JP2014189784A - アゾ化合物及びその塩を含有する水溶液、インク組成物、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェット記録用インクカートリッジ、及びインクジェット記録物 - Google Patents
アゾ化合物及びその塩を含有する水溶液、インク組成物、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェット記録用インクカートリッジ、及びインクジェット記録物 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】黒色用インクとして良好な色相を有し、長波長領域における印字濃度が高く、かつ種々の被記録材を用いた場合の記録画像におけるブロンズ光沢の抑制に優れるインクを提供し得る水溶液を提供すること。
【解決手段】明細書中に記載の一般式(1)で表されるアゾ化合物及びその塩のうち少なくとも1種を含有する水溶液。
【選択図】なし
【解決手段】明細書中に記載の一般式(1)で表されるアゾ化合物及びその塩のうち少なくとも1種を含有する水溶液。
【選択図】なし
Description
本発明は、アゾ化合物及びその塩を含有する水溶液、インク組成物、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェット記録用インクカートリッジ、及びインクジェット記録物に関する。
インクジェット記録方法は、材料費が安価であること、高速記録が可能なこと、記録時の騒音が少ないこと、更にカラー記録が容易であることから、急速に普及し、更に発展しつつある。
インクジェット記録方法には、連続的に液滴を飛翔させるコンティニュアス方式と画像情報信号に応じて液滴を飛翔させるオンデマンド方式が有り、その吐出方式にはピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、又は静電力により液滴を求引吐出させる方式がある。また、インクジェット記録用インクとしては、水性インク、油性インク、又は固体(溶融型)インクが用いられる。
インクジェット記録方法には、連続的に液滴を飛翔させるコンティニュアス方式と画像情報信号に応じて液滴を飛翔させるオンデマンド方式が有り、その吐出方式にはピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、又は静電力により液滴を求引吐出させる方式がある。また、インクジェット記録用インクとしては、水性インク、油性インク、又は固体(溶融型)インクが用いられる。
このようなインクジェット記録用インクに用いられる着色剤に対しては、溶剤に対する溶解性又は分散性が良好なこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、光、熱、環境中の活性ガス(NOx、オゾン等の酸化性ガスの他SOxなど)に対して堅牢であること、水や薬品に対する堅牢性に優れていること、受像材料に対して定着性が良く滲みにくいこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性がないこと、純度が高いこと、更には、安価に入手できることが要求されている。
特に、良好なブラックの色相を有し、光、湿度、熱に対して堅牢であり、モル吸光係数が高く、貯蔵安定性に優れ、文書印刷において文字品位が高いこと、ブロンズ光沢が抑制されていること、また多孔質の白色無機顔料粒子を含有するインク受容層を有する受像材料上に印字する際には環境中のオゾンなどの酸化性ガスに対して堅牢であるインク組成物が強く望まれている。
特許文献1〜3には、アリール基又は含窒素5員へテロ環基と、チアゾール環又はチオフェン環と、特定の置換基を有するヘテロ環とをアゾ基で結合した化合物が開示され、該化合物を含むインク組成物は上記課題を解決できることが記載されている。
特許文献1〜3には、アリール基又は含窒素5員へテロ環基と、チアゾール環又はチオフェン環と、特定の置換基を有するヘテロ環とをアゾ基で結合した化合物が開示され、該化合物を含むインク組成物は上記課題を解決できることが記載されている。
特許文献1及び2に記載されたインク組成物は、上記のように優れた性能を示すものであるが、更に高いレベルの貯蔵安定性が求められる場合がある。
本発明の目的は、ブロンズ光沢及びにじみの抑制に優れ、また、印字濃度が向上し、堅牢性に優れるインクを提供し得る水溶液を提供することにある。また、本発明の目的は上記水溶液を含有する、インク組成物、インクジェット記録用インク、上記インクジェット記録用インクを用いたインクジェット記録方法、上記インクジェット記録用インクを充填したインクジェット記録用インクカートリッジ、及び上記インクジェット記録用インクを用いて形成したインクジェット記録物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題の解決を目指して詳細に検討したところ、芳香族環と、フェニル基を置換基として有する、チアゾール環又はチオフェン環と、芳香族複素環とをアゾ基で結合したアゾ化合物が、記録媒体の種類にかかわらずブロンズ光沢及びにじみの抑制に優れ、また、印字濃度が向上し、堅牢性に優れたインクを提供し得ることを見出した。
すなわち、上記課題は、下記の手段によって達せられる。
すなわち、上記課題は、下記の手段によって達せられる。
〔1〕
一般式(1)で表されるアゾ化合物及びその塩のうち少なくとも1種を含有する水溶液。
[一般式(1)中、A1は、置換若しくは無置換の芳香族環を表す。R1aからR1eは、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を表し、置換基同士で結合して環を形成しても良く、これらの置換基は更に置換基を有していても良い。X1は窒素原子又は炭素原子を表し、X1が炭素原子の場合、水素原子又は置換基を有する。但し、一般式(1)中、イオン性親水性基の数は4個以上である。B1は下記一般式(1−1)〜(1−5)のいずれか一つを表す。]
[一般式(1−1)〜(1−5)中、Y1aは酸素原子、硫黄原子、又は水素原子若しくは置換基を有していても良い窒素原子を表す。Y1bとY1cは各々独立にヒドロキシル基又は置換基を有していても良い窒素原子を表す。R1f〜R1qは水素原子又は置換基を表す。M1aは水素原子、アルカリ金属イオン、又はアンモニウムイオンを表す。]
〔2〕
前記A1が、下記一般式(2−1)〜(2−6)のいずれかを表す、〔1〕記載の水溶液。
[一般式(2−1)〜(2−6)中、R2a〜R2uは水素原子又は置換基を表す。]
〔3〕
前記R1bからR1dが、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、シアノ基、イオン性親水性基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、アミド基、ヒドロキシアルキル基、又はカルボキシル基を表す、〔2〕に記載の水溶液。
〔4〕
前記アゾ化合物又はその塩の含有量が水溶液に対して1〜30質量%である〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の水溶液。
〔5〕
更に、防腐剤を含有する〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の水溶液。
〔6〕
更に、pH調整剤を含有する〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の水溶液。
〔7〕
25℃でのpHが7.0〜9.0である〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の水溶液。
〔8〕
〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の水溶液を含有するインク組成物。
〔9〕
〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の水溶液又は〔8〕に記載のインク組成物を含有するインクジェット記録用インク。
〔10〕
〔9〕に記載のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成するインクジェット記録方法。
〔11〕
〔9〕に記載のインクジェット記録用インクを充填したインクジェット記録用インクカートリッジ。
〔12〕
〔9〕に記載のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成したインクジェット記録物。
一般式(1)で表されるアゾ化合物及びその塩のうち少なくとも1種を含有する水溶液。
[一般式(1)中、A1は、置換若しくは無置換の芳香族環を表す。R1aからR1eは、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を表し、置換基同士で結合して環を形成しても良く、これらの置換基は更に置換基を有していても良い。X1は窒素原子又は炭素原子を表し、X1が炭素原子の場合、水素原子又は置換基を有する。但し、一般式(1)中、イオン性親水性基の数は4個以上である。B1は下記一般式(1−1)〜(1−5)のいずれか一つを表す。]
[一般式(1−1)〜(1−5)中、Y1aは酸素原子、硫黄原子、又は水素原子若しくは置換基を有していても良い窒素原子を表す。Y1bとY1cは各々独立にヒドロキシル基又は置換基を有していても良い窒素原子を表す。R1f〜R1qは水素原子又は置換基を表す。M1aは水素原子、アルカリ金属イオン、又はアンモニウムイオンを表す。]
〔2〕
前記A1が、下記一般式(2−1)〜(2−6)のいずれかを表す、〔1〕記載の水溶液。
[一般式(2−1)〜(2−6)中、R2a〜R2uは水素原子又は置換基を表す。]
〔3〕
前記R1bからR1dが、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、シアノ基、イオン性親水性基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、アミド基、ヒドロキシアルキル基、又はカルボキシル基を表す、〔2〕に記載の水溶液。
〔4〕
前記アゾ化合物又はその塩の含有量が水溶液に対して1〜30質量%である〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の水溶液。
〔5〕
更に、防腐剤を含有する〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の水溶液。
〔6〕
更に、pH調整剤を含有する〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の水溶液。
〔7〕
25℃でのpHが7.0〜9.0である〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の水溶液。
〔8〕
〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の水溶液を含有するインク組成物。
〔9〕
〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の水溶液又は〔8〕に記載のインク組成物を含有するインクジェット記録用インク。
〔10〕
〔9〕に記載のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成するインクジェット記録方法。
〔11〕
〔9〕に記載のインクジェット記録用インクを充填したインクジェット記録用インクカートリッジ。
〔12〕
〔9〕に記載のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成したインクジェット記録物。
本発明によれば、記録媒体の種類にかかわらずブロンズ光沢及びにじみの抑制に優れ、また、印字濃度が向上し、堅牢性に優れたアゾ化合物を含有する水溶液、インク組成物、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェット記録用インクカートリッジ、及びインクジェット記録物が提供される。
以下に本発明について詳細に説明する。
まず、本発明において、置換基群J、イオン性親水性基について定義する。
まず、本発明において、置換基群J、イオン性親水性基について定義する。
(置換基群J)
ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる)、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル、又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、イオン性親水性基などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Jから選択される基を挙げることができる。
ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる)、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル、又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、イオン性親水性基などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Jから選択される基を挙げることができる。
アルキル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられ、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えば、アルコキシ基、アルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。詳細には、アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられ、ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、置換若しくは無置換のアラルキル基が挙げられ、置換若しくは無置換のアラルキル基としては、炭素原子数が7〜30のアラルキル基が好ましい。例えばベンジル基及び2−フェネチル基を挙げられる。
アルケニル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルケニル基が挙げられ、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を包含する。詳細には、アルケニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基等が挙げられ、シクロアルケニル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換若しくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられ、ビシクロアルケニル基としては、置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
アリール基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリール基、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等が挙げられる。
ヘテロ環基としては、好ましくは、5又は6員の置換若しくは無置換の芳香族若しくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5又は6員の芳香族のヘテロ環基、例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等が挙げられる。
シリルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から20の置換若しくは無置換のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基等が挙げられる。
ヘテロ環オキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換のヘテロ環オキシ基、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、好ましくは、ホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
カルバモイルオキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含み、好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアニリノ基、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基、トリアジニルアミノ基等が挙げられる。
アシルアミノ基としては、好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アミノカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
スルファモイルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等が挙げられる。
ヘテロ環チオ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基等が挙げられる。
スルファモイル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルフィニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基等が挙げられる。
アシル基としては、好ましくは、ホルミル基、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数2から30の置換若しくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
カルバモイル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基等が挙げられる。
アリール又はヘテロ環アゾ基としては、好ましくは炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換若しくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ等が挙げられる。
イミド基としては、好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基等が挙げられる。
ホスフィノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基等が挙げられる。
ホスフィニル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基等が挙げられる。
ホスフィニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基等が挙げられる。
ホスフィニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基が挙げられる。
シリル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等が挙げられる。
(イオン性親水性基)
スルホ基、カルボキシル基、チオカルボキシル基、スルフィノ基、ホスホノ基、ジヒドロキシホスフィノ基などが挙げられる。特に好ましくはスルホ基、カルボキシル基である。またカルボキシル基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する1価のカウンターカチオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、リチウム塩又はリチウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、リチウム塩が最も好ましい。
スルホ基、カルボキシル基、チオカルボキシル基、スルフィノ基、ホスホノ基、ジヒドロキシホスフィノ基などが挙げられる。特に好ましくはスルホ基、カルボキシル基である。またカルボキシル基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する1価のカウンターカチオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、リチウム塩又はリチウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、リチウム塩が最も好ましい。
本発明のアゾ化合物が含有するイオン性親水性基の1価のカウンターカチオンは主成分としてリチウムイオンを含むことが好ましい。1価のカウンターカチオンはすべてリチウムイオンでなくてもよいが、上記各インク組成物中のリチウムイオン濃度は、各インク組成物中のカウンターカチオン全体に対して、50質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは75質量%以上、更に好ましくは80質量%以上であり、特に好ましくは95質量%以上である。
このような存在比率の条件下において、水素イオン、アルカリ金属イオン(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン)、アルカリ土類金属イオン(例えば、マグネシウムイオン、カルシウムイオンなど)、4級アンモニウムイオン、4級ホスホニウムイオン、スルホニウムイオンなどを1価のカウンターカチオンとして含むことができる。
このような存在比率の条件下において、水素イオン、アルカリ金属イオン(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン)、アルカリ土類金属イオン(例えば、マグネシウムイオン、カルシウムイオンなど)、4級アンモニウムイオン、4級ホスホニウムイオン、スルホニウムイオンなどを1価のカウンターカチオンとして含むことができる。
上記1価のカウンターカチオンの種類及び比率については、日本化学会編“新実験化学講座9 分析化学”(1977年 丸善)及び日本化学会編“第4版 実験化学講座15 分析”(1991年 丸善)に、分析方法や元素についての各論が記載されているので、これを参考にして分析方法を選び、分析及び定量することができる。中でもイオンクロマトグラフィー、原子吸光法、誘導結合プラズマ発光分析法(ICP)などの分析法によって決定することが容易である。
1価のカウンターカチオンがリチウムイオンを含む本発明の着色剤を得る方法としては、いずれの方法を使用してもよい。例えば、(1)イオン交換樹脂を用いて1価のカウンターカチオンを別のカチオンからリチウムイオンに変換する方法、(2)リチウムイオンを含む系から酸析又は塩析する方法、(3)1価のカウンターカチオンがリチウムイオンである原料及び合成中間体を用いて着色剤を形成させる方法、(4)1価のカウンターカチオンがリチウムイオンである反応剤を用いて、各色着色剤の官能基変換によってイオン性親水性基を導入する方法、(5)イオン性親水性基の1価のカウンターカチオンが銀イオンである化合物を合成し、これをリチウムハロゲン化物溶液と反応させ析出したハロゲン化銀を除去することで1価のカウンターカチオンをリチウムイオンにする方法、などが挙げられる。上記の方法は、リチウムイオンに関するが、ナトリウムイオンやカリウムイオンについても同様の方法で着色剤を得ることが出来る。
1価のカウンターカチオンがリチウムイオンを含む本発明の着色剤を得る方法としては、いずれの方法を使用してもよい。例えば、(1)イオン交換樹脂を用いて1価のカウンターカチオンを別のカチオンからリチウムイオンに変換する方法、(2)リチウムイオンを含む系から酸析又は塩析する方法、(3)1価のカウンターカチオンがリチウムイオンである原料及び合成中間体を用いて着色剤を形成させる方法、(4)1価のカウンターカチオンがリチウムイオンである反応剤を用いて、各色着色剤の官能基変換によってイオン性親水性基を導入する方法、(5)イオン性親水性基の1価のカウンターカチオンが銀イオンである化合物を合成し、これをリチウムハロゲン化物溶液と反応させ析出したハロゲン化銀を除去することで1価のカウンターカチオンをリチウムイオンにする方法、などが挙げられる。上記の方法は、リチウムイオンに関するが、ナトリウムイオンやカリウムイオンについても同様の方法で着色剤を得ることが出来る。
(ハメットの置換基定数σp値)
本明細書中で用いられるハメットの置換基定数σp値について説明する。
ハメット則はベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。なお、本発明において各置換基をハメットの置換基定数σpにより限定したり説明したりするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に含まれるであろう置換基をも含むことはいうまでもない。本発明にかかる化合物はベンゼン誘導体ではないが、置換基の電子効果を示す尺度として、置換位置に関係なくσp値を使用する。本発明においては今後、σp値をこのような意味で使用する。
本明細書中で用いられるハメットの置換基定数σp値について説明する。
ハメット則はベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。なお、本発明において各置換基をハメットの置換基定数σpにより限定したり説明したりするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に含まれるであろう置換基をも含むことはいうまでもない。本発明にかかる化合物はベンゼン誘導体ではないが、置換基の電子効果を示す尺度として、置換位置に関係なくσp値を使用する。本発明においては今後、σp値をこのような意味で使用する。
<アゾ化合物及びその塩>
本発明のアゾ化合物及びその塩は下記一般式(1)で表される。
本発明のアゾ化合物及びその塩は下記一般式(1)で表される。
[一般式(1)中、A1は、置換若しくは無置換の芳香族環を表す。R1aからR1eは、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を表し、置換基同士で結合して環を形成しても良く、これらの置換基は更に置換基を有していても良い。X1は窒素原子又は炭素原子を表し、X1が炭素原子の場合、水素原子又は置換基を有する。但し、一般式(1)中、イオン性親水性基の数は4個以上である。B1は下記一般式(1−1)〜(1−5)のいずれか一つを表す。]
[一般式(1−1)〜(1−5)中、Y1aは酸素原子、硫黄原子、又は水素原子若しくは置換基を有していても良い窒素原子を表す。Y1bとY1cは各々独立にヒドロキシル基又は置換基を有していても良い窒素原子を表す。R1f〜R1qは水素原子又は置換基を表す。M1aは水素原子、アルカリ金属イオン、又はアンモニウムイオンを表す。]
R1a〜R1eは、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を表し、置換基同士で結合して環を形成しても良く、これらの置換基は更に置換基を有していても良い。形成される環としては特に限定されないが、芳香族環であることが好ましく、ベンゼン環、ナフチル環であることが好ましい。置換基を表す場合の置換基としては、上記置換基群Jから選ばれる置換基が挙げられ、
R1a及びR1eとして好ましくは、水素原子である。
R1b〜R1dとして好ましくは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、イオン性親水性基、アリール基、複素環基又はニトロ基が好ましく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミド基、カルボキシル基、スルホンアミド基、又はニトロ基であることがさらに好ましく、水素原子、メチル基、メトキシ基、塩素原子、カルボキシアルキルアミド、カルボキシアリールアミド基、スルホアリールアミド基、カルボキシル基、メチルスルホンアミド基、又はニトロ基であることがより好ましい。
R1b〜R1dはそれぞれ結合して環を形成しても良く、R1b〜R1dのいずれかが結合して形成する環としては、特に限定されないが、芳香族環であることが好ましく、ベンゼン環であることがより好ましい。
R1b〜R1dが置換基を有する場合の置換基としては、上記置換基群Jから選ばれる置換基が挙げられ、イオン性親水性基、アルキル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、又はアリールカルボニルアミノ基が好ましく、イオン性親水性基、アルキル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アリールアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、又はアリールカルボニルアミノ基がより好ましく、これらは上記置換基群J(好ましくはイオン性親水性基、アリールアミノ基、又はアルキルアミノ基)により置換されていてもよい。
R1a及びR1eとして好ましくは、水素原子である。
R1b〜R1dとして好ましくは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、イオン性親水性基、アリール基、複素環基又はニトロ基が好ましく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミド基、カルボキシル基、スルホンアミド基、又はニトロ基であることがさらに好ましく、水素原子、メチル基、メトキシ基、塩素原子、カルボキシアルキルアミド、カルボキシアリールアミド基、スルホアリールアミド基、カルボキシル基、メチルスルホンアミド基、又はニトロ基であることがより好ましい。
R1b〜R1dはそれぞれ結合して環を形成しても良く、R1b〜R1dのいずれかが結合して形成する環としては、特に限定されないが、芳香族環であることが好ましく、ベンゼン環であることがより好ましい。
R1b〜R1dが置換基を有する場合の置換基としては、上記置換基群Jから選ばれる置換基が挙げられ、イオン性親水性基、アルキル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、又はアリールカルボニルアミノ基が好ましく、イオン性親水性基、アルキル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アリールアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、又はアリールカルボニルアミノ基がより好ましく、これらは上記置換基群J(好ましくはイオン性親水性基、アリールアミノ基、又はアルキルアミノ基)により置換されていてもよい。
X1は、炭素原子もしくは窒素原子を表し、X1が炭素原子の場合、水素原子又は置換基を有する。耐光性及び耐オゾン性の観点から好ましくは窒素原子である。X1が置換基を有する炭素原子を表す場合、該置換基としては上記置換基群Jから選ばれる置換基を挙げることができ、好ましくは、ニトリル基、アミド基、スルホニル基、カルボニル基、アルコキシカルボニル基、又はアリールオキシカルボニル基であり、さらに好ましくはニトリル基、アミド基、スルホニル基、又はカルボニル基であり、最も好ましくは二トリル基である。
Y1aは酸素原子、硫黄原子、もしくは水素原子又は置換基を有していても良い窒素原子を表し、窒素原子が置換基を有する場合の置換基は、前記置換基群Jを挙げることができる。Y1aは酸素原子であることが好ましい。
Y1bとY1cは各々独立にヒドロキシル基又は置換基を有していても良い窒素原子を表す。Y1bとY1cが表す窒素原子が置換基を有する場合の置換基は、前記置換基群Jを挙げることができ、好ましくはアルキルカルボニル基、又はアリールカルボニル基である。
Y1bとY1cは各々独立にヒドロキシル基又は置換基を有していても良い窒素原子を表す。Y1bとY1cが表す窒素原子が置換基を有する場合の置換基は、前記置換基群Jを挙げることができ、好ましくはアルキルカルボニル基、又はアリールカルボニル基である。
M1aは、水素原子、アルカリ金属イオン、又はアンモニウムイオンを示し、水素原子又はアルカリ金属イオンが好ましく、アルカリ金属イオンがより好ましい。
R1fからR1qは水素原子又は置換基を表し、R1fからR1qが置換基を表す場合の置換基は、前記置換基群Jを挙げることができ、好ましくはアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、カルバモイル基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、又はシアノ基であり、より好ましくはアルキル基、アリール基、カルバモイル基、又はシアノ基である。
R1f及びR1gとしてより好ましくは、水素原子、アルキル基、又はアリール基である。
R1hとしてより好ましくは、水素原子、又はアリール基であり、R1iとしてより好ましくは、水素原子、又はアルキル基である。
R1jとしてより好ましくは、アルキル基、アリール基、又はイオン性親水性基であり、R1kとしてより好ましくは、アルキル基、又はアリール基である。
R1lとしてより好ましくは、アルキル基であり、R1mとしてより好ましくは、シアノ基、又はカルバモイル基であり、R1nとしてより好ましくは、アルキル基、又はアリール基である。
R1oとしてより好ましくは、アルキル基又はアリール基であり、R1pとしてより好ましくは、水素原子、又はアルキル基であり、R1qとしてより好ましくは、アルキル基、又はハロゲン原子である。
R1fからR1qはさらに上記置換基群J(好ましくはイオン性親水性基、ハロゲン原子、アリールアミノ基、又はアルキルアミノ基)により置換されていてもよい。
R1f及びR1gとしてより好ましくは、水素原子、アルキル基、又はアリール基である。
R1hとしてより好ましくは、水素原子、又はアリール基であり、R1iとしてより好ましくは、水素原子、又はアルキル基である。
R1jとしてより好ましくは、アルキル基、アリール基、又はイオン性親水性基であり、R1kとしてより好ましくは、アルキル基、又はアリール基である。
R1lとしてより好ましくは、アルキル基であり、R1mとしてより好ましくは、シアノ基、又はカルバモイル基であり、R1nとしてより好ましくは、アルキル基、又はアリール基である。
R1oとしてより好ましくは、アルキル基又はアリール基であり、R1pとしてより好ましくは、水素原子、又はアルキル基であり、R1qとしてより好ましくは、アルキル基、又はハロゲン原子である。
R1fからR1qはさらに上記置換基群J(好ましくはイオン性親水性基、ハロゲン原子、アリールアミノ基、又はアルキルアミノ基)により置換されていてもよい。
A1は置換又は無置換の芳香族基を表す。A1が表す芳香族基はヘテロ原子を含有した芳香族へテロ環基でも良く、置換基を有していても良い。A1は炭素数6〜12の芳香族基を表すことが好ましく、炭素数6〜8の芳香族基を表すことがより好ましい。上記ヘテロ原子としては、窒素原子、硫黄原子、又は酸素原子が好ましく、窒素原子又は硫黄原子がより好ましい。
A1は置換若しくは無置換の、フェニル基、ナフチル基、又は芳香族複素環基を表すことが好ましく、置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のナフチル基、又は置換若しくは無置換の含窒素5員若しくは6員のヘテロ環基を表すことが更に好ましい。上記含窒素5員若しくは6員のヘテロ環基は更に縮環構造を有していてもよい。
A1が含窒素5員若しくは6員のヘテロ環基を表す場合、含窒素5員若しくは6員のヘテロ環基としては、5員の、芳香族若しくは非芳香族のへテロ環化合物から1個の水素原子を取り除いた1価の基が好ましく、炭素数2〜4の5員の芳香族へテロ環基がより好ましい。前記含窒素5員ヘテロ環基としては、置換位置を限定しないで表すと、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環又はチアジアゾール環が挙げられ、チアゾール環又はピラゾール環が好ましい。含窒素6員ヘテロ環基としては、置換位置を限定しないで表すと、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環又はトリアジン環が挙げられ、ピリジン環が好ましい。
含窒素5員若しくは6員のヘテロ環基は更に縮環構造を有していてもよく、好ましくはベンゼン環が縮環していてもよい。縮環構造を有する場合のA1としては、ベンゾチアゾール環が好ましい。
A1が含窒素5員若しくは6員のヘテロ環基を表す場合、含窒素5員若しくは6員のヘテロ環基としては、5員の、芳香族若しくは非芳香族のへテロ環化合物から1個の水素原子を取り除いた1価の基が好ましく、炭素数2〜4の5員の芳香族へテロ環基がより好ましい。前記含窒素5員ヘテロ環基としては、置換位置を限定しないで表すと、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環又はチアジアゾール環が挙げられ、チアゾール環又はピラゾール環が好ましい。含窒素6員ヘテロ環基としては、置換位置を限定しないで表すと、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環又はトリアジン環が挙げられ、ピリジン環が好ましい。
含窒素5員若しくは6員のヘテロ環基は更に縮環構造を有していてもよく、好ましくはベンゼン環が縮環していてもよい。縮環構造を有する場合のA1としては、ベンゾチアゾール環が好ましい。
A1が有しても良い置換基としては、上記置換基群Jから選ばれる置換基が挙げられ、好ましくはイオン性親水性基、アリールスルホニルアミノ基、又はアルキルアミノ基であり、−SO3Li又は−CO2Liが更に好ましい。
[一般式(2−1)〜(2−6)中、R2a〜R2uは水素原子又は置換基を表す。]
R2a〜R2uは水素原子又は置換基を表し、該置換基としては、上記置換基群Jから選ばれる置換基が挙げられ、イオン性親水性基、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基が好ましい。
R2a〜R2lとしてより好ましくは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、又はイオン性親水性基である。
R2m〜R2pとしてより好ましくは水素原子、アルコキシ基又はイオン性親水性基である。
R2qとしてより好ましくはアルキル基である。
R2rとしてより好ましくはシアノ基であり、R2sとしてより好ましくは水素原子、アルキル基又はアリール基であり、R2tとしてより好ましくはアリール基である。
R2uとしてより好ましくはアリール基である。
これらはさらに上記置換基群J(好ましくはイオン性親水性基で置換されていてもよいアリールスルホニルアミノ基)により置換されていてもよい。
R2a〜R2lとしてより好ましくは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、又はイオン性親水性基である。
R2m〜R2pとしてより好ましくは水素原子、アルコキシ基又はイオン性親水性基である。
R2qとしてより好ましくはアルキル基である。
R2rとしてより好ましくはシアノ基であり、R2sとしてより好ましくは水素原子、アルキル基又はアリール基であり、R2tとしてより好ましくはアリール基である。
R2uとしてより好ましくはアリール基である。
これらはさらに上記置換基群J(好ましくはイオン性親水性基で置換されていてもよいアリールスルホニルアミノ基)により置換されていてもよい。
A1の好ましい具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。下記具体例において*はアゾ基との結合手を表し、Zはリチウム原子、ナトリウム原子、又はカリウム原子を表す。
また、一般式(1)で表される化合物は4つ以上のイオン性親水性基を有する。より好ましくはイオン性親水性基を4〜8個有し、更に好ましくはイオン性親水性基を4〜6個有する。これにより本発明のアゾ化合物の水溶性、水溶液貯蔵安定性が向上し、インクジェット記録黒インク用水溶性染料としての要求性能を高いレベルで満足し更にインクジェット記録用インクとして使用した際のインクジェット印画物の画質を更に向上できるという効果を奏する。
イオン性親水性基として好ましくは、スルホ基、カルボキシル基、チオカルボキシル基、スルフィノ基、ホスホノ基、ジヒドロキシホスフィノ基、4級アンモニウム基が挙げられる。特に好ましくはスルホ基、カルボキシル基である。塩の状態であってもよく、塩を形成する対カチオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、リチウム塩又はリチウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、リチウム塩が最も好ましい。
4つ以上のイオン性親水性基は同一であっても、それぞれ異なっていてもよい。
また、本発明では、一般式(1)で表される化合物中に同位元素(例えば、2H、3H、13C、15N)を含有していても適用できる。
イオン性親水性基として好ましくは、スルホ基、カルボキシル基、チオカルボキシル基、スルフィノ基、ホスホノ基、ジヒドロキシホスフィノ基、4級アンモニウム基が挙げられる。特に好ましくはスルホ基、カルボキシル基である。塩の状態であってもよく、塩を形成する対カチオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、リチウム塩又はリチウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、リチウム塩が最も好ましい。
4つ以上のイオン性親水性基は同一であっても、それぞれ異なっていてもよい。
また、本発明では、一般式(1)で表される化合物中に同位元素(例えば、2H、3H、13C、15N)を含有していても適用できる。
本発明においては、アゾ化合物が塩である場合は、水溶液及びインク組成物中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。
本発明の上記一般式(1)で表されるアゾ化合物を着色剤として用いた水溶液及び水溶性インク組成物は、染料や顔料などの着色剤とそれの分散物などを含有する組成物を意味し、特に画像形成に好適に使用できる。
以下に前記一般式(1)で表されるアゾ化合物及びその塩の具体例を以下に示すが、下記の例に限定されるものではない。
前記一般式(1)で表されるアゾ化合物は、ジアゾ成分とカプラーとのカップリング反応によって合成することができるが、それらについては、特開2003−306623号公報、及び特開2005−139427号公報に記載がある。
<水溶液>
本発明の水溶液において、主たる溶媒は水であり、好ましくは全溶媒中の水の含有量が50質量%〜100質量%であり、より好ましくは全溶媒中の水の含有量が60質量%〜100質量%である。また、本発明の水溶液は、水以外に、水混和性有機溶剤、及び親油性媒体を含んでいてもよい。本発明の水溶液においては、一般式(1)で表されるアゾ化合物及びその塩は、溶媒中に溶解又は分散しており、好ましくは溶解している。
本発明の水溶液において、一般式(1)で表されるアゾ化合物又はその塩の含有量は、水溶液の全質量に対して、1質量%〜30質量%であり、好ましくは2質量%〜25質量%であリ、より好ましくは2質量%〜20質量%である。アゾ化合物及びその塩の含有量を上記の範囲とすることで水溶液の貯蔵安定性が良好でありかつインクジェット用水溶性インクの調液が容易という効果がある。
本発明の水溶液は25℃でのpHが7.0〜9.0であることが好ましく、7.5〜8.5であることがより好ましい。pHを上記の範囲とすることで水溶液中のアゾ化合物及びその塩の高い溶液安定性を付与できることとインクジェット用水溶性インクの調液が容易という効果がある。
本発明の水溶液において、主たる溶媒は水であり、好ましくは全溶媒中の水の含有量が50質量%〜100質量%であり、より好ましくは全溶媒中の水の含有量が60質量%〜100質量%である。また、本発明の水溶液は、水以外に、水混和性有機溶剤、及び親油性媒体を含んでいてもよい。本発明の水溶液においては、一般式(1)で表されるアゾ化合物及びその塩は、溶媒中に溶解又は分散しており、好ましくは溶解している。
本発明の水溶液において、一般式(1)で表されるアゾ化合物又はその塩の含有量は、水溶液の全質量に対して、1質量%〜30質量%であり、好ましくは2質量%〜25質量%であリ、より好ましくは2質量%〜20質量%である。アゾ化合物及びその塩の含有量を上記の範囲とすることで水溶液の貯蔵安定性が良好でありかつインクジェット用水溶性インクの調液が容易という効果がある。
本発明の水溶液は25℃でのpHが7.0〜9.0であることが好ましく、7.5〜8.5であることがより好ましい。pHを上記の範囲とすることで水溶液中のアゾ化合物及びその塩の高い溶液安定性を付与できることとインクジェット用水溶性インクの調液が容易という効果がある。
本発明の水溶液は、一般式(1)で表されるアゾ化合物及びその塩が水溶性である場合には、水性媒体に溶解して調製することが好ましく、一般式(1)で表されるアゾ化合物及びその塩が油溶性である場合には、水性媒体及び親油性媒体に溶解及び/又は分散させて調製することが好ましい。水性媒体とは、水を主体に含む溶媒であり、所望により水混和性有機溶剤等の有機溶媒が含まれる。この有機溶媒は、粘度低下剤としての機能を有していてもよい。親油性媒体とは、有機溶媒を主体とするものである。水混和性有機溶剤及び親油性媒体については後述する。
<防腐剤>
水溶液は、腐敗による不溶解物の生成が問題となることがある。これを防止するために、本発明の水溶液には防腐剤を添加する。
本発明に使用可能な防腐剤としては、種々のものが使用可能である。
防腐剤としては、重金属イオンを含有する無機物系の防腐剤(銀イオン含有物など)や塩類をまず挙げることができる。有機系の防腐剤としては、第4級アンモニウム塩(テトラブチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド等)、フェノール誘導体(フェノール、クレゾール、ブチルフェノール、キシレノール、ビスフェノール等)、フェノキシエーテル誘導体(フェノキシエタノール等)、ヘテロ環化合物(ベンゾトリアゾール、プロキセル)、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等)、酸アミド類、カルバミン酸、カルバメート類、アミジン・グアニジン類、ピリジン類(ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド等)、ジアジン類、トリアジン類、ピロール類、イミダゾール類、オキサゾール・オキサジン類、チアゾール類チアジアジン類、チオ尿素類、チオセミカルバジド類、ジチオカルバメート類、スルフィド類、スルホキシド類、スルホン類、スルファミド類、抗生物質類(ペニシリン、テトラサイクリン等)、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、及びその塩など種々のものが使用可能である。また、防腐剤としては防菌防微ハンドブック(技報堂:1986)、防菌防黴剤事典(日本防菌防黴学会事典編集委員会編)等に記載のものも使用し得る。
防腐剤としてはフェノール誘導体、ヘテロ環化合物が好ましく、ヘテロ環化合物がより好ましく、ヘテロ環化合物(プロキセルXL−II:商品名、富士フイルムイメージングカラーランツ社製、プロキセルGXL(S):商品名、富士フイルムイメージングカラーランツ社製)が更に好ましい。
防腐剤は単独で添加することも、2種以上を組み合わせ水溶液に添加することもできる。これらの防腐剤は油溶性の構造、水溶性の構造のものなど種々のものが使用可能であるが、好ましくは水溶性の防腐剤である。
中でも、少なくとも1種の防腐剤が、ヘテロ環化合物であることが好ましい。本発明では、防腐剤を2種以上併用して使用すると、本発明の効果が更に良好に発揮される。例えば、ヘテロ環化合物と抗生物質の組み合わせ、ヘテロ環化合物とフェノール誘導体との組み合わせ等が好ましく挙げられる。2種の防腐剤を組み合わせる場合の含有量比は、特に限定的ではないが、防腐剤A(ヘテロ環化合物)/防腐剤B(フェノール誘導体)=0.01〜100(質量比)の範囲が好ましい。
水溶液への防腐剤の添加量は広い範囲で使用可能であるが、好ましくは、0.001〜10質量%、より好ましくは、0.1〜5質量%である。防腐剤の含有量を上記の範囲とすることで水溶液中の菌の増殖を抑制するという効果がある。
水溶液は、腐敗による不溶解物の生成が問題となることがある。これを防止するために、本発明の水溶液には防腐剤を添加する。
本発明に使用可能な防腐剤としては、種々のものが使用可能である。
防腐剤としては、重金属イオンを含有する無機物系の防腐剤(銀イオン含有物など)や塩類をまず挙げることができる。有機系の防腐剤としては、第4級アンモニウム塩(テトラブチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド等)、フェノール誘導体(フェノール、クレゾール、ブチルフェノール、キシレノール、ビスフェノール等)、フェノキシエーテル誘導体(フェノキシエタノール等)、ヘテロ環化合物(ベンゾトリアゾール、プロキセル)、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等)、酸アミド類、カルバミン酸、カルバメート類、アミジン・グアニジン類、ピリジン類(ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド等)、ジアジン類、トリアジン類、ピロール類、イミダゾール類、オキサゾール・オキサジン類、チアゾール類チアジアジン類、チオ尿素類、チオセミカルバジド類、ジチオカルバメート類、スルフィド類、スルホキシド類、スルホン類、スルファミド類、抗生物質類(ペニシリン、テトラサイクリン等)、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、及びその塩など種々のものが使用可能である。また、防腐剤としては防菌防微ハンドブック(技報堂:1986)、防菌防黴剤事典(日本防菌防黴学会事典編集委員会編)等に記載のものも使用し得る。
防腐剤としてはフェノール誘導体、ヘテロ環化合物が好ましく、ヘテロ環化合物がより好ましく、ヘテロ環化合物(プロキセルXL−II:商品名、富士フイルムイメージングカラーランツ社製、プロキセルGXL(S):商品名、富士フイルムイメージングカラーランツ社製)が更に好ましい。
防腐剤は単独で添加することも、2種以上を組み合わせ水溶液に添加することもできる。これらの防腐剤は油溶性の構造、水溶性の構造のものなど種々のものが使用可能であるが、好ましくは水溶性の防腐剤である。
中でも、少なくとも1種の防腐剤が、ヘテロ環化合物であることが好ましい。本発明では、防腐剤を2種以上併用して使用すると、本発明の効果が更に良好に発揮される。例えば、ヘテロ環化合物と抗生物質の組み合わせ、ヘテロ環化合物とフェノール誘導体との組み合わせ等が好ましく挙げられる。2種の防腐剤を組み合わせる場合の含有量比は、特に限定的ではないが、防腐剤A(ヘテロ環化合物)/防腐剤B(フェノール誘導体)=0.01〜100(質量比)の範囲が好ましい。
水溶液への防腐剤の添加量は広い範囲で使用可能であるが、好ましくは、0.001〜10質量%、より好ましくは、0.1〜5質量%である。防腐剤の含有量を上記の範囲とすることで水溶液中の菌の増殖を抑制するという効果がある。
<pH調整剤>
本発明の水溶液は、更に、pH調整剤を含有することができる。
pH調整剤としては、中和剤(有機塩基、無機アルカリ)を用いることができる。pH調整剤はインクジェット用インクの保存安定性を向上させる目的で、該インクジェット用インクがpH7.0〜9.0となるように添加するのが好ましく、pH7.5〜8.5となるように添加するのがより好ましい。
pH調整剤の含有量を調節することで所望のpHとすることができる。
本発明の水溶液は、更に、pH調整剤を含有することができる。
pH調整剤としては、中和剤(有機塩基、無機アルカリ)を用いることができる。pH調整剤はインクジェット用インクの保存安定性を向上させる目的で、該インクジェット用インクがpH7.0〜9.0となるように添加するのが好ましく、pH7.5〜8.5となるように添加するのがより好ましい。
pH調整剤の含有量を調節することで所望のpHとすることができる。
pH調整剤としては、塩基性のものとして有機塩基、無機塩基等が、酸性のものとして有機酸、無機酸等が挙げられる。
塩基性化合物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸1水素ナトリウムなどの無機化合物やアンモニア水、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ピペリジン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロウンデセン、ピリジン、キノリン、ピコリン、ルチジン、コリジン等の有機塩基、安息香酸リチウムやフタル酸カリウム等の有機酸のアルカリ金属塩を使用することも可能である。
酸性化合物としては、塩酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、リン酸2水素カリウム、リン酸2水素ナトリウム等の無機化合物や、酢酸、酒石酸、安息香酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サッカリン酸、フタル酸、ピコリン酸、キノリン酸等の有機化合物を使用することもできる。
pH調整剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウムが好ましく、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素リチウムがより好ましく、炭酸水素リチウムが更に好ましい。
塩基性化合物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸1水素ナトリウムなどの無機化合物やアンモニア水、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ピペリジン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロウンデセン、ピリジン、キノリン、ピコリン、ルチジン、コリジン等の有機塩基、安息香酸リチウムやフタル酸カリウム等の有機酸のアルカリ金属塩を使用することも可能である。
酸性化合物としては、塩酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、リン酸2水素カリウム、リン酸2水素ナトリウム等の無機化合物や、酢酸、酒石酸、安息香酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サッカリン酸、フタル酸、ピコリン酸、キノリン酸等の有機化合物を使用することもできる。
pH調整剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウムが好ましく、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素リチウムがより好ましく、炭酸水素リチウムが更に好ましい。
<アゾ化合物及びその塩と併用する染料>
また、本発明の水溶液には、前記一般式(1)で表されるアゾ化合物及びその塩とともに他の染料を併用して、より好ましい色相に調整してもよい。併用する染料としては、任意の染料(例えば、イエロー染料、マゼンタ染料、シアン染料など)が用いられ得る。例えば、イエロー染料では、カップリング成分(以降カプラー成分と呼ぶ)として置換ベンゼン類、置換ナフタレン類、ピラゾロンやピリドン等のようなヘテロ環類、開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分として開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料などがあり、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。特に併用して好ましいものは、λmaxが350nmから500nmにある染料(S)であり、前述及び後述のイエロー染料を用いることができるが、中でも、1分子中にアゾ基を2乃至6個有するアゾ染料である。なお、本発明では黄色顔料も用いることができる。
マゼンタ染料では、カプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピリジンやピラジンのようなヘテロ環類、開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分として開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアゾメチン染料;アントラピリドン染料をあげることができる。特に好ましいものは、発色団にヘテロ環を有するアゾ染料、若しくはアントラピリドン染料である。
シアン染料では、カプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類などを有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、ピロロトリアゾールのようなヘテロ環類などを有するアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料などのようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料などのようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;インジゴ・チオインジゴ染料などを挙げることができる。特に好ましいものは、フタロシアニン染料である。
また、本発明の水溶液には、前記一般式(1)で表されるアゾ化合物及びその塩とともに他の染料を併用して、より好ましい色相に調整してもよい。併用する染料としては、任意の染料(例えば、イエロー染料、マゼンタ染料、シアン染料など)が用いられ得る。例えば、イエロー染料では、カップリング成分(以降カプラー成分と呼ぶ)として置換ベンゼン類、置換ナフタレン類、ピラゾロンやピリドン等のようなヘテロ環類、開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分として開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料などがあり、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。特に併用して好ましいものは、λmaxが350nmから500nmにある染料(S)であり、前述及び後述のイエロー染料を用いることができるが、中でも、1分子中にアゾ基を2乃至6個有するアゾ染料である。なお、本発明では黄色顔料も用いることができる。
マゼンタ染料では、カプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピリジンやピラジンのようなヘテロ環類、開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分として開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアゾメチン染料;アントラピリドン染料をあげることができる。特に好ましいものは、発色団にヘテロ環を有するアゾ染料、若しくはアントラピリドン染料である。
シアン染料では、カプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類などを有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、ピロロトリアゾールのようなヘテロ環類などを有するアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料などのようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料などのようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;インジゴ・チオインジゴ染料などを挙げることができる。特に好ましいものは、フタロシアニン染料である。
特に、堅牢性のバランスから酸化電位が1.0Vより貴である染料や、会合性の染料が好ましい。併用する好ましい染料の具体例としては、特開2005−146244号公報に記載の染料を挙げることができる。
ヘテロ環アゾ染料としては、上記一般式(1)で表されるアゾ化合物及びその塩の他に公知のイエロー染料、マゼンタ染料を用いることができる。これらヘテロ環アゾ染料であるイエロー染料、及びマゼンタ染料は、上記特性(酸化電位、会合性)の少なくとも1つを有していることが好ましく、全ての特性を有していることが更に好ましい。これら染料の酸化電位は、1.1V(vs SCE)よりも貴であることが更に好ましく、1.15V(vs SCE)よりも貴であることが特に好ましい。
ヘテロ環アゾ染料であるイエロー染料としては、特開2004−83903号(段落番号[0048]〜[0062])、同2003−277661号(段落番号[0041]〜[0050])、同2003−277662号(段落番号[0042]〜[0047])、米国出願公開US2003/0213405(段落番号[0108])に記載されたものが挙げられる。
ヘテロ環アゾ染料であるイエロー染料としては、特開2004−83903号(段落番号[0048]〜[0062])、同2003−277661号(段落番号[0041]〜[0050])、同2003−277662号(段落番号[0042]〜[0047])、米国出願公開US2003/0213405(段落番号[0108])に記載されたものが挙げられる。
<水溶液の作製工程>
水溶液を作製する際には、濾過により固形分であるゴミを除く工程(濾過工程)を加えることが好ましい。この作業には濾過フィルターを使用するが、このときの濾過フィルターとは、有効径が1μm以下、好ましくは0.3μm以下のフィルターを用いる。フィルターの材質としては種々のものが使用できるが、特に水溶性染料の水溶液の場合には、水系の溶媒用に作製されたフィルターを用いるのが好ましい。中でも特にゴミの出にくい、ポリマー材料で作製されたジャケット型のフィルターを用いるのが好ましい。濾過法としては送液によりジャケットを通過させてもよいし、加圧濾過、減圧濾過のいずれの方法も利用可能である。
本発明では、粘度低下剤を用いていてもよく、上記濾過処理を抵抗なく行うことができる。
水溶液を作製する際には、濾過により固形分であるゴミを除く工程(濾過工程)を加えることが好ましい。この作業には濾過フィルターを使用するが、このときの濾過フィルターとは、有効径が1μm以下、好ましくは0.3μm以下のフィルターを用いる。フィルターの材質としては種々のものが使用できるが、特に水溶性染料の水溶液の場合には、水系の溶媒用に作製されたフィルターを用いるのが好ましい。中でも特にゴミの出にくい、ポリマー材料で作製されたジャケット型のフィルターを用いるのが好ましい。濾過法としては送液によりジャケットを通過させてもよいし、加圧濾過、減圧濾過のいずれの方法も利用可能である。
本発明では、粘度低下剤を用いていてもよく、上記濾過処理を抵抗なく行うことができる。
水溶液を作製する工程や調液工程において、染料やその他の成分を溶解する方法としては、攪拌による溶解、超音波照射による溶解、振とうによる溶解等種々の方法が使用可能である。中でも特に攪拌法が好ましく使用される。攪拌を行う場合、当該分野では公知の流動攪拌や反転アジターやディゾルバを利用した剪断力を利用した攪拌など、種々の方式が利用可能である。一方では、磁気攪拌子のように、容器底面との剪断力を利用した攪拌法も好ましく利用できる。
<水溶液の用途>
本発明の水溶液の用途は、特に制限はないが、インク組成物として用いることが好ましく、インクジェット記録用インクに用いることがより好ましい。
本発明の水溶液の用途は、特に制限はないが、インク組成物として用いることが好ましく、インクジェット記録用インクに用いることがより好ましい。
<インク組成物>
本発明のインク組成物は、上記本発明の水溶液を含有する。
本発明のインク組成物は、上記本発明の水溶液を含有する。
一般式(1)で表されるアゾ化合物及びその塩のインク組成物中での含有量は、0.2〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましく、1.0〜8.0質量%が特に好ましい。
本発明のインク組成物は、全染料を好ましくは、0.2〜20質量%含有し、より好ましくは、0.5〜10質量%含有し、特に好ましくは1.0〜8.0質量%含有する。
本発明のインク組成物は、全染料を好ましくは、0.2〜20質量%含有し、より好ましくは、0.5〜10質量%含有し、特に好ましくは1.0〜8.0質量%含有する。
本発明のインク組成物はpH調整剤により、25℃でのインク組成物のpHが7.0〜10.0に調整されていることが好ましく、pHが7.5〜9.5に調整されていることがより好ましい。pHが7.5以上である場合は染料の溶解性が向上してノズルの詰まりを防止できる。また、pHが9.5以下であればインクの長期貯蔵安定性に優れる傾向がある。インク組成物に用いられるpH調整剤としては、本発明の水溶液に用いたものを挙げることができ、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムが好ましく、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウムがより好ましい。
本発明のインク組成物は、ブラックインクが好適であるが、ブラックインクに制限されるべきものではなく、他の染料又は顔料との混合により任意の色のインクを包含することができる。
本発明のインク組成物は、ブラックインクが好適であるが、ブラックインクに制限されるべきものではなく、他の染料又は顔料との混合により任意の色のインクを包含することができる。
次に、本発明の水溶液及びインク組成物に用いられる染料について説明する。この染料としては、特に制限はないが、水を溶媒として測定した吸収スペクトルの最大吸収波長(λmax)が500nm以上700nm以下であることが好ましく、500nm以上700nm以下であることがより好ましく、更に好ましくは550nm〜650nm、570nm〜650nmであることが特に好ましい。λmaxが500nmから700nmにあり、かつ吸光度1.0に規格化した希薄溶液の吸収スペクトルにおける半値幅(Wλ,1/2)が100nm以上、好ましくは120nm以上500nm以下、更に好ましくは120nm以上350nm以下である一般式(1)で表されるアゾ化合物を少なくとも1種含むことが好ましい。
一般式(1)で表されるアゾ化合物及びその塩単独で、画像品質の高い「(しまりのよい)黒」=観察光源によらず、かつB,G,Rのいずれかの色調が強調されにくい黒を実現できる場合は、一般式(1)で表されるアゾ化合物及びその塩を単独で水溶液又はインク組成物の原料として使用することも可能であるが、通常、インク組成物としては吸収が低い領域をカバーする染料と併用するのが一般的である。通常、一般式(1)で表されるアゾ化合物及びその塩を用いるインク組成物の場合は、イエロー領域に主吸収(λmaxが350nmから500nm)を有する他の染料と併用するのが好ましい。また、更に他の染料と併用してインク組成物を作製することも可能である。
他の染料は、水溶液に用いることができるが、好ましくはインク組成物の調製のときに混合して用いることが保存安定性の観点から好ましい。
他の染料は、水溶液に用いることができるが、好ましくはインク組成物の調製のときに混合して用いることが保存安定性の観点から好ましい。
本発明に用いることができる染料は、単独でも色調を整えるために複数組み合わせて使用される。本発明のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各々の水溶液から得られるインク組成物は、単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成するために、各色についてそれぞれ濃淡2色のインク組成物を用いることもできる。更には、レッド、グリーン、ブルー、更にバイオレットと言った中間色調のインク組成物を用いることもできる。本発明のインク組成物は、フルカラーの画像を得るためのインクセットを構成することができる。又は、該インク組成物は、インクセットの一部を構成することができる。すなわち、インクセットを構成するために本発明以外の任意のインク組成物と本発明のインク組成物とを組み合わせても良い。
また、本発明のインク組成物には、前記染料とともにフルカラーの画像を得るため、色調を整えるために、他の着色剤を併用してもよい。
本発明におけるインクセットに用いることのできる着色剤、又は前記染料と併用できる着色剤としては、各々任意のものを使用する事が出来る。併用することができる染料の例としては今までに述べてきた染料及び、特開2012−177083の〔0284〕〜〔0287〕に記載の染料を挙げることができる。
本発明におけるインクセットに用いることのできる着色剤、又は前記染料と併用できる着色剤としては、各々任意のものを使用する事が出来る。併用することができる染料の例としては今までに述べてきた染料及び、特開2012−177083の〔0284〕〜〔0287〕に記載の染料を挙げることができる。
上記染料以外に、下記各公報に記載の染料も好ましく用いることができる。特開平10−130557号、特開平9−255906号、特開平6−234944号、特開平7−97541号、EP 982371号、WO 00/43450、WO 00/43451、WO 00/43452、WO 00/43453、WO 03/106572、WO 03/104332、特開2003−238862号、特開2004−83609号、特開2002−302619号、特開2002−327131号、特開2002−265809号、WO 01/48090、WO 04/087815、WO 02/90441、WO 03/027185、WO 04/085541、特開2003−321627号、特開2002−332418号、特開2002−332419号、WO 02/059215、WO 02/059216、WO 04/087814、WO 04/046252、WO 04/046265、米国特許第6652637号、WO 03/106572、WO 03/104332、WO 00/58407、特許第3558213号、特許第3558212号、特許第3558211号、特開2004−285351号、WO 04/078860、特開2004−323605号、WO 04/104108。
本発明に用いられる水溶性染料としては特開2002−371214号公報に記載のマゼンタ染料、特開2002−309118号公報に記載のフタロシアニン染料、特開2003−12952号及び同2003−12956号公報中の水溶性フタロシアニン染料等に記載の染料を用いることも好ましい。
本発明のインク組成物は、媒体中、好ましくは水性媒体に染料を含有する。水性媒体は、水、若しくは水に必要に応じて水混和性有機溶剤などの溶剤が添加される。なお、水混和性有機溶剤は前述したように本発明の水溶液における粘度低下剤であってもよい。
本発明において用いることができる上記水混和性有機溶剤は、当該分野ではインクジェット記録用インク組成物の乾燥防止剤、浸透促進剤、湿潤剤などの機能を有する材料であり、主に高沸点の水混和性有機溶媒が使用される。このような化合物としては、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングルコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングルコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)及びその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が挙げられる。なお、前記水混和性有機溶剤は、2種類以上を併用してもよい。
この中でも、アルコール系溶媒が特に好ましい。また、本発明のインク組成物では沸点150℃以上の水混和性有機溶剤を含むことが好ましく、例えば、上記した中から選択される2−ピロリドン等が挙げられる。これらの水混和性有機溶剤は、総量でインク組成物中に5〜60質量%含有することが好ましく、特に好ましくは10〜45質量%である。
本発明のインク組成物に界面活性剤を含有させ、インク組成物の液物性を調整することで、インク組成物の吐出安定性を向上させ、画像の耐水性の向上や印字したインク組成物の滲みの防止などに優れた効果を持たせることができる。
界面活性剤としては、例えばドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルオキシスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、セチルピリジニウムクロライド、トリメチルセチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のノニオン性界面活性剤などが挙げられる。中でも特にノニオン系界面活性剤が好ましく使用される。
界面活性剤としては、例えばドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルオキシスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、セチルピリジニウムクロライド、トリメチルセチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のノニオン性界面活性剤などが挙げられる。中でも特にノニオン系界面活性剤が好ましく使用される。
界面活性剤の含有量はインク組成物に対して0.001〜20質量%、好ましくは0.005〜10質量%、更に好ましくは0.01〜5質量である。
染料が油溶性染料の場合は、該油溶性染料を高沸点有機溶媒中に溶解させた水溶液を、水性媒体中に乳化分散させることによって本発明のインク組成物を調製することができる。本発明に用いられる高沸点有機溶媒の沸点は150℃以上であるが、好ましくは170℃以上である。
例えば、フタル酸エステル類(例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロへキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、デシルフタレート、ビス(2,4−ジ−tert−アミルフェニル)イソフタレート、ビス(1,1−ジエチルプロピル)フタレート)、リン酸、又はホスホンのエステル類(例えば、ジフェニルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、ジオクチルブチルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリドデシルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルフェニルホスフェート)、安息香酸エステル酸(例えば、2−エチルヘキシルベンゾエート、2,4−ジクロロベンゾエート、ドデシルベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ヒドロキシベンゾエート)、アミド類(例えば、N,N−ジエチルドデカンアミド、N,N−ジエチルラウリルアミド)、アルコール類、又はフェノール類(イソステアリルアルコール、2,4−ジ−tert−アミルフェノールなど)、脂肪族エステル類(例えば、コハク酸ジブトキシエチル、コハク酸ジ−2−エチルヘキシル、テトラデカン酸2−ヘキシルデシル、クエン酸トリブチル、ジエチルアゼレート、イソステアリルラクテート、トリオクチルシトレート)、アニリン誘導体(N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−tert−オクチルアニリンなど)、塩素化パラフィン類(塩素含有量10%〜80%のパラフィン類)、トリメシン酸エステル類(例えば、トリメシン酸トリブチル)、ドデシルベンゼン、ジイソプロピルナフタレン、フェノール類(例えば、2,4−ジ−tert−アミルフェノール、4−ドデシルオキシフェノール、4−ドデシルオキシカルボニルフェノール、4−(4−ドデシルオキシフェニルスルホニル)フェノール)、カルボン酸類(例えば、2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ酪酸、2−エトキシオクタンデカン酸)、アルキルリン酸類(例えば、ジ−2(エチルヘキシル)リン酸、ジフェニルリン酸)などが挙げられる。高沸点有機溶媒は油溶性染料に対して質量比で0.01〜3倍量、好ましくは0.01〜1.0倍量で使用できる。
これらの高沸点有機溶媒は単独で使用しても、数種の混合〔例えばトリクレジルホスフェートとジブチルフタレート、トリオクチルホスフェートとジ(2−エチルヘキシル)セバケート、ジブチルフタレートとポリ(N−t−ブチルアクリルアミド)〕で使用してもよい。
例えば、フタル酸エステル類(例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロへキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、デシルフタレート、ビス(2,4−ジ−tert−アミルフェニル)イソフタレート、ビス(1,1−ジエチルプロピル)フタレート)、リン酸、又はホスホンのエステル類(例えば、ジフェニルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、ジオクチルブチルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリドデシルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルフェニルホスフェート)、安息香酸エステル酸(例えば、2−エチルヘキシルベンゾエート、2,4−ジクロロベンゾエート、ドデシルベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ヒドロキシベンゾエート)、アミド類(例えば、N,N−ジエチルドデカンアミド、N,N−ジエチルラウリルアミド)、アルコール類、又はフェノール類(イソステアリルアルコール、2,4−ジ−tert−アミルフェノールなど)、脂肪族エステル類(例えば、コハク酸ジブトキシエチル、コハク酸ジ−2−エチルヘキシル、テトラデカン酸2−ヘキシルデシル、クエン酸トリブチル、ジエチルアゼレート、イソステアリルラクテート、トリオクチルシトレート)、アニリン誘導体(N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−tert−オクチルアニリンなど)、塩素化パラフィン類(塩素含有量10%〜80%のパラフィン類)、トリメシン酸エステル類(例えば、トリメシン酸トリブチル)、ドデシルベンゼン、ジイソプロピルナフタレン、フェノール類(例えば、2,4−ジ−tert−アミルフェノール、4−ドデシルオキシフェノール、4−ドデシルオキシカルボニルフェノール、4−(4−ドデシルオキシフェニルスルホニル)フェノール)、カルボン酸類(例えば、2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ酪酸、2−エトキシオクタンデカン酸)、アルキルリン酸類(例えば、ジ−2(エチルヘキシル)リン酸、ジフェニルリン酸)などが挙げられる。高沸点有機溶媒は油溶性染料に対して質量比で0.01〜3倍量、好ましくは0.01〜1.0倍量で使用できる。
これらの高沸点有機溶媒は単独で使用しても、数種の混合〔例えばトリクレジルホスフェートとジブチルフタレート、トリオクチルホスフェートとジ(2−エチルヘキシル)セバケート、ジブチルフタレートとポリ(N−t−ブチルアクリルアミド)〕で使用してもよい。
本発明において用いられる高沸点有機溶媒の前記以外の化合物例及び/又はこれら高沸点有機溶媒の合成方法は例えば米国特許第2,322,027号、同第2,533,514号、同第2,772,163号、同第2,835,579号、同第3,594,171号、同第3,676,137号、同第3,689,271号、同第3,700,454号、同第3,748,141号、同第3,764,336号、同第3,765,897号、同第3,912,515号、同第3,936,303号、同第4,004,928号、同第4,080,209号、同第4,127,413号、同第4,193,802号、同第4,207,393号、同第4,220,711号、同第4,239,851号、同第4,278,757号、同第4,353,979号、同第4,363,873号、同第4,430,421号、同第4,430,422号、同第4,464,464号、同第4,483,918号、同第4,540,657号、同第4,684,606号、同第4,728,599号、同第4,745,049号、同第4,935,321号、同第5,013,639号、欧州特許第276,319A号、同第286,253A号、同第289,820A号、同第309,158A号、同第309,159A号、同第309,160A号、同第509,311A号、同第510,576A号、東独特許第147,009号、同第157,147号、同第159,573号、同第225,240A号、英国特許第2,091,124A号、特開昭48−47335号、同50−26530号、同51−25133号、同51−26036号、同51−27921号、同51−27922号、同51−149028号、同52−46816号、同53−1520号、同53−1521号、同53−15127号、同53−146622号、同54−91325号、同54−106228号、同54−118246号、同55−59464号、同56−64333号、同56−81836号、同59−204041号、同61−84641号、同62−118345号、同62−247364号、同63−167357号、同63−214744号、同63−301941号、同64−9452号、同64−9454号、同64−68745号、特開平1−101543号、同1−102454号、同2−792号、同2−4239号、同2−43541号、同4−29237号、同4−30165号、同4−232946号、同4−346338号等に記載されている。
上記高沸点有機溶媒は、油溶性染料に対し、質量比で0.01〜3.0倍量、好ましくは0.01〜1.0倍量で使用する。
上記高沸点有機溶媒は、油溶性染料に対し、質量比で0.01〜3.0倍量、好ましくは0.01〜1.0倍量で使用する。
本発明では、油溶性染料や高沸点有機溶媒は、水性媒体中に乳化分散されることが好ましい。乳化分散の際、乳化性の観点から場合によっては低沸点有機溶媒を用いることができる。低沸点有機溶媒としては、常圧で沸点約30℃以上150℃以下の有機溶媒である。例えばエステル類(例えばエチルアセテート、ブチルアセテート、エチルプロピオネート、β−エトキシエチルアセテート、メチルセロソルブアセテート)、アルコール類(例えばイソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、セカンダリーブチルアルコール)、ケトン類(例えばメチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、アミド類(例えばジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン)、エーテル類(例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン)等が好ましく用いられるが、これに限定されるものではない。
乳化分散は、高沸点有機溶媒と場合によっては低沸点有機溶媒の混合溶媒に染料を溶かした油相を、水を主体とした水相中に分散し、油相の微小油滴を作るために行われる(この油層を該水相に分散したものを本発明の水溶液としてもよい)。この際、水相、油相のいずれか又は両方に、界面活性剤、湿潤剤、染料安定化剤、乳化安定剤、防腐剤、防黴剤等の成分を必要に応じて添加することができる。乳化法としては水相中に油相を添加する方法が一般的であるが、油相中に水相を滴下して行く、いわゆる転相乳化法も好ましく用いることができる。なお、染料が水溶性で、成分が油溶性の場合にも前記乳化法を適用し得る。
乳化分散する際には、種々の界面活性剤を用いることができる。例えば脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157,636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。
また、乳化直後の安定化を図る目的で、上記界面活性剤と併用して水溶性ポリマーを添加することもできる。水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドやこれらの共重合体が好ましく用いられる。また多糖類、カゼイン、ゼラチン等の天然水溶性ポリマーを用いるのも好ましい。更に染料分散物の安定化のためには実質的に水性媒体中に溶解しないアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、ビニルエステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、オレフィン類、スチレン類、ビニルエーテル類、アクリロニトリル類の重合により得られるポリビニルやポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリカーボネート等も併用することができる。これらのポリマーは−SO3 −、−COO−を含有していること好ましい。これらの実質的に水性媒体中に溶解しないポリマーを併用する場合、高沸点有機溶媒の20質量%以下用いられることが好ましく、10質量%以下で用いられることがより好ましい。
乳化分散により油溶性染料や高沸点有機溶媒を分散させて水性インク組成物とする場合、特に重要なのはその粒子サイズのコントロールである。インクジェットにより画像を形成した際の、色純度や濃度を高めるには平均粒子サイズを小さくすることが必須である。体積平均粒径で好ましくは1μm以下、より好ましくは5〜100nmである。
前記分散粒子の体積平均粒径及び粒度分布の測定方法には静的光散乱法、動的光散乱法、遠心沈降法のほか、実験化学講座第4版の417〜418ページに記載されている方法を用いるなど、公知の方法で容易に測定することができる。例えば、インク組成物中の粒子濃度が0.1〜1質量%になるように蒸留水で希釈して、市販の体積平均粒径測定機(例えば、マイクロトラックUPA(日機装(株)製))で容易に測定できる。更に、レーザードップラー効果を利用した動的光散乱法は、小サイズまで粒径測定が可能であり特に好ましい。
体積平均粒径とは粒子体積で重み付けした平均粒径であり、粒子の集合において、個々の粒子の直径にその粒子の体積を乗じたものの総和を粒子の総体積で割ったものである。体積平均粒径については「高分子ラテックスの化学(室井 宗一著 高分子刊行会)」の119ページに記載がある。
前記分散粒子の体積平均粒径及び粒度分布の測定方法には静的光散乱法、動的光散乱法、遠心沈降法のほか、実験化学講座第4版の417〜418ページに記載されている方法を用いるなど、公知の方法で容易に測定することができる。例えば、インク組成物中の粒子濃度が0.1〜1質量%になるように蒸留水で希釈して、市販の体積平均粒径測定機(例えば、マイクロトラックUPA(日機装(株)製))で容易に測定できる。更に、レーザードップラー効果を利用した動的光散乱法は、小サイズまで粒径測定が可能であり特に好ましい。
体積平均粒径とは粒子体積で重み付けした平均粒径であり、粒子の集合において、個々の粒子の直径にその粒子の体積を乗じたものの総和を粒子の総体積で割ったものである。体積平均粒径については「高分子ラテックスの化学(室井 宗一著 高分子刊行会)」の119ページに記載がある。
また、粗大粒子の存在も印刷性能に非常に大きな役割を示すことが明らかになった。即ち、粗大粒子がヘッドのノズルを詰まらせる、又は詰まらないまでも汚れを形成することによってインク組成物の不吐出や吐出のヨレを生じ、印刷性能に重大な影響を与えることが分かった。これを防止するためには、インク組成物にした時にインク組成物1μl中で5μm以上の粒子を10個以下、1μm以上の粒子を1000個以下に抑えることが重要である。これらの粗大粒子を除去する方法としては、公知の遠心分離法、精密濾過法等を用いることができる。これらの分離手段は乳化分散直後に行ってもよいし、乳化分散物に湿潤剤や界面活性剤等の各種成分を加えた後、インクカートリッジに充填する直前でもよい。平均粒子サイズを小さくし、かつ粗大粒子を無くす有効な手段として、機械的な乳化装置を用いることができる。
乳化装置としては、簡単なスターラーやインペラー撹拌方式、インライン撹拌方式、コロイドミル等のミル方式、超音波方式など公知の装置を用いることができるが、高圧ホモジナイザーの使用は特に好ましいものである。高圧ホモジナイザーは、米国特許4533254号、特開平6−47264号等に詳細な機構が記載されているが、市販の装置としては、ゴーリンホモジナイザー(A.P.V GAULIN INC.)、マイクロフルイダイザー(MICROFLUIDEX INC.)、アルティマイザー(株式会社スギノマシン)等がある。 また、近年になって米国特許5720551号に記載されているような、超高圧ジェット流内で微粒子化する機構を備えた高圧ホモジナイザーは本発明の乳化分散に特に有効である。この超高圧ジェット流を用いた乳化装置の例として、DeBEE2000(BEE INTERNATIONAL LTD.)があげられる。
高圧乳化分散装置で乳化する際の圧力は50MPa以上であり、好ましくは60MPa以上、更に好ましくは180MPa以上である。
例えば、撹拌乳化機で乳化した後、高圧ホモジナイザーを通す等の方法で2種以上の乳化装置を併用するのは特に好ましい方法である。また、一度これらの乳化装置で乳化分散した後、湿潤剤や界面活性剤等の成分を添加した後、カートリッジにインク組成物を充填する間に再度高圧ホモジナイザーを通過させる方法も好ましい方法である。高沸点有機溶媒に加えて低沸点有機溶媒を含む場合、乳化物の安定性及び安全衛生上の観点から低沸点溶媒を除去するのが好ましい。低沸点溶媒を除去する方法は溶媒の種類に応じて各種の公知の方法を用いることができる。即ち、蒸発法、真空蒸発法、限外濾過法等である。この低沸点有機溶剤の除去工程は乳化直後、できるだけ速やかに行うのが好ましい。
例えば、撹拌乳化機で乳化した後、高圧ホモジナイザーを通す等の方法で2種以上の乳化装置を併用するのは特に好ましい方法である。また、一度これらの乳化装置で乳化分散した後、湿潤剤や界面活性剤等の成分を添加した後、カートリッジにインク組成物を充填する間に再度高圧ホモジナイザーを通過させる方法も好ましい方法である。高沸点有機溶媒に加えて低沸点有機溶媒を含む場合、乳化物の安定性及び安全衛生上の観点から低沸点溶媒を除去するのが好ましい。低沸点溶媒を除去する方法は溶媒の種類に応じて各種の公知の方法を用いることができる。即ち、蒸発法、真空蒸発法、限外濾過法等である。この低沸点有機溶剤の除去工程は乳化直後、できるだけ速やかに行うのが好ましい。
更に、本発明は、顔料を染料と共に併用することもできる。
本発明に用いることのできる顔料としては、特開2012−177083の〔0288〕〜〔0294〕に記載の顔料が挙げられる。
本発明に用いることのできる顔料としては、特開2012−177083の〔0288〕〜〔0294〕に記載の顔料が挙げられる。
本発明のインク組成物には、インク組成物に種々の機能を付与するための機能性成分を含有させることができる。例えば、機能性成分としては、前記した各種溶媒、インク組成物の噴射口での乾操による目詰まりを防止するための乾燥防止剤、インク組成物を紙によりよく浸透させるための浸透促進剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、分散剤、分散安定剤、防黴剤、防錆剤、pH調整剤、消泡剤、キレート剤等が挙げられ、本発明のインク組成物は、これらを適宜選択して適量使用することができる。これら機能性成分は一種の化合物で一つ又は二つ以上の機能を発揮し得るものも含む。従って、以下の機能性成分の配合割合において、機能が重複する場合の機能性成分の取り扱いは、その化合物を各機能性成分に独立に算入させるものとする。
本発明に使用される乾燥防止剤としては水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチルー2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等のヘテロ環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げられる。これらのうちグリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより好ましい。また上記の乾燥防止剤は単独で用いてもよいし2種以上併用してもよい。これらの乾燥防止剤はインク組成物中に10〜50質量%含有することが好ましい。
本発明に使用される浸透促進剤としてはエタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を用いることができる。これらはインク組成物中に10〜30質量%含有すれば充分な効果があり、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲で使用するのが好ましい。
本発明で画像の保存性を向上させるために使用される紫外線吸収剤としては特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンゾオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
本発明では、画像の保存性を向上させるために使用される酸化防止剤として、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
本発明に使用される防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。これらは、インク組成物中に0.02〜5.00質量%使用するのが好ましい。
本発明のインク組成物の伝導度は0.01〜10S/mの範囲である。中でも好ましい範囲は伝導度が0.05〜5S/mの範囲である。
伝導度の測定方法は、市販の飽和塩化カリウムを用いた電極法により測定可能である。伝導度は主に水系溶液中のイオン濃度によってコントロール可能である。塩濃度が高い場合、限外濾過膜などを用いて脱塩することができる。また、塩等を加えて伝導度調節する場合、種々の有機物塩や無機物塩を添加することにより調節することができる。
無機物塩としては、ハロゲン化物カリウム、ハロゲン化物ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸1水素ナトリウム、ホウ酸、リン酸2水素カリウム、リン酸2水素ナトリウム等の無機化合物や、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、サッカリン酸カリウム、フタル酸カリウム、ピコリン酸ナトリウム等の有機化合物を使用することもできる。
また、後述される水性媒体の成分を選定することによっても伝導度を調整し得る。
伝導度の測定方法は、市販の飽和塩化カリウムを用いた電極法により測定可能である。伝導度は主に水系溶液中のイオン濃度によってコントロール可能である。塩濃度が高い場合、限外濾過膜などを用いて脱塩することができる。また、塩等を加えて伝導度調節する場合、種々の有機物塩や無機物塩を添加することにより調節することができる。
無機物塩としては、ハロゲン化物カリウム、ハロゲン化物ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸1水素ナトリウム、ホウ酸、リン酸2水素カリウム、リン酸2水素ナトリウム等の無機化合物や、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、サッカリン酸カリウム、フタル酸カリウム、ピコリン酸ナトリウム等の有機化合物を使用することもできる。
また、後述される水性媒体の成分を選定することによっても伝導度を調整し得る。
本発明のインク組成物の粘度は、25℃において1〜30mPa・sであることが好ましい。更に好ましくは2〜15mPa・sであり、特に好ましくは2〜10mPa・sである。30mPa・sを超えると記録画像の定着速度が遅くなり、吐出性能も低下する。1mPa・s未満では、記録画像がにじむために品位が低下する。
粘度の調製はインク溶剤の添加量で任意に調製可能である。インク溶剤として例えば、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエタノールアミン、2−ピロリドン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどがある。
また、粘度調整剤を使用してもよい。粘度調整剤としては、例えば、セルロース類、ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーやノニオン系界面活性剤等が挙げられる。更に詳しくは、「粘度調製技術」(技術情報協会、1999年)第9章、及び「インクジェットプリンタ用ケミカルズ(98増補)−材料の開発動向・展望調査−」(シーエムシー、1997年)162〜174頁に記載されている。
粘度の調製はインク溶剤の添加量で任意に調製可能である。インク溶剤として例えば、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエタノールアミン、2−ピロリドン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどがある。
また、粘度調整剤を使用してもよい。粘度調整剤としては、例えば、セルロース類、ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーやノニオン系界面活性剤等が挙げられる。更に詳しくは、「粘度調製技術」(技術情報協会、1999年)第9章、及び「インクジェットプリンタ用ケミカルズ(98増補)−材料の開発動向・展望調査−」(シーエムシー、1997年)162〜174頁に記載されている。
液体の粘度測定法はJISのZ8803に詳細に記載されているが、市販品の粘度計にて簡便に測定することができる。例えば、回転式では東京計器のB型粘度計、E型粘度計がある。本発明では山一電機の振動式VM−100A−L型により25℃にて測定した。粘度の単位はパスカル秒(Pa・s)であるが、通常はミリパスカル秒(mPa・s)を用いる。
本発明で用いるインク組成物の表面張力は動的・静的表面張力のいずれも、25℃において20〜50mN/mであることが好ましく、20〜40mN/mであることが更に好ましい。表面張力が50mN/mを超えると吐出安定性、混色時のにじみ、ひげ等印字品質が著しく低下する。また、インク組成物の表面張力を20mN/m未満にすると吐出時、ハード表面へのインク組成物の付着等により印字不良となる場合がある。
表面張力を調整する目的で、前記カチオン、アニオン、ノニオン系並びにベタイン系の各種界面活性剤を添加することができる。また、界面活性剤は2種以上を併用することができる。
表面張力を調整する目的で、前記カチオン、アニオン、ノニオン系並びにベタイン系の各種界面活性剤を添加することができる。また、界面活性剤は2種以上を併用することができる。
静的表面張力測定法としては、毛細管上昇法、滴下法、吊環法等が知られているが、本発明においては、静的表面張力測定法として、垂直板法を用いている。ガラス又は白金の薄い板を液体中に一部分浸して垂直に吊るすと、液体と板との接する長さに沿って液体の表面張力が下向きに働く。この力を上向きの力で釣り合わせて表面張力を測定することが出来る。
また、動的表面張力測定法としては、例えば、「新実験化学講座、第18巻、界面とコロイド」[(株)丸善、p.69〜90(1977)]に記載されるように、振動ジェット法、メニスカス落下法、最大泡圧法などが知られており、更に、特開平3−2064号公報に記載されるような液膜破壊法が知られているが、本発明においては、動的表面張力測定法として、バブルプレッシャー差圧法を用いている。以下、その測定原理と方法について説明する。
撹拌して均一となった溶液中で気泡を生成すると、新たな気−液界面が生成され、溶液中の界面活性剤分子が水の表面に一定速度で集まってくる。バブルレート(気泡の生成速度)を変化させたとき、生成速度が遅くなれば、より多くの界面活性剤分子が泡の表面に集まってくるため、泡がはじける直前の最大泡圧が小さくなり、バブルレートに対する最大泡圧(表面張力)が検出出来る。好ましい動的表面張力測定としては、大小二本のプローブを用いて溶液中で気泡を生成させ、二本のプローブの最大泡圧状態での差圧を測定し、動的表面張力を算出する方法を挙げることができる。
本発明のインク組成物中における不揮発性成分は、インク組成物の全量の10〜70質量%であることがインク組成物の吐出安定性やプリント画質、画像の各種堅牢性や印字後の画像の滲みと印字面のべたつき低減の点で好ましく、20〜60質量%であることがインク組成物の吐出安定性や印字後の画像の滲みの低減の点で更に好ましい。
ここで、不揮発性成分とは、1気圧のもとでの沸点が150℃以上の液体や固体成分、高分子量成分を意味する。インクジェット用インク組成物の不揮発性成分は、染料、高沸点溶媒、必要により添加されるポリマーラテックス、界面活性剤、染料安定化剤、防黴剤、緩衝剤などであり、これら不揮発性成分の多くは、染料安定化剤以外ではインク組成物の分散安定性を低下させ、また印字後にもインクジェット受像紙上に存在するため、受像紙での染料の会合による安定化を阻害し、画像部の各種堅牢性や高湿度条件下での画像の滲みを悪化させる性質を有している。
ここで、不揮発性成分とは、1気圧のもとでの沸点が150℃以上の液体や固体成分、高分子量成分を意味する。インクジェット用インク組成物の不揮発性成分は、染料、高沸点溶媒、必要により添加されるポリマーラテックス、界面活性剤、染料安定化剤、防黴剤、緩衝剤などであり、これら不揮発性成分の多くは、染料安定化剤以外ではインク組成物の分散安定性を低下させ、また印字後にもインクジェット受像紙上に存在するため、受像紙での染料の会合による安定化を阻害し、画像部の各種堅牢性や高湿度条件下での画像の滲みを悪化させる性質を有している。
本発明においては高分子量化合物を含有することも可能である。ここで高分子量化合物とは、インク組成物中に含まれている数平均分子量が5000以上のすべての高分子化合物を指す。これらの高分子化合物としては水性媒体中に実質的に溶解する水溶性高分子化合物や、ポリマーラテックス、ポリマーエマルジョンなどの水分散性高分子化合物、更には補助溶剤として使用する多価アルコールに溶解するアルコール可溶性高分子化合物などが挙げられるが、実質的にインク組成物中に均一に溶解又は分散するものであkれば、いずれも本発明における高分子量化合物に含まれる。
水溶性高分子化合物の具体例としては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなどのポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体等の水溶性高分子、多糖類、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチンなどの天然水溶性高分子、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドやこれらの共重合体などの水性アクリル樹脂、水性アルキッド樹脂,分子内に−SO3 −、−COO−基を有し、実質的に水性媒体中に溶解する水溶性高分子化合物が挙げられる。
また、ポリマーラテックスとしては、スチレン−ブタジエンラテックス、スチレン−アクリルラテックスやポリウレタンラテックスなどが挙げられる。更に、ポリマーエマルジョンとしては、アクリルエマルジョンなどが挙げられる。これらの水溶性高分子化合物は単独でも2種以上併用して用いることもできる。
また、ポリマーラテックスとしては、スチレン−ブタジエンラテックス、スチレン−アクリルラテックスやポリウレタンラテックスなどが挙げられる。更に、ポリマーエマルジョンとしては、アクリルエマルジョンなどが挙げられる。これらの水溶性高分子化合物は単独でも2種以上併用して用いることもできる。
水溶性高分子化合物は、すでに述べたように粘度調整剤として、吐出特性の良好な粘度領域にインク組成物の粘度を調節するために使用されるが,その添加量が多いとインク組成物の粘度が高くなってインク組成物の吐出安定性が低下し、インク組成物が経時したときに沈殿物によってノズルがつまり易くなる。
粘度調整剤の高分子化合物の添加量は、添加する化合物の分子量にもよるが(高分子量のものほど添加量は少なくて済む)、インク組成物全量に対して添加量を0〜5質量%、好ましくは0〜3質量%、より好ましくは0〜1質量%である。
粘度調整剤の高分子化合物の添加量は、添加する化合物の分子量にもよるが(高分子量のものほど添加量は少なくて済む)、インク組成物全量に対して添加量を0〜5質量%、好ましくは0〜3質量%、より好ましくは0〜1質量%である。
また本発明では分散剤、分散安定剤として上述のカチオン、アニオン、ノニオン系並びにベタイン系の各種界面活性剤、消泡剤としてフッ素系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も必要に応じて使用することができる。
<インク組成物の用途>
本発明のインク組成物の用途は、特に制限されるべきものではなく、インクジェットなどの印刷用のインク組成物、感熱記録材料におけるインクシート、電子写真用のカラートナー、Liquid Crystal Display(LCD)、Plasma Display Panel(PDP)などのディスプレイやCharge Coupled Divice(CCD)などの撮像素子で用いられるカラーフィルター、ディスプレイ画像用材料、室内装飾材料の画像形成材料及び屋外装飾材料の画像形成材料、各種繊維の染色のための染色液などの調製に好ましく用いることができるが、特にインクジェット記録用インク組成物が好ましい。
本発明のインク組成物の用途は、特に制限されるべきものではなく、インクジェットなどの印刷用のインク組成物、感熱記録材料におけるインクシート、電子写真用のカラートナー、Liquid Crystal Display(LCD)、Plasma Display Panel(PDP)などのディスプレイやCharge Coupled Divice(CCD)などの撮像素子で用いられるカラーフィルター、ディスプレイ画像用材料、室内装飾材料の画像形成材料及び屋外装飾材料の画像形成材料、各種繊維の染色のための染色液などの調製に好ましく用いることができるが、特にインクジェット記録用インク組成物が好ましい。
ディスプレイ画像用材料としては、ポスター、壁紙、装飾小物(置物や人形など)、商業宣伝用チラシ、包装紙、ラッピング材料、紙袋、ビニール袋、パッケージ材料、看板、交通機関(自動車、バス、電車など)の側面に描画や添付した画像、ロゴ入りの洋服、等各種の物を指す。本発明の染料をディスプレイ画像の形成材料とする場合、その画像とは狭義の画像の他、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
室内装飾材料としては、壁紙、装飾小物(置物や人形など)、照明器具の部材、家具の部材、床や天井のデザイン部材等各種の物を指す。本発明の染料を画像形成材料とする場合、その画像とは狭義の画像の他、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
屋外装飾材料としては、壁材、ルーフィング材、看板、ガーデニング材料屋外装飾小物(置物や人形など)、屋外照明器具の部材等各種の物を指す。本発明の染料を画像形成材料とする場合、その画像とは狭義の画像のみならず、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
以上のような用途において、パターンが形成されるメディアとしては、紙、繊維、布(不織布も含む)、プラスチック、金属、セラミックス等種々の物を挙げることができる。染色形態としては、媒染、捺染、若しくは反応性基を導入した反応性染料の形で染料を固定化することもできる。この中で、好ましくは媒染形態で染色されることが好ましい。
<インク組成物の製造方法>
インク組成物の製造方法は、上記水溶液を用いることができる。
インク組成物の製造方法は、少なくとも水溶液を用いて上記粘度範囲の所望のインク組成物を作製する工程(以下、調液工程ともいう)を含む。調液工程とは、上記のようにして得られた水溶液を特定の粘度を有し、かつ所望の用途のインク組成物に調液する工程であり、最終工程で行ってもよいし、中間工程で行ってもよい。この調液工程には水溶液を媒体、好ましくは水性媒体で希釈する工程が少なくとも含まれる。油溶性染料を含む水溶液は、この希釈工程で使用する媒体に特に制限はないが、水性媒体中に乳化分散され、水性インク組成物として調製されることが好ましい。当該媒体には、必要な濃度の各種成分が含まれていてもよいし、当該成分を別途水溶液に添加するようにしてもよいし、それら両者を組みあわせてもよい。
本発明により製造されたインク組成物は、染料濃度が高濃度な水溶液を用いて製造されるために通常の方法で製造されたインク組成物よりも染料の溶解性が向上し、ひいては吐出安定性が向上する。
インク組成物の製造方法は、上記水溶液を用いることができる。
インク組成物の製造方法は、少なくとも水溶液を用いて上記粘度範囲の所望のインク組成物を作製する工程(以下、調液工程ともいう)を含む。調液工程とは、上記のようにして得られた水溶液を特定の粘度を有し、かつ所望の用途のインク組成物に調液する工程であり、最終工程で行ってもよいし、中間工程で行ってもよい。この調液工程には水溶液を媒体、好ましくは水性媒体で希釈する工程が少なくとも含まれる。油溶性染料を含む水溶液は、この希釈工程で使用する媒体に特に制限はないが、水性媒体中に乳化分散され、水性インク組成物として調製されることが好ましい。当該媒体には、必要な濃度の各種成分が含まれていてもよいし、当該成分を別途水溶液に添加するようにしてもよいし、それら両者を組みあわせてもよい。
本発明により製造されたインク組成物は、染料濃度が高濃度な水溶液を用いて製造されるために通常の方法で製造されたインク組成物よりも染料の溶解性が向上し、ひいては吐出安定性が向上する。
なお、インクジェット用インク組成物の調製方法については、特開平5−148436号、同5−295312号、同7−97541号、同7−82515号、同7−118584号の各公報に詳細が記載されていて、本発明のインク組成物の調製にも利用できる。
本発明の水溶液又はインク組成物の製造において、染料などの添加物の溶解工程等に超音波振動を加えることもできる。
超音波振動とは、インク組成物が記録ヘッドで加えられる圧力によって気泡を発生することを防止するため、記録ヘッドで受けるエネルギーと同等かそれ以上の超音波エネルギーを予めインク組成物の製造工程中に加えて気泡を除去しておくものである。
超音波振動は、通常、振動数20kHz以上、好ましくは40kHz以上、より好ましくは50kHzの超音波である。また超音波振動により液に加えられるエネルギーは、通常、2×107J/m3以上、好ましくは5×107J/m3以上、より好ましくは1×108J/m3以上である。また、超音波振動の付与時間としては、通常、10分〜1時間程度である。
超音波振動を加える工程は、染料を媒体に投入以降であれば何時行っても効果を示す。完成後のインク組成物を一旦保存した後に超音波振動を加えても効果を示す。しかし、染料を媒体中に溶解及び/又は分散する際に超音波振動を付加することが、気泡除去の効果がより大きく、なおかつ超音波振動により染料の媒体への溶解及び/又は分散が促進されるので好ましい。
即ち、上記少なくとも超音波振動を加える工程は、染料を媒体中に溶解及び/又は分散する工程中でもその工程後であってもいずれの場合にも行うことができる。換言すれば、上記少なくとも超音波振動を加える工程は、インク組成物調製後に製品となるまでの間に任意に1回以上行うことができる。
実施の形態としては媒体中に溶解及び/又は分散する工程は、前記染料を全媒体の一部分の媒体に溶解する工程と、残余の媒体を混合する工程とを有することが好ましく、上記少なくともいずれかの工程に超音波振動を加えることが好ましく、染料を全媒体の一部分の媒体に溶解する工程に少なくとも超音波振動を加えることが更に好ましい。
上記残余の溶媒を混合する工程は、単独工程でも複数工程でもよい。また、本発明によるインク組成物製造に加熱脱気又は減圧脱気を併用することは、インク組成物中の気泡除去の効果を上げるので好ましい。加熱脱気工程又は減圧脱気工程は、残余の媒体を混合する工程と同時又はその後に実施することが好ましい。超音波振動を加える工程における、超音波振動発生手段としては、超音波分散機等の公知の装置が挙げられる。
超音波振動とは、インク組成物が記録ヘッドで加えられる圧力によって気泡を発生することを防止するため、記録ヘッドで受けるエネルギーと同等かそれ以上の超音波エネルギーを予めインク組成物の製造工程中に加えて気泡を除去しておくものである。
超音波振動は、通常、振動数20kHz以上、好ましくは40kHz以上、より好ましくは50kHzの超音波である。また超音波振動により液に加えられるエネルギーは、通常、2×107J/m3以上、好ましくは5×107J/m3以上、より好ましくは1×108J/m3以上である。また、超音波振動の付与時間としては、通常、10分〜1時間程度である。
超音波振動を加える工程は、染料を媒体に投入以降であれば何時行っても効果を示す。完成後のインク組成物を一旦保存した後に超音波振動を加えても効果を示す。しかし、染料を媒体中に溶解及び/又は分散する際に超音波振動を付加することが、気泡除去の効果がより大きく、なおかつ超音波振動により染料の媒体への溶解及び/又は分散が促進されるので好ましい。
即ち、上記少なくとも超音波振動を加える工程は、染料を媒体中に溶解及び/又は分散する工程中でもその工程後であってもいずれの場合にも行うことができる。換言すれば、上記少なくとも超音波振動を加える工程は、インク組成物調製後に製品となるまでの間に任意に1回以上行うことができる。
実施の形態としては媒体中に溶解及び/又は分散する工程は、前記染料を全媒体の一部分の媒体に溶解する工程と、残余の媒体を混合する工程とを有することが好ましく、上記少なくともいずれかの工程に超音波振動を加えることが好ましく、染料を全媒体の一部分の媒体に溶解する工程に少なくとも超音波振動を加えることが更に好ましい。
上記残余の溶媒を混合する工程は、単独工程でも複数工程でもよい。また、本発明によるインク組成物製造に加熱脱気又は減圧脱気を併用することは、インク組成物中の気泡除去の効果を上げるので好ましい。加熱脱気工程又は減圧脱気工程は、残余の媒体を混合する工程と同時又はその後に実施することが好ましい。超音波振動を加える工程における、超音波振動発生手段としては、超音波分散機等の公知の装置が挙げられる。
本発明のインク原液又はインク組成物を作製する際には、更に調液した後に行われる、濾過により固形分であるゴミを除く工程が重要である。この作業には濾過フィルターを使用するが、このときの濾過フィルターとは、有効径が1μm以下、好ましくは0.3μm以下0.05μm以上、特に好ましくは0.3μm以下0.25μm以上のフィルターを用いる。フィルターの材質としては種々のものが使用できるが、特に水溶性染料のインク組成物の場合には、水系の溶媒用に作製されたフィルターを用いるのが好ましい。中でも特にゴミの出にくい、ポリマー材料で作製されたフィルターを用いるのが好ましい。濾過法としては送液によりフィルターを通過させてもよいし、加圧濾過、減圧濾過のいずれの方法も利用可能である。
この濾過後には溶液中に空気を取り込むことが多い。この空気に起因する泡もインクジェット記録において画像の乱れの原因となることが多いため、前述の脱泡工程を別途設けることが好ましい。脱泡の方法としては、濾過後の溶液を静置してもよいし、市販の装置などを用いた超音波脱泡や減圧脱泡等種々の方法が利用可能である。超音波による脱泡の場合は、好ましくは30秒〜2時間、より好ましくは5分〜1時間程度脱泡操作を行うとよい。
これらの作業は、作業時におけるゴミの混入を防ぐため、クリーンルーム若しくはクリーンベンチなどのスペースを利用して行うことが好ましい。本発明では特にクリーン度としてクラス1000以下のスペースにおいてこの作業を行うことが好ましい。ここで「クリーン度」とは、ダストカウンターにより測定される値を指す。
この濾過後には溶液中に空気を取り込むことが多い。この空気に起因する泡もインクジェット記録において画像の乱れの原因となることが多いため、前述の脱泡工程を別途設けることが好ましい。脱泡の方法としては、濾過後の溶液を静置してもよいし、市販の装置などを用いた超音波脱泡や減圧脱泡等種々の方法が利用可能である。超音波による脱泡の場合は、好ましくは30秒〜2時間、より好ましくは5分〜1時間程度脱泡操作を行うとよい。
これらの作業は、作業時におけるゴミの混入を防ぐため、クリーンルーム若しくはクリーンベンチなどのスペースを利用して行うことが好ましい。本発明では特にクリーン度としてクラス1000以下のスペースにおいてこの作業を行うことが好ましい。ここで「クリーン度」とは、ダストカウンターにより測定される値を指す。
<インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェット記録用インクカートリッジ、インクジェット記録装置及びインクジェット記録物>
本発明のインクジェット記録用インクは、上記本発明の水溶液又はインク組成物を含有する。
本発明のインクジェット記録方法は、インクジェット記録用インクを用いて、被記録材(記録材料)に着色画像(単に画像と称する場合がある)を形成する方法である。
本発明では、本発明のインク組成物若しくはインクセットを使用して、インクジェットプリンターにより画像記録を行う方法であれば、インクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式、例えば静電誘引力を利用してインク組成物を吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインク組成物に照射して放射圧を利用してインク組成物を吐出させる音響インクジェット方式、及びインク組成物を加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式等に用いられる。
インクジェット記録方法には、フォトインクと称する濃度の低いインク組成物を小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインク組成物を用いて画質を改良する方式や無色透明のインク組成物を用いる方式が含まれる。インク組成物の打滴体積の制御は主にプリントヘッドにより行われる。
本発明のインクジェット記録用インクは、上記本発明の水溶液又はインク組成物を含有する。
本発明のインクジェット記録方法は、インクジェット記録用インクを用いて、被記録材(記録材料)に着色画像(単に画像と称する場合がある)を形成する方法である。
本発明では、本発明のインク組成物若しくはインクセットを使用して、インクジェットプリンターにより画像記録を行う方法であれば、インクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式、例えば静電誘引力を利用してインク組成物を吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインク組成物に照射して放射圧を利用してインク組成物を吐出させる音響インクジェット方式、及びインク組成物を加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式等に用いられる。
インクジェット記録方法には、フォトインクと称する濃度の低いインク組成物を小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインク組成物を用いて画質を改良する方式や無色透明のインク組成物を用いる方式が含まれる。インク組成物の打滴体積の制御は主にプリントヘッドにより行われる。
例えばサーマルインクジェット方式の場合、プリントヘッドの構造で打滴体積を制御することが可能である。すなわち、インク室、加熱部、ノズルの大きさを変えることにより、所望のサイズで打滴することができる。またサーマルインクジェット方式であっても、加熱部やノズルの大きさが異なる複数のプリントヘッドを持たせることで、複数サイズの打滴を実現することも可能である。ピエゾ素子を用いたドロップオンデマンド方式の場合、サーマルインクジェット方式と同様にプリントヘッドの構造上打滴体積を変えることも可能であるが、後述するようにピエゾ素子を駆動する駆動信号の波形を制御することにより、同じ構造のプリントヘッドで複数のサイズの打滴を行うことができる。
本発明のインク組成物を、記録材料へ打滴するときの吐出周波数は1KHz以上であることが好ましい。
写真のように、高画質の画像を記録するためには、小さいインク滴で鮮鋭度の高い画像を再現するため、打滴密度を600dpi(1インチあたりのドット数)以上とする必要がある。
一方、インク組成物を複数のノズルを有するヘッドで打滴するにあたり、記録紙とヘッドが互いに直交する方向に移動して記録するタイプでは同時に駆動できるヘッドの数は数十から200程度であり、ラインヘッドと呼ばれるヘッドが固定されたタイプでも数百であるという制約がある。これは駆動電力に制約があることや、ヘッドでの発熱が画像に影響を及ぼすため、多数のヘッドノズルを同時に駆動できないためである。
ここで駆動周波数を高くすることにより、記録速度を上げることが可能である。打滴周波数を制御するには、サーマルインクジェット方式の場合、ヘッドを加熱するヘッド駆動信号の周波数を制御することで可能である。
ピエゾ方式の場合、ピエゾを駆動する信号の周波数を制御することで可能である。ピエゾヘッドの駆動に関して説明する。プリントすべき画像信号はプリンタ制御部により、打滴サイズ、打滴速度、打滴周波数が決定され、プリントヘッドを駆動する信号が作成される。駆動信号はプリントヘッドに供給される。ピエゾを駆動する信号により打滴サイズ、打滴速度、打滴周波数が制御される。ここで打滴サイズと打滴速度は駆動波形の形状と振幅で決定され、周波数は信号の繰返し周期で決定される。
この打滴周波数を10kHzに設定すると、100マイクロ秒ごとにヘッドは駆動され、400マイクロ秒で1ラインの記録が終了する。記録紙の移動速度を400マイクロ秒に1/600インチすなわち約42ミクロン移動するように設定することにより、1.2秒に1枚の速度でプリントすることが出来る。
写真のように、高画質の画像を記録するためには、小さいインク滴で鮮鋭度の高い画像を再現するため、打滴密度を600dpi(1インチあたりのドット数)以上とする必要がある。
一方、インク組成物を複数のノズルを有するヘッドで打滴するにあたり、記録紙とヘッドが互いに直交する方向に移動して記録するタイプでは同時に駆動できるヘッドの数は数十から200程度であり、ラインヘッドと呼ばれるヘッドが固定されたタイプでも数百であるという制約がある。これは駆動電力に制約があることや、ヘッドでの発熱が画像に影響を及ぼすため、多数のヘッドノズルを同時に駆動できないためである。
ここで駆動周波数を高くすることにより、記録速度を上げることが可能である。打滴周波数を制御するには、サーマルインクジェット方式の場合、ヘッドを加熱するヘッド駆動信号の周波数を制御することで可能である。
ピエゾ方式の場合、ピエゾを駆動する信号の周波数を制御することで可能である。ピエゾヘッドの駆動に関して説明する。プリントすべき画像信号はプリンタ制御部により、打滴サイズ、打滴速度、打滴周波数が決定され、プリントヘッドを駆動する信号が作成される。駆動信号はプリントヘッドに供給される。ピエゾを駆動する信号により打滴サイズ、打滴速度、打滴周波数が制御される。ここで打滴サイズと打滴速度は駆動波形の形状と振幅で決定され、周波数は信号の繰返し周期で決定される。
この打滴周波数を10kHzに設定すると、100マイクロ秒ごとにヘッドは駆動され、400マイクロ秒で1ラインの記録が終了する。記録紙の移動速度を400マイクロ秒に1/600インチすなわち約42ミクロン移動するように設定することにより、1.2秒に1枚の速度でプリントすることが出来る。
本発明におけるインク組成物の記録材料上への打滴体積は0.1pl以上100pl以下である。打滴体積の好ましい範囲は0.5pl以上50pl以下であり、特に好ましい範囲は2pl以上50pl以下である。
本発明に適用されるインクジェット記録方法は、インク組成物を記録材料へ打滴するときの平均打滴速度が2m/sec以上、好ましくは5m/sec以上であることが好ましい。打滴速度を制御するには、ヘッドを駆動する波形の形状と振幅を制御することにより行う。また複数の駆動波形を使い分けることにより、同じヘッドで複数のサイズの打滴を行うことができる。
以下に、本発明のインクを用いてインクジェットプリントをするのに用いられる被記録材の例である記録紙及び記録フィルムについて説明する。なお、記録紙及び記録フィルムには印字媒体として好適な反射型メディアも含まれる。
記録紙及び記録フィルムにおける支持体は、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等からなり、必要に応じて従来公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持体の厚みは10〜250μm、坪量は10〜250g/m2が望ましい。支持体には、そのままインク受容層及びバックコート層を設けてもよいし、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレスやアンカーコート層を設けた後、インク受容層及びバックコー卜層を設けてもよい。更に支持体には、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよい。本発明では支持体としては、両面をポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブテン及びそれらのコポリマー)でラミネートした紙及びプラスチックフィルムがより好ましく用いられる。ポリオレフィン中に、白色顔料(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛)又は色味付け染料(例えば、コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム)を添加することが好ましい。
記録紙及び記録フィルムにおける支持体は、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等からなり、必要に応じて従来公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持体の厚みは10〜250μm、坪量は10〜250g/m2が望ましい。支持体には、そのままインク受容層及びバックコート層を設けてもよいし、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレスやアンカーコート層を設けた後、インク受容層及びバックコー卜層を設けてもよい。更に支持体には、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよい。本発明では支持体としては、両面をポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブテン及びそれらのコポリマー)でラミネートした紙及びプラスチックフィルムがより好ましく用いられる。ポリオレフィン中に、白色顔料(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛)又は色味付け染料(例えば、コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム)を添加することが好ましい。
支持体上に設けられる受像層には、多孔質材料や水性バインダーが含有される。また、受像層には顔料を含むのが好ましく、顔料としては、白色顔料が好ましい。白色顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等の無機白色顔料、スチレン系ピグメント、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。特に好ましくは、多孔性の白色無機顔料がよく、特に細孔面積が大きい合成非晶質シリカ等が好適である。合成非晶質シリカは、乾式製造法(気相法)によって得られる無水珪酸及び湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使用可能である。
上記顔料を受像層に含有する記録紙としては、具体的には、特開平10−81064号、同10−119423、同10−157277、同10−217601、同11−348409、特開2001−138621、同2000−43401、同2000−211235、同2000−309157、同2001−96897、同2001−138627、特開平11−91242、同8−2087、同8−2090、同8−2091、同8−2093、同8−174992、同11−192777、特開2001−301314などに開示されたものを用いることができる。
受像層に含有される水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。これらの水性バインダーは単独又は2種以上併用して用いることができる。本発明においては、これらの中でも特にポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールが顔料に対する付着性、インク受容層の耐剥離性の点で好適である。
受像層は、顔料及び水性バインダーの他に媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、耐ガス性向上剤、界面活性剤、硬膜剤その他の添加剤を含有することができる。
受像層中に添加する媒染剤は、不動化されていることが好ましい。そのためには、ポリマー媒染剤が好ましく用いられる。
ポリマー媒染剤については、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430号、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号の各明細書に記載がある。特開平1−161236号公報の212〜215頁に記載のポリマー媒染剤を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記載のポリマー媒染剤を用いると、優れた画質の画像が得られ、かつ画像の耐光性が改善される。
ポリマー媒染剤については、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430号、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号の各明細書に記載がある。特開平1−161236号公報の212〜215頁に記載のポリマー媒染剤を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記載のポリマー媒染剤を用いると、優れた画質の画像が得られ、かつ画像の耐光性が改善される。
耐水化剤は、画像の耐水化に有効であり、これらの耐水化剤としては、特にカチオン樹脂が望ましい。このようなカチオン樹脂としては、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリアミンスルホン、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、カチオンポリアクリルアミド等が挙げられる。これらのカチオン樹脂の含有量は、インク受容層の全固形分に対して1〜15質量%が好ましく、特に3〜10質量%であることが好ましい。
耐光性向上剤、耐ガス性向上剤としては、フェノール化合物、ヒンダードフェノール化合物、チオエーテル化合物、チオ尿素化合物、チオシアン酸化合物、アミン化合物、ヒンダードアミン化合物、TEMPO化合物、ヒドラジン化合物、ヒドラジド化合物、アミジン化合物、ビニル基含有化合物、エステル化合物、アミド化合物、エーテル化合物、アルコール化合物、スルフィン酸化合物、糖類、水溶性還元性化合物、有機酸、無機酸、ヒドロキシ基含有有機酸、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、トリアジン化合物、ヘテロ環化合物、水溶性金属塩、有機金属化合物、金属錯体等があげられる。
これらの具体的な化合物例としては、特開平10−182621号、特開2001−260519号、特開2000−260519号、特公平4−34953号、特公平4−34513号、特公平4−34512号、特開平11−170686号、特開昭60−67190号、特開平7−276808号、特開2000−94829号、特表平8−512258号、特開平11−321090号等に記載のものがあげられる。
これらの具体的な化合物例としては、特開平10−182621号、特開2001−260519号、特開2000−260519号、特公平4−34953号、特公平4−34513号、特公平4−34512号、特開平11−170686号、特開昭60−67190号、特開平7−276808号、特開2000−94829号、特表平8−512258号、特開平11−321090号等に記載のものがあげられる。
界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良剤、スベリ性改良剤又は帯電防止剤として機能する。界面活性剤については、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載がある。
界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれる。有機フルオロ化合物については、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭61−20994号、同62−135826号の各公報に記載がある。
界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれる。有機フルオロ化合物については、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭61−20994号、同62−135826号の各公報に記載がある。
硬膜剤としては特開平1−161236号公報の222頁、特開平9−263036号、特開平10−119423号、特開2001−310547号に記載されている材料などを用いることができる。
その他の受像層に添加される添加剤としては、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、pH調整剤、マット剤等が挙げられる。なお、インク受容層は1層でも2層でもよい。
記録紙及び記録フィルムには、特開2012−177083の〔0331〕〜〔0333〕に記載のバックコート層を設けることもできる。
本発明は、上述のインクジェット記録用インクを充填したインクジェット記録用インクカートリッジにも関する。
本発明に用いる印刷装置の構成、プリンタの構成に関しては、たとえば特開平11−170527に開示されるような様態が好適である。また、インクカートリッジに関しては、たとえば特開平5−229133に開示されるものが好適である。吸引及びその際に印字ヘッドを覆うキャップ等の構成に関しては、たとえば特開平7−276671に開示されるものが好適である。また、ヘッド近傍には特開平9−277552に開示されるような気泡を排除するためのフィルタを備えることが好適である。
また、ノズルの表面は特開2002−292878号公報に記載されるような撥水処理を施すことが好適である。用途としては、コンピュータと接続されるプリンタであってもよいし、写真をプリントすることに特化した装置であってもよい。
本発明に用いる印刷装置の構成、プリンタの構成に関しては、たとえば特開平11−170527に開示されるような様態が好適である。また、インクカートリッジに関しては、たとえば特開平5−229133に開示されるものが好適である。吸引及びその際に印字ヘッドを覆うキャップ等の構成に関しては、たとえば特開平7−276671に開示されるものが好適である。また、ヘッド近傍には特開平9−277552に開示されるような気泡を排除するためのフィルタを備えることが好適である。
また、ノズルの表面は特開2002−292878号公報に記載されるような撥水処理を施すことが好適である。用途としては、コンピュータと接続されるプリンタであってもよいし、写真をプリントすることに特化した装置であってもよい。
本発明のインクジェット記録物は、上記した本発明のインクジェット記録用インクを用いて被記録材に着色画像を形成されてなる。ここで、画像の形成は、前記したインクジェット記録装置を用いたインクジェット記録方法を採用することによって、好適に得られる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、機器、操作等は本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特に断りのない限り「%」及び「部」は、「質量%」及び「質量部」を表し、分子量とは質量平均分子量のことを示す。
[水溶液の調製]
本発明の水溶液は、例示化合物がリチウム塩の場合は、4mol/L水酸化リチウム水溶液を用いて、また、例示化合物がナトリウム塩の場合は、8mol/L水酸化ナトリウム水溶液を用いて、さらに、例示化合物がカリウム塩の場合には、8mol/L水酸化カリウム水溶液を用いて、pHを8.1〜8.3に調整した。
本発明の水溶液は、例示化合物がリチウム塩の場合は、4mol/L水酸化リチウム水溶液を用いて、また、例示化合物がナトリウム塩の場合は、8mol/L水酸化ナトリウム水溶液を用いて、さらに、例示化合物がカリウム塩の場合には、8mol/L水酸化カリウム水溶液を用いて、pHを8.1〜8.3に調整した。
[実施例1]
100gの例示化合物K−1を超純水900gに室温で撹拌しながら溶解後、分割添加して溶解後、防腐剤(フジフイルムイメージングカララント社製 プロキセルXL−II)を固形分として0.1gを添加した。4mol/Lの水酸化リチウム水溶液を用いて、pHを8.2に調整し、引き続き、有効径0.2μmのメンブランフィルターを用いて不溶物の濾別を行い、水溶液−1を得た。
100gの例示化合物K−1を超純水900gに室温で撹拌しながら溶解後、分割添加して溶解後、防腐剤(フジフイルムイメージングカララント社製 プロキセルXL−II)を固形分として0.1gを添加した。4mol/Lの水酸化リチウム水溶液を用いて、pHを8.2に調整し、引き続き、有効径0.2μmのメンブランフィルターを用いて不溶物の濾別を行い、水溶液−1を得た。
[実施例2〜21]
例示化合物K−1の代わりに例示化合物K−2〜例示化合物K−21を用いた以外は、実施例1と同様の処方及び操作で、それぞれ水溶液−2〜水溶液−21を得た。
例示化合物K−1の代わりに例示化合物K−2〜例示化合物K−21を用いた以外は、実施例1と同様の処方及び操作で、それぞれ水溶液−2〜水溶液−21を得た。
[比較例1〜4]
例示化合物K−1の代わりに下記化合物(比較化合物1〜4)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較用水溶液−1〜比較用水溶液−4を得た。
例示化合物K−1の代わりに下記化合物(比較化合物1〜4)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較用水溶液−1〜比較用水溶液−4を得た。
〔インク組成物の調製〕
実施例1で得られた水溶液−1を10.0g、超純水を5.0g、グリセリンを1.6g、トリエチレングリコールを0.2g、プロピレングリコールを0.1g、1,2−ヘキサンジオールを0.4g、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを1.6g、オルフィンE1010(日信化学株式会社製)を0.3g、2−ピロリドンを0.8g、炭酸水素リチウムを0.02g加え、常温において30分間攪拌した後、4mol/L水酸化リチウム水溶液を用いて、pHを8.2に調整し、得られた溶液を目開き有効径1.0μmのメンブランフィルターを用いて濾過することにより、インク組成物A−1を得た。
インク組成物A−1において、水溶液−1を、水溶液−2〜水溶液−21、比較用水溶液−1〜比較用水溶液−4にそれぞれ置き換える以外は同様にして、インク組成物A−2〜インク組成物A−21、比較用インク組成物B−1〜比較用インク組成物B−4を得た。
実施例1で得られた水溶液−1を10.0g、超純水を5.0g、グリセリンを1.6g、トリエチレングリコールを0.2g、プロピレングリコールを0.1g、1,2−ヘキサンジオールを0.4g、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを1.6g、オルフィンE1010(日信化学株式会社製)を0.3g、2−ピロリドンを0.8g、炭酸水素リチウムを0.02g加え、常温において30分間攪拌した後、4mol/L水酸化リチウム水溶液を用いて、pHを8.2に調整し、得られた溶液を目開き有効径1.0μmのメンブランフィルターを用いて濾過することにより、インク組成物A−1を得た。
インク組成物A−1において、水溶液−1を、水溶液−2〜水溶液−21、比較用水溶液−1〜比較用水溶液−4にそれぞれ置き換える以外は同様にして、インク組成物A−2〜インク組成物A−21、比較用インク組成物B−1〜比較用インク組成物B−4を得た。
〔ブロンズ光沢抑制の評価〕
インクジェットプリンタ Stylus Color 880(商標)(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を使用し、インク組成物A−1〜インク組成物A−21、比較用インク組成物B−1〜比較用インク組成物B−4をそれぞれ用いて(カートリッジ)、インクジェット専用記録媒体(専用紙A:写真用紙クリスピア<高光沢>(商品名、セイコーエプソン株式会社製)、専用紙B:キヤノン写真用紙・光沢 プロ[プラチナグレード](商品名、キヤノン株式会社製)、又は専用紙C:画彩 写真仕上げPro(商品名、富士フイルム株式会社製))に、1平方インチ当たり1.5〜2.2mgの打ち込み量になるようにブラックのベタ印字を行い、得られた印刷物を、光沢度計(PG−1M、日本電色工業株式会社製)を用いて測定し(測定角度60度)、光沢度を求めた。印字は、20℃40%RHの環境下で行った。得られた光沢度と以下の式に基づいて計算した上昇値をブロンズ光沢発生の程度を判定する基準とし、以下の判定基準に基づいて判定を行った。
上昇値=光沢度(印刷物)−光沢度(記録媒体)
(判定基準)
評価A:15未満
評価B:15以上35未満
評価C:35以上55未満
評価D:55以上
インクジェットプリンタ Stylus Color 880(商標)(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を使用し、インク組成物A−1〜インク組成物A−21、比較用インク組成物B−1〜比較用インク組成物B−4をそれぞれ用いて(カートリッジ)、インクジェット専用記録媒体(専用紙A:写真用紙クリスピア<高光沢>(商品名、セイコーエプソン株式会社製)、専用紙B:キヤノン写真用紙・光沢 プロ[プラチナグレード](商品名、キヤノン株式会社製)、又は専用紙C:画彩 写真仕上げPro(商品名、富士フイルム株式会社製))に、1平方インチ当たり1.5〜2.2mgの打ち込み量になるようにブラックのベタ印字を行い、得られた印刷物を、光沢度計(PG−1M、日本電色工業株式会社製)を用いて測定し(測定角度60度)、光沢度を求めた。印字は、20℃40%RHの環境下で行った。得られた光沢度と以下の式に基づいて計算した上昇値をブロンズ光沢発生の程度を判定する基準とし、以下の判定基準に基づいて判定を行った。
上昇値=光沢度(印刷物)−光沢度(記録媒体)
(判定基準)
評価A:15未満
評価B:15以上35未満
評価C:35以上55未満
評価D:55以上
〔にじみ評価〕
以下のようにしてにじみを評価した。
上記のカートリッジを用い、1インチ平方当り1.5〜2.2mgの打ち込み量になる吐出条件において、文字及び白抜き文字を印刷した。
得られた印字物を25℃、40%RHの環境下で24時間乾燥させた後に、40℃、85%RHの環境下に3日間放置し、染料の滲み出し(白抜き文字の潰れ)を目視にて観察し、下記判定基準により評価した。
[判定基準]
評価A:染料の滲み出しがほとんど観察されない
評価B:染料の滲み出しが若干あり、文字の輪郭がやや崩れている
評価C:染料の滲み出しが観察され、文字の輪郭が崩れている
評価D:染料の滲み出しが観察され、文字太りがあり、白抜き文字が全体に染まっている
評価E:染料の滲み出しが顕著に観察され、文字及び白抜き文字が判読不能。
以下のようにしてにじみを評価した。
上記のカートリッジを用い、1インチ平方当り1.5〜2.2mgの打ち込み量になる吐出条件において、文字及び白抜き文字を印刷した。
得られた印字物を25℃、40%RHの環境下で24時間乾燥させた後に、40℃、85%RHの環境下に3日間放置し、染料の滲み出し(白抜き文字の潰れ)を目視にて観察し、下記判定基準により評価した。
[判定基準]
評価A:染料の滲み出しがほとんど観察されない
評価B:染料の滲み出しが若干あり、文字の輪郭がやや崩れている
評価C:染料の滲み出しが観察され、文字の輪郭が崩れている
評価D:染料の滲み出しが観察され、文字太りがあり、白抜き文字が全体に染まっている
評価E:染料の滲み出しが顕著に観察され、文字及び白抜き文字が判読不能。
〔色調(印字濃度)評価〕
以下のようにして色調を評価した。
前記画像を形成した専用紙について、反射濃度計(X−Rite310TR)を使用してOD値を測定し、ODの最高値により印字濃度を評価した。
(判定基準)
評価A:2.2以上
評価B:1.5以上2.2未満
評価C:1.5未満
以下のようにして色調を評価した。
前記画像を形成した専用紙について、反射濃度計(X−Rite310TR)を使用してOD値を測定し、ODの最高値により印字濃度を評価した。
(判定基準)
評価A:2.2以上
評価B:1.5以上2.2未満
評価C:1.5未満
〔堅牢性(耐光性)評価〕
以下のようにして堅牢性を評価した。
上記のカートリッジを用い、OD(Optical Density)が、0.9〜1.1の範囲に入るように印刷 Duty を調整して印刷を行って得られた印刷物を、蛍光灯耐候性試験機STF−II(商品名、(株)スガ試験機製)を用い、24℃、相対湿度60%RH、照度70,000luxの条件下にて、印刷物を11日間曝露した。
曝露後、それぞれの印刷物のODを、反射濃度計(「Spectrolino」(商品名)Gretag社製)を用いて測定し、次式により光学濃度残存率(ROD)を求め、下記判定基準により、評価した。
ROD(%)=(D/D0)×100
D:曝露試験後のOD
D0:曝露試験前のOD
(但し、測定条件は、Filter:Red,光源:D50,視野角:2度)
[判定基準]
評価A:RODが85%以上、
評価B:RODが70%以上85%未満、
評価C:RODが55%以上70%未満、
評価D:RODが55%未満
以下のようにして堅牢性を評価した。
上記のカートリッジを用い、OD(Optical Density)が、0.9〜1.1の範囲に入るように印刷 Duty を調整して印刷を行って得られた印刷物を、蛍光灯耐候性試験機STF−II(商品名、(株)スガ試験機製)を用い、24℃、相対湿度60%RH、照度70,000luxの条件下にて、印刷物を11日間曝露した。
曝露後、それぞれの印刷物のODを、反射濃度計(「Spectrolino」(商品名)Gretag社製)を用いて測定し、次式により光学濃度残存率(ROD)を求め、下記判定基準により、評価した。
ROD(%)=(D/D0)×100
D:曝露試験後のOD
D0:曝露試験前のOD
(但し、測定条件は、Filter:Red,光源:D50,視野角:2度)
[判定基準]
評価A:RODが85%以上、
評価B:RODが70%以上85%未満、
評価C:RODが55%以上70%未満、
評価D:RODが55%未満
〔堅牢性(耐オゾン性)評価〕
以下のようにして堅牢性を評価した。
上記のカートリッジを用い、OD(Optical Density)が、0.9〜1.1の範囲に入るように印刷 Duty を調整して印刷を行って得られた印刷物を、オゾンウエザーメーターOMS−H型(商品名、(株)スガ試験機製)を用い、24℃、相対湿度60%RH、オゾン濃度10ppmの条件下にて、印刷物を24時間曝露した。
曝露後、それぞれの印刷物のODを、反射濃度計(「Spectrolino」(商品名) Gretag社製)を用いて測定し、次式により光学濃度残存率(ROD)を求め、下記判定基準により、評価した。
ROD(%)=(D/D0)×100
D:曝露試験後のOD
D0:曝露試験前のOD
(但し、測定条件は、Filter:Red,光源:D50,視野角:2度)
[判定基準]
評価A:RODが85%以上、
評価B:RODが70%以上85%未満、
評価C:RODが55%以上70%未満、
評価D:RODが55%未満
以下のようにして堅牢性を評価した。
上記のカートリッジを用い、OD(Optical Density)が、0.9〜1.1の範囲に入るように印刷 Duty を調整して印刷を行って得られた印刷物を、オゾンウエザーメーターOMS−H型(商品名、(株)スガ試験機製)を用い、24℃、相対湿度60%RH、オゾン濃度10ppmの条件下にて、印刷物を24時間曝露した。
曝露後、それぞれの印刷物のODを、反射濃度計(「Spectrolino」(商品名) Gretag社製)を用いて測定し、次式により光学濃度残存率(ROD)を求め、下記判定基準により、評価した。
ROD(%)=(D/D0)×100
D:曝露試験後のOD
D0:曝露試験前のOD
(但し、測定条件は、Filter:Red,光源:D50,視野角:2度)
[判定基準]
評価A:RODが85%以上、
評価B:RODが70%以上85%未満、
評価C:RODが55%以上70%未満、
評価D:RODが55%未満
結果を下記表1〜表3に示す。
上記に示される結果より、比較例のインク組成物は、得られる印画物のブロンズ光沢抑制、にじみ抑制、印字濃度、堅牢性について、性能悪化を示し、特に長波長領域における印字濃度とにじみの両立が難しいが、本発明のインク組成物は、ブロンズ光沢抑制、にじみ抑制、印字濃度、堅牢性について、記録媒体として、専用紙AからCのいずれを用いた場合にも、非常に優れた効果を発揮し、更に高いレベルを満足していることが分かる。
Claims (12)
- 一般式(1)で表されるアゾ化合物及びその塩のうち少なくとも1種を含有する水溶液。
[一般式(1)中、A1は、置換若しくは無置換の芳香族環を表す。R1aからR1eは、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を表し、置換基同士で結合して環を形成しても良く、これらの置換基は更に置換基を有していても良い。X1は窒素原子又は炭素原子を表し、X1が炭素原子の場合、水素原子又は置換基を有する。但し、一般式(1)中、イオン性親水性基の数は4個以上である。B1は下記一般式(1−1)〜(1−5)のいずれか一つを表す。]
[一般式(1−1)〜(1−5)中、Y1aは酸素原子、硫黄原子、又は水素原子若しくは置換基を有していても良い窒素原子を表す。Y1bとY1cは各々独立にヒドロキシル基又は置換基を有していても良い窒素原子を表す。R1f〜R1qは水素原子又は置換基を表す。M1aは水素原子、アルカリ金属イオン、又はアンモニウムイオンを表す。] - 前記R1bからR1dが、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、シアノ基、イオン性親水性基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、アミド基、ヒドロキシアルキル基、又はカルボキシル基を表す、請求項2に記載の水溶液。
- 前記アゾ化合物又はその塩の含有量が水溶液に対して1〜30質量%である請求項1〜3のいずれか一項に記載の水溶液。
- 更に、防腐剤を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の水溶液。
- 更に、pH調整剤を含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の水溶液。
- 25℃でのpHが7.0〜9.0である請求項1〜6のいずれか一項に記載の水溶液。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の水溶液を含有するインク組成物。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の水溶液又は請求項8に記載のインク組成物を含有するインクジェット記録用インク。
- 請求項9に記載のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成するインクジェット記録方法。
- 請求項9に記載のインクジェット記録用インクを充填したインクジェット記録用インクカートリッジ。
- 請求項9に記載のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成したインクジェット記録物。
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JP2013069691A JP2014189784A (ja) | 2013-03-28 | 2013-03-28 | アゾ化合物及びその塩を含有する水溶液、インク組成物、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェット記録用インクカートリッジ、及びインクジェット記録物 |
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