JP2014193362A - 血液透析装置 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】 血液透析装置1は、透析液供給通路および透析液回収通路からなる透析液回路4と、動脈側通路および静脈側通路からなる血液回路3と、上記動脈側通路に配置された血液ポンプ14と、上記透析液供給通路と上記血液回路とを連通させる補液通路5と、密閉された透析液回路を外部に開放する開放手段43とを備えている。
上記血液回路内の血液を患者へ返血する際には、上記開放手段により透析液回路を外部に開放させて、上記透析液供給通路の新鮮な透析液を上記補液通路を介して血液回路に流通させ、当該透析液により返血する。
【効果】 新たな透析液が供給されなくなった場合であっても患者に返血をすることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は血液透析装置に関し、詳しくは血液回路内の血液を患者へ返血することが可能な血液透析装置に関する。
従来血液透析装置として、血液透析を行う透析器と、新鮮な透析液を透析器に供給する透析液供給通路および上記透析器を通過した使用済みの透析液を回収する透析液回収通路からなる透析液回路と、患者から上記透析器へ血液を送る動脈側通路および上記透析器から患者へ血液を戻す静脈側通路からなる血液回路とを備えたものが知られている。
このような血液透析装置では、透析治療の後、上記血液回路内に残留した血液を患者に戻す返血を行っており、上記動脈側通路に生理食塩液を貯溜したバッグを連結して、返血時にはこのバッグの生理食塩液によって血液回路内の血液を患者に返血する血液透析装置が知られている(特許文献1)。
一方、特許文献1と異なる方法で返血を行う血液透析装置として、上記透析液供給通路と上記血液回路とを連通させる補液通路と、該補液通路に配置されるとともに上記透析液供給通路から上記血液回路へ透析液を送液する補液ポンプと、上記透析液供給通路に設けられた透析液を浄化する透析液フィルタとを備えたものが知られている(特許文献2)。
この特許文献2の血液透析装置において上記血液回路内の血液を返血する際には、上記補液ポンプを作動させて、上記透析液フィルタで浄化された新鮮な透析液を上記補液通路より動脈側通路に流通させ、上記血液回路内の血液を透析液によって患者に返血するようになっている。
特開2007−90058号公報 特許第4091873号公報
ここで、上記のような返血操作は透析治療の終了時だけではなく、停電時のように新たな透析液が供給されなくなって治療を中断せざるを得ない場合にも行われる。
上記特許文献1の装置のようにバッグから生理食塩液を供給できる場合は特に問題とならないが、特許文献2の装置のように返血に透析液を使用する場合には、停電により新たな透析液が供給されなくなるため、必要な量の透析液を血液回路に送液することができず、患者に返血できないという問題がある。
このような問題に鑑み、本発明は新たな透析液が供給されなくなった場合であっても患者に返血を行うことが可能な血液透析装置を提供するものである。
すなわち、請求項1にかかる血液透析装置は、血液透析を行う透析器と、新鮮な透析液を透析器に供給する透析液供給通路および上記透析器を通過した使用済みの透析液を回収する透析液回収通路からなる透析液回路と、患者から上記透析器へ血液を送る動脈側通路および上記透析器から患者へ血液を戻す静脈側通路からなる血液回路と、上記透析液供給通路と上記血液回路とを連通させる補液通路と、上記透析液供給通路に設けられた透析液を浄化する透析液フィルタと、上記動脈側通路に配置された血液ポンプとを備え、
上記血液回路内の血液を患者へ返血する際には、新鮮な透析液を上記補液通路を介して血液回路に送液して、透析液により返血する血液透析装置において、
密閉された透析液回路を外部に開放する開放手段を設け、
上記血液回路内の血液を患者へ返血する際には、上記開放手段により透析液回路を外部に開放させることで、上記透析液供給通路の新鮮な透析液を上記補液通路を介して血液回路に流通させ、当該透析液により返血することを特徴としている。
上記発明によれば、例えば停電時のように新たな透析液が供給されなくなった場合には、開放手段によって通常は閉回路となっている透析液回路を外部に開放することで、上記透析液回路内が陰圧とならないことから、透析液の血液回路への送液が阻害されずに行われ、当該透析液により返血を行うことが可能となる。
本実施例にかかる血液透析装置の外観図 上記血液透析装置の液回路図 第2実施例にかかる血液透析装置の液回路図 第3実施例にかかる血液透析装置の液回路図
以下図示実施例について説明すると、図1は透析治療を行う血液透析装置1の外観を、図2は該血液透析装置1の内部に設けた液回路を示し、この血液透析装置1は病院のコンセントCなどの通常電源から給電されて作動し、また内部に設けた制御手段1aによって制御されるようになっている。
上記血液透析装置1は、本体部1bの外部に保持された透析器2と、該透析器2に接続された血液回路3と、透析器2に接続されるとともに本体部1bの内部に設けられた透析液回路4と、血液回路3と透析液回路4との間に接続された補液通路5と、停電時に血液透透析装置の一部に電力を供給する補助電源6とを備えている。
また、上記制御手段1aは画面表示式の操作パネル1cを備え、画面には操作に必要なボタンやアイコン、メッセージが表示され、装置の操作および各種パラメータの設定を行うことができる。
本実施例の血液透析装置1は、1人の患者を対象に血液透析濾過療法(HDF)を行う個人用のON−LINE HDFに適用可能な血液透析装置1であって、上記補液通路5を用いて透析液を送液することにより、血液透析装置1の使用開始時におけるプライミング、透析治療時における補液、透析治療終了時における返血を行うことが可能となっている。
上記透析器2は、樹脂製の外装ケース2aと、該外装ケース2aの内部に設けた濾過膜を構成する多数の中空糸2bとから構成され、上記中空糸2bの内部は上記血液回路3と連通して血液が流通し、外装ケース2aと中空糸2bとの間には上記透析液回路4が連通して透析液が血液とは逆方向に流通するようになっている。
上記補助電源6は本体部1bの内部に設けられ、バッテリーなどの内部電源として利用するものとなっており、停電によりコンセントCから電力が供給されない場合に、血液透析装置1の一部の機器に電力を供給するものとなっている。
上記血液回路3は、患者の血管に接続されて上記透析器2に血液を供給する動脈側通路11と、透析器2から患者に血液を戻す静脈側通路12とから構成され、これら通路はシリコーン製のチューブで構成されている。
動脈側通路11には、その一端に患者の血管に穿刺される穿刺針11aが設けられるとともに他端が透析器2に接続され、上記穿刺針11aから順に、動脈側通路11を閉鎖するクランプ13と、血液を送液する血液ポンプ14と、ドリップチャンバ15とが配置され、該ドリップチャンバ15には圧力計15aが設けられている。
上記血液ポンプ14は、チューブをしごいて送液するローラポンプであるとともに、上記補助電源6によっても駆動されるようになっており、また上記制御手段1aによって作動を制御され、患者から透析器2へ血液を送液することが可能となっている。
上記静脈側通路12は、その一端が上記透析器2に接続されるとともに他端に患者の血管に穿刺される穿刺針12aが設けられており、上記透析器2から順に、ドリップチャンバ16および静脈側通路12を閉鎖するクランプ17が配置され、ドリップチャンバ16には圧力計16aが設けられている。
透析液回路4は、第1透析液チャンバ21または第2透析液チャンバ22から新鮮な透析液を透析器2に供給する透析液供給通路23と、透析器2を通過した使用済みの透析液を第1透析液チャンバ21または第2透析液チャンバ22に回収する透析液回収通路24とから構成され、これら通路はシリコーン製のチューブで構成されている。
第1透析液チャンバ21および第2透析液チャンバ22は同形であり、内部がダイアフラムによって2室に区画され、一方を新鮮な透析液を作製して供給するための供給室21a,22aとし、他方を使用済みの透析液を回収するための回収室21b、22bとしている。
上記透析液供給通路23は分岐して上記第1、第2透析液チャンバ21、22の上記供給室21a,22aに接続されており、透析液回収通路24も分岐して上記回収室21b、22bに接続されている。
また、上記第1、第2透析液チャンバ21、22の供給室21a,22aには浄水を供給する給水通路25が接続されており、回収室21b、22bには使用済みの透析液を排出するための排液通路26が接続されている。
上記給水通路25は、その上流部分にRO水などの浄水を供給する図示しない給水手段が接続され、下流部分は2方向に分岐してそれぞれ上記第1、第2透析液チャンバ21、22の供給室21a,22aに接続され、それぞれ制御手段1aの制御によって開閉される給液弁V1,V2が設けられている。
上記給水通路25には上記浄水を送液する浄水ポンプ31が設けられ、この浄水ポンプ31と分岐部分との間には、透析液の原液であるA液を供給するA液供給通路32と、透析液の透析液の原液であるB液を供給するB液供給通路33とが接続されている。
上記A液供給通路32およびB液供給通路33の上流部分には、それぞれA液容器34およびB液容器35が接続され、またA液およびB液はそれぞれA液供給通路32に設けたA液ポンプ36およびB液供給通路33に設けたB液ポンプ37によって送液されるようになっている。
上記透析液供給通路23は、その上流部分が2方向に分岐してそれぞれ上記第1、第2透析液チャンバ21、22の供給室21a,22aに接続され、下流部分が上記透析器2に接続されており、上記分岐部分にはそれぞれ制御手段1aの制御によって開閉される供給弁V3,V4が設けられている。
また透析液供給通路23には、上記分岐点から順に、透析液の濃度を測定する濃度センサ41と、透析液の有害成分を除去する第1透析液フィルタF1と、上記制御手段1aの制御によって開閉される第1開閉弁V5とが設けられている。
上記第1透析液フィルタF1の一次側には、上記透析液供給通路23と透析液回収通路24とを連通させる第1バイパス通路42が接続され、該第1バイパス通路42には上記制御手段1aの制御によって開閉される第2開閉弁V6が設けられている。
上記第2開閉弁V6を開放することにより、透析液供給通路23の透析液を透析器2を通過させずに、第1バイパス通路42を介して透析液回収通路24へと送液することができ、例えば上記濃度センサ41によって濃度の不良が検出された透析液を排出することができる。
また透析液供給通路23には、上記第1透析液フィルタF1と上記第1開閉弁V5との間に、密閉された透析液回路4を外部に開放する開放手段43が設けられている。
上記開放手段43は、透析液供給通路23における上記第1透析液フィルタF1と上記第1開閉弁V5との間に接続された開放通路44に、上記制御手段1aの制御によって開閉される第3開閉弁V7と、透析液の流出を阻止する逆止弁45と、流入する大気を清浄化するエアフィルタ46とを備えている。
上記第3開閉弁V7は上記補助電源6によって作動するようになっており、後述する補助電源返血モードの際に開放されるようになっている。
そして第3開閉弁V7が開放されると、閉回路を構成する透析液回路4に外気の流入が許容され、透析液回路4内の陰圧を外部圧に開放することができる。またその際透析液回路4に流入する大気はエアフィルタ46によって清浄化され、また上記逆止弁45は透析液の流出を阻止するようになっている。
さらに透析液供給通路23は、上記第1開閉弁V5と透析器2との間で分岐する分岐通路47を備え、この分岐通路47の下流部分は上記透析液回収通路24に接続されている。
上記分岐通路47には、透析液を貯留する貯溜容器48と、透析液の有害成分を除去する第2透析液フィルタF2と、上記制御手段1aの制御によって開閉される第4開閉弁V8とが設けられ、第2透析液フィルタF2と第4開閉弁V8との間には上記補液通路5を接続するための接続ポート49が設けられている。
上記貯溜容器48は上記透析液供給通路23を流通する新鮮な透析液を貯溜するようになっており、後述するように上記血液回路3内の血液を患者に返血するために必要な透析液を貯溜するものとなっている。
上記第4開閉弁V8は通常閉鎖され、上記分岐通路47を流通する透析液は上記接続ポート49を介して補液通路5へと送液されるようになっており、例えば、プライミングや洗浄時に開放され、透析液供給通路23の透析液を透析液回収通路24へと送液するようになっている。
上記第2透析液フィルタF2の一次側には、上記透析液供給通路23と透析液回収通路24とを連通させる第2バイパス通路50が接続され、上記制御手段1aの制御によって開閉される第5開閉弁V9が設けられている。
そして上記第5開閉弁V9を開放することにより、透析液供給通路23の透析液を上記第2透析液フィルタF2および透析器2を通過させずに、第2バイパス通路50を介して透析液回収通路24へと送液することができるようになっている。
上記透析液回収通路24は、上流部分が上記透析器2に接続されるとともに、下流部分が2方向に分岐してそれぞれ上記第1、第2透析液チャンバ21、22の回収室21b、22bに接続され、この分岐部分にはそれぞれ制御手段1aの制御によって開閉される回収弁V10,V11が設けられている。
また透析液回収通路24には、上記透析器2から順に、透析液回路4内の圧力を測定する圧力センサ51と、透析液を送液する透析液ポンプ52とが設けられている。
上記排液通路26は、その上流部分が2方向に分岐してそれぞれ上記第1、第2透析液チャンバ21、22の回収室21b、22bに接続され、下流部分は医療機関に設備された図示しない排液管に接続され、上記分岐部分にはそれぞれ制御手段1aの制御によって開閉される排液弁V12,V13が設けられている。
そして上記透析液回収通路24と排液通路26との間には除水通路53が接続されており、その上流部分は上記透析液回収通路24における透析液ポンプ52と分岐点との間に接続され、下流部分は上記排液通路26における分岐点の下流側に接続されている。
そして上記除水通路53には透析液回収通路24から使用済の透析液を排出させて限外濾過を行う除水ポンプ54が設けられている。
上記構成を有する透析液回路4によれば、上記第1透析液チャンバ21において新鮮な透析液を作製する場合は上記制御手段1aは、給液弁V1と排液弁V12を開放するとともに供給弁V3と回収弁V10を閉鎖する。
すると第1透析液チャンバ21では、給液弁V1と排液弁V12とが開放されているため、供給室21aには上記給水通路25から浄水とA原液とB原液が流入し、これらが混合されて新鮮な透析液が作製される一方、回収室21bではダイアフラムが押圧されて使用済みの透析液が排液通路26へと排出される。
一方上記第2透析液チャンバ22では、制御手段1aが供給弁V4と回収弁V11を開放するとともに給液弁V2と排液弁V13を閉鎖する。すると回収室22bには上記透析液ポンプ52によって送液された使用済みの透析液が流入し、これにより供給室22aからは作製された新鮮な透析液が透析液供給通路23に供給されることとなる。
その後、上記制御手段1aが上記給液弁V1,V2、供給弁V3,V4、回収弁V10,V11、排液弁V12,V13を交互に開閉することで、第1透析液チャンバ21と第2透析液チャンバ22で作製された新鮮な透析液は透析液供給通路23を介して透析器2へと供給され、透析器2を通過した使用済みの透析液は上記排液通路26を介して排出されることとなる。
上記補液通路5はシリコーン製のチューブで構成され、その上流部分が上記透析液供給通路23を構成する上記分岐通路47に設けた接続ポート49に接続され、下流部分は上記動脈側通路11における患者と接続される端部と血液ポンプ14との間に接続されている。
また補液通路5には制御手段1aによって作動を制御される補液ポンプ61が配置されており、上記血液ポンプ14と同様、後述する補助電源返血モードの際には上記補助電源6によっても駆動されるようになっている。
上記補液ポンプ61はチューブをしごいて送液するローラポンプであり、透析液供給通路23から新鮮な透析液を血液回路3へと送液するようになっている。
なお、上記補液通路5における上記動脈側通路11との接続部分と補液ポンプ61との間には、圧力検出手段として補液通路5を構成するチューブより流路断面積が大きく、偏平に形成された樹脂製のピロー62が設けられている。
以下、上記構成を有する血液透析装置1の動作について説明する。
まず、治療前のプライミング動作では、治療中と同様に透析液を作製して透析液回路4を透析液で満たし、さらに補液ポンプ61を作動させて血液回路3に新鮮な透析液を送液して血液回路3および透析器2を透析液で満たす。この際、上記補液通路5に設けた貯溜容器48にも新鮮な透析液が満たされた状態となる。
このプライミング動作が終了したら、操作者が動脈側通路11の穿刺針11a、静脈側通路12の穿刺針12aをそれぞれ患者の血管に接続した後で、制御手段1aは血液ポンプ14を作動させて患者から脱血して透析器2へと血液を送液させ、その際操作者は補液通路5に設けたピロー62を観察して、血液がスムーズに流入しているか否かを観察する。
穿刺針11aがつまる等の理由により血液がスムーズに流入されない場合、血液ポンプ14の上流側が陰圧となり、また上記制御手段1aは補液ポンプ61を停止させていることから、補液通路5における上記補液ポンプ61の下流側も陰圧となるため、上記ピロー62が凹んで脱血不良を目視することができる。
なお従来の血液透析装置1では、同様のピローが動脈側通路11に設けられており、その内部を血液が流通するようになっていたため、該ピローの中で流れが淀む箇所に血栓が生じるおそれがあった。
これに対し、本実施例ではピロー62を補液通路5に設けることで、ピロー62の内部を血液が流通しないため、血栓が生じるおそれがないものである。
上記脱血により血液回路3に血液が流通された状態となると、透析動作に移行し、透析治療中に上記補液ポンプ61を作動させることで、透析液供給通路23の新鮮な透析液の一部を補液通路5を介して動脈側通路11に供給して、新鮮な透析液を患者に補液することが可能となっている。
ここで、この補液に利用される透析液は、上記第1、第2透析液チャンバ21、22で作製された新鮮な透析液であり、また上記透析液供給通路23に設けた第1、第2透析液フィルタF1,F2を通過することで、エンドドキシンが除去された安全な透析液となっている。
さらに、上記補液ポンプ61を作動させることにより、上記分岐通路47に設けた貯溜通路48には新鮮な透析液が流入し、該貯溜通路48は常に新鮮な透析液が必要量貯溜された状態となっている。
透析治療が終了すると、血液回路3に残った血液を患者に戻す返血動作に移行する。このとき、上記第1、第2透析液チャンバ21、22からは透析治療中から継続して、新鮮な透析液の供給が行われている。
まず、上記制御手段1aは、血液ポンプ14を停止させてから補液ポンプ61を作動させ、動脈側通路11は血液ポンプ14の位置で閉塞されていることから、上記補液通路5から供給される透析液は、透析治療時における血液の送液方向とは逆方向に患者へ向けて流通し、動脈側通路11に残留している血液が患者に返血される。
上記動脈側通路11からの返血が終了すると、上記制御手段1aは、上記動脈側通路11をクランプ13で閉鎖するとともに血液ポンプ14を作動させる。
これにより、上記補液通路5から供給される透析液は、透析治療時における血液の送液方向と同じ方向に流通され、透析器2の中空糸2bの中を通過して静脈側通路12に送液されて、動脈側通路11、静脈側通路12および透析器2に残留した血液が静脈側通路12から患者に返血される。
以上はコンセントCから給電される通常運転による動作を示したが、次に、透析治療中に停電が発生した場合について説明する。
すなわち、上述したような透析治療中において、停電によりコンセントCからの電力の供給が得られなくなると、透析動作が停止され、透析液の作製、供給が行えなくなる。
停電が発生し警報が発せられると、操作者は制御手段1aが備える操作パネル1cから補助電源返血モードを指令する。なお、上記制御手段1aは上記補助電源6からの電力の供給を受けて、停電後も起動状態を維持している。
これにより、制御手段1aは補助電源6により上記開放手段43を作動させて第3開閉弁V7を開放し、上記開放通路44を介して透析液回路4を外部に開放した状態とする。
さらに制御手段1aは、血液ポンプ14を停止させた状態で、かつ、補助電源6の電力により補液ポンプ61を作動させ、分岐通路47に設けた貯溜容器48に貯溜した新鮮な透析液を補液通路5を介して血液回路3に送液する。
これにより、動脈側通路11に透析治療中の血液の送液方向とは逆方向に透析液が流通し、通常運転時と同じ動作により動脈側通路11から患者へ返血される。
このとき、上記開放手段43によって通常は閉回路として構成される透析液回路4が大気開放されていることから、第1透析液チャンバ21および第2透析液チャンバからの透析液の供給が停止した状態において補液ポンプ61を作動させても透析液回路4内が陰圧とならず、透析液の送液が阻害されないようになっている。
なお、具体的な貯溜容器48の容量については、上記透析液供給通路23や上記補液通路5に残留している透析液の容量を考慮して、血液回路3内の血液を全て返血できるだけの十分な量を設定すればよい。
上記動脈側通路11からの返血が終了すると、上記制御手段1aは、補助電源6によりクランプ13を作動させて動脈側通路11を閉鎖するとともに血液ポンプ14を作動させる。これにより、補液通路5から供給された透析液が、動脈側通路11から透析器2を通過して静脈側通路12へ流通し、通常運転時と同じ動作により静脈側通路12から患者へ返血される。
以上のように、上記実施例の血液透析装置1によれば、透析治療中に停電によってコンセントCからの電力が得られなくなった場合であっても、制御手段1aの制御を補助電源返血モードとすることで、上記補助電源6により返血を行うことが可能となっている。
また、上記分岐通路47に貯溜容器48を設けて、該貯溜容器48に貯溜した透析液を用いて血液回路3内の血液を患者に返血するため、新たな透析液の供給がストップした状態であっても、血液回路3内の血液を全て患者に返血することが可能となっている。
このとき、密閉された閉回路である透析液回路4を、開放手段43により外部に開放するため、補液ポンプ61の作動により透析液回路4内が陰圧になって送液が阻害されてしまわないようになっている。
次に、図3は第2実施例にかかる血液透析装置1の液回路の一部を説明する図であり、本実施例は以下に説明するように上記補液通路5の接続位置が上記第1実施例に対して異なるだけであるので、それ以外の構成についての詳細な説明を省略するとともに、第1実施例で使用した符号をそのまま用いて説明する。
第2実施例においては、上記補液通路5における下流部分を、動脈側通路11における上記血液ポンプ14と上記透析器2との間に接続した構成となっており、通常の返血動作および補助電源返血モードにおいて、以下のようにして返血が行われる。
まず、上記血液回路3内の血液を動脈側通路11から患者へ返血するため、制御手段1aは上記補液ポンプ61を作動させ、かつ、上記血液ポンプ14を血液送液時とは逆方向に送液するよう作動させる。この際、クランプ17を閉鎖して、患者から血液が引き込まれないようにする。
これにより動脈側通路11における上記補液通路5の接続位置よりも上流側(患者と接続される端部側)に残留した血液は、上記補液通路5から供給された新鮮な透析液が透析治療中の血液の送液方向とは逆方向に流通されることによって、動脈側通路11から患者へ返血されることとなる。
そして、上記制御手段1aは上記補液ポンプ61は作動させたまま上記血液ポンプ14を停止させて動脈側通路11を閉塞しクランプ17を開放して、動脈側通路11から静脈側通路12へ透析液を流通させる。
これにより動脈側通路11における上記補液通路5の接続位置よりも下流側(透析器2と接続される端部側)および静脈側通路12に残留した血液は、上記補液通路5から供給された新鮮な透析液が動脈側通路11から透析器2を通過して静脈側通路12へ流通されることによって、静脈側通路12から患者に返血されることとなる。
この第2実施例においても、補助電源返血モードでは、上記第1実施例と同様に、開放手段43が補助電源6で作動されて透析液回路4を外部に開放するようになっており、補液ポンプ61、血液ポンプ14、クランプ17を補助電源6で作動させるようになっている。
図4は第3実施例にかかる血液透析装置1の液回路の一部を説明する図であり、本実施例は以下に説明するように上記補液通路5の接続位置が上記第1、第2実施例に対して異なるだけであるので、それ以外の構成についての詳細な説明を省略するとともに、第1実施例で使用した符号をそのまま用いて説明する。
第3実施例においては、上記補液通路5における下流部分を上記静脈側通路12に接続した構成となっており、通常の返血動作および補助電源返血モードにおいて、以下のようにして返血が行われる。
まず、上記血液回路3内の血液を動脈側通路11から患者へ返血するため、上記制御手段1aは上記補液ポンプ61を作動させるとともに上記血液ポンプ14を血液送液時とは逆方向に送液するよう作動させる。この際、クランプ17を閉鎖して患者から血液が引き込まれないようにする。
これにより静脈側通路12における上記補液通路5の接続位置よりも上流側(透析器2と接続される端部側)および動脈側通路11に残留した血液は、上記補液通路5から供給された新鮮な透析液が透析治療中の血液の送液方向とは逆方向に流通されることによって、動脈側通路11から患者へ返血されることとなる。
そして、上記制御手段1aは上記補液ポンプ61は作動させたまま上記血液ポンプ14を停止させて動脈側通路11を閉塞しクランプ17を開放して、静脈側通路12に透析液を流通させる。
これにより静脈側通路12における上記補液通路5の接続位置よりも下流側(患者と接続される端部側)に残留した血液は、上記補液通路5から供給された新鮮な透析液が透析治療中の血液の送液方向と同方向に流通されることによって、静脈側通路12から患者へ返血されることとなる。
上記第2、第3実施例のように、上記補液通路5の下流部分の接続位置を変更した場合であっても、上記第1実施例と同様、透析治療中に停電が発生した場合に制御手段1aにおいて補助電源返血モードに設定することにより、上記補助電源6により返血を行うことが可能となっている。
なお、上記実施例における開放手段43は、透析液供給通路23ではなく透析液回収通路24にも設けることが可能であり、貯溜容器48と補液ポンプ61との間を除く、透析液回路4の様々な箇所を開放させるよう構成することができる。
例えば、開放手段43を透析液回収通路24における上記透析液ポンプ52よりも透析器2側に設けるとともに、上記第1バイパス通路42に設けた第2開閉弁V6を補助電源6により開閉可能とすれば、閉回路である透析液回路4を外部に開放することができ、補助電源返血モードとした際に貯溜容器48内の透析液を、第1、第2透析液チャンバ21、22からの透析液の供給が停止した状態で補液ポンプ61により送液させることができる。
さらに、上記構成と異なり、上記開放手段43を補助電源6によって駆動される上記排液通路26に設けた排液弁V12、V13としてもよく、これら排液弁V12、V13を開放することで、透析液回路4を外部に開放することができる。
また上記貯溜容器48は上記分岐通路47の接続部分よりも上流側に設けることも可能である。ただし、個人用透析装置の場合は停電により透析液が正しい濃度で作製されない恐れがあり、濃度不良の透析液を血液回路3に供給することを防止するため、濃度センサ41より下流に設けて正しい濃度の透析液を貯溜させることが望ましい。また、接続ポート49と補液ポンプ61との間の補液通路5に設けることも可能である。
さらに、上記実施例の血液透析装置1は個人用透析装置となっているが、透析液供給装置から供給される透析液を用いて血液透析を行う透析用監視装置であっても良い。
1 血液透析装置 2 透析器
3 血液回路 4 透析液回路
5 補液通路 6 補助電源
11 動脈側通路 12 静脈側通路
14 血液ポンプ 23 透析液供給通路
24 透析液回収通路 43 開放手段
48 貯溜容器 61 補液ポンプ
62 ピロー F1 第1透析液フィルタ
F2 第2透析液フィルタ

Claims (4)

  1. 血液透析を行う透析器と、新鮮な透析液を透析器に供給する透析液供給通路および上記透析器を通過した使用済みの透析液を回収する透析液回収通路からなる透析液回路と、患者から上記透析器へ血液を送る動脈側通路および上記透析器から患者へ血液を戻す静脈側通路からなる血液回路と、上記透析液供給通路と上記血液回路とを連通させる補液通路と、上記透析液供給通路に設けられた透析液を浄化する透析液フィルタと、上記動脈側通路に配置された血液ポンプとを備え、
    上記血液回路内の血液を患者へ返血する際には、新鮮な透析液を上記補液通路を介して血液回路に送液して、透析液により返血する血液透析装置において、
    密閉された透析液回路を外部に開放する開放手段を設け、
    上記血液回路内の血液を患者へ返血する際には、上記開放手段により透析液回路を外部に開放させることで、上記透析液供給通路の新鮮な透析液を上記補液通路を介して血液回路に流通させ、当該透析液により返血することを特徴とする血液透析装置。
  2. 上記透析液供給通路の新鮮な透析液を上記補液通路を介して上記血液回路へ送液させる補液ポンプを設けたことを特徴とする請求項1に記載の血液透析装置。
  3. 上記透析液供給通路の新鮮な透析液を貯溜する貯溜容器を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の血液透析装置。
  4. 上記血液回路内の血液を患者へ返血する際に必要な電力を供給する補助電源を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の血液透析装置。
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