JP2014190297A - ピストン及びピストンの状態検知装置 - Google Patents

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Naohito Fujinaga
尚人 藤永
Hideo Nakai
英夫 中井
Yoshiyuki Hoshiba
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Abstract

【課題】ピストン移動部30の止め部材31と係合溝35の係合状態に不具合が生じた場合に、即時に検知できるようにする。
【解決手段】ストローク方向に相対移動可能なピストン基部20とピストン移動部30とを備え、ピストン基部20の筒状周壁33の内面の係合溝35に止め部材31が係止され、止め部材31がピストン基部20に当接して相対移動が規制される。ピストン基部20に磁石63を、ピストン移動部30にはコイル61を備え、コイル61を含む電気回路60がピストン移動部30とピストン基部20との間に配設される。電気回路60は、止め輪31と係合溝35の係合状態に不具合が生じた際に断線する状態検出部bを備える。コイル61と磁石63とが相対移動を繰り返す間、電気回路60には誘導電流が流れる。止め輪31と係合溝35の係合状態に不具合が生じると、電気回路60の状態検出部bが断線するので、電気回路60の電流の有無によって、ピストン10の状態を検知できる。
【選択図】図1

Description

この発明は、内燃機関のピストン及びピストンの状態検知装置に関するものである。
従来の内燃機関のピストンとして、ピストンヘッド側のアウタピストンと、コンロッド側のインナピストンとを別部材で構成したものがある。
このピストンは、例えば、コンロッドに連結されるピストンボス部を有するインナピストン(以下、「ピストン基部」と称する。)に対して、アウタピストン(以下、「ピストン移動部」と称する)が、ピストンのストローク方向に沿って相対移動可能な構造となっている。ピストンヘッドは、ピストン移動部の頂部に設けられている。
ピストン移動部は筒状周壁を有し、その筒状周壁の内側にピストン基部が収容されている。また、ピストン基部とピストン移動部との間には皿バネが収容されている。燃焼室内の圧力が大きくなると、その圧力によって皿バネが縮むことでピストン移動部がピストン基部側に移動する。これにより、燃焼室内が意図する圧力を超えないようにしている
また、ピストン移動部の筒状周壁の内面には、周方向に沿って係合溝が設けられている。この係合溝に、スナップリングからなる止め部材が係止されている。このため、皿バネの弾性力で、ピストン基部とピストン移動部とが互いに離れる方向へ相対移動し、止め部材がピストン基部の底に当接することで、それ以上離れる方向への移動が制限される(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平6−17665号公報 特開2012−137060号公報
上記特許文献1,2に記載の発明では、ピストン移動部とピストン基部とが互いに最も離れる位置に来ると、止め部材がピストン基部の底に当接する。長期間に亘って機関を使用していると、止め部材がピストン基部に当接する回数も相当なものとなる。
このため、例えば、潤滑油の管理等、予め定められた充分なメンテナンスを受けられない環境で長期間使用が継続すると、あるいは、想定以上の過大な負荷が継続して作用すると、止め部材や筒状周壁の係合溝付近等において、部材が磨耗や亀裂等により係合にがたつき等が生じてしまい、想定した圧縮比が実現しなかったり、異音が発生したりという不具合が想定される。止め部材や係合溝には繰り返し応力が作用し、また、係合溝付近は、筒状周壁の他の部分よりも肉薄になっているからである。
しかし、ピストンの状態は、シリンダを分解しなければ視認することができず、外部からは即時に把握することが困難である。
そこで、この発明は、ピストン基部とピストン移動部との相対移動を制限する止め部材と係合溝との係合状態を検知できるようにすることを課題とする。
上記の課題を解決するために、この発明は、コンロッドに連結されるピストンボス部を有するピストン基部と、先端部にピストンヘッドを形成した筒状周壁を有するピストン移動部より成り、前記ピストン基部は前記ピストン移動部の筒状周壁内にストローク方向に相対移動可能に収容されて、前記筒状周壁内面に形成した係合溝に保持された止め部材に前記ピストン基部の前記コンロッド側が当接することにより、前記ピストン移動部の移動が制限されるようにしたピストンにおいて、前記ピストン基部に設けられる磁石と、前記ピストン移動部に設けられる前記磁石に対向するコイルを含み、前記ピストン移動部と前記ピストン基部とにわたって配線される電気回路とを設ける構成を採用したのである。
機関の運転によって、コイルと磁石とが相対移動を繰り返す間、電気回路には誘導電流が流れる。しかし、仮に、止め部材と係合溝の係合にがたつき等の不具合が生じると、その不具合によって電気回路の状態検出部が断線し、誘導電流が流れなくなる。あるいは、断線に至らない場合でも、誘導電流が相対的に弱いものとなる。このため、電気回路を流れる誘導電流の有無や、その誘導電流の値の変化によって、ピストンの状態を即時に検知できる。
この構成において、前記係合溝は前記筒状周壁内周に設けられた周溝であり、前記止め部材は前記周溝に嵌る環状のスナップリングであり、前記電気回路の一部は前記周溝に沿って配置されて、前記周溝に沿う部分の電気回路に、前記止め部材と前記係合溝の係合状態により断線する状態検出部を設けることができる。
ピストン移動部の筒状周壁に設けられた周溝付近は、筒状周壁の他の部分よりも肉薄になっている場合が多い。このため、周溝の伸びる方向に沿って電気回路を配線し状態検出部とすれば、止め部材と係合溝の係合状態の不具合時に、電気回路に断線を生じさせやすい。
また、前記ピストン基部の外縁部に回り止め凸部を、前記ピストン移動部の前記筒状周壁に前記回り止め凸部が収容される回り止め係合部を備え、前記回り止め凸部と前記回り止め係合部とで前記ピストン移動部と前記ピストン基部との相対回転を規制している場合においては、前記状態検出部は前記回り止め係合部の周囲に設けられることが望ましい。
回り止め係合部付近は、ピストン移動部の筒状周壁のうち大きな力が作用しやすい場所であるため、止め部材と係合溝の係合状態の不具合が起こりやすい。このため、状態検出部を回り止め係合部の周囲に設けることで、早期に止め部材と係合溝の係合状態の不具合を検出することができる。
これらの各構成において、前記ピストン移動部に、前記ストローク方向に沿って突出する凸部を備え、前記ピストン基部には、前記凸部とスライド可能に嵌合する嵌合部を備え、前記コイルは前記凸部に、前記磁石は前記嵌合部に設けられる構成とすることができる。
凸部と嵌合部は、ピストン基部とピストン移動部とのストローク方向への相対移動をガイドする機能を発揮できるので、そのガイドする部分に磁石とコイルとを配置することで、正常時において、電気回路に安定した誘導電流を生じさせる効果が期待できる。
これらの各構成からなるピストンを内燃機関のシリンダ内に備え、前記ピストン基部のピストンボス部とクランクシャフトとがコンロッドで接続されて前記ピストンは前記シリンダ内で進退自在であり、前記コイルと前記磁石との相対移動に伴い前記電気回路に流れる誘導電流をシリンダ外から検知できる検出手段を備えたピストンの状態検知装置とすることができる。
検出手段は、電気回路に流れる電流の有無、あるいは、流れる電流の値を、シリンダ外から直接的又は間接的に検知できる機能を有していればよい。検出手段としては、例えば、電磁ピックアップセンサ等を用いることができる。
例えば、前記検出手段は、前記コンロッドに配置され前記電気回路に流れる誘導電流によって電圧が誘起される二次回路、及び、前記クランクシャフトに配置され前記二次回路に流れる電流によって電圧が誘起される三次回路を通じて、前記電気回路に流れる電流をシリンダ外から検知できるものとすることができる。
クランクシャフトに設けられた三次回路は燃焼室から離れているので、三次回路に対しては検出手段を配置しやすい。すなわち、より燃焼室に近い電流回路に対して検出手段を設けるよりも、クランクケース側の三次回路に対して、検出手段を設けることが容易である。
この発明によれば、ピストン基部とピストン移動部との相対移動を制限する止め部材と係合溝の係合状態を電気回路に流れる誘導電流によって、即時に検知することができる。
この発明の一実施形態を示すピストン及びピストンの状態検知装置の断面図である。 図1の側面図である。 同実施形態のピストンを示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。 同実施形態のピストンの分解斜視図である。 (a)はピストン移動部がピストン基部から遠ざかった際の断面図、(b)はピストン移動部がピストン基部に近づいた際の断面図である。
この発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。ここでは、自動車用の4サイクルガソリンエンジンを例に、ピストン10、そのピストン10を用いたピストンの状態検知装置の構成について、順に説明する。なお、図面では、理解がしやすいように、ピストン10の細部やエンジンの構成など、その一部を簡略化して示している。
ピストン10は、図1に示すように、ピストン基部20と、ピストン基部20とは別部材で構成されるピストン移動部30とを備えている。ピストン移動部30は、ピストン基部20に対して、ピストン10のストローク方向に相対移動可能となっている。
ピストン基部20は、本体部21と、本体部21から下方へ(クランクシャフト41側へ)突出するピストンボス部25を備えている。ピストンボス部25には、ピストンピン24を介してコンロッド40が接続される。この実施形態では、コンロッド40はピストンピン24を介してピストン基部20に連結されるので、ピストンボス部25には、ピストンピン24が挿通される孔25aが形成されている。
また、本体部21のピストンボス部25側の反対側の面には、上方へ(シリンダヘッド側)へ突出する側壁部22が形成されている。本体部21とピストンボス部25、及び側壁部22は、一体に形成されている。この実施形態では、本体部21は、平面視円形であり、ストローク方向に一定の厚みを有する形状である。また、側壁部22は筒状を成し、本体部21の平面視中央部に設けられている。前記側壁部22で囲まれた内側が嵌合部23として機能するようになっている。
ピストン移動部30は、シリンダヘッド側に位置するピストンヘッド36と、ピストンヘッド36の周縁部からクランクシャフト41側へ立ち上がる筒状周壁33、ピストンヘッド36の平面視中央部から同方向へ立ち上がる凸部32とを備えている。ピストンヘッド36と筒状周壁33、及び凸部32は、一体に形成されている。
ピストン基部20は、ピストン移動部30の筒状周壁33の内側空間内に収容される。また、ピストン移動部30の凸部32は、ピストン基部20の嵌合部23にスライド可能に嵌合する。これにより、ピストン移動部30はピストン基部20に対して、前記ピストン10のストローク方向に沿って往復動が可能である。
ピストン基部20とピストン移動部30との間には、皿バネ34が収容されている。皿バネ34は、ピストン移動部30を、ピストン基部20に対してシリンダヘッド側へ付勢する。
なお、平面視におけるピストン基部20の本体部21の外縁の形状(スライド方向に垂直な面の形状)は、円形である。また、平面視におけるピストン移動部30の内周面によって形成される形状は、同じく円形である。
嵌合部23の平面視形状、すなわち、側壁部22の内縁によって形成される形状は、凸部32の平面視形状と相似であり、また、前記嵌合部23内で凸部32がスライドできる隙間だけ大きい形状となっている。この実施形態では、嵌合部23及び凸部32の平面視形状を円形としている。
ピストン基部20の本体部21とピストン移動部30との間には、ピストン10の周方向への相対回転を規制する回り止め手段50を配置している。
回り止め手段50は、ピストン基部20の外縁部において外径方向に突出する回り止め凸部51と、ピストン移動部30の筒状周壁33の下端に設けられる切欠きからなる回り止め係合部52とを備える。回り止め凸部51が回り止め係合部52に収容されることで、ピストン移動部30とピストン基部20との相対回転を規制している。
回り止め係合部52の態様は、この実施形態のように、筒状周壁33の裾部に設けられる切欠きであってもよいし、その他、筒状周壁33に設けられる孔や、筒状周壁33の内面に設けられる溝等、回り止め凸部51が係合して回り止め機能を発揮できる形状であればよい。
なお、嵌合部23及び凸部32の平面視形状を非円形とすることで、ピストン移動部30はピストン基部20との回り止め機能を発揮させることもできる。
ピストン移動部30の筒状周壁33の内面には、係合溝35が設けられている。この実施形態において、係合溝35は、回り止め係合部52を設けた部分を除き、回り止め係合部52に露出した状態で筒状周壁33の内面全周に亘って連続的に設けられている周溝である。
この係合溝35に、止め部材として、周方向1箇所に開口部を有する環状の止め輪(スナップリング)31が係止されている。ピストン基部20とピストン移動部30とが互いに離れる方向へ相対移動し、止め輪31がピストン基部20の本体部21の底(コンロッド側)に当接することで、それ以上離れる方向への移動が制限される。
ピストン基部20の本体部21には磁石63が備えられている。磁石63は永久磁石である。ピストン移動部30の凸部32には、磁石63に対向するコイル61が備えられている。磁石63とコイル61は、それぞれ、本体部21や凸部32の金属に埋込固定されているが、接着固定や嵌め込み固定等の他の固定方法としてもよい。
コイル61を含む電気回路60が、ピストン移動部30とピストン基部20との間に配設されている。電気回路60は、図3(a)及び図4に示すように、コイル61の一端に接続された導線が、ピストンヘッド付近に配設された水平方向の上端取付部d1、筒状周壁33に配設された上下方向の上下取付部f1を介して、筒状周壁33の係合溝35に沿って配設された環状部a1に至る。なお、図3(b)では、導線の一部を省略して記載している。
導線は、環状部a1から連結部e1を介して、ピストン基部20側のコイル62の一端に至る。コイル62の他端は、連結部e2の導線に接続されて、導線は、ピストン移動部30側の環状部a2に至る。さらに、導線は、環状部a2から、筒状周壁33に配設された上下方向の上下取付部f2、ピストンヘッド付近に配設された水平方向の上端取付部d2を通じて、コイル61の他端に接続されている。
電気回路60は、環状部a1,a2の途中に状態検出部bを備える。この実施形態では、状態検出部bとして、係合溝35が露出する回り止め係合部52の切欠きを構成する対の壁面に、銅等の導電体をコーティングすることで構成している。対向する状態検出部b,b間は、回り止め係合部52の切欠きを迂回する導線である連結部cで接続されている。
状態検出部bは、ピストン移動部30の筒状周壁33の部材のうち、回り止め係合部52付近の止め輪31と係合溝35の係合状態が磨耗や亀裂等によりがたつき等が生じた際に、状態検出部bが電気的に切断され、電気回路60が断線するようになっている。導電体のコーティングによって状態検出部bを構成したため、導線を固定した他の部位よりも、相対的に断線しやすい状態となっている。
回り止め係合部52付近は、ピストン移動部30の筒状周壁33のうち、比較的大きな力が作用しやすい場所である。止め輪31が、ピストン基部20への当接を繰り返すことにより、筒状周壁33の係合溝35付近に大きな力が作用する上、その係合溝35は、回り止め係合部52の所で、周方向に途切れた状態となっているからである。さらに、ピストン基部20の周り止め凸部51が、回り止め係合部52内でストローク方向へ進退を繰り返すことにより、回り止め係合部52の対の壁面にも大きな力を作用させるからである。
このため、状態検出部bを、最も大きな力が作用し、がたつき等が生じやすい回り止め係合部52の周囲に設けることで、早期に止め部材と係合溝の係合状態の不具合を検出することができる。
これらの構成からなるピストン10が、図1に示すように、エンジンのシリンダブロック内に形成されたシリンダ11に収容される。ピストン基部20のピストンボス部25とコンロッド40の小端部とが、ピストンピン24を介して接続される。また、コンロッド40の大端部は、クランクピン42を介して、クランクケース内のクランクシャフト41に接続される。
ピストン10は、燃焼室の圧力をピストンヘッド36に受けることで、そのシリンダ11内をストローク方向に沿ってクランクシャフト41側へ移動する。この移動が、コンロッド40を介してクランクシャフト41に伝達され、クランクシャフト41が回転する。その後、クランクシャフト41の回転とともに、ピストン10はシリンダヘッド側へ戻る。
このとき、ピストン基部20はコンロッド40を介してクランクシャフト41に連結されているので、ピストン基部20が、シリンダ11内面の周方向に沿って回転することはない。また、前述の回り止め機能によって、ピストン移動部30も同方向には回転しない。
燃焼室内での燃料の燃焼により、ピストン10がシリンダ11内で進退を繰り返す。燃焼行程において、ピストン10がクランクシャフト41側へ後退する際に、燃焼室内の圧力が高まる。燃焼室内の圧力が一定以上になると、その圧力によって皿バネ34が縮むことで、ピストン移動部30がピストン基部20側へ移動する。これにより、燃焼室内が意図する圧力を超えないようになっている。また、排気行程に移行した後、燃焼室内の圧力が低くなり、皿バネ34の弾性力で、ピストン移動部30がピストン基部20から遠ざかる側へ移動する。
ピストン移動部30とピストン基部20とがストローク方向へ相対移動を繰り返すと、コイル61と磁石63も同方向への相対移動を繰り返す。この相対移動に伴い、電気回路60には誘導電圧を生じ、電気回路60の閉回路に一方向、他方向への誘導電流が交互に誘起される状態となる。
しかし、万が一、ピストン10の止め輪31と係合溝35の係合状態に不具合が生じれば、状態検出部bにおいて電気回路60は断線し、以後、誘導電流は流れない状態となる。
シリンダ内外には、電気回路60に誘導電流が流れているかどうかを検知できる検出流手段が備えられている。検出手段が、電流の有無を検知することにより、シリンダ外において、この内燃機関を搭載する自動車が備える電子制御ユニット(ECU)45が、ピストン10の状態を検知することができる。
検出手段は、電気回路60に流れる誘導電流の有無や誘導電流の値の変化を、シリンダ外から直接的又は間接的に検知できる機能を有していればよい。
この実施形態では、検出手段として、コンロッド40に配置され電気回路60に流れる励磁電流によって電圧が誘起される二次回路70、及び、クランクシャフト41に配置され二次回路70に流れる電流によって電圧が誘起される三次回路80、及び、三次回路80に流れる電流の有無を検知するセンサ44を用いている。センサ44としては電磁ピックアップセンサを用いているが、他のセンサを用いてもよい。
図1及び図2に示すように、二次回路70は、コンロッド40の小端部のピストンピン24用の孔25a周囲に埋め込まれたコイル71と、大端部のクランクピン42用の孔周囲に埋め込まれたコイル72とが、導線73で結ばれて閉回路を構成している。三次回路80は、クランクシャフト41のクランクウェブ46におけるクランクピン42用の孔周囲に埋め込まれたコイル81と、クランクジャーナル43用の孔周囲に埋め込まれたコイル82とが、導線83で結ばれて閉回路を構成している。
図2に示すように、電気回路(一次回路)60のコイル62と、二次回路70のコイル71とは、ピストンピン24の軸方向に対向している。二次回路70のコイル72と、三次回路80のコイル81とは、クランクピン42の軸方向に対向している。また、三次回路80のコイル82とセンサ44とは、クランクジャーナル43の軸方向に対向している。
センサ44から伸びるケーブル47はシリンダ外に引き出されている。センサ44が検出する情報は、このケーブル47を介して電子制御ユニット45で取得可能である。
正常時、機関の運転によって、コイル61と磁石63とが相対移動を繰り返す間、電気回路60には誘導電流が流れる。このとき、電気回路60のコイル62と二次回路70のコイル71とが対向しているので、二次回路70にも誘導電流が流れる。また、二次回路70のコイル72と三次回路80のコイル81とが対向しているので、三次回路80にも誘導電流が流れる。
三次回路80を流れる誘導電流により、コイル82は、クランクジャーナル43周りに磁界を発生させる。コイル82による磁界は、クランクシャフト41のクランクピン42周りの回転によって、その位置が変化する。磁界の変化を電磁ピックアップセンサが検知すると、電子制御ユニット45は、電気回路60が断線していない、すなわち、ピストン10は正常であると判断する。
仮に、ピストン10の止め輪31と係合溝35の係合状態に不具合が生じ、電気回路60が、状態検出部bにおいて断線したとする。電気回路60には誘導電流が流れていない状態が継続する。すると、二次回路70、三次回路80にも電流は流れなくなり、電子制御ユニット45は、センサ44を通じて電気回路60が断線している、すなわち、ピストン10に不具合が生じていると判断する。
電子制御ユニット45が、ピストン10の異常を判断すると、電子制御ユニット45の指令により、内燃機関の運転は停止されるように設定されている。
上記の実施形態では、状態検出部bを、ピストン移動部30の回り止め係合部52の周囲に設けたが、この実施形態には限定されず、状態検出部bは、止め輪31と係合溝35の係合状態に不具合が生じやすい場所に設けることが望ましい。
例えば、回り止め係合部52が無いピストン10において、係合溝35が、筒状周壁33の内面に周方向に沿って設けられている場合は、係合溝35に沿う部分の電気回路(前記環状部a1,a2)の一部を、状態検出部bとすることができる。このとき、係合溝35に沿う部分の電気回路の全部を、状態検出部bとしてもよい。
状態検出部bは、一般的な導電体からなる線材で構成することもできるが、より速やかに断線しやすいように、部材の表面に銅等の導電体をコーティングして構成することが望ましい。
上記の実施形態では、センサ44が得た情報を、ケーブル47を通じて有線で電子制御ユニット45に伝達できるようにしたが、これを、無線で電子制御ユニット45に伝達できるようにしてもよい。この場合、センサ44が情報の送信手段を、電子制御ユニット45が情報の受信手段を備える。
また、センサ44は三次回路80に流れる電流の有無を検知するものとしたが、例えば、三次回路80の設置を省略し、センサ44が、二次回路70に流れる電流の有無を検知するものとしてもよい。また、二次回路70、三次回路80の設置を省略し、センサ44が、電気回路60に流れる電流の有無を検知するものとしてもよい。これらの場合、センサ44と電子制御ユニット45とを結ぶケーブル47を、可動部にブラシ等を介在させながら、コンロッド40、クランクシャフト41を通じてシリンダ外に引き出す構成としてもよいし、前述のように、無線で電子制御ユニット45に情報を伝達できるようにしてもよい。
上記の各実施形態では、自動車用の4サイクルガソリンエンジンを例に説明したが、この実施形態には限定されず、この発明は、例えば、2サイクルガソリンエンジンやディーゼルエンジンにも適用できる。また、自動車以外の各種輸送機器、産業機械に用いられるレシプロエンジンにも、この発明を適用することができる。
1,10 ピストン
2,20 ピストン基部
3,30 ピストン移動部
4 皿バネ
5,25 ピストンボス部
6,36 ピストンヘッド
11 シリンダブロック
21 本体部
22 側壁部
23 嵌合部
24 ピストンピン
31 止め輪
32 凸部
33 筒状周壁
35 係合溝(周溝)
40 コンロッド(コネクティングロッド)
41 クランクシャフト
42 クランクピン
43 クランクジャーナル
44 センサ
45 ECU(電子制御ユニット)
46 クランクウェブ
47 ケーブル
50 回り止め手段
51 回り止め凸部
52 回り止め係合部
60 電気回路(一次回路)
70 二次回路
80 三次回路
a,a1,a2 環状部
b 状態検出部
c, 連結部
d,d1,d2 上端取付部
e,e1,e2 連結部
f,f1,f2 上下取付部

Claims (6)

  1. コンロッドに連結されるピストンボス部を有するピストン基部と、先端部にピストンヘッドを形成した筒状周壁を有するピストン移動部より成り、前記ピストン基部は前記ピストン移動部の筒状周壁内にストローク方向に相対移動可能に収容されて、前記筒状周壁内面に形成した係合溝に保持された止め部材に前記ピストン基部の前記コンロッド側が当接することにより、前記ピストン移動部の移動が制限されるようにしたピストンにおいて、
    前記ピストン基部に設けられる磁石と、
    前記ピストン移動部に設けられる前記磁石に対向するコイルを含み、前記ピストン移動部と前記ピストン基部とにわたって配線される電気回路とを設けたことを特徴とするピストン。
  2. 前記係合溝は前記筒状周壁内周に設けられた周溝であり、前記止め部材は前記周溝に嵌る環状のスナップリングであり、前記電気回路の一部は前記周溝に沿って配置されて、前記周溝に沿う部分の電気回路に、前記止め部材と前記係合溝の係合状態により断線する状態検出部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のピストン。
  3. 前記ピストン基部の外縁部に回り止め凸部を、前記ピストン移動部の前記筒状周壁に前記回り止め凸部が収容される回り止め係合部を備え、前記回り止め凸部と前記回り止め係合部とで前記ピストン移動部と前記ピストン基部との相対回転を規制し、前記状態検出部は前記回り止め係合部の周囲に設けられることを特徴とする請求項2に記載のピストン。
  4. 前記ピストン移動部に、前記ストローク方向に沿って突出する凸部を備え、前記ピストン基部には、前記凸部とスライド可能に嵌合する嵌合部を備え、前記コイルは前記凸部に、前記磁石は前記嵌合部に設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のピストン。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のピストンを内燃機関のシリンダ内に備え、前記ピストン基部のピストンボス部とクランクシャフトとがコンロッドで接続されて前記ピストンは前記シリンダ内で進退自在であり、前記コイルと前記磁石との相対移動に伴い前記電気回路に流れる誘導電流をシリンダ外から検知できる検出手段を備えたことを特徴とするピストンの状態検知装置。
  6. 前記検出手段は、前記コンロッドに配置され前記電気回路に流れる誘導電流によって電圧が誘起される二次回路、及び、前記クランクシャフトに配置され前記二次回路に流れる電流によって電圧が誘起される三次回路を通じて、前記電気回路に流れる電流をシリンダ外から検知できることを特徴とする請求項5に記載のピストンの状態検知装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020522639A (ja) * 2017-05-29 2020-07-30 エムシーイー−5 ディベロップメントMce−5 Development ターゲットの通過を検出するセンサを備える測定装置を有する、内燃エンジン用のエンジン

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