JP2014190187A - 内燃機関の触媒劣化診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】気体燃料を用いての機関運転時に触媒の劣化判定を実施する場合にその判定精度を向上させる。
【解決手段】エンジン制御システムは、気体燃料を噴射する第1噴射弁21と、エンジン10の排気の浄化を行う触媒19と、排気通路に設けられ排気中の酸素濃度に応じた検出信号を出力する酸素濃度センサ18a、18bと、を備える。制御部80は、酸素濃度センサ18a、18bの出力に基づいて触媒19が劣化しているか否かの劣化判定を実施する。また制御部80は、第1噴射弁21による気体燃料の噴射によりエンジン10の燃焼を実施している期間では、酸素濃度センサ18a、18bの出力のうち所定の空燃比リッチ領域に対応する出力をマスクして触媒19の劣化判定を実施する。
【選択図】図1
【解決手段】エンジン制御システムは、気体燃料を噴射する第1噴射弁21と、エンジン10の排気の浄化を行う触媒19と、排気通路に設けられ排気中の酸素濃度に応じた検出信号を出力する酸素濃度センサ18a、18bと、を備える。制御部80は、酸素濃度センサ18a、18bの出力に基づいて触媒19が劣化しているか否かの劣化判定を実施する。また制御部80は、第1噴射弁21による気体燃料の噴射によりエンジン10の燃焼を実施している期間では、酸素濃度センサ18a、18bの出力のうち所定の空燃比リッチ領域に対応する出力をマスクして触媒19の劣化判定を実施する。
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関の触媒劣化診断装置に関し、詳しくは気体燃料の燃焼により駆動される内燃機関の排気通路に配置された触媒の劣化を診断する技術に関する。
従来、内燃機関の排気を浄化する触媒の劣化を判定する方法として、排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサを触媒の上流側と下流側とに設け、それらセンサ出力に基づいて触媒の劣化判定を実施することが知られている。従来知られている手法では一般に、触媒の有するO2ストレージ能力に着目し、このO2ストレージ能力を定量化することによって触媒の劣化判定を実施している(例えば特許文献1参照)。この特許文献1には、触媒の上流側及び下流側にそれぞれO2センサを配置し、上流側O2センサの出力と下流側O2センサの出力から演算した面積差に基づいて触媒の劣化を判定することが開示されている。
また近年、圧縮天然ガス(CNG)などの気体燃料が、ガソリンなどの液体燃料に代わる代替燃料として注目されており、気体燃料を単独で又は液体燃料と共に燃焼用の燃料として使用する内燃機関が実用化されている。なお、CNG燃料は主成分にメタンを含む。
CNG燃料を用いての機関運転時では、燃焼に供されなかった未燃のメタンが酸素濃度センサの電極付近で燃焼する反応が促進され、酸素が消費される結果、電極付近の酸素分圧が変化する。そのため、ガソリンなどの液体燃料を用いての機関運転時と対比すると、空燃比リッチ側の出力レベルが低くなるとともに、出力の変化周期が短くなる傾向を示す。この場合、空燃比リッチ側では酸素濃度センサの出力の変化量が小さくなり、正常時と異常時との違いが現れにくくなることにより、両者の切り分けがし難く誤判定を招くことが懸念される。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、気体燃料を用いての機関運転時に触媒の劣化判定を実施する場合にその判定精度を向上させることができる触媒劣化診断装置を提供することを主たる目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
本発明は、内燃機関の気筒内にメタンを一成分に含む気体燃料を噴射する気体噴射手段と、前記内燃機関の排気の浄化を行う触媒と、前記内燃機関の排気通路に設けられ排気中の酸素濃度に応じた検出信号を出力する酸素検出手段と、を備える内燃機関のシステムに適用され、前記酸素検出手段の出力に基づいて前記触媒が劣化しているか否かの劣化判定を実施する内燃機関の触媒劣化診断装置に関する。また、請求項1に記載の発明は、前記気体噴射手段による燃料噴射により前記内燃機関の燃焼を実施している期間において、前記酸素検出手段の出力のうち所定の空燃比リッチ領域に対応する出力をマスクして前記劣化判定を実施する劣化判定手段を備えることを特徴とする。
要するに、上記構成では、気体燃料を用いて内燃機関の運転を実施している期間に酸素検出手段の出力に基づき触媒の劣化診断を実施する場合、空燃比リッチ側に対応する出力をマスクして(除去して)、リーン側に対応する出力を用いて該劣化診断を実施する。CNG燃料等のようにメタンを一成分として含む気体燃料を内燃機関の燃焼に用いた場合、排気中の未燃メタンの影響によって酸素検出手段の出力ずれが生じ、特に空燃比リッチ側で出力ずれが大きくなる。この点、上記構成によれば、未燃メタンによる出力ずれの影響が大きい領域の出力を排除し、出力ずれの影響を受けないか又はその影響が小さい領域の出力を用いて触媒の劣化診断を実施することから、触媒劣化の判定精度を向上させることができる。
以下、本実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、気体燃料である圧縮天然ガス(CNG)と液体燃料であるガソリンとを燃焼用の燃料として使用する、いわゆるバイフューエルタイプの車載多気筒エンジン(多気筒内燃機関)に適用されるエンジン制御システムとして具体化されている。本システムの全体概略図を図1に示す。
図1に示すエンジン10は、多気筒(例えば直列3気筒)の火花点火式エンジンよりなり、その吸気ポートには吸気マニホールド12を介して吸気管11が接続されており、排気ポートには排気マニホールド13を介して排気管14が接続されている。
吸気管11には、空気量調整手段としてのスロットル弁15が設けられている。スロットル弁15は、DCモータ等のアクチュエータ15aにより開度調節される電子制御式のスロットル弁として構成されている。スロットル弁15の開度(スロットル開度)は、アクチュエータ15aに内蔵されたスロットル開度センサ15bにより検出される。吸気管11において、スロットル弁15よりも下流側にはサージタンク17が設けられており、サージタンク17には、吸気管11内の圧力を検出する圧力検出手段としての吸気管圧力センサ92が設けられている。
吸気管11におけるサージタンク17よりも下流側には、エンジン10に対して燃料を噴射する燃料噴射手段として、気体燃料を噴射する第1噴射弁21と、液体燃料を噴射する第2噴射弁22とが気筒毎に設けられている。この第1噴射弁21の噴射により気体燃料が各気筒の吸気ポートに供給され、第2噴射弁22の噴射により液体燃料が各気筒の吸気ポートに供給される。
排気管14には、排気中のCO,HC,NOx等を浄化するための触媒19が設けられており、本実施形態では触媒19として三元触媒が用いられている。触媒19の上流側及び下流側のそれぞれには、排気中の酸素濃度に応じた検出信号を出力する酸素検出手段としての酸素濃度センサ18a,18bが設けられている。酸素濃度センサ18a,18bとしては、触媒19の上流側において、排気中の酸素濃度に比例した広域の空燃比信号を出力する広域検出タイプのA/Fセンサ18aが配置され、触媒19の下流側において、エンジン10の空燃比がリッチかリーンかに応じて異なる起電力を発生するO2センサ18bが配置されている。なお、O2センサ18bでは、理論空燃比で基準電圧V0(例えば約0.45V)を出力するとともに、理論空燃比を境にして空燃比リッチの場合に約1V、空燃比リーンの場合に約0Vを出力する。
エンジン10の吸気ポート及び排気ポートには、気筒内に導入される空気量を調整する機関バルブとしての吸気バルブ25及び排気バルブ26がそれぞれ設けられている。吸気バルブ25の開動作により空気と燃料との混合気が気筒内に導入され、排気バルブ26の開動作により燃焼後の排気が排気通路に排出される。
エンジン10の各気筒には点火プラグ20が設けられている。点火プラグ20には、点火コイル等よりなる点火回路部20aを通じて、所望とする点火時期に高電圧が印加される。この高電圧の印加により、各点火プラグ20の対向電極間に火花放電が発生し、気筒内に供給された燃料が着火され燃焼に供される。
本システムには、各噴射弁21、22に対して燃料を供給する燃料供給部として、気体燃料(CNG燃料)を供給する気体燃料供給部40と、液体燃料(ガソリン)を供給する液体燃料供給部70とが設けられている。
気体燃料供給部40は、第1噴射弁21に対して気体燃料を供給するものとなっている。具体的には、気体燃料供給部40において、第1噴射弁21には、ガス配管41を介してガスタンク42が接続されている。ガス配管41の途中には、第1噴射弁21に供給される気体燃料の圧力を減圧調整する圧力調整機能を有するレギュレータ43が設けられている。レギュレータ43は、ガスタンク42内に貯蔵された高圧状態(例えば最大20MPa)の気体燃料を、機械的に定められた圧力値(例えば0.3〜0.4MPa)に減圧調整するものである。減圧調整後の気体燃料は、ガス配管41を通って第1噴射弁21に供給される。
ガス配管41等により形成される燃料通路には更に、ガスタンク42の燃料出口の付近に配置されたタンク主止弁44と、タンク主止弁44よりも下流側であってレギュレータ43の燃料入口の付近に配置された遮断弁45とが設けられている。これら各弁44,45によって、ガス配管41における気体燃料の流通が許容及び遮断される。タンク主止弁44及び遮断弁45はいずれも電磁式の開閉弁であり、非通電時に気体燃料の流通を遮断し、通電時に気体燃料の流通を許容する常閉式となっている。また、レギュレータ43には、減圧調整前の燃料圧力を検出する圧力センサ46が一体に設けられており、レギュレータ43の下流側のガス配管41には、噴射圧を検出する圧力センサ47と、ガス配管41内の気体燃料の温度を検出する温度センサ48とが設けられている。
液体燃料供給部70は、第2噴射弁22に対して液体燃料を供給するものとなっている。具体的には、液体燃料供給部70において、第2噴射弁22には、燃料配管71を介して燃料タンク72が接続されている。燃料配管71には、燃料タンク72内の液体燃料を第2噴射弁22に給送する燃料ポンプ73が設けられている。
制御部80は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等を備えており、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、都度のエンジン運転状態に応じてエンジン10の各種制御を実施する。具体的には、制御部80は、上述した各種センサや、本システムに設けられたその他のセンサ類(クランク角センサ91、冷却水温センサ93、吸気温センサ94、車速センサ等)と電気的に接続されており、これらのセンサからの出力(検出信号)が入力される。また、制御部80は、点火回路部20a、各噴射弁21,22等の駆動部と電気的に接続されており、駆動信号を各駆動部に向けて出力することにより各駆動部の駆動を制御する。
点火回路部20aや各噴射弁21,22等の駆動部には、制御部80から駆動信号が入力されるようになっており、その入力した駆動信号に応じて各駆動部が駆動される。具体的には、点火回路部20aは、制御部80からの点火信号に応じて高電圧を出力し点火プラグ20に点火火花を生じさせる。第1噴射弁21は、制御部80からの噴射信号に応じた量の気体燃料を吸気ポートに噴射し、第2噴射弁22は、制御部80からの噴射信号に応じた量の液体燃料を吸気ポートに噴射する。
制御部80は、エンジン運転状態やタンク内の燃料残量、運転者によって操作される図示しない燃料切替スイッチからの入力信号等に応じて使用燃料を選択的に切り替えている。具体的には、ガスタンク42内の気体燃料の残存量が所定値を下回った場合又は燃料切替スイッチにより液体燃料の使用が選択されている場合には、液体燃料によりエンジン燃焼を行う液体燃料モードで運転する。一方、燃料タンク72内の液体燃料の残存量が所定値を下回った場合又は燃料切替スイッチにより気体燃料の使用が選択されている場合には、気体燃料によりエンジン燃焼を行う気体燃料モードで運転する。
本実施形態の空燃比制御では、空燃比の実際値(実空燃比)と目標値(目標空燃比)との偏差Δに基づくフィードバック制御を実施している。具体的には、エンジン運転状態(例えばエンジン回転速度及びエンジン負荷)に基づいて目標空燃比を算出するとともに、触媒19の上流側に設けられたA/Fセンサ18aの検出値に基づいて実空燃比を算出する。そして、実空燃比と目標空燃比との偏差Δに応じて空燃比補正量FAFを算出し、その算出した空燃比補正量FAFにより基本噴射量を補正することで実空燃比を目標空燃比に一致させるようにしている。ここで、基本噴射量は目標空燃比を得るために必要な燃料量であり、吸気管圧力センサ92の検出値に基づき推定される吸入空気量と目標空燃比とに基づいて算出される。空燃比補正量FAFは、例えば空燃比偏差Δに比例ゲインKPを乗算して得られた比例項と、偏差Δの時間微分値に微分ゲインKDを乗算して得られた微分項と、偏差Δの時間積分値に積分ゲインKIを乗算して得られた積分項とに基づいて算出される。また、本システムの空燃比フィードバック制御では、触媒下流側のO2センサ18bの検出値に基づく補正を加えるサブフィードバック制御により、空燃比制御の制御性を高めるようにしている。
三元触媒は、空燃比がリーンの時にはO2を取り込み、空燃比がリッチの時にはCO、HCを取り込んでリーンの時に吸蔵したO2と反応させるO2ストレージ能力を有している。そこで、上記空燃比フィードバック制御では、このような三元触媒のO2ストレージ能力を利用するべく、空燃比をリッチとリーンとで反転させながら一定周期で変動させる制御を実施している。
また、制御部80は、エンジン10の燃焼を実施している期間において、触媒19の劣化診断を実施している。以下、本システムにおける触媒19の劣化診断処理について説明する。本システムでは、触媒19の上流側に配置されたA/Fセンサ18aの出力変化と、触媒19の下流側に配置されたO2センサ18bの出力変化とを検出し、その検出した出力変化を対比した結果に基づいて触媒19が劣化しているか否かを判定する。
すなわち、触媒19の排気浄化機能が正常であれば、排気中の未燃ガス等が触媒19で除去されるため、触媒19の上流側に配置されたA/Fセンサ18aの出力変化に対し、その下流側に配置されたO2センサ18bの出力変化が小さくなる。一方、触媒19の排気浄化機能が低下している場合には、排気中の未燃ガス等が触媒19の下流側に流出されることにより、触媒19の上流側に配置されたA/Fセンサ18aの出力変化と、下流側に配置されたO2センサ18bの出力変化との差が正常時よりも小さくなる。この点に鑑み、本システムでは、A/Fセンサ18aとO2センサ18bのそれぞれについて、単位時間当たりの出力変化量(出力変化率α(>0))を算出するとともに、その出力変化率αの所定時間内における積算値を算出する。そして、A/Fセンサ18aの出力に基づき算出した出力変化率α1の積算値(第1積算値ΣAF)と、O2センサ18bの出力に基づき算出した出力変化率α2の積算値(第2積算値ΣO2)との相違が所定以下である場合に、触媒19の劣化異常が生じているものと判定する。
ところで、CNG燃料の主成分はメタンであり、CNG燃料を用いてのエンジン運転時には、エンジン10から比較的多くの未燃メタンが排出される。また、排気中の未燃メタンは、酸素濃度センサ(A/Fセンサ18a、O2センサ18b)の電極が高温の場合にその電極付近で燃焼する反応を起こし、これにより排気中の酸素が消費される。そのため、酸素濃度センサの電極付近の酸素分圧が変化し、CNG燃料の使用時にはガソリン燃料の使用時に対してセンサの出力ずれが生じる。具体的には、酸素濃度センサにおいて空燃比リッチ側の出力レベルが低くなるとともに、出力の変化周期が短くなる傾向を示す。なお、未燃メタンは触媒19で酸化されにくく、エンジン10から排出された未燃メタンの一部は触媒19の下流側にも排出される。そのため、CNG燃料の使用時における酸素濃度センサの出力ずれは、上流側だけでなく下流側でも生じる。
この事象について図2を用いて説明する。図2は、触媒19の下流側に配置されたO2センサ18bの出力変化を示す図であり、図中、一点鎖線はガソリン燃料を用いてのエンジン燃焼時における出力変化の推移を示し、実線はCNG燃料を用いてのエンジン燃焼時における出力変化の推移を示す。空燃比フィードバック制御に伴い、O2センサ出力は、図2に示すように、理論空燃比(ストイキ)を示す基準電圧V0を挟んでリッチ側出力とリーン側出力とが交互に現れる。このとき、ガソリン燃料を用いてのエンジン燃焼時には、基準電圧V0を中心に出力電圧が一定周期で変動する(図2の一点鎖線)。
これに対し、CNG燃料を用いてのエンジン燃焼時には、空燃比リーン側のピーク電圧はガソリン燃料の使用時と略同じであるが、空燃比リッチ側のピーク電圧がガソリン燃料の使用時よりも低い値を示す。また、センサ出力の変化周期について、CNG燃料の使用時にはガソリン燃料の使用時に比べて短くなる(TFCN<TFGS)。つまり、理論空燃比に対してリーン側では、酸素濃度センサの出力変化がCNG燃料とガソリン燃料とで略同じであるのに対し、リッチ側では出力変化が使用燃料に応じて異なり、CNG燃料ではガソリン燃料よりも出力レベルが全体的に小さくなる。なお、センサ出力の変化周期は、空燃比フィードバック制御により生じるリッチとリーンとの反転周期TFである。
酸素濃度センサの出力に基づいて触媒19の劣化診断を実施する場合、酸素濃度センサの出力レベルが低いほど、上流側と下流側との出力変化の差がノイズと判別しにくくなり、触媒劣化が生じているか否かの判定精度が低下するおそれがある。そのため、上記のようなセンサの出力特性を考慮せずに、ガソリン燃料とCNG燃料とで同じ態様で触媒19の劣化診断処理を実施した場合、酸素濃度センサのリッチ側での出力レベル低下に起因して正常時と劣化異常時とを切り分けし難くなり、誤判定を招くことが懸念される。
そこで本実施形態では、CNG燃料による燃料噴射によりエンジン10の燃焼を実施している期間において、酸素濃度センサの出力のうち所定の空燃比リッチ領域に対応する出力をマスクして触媒19の劣化診断処理を実施することとしている。つまり、触媒上流側に配置されたA/Fセンサ18a及び触媒下流側に配置されたO2センサ18bについて、理論空燃比に対してリッチ側の領域SRAの出力をマスク処理し、リッチ領域SRAの出力を用いずにリーン側の領域の出力のみを用いて触媒劣化診断を実施する。O2センサ18bに対してマスク処理を施した場合の概略を図3に示す。
その一方で、エンジン10の燃焼に使用する燃料が液体燃料(ガソリン燃料)である場合には、出力変化率αの積算期間内における積算頻度(サンプル数)を確保するために、酸素濃度センサの出力のうち所定の空燃比リッチ領域SRを含む領域の出力に基づいて触媒劣化診断を実施する。特に本実施形態では、液体燃料の使用時には、酸素濃度センサの出力をマスクせずに、つまり酸素濃度センサにおける全領域の出力を用いて触媒19の劣化診断処理を実施する。
次に、本実施形態の触媒劣化判定処理について図4のフローチャートを用いて説明する。この処理は、制御部80のCPUにより所定周期毎に実行される。
図4において、ステップS101では、触媒劣化診断の実行条件が成立しているか否かを判定する。この実行条件としては、例えば触媒19が活性状態であること(例えば、車速が所定以上であって、かつエンジン負荷が所定以上であること)、酸素濃度センサが正常であること、前回の診断実行から所定時間が経過していること等を含む。
実行条件が成立している場合、ステップS102へ進み、出力変化率αの積算値の演算を開始する演算開始タイミングを設定する。また、劣化診断用の空燃比補正量FAFを設定する。ここでは、触媒劣化診断を実施していない通常運転時よりも反転周期TFが短くなるように空燃比補正量FAFを設定し、具体的には、空燃比フィードバック制御のゲイン(比例ゲインKP、微分ゲインKD、積分ゲインKI)のうち少なくとも比例ゲインKPについて、通常運転時の比例ゲインKPよりも大きい値に設定する。なお、劣化診断用の反転周期TFは、通常運転時における反転周期TFと同じとしてもよい。また、比例ゲインKP、微分ゲインKD及び積分ゲインKIの一部について通常運転時と劣化診断時とで異なる値にしてもよいし、全部を異なる値にしてもよい。
続くステップS103では、気体燃料モードによるエンジン運転時であるか否かを判定する。液体燃料モードによるエンジン運転時であればステップS106へ進み、A/Fセンサ18a及びO2センサ18bのそれぞれについて、出力変化率αの積算値の演算開始タイミング以降において単位時間当たりの出力変化量である出力変化率α(α1、α2)を算出する。また、その出力変化率αを積算することにより第1積算値ΣAF及び第2積算値ΣO2をそれぞれ算出する。なお、出力変化率は、理論空燃比に対応する出力側からどれだけ変化したかを示す値であり、正の値で表される。液体燃料モードでは、センサ出力がリッチ側出力かリーン側出力かにかかわらず、出力変化率αの演算タイミングが到来する毎にそのときのセンサ出力値を用いて第1積算値ΣAF及び第2積算値ΣO2をそれぞれ算出する。
ステップS107では、演算開始タイミングから所定の積算時間ti(例えば数秒)が経過したか否かを判定する。積算時間tiが経過する前であれば、一旦本ルーチンを終了して、積算時間tiが経過するまでステップS106による出力変化率αの積算を繰り返す。そして、積算時間tiが経過するとステップS107で肯定判定されて、ステップS108へ進む。ステップS108では、第1積算値ΣAF及び第2積算値ΣO2に基づいて、劣化診断用パラメータとしての劣化判定値を算出する。ここでは、第1積算値ΣAFから第2積算値ΣO2を差し引き、これにより求めた値を劣化判定値とする。なお、劣化判定値を算出する際には、単位の相違を考慮して第1積算値ΣAF及び第2積算値ΣO2の一方を補正するか、あるいは第1積算値ΣAF及び第2積算値ΣO2を空燃比変化量に換算して行うとよい。
続くステップS109では、劣化判定値と、予め定めた劣化判定用閾値とを比較する。劣化判定値が閾値よりも大きい場合、つまり、上流側と下流側とのセンサ出力の変化の違いが大きい場合にはステップS110へ進み、触媒19の排気浄化機能は正常である旨の判定をする。また、劣化判定値が閾値以下である場合には、ステップS111へ進み、触媒19の劣化異常が生じている旨の判定をする(劣化判定手段)。なお、劣化判定用閾値は、ガソリン燃料とCNG燃料とで同じでも異なっていてもよい。
これに対し、ステップS103で気体燃料モードによるエンジン運転時であると判定された場合にはステップS104へ進み、ステップS102で設定した劣化診断用の空燃比補正量FAFを補正する。上述した通り、CNG燃料によるエンジン燃焼時には、ガソリン燃料によるエンジン燃焼時に比べて反転周期TFが短くなるものの、リッチ側の出力をマスクするため、積算時間ti内における出力変化率αの演算回数(積算回数)がガソリン燃料の場合と相違することが考えられる。このとき、積算時間ti内における出力変化率αの演算回数が少ないと、劣化判定値が小さいことに起因して判定誤差が生じることが懸念される。
そこで本実施形態では、触媒19の劣化判定を実施する際に、エンジン10の燃焼に使用する燃料がCNG燃料である場合には、空燃比リッチ/リーンの反転周期TFを補正することとしている。具体的には、ガソリン燃料の使用時とCNG燃料の使用時とで、積算時間ti内における出力変化率αの演算回数が同等となるように、空燃比リッチ/リーンの反転周期TF、すなわち劣化診断用の空燃比補正量FAFを補正する。例えば、積算時間ti内における出力変化率αの演算回数が、CNG燃料においてガソリン燃料よりも少なくなる場合には、反転周期TFが短くなるように空燃比補正量FAFを補正する。また、空燃比補正量FAFの補正に際し本実施形態では、空燃比フィードバック制御のゲインのうち少なくとも比例ゲインKPを補正する。反転周期TFを短くするには比例ゲインKPを大きくする。
続くステップS105では、酸素濃度センサの出力が、理論空燃比よりもリッチ側を示す値であるか否かを判定する。空燃比リーン側の出力である場合にはステップS106へ進み、A/Fセンサ18a及びO2センサ18bのそれぞれについて、空燃比リーン側の出力を用いて出力変化率αを算出するとともに、その算出した出力変化率αを、第1積算値ΣAF及び第2積算値ΣO2の前回値にそれぞれ加算する。一方、酸素濃度センサの出力が空燃比リッチ側の出力である場合にはステップS106の処理を実施せず、一旦本ルーチンを終了する。この処理により、劣化判定値の算出に際して空燃比リッチ側の出力が除去される。
その後、ステップS107で演算開始タイミングから所定の積算時間tiが経過したと判定されると、ステップS109以降の処理へ進み、劣化判定値に基づく触媒19の劣化診断を実行する。なお、劣化診断の終了後は、劣化判定値、第1積算値ΣAF及び第2積算値ΣO2をリセットする。
図5は、本実施形態における触媒19の劣化診断処理の具体的態様を示すタイムチャートである。図5は、触媒19の下流側に配置されたO2センサ18bの出力変化及び第2積算値ΣO2の推移を示し、このうち(a)はガソリン燃料によるエンジン燃焼時を示し、(b)はCNG燃料によるエンジン燃焼時を示す。
まず、ガソリン燃料によるエンジン燃焼時について、演算開始タイミングt11以降では、演算タイミング(例えば数msec)が到来する毎に出力変化率α1を算出するとともに、前回までの出力変化率α1に基づき算出した第2積算値ΣO2に、出力変化率α1の今回値を加算していく。なお、演算開始タイミングt11において、第2積算値ΣO2には初期値0が与えられている。そして、演算開始タイミングt11から積算時間tiが経過したタイミングt12で、第2積算値ΣO2及び第1積算値ΣAFを用いて触媒19の劣化診断を実施する。このとき、図5(a)に示すように、触媒19の排気浄化機能が劣化している場合(実線の場合)には、正常である場合(破線の場合)に比べて第2積算値ΣO2が大きい値を示す。
一方、CNG燃料によるエンジン燃焼時に触媒19の劣化診断を実施する場合、ガソリン燃料で使用する劣化診断用の空燃比補正量FAFを補正し、積算時間ti内における出力変化率αの演算回数が同等となるようにする。例えば、積算時間ti内における出力変化率αの演算回数がガソリン燃料のときよりも少ない場合には、空燃比フィードバック制御のゲインのうち少なくとも比例ゲインKPについてこれを大きくなる側に補正する。これにより、空燃比フィードバック制御により生じるリッチ/リーンの反転周期TFが補正前に比べて短くなり、同一時間内におけるリッチ/リーンの反転回数が増加する。また、反転回数の増加により、積算時間ti内における空燃比リーンの出現回数が多くなり、出力変化率αの算出回数を十分に確保することが可能となる。
そして、演算開始タイミングt21以降では、理論空燃比に対してリーン側の出力のみを用いて出力変化率α2を算出するとともに、前回までの出力変化率α2に基づき算出した第2積算値ΣO2に、出力変化率α2の今回値を加算していく。また、演算開始タイミングt21から積算時間tiが経過したタイミングt22では、第2積算値ΣO2及び第1積算値ΣAFを用いて触媒19の劣化診断を実施する。このとき、反転周期TFを補正していることから、第1積算値ΣAF及び第2積算値ΣO2は、触媒19の劣化状態が同じであればガソリン燃料の使用時と同等の値を示すこととなる。
以上詳述した本実施形態によれば、次の優れた効果が得られる。
気体燃料(CNG燃料)によるエンジン燃焼時では、酸素濃度センサの空燃比リッチ側に対応する出力をマスクし、リーン側に対応する出力のみを用いて触媒19の劣化診断を実施する構成とした。CNG燃料のようにメタンを一成分として含む気体燃料を用いた場合、液体燃料の場合と比較すると、排気中の未燃メタンの影響によって特に空燃比リッチ側で出力ずれが大きくなる。この点に鑑み、上記構成としたため、未燃メタンによる出力ずれの影響が大きい領域の出力を排除し、出力ずれの影響を受けないか又はその影響が小さい領域の出力を用いて触媒19の劣化診断を実施することから、触媒劣化の判定精度を向上させることができる。
また、気体燃料によるエンジン燃焼時には、液体燃料の場合に比べて反転周期TFが短くなるものの、リーン側出力のみを用いて劣化判定値を算出するため、液体燃料と同じ診断期間内でのサンプル数が少なくなってしまうことが懸念される。この点、気体燃料によるエンジン燃焼時には、空燃比リッチ/リーンの反転周期TFを補正する構成とした。より具体的には、診断期間内のサンプル数(本実施形態では、積算時間ti内における出力変化率αの演算回数)が液体燃料の使用時と同等になるように劣化診断用の空燃比補正量FAFを補正する構成とした。これにより、気体燃料によるエンジン燃焼時での劣化判定値が液体燃料の場合と同等のレベルとすることができ、劣化判定値が小さいことに起因する誤判定を回避するようにすることができる。
気体燃料によるエンジン燃焼時には空燃比リッチ側の出力をマスクして触媒19の劣化診断を実施するのに対し、液体燃料によるエンジン燃焼時では、酸素濃度センサの出力をマスクせずに全領域の出力を用いて触媒19の劣化診断を実施する構成とした。これにより、液体燃料によるエンジン燃焼時には、反転周期TFを短くする側に補正せずに積算時間ti内におけるサンプル数を十分に確保することができる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
・上記実施形態では、単位時間当たりの出力変化量である出力変化率αを積算時間ti内で積算した値に基づいて劣化判定値を算出し、これを劣化判定用閾値と比較することにより触媒19の劣化診断を実施する構成としたが、劣化診断の方法は上記に限定しない。例えば、積算時間ti内において酸素濃度センサから出力されるセンサ出力値によるカーブと、理論空燃比を示す基準電圧V0とに囲まれた領域の面積を触媒上流側のセンサ及び触媒下流側のセンサのそれぞれについて算出し、その2つの面積の比較に基づいて触媒19の劣化診断を実施する構成に本発明を適用する。この場合の劣化診断の具体的態様を図6に示す。図6は、触媒19の下流側に配置されたO2センサ18bの出力変化及び第2積算値ΣO2の推移を示し、このうち(a)はガソリン燃料によるエンジン燃焼時を示し、(b)はCNG燃料によるエンジン燃焼時を示す。
ガソリン燃料の使用時には、積算時間ti内において、O2センサ18bのリッチ側出力と基準電圧V0とに囲まれたリッチ側領域の面積SRの和と、リーン側出力と基準電圧V0とに囲まれたリーン側領域の面積SLの和とを加算し、これを第2積算値ΣO2とする(図6(a)参照)。また、第2積算値ΣO2と同様にして第1積算値ΣAFを算出する。そして、第1積算値ΣAFに対する第2積算値ΣO2の面積比(劣化判定値)を算出し、その面積比が所定値以上の場合に触媒19が劣化していると判定する。これに対し、CNG燃料の使用時には、積算時間ti内において、O2センサのリーン側出力と基準電圧V0とに囲まれたリーン側領域の面積SLの和を求め、これを第2積算値ΣO2とする(図6(b)参照)。また、第2積算値ΣO2と同様にして第1積算値ΣAFを算出する。そして、第1積算値ΣAFに対する第2積算値ΣO2の面積比が所定値以上の場合に触媒19が劣化していると判定する。
・上記実施形態では、酸素濃度センサとして、触媒19の上流側にA/Fセンサ18aを配置し、触媒19の下流側にO2センサ18bを配置したが、触媒19の上流側及び下流側にO2センサを配置した構成に本発明を適用してもよい。また、触媒19の上流側及び下流側にA/Fセンサを配置した構成に本発明を適用してもよい。
・触媒19の上流側にO2センサを配置した場合の空燃比フィードバック制御では、O2センサにより検出される空燃比がリッチである場合には所定量KILずつ減量し、リーンである場合には所定量KIRずつ増量することにより空燃比補正量FAFを設定する。また、O2センサにより検出される空燃比がリッチからリーンへ、又はリーンからリッチへ反転した場合には、空燃比補正量FAFを階段状に増減(スキップ)させる。したがって、当該システムに本発明を適用する場合には、所定量KIL及び所定量KIRを補正するか、又はスキップ量を補正することにより反転周期TFを補正するとよい。
・上記実施形態では、CNG燃料によるエンジン燃焼時には、理論空燃比に対してリッチ側の全領域をマスクして触媒19の劣化診断処理を実施したが、理論空燃比よりもリッチ側に定めた所定のリッチ空燃比を基準に、このリッチ空燃比よりもリッチ側の領域をマスク領域に設定してもよい。あるいは、理論空燃比よりもリーン側に定めた所定のリーン空燃比を基準に、このリーン空燃比よりもリッチ側の領域をマスク領域に設定してもよい。
・上記実施形態では、液体燃料によるエンジン燃焼時には、酸素濃度センサの出力をマスクせずに全領域の出力を用いて触媒19の劣化診断を実施したが、必ずしも全出力領域を用いて劣化診断を実施する必要はない。例えば、理論空燃比よりもリーン側に定めた所定のリーン空燃比と、理論空燃比よりもリッチ側に定めた所定のリッチ空燃比との間の出力領域であって、かつCNG燃料の使用時におけるマスク領域を含む領域の出力を用いて触媒19の劣化診断を実施する構成としてもよい。また、当該構成を適用する場合、気体燃料によるエンジン燃焼時には、理論空燃比よりもリーン側に定めた所定のリーン空燃比と理論空燃比との間の出力領域における出力を用いて触媒19の劣化診断を実施する構成とするとよい。
・上記実施形態では、エンジン10の燃焼に使用する燃料がCNG燃料である場合に空燃比リッチ/リーンの反転周期TFを補正する構成としたが、当該補正を実施しない構成としてもよい。この場合、劣化判定値との比較に用いる劣化判定用閾値をガソリン用とCNG用で別個に設定することが望ましい。また、使用燃料がガソリン燃料かCNG燃料かに応じて積算時間tiを可変に設定してもよく、具体的には、CNG燃料の場合にはガソリン燃料の場合よりも積算時間tiを長く設定する構成としてもよい。
・上記実施形態では、気体燃料(CNG燃料)と液体燃料(ガソリン燃料)とを燃焼用の燃料として使用するバイフューエルエンジンに本発明を具体化する場合について説明したが、燃焼用の燃料として気体燃料のみを使用するガスエンジンに本発明を具体化してもよい。あるいは、気体燃料と液体燃料とを併用して使用するエンジンに本発明を具体化してもよい。後者の場合、気体燃料を単独で使用する場合のみ、酸素濃度センサの出力のうち所定の空燃比リッチ領域に対応する出力をマスク処理して触媒19の劣化診断を実施する構成としてもよい。あるいは、気体燃料を単独で使用する場合だけでなく、気体燃料と液体燃料とを併用する場合にも当該マスク処理して触媒19の劣化診断を実施してもよい。
・上記実施形態では気体燃料をCNG燃料としたが、メタンを一成分として含み、かつ標準状態で気体の燃料であればCNG燃料に限定しない。また、液体燃料についてもガソリン燃料に限定しない。例えば、液体燃料としての軽油を燃焼用の燃料とするディーゼルエンジンに、気体燃料の燃料噴射システムを搭載した構成に本発明を適用してもよい。
10…エンジン、14…排気管、21…第1噴射弁(気体噴射手段)、22…第2噴射弁(液体噴射手段)、18a…A/Fセンサ(酸素検出手段)、18b…O2センサ(酸素検出手段)、19…触媒、80…ECU(劣化判定手段、補正手段)。
Claims (3)
- 内燃機関(10)の気筒内に、メタンを一成分に含む気体燃料を噴射する気体噴射手段(21)と、前記内燃機関の排気の浄化を行う触媒(19)と、前記内燃機関の排気通路(14)に設けられ排気中の酸素濃度に応じた検出信号を出力する酸素検出手段(18a、18b)と、を備える内燃機関のシステムに適用され、前記酸素検出手段の出力に基づいて前記触媒が劣化しているか否かの劣化判定を実施する内燃機関の触媒劣化診断装置であって、
前記気体噴射手段による燃料噴射により前記内燃機関の燃焼を実施している期間において、前記酸素検出手段の出力のうち所定の空燃比リッチ領域に対応する出力をマスクして前記劣化判定を実施する劣化判定手段を備えることを特徴とする内燃機関の触媒劣化診断装置。 - 液体燃料を噴射する液体噴射手段(22)と前記気体噴射手段とを備えるシステムに適用され、
前記劣化判定手段は、前記液体噴射手段による燃料噴射により前記内燃機関の燃焼を実施している期間では、前記酸素検出手段の出力のうち前記所定の空燃比リッチ領域を含む領域の出力に基づいて前記劣化判定を実施する一方、前記気体噴射手段による燃料噴射により前記内燃機関の燃焼を実施している期間では、前記酸素検出手段の出力のうち前記空燃比が前記所定のリッチ領域に対応する出力をマスクして前記劣化判定を実施する請求項1に記載の内燃機関の触媒劣化診断装置。 - 前記酸素検出手段の出力に基づいて前記内燃機関の空燃比フィードバック制御が実施される内燃機関に適用され、
前記内燃機関の燃焼に使用する燃料が前記気体燃料である場合に、前記劣化判定手段による前記劣化判定の実施に際し、前記空燃比フィードバック制御により生じる空燃比リッチ/リーンの反転周期を補正する補正手段を備える請求項2に記載の内燃機関の触媒劣化診断装置。
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