以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作されるハンドル装置51が配設される。
ハンドル装置51には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ891と、押下操作している期間中には球の発射強度を最大とする右打ちスイッチ892と、ハンドル装置51(操作子800)のスライド操作量(スライド方向での変位位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが配設される。
ハンドル装置51の操作子800が遊技者によって右方向(矢印I方向、図5(a)参照)にスライド変位(スライド操作)されると、タッチセンサがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値がスライド操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、ハンドル装置51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ、発射停止スイッチ891及び右打ちスイッチ892がオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したようにハンドル装置51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、第1スルーゲート67、第2スルーゲート670、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。
遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、2つの第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37Aには、発光手段である複数のLED37Aaと7セグメント表示器37Abとが設けられている。他方の第1図柄表示装置37Bもまた同様に、発光手段である複数のLED37Baと7セグメント表示器37Bbとが設けられている。
第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、これらの第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入球口64へ入賞したか、第2入球口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入球口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入球口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
複数のLED37Aa,37Baは、いずれも、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示装置37Ab,37Bbは、いずれも、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37Aa,37Baは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64及び第2入球口640へ入球があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。LED37Aa,37Baには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入球口640へ球が入球し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入球口640へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入球口640へ球が入球しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入球口640へ球が入球し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64及び第2入球口640への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置83は、球が第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が第1スルーゲート67又は第2スルーゲート670を通過したことが検出されと、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置83において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入球口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入球口640へ球が入球しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入球口640へ球が入球しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
第1スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の左方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の左方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。また、第2スルーゲート670は、可変表示装置ユニット80の右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。第1スルーゲート67又は第2スルーゲート670を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置83にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37AのLED37Aaで示される。
一方、可変表示装置ユニット80の正面視右方には、球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37BのLED37Baで示される。
また、第1入球口64および第2入球口640は、それぞれ、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入球口640へ入球しにくい状態となっている。一方、第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置83に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入球口640へ入球しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入球口640へ球が入球しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入球口64に球が入球した場合と第2入球口640へ球が入球した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入球口640へ球が入球した場合のほうが第1入球口64へ球が入球した場合よりも高く設定されている。一方、第1入球口64は、第2入球口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入球可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入球しづらいので、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入球によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、第2入球口640に付随する電動役物が開放状態となりやすく、第2入球口640に入球しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第2入球口640への入球によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入球口64の下方には第1可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入球口64への入球に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37AのLED37Aaを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
また、第2入球口640の下方には第2可変入賞装置650が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)650aが設けられている。パチンコ機10においては、第2入球口640への入球に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37BのLED37Baを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口650aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65a,650aは、いずれも所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65a,650aが所定時間開放される。この特定入賞口65a,650aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
第1可変入賞装置65及び第2可変入賞装置650は、具体的には、特定入賞口65a又は特定入賞口650aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とをいずれも備えている。特定入賞口65a,650aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65a,650aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLED37Aa,LED37Baが点灯した場合に、特定入賞口65a,650aが所定時間開放され、その特定入賞口65a,650aの開放中に、球が特定入賞口65a,650a内へ入賞することを契機として特定入賞口65a,650aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65a,640,650aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65a,650aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、ハンドル装置51のスライド操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者がハンドル装置51に触れていることをタッチセンサにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ891及び球の発射強度を最大とする右打ちスイッチ892がオフ(操作されていないこと)を条件に、ハンドル装置51のスライド操作量(スライド方向での変位位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、ハンドル装置51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図5から図28を参照して、ハンドル装置51の詳細構成について説明する。
図5(a)は、ハンドル装置51の上面図であり、図5(b)は、図5(a)の矢印Vb方向視におけるハンドル装置51の側面図である。図6は、図5(a)のVI−VI線におけるハンドル装置51の断面図である。
なお、図5(a)及び図5(b)では、下皿ユニット15の前面(即ち、ハンドル装置51の取付面)が二点鎖線により模式的に図示されると共に、操作子800が可動範囲における略中央までスライド変位された状態が便宜的に図示される。また、図6では、ハンドル取付台600のみを断面視し、他の各構成の断面視を省略する。
図5及び図6に示すように、ハンドル装置51は、ハンドル取付台600と、そのハンドル取付台600に回転可能に軸支される回転軸部700と、その回転軸部700に連結される操作子800と、その操作子800に連動して変位可能に形成される連動変位部900と、を備えて構成され、パチンコ機10(図1参照)の前面へ操作子800の本体部810が水平に突出された姿勢で配設される。
ハンドル取付台600は、下側ベース610と、中間ベース620と、上側ベース630とを備え、中間ベース620が下側ベース610及び上側ベース630の間に介設された状態で重ね合わされることで、上下両端(図5(b)上側および下側)が閉封されると共に側面(図5(b)右側面)に開口が形成された円筒状に形成される。なお、ハンドル取付台600(下側ベース610)の下面には、収納部640が配設される。収納部640には、回転軸部700の回転量(回転位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)が収納される。
回転軸部700は、その軸心方向を鉛直方向(図6上下方向)に沿わせた縦姿勢で、ハンドル取付台600の内部に回転可能に配設される。回転軸部700の下側端面からは、連結片780が突設され、その連結片780は、収納部640に収納される可変抵抗器に連結される。よって、回転軸部700が回転されると、その回転軸部700の回転量(回転位置)に対応して可変抵抗器の抵抗値が変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射される。
操作子800は、ハンドル取付台600に対して、回転軸部700を介して、スライド変位可能に取り付けられる。即ち、操作子800は、回転軸部700の軸心を回転中心として回転される(回転軸部700の軸心に垂直な仮想平面内を変位する)ことで、図5(a)に示すように、初期位置Pminから最大可動位置Pmaxまでの範囲内を、矢印I,D方向へ向けてスライド変位可能とされる。
操作子800が遊技者により矢印I方向または矢印D方向へスライド変位(スライド操作)されると、回転軸部700が軸回りに回転され、その回転量(回転位置)に応じて、可変抵抗器の抵抗値が変化されることで、遊技球の発射強度が増大または減少される。また、遊技者によるスライド操作が解除されると、操作子800は、スライド方向付勢ばね681の付勢力により、矢印D方向へスライド変位され、初期位置Pminへ復帰される。なお、本実施形態では、操作子800(本体部810)のスライド変位が、水平面(重力方向に垂直な平面)に沿って行われる。
操作子800は、回転軸部700に軸支された部分(連結軸990)を中心として、ハンドル取付台600に対して上下方向(図6上下方向)に変位可能とされる。即ち、操作子800は、連結軸990を回転中心として、被保持部830を下方(図5(b)の矢印G方向)へ押し下げ操作可能に形成とされる(図22参照)。なお、本実施形態では、操作子800(被保持部830)の押し下げ操作が、重力方向下方へ向けて行われる。よって、操作子800(被保持部830)の押し下げ操作は、遊技者の手の重みを操作子800の被保持部830に作用させる、或いは、被保持部830を把持する手首を下方へ返す動作のみで、容易に行うことができる。
ここで、本実施形態では、操作子800の被保持部830の押し下げ操作(下方(矢印G方向)へ向けて押し下げると共に、その後、押し下げ前の位置まで上昇復帰させる操作。以下において同じ。)を行うことで(図25及び図26参照)、操作子800のスライド操作に対して連動変位部900を連動させるか否かの切り替えを行うことができる。かかる操作子800を押し下げ操作に伴う連動変位部900の連動状態の切り替え構造については、後述する。
操作子800の上面には、図5(a)に示すように、目印894が表示される。かかる目印894により、操作子800と連動変位部900との間の相対位置を遊技者に認識させやすくすることができる。特に、本実施形態では、操作子800(本体部810)と連動変位部900とが高さ方向(図5(b)上下方向)に離間されているため、目印894を利用して、両者の相対位置が把握可能となることが有効となる。
連動変位部900は、操作子800のスライド方向での変位位置(スライド操作位置)を記憶するための部材であり、ハンドル取付台600の外周面から先端を外方(即ち、操作子800と同方向)へ突出させた状態で配設される。連動変位部900は、通常の状態では、操作子800のスライド変位に連動してスライド変位される一方、操作子800の被保持部830が下方(矢印G方向)へ押し下げ操作されると、操作子800から切り離され、その変位位置が固定される。即ち、操作子800の被保持部830の押し下げ操作を行った時点での操作子800のスライド操作位置が、連動変位部900の固定位置として記憶される。
よって、遊技者は、遊技球の発射強度が所望の発射強度となる位置(例えば、第1入球口64へ遊技球を入球させるのに適した発射強度が得られる位置)に操作子800のスライド操作位置を調整できた場合には、操作子800の被保持部830を下方へ押し下げ操作して、連動変位部900の変位位置を固定しておくことで、例えば、休憩を取るために、操作子800のスライド操作位置を初期位置Pminへ復帰させて遊技を中断した後や、右打ちをするために、操作子800のスライド操作位置を最大可動位置Pmaxまでスライド変位させた後に、操作子800のスライド操作位置を元の操作位置(即ち、遊技を中断する前や右打ちをする前の操作位置であって、上述した第1入球口64への入球に適した操作位置)に調整する場合には、連動変位部900が固定されている変位位置を基準(目標位置)として、操作子800をスライド操作する(即ち、操作子800の目印894を連動変位部900の配設位置に一致させる)ことで、操作子800のスライド操作位置を元の操作位置に正確かつ迅速に調整する(即ち、元の変位位置を正確かつ迅速に再現する)ことができる。
このように、遊技者は、被保持部830を手で把持し、操作子800をスライド操作することで、遊技球の発射強度を所望の発射強度に調整した際に、連動変位部900の変位位置を固定する場合には、手で把持している被保持部830をその状態のままで下方へ押し下げ操作すれば良く、被保持部830を持ち替える動作や、被保持部830を操作する手とは逆の手で別の操作手段を操作するなどの動作を行う必要がない。よって、連動変位部900の変位位置を固定するための操作を容易に行うことができる。
なお、操作子800の被保持部830が下方(矢印G方向)へ押し下げられると、跳ね上げ方向付勢ばね880が弾性的に伸長変形され、遊技者による押し下げ力が緩められると、跳ね上げ方向付勢ばね880の弾性回復力により、操作子800の被保持部830が上方(矢印Gの反対方向)へ変位され、図5(b)に示す初期位置(本体部810が水平姿勢となる位置)へ復帰される。
操作子800には、発射停止スイッチ891及び右打ちスイッチ892が配設される。遊技者は、操作子800のスライド操作位置(操作量)とは無関係に、発射停止スイッチ891を押下することで、遊技球の発射を停止することができると共に、右打ちスイッチ892を押下することで、遊技球を最大の発射強度で発射することができる。
次いで、図7から図9を参照して、ハンドル取付台600について説明する。図7(a)は、下側ベース610の側面図であり、図7(b)は、図7(a)の矢印VIIb方向視における下側ベース610の上面図であり、図7(c)は、図7(b)のVIIc−VIIc線における下側ベース610の断面図である。
図7に示すように、下側ベース610は、円筒状に形成される胴部611と、その胴部611の下側開口を閉封する底面壁612と、胴部611の外周面から外方へ張り出す締結フランジ613及び締結座部614と、底面壁612から上方へ向けて立設される軸受部615と、その軸受部615の側方において上方へ向けて立設される支持軸部616とを備えて形成される。
胴部611には、その一部が切り欠かれることで、開口611aが形成される。開口611aは、操作子800のスライド方向(矢印I,D方向)及び押し下げ方向(矢印G方向)への変位空間を確保するための切り欠き部分であり(図5及び図6参照)、図7(b)に示す上面視において、中心角略170度の範囲にわたって形成される。なお、下側ベース610は、開口611aが胴部611の上側(図7(c)上側)開口に連なる開口として形成される(即ち、胴部611の側面の開口611aと胴部611の上側の開口とが連通される)ので、全体としての開口面積を確保できる。その結果、回転軸部700や操作子800、或いは、回転軸部連結ギヤ671やスライド方向付勢ばね681などを下側ベース610内に装着して組み立てる際の作業性の向上を図ることができる。
締結フランジ613は、胴部611の上側(図7(a)上側)端部においてその胴部611の外周面から外方へ張り出す板状体であり、位相を180度異ならせて一対が配設されると共に、一対の締結フランジ613には、それぞれ挿通孔613aが穿設される。中間ベース620及び上側ベース630にも同様の締結フランジ623,633が配設されており、これら各締結フランジ613,623,633どうしが重ね合わされ、それらの挿通孔613a,623a,633aに挿通された締結ボルトBにより締結固定されることで、各ベース610,620,630が連結固定され、ハンドル取付台600が形成される(図5参照)。
締結座部614は、胴部611の下側(図7(a)下側)端部においてその胴部611の外周面から外方へ張り出す部位であり、開口611aに対して位相を180度異ならせた位置に配設される。締結座部614の外側面(図7(a)及び図7(b)の左側の面)は、胴部611の軸心に平行な平坦面(以下「座面614a」と称す)として形成され、かかる座面614aが、ハンドル装置51を下皿ユニット15(図5参照)の前面に締結固定する際の取付面(座面)となる。
底面壁612の中央部には、正面視円形の挿通孔612aが穿設される。この挿通孔612aを介して、回転軸部700の連結片780が収容部640内の可変抵抗器に連結される(図6参照)。軸受部615は、底面壁612の挿通孔612aと同心の円筒形状に形成され、その軸受部615の内周面により回転軸部700の下端側が回転可能に軸支される(図6参照)。
支持軸部616は、平歯車として形成される回転軸部連結ギヤ671を回転可能に軸支するための部位であり(図6参照)、断面円形の軸状に形成される。具体的には、支持軸部616は、先端側に位置する小径部と、その小径部よりも大径に形成される大径部とを備え、小径部に回転軸部連結ギヤ671が回転可能に軸支される。回転軸部連結ギヤ671は、支持軸部616の小径部および大径部の間の段差面と、支持軸部616の小径部の先端に嵌め込まれるEリングなどの止め輪(図示せず)との間に配置されることで、軸方向への移動が規制(抜き取り不能に保持)される。
なお、回転軸部連結ギヤ671の下面側には、ねじりばねとして形成されるスライド方向付勢ばね681が支持軸部616に保持されており(図6参照)、そのスライド方向付勢ばね681からの付勢力が回転軸部連結ギヤ671に付与されている。回転軸部連結ギヤ671は、スライド方向付勢ばね681から付与される付勢力により、回転軸部700(連結ギヤ部770)を介して、操作子800を初期位置Pminに復帰させる。
図8(a)は、中間ベース620の側面図であり、図8(b)は、図8(a)の矢印VIIIb方向視における中間ベース620の上面図であり、図8(c)は、図8(b)のVIIIc−VIIIc線における中間ベース620の断面図である。
図8に示すように、中間ベース620は、円板状に形成される円板部621と、その円板部621の下面における外縁に沿って配設される外壁部622と、円板部621の外周面から外方へ張り出す締結フランジ623と、円板部621の中央に穿設される挿通孔624とを備えて構成される。
円板部621の外径は、下側ベース610の胴部611及び上側ベース630の胴部631の外径と同一とされ、ハンドル取付台600の組立状態では、中間ベース620の円板部621が、下側ベース610の胴部611及び上側ベース630の胴部631の軸方向端面の間に挟持される(図5及び図6参照)。
外壁部622は、下側ベース610の内部空間を外部から遮蔽するための部位であり(図5(b)及び図6参照)、円板部621と同心の円筒状体を中心角略170度で分断した形状に形成され、下側ベース610の胴部611における開口611aに嵌り込む。これにより、ハンドル取付台600全体としての剛性を高めることができる。
また、外壁部622に相当する部位を、下側ベース610に形成するのではなく、中間ベース620に形成することで、ハンドル取付台600全体としての剛性を確保しつつ、上述したように、下側ベース610全体としての開口面積を確保することができるので、その分、回転軸部700や操作子800、或いは、回転軸部連結ギヤ671やスライド方向付勢ばね681を下側ベース610内に装着して組み立てる際の作業性の向上を図ることができる。
締結フランジ623は、円板部621の外周面から外方へ張り出すと共に円板部621と同一の板厚寸法に設定される板状体であり、位相を180度異ならせて一対が配設され、これら一対の締結フランジ623には、挿通孔623aがそれぞれ穿設される。上述したように、締結フランジ623は、下側ベース610及び上側ベース630の締結フランジ613,633に重ね合わされて締結ボルトBにより締結固定される(図5参照)。
挿通孔624は、その内周面により回転軸部700を回転可能に軸支する(図6参照)。なお、円板部621の下面には、挿通孔624と同心となる位置に円筒形状の軸受部621aが配設され、軸受部621aの内周面によっても回転軸部700が回転可能に軸支される。この軸受部621aの分、軸受面積を確保できるので、回転軸部700の軸受精度の向上と耐久性の向上とを図ることができる。
図9(a)は、上側ベース630の側面図であり、図9(b)は、図9(a)の矢印IXb方向視における上側ベース630の下面図であり、図9(c)は、図9(b)のIXc−IXc線における上側ベース630の断面図である。
図9に示すように、上側ベース630は、円筒状に形成される胴部631と、その胴部631の上側開口を閉封する上面壁632と、胴部631の外周面から外方へ張り出す締結フランジ633及び締結座部634と、上面壁632から下方へ向けて立設される摺動保持部635と、その摺動保持部635の側方において下方へ向けて立設される支持軸部636とを備えて形成される。
胴部631には、その一部が切り欠かれることで、開口631aが形成される。開口631aは、連動変位部900のスライド方向および上下方向への変位空間を確保するための切り欠き部分であり(図5及び図6参照)、図9(b)に示す下面視において、中心角略170度の範囲にわたって形成される。なお、上側ベース630は、開口631aが、胴部631の下側(図9(c)下側)開口に連なる(連続する)開口として形成されるので、全体としての開口面積を確保できる。その結果、連動変位部900や押下部材950、或いは、連動変位部連結ギヤ672や連動変位部付勢ばね682などを上側ベース630内に装着して組み立てる際の作業性の向上を図ることができる。
締結フランジ633は、胴部631の下側(図9(a)下側)端部においてその胴部631の外周面から外方へ張り出す板状体であり、位相を180度異ならせて一対が配設され、これら一対の締結フランジ633には、それぞれ挿通孔633aが穿設される。上述したように、締結フランジ633は、下側ベース610の締結フランジ613との間に中間ベース620の締結フランジ623を重ね合わせ、締結ボルトBにより締結固定される(図5参照)。
締結座部634は、胴部631の上側(図9(a)上側)端部においてその胴部631の外周面から外方へ張り出す部位であり、開口631aに対して位相を180度異ならせた位置に配設される。締結座部634の外側面(図9(a)及び図9(b)の左側の面)は、胴部631の軸心に平行な平坦面(以下「座面634a」と称す)として形成され、かかる座面634aが、ハンドル装置51を下皿ユニット15(図5参照)の前面に締結固定する際の取付面(座面)となる。
摺動保持部635は、胴部631と同心の円筒形状に形成され、その外周面により連動変位部900(図6参照)を軸方向に摺動可能かつ周方向に回転可能に保持する。一方、摺動保持部635は、その内周面により押下部材950(図15参照)を、軸方向には摺動可能に保持するが、周方向には回転不能に保持する。詳細には、摺動保持部635の内周面には、軸方向に沿って断面矩形状のキー溝635aが刻設されており、かかるキー溝635aに押下部材950の突起部953(図15参照)が係合されることで、押下部材950の周方向への回転を規制する。後述するように、押下部材950の周方向への回転が規制できることで、押下部材950からの回転力を連動変位部900へ作用させることなく、かかる連動変位部900の固定動作を行うことができ、その結果、連動変位部900を所望の固定位置に精度良く固定することができる。
支持軸部636は、平歯車として形成される連動変位部連結ギヤ672を回転可能に軸支するための部位であり(図6参照)、断面円形の軸状に形成される。具体的には、支持軸部636は、先端側に位置する小径部と、その小径部よりも大径に形成される大径部とを備え、小径部に連動変位部連結ギヤ672が回転可能に軸支される。連動変位部連結ギヤ672は、支持軸部636の小径部および大径部の間の段差面と、支持軸部636の小径部の先端に嵌め込まれるEリングなどの止め輪(図示せず)との間に配置されることで、軸方向への移動が規制(抜き取り不能に保持)される。
なお、連動変位部連結ギヤ672の上面側には、ねじりばねとして形成される連動変位部付勢ばね682が支持軸部636に保持されており(図6参照)、その連動変位部付勢ばね682からの付勢力が連動変位部連結ギヤ672に付与されている。連動変位部連結ギヤ672は、連動変位部付勢ばね682から付与される付勢力により、連動変位部900の連結ギヤ部920を介して、連動変位部900を初期位置へ復帰させる。
次いで、図10から図14を参照して、回転軸部700及び操作子800について説明する。図10(a)及び図10(b)は、回転軸部700及び操作子800の部分断面側面図であり、図10(a)は、操作子800が初期位置にある状態に、図10(b)は、操作子800が下方へ押し下げ操作された状態に、それぞれ対応する。
図10(a)及び図10(b)に示すように、操作子800と回転軸部700とは、連結軸990を介して、連結される。これにより、操作子800を2方向へ変位させる(操作する)ことができる。即ち、第1に、操作子800を、連結軸990を回転中心として、回転させ、その被保持部830を下方(矢印G方向、図5(b)参照)へ変位させる(押し下げ操作を行う)ことが可能とされる。第2に、操作子800を、回転軸部700と一体的に、かかる回転軸部700の軸心を中心として回転させて、その被保持部830をスライド方向(矢印I及び矢印D方向、図5(a)参照)へ変位させる(スライド操作を行う)ことが可能とされる。
図11(a)は、回転軸部700の側面図であり、図11(b)は、図11(a)の矢印XIb方向視における回転軸部700の背面図であり、図11(c)は、押上部材410の部分断面背面図である。図12(a)は、図11(a)の矢印XIIa方向視における回転軸部700の上面図であり、図12(b)は、図12(a)のXIIb−XIIb線における回転軸部700の断面図である。なお、図11(b)及び図11(c)では、理解を容易とするために、押上部材410が取り外された状態が図示される。
図11及び図12に示すように、回転軸部700は、棒状の軸本体部710と、その軸本体部710に穿設される挿通孔720と、軸本体部720の背面側に開口形成される開口730と、軸本体部710の外周面に配設されるフック部740、操作子規制部750、案内軸760及び連結ギヤ部770と、軸本体部710の下端面から突設される連結片780と、軸本体部710の上端側へ突出される弾性片790とを備えて構成される。
軸本体部710は、円筒形状に形成される円筒部分711と、その円筒部分711の下端(図12(b)下側)に同軸に接続され断面円形の中実の棒状体として形成される中実部分712とを備え、これらが樹脂材料から一体に形成される。
円筒部分711の上端面(図12(b)上側面)には、基準面711aと、その基準面711aよりも軸本体部710の軸方向(図12(b)上下方向)における高さ位置が上方へ向けて嵩上げされた嵩上げ面711bとが形成され、これにより、円筒部材711の上端側には、基準面711aと嵩上げ面711bとを接続する一対の段差面711cが形成される。後述するように、回転軸部700は、段差面711cを連動変位部900の段差面911cに係合させることで、回転軸部700の回転に連動して連動変位部900を回転させることができる(図6及び図24参照)。
このように、回転軸部700と連動変位部900は、互いの段差面711c,911cどうしが係合することで、連動して変位されるので、例えば、摩擦力により連動して変位される場合と比較して、滑りによる両者の位置ずれを抑制できる。
なお、基準面711a及び嵩上げ面711bは、軸本体部710の軸方向に垂直な平坦面とされ、一対の段差面711cは、互いに平行であって、かつ、軸本体部710の軸方向に平行な平坦面とされる。また、一対の段差面711cは、位相を180度異ならせて配置される。即ち、一対の段差面711cにより形成される仮想平面は、軸本体部710の軸心を含む平面となる。
円筒部分711の内周面には、案内溝715が凹設される。案内溝715は、昇降部材420(図19参照)を第1位置(連動位置)又は第2位置(切り離し位置)の2位置で保持するための溝である。なお、案内溝715の詳細構成については、図20及び図21を参照して、後述する。
挿通孔720は、連結軸990が挿通される断面円形の孔であり、軸本体部710の円筒部分711に一対が穿設される。なお、連結軸990は、真鋳製から断面円形の軸形状に形成される。開口730は、押上部材410の配設空間を確保するための開口であり、図11(b)に示すように、軸本体部710の円筒部分711に背面視矩形の開口として形成される。開口730の対向する一対の内側面には、押上部材410を回転可能に軸支するための突起731がそれぞれ突設される。
ここで、押上部材410は、図11(c)に示すように、背面視矩形に形成されると共に、図12(b)に示すように、下端側が屈曲された断面L字状の板状体であり、対向する一対の外側面の上端側に、凹部411がそれぞれ凹設される。かかる凹部411に開口730の突起731が内嵌されることで、これら突起731及び凹部411を回転軸として、押上部材410が開口730内で回転可能に軸支される(図10参照)。なお、押上部材410は、下端側の屈曲部分を軸本体部710の円筒部分711の軸心側へ向けた姿勢で配設される。
フック部材740は、コイルスプリングとして形成される跳ね上げ方向付勢ばね880の一端を係合保持するための部位であり(図10参照)、上方へ向けて屈曲される断面L字形状の部位が所定間隔を隔てて一対配設される。操作子規制部750は、連結軸990を回転中心とする操作子800の変位を規制するための棒状の部位であり、軸本体部710の背面側であって開口730の下方に配設される。
即ち、跳ね上げ方向付勢ばね880は、弾性的に伸張された状態で配設されており、遊技者により操作子800の被保持部830が下方(矢印G方向、図5(b)参照)へ押し下げられた後(図10(b)参照)、その押し下げ操作が解除されると、操作子800は、跳ね上げ方向付勢ばね880の付勢力(弾性回復力)により、被保持部830側が上方(矢印Gと反対方向、図5(b)参照)へ跳ね上げられる。この場合、操作子規制部750が操作子800の本体部810の下面を受け止めることで、操作子800の変位が規制される。これにより、操作子800が、押し下げ操作における初期位置に保持される(図10(a)参照)。
なお、このように、操作子規制部750は、跳ね上げ方向付勢ばね880の付勢力により跳ね上げられた操作子800(本体部810の下面)を受け止める部位であるため、大きな荷重が作用されるところ、本実施形態では、かかる操作子規制部750が、薄肉の円筒部分711ではなく、中実の中実部分712に配設される。これにより、その剛性を確保して、跳ね上げられた操作子800(本体部810の下面)を強固に受け止めることができる。その結果、耐久性の向上を図ることができる。
案内軸760は、操作子800の変位方向を案内して、被保持部830を押し下げ操作する際の変位を円滑にするための部位であり、操作子規制部750に対し中実部分712を挟んで反対側となる中実部分712の正面側に配設される。操作子800の被保持部830が押し下げ操作される際には、案内軸760が操作子800の案内溝870内を移動することで(図10(b)参照)、操作子800の変位を案内溝870に沿って案内することができる。その結果、操作子800の被保持部830を押し下げ操作する際の動作を安定化することができる。
連結ギヤ部770は、平歯車として形成される部位であり、回転軸部連結ギヤ671に歯合されている(図6参照)。上述したように、スライド方向付勢ばね681からの付勢力が、回転軸部連結ギヤ671から連結ギヤ部770へ伝達されることで、回転軸部700が回転され、操作子800が初期位置Pminに復帰される(図5(a)参照)。
連結片780は、軸本体部710の下端面に固設される軸状体である。上述したように、下側ベース610の挿通孔612aを介して、連結片780が可変抵抗器(図示せず)に連結される。
弾性片790は、断面矩形の棒状体であり、軸本体部710(筒状部分711)の上端側であって、段差面711c近傍の外周面に配設されると共に、嵩上げ面711bよりも上方に突出される。弾性片790は、操作子800のスライド操作時に、その操作感を変化させるための部位である。即ち、後述するように、連動変位部900を所定位置に固定し、その連動変位部900を目標位置として、操作子800をスライド操作する際に、そのスライド操作が目標位置(連動変位部900)に近づくと、弾性片790が第1突起913を乗り換える(即ち、弾性変形される)ことで、スライド操作の操作感を変化させる(図28参照)。これにより、遊技者は、操作子800と連動変位部900との位置関係を目視により追跡し続けなくても、スライド操作の操作位置が目標位置へ近づいたことを認識することができ、その操作性の向上を図ることができる。
図13(a)は、操作子800の側面図であり、図13(b)は、図13(a)の矢印XIIIb方向視における操作子800の上面図である。図14(a)は、図13(b)のXIVa−XIVa線における操作子800の部分拡大断面図であり、図14(b)は、図13(b)のXIVb−XIVb線における操作子800の部分拡大断面図である。
図13及び図14に示すように、操作子800は、基部811及び脚部812からなる本体部810と、その本体部810の脚部812に穿設される挿通孔820と、本体部810の基部811から立設される被保持部830と、本体部810の基部811の外側面に配設されるフック部840及び支持壁850と、本体部810の脚部812に架設されるカム部材860と、本体部810の脚部812の内側面に配設される案内溝870と、を備えて構成される。
本体部810は、長尺箱状の基部811と、その基部811の基部側(図13左側)から長手方向に沿って延設される一対の脚部812とを備える。基部811の先端側(図13右側)には、被保持部830が略垂直に立設される。一対の脚部812は、互いに所定間隔を隔ててつつ略平行に対向配置され、それら一対の脚部812の対向間に回転軸部700が配設される。
また、一対の脚部812には、その対向方向(図13(b)上下方向)に沿って挿通孔820がそれぞれ穿設される。一対の脚部812の対向間に回転軸部700を配設し、一対の脚部812のうちの一方の挿通孔820から挿入した連結軸990を、回転軸部700の挿通孔720を通過させると共に、一対の脚部812のうちの他方の挿通孔820まで挿通させることで、操作子800が回転軸部700に対して連結軸990を介して連結され、被保持部830の下方(矢印G方向、図5(b)参照)への押し下げ操作が可能とされる(図10参照)。
一対の脚部812の延設先端側(図13(a)左側)は、図13(a)に示す側面視において、円弧状に湾曲して形成され、その円弧状に湾曲する部分の外周面には、弾性膜部材893がそれぞれ貼着される。弾性膜部材893は、ゴム素材などの弾性材料から膜状に形成される部材である。操作子800の被保持部830が押し下げ操作された際には、連結軸990が回転中心となることで、上方へ押し上げられた脚部812が弾性膜部材893を中間ベース620における円板部621の下面に密着させる(図25参照)。これにより、弾性膜部材893の密着力(摩擦力)を利用して、操作子800のスライド操作方向への変位を規制できる。即ち、被保持部830が下方に押し下げられた状態において、操作子800がスライド方向へ位置ずれすることを抑制できる。
被保持部830は、操作子800をスライド操作または押し下げ操作する際に、遊技者の手指や手の平で把持される部位であり、角部が円弧状に面取りされた断面略矩形の棒状体として形成される。このように、被保持部830が棒状体として形成されることで、かかる被保持部830を保持(把持)しやすくすることができ、その結果、操作子800をスライド操作および押し下げ操作する際の操作性の向上を図ることができる。
また、被保持部830は、本体部810から鉛直方向に沿って立設されるので、かかる被保持部830を遊技者に自然な姿勢で保持(把持)させることができる。特に、被保持部830は本体部810から上方へ向けて立設されるので、被保持部830を把持する際には、手の平の外縁部分を本体部810の上面に載置しておくことができる。これにより、遊技者の疲労の低減を図ることができると共に、操作子800を下方へ押し下げ操作する際には、本体部810の上面にも手の重みを作用させることができ、押し下げ操作を容易に行うことができる。
上述した発射停止スイッチ891及び右打ちスイッチ892は、被保持部830の立設先端および被保持部830の背面側(連結軸990(図10参照)に対面する側)にそれぞれ配設される。これにより、遊技者は、被保持部830を自然に把持した状態で、発射停止スイッチ891を親指または人差し指により、右打ちスイッチ892を人差し指または中指により、それぞれ容易に操作することができる。
フック部材840は、回転軸部700のフック部740(図11参照)に一端が係合保持された跳ね上げ方向付勢ばね880の他端を係合保持するための部位であり(図10参照)、下方へ向けて屈曲される断面L字形状に形成される。
支持壁850は、跳ね上げ方向付勢ばね880を下方から支えるための壁部であり、図13(a)に示す側面視において、上方へ向けて凸の円弧状に湾曲して形成される。このように、支持壁850を円弧状に湾曲させることで、跳ね上げ方向付勢ばね880の配設スペース(両フック740,840間の距離)をより長くすることができるので(図10(a)参照)、限られたスペースの中で、全長がより長い跳ね上げ方向付勢ばね880を使用することができる。その結果、付勢力を確保できると共に、跳ね上げ方向付勢ばね880の耐久性を確保できる。
カム部材860は、回転軸部700に変位可能に配設される押上部材410を上方へ向けて押し上げるための部材であり、一対の脚部812の対向間に架設される棒状の架設部861と、その架設部861の長手方向(図13(b)上下方向)中央から基部811側(即ち、回転軸部700が配設される側、図13(b)右側)へ向けて延設される押上カム862と備え、これらが一体に形成される。なお、カム部材860は、本体部810とは別体に形成され、架設部861の両端が本体部810の脚部812に締結ボルト(図示せず)により締結固定される。
押上カム862は、断面視三角形状に形成され、図14に示すように、三角形状の頂部を上方へ向けた姿勢で配設される。本体部810(一対の脚部812の対向間)に回転軸部700が連結軸990を介して連結された状態では、押上カム862は、その三角形状の頂部が押上部材410の回転軸(突起731及び凹部411、図11(b)及び図11(c)参照)の鉛直方向下方となる位置に配設されると共に、三角形状の一側(図14(a)右側)の斜面が押上部材410の下端を支持する位置に配設される(図10(a)参照)。
カム部材860は、操作子800が下方(矢印G方向、図5(b)参照)へ押し下げ操作される際に、押上カム862の三角形状における一側(図14(a)右側)の斜面および頂部(図14(a)上側)を利用して、回転軸部700に配設された押上部材410を上方へ押し上げる(図10(a)及び図10(b)参照)。
このように、押上カム862を断面視三角形状に形成し、その斜面および頂部を利用して押上部材410を上方へ押し上げる構造とすることで、操作子800が押し下げ操作されていない通常の状態では(図10(a)参照)、押上部材410をより下方に配置可能として、全体としての高さ方向(軸方向、図10(a)上下方向)の小型化を図りつつ、操作子800を押し下げ操作する際には(図10(b)参照)、押上部材410の上方への押し上げ量を確保できるので、操作子800の押し下げ操作に必要なストローク量を小さくして、その操作性の向上を図ることができると共に、昇降部材420(図19参照)の昇降ストロークを大きくして、連動変位部900の連動・非連動の切り替えを確実に行うことができる(図24及び図25参照)。
案内溝870は、回転軸部700の案内軸760(図11参照)を案内するための凹溝であり、一対の脚部812の対向面にそれぞれ断面矩形の溝として凹設され、挿通孔820を中心とする円弧状に湾曲して延設される。よって、操作子800が下方(矢印G方向、図5(b)参照)へ押し下げ操作される際には(図10(a)及び図10(b)参照)、回転軸部700の案内軸760が、案内溝870に沿って移動して案内されることで、連結軸990を中心とする変位である操作子800の押し下げ操作を円滑に行わせることができる。
なお、本体部810及び被保持部830は、幅方向(図13(b)上下方向)中央を分割面(合わせ面)とする2分割構造とされる。即ち、本体部810及び被保持部830は、本体部810及び被保持部830の片側をなす第1の部品とその第1の部品に対して分割面を対称面として面対称に形成され本体部810及び被保持部830の片側をなす第2の部品とからなり、これら第1の部品と第2の部品とを互いの分割面どうしで接合することで、その内部に発射停止スイッチ891等の電気的接続線を配線するための空間を有する中空形状に形成される。
次いで、図15から図17を参照して、連動変位部900及び押下部材950について説明する。図15は、上側ベース630に取り付けられた状態における連動変位部900及び押下部材950の断面図である。
図15に示すように、上側ベース630の上面壁632には、その下面側に摺動保持部635が設けられ、その摺動保持部635の外周側および内周側に連動変位部900及び押下部材950がそれぞれ配設される。上述したように、連動変位部900は、その挿通孔925に摺動保持部635が挿通されることで、軸方向(図15上下方向)に摺動可能かつ周方向に回転可能とされる一方、押下部材950は、その突起部953が摺動保持部635のキー溝635aに嵌合されることで、軸方向(図15上下方向)に摺動可能であるが、周方向には回転不能とされる。
上側ベース630の上面壁632の下面側には、コイルスプリングとして形成される押下方向付勢ばね970が配設され、かかる押下方向付勢ばね970は、上面壁632と連動変位部900との間で弾性的に圧縮変形された状態で配設されている。そのため、押下方向付勢ばね970からの付勢力(弾性回復力)が、連動変位部900を介して、押下部材950へ付与されており、これにより、昇降部材420は、第1位置(連動位置)又は第2位置(切り離し位置)のいずれの位置に配置される場合であっても(図24及び図26参照)、押下部材950によって常に下方(図15下方)へ押し下げられた状態とされる。
また、押下方向付勢ばね970から付与される付勢力により、連動変位部900が押下部材950に押し付けられる一方、昇降部材420が第1位置(連動位置)又は第2位置(切り離し位置)に保持されているので、連動変位部900は、押下方向付勢ばね970と昇降部材420との間に挟み込まれた状態(挟圧保持された状態)とされる。よって、連動変位部900は、回転軸部700から切り離された場合には、その切り離された位置で保持される。
図16(a)は、連動変位部900の側面図であり、図16(b)は、図16(a)の矢印XVIb方向視における連動変位部900の下面図である。また、図17(a)は、図16(a)の矢印XVIIa方向視における連動変位部900の上面図であり、図17(b)は、図17(a)のXVIIb−XVIIb線における連動変位部900の断面図である。
図16及び図17に示すように、連動変位部900は、円筒形状に形成される連動本体部910と、その連動本体部910の上端側に同軸状に配設される連結ギヤ部920と、その連結ギヤ部920の上面側に突設される付勢ばね保持部930と、連動本体部910の下端側の外周面から径方向外方へ向けて延設される指示片940と、連動本体部910の下端側の外周面から突設される第1突起部913及び第2突起部914とを備えて形成される。
連動本体部910の下端面(図16(a)及び図17(b)下側面)には、基準面911aと、その基準面911aよりも連動本体部910の軸方向(図16(a)及び図17(b)上下方向)における高さ位置が下方へ向けて嵩上げされた嵩上げ面911bとが形成され、これにより、連動本体部911の下端側には、基準面911aと嵩上げ面911bとを接続する一対の段差面911cが形成される。
連動変位部900は、上述したように、その連動変位部900の段差面911cが回転軸部700の段差面711cに係合されることで、操作子800のスライド操作に伴う回転軸部700の回転が連動変位部900に伝達可能とされ、連動変位部900が回転軸部700の回転(操作子800のスライド操作)に連動して回転(変位)される一方(図6及び図24参照)、その連動変位部900の段差面911cが回転軸部700の段差面711cと非係合とされることで、操作子800のスライド操作に伴う回転軸部700の回転が連動変位部900へ伝達されず、操作子800のスライド操作時には、回転軸部700のみが回転され、連動変位部900は所定位置に固定される(図23及び図26参照)。
なお、基準面911a及び嵩上げ面911bは、連動本体部910の軸方向に垂直な平坦面とされ、一対の段差面911cは、互いに平行であって、かつ、連動本体部910の軸方向に平行な平坦面とされる。また、一対の段差面911cは、位相を180度異ならせて配置される。即ち、一対の段差面911cにより形成される仮想平面は、軸本体部910の軸心を含む平面となる。
第1突起913及び第2突起914は、操作子800をスライド操作する際の操作感に変化を与えるための部位であり、連動本体部910の外周面から突出する半球状の突起として形成される。即ち、第1突起913及び第2突起914は、操作子800のスライド操作に伴い回転軸部700が回転される際の弾性片790の移動軌跡上に配設されており、かかる弾性片790が第1突起913や第2突起914を通過する(乗り越える)ことで、操作抵抗を発生させ、操作感に変化を与える。
連結ギヤ部920は、平歯車として形成される部位であり、連動変位部連結ギヤ672に歯合されている(図6参照)。上述したように、連動変位部付勢ばね682からの付勢力が、連動変位部連結ギヤ672から連結ギヤ部920へ伝達されることで、連動変位部900が回転され、初期位置Pminに復帰される(図5(a)参照)。
付勢ばね保持部930は、押下方向付勢ばね970の内周側に内嵌されることで、押下方向付勢ばね970を保持するための部位であり、押下方向付勢ばね970の内径に対応する外径を有して形成される。
付勢ばね保持部930及び連結ギヤ部920には、それらの軸心に沿って挿通孔925が穿設される。挿通孔925は、上側ベース630の摺動保持部635が挿通される断面円形の孔である(図15参照)。挿通孔925の内径は、摺動保持部635の外径と同等または若干大きくされ、これにより、連動変位部900は、摺動保持部635に対し、軸方向に摺動可能かつ周方向に回転可能とされる。
指示片940は、操作子800の変位位置(目標位置)を指し示すための平板形状の部位であり、連動本体部910の外周面であって、嵩上げ面911b側(基準面911aに対し軸心を挟んで反対側)となる外周面に配設される。即ち、連動変位部900の段差面911cが、回転軸部700の段差面711cに係合された状態では(図6及び図24参照)、指示片940と操作子800との位相(スライド変位方向における変位位置)が一致される(上面視において両者が重なる。図27(a)及び図27(b)参照)。
図18(a)は、押下部材950の側面図であり、図18(b)は、図18(a)の矢印XVIIIb方向視における押下部材950の上面図である。
図18に示すように、押下部材950は、円板形状に形成される円板部951と、その円板部951の上面から立設される軸部952と、その軸部952の外周面から突設される突起部953とを備えて形成される。
円板部951は、その下面で昇降部材420の上面を押し下げるための部位であり、連動変位部900の連動本体部910の内周側に配置可能な外径に形成される(図15参照)。軸部952は、上側ベース630の摺動保持部635の内周に挿通される断面円形の軸であり、突起部953は、摺動保持部635の内周に刻設されるキー溝635aに係合される突起である。よって、押下部材950は、摺動保持部635に対し、軸方向に摺動可能であるが、周方向の回転は規制された状態で保持される。
図10から図12に戻って説明する。回転軸部700の軸本体部710には、その円筒部分711の内周面に案内溝715が凹設される。案内溝715は、上述したように、昇降部材420(図19参照)を第1位置(連動位置)又は第2位置(切り離し位置)の2位置で保持するための溝である。ここで、昇降部材420及び案内溝715について、図19及び図20を参照して説明する。
図19(a)は、昇降部材420の側面図であり、図19(b)は、図19(a)の矢印XIXb方向視における昇降部材420の上面図である。
図19に示すように、昇降部材420は、回転軸部700の円筒部分711(図15参照)の内周側に配設される部材であり、断面円形の円柱状に形成される。かかる円柱状体の外周面には、その複数箇所(本実施形態では3箇所)から案内突起421が突設される。各案内突起421は、回転軸部700の案内溝715(図21参照)に沿って移動するための部位であり、それぞれ同形状に形成されると共に、図19(b)に示すように、周方向等間隔(本実施形態では120度間隔)に配置される。
なお、昇降部材420の下端は、円柱状の部分と同軸の円錐形状に形成される。これにより、回転軸部700の円筒部分711の内周側において、昇降部材420を押上部材410へより近接させることができるので(図24参照)、円筒部分711の内周側における限られたスペースを有効に活用することができ、全体としての小型化を図ることができる。
図20は、回転軸部700の円筒部分711の内周面を平面に展開して図示した平面展開図である。なお、図20では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、案内溝715の各部位への符号の図示を省略している。
図20に示すように、案内溝715は、円筒部分711の周方向(図20左右方向)に沿って周期性を有して形成される。具体的には、案内溝715は、中心角120度の範囲に対応する範囲XXbを周方向に繰り返す形状(範囲XXbの形状を周方向に3つ並べた形状)とされる。よって、昇降部材420の3つの案内突起421は、それぞれ別の範囲XXbにおける案内溝715によって案内される。
次いで、図21を参照して、昇降部材420の案内突起421が案内溝715に案内されることで、昇降部材420が第1位置(連動位置)又は第2位置(切り離し位置)に保持される構造について説明する。なお、この説明においては、図6及び図22から図26の各図を適宜参照する。
図21は、図20(a)における範囲XXbを部分的に拡大して図示した部分拡大展開図である。図22から図26は、ハンドル装置51の断面図である。なお、図22及び図23では、図6と同様に、回転軸部700、操作子800及び連動変位部900の断面視が省略される一方、図24から図26では、回転軸部700、操作子800及び連動変位部900が断面視される。
また、図6及び図24は、昇降部材420が第1位置(連動位置)に配置され、操作子800のスライド操作に連動変位部900が連動して変位可能な状態に対応し、図23及び図26は、昇降部材420が第2位置(連動位置)に配置され、操作子800のスライド操作から連動変位部900が切り離された状態(非連動状態)に対応する。図22及び図25は、操作子800が下方へ押し下げ操作され、昇降部材420が中間位置に配置された状態に対応する。
図21に示すように、案内突起421が位置P1に位置する状態では、昇降部材420が第1位置(連動位置)に配置される。この状態では、図24に示すように、案内突起421は、押下方向付勢ばね970の付勢力により、案内溝715の第1壁部715aに押し付けられ、位置P1に維持される。また、この状態では、図6に示すように、回転軸部700の段差面711cと連動変位部900の段差面911cとが係合されるため、操作子800がスライド操作されると、そのスライド操作に連動して連動変位部900が変位される。
昇降部材420が第1位置(連動位置)に配置された状態(図6及び図24参照)から、操作子800が下方(矢印G方向、図5(b)参照)へ押し下げ操作されると、押上部材410により昇降部材420が上方へ押し上げられる。その結果、案内突起421が案内溝715の形状に沿って案内され(経路L1)、上昇傾斜壁部715bに突き当たる。操作子800が下方へ更に押し下げ操作され、昇降部材420が上方へ押し上げられると、案内突起421が上昇傾斜壁部715bに沿って案内され(経路L2)、位置Paにおいて案内規制壁部715cに突き当たる。
これにより、図22及び図25に示すように、操作子800の下方への押下操作が不能となる。この場合、操作子800の脚部812が上方へ押し上げられ、弾性膜部材893を中間ベース620における円板部621の下面に密着させることで、弾性膜部材893の密着力(摩擦力)を利用して、操作子800がスライド変位されることを規制できる。即ち、押し下げ操作された操作子800がスライド方向へ位置ずれすることを抑制できる。その結果、連動変位部900の固定位置が遊技者の意図した変位位置に精度良く固定することができる。
また、このように、操作子800を下方へ押し下げる動作は、遊技者にとって、操作子800がどのようなスライド位置にあったとしても、被保持部830を把持する手指の一部を離すことなく、行うことができる。これにより、操作性の向上を図ることができる。また、操作子800の押下操作を行った後は、その操作状態(操作子800のスライド操作量が所望のスライド操作量に固定された状態)を維持することも容易となる。よって、遊技球の発射強度を所望の発射強度に精度良く固定することができる。
また、このように、操作子800を下方へ押し下げる構造であれば、上述したように、遊技者は、手の重みを作用させる動作のみで、下方へ変位させることができる。即ち、遊技者は、手の重みを作用させるという簡易な動作を行うのみで、その押下操作を維持することができるので、遊技者の疲労を軽減しつつ、球の発射強度を所望の発射強度に固定することができる。
また、中間ベース620における円板部621の下面が平滑面として形成されるので、操作子800のスライド操作の操作量(スライド位置)を、任意のスライド位置で固定可能とすることができる。即ち、鋸歯状の部材どうしを係合させる構造であっても同様にスライド操作の位置を強固に固定できるが、その鋸歯のピッチより細かな調整ができない。これに対し、本実施形態のように、平滑面に弾性膜部材893を密着させる構造とすることで、任意のスライド位置に調整可能としつつ、そのスライド位置に強固に固定することができる。
案内突起421が位置Paにおいて、案内規制壁部715cに突き当たった後(図22及び図25参照)、遊技者が操作力を緩めることで、操作子800の下方への押し下げ操作が解除され、押上部材410が下降されると(図26参照)、昇降部材420が押下方向付勢ばね970の付勢力により押し下げられる。その結果、案内突起421が下降され(経路L3)、下降傾斜壁部715dに突き当たると共に、その下降傾斜壁部715dに沿って案内され、位置P2に到達する(経路L4)。
案内突起421が位置P2に位置する状態では、昇降部材420が第2位置(切り離し位置)に配置される。この状態では、図26に示すように、案内突起421は、押下方向付勢ばね970の付勢力により、第2壁部715eに押し付けられ、位置P2に維持される。また、この状態では、図23に示すように、回転軸部700の段差面711cから連動変位部900の段差面911cが離間され、回転軸部700と連動変位部900とが非係合とされるため、操作子800がスライド操作されても、連動変位部900は変位されない。即ち、連動変位部900は、操作子800から切り離され、その切り離された位置に固定(維持)される。
昇降部材420が第2位置(切り離し位置)に配置された状態(図23及び図26参照)から、操作子800が下方(矢印G方向、図5(b)参照)へ押し下げ操作されると、押上部材410により昇降部材420が上方へ押し上げられる。その結果、案内突起421が上昇され(経路L5)、上昇傾斜壁部715fに突き当たる。操作子800が下方へ更に押し下げ操作され、昇降部材420が上方へ押し上げられると、案内突起421が上昇傾斜壁部715bに沿って案内され(経路L6)、位置Pbにおいて案内規制壁部715gに突き当たる。
これにより、図22及び図25に示すように、操作子800の下方への押下操作が不能となる。遊技者が操作力を緩め、操作子800の下方への押し下げ操作が解除されることで、押上部材410が下降されると(図24参照)、昇降部材420が押下方向付勢ばね970の付勢力により押し下げられる。その結果、案内突起421が下降され(経路L7)、下降傾斜壁部715hに突き当たると共に、その下降傾斜壁部715hに沿って案内され、位置P1に到達する(経路L8)。
次いで、図27及び図28を参照して、連動変位部900を利用して操作子800のスライド位置を記憶させると共に、その連動変位部900を基準として操作子800のスライド位置を調整する(元のスライド位置へ復帰させる)調整方法について説明する。
図27(a)から図27(d)は、ハンドル装置51の上面模式図である。図28(a)から図28(d)は、回転軸部700及び連動変位部900の斜視模式図である。
なお、図27(a)は、操作子800及び連動変位部900が初期位置Pminにある状態に対応し、図27(b)は、操作子800のスライド操作に連動して連動変位部900が変位された状態に対応し、図27(c)は、連動変位部900が所定の変位位置に固定され、操作子800のみが初期位置Pminに復帰された状態に対応し、図27(d)は、連動変位部900の固定位置へ向けて操作子800がスライド操作されている状態に対応する。
また、図28(a)は、図27(a)及び図27(b)の状態(即ち、操作子800のスライド操作に連動して連動変位部900が変位さる状態)に対応し、図28(b)は、図27(c)の状態(即ち、連動変位部900が所定の変位位置に固定され、操作子800のみが初期位置Pminに復帰された状態)に対応し、図28(c)は、図27(d)の状態(即ち、連動変位部900の固定位置へ向けて操作子800がスライド操作されている状態)に対応し、図28(d)は、操作子800が目標位置(連動変位部900の固定位置)を通り越してスライド操作される状態に対応する。
図27(a)に示すように、昇降部材420が第1位置(連動位置)にあり(図6及び図24参照)、操作子800及び連動変位部900の回動位置が初期位置Pminに配置された状態から、遊技者による操作子800の矢印I方向(図5(a)参照)へのスライド操作が行われると、図27(b)に示すように、連動変位部900が、操作子800のスライド操作に連動して変位される。
なお、この場合には、回転軸部700及び連動変位部900は、それらの段差面711c,911cどうしが係合されており、図28(a)に示すように、一体となって回転される。よって、回転軸部700の弾性片790と連動変位部900の第1突起913等との間の相対位置に変化は生じない。
遊技状態に応じて、操作子800のスライド操作量を調整した結果、遊技球の発射強度が所望の発射強度に調整された場合には、操作子800の下方(矢印G方向、図5(b)参照)への押し下げ操作により、昇降部材420を第2位置(切り離し位置)に設定する(図23及び図26参照)。これにより、連動変位部900が操作子800から切り離されるので、連動変位部900の変位位置を所定の変位位置(位置Pθ)に固定できると共に、その連動変位部900とは独立して操作子800のみをスライド操作することができる。
即ち、例えば、図27(b)に示す状態において、操作子800の下方への押し下げ操作を行っていれば、例えば、休憩を取るために、操作子800の回動位置を初期位置へ復帰させ、遊技を中断したとしても、図27(c)に示すように、連動変位部900の変位位置を元の変位位置(すなわち、遊技機を中断する前の変位位置(位置Pθ))に保持(固定)できる。同様に、例えば、右打ちをするために、操作子800の変位位置を最大可動位置Pmaxまでスライド操作したとしても、連動変位部900の変位位置は元の変位位置(位置Pθ)に保持(固定)できる。
よって、操作子800の変位位置を元の変位位置(即ち、遊技を中断する前や右打ちする前の変位位置(位置Pθ))に調整する場合には、連動変位部900が固定されている変位位置を基準(目標位置)として、例えば、図27(d)に示すように、操作子800を連動変位部900へ向けて矢印I方向へスライド操作して、操作子800の目印894を連動変位部900に一致させることで、操作子800の変位位置を元の変位位置(位置Pθ)に正確かつ迅速に調整する(元の変位位置を正確かつ迅速に再現する)ことができる。
なお、このように、連動変位部900が所定の変位位置(位置Pθ)に保持(固定)されると共に、操作子800のスライド位置が初期位置Pminに復帰された状態では(図27(c)参照)、図28(b)に示すように、回転軸部700の弾性片790が連動変位部900の第1突起913から周方向に離間される。
上述したように、第1突起913は、弾性片790の移動軌跡上に配置されているので、操作子800が連動変位部900へ向けて矢印I方向へスライド操作され(図27(d)参照)、かかる操作子800のスライド位置が連動変位部900の変位位置(位置Pθ)に近接されると、図28(c)に示すように、弾性片790に第1突起913を乗り越えさせることができる。
即ち、弾性片790の弾性変形抵抗を利用して、スライド操作の操作感を変化させることができる。その結果、遊技者は、スライド操作子800の目印894と連動変位部900との位置関係を目視により追跡し続けなくても、操作感の変化により、スライド操作子800が目標位置(連動変位部900)へ近づいたことを認識することができ、そのスライド操作の操作性の向上を図ることができる。
ここで、例えば、遊技者の不注意により、スライド操作子800が目標位置(連動変位部900)を通り越して矢印I方向へスライド操作される場合には、図28(d)に示すように、弾性片790に第2突起914を乗り越えさせることができる。即ち、弾性片790の弾性変形抵抗を利用して、スライド操作の操作感を変化させることができる。よって、遊技者は、スライド操作子800の目印894と連動変位部900との位置関係を目視により追跡し続けなくても、操作感の変化により、スライド操作子800が目標位置(連動変位部900)を通り越したことを認識することができ、そのスライド操作の操作性の向上を図ることができる。
特に、この場合には、第1突起913及び第2突起914の配設位置が回転軸部700の軸方向に異なるように設定されているので、弾性片790が第1突起913を乗り越える際と第2突起914を乗り越える際とで、かかる弾性片790の弾性変形の形態(弾性変形抵抗)を異ならせることができる。その結果、スライド操作の操作感を異ならせることができるので、遊技者は、例えば、スライド操作子800と連動変位部900との位置関係を目視により把握しなくても、操作感の変化が、目標位置に近づいたことを知らせるものであるのか、或いは、目標位置を通り越したことを知らせるものであるのかを、区別することができる。
次いで、図29から図34を参照して、第2実施形態におけるハンドル装置2051について説明する。第1実施形態では、操作子800の押し下げ操作を任意に行うことができる場合を説明したが、第2実施形態におけるハンドル装置2051は、所定の操作を実行した後でなければ、操作子2800の押し下げ操作が実行できないように形成される。なお、第1実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図29(a)は、第2実施形態における操作子2800の側面図であり、図29(b)は、図29(a)の矢印XXIXb方向視における操作子2800の上面図である。図30(a)は、図29(b)のXXXa−XXXa線における操作子2800の部分拡大断面図であり、図30(b)は、図29(b)のXXXb−XXXb線における操作子2800の部分拡大断面図である。
図29及び図30に示すように、第2実施形態における操作子2800は、本体部810の一対の脚部812にそれぞれ穿設される挿通孔2820が、本体部810の長手方向(図29(a)左右方向)を長径方向とする長穴形状に形成される。具体的には、第1実施形態における挿通孔820を基部811側へ向けて延長して形成される。
なお、挿通孔2820は、短径寸法(図29(a)上下方向寸法)が連結軸990の直径よりも若干大きくされ、かかる連結軸990が挿通孔2820の長径方向に沿って変位可能とされる。また、連結軸990は、回転軸部700の挿通孔720に固着される。
図31から図33は、第2実施形態におけるハンドル装置2051の断面図である。また、図34(a)から図34(c)は、回転軸部700及び操作子2800の側面図である。なお、図34(a)、図34(b)及び図34(c)は、それぞれ図31、図32及び図33における回転軸部700及び操作子2800の部分拡大図に対応する。
図31及び図34(a)に示すように、操作子2800は、通常状態では、跳ね上げ方向付勢ばね880の付勢力が、被保持部830を回転軸部700へ近接させる方向(図31左方向)へ向けて付与されているので、連結軸990が、挿通孔2820における被保持部830側(図31右側)の端部に位置される。そのため、かかる通常状態では、操作子2800の案内溝870の入り口に対して、回転軸部700の案内軸760の位置がずれており(図34(a)参照)、操作子2800を下方(矢印G方向、図5(b)参照)へ押し下げ操作することができない。
この場合には、操作子2800を回転軸部700から離間する方向(図32右方向)へ向けて水平(矢印B方向)に変位させる。即ち、遊技者は、被保持部830を手前(遊技者側)へ水平に引き寄せる。これにより、図32及び図34(b)に示すように、連結軸990が、挿通孔2820における被保持部830と反対側(図32左側)の端部に位置され、操作子2800の案内溝870の入口の直下に、回転軸部700の案内軸760を配置することができる(図34(b)参照)。その結果、図33及び図34(c)に示すように、操作子2800を下方(矢印G方向、図5(b)参照)へ押し下げ操作することができる。
このように、第2実施形態におけるハンドル装置2051によれば、操作子2800を水平方向へ変位させた(即ち、被保持部830を手前側に引き寄せる操作を行った)場合に、操作子2800の下方への押し下げ操作を行うことが可能となる。これにより、操作子2800が下方へ不用意に押し下げ操作されることを抑制できる。
即ち、操作子2800の押し下げ操作は、被保持部830を鉛直方向に沿って下降させる方向であるので、手の重みを利用しやすく、故に、上述したように、その押し下げ操作が容易である反面、意図せずに不用意に押し下げ操作が実行されるおそれがある。これに対し、第2実施形態では、操作子2800の押し下げ操作は、操作子2800が水平方向(矢印B方向)へ変位されていることが必要とされるので、その押し下げ操作が遊技者の意図とは異なるタイミングで不用意に実行されることを確実に抑制することができる。
次いで、図35及び図36を参照して、第3実施形態におけるハンドル装置3051について説明する。第2実施形態では、操作子2800の押し下げ操作を可能とするために、所定の操作を実行することが条件とされる場合を説明したが、第3実施形態のハンドル装置3051は、操作子3800の押し下げ操作を可能とするための条件が、所定の操作の複数回の実行とされる。なお、上記各実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図35及び図36は、回転軸部700及び第3実施形態における操作子3800の側面図である。なお、図35(c)及び図36(a)では、同一の状態が図示される。
図35及び図36に示すように、第3実施形態における操作子3800は、案内溝3870が側面視Z字状に形成される。即ち、案内溝3870は、図35(a)に示す側面視において、本体部810の下面側の入口から、本体部810の上面側へ向けて延設された後、下面側へ向けて折り返されると共に、再度、上面側へ向けて折り返されて形成される。
図35(a)に示すように、操作子3800は、第2実施形態の場合と同様に、通常状態では、跳ね上げ方向付勢ばね880の付勢力が、被保持部830を回転軸部700へ近接させる方向(図35(a)左方向)へ向けて付与されているので、連結軸990が、挿通孔2820における被保持部830側(図35(a)右側)の端部に位置される。そのため、かかる通常状態では、操作子3800の案内溝3870の入り口に対して、回転軸部700の案内軸760の位置がずれており、操作子3800を下方(矢印G方向、図5(b)参照)へ押し下げ操作することができない。
第3実施形態では、操作子3800を、下方へ押し下げつつ、回転軸部700から離間する方向(図35(b)右方向)へ向けて水平(矢印B方向)に変位させる。即ち、遊技者は、被保持部830を、下方に押し下げつつ、手前(遊技者側)へ水平に引き寄せる。これにより、図35(b)に示すように、操作子3800の案内溝3870の入口の直下に、回転軸部700の案内軸760が配置された際に、案内溝3870内に案内軸760が入り込み、図35(c)及び図36(a)に示すように、案内軸760が案内溝3870の第1の折り返し部分に到達する位置まで、操作子3800が下方(押し下げ操作の方向)へ変位される。
図35(c)及び図36(a)に示す状態を形成した後は、操作子3800を回転軸部700から離間する方向(図36(a)右方向)へ向けて水平(矢印B方向)に更に変位させる。即ち、遊技者は、被保持部830を手前(遊技者側)へ水平に更に引き寄せる。これにより、図36(b)に示すように、案内軸760を、案内溝3870の第2の降り返し部分に配置することができるので、図36(c)に示すように、操作子3800を下方(矢印G方向、図5(b)参照)へ押し下げ操作することができる。
このように、第3実施形態におけるハンドル装置3051によれば、操作子3800の水平方向への変位を複数回(具体的には2回)行った(即ち、被保持部830の手前側への引き寄せる操作を複数回行った)場合に、操作子3800の規定位置までの押し下げ操作を行うことが可能となる。これにより、操作子3800が下方へ不用意に押し下げ操作されることをより確実に抑制できる。
即ち、操作子3800の水平方向(矢印B方向)への変位(手前側への引き寄せ操作)自体が遊技者の意図しない不用意な操作であった場合でも、その一度の操作だけでは、操作子3800の規定位置までの押し下げ操作が完了されることはなく、更に、その状態から、操作子3800の水平方向への変位(手前側への引き寄せ操作)が再度行われる必要がある。よって、2度目の水平方向への変位が遊技者により意識的に行われる必要があるので、遊技者の意図しない押し下げ操作が不用意に実行されることを確実に抑制することができる。
次いで、図37から図42を参照して、第4実施形態について説明する。第1実施形態では、操作子800のスライド変位に対して連動変位部900を連動させるか否かの切り替えが、操作子800の下方への押し下げ操作により行われる場合を説明したが、第4実施形態では、上記切り替えが、操作子4800の水平方向(矢印B方向)への変位(遊技者側への引き寄せ操作)により行われる。なお、上記各実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図37(a)及び図37(b)は、第4実施形態における操作子4800及び回転軸部700の部分断面側面図であり、図37(a)は、操作子4800が初期位置にある状態に、図37(b)は、操作子4800が水平方向へ変位(遊技者側へ引き寄せ操作)された状態に、それぞれ対応する。
図37(a)及び図37(b)に示すように、第4実施形態における操作子4800は、回転軸部700に対して、連結軸4990を介して、連結される。これにより、操作子4800は、第1実施形態の場合と同様に、回転軸部700と一体的に、かかる回転軸部700の軸心を中心として回転することで、スライド方向(矢印I及び矢印D方向、図5(a)参照)への変位(スライド操作)が可能とされる一方、第1実施形態の場合とは異なり、水平方向(矢印B方向)への変位(遊技者側への引き寄せ操作)が可能とされる。
即ち、図37(a)に示すように、操作子4800は、通常状態では、跳ね上げ方向付勢ばね880の付勢力が、被保持部830を回転軸部700へ近接させる方向(図37(a)左方向)へ向けて付与されており、この付勢力に抗して、被保持部830を矢印B方向へ水平に変位させる(遊技者側へ引き寄せ操作する)ことで、図37(b)に示す状態となる。この状態から、矢印B方向への操作力が緩められると、跳ね上げ方向付勢ばね880の弾性回復力により、操作子4800は矢印B方向と反対方向へ向けて水平に変位され、図37(a)に示す状態に復帰される。
なお、第1実施形態では、回転軸部700及び操作子800が1本の連結軸990により連結されたが、第4実施形態の回転軸部700及び操作子4800は、2本の連結軸4990により連結される。即ち、2本の連結軸4990のうちの一方の連結軸4990は、一対の脚部812の内の一方の脚部812と回転軸部700のうちの一方の挿通孔720とを連結し、他方の連結軸4990は、一対の脚部812の内の他方の脚部812と回転軸部700のうちの他方の挿通孔720とを連結する。これにより、2本の連結軸4990の間には、カム部材860が移動するためのスペースが確保される。
図38(a)は、操作子4800の側面図であり、図38(b)は、図38(a)の矢印XXXVIIIb方向視における操作子4800の上面図である。図39(a)は、図38(b)のXXXIXa−XXXIXa線における操作子4800の部分拡大断面図であり、図39(b)は、図38(b)のXXXIXb−XXXIXb線における操作子4800の部分拡大断面図である。
図38及び図39に示すように、第4実施形態における操作子4800は、本体部810の一対の脚部812にそれぞれ穿設される挿通孔4820が、本体部810の長手方向(図38(a)左右方向)を長径方向とする長穴形状に形成される。なお、挿通孔4820は、短径寸法(図38(a)上下方向寸法)が連結軸4990の直径よりも若干大きくされ、かかる連結軸4990が挿通孔4820の長径方向に沿って変位可能とされる。また、連結軸4990は、回転軸部700の挿通孔720に固着される。
カム部材4860は、押上部材410を上方へ向けて押し上げるための部材であり(図37参照)、一対の脚部812の対向間に架設される平板状の架設部4861と、その架設部4861の長手方向(図38(b)上下方向)中央から基部811側(即ち、回転軸部700が配設される側、図38(b)右側)へ向けて延設される押上カム4862と備え、これらが一体に形成される。
押上カム4862は、断面視三角形状に形成され、図39に示すように、三角形状の頂部を上方へ向けた姿勢で配設される。本体部810(一対の脚部812の対向間)に回転軸部700が連結軸4990を介して連結された状態では、押上カム4862は、その三角形状の頂部が、押上部材410の回転軸(突起731及び凹部411、図11(b)及び図11(c)参照)の鉛直方向下側となる背面を下方から支持する位置に配設される(図37(a)参照)。
カム部材4860は、操作子4800が水平方向(矢印B方向、図37(a)参照)へ変位される際に、押上カム4862の三角形状における頂部(図39(a)上側)を押上部材410の背面に当接させつつ、水平方向へ変位することで、押上部材410を上方へ押し上げる(図37(a)及び図37(b)参照)。
このように、押上カム4862を断面視三角形状に形成し、その頂部を利用して押上部材410を上方へ押し上げる構造とすることで、操作子4800が水平方向(矢印B方向)へ変位されていない通常の状態では(図37(a)参照)、押上部材410をより下方に配置可能として、全体としての高さ方向(軸方向、図37(a)上下方向)の小型化を図りつつ、操作子4800を水平方向へ変位させる(手前側へ引き寄せ操作する)際には(図37(b)参照)、押上部材410の上方への押し上げ量を確保できるので、操作子4800に必要とされる水平方向への変位量を小さくして、その操作性の向上を図ることができると共に、昇降部材420(図19参照)の昇降ストロークを大きくして、連動変位部900の連動・非連動の切り替えを確実に行うことができる(図40及び図41参照)。
次いで、図40から図42を参照して、操作子4800の水平方向への変位(手前側への引き寄せ操作)により、昇降部材420を第1位置(連動位置)又は第2位置(切り離し位置)に切り替える構造について説明する。
図40から図42は、ハンドル装置4051の断面図である。なお、図40は、昇降部材420が第1位置(連動位置)に配置された状態に対応し、図42は、昇降部材420が第2位置(連動位置)に配置された状態(非連動状態)に対応する。図41は、操作子4800が水平方向(矢印B方向)へ変位(手前側に引き寄せ操作)され、昇降部材420が中間位置に配置された状態に対応する。
図40に示すように、昇降部材420が第1位置(連動位置)に配置されると、操作子4800のスライド操作に連動して連動変位部900が変位可能とされる。この状態から、操作子4800が水平方向(矢印B方向)へ変位(手前側へ引き寄せ操作)されると、図41に示すように、カム部材4860の押上カム4862が、押上部材410を介して、昇降部材420を上方へ押し上げ、かかる昇降部材420が中間位置に配置される。
図41に示す状態から、遊技者が操作力を緩め、操作子4800の水平方向(矢印B方向)への変位(手前側への引き寄せ操作)が解除されると、操作子4800が跳ね上げ方向付勢ばね880の付勢力により矢印B方向と反対方向へ向けて引き戻されると共に、昇降部材420が押下方向付勢ばね970の付勢力により押し下げられる。その結果、図42に示すように、昇降部材420が第2位置(切り離し位置)に配置される。
図42に示す状態では、操作子4800のスライド操作から連動変位部900が切り離され、回転軸部700の段差面711cから連動変位部900の段差面911cが離間され、回転軸部700と連動変位部900とが非係合とされるため、操作子4800がスライド操作されても、連動変位部900は変位されない。即ち、連動変位部900は、操作子4800から切り離され、その切り離された位置に固定(維持)される。
一方、図42に示すように、昇降部材420が第2位置(切り離し位置)に配置された状態から、操作子4800が水平方向(矢印B方向)へ変位(遊技者側に引き寄せ操作)されると、図41に示すように、カム部材4860の押上カム4862が、押上部材410を介して、昇降部材420を上方へ押し上げ、かかる昇降部材420が中間位置に配置される。
この状態(即ち、図42に示す昇降部材420が第2位置(切り離し位置)に配置された状態において、操作子4800を手前側へ引き寄せ操作して、昇降部材420を中間位置に配置した状態)から、遊技者が操作力を緩め、操作子4800の水平方向(矢印B方向)への変位(手前側への引き寄せ操作)が解除されると、操作子4800が跳ね上げ方向付勢ばね880の付勢力により矢印B方向と反対方向へ向けて引き戻されると共に、昇降部材420が押下方向付勢ばね970の付勢力により押し下げられる。その結果、図40に示すように、昇降部材420が第1位置(連動位置)に配置される。
このように、第4実施形態では、操作子4800の水平方向(矢印B方向)への変位(手前側への引き寄せ操作)により、操作子4800のスライド変位に対して連動変位部900を連動させるか否かの切り替えを行うことができる。即ち、遊技球の発射強度を調整するための操作と、連動変位部900を所定の変位位置に固定する(変位位置を記憶する)ための操作との異なる操作を、被保持部830を把持する手指を握り直すことや、逆の手でボタン操作を行うなどを必要とせず、操作子4800の被保持部830を把持した状態を維持したまま、片手で容易に行うことができる。
次いで、図43及び図44を参照して、第5実施形態について説明する。図43(a)は、第5実施形態におけるハンドル装置5051の上面図であり、図43(b)は、図43(a)の矢印XLIIIb方向視におけるハンドル装置5051の側面図である。図44は、ハンドル装置5051の部分断面側面図である。
第1実施形態では、スライド変位量の変更により遊技球の発射強度を調整するための操作子800に棒状の被保持部830が形成され、その被操作部830を手で把持して操作子800のスライド操作や押し下げ操作を行う場合を説明したが、第5実施形態における操作子5800は、載置面5831が形成された被保持部5800を備え、その被保持部5800の載置面5831に手の一部を載置して操作子5800のスライド操作や押し下げ操作を行う。即ち、手が不自由なために、被操作部830の把持が困難な場合であっても、スライド操作や押し下げ操作を可能として、遊技を行うことができるように形成される。
なお、各実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。また、第5実施形態におけるハンドル装置5051は、操作子5800の構成が第1実施形態における操作子800と異なる点を除き、他の構成は第1実施形態におけるハンドル装置51と同一である。
図43及び図44に示すように、第5実施形態における操作子5800は、本体部810の先端側(図43(a)右側)に被保持部5830が配設される。被保持部5830は、上面視において楕円形状をその短軸に沿って二分割した形状に形成される載置面5831と、その載置面5831の上面視円弧状の外縁部分から立設される立設壁5832とを備える。
載置面5831は、遊技者が手の一部を載置するための平坦面であり、操作子5800のスライド平面に平行な平坦面として形成される。その載置面5831に載置した手を水平方向へ移動させることで、操作子5800をスライド操作する際には、立設壁5832の内周面が、手の水平方向への移動を受け止める。
第5実施形態におけるハンドル装置5051によれば、操作子5800の被保持部5830には、遊技者が手の一部を載置可能な載置面5831が形成されるので、例えば、手指が不自由なために、棒状の被保持部830(図5参照)を把持することができない遊技者であっても、被保持部5830の載置面5831を利用して、操作子5800の左右方向(矢印I,D方向)へのスライド操作および下方(矢印G方向)への押し下げ操作を行うことができる。
即ち、回転ハンドルを正面から把持して回転させることで遊技球の発射強度を調整する従来の遊技機では、手指の不自由な遊技者が遊技を行うことは不可能であり、また、第1実施形態のように被保持部800を棒状に形成する場合であってもその被保持部830を把持して遊技を行うことは困難である。本発明では、操作子5800を左右にスライド操作可能かつ下方に押し下げ操作可能とすることで、手指の不自由な遊技者が、遊技を行うことが初めて可能となった。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態のうちの一の実施形態における一部または全部の構成を、他の実施形態における一部または全部の構成と組み合わせて、或いは、置き換えて、パチンコ機10を構成しても良い。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
遊技者によって操作される操作装置を備え、その操作装置の操作量に応じて遊技球の発射強度が調整される遊技機であって、前記操作装置は、遊技者により保持される被保持部を一側に有すると共にその被保持部がスライド変位可能となるように他側が支持される操作子を備え、前記被保持部のスライド変位量に応じて遊技球の発射強度が調整されると共に、所定の部材を基準として遊技者が前記被保持部のスライド変位の変位位置を認識可能に形成されることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、操作子は、遊技者により保持される被保持部を一側に有すると共にその被保持部がスライド変位可能となるように他側が支持されるので、被保持部の操作性、即ち、遊技球の発射強度を調整する際の操作性の向上を図ることができる。この場合、所定の部材を基準として遊技者に被保持部のスライド変位の変位位置を認識させることができる。よって、遊技球の発射強度が所望の発射強度となる変位位置に操作子が調整された後に、例えば、遊技を中断するために、操作子の被保持部のスライド変位の変位位置が初期位置へ復帰された場合、或いは、例えば、右打ちをするために、操作子の被保持部のスライド変位の変位位置が最大変位位置へ変更された場合であっても、遊技者は、所定の部材を基準とする被保持部のスライド変位の変位位置の認識に基づいて、被保持部のスライド変位の変位位置を元の変位位置(即ち、遊技を中断する前や右打ちする前の変位位置)に調整する(復帰させる)ことができる。よって、操作子の被保持部のスライド変位の変位位置を元の変位位置へ調整する操作を、正確かつ迅速に行うことができる。
なお、遊技者に保持される被保持部は、遊技者が手指で把持可能な形状に限られず、例えば、遊技者が手の平や手の甲を載置可能な形状が例示される。また、操作子の他側を支持する構造としては、操作子の他側を回転可能に軸支する構造や操作子の他側を案内溝に沿って変位可能に支持する構造などが例示される。軸支する構造においては、一軸のみで回転可能に軸支するものに限られず、遊動可能に軸支するもの(例えば、球体を球面軸受により保持する構造)であっても良い。案内溝に沿って支持する構造においては、案内溝は、直線状であっても良く、曲線状に湾曲されていても良く、或いは、これらの組合せであっても良い。
遊技機A1において、前記操作装置は、前記操作子の被保持部のスライド変位に連動して変位可能に形成される連動変位部と、その連動変位部が前記操作子の被保持部のスライド変位に連動して変位されることを解除する連動解除手段と、を備えることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、連動変位部が操作子の被保持部のスライド変位に連動して変位されることを連動解除手段により解除することができる。即ち、連動変位部の変位が操作子の被保持部のスライド変位に連動することを連動解除手段により解除することで、連動変位部を、操作子の被保持部のスライド変位から切り離して、その切り離された際の変位位置に留まらせる(固定する)ことができる。これにより、遊技球の発射強度が所望の発射強度となる変位位置に操作子が調整された状態において、連動解除手段による解除を行うことで、連動変位部を所定の変位位置に留まらせて(固定して)おき、操作子を元の変位位置へ調整する(復帰させる)際の基準とすることができる。よって、操作子の被保持部のスライド変位の変位位置を元の変位位置へ調整する際に、その調整操作を正確かつ迅速に行うことができる。
遊技機A2において、前記操作子は、前記他側が軸支されると共に、その軸支された前記他側を中心として回転されることで、前記一側の被保持遊技者をスライド変位させるものであり、前記連動変位部は、他側が前記操作子と同軸に軸支されると共に、その軸支された前記他側を中心として回転されることで、一側をスライド変位させるものであり、前記連動変位部の前記一側における移動軌跡が、上面視において、前記操作子の移動軌跡に重なることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、操作子と連動変位部とは、それらの前記他側が同軸に軸支され、前記他側を中心として回転されることで、一側をスライド変位させるものであり、かかる一側の移動軌跡が上面視において重なるので、これら操作子と連動変位部との相対的な位置関係を遊技者に容易に把握させることができる。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記操作子と連動変位部との間の相対位置を示す目印が、前記操作子または連動変位部の少なくとも一方に配設されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかの奏する効果に加え、操作子または連動変位部の少なくとも一方には目印が形成されるので、操作子の被保持部のスライド変位の変位位置を元の変位位置へ調整する際には、目印を基準とすることができる。よって、その分、操作子の元の変位位置への調整操作(復帰操作)を正確かつ迅速に行うことができる。
なお、操作子および連動変位部のそれぞれに目印が形成され、連動変位部が操作子の被保持部のスライド変位に連動して変位する状態では、操作子の目印と、連動変位部の目印との配設位置が一致することが好ましい。この場合には、操作子の被保持部のスライド変位の変位位置を元の変位位置へ調整する(復帰させる)際に、操作子の目印を連動変位部の目印に一致させれば良いので、元の変位位置への調整操作を正確かつ迅速に行うことができる。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、前記操作子または連動変位部の一方は、被係合部を備えると共に、前記操作子または連動変位部の他方は、前記被係合部と係合可能な係合部を備え、前記被係合部と係合部とが係合することで、前記連動変位部が前記操作子の被保持部のスライド変位に連動して変位可能とされると共に、前記被係合部と係合部との係合が前記連動解除手段により解除可能とされることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A2からA4のいずれかの奏する効果に加え、被係合部と係合部とが係合することで、連動変位部が操作子の被保持部のスライド変位に連動して変位可能とされるので、連動変位部が操作子の被保持部のスライド変位に対し、例えば、摩擦力により連動して変位される場合と比較して、滑りによる両者の位置ずれを抑制できる。よって、連動変位部の変位を操作子の被保持部のスライド変位に正確に追従させることができるので、連動変位部を基準として、操作子を元の変位位置へ調整する(復帰させる)際には、より正確な変位位置に調整することができる。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、前記操作子および連動変位部を結合する結合部材を備え、その結合部材が前記操作子および連動変位部を結合することで、前記連動変位部が前記操作子の被保持部のスライド変位に連動して変位可能とされると共に、前記結合部材による前記操作子および連動変位部の結合が前記連動解除手段により解除可能とされることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A2からA4のいずれかの奏する効果に加え、結合部材が操作子および連動変位部を結合することで、連動変位部が操作子の被保持部のスライド変位に連動して変位可能とされるので、連動変位部が操作子の被保持部のスライド変位に対し、例えば、摩擦力により連動して変位される場合と比較して、滑りによる両者の位置ずれを抑制できる。よって、連動変位部の変位を操作子の被保持部のスライド変位に正確に追従させることができるので、連動変位部を基準として、操作子を元の変位位置へ調整する際には、より正確な変位位置に調整することができる。
遊技機A2からA6のいずれかにおいて、前記操作子は、前記遊技球の発射強度を調整するための前記スライド変位の方向とは異なる第2の方向へ前記被保持部が変位可能に形成され、前記連動解除手段は、前記操作子の被保持部が前記第2の方向へ変位されることで、前記連動変位部が前記操作子に連動して変位されることを解除可能に形成されることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A2からA6のいずれかの奏する効果に加え、遊技球の発射強度を調整するためのスライド変位の方向とは異なる第2の方向へ被保持部が変位されることで、連動解除手段による解除が行われるので、かかる解除動作を容易に行うことができる。即ち、遊技者は、操作子の被保持部をスライド変位の方向へ変位させ、遊技球の発射強度を所望の発射強度に調整した後は、その状態から次いで被保持部を第2の方向へ変位させる操作を行えば良く、連動解除手段による解除を行うために、被保持部を持ち替える動作や、被保持部を操作する手とは逆の手で別の操作手段を操作する動作を行う必要がない。その結果、連動解除手段による解除を行うための動作(解除動作)を容易に行うことができる。
遊技機A7において、前記スライド変位の方向は、前記被保持部を水平方向に沿って変位させる方向であり、前記第2の方向は、前記被保持部を鉛直方向に沿って下降させる方向であることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、操作子の被保持部を変位させる方向は、遊技球の発射強度を調整するためのスライド変位の方向が、被保持部を水平方向に沿って変位させる方向であり、連動解除手段による解除を行うための第2の方向が、被保持部を鉛直方向に沿って下降させる方向であるので、被保持部のスライド変位の方向への操作量を維持しつつ(即ち、スライド変位の方向への操作位置がずれることを抑制しつつ)、連動解除手段による解除を行うための動作(解除動作)を容易に行うことができる。
即ち、遊技者は、操作子の被保持部をスライド変位の方向へ変位させ、遊技球の発射強度を所望の発射強度に調整した後、被保持部を第2の方向へ変位させる操作を行う場合には、手の重みを被保持部に作用させる、或いは、手首を下方へ返す動作のみで、被保持部を第2の方向へ容易に変位させることができる。その結果、被保持部のスライド変位の方向への操作量を維持しつつ(即ち、スライド変位の方向への操作位置がずれることを抑制しつつ)、連動解除手段による解除を行うための動作(解除動作)を容易に行うことができる。
なお、スライド変位の方向は、水平方向に平行である必要はない。即ち、スライド変位の方向が水平方向に沿っているとは、水平方向に対して±60度の傾斜角度の範囲を許容範囲とする趣旨である。即ち、完全に水平である必要はなく、スライド変位の軌跡の一部または全部が下降傾斜または上昇傾斜していても良い。また、スライド変位は、その軌跡が直線状である形態に限られるものではなく、その軌跡の全部または一部が円弧状に湾曲する形態も含む趣旨である。軌跡が円弧状に湾曲する場合は、その接線方向がスライド変位の方向とされる。
ここで、遊技機A7において、第2の方向を、水平方向に沿う方向であって遊技機の前後方向(即ち、操作子の被保持部が遊技機の前面から遊技者へ向かう方向、又は、遊技者から遊技機の前面へ向かう方向)に沿う方向としても良い。この構成によっても、被保持部のスライド変位の方向への操作量を維持しつつ(即ち、スライド変位の方向への操作位置がずれることを抑制しつつ)、連動解除手段による解除を行うための動作(解除動作)を容易に行うことができる。
遊技機A8において、前記連動変位部が前記操作子に連動して変位されることの連動解除手段による解除は、前記第2の方向への前記被保持部の変位が複数回行われた場合に行われることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A8において、遊技者により操作可能に形成される第2操作部分を備え、前記連動変位部が前記操作子に連動して変位されることの連動解除手段による解除は、前記第2操作部分を操作した後に又は前記第2操作部分の操作と同時に、前記被保持部が前記第2の方向へ変位されることで、行われることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A8において、前記保持部は、前記第2の方向とは異なる方向である第3の方向へ変位可能に形成されると共に、前記第3の方向へ変位された後に、前記第2の方向への変位が可能となるように形成されることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A9からA11のいずれかによれば、遊技機A8の奏する効果に加え、連動変位部が操作子に連動して変位されることの連動解除手段による解除は、第2の方向への被保持部の変位が複数回行われた場合、第2操作部分を操作した後または第2操作部分の操作と同時に被保持部が第2の方向へ変位された場合、或いは、第3の方向へ変位された後に被保持部が第2の方向へ変位された場合に行われるので、操作子の被保持部が第2の方向へ不用意に操作され、遊技者の意図とは異なる発射強度で、連動解除手段による解除が実行されることを抑制できる。即ち、第2の方向は、鉛直方向に沿って下降させる方向であるので、上述したように、手の重みを利用しやすく、故に、かかる第2の方向への被保持部の操作が容易である反面、第2の方向へ被保持部が不用意に操作されるおそれがあるところ、遊技機A9からA11のいずれかのように、第2の方向への被保持部の変位が複数回行われること、第2操作部分を操作した後または第2操作部分の操作と同時に被保持部が第2の方向へ変位されること、或いは、第3の方向へ変位された後に被保持部が第2の方向へ変位されることを条件とすることで、遊技者の意図とは異なる発射強度で、連動解除手段による解除が不用意に実行されることを効果的に抑制することができる。
遊技機A8からA11のいずれかにおいて、前記操作子の被保持部が前記第2の方向へ変位されることで、前記連動解除手段による解除が行われると共に、前記操作子の保持部が前記スライド変位の方向へ変位することを規制可能に形成されることを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、遊技機A8からA11のいずれかの奏する効果に加え、操作子の被保持部が第2の方向へ変位されることで、連動解除手段による解除が行われると共に、操作子の被保持部がスライド変位の方向に変位することを規制可能に形成されるので、連動解除手段による解除(即ち、連動変位部の所定位置への固定)を行う際に、操作子の被保持部がスライド変位の方向に変位することの規制も併せて行うことができる。よって、操作子の被保持部のスライド変位の変位位置が意図する所定の変位位置からずれることを抑制でき、その結果、連動変位部を所定の変位位置に適正に留まらせる(固定する)ことができる。
遊技機A2からA12のいずれかにおいて、前記操作子は、前記遊技球の発射強度を調整するための前記スライド変位の方向とは異なる第2の方向へ前記被保持部が変位可能に形成され、前記連動変位部が前記操作子の被保持部のスライド変位に連動して変位されることが前記連動解除手段により解除された状態において、前記操作子の被保持部が前記第2の方向へ変位されることで、前記連動変位部が前記操作子の被保持部のスライド変位に連動して変位されることを特徴とする遊技機A13。
遊技機A13によれば、遊技機A2からA12のいずれかの奏する効果に加え、遊技球の発射強度を調整するためのスライド変位の方向とは異なる第2の方向へ被保持部が変位されることで、連動解除手段による解除からの復帰(操作子の被保持部のスライド変位に対する連動変位の非連動状態から連動状態への復帰)が行われるので、かかる復帰動作を容易に行うことができる。即ち、連動解除手段による解除からの復帰(復帰動作)を行うために、被保持部を持ち替える動作や、被保持部を操作する手とは逆の手で別の操作手段を操作する動作を行う必要がない。その結果、連動解除手段による解除からの復帰を行うための動作(復帰動作)を容易に行うことができる。
遊技機A13において、前記スライド変位の方向は、前記被保持部を水平方向に沿って変位させる方向であり、前記第2の方向は、前記被保持部を鉛直方向に沿って下降させる方向であることを特徴とする遊技機A14。
遊技機A14によれば、遊技機A13の奏する効果に加え、操作子の被保持部を変位させる方向は、遊技球の発射強度を調整するためのスライド変位の方向が、被保持部を水平方向に沿って変位させる方向であり、連動解除手段による解除からの復帰を行うための第2の方向が、被保持部を鉛直方向に沿って下降させる方向であるので、連動解除手段による解除からの復帰を行うための動作(復帰動作)を容易に行うことができる。即ち、被保持部を第2の方向へ変位させる操作は、手の重みを被保持部に作用させる、或いは、手首を下方へ返す動作のみで、容易に行うことができる。
遊技機A2からA14のいずれかにおいて、前記操作子の被保持部のスライド変位に連動して変位することが前記連動解除手段により解除された前記連動変位部の変位位置に対し、前記操作子の被保持部の変位位置が近接されると、その操作子の被保持部をスライド変位させる際の操作抵抗が変化されることを特徴とする遊技機A15。
遊技機A15によれば、遊技機A2からA14のいずれかの奏する効果に加え、操作子の被保持部のスライド変位に連動して変位することが連動解除手段により解除された連動変位部の変位位置に対し、操作子の被保持部の変位位置が近接されると、その操作子の被保持部をスライド変位させる際の操作抵抗が変化されるので、操作子の被保持部のスライド変位の変位位置を元の変位位置(即ち、連動変位部の変位位置)に調整する際には、連動変位部と操作子の被保持部との相対的な位置関係を視認し続けてなくても、操作子の被保持部が元の変位位置に近づいたことを、そのスライド変位の操作抵抗の変化に基づいて遊技者に認識させることができる。これにより、操作子の被保持部のスライド変位の変位位置を元の変位位置へ調整する際の操作性の向上と手間の軽減とを図ることができる。
遊技機A2からA15のいずれかにおいて、前記操作子の被保持部のスライド変位に連動して変位することが前記連動解除手段により解除された前記連動変位部の変位位置に対し、その連動変位部の変位位置を前記操作子の被保持部が通過すると、その操作子の被保持部をスライド変位させる際の操作抵抗が変化されることを特徴とする遊技機A16。
遊技機A16によれば、遊技機A2からA15のいずれかの奏する効果に加え、操作子の被保持部のスライド変位に連動して変位することが連動解除手段により解除された連動変位部の変位位置に対し、その連動変位部の変位位置を操作子の被保持部が通過すると、その操作子の被保持部をスライド変位させる際の操作抵抗が変化されるので、操作子の被保持部のスライド変位の変位位置を元の変位位置(即ち、連動変位部の変位位置)に調整する際には、連動変位部と操作子の被保持部との相対的な位置関係を視認し続けてなくても、操作子の被保持部が元の変位位置を通過したことを、そのスライド変位の操作抵抗の変化に基づいて遊技者に認識させることができる。これにより、操作子の被保持部のスライド変位の変位位置を元の変位位置へ調整する際の操作性の向上と手間の軽減とを図ることができる。
遊技機A16において、前記操作子の被保持部のスライド変位に連動して変位することが前記連動解除手段により解除された前記連動変位部の変位位置に対し、前記操作子の被保持部の変位位置が近接された場合のその操作子の被保持部をスライド変位させる際の操作抵抗の変化と、前記連動変位部の変位位置を前記操作子の被保持部が通過する場合のその操作子の被保持部をスライド変位させる際の操作抵抗の変化とが異なるものであることを特徴とする遊技機A17。
遊技機A17によれば、操作子の被保持部のスライド変位に連動して変位することが連動解除手段により解除された連動変位部の変位位置に対し、連動変位部の変位位置に操作子の被保持部が近接する際の操作抵抗の変化と、連動変位部の変位位置を操作子の被保持部が通過する際の操作抵抗が変化とが異なるものとされるので、連動変位部と操作子の被保持部との相対的な位置関係を視認し続けてなくても、操作子の被保持部が元の変位位置に近づいたのか、或いは、元の変位位置を通過したのか、を遊技者に認識させることができる。これにより、操作子の被保持部のスライド変位の変位位置を元の変位位置へ調整する際の操作性の向上と手間の軽減とを図ることができる。
なお、操作感の変化が異なる形態としては、例えば、操作に必要な力の絶対値が異なる形態、操作に必要な力の変化の仕方が異なる形態、これらの形態を組み合わせた形態などが例示される。
ここで、操作感の変化を形成するための構造としては、例えば、操作子側に突起または変形体の一方を設けると共に、操作子の操作に伴い操作子に対して相対変位される部材に突起または変形体の他方を設け、操作子の操作に伴い、変形体に突起を乗り越えさせることで、変形体を弾性的に変形させると共に初期形状に弾性的に復帰させ、その変形体の変形に伴う力の変化を利用して、操作力の変化を形成する構造が例示される。これによれば、構造を簡素化して、製品コストの低減を図ることができる。
また、所定位置(連動変位部の変位位置)に近接する際の操作力の変化と、所定位置を通過した際の操作力の変化とを異ならせる構造としては、変形体を片持ち支持された棒状体とすると共に、その棒状体の突起を乗り越える位置を異ならせる(即ち、片持ちされた棒状体の根元側が突起を乗り越える形態と、先端側が突起を乗り越える形態とを形成する)ことで、操作力の変化を異ならせる構造が例示される。これによれば、操作力の変化を両者でより大きく異ならせることができると共に、近接時と通過時とで棒状体を兼用できるので、その分、部品点数を削減して、製品コストの低減を図ることができる。
遊技機A1からA17のいずれかにおいて、前記操作子は、前記遊技球の発射強度を調整するための前記スライド変位の方向とは異なる第2の方向へ前記被保持部が変位可能に形成され、前記操作子の被保持部が前記第2の方向へ変位されることで、所定の動作が行われることを特徴とする遊技機A18。
遊技機A18によれば、遊技機A1からA17のいずれかの奏する効果に加え、所定の動作を行うための操作(操作子の被保持部を第2の方向へ変位させる操作)を、遊技者が姿勢を変化させることを最小に抑制しつつ、容易に行わせることができる。なお、所定の動作としては、例えば、遊技球の発射の停止、遊技球の発射強度の変更(増加または減少)、操作子の初期位置への復帰の規制(被保持部のスライド変位の方向への変位の禁止または変位の抑制)などが例示される。また、遊技機A3のように、連動変位部および連動解除手段を備える遊技機においては、第2の方向への被保持部の変位により、所定の動作と連動解除手段による解除との両者が行われるようにしても良い。この場合には、被保持部を第2の方向へ変位させる一の動作により、所定の動作を行うための操作と、連動解除手段による解除を行うための操作との二種類の操作を同時に行うことができる。
遊技機A1からA18のいずれかにおいて、前記操作子の被保持部は、遊技者が把持可能な棒状に形成されることを特徴とする遊技機A19。
遊技機A19によれば、遊技機A1からA18の奏する効果に加え、操作子の被保持部は、遊技者が把持可能な棒状に形成されるので、かかる被保持部を保持し易くすることができ、その結果、被保持部を所定の方向(例えば、スライド変位の方向、或いは、第2の方向など)へ操作する際の操作性の向上を図ることができる。
遊技機A19において、前記操作子は、前記被保持部が一側に接続されると共に他側がスライド変位可能に支持される本体部を備え、その本体部の一側から前記被保持部が鉛直方向に沿って上方へ向けて立設されると共に、前記遊技球の発射強度を調整するための前記スライド変位の方向とは異なる第2の方向へ前記被保持部が変位可能に形成され、前記スライド変位の方向は、前記被保持部を水平方向に沿って変位させる方向であり、前記第2の方向は、前記被保持部を鉛直方向に沿って下降させる方向であることを特徴とする遊技機A20。
遊技機A20によれば、遊技機A19の奏する効果に加え、被保持部は、本体部の一側から鉛直方向に沿って上方へ向けて立設されるので、遊技者に自然な姿勢で被保持部を保持(把持)させることができると共に、かかる被保持部を、水平方向となるスライド変位の方向および鉛直方向となる第2の方向へそれぞれ操作し易くすることができる。特に、被保持部は本体部の一側から立設されるので、被保持部を把持する際には、手の平の外縁部分を本体部に載置しておくことができ、疲労の低減を図ることができると共に、第2の方向へ変位(下降)させる際には、本体部に手の重みを作用させることができ、操作の容易化を図ることができる。
遊技機A1からA20のいずれかにおいて、所定の動作を行うために遊技者により押し込み操作されるボタン部材を備え、そのボタン部材が前記操作子の被保持部に配設されることを特徴とする遊技機A21。
遊技機A21によれば、遊技機A1からA20のいずれかの奏する効果に加え、所定の動作を行うために遊技者により押し込み操作されるボタン部材を備え、そのボタン部材が操作子の被保持部に配設されるので、所定の動作を行うための操作(ボタン部材の押し込み操作)を、遊技者が姿勢を変化させることを最小に抑制しつつ、容易に行わせることができる。なお、所定の動作としては、例えば、遊技球の発射の停止、遊技球の発射強度の変更(増加または減少)、操作子の初期位置への復帰の規制(被保持部のスライド変位の方向への変位の禁止または変位の抑制)などが例示される。
遊技機A1からA21のいずれかにおいて、前記操作子の被保持部は、遊技者が手の一部を載置可能な形状に形成される載置面を備えることを特徴とする遊技機A22。
遊技機A22によれば、遊技機A1からA21のいずれかの奏する効果に加え、操作子の被保持部は、遊技者が手の一部を載置可能な形状に形成される載置面を備えるので、例えば、操作部分を把持することができない遊技者であっても、被保持部の載置面を利用して、かかる被保持部をスライド変位の方向へ操作することができる。即ち、回転ハンドルを回転させることで遊技球の発射強度を調整する従来の遊技機では、操作部分を把持できない遊技者が遊技を行うことは困難であり、本発明のように、操作子の被保持部をスライド変位可能に形成し、その被保持部のスライド変位量に応じて遊技球の発射強度を調整する構造を採用することで、操作部分を把持できない遊技者にとって、遊技が初めて可能となったものである。
遊技機A1からA22のいずれかにおいて、前記操作子の被保持部は、初期位置から漸次下降傾斜される方向へスライド変位されることを特徴とする遊技機A23。
遊技機A23によれば、遊技機A1からA22のいずれかの奏する効果に加え、操作子の被保持部は、初期位置から漸次下降傾斜される方向へスライド変位されるので、かかるスライド変位の変位量を増加させる方向への操作(即ち、遊技球の発射強度を増加させる操作)を、手の重みを利用して、容易に行うことができる。また、遊技球の発射強度を一定に維持する際には、手の重みを利用して、操作子の被保持部を初期位置へ復帰させる付勢力に対抗できるので、遊技者の疲労を低減できる。なお、当該構成は、遊技機A21のように、遊技者が被保持部の載置面を利用してスライド変位を行う必要がある場合(即ち、遊技者が被保持部を把持できない場合)に特に有効となる。
遊技機A1からA23のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機B1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA23のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機B2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としてはハンドル装置を備え、そのハンドル装置の操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA23のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機B3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。