JP2014192309A - 回路基板の製造方法 - Google Patents

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隆 伊賀
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Abstract

【課題】低背化、及び微細配線化が可能であり、かつ、優れた電気特性(特に、電気絶縁性)を有する回路基板を提供すること。
【解決手段】被エッチング硬化性樹脂組成物層20および耐エッチング硬化性樹脂組成物層30を基板10上に設けることで、多層樹脂膜基板を得る工程と、支持体40上にレジストパターン50を形成して、レジストパターン付支持体を得る工程と、レジストパターン50と、耐エッチング硬化性樹脂組成物層30とを当接させて、レジストパターン50を、被エッチング硬化性樹脂組成物層20及び耐エッチング硬化性樹脂組成物層30に埋め込むように積層する工程と、硬化させて、被エッチング硬化樹脂層20a及び耐エッチング硬化樹脂層30aとする工程と、レジストパターン50を除去することで、凹凸構造を有する多層体を形成する工程とを備えることを特徴とする回路基板の製造方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、回路基板の製造方法に関する。
近年の電子部品・電子機器等の小型化・薄膜化に伴って、これらに用いられる回路基板等にも小型化・薄膜化が要求されている。そのため、これに伴い、回路基板には、優れた電気特性に加えて、より高密度の回路配線パターンを形成することが必要となっている。
このような高密度の回路配線パターンを形成するために、回路配線パターンの微細化が検討されている。たとえば、特許文献1では、レーザーアブレーション又はインプリントにより、基板にトレンチを形成し、化学薬品処理又はプラズマ処理を行うことによって、トレンチ形成による残存物を除去した後に、基板の表面及びトレンチの内面に無電解メッキ層を形成することにより、所定の配線パターンを備える回路基板を製造する方法が開示されている。
特開2009−49364号公報
しかしながら、上記特許文献1の技術のように、エキシマレーザーなどレーザーによりトレンチを形成する方法においては、形成されるトレンチのサイズはレーザーの特性に依存するものであり、そのため、レーザーによりトレンチを形成する方法では、微細配線化に限界があった。また、レーザーによりトレンチを形成する方法を用いた場合には、製造コストが高くなるという問題もあった。
さらに、インプリントによりトレンチを形成する方法においては、微細配線パターンを形成するための型を、基板から剥離する際に、型により形成した微細配線パターンを良好に保ちながら剥離することが極めて困難であり、そのため、インプリントによりトレンチを形成する方法でも、微細配線化に限界があった。また、インプリントによりトレンチを形成する方法を用いる場合には、微細配線パターンを形成するための型に離型処理を行う必要があり、工程が煩雑になるという問題もあった。
本発明の目的は、低背化、及び微細配線化が可能であり、かつ、優れた電気特性(特に、電気絶縁性)を有する回路基板を製造するための方法を提供することにある。
本発明者等は、エッチング液に対する耐性を有しない樹脂層上に、エッチング液に対する耐性を有する樹脂層を形成してなる多層樹脂膜に、微細配線を形成するための凹凸パターンを形成する際に、凹凸パターンを形成するための型として、凹凸パターンに応じたフォトレジストからなる型を用いること、及び、フォトレジストの厚みを、エッチング液に対する耐性を有する樹脂層の厚みよりも厚くすることで、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
特に、本発明者等は、フォトレジストからなる型を用いることで、微細配線パターン形成後に除去する際に、フォトレジストを剥離処理又は溶解可能な溶液により処理することで、フォトレジストからなる型を除去することができるため、これにより配線を微細に形成できること、及び、フォトレジストの厚みを、エッチング液に対する耐性を有する樹脂層の厚みよりも厚くすることで、エッチング液に対する耐性を有する樹脂層の下側に位置する、エッチング液に対する耐性を有しない樹脂層まで到達する凹部を設けることができ、これにより、エッチング液により凹部内に粗面化された表面を形成することができ、めっきによる微細配線を良好に形成できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明によれば、
〔1〕エッチング液に対する耐性を有しない硬化性樹脂組成物からなる被エッチング硬化性樹脂組成物層を形成する工程と、前記エッチング液に対する耐性を有する硬化性樹脂組成物からなる耐エッチング硬化性樹脂組成物層を、第1の厚みで形成する工程と、前記被エッチング硬化性樹脂組成物層および前記耐エッチング硬化性樹脂組成物層を基板上に設けて、前記基板、前記被エッチング硬化性樹脂組成物層、および前記耐エッチング硬化性樹脂組成物層の順に設けられた多層体である多層樹脂膜基板を得る工程と、支持体上にフォトレジストにより、前記第1の厚みよりも厚い第2の厚みにてレジストパターンを形成して、レジストパターン付支持体を得る工程と、前記レジストパターン付支持体における前記レジストパターンと、前記多層樹脂膜基板における耐エッチング硬化性樹脂組成物層とを当接させて、前記レジストパターンを、前記被エッチング硬化性樹脂組成物層及び前記耐エッチング硬化性樹脂組成物層に埋め込むように積層する工程と、前記被エッチング硬化性樹脂組成物層及び前記耐エッチング硬化性樹脂組成物層を、前記レジストパターンが内部に埋め込まれた状態にて硬化させて、前記被エッチング硬化性樹脂組成物層及び前記耐エッチング硬化性樹脂組成物層を、それぞれ、被エッチング硬化樹脂層及び耐エッチング硬化樹脂層とする工程と、前記被エッチング硬化樹脂層及び前記耐エッチング硬化樹脂層から、前記レジストパターンを除去することで、凹凸構造を有する被エッチング硬化樹脂層及び耐エッチング硬化樹脂層の多層体を形成する工程と、を備えることを特徴とする回路基板の製造方法、
〔2〕エッチング液に対する耐性を有しない硬化性樹脂組成物からなる被エッチング硬化性樹脂組成物層を形成する工程と、前記エッチング液に対する耐性を有する硬化性樹脂組成物からなる耐エッチング硬化性樹脂組成物層を、第1の厚みで形成する工程と、前記被エッチング硬化性樹脂組成物層および前記耐エッチング硬化性樹脂組成物層を基板上に設けて、前記基板、前記被エッチング硬化性樹脂組成物層、および前記耐エッチング硬化性樹脂組成物層の順に設けられた多層体である多層樹脂膜基板を得る工程と、支持体上にフォトレジストにより、前記第1の厚みよりも厚い第2の厚みにてレジストパターンを形成して、レジストパターン付支持体を得る工程と、前記レジストパターン付支持体における前記レジストパターンと、前記多層樹脂膜基板における耐エッチング硬化性樹脂組成物層とを当接させて、前記レジストパターンを、前記被エッチング硬化性樹脂組成物層及び前記耐エッチング硬化性樹脂組成物層に埋め込むように積層する工程と、前記被エッチング硬化性樹脂組成物層及び前記耐エッチング硬化性樹脂組成物層から、前記レジストパターンを除去することで、凹凸構造を有する被エッチング硬化性樹脂組成物層及び耐エッチング硬化性樹脂組成物層の多層体を形成する工程と、前記凹凸構造を有する被エッチング硬化性樹脂組成物層及び耐エッチング硬化性樹脂組成物層を硬化させて、凹凸構造を有する被エッチング硬化性樹脂組成物層及び耐エッチング硬化性樹脂組成物層の多層体を、それぞれ、凹凸構造を有する被エッチング硬化樹脂層及び耐エッチング硬化樹脂層の多層体とする工程と、を備えることを特徴とする回路基板の製造方法、
〔3〕前記被エッチング硬化樹脂層及び耐エッチング硬化樹脂層の多層体に形成された凹部に、前記エッチング液を用いてエッチング処理を行う工程と、前記エッチング処理を行った前記凹部に、めっきにより微細配線を形成する工程と、をさらに備えることを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載の回路基板の製造方法、ならびに、
〔4〕前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の製造方法により得られる回路基板、
が提供される。
本発明によれば、低背化、及び微細配線化が可能であり、かつ、優れた電気特性(特に、電気絶縁性)を有する回路基板を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る回路基板の製造方法を示す図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る回路基板の製造方法を示す図である。 図3は、本発明の別の実施形態に係る回路基板の製造方法を示す図である。
以下、本発明の回路基板の製造方法について、図1、図2を参照しながら、説明する。
本発明の回路基板の製造方法は、基板10上に、所定パターンで微細配線60が形成されてなる被エッチング硬化樹脂層20a及び耐エッチング硬化樹脂層30aを備える回路基板(図2(D)参照)を製造するための方法である。
本発明の回路基板の製造方法は、以下の工程を有する。
(工程A)基板10上に、エッチング液に対する耐性を有しない硬化性樹脂組成物からなる被エッチング硬化性樹脂組成物層20を形成する工程(図1(A)参照)。
(工程B)被エッチング硬化性樹脂組成物層20上に、エッチング液に対する耐性を有する硬化性樹脂組成物からなる耐エッチング硬化性樹脂組成物層30を、厚みt1で形成することで、多層樹脂膜基板を得る工程(図1(B)参照)。
(工程C)支持体40上にフォトレジストにより、耐エッチング硬化性樹脂組成物層30の厚みt1よりも厚い厚みt2にて、レジストパターン50を形成して、レジストパターン付支持体を得る工程(図1(C)参照)。
(工程D)レジストパターン付支持体におけるレジストパターン50と、多層樹脂膜基板における耐エッチング硬化性樹脂組成物層30とを当接させて、レジストパターン50を、被エッチング硬化性樹脂組成物層20及び耐エッチング硬化性樹脂組成物層30に埋め込むように積層する工程(図1(D)参照)。
(工程E)被エッチング硬化性樹脂組成物層20及び耐エッチング硬化性樹脂組成物層30を、レジストパターン50が内部に埋め込まれた状態にて硬化させて、被エッチング硬化樹脂層20a及び耐エッチング硬化樹脂層30aとする工程(図2(A)参照)。
(工程F)支持体40を剥離する工程(図2(B)参照)。
(工程G)被エッチング硬化樹脂層20a及び耐エッチング硬化樹脂層30aから、レジストパターン50を剥離又は溶解することで、凹凸構造を有する被エッチング硬化樹脂層20a及び耐エッチング硬化樹脂層30aの多層体を形成し、次いで、被エッチング硬化樹脂層20a及び耐エッチング硬化樹脂層30aの多層体に形成された凹部に、エッチング液を用いてエッチング処理を行う工程(図2(C)参照)。
(工程H)エッチング処理を行った凹部に、めっきにより微細配線60を形成する工程(図2(D)参照)。
以下、各工程について詳述する。
(工程A)
工程Aは、図1(A)に示すように、基板10上に、エッチング液に対する耐性を有しない硬化性樹脂組成物からなる被エッチング硬化性樹脂組成物層20を形成する工程である。被エッチング硬化性樹脂組成物層20は、後述するように、硬化させて、被エッチング硬化樹脂層20aとされる(図2(A)参照)。
また、本発明の製造方法においては、被エッチング硬化性樹脂組成物層20は、エッチング液に対する耐性を有しない硬化性樹脂組成物(以下、「被エッチング硬化性樹脂組成物」とする。)から形成される層であるため、硬化させて、被エッチング硬化樹脂層20aとされ、次いで、凹部が形成された後において(図2(C)参照)、形成された凹部においてエッチング液に接触させることにより、エッチング液に接触した面が浸食され、粗化されることとなる。そして、本発明の製造方法においては、このようにして、被エッチング硬化樹脂層20a内に形成された凹部に粗化面を形成し、これをめっきにより微細配線60を形成するための反応面とするものである。
本発明の製造方法において、被エッチング硬化性樹脂組成物層20は、未硬化又は半硬化の樹脂層として形成してもよい。未硬化の樹脂層とは、樹脂層を構成する熱硬化性樹脂が溶解可能な溶剤に、実質的に樹脂層全部が溶解可能な状態のものである。半硬化の樹脂層とは、加熱によってさらに硬化しうる程度に硬化された状態のものであり、樹脂層を構成している熱硬化性樹脂が溶解可能な溶剤に一部が溶解する状態のものである。
被エッチング硬化性樹脂組成物層20を形成する方法としては、特に限定されないが、基板10の表面に、被エッチング硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥させることにより、被エッチング硬化性樹脂組成物層20を形成する方法や、予め、支持体となるフィルム上に被エッチング硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥させることにより、被エッチング硬化性樹脂組成物のドライフィルムを形成し、そのフィルムを基板10の表面にラミネートして、被エッチング硬化性樹脂組成物層20を形成する方法などが挙げられる。あるいは、後述する耐エッチング硬化性樹脂組成物からなる層を、予め支持体上に形成し、この上に、被エッチング硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥させることにより、被エッチング硬化性樹脂組成物と耐硬化性樹脂組成物の2層を有するドライフィルムを形成し、得られたドライフィルムを、被エッチング硬化性樹脂組成物側にて、基板10の表面にラミネートする方法を用いてもよい。
被エッチング硬化性樹脂組成物層20を形成するための被エッチング硬化性樹脂組成物は、通常、硬化性樹脂と、硬化剤とを含有するものであり、硬化した後において、エッチング液に対して高い反応性を示し(エッチング液に対して耐性を有さず)、これにより、エッチング液と接触した面が容易に粗化されるようなものであればよく、特に限定されない。ここで、エッチング液に対する反応性は、通常、被エッチング硬化性樹脂組成物中に含有される硬化性樹脂の官能基の種類やその量、より具体的には硬化後において残存、乃至は、生成する官能基の種類やその量に影響される。このようなエッチング液に対する反応性を示す官能基としては、用いるエッチング液により異なるが、たとえば、オレフィン性の二重結合基や、エーテル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシル基、エポキシ基、グリシジル基、オキシカルボニル基、アミノ基、及びカルボン酸無水物基などが挙げられる。しかし、これらの官能基が単量体に含まれる量は、単量体の構造によって異なる。また、その反応性は、その官能基の隣接する構造の影響を大きく受ける。そのため、エッチング液に対する反応性を有する官能基(硬化後においても残存乃至は、生成するエッチング液に対する反応性を有する官能基)を含有する単量体の被エッチング硬化性樹脂組成物における含有割合だけでは、エッチング液に対する耐性と相関が得られないのが一般的である。
被エッチング硬化性樹脂組成物20のエッチング液に対する耐性は、その硬化物のエッチングレートを測定することで評価することができる。エッチングレートの測定方法は、後述の実施例にて詳述するが、被エッチング硬化性樹脂組成物の(硬化物の)エッチングレートは、5mg/dm/hr.以上が好ましく、10mg/dm/hr.以上が更に好ましい。
このような硬化性樹脂としては、たとえば、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、トリアジン樹脂、活性化エステル樹脂、極性基を有する脂環式オレフィン重合体、芳香族ポリエーテル重合体、ベンゾシクロブテン重合体、シアネートエステル重合体、ポリイミドなどが挙げられる。これらの樹脂は、それぞれ単独で、又は2種以上を組合せて用いられる。これらの中でも、極性基を有する脂環式オレフィン重合体とエポキシ樹脂の組み合わせ、活性化エステル樹脂とエポキシ樹脂との組み合わせ、芳香族ポリエーテル重合体、ベンゾシクロブテン重合体、シアネートエステル重合体、及びポリイミドが好ましく、極性基を有する脂環式オレフィン重合体とエポキシ樹脂の組み合わせと、活性化エステル樹脂とエポキシ樹脂との組み合わせが特に好ましい。これらの重合体の他に、液晶ポリマーも好ましい熱硬化性樹脂として用いることができる。液晶ポリマーとしては、芳香族又は脂肪族ジヒドロキシ化合物の重合体、芳香族又は脂肪族ジカルボン酸の重合体、芳香族ヒドロキシカルボン酸の重合体、芳香族ジアミン、芳香族ヒドロキシアミン又は芳香族アミノカルボン酸の重合体などが例示される。なお、本明細書において「(メタ)アクリル」とはメタクリル又はアクリルを意味する。
極性基を有する脂環式オレフィン重合体は、極性基及び脂環式構造を有する不飽和炭化水素の重合体である。脂環式構造としては、シクロアルカン構造やシクロアルケン構造などが挙げられるが、得られる被エッチング硬化樹脂層20aの機械的強度や耐熱性などを高くすることができるという点より、シクロアルカン構造が好ましい。また、脂環式構造としては、単環及び多環(縮合多環、橋架け環、これらの組み合わせ多環など)のいずれであってもよい。脂環式構造を構成する炭素原子数は、特に限定されないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、被エッチング硬化性樹脂組成物の成形性や、得られる被エッチング硬化樹脂層20aの機械的強度及び耐熱性といった諸特性が高度にバランスされ好適である。
また、極性基を有する脂環式オレフィン重合体の有する極性基としては、上述したヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシル基、エポキシ基、グリシジル基、オキシカルボニル基、カルボニル基、アミノ基、エステル基、及びカルボン酸無水物基などが挙げられ、特に、カルボキシル基及びカルボン酸無水物基が好適である。
極性基を有する脂環式オレフィン重合体は、通常、脂環式オレフィン単量体を付加重合又は開環重合し、所望により不飽和結合部分を水素化することによって、あるいは、芳香族オレフィン単量体を付加重合し、得られた重合体の芳香環部分を水素化することによって得られる。また、極性基を有する脂環式オレフィン重合体は、たとえば、(1)前記脂環式オレフィン重合体に極性基を変性反応により導入することによって、(2)極性基を含有する単量体を共重合成分として共重合することによって、あるいは(3)エステル基などの極性基を含有する単量体を共重合成分として共重合した後、エステル基などを加水分解することによって得られる。上記(1)の場合、極性基の導入量を調整することで、上記(2)及び(3)の場合、重合の際、所望の極性基を有さない単量体を適宜用いることで、脂環式オレフィン重合体中の極性基を有する繰り返し単位の含有率を調整することができる。なお、本明細書において、「脂環式オレフィン単量体」とは、脂環式構造内に炭素−炭素二重結合を有する単量体を意味し、「芳香族オレフィン単量体」とは、芳香族基及び炭素−炭素二重結合を有する鎖式炭化水素からなる単量体を意味する。
脂環式オレフィン重合体を形成するための脂環式オレフィン単量体としては、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、
5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−メトキシ−カルボニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−5−エニル−2−メチルプロピオネイト、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−5−エニル−2−メチルオクタネイト、
ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−i−プロピルビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸イミド、5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−シクロヘキセニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、
トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3,7−ジエン、トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3,8−ジエン、トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、テトラシクロ[7.4.0.110,1.3.02,7]−トリデカ−2,4,6−11−テトラエン(別名:1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン)、テトラシクロ[8.4.0.111,1.4.03,8]−テトラデカ−3,5,7,12,11−テトラエン(別名:1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン)、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−メチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−ビニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−カルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、
8−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカ−3,10−ジエン、及びペンタシクロ[7.4.0.13,6.110,13.02,7]−ペンタデカ−4,11−ジエンなどのノルボルネン系単量体;
シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン、及びシクロヘプテンなどの単環シクロアルケン系単量体;ビニルシクロヘキセン、及びビニルシクロヘキサンなどのビニル系脂環式炭化水素系単量体;シクロペンタジエン、及びシクロヘキサジエンなどの脂環式共役ジエン系単量体;などが挙げられる。
芳香族オレフィン単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、及びジビニルベンゼンなどが挙げられる。
脂環式オレフィン単量体及び/又は芳香族オレフィン単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、脂環式オレフィン重合体としては、上述した脂環式オレフィン単量体及び/又は芳香族オレフィン単量体と、これらと共重合可能な他の単量体とを共重合して得られるものであってもよい。
共重合可能な他の単量体としては、エチレン;プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、及び1−エイコセンなどの炭素数3〜20のα−オレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、及び1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;等が挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
脂環式オレフィン単量体や芳香族オレフィン単量体の重合、及び所望により行われる、水素添加は、特に限定されず、公知の方法に従って行うことができる。
脂環式オレフィン重合体の具体例としては、ノルボルネン系単量体の開環重合体及びその水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単量体とビニル化合物との付加重合体、単環シクロアルケン重合体、脂環式共役ジエン重合体、ビニル系脂環式炭化水素重合体及びその水素添加物、芳香族オレフィン重合体の芳香環水素添加物などが挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系単量体の開環重合体及びその水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単量体とビニル化合物との付加重合体、芳香族オレフィン重合体の芳香環水素添加物が好ましく、特にノルボルネン系単量体の開環重合体の水素添加物が好ましい。これらの脂環式オレフィン重合体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
被エッチング硬化性樹脂組成物に含有させる硬化剤としては、特に限定されないが、たとえば、イオン性硬化剤、ラジカル性硬化剤、又はイオン性とラジカル性とを兼ね備えた硬化剤等を用いることができる。硬化剤の具体例としては、1−アリル−3,5−ジグリシジルイソシアヌレート、1,3−ジアリル−5−グリシジルイソシアヌレートなどのアリル基とエポキシ基とを含有するハロゲン不含のイソシアヌレート系硬化剤などの窒素系硬化剤;ビスフェノールAビス(エチレングリコールグリシジルエーテル)エーテル、ビスフェノールAビス(ジエチレングリコールグリシジルエーテル)エーテル、ビスフェノールAビス(トリエチレングリコールグリシジルエーテル)エーテル、及びビスフェノールAビス(プロピレングリコールグリシジルエーテル)エーテルなどのビスフェノールA系グリシジルエーテル型エポキシ化合物などのグリシジルエーテル型エポキシ化合物、フルオレン系エポキシ化合物などの脂環式エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物などの多価エポキシ化合物;酸無水物やジカルボン酸化合物などのジカルボン酸誘導体;ジオール化合物、トリオール化合物、及び多価フェノール化合物などのポリオール化合物;等の硬化剤が挙げられる。これらの硬化剤は、それぞれ単独で、又は2種以上を組合わせて用いることができる。これらの中でも、得られる被エッチング硬化樹脂層20aの機械的強度を高めることができるという点より、多価エポキシ化合物、ジカルボン酸誘導体、及びポリオール化合物からなる群より選択される少なくとも1種を用いるのが好ましく、多価エポキシ化合物を用いるのがより好ましい。
また、本発明で用いる被エッチング硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂及び硬化剤に加えて、充填剤を含有していることが好ましい。充填剤は、被エッチング硬化樹脂層20aとされた後において、エッチング液と接触させた際に、被エッチング硬化樹脂層20aから脱落し、これにより、エッチング液による被エッチング硬化樹脂層20aの粗面化効果をより高めることができ、粗度をより高めることができる。そして、これにより、後述するように、めっきにより微細配線60を形成する際に、めっき性をより高めることができる。
なお、充填剤としては、無機充填剤及び有機充填剤のいずれも用いることができるが、無機充填剤が好ましく用いられる。
無機充填剤の具体例としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、水和アルミナ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク、クレーなどを挙げることができる。これらの中でも、硬化物の表面粗化処理に使用される過マンガン酸塩の水溶液などの酸化性化合物により、分解もしくは溶解しないものが好ましく、その中でも特にシリカが、微細な粒子が得やすいため好ましい。なお、無機充填剤は、シランカップリング剤処理やステアリン酸などの有機酸処理をしたものであってもよい。
充填剤の形状は、特に限定されず、球状、繊維状、板状などであってもよいが、分散性や樹脂組成物の樹脂流動性を良好なものとするために、微細な球状であることが好ましい。また、充填剤の平均粒子径は、好ましくは0.05〜1.5μmであり、より好ましくは0.1〜1μmである。充填剤の平均粒子径が上記範囲にあることにより、得られる被エッチング硬化樹脂層20aの配線埋め込み平坦性を良好としながら、線膨張率を低くすることができる。なお、平均粒子径は、粒度分布測定装置により測定することができる。
充填剤の含有割合は、被エッチング硬化性樹脂組成物中の固形分全体に対して、好ましくは30〜85重量%であり、より好ましくは40〜75重量%である。充填剤の含有割合を上記範囲とすることにより、エッチング液による被エッチング硬化樹脂層20aの粗面化効果をより適切なものとすることができ、これにより、エッチング後における被エッチング硬化樹脂層20aの表面粗度を適切に高めることができる。
なお、本発明で用いる被エッチング硬化性樹脂組成物は、上述した硬化性樹脂、硬化剤及び充填剤に加えて、硬化促進剤や、難燃剤、難燃助剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、老化防止剤、レベリング剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、天然油、合成油、ワックス、乳剤、磁性体、誘電特性調整剤、靭性剤などを含有していてもよい。
本発明において、基板10の表面に、被エッチング硬化性樹脂組成物を塗布する方法としては、特に限定されないが、被エッチング硬化性樹脂組成物を、溶液キャスト法や溶融キャスト法などで成形する方法などが挙げられるが、溶液キャスト法により製造するのが好ましい。溶液キャスト法により成形する場合は、被エッチング硬化性樹脂組成物のワニスを調製し、これを基板10の表面に塗布した後、有機溶剤を乾燥除去する。また、被エッチング硬化性樹脂組成物のドライフィルムを形成し、これを基板10の表面にラミネートする方法において、ラミネートする方法としては、特に限定されないが、ロールラミネーターや真空プレス装置、真空加圧式ラミネーターなどで形成する方法が挙げられる。被エッチング硬化性樹脂組成物のドライフィルムを形成する方法は、溶液キャスト法を用いる。溶液キャスト法においては、被エッチング硬化性樹脂組成物のワニスを調製し、これを支持体となるフィルム、あるいは後述する耐エッチング硬化性樹脂組成物のドライフィルムの表面に塗布した後、有機溶剤を乾燥除去することにより、被エッチング硬化性樹脂組成物のドライフィルム、あるいは積層フィルムを得ることができる。
被エッチング硬化性樹脂組成物のワニスを調製する方法としては、特に限定されないが、被エッチング硬化性樹脂組成物を構成する各成分と有機溶剤とを混合することにより調製することができる。有機溶剤としては、たとえば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、及びアニソールなどの芳香族炭化水素系有機溶剤;n−ペンタン、n−ヘキサン、及びn−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系有機溶剤;シクロペンタンやシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素系有機溶剤;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、及びトリクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素系有機溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、及びシクロヘキサノンなどのケトン系有機溶剤などを挙げることができる。これらの有機溶剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
有機溶剤の使用量は、被エッチング硬化性樹脂組成物層20の厚みの制御や平坦性向上などの目的に応じて適宜選択されるが、ワニスの固形分濃度が、通常5〜70重量%、好ましくは10〜65重量%、より好ましくは20〜60重量%になる範囲である。
塗布方法としては、たとえば、デイップコート、ロールコート、カーテンコート、ダイコート、スリットコートなどの方法が挙げられる。また有機溶剤の除去乾燥の条件は、被エッチング硬化性樹脂組成物層20が未硬化又は半硬化の状態となるように、被エッチング硬化性樹脂組成物層20が硬化しない程度の温度とすることが好ましく、乾燥温度は、通常20〜200℃、好ましくは30〜150℃であり、乾燥時間は、通常30秒〜1時間、好ましくは1分〜30分である。
被エッチング硬化性樹脂組成物層20の厚みは、通常2〜150μm、好ましくは3〜100μm、より好ましくは5〜80μmである。
また、基板10としては、特に限定されないが、たとえば、電気絶縁層を有し、該電気絶縁層の一方の面あるいは両方の面に導体回路層が形成されてなるものが挙げられる。このような基板10の具体例としては、プリント配線基板やシリコンウェハー基板などが挙げられる。基板10の厚みは、通常10μm〜2mm、好ましくは30μm〜1.6mm、より好ましくは50μm〜1mmである。
基板10としては、基板10を構成する電気絶縁層が、電気絶縁性を有する熱硬化性樹脂を主成分とするものが好ましく、このような熱硬化性樹脂としては、たとえば、脂環式オレフィン重合体、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、トリアジン樹脂、芳香族ポリエーテル重合体、シアネートエステル重合体、及びポリイミドなどが挙げられる。通常、これらの熱硬化性樹脂と硬化剤とを含有する硬化性組成物を硬化して電気絶縁層を得ることができる。また、基板は、強度向上の観点から、ガラス繊維や樹脂繊維などを電気絶縁層に含有させたものであってもよい。基板10を構成する導電体回路層の材料は、通常、導電性金属が用いられる。
(工程B)
工程Bは、図1(B)に示すように、上記した工程Aで形成した被エッチング硬化性樹脂組成物層20上に、エッチング液に対する耐性を有する硬化性樹脂組成物からなる耐エッチング硬化性樹脂組成物層30を、厚みt1で形成することで、多層樹脂膜基板を得る工程である。耐エッチング硬化性樹脂組成物層30は、後述するように、硬化させて、耐エッチング硬化樹脂層30aとされる(図2(A)参照)。
また、本発明の製造方法においては、耐エッチング硬化性樹脂組成物層30は、上述した被エッチング硬化性樹脂組成物層20とは逆に、エッチング液に対する耐性を有する硬化性樹脂組成物(以下、「耐エッチング硬化性樹脂組成物」とする。)から形成される層である。そのため、硬化させて、耐エッチング硬化樹脂層30aとされ、凹部が形成された後において(図2(C)参照)、エッチング液に接触させた場合でも、エッチング液によりその表面が浸食され難く、そのため、実質的に粗面化されないものである。具体的には、後述するように、エッチング液を用いたエッチング処理を行った後に、被エッチング硬化樹脂層20a内に形成された凹部に、めっきにより微細配線60を形成する際に(図2(D)参照)、めっきにより微細配線60を構成する材料が析出しない程度に表面の平滑性が保たれる程度に、エッチング液に対する耐性を有するものである。具体的には、エッチング液に接触させた後においても、その表面粗度Ra(中心線平均粗さRa)が、好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下、さらには、表面粗度Rz(十点平均粗さRz)が、好ましくは1000nm以下、より好ましくは500nm以下に保たれる程度に、エッチング液に対する耐性を有するものである。
本発明の製造方法において、耐エッチング硬化性樹脂組成物層30は、未硬化又は半硬化の樹脂層として形成してもよい。未硬化の樹脂層とは、樹脂層を構成する熱硬化性樹脂が溶解可能な溶剤に、実質的に樹脂層全部が溶解可能な状態のものである。半硬化の樹脂層とは、加熱によってさらに硬化しうる程度に硬化された状態のものであり、樹脂層を構成している熱硬化性樹脂が溶解可能な溶剤に一部が溶解する状態のものである。
耐エッチング硬化性樹脂組成物層30を形成する方法としては、特に限定されないが、基板10の表面に形成された被エッチング硬化性樹脂組成物20の上に、耐エッチング硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥させることにより、耐エッチング硬化性樹脂組成物層30を形成する方法や、予め、支持体となるフィルム上に耐エッチング硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥させることにより、耐エッチング硬化性樹脂組成物のドライフィルムを形成し、そのフィルムを基板10の表面に形成された被エッチング硬化性樹脂組成物20の上にラミネートして、耐エッチング硬化性樹脂組成物層30を形成する方法などが挙げられる。
また、基板10の表面に被エッチング硬化性樹脂組成物20を形成し、その上に耐エッチング硬化性樹脂組成物30を形成する方法として、予め、支持体となるフィルム上に耐エッチング硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥させることにより、耐エッチング硬化性樹脂組成物からなる層を形成し、その耐エッチング硬化性樹脂組成物上に被エッチング硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥させることにより、被エッチング硬化性樹脂組成物と耐硬化性樹脂組成物の2層を有するドライフィルムを形成し、そのフィルムを基板10の表面にラミネートして、被エッチング硬化性樹脂組成物20の上に耐エッチング硬化性樹脂組成物層30を形成する方法などが挙げられる。
耐エッチング硬化性樹脂組成物層30を形成するための耐エッチング硬化性樹脂組成物は、通常、硬化性樹脂と、硬化剤とを含有するものであり、硬化した後において、エッチング液に対して耐性を示し、これにより、エッチング液に接触させた場合でも、エッチング液により、その表面が浸食され難いものであればよく、特に限定されない。ここで、上述したように、エッチング液に対する反応性は、通常、硬化性樹脂の官能基の種類やその量、より具体的には硬化後においても残存乃至は、生成する官能基の種類やその量は、単量体の構造や、その官能基の隣接する構造の影響を大きく受けため、当該官能基を含有する単量体の硬化性樹脂組成物における含有割合だけでは、エッチング液に対する耐性と相関が得られないのが一般的である。
耐エッチング硬化性樹脂組成物30のエッチング液に対する耐性は、被エッチング硬化性樹脂組成物と同様に、その硬化物のエッチングレートを測定することで評価する。エッチングレートの測定方法は、実施例にて詳述するが、耐エッチング硬化性樹脂組成物の(硬化物の)エッチングレートは、5mg/dm/hr.未満が好ましく、3mg/dm/hr.以下が更に好ましい。
このような硬化性樹脂としては、たとえば、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、トリアジン樹脂、極性基を有する脂環式オレフィン重合体、芳香族ポリエーテル重合体、ベンゾシクロブテン重合体、シアネートエステル重合体、ポリイミドなどが挙げられるが、エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、クレゾール型エポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ポリフェノール型エポキシ化合物、臭素化ビスフェノールA型エポキシ化合物、臭素化ビスフェノールF型エポキシ化合物、水素添加ビスフェノールA型エポキシ化合物等のグリシジルエーテル型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、グリシジルアミン型エポキシ化合物、イソシアヌレート型エポキシ化合物や、脂環式オレフィン構造又はフルオレン構造を有するエポキシ化合物等が挙げられる。これらのなかでも、硬化させて、耐エッチング硬化樹脂層30aとした場合における機械物性を良好なものとすることができるという点より、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ポリフェノール型エポキシ化合物や、脂環式オレフィン構造又はフルオレン構造を有するエポキシ化合物が好ましく、特に、耐エッチング硬化性樹脂組成物の樹脂流動性を良好なものにするという観点から、脂環式オレフィン構造を有するエポキシ化合物が特に好ましい。なお、これらは1種を単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
ビスフェノールA型エポキシ化合物としては、たとえば、商品名「jER827、jER828、jER828EL、jER828XA、jER834」(以上、三菱化学社製)、商品名「エピクロン840、エピクロン840−S、エピクロン850、エピクロン850−S、エピクロン850−LC」(以上、DIC社製、「エピクロン」は登録商標)などが挙げられる。ポリフェノール型エポキシ化合物としては、たとえば、商品名「1032H60、XY−4000」(以上、三菱化学社製)などが挙げられる。脂環式オレフィン構造又はフルオレン構造を有するエポキシ化合物としては、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ化合物〔たとえば、商品名「エピクロンHP7200L、エピクロンHP7200、エピクロンHP7200H、エピクロンHP7200HH、エピクロンHP7200HHH」(以上、DIC社製);商品名「Tactix558」(ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製);商品名「XD−1000−1L、XD−1000−2L」(以上、日本化薬社製)〕や、フルオレン骨格を有するエポキシ化合物〔たとえば、商品名「オンコートEX−1010、オンコートEX−1011、オンコートEX−1012、オンコートEX−1020、オンコートEX−1030、オンコートEX−1040、オンコートEX−1050、オンコートEX−1051」(以上、長瀬産業社製、「オンコート」は登録商標);商品名「オグソールPG−100、オグソールEG−200、オグソールEG−250)」(以上、大阪ガスケミカル社製、「オグソール」は登録商標)〕などが挙げられる。
硬化剤としては、特に限定されないが、たとえば、活性エステル化合物を用いることができる。
活性エステル化合物としては、耐熱性等の観点から、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物と、ヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物とを反応させたものから得られる活性エステル化合物が好ましく、カルボン酸化合物と、フェノール化合物、ナフトール化合物及びチオール化合物からなる群から選択される1種又は2種以上とを反応させたものから得られる活性エステル化合物がより好ましく、本発明においては、カルボン酸化合物とフェノール性水酸基を有する芳香族化合物とを反応させたものから得られ、かつ、分子内に少なくとも2つの活性エステル基を有する芳香族化合物が特に好ましい。活性エステル化合物は、直鎖状又は多分岐状であってもよく、たとえば、活性エステル化合物が、少なくとも2つのカルボン酸を分子内に有する化合物に由来する場合を例示すると、このような少なくとも2つのカルボン酸を分子内に有する化合物が、脂肪族鎖を含む場合には、エポキシ樹脂との相溶性を高くすることができ、また、芳香族環を有する場合には、耐熱性を高くすることができる。
活性エステル化合物を形成するためのカルボン酸化合物の具体例としては、安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。これらのなかでも、耐熱性の観点より、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸が好ましく、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸がより好ましく、イソフタル酸、テレフタル酸がさらに好ましい。
活性エステル化合物を形成するためのチオカルボン酸化合物の具体例としては、チオ酢酸、チオ安息香酸等が挙げられる。
活性エステル化合物を形成するためのフェノール化合物及びナフトール化合物の具体例としては、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、α−ナフトール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラック等が挙げられる。これらのなかでも耐熱性、溶解性の観点から、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラックが好ましく、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラックがより好ましく、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラックがさらに好まし好ましい。
活性エステル化合物を形成するためのチオール化合物の具体例としては、ベンゼンジチオール、トリアジンジチオール等が挙げられる。
本発明において、活性エステル化合物としては、たとえば、特開2002−12650号公報及び特開2004−277460号公報に開示されている活性エステル化合物、あるいは、市販のものを用いることができる。市販のものを用いることができる。市販されている活性エステル化合物としては、たとえば、商品名「EXB9451、EXB9460、EXB9460S、HPC−8000−65T」(以上、DIC社製)、商品名「DC808」(ジャパンエポキシレジン社製)、商品名「YLH1026」(ジャパンエポキシレジン社製)などが挙げられる。
また、本発明で用いる耐エッチング硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂及び硬化剤に加えて、充填剤を含有していてもよいが、上述したように、充填剤は、エッチング液と接触させた際に、硬化樹脂層から脱落し、これにより、表面粗度を高めるように作用するため、その配合量は、耐エッチング硬化性樹脂組成物中の固形分全体に対して、好ましくは80重量%以下、より好ましくは70重量%以下とする。なお、充填剤としては、上述した被エッチング硬化性樹脂組成物と同様のものを用いることができる。
なお、本発明で用いる耐エッチング硬化性樹脂組成物は、上述した硬化性樹脂、硬化剤及び充填剤に加えて、硬化促進剤や、難燃剤、難燃助剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、老化防止剤、レベリング剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、天然油、合成油、ワックス、乳剤、磁性体、誘電特性調整剤、靭性剤などを含有していてもよい。
本発明の製造方法において、被エッチング硬化性樹脂組成物層20上に、耐エッチング硬化性樹脂組成物層30を形成する方法としては、特に限定されないが、耐エッチング硬化性樹脂組成物を、直接、被エッチング硬化性樹脂組成物層20上に塗布する方法や、耐エッチング硬化性樹脂組成物を別の支持体上に塗布し、該支持体上に耐エッチング硬化性樹脂組成物層30を形成し、これを被エッチング硬化性樹脂組成物層20と積層させて、支持体を除去する方法などが挙げられる。耐エッチング硬化性樹脂組成物を塗布する方法としては、溶液キャスト法や溶融キャスト法などで成形する方法などが挙げられるが、溶液キャスト法により製造するのが好ましい。溶液キャスト法により成形する場合は、耐エッチング硬化性樹脂組成物のワニスを調製し、これを被エッチング硬化性樹脂組成物層20上、又は支持体上に塗布した後、有機溶剤を乾燥除去する。
耐エッチング硬化性樹脂組成物のワニスを調製する方法としては、特に限定されないが、耐エッチング硬化性樹脂組成物を構成する各成分と有機溶剤とを混合することにより調製することができる。有機溶剤としては、上述した被エッチング硬化性樹脂組成物と同様のものを用いることができ、また、使用量も同様とすることができる。また、塗布方法や、乾燥条件も、被エッチング硬化性樹脂組成物と同様とすることができる。
耐エッチング硬化性樹脂組成物層30の厚みt1は、通常0.5〜7.0μm、好ましくは1.0〜6.0μm、より好ましくは2.0〜5.0μmである。
(工程C)
工程Cは、支持体40上に、フォトレジストにより、厚みt2でレジストパターン50を形成し、図1(C)に示すように、レジストパターン50を有する支持体40、すなわち、レジストパターン付支持体を得る工程である。
工程Cで用いる支持体40としては、特に限定されないが、フィルム状や板状等の部材を挙げることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアリレートフィルム、ナイロンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム等の高分子フィルムや、板状・フィルム状のガラス基材等が挙げられる。なお、支持体40は、後の工程において剥離するため、レジストパターン50を形成する面に剥離処理を施してもよい。
また、支持体40上に、レジストパターン50を形成する方法としては、特に限定されないが、たとえば、次の方法が挙げられる。すなわち、支持体40上に、フォトレジスト組成物を塗布、あるいは、フォトレジスト組成物からなるドライフィルムを積層することで、支持体40上にフォトレジスト膜を形成する。次いで、フォトレジスト膜に、マスクパターンを介して活性光線を照射し、フォトレジスト膜中に潜像パターンを形成し、アルカリ現像液に接触させることによりパターンを顕在化させることにより、レジストパターン50を形成する。なお、この場合に用いるフォトレジスト組成物としては、ポジ型の組成物、あるいはネガ型の組成物のいずれでもよい。
本発明で用いるフォトレジスト組成物としては、アルカリ可溶性樹脂及び感光剤を含有するものが挙げられる。アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ性水溶液等からなる現像液に可溶性を示す樹脂であれば特に限定されない。
アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ性水溶液等からなる現像液に可溶性を示す樹脂であれば特に限定されず、公知のフォトレジスト組成物に使用されている樹脂、たとえば、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、スチレン−アクリル酸共重合体、ヒドロキシスチレン重合体、ポリビニルヒドロキシベンゾエート等を挙げることができる。
また、感光剤としては、ポジ型の組成物とする場合には、キノンジアジド基含有化合物を代表的なものとして挙げることができる。あるいは、ネガ型の組成物とする場合には、感光剤として、酸を発生する化合物(酸発生剤)や、ラジカルを発生する化合物(ラジカル発生剤)を用いることができる。酸発生剤としては、たとえば、オニウム塩、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物等が挙げられる。ラジカル発生剤としては、たとえば、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤などの公知の化合物を用いることができる。
支持体40上に、フォトレジスト膜を形成する際において、フォトレジスト組成物を塗布することにより形成する場合には、アルカリ可溶性樹脂及び感光剤に、溶剤を加えてなるフォトレジスト組成物を、支持体40上に塗布した後、溶剤を乾燥させることにより、支持体40上にフォトレジスト膜を形成することができる。あるいは、フォトレジスト組成物からなるドライフィルムを積層することにより、フォトレジスト膜を形成する場合には、市販のドライフィルムを、支持体40上に、好ましくは80〜120℃、より好ましくは90〜110℃で、加熱圧着することにより、支持体40上にフォトレジスト膜を形成することができる。なお、市販のドライフィルムとしては、たとえば、ポジ型のドライフィルムとして、「SRF SS7200」(東亞合成社製)などを用いることができる。また、ネガ型のドライフィルムとしては、「SUNFORT UFG」(旭化成イーマテリアルズ社製)、「NIT3025」(ニチゴー・モートン社製)、「SU−8 3000」(日本化薬社製)などを用いることができる。
次いで、支持体40上に形成したフォトレジスト膜に、マスクパターンを介して活性光線の照射を行うことで、所望の微細配線パターンに応じた潜像パターンを形成する。活性光線の露光量は、特に限定されず、用いるフォトレジスト組成物の種類に応じて適宜選択すればよい。なお、本発明の製造方法においては、フォトレジスト組成物として、ネガ型の組成物を用いた場合には、支持体40側から、活性光線を照射することが好ましい。
次いで、潜像パターンを形成したフォトレジスト膜を、アルカリ現像液に接触させることによりパターンを顕在化させることにより、レジストパターン50を形成し、図1(C)に示すようなレジストパターン付支持体(レジストパターン50を有する支持体40)を得る。現像に用いるアルカリ現像液としては、たとえば、アルカリ金属塩、アミン、アンモニウム塩を使用することができ、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等のアルカリ金属塩;アンモニア水;エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一級アミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の第二級アミン;トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三級アミン;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン;ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、N−メチルピロリドン等の環状アミン類;等が挙げられる。
また、潜像パターンを形成したフォトレジスト膜を、アルカリ現像液に接触させる方法としては、たとえば、パドル法、スプレー法、ディッピング法等の方法が用いられる。現像を行う際の条件は、通常、0〜100℃、好ましくは5〜55℃、より好ましくは10〜30℃の範囲で、通常、30〜180秒間の範囲で適宜設定される。
また、このようにして得られたレジストパターン付支持体について、現像残渣を除去するために、必要に応じて、リンス液でリンスを行ってもよい。この場合には、リンス処理の後、残存しているリンス液を圧縮空気や圧縮窒素により除去することが望ましい。
ここで、本発明においては、レジストパターン50の厚みt2を、耐エッチング硬化性樹脂組成物層30の厚みt1よりも厚いものとする。これにより、後述する工程Dにおいて、レジストパターン付支持体におけるレジストパターン50を、多層樹脂膜基板の耐エッチング硬化性樹脂組成物層30に当接させた際に、レジストパターン50を、被エッチング硬化性樹脂組成物層20まで到達させることができ(図1(D)参照)、これにより、後述する工程Gにおいて、耐エッチング硬化樹脂層30aを貫通し、被エッチング硬化樹脂層20aまで到達する凹部を形成することができる(図2(C)参照)。すなわち、被エッチング硬化樹脂層20aの表面が露出してなる凹部を形成することができる。そして、これにより、エッチングにより露出した被エッチング硬化樹脂層20aの表面を粗面化することができ、結果として、後述する工程Hにおいて、めっきによる微細配線60を良好に形成することができる。
なお、レジストパターン50の厚みt2は、耐エッチング硬化性樹脂組成物層30の厚みt1よりも厚いものであればよいが、形成される凹部内に被エッチング硬化樹脂層20aの表面をより確実に露出させるために、厚みt2の1.5倍以上であることが好ましく、厚みt2の2.0倍以上であることがより好ましい。
(工程D)
工程Dは、上述した工程Cで得られたレジストパターン付支持体(レジストパターン50を備える支持体40)におけるレジストパターン50と、多層樹脂膜基板(被エッチング硬化性樹脂組成物層20及び耐エッチング硬化性樹脂組成物層30を備える基板10)における耐エッチング硬化性樹脂組成物層30とを当接させて、レジストパターン50を被エッチング硬化性樹脂組成物層20及び耐エッチング硬化性樹脂組成物層30に埋め込むように積層することで、図1(D)に示すように、基板10、被エッチング硬化性樹脂組成物層20、耐エッチング硬化性樹脂組成物層30、支持体40及びレジストパターン50からなる硬化前積層体を得る工程である。
レジストパターン50を、被エッチング硬化性樹脂組成物層20及び耐エッチング硬化性樹脂組成物層30に埋め込むように積層する方法としては、特に限定されないが、レジストパターン付支持体と、多層樹脂膜基板とを、レジストパターン50と、耐エッチング硬化性樹脂組成物層30とが当接するように重ね合わせ、加圧ラミネータ、プレス、真空ラミネータ、真空プレス、及びロールラミネータなどの加圧機を使用して加熱圧着(ラミネーション)して、これらの界面に、実質的な空隙が存在しないように両者を結合させる方法が挙げられる。加熱圧着は、レジストパターン50の、耐エッチング硬化性樹脂組成物層30への埋め込み性を向上させ、気泡等の発生を抑えるために真空下で行うことが好ましい。加熱圧着時の温度は、通常30〜250℃、好ましくは70〜200℃、圧着力は、通常10kPa〜20MPa、好ましくは100kPa〜10MPa、圧着時間は、通常30秒〜5時間、好ましくは1分〜3時間であり、通常100kPa〜1Pa、好ましくは40kPa〜10Paに雰囲気を減圧する。
なお、本発明においては、レジストパターン50の厚みt2は、耐エッチング硬化性樹脂組成物層30の厚みt1よりも厚く形成するため、図1(D)に示すように、レジストパターン50を、耐エッチング硬化性樹脂組成物層30を突き抜けて、被エッチング硬化性樹脂組成物層20まで到達させることができる。
(工程E)
工程Eは、基板10、被エッチング硬化性樹脂組成物層20、耐エッチング硬化性樹脂組成物層30、支持体40及びレジストパターン50からなる硬化前積層体について、被エッチング硬化性樹脂組成物層20を構成する被エッチング硬化性樹脂組成物、及び、耐エッチング硬化性樹脂組成物層30を構成する耐エッチング硬化性樹脂組成物を硬化させて、図2(A)に示すように、被エッチング硬化樹脂層20a、及び耐エッチング硬化樹脂層30aとする工程である。
被エッチング硬化性樹脂組成物層20、及び耐エッチング硬化性樹脂組成物層30を硬化させる際における硬化の条件は、被エッチング硬化性樹脂組成物層20、及び耐エッチング硬化性樹脂組成物層30に含有される硬化剤の種類に応じて選択すればよいが、硬化温度は、通常130〜230℃、好ましくは150〜200℃である。また、硬化時間は、通常20〜300分、好ましくは40〜150分である。
(工程F)
工程Fは、上述した工程Eにおいて、被エッチング硬化性樹脂組成物層20、及び耐エッチング硬化性樹脂組成物層30を硬化させる前、あるいは、硬化させた後に、図2(B)に示すように、硬化前の耐エッチング硬化性樹脂組成物層30もしくは耐エッチング硬化樹脂層30a及びレジストパターン50から、支持体40を剥離する工程である。すなわち、本発明の製造方法においては、上述した工程Dの後、あるいは、上述した工程Eの後に、支持体40を剥離する。なお、本発明の製造方法においては、支持体40を良好に剥離するという観点より、耐エッチング硬化性樹脂組成物層30を硬化させる前、耐エッチング硬化性樹脂組成物層30を硬化させた後のいずれのタイミングに支持体40を剥離する場合においても、積層体を室温まで冷却した後に、支持体40を剥離することが望ましい。
(工程G)
工程Gは、レジストパターン50を剥離又は溶解し、耐エッチング硬化樹脂層30aからレジストパターン50を除去することにより、図2(C)に示すように、凹凸構造が形成された被エッチング硬化樹脂層20a、及び耐エッチング硬化樹脂層30aの多層体を有する基板10を形成し、次いで、被エッチング硬化樹脂層20a及び耐エッチング硬化樹脂層30aの多層体に形成された凹部に、エッチング液を用いてエッチング処理を行い、被エッチング硬化樹脂層20aの凹部に形成された露出表面を粗面化する工程である。
レジストパターン50を剥離する方法としては、特に限定されないが、レジストパターン50、被エッチング硬化樹脂層20a、及び耐エッチング硬化樹脂層30aを有する基板10を、レジストパターン50を剥離可能な溶液に浸漬する方法などが挙げられる。レジストパターン50を溶解するための溶液としては、たとえば、アミン類や水酸化ナトリウムなどの水溶液(剥離液)を用いることができる。具体的には、水酸化ナトリウム濃度60g/リットルになるように調整した60〜80℃の水溶液に、レジストパターン50、被エッチング硬化樹脂層20a、及び耐エッチング硬化樹脂層30aを有する基板10を、1〜50分間揺動浸漬することにより、レジストパターン50を剥離させる方法などを用いることができる。
また、レジストパターン50を溶解する方法としては、特に限定されないが、レジストパターン50、被エッチング硬化樹脂層20a、及び耐エッチング硬化樹脂層30aを有する基板10を、レジストパターン50を溶解可能な溶液に浸漬する方法などが挙げられる。レジストパターン50を溶解するための溶液としては、たとえば、過マンガン酸塩などの酸化性化合物の溶液(デスミア液)などを用いることができる。具体的には、過マンガン酸ナトリウム濃度60g/リットル、水酸化ナトリウム濃度28g/リットルになるように調整した60〜80℃の水溶液に、レジストパターン50、被エッチング硬化樹脂層20a、及び耐エッチング硬化樹脂層30aを有する基板10を、1〜50分間揺動浸漬することにより、レジストパターン50を溶解させる方法などを用いることができる。
また、レジストパターン50を剥離液又はデスミア液に浸漬処理する際に、超音波を併用することもできる。
なお、本発明の製造方法においては、このような過マンガン酸塩などの酸化性化合物の溶液(デスミア液)は、被エッチング硬化樹脂層20aの凹部に形成された露出表面を粗面化するためのエッチング液としても作用するため、レジストパターン50を溶解させる際には、このようなデスミア液の作用により、レジストパターン50の溶解とともに、被エッチング硬化樹脂層20aの凹部に形成された露出表面の粗面化(エッチング処理)も行うことが好ましい。被エッチング硬化樹脂層20aの凹部に形成された露出表面を粗面化する際の条件は、たとえば、デスミア液に揺動浸漬する際における温度及び時間を調整することにより、適宜調整することができる。
また、レジストパターン50を剥離する方法により除去した場合には、レジストパターン50を剥離した後に、エッチング液として、過マンガン酸塩などの酸化性化合物の溶液(デスミア液)などを用いて、レジストパターン50を溶解させる場合と同様に、被エッチング硬化樹脂層20aの凹部に形成された露出表面の粗面化(エッチング処理)を行う。
ここで、本発明の製造方法においては、被エッチング硬化樹脂層20aは、エッチング液に対して高い反応性を有するため、このように、エッチング液で処理した場合に、その露出表面が粗面化される一方で、耐エッチング硬化樹脂層30aは、エッチング液に対する耐性を有しているため、エッチング液で処理した場合でも、その表面がほとんどされないままに保たれることとなる。すなわち、本発明の製造方法によれば、被エッチング硬化樹脂層20aの凹部に形成された露出表面に対して、選択的に、粗面化処理を行うことができる。
また、本発明の製造方法においては、上記工程Fにおいて、支持体40を、硬化前の耐エッチング硬化性樹脂組成物層30もしくは耐エッチング硬化樹脂層30aから剥離する際に、支持体40の剥離と同時に、レジストパターン50も剥離するような工程を採用してもよい。すなわち、支持体40をその表面にレジストパターン50が付着した状態で剥離することで、支持体40とレジストパターン50とを一度に剥離するような工程を採用してもよい。
(工程H)
工程Hは、被エッチング硬化樹脂層20a、及び耐エッチング硬化樹脂層30aの多層体に形成された凹凸構造の凹部に、図2(D)に示すように、めっきにより微細配線60を形成することで、被エッチング硬化樹脂層20a、耐エッチング硬化樹脂層30a、及び導体からなる微細配線60を備えた基板10からなる回路基板を得る工程である。
微細配線60を形成する方法としては、特に限定されないが、密着性に優れる導体を形成できるという観点より、無電解めっき法により行なうことが好ましい。
たとえば、無電解めっき法により微細配線60を形成する際においては、まず、金属薄膜を被エッチング硬化樹脂層20aの表面に形成させる前に、被エッチング硬化樹脂層20a上に、銀、パラジウム、亜鉛、コバルトなどの触媒核を付着させるのが一般的である。触媒核を被エッチング硬化樹脂層20aに付着させる方法は特に制限されず、たとえば、銀、パラジウム、亜鉛、コバルトなどの金属化合物やこれらの塩や錯体を、水又はアルコールもしくはクロロホルムなどの有機溶剤に0.001〜10重量%の濃度で溶解した液(必要に応じて酸、アルカリ、錯化剤、還元剤などを含有していてもよい。)に浸漬した後、金属を還元する方法などが挙げられる。
無電解めっき法に用いる無電解めっき液としては、公知の自己触媒型の無電解めっき液を用いればよく、めっき液中に含まれる金属種、還元剤種、錯化剤種、水素イオン濃度、溶存酸素濃度などは特に限定されない。たとえば、次亜リン酸アンモニウム、次亜リン酸、水素化硼素アンモニウム、ヒドラジン、ホルマリンなどを還元剤とする無電解銅めっき液;次亜リン酸ナトリウムを還元剤とする無電解ニッケル−リンめっき液;ジメチルアミンボランを還元剤とする無電解ニッケル−ホウ素めっき液;無電解パラジウムめっき液;次亜リン酸ナトリウムを還元剤とする無電解パラジウム−リンめっき液;無電解金めっき液;無電解銀めっき液;次亜リン酸ナトリウムを還元剤とする無電解ニッケル−コバルト−リンめっき液などの無電解めっき液を用いることができる。
金属薄膜を形成した後、基板表面を防錆剤と接触させて防錆処理を施すことができる。また、金属薄膜を形成した後、密着性向上などのため、金属薄膜を加熱することもできる。加熱温度は、通常、50〜350℃、好ましくは80〜250℃である。なお、この際において、加熱は加圧条件下で実施してもよい。このときの加圧方法としては、例えば、熱プレス機、加圧加熱ロール機などの物理的加圧手段を用いる方法が挙げられる。加える圧力は、通常、0.1〜20MPa、好ましくは0.5〜10MPaである。この範囲であれば、金属薄膜と、被エッチング硬化樹脂層20aとの高い密着性が確保できる。
このようにして形成された金属薄膜上に電解めっきなどの湿式めっきによりめっきを成長させてもよい(厚付けめっき)。この場合には、微細配線60は、金属薄膜と、その上に成長させためっきとから構成されるものとなる。
なお、本発明の製造方法においては、耐エッチング硬化樹脂層30aについては、粗面化されずに、被エッチング硬化樹脂層20aの凹部に形成された露出表面に対して、選択的に粗面化するものであるため、無電解めっきを選択的に行うことができる。すなわち、無電解めっきによる金属薄膜は、被エッチング硬化樹脂層20aの凹部に形成された露出表面に形成される一方で、耐エッチング硬化樹脂層30aの表面については、粗面化されていないため、耐エッチング硬化樹脂層30aの表面については、無電解めっきがされず、そのため、金属薄膜が形成されない状態のまま維持されることなる。そのため、本発明の製造方法においては、耐エッチング硬化樹脂層30aの表面など不要な部分の金属薄膜を除去する工程が不要となる。
以上のようにして、本発明の製造方法によれば、図2(D)に示すように、基板10上に、所定パターンで微細配線60が形成されてなる、被エッチング硬化樹脂層20a及び耐エッチング硬化樹脂層30aを備える回路基板を製造することができる。そして、このような本発明の製造方法によれば、図1(C)に示すような支持体40上にレジストパターン50を形成してなる型を用いて、微細配線60を形成するためのパターンを形成するものであり、レジストパターン50は、レジストパターン50を剥離又は溶解可能な溶液により除去することができるものであるため、被エッチング硬化樹脂層20a及び耐エッチング硬化樹脂層30aの低背化を可能としながら、微細配線60を良好に形成することができる。また、本発明の製造方法によれば、被エッチング硬化樹脂層20a及び耐エッチング硬化樹脂層30aを、レジストパターン50を用いてパターン化するものであるため、エッチング硬化樹脂層20a及び耐エッチング硬化樹脂層30aを構成する材料に、感光性を付与する必要がなく、そのため、エッチング硬化樹脂層20a及び耐エッチング硬化樹脂層30aを電気特性(特に、電気絶縁性)に優れたものとすることができる。特に、エッチング硬化樹脂層20a及び耐エッチング硬化樹脂層30aを構成する材料として、感光性を有する材料を用いた場合には、得られる硬化樹脂層は、電気特性が低下してしまうという問題があるが、本発明の製造方法によれば、このような問題を有効に解決できるものである。
加えて、本発明の製造方法によれば、レジストパターン50の厚みt2を、耐エッチング硬化性樹脂組成物層30の厚みt1よりも厚いものとするため、図1(D)に示すように、レジストパターン付支持体におけるレジストパターン50を、多層樹脂膜基板の耐エッチング硬化性樹脂組成物層30に当接させた際に、レジストパターン50を、被エッチング硬化性樹脂組成物層20まで到達させることができる。そして、結果として、図2(C)に示すように、耐エッチング硬化樹脂層30aを貫通し、被エッチング硬化樹脂層20aまで到達する凹部を形成することができ、これをエッチング液を用いてエッチングすることで、このような凹部内において露出した被エッチング硬化樹脂層20aの表面を粗面化することができる。そして、このような被エッチング硬化樹脂層20aの粗面化された露出表面に、めっきによる微細配線60を形成することで、微細配線60を選択的に、しかも高い密着性で形成することができる。また、微細配線60を選択的に形成することができるため、めっきにより微細配線60を形成する際に、他の部分に不要な金属薄膜が析出してしまうことを防止することができ、これにより、不要な金属薄膜を除去する工程を省略することができる。
なお、本発明においては、上述した本発明の製造方法により得られた回路基板上を、基板10として用い、上述した工程A〜工程Hを繰返し行うことで、多層回路基板を得ることもできる。
そして、このようにして得られる本発明の回路基板及び多層回路基板は、たとえば、携帯電話機、PHS、ノート型パソコン、PDA(携帯情報端末)、携帯テレビ電話機、パーソナルコンピューター、スーパーコンピューター、サーバー、ルーター、液晶プロジェクタ、エンジニアリング・ワークステーション(EWS)、ページャ、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルを備えた装置などの各種電子機器に好適に用いることができる。
なお、本発明の製造方法においては、上述した工程E、工程F、工程Gに代えて、以下に説明する工程E’、工程F’、工程G’を経るような方法を採用してもよい。ここで、図3は、本発明の別の実施形態に係る回路基板の製造方法を示す図である。
すなわち、本発明の別の製造方法は、以下の工程を有する。
(工程A)基板10上に、エッチング液に対する耐性を有しない硬化性樹脂組成物からなる被エッチング硬化性樹脂組成物層20を形成する工程(図1(A)参照)。
(工程B)前記被エッチング硬化性樹脂組成物層20上に、エッチング液に対する耐性を有する硬化性樹脂組成物からなる耐エッチング硬化性樹脂組成物層30を、厚みt1で形成することで、多層樹脂膜基板を得る工程(図1(B)参照)。
(工程C)支持体40上にフォトレジストにより、耐エッチング硬化性樹脂組成物層30の厚みt1よりも厚い厚みt2にて、レジストパターン50を形成して、レジストパターン付支持体を得る工程(図1(C)参照)。
(工程D)レジストパターン付支持体におけるレジストパターン50と、多層樹脂膜基板における耐エッチング硬化性樹脂組成物層30とを当接させて、レジストパターン50を、被エッチング硬化性樹脂組成物層20及び耐エッチング硬化性樹脂組成物層30に埋め込むように積層する工程(図1(D)参照)。
(工程E’)支持体40を剥離する工程(図3(A)参照)。
(工程F’)被エッチング硬化性樹脂組成物層20及び耐エッチング硬化性樹脂組成物層30から、レジストパターン50を剥離することで、凹凸構造を有する被エッチング硬化性樹脂組成物層20及び耐エッチング硬化性樹脂組成物層30の多層体を形成する工程(図3(B)参照)。
(工程G’)凹凸構造を有する被エッチング硬化性樹脂組成物層20及び耐エッチング硬化性樹脂組成物層30を硬化させて、凹凸構造を有する被エッチング硬化樹脂層20a及び耐エッチング硬化樹脂層30aの多層体を形成し、次いで、被エッチング硬化樹脂層20a及び耐エッチング硬化樹脂層30aの多層体に形成された凹部に、エッチング液を用いてエッチング処理を行う工程(図3(C)参照)。
(工程H)エッチング処理を行った凹部に、めっきにより微細配線60を形成する工程(図3(D)参照)。
なお、上記工程A〜工程D、工程Hは、上述した方法と同様であるため、以下においては、工程E’、工程F’、工程G’について説明する。
(工程E’)
工程E’は、図3(A)に示すように、硬化前の耐エッチング硬化性樹脂組成物層30及びレジストパターン50から、支持体40を剥離する工程である。なお、工程E’においても、支持体40を良好に剥離するという観点より、積層体を室温まで冷却した後に、支持体40を剥離することが望ましい。
(工程F’)
工程F’は、被エッチング硬化性樹脂組成物層20及び耐エッチング硬化性樹脂組成物層30から、レジストパターン50を除去することにより、凹凸構造を有する被エッチング硬化性樹脂組成物層20及び耐エッチング硬化性樹脂組成物層30の多層体を形成する工程である。レジストパターン50の除去は、通常、レジストパターン50を剥離することにより行うことができる。なお、レジストパターン50を剥離する方法は、たとえば、上述した工程Gと同様とすればよい。
(工程G’)
工程G’は、凹凸構造を有する被エッチング硬化性樹脂組成物層20及び耐エッチング硬化性樹脂組成物層30を硬化させて、凹凸構造を有する被エッチング硬化樹脂層20a及び耐エッチング硬化樹脂層30aの多層体を形成し、次いで、被エッチング硬化樹脂層20a及び耐エッチング硬化樹脂層30aの多層体に形成された凹部に、エッチング液を用いてエッチング処理を行う工程である。
被エッチング硬化性樹脂組成物層20、及び耐エッチング硬化性樹脂組成物層30の硬化は、上述した工程Eと同様の条件にて行うことができる。また、エッチング液を用いたエッチング処理も、上述した工程Gと同様の条件にて行うことができる。
なお、本発明においては、上述した本発明の別の製造方法により得られた回路基板を基板10として用い、上述した工程A〜工程D、工程E’、工程F’、工程G’、工程Hを繰返し行うことで、多層回路基板を得ることもできる。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。なお、各例中の部及び%は、特に断りのない限り、重量基準である。
合成例1
重合1段目として5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(EdNB)35モル部、1−ヘキセン0.9モル部、アニソール340モル部及びC1063 0.005部を、窒素置換した耐圧ガラス反応器に仕込み、攪拌下に80℃で30分間の重合反応を行ってノルボルネン系開環重合体の溶液を得た。
次いで、重合2段目として重合1段目に得た溶液中にテトラシクロ[9.2.1.02,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(MTF)35モル部、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物(NDCA)30モル部、アニソール250モル部及びC1063 0.01部を追加し、攪拌下に80℃で1.5時間の重合反応を行ってノルボルネン系開環重合体の溶液を得た。この溶液について、ガスクロマトグラフィーを測定したところ、実質的に単量体が残留していないことが確認され、重合転化率は99%以上であった。
次いで、窒素置換した攪拌機付きオートクレーブに、得られた開環重合体の溶液を仕込み、C1063 0.03部を追加し、150℃、水素圧7MPaで、5時間攪拌させて水素添加反応を行って、ノルボルネン系開環重合体の水素添加物である脂環式オレフィン重合体(A1)の溶液を得た。得られた重合体(A1)の重量平均分子量は60,000、数平均分子量は30,000、分子量分布は2であった。また、水素添加率は95%であり、カルボン酸無水物基を有する繰り返し単位の含有率は30モル%であった。重合体(A1)の溶液の固形分濃度は22%であった。
実施例1
(成形型の作製)
離型ポリエチレンテレフタレート(商品名「NSL−6」、藤森工業社製)に、厚さ15μmのドライフィルムレジスト(商品名「NIT6015」、ニチゴー・モートン社製)を、積層することにより、離型ポリエチレンテレフタレートと、ドライフィルムレジストとからなる積層体を得た。なお、積層は、離型ポリエチレンテレフタレートを50℃に加温した状態とし、ロールラミネータを用いて、ラミネート速度1.5m/分、ロール圧力:0.3MPa、ロール温度105℃の条件にて行った。次いで、得られた積層体について、石英ガラスクロムマスクを使用して、露光、現像、剥離を行うことにより、図1(C)に示すような支持体40上に、厚さt2が15μmであるレジストパターン50が形成されてなる成形型(レジストパターン付支持体)を得た。なお、この際における露光条件は、コンタクト露光装置を用いて、露光量120mJ/cmの条件とした。また、現像は、1%の炭酸ナトリウム水溶液を用い、温度27℃、スプレー圧0.15MPa、ラインスピード2.5m/分(ブレイクポイント17秒×2)の条件にて行い、剥離は、2−アミノエタノール原液に、室温で25分間浸漬処理を行った後、3%の水酸化ナトリウム水溶液の剥離ラインに、ラインスピード1m/分の条件で投入することにより行った。
また、成形型としては、L/S=3μm/3μm、高さ15μmの平行ラインパターンが形成可能なものを作製した。
(被エッチング硬化性樹脂組成物の調製)
合成例1で得られた脂環式オレフィン重合体(A1)450部、硬化剤として多官能エポキシ樹脂(1032H60、三菱化学社製、エポキシ当量163〜175)をアニソールに70%溶解した溶液35.8部、ヒンダードフェノール化合物としてトリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート(商品名「IRGANOX(登録商標)3114」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)1部、ヒンダードアミン化合物としてテトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート(商品名「アデカスタブ(登録商標)LA52」、ADEKA社製)1部、エラストマーとして液状エポキシ化ポリブタジエン(商品名「Ricon657」、サートマー・ジャパン社製)をアニソールに80%溶解した溶液3部を混合し、遊星式攪拌機で5分間攪拌した。
さらにこれに、球状シリカ(商品名「アドマファインSO−C1」、アドマテックス社製、体積平均粒径0.25μm)45部を混合し、遊星式攪拌機で5分間撹拌した。
さらにこれに、硬化促進剤として1−べンジル−2−フェニルイミダゾール(商品名「BPZ」、四国化成工業社製)をアニソールに5%溶解した溶液10部を混合し、遊星式攪拌機で5分間攪拌して被エッチング硬化性樹脂組成物のワニスを得た。
(耐エッチング硬化性樹脂組成物の調製)
エポキシ樹脂としてのジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(商品名「EPICLON HP−7200HH」、DIC社製、エポキシ基当量280)530部、硬化剤としての活性エステル樹脂(商品名「EPICLON HPC−8000−65T」、不揮発分65重量%のトルエン溶液、DIC社製、活性エステル基当量223)107部(活性エステル樹脂70部)、及びアニソール100部を混合し、遊星式攪拌機で3分間攪拌した。
さらにこれに、硬化促進剤として1−べンジル−2−フェニルイミダゾール(商品名「BPZ」、四国化成工業社製)をアニソールに5%溶解した溶液20部を混合し、遊星式攪拌機で5分間攪拌して耐エッチング硬化性樹脂組成物のワニスを得た。
(硬化前積層体の作製)
そして、上記にて得られた被エッチング硬化性樹脂組成物のワニスを、離形ポリエチレンテレフタレート(商品名「NSL−6」、藤森工業社製)上に塗布し、乾燥することで、基板10としての離形ポリエチレンテレフタレート上に、厚み20μmの被エッチング硬化性樹脂組成物層20を形成することで、被エッチング硬化性樹脂組成物層20を備える基板10を得た。
また、これとは別に、上記にて得られた耐エッチング硬化性樹脂組成物のワニスを、ポリエチレンテレフタレート(商品名「ルミラーT60#38」、東レ社製)上に塗布し、乾燥することで、支持体としてのポリエチレンテレフタレート上に、厚み0.3μmの耐エッチング硬化性樹脂組成物層30を形成することで、耐エッチング硬化性樹脂組成物層30を備える支持体を得た。
次いで、上記にて形成した被エッチング硬化性樹脂組成物層20を備える基板10と、耐エッチング硬化性樹脂組成物層30を備える支持体とを、被エッチング硬化性樹脂組成物層20と耐エッチング硬化性樹脂組成物層30とが互いに当接した状態にて、ロールラミネータを用いて圧着させ、耐エッチング硬化性樹脂組成物層30側の支持体を剥離することで、図1(B)に示すような、被エッチング硬化性樹脂組成物層20及び耐エッチング硬化性樹脂組成物層30を備える基板10を得た。なお、ラミネート条件は、ラミネート速度1.0m/分、ロール圧力1.0MPa、ホットロール温度90℃)とした。
次いで、上記にて得られた被エッチング硬化性樹脂組成物層20及び耐エッチング硬化性樹脂組成物層30を備える基板10の、耐エッチング硬化性樹脂組成物層30側の面に、上記にて得られた支持体40上にレジストパターン50が形成されてなる成形型(レジストパターン付支持体)の、レジストパターン50が形成されてなる面が対向するように、これらを貼り合わせることで、埋込積層させることで、図1(D)に示すような基板10、被エッチング硬化性樹脂組成物層20、耐エッチング硬化性樹脂組成物層30、支持体40、及びレジストパターン50からなる硬化前積層体を得た。なお、積層は、ラミネート装置として、MVLP500(名機製作所)を用い、真空引きを30秒行い、90℃、0.7MPa、30秒の条件でラバープレスを行い、次いで、100℃、0.9MPaの、60秒の条件でホットプレスすることにより行った。
(硬化積層体の作製)
次いで、上記にて得られた硬化前積層体を、180℃で、30分間加熱することで、被エッチング硬化性樹脂組成物層20、及び耐エッチング硬化性樹脂組成物層30を硬化させ、次いで、室温まで冷却させた後に、支持体40としての離型ポリエチレンテレフタレートを剥離することで、図2(B)に示すような基板10、被エッチング硬化樹脂層20a、耐エッチング硬化樹脂層30a、及びレジストパターン50からなる硬化積層体を得た。
(レジスト剥離工程)
得られた硬化積層体を、剥離液(商品名「レジストストリップIC-1」、アトテック社製)の60℃の水溶液に15分間、超音波(130W、42kHz)を当てながら、揺動浸漬した後、水洗した。
(膨潤処理工程)
得られた硬化積層体を、膨潤液(商品名「スウェリング ディップ セキュリガント P」、アトテック社製、「セキュリガント」は登録商標)500mL/L、水酸化ナトリウム3g/Lになるように調製した60℃の水溶液に15分間揺動浸漬した後、水洗した。
(酸化処理及び表面粗化工程)
次いで、過マンガン酸塩の水溶液(商品名「コンセントレート コンパクト CP」、アトテック社製)640mL/L、水酸化ナトリウム濃度40g/Lとなるように調製した80℃の水溶液に、膨潤処理を行なった積層体を15分間揺動浸漬をした後、水洗した。この酸化処理工程により、レジストパターン50を除去することにより、図2(C)に示すような基板10、被エッチング硬化樹脂層20a、及び耐エッチング硬化樹脂層30aからなる積層体を得た。
(中和還元処理工程)
続いて、硫酸ヒドロキシアミン水溶液(商品名「リダクション セキュリガント P500」、アトテック社製、「セキュリガント」は登録商標)100mL/L、硫酸35mL/Lになるように調製した40℃の水溶液に、酸化処理を行なった積層体を5分間揺動浸漬し、中和還元処理をした後、水洗した。
(クリーナー・コンディショナー工程)
次いで、クリーナー・コンディショナー水溶液(商品名「アルカップ MCC−6−A」、上村工業社製、「アルカップ」は登録商標)を濃度50ml/Lとなるよう調製した50℃の水溶液に、中和還元処理を行なった積層体を5分間揺動浸漬し、クリーナー・コンディショナー処理を行った。次いで40℃の水洗水に積層体を1分間揺動浸漬した後、水洗した。
(ソフトエッチング処理工程)
次いで、硫酸濃度20g/L、過硫酸ナトリウム100g/Lとなるように調製した水溶液に、クリーナー・コンディショナー処理を行った積層体を、室温にて2分間揺動浸漬しソフトエッチング処理を行った後、水洗した。
(酸洗処理工程)
次いで、硫酸濃度100g/Lなるよう調製した水溶液に、ソフトエッチング処理を行なった積層体を、室温にて1分間揺動浸漬し酸洗処理を行った後、水洗した。
(触媒付与工程)
次いで、アルカップ アクチベータ MAT−1−A(商品名、上村工業社製、「アルカップ」は登録商標)が200mL/L、アルカップ アクチベータ MAT−1−B(商品名、上村工業社製、「アルカップ」は登録商標)が30mL/L、水酸化ナトリウムが0.35g/Lになるように調製した60℃のPd塩含有めっき触媒水溶液に、酸洗処理を行なった積層体を5分間揺動浸漬した後、水洗した。
(活性化工程)
続いて、アルカップ レデューサ− MAB−4−A(商品名、上村工業社製、「アルカップ」は登録商標)が20mL/L、アルカップ レデューサ− MAB−4−B(商品名、上村工業社製、「アルカップ」は登録商標)が200mL/Lになるように調製した水溶液に、触媒付与処理を行なった積層体を35℃で、3分間揺動浸漬し、めっき触媒を還元処理した後、水洗した。
(アクセレレータ処理工程)
次いで、アルカップ アクセレレーター MEL−3−A(商品名、上村工業社製、「アルカップ」は登録商標)が50mL/Lになるように調製した水溶液に、活性化処理を行なった積層体を室温で、1分間浸漬した。
(無電解めっき工程)
このようにして得られた積層体を、スルカップ PEA−6−A(商品名、上村工業社製、「スルカップ」は登録商標)100mL/L、スルカップ PEA−6−B−2X(商品名、上村工業社製)50mL/L、スルカップ PEA−6−C(商品名、上村工業社製)14mL/L、スルカップ PEA−6−D(商品名、上村工業社製)15mL/L、スルカップ PEA−6−E(商品名、上村工業社製)50mL/L、37%ホルマリン水溶液5mL/Lとなるように調製した無電解銅めっき液に空気を吹き込みながら、温度36℃で、20分間浸漬して無電解銅めっき処理して積層体表面(硬化樹脂層30aの表面)に無電解めっき膜を形成した。次いで、空気雰囲気下において150℃で30分間アニール処理を行った。
(脱脂・酸洗工程)
次いで、PB242D(商品名、荏原ユージライト社製)が100g/Lになるように調製した50℃の水溶液に、アニール処理が施された積層体を、5分間浸漬し脱脂処理を行い、次いで、硫酸濃度100g/Lとなるよう調製した水溶液に、脱脂処理を行った積層体を、室温にて2分間浸漬し酸洗処理を行った後、水洗した。
次いで、AT−21(商品名、上村工業社製)1mL/Lとなるように調製した水溶液に、室温にて1分間浸漬し防錆処理を行った後、空気中にて、180℃で60分間アニール処理をすることで、図2(D)に示すような基板10、被エッチング硬化樹脂層20a、耐エッチング硬化樹脂層30a及び微細配線60からなる回路基板を得た。
(エッチングレート)
前記で得られた被エッチング硬化性樹脂組成物のワニス、および耐エッチング性硬化性樹脂組成物のワニスを、厚さ9μmの銅箔に塗布し、乾燥させた。その後、オーブンにて180℃で2時間加熱することにより、それぞれの硬化樹脂と銅箔の積層体を得た。この銅箔をエッチングにより溶解除去して硬化樹脂フィルムを作製した。
これらの硬化樹脂フィルムの重量、および前記の膨潤処理、酸化処理及び表面粗化、中和還元処理の各工程を経た後の重量の差からエッチングレートを算出したところ、被エッチング性硬化フィルムは12mg/dm/hr.であり、耐エッチング性硬化フィルムは2mg/dm/hr.であった。
そして、このようにして得られた回路基板は、被エッチング硬化樹脂層20a及び耐エッチング硬化樹脂層30aと、微細配線60とが、L/S=3μm/3μm、高さ15μmの平行ラインパターンで良好に形成されたものであり、この結果より、本発明の製造方法によれば、低背化及び微細配線化が可能であり、また、被エッチング硬化樹脂層20a及び耐エッチング硬化樹脂層30aを構成する材料に、感光性を付与する必要がないため、電気特性(特に、電気絶縁性)に優れた回路基板を得ることが可能であることが確認できた。
また、このようにして得られた回路基板は、被エッチング硬化樹脂層20aの凹部に露出された表面のみに、選択的に無電解めっきを行うことができるため、不要な部分に形成された金属薄膜を除去するための工程を経る必要がないため、製造工程を簡略化することができる。
10…基板
20…被エッチング硬化性樹脂組成物層
20a…被エッチング硬化樹脂層
30…耐エッチング硬化性樹脂組成物層
30a…耐エッチング硬化樹脂層
40…支持体
50…レジストパターン
60…微細配線

Claims (4)

  1. エッチング液に対する耐性を有しない硬化性樹脂組成物からなる被エッチング硬化性樹脂組成物層を形成する工程と、
    前記エッチング液に対する耐性を有する硬化性樹脂組成物からなる耐エッチング硬化性樹脂組成物層を、第1の厚みで形成する工程と、
    前記被エッチング硬化性樹脂組成物層および前記耐エッチング硬化性樹脂組成物層を基板上に設けて、前記基板、前記被エッチング硬化性樹脂組成物層、および前記耐エッチング硬化性樹脂組成物層の順に設けられた多層体である多層樹脂膜基板を得る工程と、
    支持体上にフォトレジストにより、前記第1の厚みよりも厚い第2の厚みにてレジストパターンを形成して、レジストパターン付支持体を得る工程と、
    前記レジストパターン付支持体における前記レジストパターンと、前記多層樹脂膜基板における耐エッチング硬化性樹脂組成物層とを当接させて、前記レジストパターンを、前記被エッチング硬化性樹脂組成物層及び前記耐エッチング硬化性樹脂組成物層に埋め込むように積層する工程と、
    前記被エッチング硬化性樹脂組成物層及び前記耐エッチング硬化性樹脂組成物層を、前記レジストパターンが内部に埋め込まれた状態にて硬化させて、前記被エッチング硬化性樹脂組成物層及び前記耐エッチング硬化性樹脂組成物層を、それぞれ、被エッチング硬化樹脂層及び耐エッチング硬化樹脂層とする工程と、
    前記被エッチング硬化樹脂層及び前記耐エッチング硬化樹脂層から、前記レジストパターンを除去することで、凹凸構造を有する被エッチング硬化樹脂層及び耐エッチング硬化樹脂層の多層体を形成する工程と、
    を備えることを特徴とする回路基板の製造方法。
  2. エッチング液に対する耐性を有しない硬化性樹脂組成物からなる被エッチング硬化性樹脂組成物層を形成する工程と、
    前記エッチング液に対する耐性を有する硬化性樹脂組成物からなる耐エッチング硬化性樹脂組成物層を、第1の厚みで形成する工程と、
    前記被エッチング硬化性樹脂組成物層および前記耐エッチング硬化性樹脂組成物層を基板上に設けて、前記基板、前記被エッチング硬化性樹脂組成物層、および前記耐エッチング硬化性樹脂組成物層の順に設けられた多層体である多層樹脂膜基板を得る工程と、
    支持体上にフォトレジストにより、前記第1の厚みよりも厚い第2の厚みにてレジストパターンを形成して、レジストパターン付支持体を得る工程と、
    前記レジストパターン付支持体における前記レジストパターンと、前記多層樹脂膜基板における耐エッチング硬化性樹脂組成物層とを当接させて、前記レジストパターンを、前記被エッチング硬化性樹脂組成物層及び前記耐エッチング硬化性樹脂組成物層に埋め込むように積層する工程と、
    前記被エッチング硬化性樹脂組成物層及び前記耐エッチング硬化性樹脂組成物層から、前記レジストパターンを除去することで、凹凸構造を有する被エッチング硬化性樹脂組成物層及び耐エッチング硬化性樹脂組成物層の多層体を形成する工程と、
    前記凹凸構造を有する被エッチング硬化性樹脂組成物層及び耐エッチング硬化性樹脂組成物層を硬化させて、凹凸構造を有する被エッチング硬化性樹脂組成物層及び耐エッチング硬化性樹脂組成物層の多層体を、それぞれ、凹凸構造を有する被エッチング硬化樹脂層及び耐エッチング硬化樹脂層の多層体とする工程と、
    を備えることを特徴とする回路基板の製造方法。
  3. 前記被エッチング硬化樹脂層及び耐エッチング硬化樹脂層の多層体に形成された凹部に、前記エッチング液を用いてエッチング処理を行う工程と、
    前記エッチング処理を行った前記凹部に、めっきにより微細配線を形成する工程と、をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の回路基板の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により得られる回路基板。
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