発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施形態に限定されない。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る通信装置の構成の一例を示す。
本実施形態に係る通信装置1001は、通信データを中継し、通信データを使用してユーザに送受信サービスを提供する通信装置である。通信装置には、電話機1002が接続される。通信装置1001は、分離手段1010と、多重化手段1012と、回線制御手段1100と、合成手段1014を有する。分離手段1010は、入力された通信データを、音声データと制御データに分離する。多重化手段1012は、音声データを受信し、音声データに音声を多重化して、音声が多重化された音声データを生成する。回線制御手段1100は、制御データに基づいて、送受信サービスを制御する制御データを生成する。合成手段1014は、多重化手段1012により生成された音声データと、回線制御手段1100により生成された制御データを合成し、合成された通信データを生成して出力する。
本実施形態に係る通信方法の処理の一例を図2に示す。
本実施形態に係る通信方法は、通信データを中継し、通信データを使用してユーザに送受信サービスを提供する通信方法である。通信データを受信する(ステップS201)と、入力された通信データを、音声データと制御データに分離する(ステップS202)。制御データに基づいて、送受信サービスを制御する制御データを生成し、これにより通信回線を制御する(ステップS203)。本実施形態に係る通信方法はさらに、音声データに音声を多重化して、音声が多重化された音声データを生成し、音声が多重化された音声データと、送受信サービスを制御する制御データを合成し(ステップS204)、合成された通信データを生成して出力する(ステップS205)。
本実施形態に係る通信装置1001においては、通話相手が確定した後に新たな通話相手の追加が可能である。
[第2の実施形態]
[構成]
図3は、本発明の第2の実施形態に係るオーダワイヤ伝送システムの構成の一例を示す。
本実施形態においては、無線機基地局においてオーダワイヤ伝送システムを構築した例を示すが、これに限定されない。
オーダワイヤ伝送システムは、オーダワイヤ通信装置が、タンデムに、すなわち一列に接続した構成を有する。オーダワイヤ通信装置は、図3に示されるように、図面右側から左側にオーダワイヤ信号を伝送する経路と、図面左側から右側にオーダワイヤ信号を伝送する経路を有する。
無線機基地局2000は、オーダワイヤ通信装置2001、電話機2002、伝送装置2013、2023、マイクロ波無線装置2014、2024を含む。電話機2002及び伝送装置2013、2023は、オーダワイヤ通信装置2001に接続される。伝送装置2013および2023には、それぞれマイクロ波無線装置2014および2024からデジタルサービスチャネル回線が入出力される。
マイクロ波無線装置2014、2024は、他の無線機基地局とデジタルサービスチャネルを含む通信データの授受を行う。
伝送装置2013、2023は、デジタルサービスチャネルが伝送される通信フレームから音声チャネルのみを抽出し、該音声チャネルをオーダワイヤ通信装置2001へ渡す。伝送装置2013、2023はさらに、音声チャネルを通信フレームに多重化して、該通信フレームをデジタルサービスチャネルに送信する。電話機2002は、オーダワイヤ通信装置2001との間で、音声信号の送受信及び発着信制御を行う。
図4は、本実施形態に係るオーダワイヤ通信装置2001の構成の一例を示す。
本発明の第2の実施形態に係るオーダワイヤ通信装置2001は、分離部10、20、解読部11、21、多重化部12、22、符号化部13、23、合成部14、24を含む。
分離部10は、伝送装置2013からの音声チャネルのデジタル通信データを受信し、該通信データを圧縮音声データと制御データに分離する。解読部11は、圧縮音声データを非圧縮音声データへ変換する。電話機2002から入力された音声信号は回線接続部を経てアナログ信号からデジタル信号に変換され、該デジタル信号は多重化部21において、非圧縮音声データに多重化される。符号化部13は、非圧縮音声データを圧縮音声データへ変換する。合成部14は、圧縮音声データと制御データを合成する。
なお、分離部20、解読部21、多重化部22、符号化部23および合成部24は、伝送装置2013からの音声チャネルのデジタル通信データを受信して処理する。これらはそれぞれ、分離部10、解読部11、多重化部12、符号化部13、合成部14と機能は同一であるので、説明を省略する。
本発明の第2の実施形態に係るオーダワイヤ通信装置2001は、さらに、多重化部30、信号変換部31、32、及び回線接続部33を含む。
多重化部30は、解読部11および解読部21から送信された非圧縮音声データを多重化する。信号変換部31は、デジタル非圧縮音声データをアナログ音声信号へ変換する。信号変換部32は、アナログ音声信号をデジタル非圧縮音声データへ変換する。回線接続部33は、電話機2002との間で音声信号の接続及び切断を行う。回線接続部33は、電話機2002の受話器のオンフック/オフフック状態を認識する機能を有する。
本発明の第2の実施形態に係るオーダワイヤ通信装置2001は、さらに、蓄積部40、50、応答検出部41、51、局番検出部42、52、選択部43、53、応答部44、54、発信部45、55を含む。
蓄積部40は、分離部10から送信された制御データを蓄積する。応答検出部41は、蓄積部40に蓄積された制御データを解析し、応答信号を検出する。局番検出部42は、制御データを解析し、自局ダイヤルの着信を検出する。選択部43は、合成部24へ送出する制御データを応答部44と発信部45と蓄積部50のそれぞれから送信されるデータの中から選択する。応答部44は、応答制御データを保持する。発信部45は、電話機2002の発信番号入力(ダイヤル)を解析して発信制御データを生成する。
なお、蓄積部50、応答検出部51、局番検出部52、選択部53、応答部54および発信部55は、伝送装置2013から受信したデジタル通信データを処理する。それぞれ、蓄積部40、応答検出部41、局番検出部42、選択部43、応答部44および発信部45と機能は同一であるので、説明を省略する。
本発明の第2の実施形態に係るオーダワイヤ通信装置2001は、さらに、呼出部60及び回線接続判定部70を含む。
呼出部60は、局番検出部42または局番検出部52から送信された局番検出信号を受信し、呼出音声を生成する。回線接続判定部70は、オーダワイヤ通信装置2001と電話機2002の間の音声信号の接続および切断の判定を行う。
[動作]
次に、本発明の第2の実施形態に係るオーダワイヤ通信装置の動作について図4および8を参照して説明する。
なお、図8は、選択部43、53の処理の一例を示すフローチャートである。
オーダワイヤ通信装置2001が、伝送装置2023からの音声チャネルのデジタル通信データを受信する。デジタル通信データは、分離部10において圧縮音声データと制御データに分離される。分離された圧縮音声データは、解読部11において非圧縮音声データへ変換される。変換された非圧縮音声データと、伝送装置2013から受信した通信データを同様にして変換して得られた非圧縮音声データが、多重化部30において多重化される。多重化された非圧縮音声データは、信号変換部31においてデジタル非圧縮音声データからアナログ音声信号へ変換される。
まず、初期状態は、自局がいずれの他局とも通話しない状態である。伝送装置2023からオーダワイヤ通信装置2001に入力されるデジタル通信データは、分離部10において分離されるが、分離された制御データ及び音声データは変更を受けずに合成部14において合成され、伝送装置2013に出力される。また、伝送装置2013から入力されたデジタル通信データは、入力された状態で伝送装置2023に出力される。保守者は、デジタル通信データに含まれる通信音声を聴取せず、保守者の音声をデジタル音声データに追加しない。
次に、他局からの着信動作を説明する。
伝送装置2023から入力されたデジタル通信データは、分離部10において分離される。分離されたデータのうち、制御データは、蓄積部40に蓄積される(図8ステップS801)。蓄積部40で蓄積された制御データは、他局から自局への着信の有無を局番検出部42により監視される。自局への着信が検出されれば(図8ステップS802YES)、該着信は呼出部60へ通知される。自局への着信が検出されなければ(図8ステップS802NO)、通信状態を維持し、蓄積部40に蓄積された制御データが選択部53に送出される(図8ステップS806)。
局番検出部42において他局から自局への着信が検出され、該着信が呼出部60へ通知された場合は、呼出部60は呼出音声および呼出指示を生成し、該呼出音声及び該呼出指示を回線接続判定部70へ送出する。回線接続判定部70は、電話機2002のオンフック状態を回線接続部33に問い合わせる。電話機2002がオンフック状態であれば、回線接続判定部70は、呼出音声を回線接続部33へ送出する。回線接続部33は、電話機2002へ呼出信号を送出する。
なお、伝送装置2013から入力されたデジタル着信信号から分離された制御データは、蓄積部50に蓄積され、局番検出部52により監視される。
電話機2002の呼出音を聞き、保守者が受話器をオフフックすると、回線接続部33は、回線接続判定部70へ電話機2002のオフフック動作を通知する。回線接続判定部70は、呼出音の送出を停止するとともに、回線接続部33へ回線接続指示を送出する。続けて、回線接続判定部70は、選択部43および選択部53へそれぞれ応答部44および応答部54から送信された応答制御データを選択する(図8ステップS803)よう指示する。選択部43および選択部53は、制御データをそれぞれ合成部24および合成部14へ送出する。回線接続部33は、信号変換部31および信号変換部32と電話機2002を接続する。
回線接続部33は、信号変換部31からのアナログ音声信号を電話機2002の受話スピーカへ送出する。他局からの音声は、電話機2002の受話スピーカから出力される。他局への音声は、電話機2002の送話マイクから入力され、アナログ音声信号が信号変換部32へ送出される。信号変換部32は、アナログ音声信号をデジタル非圧縮音声データへ変換し、多重化部12および多重化部22へ送出する。多重化部12は、解読部11から送信された他局からの非圧縮音声データと信号変換部32から送信された非圧縮音声データを多重化し、多重化された非圧縮音声データを符号化部13へ送出する。多重化部22は、解読部21から送信された他局からの非圧縮音声データと信号変換部32から送信された非圧縮音声データを多重化し、多重化された非圧縮音声データを符号化部23へ送出する。符号化部13および符号化部23は、非圧縮音声データを圧縮音声データへ変換して、該圧縮音声データをそれぞれ合成部14および合成部24へ送出する。合成部14は、選択部53から送信された制御データと符号化部13から送信された圧縮音声データを合成して(図8ステップS807)、合成された圧縮音声データを伝送装置2013へ送出する。合成部24は、選択部43から送信された制御データと符号化部23から送信された圧縮音声データを合成して、合成された圧縮音声データを伝送装置2023へ送出する。以上の手続により、自局と他局との通話経路が確立する。
次に、自局から他局への発信動作を説明する。
保守者は、電話機2002の受話器をオフフックする。回線接続部33は、電話機2002のオフフックを検出すると、該オフフック動作を回線接続判定部70へ通知する。
回線接続判定部70は、通知された時点で他局からの着信が無ければ回線接続部33へ発信許可音声を送出する。回線接続部33は、電話機2002へ発信許可音声を送出する。保守者は、電話機2002からの発信許可音声を確認すると、目的の局への発信番号を入力(ダイヤル)する。
回線接続部33は、電話機2002からのダイヤル信号を受信すると(図8ステップS804YES)、回線接続判定部70へダイヤル信号を送出する。回線接続判定部70は、発信部45および発信部55へ発信ダイヤル制御データの生成を指示し、選択部43および選択部53に対してそれぞれ発信部45および発信部55から送信された発信ダイヤル制御データを選択する(図8ステップS805)よう指示する。
選択部43および選択部53は、それぞれ合成部24および合成部14へ制御データを送出する。合成部24は、符号化部23から送信された圧縮音声データと選択部43から送信された制御データを合成し、伝送装置2023を介して他局へ送出する。合成部14は、符号化部13から送信された圧縮音声データと選択部53から送信された制御データを合成し(図8ステップS807)、伝送装置2013を介して他局へ送出する。
伝送装置2023は他局からの通信データを分離部10へ送出する。伝送装置2013は他局からの通信データを分離部20へ送出する。分離部10および分離部20は、受信した通信データを圧縮音声データと制御データに分離する。蓄積部40および蓄積部50は、それぞれ分離部10および分離部20から送信された制御データを蓄積する。応答検出部41および応答検出部51は、それぞれ蓄積部40および蓄積部50に蓄積された制御データを監視し、他局からの応答信号を検出する。応答検出部41または応答検出部51は、応答信号を検出したら、該応答信号を回線接続判定部70へ通知する。回線接続判定部70は、回線接続部33に対し回線接続指示を行う。回線接続部33は、他局からの音声を信号変換部31のアナログ音声信号として電話機2002の受話スピーカへ送出する。回線接続部33は、他局への音声を電話機2002の送話マイクからのアナログ音声信号として信号変換部32へ送出する。
信号変換部32は、アナログ音声信号をデジタル非圧縮音声データへ変換し、該デジタル非圧縮音声データを多重化部12および多重化部22へ送出する。多重化部12は、解読部11から送信された他局からの非圧縮音声データと信号変換部32から送信された非圧縮音声データを多重化し、該非圧縮音声データを符号化部13へ送出する。多重化部22は、解読部21から送信された他局からの非圧縮音声データと信号変換部32から送信された非圧縮音声データを多重化し、該非圧縮音声データを符号化部23へ送出する。符号化部13および符号化部23は、非圧縮音声データを圧縮音声データへ変換して、該圧縮音声データをそれぞれ合成部14および合成部24へ送出する。合成部14は、選択部53から送信された制御データと符号化部13から送信された圧縮音声データを合成して、合成された圧縮音声データを伝送装置2013へ送出する。合成部24は、選択部43から送信された制御データと符号化部23から送信された圧縮音声データを合成して、合成された圧縮音声データを伝送装置2023へ送出する。以上の手続により、自局と他局との通話経路が確立する。
次に、通話中における他局呼び出し動作を説明する。
保守者が、電話機2002にて他局の保守者と通話中に、さらに他の局の保守者を新たな通話相手として通話に参加させる場合、保守者は、通話中に電話機2002から参加させたい局の番号を入力(ダイヤル)する。
回線接続部33は、電話機2002からのダイヤル信号を検出すると、回線接続判定部70へダイヤル番号を送出する。回線接続判定部70は、発信部45および発信部55へ発信ダイヤル制御データの生成を指示し、選択部43および選択部53に対してそれぞれ発信部45および発信部55から送信された発信ダイヤル制御データを選択するよう指示する。
選択部43および選択部53は、それぞれ合成部24および合成部14へ制御データを送出する。合成部24は、符号化部23から送信された圧縮音声データと選択部43から送信された制御データを合成して、合成された圧縮音声データを伝送装置2023を介して他局へ送出する。合成部14は、符号化部13から送信された圧縮音声データと選択部53から送信された制御データを合成して、合成された圧縮音声データを伝送装置2013を介して他局へ送出する。
他局の保守者が、送出されたデータに対して、受話器をオフフックすると、他局のオーダワイヤ通信装置は、電話機を回線に接続し、応答信号を送出する。
伝送装置2023が、他局のオーダワイヤ通信装置からの応答信号を受信した場合、伝送装置2023は、他局からの通信データを分離部10へ送出する。
分離部10は、受信した通信データを圧縮音声データと制御データへ分離する。蓄積部40は、分離部10から送信された制御データを蓄積する。応答検出部41は、蓄積部40に蓄積された制御データを監視し、他局からの応答信号の検出を行う。応答検出部41は、応答信号を検出すると、該応答信号を、回線接続判定部70へ通知する。
なお、伝送装置2013から入力された通信データから分離された制御データは、蓄積部50に蓄積され、応答検出部51により監視される。
回線接続判定部70は、回線接続部33に対し応答が着信したことを知らせる音声を送出する。回線接続部33は、電話機2002の受話スピーカに対し、応答着信音を送出する。保守者は、応答着信音を電話機2002の受話スピーカから聞き、相手局が呼び出しに応じたことを知る。以上の手続により、他局との通話経路が追加され、他局の保守者が通話に参加することが可能となる。
次に、自局が通話経路を遮断する(電話を切る)動作を説明する。
自局の保守者が他局との通話状態において、電話機2002の受話器をオンフックすると、回線接続部33がオンフック動作を検出し、回線接続判定部70に通知する。
回線接続判定部70は、選択部43および選択部53に、通話経路の遮断を通知する制御データを選択するよう指示する。
選択部43および選択部53は、該制御データをそれぞれ合成部24および合成部14に送信する。合成部24および合成部14は、該制御データと圧縮音声データを合成して、合成した圧縮音声データが他局に送信される。
通信経路の遮断を通知する制御データを含む圧縮音声データを受信した他局は、該圧縮音声データを送信した局との通話状態を終了する。以上の処理により、通話経路が遮断される。
本発明の第2の実施形態に係るオーダワイヤ通信装置によれば、オーダワイヤ通信に使用されるデジタル通信データの一部を制御用データに分離することにより、音声データの通信と通信回線の制御が可能である。
制御用データが相手先の通信局についての情報を有するので、相手先の通信局を呼び出して通信セッションの確立を申し込む(電話をかける)ことが可能である。これにより、通話相手として指定されない通信局において、通話内容が監視されることがない。
また、本実施形態に係るオーダワイヤ通信装置においては、通信局の保守者が電話機で通話をしている状態であっても、デジタル通信データに含まれる制御用データは蓄積部に蓄積され、局番検出部及び応答検出部により監視される。保守者が通話中であっても、さらに他の通信局を呼び出すことが可能であり、また、他の通信局からの着信に応答することが可能である。これにより、通話中であっても、通話に参加する通話者を任意に変更することができ、通話による情報の共有範囲を自由に変更することができる。
[第3の実施形態]
図5は、本発明の第3の実施形態に係るオーダワイヤ伝送システムの構成の一例を示す。本実施形態に係るオーダワイヤ伝送システムは、広域ネットワーク端局を構成する。
本実施形態に係る広域ネットワーク端局2100は、第2の実施形態に係るオーダワイヤ伝送システムにおけるマイクロ波無線装置2014、2024を広域ネットワーク終端装置2114、2124に代替したものである。
オーダワイヤ通信装置2101に、電話機2102と伝送装置2113、2123が接続されており、伝送装置2113および2123には、それぞれ広域ネットワーク終端装置2114および2124が接続されている。広域ネットワーク終端装置2114、2124は他局と接続されており、通信データの授受を行う。伝送装置2113、2123は、広域ネットワークから受信した伝送フレームからオーバーヘッドを抽出してオーダワイヤ通信装置2001へ渡す。また、伝送装置2113、2123は、オーダワイヤ通信装置2001が生成したデータを伝送フレームのオーバーヘッドに含め、伝送フレームを広域ネットワーク終端装置2114、2124に渡して、広域ネットワークに送出する。電話機2102は、オーダワイヤ通信装置2101との間で、音声信号の送受信や、発着信制御を行う。
本実施形態に係るオーダワイヤ通信装置2101は、広域ネットワークで送受される伝送フレームのオーバーヘッドをオーダワイヤ通信に使用することを除けば、第2の実施形態に係るオーダワイヤ通信装置と同一の構成を有するので、説明を省略する。
本発明の第3の実施形態に係るオーダワイヤ通信装置によれば、広域ネットワークで送受信される伝送フレームのオーバーヘッドをオーダワイヤ通信に使用するので、音声通信だけでなく、画像データや機器制御などの、音声以外の用途の通信回線を、分離した制御データを元にして制御することができる。また、音声通信と併用することにより、多様な通信方法に対応することが可能である。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態に係るオーダワイヤ通信装置の構成及び動作が、図6および7を参照して説明される。
図6は、本実施形態に係るオーダワイヤ通信装置の構成の一例を示す。
本発明の第4の実施形態に係るオーダワイヤ通信装置3001は、伝送装置3013、3023に接続され、また、電話機3002が接続される。
オーダワイヤ通信装置3001は、分離部110、120、デコーダ111、121、多重化部112、122、エンコーダ113、123、合成部114、124、多重化部130、DA(Digital−Analog)変換部131、AD(Analog−Digital)変換部132、及び回線接続部133を含む。オーダワイヤ通信装置3001はさらに、呼出部160、回線接続判定部170、レジスタ140、150、応答検出部141、151、局番検出部142、152、セレクタ143、153、応答部144、154、発信部145、155を含む。
分離部110は、伝送装置3023からデジタル音声データを受信する。該デジタル音声データは、通信速度が64kbps(bit per second)の音声チャネルである。該デジタル音声データは、デジタル音声信号の圧縮方法の1つである、μ−lawアルゴリズムで符号化された8ビットのデータである。サンプリング周波数は8000ヘルツである。分離部110は、該デジタル音声データを、7ビットのμ−law音声データと1ビットの制御データに分離する。
なお、μ−law音声データは8ビットで構成されるが、本実施形態においては、エンコーダ113またはエンコーダ123にて1ビットをマスクして7ビットを使用する。この処理により音質は劣化するが、オーダワイヤ通信装置の用途は、通信回線の保守に際して通信される音声通話であるため、音声を聞き取りに対しては十分な品質が維持されている。
空いた1ビット空間に1ビットの制御データが割り当てられて、8ビットのデジタル通信データが構成される。
デコーダ111は、7ビットのμ−law音声データに0を1ビット付加して8ビットとし、このデータを14ビットのPCM(Pulse Code Modulation)音声データへ変換する。多重化部112は、14ビットのPCM音声データに電話機3002から送信された14ビットのPCM音声データを多重化する。
エンコーダ113は、14ビットのPCM音声データを8ビットのμ−law音声データへ変換した後に1ビットをマスクして7ビットにする。合成部114は、7ビットのμ−law音声データと1ビットの制御データを合成して、8ビットのデータを生成する。
同様にして、分離部120は、伝送装置3013から、64kbps音声チャネルの8ビットのデジタル通信データを受信し、7ビットのμ−law音声データと1ビットの制御データに分離する。デコーダ121は、7ビットのμ−law音声データに、ダミーデータとして、0を1ビット付加して8ビットとし、14ビットのPCM音声データへ変換する。多重化部122は、14ビットのPCM音声データに電話機3002から送信された14ビットのPCM音声データを多重化する。エンコーダ123は、14ビットのPCM音声データを8ビットのμ−law音声データへ変換し、1ビットをマスクして7ビットにする。合成部124は、7ビットのμ−law音声データと1ビットの制御データを合成する。
多重化部130は、デコーダ111から送信された14ビットのPCM音声データとデコーダ121から送信された14ビットのPCM音声データを多重化する。DA変換部131は、14ビットのデジタルPCM音声データをアナログ音声信号へ変換する。AD変換部132は、アナログ音声信号を14ビットのデジタルPCM音声データへ変換する。回線接続部133は、電話機3002との間で音声信号の接続および切断を行う。回線接続部133は、電話機3002の受話器のオンフック/オフフック状態を認識する機能を有する。
レジスタ140は、分離部110から送信された1ビットの制御データを蓄積する。
所定数(例えば32)の8ビットのデジタル通信データが蓄積され、1つのデータ信号が構成される。このうちの制御に関わる部分を制御データフレームとする。制御データフレームのフォーマットの一例を図7に示す。制御データフレームは、同期ビット、発信装置番号データ、着信装置番号データ、応答信号、および誤り検出のためのデータ列を含む。
応答検出部141は、制御データフレームのビット列を解析し、応答信号データを検出する。局番検出部142は、制御データフレームのビット列を解析し、着信装置番号から自局ダイヤルの着信の有無を検出する。セレクタ143は、合成部124へ送出する制御データのビット列を応答部144と発信部145とレジスタ150のそれぞれから送信されるデータの中から選択する。応答部144は、制御データフレームのビット列の応答信号データを保持する。発信部145は、電話機3002の発信番号入力(ダイヤル)を解析し、制御データフレームのビット列に含まれる発信装置番号を生成する。
同様にして、レジスタ150は、分離部120から送信された1ビットの制御データを蓄積する。所定数(例えば32)の8ビットのデジタル通信データが蓄積され、1つのデータ信号が構成される。このうちの制御に関わる部分を制御データフレームとする。
応答検出部151は、制御データフレームのビット列を解析し、応答信号データを検出する。局番検出部152は、制御データフレームのビット列を解析し、着信装置番号から自局ダイヤルの着信の有無を検出する。セレクタ153は、合成部114へ送出する制御データフレームのビット列を応答部154と発信部155とレジスタ140のそれぞれから送信されるデータの中から選択する。応答部154は、制御データフレームのビット列の応答信号データを保持する。発信部155は、電話機3002の発信番号入力(ダイヤル)を解析し、制御データフレームのビット列に含まれる発信装置番号を生成する。
呼出部160は、局番検出部142または局番検出部152から送信された局番検出信号を受信し、呼出音声を生成する。回線接続判定部170は、オーダワイヤ通信装置3001と電話機3002の間の音声信号の接続および切断の判定を行う。
次に、本発明の第4の実施形態に係るオーダワイヤ通信装置の動作について説明される。
まず、他局からの着信動作が説明される。
オーダワイヤ通信装置3001が、伝送装置3023からの64kbps音声チャネルの8ビットのデジタル通信データを受信する。8ビットのデジタル通信データは、分離部110で7ビットのμ−law音声データと1ビットの制御データに分離される。分離された7ビットのμ−law音声データは、デコーダ111で14ビットのPCM音声データへ変換される。多重化部130にてデコーダ111から送信された14ビットのPCM音声データとデコーダ121から送信された14ビットのPCM音声データが多重化される。多重化された14ビットのPCM音声データは、DA変換部131でデジタルPCM音声データからアナログ音声信号へ変換される。
分離部110にて分離された1ビットの制御データは、レジスタ140に蓄積される。
所定数(例えば32)の8ビットのデジタル通信データが蓄積され、1つのデータ信号が構成される。このうちの制御に関わる部分を制御データフレームとする。レジスタ140に蓄積された制御データフレームのビット列の着信装置番号は局番検出部142により監視され、自局番号が検出されれば該制御データフレームは呼出部160へ通知し、検出されなければセレクタ153へ制御データフレームのビット列が送出される。
なお、伝送装置3013から入力されたデジタル通信データから分離された制御データは、レジスタ150に蓄積される。所定数の8ビットのデジタル通信データが蓄積され、1つのデータ信号が構成される。このうちの制御に関わる部分である制御データフレームは、局番検出部152により監視される。
局番検出部142または局番検出部152により自局着信装置番号が検出され、該制御データフレームが呼出部160へ通知された場合、呼出部160は呼出音声および呼出指示を生成し、該呼出音声および該呼出指示を回線接続判定部170へ送出する。回線接続判定部170は、電話機3002のオンフック状態を回線接続部133に問い合わせ、電話機3002がオンフック状態であれば、呼出音声を回線接続部133へ送出する。回線接続部133は、電話機3002へ呼出信号を送出する。
電話機3002の呼出音を聞き、保守者が受話器をオフフックすると、回線接続部133は、回線接続判定部170へ電話機3002のオフフック動作を通知する。回線接続判定部170は、呼出音の送出を停止し、回線接続部133へ回線接続指示を送出する。
回線接続判定部170は、セレクタ143およびセレクタ153へそれぞれ応答部144および応答部154から送信された応答制御データフレームのビット列を選択するよう指示する。セレクタ143およびセレクタ153は、制御データフレームのビット列をそれぞれ合成部124および合成部114へ送出する。回線接続部133は、DA変換部131およびAD変換部132と電話機3002を接続する。
回線接続部133は、他局からの音声を、DA変換部131からのアナログ音声信号として電話機3002の受話スピーカへ送出する。他局への音声は、電話機3002の送話マイクからAD変換部132へアナログ音声信号として送出される。AD変換部132は、アナログ音声信号を14ビットのデジタルPCM音声データへ変換し、多重化部112および多重化部122へ送出する。多重化部112は、デコーダ111から送信された他局からの14ビットのPCM音声データとAD変換部132から送信された14ビットのPCM音声データを多重化し、エンコーダ113へ送出する。多重化部122は、デコーダ121から送信された他局からの14ビットのPCM音声データとAD変換部132から送信された14ビットのPCM音声データを多重化し、エンコーダ123へ送出する。
エンコーダ113およびエンコーダ123は、14ビットのPCM音声データを8ビットのμ−law音声データへ変換したのち1ビットをマスクして7ビットとし、該7ビットのデータをそれぞれ合成部114および合成部124へ送出する。合成部114は、セレクタ153から送信された1ビットの制御データとエンコーダ113から送信された7ビットのμ−law音声データを合成して8ビットのデジタル通信データとし、伝送装置3013へ送出する。合成部124は、セレクタ143から送信された1ビットの制御データとエンコーダ123から送信された7ビットのμ−law音声データを合成して8ビットのデジタル通信データとし、伝送装置3023へ送出する。以上の手続により、他局との通話が成立する。
次に、自局から他局への発信動作を説明する。
保守者は、電話機2の受話器をオフフックする。回線接続部133は、電話機3002のオフフックを検出すると該オフフック動作を回線接続判定部170へ通知する。回線接続判定部170は、通知された時点で他局からの着信が無ければ回線接続部133へダイヤルトーンを送出する。回線接続部133は、電話機3002へダイヤルトーンを送出する。保守者は、電話機3002からのダイヤルトーンを確認すると、目的の局への発信番号を入力(ダイヤル)する。回線接続部133は、電話機3002からのダイヤル信号を受信すると、回線接続判定部170へダイヤル信号を送出する。回線接続判定部170は、発信部145および発信部155へ発信ダイヤル制御データのビット列の生成を指示し、セレクタ143およびセレクタ153に対してそれぞれ発信部145および発信部155から送信された発信ダイヤル制御データのビット列を選択するよう指示する。
セレクタ143およびセレクタ153は、それぞれ合成部124および合成部114へ制御データフレームのビット列を送出する。合成部124は、エンコーダ123から送信された7ビットのμ−law音声データとセレクタ143から送信された1ビットの制御データを合成して8ビットのデジタル通信データとし、伝送装置3023を介して他局へ送出する。合成部114は、エンコーダ113から送信された7ビットのμ−law音声データとセレクタ153から送信された1ビットの制御データを合成して8ビットのデジタル通信データとし、伝送装置3013を介して他局へ送出する。
伝送装置3023は他局からの8ビットのデジタル通信データを分離部110へ送出する。伝送装置3013は他局からの8ビットのデジタル通信データを分離部120へ送出する。分離部110および分離部120は、8ビットのデジタル通信データを7ビットのμ−law音声データと1ビットの制御データへ分離する。レジスタ140およびレジスタ150は、それぞれ分離部110および分離部120から送信された1ビットの制御データを蓄積する。所定数(例えば32)の8ビットのデジタル通信データが蓄積され、1つのデータ信号が構成される。このうちの制御に関わる部分を制御データフレームとする。応答検出部141および応答検出部151は、それぞれレジスタ140およびレジスタ150に蓄積された制御データフレームのビット列を監視し、他局からの応答信号を検出する。応答検出部141または応答検出部151は、応答信号を検出したら、該応答信号を回線接続判定部170へ通知する。回線接続判定部170は、回線接続部133に対し回線接続指示を行う。回線接続部133は、他局からの音声を、DA変換部131のアナログ音声信号として電話機3002の受話スピーカへ送出する。回線接続部133は、他局への音声を電話機3002の送話マイクからのアナログ音声信号をAD変換部132へ送出する。
AD変換部132は、アナログ音声信号を14ビットのデジタルPCM音声データへ変換し、多重化部112および多重化部122へ送出する。多重化部112は、デコーダ111から送信された他局からの14ビットのPCM音声データとAD変換部132から送信された14ビットのPCM音声データを多重化し、エンコーダ113へ送出する。多重化部122は、デコーダ121から送信された他局からの14ビットのPCM音声データとAD変換部132から送信された14ビットのPCM音声データを多重化し、エンコーダ123へ送出する。エンコーダ113およびエンコーダ123は、14ビットのPCM音声データを8ビットのμ−law音声データへ変換し、1ビットをマスクして7ビットとし、該音声データをそれぞれ合成部114および合成部124へ送出する。合成部114は、セレクタ153から送信された1ビットの制御データとエンコーダ113から送信された7ビットのμ−law音声データを合成して8ビットのデジタル通信データを生成し、該デジタル通信データを伝送装置3013へ送出する。合成部124は、セレクタ143から送信された1ビットの制御データとエンコーダ123から送信された7ビットのμ−law音声データを合成して8ビットのデジタル通信データを生成し、該デジタル通信データを伝送装置3023へ送出する。以上の手続により他局との通話が成立する。
次に、通話中における他局呼び出し動作を説明する。
保守者が、電話機3002にて他局の保守者と通話中に、さらに他の局の保守者を新たな通話相手として通話に参加させる場合、保守者は、通話中に電話機3002から参加させたい局の番号を入力(ダイヤル)する。
回線接続部133は、電話機3002からのダイヤル信号を検出すると、回線接続判定部170へダイヤル番号を送出する。回線接続判定部170は、発信部145および発信部155へ発信ダイヤル制御データのビット列の生成を指示する。回線接続判定部170はさらに、セレクタ143およびセレクタ153に対してそれぞれ発信部145および発信部155から送信された発信ダイヤル制御データのビット列を選択するよう指示する。
セレクタ143およびセレクタ153は、それぞれ合成部124および合成部114へ制御データフレームのビット列を送出する。合成部124は、エンコーダ123から送信された7ビットのμ−law音声データとセレクタ143から送信された1ビットの制御データを合成して8ビットのデジタル通信データを生成し、該デジタル通信データを伝送装置3023を介して他局へ送出する。合成部114は、エンコーダ113から送信された7ビットのμ−law音声データとセレクタ153から送信された1ビットの制御データを合成して8ビットのデジタル通信データを生成し、該デジタル通信データを伝送装置3013を介して他局へ送出する。
他局保守者が、送出されたデジタル通信データに対して、受話器をオフフックすると、他局のオーダワイヤ装置は電話機を回線に接続し、応答信号を送出する。
伝送装置3023が、他局のオーダワイヤ装置からの応答信号を受信した場合、伝送装置3023は、他局からの8ビットのデジタル通信データを分離部110へ送出する。
分離部110は、8ビットのデジタル通信データを7ビットのμ−law音声データと1ビットの制御データへ分離する。レジスタ140は、分離部110から送信された1ビットの制御データを蓄積する。所定数(例えば32)の8ビットのデジタル通信データが蓄積され、1つのデータ信号が構成される。このうちの制御に関わる部分を制御データフレームとする。応答検出部141は、レジスタ140に蓄積された制御データフレームのビット列を監視し、他局からの応答信号の検出を行う。応答検出部141は、応答信号を検出すると、該応答信号を回線接続判定部170へ通知する。
なお、伝送装置3013から入力された他局のオーダワイヤ装置からの応答信号から分離された制御データフレームは、レジスタ150に蓄積され、応答検出部151により監視される。
回線接続判定部170は、回線接続部133に対し応答が着信したことを知らせる音声を0.5秒間送出する。回線接続部133は、電話機3002の受話スピーカに対し、応答着信音を送出する。保守者は、応答着信音を電話機3002の受話スピーカから聞き、相手局が呼び出しに応じたことを知る。以上の手続により、他局の相手局が通話に参加することが可能となる。
本発明の実施形態においては、タンデムに接続されて通信ネットワークを構成するオーダワイヤ伝送システムについて、実施形態を用いて説明されたが、これに限定されない。
本発明の実施形態において、オーダワイヤ通信装置は、デジタル通信データが互いに逆方向に伝送される2本の通信経路を有するが、これに限定されない。通信ネットワークの構成を変更することにより、通信経路は1本でもよい。また、通信経路の数を2よりも大きくしてもよい。
なお、上述の処理動作を実行させるためのプログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read−Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)などのコンピュータ読取可能な記録媒体に格納して配布し、当該プログラムをコンピュータにインストールすることにより、上述の処理動作を実行する装置を構成しても良い。