JP2014194496A - 光学素子及びプロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ光が入射する際の入射角が設計値からずれた場合に、レーザ光の各偏光成分が出射する際の出射角の間に生じるずれを抑制することができる光学素子を提供する。
【解決手段】第1のプリズム面44及び第2のプリズム面46を有するプリズム38と、第1のプリズム面44上に設けられた第1の平行平板48と、第1のプリズム面44と第1の平行平板48との間に介在された第1の偏光反射部50と、第1の平行平板48を挟んで第1の偏光反射部50と反対側に設けられた第1の反射板52と、第2のプリズム面46上に設けられた第2の平行平板54と、第2のプリズム面46と第2の平行平板54との間に介在された第2の偏光反射部56と、第2の平行平板54を挟んで第2の偏光反射部56と反対側に設けられた第2の反射板58と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、レーザ光の各偏光成分の間で光路差を生じさせるための光学素子及びこれを用いたプロジェクタに関する。
例えば、赤色成分(R)のレーザ光、緑色成分(G)のレーザ光及び青色成分(B)のレーザ光を合成して投影面に投影することにより、投影面上にカラーの画像を投影するプロジェクタが知られている。このプロジェクタは、例えば、ヘッドアップディスプレイ(HUD)等として実用化されている。ヘッドアップディスプレイとは、プロジェクタから投影された画像を自動車等のフロントガラスに設けられたコンバイナ(透光性反射部材)で運転者に向けて反射させることにより、運転者がフロントガラスの前方の景色と虚像である画像とを重ねて視認できるようにするものである。
このようなレーザ光を用いたプロジェクタでは、レーザ光を粗面(投影面)に照射した際に、粗面の各点で拡散されたレーザ光が相互に干渉することによって斑点模様(いわゆる、スペックル)が生じる。このスペックルは、レーザ光が有する高いコヒーレンス性(可干渉性)に起因するものである。スペックルは、投影面に投影される画像の画質低下の原因となるため、スペックルを低減するための光学素子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、図8を参照しながら、従来の光学素子の構成について説明する。図8は、従来の光学素子の構成を示す断面図である。図示の光学素子100は、偏光ビームスプリッタ102と、偏光ビームスプリッタ102の両側に配置された一対のミラー104,106と、を備えている。偏光ビームスプリッタ102とミラー104との間には1/4波長板108が配置され、偏光ビームスプリッタ102とミラー106との間には1/4波長板110が配置されている。
レーザ光源(図示せず)からのレーザ光は、偏光ビームスプリッタ102の入射面102aに略垂直に入射する。入射面102aに入射したレーザ光の第1の偏光成分は、図8中の実線の矢印で示すように、偏光ビームスプリッタ102の内部に設けられた偏光分離部112を透過し、偏光ビームスプリッタ102の出射面102bから出射する。
入射面102aに入射したレーザ光の第2の偏光成分(すなわち、第1の偏光成分と直交する偏光成分)は、図8中の破線の矢印で示すように、偏光分離部112で反射された後に、偏光ビームスプリッタ102の第1の面102cから出射する。第1の面102cから出射したレーザ光の第2の偏光成分は、ミラー104で反射された後に第1の面102cに入射する。第1の面102cに入射したレーザ光の第2の偏光成分は、1/4波長板108を2回透過することによって、第1の偏光成分に変換される。当該レーザ光の第1の偏光成分は、偏光分離部112を透過した後に、偏光ビームスプリッタ102の第2の面102dから出射する。
第2の面102dから出射したレーザ光の第1の偏光成分は、ミラー106で反射された後に第2の面102dに入射する。第2の面102dに入射したレーザ光の第1の偏光成分は、1/4波長板110を2回透過することによって、第2の偏光成分に変換される。当該レーザ光の第2の偏光成分は、偏光分離部112で反射された後に、出射面102bから出射する。
以上のようにして、偏光ビームスプリッタ102により分離された2つの偏光成分を、所定の光路差を持たせて伝播させた後に合成する。すなわち、光学素子100に入射したレーザ光を、互いに干渉しない2つの偏光成分の合成光に変換することにより、スペックルを低減することができる。
特開2012−73476号公報
しかしながら、上述した従来の光学素子100では、次のような課題が生じる。図9は、レーザ光が入射面に入射する際の入射角が設計値からずれた場合における、従来の光学素子の構成を示す断面図である。何らかの要因で、図9に示すように、レーザ光源からのレーザ光が入射面102aに入射する際の入射角が設計値(例えば、0°)からずれることがある。この場合には、図9中の破線の矢印で示すように、レーザ光の各偏光成分がミラー104,106で反射する際の反射角が変化する。これにより、レーザ光の第1の偏光成分が出射面102bから出射する際の出射角と、レーザ光の第2の偏光成分が出射面102bから出射する出射角との間にずれが生じてしまう。その結果、投影面に投影される画像の解像度が低下してしまうという課題が生じる。
本発明は、上述した課題を解決しようとするものであり、その目的は、レーザ光が入射する際の入射角が設計値からずれた場合に、レーザ光の各偏光成分が出射する際の出射角の間に生じるずれを抑制することができる光学素子及びこれを用いたプロジェクタを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る光学素子は、第1のプリズム面及び第2のプリズム面を有するプリズムと、前記第1のプリズム面上に設けられた第1の平行平板と、前記第1のプリズム面と前記第1の平行平板との間に介在され、前記プリズムに入射したレーザ光の第1の偏光成分を反射し、且つ、前記プリズムに入射した前記レーザ光の前記第1の偏光成分と直交する第2の偏光成分を透過する第1の偏光反射部と、前記第1の平行平板を挟んで前記第1の偏光反射部と反対側に設けられ、且つ、前記第1の偏光反射部を透過した前記レーザ光の前記第2の偏光成分を反射する第1の反射板と、前記第2のプリズム面上に設けられた第2の平行平板と、前記第2のプリズム面と前記第2の平行平板との間に介在され、前記第1の偏光反射部で反射された前記レーザ光の前記第1の偏光成分を反射し、且つ、前記第1の反射板で反射された前記レーザ光の前記第2の偏光成分を透過する第2の偏光反射部と、前記第2の平行平板を挟んで前記第2の偏光反射部と反対側に設けられ、且つ、前記第2の偏光反射部を透過した前記レーザ光の前記第2の偏光成分を反射する第2の反射板と、を備える。
本態様によれば、レーザ光の第1の偏光成分及びレーザ光の第2の偏光成分はそれぞれ、異なる光路で光学素子の内部を伝播する。すなわち、光学素子により分離されたレーザ光の第1の偏光成分及びレーザ光の第2の偏光成分を、所定の光路差を持たせて伝播させた後に合成する。これにより、スペックルを低減することができる。さらに、レーザ光が光学素子に入射する際の入射角が設計値からずれた場合であっても、レーザ光の第1の偏光成分及びレーザ光の第2の偏光成分がそれぞれ光学素子の内部で反射する回数及び反射する方向は同一である。これにより、レーザ光の各偏光成分が光学素子から出射する際の出射角の間に生じるずれを抑制することができる。
例えば、本発明の一態様に係る光学素子において、前記プリズム、前記第1の平行平板及び前記第2の平行平板の各々の屈折率は同一であるように構成してもよい。
本態様によれば、プリズム、第1の平行平板及び第2の平行平板の各々の屈折率は同一であるので、レーザ光の第2の偏光成分がプリズムから第1の平行平板に(又は第1の平行平板からプリズムに)入射する際に、レーザ光の第2の偏光成分を直進させることができる。同様に、レーザ光の第2の偏光成分がプリズムから第2の平行平板に(又は第2の平行平板からプリズムに)入射する際に、レーザ光の第2の偏光成分を直進させることができる。これにより、光学素子の内部におけるレーザ光の第2の偏光成分の光路をコンパクトにすることができ、光学素子を小型化することができる。
例えば、本発明の一態様に係る光学素子において、前記第2の偏光反射部で反射した前記レーザ光の前記第1の偏光成分及び前記第2の反射板で反射した前記レーザ光の前記第2の偏光成分はそれぞれ、前記プリズムを通過した後に前記プリズムから出射するように構成してもよい。
本態様によれば、レーザ光の第1の偏光成分及びレーザ光の第2の偏光成分はそれぞれ、光学素子の内部で2回反射された後に、プリズムから出射される。これにより、反射による光量ロスを最小限に抑制することができる。
例えば、本発明の一態様に係る光学素子において、前記第1の偏光反射部及び前記第2の偏光反射部は、45°の角度で対向して配置されているように構成してもよい。
本態様によれば、第1の偏光反射部及び第2の偏光反射部は45°の角度で対向して配置されているので、光学素子から出射するレーザ光の出射方向を、光学素子に入射するレーザ光の入射方向に対して略垂直にすることができる。これにより、例えば光学素子をプロジェクタに用いた場合などに、光学素子及びその周囲の光学部品等を容易に配置することができる。
例えば、本発明の一態様に係る光学素子において、前記プリズムは、さらに、第3のプリズム面を有し、さらに、前記第3のプリズム面上に設けられた第3の平行平板と、前記第3のプリズム面と前記第3の平行平板との間に介在され、前記第2の偏光反射部で反射された前記レーザ光の前記第1の偏光成分を反射し、且つ、前記第2の反射板で反射された前記レーザ光の前記第2の偏光成分を透過する第3の偏光反射部と、前記第3の平行平板を挟んで前記第3の偏光反射部と反対側に設けられ、且つ、前記第3の偏光反射部を透過した前記レーザ光の前記第2の偏光成分を反射する第3の反射板と、を備え、前記第3の偏光反射部で反射した前記レーザ光の前記第1の偏光成分及び前記第3の反射板で反射した前記レーザ光の前記第2の偏光成分はそれぞれ、前記プリズムを通過した後に前記プリズムから出射するように構成してもよい。
本態様によれば、レーザ光の第1の偏光成分及びレーザ光の第2の偏光成分はそれぞれ、光学素子の内部で3回反射された後に、プリズムから出射される。これにより、反射による光量ロスを効果的に抑制することができる。
例えば、本発明の一態様に係る光学素子において、前記第1の偏光反射部及び前記第2の偏光反射部は、90°の角度で対向して配置され、且つ、前記第2の偏光反射部及び前記第3の偏光反射部は、90°の角度で対向して配置されているように構成してもよい。
本態様によれば、第1の偏光反射部及び第2の偏光反射部は90°の角度で対向して配置され、且つ、第2の偏光反射部及び第3の偏光反射部は90°の角度で対向して配置されているので、光学素子から出射するレーザ光の出射方向を、光学素子に入射するレーザ光の入射方向に対して略垂直にすることができる。これにより、例えば光学素子をプロジェクタに用いた場合などに、光学素子及びその周囲の光学部品等を容易に配置することができる。
例えば、本発明の一態様に係る光学素子において、前記プリズム、前記第1の平行平板、前記第2の平行平板及び前記第3の平行平板の各々の屈折率は同一であるように構成してもよい。
本態様によれば、プリズム、第1の平行平板、第2の平行平板及び第3の平行平板の各々の屈折率は同一であるので、レーザ光の第2の偏光成分がプリズムから第1の平行平板に(又は第1の平行平板からプリズムに)入射する際に、レーザ光の第2の偏光成分を直進させることができる。同様に、レーザ光の第2の偏光成分がプリズムから第2の平行平板に(又は第2の平行平板からプリズムに)入射する際に、レーザ光の第2の偏光成分を直進させることができる。同様に、レーザ光の第2の偏光成分がプリズムから第3の平行平板に(又は第3の平行平板からプリズムに)入射する際に、レーザ光の第2の偏光成分を直進させることができる。これにより、光学素子の内部におけるレーザ光の第2の偏光成分の光路をコンパクトにすることができ、光学素子を小型化することができる。
また、本発明の一態様に係るプロジェクタは、レーザ光を出力する光源と、前記光源からの前記レーザ光が入射する光学素子と、を備え、前記光学素子は、第1のプリズム面及び第2のプリズム面を有するプリズムと、前記第1のプリズム面上に設けられた第1の平行平板と、前記第1のプリズム面と前記第1の平行平板との間に介在され、前記プリズムに入射した前記レーザ光の第1の偏光成分を反射し、且つ、前記プリズムに入射した前記レーザ光の前記第1の偏光成分と直交する第2の偏光成分を透過する第1の偏光反射部と、前記第1の平行平板を挟んで前記第1の偏光反射部と反対側に設けられ、且つ、前記第1の偏光反射部を透過した前記レーザ光の前記第2の偏光成分を反射する第1の反射板と、前記第2のプリズム面上に設けられた第2の平行平板と、前記第2のプリズム面と前記第2の平行平板との間に介在され、前記第1の偏光反射部で反射された前記レーザ光の前記第1の偏光成分を反射し、且つ、前記第1の反射板で反射された前記レーザ光の前記第2の偏光成分を透過する第2の偏光反射部と、前記第2の平行平板を挟んで前記第2の偏光反射部と反対側に設けられ、且つ、前記第2の偏光反射部を透過した前記レーザ光の前記第2の偏光成分を反射する第2の反射板と、を有する。
本態様によれば、レーザ光の第1の偏光成分及びレーザ光の第2の偏光成分はそれぞれ、異なる光路で光学素子の内部を伝播する。すなわち、光学素子により分離されたレーザ光の第1の偏光成分及びレーザ光の第2の偏光成分を、所定の光路差を持たせて伝播させた後に合成する。これにより、投影面に画像を投影する際に、スペックルを低減することができる。さらに、レーザ光が光学素子に入射する際の入射角が設計値からずれた場合であっても、レーザ光の第1の偏光成分及びレーザ光の第2の偏光成分がそれぞれ光学素子の内部で反射する回数及び反射する方向は同一である。これにより、レーザ光の各偏光成分が光学素子から出射する際の出射角の間に生じるずれを抑制することができる。その結果、投影面に投影される画像の解像度が低下するのを抑制することができる。
例えば、本発明の一態様に係るプロジェクタにおいて、前記プリズムは、さらに、前記光源からの前記レーザ光が入射する入射プリズム面を有し、前記レーザ光は、前記入射プリズム面に略垂直に入射するように構成してもよい。
本態様によれば、レーザ光は入射プリズム面に略垂直に入射するので、レーザ光の波長による色の分離を抑制することができる。
本発明の一態様に係る光学素子及びプロジェクタによれば、レーザ光が光学素子に入射する際の入射角が設計値からずれた場合に、レーザ光の各偏光成分が光学素子から出射する際の出射角の間に生じるずれを抑制することができる。
実施の形態1に係るプロジェクタを搭載したヘッドアップディスプレイを示す図である。 実施の形態1に係るプロジェクタにより投影される画像の一例を示す図である。 実施の形態1に係るプロジェクタの構成を簡略的に示す図である。 実施の形態1に係る光学素子の構成を示す断面図である。 レーザ光が入射プリズム面に入射する際の入射角が設計値からずれた場合における、実施の形態1に係る光学素子の構成を示す断面図である。 実施の形態2に係る光学素子の構成を示す断面図である。 レーザ光が入射プリズム面に入射する際の入射角が設計値からずれた場合における、実施の形態2に係る光学素子の構成を示す断面図である。 従来の光学素子の構成を示す断面図である。 レーザ光が入射面に入射する際の入射角が設計値からずれた場合における、従来の光学素子の構成を示す断面図である。
以下、実施の形態に係る光学素子及びプロジェクタについて、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲によって特定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
(実施の形態1)
[プロジェクタの概要]
まず、図1及び図2を参照しながら、実施の形態1に係るプロジェクタの概要について説明する。図1は、実施の形態1に係るプロジェクタを搭載したヘッドアップディスプレイを示す図である。図2は、実施の形態1に係るプロジェクタにより投影される画像の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施の形態のプロジェクタ2は、例えばヘッドアップディスプレイに搭載されている。プロジェクタ2は、例えば、自動車4のダッシュボード6の内部に設置されている。プロジェクタ2から投影された画像8は、自動車4のフロントガラス10に設けられたコンバイナ12で運転者14に向けて反射される。これにより、図2に示すように、運転者14は、フロントガラス10の前方の景色16と虚像である画像8とを重ねて視認することができる。フロントガラス10(以下、「投影面10」ともいう)に投影される画像8は、例えば、スピードメータ表示及び道路の分岐案内表示等である。
[プロジェクタの全体構成]
次に、図3を参照しながら、実施の形態1に係るプロジェクタの全体構成について説明する。図3は、実施の形態1に係るプロジェクタの構成を簡略的に示す図である。
本実施の形態のプロジェクタ2は、赤色成分(R)のレーザ光、緑色成分(G)のレーザ光及び青色成分(B)のレーザ光を合成して投影面10に投影することにより、投影面10上にカラーの画像8を投影するレーザプロジェクタである。
図3に示すように、プロジェクタ2は、第1のレーザ光源18、第2のレーザ光源20、第3のレーザ光源22(第1のレーザ光源18、第2のレーザ光源20及び第3のレーザ光源22の各々は光源を構成する)、第1のダイクロイックミラー24及び第2のダイクロイックミラー26を備えている。
第1のレーザ光源18、第2のレーザ光源20及び第3のレーザ光源22はそれぞれ、特定の波長の単色色成分のレーザ光を出力するレーザダイオード(LD)である。具体的には、第1のレーザ光源18は赤色成分のレーザ光を出力し、第2のレーザ光源20は緑色成分のレーザ光を出力し、第3のレーザ光源22は青色成分のレーザ光を出力する。なお、第1のレーザ光源18、第2のレーザ光源20及び第3のレーザ光源22の各々から出力されるレーザ光は、例えば直線偏光のレーザ光である。
第1のダイクロイックミラー24及び第2のダイクロイックミラー26はそれぞれ、特定の波長のレーザ光のみを反射し、その他の波長のレーザ光を透過する光学的性質を有している。具体的には、第1のダイクロイックミラー24は、緑色成分のレーザ光のみを反射し、その他の色成分のレーザ光を透過する。第2のダイクロイックミラー26は、赤色成分のレーザ光のみを反射し、その他の色成分のレーザ光を透過する。
第1のダイクロイックミラー24は、レーザ光の光路の上流側に配置され、第2のダイクロイックミラー26は、レーザ光の光路の下流側に配置されている。第2のレーザ光源20からの緑色成分のレーザ光は、第1のダイクロイックミラー24で反射され、第3のレーザ光源22からの青色成分のレーザ光は、第1のダイクロイックミラー24を透過する。これにより、緑色成分のレーザ光及び青色成分のレーザ光が第1のダイクロイックミラー24において合成される。
さらに、第1のレーザ光源18からの赤色成分のレーザ光は、第2のダイクロイックミラー26で反射され、上述のように合成された緑色成分のレーザ光及び青色成分のレーザ光は、第2のダイクロイックミラー26を透過する。これにより、赤色成分のレーザ光、緑色成分のレーザ光及び青色成分のレーザ光が第2のダイクロイックミラー26において合成される。
図3に示すように、プロジェクタ2は、さらに、レンズ28、光学素子30及びMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラー32を備えている。
レンズ28は、上述のように第2のダイクロイックミラー26において合成されたレーザ光を集光するための集光レンズである。
光学素子30は、スペックルを低減するためのものである。光学素子30は、レンズ28とMEMSミラー32との間におけるレーザ光の光路上に配置されている。本実施の形態のプロジェクタ2では、光学素子30の構成に特徴がある。光学素子30の構成については後述する。
MEMSミラー32は、水平方向に比較的高速で走査され、且つ、垂直方向に比較的低速で走査される。MEMSミラー32は、入射したレーザ光を自己の振れ角に応じた方向に反射する。光学素子30から出射したレーザ光は、MEMSミラー32で反射される。MEMSミラー32が水平方向及び垂直方向にそれぞれ走査されることにより、投影面10に投影されるレーザ光が水平方向及び垂直方向にそれぞれ走査され、投影面10に画像8が投影される。
図3に示すように、プロジェクタ2は、さらに、制御部34を備えている。制御部34は、第1のレーザ光源18、第2のレーザ光源20及び第3のレーザ光源22の各々に供給される駆動電流を制御する。さらに、制御部34は、MEMSミラー32の振れ角を制御する。
なお、図3に示すように、プロジェクタ2の上述した各構成要素は、例えばハウジング36の内部に所定の配置で収納されている。
[光学素子の構成]
次に、図4を参照しながら、上述した光学素子30の構成について説明する。図4は、実施の形態1に係る光学素子の構成を示す断面図である。なお、説明の都合上、図4等では、断面を表すハッチングの図示を省略している。
図4に示すように、光学素子30は、プリズム38を備えている。このプリズム38は、例えば断面が五角形の多面体である。プリズム38は、入射プリズム面40、出射プリズム面42、第1のプリズム面44及び第2のプリズム面46を有している。
入射プリズム面40は、レンズ28により集光されたレーザ光が入射するプリズム面である。出射プリズム面42は、プリズム38の内部を伝播したレーザ光が出射するプリズム面である。入射プリズム面40及び出射プリズム面42は、角度θ1(例えば、θ1=90°)をなすように互いに隣接して配置されている。
第1のプリズム面44は、出射プリズム面42に隣接して、且つ、入射プリズム面40に対向して配置されている。第2のプリズム面46は、入射プリズム面40に隣接して、且つ、出射プリズム面42に対向して配置されている。第1のプリズム面44及び第2のプリズム面46は、角度θ2(例えば、θ2=45°)をなすように配置されている。すなわち、第1のプリズム面44及び第2のプリズム面46は、互いに平行とならないように配置されている。
第1のプリズム面44上には、第1の偏光反射部50(後述する)を介して第1の平行平板48が密着して設けられている。第1の平行平板48は、透光性を有する材料、例えばガラス等で形成されている。第1の平行平板48の屈折率は、プリズム38の屈折率と同一である。
第1のプリズム面44と第1の平行平板48との間には、第1の偏光反射部50が介在されている。第1の偏光反射部50は、例えば誘電体多層膜で構成されている。第1の偏光反射部50は、レーザ光の特定の偏光成分を反射する光学的性質を有している。具体的には、レーザ光が第1の偏光反射部50に入射した際に、レーザ光の第1の偏光成分は第1の偏光反射部50で反射され、レーザ光の第2の偏光成分(すなわち、第1の偏光成分と直交する偏光成分)は第1の偏光反射部50を透過する。
第1の平行平板48を挟んで第1の偏光反射部50とは反対側には、第1の反射板52が設けられている。第1の反射板52は、例えばアルミニウムで形成されたミラーであり、入射した光を全反射する光学的性質を有している。第1の反射板52には、第1の偏光反射部50を透過したレーザ光の第2の偏光成分が入射する。第1の反射板52は、当該入射したレーザ光の第2の偏光成分を反射する。
第2のプリズム面46上には、第2の偏光反射部56(後述する)を介して第2の平行平板54が密着して設けられている。第2の平行平板54は、透光性を有する材料、例えばガラス等で形成されている。第2の平行平板54の屈折率は、プリズム38の屈折率と同一である。
第2のプリズム面46と第2の平行平板54との間には、第2の偏光反射部56が介在されている。第2の偏光反射部56は、例えば、誘電体多層膜で構成されている。第2の偏光反射部56は、第1の偏光反射部50と同様に、レーザ光の特定の偏光成分を反射する光学的性質を有している。具体的には、レーザ光が第2の偏光反射部56に入射した際に、レーザ光の第1の偏光成分は第2の偏光反射部56で反射され、レーザ光の第2の偏光成分は第2の偏光反射部56を透過する。
第2の平行平板54を挟んで第2の偏光反射部56とは反対側には、第2の反射板58が設けられている。第2の反射板58は、例えばアルミニウムで形成されたミラーであり、入射した光を全反射する光学的性質を有している。第2の反射板58には、第2の偏光反射部56を透過したレーザ光の第2の偏光成分が入射する。第2の反射板58は、当該入射したレーザ光の第2の偏光成分を反射する。
なお、上述のように、第1のプリズム面44及び第2のプリズム面46は角度θ2をなすように配置されているので、第1の偏光反射部50及び第2の偏光反射部56は、角度θ2で(すなわち、45°の角度で)対向して配置されている。
[スペックルの低減効果]
次に、図4を参照しながら、本実施の形態の光学素子30により得られるスペックルの低減効果について説明する。
レンズ28により集光されたレーザ光は、図4中の実線の矢印及び破線の矢印で示すように、プリズム38の入射プリズム面40に略垂直に入射する。すなわち、レーザ光が入射プリズム面40に入射する際の入射角の設計値は、0°である。なお、図4中の実線の矢印は、レーザ光の第1の偏光成分の光路を表し、図4中の破線の矢印は、レーザ光の第2の偏光成分の光路を表している。なお、入射プリズム面40に入射するレーザ光の第1の偏光成分の光軸は、入射プリズム面40に入射するレーザ光の第2の偏光成分の光軸と同軸である。
まず、レーザ光の第1の偏光成分の光路について説明する。入射プリズム面40に入射したレーザ光の第1の偏光成分は、プリズム38の内部を伝播した後に、入射角φ1(例えば、φ1=22.5°)で第1の偏光反射部50に入射し、さらに、反射角φ1で第1の偏光反射部50で反射する。
第1の偏光反射部50で反射したレーザ光の第1の偏光成分は、再度、プリズム38の内部を伝播する。その後、レーザ光の第1の偏光成分は、入射角φ2(例えば、φ2=22.5°)で第2の偏光反射部56に入射し、さらに、反射角φ2で第2の偏光反射部56で反射する。
第2の偏光反射部56で反射したレーザ光の第1の偏光成分は、再度、プリズム38の内部を伝播する。その後、レーザ光の第1の偏光成分は、出射プリズム面42から略垂直に出射する。なお、出射プリズム面42から出射するレーザ光の出射方向は、入射プリズム面40に入射するレーザ光の入射方向に対して略垂直である。
次に、レーザ光の第2の偏光成分の光路について説明する。入射プリズム面40に入射したレーザ光の第2の偏光成分は、プリズム38の内部を伝播した後に、第1の偏光反射部50を透過する。第1の偏光反射部50を透過したレーザ光の第2の偏光成分は、第1の平行平板48の内部を伝播した後に、入射角φ3(例えば、φ3=22.5°)で第1の反射板52に入射し、さらに、反射角φ3で第1の反射板52で反射する。
第1の反射板52で反射したレーザ光の第2の偏光成分は、再度、第1の偏光反射部50を透過した後に、プリズム38の内部を伝播する。このとき、レーザ光の第2の偏光成分の光軸は、第1の偏光反射部50で反射したレーザ光の第1の偏光成分の光軸と略平行である。その後、レーザ光の第2の偏光成分は、第2の偏光反射部56を透過した後に、第2の平行平板54の内部を伝播する。その後、レーザ光の第2の偏光成分は、入射角φ4(例えば、φ2=22.5°)で第2の反射板58に入射し、さらに、反射角φ4で第2の反射板58で反射する。
第2の反射板58で反射したレーザ光の第2の偏光成分は、再度、第2の偏光反射部56を透過した後に、プリズム38の内部を伝播する。このとき、プリズム38の内部を伝播するレーザ光の第2の偏光成分の光軸は、第2の偏光反射部56で反射したレーザ光の第1の偏光成分の光軸とほぼ同軸である。その後、レーザ光の第2の偏光成分は、出射プリズム面42から略垂直に出射する。出射プリズム面42から出射したレーザ光の第2の偏光成分は、出射プリズム面42から出射したレーザ光の第1の偏光成分と合成される。
以上のように、レーザ光の第1の偏光成分及びレーザ光の第2の偏光成分はそれぞれ、異なる光路で光学素子30の内部を伝播する。これにより、光学素子30により分離されたレーザ光の第1の偏光成分及びレーザ光の第2の偏光成分を、所定の光路差を持たせて伝播させた後に合成することができる。すなわち、光学素子30に入射したレーザ光を、互いに干渉しない第1の偏光成分及び第2の偏光成分の合成光に変換することができる。その結果、スペックルを低減することができる。
[本願特有の効果]
次に、図5を参照しながら、本実施の形態の光学素子30により得られる本願特有の効果について説明する。図5は、レーザ光が入射プリズム面に入射する際の入射角が設計値からずれた場合における、実施の形態1に係る光学素子の構成を示す断面図である。
何らかの要因で、図5に示すように、レーザ光が入射プリズム面40に入射する際の入射角が設計値(例えば、0°)からずれることがある。このような場合であっても、レーザ光の第1の偏光成分及びレーザ光の第2の偏光成分がそれぞれ光学素子30の内部で反射する回数及び反射する方向は同一であるので、出射プリズム面42から出射するレーザ光の第1の偏光成分及び第2の偏光成分の各々の光軸はほぼ同軸のままとなる。これにより、レーザ光の各偏光成分が出射プリズム面42から出射する際の出射角の間に生じるずれを抑制することができる。その結果、投影面10に投影される画像8の解像度が低下するのを抑制することができる。
(実施の形態2)
次に、図6を参照しながら、実施の形態2に係る光学素子の構成について説明する。図6は、実施の形態2に係る光学素子の構成を示す断面図である。なお、本実施の形態において、上記実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
[光学素子の構成]
図6に示すように、本実施の形態の光学素子30Aでは、プリズム38Aは、入射プリズム面40、出射プリズム面42、第1のプリズム面44A及び第2のプリズム面46Aに加えて、第3のプリズム面60を有している。
第1のプリズム面44Aは、出射プリズム面42に隣接して、且つ、入射プリズム面40に対向して配置されている。第2のプリズム面46Aは、第1のプリズム面44Aに隣接して配置されている。第3のプリズム面60は、第2のプリズム面46A及び入射プリズム面40の各々に隣接して、且つ、出射プリズム面42に対向して配置されている。第1のプリズム面44A及び第2のプリズム面46Aは、角度θ3(例えば、θ3=90°)をなすように配置されている。すなわち、第1のプリズム面44A及び第2のプリズム面46Aは、互いに平行とならないように配置されている。第2のプリズム面46A及び第3のプリズム面60は、角度θ4(例えば、θ4=90°)をなすように配置されている。すなわち、第2のプリズム面46A及び第3のプリズム面60は、互いに平行とならないように配置されている。
第1のプリズム面44A上には、第1の偏光反射部50Aを介して第1の平行平板48Aが密着して設けられている。第1の平行平板48Aを挟んで第1の偏光反射部50Aとは反対側には、第1の反射板52Aが設けられている。これら第1の平行平板48A、第1の偏光反射部50A及び第1の反射板52Aの各々の構成は、上記実施の形態1と同様であるので、それらの説明を省略する。
第2のプリズム面46A上には、第2の偏光反射部56Aを介して第2の平行平板54Aが密着して設けられている。第2の平行平板54Aを挟んで第2の偏光反射部56Aとは反対側には、第2の反射板58Aが設けられている。これら第2の平行平板54A、第2の偏光反射部56A及び第2の反射板58Aの各々の構成は、上記実施の形態1と同様であるので、それらの説明を省略する。
なお、上述のように、第1のプリズム面44A及び第2のプリズム面46Aは角度θ3をなすように配置されているので、第1の偏光反射部50A及び第2の偏光反射部56Aは、角度θ3で(すなわち、90°の角度で)対向して配置されている。
第3のプリズム面60上には、第3の偏光反射部64(後述する)を介して第3の平行平板62が密着して設けられている。第3の平行平板62は、透光性を有する材料、例えばガラス等で形成されている。第3の平行平板62の屈折率は、プリズム38Aの屈折率と同一である。
第3のプリズム面60と第3の平行平板62との間には、第3の偏光反射部64が介在されている。第3の偏光反射部64は、例えば、誘電体多層膜で構成されている。第3の偏光反射部64は、レーザ光の特定の偏光成分を反射する光学的性質を有している。具体的には、レーザ光が第3の偏光反射部64に入射した際に、レーザ光の第1の偏光成分は第3の偏光反射部64で反射され、レーザ光の第2の偏光成分は第3の偏光反射部64を透過する。
第3の平行平板62を挟んで第3の偏光反射部64とは反対側には、第3の反射板66が設けられている。第3の反射板66は、例えばアルミニウムで形成されたミラーであり、入射した光を全反射する光学的性質を有している。第3の反射板66には、第3の偏光反射部64を透過したレーザ光の第2の偏光成分が入射する。第3の反射板66は、当該入射したレーザ光の第2の偏光成分を反射する。
なお、上述のように、第2のプリズム面46A及び第3のプリズム面60は角度θ4をなすように配置されているので、第2の偏光反射部56A及び第3の偏光反射部64は、角度θ4で(すなわち、90°の角度で)対向して配置されている。
[スペックルの低減効果]
次に、図6を参照しながら、本実施の形態の光学素子30Aにより得られるスペックルの低減効果について説明する。
レンズ28(図3参照)により集光されたレーザ光は、図6中の実線の矢印及び破線の矢印で示すように、プリズム38Aの入射プリズム面40に略垂直に入射する。すなわち、レーザ光が入射プリズム面40に入射する際の入射角の設計値は、0°である。
まず、レーザ光の第1の偏光成分の光路について説明する。入射プリズム面40に入射したレーザ光の第1の偏光成分は、プリズム38Aの内部を伝播した後に、入射角φ5(例えば、φ5=45°)で第1の偏光反射部50Aに入射し、さらに、反射角φ5で第1の偏光反射部50Aで反射する。
第1の偏光反射部50Aで反射したレーザ光の第1の偏光成分は、再度、プリズム38Aの内部を伝播する。その後、レーザ光の第1の偏光成分は、入射角φ6(例えば、φ6=45°)で第2の偏光反射部56Aに入射し、さらに、反射角φ6で第2の偏光反射部56Aで反射する。
第2の偏光反射部56Aで反射したレーザ光の第1の偏光成分は、再度、プリズム38Aの内部を伝播する。その後、レーザ光の第1の偏光成分は、入射角φ7(例えば、φ7=45°)で第3の偏光反射部64に入射し、さらに、反射角φ7で第3の偏光反射部64で反射する。
第3の偏光反射部64で反射したレーザ光の第1の偏光成分は、再度、プリズム38Aの内部を伝播する。その後、レーザ光の第1の偏光成分は、出射プリズム面42から略垂直に出射する。なお、出射プリズム面42から出射するレーザ光の出射方向は、入射プリズム面40に入射するレーザ光の入射方向に対して略垂直である。
次に、レーザ光の第2の偏光成分の光路について説明する。入射プリズム面40に入射したレーザ光の第2の偏光成分は、プリズム38Aの内部を伝播した後に、第1の偏光反射部50Aを透過する。第1の偏光反射部50Aを透過したレーザ光の第2の偏光成分は、第1の平行平板48Aの内部を伝播した後に、入射角φ8(例えば、φ8=45°)で第1の反射板52Aに入射し、さらに、反射角φ8で第1の反射板52Aで反射する。
第1の反射板52Aで反射したレーザ光の第2の偏光成分は、再度、第1の偏光反射部50Aを透過した後に、プリズム38Aの内部を伝播する。このとき、レーザ光の第2の偏光成分の光軸は、第1の偏光反射部50Aで反射したレーザ光の第1の偏光成分の光軸と略平行である。その後、レーザ光の第2の偏光成分は、第2の偏光反射部56Aを透過した後に、第2の平行平板54Aの内部を伝播する。その後、レーザ光の第2の偏光成分は、入射角φ9(例えば、φ9=45°)で第2の反射板58Aに入射し、さらに、反射角φ9で第2の反射板58Aで反射する。
第2の反射板58Aで反射したレーザ光の第2の偏光成分は、再度、第2の偏光反射部56Aを透過した後に、プリズム38Aの内部を伝播する。このとき、レーザ光の第2の偏光成分の光軸は、第2の偏光反射部56Aで反射したレーザ光の第1の偏光成分の光軸と略平行である。その後、レーザ光の第2の偏光成分は、第3の偏光反射部64を透過した後に、第3の平行平板62の内部を伝播する。その後、レーザ光の第2の偏光成分は、入射角φ10(例えば、φ10=45°)で第3の反射板66に入射し、さらに、反射角φ10で第3の反射板66で反射する。
第3の反射板66で反射したレーザ光の第2の偏光成分は、再度、第3の偏光反射部64を透過した後に、プリズム38Aの内部を伝播する。このとき、プリズム38Aの内部を進行するレーザ光の第2の偏光成分の光軸は、第3の偏光反射部64で反射したレーザ光の第1の偏光成分の光軸とほぼ同軸である。その後、レーザ光の第2の偏光成分は、出射プリズム面42から略垂直に出射する。
以上のようにして、本実施の形態の光学素子30Aでは、上記実施の形態1と同様に、スペックルを低減することができる。
[本願特有の効果]
次に、図7を参照しながら、本実施の形態の光学素子30Aにより得られる本願特有の効果について説明する。図7は、レーザ光が入射プリズム面に入射する際の入射角が設計値からずれた場合における、実施の形態2に係る光学素子の構成を示す断面図である。
図7に示すように、レーザ光が入射プリズム面40に入射する際の入射角が設計値(例えば、0°)からずれた場合であっても、上記実施の形態1と同様に、レーザ光の各偏光成分が出射プリズム面42から出射する際の出射角の間に生じるずれを抑制することができる。
以上、本発明の実施の形態1及び2に係る光学素子及びプロジェクタについて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記各実施の形態を組み合わせるようにしてもよい。
上記各実施の形態では、プロジェクタが自動車用のヘッドアップディスプレイに搭載される場合について説明したが、これに限定されず、プロジェクタは、例えば航空機用のヘッドアップディスプレイに搭載することもできる。
上記各実施の形態では、プロジェクタがヘッドアップディスプレイに搭載される場合について説明したが、これに限定されず、プロジェクタは、例えば壁等に設置されたスクリーン上に画像を投影するための投影機として用いることもできる。
上記各実施の形態では、光学素子をレンズとMEMSミラーとの間におけるレーザ光の光路上に配置したが、これに限定されず、例えば各レーザ光源に対応して1つずつ光学素子を配置することもできる。すなわち、第1のレーザ光源と第2のダイクロイックミラーとの間におけるレーザ光の光路上、第2のレーザ光源と第1のダイクロイックミラーとの間におけるレーザ光の光路上、及び、第3のレーザ光源と第1のダイクロイックミラーとの間におけるレーザ光の光路上にそれぞれ光学素子を配置することもできる。
上記各実施の形態では、第1の偏光反射部、第2の偏光反射部及び第3の偏光反射部をそれぞれ誘電体多層膜で構成したが、これに限定されず、例えばワイヤグリッド偏光子又は反射型偏光子等で構成することもできる。なお、第1の偏光反射部、第2の偏光反射部及び第3の偏光反射部の各々の形状は、プレート状でもよく、あるいは、膜状でもよい。
上記各実施の形態では、第1の反射板、第2の反射板及び第3の反射板をそれぞれアルミニウムで形成されたミラーで構成したが、これに限定されず、例えば銀で形成されたミラー又は誘電体多層膜等で形成することもできる。なお、第1の反射板、第2の反射板及び第3の反射板の各々の形状は、プレート状でもよく、あるいは、膜状でもよい。
上記各実施の形態では、レーザ光が光学素子の内部で2回又は3回反射する場合について説明したが、4回以上反射するように構成することもできる。
上記実施の形態1では、プリズム、第1の平行平板及び第2の平行平板の各々の屈折率を同一としたが、これらの屈折率を互いに異ならせることもできる。同様に、上記実施の形態2では、プリズム、第1の平行平板、第2の平行平板及び第3の平行平板の各々の屈折率を同一としたが、これらの屈折率を互いに異ならせることもできる。
本発明は、例えば、画像を投影するためのプロジェクタに用いられる光学素子として適用することができる。
2 プロジェクタ
4 自動車
6 ダッシュボード
8 画像
10 フロントガラス(投影面)
12 コンバイナ
14 運転者
16 風景
18 第1のレーザ光源
20 第2のレーザ光源
22 第3のレーザ光源
24 第1のダイクロイックミラー
26 第2のダイクロイックミラー
28 レンズ
30,30A,100 光学素子
32 MEMSミラー
34 制御部
36 ハウジング
38,38A プリズム
40 入射プリズム面
42 出射プリズム面
44,44A 第1のプリズム面
46,46A 第2のプリズム面
48,48A 第1の平行平板
50,50A 第1の偏光反射部
52,52A 第1の反射板
54,54A 第2の平行平板
56,56A 第2の偏光反射部
58,58A 第2の反射板
60 第3のプリズム面
62 第3の平行平板
64 第3の偏光反射部
66 第3の反射板
102 偏光ビームスプリッタ
102a 入射面
102b 出射面
102c 第1の面
102d 第2の面
104,106 ミラー
108,110 1/4波長板
112 偏光分離部

Claims (9)

  1. 第1のプリズム面及び第2のプリズム面を有するプリズムと、
    前記第1のプリズム面上に設けられた第1の平行平板と、
    前記第1のプリズム面と前記第1の平行平板との間に介在され、前記プリズムに入射したレーザ光の第1の偏光成分を反射し、且つ、前記プリズムに入射した前記レーザ光の前記第1の偏光成分と直交する第2の偏光成分を透過する第1の偏光反射部と、
    前記第1の平行平板を挟んで前記第1の偏光反射部と反対側に設けられ、且つ、前記第1の偏光反射部を透過した前記レーザ光の前記第2の偏光成分を反射する第1の反射板と、
    前記第2のプリズム面上に設けられた第2の平行平板と、
    前記第2のプリズム面と前記第2の平行平板との間に介在され、前記第1の偏光反射部で反射された前記レーザ光の前記第1の偏光成分を反射し、且つ、前記第1の反射板で反射された前記レーザ光の前記第2の偏光成分を透過する第2の偏光反射部と、
    前記第2の平行平板を挟んで前記第2の偏光反射部と反対側に設けられ、且つ、前記第2の偏光反射部を透過した前記レーザ光の前記第2の偏光成分を反射する第2の反射板と、を備える
    光学素子。
  2. 前記プリズム、前記第1の平行平板及び前記第2の平行平板の各々の屈折率は同一である
    請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記第2の偏光反射部で反射した前記レーザ光の前記第1の偏光成分及び前記第2の反射板で反射した前記レーザ光の前記第2の偏光成分はそれぞれ、前記プリズムを通過した後に前記プリズムから出射する
    請求項1又は2に記載の光学素子。
  4. 前記第1の偏光反射部及び前記第2の偏光反射部は、45°の角度で対向して配置されている
    請求項3に記載の光学素子。
  5. 前記プリズムは、さらに、第3のプリズム面を有し、
    さらに、
    前記第3のプリズム面上に設けられた第3の平行平板と、
    前記第3のプリズム面と前記第3の平行平板との間に介在され、前記第2の偏光反射部で反射された前記レーザ光の前記第1の偏光成分を反射し、且つ、前記第2の反射板で反射された前記レーザ光の前記第2の偏光成分を透過する第3の偏光反射部と、
    前記第3の平行平板を挟んで前記第3の偏光反射部と反対側に設けられ、且つ、前記第3の偏光反射部を透過した前記レーザ光の前記第2の偏光成分を反射する第3の反射板と、を備え、
    前記第3の偏光反射部で反射した前記レーザ光の前記第1の偏光成分及び前記第3の反射板で反射した前記レーザ光の前記第2の偏光成分はそれぞれ、前記プリズムを通過した後に前記プリズムから出射する
    請求項1又は2に記載の光学素子。
  6. 前記第1の偏光反射部及び前記第2の偏光反射部は、90°の角度で対向して配置され、且つ、前記第2の偏光反射部及び前記第3の偏光反射部は、90°の角度で対向して配置されている
    請求項5に記載の光学素子。
  7. 前記プリズム、前記第1の平行平板、前記第2の平行平板及び前記第3の平行平板の各々の屈折率は同一である
    請求項5又は6に記載の光学素子。
  8. レーザ光を出力する光源と、
    前記光源からの前記レーザ光が入射する光学素子と、を備え、
    前記光学素子は、
    第1のプリズム面及び第2のプリズム面を有するプリズムと、
    前記第1のプリズム面上に設けられた第1の平行平板と、
    前記第1のプリズム面と前記第1の平行平板との間に介在され、前記プリズムに入射した前記レーザ光の第1の偏光成分を反射し、且つ、前記プリズムに入射した前記レーザ光の前記第1の偏光成分と直交する第2の偏光成分を透過する第1の偏光反射部と、
    前記第1の平行平板を挟んで前記第1の偏光反射部と反対側に設けられ、且つ、前記第1の偏光反射部を透過した前記レーザ光の前記第2の偏光成分を反射する第1の反射板と、
    前記第2のプリズム面上に設けられた第2の平行平板と、
    前記第2のプリズム面と前記第2の平行平板との間に介在され、前記第1の偏光反射部で反射された前記レーザ光の前記第1の偏光成分を反射し、且つ、前記第1の反射板で反射された前記レーザ光の前記第2の偏光成分を透過する第2の偏光反射部と、
    前記第2の平行平板を挟んで前記第2の偏光反射部と反対側に設けられ、且つ、前記第2の偏光反射部を透過した前記レーザ光の前記第2の偏光成分を反射する第2の反射板と、を有する
    プロジェクタ。
  9. 前記プリズムは、さらに、前記光源からの前記レーザ光が入射する入射プリズム面を有し、
    前記レーザ光は、前記入射プリズム面に略垂直に入射する
    請求項8に記載のプロジェクタ。
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