JP2014194183A - ロータリ圧縮機 - Google Patents

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Katsumi Tominaga
克巳 富永
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Abstract

【課題】上軸受の変形を抑制して、振動や騒音をより低減することの可能な構造の圧縮
機を提供することをその目的とする。
【解決手段】上軸受の下部には、シリンダが配設される。このシリンダは、圧縮機の外側に配設されるアキュムレータの下部に接続されるパイプと連結パイプを介して接続される。このアキュムレータ側と180°反対側に位置する上軸受の外周端部において、前記上軸受の下部に配置されるシリンダが、上軸受の大きさより小さい場合に、圧縮機の外周端部が、圧縮機密閉容器と溶接される箇所は数箇所あるが、シリンダ端部からほぼ、片持ち構造となる。本発明のロータリ圧縮機は、この上軸受端部の片持ち構造を、シリンダ側面部から板状リブを形成し、片持ち構造を下から支持することで上軸受の変形による振動を抑える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ルームエアコン、冷蔵庫、空気調和装置などの冷凍サイクルの一部に組み込まれ、当該冷凍サイクル内に循環する冷媒を圧縮するためのロータリ圧縮機の改良に関する。
従来のロータリ式の密閉型圧縮機は、一般に、以下の特許文献1にも示すように、密閉容器内に配置されており、当該圧縮機を駆動するための電動機部と冷媒を圧縮するための圧縮機構部とを備えている。そして、当該密閉容器には、蒸発器側に接続される吸入管と、凝縮器側に接続される吐出管とを備えている。なお、電動機部は、固定子と回転子から構成されており、当該固定子は、密閉容器1内に固定され、他方、回転子は、固定子内において回転自在に設けられている。圧縮機構部は、シリンダと共に、上記電動機部により回転駆動されるシャフトの偏心部によりシリンダ内を回転するローラと、シリンダとローラの両端面を閉塞し、上記シャフトを支持する上軸受である第1の軸受、下軸受である第2の軸受によって構成されており、電動機部によって発生された駆動力がシャフトの偏心部を通して伝達されている。
特開2009−185761号公報 特願2010−90291号公報
しかしながら、上記従来の圧縮機では、圧縮機の運転中、上記回転子の回転又は回転子の組立時の偏心によって、半径方向の加振力が生じる。この半径方向の加振力によって、上記シャフトの自由端側が撓んだ状態で、上記回転子が振れ回る。これに伴い、固定子と回転子とが接触し、第1の軸受や第2の軸受及びシャフトに過大な力が加わり、その結果、圧縮機の効率の低下を、場合によっては、損傷をきたすという課題を有していた。また、上述した現象は、更には、大きな振動を生じ、そして、騒音が発生する原因ともなっていた。
また、それ以外にも、シリンダの回転により、半径方向に加振力が生じる。これにより、誘起される振動も、騒音が発生する原因となっている。このときに共振する振動周波数のモード形状において、軸受に対して回転子が片持ち構造となっており、回転子が首を振ることで、シャフトから軸受に力が加わり、軸受の変形を誘起し、軸受に結合されている、圧縮機の密閉容器と、アキュムレータが連成する共振変形モードを増大させ、大きな振動を生じ、騒音を発生する原因になっている。
特に、第1の軸受とシリンダの組み合わせにおいて、第1の軸受に接合するシリンダからアキュムレータに繋がるパイプの周辺は、圧縮機の密閉容器にも接合され、構造の剛性が強くなるが、アキュムレータと反対側となる第1の軸受部は、構造の剛性が弱くなっており、そのために、第1の軸受が変形する共振モードが存在する。
そこで、本発明では、上述した従来技術における問題点に鑑みて達成されたものであり、より具体的には、第1の軸受において、アキュムレータに接続されるパイプに接続される側面は、圧縮機の密閉容器とも接続され、構造が強化されているが、その反対側の側面においては、圧縮機の密閉容器に対して上下方向に変形する変形モードを有する。この変形モードが、圧縮機の密閉容器とアキュムレータが連成する共振変形モードと更に連成し、大きな共振変形モードとなる。
よって、第1の軸受とシリンダの組み合わせにおいて、アキュムレータが配置される反対側の第1の軸受、シリンダ、密閉容器の構造強度を増加して、第1の軸受の変形を抑制して、振動や騒音をより低減することの可能な構造の圧縮機を提供することをその目的とする。
そこで、本発明では、上述した発明者による新たな認識に基づいて達成されたものであり、より具体的には、密閉容器内に、シリンダと、偏心部を持つシャフトと、前記偏心部により前記シリンダ内を偏心移動するローラと、前記ローラと摺接してそれに従動するように設けられたベーンと、前記シリンダ及び前記ローラの両端面を閉塞する上部端板と下部端板を構成すると共に、前記シャフトを支持する上軸受と下軸受とから構成された圧縮機構部と、前記圧縮機構部を駆動する電動機を備えたロータリ圧縮機であって、前記上軸受は、その外周部を前記密閉容器の内壁に数箇所溶接し、かつ、その中心部に、その内部に前記シャフトを軸支するボス部を備えている。
そして、前記シャフトは、回転子と接合されている。回転子は、複数枚の薄板を積層した構造であり、その両端は、固定するためのプレートを取り付けている。このプレートは、前記上軸受のボス部との接触を回避するために、シャフト周辺部は中抜きの構造としている。
上軸受の下部には、シリンダが配設される。このシリンダは、圧縮機の外側に配設されるアキュムレータの下部に接続されるパイプと連結パイプを介して接続される。このアキュムレータ側と180°反対側に位置する上軸受の外周端部において、前記上軸受の下部に配置されるシリンダが、上軸受の大きさより小さい場合に、圧縮機の外周端部が、圧縮機密閉容器と溶接される箇所は数箇所あるが、シリンダ端部からほぼ、片持ち構造となる。本発明のロータリ圧縮機は、この上軸受端部の片持ち構造を、シリンダ側面部から板状リブを形成し、片持ち構造を下から支持することを特徴とする。
以上に述べた本発明になるロータリ圧縮機によれば、上軸受端部の上下変形とアキュムレータと圧縮機外郭部が連成する共振を抑制することができ、大きな振動や騒音も抑制できる。
本発明の一実施例になるロータリ圧縮機の内部構造を示す断面図である。 上記ロータリ圧縮機において、シャフトと回転子を示す断面図である。薄板積層構造の回転子において、軸受側端部の薄板の構造を示す。 従来形状と本発明形状による、振動のCAE解析結果を示す図。
以下、実施例を図面を用いて説明する。まず、添付の図1は、本発明の一実施例(実施例1)であるロータリ圧縮機の内部構造を示す縦断面図であり、この図からも明らかなように、本発明になるロータリ圧縮機は、密閉容器1内の上部には、固定子6と回転子7とからなる電動機部2を収納し、他方、その下部には、上軸受12、シリンダ8、上記シリンダ内を偏心移動するローラ10、前記ローラと摺接してそれに従動するベーン11(図示せず)、下軸受13、そして、偏心部を持つシャフトである、クランクシャフト9からなる圧縮機構部3を収納している。なお、上記上軸受12の下面と上記下軸受13の上面は、それぞれ、上記シリンダ及びローラの両端面を閉塞する上部端板及び下部端板を構成している。
ここで、上軸受12は、上記電動機部2を構成する回転子7に連結されたクランクシャフト9を支持する一方の軸受であり、その一部である12aには、シリンダ8、ローラ10、ベーン11(図示せず)で構成される圧縮作動室の吐出ポート17(図示せず)が形成され、かつ、その上端部には吐出ポートバルブ17a(図示せず)が取り付けられている。また、この上軸受12の外周壁部12bは、上記密閉容器1の内壁に当接すると共に、例えば、溶接などにより固定されている。更に、この上軸受12のボス部12cは、その中央部において円筒状に上方に延びて形成されており、その内部に上記クランクシャフト9を回転可能に挿入・保持することにより軸受として機能している。他方、下軸受13は、図からも明らかなように、上記圧縮機構部3を構成するシリンダ8やローラ10の下部に取り付けられているが、しかしながら、密閉容器1に対しては、必ずしも十分に強固に固定されているとは言えない状態である。
発明者による検討によれば、上述した圧縮機の構造では、回転駆動部である電動機部2の回転子7に連結されるクランクシャフト9は、二つの軸受けである、上軸受12と下軸受13により保持される、しかしながら、その保持位置は、クランクシャフト9全体の下部に限られており、所謂、片持ち状態で保持されており、このことで、圧縮機内において振動が生じるものと推測された。
さらに、その振動の共振周波数によるモード形状を確認すると、上軸受12に対して回転子7が片持ち構造となっており、回転子7が首を振ることで、シャフト9から上軸受12に力が加わり、上軸受12の変形を誘起し、上軸受12に結合されている、圧縮機の密閉容器1と、アキュムレータ(図示せず)が連成する共振変形モードを増大させ、大きな振動を生じ、騒音を発生する原因になっていると推定された。
特に、上軸受12とシリンダ8の組み合わせにおいて、上軸受12に接合するシリンダ8からアキュムレータ(図示せず)に繋がる吸入管4の周辺は、圧縮機の密閉容器1にも接合され、構造の剛性が強くなるが、上軸受12のアキュムレータ(図示せず)と反対側(図面右側)となる部分は、上軸受12がシリンダ8との接合面より大きく、上軸受12の外周側は、その断面を見れば、片持ち板のような変形をする構造で剛性が弱くなっており、そのために、上軸受12が変形する共振モードが存在すると推定された。
そこで、本実施例では、図2に示すように、シリンダ8の右側(アキュムレータ、吸入管配置の反対側)にリブ8aを形成し、前記上軸受12の剛性が弱い(吸入管4の接合反対側)外周を下面からリブ8aで支持することで、上軸受12の剛性を補強し、問題となる周波数の
振動のモード形状を抑制した。
図3は、従来形状と本発明形状による、振動のCAE解析結果を示す。各周波数での一定の加振力に対応する応答を、加速度振幅で図示している。従来形状で突出していた周波数応答が、本発明形状により、約3/10 に加速度振幅が低減され、振動が抑制されていることが分かる。
1…密閉容器、2…電動機部、3…圧縮機構部、4…吸入管、、6…固定子、7…回転子、8…シリンダ、8a…リブ、9…シャフト、10…ローラ、12…上軸受、12c…ボス部、13…下軸受、14…ガスカバー、16…サイレンサ室、7a…回転子(薄板積層)

Claims (2)

  1. 密閉容器内に、シリンダと、偏心部を持つシャフトと、前記偏心部により前記シリンダ内を偏心移動するローラと、前記ローラと摺接してそれに従動するように設けられたベーンと、前記シャフトを支持する上軸受と下軸受とから構成された圧縮機構部と、前記圧縮機構部を駆動する電動機を備えたロータリ圧縮機であって、
    前記上軸受は、その外周部を前記密閉容器の内壁に3箇所以上を溶接にて固定し、前記シリンダは、アキュムレータと接続する吸込管の接続部を有し、上面は上軸受と接し、吸込管接続部側と反対側のシリンダの上接触面は上軸受の接触面よりも小さい特徴を持ち、その吸込管接続部側と反対側のシリンダの外周側面からリブを伸ばし、上軸受を下側から支持することを特徴とするロータリ圧縮機。
  2. 前記請求項1に記載したロータリ圧縮機において、シリンダの外周側面から伸ばしたリブを上軸受に接する面は上軸受の外周まで伸ばし、下軸受に接する面は、リブを伸ばすことなく、リブを側面から見た形状を三角形としたことを特徴とするロータリ圧縮機。
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