JP2014195569A - アルデヒド除去剤およびアルデヒド除去フィルタ - Google Patents

アルデヒド除去剤およびアルデヒド除去フィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】一般生活における幅広い温湿度条件において、アルデヒドガスを効率的に除去して脱臭することができるアルデヒド除去剤および前記アルデヒド除去剤を用いたアルデヒド除去フィルタを提供すること。【解決手段】pH7以上であり、平均細孔径4nm以下であるシリカゲルおよび水溶性ジヒドラジドを含有すること。【選択図】なし

Description

本発明は、一般生活における幅広い温湿度条件において、アルデヒドガスの除去性能に優れたアルデヒド除去剤および前記アルデヒド除去剤を用いたアルデヒド除去フィルタに関する。
一般生活における幅広い温湿度条件とは、温度範囲でおおよそ−30〜50℃、湿度範囲で0〜100RH%のことである。アルデヒドガスとは、例えば、炭素数が1〜10の脂肪族、脂環族および芳香族アルデヒドガスのことであり、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ノルマルブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ノルマルバレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド等が挙げられる。
大気中の汚染物質については、その種類は多岐にわたっており、硫化水素、アンモニア、アルデヒド、酢酸等の極性ガスおよびベンゼン、トルエン、スチレン等の低極性ガスから構成されている。従来から、大気中の汚染物質を除去する脱臭剤として、活性炭、シリカゲル、ゼオライト、活性アルミナ等の多孔質材料が多く用いられている。
タバコ臭の代表的悪臭ガスであるアセトアルデヒドガスの効率的な除去を目的として、シリカゲルにジヒドラジド化合物を担持してなる空気浄化剤はよく知られている(例えば、特許文献1および2)。アセトアルデヒドガスのさらなる効率的な除去を目的として、例えば、特許文献3には、アルデヒド類のカルボニル炭素の求電子性を高めるために、ブレンステッド酸、ルイス酸等の酸触媒を担持させることが好ましいとの記載があり、また、多孔質体の表面には、pHを変化させる処理が施されていてもよいとの記載がある。しかしながら、pHを変化させる処理についての具体的な記載はない。また、例えば、酸触媒としてブレンステッド酸を担持させることにより、pHを7より小さくすることはできると考えられるが、pHが7より小さいと水溶性ジヒドラジドが分解されるため、一般生活における幅広い温湿度条件において、アルデヒドガスの除去性能が十分でないという問題がある。
上述のとおり、一般生活における幅広い温湿度条件において、アルデヒドガスを効率的に除去して脱臭することができるアルデヒド除去剤および前記アルデヒド除去剤を用いた脱臭フィルタは見当たらないのが現状である。
特開2007−167495号公報 特開2010−58075号公報 特開2008−178788号公報
本発明は上記従来技術の課題を背景になされたものであり、一般生活における幅広い温湿度条件において、アルデヒドガスを効率的に除去して脱臭することができるアルデヒド除去剤および前記アルデヒド除去剤を用いたアルデヒド除去フィルタを提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、遂に本発明を完成するに到った。すなわち本発明は、以下の通りである。
1.pH7以上であり、平均細孔径4nm以下であるシリカゲルと水溶性ジヒドラジドを含有することを特徴とするアルデヒド除去剤。
2.上記1に記載のアルデヒド除去剤を含有するアルデヒド除去フィルタ。
本発明によるアルデヒド除去剤は、pH7以上であり、平均細孔径4nm以下であるシリカゲルおよび水溶性ヒドラジドを含有するため、一般生活における幅広い温湿度条件において、アルデヒドガスを効率的に除去して脱臭することができるという利点を有する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるアルデヒド除去剤は、pH7以上であり、平均細孔径4nm以下であるシリカゲルおよび水溶性ヒドラジドを含有する。シリカゲル表面に水溶性ヒドラジドを担持させることがより好ましい。pH7以上であり、平均細孔径4nm以下であるシリカゲルおよび水溶性ヒドラジドを含有することにより、一般生活における幅広い温湿度条件において、アルデヒドガスを効率的に除去することができることを本発明者は見出した。その除去メカニズムについては明確ではないが、次のように推測される。
(1)アルデヒドガスのカルボニル基の炭素原子とシリカゲルのヒドロキシル基等の電子供与性の官能基が相互作用を有し、アルデヒドガスのカルボニル基の酸素原子を活性化する。また、(2)アルデヒドガスのカルボニル基の酸素原子と水溶性ヒドラジドの末端窒素原子とが相互作用を有すると考えられる。シリカゲル表面に水溶性ヒドラジドが担持され、シリカゲルの官能基と水溶性ヒドラジドが互いに近接して存在すれば、(1)、かつ、(2)という協同的な吸着メカニズムが作用し、アルデヒドガスをより効率的に除去することができると考えられる。
アルデヒド除去剤において、pH7以上であり、平均細孔径4nm以下であるシリカゲルを含有していなければ、前記(1)の相互作用がないため、アルデヒドガスを十分に除去することはできない。また、アルデヒド除去剤において、水溶性ヒドラジドを含有していなければ、前記(2)の相互作用がないため、アルデヒドガスを十分に除去することはできない。pHの上限値については、特に定めないが、10未満であることが好ましい。pH10以上であれば、シリカゲルが溶解するおそれがあるからである。平均細孔径の下限値については、特に定めないが、1nm以上であることが好ましい。シリカゲルの製造が困難になるからである。
本発明における水溶性ヒドラジドは、溶解度1g以上であることが好ましい。溶解度が1g未満であれば、シリカゲル表面に水溶性ヒドラジドを担持することが困難になり、アルデヒドガスを十分に除去することができない。なお、ここでいう溶解度とは、温度20℃で、水100gに溶ける溶質の質量のことを指す。例えば、水溶性ヒドラジドとしては、アジピン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジドが好ましい。また、前記水溶性ヒドラジンは単独或いは混合物であってもよい。
本発明におけるアルデヒド除去剤に含まれる水溶性ヒドラジドの含有量は5wt%以上であることが好ましい。含有量が5wt%未満であれば、水溶性ヒドラジドの含有量が少なすぎるため、十分なアルデヒド除去性能が発現できない。水溶性ヒドラジドの含有量の上限については特に限定しないが、20wt%以下であることが好ましい。この範囲を超えても、アルデヒド除去性能は向上しないため、性能に対するコストパフォーマンスが悪くなるという不都合が生じるからである。
本発明におけるアルデヒド除去フィルタは、アルデヒド除去剤を含有することが好ましい。前記アルデヒド除去フィルタの製造方法については、特に限定しないが、シート化されたアルデヒド除去剤を、平面状、プリーツ状、ハニカム状に加工するという製造方法が好ましい。プリーツ状は直行流型フィルタとしての使用において、また、ハニカム状は平行流型フィルタとしての使用において、処理する気体との接触面積を大きくして除去効率を向上させるとともに、脱臭フィルタの低圧損化を同時に図ることができる。
本発明におけるアルデヒド除去剤をシート化する方法としては特に制限されず、従来公知の加工方法を用いることができる。例えば、(1)シート構成繊維と共にアルデヒド除去剤粒子を水中に分散させ脱水することにより得られる湿式シート化法、(2)シート構成繊維と共にアルデヒド除去剤粒子を気中分散させることにより得られるエアレイド法、(3)二層以上の不織布もしくは織布、ネット状物、フィルム、膜の層間に、熱接着によりアルデヒド除去剤を充填する方法、(4)エマルジョン接着剤、溶剤系接着剤を利用して不織布、織布、発泡ウレタンなどの通気性材料にアルデヒド除去剤を結合担持させる方法、(5)基材、ホットメルト接着剤の熱可塑性等を利用して不織布、織布、発泡ウレタンなどの通気性材料にアルデヒド除去剤を結合担持させる方法、(6)アルデヒド除去剤を繊維もしくは樹脂に練りこむことにより混合一体化する方法等、用途に応じて適当な方法を用いることができる。界面活性剤、水溶性高分子等を用いる必要がなく、多孔質体自身の細孔閉塞を防止することができるため、前記加工方法(2)、(3)、(5)を用いることが好ましい。
本発明におけるアルデヒド除去剤およびアルデヒド除去フィルタは、屋内、乗り物内、壁紙、家具、内装材、樹脂成形体、電気機器等で、アルデヒドガスを低減する目的で広く用いることができる。特に空気中に含有されるアルデヒドガスの除去目的で用いることが好ましく、例えば、粒状物を通気性の箱、袋、網等の容器に充填し、静置もしくは通気させて用いることが好ましい。
以下、実施例によって本発明の作用効果をより具体的に示す。下記実施例は本発明方法を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に沿って設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。なお、実施例中で測定した特性値の評価方法を以下に示す。
[シリカゲルのpH測定方法]
サンプル10gを300mlの硬質ガラス製ビーカーに採取し、イオン交換水200mlを加え、時計ざらで覆い、80℃で30分間加温した後、室温に冷却してその上澄み液をpHTestr30(EUTECH INSTRUMENTS社製)にて測定した。
[平均細孔径の測定方法]
サンプル約100mgを採取し、120℃で12時間真空乾燥した後、秤量した。自動比表面積装置ジェミニ2375(マイクロメリティックス社製)を使用し、液体窒素の沸点(−195.8℃)における窒素ガスの吸着量を相対圧が0.02〜0.95の範囲で徐々に高めながら40点測定し、前記サンプルの吸着等温線を作製した。自動比表面積装置ジェミニ2375に付属の解析ソフト(GEMINI−PCW version1.01)にて、BET条件で、表面積解析範囲を0.01〜0.15に設定して、BET比表面積[m/g]を求めた。また、相対圧0.95のデータより全細孔容積[cc/g]を求め、全細孔容積を4倍した値をBET比表面積で割ることにより、平均細孔径[nm]を算出した。
[アセトアルデヒド除去性能の測定方法]
粒子直径355〜500μmに分級されたサンプルを、内径15mmφのガラス管中に、サンプル層の体積が0.23ccになるように充填した。これに、アセトアルデヒド5ppmを含有する温度25℃、湿度50%RHの空気を6L/minで連続的に流通させた。サンプルの入口側と出口側のガスを3分毎にサンプリングし、FID付きガスクロマトグラフ(GC−2014、島津製作所製)において、アセトアルデヒド濃度を測定し、その比から除去率[%]を算出した。この除去率が5%以下になるまで流通、濃度測定を続けた。アセトアルデヒド供給量(濃度、流量、温度から計算)に対する除去率の曲線を積分することによりアセトアルデヒド吸着量[mg]を求め、これをサンプル重量で割ることにより、アセトアルデヒド吸着容量[mg/g]を算出した。
<実施例1>
A形シリカゲル(豊田化工製、pH4.8、BET比表面積796m/g、細孔容積0.43cc/g、平均細孔径2.2nm)10gをイオン交換水200ml中に浸漬し、水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加し、シリカゲルのpHが7.2になるように調製した。得られたシリカゲルについて、BET比表面積[m/g]、細孔容積[cc/g]、平均細孔径[nm]を測定した。
次に、アジピン酸ジヒドラジド(東京化成工業製、溶解度9.1g)1.11gをイオン交換水12gに溶解させ、得られた水溶液と先にpHを調製したシリカゲル10gとを撹拌混合した。その後、120℃条件で12時間乾燥させた後、粉砕・分級し、粒子直径355〜500μmのアジピン酸ジヒドラジド10wt%含有サンプルを得た。この得られたサンプルについてアセトアルデヒド除去性能測定を行った。
<実施例2>
A形シリカゲル(豊田化工製、pH4.8、BET比表面積796m/g、細孔容積0.43cc/g、平均細孔径2.2nm)10gをイオン交換水200ml中に浸漬し、水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加し、シリカゲルのpHが8.5になるように調製した。得られたシリカゲルについて、BET比表面積[m/g]、細孔容積[cc/g]、平均細孔径[nm]を測定した。
次に、アジピン酸ジヒドラジド(東京化成工業製、溶解度9.1g)1.11gをイオン交換水12gに溶解させ、得られた水溶液と先にpHを調製したシリカゲル10gとを撹拌混合した。その後、120℃条件で12時間乾燥させた後、粉砕・分級し、粒子直径355〜500μmのアジピン酸ジヒドラジド10wt%含有サンプルを得た。この得られたサンプルについてアセトアルデヒド除去性能測定を行った。
<実施例3>
A形シリカゲル(豊田化工製、pH4.8、BET比表面積796m/g、細孔容積0.43cc/g、平均細孔径2.2nm)10gをイオン交換水200ml中に浸漬し、水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加し、シリカゲルのpHが9.8になるように調製した。得られたシリカゲルについて、BET比表面積[m/g]、細孔容積[cc/g]、平均細孔径[nm]を測定した。
次に、アジピン酸ジヒドラジド(東京化成工業製、溶解度9.1g)1.11gをイオン交換水12gに溶解させ、得られた水溶液と先にpHを調製したシリカゲル10gとを撹拌混合した。その後、120℃条件で12時間乾燥させた後、粉砕・分級し、粒子直径355〜500μmのアジピン酸ジヒドラジド10wt%含有サンプルを得た。この得られたサンプルについてアセトアルデヒド除去性能測定を行った。
<実施例4>
A形シリカゲル(豊田化工製、pH4.8、BET比表面積796m/g、細孔容積0.43cc/g、平均細孔径2.2nm)10gをイオン交換水200ml中に浸漬し、水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加し、シリカゲルのpHが7.2になるように調製した。得られたシリカゲルについて、BET比表面積[m/g]、細孔容積[cc/g]、平均細孔径[nm]を測定した。
次に、アジピン酸ジヒドラジド(東京化成工業製、溶解度9.1g)526mgをイオン交換水6gに溶解させ、得られた水溶液と先にpHを調製したシリカゲル10gとを撹拌混合した。その後、120℃条件で12時間乾燥させた後、粉砕・分級し、粒子直径355〜500μmのアジピン酸ジヒドラジド5wt%含有サンプルを得た。この得られたサンプルについてアセトアルデヒド除去性能測定を行った。
<実施例5>
A形シリカゲル(豊田化工製、pH4.8、BET比表面積796m/g、細孔容積0.43cc/g、平均細孔径2.2nm)10gをイオン交換水200ml中に浸漬し、水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加し、シリカゲルのpHが7.2になるように調製した。得られたシリカゲルについて、BET比表面積[m/g]、細孔容積[cc/g]、平均細孔径[nm]を測定した。
次に、アジピン酸ジヒドラジド(東京化成工業製、溶解度9.1g)1.76gをイオン交換水19gに溶解させ、得られた水溶液と先にpHを調製したシリカゲル10gとを撹拌混合した。その後、120℃条件で12時間乾燥させた後、粉砕・分級し、粒子直径355〜500μmのアジピン酸ジヒドラジド15wt%含有サンプルを得た。この得られたサンプルについてアセトアルデヒド除去性能測定を行った。
<実施例6>
シリカゲル(富士シリシア製、pH6.1、BET比表面積715m/g、細孔容積0.67cc/g、平均細孔径3.7nm)10gをイオン交換水200ml中に浸漬し、水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加し、シリカゲルのpHが7.5になるように調製した。得られたシリカゲルについて、BET比表面積[m/g]、細孔容積[cc/g]、平均細孔径[nm]を測定した。
次に、アジピン酸ジヒドラジド(東京化成工業製、溶解度9.1g)1.11gをイオン交換水12gに溶解させ、得られた水溶液と先にpHを調製したシリカゲル10gとを撹拌混合した。その後、120℃条件で12時間乾燥させた後、粉砕・分級し、粒子直径355〜500μmのアジピン酸ジヒドラジド10wt%含有サンプルを得た。この得られたサンプルについてアセトアルデヒド除去性能測定を行った。
<比較例1>
B形シリカゲル(豊田化工製、pH5.8、BET比表面積621m/g、細孔容積0.81cc/g、平均細孔径5.2nm)10gをイオン交換水200ml中に浸漬し、水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加し、シリカゲルのpHが7.5になるように調製した。得られたシリカゲルについて、BET比表面積[m/g]、細孔容積[cc/g]、平均細孔径[nm]を測定した。
アジピン酸ジヒドラジド(東京化成工業製、溶解度9.1g)1.11gをイオン交換水12gに溶解させ、得られた水溶液と、先にpHを調製したシリカゲル10gとを撹拌混合した。その後、150℃条件で12時間乾燥させた後、粉砕・分級し、粒子直径355〜500μmのアジピン酸ジヒドラジド10wt%含有サンプルを得た。この得られたサンプルについてアセトアルデヒド除去性能測定を行った。
<比較例2>
キャリアクトQ−6(富士シリシア製、pH5.1、BET比表面積492m/g、細孔容積0.95cc/g、平均細孔径7.7nm)10gをイオン交換水200ml中に浸漬し、水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加し、シリカゲルのpHが7.1になるように調製した。得られたシリカゲルについて、BET比表面積[m/g]、細孔容積[cc/g]、平均細孔径[nm]を測定した。
アジピン酸ジヒドラジド(東京化成工業製、溶解度9.1g)1.11gをイオン交換水12gに溶解させ、得られた水溶液と、先にpHを調製したシリカゲル10gとを撹拌混合した。その後、150℃条件で12時間乾燥させた後、粉砕・分級し、粒子直径355〜500μmのアジピン酸ジヒドラジド10wt%含有サンプルを得た。この得られたサンプルについてアセトアルデヒド除去性能測定を行った。
<比較例3>
アジピン酸ジヒドラジド(東京化成工業製、溶解度9.1g)1.11gをイオン交換水15gに溶解させ、得られた水溶液と、キャリアクトQ−10(富士シリシア製、pH7.2、BET比表面積302m/g、細孔容積1.45cc/g、平均細孔径19.2nm)10gとを撹拌混合した。その後、120℃条件で12時間乾燥させた後、粉砕・分級し、粒子直径355〜500μmのアジピン酸ジヒドラジド10wt%含有サンプルを得た。この得られたサンプルについてアセトアルデヒド除去性能測定を行った。
<比較例4>
アジピン酸ジヒドラジド(東京化成工業製、溶解度9.1g)309.3mgをイオン交換水6gに溶解させ、得られた水溶液とA形シリカゲル(豊田化工製、pH4.8、BET比表面積796m/g、細孔容積0.43cc/g、平均細孔径2.2nm)10gとを撹拌混合した。その後、120℃条件で12時間乾燥させた後、粉砕・分級し、粒子直径355〜500μmのアジピン酸ジヒドラジド3wt%含有サンプルを得た。この得られたサンプルについてアセトアルデヒド除去性能測定を行った。
<比較例5>
アジピン酸ジヒドラジド(東京化成工業製、溶解度9.1g)3.33gをイオン交換水36gに溶解させ、得られた水溶液とA形シリカゲル(豊田化工製、pH4.8、BET比表面積796m/g、細孔容積0.43cc/g、平均細孔径2.2nm)10gとを撹拌混合した。その後、120℃条件で12時間乾燥させた後、粉砕・分級し、粒子直径355〜500μmのアジピン酸ジヒドラジド25wt%含有サンプルを得た。この得られたサンプルについてアセトアルデヒド除去性能測定を行った。
実施例1〜6、比較例1〜5に関して、アジピン酸ジヒドラジドと混合する前のシリカゲルのpH、BET比表面積[m/g]、細孔容積[cc/g]、平均細孔径[nm]、およびアジピン酸ジヒドラジド含有シリカゲルサンプルのアセトアルデヒド除去性能を測定した結果を表1に示す。表1より明らかなように、本発明である実施例1〜6は、平均細孔径が4nmより大きい場合(比較例1〜3)、および、シリカゲルのpHが7未満である場合(比較例4〜5)と比較して、アセトアルデヒド除去性能が高いことが分かる。
本発明により一般生活における幅広い温湿度条件において、アルデヒドガスを効率的に除去して脱臭することができるため、産業界に大きく寄与することが期待できる。

Claims (2)

  1. pH7以上であり、平均細孔径4nm以下であるシリカゲルおよび水溶性ジヒドラジドを含有することを特徴とするアルデヒド除去剤
  2. 請求項1に記載のアルデヒド除去剤を含有するアルデヒド除去フィルタ。
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