削材Wとを軸線O回りに相対回転させればよく、例えば切刃2における側面11a以外の部位から被削材Wに作用する押圧力の軸線O回りへの周方向の分力を利用していても構わない。
また、前述の実施形態では、被削材Wの下孔Hに加工される捩れ溝Gが、ブローチ1の外周に配列する切刃2のリードLに沿って形成されるとしたが、ブローチ1と被削材Wとの軸線O方向へ向けた相対的な移動速度を適宜設定する(具体的には所定以上に速める)ことにより、リードLに比べて緩やかな傾斜とされた捩れ溝Gを加工することが可能である。すなわち、被削材Wに加工される捩れ溝Gの傾斜(捩れ角)は、前述の実施形態のように切刃2のリードLの傾斜に対応していなくても構わない。
また、ブローチ盤10において、少なくとも支持部3に支持される被削材Wが周方向に回転自在とされているとしたが、これに限定されるものではなく、被削材Wの代わりにブローチ1が周方向に回転自在に配設されていても構わない。この場合、被削材Wに対してブローチ1を工具送り方向Dへ移動させたときに、前述した押圧力Fの軸線O回りへの周方向の分力F2によって、被削材Wに対してブローチ1が周方向に沿う回転方向Rとは反対側の向きに回転させられることとなる。またブローチ盤10において、被削材W及びブローチ1の両方が周方向に回転自在に配設されていても構わない。ただし、前述の実施形態で説明したように、ブローチ盤10において被削材Wが回転自在とされた場合には、該ブローチ盤10の構造が簡単となり、好ましい。
また、前述の実施形態では、ブローチ盤10の本体部に支持部3が固定され、直動機構が、支持部3に対してブローチ1を軸線O方向に移動させるように構成されているとしたが、これに限定されるものではなく、この構成に代えて、直動機構が、ブローチ盤10の本体部に固定されたブローチ1に対して、支持部3を軸線O方向に移動させるように構成されていてもよい。尚、いずれの場合においても、支持部3に固定された被削材Wに対してブローチ1が軸線O方向に沿う工具送り方向Dに相対的に送られることとなる。さらに直動機構が、ブローチ盤10の本体部に対して、ブローチ1及び支持部3の両方を軸線O方向に相対移動させる構成であってもよい。
また、前述の実施形態では、ブローチ盤10に配設されたブローチ1が被削材Wの下孔Hを切削加工してヘリカル内歯車形状をなす複数の捩れ溝Gを形成することとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、ブローチ1は、被削材Wの下孔Hを切削加工して所定形状の捩れ溝Gを単数又は複数形成するものであればよく、下孔Hにヘリカル内歯車形状以外の捩れ溝形状を切削加工するものであってもよい。
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例及び尚書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
1 ブローチ
2 切刃
3 支持部
10 ブローチ盤
D 工具送り方向
F 切刃から被削材に作用する押圧力
F2 押圧力の軸線回りへの周方向の分力
G 捩れ溝
H 下孔
O ブローチの軸線
W 被削材

Claims (6)

  1. 軸状をなし外周に複数の切刃が螺旋状に配列されたブローチを、該ブローチの軸線方向に向けて被削材に形成された下孔に挿入し前記軸線方向に沿う工具送り方向に送りつつ、これらブローチと被削材とを前記軸線回りに相対回転させることにより、前記下孔に捩れ溝加工を施すブローチを用いた捩れ溝加工方法であって、
    前記ブローチ及び前記被削材の少なくともいずれかを前記軸線回りに回転自在に配設し、
    前記被削材に対して前記ブローチを前記工具送り方向に移動させつつ、該被削材の下孔を加工する前記切刃からこの被削材に作用する押圧力のうち前記軸線回りへの周方向の分力によって、前記ブローチと前記被削材とを前記軸線回りに相対回転させることを特徴とするブローチを用いた捩れ溝加工方法。
  2. 請求項1に記載のブローチを用いた捩れ溝加工方法であって、
    少なくとも前記被削材を前記軸線回りに回転自在とすることを特徴とするブローチを用いた捩れ溝加工方法。
  3. 請求項1又は2に記載のブローチを用いた捩れ溝加工方法であって、
    前記ブローチの外周に配列された複数の前記切刃のうち、一の切刃の前記軸線回りに沿う周方向の幅を、該一の切刃に対して前記工具送り方向の後方に位置する他の切刃の前記幅よりも小さくすることを特徴とするブローチを用いた捩れ溝加工方法。
  4. 下孔が形成された被削材を支持する支持部と、
    軸状をなし外周に複数の切刃が螺旋状に配列されたブローチと前記支持部とを該ブローチの軸線方向に向けて相対移動させる直動機構と、を備え、
    前記支持部に支持される前記被削材及び前記ブローチの少なくともいずれかが前記軸線回りに回転自在に配設されることを特徴とするブローチ盤。
  5. 請求項4に記載のブローチ盤であって、
    少なくとも前記支持部に支持される前記被削材が前記軸線回りに回転自在であることを特徴とするブローチ盤。
  6. 請求項4又は5に記載のブローチ盤に配設されるブローチであって、
    前記ブローチの外周に配列された複数の前記切刃のうち、一の切刃の前記軸線回りに沿う周方向の幅は、前記被削材に対して前記ブローチが送られる前記軸線方向に沿う工具送り方向における前記一の切刃の後方に位置する他の切刃の前記幅よりも小さくされたことを特徴とするブローチ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106735538A (zh) * 2016-11-30 2017-05-31 江苏汤臣汽车零部件有限公司 一种载重汽车液力缓速器叶轮加工系统
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