JP2014188589A - ダイカスト機の自動給湯装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のコールド用各種自動溶湯供給装置が有する種々の課題を克服し、精度の高い計量性を持つコールド用自動給湯装置を提供する。
【解決手段】加熱源を備えた保持炉内の鍋2の底部に貫通穴を有し、シリンダ3には、溶湯流入穴11が有り、ピストン10が嵌合していて、ピストン10にはピストン10を上下動させる駆動源12を有し、継手4の略水平方向の端部は鍋2の外部で溶湯流路と溶湯貯留部を兼ねる溶湯供給管7が連結され、溶湯供給管7の基端部には、駆動源13を備え溶湯流路を下向きの略直角方向に変更する開閉バルブ8が連結され、ピストン10が下降すると、溶湯貯留部に貯留された溶湯が溶湯通路を通り、コールドチャンバーダイカスト機の射出スリーブ102に供給出来るようにしたアルミニウム、アルミニウム合金およびマグネシウム合金の自動給湯装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、アルミニウムやアルミニウム合金あるいはマグネシウム合金のダイカスト成形に用いるコールドチャンバーダイカスト装置に、溶湯を供給する自動給湯装置に関する。
アルミニウムやアルミニウム合金(以下、アルミと略記する)のダイカストには、主として図6に示すようなコールドチャンバー型ダイカスト装置(以下コールドと略記する)が使われ、マグネシウム合金(以下マグネと略記する)のダイカストには、図7に示すようなホットチャンバー型ダイカスト装置(以下ホットと略記する)と呼ばれる装置が主として使われている。
コールドは、図6において、図示しない溶湯保持炉からラドル101で汲み上げた溶湯Mを射出スリーブ102の給湯口111に矢印のように供給し、射出プランジャ103の前進により金型104のキャビティ104aに溶湯Mが充填され成形品を得る方法であるが、溶湯保持炉の界面部にある酸化膜を一緒に汲み上げるため酸化膜が混在した溶湯Mを使用することや、搬送中に酸化が進行したり、溶湯の搬送中に温度低下がある上、射出スリーブ102に溶湯が接した時に部分的に冷却され固液共存状態の溶湯を使用しなければならないため少し温度の低下した状態の溶湯を使うなど、好ましい状態の溶湯Mを使っているとは言い難い状態の溶湯を使って成形している。また、少し温度の低下した溶湯Mを使うことからホットに比べ射出圧を高くしなければ充填できないことから、ホットの成形品の投影面積と同じ投影面積の成形品を成形するには大きな型締力が必要となり大型ダイカスト機を使わなければならなかったり、機械全体の剛性を高くしなければならなくなるなどの課題があった。
一方、ホットは図7に示すように、図示しない保持炉の鍋105内の溶湯Mは、シリンダ107の溶湯供給穴109からグースネック106に自動的に供給され、射出プランジャ110が下降すると溶湯流路106a、ノズル108を通って金型104のキャビティ104aに充填されるをいうものであるが、溶湯が自動的に供給され、計量性が良く、保持炉の溶湯界面より下位にある酸化膜などを含まないきれいな溶湯を供給でき、温度低下も少ないので、生産性が高く、品質が安定し、歩留まりが高く射出圧もコールドより低くできるという特徴がある。
また、温度低下が少ないので、溶湯の流動性をキープできることなどのことから、シリコンを多く含まず温度が低下すると流動性が悪くなる、放熱部品やカラーアルマイトが可能なアルミ合金や純アルミが成形できるという特徴もある。
このように、ホットで成形した方が成形品に良品が得られることがわかっているにもかかわらず、主としてアルミにはコールドが使われマグネはホットが使われている理由は、アルミが多くの金属材料を侵食するという特異な性質を有し、アルミ溶湯に接触する構造部材に金属材料を用いた場合、構造部材が侵食されて比較的短期間に機能を果たさなくなり短寿命であるばかりでなく、侵食した金属成分が製品に混入するため成形品の品質にも悪影響がでたりするためである。さらに、侵食の影響で構造部材の劣化が進み安全上も好ましくないなどのことが問題となって、アルミのホット化が進んでいないのが現状である。
一方、アルミに対して、マグネはホットを構成する構造材料に金属材料すなわち耐熱鉄系金属材料が使用できる点がアルミと大きく異なるためマグネのホットは工業的に成立している。なお、マグネもコールドで一部成形している例はあるが、マグネ溶湯は空気に触れると燃え易いという性質があるため、自動給湯装置による運搬中あるいは射出スリーブの溶湯注湯口に溶湯を供給する時に、酸化して一部が燃えて成形品の品質に悪影響を与えるなどのこともあるため主としてホットが使われていることも理由の一つである。
しかし、ホットで大型の成形品を成形するのは限界があり、大型の成形品の場合はマグネもコールドで成形する場合があるが、給湯装置の問題があるのであまり行われていないのが現状である。また、ダイカストは、アルミが主体で行われて来たため、ダイカスト装置としてはコールドの方が圧倒的に普及しているため、普及しているコールドを使ってマグネが成形できるようになるような優れたコールド用の自動給湯装置が望まれている。
従来、ダイカスト装置への溶湯の供給は、ホットの場合は、溶湯が自動的に供給されるため、溶湯の供給装置は不要であるが、コールドにおける給湯は、人手によって柄杓により溶湯を汲み上げ、図6の射出スリーブ102に設けた給湯口111に供給することも行われていたが、給湯量が安定しない、酸化膜を一緒に汲み上げる、運搬中に溶湯温度が低下するなどの問題があるばかりでなく、危険であり、生産性も低いなどの問題があった。
以上のようなことから、近年、コールドにおける自動給湯装置が進歩し、種々の方式が実用化されている。例えば、図8に示すような自動給湯装置300が最も普及していて、溶湯Mを汲みとるラドル101を備えた産業ロボット的なリンクアーム式の装置などが、保持炉の鍋105と射出スリーブ102の間を機械的に往復動し、鍋105で溶湯Mを汲み上げ、射出スリーブ102の給湯口111に給湯するようにした方式がある。しかし、この方式は、ラドル101で溶湯Mを汲みあげる際、炉表面の酸化膜などのスラッジが一緒に混ざって汲み上げられ成形品中に入ることや、ラドル101で運搬中に溶湯Mが酸化したり、温度低下がある。少し冷えた射出スリーブ102に溶湯Mを供給することから、微妙に固液共存状態に近いような状態の溶湯Mで成形するため、成形品の品質に微妙な悪影響が出るなどの問題があった。
また、図示しないが、保持炉の溶湯上面を空気などのガスを用いて加圧することで、溶湯Mを図6で示した射出スリーブ102に給湯するガス加圧方式が知られている。
この方式は、ガスの圧力、加圧時間、溶湯温度、湯面レベルなどによって給湯量を調整するが、計量性に劣るなどの問題があり、計量性が悪いと、湯回り不良の問題を起こしたり、ビスケットと呼ばれる、成形品外の押し湯部分の厚さのバラツキが出て、無駄が多いという問題があった。
さらに、図9に示すような電磁力を利用した電磁ポンプ式の給湯装置400などが知られているが、電磁ポンプ式給湯装置400は、溶湯界面下の溶湯を汲み上げるので表面の酸化物などを巻き込むことは無いということと、印加電圧を変えることで流量を変えることができるというメリットがあるものの、計量性は高くなく安定性に欠けるという課題があった。
また、マグネの場合は、図10に示すような溶湯内に浸漬されたプロペラ501を回転させ、樋502を介して射出スリーブ101に供給するなどのプロペラ式給湯装置500が知られているが、この方式は、簡便で、溶湯温度、プロペラの回転速度、時間などにより計量するものの、溶湯量の正確なコントロールが難しいという課題があった。
このように、アルミとマグネで使用する自動給湯装置に相違があるのは前述したようなそれぞれが有する特異な性質によるものであるが、アルミもマグネも前述したような課題があり、すぐれた自動給湯装置が望まれている。
本発明は、従来のコールド用各種自動溶湯供給装置が有する種々の課題を克服する新しいコールド用自動給湯装置を提供するものである。
特に、安定した精度の高い計量性をもって、保持炉内の界面より下にある酸化されていないきれいな溶湯を、温度の低下が少なく安定した温度で、空気との接触が極力無い状態で、空気の巻き込みが少なく、少量から大容量まで供給できるようにし、小型機にも大型機にも使えるようにするものである。さらに、メンテナンス性に優れた構成とすることが解決しようとする課題である。
本発明は、上述の課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係わる自動給湯装置は、溶湯を保持する加熱源を備えた保持炉に設置された鍋に溶湯を保持し、該鍋の底部に貫通穴を設け、鍋の貫通穴の略中心部の略中心線上を通って外部に通じるように、シリンダ、受台、継手を連結するように配すか受台を用いず直接シリンダに継手を連結するように配するかして、鍋の外部にあり継手の下方に設けた架台上にシリンダの上部からシリンダが略垂直になるように押し付け部材によって受台や継手と共に押し付けるようにして固定するようになっており、シリンダ、受台、継手のいずれかの端面や外周部あるいは第三の部材と鍋の間で溶湯が外部に漏出しないように塞ぐようにする。シリンダは溶湯中に浸漬されるようになっていて溶湯が流入可能な溶湯流入穴を有していて、シリンダには上下動可能な駆動源と上部で連結されるピストンが嵌合していて、受台や継手はシリンダの内径と連通する溶湯流路と溶湯貯留部を兼ねる溶湯流路を有し、継手の溶湯流路は略直角方向に方向変換するL字形状になっていて、継手の水平方向の先端部には溶湯流路と溶湯貯留部を兼ねる連通穴を有する直線状の溶湯供給管が鍋の外部で連結され、溶湯供給管の先端には溶湯流路を開閉可能な駆動源を有する開閉バルブとを備えていて、継手、溶湯供給管、開閉バルブには、必要に応じて溶湯流路内の溶湯が凝固しないような加熱源を備える構成となっていて、開閉バルブの溶湯通路が開き前記ピストンが下降するとシリンダの溶湯流入穴から流入し貯留部に貯留された溶湯が、溶湯流路を通ってコールドの射出スリーブに供給され、開閉バルブが閉じピストンが上昇すると、再びシリンダの溶湯流入穴から溶湯が流入し溶湯貯留部に貯留され、次の供給に備えるようにし、連続してコールドの射出スリーブに溶湯を給湯できるようにしたものである。
本発明の自動給湯装置では、保持炉、鍋、シリンダ、ピストン、L字型流路を有した継手、略水平に配された直線状の溶湯通路を有する溶湯供給管、溶湯供給管の先端に接続された溶湯流路を開閉可能な開閉バルブというシンプルな構成で流路を構成できると共に、開閉バルブにより空気の流入をほとんど防止できるので、空気の巻き込みによる巣の発生が防止でき巣の発生の無いすぐれた成形品が得られると共に、空気による酸化を抑制出来るので品質に優れた成形品の成形をすることが出来る。また、溶湯温度の低下を少なくできるので、射出圧を低く出来る。さらに、溶湯貯留部には一定の溶湯が流入するので、ピストンのストロークを一定に制御することで計量性が安定する。さらに、必要に応じて、開閉バルブの開度を調整することでも流量の調整は可能となるなど従来の課題を解決することができる。
第2の発明に係わる自動給湯装置は、第1の発明の溶湯貯留部と溶湯流路を兼ねる略水平の溶湯供給管先端部に設けた開閉バルブの溶湯供給管の反対側の溶湯出口を略直角方向の下向きになるようにし、射出スリーブに設けられた給湯口から給湯するような位置に開閉バルブの溶湯出口を配置し、ピストンの下降開始と同時または下降開始直前に開閉バルブが開き、ピストンの下降によって溶湯貯留部に貯留された溶湯がコールドの射出スリーブ内に供給されるようにして、ピストンが予め設定したストロークに達すると開閉バルブが閉じ、コールドの射出プランジャが射出スリーブ内を前進してコールドチャンバーダイカスト成形が行われ、開閉バルブが閉じるとピストンが上昇して再び溶湯流入穴から溶湯が流入し、次の供給に備えるようにした自動給湯装置である。
なお、開閉バルブの下向きの出口部に別の溶湯導入管を取り付けて、射出スリーブの給湯口に給湯するようにしても良い。
第3の発明に係わる自動給湯装置は、第2の発明において、自動給湯装置全体を上下動可能にする駆動装置を備え、溶湯の給湯時は、開閉バルブの先端部をコールドチャンバーダイカスト装置の射出スリーブの給湯口を通って内径部に入り込んだ位置になるような位置に自動給湯ポンプ全体を下降させた状態で開閉バルブを開いて給湯し、給湯完了後、開閉バルブが閉じ、射出プランジャの前進前に射出プランジャの前進によって干渉しない位置まで自動給湯ポンプ全体を前記駆動部によって上昇させるようにした自動給湯装置である。
従来の射出スリーブの給湯口を使って給湯するのであるが、射出スリーブの内径部の底部の出来るだけ近い位置に給湯口を持っていけるように給湯装置全体を上下駆動させる駆動装置を設けたことで、上部から滝のように落とすように給湯するのではないため、射出スリーブの周辺に溶湯がこぼれたり、飛び散ったりしないうえ、静かな給湯が出来るので酸化の問題を少なく出来、空気の巻き込みが少なくなり、高温の溶湯を滝のように繰り返し流し落とすことによる射出スリーブへの負荷を小さく出来るので射出スリーブの寿命の伸長を図ることが出来る。なお、上下動させる駆動装置をサーボモータなどを使って駆動させると、射出スリーブに給湯された溶湯レベルに追従させ徐々に上昇させることで、より静かな給湯が可能になり、射出スリーブへのダメージを減らせることができる。
第4の発明に係わる自動給湯装置は、第2および第3の発明と開閉バルブの溶湯流路が下向きでなく略水平方向にし、従来の給湯口を用いずコールドの射出プランジャの後退した時の射出プランジャの先端部より金型側の位置で、射出スリーブの側部に給湯穴を設け、開閉バルブを射出スリーブに直交させるように連結し給湯するようにしたものである。開閉バルブを開閉し、ピストンを上下動させ給湯する点は第2および第3の発明と同様である。
開閉バルブを、射出スリーブの側部に直交させ連結し給湯することで、より空気の巻き込みが少なく、静かな給湯が可能になり、品質の優れた良品の成形が可能となる。また、ダイカスト装置本体と本発明の給湯ポンプの保持炉である鍋とが、平行状態で設置出来るので、床面積のスペース効率が良く、メンテナンススペースが確保し易くなるなどの効果がある。
第5の発明に係わる自動給湯装置は、第4の発明の自動給湯装置において、射出スリーブとの連結部を1ショットごとに離着可能とする駆動部を有し、溶湯供給時は射出スリーブと連結し、射出プランジャが射出スリーブ内を前進して連結部を通過する時から射出完了までの間に連結を切り離すことができるようにしたものである。また、前記駆動部により、メンテナンス時はメンテナンス位置まで後退できるようにすることも可能である。
1ショット毎に離着することで、射出成型時の高圧により生じるダイカスト機本体を介して伝わる振動や衝撃を受けないようにできるので、本発明の自動給湯装置がダメージを受けず、安定して寿命の伸長を図ることができるようになる。また、メンテナンス時は、同じ駆動部を使って、大きく後退させることが出来るのでメンテナンス性を良くすることが可能となる。
第6の発明に係わる自動給湯装置は、第1〜5の発明記載の自動給湯装置において、自動給湯装置を構成する部材で、溶湯と常に接触しているような状態にあるシリンダ、ピストン、溶湯貯留部と溶湯流路を兼ねる受台、継手と溶湯供給管、開閉バルブなどの溶湯接触部をセラミックスで構成するアルミ用の自動給湯装置である。
溶湯と接触する部品を構成する部材に、アルミニウムあるいはアルミニウム合金に耐食性のあるセラミックスを用いることで、寿命の伸長を図り、成形品に溶出した金属成分の混入を抑制することが出来る。
第7の発明に係わる自動給湯装置は、第1〜5記載の自動給湯装置において、ピストンにはピストンリングを用い、シリンダ、ピストン、ピストンリング、溶湯貯留部と溶湯流路を兼ねる継ぎ手、溶湯供給管、開閉バルブの溶湯接触部を耐熱鉄系合金で構成することを特徴とするマグネの自動給湯ポンプである。
マグネの場合は、溶湯による侵食が少ないので、耐熱性の鉄系金属材料を用いることで、コスト、寿命などの点でメリットがあるばかりでなく、本発明による構成にすることで、従来の問題点であった搬送中の酸化による燃焼の問題を低減出来、精度の高い計量ができるので品質の向上が図れ、ホットでは出来なかった大型の成形品の成形が可能となる。なお、金属材料を用いることが可能であるため、シリンダとピストンの嵌合においてピストンにピストンリングを用いることが可能となる。ピストンリングを用いると、シリンダとピストンの嵌め合い公差や真円度、組立上の真直度などが軽減できるので、加工精度や組立精度の点で有利であるのでピストンリングを用いても良い。
本発明を実施するための形態
図1により本発明の第1の実施形態の1例を説明する。1は図示しない加熱源を有する保持炉で、2は金属の溶湯Mを保持する鍋である。鍋2の底部は貫通していて、貫通穴の略中心線上には、鍋2の外部に設けた架台5の上部に継手4、継手4の上部に受台6、さらに受台6の上部にシリンダ3があり、鍋2の内部と外部が貫通穴を介してつながるようになっている。受台6と継手4はシリンダ3の内径に連通する溶湯流路であり溶湯貯留部となっていて、継手4は溶湯流路を略直角方向に変換するL字形状の溶湯流路となっている。継手4の略水平方向の基端部は鍋2の外部で溶湯貯留部と溶湯流路を兼ねる略直線状の溶湯供給管7を介して開閉バルブ8に連結されている。
開閉バルブ8は油圧シリンダ13を備えており、溶湯流路を下向きの略直角方向に変更するようになっていて、油圧シリンダ13によりバルブピストン15が上昇すると溶湯流路が開き、下降すると溶湯流路が閉じるようになっている。
シリンダ3は溶湯M中に、全部または一部が浸漬された状態で略垂直になるようにシリンダ押さえ部材9などを用いて図示しない機構により、受台4、継手5を介して架台5に押し付けるように組み付けられている。
また、シリンダ3には上下動可能なピストン10が嵌合していて、側面にはシリンダ3の内径部に通じる溶湯流入穴11を有していて、シリンダ3内を上下動するピストン10が油圧シリンダ12によって上昇すると、自動的に溶湯流入穴11から溶湯Mが継手4や溶湯供給管7などの溶湯流路を兼ねる溶湯貯留部に流入するようになっている。溶湯貯留部に溶湯Mが流入し、図示しないコールド側の金型が閉じるなどダイカストの成形準備が完了すると、開閉バルブ8を開いてピストン10を下降させると、溶湯貯留部あるいは溶湯流路内の溶湯Mをコールドの射出スリーブ102の給湯口111から供給することが出来るようになり、ピストン10の下降が所定ストロークまで到達すると、油圧シリンダ13の駆動により開閉バルブ8が閉じて、図6で説明したコールドの射出プランジャ103が前進しダイカスト成形が行われる。開閉バルブ8が閉じて、ピストン10が上昇すると溶湯流入穴11から再び溶湯Mが溶湯貯留部に流入し、次の成形に備えられようになる。この動作を繰り返すことで、連続的に自動運転が可能となる。
なお、本実施例はアルミの自動給湯ポンプであり、シリンダ3、ピストン10、受台6、継手4、溶湯供給管7は窒化珪素、開閉バルブ本体8とバルブピストン15はジルコニアで作り、溶湯と直接接触する部材は全てセラミックスを用いた。セラミックスについては後述するが限定されるものでなく1例である。
また、鍋2の貫通穴から外部に溶湯Mが漏出しないようにするため、第1の実施形態では受台6にフランジを付け、受台6のフランジと鍋2で漏出を防ぐようにした例を示したが、受台6を用いず継手4を延長し直接シリンダ3と継手4を連結し継手4にフランジを設けて漏出を防いでも良く、図示しないが受台6と鍋2との間に例えばカーボンセラミックスという材料や窒化珪素などの材料で作った第3の部材を用いて漏出を防ぐなど種々の変化した形が考えられる。なお、鍋2は鉄製の鍋であり、アルミ溶湯に侵食されにくい塗型剤を塗布し、受台6と鍋2との境界部にも同じものを塗布した。
また、継手4、溶湯供給管7、開閉バルブ8は、必要に応じ図示しない加熱源を備え、溶湯が凝固して給湯に支障をきたさないようにすることが望ましく、実施形態1の実施例では加熱源として、ガスバーナを用いたが、ガスバーナ、カンタルなどの発熱体を用いた電熱ヒータ、赤外線ランプヒータなど限定されるものでない。
さらに、ピストン10、開閉バルブ8の駆動源に油圧シリンダを用いる例で説明したが、電動サーボモータやステッピングモータなどを用いると、ピストンのストロークの正確なコントロールが出来、軽量性はより向上し好ましいものとなる。また、開閉バルブはガスの流量をコントロールする時などに使われるシール面をテーパにした流量調整弁のようにして開度や開閉速度を調整することで射出スリーブ102への供給状態を調整できるので、より好ましいものとなるが限定されるものではない。
また、溶湯供給管7は、実施例として管を用いたが、例えば半割にして上面をふたのようにして、メンテナンスの時などに上面が解放できるようにしても圧力が低いため問題ない。万が一温度が低くて溶湯供給管7内で溶湯が凝固しても、上面のふたを外せば容易にメンテナンスができるなどのメリットはあるが、管の場合は、開閉バルブ8を閉じてピストン10を上昇させると、殆ど空気の流入が無い真空状態に近い状態となるため、溶湯供給管7を含め溶湯貯留部全体に溶湯が貯留されるので、計量性が向上するというメリットと酸化されにくい、空気の巻き込みが少ないというメリットがあるので、好ましくは管状の溶湯供給管7が良い。
なお、本構成は、基本的にアルミでもマグネでも殆ど同様であるが、アルミの場合は、溶湯と接触する部材にアルミ溶湯に耐食性のあるセラミックスを用い、マグネの場合は、侵食の問題が無いので鉄系耐熱合金を用い、ピストン部には耐熱合金製のピストンリングを用いる点が異なる。
以上説明したように、第1の実施形態の溶湯の供給ポンプを用いることで、鍋2内の溶湯界面部より内部にある酸化膜を含まないきれいな溶湯を供給することができ、従来例のように搬送中に酸化も少なくなり、空気の巻き込みも少なくなり、温度の低下も少なく、ピストン10のストロークや開閉バルブ8の開度を調整することで正確な供給量の計量化ができるので、安定してすぐれた成形品が得られる。また、溶湯の温度低下が少ないので、射出圧を従来より低くできるため型締め力を小さく出来、あるいはより大きな成形品を成形することが可能になる、さらに衝撃が小さくなるので装置の寿命の伸長につながるなどの効果がある。
また、開閉バルブ8の先端部である溶湯の出湯口は、第1の実施形態では開閉バルブ8の下向きの溶湯流路を延長して射出スリーブ102の給湯口近くまで出湯口をもっていくようにした例で説明したが、開閉バルブ8の下向きの流路に、図示しない溶湯導入管を別部品として取り付け溶湯の流路あるいは出湯口としても良い。
次に第2の実施形態について図2を用いて説明する。図2と図1との相違は、架台5の下部に油圧シリンダ14を備えていることである。油圧シリンダ14は、自動給湯装置全体を上下動出来るようになっており、図2は下降していて給湯中の状態を示しており、給湯時は給湯装置全体が下降し、開閉バルブ8の先端部である溶湯の出湯口は、射出スリーブ102の給湯口111を通って射出スリーブ102内に入り込んだ位置にあるようにして給湯し、給湯が完了しそのまま出湯口が射出スリーブ102内にあると、図1で説明した射出プランジャ103が前進しダイカスト成形が行われた場合、出湯口がプランジャ103に干渉し壊れてしまうため、プランジャ103の前進前に油圧シリンダ14により自動給湯装置全体が上昇するようにし干渉しないようにする。このように、出湯口は、給湯時は射出スリーブ102内にあり、成形時は射出プランジャ103に干渉しない位置になるよう上下動させるようになっている。こうすることで、第1の実施形態の場合と比べ、射手スリーブ102の上部から滝のように流しながら落下させて給湯しなくて良いため、静かな給湯が出来るようになって、射出スリーブ102へのダメージが少なくなり寿命の伸長が図れるばかりでなく、空気の巻き込みが少なく、温度の低下が少なく出来る。さらに第1の実施形態では射出スリーブ102の外部にこぼれたり、飛び散ったりすることが発生したが、そのような問題もなくなるなど大きな効果がある。特にマグネの場合はこぼれたり、飛び散ったりすると酸化して燃えるので効果はさらに大きいものとなる。
なお、実施例では給湯ポンプ全体を上下動させるために油圧シリンダ14を用いて説明したが、電動サーボモータなどを用いることで、射出スリーブ102内に給湯された溶湯Mのレベルが上昇するのに合わせて上昇させるなどのことができるなどの効果があり、駆動源が限定されるものではない。
次に第3の実施形態について図3および図3aに示す実施例により説明する。図3は、平面図であり、図3aは、図3のA−A断面図である。図3aに示すように自動供給装置は図1および図2で説明したものと殆ど同じものであるが、第1、第2の実施形態との相違は、図3aに示すように、開閉バルブ16は図1で説明した開閉バルブ8と溶湯出口が略水平方向である点が異なり、さらに、図3に示すように開閉バルブ16の溶湯出口をスリーブ102の側面に直交するように取り付けるようにしたことを特徴とするものである。なお、射出スリーブ102には従来の一般的な給湯口111を用いず、射出スリーブ102の側面部に給湯穴21を開閉バルブ16と連通するように設け、第1および第2の実施形態で説明した動作、すなわち開閉バルブ16の開閉とピストンの上下動により給湯されるようにした。
このように、射出スリーブ102に直接給湯するので、空気と触れる機会が減り、空気の巻き込みが殆どなくなり、酸化の問題が少なくなる効果がある。特に、マグネの場合は、酸化燃焼の問題が殆ど解消されるという効果がある。さらに、溶湯が給湯中に外部にこぼれたり、飛び散ったりするなどの問題も解消される。
次に、図示はしないが第4の実施形態について図3を流用して説明する。第3の実施形態では、射出スリーブ102に開閉バルブ16を直交するように取り付けた例を説明したが、ダイカストは高速、高圧で溶湯を金型に強制的に充填させるため、充填時大きな振動や衝撃が発生し、射出スリーブ102を介して開閉バルブ16や本発明の自動給湯ポンプ全体に伝達される。そのため、開閉バルブ16やノズル7など本発明の自動給湯ポンプに振動や衝撃が伝わり寿命の伸長が図れない場合がある。特に、第1の実施形態の実施例でアルミの給湯装置を説明し、セラミックスで部品を構成すると説明したが、衝撃に弱いセラミックスが破損し易いという問題があった。そこで、図示しないが油圧シリンダや電動サーボモータを用いて、1ショットごとに、連結部17を自動的に離着可能とした。ダイカスト成形時は図3の矢印の方向に給湯装置全体を移動させて切り離し、振動や衝撃を本発明の自動給湯ポンプ側が受けないようにし、成形完了後は再び矢印と反対の方向に移動させて連結するようにし、前記油圧シリンダや電動サーボモータで本発明の自動給湯ポンプ全体を射出シリンダ101側に押し付け、開閉バルブ16が射出スリーブ102の給湯穴21と連通するようにして溶湯を供給できるようにした。なお、離着部のシールは、本発明者らが先に提案したホットチャンバーダイカスト装置のように高圧でなく、静かに溶湯を供給するだけなので、特に高いシール性は求められないが、油圧シリンダや電動サーボモータで押し付けることで、よりシール性は向上するので問題は無いことを確認した。
切り離しのタイミングは、射出プランジャ103が射出を開始し金型に充填が始まると内圧が上がるので、切り離した時連結口17の給湯穴21から供給した溶湯が外部に噴き出さないようにしなければならないため、コールドの射出プランジャ103の先端部が射出成形のために前進し給湯穴21を通過した後が良く、内圧が高くなる前で成形完了前の大きな衝撃・振動を受けないように出来れば良い。連結のタイミングは、成形が完了し、射出プランジャ103が後退を始めて完了するまでの間で、次に開閉バルブ16が開くまでに行えば良い。
また、連結部の切り離しに用いる油圧シリンダや電動サーボモータの駆動は、本発明の自動給湯装置のメンテナンス時や長期休止時にも有効である。例えば、正月休暇などの長期休暇などの場合、図3の鍋2内の溶湯Mや溶湯供給管7などの溶湯貯留部に溜まった溶湯Mを空の状態にすることが容易にできると、メンテナンスや省エネ、安全面で有効である。1ショットごとの切り離しのストロークは、数mm単位で良いが、開閉バルブ16を閉じた状態で、本発明の自動給湯装置を大きく後退させ、所定の位置にインゴットケースを置き、開閉バルブ16を開いて、ピストン10をゆっくり下降させると、シリンダ3の溶湯流入口10の穴から流入しなくなるまでの鍋2内の溶湯Mや貯留部の溶湯Mは、インゴットケースに出すことができる。さらにその状態で、シリンダ3を上方に上げるか、シリンダ3を取り除くかすれば、鍋2内の溶湯は全てインゴットケースに出すことが出来るので、メンテナンスが容易にできる。なお、メンテナンス時の溶湯を鍋2から抜く方法は、実施形態1や2でも同様である。
なお、連結部17を切り離すタイミングについて、射出プランジャ103の先端部が射出成形のために前進し連結部の給湯口21を通過した後にというように前述したが、連結部から溶湯が噴き出ないようにするため、図示しない上下動する溶湯流路を有するシャッターを連結部に開閉バルブ16とは別に取り付けて、給湯が完了し開閉バルブ16を閉じた時点でシャッターを上下あるいは左右に駆動させ溶湯流路を閉じて、シャッターはそのまま射出シリンダ102に取り付けたまま残し、自動給湯装置全体を切り離すなどの方法も考えられるが、多少の改良、変更は本発明の主旨を大きく逸脱しない範囲で、本発明に含まれると考える。
また、図4に示すように、射出スリーブ102と開閉バルブ16に設けたフランジ18をねじ19などを用いて締結して、開閉バルブ16と射出スリーブ102の連結部に例えば黒鉛製のシート状パッキン20などを挟んで衝撃や振動を吸収するようにし、第4の実施形態で説明したように必ずしも1ショットごとに切り離さなくても、自動給湯ポンプの寿命に影響が出ないようにすることも考えられるが、基本的に第3の実施形態と変わるものではなく本発明に含まれている。
なお、説明の便宜上継手5を略直角として溶湯供給管7を略水平として説明してきたが、継手5を直角より鈍角になるように作り、射出スリーブ102に対して少し下向きになるように連結することで、開閉バルブ8を閉じた時、射出スリーブ102と開閉バルブ8との連結部に少量ではあるが溶湯が残り、その溶湯が固まって、次の溶湯の供給に支障をきたさないよう、射出スリーブ102に対して少し下向きに角度を付けた形で連結することでも良い。この角度(傾斜)を付ける方法は、継ぎ手5に限定されるものでなく、継ぎ手5は略直角にして、溶湯供給管7は略水平にして、開閉バルブ8の射出スリーブ102との連結部側で角度を付けても良く、射出スリーブ102のみに角度を付けるなど種々の方法がある。
本発明者らは、アルミのホットチャンバーダイカスト装置として、本出願に近い出願を出願済であるが、その出願のアルミのホットチャンバーダイカスト装置として用いる場合に比べ、射出圧力も直接かからないため、構造がシンプルにできるという利点がある。例えば、連結部のシールも内圧が低いことで、機械加工による面粗度や平面度などを多少ラフにしても問題が無い。また、アルミのホットの場合、ノズル部などにセラミックスを補強するため金属を焼き嵌めした方が好ましいという提案をしたが、内圧が低いため、セラミックスだけでも内圧で割れるような心配がないなどシンプルにできるという利点がある。
次にアルミ用の自動給湯装置の場合について説明する。シリンダ3、ピストン11、開閉バルブ8の本体やバルブピストン15など溶湯中で摺動する部分に用いられる材料は、耐熱性、耐熱衝撃性、高温強度、耐摩耗性、アルミに対する耐食性に優れた窒化珪素、炭化珪素、ジルコニア、二ホウ化チタン、窒化チタン、炭化チタン、窒化アルミなどを主成分とするセラミックス(ファインセラミックス)やサイアロン、二ホウ化チタンと炭化珪素などの複合セラミックスで作ることが好ましく、受台4、直角エルボ状継手5、溶湯供給管7、開閉バルブ8など溶湯通路や貯留部を形成し、溶湯と接触する部材は、耐食性、耐熱衝撃性、高温強度など優れた窒化珪素、ジルコニア、などを主成分とするセラミックス(ファインセラミックス)やサイアロンなどの複合セラミックスで作ることが好ましい。
一方、マグネ用の自動給湯装置の場合は、溶湯との接触部の部材に高価なセラミックスを用いる必要がないため、シリンダ3、ピストン11、溶湯貯留部と溶湯流路を兼ねるエルボ状継ぎ手5、溶湯供給管7、開閉バルブ8の溶湯接触部を鉄系耐熱合金で構成し、ピストン11には図示しないがピストンリングを用いると、機械加工でシリンダ3との嵌め合い公差の許容範囲が大きくできるばかりでなく、シリンダ3に嵌合しているピストン11およびピストン11を駆動する駆動部とのカップリングなどの真直度などの許容度が大きくなるなど加工上・組立上のメリットがあるのでピストンリングを使うことが好ましい。
なお、開閉バルブ8や開閉バルブ16の構造は、回転式やテーパピンを用いるなど種々の構造が考えられるが、実施例として図5により開閉バルブ16について説明する。図5は、開閉バルブ16のバルブピストン15が下降限に有る時は、自動給湯装置と射出シリンダ102の溶湯流路が連通するようにバルブピストン15に貫通穴22を設け、バルブピストン15が上昇すると、バルブピストン15の貫通穴22が連通しない位置になるようにすることで、溶湯流路の開閉を行うようにしたもので、上下動の駆動には油圧シリンダ13や図示しない電動サーボモータなどが使われ、バルブピストン15や開閉バルブ16の溶湯と接触する部材は、アルミの場合は前述のセラミックス、マグネの場合は、耐熱鉄系金属が用いられる。
また、図示しないが、保持炉1には溶湯を所定温度に保持するための加熱装置が備えられており、溶湯貯留部と溶湯流路を兼ねる継手5、溶湯供給管7、開閉バルブ8あるいは開閉バルブ16にも溶湯の温度低下や凝固などを防ぎ、溶湯がスムースに通過あるいは貯留できるように加熱装置が備えられている。該加熱装置は電熱ヒータ、ガス加熱、赤外線ランプなどで良く、特に限定されるものではない。
本発明の自動給湯装置は、アルミニウム、アルミニウム合金又はマグネシウム合金のコールドチャンバー型ダイカスト装置の射出スリーブに溶湯を自動的に供給するための自動給湯装置として有用である。
発明の効果
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明の自動溶湯給湯装置は、ピストンの下降位置すなわちストロークを制御することで、供給する溶湯量を管理することができるので、従来の種々の自動給湯装置に比べ計量性にすぐれている。特に、ピストンの上下動の駆動に電動サーボモータなどを使用し、位置制御を行うことによりストロークが正確に制御できるので、さらに計量性は高くなり、計量精度が安定することで、品質が安定するという効果がある。
また、計量性の制御は開閉バルブの開度や開閉速度を調整することでもできる。
さらに、供給する溶湯は空気との界面からでなく、溶湯を保持する鍋の溶湯界面より下部に保持している中間部の溶湯を供給するため、酸化した溶湯を使わないし、温度の低下も少ない、いわゆる生きた溶湯を使うので、計量性と相まって成形品の品質が安定するという効果がある。
また、開閉バルブからの溶湯の出湯口をコールドの射出スリーブの内径内にして、自動給湯装置全体を上下動させる提案は、静かな給湯ができ、空気の巻き込みを少なくでき、温度の低下を少なく出来るという効果がある。
さらに、本発明の自動溶湯給湯装置をコールドの射出スリーブに直交させて給湯する場合は、空気の巻き込みがさらに少なくなるという効果があり、1ショットごとに離着させるようにした場合は、成形時にコールドチャンバーダイカスト装置が発生する振動や衝撃を受けなくできるので寿命の伸長を図ることができるという効果があることを確認した。
特に、マグネ溶湯の場合は、空気と接触する機会が低減できるので酸化燃焼が大幅に減少させることができ、きれいな溶湯を使って成形できる。さらに、マグネの場合は、アルミのダイカスト用として使用していたコールドのダイカスト機の射出スリーブを少し改造することで、ほぼそのまま本発明の自動給湯装置を連結することが出来るため、マグネ化の推進に大きな効果が期待できる。
また、一般的にアルミのダイカストに用いられるアルミは、湯流れ性を良くするためシリコンを10%前後含んだシリコンリッチのアルミが用いられ、コールドで純アルミを成形することが難しいことから一般的にコールドでは純アルミは成形しないが、本発明の給湯ポンプを用いると、温度低下が抑制でき、酸化膜を含まないきれいな湯流れ性の溶湯が供給できるなどのことより、放熱性に優れていたり、着色アルマイトなどが可能な純アルミあるいは純アルミに近いアルミ合金が成形できるなどの大きなメリットがある。
さらに、いわゆる生きた溶湯を供給できるので、従来のコールドに比べ射出圧を低くできるため、ダイカスト装置の各種部材に対するダメージを低減でき寿命の伸長につながり、省エネ効果もある。
本発明の第1の実施形態を説明する図 本発明の第2の実施形態を説明する図 本発明の第3の実施形態を説明する図 図3のA−A断面図 第3の実施形態での連結部について説明する図 本発明の開閉バルブの一例を説明する図 コールドチャンバー式ダイカスト装置を説明する図 ホットチャンバー式ダイカスト装置を説明する図 従来のスイングアーム式自動給湯装置を示す図 従来の電磁ポンプ式自動給湯装置を示す図 従来のプロペラ式自動給湯装置を示す図
1・・・・・保持炉
2・・・・・鍋
3・・・・・シリンダ
4・・・・・継手
5・・・・・架台
6・・・・・受台
7・・・・・溶湯供給管
8、16・・開閉バルブ
9・・・・・シリンダ押さえ部材
10・・・・プランジャ
11・・・・溶湯供給穴
12・・・・油圧シリンダ
13・・・・油圧シリンダ
15・・・・バルブピストン
102・・・射出スリーブ
103・・・射出プランジャ
M・・・・・溶湯

Claims (7)

  1. 加熱源を有した保持炉に、底部に貫通穴を設けた金属の溶湯を保持する鍋を備え、該鍋の貫通穴の略中心線上を通って外部に通じるように、シリンダ、受台、継手あるいは受台を介さずシリンダと継手を、鍋の外部の下方に設けた架台上に載置するように組付け、シリンダの上部から架台にシリンダが略垂直になるように受台や継手と共に押し付けるように固定し、シリンダ、受台、継手のいずれかの端面や外周部あるいは第三の部材と鍋の間で溶湯の漏出を塞ぐようにし、前記シリンダは、溶湯中に浸漬されるようになっていて、側面から内径に通じる溶湯が流入可能な溶湯流入穴を有し、該シリンダには上下動可能な駆動源と連結されるピストンが嵌合していて、前記受台や継手はシリンダの内径と連通する溶湯流路と溶湯貯留部を兼ねる溶湯流路を有し、継手の溶湯流路は略直角方向に方向変換するL字形状になっていて、該継手の水平方向の基端部には溶湯流路と溶湯貯留部を兼ねる連通穴を有する直線状の溶湯供給管が鍋の外部で連結され、該溶湯供給管の先端には溶湯流路を開閉可能な駆動源を有する開閉バルブとを備えていて、前記継手、溶湯供給管、開閉バルブには、必要に応じて溶湯流路内の溶湯が凝固しないような加熱源を備える構成となっていて、前記開閉バルブが開いて前記ピストンが下降すると前記シリンダの溶湯流入穴から流入し貯留部に貯留された溶湯が、溶湯流路を通ってコールドチャンバーダイカスト機の射出スリーブに供給可能としたことを特徴とするアルミニウム、アルミニウム合金あるいはマグネシウム合金のコールドチャンバーダイカスト装置の自動給湯装置。
  2. 請求項1項記載の溶湯貯留部と溶湯流路を兼ねる略水平の溶湯供給管先端部に連結された開閉バルブは、流路が略直角方向の下向きに方向変換されるようになっており、該開閉バルブの下向きの先端部は、コールドチャンバーダイカスト装置の射出スリーブに設けられた給湯口から給湯するような位置に配置できるようになっていて、シリンダに嵌合したピストンの下降開始と同時または下降開始直前に開閉バルブが開き、ピストンの下降によって溶湯貯留部に貯留された溶湯がコールドチャンバーの射出スリーブ内に供給されるようにして、ピストンが予め設定したストロークに達すると開閉バルブが閉じ、コールドチャンバーダイカスト装置の射出プランジャが射出スリーブ内を前進してコールドチャンバーダイカスト成形が行われ、開閉バルブが閉じるとピストンが上昇して、再び溶湯流入穴から溶湯が流入し、次のダイカスト成形に備えるようにしたことを特徴とするコールドチャンバーダイカスト装置の自動給湯装置。
  3. 請求項2項記載のコールドチャンバーダイカスト機の自動給湯装置において、自動供給装置全体が上下動する駆動装置を備え、給湯時は、開閉バルブの下向きに変換された流路の出湯口がコールドチャンバーダイカスト装置の射出スリーブの給湯口から入って射出スリーブの内径内の位置に下降した状態で開閉バルブが開き、ピストンが下降すると給湯し、給湯が終了すると開閉バルブが閉じ、射出プランジャが前進する前に、射出プランジャの前進によって干渉しない位置まで自動給湯装置全体を前記駆動部によって上昇させることを可能としたことを特徴とするコールドチャンバーダイカスト機の溶湯給湯装置。
  4. 請求項1項記載の開閉バルブの先端部は略水平のノズルと同じ略水平で、コールドチャンバーダイカスト装置の射出プランジャのプランジャチップ先端部より金型側に近い位置の射出スリーブに略直交するような位置で射出スリーブに連結するようにし、シリンダに嵌合したピストンの下降開始と同時または下降開始直前に開閉バルブが開き、ピストンの下降によって溶湯貯留部に貯留された溶湯がコールドチャンバーの射出スリーブ内に供給されるようにして、ピストンが予め設定したストロークに達すると開閉バルブが閉じ、コールドチャンバーダイカスト装置の射出プランジャが射出スリーブ内を前進してコールドチャンバーダイカスト成形が行われ、開閉バルブが閉じるとピストンが上昇して、再び溶湯流入穴から溶湯が流入し、次のダイカスト成形に備えるようにしたことを特徴とするコールドチャンバーダイカスト装置の自動給湯装置。
  5. 請求項4項記載のコールドチャンバーダイカスト機の自動給湯装置において、該自動給湯装置とコールドチャンバーダイカスト機の射出スリーブとの連結部を1ショットごとに離着可能とする駆動部を有し、溶湯の供給時は射出スリーブと連結し、射出プランジャが射出スリーブ内を前進して連結部を通過する時から射出完了までの間に連結を切り離すことを可能にしたことを特徴とする自動給湯装置。
  6. 請求項1〜5項記載のコールドチャンバーダイカスト機の自動給湯装置において、シリンダ、ピストン、溶湯貯留部と溶湯流路を兼ねる継手、受台、溶湯供給管、開閉バルブなどの溶湯と接触する主要部品の部材をセラミックスで構成することを特徴とするアルミニウムあるいはアルミニウム合金のコールドチャンバーダイカスト装置の自動給湯装置。
  7. 請求項1〜5項記載のコールドチャンバーダイカスト機の自動給湯装置において、ピストンにはピストンリングを用い、シリンダ、ピストン、ピストンリング、溶湯貯留部と溶湯流路を兼ねる継手、受台、溶湯供給管、開閉バルブの溶湯接触部を耐熱鉄系合金で構成することを特徴とするマグネシウム合金のコールドチャンバーダイカスト装置の自動給湯装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106994503A (zh) * 2017-05-24 2017-08-01 新德隆特种陶瓷(大连)有限公司 多滑块压铸机用鹅颈装置
CN109676118A (zh) * 2018-11-13 2019-04-26 苏州卡利肯新光讯科技有限公司 一种金属溶液的供给装置
CN113766982A (zh) * 2019-05-17 2021-12-07 芝浦机械株式会社 压铸机

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