JP2014190870A - 被加工材内部の収差測定方法及びレーザ加工方法 - Google Patents

被加工材内部の収差測定方法及びレーザ加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被加工材内部の収差を容易に、かつ正確に測定して定量化することができる被加工材内部の収差測定方法を提供する。
【解決手段】板状の被加工材の内部に集光用レンズ15bの集光点を合わせてレーザ光Lを照射し、内部に改質層を形成するための被加工材内部の収差測定方法であって、被加工材と同じ材質で、同じ厚さに形成された高屈折媒質の測定用加工材30にレーザ光Lを照射し、該測定用加工材30を透過したレーザ光Lを測定用加工材30の屈折率よりも低い屈折率を有する大気中に配置された光検出素子14で受け、光検出素子14でレーザ光Lの強度を電気信号に変換して測定用加工材30の収差を測定し、該測定結果を被加工材内部の収差とする。
【選択図】図1

Description

本発明は被加工材内部の収差測定方法及びレーザ加工方法に関するものであり、特に、半導体ウエハ等の被加工材の内部に集光用レンズによりレーザ光を照射し、内部に改質層を形成する際等に事前に被加工材内部における実際の収差を確認するのに用いられる被加工材内部の収差測定方法及びその測定されたデータに基づいて被加工材にレーザ光を照射し、被加工材内部に改質層を形成するレーザ加工方法に関するものである。
従来、半導体製造装置の製造において、所定の回路を縦横に整列配置させて形成された半導体ウエハを、その加工ライン(「ストリートライン」とも言う)に沿って縦横に切断して半導体チップ(半導体素子)を製造するステルスダイシング工程がある。
ステルスダイシングを用いた半導体チップ製造工程では、半導体ウエハの内部に集光用レンズの集光点を合わせて、レーザ光を加工ラインに沿って照射して半導体ウエハ内部に改質層を形成し、その後、半導体ウエハに外力を加え、改質層を起点に切断している。このような加工工程で、半導体チップの切断面を綺麗に仕上げるためには、半導体ウエハの内部に形成される改質層の深さが一定となるようにすることが重要である。
そこで、従来、半導体ウエハの表面高さを測定して集光用レンズと半導体ウエハまでの距離を知り、その半導体ウエハに対する集光用レンズの集光点を自動調整してレーザ光を照射することにより、半導体ウエハのほぼ一定の深さの位置に集光点が得られるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
また、集光用レンズの波面収差を考慮して集光用レンズの半導体ウエハに対する集光点を調整する技術も、従来から知られている(例えば、特許文献2〜特許文献6参照)。
特許第4813993号公報 特開2006−221764号公報 特開2006−107671号公報 特許2004−271365号公報 特開平08−219743号公報 特許第4332799号公報
しかしながら、半導体チップを製造するための半導体ウエハをステルスダイシングする加工において、半導体ウエハ内部の収差は集光用レンズの集光に大きな影響を及ぼすことが知られているが、特許文献1による加工では半導体ウエハ内部における収差は考慮されていない。これと同様に、従来のレーザ光を使用したステルスダイシングの加工では、被加工内部の収差の測定は実際に行わず、理論的に求め、集光用レンズの集光点はその理論上の収差に基づいて決定していた。そして、ステルスダイシングの加工を行った際に形成される実際の改質状況は、亀裂の延び、改質層の幅・色・凹凸等から間接的に判断をしていた。このため、実際に半導体ウエハを一度加工して確認をする必要があるので、時間がかかると共に定量化が難しいという問題点があった。
一方、集光用レンズの波面収差を考慮してなる、集光用レンズの集光点を調整する技術では、被加工材内部の収差は考慮していない。そのため、ここでの調整技術もステルスダイシングの加工を行った際に形成される改質状況は、実際に半導体ウエハを一度加工して確認をする必要があり、時間がかかると共に定量化が難しいという問題点があった。
そこで、被加工材内部の収差を容易に、かつ正確に測定して定量化することができる被加工材内部の収差測定方法、及びその測定方法で得られたデータに基づいて被加工材に対するレーザ光による加工を正確、かつ容易に行うことができるようにしたレーザ加工方法を提供するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、板状の被加工材の内部に集光用レンズの集光点を合わせてレーザ光を照射し、内部に改質層を形成するための被加工材内部の収差測定方法であって、前記被加工材と同じ材質で、同じ厚さに形成された高屈折媒質の測定用加工材にレーザ光を照射し、該測定用加工材を透過したレーザ光を前記測定用加工材の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折媒質内に配置された光検出素子で受け、該光検出素子でレーザ光の強度を電気信号に変換して前記測定用加工材の収差を測定し、該測定結果を前記被加工材内部の収差とする収差測定方法を提供する。
この方法によれば、例えば高屈折媒質である半導体ウエハ等の被加工材と同じ材質で、また同じ厚さに形成された測定用加工材、すなわち被加工材と同じ仕様の測定用加工材を使用し、その測定用加工材を実際に透過して来るレーザ光を、その測定用加工材の屈折率よりも低い屈折率の、例えば大気等の低屈折媒質内に配置された光検出素子で受け、その光検出素子でレーザ光の強度を電気信号に変換して集光特性を取得し、この集光特性を測定用加工材の収差として定量化(データ化)する。したがって、ここで使用された測定用加工材の材質及び厚さは、実際に加工される被加工材と同じであり、測定された収差は被加工材内の収差である。そして、ここでの測定値を定量化しておくことにより、被加工材における実際の収差を事前に確認しておくことができ、またステルスダイシング加工を行うような時には、その加工条件を基に、例えば補正環で集光レンズの集光点を光軸方向(Z
方向)に調整すると、集光点を被加工材内部の一定の深さ位置に合わせて改質層等を精度
良く形成することができる。
また、高屈折媒質を透過したレーザ光は、測定用加工材の屈折率よりも低い屈折率である低屈折媒質内に入ることによって、屈折角が大きな状態に戻される。そして、その大きな屈折角に戻されたレーザ光を光検出素子で検出することになるので、Z方向の検出感度が上がり、検出が容易になる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の被加工材内部の収差測定方法において、上記光検出素子を、大気中に配設して測定する被加工材内部の収差測定方法を提供する。
この方法によれば、光検出素子を大気中に配設することができるので、構造の簡略化が図れる。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の被加工材内部の収差測定方法において、上記測定用加工材を透過したレーザ光を、ピンホールを通して上記光検出素子で受ける被加工材内部の収差測定方法を提供する。
この方法によれば、測定用加工材を透過したレーザ光を、ピンホールを通して受光する
ことにより、不要な周辺光を遮断して、透過したレーザ光だけを精度良く測定することができる。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の被加工材内部の収差測定方法において、上記測定用加工材を上記集光用レンズと上記ピンホール及び上記光検出素子との間に配置し、かつ、前記測定用加工材に対して前記ピンホール及び光検出素子をX、Y、Z方向に移動させて測定する被加工材内部の収差測定方法を提供する。
この方法によれば、ピンホールと光検出素子をそれぞれ、測定用加工材に対してX、Y、Z方向に移動させて、その測定用加工材の収差を容易に測定することができる。
請求項5記載の発明は、請求項3記載の被加工材内部の収差測定方法において、上記測定用加工材と上記ピンホールと上記光検出素子を一体移動可能に配置し、前記集光レンズに対して前記測定用加工材と前記ピンホールと光検出素子をX、Y、Z方向に移動させて測定する被加工材内部の収差測定方法を提供する。
この方法によれば、測定用加工材とピンホールと光検出素子を一体に、集光レンズに対してX、Y、Z方向に移動させて、その測定用加工材の収差を容易に測定することができる。
請求項6記載の発明は、請求項3記載の被加工材内部の収差測定方法において、上記測定用加工材と上記ピンホール及び上記光検出素子を一体移動可能に配置し、前記集光レンズに対して前記測定用加工材と前記ピンホール及び光検出素子をX、Y方向に移動させるとともに、前記集光レンズをZ方向に移動させて測定する被加工材内部の収差測定方法を提供する。
この方法によれば、測定用加工材とピンホール及び光検出素子を一体に集光レンズに対してX、Y方向に移動させるとともに集光レンズをZ方向に移動させて、その測定用加工材の収差を容易に測定することができる。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の被加工材内部の収差測定方法において、上記測定用加工材を上記集光用レンズと上記ピンホール及び上記光検出素子との間に配置し、かつ、前記測定用加工材に対して前記ピンホール及び光検出素子をX、Y方向に移動させるとともに、前記集光レンズをZ方向に移動させて測定する被加工材内部の収差測定方法を提供する。
この方法によれば、測定用加工材を所定の位置に固定し、測定用加工材に対して、ピンホール及び光検出素子を一体にX、Y方向に移動させるとともに集光レンズをZ方向に移動させて、その測定用加工材の収差を容易に測定することができる。
請求項8記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の被加工材内部の収差測定方法で得られたデータに基づいて集光レンズの集光点を調整してレーザ加工を行うレーザ加工方法を提供する。
この方法によれば、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の測定方法で得られた測定値を定量化しておき、その測定結果から加工条件である収差を事前に確認し、その加工条件を基に補正環等により集光レンズの集光点を光軸方向(Z方向)に調整してステルスダイシング加工等を効果的に行うことが可能になる。
本発明によれば、実際に加工される被加工材と同じ材質で、同じ厚さに形成された測定用加工材を使用して、その測定用加工材内の収差を測定し、これを定量化しておくことにより、被加工材の加工条件である実際の収差を事前に確認することができる。そして、被加工材を実際に加工するときには、その定量化されたデータを考慮して例えば補正環で集光用レンズにおける集光点の調整を行うことにより、集光点を被加工材内部の一定の深さ位置に合わせて精度の良い加工を行うことが可能になる。また、測定用のレーザ光を高屈折媒質の測定用加工材を透過させた後、その測定用加工材の屈折率よりも低い屈折率で、レーザ光が大きな屈折角に戻る、大気中等の低屈折媒質内に配置される光検出素子により検出するので、Z方向の測定感度が上がり、また容易に測定することができる。これにより、測定精度の向上と作業性の向上が期待できる。
本発明の一実施形態に係る被加工材内部の収差測定方法を実施するための測定装置を概略的に示す全体斜視図ある。 同上測定装置のピンホールステージと光検出素子の配置構成を説明する図である。 集光用レンズの集光点が、測定用加工材の上面の位置(Pa点)にある場合に集光レンズの焦光点での収差量を説明する図で、(a)は集光レンズを通して測定用加工材の上面にレーザ光を照射している全体図を示し、(b)は(a)のA部拡大図、(c)は集光点Pa点での波面収差量(qR)を示す図である。 集光用レンズの集光点が、測定用加工材の下面の位置(Pb点)にある場合に集光レンズの焦光点での収差量を説明する図で、(a)は集光レンズを通して測定用加工材の上面位置にレーザ光を照射している全体図を示し、(b)は(a)のB部拡大図、(c)は集光点Pb点での波面収差量(qR)を示す図である。 集光用レンズの集光点が、測定用加工材を透過した後の位置(Pc点)にある場合に集光レンズの焦光点での収差量を説明する図で、(a)は集光レンズを通して測定用加工材にレーザ光を照射している全体図を示し、(b)は(a)のC部拡大図、(c)は集光点Pc点での波面収差量(qR)を示す図である。 データの取得方法を説明する図で、(a)は一平面上で得られたデータを模式的に示し、(b)は複数平面を蓄積したデータを模式的に示している。 測定装置の一変形例を説明する図である。 測定装置の別の変形例を説明する図である。 測定装置の更に別の変形例を説明する図である。
本発明は、加工材内部の収差を容易に、かつ正確に測定して定量化することができる被加工材内部の収差測定方法を提供するという目的を達成するために、板状の被加工材の内部に集光用レンズの集光点を合わせてレーザ光を照射し、内部に改質層を形成するための被加工材内部の収差測定方法であって、前記被加工材と同じ材質で、同じ厚さに形成された高屈折媒質の測定用加工材にレーザ光を照射し、該測定用加工材を透過したレーザ光を前記測定用加工材の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折媒質内に配置された光検出素子で受け、該光検出素子でレーザ光の強度を電気信号に変換して前記測定用加工材の収差を測定し、該測定結果を前記被加工材内部の収差とする、ようにしたことにより実現した。
以下、図面を参照して本発明に係る被加工材内部の収差測定方法の実施例を説明する。
図1は本発明に係る被加工材内部の収差測定方法を実施するための測定装置を概略的に示す全体斜視図である。
図1において、測定装置10は、半導体チップの製造において、所定の回路が縦横に整列配置形成された、被加工材の内部、すなわち半導体ウエハ内部の収差を測定するためのものである。この測定装置10では、高屈折媒質である半導体ウエハの材質、例えば屈折率が3.6程度であるSi(シリコン)と同じ材質で、また同じ厚み(例えば、400μm)で形成された板状の測定用加工材30を使用して測定する。
前記測定装置10は、X方向に移動可能なXステージ11aとY方向に移動可能なYステージ11bを有するXYステージ11と、光軸方向(Z方向)に移動可能なZステージ12と、該Zステージ12上に配設されたピンホールステージ13及び光検出素子14と、ピンホールステージ13の上方に固定して配設された集光ユニット15と、測定装置10の全体を制御する制御部16と、で構成されており、集光ユニット15とピンホールステージ13の間に上記測定用加工材30が配設されるようになっている。また、Zステージ12はXYステージ11上に取り付けられている。したがって、Zステージ12上に配設されたピンホールステージ13及び光検出素子14は、XYステージ11及びZステージ12の動作により、X、Y、Zの3方向に移動する。
前記制御部16は、測定装置10の全体を決められた手順に従って制御するものであり、各種の演算等を行うCPU16aと、該CPU16aにおいて用いられるプログラム等が記憶されたROM及び光検出素子で測定されたデータを一時記憶しておく読み書き可能なRAM等を備えるメモリ16bと、各種データの授受を行うI/Oインターフェース16c等により構成されている。また、制御部16では、前記Xステージ11a、Yステージ11b、Zステージ12の各移動を制御する。
前記集光ユニット15は、レーザ光Lを発生するレーザ光源15aと、該レーザ光源15aの下側に配置され、そのレーザ光源15aからのレーザ光Lを集光して測定用加工材30に向けて照射する集光用レンズ15bとを備えている。なお、集光用レンズ15bは対物レンズである。また、ここでの集光ユニット15、すなわちレーザ光L及び集光用レンズ15bは、ステルスダイシング加工を行うレーザ加工装置におけるレーザ光(例えば、赤外線レーザ光)及び集光用レンズと同一のものを使用し、集光用レンズ15bは波面収差のない理想的なレンズであると仮定する。
図2に示すように、前記ピンホールステージ13には、集光用レンズ15bの光軸方向に貫通されたピンホール13aが形成されている。ピンホール13aは、例えば直径が約0.2μmである。また、ピンホール13aの下側には、前記光検出素子14がピンホールステージ13に固定して取り付けられている。光検出素子14は、ピンホール13aを通って入射されるレーザ光Lを受けて、そのレーザ光Lの強さを電気信号に変換して制御部16に出力するようになっている。
次に、このように構成された測定装置10の作用を説明する。まず、図1に示すように測定用加工材30を集光ユニット15とピンホールステージ13との間に固定して配置する。測定用加工材30のセットが終了したら、制御部16が集光ユニット15のレーザ光源15aを起動させ、レーザ光源15aから測定用のレーザ光Lを発生させるとともに、このレーザ光Lを集光用レンズ15bで集光させて測定用加工材30に照射する。この照射されたレーザ光Lは測定用加工材30を透過し、ピンホールステージ13上に向かう。
また、集光ユニット15によるレーザ光Lの照射と同時に、Zステージ12を固定した状態で、XYステージ11のXステージ11a及びYステージ11bをそれぞれX、Y方向に移動させて、ピンホール13aを光検出素子14と共にレーザ光Lに対してX、Y平面でスキャンする。そして、ピンホール13aを通って入射されるレーザ光Lを光検出素
子14で順次受ける。光検出素子14では、その受けたレーザ光Lの量(光量)に応じた電気信号を制御部16に出力する。
そのスキャンでは、例えば集光用レンズ15bの集光点が、図3(a)及び(b)に示すように測定用加工材30の上面の位置(Pa点)にある場合は、位置(Pa点)での波面収差は0になる。なお、図3の(c)は集光点Pa点での波面収差量(qR)を示している。
また、集光用レンズ15bの集光点が、図4(a)及び(b)に示すように測定用加工材30の下面の位置(Pb点)にある場合の波面収差は、(c)に集光点Pb点での波面収差量(qR)で示すような状態になる。
また、集光用レンズ15bの集光点が、図5(a)及び(b)に示すように測定用加工材30を透過した後の位置(Pc点)にある場合の波面収差は、(c)に集光点Pb点での波面収差量(qR)で示すような状態になる。
そして、制御部16では、Zステージ12を固定した状態で、Xステージ11a及びYステージ11bをX、Y方向に移動させて、そのX、Y平面内で、ピンホール13a及び光検出素子14をレーザ光Lに対してスキャンさせる。そして、このスキャン時に光検出素子14で検出されたレーザ光の強度分布データを取得する。図6(a)は1つのX、Y平
面で取得されたレーザ光強度分布データである。制御部16は、そのレーザ光強度分布データの中から最大光量(ピーク光量)Pzを算出するとともに、その最大光量Pzを与える点が最大光量に対して一定の割合(例えば13.5%)となる部分、例えば図6(a)中に符号Sで示す部分の面積を算出し、それを定量化(データ化)してメモリ16bに記憶する。
次いで、Zステージ12を微少量移動、すなわちピンホール13aと光検出素子14を光軸方向(Z方向)に微少量移動させ、移動後、再びZステージ12を固定した状態で、Xステージ11a及びYステージ11bをX、Y方向に移動させて、レーザ光Lに対してピンホール13a及び光検出素子14をX、Y平面でスキャンし、レーザ光強度分布データを取得する。また、取得後は、前と同様に、そのレーザ光強度分布データの中から最大光量(ピーク光量)Pzを算出するとともに、その最大光量Pzを与える点が最大光量に対して一定の割合、すなわち13.5%となる部分Sの面積を算出し、データ化してメモリ16bに記憶する。以後、同じ動作を繰り返し、図6(b)に示すように、繰り返される度毎に得られるデータを順にメモリ16bに記憶し、最大光量に対して一定の割合なる部分の面積を集光特性の値として、これから測定用加工材30の収差を求める。この測定用加工材30の収差は、被加工材の収差である。こうすることにより、被加工材の加工条件である被加工材内部の実際の収差を事前に確認することができる。
したがって、この実施例の被加工材内部の収差を測定する方法によれば、例えば高屈折媒質である半導体ウエハ等の被加工材と同じ材質で、また同じ厚さに形成された測定用加工材30、すなわち被加工材と同じ仕様の測定用加工材30を使用し、その測定用加工材30を実際に透過して来るレーザ光Lを、その測定用加工材30の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折媒体である大気内において光検出素子14で受けるようにしている。高屈折媒質を出て低屈折媒質に入ったレーザ光Lは屈折角が大きくなり、この屈折角が大きくなったレーザ光を光検出素子14で受け、これを電気信号に変換して集光特性を取得するので、Z方向の測定の感度が上がり、また容易に行うことができる。
なお、光検出素子14が配置されるのは、必ずしも大気中で無くても、測定用加工材30の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折媒質内であればよい。また、光検出素子14は、測定用加工材30を実際に透過して来るレーザ光Lを、必ずしもピンホール13を通して受光しなくも良いが、ピンホール13を通して受光した場合では周辺光を遮光するこ
とができるので、精度の良い測定が行える。さらに、ピンホールを通して受光する以外に、CCD等のイメージセンサを使用して受光するようにしてもよい。
また、半導体ウエハ等の被加工材の内部に集光用レンズによりレーザ光を照射し、半導体ウエハ内部に改質層を形成するステルスダイシング加工を行う場合では、被加工材の加工条件である実際の収差(集光特性)を事前に確認し、その加工条件を基に補正環で集光レンズの集光点を光軸方向(Z方向)に調整して加工を行う。これにより、集光レンズの集光点を被加工材内部の一定の深さ位置に合わせて改質層等を精度良く形成することができる。
なお、上記実施例では、ピンホール13a及び光検出素子14を光軸方向に微小量移動させ、その後、レーザ光Lに対してピンホール13a及び光検出素子14をX、Y方向にスキャンする手段として、Zステージ12をXYステージ11上に配置し、そのZステージ12上にピンホールステージ13及び光検出素子14を配置してなる構造を開示したが、この構造に限定されるものではなく、例えば図7,図8、図9に示すような構成にしても良いものである。
すなわち、図7に示す構成は、ピンホールステージ13上に測定用加工材30を取り付け、Xステージ11aとYステージ11bとピンホールステージ13と光検出素子14と測定用加工材30が、一体に移動するようにしたものである。この構成では、集光レンズ15に対して測定用加工材30とピンホール13a及び光検出素子14をX、Y平面でスキャンし、一面でのスキャンが終了したらZステージ12により測定用加工材30とピンホールステージ13及び光検出素子14を一体に光軸方向(Z方向)に移動させ、その後、再び測定用加工材30とピンホール13a及び光検出素子14をX、Y平面でスキャンして測定する。
図8に示す構成は、XYステージ11上にYステージ11bに固定された固定ステージ18を設け、この固定ステージ18上に、ピンホールステージ13と光検出素子14と測定用加工材30を一体移動可能に配置するとともに、集光ユニット15側にZステージ12を設けたものである。この構成では、集光レンズ15に対して測定用加工材30とピンホール13a及び光検出素子14をX、Y平面でスキャンし、一面でのスキャンが終了したらZステージ12により集光ユニット15を光軸方向(Z方向)に移動させ、その後、再び測定用加工材30とピンホール13a及び光検出素子14をX、Y平面でスキャンして測定する。
図9の構成は、XYステージ11上にYステージ11bに固定された固定ステージ18を設け、この固定ステージ18上にピンホールステージ13及び光検出素子14一体移動可能に取り付けるとともに、集光ユニット15側にZステージ12を設け、かつ、測定用加工材30を集光ユニット15(集光用レンズ15b)とピンホールステージ13(ピンホ
ール13a)及び光検出素子14との間に配置したものである。この構成では、集光レン
ズ15及び測定用加工材30に対してピンホール13aと光検出素子14をX、Y平面でスキャンし、一面でのスキャンが終了したら、Zステージ12により集光ユニット15を光軸方向(Z方向)に移動させ、その後、再びピンホール13a及び光検出素子14をX、Y平面でスキャンして測定する。
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
本発明は半導体ウエハ内の収差を測定する以外にも、レーザ加工される板状材の収差を
測定する場合にも応用できる。
10 レーザ加工装置
11 XYステージ
11a Xステージ
11b Yステージ
12 Zステージ
13 ピンホールステージ
13a ピンホール
14 光検出素子
15 集光ユニット
15a レーザ光源
15b 集光用レンズ
16 制御部
16a CPU
16b メモリ
16c I/Oインターフェース
18 固定ステージ
30 測定用加工材
L レーザ光
Pz 最大光量
S 最大光量に対して一定の割合となる部分

Claims (8)

  1. 板状の被加工材の内部に集光用レンズの集光点を合わせてレーザ光を照射し、内部に改質層を形成するための被加工材内部の収差測定方法であって、
    前記被加工材と同じ材質で、同じ厚さに形成された高屈折媒質の測定用加工材にレーザ光を照射し、該測定用加工材を透過したレーザ光を前記測定用加工材の屈折率よりも低い屈折媒質内に配置された光検出素子で受け、該光検出素子で前記測定用加工材の収差を測定し、該測定結果を前記被加工材内部の収差とすることを特徴とする被加工材内部の収差測定方法。
  2. 上記光検出素子を、大気中に配設して測定することを特徴とする請求項1記載の被加工材内部の収差測定方法。
  3. 上記測定用加工材を透過したレーザ光を、ピンホールを通して上記光検出素子で受けることを特徴とする請求項1または請求項2記載の被加工材内部の収差測定方法。
  4. 上記測定用加工材を上記集光用レンズと上記ピンホール及び上記光検出素子との間に配置し、かつ、前記測定用加工材に対して前記ピンホール及び光検出素子をX、Y、Z方向に移動させて測定することを特徴とする請求項3記載の被加工材内部の収差測定方法。
  5. 上記測定用加工材と上記ピンホールと上記光検出素子を一体移動可能に一体化し、前記集光レンズに対して前記測定用加工材と前記ピンホールと光検出素子をそれぞれX、Y、Z方向に移動させて測定することを特徴とする請求項3記載の被加工材内部の収差測定方法。
  6. 上記測定用加工材と上記ピンホールと上記光検出素子を一体移動可能に配置し、前記集光レンズに対して前記測定用加工材と前記ピンホール及び光検出素子をX、Y方向に移動させるとともに、前記集光レンズをZ方向に移動させて測定することを特徴とする請求項3記載の被加工材内部の収差測定方法。
  7. 上記測定用加工材を上記集光用レンズと上記ピンホール及び上記光検出素子との間に配置し、かつ、前記測定用加工材に対して前記ピンホール及び光検出素子をX、Y方向に移動させるとともに、前記集光レンズをZ方向に移動させて測定することを特徴とする請求項6記載の被加工材内部の収差測定方法。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の被加工材内部の収差測定方法で得られたデータに基づいて集光レンズの集光点を調整して被加工材にレーザ光を照射し、該被加工材内部に改質層を形成することを特徴とするレーザ加工方法。
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