JP2014190967A - 測定用器具、測定装置及び測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体や細胞などの試料を、テラヘルツ波を用いて簡便に測定可能な測定用器具を提供する。
【解決手段】液体を含む試料を透過したテラヘルツ波を測定するのに用いる測定用器具21であって、試料を保持可能な容器22と、容器22の底部22aに載置自在な誘電体材料からなる窓部材24と、を備え、窓部材24を底部22aに載置することにより、窓部材24と底部22aとの間に介在してテラヘルツ波を透過させる試料の測定厚さを制限可能に構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、テラヘルツ波を使用して試料を測定するのに用いる測定用器具、該測定用器具を用いる測定装置及び測定方法に関するものである。
近年、テラヘルツ波を利用した分光測定技術が開発されている。テラヘルツ波は、半導体やアミノ酸結晶などの固体試料の評価のみならず、水溶液のイオン濃度や水の温度変化に対しても感度を有することから、水溶液や水を多く含む生体試料の測定技術としても注目されている。テラヘルツ波の測定では、テラヘルツ波を試料に透過させて試料の測定を行うことが多く行われている。
ここで、試料として水溶液や水を多く含む生体材料を用いた場合のテラヘルツ波の透過測定では、試料の厚さが厚いと水によってテラヘルツ波が吸収され、その測定を行うことが難しい。これに関し、流路や専用容器を用いて水の厚さを限定し、テラヘルツ波による透過測定を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2010−71660号公報 特開2012−185151号公報
しかしながら、特許文献1、2に開示の技術は、液体試料を専用の流路に流入させる必要があるため、測定系が複雑になるという不都合がある。また、試料として、水溶液だけではなく、例えば培養生細胞などの生体材料を用いる場合、ディッシュ等で培養された細胞を流路や専用容器に移す必要があり、細胞を生きた状態で測定することが困難となる。
したがって、かかる観点に鑑みてなされた本発明の目的は、液体や細胞などの試料を、テラヘルツ波を用いて簡便に測定可能な測定用器具、測定装置及び測定方法を提供することにある。
上記目的を達成する本発明に係る測定用器具は、
液体を含む試料を透過したテラヘルツ波を測定するのに用いる測定用器具であって、
前記試料を保持可能な容器と、
前記容器の底部に載置自在な誘電体材料からなる窓部材と、を備え、
前記窓部材を前記底部に載置することにより、前記窓部材と前記底部との間に介在して前記テラヘルツ波を透過させる前記試料の測定厚さを制限可能に構成されたものである。
前記窓部材は、平坦部と、該平坦部から突出する脚部と、を備え、
前記脚部を前記底部に当接させて前記窓部材を前記底部に載置することにより、前記試料が流動可能な状態で前記測定厚さを制限可能とするとよい。
前記脚部は5μm〜100μmの高さを有するとよい。
前記底部は、平坦部と、該平坦部から突出する突起部と、を備え、
前記突起部に前記窓部材を当接させて該窓部材を前記底部に載置することにより、前記試料が流動可能な状態で前記測定厚さを制限可能とするとよい。
前記突起部は5μm〜100μmの高さを有するとよい。
前記窓部材は、水晶、サファイア、MgO、樹脂材料の少なくとも一つを含んでなるとよい。
前記容器はプラスチックからなるとよい。
前記底部の少なくとも一部は電気光学結晶を含むとよい。
更に、上記目的を達成する本発明に係る測定装置は、
電気光学結晶を有しない測定用器具を用いて、該測定用器具に保持された試料を測定する測定装置であって、
前記測定用器具の上方又は下方から前記窓部材と前記底部との間に介在される前記試料にテラヘルツ波を照射する照射系と、
前記試料を透過した前記テラヘルツ波を検出する検出系と、
を備えるものである。
更に、上記目的を達成する本発明に係る測定装置は、
電気光学結晶を有する測定用器具を用いて、該測定用器具に保持された試料を測定する測定装置であって、
前記窓部材の上方から当該窓部材及び前記試料を経て前記電気光学結晶にパルス状のテラヘルツ波を照射する第1の照射系と、
前記電気光学結晶の前記テラヘルツ波の照射領域に少なくとも一部が重なるように、前記電気光学結晶に前記テラヘルツ波よりも波長の短いパルス状の第2の電磁波を照射する第2の照射系と、
前記電気光学結晶を経た前記第2の電磁波の偏光状態を検出する検出系と、
を備えるものである。
前記検出系は、前記電気光学結晶の上面近傍に合焦される光学系を有し、前記電気光学結晶を透過した前記第2の電磁波の偏光状態に基づく画像を検出するとよい。
前記第2の電磁波は近赤外光であるとよい。
更に、上記目的を達成する本発明に係る測定方法は、
電気光学結晶を有しない測定用器具を用いて、該測定用器具に保持された試料を測定する測定方法であって、
前記測定用器具の上方又は下方から前記窓部材と前記底部との間に介在される前記試料にテラヘルツ波を照射するテラヘルツ波照射ステップと、
前記試料を透過した前記テラヘルツ波を検出する検出ステップと、
を含むものである。
更に、上記目的を達成する本発明に係る測定方法は、
電気光学結晶を有する測定用器具を用いて、該測定用器具に保持された試料を測定する測定方法であって、
前記窓部材の上方から当該窓部材及び前記試料を経て前記電気光学結晶にパルス状のテラヘルツ波を照射するテラヘルツ波照射ステップと、
前記電気光学結晶の前記テラヘルツ波の照射領域に少なくとも一部が重なるように、前記電気光学結晶に前記テラヘルツ波よりも波長の短いパルス状の第2の電磁波を照射する第2の電磁波照射ステップと、
前記電気光学結晶を透過した前記第2の電磁波の偏光状態を検出する検出ステップと、
を含むものである。
前記検出ステップは、前記電気光学結晶の上面近傍に光学系を合焦させて、前記電気光学結晶を透過した前記第2の電磁波の偏光状態に基づく画像を検出するとよい。
前記試料は、細胞を含んでもよい。
前記細胞は、培養液またはバッファ中の培養細胞であってもよい。
本発明によれば、液体や細胞などの試料を、テラヘルツ波を用いて簡便に測定することが可能となる。
第1実施の形態に係る測定装置の全体の概略構成図である。 図1の試料配置部に配置される測定用器具の一例の構成を示す断面図である。 図2の窓部材の3つの例を示す斜視図である。 図1の試料配置部に配置される測定用器具の他の例の構成を示す断面図である。 ラット白色脂肪細胞の光学顕微鏡による可視画像と、図1の測定装置による同一試料のテラヘルツ波画像を示す写真である。 図1の試料配置部に配置される測定用器具の更に他の例の構成を示す断面図である。 第2実施の形態に係る測定装置の全体の概略構成図である。 第3実施の形態に係る測定装置の全体の概略構成図である。 図8の試料配置部に配置される測定用器具の一例の構成を示す断面図である。 図9の測定用器具に培養細胞を保持した例を示す断面図である。 図8の試料配置部に配置される測定用器具の他の例の構成を示す断面図である。 図8の試料配置部に配置される測定用器具の他の例の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施の形態)
図1は、第1実施の形態に係る測定装置の全体の概略構成図である。この測定装置は、試料を顕微観察するものである。図1において、レーザ光源11は、フェムト秒近赤外パルスレーザを射出する。レーザ光源11から射出されたフェムト秒近赤外パルスレーザは、ビームスプリッタ12によってポンプ光とプローブ光とに分岐される。ポンプ光は、ポンプ光調整光学系13を経てテラヘルツ波発生素子14に入射される。これにより、テラヘルツ波発生素子14からテラヘルツ波が放射される。
ここで、テラヘルツ波発生素子14は、非線形光学結晶や光伝導アンテナなどが利用可能である。ポンプ光調整光学系13は、使用されるテラヘルツ波発生素子14に応じて適切に構成される。例えば、テラヘルツ波発生素子14が光伝導アンテナで構成される場合、ポンプ光調整光学系13は図1に示すようにレンズを用いて構成される。また、テラヘルツ波発生素子14が高強度テラヘルツ波を発生させる非線形光学結晶であるLiNbO結晶で構成される場合、ポンプ光調整光学系13は回折格子などの光学素子を用いて構成されるのが望ましい(H. Hirori, A. Doi, F. Blanchard, and K. Tanaka, “Single-cycle terahertz pulses with amplitudes exceeding 1 MV/cm generated by optical rectification in LiNbO3”, Applied Physics Letters, vol. 98, 091106 (2011).参照)。
テラヘルツ波発生素子14で発生されたテラヘルツ波は、テラヘルツ波集光光学系15を経て試料配置部20に集光される。なお、テラヘルツ波集光光学系15は、テラヘルツ波を透過させるプラスチック製のレンズや放物面鏡などにより構成される。したがって、図1においては、レーザ光源11、ポンプ光調整光学系13、テラヘルツ波発生素子14及びテラヘルツ波集光光学系15を含んで、第1の照射系が構成される。
一方、ビームスプリッタ12で分岐されたプローブ光は、1/2波長板31、光路調整光学系32、ビームエキスパンダ33、無偏光ビームスプリッタ34、結像レンズ35及び対物レンズ36を経て試料配置部20に照射される。したがって、図1においては、レーザ光源11、1/2波長板31、光路調整光学系32、ビームエキスパンダ33、無偏光ビームスプリッタ34、結像レンズ35及び対物レンズ36を含んで、第2の照射系が構成される。
試料配置部20には、例えば図2に断面図で示すような測定用器具21が配置される。図2に示す測定用器具21は、液体を含む試料Sを保持可能な容器22と、容器22の底部22aの一部を構成する電気光学結晶23と、電気光学結晶23に載置自在な誘電体材料からなる窓部材24とを備える。
容器22は、ディッシュなどの汎用なプラスチック製容器、ガラス製容器、金属製容器(例えば、SUS316L、純チタン、チタン合金など)が使用可能である。容器22の底部22aには、例えば中央部に矩形状又は円形状の開口部22bが形成される。電気光学結晶23は、LiNbO、LiTaOなどの公知の結晶からなり、底部22aに形成された開口部22bを水密に閉塞するように、底部22aに接着又は着脱自在に結合して設けられる。なお、電気光学結晶23の上面には、プローブ光を反射させる反射膜を成膜することで、プローブ光を電気光学結晶23の下方から入射させる場合に、プローブ光を電気光学結晶23の上面で反射させるうえで好ましい。加えて、電気光学結晶23の下面にはプローブ光の反射を防ぐための反射防止膜が成膜されていることが好ましい。また、細胞を測定する場合は、反射膜の上面が細胞培養に適した材料(例えば、SiO)であることが望ましい。
容器22には、試料Sとして、液体試料や細胞が収容保持される。細胞は、図2に示すように、容器22内において、培養液Scf中で電気光学結晶23上に培養された培養細胞Scであってもよい。
窓部材24は、テラヘルツ波が透過し、かつ液体中で浮かない材料、例えば水晶、サファイア、MgO、樹脂材料のいずれかを含んで構成される。窓部材24は、平坦部24aと、平坦部24aから突出する脚部24bとを備える。平坦部24aは、例えば容器22の底部22aに形成された開口22bの形状に応じて、平面視で矩形状又は円形状に形成される。脚部24bは、平坦部24aと一体に又は平坦部24aに接着して形成される。窓部材24は、脚部24bを容器22の底部22aを構成する電気光学結晶23に当接させて底部22aに載置した際に、容器22内の液体が流動可能な状態で、試料Sの測定厚さを制限するように構成される。
図3は、窓部材24の3つの例を示す斜視図である。図3(a)に示す窓部材24は、矩形状の平坦部24aの四隅にそれぞれ脚部24bを有する。図3(b)に示す窓部材24は、矩形状の平坦部24aの対向する2辺にそれぞれ辺に沿って脚部24bを有する。図3(c)に示す窓部材24は、円形状の平坦部24aの周縁部の3個所にそれぞれ脚部24bを有する。脚部24bの平坦部24aからの突出量(高さ)hは、上述したように試料Sの測定厚さを制限するもので、試料Sに応じて設定される。例えば、原核細胞のサイズは数μm程度であることから、高さhの最小値は5μmとするのが好ましい。また、液体の吸収による信号の低下を考慮して、高さhの最大値は100μmとするのが好ましい。つまり、脚部24bの高さhは、5μm〜100μmとするのが好ましい。
図2に示した測定用器具21によると、窓部材24は、容器22内に保持された試料Sに被せられて、脚部24bが電気光学結晶23上に当接して容器22の底部22aに載置される。これにより、窓部材24の平坦部24aと電気光学結晶23との間に介在する試料Sの測定厚さが、脚部24bによって規制される。また、脚部24bは、平坦部24aに部分的に設けられており、試料Sは隣接する脚部24b間の隙間から流動可能である。したがって、窓部材24を試料Sに被せた際に、窓部材24と電気光学結晶23との間への気泡の混入を防止することができる。また、電気光学結晶23上で細胞を培養させた状態で、培養細胞を測定することができるとともに、測定の際に培養液を循環させて細胞の生存を助けることができる。
図2に示した測定用器具21は、図1の試料配置部20に配置されると、テラヘルツ波が上方から窓部材24を経て、窓部材24の下方に介在する試料Sに照射され、試料Sを透過することにより変調されて電気光学結晶23に入射される。一方、プローブ光は、電気光学結晶23の下方から入射されて、電気光学結晶23内を伝播した後、上面で反射されて再び電気光学結晶23内を伝播して、電気光学結晶23から射出される。
ここで、電気光学結晶23は、電場が印加されると電気光学結晶23内に複屈折が誘起される性質を有している。そのため、テラヘルツ波が電気光学結晶23内に入射されると、テラヘルツ波の電場によって電気光学結晶23内に複屈折が生じる。この状態でプローブ光が電気光学結晶23内を伝播すると、テラヘルツ波電場で生じた複屈折によってプローブ光の偏光が変化する。したがって、このプローブ光の偏光の変化を検出すれば、電気光学結晶23に入射したテラヘルツ波成分、つまり試料Sで変調されたテラヘルツ波成分を検出することができる。なお、電気光学結晶23に照射されるプローブ光の偏光方向は、電気光学結晶23で生じた複屈折によって偏光状態が大きく変化するように、1/2波長板31によって予め調整される。
図1において、電気光学結晶23を伝播したプローブ光は、対物レンズ36及び結像レンズ35を経て無偏光ビームスプリッタ34に入射されて往路と分離される。対物レンズ36は、電気光学結晶23の上面近傍に合焦される。往路と分離されたプローブ光は、1/4波長板41及び1/2波長板42により偏光状態が調整された後、偏光ビームスプリッタ43によりS偏光成分とP偏光成分とに分岐される。これら分岐されたS偏光成分及びP偏光成分は、光路調整光学系44及び45により偏光ビームスプリッタ46から平行に射出されて且つ光路長が等しくなるよう光路調整されて、カメラ47の撮像素子48の異なる受光領域に結像される。撮像素子48の出力は、信号処理回路49により処理される。したがって、図1においては、結像レンズ35、対物レンズ36、1/4波長板41、1/2波長板42、偏光ビームスプリッタ43、光路調整光学系44及び45、偏光ビームスプリッタ46、カメラ47及び信号処理回路49を含んで、検出系が構成される。
ここで、1/4波長板41及び1/2波長板42は、電気光学結晶23にテラヘルツ波が入射されない状態において、電気光学結晶23を伝播して偏光ビームスプリッタ43に入射されるプローブ光の偏光が45度傾いた直線偏光となるように調整される。したがって、この状態では、偏光ビームスプリッタ43により偏光分離されるプローブ光のS偏光とP偏光との強度比は1:1となり、カメラ47には等しい強度のS偏光成分及びP偏光成分のプローブ光の像が形成される。これに対し、電気光学結晶23にテラヘルツ波が入射して電気光学結晶23に複屈折が生じた状態では、プローブ光の偏光が複屈折により変化して楕円偏光となり、結果として偏光ビームスプリッタ43で分離されるS偏光成分とP偏光成分との強度比が変化して、撮像素子48に結像される像の強度比もそれに応じて変化する。
したがって、信号処理回路49において、撮像素子48で取得されるS偏光成分の像とP偏光成分の像との差を演算すれば、テラヘルツ波が電気光学結晶23に入射していない状態では、S偏光とP偏光との信号強度が等しいため、信号強度差はゼロとなる。これに対し、テラヘルツ波が電気光学結晶23に入射したときには、S偏光とP偏光との信号強度差はゼロではなくなる。すなわち、テラヘルツ波の電場振幅強度となる。
このように、電気光学結晶23を伝播したプローブ光のS偏光成分及びP偏光成分の像を撮像素子48に結像させれば、つまり撮像素子48を電気光学結晶23の内部と光学的に共役な関係になるように配置すれば、電気光学結晶23に入射したテラヘルツ波の電場振幅の空間分布を取得することができる。しかも、電気光学結晶23に入射するテラヘルツ波は、試料Sで変調されて試料Sの情報が転写されたものとなるので、テラヘルツ波の電場振幅の空間分布を取得することにより試料Sを顕微観察することが可能となる。
ここで、テラヘルツ波のパルス幅は数ps程度であり、プローブ光のパルス幅は100fs程度である。電気光学結晶23内で複屈折が生じている時間は非常に短いため、プローブ光の偏光変化に反映されるテラヘルツ波の電場の情報は、プローブ光のパルス幅に相当する時間幅の成分のみとなる。
そこで、本実施の形態においては、必要に応じて、プローブ光の光路にある光路調整光学系32より、プローブ光とテラヘルツ波との相対時間差を変化させる。これにより、検出されるテラヘルツ波の時間を掃引して、信号処理回路49においてテラヘルツ波の時間変化を画像のシーケンスとして検出する。また、信号処理回路49において、必要に応じて、検出した画像のシーケンスをフーリエ変換して、周波数スペクトル画像を生成する。
なお、試料Sとして生細胞を顕微観察する場合は、生細胞が無い場合の画像をバックグラウンドとして取得しておき、生細胞が有る場合の画像から、生細胞の無い場合の画像を差し引くことで、生細胞の画像を強調することができる。この場合は、バックグラウンドの画像を取得するために、図4に断面図で示すような測定用器具21を用いてもよい。
図4に示す測定用器具21は、容器22が仕切り部22cにより仕切られた2つの収容部22d、22eを有する。収容部22d、22eは、同様に構成され、各々の底部22f、22gに形成された開口部22h、22iと、開口部22h、22iを水密に閉塞する電気光学結晶23a、23bと、窓部材24c、24dと、を有する。窓部材24c、24dは、図3に示した窓部材24と同様に構成される。収容部22dには、例えば培養液Scf中で電気光学結晶23a上に培養された培養細胞Scを保持する。また、収容部22eには、培養液Scfのみを保持する。
かかる測定用器具21は、図1の試料配置部20に配置されて、テラヘルツ波及びプローブ光の光路に、収容部22d、22eが順次位置決めされる。そして、それぞれの試料が測定されて、それぞれの画像が信号処理回路49に格納され、該信号処理回路49において、培養細胞Scを有する試料の画像から、培養液Scfのみのバックグランドの画像が差し引かれて生細胞の画像が生成される。
図5(a)は、ラット白色脂肪細胞の光学顕微鏡による可視画像を示す。図5(b)は、図1の測定装置による同一試料のテラヘルツ波画像を示す。図5(b)のテラヘルツ画像は、2.6THzの周波数分解位相画像である。テラヘルツ波の測定においては、図2に示した構成の測定用器具21を使用した。容器22の底部22aの一部を構成する電気光学結晶23は、厚さ10μmのLiNbO結晶を用いた。窓部材24は、水晶を材料とし、脚部24bの高さは20μmとした。
本実施の形態に係る測定装置によると、図2〜図4で説明したような測定用器具21を用いることで、培養生細胞等の試料Sの移し変えを行うことなく、試料Sの測定厚さを容易に所定の厚さとして、培養生細胞等のテラヘルツ波画像を取得することができる。したがって、試料Sをテラヘルツ波により簡便に測定することが可能となる。
なお、図1に示した測定装置に使用される測定用器具21は、例えば図6に断面図で示す構成であってもよい。この測定用器具21は、容器22の底部22aに開口部22bを形成することなく、底部22aの一部に電気光学結晶23が接着等により設けられ、電気光学結晶23上に窓部材24が載置自在に構成されたものである。この場合、容器22は、プローブ光が透過する材料、例えばプラスチックやガラスで形成される。図6の測定用器具21を用いる場合も、同様に試料Sをテラヘルツ波により簡便に測定することが可能となる。
(第2実施の形態)
図7は、第2実施の形態に係る測定装置の全体の概略構成図である。この測定装置は、図1に示した構成において、プローブ光をテラヘルツ波と同じ方向から試料配置部20に入射させるようにしたものである。そのため、テラヘルツ波集光光学系15と試料配置部20との間には、ビーム合成素子50が配置されている。ビーム合成素子50は、例えばハーフミラーやダイクロイックミラー等で構成され、テラヘルツ波集光光学系15からのテラヘルツ波は透過させて試料配置部20に入射させ、ビームエキスパンダ33からのプローブ光は反射させて試料配置部20に入射させる。その他の構成は、第1実施の形態と同様であるので説明を省略する。
なお、本実施の形態において、試料配置部20には、第1実施の形態で説明した測定用器具21と同様の構成の測定用器具が配置されるが、本実施の形態の場合は、プローブ光が測定用器具21を構成する電気光学結晶23を透過するため、電気光学結晶23の両面にプローブ光の反射防止膜を成膜するのが望ましい。
本実施の形態においても、第1実施の形態と同様に生細胞のテラヘルツ波画像を簡便に取得でき、生細胞をテラヘルツ波により簡便に測定することが可能となる。
(第3実施の形態)
図8は、第3実施の形態に係る測定装置の全体の概略構成図である。この測定装置は、試料のテラヘルツ波画像を取得するのではなく、テラヘルツ波を用いて試料の一部の領域の分光特性を測定する。以下、図1に示した構成要素と同一構成要素には、同一参照符号を付して説明する。レーザ光源11から射出されたフェムト秒近赤外パルスレーザは、上述した実施の形態と同様に、ビームスプリッタ12によってポンプ光とプローブ光とに分岐される。ポンプ光は、ポンプ光調整光学系13を経てテラヘルツ波発生素子14に入射される。これにより、テラヘルツ波発生素子14からテラヘルツ波が放射される。
テラヘルツ波発生素子14で発生されたテラヘルツ波は、照射系を構成するテラヘルツ波集光光学系15を経て試料配置部20に配置される試料に集光される。そして、試料を透過したテラヘルツ波は、テラヘルツ波集光光学系51及びビーム合成素子50を経て電気光学結晶60に集光される。
一方、ビームスプリッタ12で分岐されたプローブ光は、1/2波長板31、光路調整光学系32、レンズ52及びビーム合成素子50を経て、テラヘルツ波と同軸に電気光学結晶60に集光される。そして、電気光学結晶60を透過したプローブ光は、1/4波長板53を経てウォーラストンプリズム54によりP偏光成分とS偏光成分とに分離され、それらの差信号がバランストフォトダイオード等のバランス検出器55により検出される。これにより、試料の分光特性が測定される。したがって、図8においては、テラヘルツ波集光光学系51、ビーム合成素子50、電気光学結晶60、レーザ光源11、1/2波長板31、光路調整光学系32、レンズ52、1/4波長板53、ウォーラストンプリズム54及びバランス検出器55を含んで、テラヘルツ波の検出系が構成される。
試料配置部20には、例えば図9に断面図で示すような測定用器具71が配置される。図9に示す測定用器具71は、液体を含む試料Sを保持可能な容器72と、容器72の底部72aに載置自在な誘電体材料からなる窓部材74とを備える。容器72は、テラヘルツ波が透過するディッシュなどの汎用なプラスチック製容器が使用可能である。また、窓部材74は、図2及び図3で説明した窓部材24と同様に構成される。
本実施の形態によると、上述した実施の形態と同様に、試料Sの移し変えを行うことなく、試料Sの測定厚さを容易に所定の厚さとして、試料Sをテラヘルツ波により簡便に測定することが可能となる。
なお、図9は、試料Sとして液体試料を測定する場合を例示しているが、試料Sは液体試料に限らず、図10に示すように、容器72内で培養液Scfにより培養された培養細胞Scを測定することもできる。また、測定用器具71は、図11又は図12に示すように構成することもできる。
図11に示す測定用器具71は、図11(a)に断面図を、図11(b)に容器72の平面図をそれぞれ示すように、容器72の底部72aが平坦部72bと、平坦部72bから突出して直交する4方向に延在する4本の突起部72cとを有して構成される。突起部72cは、4方向に限らず、ほぼ等角度で離間した3方向でもよい。窓部材74は、突出する脚部は無く、平坦部74aのみから構成され、平坦部74aが容器72の突起部72cに当接するように載置される。
図12に示す測定用器具71は、図12(a)に断面図を、図12(b)に容器72の平面図をそれぞれ示すように、容器72の底部72aが平坦部72bと、平坦部72bから突出する3個の突起部72dとを有して構成される。突起部72dは、3個に限らず、4個以上でもよい。窓部材74は、図11の場合と同様に、平坦部74aのみから構成され、平坦部74aが容器72の突起部72dに当接するように載置される。なお、図11及び図12において、突起部72c及び72dは、5μm〜100μmの高さで形成される。
図11又は図12に示した測定用器具71を用いることにより、図9に示した測定用器具71を用いる場合と同様の作用効果が得られる。
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、第3実施の形態においては、電気光学結晶60、1/4波長板53、ウォーラストンプリズム54及びバランス検出器55に代えて、光伝導アンテナ、パイロエレクトリックセンサ、又はTHzカメラを用いてテラヘルツ波を検出してもよい。パイロエレクトリックセンサやTHzカメラを用いる場合は、プローブ光は不要となる。また、上記の培養液Scfはその中で細胞が生存できる液体あればどのようなものでも良く、例えばバッファでも良い。
11 レーザ光源
12 ビームスプリッタ
13 ポンプ光調整光学系
14 テラヘルツ波発生素子
15 テラヘルツ波集光光学系
20 試料配置部
21 測定用器具
22 容器
22a、22f、22g 底部
22b、22h、22i 開口部
22c 仕切り部
22d、22e 収容部
23、23a、23b 電気光学結晶
24、24c、24d 窓部材
24a 平坦部
24b 脚部
31 1/2波長板
32 光路調整光学系
33 ビームエキスパンダ
34 無偏光ビームスプリッタ
35 結像レンズ
36 対物レンズ
41 1/4波長板
42 1/2波長板
43、46 偏光ビームスプリッタ
44、45 光路調整光学系
47 カメラ
48 撮像素子
49 信号処理回路
50 ビーム合成素子
51 テラヘルツ波集光光学系
52 レンズ
53 1/4波長板
54 ウォーラストンプリズム
55 バランス検出器
60 電気光学結晶
71 測定用器具
72 容器
72a 底部
72b 平坦部
72c、72d 突起部
74 窓部材
74a 平坦部

Claims (17)

  1. 液体を含む試料を透過したテラヘルツ波を測定するのに用いる測定用器具であって、
    前記試料を保持可能な容器と、
    前記容器の底部に載置自在な誘電体材料からなる窓部材と、を備え、
    前記窓部材を前記底部に載置することにより、前記窓部材と前記底部との間に介在して前記テラヘルツ波を透過させる前記試料の測定厚さを制限可能に構成された測定用器具。
  2. 前記窓部材は、平坦部と、該平坦部から突出する脚部と、を備え、
    前記脚部を前記底部に当接させて前記窓部材を前記底部に載置することにより、前記試料が流動可能な状態で前記測定厚さを制限可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の測定用器具。
  3. 前記脚部は、5μm〜100μmの高さを有することを特徴とする請求項2に記載の測定用器具。
  4. 前記底部は、平坦部と、該平坦部から突出する突起部と、を備え、
    前記突起部に前記窓部材を当接させて該窓部材を前記底部に載置することにより、前記試料が流動可能な状態で前記測定厚さを制限可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の測定用器具。
  5. 前記突起部は、5μm〜100μmの高さを有することを特徴とする請求項4に記載の測定用器具。
  6. 前記窓部材は、水晶、サファイア、MgO、樹脂材料の少なくとも一つを含んでなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の測定用器具。
  7. 前記容器は、プラスチックからなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の測定用器具。
  8. 前記底部の少なくとも一部は、電気光学結晶を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の測定用器具。
  9. 請求項1乃至7のいずれかに記載の測定用器具を用いて、該測定用器具に保持された試料を測定する測定装置であって、
    前記測定用器具の上方又は下方から前記窓部材と前記底部との間に介在される前記試料にテラヘルツ波を照射する照射系と、
    前記試料を透過した前記テラヘルツ波を検出する検出系と、
    を備える測定装置。
  10. 請求項8に記載の測定用器具を用いて、該測定用器具に保持された試料を測定する測定装置であって、
    前記窓部材の上方から当該窓部材及び前記試料を経て前記電気光学結晶にパルス状のテラヘルツ波を照射する第1の照射系と、
    前記電気光学結晶の前記テラヘルツ波の照射領域に少なくとも一部が重なるように、前記電気光学結晶に前記テラヘルツ波よりも波長の短いパルス状の第2の電磁波を照射する第2の照射系と、
    前記電気光学結晶を経た前記第2の電磁波の偏光状態を検出する検出系と、
    を備える測定装置。
  11. 前記検出系は、前記電気光学結晶の上面近傍に合焦される光学系を有し、前記電気光学結晶を透過した前記第2の電磁波の偏光状態に基づく画像を検出することを特徴とする請求項10に記載の測定装置。
  12. 前記第2の電磁波は、近赤外光であることを特徴とする請求項10又は11に記載の測定装置。
  13. 請求項1乃至7のいずれかに記載の測定用器具を用いて、該測定用器具に保持された試料を測定する測定方法であって、
    前記測定用器具の上方又は下方から前記窓部材と前記底部との間に介在される前記試料にテラヘルツ波を照射するテラヘルツ波照射ステップと、
    前記試料を透過した前記テラヘルツ波を検出する検出ステップと、
    を含む測定方法。
  14. 請求項8に記載の測定用器具を用いて、該測定用器具に保持された試料を測定する測定方法であって、
    前記窓部材の上方から当該窓部材及び前記試料を経て前記電気光学結晶にパルス状のテラヘルツ波を照射するテラヘルツ波照射ステップと、
    前記電気光学結晶の前記テラヘルツ波の照射領域に少なくとも一部が重なるように、前記電気光学結晶に前記テラヘルツ波よりも波長の短いパルス状の第2の電磁波を照射する第2の電磁波照射ステップと、
    前記電気光学結晶を透過した前記第2の電磁波の偏光状態を検出する検出ステップと、
    を含む測定方法。
  15. 前記検出ステップは、前記電気光学結晶の上面近傍に光学系を合焦させて、前記電気光学結晶を透過した前記第2の電磁波の偏光状態に基づく画像を検出することを特徴とする請求項14に記載の測定方法。
  16. 前記試料は、細胞を含むことを特徴とする請求項13乃至15のいずれかに記載の測定方法。
  17. 前記細胞は、培養液またはバッファ中の培養細胞であることを特徴とする請求項16に記載の測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107611755A (zh) * 2017-10-13 2018-01-19 首都师范大学 间距可调的双等离子体产生高强度太赫兹波的系统和方法
CN110186874A (zh) * 2019-05-16 2019-08-30 天津大学 单层活细胞的太赫兹atr光谱快速测量装置及方法

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