JP2014189197A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブレーキスイッチが故障している場合であっても、ブレーキペダルの操作の有無を判定することができる車両の制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】車両に実装された加速度センサの出力及び車速センサの出力を参照して求められる減速度が、エンジンブレーキ作用による減速度の予想値よりも大きい場合に、ブレーキペダルが操作されたと判定し、または、車両の所在する路面が上り勾配もしくは下り勾配で、シフトポジションが走行レンジであり、車両の車速が0または0に近い所定値以下である状態が所定時間継続している場合に、ブレーキペダルが操作されたと判定する。
【選択図】図3
【解決手段】車両に実装された加速度センサの出力及び車速センサの出力を参照して求められる減速度が、エンジンブレーキ作用による減速度の予想値よりも大きい場合に、ブレーキペダルが操作されたと判定し、または、車両の所在する路面が上り勾配もしくは下り勾配で、シフトポジションが走行レンジであり、車両の車速が0または0に近い所定値以下である状態が所定時間継続している場合に、ブレーキペダルが操作されたと判定する。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両を制御する制御装置に関する。
内燃機関を搭載した車両においては、ブレーキペダルの踏込操作、すなわちブレーキスイッチから出力されるブレーキスイッチ信号を条件とした制御がなされることがある。ブレーキスイッチは、車両の制動時に必要となる操作、すなわち運転者がブレーキペダルを踏む操作を行っていればONとなり、ブレーキスイッチ信号を出力する。一方、ブレーキペダルを踏む操作を行っていなければブレーキスイッチはOFFとなり、ブレーキスイッチ信号を出力しない。
ブレーキスイッチ信号を条件とした制御の一例としては、信号待ち等、車両の一時停車時に内燃機関のアイドル回転を停止させて燃費の向上を図るアイドリングストップシステムが周知である。アイドリングストップシステムでは、ブレーキペダルが踏み込まれているという条件の他に、車速が所定以下で、冷却水温及びバッテリ電圧が十分高い、といった諸条件が成立したときに、内燃機関を自動的に停止させる。そして、アイドルストップの後、運転者がブレーキペダルから足を離す等の再始動要求があったときに、クランキングを行い機関を再始動する。
また、ブレーキスイッチ信号を条件とした制御の他の例として、アクセルペダルが踏込位置で何かにひっかかる等して、アクセルペダルから運転者が足を離しているにもかかわらず、アクセルペダルが踏込位置から戻らずに車両が暴走してしまう際のフェイルセーフ制御が知られている。具体的には、制御装置が、車速が所定値以上で、アクセルペダル及びブレーキペダルが同時に踏まれている、いわゆる両踏みの状態である、と判定したならば、スロットルバルブの開度を小さくする制御を行い、運転者によるアクセルペダルの踏込量にかかわらずエンジン出力が制限されるようにする。
ところが、ブレーキスイッチに何らかの異常が生じた場合には、前述したようなブレーキスイッチ信号を条件とした制御が行われないこととなり、不具合を生じる。ブレーキスイッチの異常としては、例えば、ブレーキスイッチ信号を出力するブレーキスイッチのオフ故障や、信号線の断線等によるオフ固着異常の発生等が考えられる。
上述した不具合の解消のために、2つのブレーキスイッチを備え、各々のブレーキスイッチから個別の信号線を介して2系統のブレーキスイッチ信号を制御装置に入力して、ブレーキペダルが確実に踏まれているか否かを判定するものも考えられている(例えば、下記特許文献1を参照)。このようなものであれば、2系統あるブレーキスイッチ信号のいずれか一方に固着異常等が生じていても、もう一方のブレーキスイッチ信号によってブレーキペダルの操作の有無を正しく判定することができる。
しかしながら、2系統のブレーキスイッチ信号を利用するものは、従来の1系統のブレーキスイッチ信号を利用するものに比べて製造コストが大きくなるという問題がある。
本発明は、ブレーキスイッチが故障している場合であっても、ブレーキペダルの操作の有無を判定することができる車両の制御装置を提供することを所期の目的とする。
本発明では、車両に実装された加速度センサの出力及び車速センサの出力を参照して求められる減速度が、エンジンブレーキ作用による減速度の予想値よりも大きい場合に、ブレーキペダルが操作されたと判定し、または、車両の所在する路面が上り勾配もしくは下り勾配で、シフトポジションが走行レンジであり、車両の車速が0または0に近い所定値以下である状態が所定時間継続している場合に、ブレーキペダルが操作されたと判定することを特徴とする。
本発明によれば、ブレーキスイッチが故障している場合であっても、ブレーキペダルの操作の有無を判定することができる。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、火花点火式の4ストロークガソリンエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイルは、半導体スイッチング素子であるイグナイタとともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
図2に、車両が備える駆動系の例を示す。この駆動系は、トルクコンバータ7及び自動変速機8、9を備えてなる。特に、本実施形態では、自動変速機8、9の構成要素として、遊星歯車機構を利用した前後進切換装置8、及び無段変速機の一種であるベルト式CVT(Continuously Variable Transmission)9を採用している。
内燃機関が出力する回転トルクは、内燃機関のクランクシャフトからトルクコンバータ7の入力側のポンプインペラ71に入力され、出力側のタービンランナ72に伝達される。タービンランナ72の回転は、前後進切換装置8を介してCVT9の駆動軸94に伝わり、CVT9における変速を経て従動軸95を回転させる。従動軸95の回転は、出力ギア101に伝達される。出力ギア101は、デファレンシャル装置のリングギア102と噛合し、デファレンシャル装置を介して車軸103及び駆動輪(図示せず)を回転させる。
トルクコンバータ7は、ロックアップ機構を備える。ロックアップ機構は、この分野では既知のもので、トルクコンバータ7の入力側と出力側とを相対回動不能に締結するロックアップクラッチ73と、ロックアップクラッチ73を断接切換駆動するための作動液圧(油圧)を制御するロックアップソレノイドバルブ(図示せず)とを要素とする。ロックアップソレノイドバルブは、制御信号lを受けてその開度を変化させる流量制御バルブである。
CVT9を搭載した車両においては、車速が所定値(例えば、10km/h)以上である場合、ほぼ常時トルクコンバータ7をロックアップする。車速が所定値以下となれば、トルクコンバータ7のロックアップを解除する。ロックアップ時、ロックアップクラッチ73はトルクコンバータカバー74に押し付けられ、トルクコンバータカバー74と一体となって回転する。ロックアップ時、トルクコンバータ7の出力側回転数の入力側回転数に対する比である速度比は1となる。
翻って、非ロックアップ時には、ロックアップクラッチ73がトルクコンバータカバー74から離反する。非ロックアップ時、内燃機関のトルクはトルクコンバータカバー74からポンプインペラ71、タービン72へと伝わり、前後進切換装置8に伝達される。非ロックアップ時、トルクコンバータ7の速度比は、駆動状態に応じて1よりも小さくなったり大きくなったりする。
前後進切換装置8は、そのサンギア81がタービンランナ72と連絡し、リングギア82が駆動軸94と連絡している。プラネタリギア831を支持するプラネタリキャリア83と変速機ケースとの間には、断接切換可能な液圧クラッチであるフォワードブレーキ84を介設している。また、プラネタリキャリア83とサンギア81(または、トルクコンバータ7の出力側)との間にも、断接切換可能な液圧クラッチであるリバースクラッチ85を介設している。
走行レンジのうちのDレンジでは、フォワードブレーキ84を締結し、リバースクラッチ85を切断する。これにより、トルクコンバータ7の出力軸の回転が逆転されかつ減速されて駆動軸94に伝達され、前進走行となる。翻って、Rレンジでは、リバースクラッチ85を締結し、フォワードブレーキ84を切断する。これにより、サンギア81とプラネタリキャリア83とが一体的に回転し、トルクコンバータ7の出力軸と駆動軸94とが直結して後進走行となる。フォワードブレーキ84またはリバースクラッチ85を断接切換駆動するための作動液圧を制御するソレノイドバルブ(図示せず)は、制御信号mを受けてその開度を変化させる流量制御バルブである。
非走行レンジであるNレンジ、Pレンジでは、フォワードブレーキ84及びリバースクラッチ85をともに切断する。
CVT9は、駆動プーリ91及び従動プーリ92と、両プーリ91、92に巻き掛けられたベルト93とを要素とする。駆動プーリ91は、駆動軸94に固定した固定シーブ911と、駆動軸91上にローラスプラインを介して軸方向に変位可能に支持させた可動シーブ912と、可動シーブ912の後背に配設された液圧サーボ913とを有しており、液圧サーボ913を操作し可動シーブ912を変位させることを通じて変速比を無段階に変更できる。並びに、従動プーリ92は、従動軸95に固設した固定シーブ921と、従動軸95上にローラスプラインを介して軸方向に変位可能に支持させた可動シーブ922と、可動シーブ922の後背に配設された液圧サーボ923とを有しており、液圧サーボ923を操作し可動シーブ922を変位させることを通じてトルク伝達に必要なベルト推力を与える。
走行レンジを操作するべくフォワードブレーキ84またはリバースクラッチ85に供給される作動液(作動油)、また変速比を操作するべく液圧サーボ913、923に供給される作動液は、トルクコンバータ7に用いられる流体と共通である。
本実施形態の車両には、ブレーキブースタ(図示せず)が付帯している。ブレーキブースタは、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側の部位、より具体的にはサージタンク33から吸気負圧を導き入れ、その負圧を用いてブレーキペダルの踏力を倍力する、この分野では広く知られているものである。ブレーキブースタは、負圧を蓄える定圧室と、大気圧が加わる変圧室とを有し、定圧室が負圧管路を介してサージタンク33に接続している。負圧管路は、スロットルバルブ32の下流側の吸気負圧を定圧室へと導く。負圧管路上には、負圧を定圧室内に留め、定圧室に正圧が加わることを防止するためのチェックバルブを設けてある。
運転者によりブレーキペダルが操作されていないとき、定圧室と変圧室とが連通し、かつ変圧室が大気圧から隔絶される。ブレーキペダルが操作されると、定圧室と変圧室との間が遮断され、かつ変圧室に大気が導入される。結果、定圧室と変圧室との圧力差が、ブレーキペダルの踏力を倍力する制御圧力となる。ブレーキブースタにより増幅されたブレーキ踏力は、マスタシリンダ(図示せず)において液圧力に変換され、液圧回路(図示せず)を介してブレーキキャリパやホイールシリンダといったブレーキ装置(図示せず)に伝達される。
本実施形態の内燃機関の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するエンジン回転センサから出力されるクランク角信号b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求負荷)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、シフトレバーのレンジを知得するためのセンサ(または、シフトポジションスイッチ)から出力されるシフトレンジ信号d、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気負圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号e、内燃機関の温度を示唆する冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号f、吸気カムシャフトまたは排気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力されるカム角信号g、ブレーキブースタの定圧室内に蓄えられている負圧を検出するセンサから出力されるブレーキブースタ負圧信号h、作動液の温度を検出する作動液温センサから出力される作動液温信号p、車両が現在所在している路面の勾配や車両の加速度を検出する加速度センサから出力される加速度信号q、ブレーキスイッチから出力されるブレーキスイッチ信号r等が入力される。
加速度センサ(Gセンサ)は、車両の前後方向の加速度を検出するもので、前後方向の加速度が大きいほど高い値を出力する。車速センサは、車両の車輪の回転に応じて回転する回転部材たる車軸103の回転速度の絶対値を検出するもので、車輪(あるいは車軸103)の回転方向を直接的に検出できない。すなわち、車速センサは、車軸103の回転速度は検出可能であるが回転方向は検出できないため、車速センサの出力値である車速は、あくまで実際の車速の絶対値を示す値である。
出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタ13に対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、ロックアップソレノイドバルブに対して開度制御信号l、フォワードブレーキ84またはリバースクラッチ85の断接切換用のソレノイドバルブに対して開度制御信号m、CVT9に対して変速比制御信号n等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、h、p、q、rを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気量を推算する。そして、それらエンジン回転数及び吸気量等に基づき、要求される燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング、トルクコンバータ7のロックアップを行うか否か、自動変速機8、9の変速比といった各種運転パラメータを決定する。運転パラメータの決定手法自体は、既知のものを採用することが可能である。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、l、m、nを出力インタフェースを介して印加する。
また、ECU0は、内燃機関の始動(冷間始動であることもあれば、アイドリングストップからの復帰であることもある)時において、電動機(スタータモータまたはモータジェネレータ)に制御信号sを入力し、電動機によりクランクシャフトを回転させるクランキングを行う。クランキングは、内燃機関が初爆から連爆へと至り、エンジン回転数すなわちクランクシャフトの回転速度が冷却水温等に応じて定まる判定値を超えたときに(完爆したものと見なして)終了する。
ECU0のメモリには予め、エンジン回転数、吸気通路3内の圧力、自動変速機8、9の変速比、内燃機関の温度、駆動系の作動液の温度、トルクコンバータ7のロックアップを行っているか否か、燃料カットを行っているか否か等といった外部条件と、当該条件下におけるエンジンブレーキ作用による車両の減速度の予想値との関係を規定したマップデータが格納されている。
因みに、燃料カットは通常、アクセルペダルの踏込量が0または0に近い閾値以下となり、かつエンジン回転数が燃料カット許可回転数以上あるときに実行する。そして、燃料カット中、アクセルペダルの踏込量が閾値を上回った、エンジン回転数が燃料カット復帰回転数まで低下した等のうちの何れかが成立したときに、燃料カットを終了して燃料噴射を再開する。
しかして、本実施形態のECU0は、車両の前後方向の加速度を検出する加速度センサの出力値(車両の前後方向の加速度または減速度)及び車両の実車速を検出する車速センサの出力値(回転速度の絶対値)を参照して求められる車両の減速度Gが、エンジンブレーキ作用により予想される減速度G0よりも大きい場合に、ブレーキペダルが操作されたと判定する。
図3ないし図5に、ECU0がプログラムに従い実行する処理の手順例を示す。
ECU0は、減速走行時であるかどうかを判断する(ステップS11)。具体的には、車両が走行中(車速が、0km/hではない)であり、スロットルバルブ32の開度が比較的小さく、車速センサで検出される車速が低減しているかどうかを判断する。
ステップS11で車両の減速走行時である場合、ECU0は、加速度センサの出力値及び車速センサの出力値を参照して減速度Gを知得する(ステップS12)。減速度Gは、車両の前後方向の加速度(及び減速度)を検出する加速度センサの出力値である減速度G1と、車両の実車速を検出する車速センサの出力値から算出される減速度G2とを比較して求められる。
車速センサは、車軸103の回転を基に車速を知得する。一方、加速度センサは、車両に作用する加速度そのものを検知するもので、車両の走行速度のみならず路面の勾配の影響も受ける。そのため、現在車両の所在する路面が上り勾配または下り勾配であると、加速度センサの出力値(車両の前後方向の減速値G1)と実際の減速度Gとの値に乖離が生ずる。
そのため、ステップS12において、本実施形態のECU0は、加速度センサの出力値である減速度G1が、車速センサの出力値から算出される減速度G2よりも大きい場合(現在車両が走行する路面が登坂路の場合)、車速センサの出力値から算出される減速度G2を前記減速度Gとする。一方、ECU0は、加速度センサの出力値である減速度G1が、車速センサの出力値から算出される減速度G2とほぼ同じの場合(現在車両が走行する路面が平坦路の場合)か、加速度センサの出力値である減速度G1が車速センサの出力値から算出される減速度G2よりも小さい場合(現在車両が走行する路面が降坂路の場合)、加速度センサの出力値である減速度G1を前記減速度Gとする。
次に、ECU0は、ステップS12で求められた減速度Gが、エンジンブレーキ作用により予想される減速度G0よりも大きいか否かを判断する(ステップS13)。ECU0は、センシングしている外部条件(エンジン回転数、吸気通路3内の圧力、自動変速機8、9の変速比、内燃機関の温度、駆動系の作動液の温度、トルクコンバータ7のロックアップを行っているか否か、燃料カットを行っているか否か等)のパラメータをキーとしてメモリに記憶しているマップを検索し、エンジンブレーキ作用により予想される減速度G0を知得する。そして、ECU0は、加速度センサまたは車速センサの出力を参照して求められる減速度Gを、予想減速度G0と比較する。
ステップS13で、ECU0は、加速度センサまたは車速センサの出力値に基づく減速度Gが予想減速度G0より大きい場合、すなわち、エンジンブレーキ作用により予想される減速度G0よりも大きい減速度Gが生じていると判断した場合には、ブレーキペダルが操作されたと判定し(ステップS14)、ブレーキペダルの操作を実施条件とした制御を実施する。
ステップS14でブレーキペダルが操作されたと判断された後、ECU0は、ブレーキスイッチからブレーキスイッチ信号rが入力されたか否かを判断する(ステップS21)。
ステップS11ないしS14のルーチンでブレーキペダルが操作されたと判定されたにもかかわらず、ブレーキスイッチ信号rが入力されない場合には、ECU0は、ブレーキスイッチに異常が発生していると判定する(ステップS22)。ブレーキスイッチの異常としては、例えば、ブレーキスイッチ信号rを出力するブレーキスイッチのオフ故障や、信号線の断線等によるオフ固着異常の発生等が挙げられる。
また、ECU0は、ブレーキスイッチに支障が発生している旨を示す情報(ダイアグノーシスコード)を、そのときの日時のタイムスタンプ等とともにメモリに書き込んで記憶保持する(ステップS23)。この情報は、事後の検査や修理の作業における異常の原因の究明、及び修繕箇所の特定の助けとなる。加えて、ブレーキスイッチに支障が発生している旨を、運転者の視覚または聴覚に訴えかける態様で報知してもよい。例えば、車両のコックピット内に設置された警告灯(エンジンチェックランプ)を点灯させたり、ディスプレイに表示させたり、ブザーまたはスピーカから警告音を音声出力させたりする。
また、本実施形態のECU0は、図5に示すようなフェイルセーフ制御を実行する。
ECU0は、アクセルペダルが踏まれたか否かを判断する(ステップS31)。具体的には、ECU0にアクセルペダルの踏込量を検出するセンサからアクセル開度信号cが入力されたか否かを判断する。
ステップS31でアクセルペダルが踏まれている場合には、アクセルペダルと同時にブレーキペダルが踏まれたか否かを判断する(ステップS32)。具体的には、ブレーキスイッチがONである旨のブレーキスイッチ信号rがECU0に入力されたか、または、ステップS14でブレーキペダルが操作されたとECU0が判定したか、のいずれかの条件が成立したことを以て、ブレーキペダルが踏まれたと判断する。
ステップS32でアクセルペダルと同時にブレーキペダルが踏まれていると判断された場合には、運転者によるアクセルペダルの操作量にかかわらず、内燃機関の出力が制限されるようにフェイルセーフ制御を実行する(ステップS33)。ここで、「内燃機関の出力を制限する」とは、例えば出力に所定の上限値を設ける態様や、常に内燃機関の出力を低く制限する態様など、内燃機関の出力を調節する種々の態様を含むものである。具体的には、アクセルペダルの実際の踏込量に応じて決定される場合よりも、スロットルバルブ32の開度量(または、吸気量の増加量)を小さくしたり、燃料噴射量を小さくしたりする。なお、一例として、スロットルバルブ32を全閉するように制御してもよい。
本実施形態では、車両に実装された加速度センサの出力及び車速センサの出力を参照して求められる減速度Gが、エンジンブレーキ作用による減速度の予想値G0よりも大きい場合に、ブレーキペダルが操作されたと判定することを特徴とする車両の制御装置0を構成した。
本実施形態によれば、ブレーキスイッチに異常が発生した場合のフェイルセーフを実現できる。すなわち、ブレーキスイッチから出力されるブレーキスイッチ信号rの有無にかかわらず、ブレーキペダルの操作の有無を判定することができるため、ブレーキスイッチが故障している場合にも、ブレーキペダルが踏まれたことを実施条件とした制御を確実に行うことができる。
このような制御の一例として、ブレーキペダルとアクセルペダルとが同時に踏まれる、いわゆる両踏みの場合の制御が挙げられる。この両踏みが発生した際には、アクセルペダルから運転者が足を離しているにもかかわらず、アクセルペダルが踏込位置から戻らずに車両が暴走してしまうため、内燃機関の出力を制限する必要がある。本実施形態の制御装置0によれば、ブレーキスイッチが故障した場合であっても、ブレーキペダルの操作の有無を判定することにより確実に内燃機関の出力を制限することができる。
また、ブレーキペダルが踏まれたことを実施条件とする制御の他の例として、アイドルストップ制御が挙げられる。すなわち、アイドリングストップシステムでは、車速が所定値(例えば、時速9km/h)以下であり、シフトポジションが走行レンジであり(AT車の場合)、ブレーキペダルが踏み込まれており、冷却水温及びバッテリ電圧が十分高い、といった諸条件がおしなべて成立したことを以て、アイドルストップ要求があったものと判断され、内燃機関におけるインジェクタ11からの燃料噴射(及び、点火)を停止する。そして、アイドルストップの後、運転者がブレーキペダルから足を離す等の再始動要求があったときに、スタータモータのピニオンギアをフライホイール(MT車の場合)またはドライブプレート(AT車の場合)外周のリングギアに噛合させ、クランキングを行い機関を再始動する。本実施形態の制御装置0によれば、ブレーキスイッチが故障した場合であっても、ブレーキペダルの操作の有無を判定することにより確実にアイドリングストップ制御の条件の一つを成立させることができる。
本実施形態は、前後方向の加速度をセンシングする車両加速度センサを援用したものであるので、従来のような2系統のブレーキスイッチ信号を備えたものに比べてコストを抑えることができる。
本実施形態のECU0は、さらに、加速度センサ等の出力値を用いて判定されるブレーキペダルの操作の有無と、ブレーキスイッチから入力されるブレーキスイッチ信号rの有無とを比較するようにしているので、ブレーキスイッチの故障判定(固着異常や、固着以外の異常の検知)を行うことができる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
以降、本発明の変形例の一を説明する。図6に、本変形例にかかる制御装置たるECU0が実行する処理の手順例を示す。
ECU0は、車両が所在する路面が上り勾配または下り勾配であるか否かを判断する(ステップS41)。具体的には、ECU0は、加速度センサを介して検出される路面の勾配の大きさを所定値と比較して、車両が登坂路上または降坂路上に所在するか否かを判断する。
車両が登坂路または降坂路上に所在する場合、ECU0は、シフトポジションが走行レンジであるか否かを判断する(ステップS42)。具体的には、ECU0は、シフトポジションスイッチから入力されるシフトレンジ信号dが、非走行ポジション(Nレンジ、Pレンジ)以外のDレンジ、Rレンジ等のポジションにあるか否かを判断する。
ステップS42でシフトポジションが走行レンジである場合、すなわち、運転者が発進する意思がある際に、ECU0は、車速が0または0に近い所定値以下の状態が所定時間継続しているか否かを判断する(ステップS43)。具体的には、ECU0は、車速センサから入力される車速信号aを読み込み、車速が所定時間0km/hであるか否かを判断する。
ステップS43で、車速が0または0に近い所定値以下の状態が所定時間継続している場合には、ECU0は、パーキングブレーキが解除されているか否かを判断する(ステップS44)。具体的には、ECU0が、パーキングブレーキの作動状態を検出するパーキングブレーキスイッチから入力されるパーキングブレーキスイッチ信号を読み込み、パーキングブレーキが解除されているか否かを判断する。
ステップS44で、パーキングブレーキが解除されている場合には、ECU0は、ブレーキペダルが操作されたと判定し(ステップS45)、ブレーキペダルの操作を実施条件とした制御を実施する。この制御は、例えば、アクセルペダルとブレーキペダルの両踏み時のフェイルセーフ制御や、アイドリングストップ制御等、上述した実施形態と同様である。
また、その後のステップS21ないしS23及びステップS31ないしS33は、上記実施形態と同様である。
本変形例では、車両の所在する路面が上り勾配もしくは下り勾配で、シフトポジションが走行レンジであり、車両の車速が0または0に近い所定値以下の状態が所定時間継続している場合に、ブレーキペダルが操作されたと判定するようにしている。このようなものであれば、上述した実施形態と同一またはこれに準じた効果が得られる。
なお、上記実施形態では、加速度センサの出力及び車速センサの出力を参照して減速度を求めるようにしていたが、路面が平坦路または降坂路である場合には、車速センサの出力を用いることなく加速度センサの出力のみを参照して減速度を求めるようにしてもよい。
上記実施形態では、ステップS32にて、アクセルペダルとブレーキペダルが同時に踏まれたと判定された後、気筒1に充填される吸気量(及び、燃料噴射量)を制限するために、電子スロットルバルブ32の開度を小さく(または全閉)するように補正していたが、アイドルスピードコントロールバルブを実装している内燃機関においては、そのアイドルスピードコントロールバルブの開度を補正することとしてもよい。周知の通り、アイドルスピードコントロールバルブは、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の上流側と下流側とを連通するバイパスを開閉する流量制御バルブである。
その他各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両の制御に適用できる。
0…制御装置(ECU)
Claims (1)
- 車両に実装された加速度センサの出力及び車速センサの出力を参照して求められる減速度が、エンジンブレーキ作用による減速度の予想値よりも大きい場合に、ブレーキペダルが操作されたと判定し、または、
車両の所在する路面が上り勾配もしくは下り勾配で、シフトポジションが走行レンジであり、車両の車速が0または0に近い所定値以下である状態が所定時間継続している場合に、ブレーキペダルが操作されたと判定することを特徴とする車両の制御装置。
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