JP2014188985A - モジュール・ブラケット結合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヘッドモジュールとブラケットを熱硬化接着剤で接合する際に位置ズレを生じないように接合できる。
【解決手段】印刷ヘッド102と支持フレーム114との接合面同士を突き合わせたときに、該接合面に向かって大径溝10Aと小径溝10Bとからなる段付き溝10が形成されたヘッドモジュール100とブラケット112とを使用し、小径溝10Bに接着剤16、シートヒータ12、接着剤16の3層構造を形成すると共に、接合面同士を位置するときにはシートヒータ12を接着剤16が低粘度化するように低温加熱する。
【選択図】図6
【解決手段】印刷ヘッド102と支持フレーム114との接合面同士を突き合わせたときに、該接合面に向かって大径溝10Aと小径溝10Bとからなる段付き溝10が形成されたヘッドモジュール100とブラケット112とを使用し、小径溝10Bに接着剤16、シートヒータ12、接着剤16の3層構造を形成すると共に、接合面同士を位置するときにはシートヒータ12を接着剤16が低粘度化するように低温加熱する。
【選択図】図6
Description
本発明は、モジュール・ブラケット結合体の製造方法に係り、特に、インクジェット装置に搭載されるモジュール・ブラケット結合体の製造方法に関する。
流体(例えばインク)を吐出する複数の流体吐出ヘッドを備えた画像記録装置では、記録装置本体に対する流体吐出ヘッドの位置決め精度は画像品質を左右する重要な点である。
画像記録装置の代表例としてはインクジェット記録装置があり、特に、インク吐出ヘッド(以下「ヘッドモジュール」という)を、記録媒体(例えば用紙)の幅方向に配列させた構成を持つラインヘッド型のインクジェット記録装置では、配列したヘッドモジュール同士の相対的位置の正確性は、紙面上へのインク着弾位置精度への影響が大きいため印刷画質上重要なポイントである。
また、ヘッドモジュールが故障した場合に、ヘッドモジュールを容易に交換できることが望まれている。
このような背景から、ヘッドモジュールを個々に交換可能する方式として、ブラケットを介してヘッドモジュールをインクジェット装置に装着する方法が提案されている。
そして、ヘッドモジュールとブラケットとを接合する方式として、複数のヘッドモジュール同士の正確な相対的位置を保った状態でヘッドモジュールとブラケットとを位置決めしながら接着剤で接合する接着位置決め固定する接着剤結合方法がある。この接着剤結合方法によれば、ヘッドモジュールをブラケットに結合したモジュール・ブラケット結合体の構造及び製造工程の簡易化が図れるとされている。
接着剤結合方法としては、特許文献1があり、熱硬化型の接着剤で接着固定する際に、接着剤の硬化収縮による部材同士の位置ズレを防止するために接着剤を部材溝に充填することが提案されている。
また、別の接着剤接合方法としては、特許文献2があり、非接着部への接着剤のはみ出しを防止するために突起と溝を設ける構造を使用することが提案されている。
ところで、複数個配列したモジュール・ブラケット結合体同士の間における正確な相対的位置を達成するためには、モジュール・ブラケット結合体をインクジェット装置に正確に位置決めするだけでなく、モジュール・ブラケット結合体を構成するヘッドモジュールとブラケットとの間で相対的位置ズレをなくし、正しい位置関係で接着接合することが重要になる。このためには、ヘッドモジュールとブラケットとの接合面において、できるだけ大きな接着面積を確保しつつ、接着剤が熱硬化して収縮する際の位置ズレを防止する必要がある。
また、モジュール・ブラケット結合体は、使用中のインクの固化によるノズルの詰まりを防止するため、高湿度環境で使用されたり、ヘッドモジュールに付着したインクを洗浄するために、モジュール・ブラケット結合体をインク洗浄液に浸漬したりする。したがって、このよう高湿度環境やインク洗浄液に晒されてもヘッドモジュールとブラケットとの接着強度や接着位置を正確に維持できることが重要になる。
しかしながら、特許文献1の方法でヘッドモジュールとブラケットとの部材同士を接着接合する場合、溝内に接着材を充填した後、部材同士の接合面を合わせたときに接着剤が広がって部材同士の接合面の間に接着材が侵入してしまうという問題がある。この結果、接着剤が硬化したときに接合面に侵入した接着剤の収縮が生じ、部材同士が位置ズレしてしまい易いという問題がある。
また、モジュール・ブラケット結合体をインク洗浄液に浸漬した場合、部材同士の接合面から洗浄液が浸透し、接着剤を溶解する危険があるので、部材同士の接着強度が弱くなるという問題がある。
また、特許文献2は、溝内により確実に接着剤を必要な充填量だけ充填することが難しいという問題があると共に、特許文献1と同様の問題がある。
したがって、特許文献1及び2の方法では、ヘッドモジュールをブラケットに接合する際や、モジュール・ブラケット結合体を使用中に、ヘッドモジュールの目的とする取付位置精度が得られず、インク液滴の着弾位置にズレが生じて画像品質が低下するということがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ヘッドモジュールとブラケットを熱硬化接着剤で接合する際に位置ズレを生じないように接合できると供に、ヘッドモジュールやブラケットが高湿度環境やインク洗浄液に晒されても接着強度や正規の接着位置を維持することができるので、画像品質が低下することがないモジュール・ブラケット結合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のモジュール・ブラケット結合体の製造方法は、前記目的を達成するために、流体を吐出するノズルが形成されたヘッドモジュールをブラケットに固定したモジュール・ブラケット結合体を製造する方法であって、該方法中にヘッドモジュールとブラケットとを熱硬化型の接着剤で接合する接合工程を含むモジュール・ブラケット結合体の製造方法において、接合工程の前に、ヘッドモジュールとブラケットとの接合面同士を突き合わせたときに、該接合面に向かって大径溝と小径溝とからなる段付き溝が形成されたヘッドモジュールとブラケットとを予め準備する準備工程を有し、接合工程では、接着剤を小径溝の底面に付与する第1の接着剤付与工程と、小径溝に付与された接着剤の上にシートヒータを載置するシートヒータ載置工程と、載置されたシートヒータの上に接着剤を更に小径溝から接合面外まで盛り上がるように付与する第2の接着剤付与工程と、ヘッドモジュールとブラケットとの接合面同士を合わせ、シートヒータで接着剤が低粘度化するように低温加熱してヘッドモジュールとブラケットとの相対的な位置決めを行う位置決め工程と、位置決めが終了したら、シートヒータを接着剤が硬化する温度まで上昇させてヘッドモジュールとブラケットとを接着する接着工程と、接合面から外部に飛び出しているシートヒータを切断除去するシートヒータ切断除去工程と、を行うことを特徴とする。
ここで、「シートヒータで接着剤が低粘度化するように低温加熱して」とは、後段の接着工程において接着剤が硬化する温度よりも低く、接着剤が粘性状態にある温度を言う。
本発明によれば、ヘッドモジュールとブラケットとの接合面同士を突き合わせたときに、該接合面に向かって大径溝と小径溝とからなる段付き溝が形成されたヘッドモジュールとブラケットとを使用する。
この場合、段付き溝の態様として、接合面に向かってヘッドモジュールとブラケットとの何れか一方に形成されている場合、接合面に向かってヘッドモジュールとブラケットの一方側に小径溝が形成され、他方側に大径溝が形成された分離構造の場合の、何れかを採用することができる。なお、段付き溝をヘッドモジュールとブラケットの一方のみに形成する場合には、接合面に向かって先ず大径溝を形成し、その奥に小径溝を形成することが好ましい。
また、大径溝の容積は、位置決め工程において、ブラケットの接合面と、ヘッドモジュールの接合面とを突き当てたときに、押し潰されて横方向に広がる接着剤を収納できる容積であればよい。
これにより、位置決め工程において、ヘッドモジュールとブラケットとの接合面同士を合わせる際に、小径溝に接合面外まで盛り上がるように付与された接着剤が押圧されて横方向に広がっても、横方向に広がった接着剤は大径溝に押し込まれる。また、位置決め工程では、シートヒータの低温加熱によって接着剤を低粘度化させるので、接合面同士が接近して接合面同士が確実に突き当たるまで接着剤が大径溝に押し込まれる。
ここで、「接合面同士が突き当たる」とは、接合面同士を合わせたときに、接合面同士の接触部分に異物(例えば接着剤等)が存在しないことを言う。
したがって、接合面同士の間に接着剤が侵入することを防止できると供に、接合面同士を確実に突き当てることによって、接合面同士を接着する接着剤の厚みが段付き溝の長さ方向において均一化する。
これにより、接着工程において、接着剤を熱硬化させたときに接着剤が収縮しても、段付き溝内での接着剤の収縮なので、位置決め工程で位置決めした接合面同士が位置ズレすることがない。
また、接合面同士を確実に突き当てて接着剤の厚みを均一化することで、接合面に均一に収縮力が付与されるので、収縮によって接合面に位置ズレが生じることがない。
更には、大径溝に接着剤が押し込まれることで、接合面同士の接着面積を大きくできる。
また、モジュール・ブラケット結合体を使用中に、使用温度環境等によって接着剤が膨張や膨潤しても、段付き溝の内部での膨張や膨潤なので、ヘッドモジュールとブラケットとの相対的な位置ズレが生じることはない。
更に、本発明によれば、ヘッドモジュールとブラケットとの接合面同士の間に接着剤が侵入しないので、接合面同士の間に隙間が発生しない。これにより、モジュール・ブラケット結合体を高湿度環境や洗浄液に晒したときに、接合面同士の間に水分や洗浄液が入り込まないので、接着力が低下することがない。
また、シートヒータの低温加熱で接着剤を低粘度化することで、接合面同士の位置決め調整し易くなる。これにより、ヘッドモジュールをブラケットの所定位置に精度良く結合させることができる。
ところで、ヘッドモジュールには、流体を精度良く吐出するためのノズルが形成されており、ヘッドモジュールの加熱によるノズルの寸法変化は、吐出される液滴の大きさや吐出量に重大な問題を与える。
しかし、本発明によれば、小径溝に、接着剤、シートヒータ、接着剤の3層構造になるように、第1の接着剤付与工程、シートヒータ載置工程、及び第2の接着剤付与工程を行うので、加熱したい接着剤のみをシートヒータで局部的に加熱することができる。これにより、モジュール・ブラケット結合体を製造する際に、ヘッドモジュールのノズルが寸法変化することを確実に防止できる。
本発明の別態様としては、分離構造に形成された段付き溝の縦断面形状を有する位置決めブロックを予め用意し、位置決め工程では、用意した位置決めブロックを、段付き溝の溝端部に嵌合することが好ましい。
これにより、位置決め工程において特別な位置決め手段を使用しないでも簡単にヘッドモジュールとブラケットとの接合面同士の位置決めを行うことができると供に、接着工程において接着剤が収縮しても、接着剤の収縮による接合面同士の位置ズレを一層確実に防止することができる。
この位置決めブロックは、モジュール・ブラケット結合体を製造した後、取り除いてもよく、そのまま嵌合させたままでもよい。嵌合させたままにすれば、モジュール・ブラケット結合体を使用中に、使用温度環境等によって接着剤が膨潤しても、接合面同士の位置ズレを一層防止できる。
また、本発明の別の態様では、接着剤は小径溝の溝幅と同等の幅を有するシート状接着剤であることが好ましい。これにより、小径溝内に、接着剤、シートヒータ、接着剤の3層構造を形成し易いと供に、小径溝に付与する接着剤量を制御し易い。
また、本発明の別態様によれば、ヘッドモジュールは、記録媒体の幅方向に複数のヘッドモジュールを配列させた構成を持つラインヘッド型のインクジェット記録装置に組み込まれることが好ましい。
本発明は、ラインヘッド型のインクジェット記録装置において一層効果を発揮するからである。
本発明のモジュール・ブラケット結合体の製造方法によれば、ヘッドモジュールとブラケットを熱硬化接着剤で接合する際に位置ズレを生じないように接合できると供に、ヘッドモジュールやブラケットが高湿度環境やインク洗浄液に晒されても接着強度や正規の接着位置を維持することができる。
したがって、本発明によれば、画像品質が低下することがないモジュール・ブラケット結合体を提供できる。
以下、添付図面にしたがって本発明に係るモジュール・ブラケット結合体の製造方法の好ましい実施の形態について詳説する。
本発明のモジュール・ブラケット結合体の製造方法を説明する前に、図1及び図2により、ヘッドモジュール及びブラケットの一例について説明する。また、図3は、ヘッドモジュールとブラケットとを結合したモジュール・ブラケット結合体の一例であり、図4は、モジュール・ブラケット結合体を、例えばラインヘッド型のインクジェット記録装置の印刷フレームに取り付けた図である。
[ヘッドモジュール]
図1に示すように、ヘッドモジュール100は、主として、記録媒体(例えば用紙)上に液滴を付与する印刷ヘッド102と、印刷ヘッド102に連結されて、ヘッドモジュール100を、例えばインクジェット記録装置(図示せず)のプロセッサに電気的に連結するフレキシブル回路110と、で構成される。
図1に示すように、ヘッドモジュール100は、主として、記録媒体(例えば用紙)上に液滴を付与する印刷ヘッド102と、印刷ヘッド102に連結されて、ヘッドモジュール100を、例えばインクジェット記録装置(図示せず)のプロセッサに電気的に連結するフレキシブル回路110と、で構成される。
フレキシブル回路110は、インクジェット記録装置のプロセッサからデータを受け取り、印刷ヘッド102にドライブ信号を付与する機能を有する。
印刷ヘッド102には、インクの液滴を吐出するノズルや流路等が形成された成型板104が設けられ、成型板104は多くの流路構造が形成された複層基材として構成される。一例として、それぞれの流路構造は流入口、アセンダー、圧力室、及びノズルに至るディセンダーで構成される。なお、他の適当な流路構造を使用することも可能である。
また、成型板104は、ノズルから選択的に液滴を吐出させるアクチュエータを含む。例えば、それぞれの流路構造は、それぞれのアクチュエータに連結しており、アクチュエータを起動すると、流路上に配置された膜が圧力室側に反り、ノズルから液滴を押し出すようになっている。アクチュエータの起動は、フレキシブル回路110から付与された電気信号によって行われる。
また、印刷ヘッド102は、成型板104にインクを供給したり、吐出されなかったインクを廃棄するかリサイクルしたりするハウジング106を備える。
印刷ヘッド102は、フレキシブル回路110、成型板104、ハウジング106等の各部材同士を支持する矩形板状の固定ブロック108を備える。
そして、ヘッドモジュール100の印刷ヘッド102と、次に説明するブラケット112との支持フレーム114とが接着固定される。
[ブラケット]
図2は、印刷フレーム142(図4参照)にヘッドモジュール100を固定するのに好適なブラケット112の一例を示すものである。
図2は、印刷フレーム142(図4参照)にヘッドモジュール100を固定するのに好適なブラケット112の一例を示すものである。
ブラケット112は、主として、ヘッドモジュール100の印刷ヘッド102に接着してヘッドモジュール100を支持する額縁形状の支持フレーム114、及び印刷フレーム142に固定するための板状の位置決めフレーム116を備える。ブラケット112は、支持フレーム114と位置決めフレーム116とにより、L型のブラケットを形成する。
図2では、支持フレーム114と位置決めフレーム116が一体構造として示されているが、別々の部材として形成し、後から連結してもよい。
支持フレーム114は、ヘッドモジュール100の印刷ヘッド102を支持するように設計されている。特に、支持フレーム114は、印刷ヘッド102との取り合いを行うための外表面115と、ヘッドモジュール100のハウジング106に一致するように設計された開口部117とを有する。
図3に示すように、ヘッドモジュール100が適切にブラケット112に接着結合されたとき、印刷ヘッド102は成型板104のノズルプレートを露出した状態で、支持フレーム114の外表面115に密接状態で載置される。
位置決めフレーム116は、中央縦方向にガイド溝140が形成される。このガイド溝140は、ブラケット112を印刷フレーム142に固定するときに、図4に示すロック部材152、154のうちのロック部材154に挿入される。
また、位置決めフレーム116は、ブラケット112を印刷フレーム142に対して位置決めするための5〜6個の機械的な部材を備えている。この部材品によって、ヘッドモジュール100はブラケット112を介して印刷フレーム142に対して所定の位置に所定の姿勢で位置決めされる。
印刷フレーム142にブラケット112を位置決めするための機械的部材としては、図2に示すX方向、Y方向、Z方向の3つの直線方向及びθX方向、θY方向、θZ方向の3つの角度方向について位置決め調整するための部材を採用することができる。
本実施の形態では、位置決めフレーム116は、第1の位置決め調整機構118、第2の位置決め調整機構122、第3の位置決め調整機構128を備えている。それぞれの位置決め調整機構118、122、128は、位置決めの調整のための機構を有しており、位置決めフレーム116が印刷フレーム142に固定されるとき、ブラケット112が正しい位置で且つ正しい姿勢で固定されるように構成されている。
即ち、ブラケット112を印刷フレーム142の面に固定する前に、第1及び第2の位置決め調整機構118、122を適切に調整することによって、ブラケット112を印刷フレーム142の所定の位置に正しく固定することができる。
第1の位置決め調整機構118は、ブラケット112を印刷フレーム142に対して、第1の角度方向(θX方向)で方角調整するように構成される。この場合、第1の位置決め調整機構118は、位置決めフレーム116の内側面123でその最下端位置に(支持フレーム114からは最も遠い位置に)カム装置を備えている。
このカム装置は、位置決めフレーム116に対して第2直線方向(Y方向)に移動可能なカム120と、カム120を操作するための駆動軸121(図3参照)とを有する。例えば、カム120は、駆動軸121の適切な動作がなされると、カム120を位置決めフレーム116や配列器具136に対してY方向に進退移動させるように機能的に駆動軸121に結合されている。支持棒138は、位置決めフレーム116内に形成された座ぐり内部にボールベアリングを備えて構成され、カム120を保護している。また、第1の位置決め調整機構118は、カム120がX方向に伸びた軸の周りを回転できるようになっている。
図4に示されるように、位置決めフレーム116が印刷フレーム142に固定されるとき、カム120は印刷フレーム142の外表面144を支持している。更に、カム120は、Y方向において印刷フレーム142から離れた位置決めフレーム116の最下端に位置するように構成されている。これにより、ブラケット112をθX方向において方向調整することができる。印刷フレーム142に対するブラケット112のθX方向の角度調整の正確性は、駆動軸121を使用してカム120の位置を調整することによって行うことができる。例えば、カム120を調整することによって、位置決めフレーム116の下端と、印刷フレーム142の外表面との間の距離を相対的に移動させることによって行うことができる。この相対的な移動はブラケット112を傾斜させるか、もしくは固定状態の印刷フレーム142に対してθX方向に回転させることで行うことができる。
配列器具136は、ブラケット112が印刷フレーム142に固定されるときに、Y方向にセットされている。このため、ブラケット112をθX方向に回転する回転軸が配列器具136内を貫通している。
第1の位置決め調整機構118のカム装置は、印刷フレーム142に対するブラケット112の角度をマイクロオーダ(例えば100マイクロ以下の調整)で調整できるように特別に設計されている。いくつかの例として、位置決めフレーム116の垂直方向の中心点からカム120を更に離れるように位置決めすると、ブラケット112はθX方向における角度位置が微調整される。
上記したように、第1の位置決め調整機構118によって、印刷フレーム142に対する所定位置が調整され、その後、ブラケット112は印刷フレーム142に機械的に固定される。この場合、位置決めフレーム116の角度方向におけるいかなる姿勢調整又は姿勢修正は、次に述べる第2の位置決め調整機構122によって行うことができる。
第2の位置決め調整機構122は、ブラケット112を印刷フレーム142に対してθY方向とZ方向の方向合わせを行うために設けられる。本実施の形態では、第2の位置決め調整機構122は、フランジ部119の両端部に設けられた一対のカム装置で構成される。フランジ部119は、位置決めフレーム116の主体部分から外側に向けて横方向に張り出している。
これらのカム装置は、位置決めフレーム116のZ方向に移動可能なカム124とカムを操作する駆動軸126とで構成される。一対のカム124は、それぞれの駆動軸126によって個別に駆動される。例えば、それぞれのカム124は、それぞれの駆動軸126に機能的に連結されており、これにより、カム124を位置決めフレーム116に対してZ方向に進退させることができるようになっている。
また、第2の位置決め調整機構122は、カム124がX方向に延びた軸の回りを回転できるように形成されている。
図4に示すように、位置決めフレーム116が印刷フレーム142に固定されるとき、カム124は印刷フレーム142の支持部材146の第1部分を支持している。更に、一対のカム124は、Z方向において印刷フレーム142から位置決めフレーム116の横方向両端部に配置されている。これにより、ブラケット112をθY方向とZ方向に方向合わせすることができる。ブラケット112のθY方向及び/又はZ方向の修正は、それぞれの駆動軸126を使って一対のカム124の位置を調整することによって行われる。例えば、一対のカム124を調整することによって、位置決めフレーム116の横方向両端部と印刷フレーム142の支持部材146との間で相対的な移動を生じさせることができる。この相対的な移動によって、ブラケット112はθY方向とZ方向の一方か又は両方に移動する。特に、θY方向の移動(例えば回転又は傾き)は、一対のカム124のそれぞれの位置での調整差によって生じる。例えば、一対のカム124の一つが別のカム124よりも多く又は少なく調整されるとき、あるいは一対のカム124が反対向きのZ方向に調整されるとき、例えばカムの一つが上方向に調整され、別のカムが下方向に調整される場合である。
一対のカム124が位置決めフレーム116の横方向両端に位置されていることは、θY方向におけるブラケット112の角度位置のさらなる微調整制御を行うことができる。ブラケット112のZ方向での移動(例えば、平行移動)は、一対のカム124をZ方向の同じ向き(例えば、両方のカム124を上方向又は下方向に動作)に動作させるときに生じる。
第2の位置決め調整機構122のカム装置は、特に、印刷フレーム142に対するブラケット112の角度をマイクロオーダ(例えば100マイクロ以下の調整)で調整できるように特別に設計されている。
上記したように、第2の位置決め調整機構122によって、印刷フレーム142に固定する前のブラケット112の位置が調整され、その後、ブラケット112は印刷フレーム142に機械的に固定される。
ブラケット112のX方向の方向調整又は修正は、次に述べる第3の位置決め調整機構128によって行うことができる。
第3の位置決め調整機構128は、印刷フレーム142に対するブラケット112のX方向の方向合わせのために設けられる。この場合、第3の位置決め調整機構128は、位置決めフレーム116の内側面123であって位置決めフレーム116の縦方向のほぼ上端部(即ち、支持フレーム114に最も近接した位置)にカム装置を備えている。
図2に示すように、カム装置は、駆動軸132に連結されており、駆動軸132を操作することによって、位置決めフレーム116に対してθY方向に相対的に移動可能なカム130と、カム130を印刷フレーム142に対して保持する固定機構134と、で構成される。例えば、カム130は、駆動軸132に機能的に連結されており、これにより、Y方向に延びた軸の回りをカム130が回転できるようになっている。
図3に示すように、駆動軸132は、ブラケット112が印刷フレーム142に固定されるときに、駆動軸132を操作できるように設計されている。
位置決めフレーム116が印刷フレーム142に取り付けられるとき、カム130は、カム130と固定機構134との間に位置する印刷フレーム142の固定ピン(図示せず)を支持する。これにより、ブラケット112をX方向に方向合わせすることができる。固定機構134は、固定ピンに対してカム130に付勢力を付与するためのバネを備えている。印刷フレーム142に対するブラケット112のX方向の方向合わせのための駆動軸132を使用してカム130の位置を調整することによって行われる。
例えば、カム130を調整すると、ブラケット112と印刷フレーム142の固定ピンとはX方向に相対的に移動する。この相対的な移動によって、ブラケット112は固定された印刷フレーム142に対してX方向にスライド又は移動する。カム130は、駆動軸132の摩擦力によって所定の位置で停止し、固定状態になる。この駆動軸132の摩擦力は意図しないカム130の調整を防止する。
第3の位置決め調整機構128のカム装置は、印刷フレーム142に対するブラケット112の調整をマイクロレベル(20マイクロ以下の調整)で行えるように特別に設計されている。
一対の配列器具136は、位置決めフレーム116上に、印刷フレーム142に対してブラケット112や固定された印刷ヘッド102を調整するための別の部材を備えている。例えば、配列器具136は、印刷フレーム142に固定されたブラケット112をθZ方向やY方向に方向合わせすることができる。この場合、配列器具136としては、反対方向に位置する一対のフランジ部119の各々から横方向外側に延設された静的構造(例えば、バンパー装置)を採用することができる。
図4に示すように、位置決めフレーム116が印刷フレーム142に固定されるとき、配列器具136は、印刷フレーム142に設けられた支持部材148の第2セット部を支持している。これにより、配列器具136によって、ブラケット112をθZ方向とY方向とに方向合わせすることができる。
上記したように、ブラケット112に設けられた第1〜第3の位置決め調整機構118、122、128によって、ヘッドモジュール100はブラケット112を介して印刷フレーム142に対して所定の位置に所定の姿勢で位置決めされる。
しかし、ヘッドモジュール100を印刷フレーム142に対して所定の位置に所定の姿勢で位置決めするためには、ヘッドモジュール100とブラケット112とが所定の位置に所定の姿勢で接着接合されたモジュール・ブラケット結合体135を製造することが前提となる。
図3は、ヘッドモジュール100をブラケット112に接合したモジュール・ブラケット結合体135を示す。
図3に示すように、ヘッドモジュール100のハウジング106が、ブラケット112の支持フレーム114に形成された開口部117(図2参照)に上方向から挿入される。これにより、ブラケット112の支持フレーム114の図3の上面(接合面)に、ヘッドモジュール100の印刷ヘッド102の図3の下面(接合面)が合わさり、接着接合される。これにより、モジュール・ブラケット結合体135が製造される。
次に、ヘッドモジュール100の印刷ヘッド102と、ブラケット112の支持フレーム114とを熱硬化型の接着剤で接合して、モジュール・ブラケット結合体135を製造する方法を詳しく説明する。
[モジュール・ブラケット結合体の製造方法]
図5A〜図5Cは、モジュール・ブラケット結合体の製造方法の各工程の概念図であり、図6の(A)〜(F)は各工程において特に接合部分を詳細に説明するための模式図である。
図5A〜図5Cは、モジュール・ブラケット結合体の製造方法の各工程の概念図であり、図6の(A)〜(F)は各工程において特に接合部分を詳細に説明するための模式図である。
なお、図5A〜図5Cでは、ヘッドモジュール100の印刷ヘッド102、ブラケット112の支持フレーム114のみを図示し、他の部材は省略している。
(準備工程)
まず、図5(A)に示すように、接合工程の前に、印刷ヘッド102と支持フレーム114との接合面同士を合わせたときに、接合面に向かって段付き溝10が形成されたヘッドモジュール100とブラケット112とを予め準備する。
まず、図5(A)に示すように、接合工程の前に、印刷ヘッド102と支持フレーム114との接合面同士を合わせたときに、接合面に向かって段付き溝10が形成されたヘッドモジュール100とブラケット112とを予め準備する。
本実施の形態では、ブラケット112の支持フレーム114の接合面側に、開口部117を挟んで段付き溝を2本平行に形成した場合で説明する。
図7は、段付き溝10の溝径方向の断面拡大図であり、段付き溝10は、支持フレーム114の接合面114Aに、その接合面114Aに向かって大径溝10Aが形成され、続いて小径溝10Bが形成される。
なお、大径溝10Aの容積は、後記する位置決め工程において、支持フレーム114の接合面114Aと、印刷ヘッド102の接合面102Aとを突き当てたときに、印刷ヘッド102の接合面102Aで押し潰されて横方向に広がる接着剤を収納できる容積であればよい。
本実施の形態では、ブラケット112の支持フレーム114に段付き溝10を形成したが、ヘッドモジュール100の印刷ヘッド102の接合面側に形成することもできる。
また、準備工程では、後記する位置決め工程で使用するシートヒータ12、12を予め準備しておく。図5A(A)における符号14はノズルである。
そして、準備工程が終了したら、以下の接合工程を順番に行う。
(第1の接着剤付与工程)
次に、図5A(B)に示すように、印刷ヘッド102の接合面の4隅に熱硬化型の接着剤16を付与する。更には、図5A(C)及び図6(A)に示すように、支持フレーム114に形成した2本の段付き溝10、10の小径溝10B底面に接着剤16を付与して第1接着層を形成する。接着剤16の付与は、例えば針状ノズルの先端から接着剤16を吐出する接着剤ディスペンサ装置を好適に使用することができる。
次に、図5A(B)に示すように、印刷ヘッド102の接合面の4隅に熱硬化型の接着剤16を付与する。更には、図5A(C)及び図6(A)に示すように、支持フレーム114に形成した2本の段付き溝10、10の小径溝10B底面に接着剤16を付与して第1接着層を形成する。接着剤16の付与は、例えば針状ノズルの先端から接着剤16を吐出する接着剤ディスペンサ装置を好適に使用することができる。
なお、図5A(B)の印刷ヘッド102の接合面の4隅に接着剤16を付与する工程は省略してもよい。
(シートヒータの載置工程)
次に、図5B(D)及び図6(B)に示すように、2本の段付き溝10において、それぞれの小径溝10Bの第1接着剤層の上にそれぞれシートヒータ12を載置する。
次に、図5B(D)及び図6(B)に示すように、2本の段付き溝10において、それぞれの小径溝10Bの第1接着剤層の上にそれぞれシートヒータ12を載置する。
シートヒータ12とは、細い電熱線が埋め込まれた面状発熱体であり、小径溝10Bの幅と同等又はそれ以下の幅のものを使用する。シートヒータ12の長さは、段付き溝10の長さと同等以上であればよく、シートヒータ12のヒータ部分が段付き溝10の端から外部に出ていてもよい。
(第2の接着剤付与工程)
次に、図5B(E)及び図6(C)に示すように、小径溝10Bの第1接着剤層に載置されたシートヒータ12の上に接着剤16を更に小径溝から接合面外まで盛り上がるように付与して第2接着剤層を形成する。接着剤16を付与する方法は、第1の接着剤付与工程のときと同様に、針状ノズルを備えた接着剤ディスペンサ装置を好適に使用することができる。
次に、図5B(E)及び図6(C)に示すように、小径溝10Bの第1接着剤層に載置されたシートヒータ12の上に接着剤16を更に小径溝から接合面外まで盛り上がるように付与して第2接着剤層を形成する。接着剤16を付与する方法は、第1の接着剤付与工程のときと同様に、針状ノズルを備えた接着剤ディスペンサ装置を好適に使用することができる。
(位置決め工程)
次に、図5B(F)及び図6(D)〜(E)に示すように、印刷ヘッド102と支持フレーム114との接合面同士を合わせると共に、シートヒータ12で接着剤16が低粘度化するように低温加熱して印刷ヘッド102と支持フレーム114との相対的な位置決めを行う。
次に、図5B(F)及び図6(D)〜(E)に示すように、印刷ヘッド102と支持フレーム114との接合面同士を合わせると共に、シートヒータ12で接着剤16が低粘度化するように低温加熱して印刷ヘッド102と支持フレーム114との相対的な位置決めを行う。
なお、ヘッドモジュール100の印刷ヘッド102と、ブラケット112の支持フレーム114との相対的な位置決めを行う位置決め装置500については後述する。
(接着工程)
次に、図5B(G)及び図6(F)に示すように、位置決めが終了したら、シートヒータ12を接着剤16が硬化する温度まで上昇させて印刷ヘッド102と支持フレーム114とを接着接合する。
次に、図5B(G)及び図6(F)に示すように、位置決めが終了したら、シートヒータ12を接着剤16が硬化する温度まで上昇させて印刷ヘッド102と支持フレーム114とを接着接合する。
(シートヒータ切断除去工程)
次に、図5C(H)に示すように、印刷ヘッド102と支持フレーム114の接合面同士の間から外部に飛び出しているシートヒータ12を切断除去する。
次に、図5C(H)に示すように、印刷ヘッド102と支持フレーム114の接合面同士の間から外部に飛び出しているシートヒータ12を切断除去する。
これにより、モジュール・ブラケット結合体135が製造される。
以上説明した製造方法によれば、接合工程の前に、ヘッドモジュール100の印刷ヘッド102とブラケット112の支持フレーム114との接合面同士を合わせたときに、該接合面に向かって大径溝10Aと小径溝10Bとからなる段付き溝10が形成されたヘッドモジュール100とブラケット112とを予め準備する。
そして、段付き溝10の小径溝10Bに、第1接着剤層、シートヒータ12、第2接着剤層の3層構造になるように、第1の接着剤付与工程、シートヒータ載置工程、及び第2の接着剤付与工程を行う。
次に、位置決め工程において、ヘッドモジュール100の印刷ヘッド102と、ブラケット112の支持フレーム114との接合面同士を突き合わせて印刷ヘッド102と支持フレーム114との相対的な位置決めを行う。
かかる位置決め工程において、印刷ヘッド102と支持フレーム114との接合面同士の合わせ操作によって接合面同士が接近すると、図6(D)で示したように、段付き溝10の小径溝10Bに接合面外まで盛り上がるように付与された接着剤16は押圧されて横方向に広がり、接合面同士の間に侵入しようとする。
しかし、本発明では、接合面に向かって大径溝10Aと小径溝10Bとからなる段付き溝10が形成されているので、小径溝10Bから横方向に広がった接着剤16は大径溝10Aに押し込まれる。この押し込みにおいて、シートヒータ12の低温加熱によって接着剤16を低粘度化させているので、接合面外まで盛り上がった接着剤16を簡単に押し込むことができる。この結果、図6(E)に示すように、印刷ヘッド102と支持フレーム114の接合面同士が接近して確実に突き当たるまで接着剤16が大径溝10Aに押し込まれる。
したがって、印刷ヘッド102と支持フレーム114の接合面同士の間に接着剤16が侵入することを防止できる。更には、接合面同士を確実に突き当てることによって、接合面同士を接着する接着剤16の厚みが段付き溝10の長さ方向(図6(E)紙面表裏方向)において均一化する。
これにより、接着工程において、接着剤16を熱硬化させたときに、図6(F)に示すように接着剤16が収縮しても、段付き溝10内での接着剤16の収縮なので、位置決め工程で位置決めした接合面同士が位置ズレすることがない。
また、接合面同士を確実に突き当てて接着剤16の厚みを均一化することで、接合面に均一に収縮力が付与されるので、収縮によって接合面に位置ズレが生じることがない。
更には、大径溝10Aに接着剤が押し込まれることで、接合面同士の接着面積を大きくできる。
また、シートヒータ12の低温加熱で接着剤16を低粘度化することで、後記する位置決め装置500によって接合面同士の位置決め調整がし易くなる。これにより、ヘッドモジュール100をブラケット112の所定位置に所定の姿勢で精度良く結合させることができる。
また、モジュール・ブラケット結合体135を装着した例えばインクジェット記録装置を使用中に、使用温度環境等によって接着剤16が膨張や膨潤しても、段付き溝10の内部での膨張や膨潤なので、膨張や膨潤によってヘッドモジュール100とブラケット112との相対的な位置ズレが生じることはない。
更に、本発明によれば、印刷ヘッド102と支持フレーム114との接合面同士の間に接着剤16が侵入しないので、接合面同士の間に隙間が発生しない。これにより、モジュール・ブラケット結合体135を高湿度環境や洗浄液に晒したときに、接合面同士の間に水分や洗浄液が入り込まないので、接着力が低下することがない。
ところで、ヘッドモジュール100には、流体(例えばインク)を精度良く吐出するためのノズル14が形成されており、ヘッドモジュール100の加熱によるノズル14の寸法変化は、吐出される液滴の大きさや吐出量に重大な問題を与える。
しかし、本発明によれば、段付き溝10の小径溝10Bに、接着剤16、シートヒータ、接着剤16の3層構造になるように、第1の接着剤付与工程、シートヒータ載置工程、及び第2の接着剤付与工程を行うので、加熱したい接着剤16のみをシートヒータ12で局部的に加熱することができる。
これにより、モジュール・ブラケット結合体を135製造する際に、ヘッドモジュール100のノズル14が寸法変化することを確実に防止できる。
図8は、ブラケット112の支持フレーム114の接合面に、段付き溝10ではない一条溝18を形成して、ヘッドモジュール100の印刷ヘッド102とブラケット112の支持フレーム114とを接着剤16で接合する模式図である。
図8(A)に示すように、一条溝18に接合面114Aから盛り上がるように接着剤16を付与した後、図8(B)に示すように、印刷ヘッド102の接合面と支持フレーム114の接合面とを合わせる。この合わせ操作により、接着剤16は横方向に広がり、接合面同士の間に侵入する。そして、図8(C)に示すように、接合面同士の間に侵入した状態で接着剤16が硬化され、ヘッドモジュール100とブラケット112とが接着接合される。
このように、印刷ヘッド102と支持フレーム114との接合面同士の間に接着剤16が侵入すると、接合面が動き易くなると供に、侵入した接着剤16が硬化するときの収縮によって接合面同士が位置ズレしてしまう。
また、図8で製造されたモジュール・ブラケット結合体135の場合には、侵入した接着剤16によって接合面同士の間に隙間21が生じる。これにより、モジュール・ブラケット結合体135を高湿度環境や洗浄液に晒したときに、接合面同士の間に水分や洗浄液が入り込み易いので、接着力が低下する。
更には、図8の場合には、接着剤16を硬化するために、オーブン等の加熱装置にモジュール・ブラケット結合体135全体を加熱する必要があり、ヘッドモジュール100のノズル14が寸法変化する虞がある。
図9は、段付き溝10の別態様であり、段付き溝10を、接合面に向かって印刷ヘッド102と支持フレーム114の一方側に小径溝10Bを形成し、他方側に大径溝10Aを形成した分離構造とした場合である。図9は、印刷ヘッド102の接合面に大径溝10Aを形成し、支持フレーム114の接合面に小径溝10Bを形成した場合である。
この場合には、分離構造に形成された段付き溝10の縦断面形状を有する位置決めブロック20を予め用意することが好ましい。そして、上記した位置決め工程では、用意した位置決めブロックを、段付き溝10の溝端部に嵌合する。この位置決めブロック20は、小径溝10Bに嵌合する小径突起部20Bと、大径溝10Aに嵌合する大径突起部20Aとを有する。
そして、印刷ヘッド102と支持フレーム114との位置決めを行う場合には、印刷ヘッド102と支持フレーム114とを合わせる。合わせることによって形成された段付き溝10の溝端部に、位置決めブロック20を嵌合させる。したがって、段付き溝10の溝端部には、上記した第1接着剤層、シートヒータ、第2接着剤層の3層構造は形成しないでおく。
これにより、位置決め工程において特別な位置決め手段を使用しないでも簡単に印刷ヘッド102と支持フレーム114との接合面同士の位置決めを行うことができる。
更には、位置決めブロック20を、段付き溝10の溝端部に嵌合することによって、接着工程において接着剤16が収縮しても、接着剤16の収縮による接合面同士の位置ズレを一層確実に防止することができる。
この位置決めブロック20は、モジュール・ブラケット結合体135を製造した後、取り除いてもよく、そのまま嵌合させたままでもよい。嵌合させたままにすれば、モジュール・ブラケット結合体135を使用中に、使用温度環境等によって接着剤が膨張や膨潤しても、接合面同士の位置ズレを一層防止できる。
また、後記する位置決め装置500で位置決めする前の粗精度な位置決め用として位置決めブロック20を使用することもできる。
なお、第1の接着剤付与工程及び第2の接着剤付与工程では、粘液性の接着剤16を接着剤ディスペンサ装置の針状ノズルから吐出する方法で行ったが、シート状接着剤(フィルム状ホットメルト型接着剤)を使用することもできる。これにより、小径溝に形成する第1接着剤層、シートヒータ、第2接着剤層の3層構造を簡単に形成できる。また、3層構造の厚みを小径溝の幅方向及び長さ方向で均一にし易くなる。
図10は、モジュール・ブラケット結合体135を位置決めするために設計された位置決め装置500の一例を示す装置である。そして、この位置決め装置500でヘッドモジュール100の印刷ヘッド102とブラケット112の支持フレーム114との相対的な位置決めを行いながら接着剤16で接着接合する。
本実施の形態の位置決め装置500は、トラック504上を移動する移動台502を備え、移動台502は実装置の印刷フレーム142を模擬するよう設計された模擬印刷フレームを備えている。
そして、ヘッドモジュール100、ブラケット112、シートヒータ12等のモジュール・ブラケット結合体135の製造に使用する部材を予め移動台502上に準備し、以下説明する位置決め操作を行いながら、ヘッドモジュール100の印刷ヘッド102と、ブラケット112の支持フレーム114とを熱硬化型の接着剤で接着接合する。
これにより、位置決め装置500で位置決めした状態でヘッドモジュールとブラケットと接着接合されて製造されたモジュール・ブラケット結合体135は、実装置の印刷フレーム142に固定したと同様の所定位置及び所定姿勢に固定することができる。
移動台502はトラック504に沿って動き、接着結合する前のモジュール・ブラケット結合体135を第1配列ステーション506、第2配列ステーション510、そして第3配列ステーション516へ運ぶよう取り決められている。
第1配列ステーション506は、支持フレーム114上に載置された印刷ヘッド102の大まかな位置決めを行うよう設計されている。したがって、第1配列ステーション506は一対の低倍率カメラ508を含む。大まかな位置決めを実行するため、印刷ヘッド102における成型板104に支持されたノズルプレート上の基準マークを低倍率カメラ508で観察し、基準マークがカメラ508の基準位置にくるまで、印刷ヘッド102が支持フレーム114上で調整される。
また、図10に示すように、第2配列ステーション510は、模擬印刷フレームに対してモジュール・ブラケット結合体135を位置決めするよう設計されている。特に第2配列ステーション510は、第1及び第2の位置決め調整機構118、122の調整を容易にする。上記したように、第1の位置決め調整機構118は、モジュール・ブラケット結合体135をX方向に位置決めし、第2の位置決め調整機構122は、モジュール・ブラケット結合体135をY方向とZ方向に位置決めする。
第2配列ステーション510は、一連の4つの高さゲージ512を備えている。それぞれの高さゲージ512は、印刷ヘッド102の成型板104に支持されたノズルプレートの表面に対して下方へ垂直に操作可能なテレスコープ式ピン514を備えている。それぞれのピン514は、表面の違った位置でノズルプレートと接触する。高さゲージ512は、ピン514とノズルプレート表面との間のそれぞれの接触点に垂直な位置に(または高さ)対応する座標の値を測ることができる。第1及び第2の位置決め調整機構118と122は、予め方向付けられた中で、目標となる座標値に高さゲージ512が一致するまで調整される。目標座標値との一致は モジュール・ブラケット結合体135が対して正しく位置決めされたことを示す。
目標座標値は、基準ゲージを用いるとよい。基準ゲージの正確さは、3軸座標測定機で測定することによって行われる。基準ゲージは、正確に配列されたモジュール・ブラケット結合体135の高い耐久性、設計を示すことができる。目標座標値を考える上で、基準ゲージは移動台502に装備され、第2配列ステーション510に運ばれる。第2配列ステーション510において、高さゲージ512は基準ゲージを用いて目盛りを算出する。第3配列ステーション516は、支持フレーム114上の印刷ヘッド102の微細な配置を行えるよう設計されている。そのため、第3配列ステーション516は、一連の4つの高倍率カメラ518を含んでいる。基準ゲージの機能は高倍率カメラ518の目盛りを算出することに使われる。微細な位置決めを実行するため、ヘッドモジュール100の印刷ヘッド102は、高倍率カメラ518がサーマルヘッドの成型板104の露出するノズルプレートの基準にそって正しく位置決めされるまで、支持フレーム114上で調整される。
このようにヘッドモジュール100の印刷ヘッド102と、ブラケット112の支持フレーム114と、が位置決め調整される。このように位置決め調整された後、上記説明したように、印刷ヘッド102の接合面と、支持フレーム114の接合面とが、段付き溝10の小径溝10Bに付与された接着剤16によって接着接合される。
10…段付き溝、10A…大径溝、10B…小径溝、12…シートヒータ、14…ノズル、16…接着剤、18…一条溝、20…位置決めブロック、21…隙間、100…ヘッドモジュール、102…印刷ヘッド、102A…印刷ヘッドの接合面、104…成型板、106…ハウジング、108…固定ブロック、110…フレキシブル回路、112…ブラケット、114…支持フレーム、114A…支持フレームの接合面、116…位置決めフレーム、118…第1の位置決め機構、120…カム、122…第2の位置決め機構、124…カム、126…駆動軸、128…第3の位置決め機構、130…カム、132…駆動軸、134…固定機構、136…配列器具、138…支持棒、140…ガイド溝、142…印刷フレーム、144…印刷フレームの外表面、146…支持部材、148…支持部材、152、154…ロック部材
Claims (6)
- 流体を吐出するノズルが形成されたヘッドモジュールをブラケットに固定したモジュール・ブラケット結合体を製造する方法であって、該方法中に前記ヘッドモジュールと前記ブラケットとを熱硬化型の接着剤で接合する接合工程を含むモジュール・ブラケット結合体の製造方法において、
前記接合工程の前に、前記ヘッドモジュールと前記ブラケットとの接合面同士を合わせたときに、該接合面に向かって大径溝と小径溝とからなる段付き溝が形成されたヘッドモジュールとブラケットとを予め準備する準備工程を有し、
前記接合工程では、
前記接着剤を前記小径溝の底面に付与する第1の接着剤付与工程と、
前記小径溝に付与された接着剤の上にシートヒータを載置するシートヒータ載置工程と、
前記載置されたシートヒータの上に接着剤を更に前記小径溝から前記接合面外まで盛り上がるように付与する第2の接着剤付与工程と、
前記ヘッドモジュールと前記ブラケットとの接合面同士を合わせ、前記シートヒータで前記接着剤が低粘度化するように低温加熱して前記ヘッドモジュールと前記ブラケットとの相対的な位置決めを行う位置決め工程と、
前記位置決めが終了したら、前記シートヒータを前記接着剤が硬化する温度まで上昇させて前記ヘッドモジュールと前記ブラケットとを接着する接着工程と、
前記接合面から外部に飛び出している前記シートヒータを切断除去するシートヒータ切断除去工程と、を行うモジュール・ブラケット結合体の製造方法。 - 前記段付き溝は、前記接合面に向かって前記ヘッドモジュールと前記ブラケットとの何れか一方に形成されている請求項1に記載のモジュール・ブラケット結合体の製造方法。
- 前記段付き溝は、前記接合面に向かって前記ヘッドモジュールと前記ブラケットの一方側に前記小径溝が形成され、他方側に前記大径溝が形成された分離構造である請求項1に記載のモジュール・ブラケット結合体の製造方法。
- 前記分離構造に形成された前記段付き溝の縦断面形状を有する位置決めブロックを予め用意し、
前記位置決め工程では、前記用意した位置決めブロックを、前記段付き溝の溝端部に嵌合することにより、前記ヘッドモジュールと前記ブラケットとの相対的な位置決めを行う請求項3に記載のモジュール・ブラケット結合体の製造方法。 - 前記接着剤は前記小径溝の溝幅と同等の幅を有するシート状接着剤である請求項1から4の何れか1項に記載のモジュール・ブラケット結合体の製造方法。
- 前記ヘッドモジュールは、記録媒体の幅方向に複数のヘッドモジュールを配列させた構成を持つラインヘッド型のインクジェット記録装置に組み込まれることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のモジュール・ブラケット結合体の製造方法。
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