JP2014193951A - 着色粒子及びその製造方法、着色粒子分散液、表示媒体、並びに、表示装置 - Google Patents

着色粒子及びその製造方法、着色粒子分散液、表示媒体、並びに、表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】帯電量の維持性に優れる着色粒子の提供、並びに、当該着色粒子を利用した、着色粒子分散液、表示媒体、及び表示装置の提供
【解決手段】 A)着色剤と、B)少なくとも1種の双性イオン基を有する高分子化合物と、を含有する着色粒子(例えば、粒子群34を構成する粒子)である。また、当該着色粒子を利用した、着色粒子分散液、表示媒体、及び表示装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、着色粒子及びその製造方法、着色粒子分散液、表示媒体、並びに、表示装置に関する。
従来から、繰り返し書換えの可能な表示媒体として、電気泳動を用いた表示技術が提案されている。
このような表示技術としては、例えば、一対の基板間に、分散液を封入すると共に、この分散液内に帯電した粒子からなる粒子群を分散した構成の表示媒体が知られている。
このような表示媒体では、画像に応じた電圧を基板間に印加することにより、帯電した粒子を移動させて、粒子の色のコントラストとして画像の表示を行っている(例えば、特許文献1から4参照)。
また、電気泳動を用いた表示技術において、粒子の帯電性を制御するために、粒子に帯電制御剤を添加した表示装置について開示されている。
具体的には、例えば、特許文献5には、帯電粒子と界面活性剤とを含んだ分散媒体を用いた表示装置において、帯電粒子へ正帯電付与するために第4級アンモニウム化合物を含有させたものが開示されている。また特許文献6には、帯電粒子のゼータ電位を向上させるために、帯電粒子に、顔料と、樹脂化合物と、溶媒に対する溶解性が5質量%以下の電荷調整剤と、を含有させたものが開示されている。
また、粒子の帯電性を制御するために、粒子の表面に存在するアミンの4級塩化により帯電基を導入したり、オニウム塩を持つ高分子ポリマーを利用することが提案されている(例えば、特許文献7〜8)。
また、粒子の分散性を向上や帯電性を制御することを目的として、両性系界面活性剤(各種ベタイン型界面活性剤、各種イミダゾリン系界面活性剤、β−アラニン型界面活性剤、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン塩酸塩等)や、各種電荷制御剤を分散媒に添加することも知られている(例えば、特許文献9〜11)。
特開2004−333589号公報 特開2005−107146号公報 特開2005−128141号公報 特開2003−005228号公報 特開平11−119704号公報 特開2004−279732号公報 特開2009−192740号公報 特開2010−217583号公報 特開2001−12514号公報 特開2005−128141号公報 特開2010−217233号公報
ところで、電気泳動を用いた表示技術に利用する粒子に代表されるように、帯電性を持つ着色粒子は、その帯電量が維持されることが重要となる。
例えば、4級アンモニウム化合物を帯電制御剤として着色粒子に添加した場合、4級アンモニウム化合物の添加量を制御することにより、着色粒子の帯電量が制御される。しかし、このように帯電制御剤が添加された着色粒子の場合、長時間の使用に伴って添加された帯電制御剤が次第に脱離し、着色粒子の帯電量が時間と共に変化してしまう。
一方、確かに、着色粒子の表面に存在するアミンの4級塩化により帯電基を導入する技術では、着色粒子の帯電量の維持性に優れるものの、昨今の技術レベルの向上により、さらなる改善が望まれているのが現状である。
なお、分散媒に両性系界面活性剤や電荷制御剤を添加する技術では、帯電性の維持性には寄与し難い。
そこで、本発明は、上記に鑑みなされたものであり、帯電量の維持性に優れる着色粒子を提供することを課題とする。
また、本発明は、当該着色粒子を利用した、着色粒子分散液、表示媒体、及び表示装置を提供することを課題とする。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
<1>
A)着色剤と、B)少なくとも1種の双性イオン基を有する高分子化合物と、を含有する着色粒子。
<2>
双性イオン基が、下記一般式(i)及び(ii)で示される基からなる群から選択される少なくとも1種である<1>に記載の着色粒子。
(一般式(i)及び(ii)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜30の置換基を表す。L及びLは、それぞれ独立に、有機連結基を表す。Aは、カルボキシレート、スルホネート、又はホスホネートを表す。Bは、正電荷を有する置換基を表す。)
<3>
双性イオン基を有する高分子化合物が、下記一般式(1)〜(4)で表されるモノマー単位からなる群から選択される少なくとも1種を有する<1>又は<2>に記載の着色粒子。

(一般式(1)〜(4)中、R11、R14、R17及びR20は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜12の置換基を表す。L11、L12、L13及びL14は、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。X11は、アルキレン基、置換アルキレン基、又はポリアルキレンオキシド基を有する2価の連結基を表す。Y11は、アルキレン基、又は置換アルキレン基を表す。R12、R13、R15、R16、R18、R19、R21、R22及びR23は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜30の置換基を表す。R12、R13及びY11からなる群、R15、R16及びY11からなる群、R18、R19及びY11からなる群、並びに、R21、R22、R23及びY11からなる群の各群中の任意の2つが結合して複素環を形成していてもよい。)
<4>
<1>〜<3>のいずれか1項に記載の着色粒子を含む粒子群と、
粒子群を分散するための分散媒と、
を有する着色粒子分散液。
<5>
分散媒が、シリコーンオイル、又はパラフィン系炭化水素溶媒である<4>に記載の着色粒子分散液。
<6>
粒子群が、帯電極性の異なる複数種類の着色粒子から構成される<4>又は<5>に記載の着色粒子分散液。
<7>
少なくとも一方が透光性を有する一対の基板と、
一対の基板間に封入された、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の着色粒子を含む粒子群と、
を備えた表示媒体。
<8>
<7>に記載の表示媒体と、
表示媒体の一対の基板間に電圧を印加する電圧印加手段と、
を備えた表示装置。
<9>
少なくとも一方が透光性を有する一対の電極と、
一対の電極間に設けられた、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の着色粒子を含む粒子群を有する領域と、
を備えた表示媒体。
<10>
<9>に記載の表示媒体と、
表示媒体の一対の電極間に電圧を印加する電圧印加手段と、
を備えた表示装置。
本発明によれば、帯電量の維持性に優れる着色粒子を提供することができる。また、本発明によれば、当該着色粒子を利用した、粒子分散液、表示媒体、及び表示装置を提供することができる。
本実施形態に係る表示装置の概略構成図である。 本実施形態に係る表示装置の表示媒体の基板間に電圧を印加したときの粒子群の移動態様を模式的に示す説明図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は「アクリル」及び「メタクリル」の双方の表記である。「(メタ)アクリロ」は「アクリロ」及び「メタクリロ」の双方の表記である。「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」及び「メタクリレート」の双方の表記である。
[着色粒子]
本発明の着色粒子は、A)着色剤と、B)少なくとも1種の双性イオン基を有する高分子化合物と、を含有する。
本発明の着色粒子は、帯電量の維持性に優れる。この理由は定かではないが、双性イオン基を有する高分子化合物で着色粒子を構成することにより、着色粒子そのものが非可逆的に帯電した構造を持つと考えられるためである。
特に、本発明の着色粒子は、粒子の表面に存在するアミンの4級塩化により帯電基を導入した場合に比べ、帯電量の維持性に優れる。これは、本発明の着色粒子が、予め帯電基として機能する双性イオン基を有する高分子化合物によって着色粒子を構成しているためである。また、粒子の表面に存在するアミンを4級塩化した帯電基は、平衡反応で解離することがあり、不安定であるためである。
なお、本発明の着色粒子を表示用粒子(電気泳動粒子)に適用した場合、当該表示用粒子の帯電量の経時変化が抑制されるため、画像表示をするための駆動電圧(閾値電圧)や粒子の泳動速度が安定し、粒子の応答性や画像表示性等の表示特性が良好となる。
以下、本発明の着色粒子について詳細に説明する。
本発明の着色粒子は、A)着色剤と、B)少なくとも1種の双性イオン基を有する高分子化合物と、含んで構成される。具体的には、本発明の着色粒子は、例えば、高分子化合物中に着色剤が分散された粒状物から構成される。
なお、本発明の着色粒子は、必要に応じて、C)その他の成分を含んで構成されていてもよい。
(着色剤)
着色剤としては、従来公知の種々の無機顔料、有機顔料又は油溶性染料等を適宜選択して用いる。
無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で表される金属化合物を挙げられる。具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、及び金属の複合酸化物等を挙げられる。
有機顔料としては、
C.I. Pigment Red1、2、3、4、5、6、7、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、52:1、52:2、53:1、57:1、60:1、63:1、66、67、81:1、81:2、81:3、83、88、90、105、112、119、122、123、144、146、149、150、155、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、184、185、187、188、190、200、202、206、207、208、209、210、216、220、224、226、242、246、254、255、264、270、272、279;、
C.I. Pigment Yellow1、2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214
C.I. Pigment Orange2、5、13、16、17:1、31、34、36、38、43、46、48、49、51、52、55、59、60、61、62、64、71、73;、
C.I. Pigment Green7、10、36、37;、
C.I. Pigment Blue1、2、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、66、79、79、80のCl置換基をOHに変更したもの;、
C.I. Pigment Violet1、19、23、27、32、37、42;、
C.I. Pigment Brown25、28;、
C.I. Pigment Black1、7;、
等が挙げられる。
これらの着色剤のうち、さらに好ましい顔料として、以下のものを挙げることができる。ただし、これらに限定されるものではない。
・C.I. Pigment Yellow11、24、97、108、109、110、138、139、150、151、154、167、180、185;
・C.I. Pigment Orange36、71;
・C.I. Pigment Red48:1、57:1、122、150、171、175、177、209、224、242、254、255、264
・C.I. Pigment Violet19、23、32
・C.I. Pigment Blue15:1、15:3、15:6、16、22、60、66;、
・C.I. Pigment Green7、36、37
・C.I. Pigment Black1、7
着色剤の含有量としては、全高分子化合物に対し10質量%以上99質量%以下が望ましく、望ましくは30質量%以上99質量%以下である。
(高分子化合物)
高分子化合物は、少なくとも1種の双性イオン基を有する高分子化合物である。
ここで、双性イオン基とは、カチオンとアニオンが適当な化学結合で結ばれており、全体として中性である性質を持つ基である。具体的には、双性イオン基としては、上記性質を有する基であれば適用できるが、帯電量の維持性の観点から、双性イオン基は、下記一般式(i)及び(ii)で示される基から選択される少なくとも1種であることがよい。
一般式(i)及び(ii)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜30の置換基を表す。L及びLは、それぞれ独立に、有機連結基を表す。Aは、カルボキシレート、スルホネート、又はホスホネートを表す。Bは、正電荷を有する置換基を表す。
一般式(i)において、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜30の置換基を表す。当該置換基の中でも、好ましくは、炭素数1〜20の置換基であり、更に好ましくは、炭素数1〜15の置換基であり、特に好ましくは炭素数1〜8の置換基である。当該置換基として、より具体的には、直鎖、分岐又は環状のアルキル基、アリール基、ヘテロ環基等が挙げられる。アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロペンチル基等が挙げられる。また、アリール基の例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。更に、ヘテロ環基の例としては、フラニル基、チオフェニル基、ピリジニル基等が挙げられる。
及びRが表す置換基は更に置換基を有していてもよい。当該置換基に更に置換してもよい置換基としては、水素を除く一価の非金属原子団が挙げられる。好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、Ν−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイト基、N’,N’−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N’−アリール−Ν−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、
N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)及びその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基ホスフォノ基(−PO)及びその共役塩基基(以下、ホスフォナト基と称す)、ジアルキルホスフォノ基(−PO(alkyl))、ジアリールホスフォノ基(−PO(aryl))、アルキルアリールホスフォノ基(−PO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノ基(−POH(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナト基と称す)、モノアリールホスフォノ基(−POH(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスフォナト基と称す)、ホスフォノオキシ基(−OPO)及びその共役塩基基(以後、ホスフォナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスフォノオキシ基(−OPO(alkyl))、ジアリールホスフォノオキシ基(−OPO(aryl))、アルキルアリールホスフォノオキシ基(−OPO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノオキシ基(−OPOH(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナトオキシ基と称す)、モノアリールホスフォノオキシ基(−OPOH(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールフォスホナトオキシ基と称す)、モルホリノ基、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。
特に、R、Rとしては、効果及び入手容易性の観点から、水素原子、メチル基、又はエチル基を表すことがよい。
一般式(i)及び(ii)において、L及びLは、それぞれ独立に、有機連結基を表し、その具体的な例としては、炭素数1〜20のアルキレン基;、フェニレン、キシリレン等のアリーレン基;等が挙げられる。
具体的には、例えば、以下の有機連結基が挙げられる。なお、これらの有機連結基は、水酸基等の置換基を更に有していてもよい。
一般式(i)において、Aは、カルボキシレート、スルホネート、又はホスホネートを表す。具体的には、以下の陰イオンが挙げられる。
一般式(ii)において、Bは、正の荷電を有する置換基を表す。正の荷電を有する置換基の例としては、トリメチルアンモニオ基、トリエチルアンモニオ基、トリブチルアンモニオ基、ベンジルジメチルアンモニオ基、ジエチルヘキシルアンモニオ基、(2−ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニオ基、ピリジニオ基、N−メチルイミダゾリオ基、N−アクリジニオ基、トリメチルホスホニオ基、トリエチルホスホニオ基、トリフェニルホスホニオ基等が挙げられる。好ましくは、アンモニウム、ホスホニウムであり、特に好ましくはアンモニウムである。
これら双性イオン基を有する高分子化合物としては、双性イオン性基を持つ単量体に由来するモノマー単位からなる高分子化合物、双性イオン性基を持つ単量体に由来するモノマー単位と他の単量体に由来する他のモノマー単位とを有する高分子化合物が挙げられる。つまり、高分子化合物としては、双性イオン性基を持つ単量体の単独重合体、双性イオン性基を持つ単量体と他の単量体との共重合体が挙げられる。なお、高分子化合物は、双性イオン性基を持つ単量体のうち、双性イオン性基が異なる複数種の単量体の共重合体であってもよい。
双性イオン基を持つ単量体に由来するモノマー単位としては、重合可能な少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を持つ基と双性イオン基とを有する単量体に由来するモノマー単位が挙げられ、具体的には、例えば、下記一般式(1)〜(4)で表されるモノマー単位からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
一般式(1)〜(4)中、R11、R14、R17及びR20は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜12の置換基を表す。L11、L12、L13及びL14は、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。X11は、アルキレン基、置換アルキレン基、又はポリアルキレンオキシド基を有する2価の連結基を表す。Y11は、アルキレン基、又は置換アルキレン基を表す。R12、R13、R15、R16、R18、R19、R21、R22及びR23は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜30の置換基を表す。R12、R13及びY11からなる群、R15、R16及びY11からなる群、R18、R19及びY11からなる群、並びに、R21、R22、R23及びY11からなる群の各群中の任意の2つが結合して複素環を形成していてもよい。
一般式(1)〜(4)において、R11、R14、R17及びR20は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜12の置換基を表す。当該置換基の中でも、好ましくは、炭素数1〜6の置換基であり、更に好ましくは、炭素数1〜3の置換基である。当該置換基として、より具体的には、アルキル基、又はアリール基等が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロペンチル基等が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。
11、R14、R17及びR20が表す置換基は更に置換基を有していてもよい。当該置換基に更に置換してもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシルキ基、クロロ基等が挙げられる。
特に、R11、R14、R17及びR20は、それぞれ独立に、入手性及び重合性の観点から、水素原子、又はメチル基を表すことがよい。
一般式(1)〜(4)において、L11、L12、L13及びL14は、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、−C(=O)−O−、−C(C=O)−NH−、アリーレン基等が挙げられる。
アリーレン基としては、フェニレン基、キシリレン等が挙げられる。
特に、L11、L12、L13及びL14は、それぞれ独立に、効果及び入手性の観点から、−C(=O)−O−、−C(C=O)−NH−、又はフェニレン基を表すことがよい。
一般式(1)〜(4)において、X11は、アルキレン基、置換アルキレン基、又はポリアルキレンオキシド基を有する2価の連結基を表す。
アルキレン基の中でも、好ましくは、炭素数1〜20のアルキレン基であり、更に好ましくは、炭素数1〜12のアルキレン基である。アルキレン基として、より具体的には、 メチレン基、エチレン基、プロピレン基、n−ブチレン基、n−ヘキシレン基、n−ヘプチレン基、n−オクチレン基、n−ドデシレン基等が挙げられる。
アルキレン基に置換し得る置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシルキ基、が挙げられる。
ポリアルキレンオキシド基の中でも、好ましくは、炭素数1〜12のポリアルキレンオキシド基であり、更に好ましくは、炭素数1〜6のポリアルキレンオキシド基である。ポリアルキレンオキシド基として、より具体的には、ポリエチレンオキシド基、ポリプロピレンオキシド基等が挙げられる。
特に、X11は、重合性及び入手性の観点から、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、n−ブチレン基、ポリエチレンオキシド、又はポリプロピレンオキシド を表すことがよい。
一般式(1)〜(4)において、Y11は、アルキレン基、又は置換アルキレン基を表す。
アルキレン基の中でも、好ましくは、炭素数1〜12のアルキレン基であり、更に好ましくは、炭素数1〜6のアルキレン基である。アルキレン基として、より具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、n−ブチレン基、n−ヘキシレン基、n−ヘプチレン基、n−オクチレン基、n−ドデシレン基等が挙げられる。
アルキレン基に置換し得る置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシルキ基が挙げられる。
特に、Y11は、入手性の観点から、メチレン基、エチレン基、又はプロピレン基を表すことがよい。
一般式(1)〜(4)において、R12、R13、R15、R16、R18、R19、R21、R22及びR23は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜30の置換基を表す。なお、炭素数1〜30の置換基は、一般式(i)中のR及びRが表す「炭素数1〜30の置換基」と同義である。
特に、R12、R13、R15、R16、R18、R19、R21、R22及びR23は、効果及び入手容易性の観点の観点から、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、又はエチル基を表すことがよい。
以下、一般式(1)〜(4)で表されるモノマー単位の具体的構造について示すが、これに限られるわけではない。
双性イオン基を持つ単量体に由来するモノマー単位の割合は、全モノマー単位に対して、1〜90モル%の範囲であることが好ましく、3〜80モル%の範囲であることがより好ましく、5〜70モル%の範囲であることが更に好ましい。
一方、他の単量体に由来する他のモノマー単位としては、既知の種々の単量体に由来するモノマー単位が挙げられる。
他の単量体に由来する他のモノマー単位の好ましい例としては、アクリル酸エステル類、メタクリルエステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、ビニルエステル類、スチレン類、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、無水マレイン酸、マレイン酸イミド等の公知の単量体に由来するモノマー単位等が挙げられる。このように、双性イオン基を有する高分子化合物として他のモノマー単位を含む共重合体を適用することで、製膜性、膜強度、親水性、疎水性、溶解性、反応性、安定性等の諸物性を改善或いは制御することができる。
アクリル酸エステル類の具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、(n−又はi−)プロピルアクリレート、(n−、i−、sec−又はt−)ブチルアクリレート、アミルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、クロロエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシペンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、アリルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、クロロベンジルアクリレート、ヒドロキシベンジルアクリレート、ヒドロキシフェネチルアクリレート、ジヒドロキシフェネチルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェニルアクリレート、ヒドロキシフェニルアクリレート、クロロフェニルアクリレート、スルファモイルフェニルアクリレート、2−(ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)エチルアクリレート等が挙げられる。
メタクリル酸エステル類の具体例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、(n−又はi−)プロピルメタクリレート、(n−、i−、sec−又はt−)ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、クロロエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシペンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メトキシベンジルメタクリレート、クロロベンジルメタクリレート、ヒドロキシベンジルメタクリレート、ヒドロキシフェネチルメタクリレート、ジヒドロキシフェネチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ヒドロキシフェニルメタクリレート、クロロフェニルメタクリレート、スルファモイルフェニルメタクリレート、2−(ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)エチルメタクリレート等が挙げられる。
また、
アクリルアミド類の具体例としては、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−トリルアクリルアミド、N−(ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(スルファモイルフェニル)アクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)アクリルアミド、N−(トリルスルホニル)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド等が挙げられる。
メタクリルアミド類の具体例としては、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−トリルメタクリルアミド、N−(ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(スルファモイルフェニル)メタクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)メタクリルアミド、N−(トリルスルホニル)メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド等が挙げられる。
ビニルエステル類の具体例としては、ビニルアセテート、ビニルブチレート、ビニルベンゾエート等が挙げられる。スチレン類の具体例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、シクロヘキシルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン、メトキシスチレン、ジメトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、カルボキシスチレン等が挙げられる。
ここで、他の単量体に由来する他のモノマー単位としては、下記一般式(5)で表されるモノマー単位が好ましい。

一般式(5)中、R01及びR02は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜30の置換基を表し、L01は単結合又は有機連結基を表し、Y01は炭素数1〜30の置換基を表す。特に、L01はエステル又はアミドを表すことが好ましい。Y01は直鎖のアルキル基を表すことが好ましく、メチル基、エチル基を表すことが最も好ましい。R01、及びR02は、効果及び入手容易性の観点から、特に、水素原子、メチル基、又はエチル基を表すことが好ましい。
他の単量体に由来する他のモノマー単位としては、アミノ基を有する単量体に由来するモノマー単位も挙げられる。
このアミノ基を有する単量体に由来するモノマー単位の単量体としては、脂肪族アミノ基を有する(メタ)アクリレート類、含窒素基を有する芳香族置換エチレン系単量体類、含窒素ビニルエーテル単量体類、含窒素複素環式化合物類等が挙げられる。
脂肪族アミノ基を有する(メタ)アクリレート類としては、具体的には、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ヒドロキシエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−オクチル−N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジヘキシルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
含窒素基を有する芳香族置換エチレン系単量体類としては、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン、ジオクチルアミノスチレン等が挙げられる。
含窒素ビニルエーテル単量体類としては、ビニル−N−エチル−N−フェニルアミノエチルエーテル、ビニル−N−ブチル−N−フェニルアミノエチルエーテル、トリエタノールアミンジビニルエーテル、ビニルジフェニルアミノエチルエーテル、m−アミノフェニルビニルエーテル等が挙げられる。
含窒素複素環式化合物類としては、N−ビニルピロール等のピロール類、N−ビニル−2−ピロリン、N−ビニル−3−ピロリン等のピロリン類、N−ビニルピロリジン、ビニルピロリジンアミノエーテル、N−ビニル−2−ピロリドン等のピロリジン類、N−ビニル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、N−ビニルイミダゾリン等のイミダゾリン類、N−ビニルインドール等のインドール類、N−ビニルインドリン等のインドリン類、N−ビニルカルバゾール、3,6−ジブロム−N−ビニルカルバゾール等のカルバゾール類、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピロジン等のピリジン類、(メタ)アクリルピペリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピペラジン等のピペリジン類、2−ビニルキノリン、4−ビニルキノリン等のキノリン類、N−ビニルピラゾール、N−ビニルピラゾリン等のピラゾール類、2−ビニルオキサゾール等のオキサゾール類、4−ビニルオキサジン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記アミノ基を有する単量体の中でも、脂肪族アミノ基を有する(メタ)アクリレート類が好ましい。また、さらにその中でも、具体的には、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートが好ましく、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
他の単量体に由来する他のモノマー単位の割合は、全モノマー単位に対して、0〜60モル%が好ましく、0〜50モル%がより好ましく、0〜40%が特に好ましい。_
以上説明した双性イオン基を有する高分子化合物は、既知のいかなる方法によっても合成可能であるが、その合成には、ラジカル重合法が好ましく用いられる。一般的なラジカル重合法は、新高分子実験学3、高分子の合成と反応1(高分子学会編、共立出版)、新実験化学講座19、高分子化学(I)(日本化学会編、丸善)、物質工学講座、高分子合成化学(東京電気大学出版局)等に記載されており、これらを適用することができる。
高分子化合物のガラス転移温度は、25℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましく、70℃以上がさらに好ましい。高分子化合物のガラス転移温度を上記範囲内とすると、着色粒子を表示用粒子に適用した場合、環境温度が変化しても画像表示性及び画像表示応答性が変化し難くなる。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量計(島津製作所社製:DSC−50)を用い、昇温速度3℃/分の条件下で測定することにより求める。そして、ガラス転移温度は吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度とする。
なお、本発明の着色粒子は、双性イオン基を有する高分子化合物以外の他の高分子化合物を含んでもよい。但し、双性イオン基を有する高分子化合物は、全高分子化合物に対して60質量%以上(好ましくは80質量%以上)含むことがよい。
他の高分子化合物としては、具体的には、上記他の単量体を単体又は複数種混合して重合された高分子化合物等が挙げられる。
(その他の成分)
その他の成分としては、帯電制御剤、磁性材料、架橋剤等の公知の添加剤が挙げられる。
−帯電制御剤−
帯電制御剤としては、電子写真用トナー材料に使用される公知のものが挙げられ、具体的には、セチルピリジルクロライド、BONTRON P−51、BONTRON P−53、BONTRON E−84、BONTRON E−81(以上、オリエント化学工業社製)等の第4級アンモニウム塩、サリチル酸系金属錯体、フェノール系縮合物、テトラフェニル系化合物、酸化金属粒子、各種カップリング剤により表面処理された酸化金属粒子等が挙げられる。
−磁性材料−
磁性材料としては、必要に応じてカラーコートした無機磁性材料や有機磁性材料が挙げられる。また、透明な磁性材料、特に、透明有機磁性材料は着色顔料の発色を阻害せず、比重も無機磁性材料に比べて小さく、より望ましい。
着色した磁性材料(カラーコートした材料)としては、特開2003−131420公報記載の小径着色磁性粉が挙げられる。核となる磁性粒子と該磁性粒子表面上に積層された着色層とを備えたもの等が用いられる。そして、着色層としては、顔料等により磁性粉を不透過に着色する等適宜選定して差し支えないが、光干渉薄膜を用いるのが好ましい。この光干渉薄膜とは、SiOやTiO等の無彩色材料を光の波長と同等な厚みを有する薄膜にしたものであり、薄膜内の光干渉により光の波長を選択的に反射するものである。
なお、着色粒子の内部に含んでもよいし、表面に付着していてもよい。
−架橋剤−
架橋剤としては、分子内にエチレン性不飽和基を複数有する化合物;、分子内にイソシアナート基を複数有する化合物;、分子内にイミノ基、メチロール基、アルコキシメチル基から選択される基を少なくとも1種有するメラミン化合物又はグアナミン化合物;等が挙げられる。また、これらの架橋剤の架橋反応を促進するため、酸、塩基、塩又は重合開始剤等を添加してもよい。
(その他態様)
本発明の着色粒子は、その表面に、高分子乳化剤を付着(例えば結合又は被覆)させた粒子であってもよい。また、高分子乳化剤に、上記着色粒子を構成する高分子化合物と同様のモノマー単位(双性イオン基を持つモノマー単位)を持たせ、当該着色粒子を構成する上記各高分子化合物に代えて用いてもよい。
高分子乳化剤としては、シリコーン系高分子化合物が代表的なものとして挙げられる。シリコーン系高分子化合物は、例えば、シリコーン鎖を持つ高分子化合物であり、より具体的には主高分子化合物の主鎖に対して、シリコーン鎖(シリコーングラフト鎖)が側鎖として有する化合物であることがよい。
シリコーン系高分子化合物の一つとしては、例えば、シリコーン鎖を持つモノマー単位と、必要に応じて、反応性基を持つモノマー単位と、上記双性イオン基を持つ高分子化合物を構成するモノマー単位と、を有する高分子化合物が好適に挙げられる。なお、当該高分子化合物におけるモノマー単位(特に、シリコーン鎖を持つモノマー単位)の原料(単量体)は、モノマーを用いてもよいし、マクロモノマーを用いてもよい。この「マクロモノマー」とは、重合性官能基を持ったオリゴマー(重合度2以上300以下程度)あるいはポリマーの総称であり、高分子と単量体(モノマー)との両方の性質を有するものである。
シリコーン鎖を持つモノマー単位を構成するための単量体としては、片末端に(メタ)アクリレート基を持ったジメチルシリコーンモノマー(JNC社製:サイラプレーン:FM−0711,FM−0721,FM−0725等、信越化学工業社製:X−22−174DX,X−22−2426, X−22−2475等)が挙げられる。
反応性基を持つモノマー単位を構成するための単量体としては、エポキシ基を有するグリシジル(メタ)アクリレート、イソシアネート基を有するイソシアネート系モノマー(昭和電工:カレンズAOI、カレンズMOI)等が挙げられる。
シリコーン系高分子化合物としては、片末端にエポキシ基を持つシリコーン化合物(下記構造式(1)で示されるシリコーン化合物)も挙げられる。当該片末端にエポキシ基を持つシリコーン化合物としては、信越シリコーン社製:X−22−173DX等が挙げられる。

構造式(1)中、Rは、水素原子、又は炭素数1以上4以下のアルキル基を示す。nは自然数(例えば1以上1000以下、望ましくは3以上100以下)を示す。xは1以上3以下の整数を示す。
シリコーン系高分子化合物としては、片末端に(メタ)アクリレート基を持ったジメチルシリコーンモノマー(下記構造式(2)で示されるシリコーン化合物:JNC社製:サイラプレーン:FM−0711,FM−0721,FM−0725等、信越化学工業社製:X−22−174DX,X−22−2426,X−22−2475等)とグリシジル(メタ)アクリレート又はイソシアネート系モノマー(昭和電工:カレンズAOI、カレンズMOI)との少なくとも2成分からなる共重合体も好適に挙げられる。
構造式(2)中、Rは、水素原子、又はメチル基を示す。Rは、水素原子、又は炭素数1以上4以下のアルキル基を示す。nは自然数(例えば1以上1000以下、望ましくは3以上100以下)、を示す。xは1以上3以下の整数を示す。
シリコーン系高分子化合物において、シリコーン鎖を持つモノマー単位が、高分子全体に対して占める割合は質量比で3%以上60%以下、望ましくは5%以上40%以下であることが望ましい。
シリコーン系高分子化合物の重量平均分子量としては、500以上100万以下が望ましく、より望ましくは1000以上100万以下である。
本発明の着色粒子は、表面が外添処理されたものであってもよい。
外添剤としては、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、アルミナのような金属酸化物等の無機粒子が用いられる。着色粒子の帯電性、流動性、及び環境依存性等を調整するために、これらをカップリング剤やシリコーンオイルで表面処理することができる。外添剤の色は、着色粒子の色に影響を与えないように、透明であることが好ましい。
カップリング剤としては、アミノシラン系カップリング剤、アミノチタン系カップリング剤、ニトリル系カップリング剤等の正帯電性のものと、窒素原子を含まない(窒素以外の原子で構成される)シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、エポキシシランカップリング剤、アクリルシランカップリング剤等が挙げられる。
シリコーンオイルとしては、アミノ変性シリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、α−メチルスルホン変性シリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が挙げられる。
これらは外添剤の所望の抵抗に応じて選択される。
このような外添剤の中では、よく知られている疎水性シリカや疎水性酸化チタンが好ましく、特に特開平10−3177記載のTiO(OH)と、シランカップリング剤のようなシラン化合物との反応で得られるチタン化合物が好適である。シラン化合物としてはクロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれのタイプを使用することも可能である。
このチタン化合物は、湿式工程の中で作製されるTiO(OH)にシラン化合物あるいはシリコーンオイルを反応、乾燥させて作製される。数百度という焼成工程を通らないため、Ti同士の強い結合が形成されず、凝集が全くなく、着色粒子はほぼ一次粒子の状態である。さらに、TiO(OH)にシラン化合物あるいはシリコーンオイルを直接反応させるため、シラン化合物やシリコーンオイルの処理量を多くすることができて、シラン化合物の処理量等を調整することにより帯電特性を制御でき、且つ付与できる帯電能も従来の酸化チタンのそれより顕著に改善することができる。
外添剤の体積平均一次粒径は、5nm以上100nm以下が好ましく、より好ましくは10nm以上50nm以下であるが、これに限定されない。
外添剤の添加量は、外添前の着色粒子の粒径と外添剤の粒径との兼ね合いから適宜調整される。外添剤の添加量が多すぎると着色粒子表面から外添剤の一部が遊離し、これが他の着色粒子の表面に付着して、所望の帯電特性が得られなくなる場合がある。
一般的には、外添剤の添加量は、外添前の着色粒子100質量部に対して、0.01質量部以上3質量部以下が好ましく、より好ましくは0.05質量部以上1質量部以下である。
本発明の着色粒子の表面に外添剤を添加する方法としては、粒子表面に外添剤を衝撃力で打ち込む方法や、粒子表面を加熱して外添剤を粒子表面に強固に固着する方法等が望ましい。これらの方法を用いることにより、外添剤が粒子から遊離し、異極性の外添剤が強固に凝集して、電界で解離させることが困難な外添剤の凝集体を形成することが抑制される。
(着色粒子の物性)
本発明の着色粒子の平均粒径(体積平均粒径)は、例えば、0.05μm以上50μm以下が好ましく、0.1以上30μm以下がより好ましいが、用途に応じて選択され、これに限定されない。
平均粒径は、大塚電子株式会社製Photal FPAR−1000(動的光散乱式粒径分布測定装置)を用いて測定され、MARQUARDT法により解析が行われる。
本発明の着色粒子の帯電量は、粒子表面の単位面積当り、1×10−7(1E−7)C/m以上1×10−4(1E−4)C/m以下が望ましい。着色粒子の帯電量は、高分子化合物のモノマー単位の種類及び量等により、制御することができる。
(着色粒子の製造方法)
本発明の着色粒子の製造方法としては、従来公知のどの粒子製造方法を用いてもよい。
例えば、特開平7−325434公報記載のように、樹脂、着色剤等を所定の混合比になるように計量し、樹脂を加熱溶融させた後に顔料を添加して混合、分散させ、冷却した後、ジェットミル、ハンマーミル、ターボミル等の粉砕機を用いて粒子を製造する方法が使用できる。
また、懸濁重合、乳化重合、分散重合等の重合法やコアセルベーション、メルトディスパージョン、エマルジョン凝集法で粒子を調製してもよい。
さらに、高分子化合物が可塑化可能である場合、流星型ミキサー、ニーダー等により、高分子化合物及び着色剤等を分散媒中で加熱溶融し、高分子化合物の溶媒溶解度の温度依存性を利用して、溶融混合物を撹拌しながら冷却し、凝固/析出させて粒子を作製する方法が使用できる。この場合、加熱溶融温度は、分散媒が沸騰せず、かつ、高分子化合物及び着色剤のいずれか一方の分解点よりは低い温度であることが望ましい。
また、分散及び混練のための粒状メデイアを装備した適当な容器、例えばアトライター、加熱したボールミルのような加熱された振動ミル中に上記の原材料を投入し、この容器を好ましい温度範囲、例えば80℃以上160℃以下で分散及び混練する方法が使用できる。
粒状メデイアとしては、ステンレス鋼、炭素鋼等の鋼、アルミナ、ジルコニア、シリカ
等が好ましく用いられる。
この方法によって粒子を作製するには、あらかじめ十分に流動状態にした原材料をさらに粒状メデイアによって容器内に分散させた後、分散媒を冷却して分散媒から着色剤を含む樹脂を沈殿させる。粒状メデイアは冷却中及び冷却後にも引き続き運動状態を保ちながら、剪断及び衝撃の少なくとも一方を発生させ粒径を小さくする。
本発明の着色粒子の製造に用いられる分散媒としては、高分子化合物及び着色剤を分散する液体であれば特に限られない。
[着色粒子分散液]
本発明の着色粒子分散液は、本発明の着色粒子を含む粒子群と、粒子群を分散するための分散媒と、を有している。
ここで、上記本発明の着色粒子は、上記特性を有することから、本発明着色粒子分散液において、当該着色粒子含む粒子群が、帯電特性の異なる複数種類の着色粒子から構成された系、即ち、帯電特性の異なる複数種類の着色粒子が混合された系でも、安定した分散性及び帯電特性が維持される。帯電特性の異なる複数種類の着色粒子は、例えば、着色粒子を構成する高分子化合物の帯電性基又はその量を変更することで得られる。
なお、帯電特性の異なる着色粒子とは、互いに帯電極性及び帯電量の少なくとも一方が異なる着色粒子である。
分散媒としては、特に制限はないが、低誘電溶媒(例えば誘電率5.0以下、望ましくは3.0以下)が選択されることがよい。分散媒は、低誘電溶媒以外の溶媒を併用してもよいが、50体積%以上の低誘電溶媒を含むことがよい。なお、低誘電率の誘電率は、誘電率計(日本ルフト社製)により求められる。
低誘電溶媒としては、パラフィン系炭化水素溶媒、シリコーンオイル、フッ素系液体等の石油由来高沸点溶媒が挙げられる。
シリコーンオイルとして具体的には、シロキサン結合に炭化水素基が結合したシリコーンオイル(ジメチルシリコーンオイル、ジエチルシリコーンオイル、メチルエチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、ジフェニルシリコーンオイル等)、変性シリコーンオイル(フッ素変性シリコーンオイル、アミン変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル等)が挙げられる。これらの中も、安全性が高く、化学的に安定で長期の信頼性が良く、且つ抵抗率が高いといった観点から、ジメチルシリコーンが特に望ましい。なお、市販品のシリコーンオイルとしては、信越化学工業(株)製のKF−96シリーズ等が挙げられる。
シリコーンオイルの粘度は、温度20℃の環境下において、0.1mPa・s以上20mPa・s以下であることが望ましく、より望ましくは0.1mPa・s以上2mPa・s以下である。粘度を上記範囲とすることで、着色粒子を表示用粒子に適用した場合、表示用粒子の移動速度、すなわち、表示速度の向上が図れる。なお、この粘度の測定には、東京計器製B−8L型粘度計を用いる。
パラフィン系炭化水素溶媒としては、炭素数20以上(沸点80℃以上)のノルマルパラフィン系炭化水素、イソパラフィン系炭化水素を挙げることができるが、安全性、揮発性等の理由から、イソパラフィンを用いることが好ましい。具体的には、シェルゾル71(シェル石油製)、アイソパーO、アイソパーH、アイソパーK、アイソパーL、アイソパーG、アイソパーM(アイソパーはエクソン社の商品名)やアイピーソルベント(出光石油化学製)等が挙げられる。
本発明の着色粒子分散液には、必要に応じて、酸、アルカリ、塩、分散剤、分散安定剤、酸化防止や紫外線吸収等を目的とした安定剤、抗菌剤、防腐剤等を添加してもよい。
本発明の着色粒子分散液は、帯電制御剤として、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、シリコーン系カチオン化合物、シリコーン系アニオン化合物、金属石鹸、アルキルリン酸エステル類、コハク酸イミド類等を添加してもよい。
帯電制御剤としては、イオン性若しくは非イオン性の界面活性剤、親油性部と親水性部からなるブロック若しくはグラフト共重合体類、環状、星状若しくは樹状高分子(デンドリマー)等の高分子鎖骨格をもった化合物、サリチル酸の金属錯体、カテコールの金属錯体、含金属ビスアゾ染料、テトラフェニルボレート誘導体、重合性シリコーンマクロマ(チッソ:サイラプレーン)とアニオンモノマあるいはカチオンポリマとの共重合体等が挙げられる。
イオン性及び非イオン性の界面活性剤としては、より具体的には以下があげられる。ノニオン活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド等が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタリンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸等がある。カチオン界面活性剤としては、第一級ないし第三級のアミン塩、第四級アンモニウム塩等があげられる。これら帯電制御剤は、粒子固形分に対して0.01質量%以上、20質量%以下が好ましく、特に0.05質量%以上10質量%以下の範囲が望ましい。
本発明の着色粒子分散液において、着色粒子の濃度は、その用途によって種々選択できるが0.1質量%以上60質量%以下の範囲で選択されることが望ましい。
具体的には、着色粒子を表示用粒子に適用する場合、着色粒子分散液中の着色粒子の濃度は、表示特性や応答特性に応じて、0.1質量%以上30質量%以下の範囲で選択されることが望ましい。色の異なった多粒子を混合する場合にはその粒子総量がこの範囲であると望ましい。着色粒子の濃度を0.1質量%以上とすると十分な表示濃度が確保され易くなり、着色粒子の濃度を30質量%以下とすると、表示速度の低下及び着色粒子の凝集が抑制され易くなる。
[本発明の着色粒子(その分散液)の用途]
本発明の着色粒子(その分散液)は、電気泳動方式の表示媒体、電気泳動方式の調光媒体(調光素子)、液体現像方式電子写真システムの液体トナー等の表示用粒子(その分散液)、塗料、インク組成物等に利用される。なお、電気泳動方式の表示媒体、電気泳動方式の調光媒体(調光素子)としては、公知である電極(基板)面の対向方向に粒子群を移動させる方式、それとは異なり電極(基板)面に沿った方向に移動させる方式(いわゆるインプレーン型素子)、又はこれらを組み合わせたハイブリッド素子がある。
なお、本発明の着色粒子(その分散液)では、色や帯電極性の異なる複数種の着色粒子を混合して使用することも好ましく実施される。本発明の着色粒子を2種以上含む着色粒子分散液を得るためには、それぞれの分散液を作製した後、これらを混合すればよい。
[表示媒体、表示装置]
第1の本発明の表示媒体は、少なくとも一方が透光性を有する一対の基板と、一対の基板間に封入された、本発明の着色粒子を含む粒子群と、を備える。そして、第1の本発明のた表示装置は、第1の本発明の表示媒体と、表示媒体の前記一対の基板間に電圧を印加する電圧印加手段と、を備える。
一方、第2の本発明の表示媒体は、少なくとも一方が透光性を有する一対の電極と、一対の電極間に設けられた、着色粒子を含む粒子群を有する領域と、を備える。そして、第2の本発明の表示媒体と、表示媒体の前記一対の電極間に電圧を印加する電圧印加手段と、を備える。
なお、第1又は第2の本発明の表示媒体は、一対の基板間又は一対の電極間に、本発明の着色粒子を含む粒子群のみを封入した態様であってもよいし、本発明の着色粒子分散液を封入した態様であってもよい。
以下、本発明の表示媒体及び表示装置の一例である実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る表示装置の概略構成図である。図2は、本実施形態に係る表示装置の表示媒体の基板間に電圧を印加したときの粒子群の移動態様を模式的に示す説明図である。
なお、本実施形態に係る表示装置10は、その表示媒体12の分散媒50と粒子群34とを含む粒子分散液として、上記本発明の着色粒子分散液を適用する形態である。つまり、分散媒50に、粒子群34の粒子として上記本発明の着色粒子を分散させた形態である。
本実施形態に係る表示装置10は、図1に示すように、表示媒体12と、表示媒体12に電圧を印加する電圧印加部16(例えば電源)と、制御部18と、を含んで構成されている。
表示媒体12は、画像表示面とされる表示基板20、表示基板20に間隙をもって対向する背面基板22、これらの基板間を特定間隔に保持すると共に、表示基板20と背面基板22との基板間を複数のセルに区画する間隙部材24、各セル内に封入された粒子群34とは異なる光学的反射特性を有する反射粒子群36を含んで構成されている。
上記セルとは、表示基板20と、背面基板22と、間隙部材24と、によって囲まれた領域を示している。このセル中には、分散媒50が封入されている。粒子群34は、複数の粒子から構成されており、この分散媒50中に分散され、セル内に形成された電界強度に応じて表示基板20と背面基板22との基板間を反射粒子群36の間隙を通じて移動する。
なお、この表示媒体12に画像を表示したときの各画素に対応するように間隙部材24を設け、各画素に対応するようにセルを形成することで、表示媒体12を、画素毎の表示を行うように構成してもよい。
また、本実施形態では、説明を簡易化するために、1つのセルに注目した図を用いて本実施形態を説明する。以下、各構成について詳細に説明する。
まず、一対の基板について説明する。
表示基板20は、支持基板38上に、表面電極40及び表面層42を順に積層した構成となっている。背面基板22は、支持基板44上に、背面電極46及び表面層48を積層した構成となっている。
表示基板20、又は表示基板20と背面基板22との双方は、透光性を有している。ここで、本実施形態における透光性とは、可視光の透過率が60%以上であることを示している。
支持基板38及び支持基板44の材料としては、ガラスや、プラスチック、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂等が挙げられる。
表面電極40及び背面電極46の材料としては、インジウム、スズ、カドミウム、アンチモン等の酸化物、ITO等の複合酸化物、金、銀、銅、ニッケル等の金属、ポリピロールやポリチオフェン等の有機材料等が挙げられる。表面電極40及び背面電極46は、これらの単層膜、混合膜又は複合膜のいずれであってもよい。表面電極40及び背面電極46の厚さは、例えば、100Å以上2000Å以下であることがよい。背面電極46及び表面電極40は、例えば、マトリックス状、又はストライプ状に形成されていてもよい。
また、表面電極40を支持基板38に埋め込んでもよい。また、背面電極46を支持基板44に埋め込んでもよい。この場合、支持基板38及び支持基板44の材料を粒子群34の各粒子の組成等に応じて選択する。
なお、背面電極46及び表面電極40各々を表示基板20及び背面基板22と分離させ、表示媒体12の外部に配置してもよい。
なお、上記では、表示基板20と背面基板22の双方に電極(表面電極40及び背面電極46)を備える場合を説明したが、何れか一方にだけ設けるようにして、アクティブマトリクス駆動させるようにしてもよい。
また、アクティブマトリックス駆動を実施するために、支持基板38及び支持基板44は、画素毎にTFT(薄膜トランジスタ)を備えていてもよい。TFTは表示基板ではなく背面基板22に備えることがよい。
次に、表面層について説明する。
表面層42及び表面層48は、表面電極40及び背面電極46各々上に形成されている。表面層42及び表面層48を構成する材料としては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリイミド、エポキシ、ポリイソシアネート、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリレート、共重合ナイロン、紫外線硬化アクリル樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
表面層42及び表面層48は、上記樹脂と電荷輸送物質を含んで構成されていてもよく、電荷輸送性を有する自己支持性の樹脂を含んで構成されてもよい。
次に、間隙部材について説明する。
表示基板20と背面基板22との基板間の隙を保持するための間隙部材24は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化樹脂、光硬化樹脂、ゴム、金属等で構成される。
間隙部材24は表示基板20及び背面基板22の何れか一方と一体化されてもよい。この場合には、支持基板38又は支持基板44をエッチングするエッチング処理、レーザー加工処理、予め作製した型を使用してプレス加工処理又は印刷処理等を行うことによって作製する。
この場合、間隙部材24は、表示基板20側、背面基板22側のいずれか、又は双方に作製する。
間隙部材24は有色でも無色でもよいが、無色透明であることがよく、その場合には、ポリスチレンやポリエステルやアクリル等の透明樹脂等で構成される。
また、粒子状の間隙部材24もまた透明であることが望ましく、ポリスチレン、ポリエステル又はアクリル等の透明樹脂粒子の他、ガラス粒子も使用される。
なお、「透明」とは、可視光に対して、透過率60%以上有することを示している。
次に、反射粒子群について説明する。
反射粒子群36は、粒子群34とは異なる光学的反射特性を有する反射粒子から構成され、粒子群34とは異なる色を表示する反射部材として機能するものである。そして、表示基板20と背面基板22との基板間の移動を阻害することなく、移動させる空隙部材としての機能も有している。すなわち、反射粒子群36の間隙を通って、背面基板22側から表示基板20側、又は表示基板20側から背面基板22側へ粒子群34の各粒子は移動される。この反射粒子群36の色としては、例えば、背景色となるように白色又は黒色を選択することがよいが、その他の色であってもよい。また、反射粒子群36は、帯電されていない粒子群(つまり電界に応じて移動しない粒子群)であってもよいし、帯電されている粒子群(電界に応じて移動する粒子群)であってもよい。なお、本実施形態では、反射粒子群36は、帯電されていない粒子群で、白色である場合を説明するが、これに限定されることはない。
反射粒子群36の粒子は、例えば、白色顔料(酸化チタン、酸化ケイ素、酸化亜鉛等)を、樹脂(ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ホルムアルデヒド縮合物等)に分散した粒子、又は、樹脂粒子(ポリスチレン粒子、ポリビニルナフタレン粒子、ビスメラミン粒子、ポリビニルビフェニル粒子等)が挙げられる。また、反射粒子群36の粒子として、白色以外の粒子を適用する場合、例えば、所望の色の顔料、あるいは染料を内包した前記した樹脂粒子を使用してもよい。顔料や染料は、例えばRGBやYMC色であれば、印刷インキやカラートナーに使用されている一般的な顔料又は染料が挙げられる。
反射粒子群36を基板間へ封入するには、インクジェット法等により行う。また、反射粒子群36を固定化する場合、例えば、反射粒子群36を封入した後、加熱(及び必要があれば加圧)して、反射粒子群36の粒子群表層を溶かすことで、粒子間隙を維持させつつ行われる。
次に、表示媒体のその他構成について説明する。
表示媒体12におけるセルの大きさとしては、表示媒体12の解像度と密接な関係にあり、セルが小さいほど高解像度な画像を表示する表示媒体12を作製することができ、通常、表示媒体12の表示基板20の板面方向の長さが10μm以上1mm以下程度である。
なお、セル中の全質量に対する粒子群34の含有量(質量%)としては、所望の色相が得られる濃度であれば特に限定されるものではなく、セルの厚さ(すなわち、表示基板20と背面基板との基板間の距離)により含有量を調整することが、表示媒体12としては有効である。即ち、所望の色相を得るために、セルが厚くなるほど含有量は少なくなり、セルが薄くなるほど含有量を多くでき得る。一般的には、0.01質量%以上50質量%以下である。
表示基板20及び背面基板22を、間隙部材24を介して互いに固定するには、ボルトとナットの組み合わせ、クランプ、クリップ、基板固定用の枠等の固定手段を使用する。また、接着剤、熱溶融、超音波接合等の固定手段も使用してもよい。
上記に示したように、本実施形態に係る表示装置10は、表示媒体12と、表示媒体12に電圧を印加する電圧印加部16と、制御部18とを含んで構成されている(図1参照)。
電圧印加部16は、表面電極40及び背面電極46に電気的に接続されている。なお、本実施形態では、表面電極40及び背面電極46の双方が、電圧印加部16に電気的に接続されている場合を説明するが、表面電極40及び背面電極46の一方が、接地されており、他方が電圧印加部16に接続された構成であってもよい。
電圧印加部16は、制御部18に信号授受されるように接続されている。
制御部18は、装置全体の動作を司るCPU(中央処理装置)と、各種データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、装置全体を制御する制御プログラム等の各種プログラムが予め記憶されたROM(Read Only Memory)と、を含むマイクロコンピュータとして構成されていてもよい。
電圧印加部16は、表面電極40及び背面電極46に電圧を印加するための電圧印加装置であり、制御部18の制御に応じた電圧を表面電極40及び背面電極46間に印加する。
次に、表示装置10の作用を説明する。この作用は制御部18の動作に従って説明する。
ここで、表示媒体12に封入されている粒子群34が正極性に帯電されている場合を説明する。また、分散媒50は透明であり、反射粒子群36が白色であるものとして説明する。すなわち、本実施形態では、表示媒体12は、粒子群34の移動によって、その呈する色を表示し、その背景色として反射粒子群36による白色を表示する場合を説明する。
なお、下記動作は、説明上、粒子群34が背面基板22側へ付着した状態からの動作について説明する。
まず、電圧を、特定時間、表面電極40が負極となり背面電極46が正極となるように印加することを示す動作信号を、電圧印加部16へ出力する。図2(A)に示す状態から、電極間に印加する電圧を上昇させ、表面電極40が負極で且つ濃度変動が終了する閾値
電圧以上の電圧が印加されると、粒子群34の凝集力が低減された状態で、正極に帯電している粒子群34を構成する粒子が表示基板20側へと移動して、表示基板20に至る(図2(B)参照)。
そして、電極間への印加を終了すると、粒子群34が表面基板20側で拘束され、粒子群34の呈する色が、反射粒子群36の色としての白色を背景色とし表示基板20側から視認される表示媒体12の色として視認される。
次に、表面電極40と背面電極46との電極間に、電圧を、特定時間、表面電極40が正極となり背面電極46が負極となるように印加することを示す動作信号を、電圧印加部16へ出力する。電極間に印加する電圧を上昇させ、表面電極40が正極で且つ濃度変動が終了する閾値電圧以上の電圧が印加されると、粒子群34の凝集力が低減された状態で、正極に帯電している粒子群34を構成する粒子が背面基板22側へと移動して、背面基板22に至る(図2(A)参照)。
そして、電極間への印加を終了すると、粒子群34が背面基板22側で拘束される一方で、反射粒子群36の色としての白色が、表示基板20側から視認される表示媒体12の色として視認される。なお、粒子群34は、反射粒子群36に隠蔽され、視認され難くなる。
ここで、電極間への電圧印加時間は、動作中の電圧印加における電圧印加時間を示す情報として、予め制御部18内の図示を省略するROM等のメモリ等に記憶しておけばよい。そして、処理実行のときに、この電圧印加時間を示す情報を読み取るようにすればよい。
このように、本実施形態に係る表示装置10では、粒子群34が表示基板20又は背面基板22に到達して、付着・凝集することで表示が行われる。
なお、上記本実施形態に係る表示媒体12及び表示装置10では、表示基板20に表面電極40、背面基板22に背面電極46を設けて当該電極間(即ち基板間)に電圧を印加して、当該基板間を粒子群34を移動させて表示させる形態を説明したがこれに限られず、例えば、表示基板20に表面電極40を設ける一方で、間隙部材に電極を設けて、当該電極間に電圧を印加して、表示基板20と間隙部材との間を粒子群34を移動させて表示させる形態であってもよい。
また、上記本実施形態に係る表示媒体12及び表示装置10では、粒子群34として1種類(1色)の粒子群を適用した形態を説明したが、これに限られず、帯電極性が異なる又は閾値電圧の異なる組み合わせで、2種類(2色)以上の粒子群を適用した形態であってもよい。
具体的には、例えば、粒子群34として、正帯電性の第1粒子群、負帯電性の第2粒子群、正帯電性で、第1粒子群の粒子とは閾値電圧が異なり、且つ粒径が大きい第3粒子群を適用した形態が挙げられる。
また、上記本実施形態に係る表示媒体12及び表示装置10では、表示基板20又は背面基板22間(又はその電極間)に、着色粒子分散液を封入した形態を説明したが、これに限られず、粒子群34(着色粒子)のみを封入した形態であってもよい。つまり、本実施形態に係る表示媒体12及び表示装置10は、表示基板20又は背面基板22間(又はその電極間)の気体中において、粒子群34を移動させて表示させる形態であってもよい。
[表示媒体(表示装置)を備えた電子機器等]
本発明の表示媒体(表示装置)は、電子機器、展示用媒体、カード媒体等に備えられる。
具体的には、本発明の画像表示装置は、例えば、画像の保存及び書換えが可能な電子掲示板、電子回覧版、電子黒板、電子広告、電子看板、点滅標識、電子ペーパー、電子新聞、電子書籍、複写機・プリンタと共用できる電子ドキュメントシート、ポータブルコンピューター、タブレットコンピューター、携帯電話、スマートカード、署名機器、時計、棚ラベル、フラッシュドライブ等に備えられる。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。なお、文中、特に断りがない限り、「部」「%」は、「質量部」「質量%」を意味する。
[略号]
実施例で使用する略号の詳細について、以下に示す。
・DMAEMA: N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(和光純薬社製)
・DEAEMA: N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート(和光純薬社製)
・V−65: 2,2‘−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製)
・V−601: 2,2−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル(和光純薬工業社製)
・MMA: メチルメタクリレート(メタクリル酸メチル)(和光純薬工業社製)
・EtMA: エチルメタクリレート(和光純薬工業社製)
・CHMA: シクロヘキシルメタクリレート(和光純薬工業社製)
・BzMA: ベンジルメタクリレート(和光純薬工業社製)
・St: スチレン(和光純薬工業社製)
・GMA: グリシジルメタクリレート
・DCPM: ジシクロペンタニルメタクリレート(FA−513M、日立化成社製)
・DEAEMAHCl: N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートとHClとの1:1の塩
・EGDMA: ジメタクリル酸エチレングリコール
・FM0711: (JNC社製:サイラプレーンFM−0711)
・1CS: (信越化学工業社製、KF−96L−1cs)
・2CS: (信越化学工業社製、KF−96L−2cs)
・CFR957 : 赤色顔料(大日精化工業株式会社製)
<赤色粒子の作製>
(赤色粒子A−1の作製)
−分散液A−1Aの調製−
下記成分を混合し、10mmΦのジルコニアボールにてボールミル粉砕を20時間実施して分散液A−1Aを調製した。
・メタクリル酸メチル: 53質量部
・モノマー単位(1−1)を構成するための単量体: 0.3質量部
・着色剤:赤顔料CFR957(PR254:大日精化工業株式会社製): 4.5質量部
−分散液A−1B(炭酸カルシウム分散液A−1B)の調製−
下記成分を混合し、上記と同様にボールミルにて微粉砕して炭酸カルシウム分散液A−1Bを調製した。
・炭酸カルシウム: 40質量部
・水: 60質量部
−混合液A−1Cの調製−
下記成分を混合し、超音波機で脱気を10分間おこない、ついで乳化機で攪拌して混合液A−1Cを調製した。
・炭酸カルシウム分散液A−1B: 60質量部
・20%食塩水: 4質量部
−着色粒子の作製−
分散液A−1A:20質量部、架橋剤としてジメタクリル酸エチレングリコール:0.6質量部、重合開始剤としてV601(Dimethyl 2,2’−azobis(2−methylpropionate):和光純薬工業社製):0.3質量部、をはかり取り、充分混合し、超音波機で脱気を10分行った。これを前記混合液A−1Cに加え、乳化機で乳化を実施した。次にこの乳化液をフラスコにいれ、シリコーン詮をし、注射針を使用し、減圧脱気を充分行い、窒素ガスで封入した。次に65℃で15時間反応させ粒子を調製した。
冷却後、粒子を濾過し、得られた粒子粉をイオン交換水中に分散させ、塩酸水で炭酸カルシウムを分解させ、ろ過を行った。
その後充分な蒸留水で洗浄し、目開き:15μm、10μmのナイロン篩にかけ、粒度を揃えた。得られた着色粒子は、体積平均粒径13μmであった。
−高分子分散剤の作製−
2CS 10gに、GMAを0.2g、MMA0.3g、FM0711(チッソ社製:サイラプレーン)を1.0g、重合開始剤(アゾビスジメチルバレロニトリル「V−65」、和光純薬社製)0.1mgを溶解させ、窒素下、65℃2時間反応した。2時間置きに2回開始剤を追添し、計6時間で重合を行った。重合後、精製処理及び乾燥を行い高分子分散剤の溶液を得た。
−赤色粒子A−1の作製−
先に作製した着色粒子1質量部を高分子分散剤の溶液0.67質量部、シリコーンオイル6.7質量部を100℃3時間加熱した。反応液を精製処理及び乾燥することで赤色粒子A−1を得た。
(赤色粒子A−2〜A−19、C−1〜C−2)
表1に従って、分散液A−1Aで使用するモノマー種及び量と、その他、架橋剤、着色剤、及び開始剤の種類並びに量と、を変更した以外は、赤色粒子A−1と同様にして、赤色粒子A−2〜A−19、C−1〜C−2を作製した。
但し、赤色粒子C−2は、分散液A−1Aの調製時に、モノマー及び着色剤と共に、ベタイン系界面活性剤(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)を添加した。
<白色粒子の作製>
(白色粒子B−1の作製)
−分散液B−1Aの調製−
下記成分を混合し、10mmΦのジルコニアボールにてボールミル粉砕を20時間実施して分散液B−1Aを調製した。
・メタクリル酸シクロヘキシル 53質量部
・酸化チタン1(白色顔料)(一次粒径0.3μm、タイペークCR63:石原産業社製
) 45質量部
・シクロヘキサン 5質量部
−分散液B−1B(炭酸カルシウム分散液B−1B)の調製−
下記成分を混合し、上記と同様にボールミルにて微粉砕して炭酸カルシウム分散液B−1Bを調製した。
・炭酸カルシウム 40質量部
・水 60質量部
−混合液B−1Cの調製−
下記成分を混合し、超音波機で脱気を10分間おこない、ついで乳化機で攪拌して混合液B−1Cを調製した。
・2%セロゲン(第一工業製薬社製) 4.3質量部
・炭酸カルシウム分散液B−1B 8.5質量部
・20%食塩水 50質量部
分散液B−1A:35質量部、ジビニルベンゼン:1質量部、重合開始剤AIBN(アゾビスイソブチロニトリル):0.35質量部、をはかり取り、充分混合し、超音波機で脱気を10分行った。これを前記混合液B−1Cに加え、乳化機で乳化を実施した。次にこの乳化液をビンにいれ、シリコーン詮をし、注射針を使用し、減圧脱気を充分行い、窒素ガスで封入した。次に65℃で15時間反応させ粒子を調製した。
冷却後、この分散液を凍結乾燥機により−35℃、0.1Paの下で2日間置くことによりシクロヘキサンを除去した。得られた粒子粉をイオン交換水中に分散させ、塩酸水で炭酸カルシウムを分解させ、ろ過を行った。
その後充分な蒸留水で洗浄し、目開き:15μm、10μmのナイロン篩にかけ、粒度を揃えた。これを乾燥させ、体積平均粒径13μmの白色粒子を得た。これを白色粒子B−1とした。
<実施例A−1〜A−19、比較例A−1〜A−2>
表2に従った赤色粒子を使用し、以下のようにして表示媒体(湿式の表示媒体)を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
−表示媒体の作製−
まず、基板の片面に透明導電膜(ITO膜)をスパッタリング法により100nmの厚さで形成した厚さ1mmガラス基板を用い、このガラス基板を一対、スペーサーを介して対向配置させ、100μm厚の空間を有するセルを作製した。
その空間に調製した赤色粒子と1cStシリコーンオイル(信越化学工業社製、KF−96L-1cs)を注入後、両ガラス板をエポキシ樹脂系接着剤で封止することにより表示媒体を作製した。表示媒体を60℃12時間放置した。なお、空間の体積に対する赤色粒子の体積充填率は、20%であった。
(帯電安定性)
作製した表示媒体の対向するITO面の間に、1Hzの矩形波によりピーク値100Vの電圧を印加し、そのときの電気泳動電流の値を測定し、粒子群濃度から、1gあたりの赤色粒子が持つ帯電量を計算した。
そして、表示媒体を25℃40%RHの環境に放置し、1日後、7日後、14日後、及び30日後において、同様の矩形波にて測定を行い、赤色粒子の帯電量を計算した。評価基準は以下の通りである。
A:初期濃度に対して変化量が0.1nC未満。
B:初期濃度に対して変化量が0.1nC以上0.5nC未満。
C:初期濃度に対して変化量が0.5nC以上。
(表示維持性(メモリー性))
作製した表示媒体における赤色の表示維持性(メモリー性)につき、次のように評価した。
表示媒体の対向するITO面の間に電圧を印加し平衡状態になったときの色濃度をX−Rite530(X−Rite社)にて測定した(X)。電圧を解放して24時間経過後の色濃度を同様に測定した(Y)。Y/Xを表示維持性とした。評価基準は以下の通りである。
A:1.40以上
B:1.20以上1.40未満
C:1.20未満
(表示特性)
上記表示媒体の作製において、表2に従って赤色粒子と共に白色粒子をカラス基板の空間に注入した以外は、同様にして表示媒体を作製した。なお、赤色粒子と白色粒子の質量比は2:3であり、空間の体積に対する粒子全体(赤色粒子及び白色粒子)の体積充填率は20%であった。
作製した表示媒体の対向するITO面の間に、1Hzの矩形波によりピーク値100Vの電圧を印加したところ、白色−赤色の色変化を観察した(1日目の表示特性)。
そして、表示媒体を30日間25℃40%RHの環境に放置後、同様の矩形波にて電圧を印加して、白色−赤色の色変化を観察した(30日後の表示特性)。
評価基準は、以下の通りである。なお、G1からG2であれば実用上許容できる
範囲である。
G1:白色−赤色の色変化が明らかに観察された
G2:白色−赤色の色変化が完全ではないが、実用上許容範囲である。
G3:白色−赤色の色変化において、混色が明らかに確認された。
以上の結果より、実施例A−1から実施例A−19では、比較例A−1及びA−2に比べて、赤色粒子の帯電量の経時変化が抑制されており、表示維持性及び表示特性に優れていることがわかる。
なお、上記実施例A−1から実施例A−19の表示特性の評価において、白色粒子として、下記作製方法で得られた白色粒子W1を使用して、表示媒体を作製し、これを用いて、同様の評価を行ったところ、各実施例は上記同様の評価結果が得られた。
−白色粒子W1の作製−
・4−ビニルビフェニル(新日鐵化学社製) :1質量部
・サイラプレーンFM−0721(JNC社製、重量平均分子量Mw=5000:構造式(2)[R=メチル基、R=ブチル基、m=68、x=3]) :1質量部
・ラウロイルパーオキサイド(アルドリッチ社製):0.03質量部
・アイソパーM(Isopar M:登録商標、エクソンモービル社製) :10質量部
・ヘキサン(関東化学社製) :2質量部
・トルエン(関東化学社製) :2質量部
上記組成で、各材料を混合し、65℃で18時間加熱した後、ジメチルシリコーンオイル(信越化学工業社製KF−96L−2cs 粘度2cs)で溶媒置換を行った。
これにより、4−ビニルビフェニルを重合成分として含む共重合体で構成された白色粒子W1の分散液を得た。白色粒子W1の体積平均粒径は0.53μmであった。
<実施例B−1〜B−19、比較例B−1〜B−2>
表3に従った赤色粒子を使用し、以下のようにして表示媒体を作製し、実施例Aと同様にして評価を行った。結果を表3に示す。
−表示媒体の作製−
基板の片面に透明導電膜(ITO膜)をスパッタリング法により50nmの厚さで形成した厚さ1mmガラス基板を用い、このガラス基板を一対、スペーサーを介して対向配置させ、100μm厚の空間を有するセルを作製した。
その空間に調製した赤色粒子を注入後、両ガラス板をエポキシ樹脂系接着剤で封止することにより電気泳動表示媒体を作製した。なお、空間の体積に対する赤色粒子の体積充填率は、20%であった。
なお、表示特性を評価する際の表示媒体は、上記表示媒体の作製において、表3に従って赤色粒子と共に白色粒子をカラス基板の空間に注入した以外は、同様にして表示媒体を作製した。なお、赤色粒子と白色粒子の質量比は2:3であり、空間の体積に対する粒子全体(赤色粒子及び白色粒子)の体積充填率は30%であった。
以上の結果より、実施例B−1から実施例B−19では、比較例B−1及びB−2に比べて、赤色粒子の帯電量の経時変化が抑制されており、表示維持性及び表示特性に優れていることがわかる。
なお、上記実施例B−1から実施例B−19の表示特性の評価において、白色粒子として、上記作製方法で得られた白色粒子W1を使用して、表示媒体を作製し、これを用いて、同様の評価を行ったところ、各実施例は上記同様の評価結果が得られた。
以上から、本発明の着色粒子は、帯電量の維持性に優れることがわかる。
10 表示装置
12 表示媒体
16 電圧印加部
18 制御部
20 表示基板
22 背面基板
24 間隙部材
34 粒子群
36 反射粒子群
38 支持基板
40 表面電極
42 表面層
44 支持基板
46 背面電極
48 表面層
50 分散媒

Claims (10)

  1. A)着色剤と、B)少なくとも1種の双性イオン基を有する高分子化合物と、を含有する着色粒子。
  2. 前記双性イオン基が、下記一般式(i)及び(ii)で示される基からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の着色粒子。

    (一般式(i)及び(ii)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜30の置換基を表す。L及びLは、それぞれ独立に、有機連結基を表す。Aは、カルボキシレート、スルホネート、又はホスホネートを表す。Bは、正電荷を有する置換基を表す。)
  3. 前記双性イオン基を有する高分子化合物が、下記一般式(1)〜(4)で表されるモノマー単位からなる群から選択される少なくとも1種を有する請求項1又は2に記載の着色粒子。

    (一般式(1)〜(4)中、R11、R14、R17及びR20は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜12の置換基を表す。L11、L12、L13及びL14は、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。X11は、アルキレン基、置換アルキレン基、又はポリアルキレンオキシド基を有する2価の連結基を表す。Y11は、アルキレン基、又は置換アルキレン基を表す。R12、R13、R15、R16、R18、R19、R21、R22及びR23は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜30の置換基を表す。R12、R13及びY11からなる群、R15、R16及びY11からなる群、R18、R19及びY11からなる群、並びに、R21、R22、R23及びY11からなる群の各群中の任意の2つが結合して複素環を形成していてもよい。)
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の着色粒子を含む粒子群と、
    前記粒子群を分散するための分散媒と、
    を有する着色粒子分散液。
  5. 前記分散媒が、シリコーンオイル、又はパラフィン系炭化水素溶媒である請求項4に記載の着色粒子分散液。
  6. 前記粒子群が、帯電極性の異なる複数種類の着色粒子から構成される請求項4又は5に記載の着色粒子分散液。
  7. 少なくとも一方が透光性を有する一対の基板と、
    前記一対の基板間に封入された、請求項1〜3のいずれか1項に記載の着色粒子を含む粒子群と、
    を備えた表示媒体。
  8. 請求項7に記載の表示媒体と、
    前記表示媒体の前記一対の基板間に電圧を印加する電圧印加手段と、
    を備えた表示装置。
  9. 少なくとも一方が透光性を有する一対の電極と、
    前記一対の電極間に設けられた、請求項1〜3のいずれか1項に記載の着色粒子を含む粒子群を有する領域と、
    を備えた表示媒体。
  10. 請求項9に記載の表示媒体と、
    前記表示媒体の前記一対の電極間に電圧を印加する電圧印加手段と、
    を備えた表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021177201A1 (ja) * 2020-03-02 2021-09-10 京セラ株式会社 共重合体およびその製造方法、測定装置ならびに測定用担体
EP4066902A4 (en) * 2019-11-29 2023-12-20 Tokushima University ZWITTERIONIC COMPOUND AND METHOD FOR PRODUCING AND USE THEREOF

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