以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図8を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、正面方向に付勢されており、その付勢に抗して背面方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー54bの操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。
また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。このセンターフレーム86の中央に開口される開口部から第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の下側の領域における右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視右方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(引込み状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入賞口64の右側には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
第1入賞口64の左上には第2可変入賞装置82aが配設され、その近傍に第2特定入賞口82が設けられている。通常は第2可変入賞装置82aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2特定入賞口82へと入賞できないようになっている。一方、特定の大当たり(例えば、15R確変大当たり)の際に第2可変入賞装置が開放する(拡大状態となる)ことで、球が第2特定入賞口82に入賞しやすい特別遊技状態とすることができる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の上方右側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640,にも入賞しなかった球は、第1アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口71は、第1入賞口64の下方に配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図5から図8を参照して、第1入賞口64が形成される入賞口ユニット300について詳しく説明する。
初めに、図5から図8を参照して、入賞口ユニット300の構成について説明する。図5は、遊技盤13の分解斜視正面図である。図6(a)は、入賞口ユニット300の正面図であり、図6(b)は、入賞口ユニット300の背面図である。図7(a)は、入賞口ユニット300の側面図であり、図7(b)は、図6(a)のVIIb−VIIb線における入賞口ユニット300の断面図である。図8(a)は、入賞口ユニット300の斜視正面図であり、図8(b)は、入賞口ユニット300の斜視背面図である。なお、図5では、遊技盤13からセンターフレーム86及び入賞口ユニット300を取り外した状態が図示される。また、図6(b)及び図7(a)には、断面略D字に形成される通路形成部材330の上方端部の屈曲部分の延設方向に沿って仮想線S1が図示される。
図5に示すように、ベース板60には、センターフレーム86が取り付けられる中央開口のやや下側(図2下側)に厚み方向に貫通する貫通孔60aがルータ加工によって形成される。入賞口ユニット300は、後述する通路形成部材330が貫通孔60aに挿入されると共に、遊技盤13の前面側からタッピングネジ等により固定される。
次いで、図6から図8に示すように、入賞口ユニット300は、板状体に形成されるベース部材310と、そのベース部材310の正面側(図6(a)紙面手前側)に突出する球入賞部材320と、ベース板60の背面側に突出する通路形成部材330と主に備え、これらベース部材310,球入賞部材320及び通路形成部材330が一体に樹脂材料から形成される。
ベース部材310は、貫通孔60aよりも大きい板状に形成されると共に、ベース板60と平行に配設される(図5参照)。また、ベース部材310は、前面側(図7(a)右側)から背面側(図7(a)左側)に貫通形成される開口部311と、その開口部311の上方(図2上方)に位置し、前面側から背面側に向かって凹設される2つの凹設部312(図7(b)参照)と、ベース部材310の周縁部に貫通形成される複数の貫通孔313と、円柱状に形成されると共に背面側に突出形成される突起314とを主に備えて形成される。
開口部311は、後述する球入賞部材320(第1入賞口64)の内部に送球された遊技球を背面側に送球可能にする孔であり、遊技球の直径よりも大きい寸法に形成される。
凹設部312は、後述する遊技釘YKをベース板60に打ち込むための下孔であり、遊技釘YKを打ち込む延長線上に凹設される。また、凹設部312は、遊技釘YKを打ち込む方向視において、円形状に形成されており、その内径が遊技釘の外形よりもやや小さく形成される。これにより、遊技釘YKを凹設部312に打ち込む場合に、遊技釘YKと凹設部312との接触抵抗を減らすと共に、遊技釘YKを凹設部312の内面で保持することができる。
なお、遊技釘YKは、上方(図7(a)上方)に5度傾斜して、ベース部材310(入賞口ユニット300)に打ち込まれる。従って、凹設部312は、前面側から背面側に向かって5度下方に傾斜して凹設される。
遊技釘YKは、ベース部材310に2本配設されると共に、釘の頭側が遊技領域に飛び出した状態とされる。2本の遊技釘YKは、後述する球入賞部材320の側壁321の上方端部の上方にそれぞれ配設されると共に、2本が同一の高さに設定される。これにより、2本の遊技釘YKの間隔を調整して、遊技領域を流下する遊技球の球数に対して、第1入賞口64に流入する球数を調整できる。
貫通孔313は、入賞口ユニット300をベース板60に締結固定するためのネジを挿通する貫通孔であり、ベース部材310の周縁部に4つ貫通形成される。また、貫通孔313は、前面側が拡径して形成される。これにより、皿ネジの先端側(ネジ部分側)を貫通孔313の前面側から挿通してベース板60に螺合させると、皿ネジの頭部が前面側に突出することを抑制できる。よって、遊技球が遊技領域を流下する場合に、遊技球の流下が皿ビスに阻害されることを抑制できる。その結果、遊技領域を流下する遊技球の流下を安定させることができる。
突起314は、ベース板60と入賞口ユニット300の位置決めをする突起であり、開口部310を挟んで左右に2つ形成される。また、突起314と対向する位置のベース板60には、凹部60b(図5参照)が凹設して形成される。凹部60bは、突起314の外形と略同一の内径の円形状に凹設して形成される。これにより、ベース板60に締結前の入賞口ユニット300を、ベース板60に配置した際に、突起314が凹部60bの内側に挿入されることで、ベース板60に対して入賞口ユニット300を位置決めすることができる。
球入賞部材320は、貫通孔311の周囲から前面側(図7(a)右側)に突出する側壁321と、その側壁321の突出先端側を連結する前壁322とから形成され、側壁321と前壁322とで囲われる領域に第1入賞口64が形成される。
側壁321は、上方が開放した断面U字状に形成され、対向する内壁の対向間の距離寸法が遊技球の直径よりも大きく形成される。前壁322は、側壁321の突出先端を塞ぐ態様に形成される。従って、第1入賞口64は、上方が開放する態様に形成される。
側壁321は、底面(図7(b)下側の面)に、上方に向かって立設される転動部323が形成される。転動部323は、後述する通路形成部材330の背面側(図7(b)左側)端部から前壁322に亘って一定の板厚で形成される。
また、転動部323は、前面側(前壁322側)に向かって上方傾斜して形成されると共に、側壁321の対向間の中間位置に形成される。これにより、第1入賞口64に流入した遊技球は、転動部323の上面に送球されると共に転動部323の傾斜により転動して、背面側に送球される。
通路形成部材330は、ベース部材310の開口部311の周囲から背面側に突出して形成される。通路形成部材330は、背面視において下方側が湾曲する略D字状に形成されており、内側に遊技球を挿通可能な大きさの空間が形成される。これにより、第1入賞口64に流入した遊技球を通路形成部材330の背面側に送球すると共に、通路形成部材330の背面側に連通される通路部材(図示しない)に送球することができる。
また、通路形成部材330は、背面視における上方(図6上方)に位置する2箇所の屈曲部分(仮想線S1で示す部分(図6(b)及び図7(a)参照))が、凹設部312の凹設基端側の中心位置の背面側に位置される。さらに、通路形成部材330の2箇所の屈曲部分には、仮想線S1を軸にして径方向外側に膨出する膨出部331が形成される。これにより、凹設部312の周囲の剛性を高めることができる。その結果、凹設部312に遊技釘YKが打ち込まれた際の衝撃により、入賞口ユニット300が破損することを抑制できる。
また、上述したように、遊技釘YKは、ベース部材310の平面に対して直交する方向と非平行(ベース部材310に打ち込まれた先端側に向かって下方に傾斜する方向)に配設されるので、先端部分が仮想線S1よりも下方に位置される。これにより、遊技釘YKの先端側の上部に位置する膨出部331の厚みが大きくされる。従って、遊技釘YKの先端側を上方に変位し難くすることができる。
ここで、入賞口ユニット300は、上方から遊技球が流下する途中に配設されるので、遊技領域側に突出する遊技釘YKの上方側に流下する遊技球が衝突しやすくなる。そのため、遊技球が遊技釘YKの上部に衝突する衝撃で、遊技釘YKの先端部分に、上方に変位する力が作用し易い。従って、遊技釘YKを植設する入賞口ユニット300の背面側を厚く形成する必要があり、入賞口ユニット300の製造コストが増加するという問題があった。
これに対し、本実施形態では、仮想線S1(通路形成部材330の上端の屈曲部分)を遊技釘YKが打ち込まれる位置の背面側に配置すると共に、その仮想線S1の軸を中心に膨出部331が形成されるので、必要以上に膨出部331を大きくする必要がない。その結果、入賞口ユニット300の製造コストが増加することを抑制できる。
また、通路形成部材330は、下方(図6下方)(背面視D字の湾曲部分)に位置し、第1入賞口64に入賞した遊技球の転動を案内する案内部333を備え、その案内部333と膨出部331とが第1連結部334により連結される。
これにより、膨出部331の上下方向の剛性を高くすることができる。従って、遊技領域側に突出する遊技釘YKの上部に遊技領域を流下する遊技球が衝突した場合に、遊技釘YKが上下方向に変位することを抑制できる。
さらに、通路形成部材330は、2箇所の膨出部331の間を連結する第2連結部335を備えて形成される。これにより、2箇所の膨出部331を連結する方向(図6(b)左右方向)の膨出部331の剛性を高くすることができる。
入賞口ユニット300は、上述したように、センタフレーム86が取付られるベース板60の中央開口の下方に配設される。そのため、センタフレーム86の周りを流下する遊技球が第1入賞口64に流入する場合には、ベース板60(遊技盤13)の左右(図2左右)両側から遊技球が送球される。従って、遊技球が遊技釘YKに衝突した場合に遊技釘YKを左右に変位させる力が作用しやすい。
また、遊技釘YKは、第1入賞口64に流入する遊技球の量を調整する場合に、2本の間の隙間を変更する必要があり、その際に、左右方向に折り曲げられる。従って、この点からも、遊技釘YKには左右方向への力が作用しやすい。
本実施形態では、2箇所の膨出部331の間が第2連結部335により連結されるので、遊技領域に突出する遊技釘にベース部材60の左右両側から流下される遊技球が衝突した場合および2本の遊技釘YKの間の間隔を調整する場合に、その衝撃で遊技釘YKが左右方向(図6(b)左右方向)に変位することを抑制できる。
以上のように構成される入賞口ユニット300は、上述したように、第1入賞口64の上方に配設される遊技釘YKがベース部材310に打ち込まれて配設される。よって、遊技釘YKが折れた状態または、遊技釘YKがベース部材310から抜け出た状態となり、正常な遊技が不能とされる場合には、ベース部材310の貫通孔313に挿通した皿ビスを取り外して、入賞口ユニット300をベース板60から取り外し、正常な状態の入賞口ユニット300をベース板60に取り付けることで、正常な遊技を可能とすることができる。
即ち、第1入賞口64の上部に位置し、第1入賞口64へ流入する遊技球の球数を調整する遊技釘YKは、その調整により、折れる又は、抜け落ちる可能性が高い。この場合、遊技釘YKのみを交換すると、新しい遊技釘YKを同じ下孔(凹設部312)に打ち込むため、遊技釘YKを保持する力が足りず、新しい遊技釘YKがすぐに抜け落ちてしまう恐れがある。
これに対し、本実施形態では、遊技釘YKが、折れる又は、抜け落ちた場合に、下孔(凹設部312)が形成されるベース部材310を交換することができるので、交換した遊技釘YKがすぐに抜け落ちることを抑制できる。
次いで、図9から図15を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、入賞口ユニット300が1部材から形成される場合を説明したが、第2実施形態では、入賞口ユニット2300が2部材から形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
初めに、図9及び図10を参照して、第2実施形態における入賞口ユニット2300の配設位置について説明する。図9は、第2実施形態におけるパチンコ機10の正面図である。図10は、パチンコ機10の分解斜視正面図である。なお、図9及び図10ではベース板60に配設される遊技釘の一部が図示される。また、図10では、ベース板60からセンターフレーム86及び入賞口ユニット2300を取り外した状態が図示される。
図9及び図10に示すように、第2実施形態におけるベース板60には、センターフレーム86が取付られるベース板60の中央開口の下側(図9側)に連続する凹設部2060cが貫通形成される。入賞口ユニット2300は、その一部が凹設部2060cの内側に挿入されると共に、ベース板60の前面側(図9紙面手前側)からタッピングネジ等により固定される。
凹設部2060cの中央開口側の周囲には、ベース板60の前面側から背面側に向かって凹設される窪み部2360dが形成される。窪み部2360dは、正面視における外形が後述する第2入賞部材2500の外形と略同一に形成される。これにより、第2入賞部材2500を窪み部2360dの内側に配設できる。
また、凹設部2360dには、円環形状に形成されると共に、正面側に突出する円環突起2060d1が複数個形成される。円環突起2360d1は、その内縁部分に第2入賞部材2500を挿通したネジを締結可能に形成される。なお、本実施形態では、円環突起2060d1は、凹設部2360dに4箇所形成される。
次いで、図11から図13を参照して、入賞口ユニット2300の構成について説明する。図11(a)は、入賞口ユニット2300の正面図であり、図11(b)は、図11(a)のXIb−XIb線における入賞口ユニット2300の断面図であり、図11(c)は、図11(a)のXIc−XIc線における入賞口ユニット2300の断面図である。図12は、入賞口ユニット2300の分解斜視正面図であり、図13は、入賞口ユニット2300の分解斜視背面図である。なお、図11(c)では、第2入賞部材2500の図示が省略される。
図11から図13に示すように、入賞口ユニット2300は、ベース板60の前面側に配設されると共に遊技釘YKが打ち込まれる第1入賞部材2400と、その第1入賞部材2400の前面側に配設されると共に第1入賞口64を有する第2入賞部材2500とを主に備えて形成される。
第1入賞部材2400は、正面視略矩形の板状体から形成される本体部2410と、その本体部2410の背面側から膨出する膨出部2420とから形成される。また、第1入賞部材2400には、正面側から遊技釘YKが打ち込まれる。
本体部2410は、正面視において水平方向(図11(a)左右方向)両端部から内側に向かって凹設される第1凹部2411と、正面視において重力方向両端部から内側に向かって凹設される第2凹部2412と、4方の角部に板厚方向に貫通される貫通孔2413とを主に備えて形成される。また、本体部2410の板厚方向の距離寸法は、ベース板60の窪み部2060dの背面側への凹み寸法と略同一または凹み寸法よりも小さく形成される。これにより、第1入賞部材2400をベース板60に配設した場合に、本体部2410の前面側が、遊技領域側に突出することを抑制できる。その結果、遊技球の流下が、第1入賞部材2400により阻害されることを抑制できる。
第1凹設部2411は、本体部2410の重力方向(図11(a)上下方向)中間位置に形成される。これにより、第1入賞部材2400をベース板60の窪み部2460dに嵌め込んだ場合に第1入賞部材2400とベース板60の接地面を大きくできる。従って、第1入賞部材2410ベース板60に対して重力方向に位置ずれすることを抑制できる。
第2凹設部2412は、本体部2410の水平方向(図11(a)左右方向)中間位置に形成される。これにより、センターフレーム86と第1入賞口64とが離間する距離を小さくできる。その結果、センタフレーム86の上部から流下する遊技球を第1入賞口64に流入しやすくできる。
貫通孔2413は、第1入賞部材2400をベース板60に締結する場合に、ネジの先端側を挿入する孔である。また、貫通孔2413は、正面側(図11(b)右側)に向かって拡径される。これにより、貫通孔2413に第1入賞部材2400の正面側から皿ネジを挿入した場合に、ネジの頭を貫通孔2413の内部に挿入することができる。
さらに、貫通孔2413は、板厚方向中間位置よりも背面側部分に拡径された拡径部2413aを備える。拡径部2413aは、上述した円環突起2060d1の外径よりも大きい内径に形成されると共に、板厚方向の凹み寸法(本体部2410の背面から拡径部2413aの凹設底面までの距離)が円環突起2060d1の突出寸法よりも小さく形成される。
これにより、第1入賞部材2400を窪み部2360dの内側に配設する場合に、拡径部2413aの内側に円環突起2360d1を挿入できると共に、拡径部2413aの凹設底面と円環突起2360の突出先端面とを当接できる。その結果、ネジの締結位置を円環突起2360d1の突設距離分、正面側に位置させることができ、ネジの先端側の長さを短くすることができる。また、拡径部2413aの凹設底面と円環突起2360の突設先端面とが当接されるので、その分、螺合の長さを増やすことができ、ネジを締結した際の締結力を確保できる。
膨出部2420は、ベース板60の凹設部2060cと前後方向(図11(b)左右方向)に重なる位置に形成される。また、膨出部2420と前後方向に重なる位置に遊技釘YKが打ち込まれる。これにより、遊技釘YKが打ち込まれる位置の第1入賞部材2400の剛性を高くすることができる。その結果、遊技釘YKを第1入賞部材2400に打ち込んだ場合、又は、流下領域を流下する遊技球が遊技釘YKに衝突した場合に、第1入賞部材2400が破損することを抑制できる。
第2入賞部材2500は、正面視菱形の板状体から形成されるベース部材2510と、そのベース部材2510の正面側(図11(b)右側)に突出形成される球入賞部材320とを主に備え、これらベース板2510及び球入賞部材320が一体に樹脂材料から形成される。
ベース部材2510は、上述した凹設部2060cよりも正面視において水平方向(図11(a)左右方向)寸法が大きく設定される。これにより、ベース部材2510を凹設部2060cの前面側(図11(b)右側)に配置すると共に、ベース部材2510の水平方向両端部をベース板60の前面(正面)に当接させることができる。
ベース部材2510は、その上端部(図11(a)上端部)から下方に向かって凹設される開口部311と、水平方向(図11(b)紙面垂直方向)両端部に板厚方向(図11(b)左右方向))に貫通する貫通孔313とを主に備えて形成される。なお、第2実施形態における開口部311は、ベース部材2510の外縁部に連なって形成される。また、貫通孔313は、2箇所に形成される。
次いで、図14及び図15を参照して、ベース板60への入賞口ユニット2300の組み付けについて説明する。図14(a)及び図15(a)は、遊技盤13の正面図である。図14(b)は、図14(a)のXIVb−XIVb線における遊技盤13の断面図であり、図15(b)は、図15(a)のXVb−XVb線における遊技盤13の断面図である。図14(c)は、図14(a)のXIVc−XIVc線における遊技盤13の断面図であり、図15(c)は、図15(a)のXVc−XVc線における遊技盤13の断面図である。
なお、図14(a)から図14(c)では、ベース板60に第1入賞部材2400が配設された状態(第1入賞部材2500が配設される前の状態)が図示され、図15(a)から図15(c)では、入賞口ユニット2300がベース板60に組み付けられた状態が図示される。
図14に示すように、ベース板60への入賞口ユニット2300の組み付けは、第1に遊技釘YKを打ち込み前の第1入賞部材2400をベース板60に取り付ける。この場合、ベース板60の窪み部2060dに沿って第1入賞部材2400を挿入することで、上述したように、貫通孔2413に形成される拡径部2413aの内側にベース板60の円形突起2060d1が挿入される。
拡径部2413aの内側に円形突起2060d1が挿入された状態で、前面側から皿ビスの先端を貫通孔2413の内側に挿入すると共に、その皿ビスの先端部分を円形突起2060d1の内周面に螺合させる。これにより、遊技釘YKを打ち込み前の第1入賞部材2400がベース板60に取付られる。なお、第1入賞部材2400は、その前面がベース板60の前面と略同一(面一)の位置に設定される。
遊技釘YKは、第1入賞部材2400をベース板60に締結固定した状態で前面側から第1入賞部材2400に打ち込まれる。これにより、比較的小型に形成される第1入賞部材2400に遊技釘YKを打ち込みやすい。また、ベース板60に打ち込まれる釘との相対位置を合わせることができる。
次いで、図15に示すように、前面側に第2入賞部材2500が取付られる。これにより、第1入賞口64と遊技釘の間隔を狭めることができる。即ち、遊技釘YKが打ち込まれる第1入賞部材2400に第1入賞口64(球入賞部材320)が形成された状態では、遊技釘を打ち込む際に遊技釘YKを打ち込む機械と第1入賞口64との干渉を避けるために、遊技釘YKを第1入賞口64から所定距離離間させる必要があるところ、第1入賞口64は、遊技釘YKが打ち込まれる第1入賞部材2400とは異なると共に、第1入賞部材2400よりも後工程で取付られる第2入賞部材2500に形成されるので、遊技釘YKを第1入賞部材2400に打ち込んだ後に、第1入賞口64を遊技釘YKに近づけて配設することができる。
次いで、図16から図18を参照して、第3実施形態について説明する。第2実施形態では、第1入賞部材2400を新しい部材に交換した場合に締結するネジを交換前と交換後とで同一のネジ穴(円環突起2060d1に形成されるめねじ)に螺合する場合を説明したが、第3実施形態では、第1入賞部材3400を交換した場合に、第1入賞部材3400を締結するネジが交換前と交換後とで異なるネジ孔(異なる円環突起2060d1に形成されるめねじ)に螺合される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図16(a)は、第3実施形態における遊技盤13の正面図であり、図16(b)は、図16(a)のXVIb−XVIb線における遊技盤13の断面図である。図17は、遊技盤13の斜視正面図であり、図18は、遊技盤13の分解斜視正面図である。なお、図18では、センターフレーム86が取り外された状態が図示される。また、図16から図17では、入賞口ユニット3300及びベース板60の外形が簡略化されて図示される。
図16から図18に示すように、第3実施形態における入賞口ユニット3300は、その一部(第1入賞部材3400)が凹設部2060cの内側に挿入されると共に、ベース板60の前面側(図16(a)紙面手前側)からタッピングネジ等により固定される。
凹設部2060cの中央開口(センターフレーム86)側の周囲には、ベース板60の前面側(図16(a)紙面手前側)から背面側(図16(a)紙面奥側)に向かって凹設される窪み部3060dが形成される。窪み部3060dは、正面視における外形が後述する第1入賞部材3400の外形と略同一に形成される。これにより、第1入賞部材3400を窪み部3060dの内側に配設できる。
また、窪み部3060dには、円環形状に形成されると共に、正面側に突出する円環突起2060d1と、前面側の左右の縁部に面取部3060d6と、円環突起2060d1が形成される平面の下方(図16(b)下方)から上方(図16(b)上方)に向かって背面側(図16(b)左側)に傾斜する傾斜面3060d2とを備えて形成される。なお、傾斜面3060d2は、下方から上方に向かって背面側に5度傾斜して形成される。
円環突起2060d1は、水平方向(図16(a)左右方向)同一の高さに間に凹設部2060cを挟む態様で2箇所に形成される2組が、上下方向(図16(b)上下方向)に位置の2箇所に形成される(即ち、2組合計4箇所にネジ穴(雌ねじ)が形成される)。
面取部3060d6は、第1入賞部材3400が配設される左右両側(図16(a)左右両側)の前面側(図16紙面手前側)縁部を切り欠いて形成される。面取部3060d1は、左右方向中央側に向かって背面側に傾斜して形成されると共に、切り欠き面積が下方(図16(a)下方)から上方(図16(a)上方)に向かって大きくされる。また、面取部3060d6は、左右方向内側端部が、ベース板60の前面に対して背面側上方に向かって5度傾斜して形成される。即ち、傾斜面3060d2と略同一の角度で切欠き形成される。
入賞口ユニット3300は、ベース板60の凹設部2060cの内側に配設される第1入賞部材3400と、その第1入賞部材3400及びベース板60の前面側に配設される第2入賞部材3500とから形成される。
第1入賞部材3400は、正面視横長略矩形の板状体から形成される本体部3410と、その本体部3410の背面側から膨出する膨出部と2420と、正面側から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。また、第1入賞部材は3400は、後述する本体部3410の短手方向が、上述した傾斜面3060d2の傾斜方向と平行な状態で配設される。よって、第1入賞部材3400は、ベース板60に配設される場合、ベース板60の平面に対して背面側に傾斜した状態で配設される。
本体部3410は、板厚方向に断面円形状に貫通する2つの貫通孔3413と、背面側(図16(b)左側)から正面側(図16(b)右側)に断面円形状に凹設される2つの凹部3414とを備えて形成される。凹部3414は、後述する貫通孔3413の拡径部3413aと同一の形状(凹設寸法および内径が略同一)に設定される。また、遊技釘YKは、本体部3410の短手方向における位置が貫通孔3413の軸と凹部3514の軸との中間位置に打ち込まれる。即ち、貫通孔3413の軸から遊技釘YKの軸までの距離寸法L1(図16(b)参照)と、凹部3414の軸から遊技釘YKの軸までの距離寸法L2(図16(b)参照)とが同一の距離に設定される。
貫通孔3413は、第1入賞部材3400をベース板60に締結する場合に、ネジの先端側を挿入する孔である。貫通孔3413は、正面側(図16(b)右側)に向かって拡径される。これにより、貫通孔3413はに第1入賞部材3410の正面側から皿ネジを挿入した場合にネジの頭を貫通孔2413の内側に挿入できる。
さらに、貫通孔3413は、板厚方向略中間位置よりも背面側(図16(b)左側)に拡径された拡径部3413aを備える。拡径部3413aは、円環突起2060d1の外径よりも大きい内径に形成されると共に、板厚方向の凹み寸法が円環突起2060d1の突出寸法よりも小さく形成される。
貫通孔3413は、第1入賞部材3400がベース板60に配設された状態において、上述した4箇所の円環突起2060d1のうち上方(図16(b)上方)に形成される2箇所の円環突起2060d1と対向する位置に形成される。一方、4箇所の円環突起2060d1のうち下方(図16(b)下方)に形成される2箇所の円環突起2060d1と対向する位置には、凹部3414が形成される。
よって、第1入賞部材3400を窪み部2360dの内側に配設する場合に、拡径部3413aの内側に、4箇所の円環突起2060d1のうち上方に配設される2箇所の円環突起2060d1を挿入できると共に、拡径部3413aの内側に円環突起2060d1を当接できる。
これにより、4箇所の円環突起2060d1のうち上方に形成される2箇所の円環突起2060d1と、第1入賞部材3400に形成される貫通孔とを皿ネジで締結して固定することができる。
また、第1入賞部材3400を窪み部2360dの内側に配設する場合に、凹部3414の内側に4箇所の円環突起2060d1のうち下方に配設される2箇所の円環突起2060d1を挿入できると共に、凹部3414の凹設底面に円環突起2060d1の突設先端面を当接できる。
上述したように、貫通孔3413と凹部3414とは、第1入賞部材3400の短手方向における位置が、遊技釘YKを挟んで同一距離離れた位置に形成される。従って、第1入賞部材3400をベース板60から取り外した場合には、第1入賞部材3400の上下を反転させることで、下方の円環突起2060d1を貫通孔3413の拡径部3413aの内側に挿入できると共に、上方の円環突起2060d1を凹部3414の内側に挿入できる。即ち、第1入賞部材3400を上下反転させることで、ベース板60に第1入賞部材3400を取り付け可能とすることができる。このように、本実施形態では、第1入賞部材3400を2通りの姿勢でベース板60に取り付けることができる。
よって、入賞口ユニット3300の第1入賞部材3400は、第1姿勢と、その第1姿勢から上下を反転させた第2姿勢とで同じ位置に遊技釘YKが植設されるので、第1入賞部材3400の姿勢を変更しても、ベース板60に対する遊技釘YKの位置を所定位置に維持することができる。
また、上述したように、ベース板60には、入賞口ユニット3300の第1入賞部材3400の前面縁部に向かって切り欠かれる面取部3060d6が形成されるので、ベース板60の正面と第1入賞部材3400の前面とを滑らかに連ねることができる。即ち、ベース板60に傾斜面3060d2が形成されることで、ベース板60の前面と第1入賞部材3400の前面との間に段差が形成されることを抑制できる。よって、かかる段差を抑制するために、ベース板60の正面または第1入賞部材3300の正面に他の部材(例えば、第2入賞部材2500の一部)を配設する事を不要とできる。
第2入賞口3500は、正面視横長矩形の板状体から形成されるベース部材3510と、そのベース部材4510の正面側(図16(b)右側)に突出形成される球入賞部材320と、を主に備えて形成される。
ベース部材3510は、正面視において凹設部2060cよりも長手方向(図16(a)左右方向)の幅寸法が大きく形成される。これにより、ベース部材3510を凹設部2060cの正面側に配設できると共に、ベース部材3510の長手方向両端部をベース板60の前面に当接できる。
ベース部材3510は、球入賞部材320の背面側に貫通形成される開口部311と、長手方向(図19(a)左右方向)両端部に貫通する貫通孔313と、を主に備える。
以上のように構成される入賞口ユニット3300によれば、第1入賞部材3400の遊技釘YKが折れた場合や、遊技釘YKが第1入賞部材3400から抜け落ちた場合に、第2入賞部材3500をベース板60から取り外した後に、不良の第1入賞部材3400を取り外して、新しい(正常な)第1入賞部材3400を取り付けることで修理することができる。
ここで、第1遊技盤部材(ベース板60)と、その第1遊技盤部材に締結固定され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備えた遊技機が知られている。第2遊技盤部材には挿通孔(貫通孔2413)が、第1遊技盤部材にはめねじ(円環突起2060d1の内縁部分)が、それぞれ形成され、第2遊技盤部材の挿通孔に挿通されたねじ部材(皿ネジN2)が、第1遊技盤部材のめねじに螺合されることで、第2遊技盤部材が第2遊技盤部材に対して締結固定される。かかる遊技機によれば、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に対して着脱できる。即ち、第2遊技盤部材に故障や破損が生じた場合には、かかる第2遊技盤部材のみを交換して、遊技盤全体としての交換を不要とすることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、第2遊技盤部材を交換する毎に、めねじとねじ部材との螺合が繰り返され、めねじのねじ山にへたり(摩耗やかじり)が生じるため、交換回数が嵩むと、締結固定の信頼性が低下するという問題点があった。
これに対し、第3実施形態によれば、ベース板60に入賞口ユニット3300の第1入賞部材3400を締結固定する複数(本実施形態では4個)の円環突起2060d1を備え、入賞口ユニット3300の第1入賞部材3400は、皿ネジN2が挿通可能な複数(本実施形態では2個)の貫通孔2413が形成され、円環突起2060d1の数よりも少ない数(本実施形態では2個)の皿ネジN2により第1入賞部材3400がベース板60に締結固定されているので、1の雌ねじのネジ山にへたり(摩耗やかじり)が生じた場合には、他の円環突起2060d1の内縁部分(めねじ)を使用できる。よって、第1入賞部材3300の交換回数が嵩んだ場合でも、締結固定の信頼性を確保することができる。
また、第3実施形態では、入賞口ユニット3300の第1入賞部材3400が、ベース板60に対する姿勢が第1姿勢または、その第1姿勢から上下を反転させた第2姿勢を少なくとも選択可能に形成され、第1姿勢と第2姿勢とでは、貫通孔2413に連なる円環突起2060d1の内縁が異なる円環突起2060d1の内縁とされるので、1の円環突起2060d1の内縁のねじ山にへたりが生じた場合には、第1入賞部材3400の姿勢を変更することで、他の円環突起2060d1の雌ねじを使用できる。よって、交換回数が嵩んだ場合でも締結固定の信頼性を確保することができる。
例えば、第1入賞部材3400を図16から図18に示すように、貫通孔2413を第1入賞部材3400の上方に位置させた状態でベース板60に配設した場合には、第1入賞部材3400をベース板60に締結する皿ネジN2が、ベース板60の上方に形成される2箇所の円環突起2060d1に螺合される。第1入賞部材3400に不良が発生して交換する場合には、交換後の第1入賞部材3400の貫通孔2413を第1入賞部材3400の下方に位置した状態でベース板60に配設する。これより、第1入賞部材3400をベース板60に締結する皿ネジN2が、ベース板60の下方に形成される2箇所の円環突起2060d1の内側に螺合される。
さらに、第1入賞部材3400は、貫通孔2413の数が円環突起2060d1の数よりも少なくされるので、第1入賞部材3400がベース板60の正面に視認可能に配設可能に配設される場合に、皿ネジN2が挿通されていない状態で遊技者に視認される貫通孔3400の数を低減できる。よって、貫通孔3400を被覆するための他の部材(例えば、第2入賞部材3500)の面積を抑制できる。なお、貫通孔3400の数と同数の皿ネジN2により第1入賞部材3300がベース板60により第1入賞部材3400がベース板60に締結固定されることが好ましい。この場合には、皿ネジN2が挿通されていない状態で遊技者に視認される貫通孔2413を無くすことができる。よって、他の部材による貫通孔3400の被覆を不要とすることができる。
また、貫通孔2413の数を減らせることで、その分、第1入賞部材3400の強度を確保できる。ここで、第1入賞部材3400は比較的小型となるため、その強度の確保が困難である。一方、遊技釘YKが植設されるものとして、第1入賞部材3400が形成される場合は、遊技釘YKを植設する際の打ち込み荷重に対し、或いは、遊技中に遊技球が遊技釘YKに衝突する際の衝撃に対し、強度を確保する必要がある。よって、遊技釘YKが植設される第1入賞部材3400では、貫通孔2412の数を減らせることが強度確保の観点から特に有効となる。
また、ベース板60には、入賞口ユニット3300の第1入賞部材3400を支持する傾斜面3060d2に所定の傾斜角度(本実施形態では5度)が付与され、第1入賞部材3400には、傾斜面3060d2に支持される本体部3410に対して垂直に釘が植設されるので、第1入賞部材3400の姿勢(第1姿勢又は第2姿勢)を変更しても、ベース板60に対する釘の傾斜角度を一定に維持することができる。
次いで、図19及び図20を参照して、第4実施形態について説明する。第2実施形態では、第1入賞部材2400を交換した場合に締結するネジを交換前と交換後とで同一の雌ねじ部分(円環突起2060d1)に螺合する場合を説明したが、第4実施形態では、第1入賞部材3400を交換した場合に、第1入賞部材3400を締結するネジが交換前と交換後とで異なる雌ねじ部分(円環突起2061d1)に螺合される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図19(a)は、第4実施形態における遊技盤13の正面図であり、図19(b)は、図19(a)のXIXb−XIXb線における遊技盤13の断面図である。図20は、遊技盤13の分解斜視正面図である。なお、図20では、センターフレーム86が取り外された状態が図示される。また、図19及び図20では、入賞口ユニット4300及びベース板60の外形が簡略化されて図示される。
図19及び図20に示すように、第4実施形態における入賞口ユニット4300は、その一部(第1入賞部材4400)が凹設部2060cの内側に挿入されると共にベース板60の前面側(図19(a)紙面手前側)からタッピングネジ等により固定される。
凹設部2060cの中央開口(センターフレーム86)側の周囲には、ベース板60の前面側(図19(a)紙面手前側)から背面側(図19(b)紙面奥側)に向かって凹設される窪み部4060dが形成される。
窪み部4060dには、円環形状に形成されると共に、正面側に突出する円環突起2060d1が形成される。なお、本実施形態における円環突起2060d1は、窪み部4060dに上下方向(図20上下方向)に3個並んで形成されると共に、凹設部2060cを挟んで合計6個形成される。
入賞口ユニット4300は、ベース板60の凹設部2060cの内側に配設される第1入賞部材4400と、その第1入賞部材4400及びベース板60の前面側に配設される第2入賞部材3500とから形成される。
第1入賞部材4400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部4410と、その本体部4410の背面側から膨出する膨出部2420と、正面側から打ち込まれる遊技釘YKとから形成される。
本体部4410は、板厚方向に断面円形状に貫通する貫通孔2413を備えて形成される。貫通孔2413は、第1入賞部材4400がベース板60に配設された状態において、ベース板60に形成される6個の円環突起2060d1の前面側(図19(b)右側)にそれぞれ形成される。即ち、貫通孔2413は、本体部4410に6箇所形成される。
よって、第1入賞部材4400を窪み部4360dの内側に配設する場合に、拡径部2413aの内側にそれぞれ円環突起2060d1を挿入できる。なお、第4実施形態では、第1入賞部材4400とベース板60とを締結する皿ネジN2が2本とされ、6個の円環突起2060d1のうちの2箇所に皿ネジN2が螺合される。
なお、皿ネジN2を螺合する円環突起2060d1は、凹設部2060cを挟んで左右方向両側に形成される2箇所の窪み部4060dからそれぞれ1箇所ずつとすることが好ましい。これによれば、第1入賞部材4400の長手方向両端で皿ネジN2を締結することができる。よって、第1入賞部材4400が遊技球の衝突や衝撃によりベース板60に対して揺れ動くことを抑制できる。
第2入賞口4500は、正面視横長矩形の板状体から形成されるベース部材4510と、そのベース部材4510の正面側に(図19(b)右側)に突出形成される球入賞部材320とを主に備えて形成される。
ベース部材4510は、正面視において凹設部2060cよりも長手方向(図19(a)左右方向)の幅寸法が大きく形成される。これにより、ベース部材4510を凹設部2060cの正面側に配設できると共に、ベース部材4510の長手方向両端部をベース板60の前面に当接できる。
ベース部材4510は、球入賞部材320の背面側に貫通形成される開口部311と、長手方向(図19(a)左右方向)両端部に貫通する貫通孔313と、長手方向(図19(a)左右方向)両側から、上方(図19(a)上方)に延設される覆設部材4511とを備える。
覆設部4511は、第2入賞部材4500がベース板60に配設された状態において、ベース板60の円環突起2060d1の正面側に位置して形成される。これにより、第1入賞部材4400を締結する皿ネジN2の正面側に覆設部材4511が配設され、第1入賞部材を締結するネジを遊技者から視認し難くできる。また、第1入賞部材3400を第2入賞部材3500をベース板60から取り外した後で、第1入賞部材3400の取り外しが可能となるので、不正操作により遊技者が遊技盤13の正面に配設される前面枠14を開放して、第1入賞口3400のみを取り外して不正を働くことを抑制できる。同時に皿ネジN2が締結されていない貫通孔2413を覆設して遊技者から視認し難くできる。
以上のように構成される入賞口ユニット4300によれば、第1入賞部材4400の遊技釘YKが折れた場合や、遊技釘YKが第1入賞部材4400から抜け落ちた場合に、第2入賞部材3500をベース板60から取り外した後に、不良の第1入賞部材4400を取り外して、新しい(正常な)第1入賞部材4400を取り付けることで修理することができる。
上述したように、入賞口ユニット4300の第1入賞部材3300には、複数の円環突起2060d1の雌ねじに対応する位置に貫通孔2413がそれぞれ貫通形成されるので、1の雌ねじのねじ山にへたり(摩耗やかじり)が生じた場合には、他の雌ねじを使用できる。よって、交換回数が嵩んだ場合でも、締結固定の信頼性を確保することができる。
また、第4実施形態では、第1入賞部材4400をベース板60に取り付ける場合に、6個の円環突起2061d1に対して2個の皿ネジN2で締結されるので、他の雌ねじを使用する場合に、第1入賞部材4400の姿勢を変更する必要がない。即ち、第1入賞部材4400が選択可能な姿勢の数に雌ねじの数が限定されない。よって、雌ねじの数をより多く確保することができる。その結果、第1入賞部材4400の交換可能な回数をより多く確保できる。
さらに、第2入賞部材4500には、覆設部4511が形成され、その覆設部4511が、第1入賞部材4400の前面側に位置して配設されるので、皿ネジN2が挿通されていない貫通孔2413を被覆して、遊技者から隠すことができる。よって、外観の向上を図ることができる。また、第1入賞部材4400の下側(図19(a)下側)のみが皿ネジN2により遊技盤13に締結固定されている場合に、第1入賞部材4400の前面に第2入賞部材4500の覆設部4511が張り出されていることで、第1入賞部材4400の上側(図19(a)上側)の浮き上がりを抑制できる。
次いで、図21及び図22を参照して、第5実施形態について説明する。第2実施形態では、第1入賞部材2400を締結する皿ネジN2の螺合対象(円環突起2061d1の雌ねじ)をベース板60に形成する場合を説明したが、第5実施形態では、皿ネジN2の螺合対象(雌ねじ)が別部材に形成される。なお。上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図21(a)は、第5実施形態における遊技盤13の正面図であり、図21(b)は、図21(a)のXXIb−XXIb線における遊技盤13の断面図である。図22は、遊技盤13の分解斜視正面図である。なお、図22では、センターフレーム86が取り外された状態が図示される。また、図21及び図22では、入賞口ユニット5300及びベース板60の外形が簡略化されて図示される。
図21及び図22に示すように、第5実施形態における入賞口ユニット5300は、その一部(第1入賞部材2400)が凹設部2060cの内側に挿入されると共に、ベース板60の前面側(図21(a)紙面手前側)からタッピングネジ等により固定される。
凹設部2060cの中央開口(センタフレーム86)側の周囲には、ベース板60の前面側(図21(a)紙面手前側)から背面側(図21(a)紙面奥側)に向かって凹設される窪み部5060dが形成される。
窪み部5060dは、正面視における外形が第1入賞部材2400の外形と略同一に形成される。これにより、窪み部5060dの内側に第1入賞部材2400を挿入して配設できる。また、窪み部5060dには、前面側から背面側に貫通する挿通孔5060d3が形成される。
挿通孔5060d3は、正面視円形状に形成されており、ベース板60に第1入賞部材5400を配設した状態において、第1入賞部材5400の貫通孔2413の軸と同軸上に形成される。
また、遊技盤13には、ベース板60の背面側に正面視円形状の板からなる回転部材5600が配設される。また、回転部材5600の背面側には、円柱状に形成され、回転部材5600の中心に挿入される回転軸部5650が配設される。
回転部材5600は、その中心に円形に貫通する軸孔5610と、回転部材5600の中心からそれぞれ同一距離離間する位置に貫通形成される複数の締結孔5620とを備える。軸孔5610は、後述する回転軸部5650が内側に配設される孔であり、その内径が回転軸部5650(支持部5660)の外径よりも小さく形成される。
締結孔5620は、回転部材5600の中心を軸とする周方向にそれぞれ隣合う締結孔5620と所定の角度分離間して形成される。本実施形態では、締結孔5620が回転部材5600に8箇所形成され、それぞれ隣合う締結孔5620が回転部材5600の軸を中心に略45度離間する位置に形成される。また、締結孔5620は、第1入賞部材2400を締結するための皿ネジN2が螺合される部分であり、タッピング加工により内側に雌ねじが形成される。
回転軸部5650は、回転部材5600を回転可能に支持する支持部であり、円柱状に形成される支持部5660と、その支持部5660の背面側に位置し径方向外側に膨出する係合部5670とを主に備えて形成される。
支持部5660は、その外径が回転部材5600の軸孔5610の内径よりも小さく形成される。これにより、支持部5660を軸孔5610の内側に挿入して、軸孔5610を回転可能に支持できる。また、支持部5660には、前面側から背面側に貫通する貫通孔5661が2箇所に形成される。背面側から貫通孔5661にネジを挿通すると共に、ベース板60の背面側に螺合することで、回転軸部5650がベース板60から脱落不能に保持される。
係合部5670は、外形が回転部材5600の軸孔5610の内径よりも大きく形成される。これにより、回転部材5600の軸孔5610の内側に回転軸部5650の支持部5660を挿入した場合に回転部材5600が背面側に抜け落ちることを抑制できる。
回転部材5600は、その中心がセンターフレーム86が配設されるベース板60の中央開口よりも下方に位置して配設されると共に、その一部がベース板60の凹設部2060cの背面側に位置される。また、複数の締結孔5620は、そのうちの2箇所がベース板60の窪み部5060dの挿通孔5060d3の同軸上に配置される。これにより、後述する第1入賞部材5400を皿ネジN2で締結固定できる。
上述したように、回転部材5600は、ベース板60に対して回転可能に配設され、締結孔5620が回転部材5600の中心を軸とする周方向に一定間隔で形成されるので、回転部材5600を回転した場合に、2箇所の挿通孔5060d3と2箇所の締結孔5620との軸位置を合わせることができる。
入賞口ユニット5300は、ベース板60の凹設部2060cの内側に配設される第1入賞部材5400が形成される。第1入賞部材5400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部5410と、その本体部5410の背面側から膨出する膨出部2420と、前面側から打ち込まれる遊技釘YKとから形成される。
本体部5410は、板厚方向に円形状に貫通する貫通孔2413が形成される。貫通孔2413は、第1入賞部材5400がベース板60に配設された状態において、ベース板60に形成される2箇所の挿通孔5060d3と同軸上に形成される。よって、第1入賞部材5400の前面側から皿ネジN2を貫通孔2413に挿入させることで、皿ネジN2先端をベース板60の挿通孔5060d3に挿通させることができる。上述したように、挿通孔5060d3の背面側には、回転部材5600の締結孔5620が位置されるので、皿ネジN2を締結孔5620に締結固定できる。
以上のように、構成される入賞口ユニット5300及び回転部材5600によれば、第1入賞部材5400の遊技釘YKが折れた場合や、遊技釘YKが第1入賞部材5400から抜け落ちた場合に、第2入賞部材2500をベース板60から取り外した後に、不良の第1入賞部材5400を取り外し、新しい(正常な)第1入賞部材5400を取り付けることで修理することができる。
また、ベース板60の背面に変位可能に支持されると共に複数の雌ねじが形成される円盤部材5600を備えるので、1の雌ねじのネジ山にへたり(摩耗やかじり)が生じた場合には、円盤部材5600を変位させることで、他の雌ねじを使用できる。よって、入賞口ユニット5300の第1入賞部材5400の交換回数が嵩んだ場合でも、締結固定の信頼性を確保することができる。
即ち、第5実施形態では、回転部材5600が、ベース板60に対して回転可能に配設されると共に、皿ネジN2を螺合できる締結孔5620が周方向に一定の間隔で複数箇所(8箇所)に形成される。よって、第1入賞部材5400を交換する場合には、回転部材5600を回転させると共に、皿ネジN2の螺合が一度もされていない締結孔5620とベース板60の挿通孔5060d3とを位置わせした後に、交換後の第1入賞部材5400に皿ネジN2を挿通して、締結孔5620に螺合させる。これにより、皿ネジN2を締結するための雌ねじを第1入賞部材5400の交換前と交換後とで異ならせることができる。
よって、皿ネジN2が螺合される雌ねじ部分(締結孔5620)を第1入賞部材5400の交換に伴って変更できるので、雌ねじ部分がへたることを抑制できる。その結果、第1入賞部材5400の締結固定の信頼性を確保することができる。
特に、第5実施形態では、円盤部材5600がベース板60の背面に支持されているので、第1入賞部材5400を取り外した際に、円盤部材5600が脱落しないように、又は、第1入賞部材5400を取り付ける際に、皿ネジN2を円盤部材5600の雌ねじに螺合させるために、ベース板60の背面から作業者が手で円盤部材5600を保持しておく必要がない。よって、第1入賞部材5400を交換する際に、遊技盤13を開放させる必要がなく、遊技盤13を閉じた状態のままで、前面から第1入賞部材5400の交換作業を行うことができる。よって、第1入賞部材5400を交換する作業の作業性を向上できる。
また、円盤部材5600が、正面視円形に形成されると共にその円形の中心を回転軸としてベース板60に回転可能に軸支されるので、皿ネジN2を螺合させる雌ねじを変更する為に、円盤部材5600を回転させても、遊技者から視認される円盤部材5600の外観を一定に維持できる。特に、ベース板60が光透過性の材料から形成され、円盤部材5600がベース板60を介して透視される場合には、正面視円形の形状が外観の維持に対して特に有効となる。
さらに、ベース板60は、第1入賞部材5400が配設される領域に開口形成されると共に、円板部材5600に連通される凹設部2060cを備えるので、かかる凹設部2060cを介して、ベース板60の正面から円盤部材5600を作業者が操作することを可能とできる。即ち、第1入賞部材5400を取り付ける際に、円盤部材5600を回転させて雌ねじを位置を調整しておく必要があるところ、かかる調整を、遊技盤13を閉じた状態のままで行うことができる。また、第1入賞部材5400により被覆して凹設部2060cを遊技者から隠すことができる。よって、外観の向上を図ることができる。
次いで、図23及び図24を参照して、第6実施形態について説明する。第2実施形態では、第1入賞部材2400を締結する皿ネジN2が遊技盤13の前面側から挿入される場合について説明したが、第6実施形態では、皿ネジN2が上方側から挿入される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図23(a)は、第6実施形態における遊技盤13の正面図であり、図23(b)は、図23(a)のXXIIIb−XXIIIb線における遊技盤13の断面図である。図24は、遊技盤13の分解斜視正面図である。なお、図23(a)及び図23(b)では、第2入賞部材2500が取り外された状態が図示され、図24では、センターフレーム86が取り外された状態が図示される。また、図23及び図24では、入賞口ユニット6300及びベース板60の外形が簡略化されて図示される。
図23及び図24に示すように、第6実施形態におけるベース板60は、凹設部2060cの中央開口(センターフレーム86)側の周囲に前面側(図23(a)紙面手前側)から背面側に向かって凹設される窪み部6060dが形成される。
窪み部6060dは、正面視における外形が第1入賞部材2400の外形と略同一に形成される。これにより、窪み部6060dの内側に第1入賞部材6400を挿入して配設できる。また、窪み部6060dが形成された下面には、下方に凹設される締結孔6060d4が複数個形成される。
締結孔6060d4は、上面視円形状に形成されており、ベース板60に第1入賞部材6400を配設した状態において、第1入賞部材6400の貫通孔6413の軸と同軸上に形成される。
入賞口ユニット6300は、ベース板60の凹設部2060cの内側に配設される第1入賞部材6400と、その第1入賞部材6400及びベース板60の前面側に配設される第2入賞部材2500とから形成される。
第1入賞部材6400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部6410と、その本体部6410の背面側から膨出する膨出部2420と、前面側から打ち込まれる遊技釘YKとから形成される。
本体部6410及び膨出部2420には、上下方向(図23(a)上下方向)に貫通する貫通孔6413が複数個形成される。貫通孔6413は、第1入賞部材5400を締結するためのネジN4を挿入する孔であり、ネジN4の先端の外径よりも大きく形成される。また、貫通孔6413は、上端側がネジN4の頭部を挿入可能な大きさに拡径される。これにより、第1入賞部材5400を締結した場合に、ネジN4の頭部が上方(センタフレーム86)側に突出することを抑制できる。
貫通孔6413は、第1入賞部材6400の長手方向(図23(a)左右方向)の両端に3箇所ずつ形成される(合計6箇所形成される)。上述したように、第1入賞部材6400の貫通孔6413は、ベース板60の締結孔6060d4と同軸上に形成される。よって、第1入賞部材6400は、ネジN4を貫通孔6413に挿通すると共に、締結孔6060d4に螺合することで、ベース板60に締結固定される。
以上のように構成される入賞口ユニット6300によれば、第1入賞部材6400の遊技釘YKが折れた場合や、遊技釘YKが第1入賞部材6400から抜け落ちた場合に、センターフレーム86をベース板60から取り外した後に、不良の第1入賞部材540を取り外し、新しい(正常な)第1入賞部材6400を取り付けることで修理することができる。
上述したように、貫通孔6413は、第1入賞部材6400に複数箇所(6箇所)形成される。よって、第1入賞部材6400を交換する場合には、交換後の第1入賞部材6400をベース板60に配置したあとに、ネジN4の螺合が一度もされていない締結孔6060d4と同軸上に位置する貫通孔6413にネジN4を挿通すると共に、ネジN4を締結孔6060d4に螺合させる。これにより、ネジN4を締結するための雌ねじを第1入賞部材6400の交換前と交換後とで異ならせることができる。
従って、ネジN4が螺合される雌ねじ(締結孔6060d4)を第1入賞部材6400の交換に伴って変更できるので、雌ねじがへたることを抑制できる。その結果、ベース板60へ螺合するネジN4が衝撃等で取り外れることを抑制できる。
また、貫通孔6413及び締結孔6060d4がベース板60の前面に略平行に延設されるので、貫通孔6413又はネジN4の頭が遊技盤13の前面(遊技面)に露出されないようにできる。よって、ネジN4が挿通されていない貫通孔6413を遊技者に視認させ難くできるので、貫通孔6413を被覆するための他の部材の面積を抑制または不要とすることができる。また、ネジN4の頭が遊技球の転動面(遊技面)に露出されないので、ネジN4を皿ネジとすることや、ネジN4の頭を収容する座繰り(凹部)を設けることを不要とでき、構造を簡素化できる。
次いで、図25及び図26を参照して、第7実施形態について説明する。第2実施形態では、ベース板60に形成される円環突起2060d1に皿ネジN2を螺合する場合を説明したが、第7実施形態では、皿ネジN2が螺合される螺合部分(円環突起2060d1)が第1入賞部材7400に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図25(a)は、第7実施形態における遊技盤13の正面図であり、図25(b)は、図25(a)のXXVb−XXVb線における遊技盤13の断面図である。図26は、遊技盤13の分解斜視正面図である。なお、図26では、センタ―フレーム86が取り外された状態が図示される。また、図25及び図26では、入賞口ユニット7300及びベース板60の外形が簡略化されて図示される。さらに、図25(a)及び図25(b)では、入賞口ユニット7300の第1入賞部材2500が透明視されると共に、その外形が鎖線で図示される。
図25及び図26に示すように、第7実施形態におけるベース板60は、凹設部2060cの中央開口(センタフレーム86)側の周囲に背面側(図25(a)紙面奥側)から前面側(図25(a)紙面手前側)に凹設される窪み部7060dが形成され、その窪み部7060dの前面側の非凹設部分に遊技盤張出部7060kが形成される。
窪み部7060dは、背面視における外形が第1入賞部材7400の外形と略同一に形成される。これにより、窪み部7060dの内側に第1入賞部材7400を挿入して配設できる。また、窪み部7060dには、前面側に貫通する貫通孔7060eが複数個形成される。
貫通孔7060eは、正面視円形状に形成されており、ベース板60に第1入賞部材7400を配設した状態において、第1入賞部材7400の円環突起7414の軸と同軸上に形成される。また、貫通孔7060eは、前面側が皿ビスN2の頭部を収容できるように拡径して形成されると共に、背面側が円環突起7414を収容できるように拡径して形成される。即ち、拡径部7060eは、背面側に拡径部7060e1を備える。
拡径部7060e1は、後述する円環突起7414の外径よりも大きく形成されると共に、前面側への凹設寸法が後述する円環突起7414の突設寸法よりも小さく形成される。これにより、第1入賞部材7400をベース板60に配設した状態において、円環突起7414を拡径部7060e1の内側に挿入できると共に、円環突起7414の突設先端面を拡径部7060e1の凹設底面に当接させることができる。
即ち、第1入賞部材7400がベース板60に対して締結固定された状態では、第1入賞部材7400の背面とベース板60の前面との間に隙間が形成された状態を形成できる。よって、円環突起7414の弾性変形を利用して、第1入賞部座7400をベース板60に対して相対変位させやすくできる。その結果、例えば、第1入賞部材7400に遊技釘YKが植設される場合には、遊技中に遊技球が遊技釘YKに衝突する際の振動を吸収して、遊技釘YKの破損(折損)を抑制できる。
なお、この場合には、円環突起7414は、拡径部7060e1の内側寸法よりも小さい寸法に設定されることが好ましい。また、円環突起7414の突設先端と拡径部7060e1の凹設底面とを除き、他の部分では、第1入賞部材7400とベース板60とが当接しないことが好ましい。これらにより、円環突起7414をより弾性変形しやすくすることができる。
入賞口ユニット7300は、ベース板60の凹設部2060cの内側に配設される第1入賞部材7400と、その第1入賞部材7400及びベース板60の前面側に配設される第2入賞部材2500とから形成される。
第1入賞部材7400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部7410と、その本体部7410の前面側から膨出する膨出部7420と、その膨出部7420側(前面側)から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
膨出部7420は、本体部7410の長手方向(図25(a)左右方向)略中央位置に形成されると共に、本体部7410の長手方向において本体部7410よりも短く形成される。これにより、本体部7410の長手方向外側には、膨出部7420よりも外側に張り出した本体側張出部7437が形成される。本体部7410の本体側膨出部7437には、前面側のベース板60側に円環状に突出する円環突起7414が形成される。
円環突起7414は、本体部7410の長手方向両端部にそれぞれ2個ずつ形成される(合計4個形成される)。また、円環突起7414は、皿ネジN2が螺合される部分であり、円環状の内周部分に雌ねじが形成される。
第1入賞部材7400を締結する4本の皿ネジN2は、ベース板60の貫通孔7060eを挿通されると共に、第1入賞部材7400の円環突起7414に螺合される。これにより、第1入賞部材7400をベース板60に締結固定できる。
以上にように構成される入賞ユニット7300によれば、第1入賞部材7400の遊技釘YKが折れた場合や、遊技釘YKが第1入賞部材7400から抜け落ちた場合に、第2入賞部材7500をベース板70から取り外した後に、不良の第1入賞部材7400を取外して、新しい(正常な)第1入賞部材7400を取り付けることで修理することができる。
ここで、第1遊技盤部材(ベース板60)と、その第1遊技盤部材に締結固定され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材(入賞口ユニット3300)とを備えた遊技機が知られている。第2遊技盤部材には挿通孔(貫通孔2413)が、第1遊技盤部材にはめねじ(円環突起2060d1の内縁部分)が、それぞれ形成され、第2遊技盤部材の挿通孔に挿通されたねじ部材(皿ネジN2)が、第1遊技盤部材のめねじに螺合されることで、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材に対して締結固定される。かかる遊技機によれば、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に対して着脱できる。即ち、第2遊技盤部材に故障や破損が生じた場合には、かかる第2遊技盤部材のみを交換して、遊技盤全体としての交換を不要とすることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、第2遊技盤部材を交換する毎に、めねじとねじ部材との螺合が繰り返され、めねじのねじ山にへたり(摩耗やかじり)が生じるため、交換回数が嵩むと、締結固定の信頼性が低下するという問題点があった。
これに対し、第7実施形態によれば、皿ネジN2が挿通される貫通孔7060eがベース板60に形成されると共に、ベース板60の貫通孔7060eに挿通された皿ネジN2が螺合される雌ねじ(円環突起7414)が第1入賞部材7400に形成されるので、第1入賞部材7400を交換する際には、その交換に伴って、新しい雌ねじを使用できる。よって、交換回数が嵩んだ場合でも、締結固定の信頼性を確保することができる。
また、第1入賞部材7400の前面から突設される円環突起7414と、その円環突起7414を受け入れ可能にベース板60の背面に凹設される拡径部7060e1とを備え、雌ねじが第1入賞部材7400の円環突起7414に形成されると共に、貫通孔7060eがベース板60の拡径部7060e1に連通して形成されるので、雌ねじのネジ部(軸部)の長さを確保できる。よって、その分、皿ネジN2の軸力を高めることができ、第1入賞部材7400をベース板60に対して強固に締結固定しやすくできる。
なお、第1部材7400は、比較的小型となるため、その強度の確保が困難であるところ、円環突起7141に雌ねじを形成して、ネジ部の長さを確保することで、皿ネジN2に所定の軸力を付与可能としつつ、第1入賞部材7400の負担を分散させることができいる。即ち、円環突起7141に雌ねじを設ける構成が、強固な締結固定と構成部材の破損防止とを両立させる観点から特に有効となる。
また、第1入賞部材7400は、窪み部7060dが背面側から前面側に向かって凹設されるので、遊技釘YKを打ち込んだ場合に、ベース板60が破損することを抑制できる。
即ち、上述した第2実施形態では、窪み部2060dが前面側から背面側に向かって凹設されるので、遊技釘YKを第1入賞部材2400に打ち込んだ際の衝撃が、第1入賞部材2400から窪み部2060dの背面側部分(窪み部2060dにより薄肉化された部分)のベース板60に伝達される。従って、薄肉化された部分のベース板60には、窪み部2060dから離れる方向(背面方向)に力が作用する。その結果、窪み部2060dの角部分に力が集中して、ベース板60が破損する恐れがあった。
これに対し、第7実施形態では、遊技釘YKを打ち込んだ際の衝撃が、皿ネジN2から窪み部7060dの正面側部分(窪み部2060dにより薄肉化された部分)のベース板60に伝達される。従って、薄肉化された部分のベース板60には、窪み部7060d側に近づく方向に力が作用する。その結果、窪み部7060dの角部に力が集中することを抑制でき、ベース板60が破損することを抑制できる。
さらに、ベース板60には、第3図柄表示装置81を視認可能とするための中央開口(窓部)と、第1入賞部材7400を配設するための凹設部2060cとが開口形成され、それら中央開口と凹設部2060cとが連通されているので、第1入賞部材7400を交換する際に、ベース板60の中央開口を利用して作業者に第1入賞部材7400を握持(把持)させることができる。よって、第1入賞部材7400の交換作業の作業性の向上を図ることができる。例えば、第1入賞部材7400に遊技釘YKが植設される場合には、遊技釘YKを握持しなくても交換作業ができるので、新たに取り付ける第1入賞部材7400の遊技釘YKが握持されることを抑制して遊技釘が屈曲したり遊技釘YK同士の間隔が変更されることを抑制できる。
また、第1入賞部材7400には2本の遊技釘YKが植設され、それら2本の遊技釘YKを結ぶ仮想線の延長線上には雌ねじが非形成とされるので、第1入賞部材7400の割れを抑制できる。即ち、2本の遊技釘YKの植設に伴うひずみ(第1入賞部材7400の弾性変形)が2本の遊技釘YKを結ぶ仮想線の方向で重なるため、仮想線の延長線上の領域では、第1入賞部材7400の割れが発生しやすいところ、かかる領域には、雌ねじが非形成とされることで、遊技釘YKの植設に伴うひずみに、皿ネジN2の螺合に伴う負荷が更に重なることを抑制できる。その結果、第1入賞部材7400の割れを抑制できる。
なお、仮想線の延長線と雌ねじとの離間距離は、第1入賞部材7400の割れを抑制する観点より、皿ネジN2の外径の基準寸法(ネジの呼び径)以上に設定されることが好ましく、皿ネジN2の外径の基準寸法の2倍以上に設定されることがより好ましい。
次いで、図27(a)を参照して第8実施形態について説明する。第2実施形態では、第1入賞部材2400がベース板60に対して正面側から取り外し可能に形成される場合を説明したが、第8実施形態では、第1入賞部材8400がベース板60に対して上方側から取り外し可能に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図27(a)は、第8実施形態における遊技盤13の断面図である。なお、図27(a)は、図25(b)の断面図と対応する。また、図27(a)では、入賞口ユニット8300及び及びベース板60の外形が簡略化されて図示される。さらに、図27(a)では、入賞口ユニット8300の第2入賞部材2500が透明視されると共に、その外形が破線で図示される。
図27(a)に示すように、第8実施形態におけるベース板60は、ベース板60の背面に前面側へ向けて凹設される窪み部7060dと、その窪み部7060dの反対側に形成される(ベース板60の前面に背面側へ向けて凹設される)第2窪み部8060fと、窪み部7060d及び第2窪み部8060fの間に形成される突出部8060gと、窪み部7060dからベース板60の前面に貫通形成される貫通孔7060eとを主に備えて形成される。
第2窪み部8060fは、凹設部2060cに連なって形成されると共に、左右方向(図27(a)左右方向)の距離寸法が窪み部7060dの左右方向寸法よりも小さく形成される。貫通孔7060eは、窪み部7060dが形成される前面側に形成されると共に、第2凹設部8060fの左右方向外側に位置される。
突出部8060gは、後述する第1入賞部材8400の溝部8414の内側に挿入される板であり、窪み部7060dの上下方向(図27(a)紙面手前側から紙面奥側の方向)寸法と略同一の上下方向寸法に形成される。
入賞口ユニット7300は、ベース板60の凹設部2060cの内側に配設される第1入賞部材8400と、その第1入賞部材8400及びベース板60の前面側に配設される第2入賞部材3500とから形成される。
第1入賞部材8400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部8410と、その本体部8410の前面側から膨出する膨出部8420と、その膨出部8420側(前面側)から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
膨出部8420は、本体部8410の長手方向(図27(a)左右方向)略中央位置に形成されると共に、本体部8410の長手方向において本体部8410よりも短く形成される。また、膨出部8420には、本体部8410との連結部分側の左右方向(図27(a)左右方向)の側面から中央側に向かって溝部8421が形成(凹設)される。
本体部8410には、膨出部8420よりも長手方向外側に皿ネジN2を螺合できる雌ねじ(締結孔8415)が形成される。また、締結孔8415は、第1入賞部材8400をベース板60に配設した状態において、ベース板60の貫通孔7060eと同軸上に形成される。よって、第1入賞部材8400は、皿ネジN2を貫通孔7060eに挿入した後に締結孔8415に螺合することでベース板60に締結固定される。
溝部8421は、本体部8410の短手方向(図27(a)紙面手前側と紙面奥側とを結ぶ方向)に全域に形成される。また、溝部8421は、その前後方向(図27(a)上下方向)の対向間寸法が上述した突出部8060gの前後方向寸法よりも大きく形成されると共に、左右方向の凹設寸法が突出部8060gの突出寸法よりも大きく形成される。
これにより、第1入賞部材8400は、凹設部2060cの上方(図27(a)紙面手前側)から下方(図27(a)紙面奥側)に変位させると共に、溝部8421の内側に突出部8060gを挿入してベース板60に配設できる。即ち、突出部8060gと溝部8421とが係合した状態とされる。
以上のように構成される入賞口ユニット8300によれば、第1入賞部材8400の遊技釘YKが折れた場合や、遊技釘YKが第1入賞部材8400から抜け落ちた場合に、センターフレーム86をベース板60から取り外した後に、不良の第1入賞部材8400を取り外して、新しい(正常な)第1入賞部材8400を取り付けることで修理することができる。
上述したように、第1入賞部材8400をベース板60に締結するための締結孔8415は、第1入賞部材8400に形成される。よって、第1入賞部材8400を交換した場合には、第1入賞部材8400を締結するための締結孔8415も交換されるので、第1入賞部材8400を交換する度に雌ねじ部分が摩耗してへたることを抑制できる。その結果、第1入賞部材8400の締結孔8415に締結する皿ネジN2が衝撃等で取れる(緩む)ことを抑制できる。
また、第8実施形態では、上述したようにベース板60の凹設部2060cの内側面から突出される突出部8060gと、その突出部8060gを受け入れ可能に第1入賞部材8400の外側面に凹設されると共にベース板60の前面(遊技面)に平行な方向に沿って連続して延設され中央開口(窓部)に連なる溝部8421とを備えるので、第1入賞部材8400をベース板60の中央開口側へ抜き取ることを可能としつつ、遊技に伴う振動により或いは不正な手段により皿ネジN2がゆるんだり取り外された場合でも、ベース板60から第1入賞部材8400が脱落することを抑制できる。
即ち、突出部8060gと溝部8421とが係合した状態とされるので、仮に皿ネジN2が衝撃等で締結孔8415から抜け出た場合に、突出部8060gと溝部8421との係合により、第1入賞部材8400がベース板60に対して前後方向に動くことを抑制できる。
さらに、ベース板60の凹設部2060cの内側面から張り出し挿通孔7060eが形成される遊技盤張出部7060kと、第1入賞部材8400の外側面から張り出し雌ねじが形成される本体部側張出部7437とを備え、ベース板60の遊技盤張出部7060kから突出部8060gが突出されると共に、第1入賞部材8400の本体側張出部7437の非形成部分(膨出部8420の外側面)に溝部8421が凹設されるので、雌ねじのねじ部(完全ネジ部)の長さを確保できる。よって、その分、皿ネジN2の軸力を高めることができ、第1入賞部材8400をベース板60に対して強固に締結固定しやすくできる。
なお、第1入賞部材8400は、比較的小型となるため、その強度の確保が困難であるところ、ベース板60の遊技盤張出部7060kから突出部8060gが突出して、ネジ部の長さを確保することで、皿ネジN2に所定の軸力を付与可能としつつ、第1入賞部材8400の負担を分散させることができる。即ち、ベース板60の遊技盤張出部7060gから突出部8060gを突出する構成が、強固な締結固定と第1入賞部材8400の破損防止とを両立させる観点から特に有効となる。
次いで、図27(b)を参照して、第9実施形態について説明する。第2実施形態では、第1入賞部材2400がベース板60に対して正面側から取り外し可能に形成される場合を説明したが、第9実施形態では第1入賞部材9400がベース板60に対して上方側から取り外し可能に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図27(b)は、第9実施形態における遊技盤13の断面図である。なお、図27(b)は、図25(b)の断面図と対応する。また、図27(b)では、入賞口ユニット8300及びベース板60の外形が簡略化されて図示される。さらに、図27(b)では、入賞口ユニット8300の第2入賞部材2500が透明視されて図示されると共に、その外形が破線で図示される。
図27(b)に示すように、第9実施形態におけるベース板60は、背面側(図27(b)上方側)から前面側(図27(b)下方側)に凹設される窪み部9060dを備えて形成される。窪み部9060dには、ベース板60の背面側の端部における内壁から内側に向かってする突出部9060gが突出して形成される。
突出部9060gは、窪み部9060dの背面と突出部9060gとの対向面を形成するための壁部であり、窪み部9060dの背面と所定の間隔を隔てて形成される。これにより、後述する第1入賞部材9400の係合部9417を窪み部9060dの背面と突出部9060gとの対向間に挿入できる。
また、突出部9060gは、ベース板60の幅方向(図27(b)左右方向)の突出先端位置が、貫通孔7060eよりもベース板60の幅方向方向外側に設定される。これにより、皿ネジN2と第1入賞部材8400との螺合距離を確保することができる。
入賞口ユニット9300は、ベース板60の凹設部2060cの内側に配設される第1入賞部材9400と、その第1入賞部材9400及びベース板60の前面側に配設される第2入賞部材2500とから形成される。
第1入賞部材9400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部9410と、その本体部9410の前面側から膨出する膨出部9420と、その膨出部9420側(前面側)から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
膨出部9420は、本体部9410の長手方向(図27(b)左右方向)略中央位置に形成されると共に、本体部9410の長手方向において本体部9410よりも短く形成される。また、本体部9410には、長手方向外側に皿ネジN2を螺合できる雌ねじ(締結孔8415)が形成される。また、締結孔8415は、第1入賞部材9400をベース板60に配設した状態において、ベース板60の貫通孔7060eと同軸上に形成される。よって、第1入賞部材9400は、皿ネジN2を貫通孔7060eに挿入した後に締結孔8415に螺合することでベース板60に締結固定される。
本体部9410には、背面側(図27(b)上方側)の長手方向(図27(b)左右方向)両端部から内側に凹設される凹設部9416が形成されることで、凹設部9146の前面側に左右方向外側に部分的に突出する係合部9417が形成される。
凹設部9416は、左右方向外側の端部に形成されると共に、上下方向全域に形成される。また、凹設部9416は、左右方向の凹設寸法が、ベース板60の突出部9060gの左右方向の突出寸法よりも大きく設定されると共に、前後方向の凹設寸法が、ベース板60の突出部9060gの前後方向寸法よりも大きく設定される。これにより、第1入賞部材9400は、凹設部2060cの上方側(図27(a)紙面手前側)から下方に変位させると共に、突出部9060gと窪み部9060dとの対向間に係合部9417を挿入して配設できる。その結果、突出部9060gと窪み部9060dとの対向間および係合部9417を係合した状態とできる。
以上の様に構成される入賞口ユニット9300によれば、第1入賞部材9400の遊技釘YKが折れた場合や、遊技釘YKが第1入賞部材9400から抜け落ちた場合に、センターフレーム86をベース板60から取り外した後に、不良の第1入賞部材9400を取り外して新しい(正常な)第1入賞部材9400を取り付けることで修理することができる。
上述したように、第1入賞部材9400をベース板60に締結するための締結孔8415は、第1入賞部材9400に形成される。よって、第1入賞部材9400を交換した場合には、第1入賞部材9400を締結するための締結孔8415も交換されるので、第1入賞部材9400を交換する度に雌ねじ部分が摩耗してへたることを抑制できる。その結果、第1入賞部材9400の締結孔9415に締結する皿ネジN2が衝撃等で取れる(緩む)ことを抑制できる。
また、第9実施形態では、上述したように第1入賞部材9400の外側面から突出される係合部9417と、その係合部9417を受け入れ可能にベース板60の凹設部2060cに内周面に凹設されると共にベース板60の前面(遊技面)に平行な方向に沿って連続して延設され中央開口に連なる窪み部9060dとを備えるので、第1入賞部材9400をベース板60の中央開口側へ抜き取ることを可能としつつ、遊技に伴う振動により或いは不正な手段により皿ネジN2がゆるんだり取り外された場合でも、ベース板60から第1入賞部材9400が脱落することを抑制できる。
即ち、突出部9060gと窪み部9060dとが係合した状態とされるので、仮に皿ネジN2が衝撃等で締結孔8415から抜け出た場合に、第1入賞部材8400がベース板60に対して前後方向に動くことを抑制できる。
ベース板60の凹設部2060cの内側面から張り出し貫通孔7060eが形成される遊技盤張出部7060kと、第1入賞部材9400の外側面から張り出し雌ねじが形成される本体側張出部7437とを備え、第1入賞部材9400の本体側張出部7437から係合部9417が突出されると共に、ベース板60の遊技盤張出部7060kの非形成部分に窪み部9060gが凹設されるので、雌ねじのネジ部(完全ネジ部)の長さを確保できる。よって、その分、皿ネジN2の軸力を高めることができ、第1入賞部材9400をベース板60に対して強固に締結固定しやすくできる。
なお、第1入賞部材9400は、比較的小型となるため、その強度の確保が困難であるところ、第1入賞部材9400の本体側張出部7437から係合部9417を突出して、ネジ部の長さを確保することで、皿ネジN2に所定の軸力を付与可能としつつ、第1入賞部材9400の負担を分散させることができる。即ち、第1入賞部材9400の本体側張出部7437から係合部9417を突出する構成が、強固な締結固定と第1入賞部材9400の破損防止とを両立させる観点から特に有効となる。
次いで、図28及び図29を参照して第10実施形態について説明する。第2実施形態では、第1入賞部材2400の膨出部2420の左右の両面が上下方向に連続して延設される(即ち、本体部2410の背面側に突出されない)場合を説明したが、第10実施形態の第1入賞部材10400における膨出部10420には左右方向外側に突出する突設部10422が形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図28(a)は、第10実施形態における第1入賞部材10400の背面斜視図であり、図28(b)は、第1入賞部材10400及びベース板60の分解斜視正面図である。図29(a)は、遊技盤13の正面図であり、図29(b)は、図29のXXIXb−XXIXb線における遊技盤13の断面図である。なお、図28(a)及び図28(b)では、第1入賞部材10400及びベース板60の外形が簡略化されて図示される。また、図29(a)及び図29(b)では、第2入賞部材2500が取り外された状態が図示される。
図28に示すように、第10実施形態におけるベース板60は、ベース板60の中央開口下側から下方に凹設される凹設部2060cと、その凹設部2060cに連結して凹設形成される窪み部2060dと、窪み部2060dの一部から背面側に切り欠き形成(開口形成)される切欠き部10060hとを主に備えて形成される。
切欠き部10060hは、後述する第1入賞部材10400に形成される突設部10422を受け入れる開口である。切欠き部10060hは、凹設部2060cに連通する開口として左右方向(図29(a)左右方向)外側へ向けてベース板60における窪み部2060dの形成部分の残部に切り欠き形成される。
入賞口ユニット10300は、ベース板60の凹部2060cの内側に配設される第1入賞部材10400と、その第1入賞部材10400及びベース板60の前面側に配設される第2入賞部材2500(図12参照)とから形成される。
第1入賞部材10400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部2410と、その本体部2410の背面側から膨出する膨出部2420と、その膨出部2420から本体部2410の長手方向外側(図29(a)左右方向)に突出する突設部10422と、本体部2410の前面から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
突設部10422は、本体部2410の短手方向(図29(a)上下方向)に膨出部2420を3等分した中間部分から本体部2410の長手方向(図29(a)左右方向)に突設される。また、突設部10422は、突設先端(左右の端部)外側が本体部2410の長手方向両端面(外周面)と略面一なる平坦面として形成され、設定され、本体部2410側から植設される2本の遊技釘YKを結ぶ仮想線の延長線上に沿って形成される。
さらに、膨出部10400は、2本の遊技釘YKを結ぶ仮想線に直交する方向(上下方向(図29(b)上下方向)における寸法が、突設部10422の寸法よりも大きくされるので、2本の遊技釘YKを結ぶ仮想線に直交する方向における第1入賞部材10400の剛性を高めることができる。その結果、第1入賞部材10400の破損を抑制できる。
また、本体部2410に形成される貫通孔2413は、正面視において本体部2410の上下左右の端部に形成され、上下の2箇所が突設部10422を挟んだ位置に形成される。これにより、第1入賞部材10400の剛性を高めるための領域と、ベース板60に第1入賞部材10400を締結固定するための領域との両者を効率的に確保できる。その結果、第1入賞部材10400の破損の抑制と第1入賞部材10400の小型化との両立を図ることができる。
上述した切欠き部10060hは、正面視において突設部10422の外形と略同一の形状に形成され、第1入賞部材10400がベース板60に配設された状態において、突設部10422が切欠き部10060hに圧入される。これにより、ベース板60に突設部10422を保持させることができる。即ち、突設部10422の少なくとも一部が保持される分、ベース板60の剛性を利用して、第1入賞部材10400の構成を高めることができる。その結果、第1入賞部材10400の破損を抑制できる。
また、遊技釘YKは、本体部2410の短手方向中間位置に打ち込まれる。よって、突設部10422は、本体部2410側に植設される2本の遊技釘YKを結ぶ仮想線の延長線上に沿って形成されるので、第1入賞部材10400の破損を抑制できる。即ち、2本の遊技釘YKの植生に伴うひずみ(第1入賞部材10400の弾性変形)が2本の遊技釘を結ぶ仮想線の方向で重なるため、仮想線の延長線上の領域では、第1入賞部材10400の割れが発生しやすいところ、かかる領域に突設部10422が形成されることで、その分、遊技釘YKの植設に伴うひずみを緩和することができる。よって、遊技釘YKの植設に伴うひずみに、遊技釘YKへの遊技球の衝突にともなう負荷が更に重なることを抑制できる。
以上のように構成される入賞口ユニット10300によれば、第1入賞部材10400の遊技釘YKが折れた場合や、遊技釘YKが第1入賞部材10400から抜け落ちた場合に、第1入賞部材2500をベース板60から取り外した後に、不良の第1入賞部材10400を取り外して新しい(正常な)第1入賞部材10400を取り付けることで修理することができる。
ここで、第1遊技盤部材(ベース板60)と、その第1遊技盤部材に着脱自在に配設され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材(第1入賞部材2400)とを備え、第2遊技盤部材の遊技面に釘(遊技釘YK)が植設された遊技機が知られている。かかる遊技機によれば、第2遊技盤部材の釘に折損が生じた場合には、第2遊技盤部材のみの交換により、遊技盤全体としての交換を不要とすることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、第2遊技盤部材が比較的小型に形成されるため、その第2遊技盤部材の剛性を確保することが困難である。そのため、遊技球の衝突により釘に外力が作用されると、第2遊技盤部材が破損しやすいという問題点があった。
これに対し、第10実施形態では、遊技釘YKへの外力の作用に伴う第1入賞部材10400の破損を抑制可能に形成されるので、遊技球の衝突により遊技釘YKに外力が作用された場合に、第1入賞部材10400が破損することを抑制できる。
即ち、第1入賞部材10400は、遊技釘YKが植設される膨出部2420と、その膨出部よりも厚み寸法が小さくされると共にベース板60に当接されて締結固定される本体側張出部2437とを備え、本体側張出部2437が、ベース板60との当接面から突設されると共に、膨出部2420に連なる突設部10422を備えるので、その分、膨出部2420の剛性を高めることができる。よって、遊技球の衝突により遊技釘YKに外力が作用された場合に、第1入賞部材10400が破損することを抑制できる。
また、上述したように、切欠き部10060hは、正面視において突設部10422の外形と略同一の形状に形成されるので、第1入賞部材10400をベース板60に配設した状態において、突設部10422の上下の面を切欠き部10060hと当接させることができる。これにより、遊技釘YKに遊技球が当接した場合に、第1入賞部材10400が破損することを抑制できる。
即ち、遊技釘YKに遊技球が上方から衝突した場合に、その衝突の衝撃により、遊技釘YKと第1入賞部材2400との連結部分を中心に、遊技釘YKの頭部側を下方に押し下げる回転力が作用する。第10実施形態では、遊技釘YKが打ち込まれる背面側部分で、突設部10422の上下の面を切欠き部10060hと当接させることができる。よって、遊技釘YKと第1入賞部材2400との連結部分を中心に、遊技釘YKの頭部側を下方に押し下げる回転力に対して、面同士で当接させすくできる。従って、遊技球が当接した衝撃を面同士で当接して力を分散することができる。その結果、第1入賞部材10400が破損することを抑制できる。
次いで、図30を参照して、第11実施形態について説明をする。第2実施形態では、第1入賞部材2400がベース板60に直接固定される場合を説明したが、第11実施形態の第1入賞部材10400は、ゴムカラーGCを間に介在させて、ベース板60に間接的に取り付けられる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図30(a)は、第11実施形態における第1入賞部材11400及びベース板60の分解斜視正面図であり、図30(b)は、第1入賞部材11400及びベース板60の断面図である。なお、図30(b)の断面図は、図25(b)の断面図と対応する。また、図30(a)及び図30(b)では、第1入賞部材11400及びベース板60の外形が簡略化されて図示される。
図30に示すように、第11実施形態におけるベース板60は、ベース板60の中央開口下側から下方に凹設される凹設部2060cと、その凹設部2060cに連結されつつベース板60の前面に凹設形成される窪み部2060dとを主に備えて形成される。
また、正面視における窪み部2060dの外周面(隙間形成面11060d5)は、正面側に向かって外側に傾斜した傾斜面として形成される。これにより、第1入賞部材11400と窪み部2060dとの対向間に隙間を形成できる。窪み部2060dには、前後方向に貫通されると共に、内面に雌ねじが形成される締結孔6060d4が形成される。これにより、第1入賞部材11400をベース板60に締結できる。
入賞口ユニット11300は、ベース板60の凹部2060cの内側に配設される第1入賞部材11310と、その第1入賞部材10400及びベース板60の前面側に配設される第2入賞部材2500(図12参照)とから形成される。
第1入賞部材11400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部11410と、その本体部11410の背面側から膨出する膨出部2420と、本体部11410側(前面側)から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
本体部11410は、正面視横長矩形の板状体から形成され、ベース板60の締結孔6060d4と同軸上に貫通形成される挿通孔11418を備える。挿通孔11418は、第1入賞部材11400を締結するネジN3を挿通させる孔である。挿通孔11418は、正面側が拡径されて形成され、その内側に後述するゴムカラーGCの大径側の頭部を挿入できる。また、挿通孔11418の内径は、ゴムカラーGCの小径側の胴部の外径よりも大きく形成される。これにより、ゴムカラーGCの小径側を挿通孔11418の内側に挿入できる。
ゴムカラーGCは、円環状に形成されると共に、胴部の軸方向の一方側に外側に拡径する大径部を備える。ゴムカラーGCは、ゴム状の弾性体から形成されており、外力が作用することで弾性変形することができる。また、ゴムカラーGCは、第1入賞部材11400の挿通孔11418の前面側と背面側と1個ずつ配設されており、挿通孔11418の内側に小径側(胴部)が挿入される。
第1入賞部材11400は、挿通孔11418の内側にゴムカラーGCを配設した状態で、正面側からネジN3を挿通してベース板60の締結孔6060d4に螺合することで、ベース板60に取り付けられる。よって、第1入賞部材11400とベース板60との間に弾性部材(ゴムカラーGC)が介設された状態にできる。
上述したように、ベース板60には、隙間形成面11060d5が形成され、窪み部2060dと第1入賞部材11400との対向間に隙間が形成されるので、弾性部材(カラー部材GC)の弾性変位に伴って、第1入賞部材11400がベース板60に対して相対変位した場合の両者の衝突を抑制することができる。
以上のように構成される入賞口ユニット11300によれば、第1入賞部材11400を第1入賞部材11400の遊技釘YKが折れた場合や、遊技釘YKが第1入賞部材11400から抜け落ちた場合に、第1入賞部材2500をベース板60から取り外した後に、不良の第1入賞部材11400を取り外して新しい(正常な)第1入賞部材11400を取り付けることで修理することができる。
また、上述したように、ベース板60及び第1入賞部材11400よりも弾性係数が小さい材料からなるゴムカラーGCを備え、ベース板60に第1入賞部材11400がゴムカラーGCを介して配設されるので、ゴムカラーGCの弾性変形を利用して、第1入賞部材をベース板60に対して相対変位させやすくできる。即ち、その相対変位(弾性変形)により、遊技球の遊技釘YKへの衝突に伴う外力を吸収して、第1入賞部材11400の破損を抑制できる。
さらに、隙間形成面11060d5は、上述したように、正面側に向かって外側に傾斜して形成されるので、第1入賞部材11400の下側の隙間形成面11060d5を外側(前面)へ向けて下降傾斜する面とできる。よって、第1入賞部材11400とベース板60との間のゴミ等を、隙間形成面11060d5の下降傾斜を利用して前面側へ落とすことができる。従って、第1入賞部材11400とベース板60との間にゴミ等が詰まり第1入賞部材11400の動きが阻害されることを抑制できる。
また、ネジN3の頭部をゴムカラーGCに密着させることができる。よって、ネジN3を回転し難くできるので、遊技球が遊技釘YKに衝突した衝撃等でネジN3が回転して緩むことを抑制できる。
さらに、ゴムカラーGCが略筒状に形成され、貫通孔とネジN3の軸との間に介設されるので、ベース板60に対して第1入賞部材11400が相対変位する際の変位方向の自由度を高めることができる。即ち、ネジN3の軸に直交する方向だけでなく、ネジN3の軸に傾斜する方向(こじり方向)にも相対変位させやすくできる。その結果、遊技球の遊技釘YKへの衝突に伴う外力を吸収して、第1入賞部材11400の破損を抑制できる。
また、第1入賞部材11400の背面側に配設されるゴムカラーGCは、大径部がベース板60と第1入賞部材11400との間に介設されるので、ベース板60と第1入賞部材11400とをゴムカラーGCのみで連結できる(即ち、第1入賞部材11400からベース板60への振動伝達経路の少なくとも一部にゴムカラーGCのみからなる部分を形成できる)。よって、ベース板60に対して、第1入賞部材11400を相対変位させやすくして、遊技球の遊技釘YKへの衝突にともなう外力を吸収しやすくできる。
また、ネジN3の軸方向にも相対変位させることができ、ベース板60に対する第1入賞部材11400の相対変位方向の自由度を高めることができる。よって、この点からも、遊技球の遊技釘YKへの衝突にともなる外力を吸収しやすくできる。
さらに、ゴムカラーGCの外径部がベース板60と第1入賞部材11400との間に介設されることで、ベース板60に対して第1入賞部材11400が自重で傾倒することを抑制できる。特に、経時に伴うゴムカラーGCの劣化時(へたり時)に特に有効となる。
次いで、図31及び図32を参照して、第12実施形態について説明する。第2実施形態では、第1入賞部材2400の前面の全体が平坦面として形成される場合を説明したが、第12実施形態における第1入賞部材12400の前面は、その一部がベース板60の前面側に突出される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
図31(a)は、第12実施形態における第1入賞部材12400の分解斜視正面図であり、図31(b)は、図31(a)の第1入賞部材12400の分解上面図である。図32(a)は、第1入賞部材12400の上面図であり、図32(b)は、図32(a)の範囲XXXIIbにおける第1入賞部材12400の部分拡大上面図である。
図31及び図32に示すように、第12実施形態における第1入賞部材12400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部12410と、その本体部12410の背面側から膨出する膨出部2420と、本体部12410の前面側から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
本体部12410は、正面視横長矩形の板状体から形成され、皿ネジN2を挿通する貫通孔2413と、遊技釘YKが打ち込まれる孔の周囲から前面側に突出する円環部12419とを主に備えて形成される。
よって、遊技釘YKへの外力の作用に伴う第1入賞部材11400の破損を抑制可能に形成されるので、遊技球の衝突により遊技釘YKに外力が作用された場合に、第1入賞部材10400が破損することを抑制できる。
即ち、第1入賞部材12400は、遊技釘YKが植設される本体部12420から突出されると共に遊技釘YKの根本を囲う円環部12419を備えるので、遊技釘YKを保持する部分の剛性を円環部12419により高めることができる。よって、遊技球の衝突により遊技釘に外力が作用された場合に、第1入賞部材が破損することを抑制できる。
円環部12419は、その内径が遊技釘YKの先端部分の外径と略同一又は若干小さな寸法に設定される。また、円環部12419の内縁から外縁までの幅寸法L4(図32(b)参照)と、円環部12419の前面側への突出寸法L5(図32(b)参照)とは、円環部12419の外面が、遊技球Tが第1入賞部材12400の前面と遊技釘YKとに当接された状態における内側の空間N(図32(b)参照)に位置する大きさに設定される。なお、本実施形態では、内縁から外縁までの幅寸法L4と、円環部12419の前面側への突出寸法L5とが略同一に設定される(L4=L5)。
これにより、円環部12419に遊技球Tが衝突することを抑制できる。その結果、遊技領域を流下する遊技球が円環部12419に衝突して円環部12419が破損することを抑制できる。また、円環部12419が前面側に突出する分、遊技釘YKを支持する領域を大きくできる。その結果、遊技領域を流下する遊技球Tが遊技釘YKに衝突して第1入賞部材12400が破損することを抑制できる。
即ち、遊技釘YKと植設面12419とに当接された遊技球の外面よりも、第1入賞部材12400側に円環部12419が位置されるので、遊技球Tが円環部12419に衝突することを回避して、円環部12419が破損することを抑制できる。
また、円環部12419の突出先端部の内縁には、前面側に向かって拡径する傾斜部12419aが形成される。これにより、第1入賞部材12400に遊技釘YKを打ち込む際に、遊技釘YKの先端を円環部12419の内側に案内することができる。
ここで、第1入賞部材12400は、ベース板60と異なる部材から形成され、遊技釘YKが折れた場合や、遊技釘YKが第1入賞部材12400から抜け落ちた場合に、新しい(正常な)第1入賞部材12400に取り換え可能とされる。そのため、第1入賞部材12400の交換部品を形成する場合には、第1入賞部材12400のみに遊技釘YKを打ち込む作業が行われる。
第1入賞部材12400は、ベース板60に比べて小さい部品であるため、遊技釘YKを打ち込む際の第1入賞部材12400の位置決めを確実に行う必要がある。従って、第1入賞部材12400に遊技釘YKを打ち込む際の治具が複雑化する恐れがあった。
これに対し、第12実施形態では、傾斜部12419aが形成されるので、第1入賞部材12400に遊技釘YKを打ち込む際の位置ずれを吸収することができる。その結果、第1入賞部材12400に遊技釘YKを打ち込む際の治具を簡易化することができる。
また、傾斜部12419aの前後方向(図32(b)の前後方向)寸法は、円環部12419の突出寸法よりも小さく設定される。よって、円環部12419の形成により、第1入賞部材12419の破損を防止できると共に、第1入賞部材12400に遊技釘YKを打ち込む際の治具を簡易化することができる。
さらに、円環部12419は、本体部12410側に向かって、本体部12410側に向かって断面積が大きくされるので、遊技球が円環部12419に衝突することを回避しつつ、遊技釘YKを保持する部分の剛性をより高めることができる。即ち、遊技釘YKが円環部12419に直接衝突することによる円環部12419の破損と、遊技球Tが遊技釘YKに衝突することによる第1入賞部材12410の破損との両者を効果的に抑制できる。
なお、円環部12419の断面積とは、遊技釘YKの植設方向に直交する平面で円環部12419を切断した断面を意味する。この場合、円環部の断面形状は任意であり、例えば、円形、楕円形、多角形これらの組み合わせが例示される。但し、円環部12419の断面形状は、円形に形成されることが好ましい。遊技球との衝突を回避しつつ、円環部12419の体積を最大として、その剛性をより高めることができるからである。
次いで、図33及び図34を参照して、第13実施形態について説明する。第2実施形態では、第2入賞部材2400がベース板60の前面側から取り付けられる場合を説明したが、第13実施形態では、第2入賞部材13400がベース板60の背面側から取り付けれる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図33(a)は、第13実施形態における遊技盤13の断面図であり、図33(b)は、図33(a)のXXXIIIb−XXXIIIb線における遊技盤13の断面図である。図34は、遊技盤13の分解斜視正面図である。なお、図33及び図34では、第2入賞口2500が取り外された状態が図示される。また、図33及び図34では、第1入賞部材13400及びベース板60の外形が簡略化されて図示される。
図33及び図34に示すように、第13実施形態におけるベース板60は、背面側(図33(b)上方側)から前面側(図33(b)下方側)に凹設される窪み部13060dを備えて形成される。窪み部13060dは、背面側に向かって階段状に左右方向方向に大きく形成されており、前面側に位置する第1収容部13060d7と、その第1収容部13060d7の背面側に位置しベース板60の背面と連結される第2収容部13060d8とを主に備えて形成される。
第1収容部13060d7は、後述する第1入賞部材13400の本体部13410を内側に収容する窪みであり、本体部13410の正面視における外形よりもやや大きい外形に形成される。また、第1収容部13600d7の前後方向(図33(b)上下方向)の深さ寸法は、本体部13410の前後方向の厚み寸法と略同一または、少し大きく形成される。これにより、第1入賞部材13400を凹設部2060cの内側に配設した場合に、第2収容部13060d8側に本体部13410が突出することを抑制できる。
第2収容部13060d8は、後述する背面部材13700を内側に収容する窪みであり、背面部材13700の正面視における外形よりもやや大きい外形に形成される。また第2収容部13060d8の前後方向(図33(b)上下方向)の深さ寸法は、背面部材13700の前後方向の厚み寸法と略同一または、やや大きく形成される。
背面部材13700は、正面視横長矩形に形成され、センターフレーム86と一体に形成される。背面部材13700の長手方向寸法は、第1入賞部材13400の本体部13410の長手方向寸法よりも大きく形成される。
第1入賞部材13400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部13410と、その本体部13410の前面側から膨出する膨出部7420と、その膨出部7420側(前面側)から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
本体部13410は、左右の両端部に第1入賞部材13400をベース板60に締結するねじを螺合するための締結孔8415が形成される。これにより、皿ネジN2をベース板60の貫通孔7060eの内側に挿通させると共に締結孔8415に螺合させることで、第1入賞部材13400とベース板60を締結固定できる。
この場合、第1入賞部材13400は、センターフレーム86がベース板60に取り付けられる前に、ベース板60に取り付けられる。即ち、ベース板60に第1入賞装置13400を締結固定(配設)した後、センターフレーム86がベース板60に取り付けられる。これにより、ベース板60の第1収容部13060d7の前面と背面部材13700の正面との対向間に第1入賞部材13400が配設(挟持)される。また、第1入賞部材13060d7の上端面には、センターフレーム86の底面が対面される。
以上のように構成される遊技盤13によれば、第1入賞部材13400の遊技釘YKが折れた場合や、遊技釘YKが第1入賞部材13400から抜け落ちた場合にセンターフレーム86をベース板60から取り外した後に、不良の第1入賞部材13400を取り外して新しい(正常な)第1入賞部材13400を取り付けることで修理できる。
ここで、第1遊技盤部材(ベース板60)と、その第1遊技盤部材に締結固定され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材(第1入賞部材13400)とを備えた遊技機が知られている。かかる遊技機によれば、第2遊技盤部材を遊技盤に対して着脱できる。よって、第2遊技盤部材に故障や破損が生じた場合には、かかる第2遊技盤部材のみを交換して、遊技盤全体としての交換を不要とすることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、例えば、遊技に伴う振動に起因して、第1遊技盤部材への第2遊技盤部材の締結固定が解除される(緩む)恐れがあり、その場合には、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材が脱落する恐れがあるという問題点があった。
これに対し、第13実施形態では、ベース板60からの第1入賞部材13400の取り外しを規制できるので、例えば、ベース板60への第1入賞部材13400の締結固定が解除された(緩んだ)場合でも、第1入賞部材13400から第1入賞部材13400が脱落することを抑制できる。
即ち、ベース板60にセンターフレーム86が配設されると、そのセンターフレーム86の底面および背面部材13700が第1入賞部材13400の取り外し方向(上方および背面側)への移動を規制可能な位置に配設される。これにより、ベース板60への第1入賞部材13400の締結固定が解除された場合でも、センターフレーム86(背面部材13700)を利用して、ベース板60から第1入賞部材13400が脱落することを抑制できる。
ベース板60には、中央開口の下縁側の内側面に背面部材13700が配設されるので、ベース板60に対する背面部材13700の保持(例えば、締結固定)が解除されたとしても、背面部材をその自重を利用して、中央開口の下縁側の内側面に載置された状態に維持することができる。即ち、第1入賞部材13400の取り外し方向への移動を規制可能な位置に背面部材13700が配設された状態を維持することができる。その結果、ベース板60から第1入賞部材13400が脱落することを防止できる。
次いで、図35及び図36を参照して第14実施形態について説明する。第2実施形態では、第1入賞部材2400の正面側に第2入賞部材2500が配設される場合を説明したが、第14実施形態の第1入賞部材14400は、正面側に第2入賞部材2500が配設されることに加え、通路形成部材13800が係合状態で配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
図31は、第14実施形態における遊技盤13及び通路形成部材13800の分解斜視正面図である。図32(a)及び図32(b)は、遊技盤13及び通路形成部材13800の断面図である。なお、図32(a)及び図32(b)は、図15(b)の断面図と対応する。また、図32(a)では、通路形成部材13800が遊技盤13に取付前の状態が、図32(b)では、通路形成部材13800が遊技盤13に取付後の状態が、それぞれ図示される。図31では、第2入賞部材13500の図示が省略されると共に、外形が鎖線で図示される。
図35及び図36に示すように、第14実施形態における第1入賞部材14400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部2410と、その本体部2410の背面側(図36(a)左側)から膨出する膨出部2420と、本体部2410の前面側から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
膨出部2420は、凹設部14423aを備える。凹設部14423aは、膨出部2420の基部側(図36(a)右側)の下面(図36(a)下側の面)に上方(図36(a)上方)に向かって凹設される。
凹設部14423aは、内側に後述する通路部材14800の突設部14812が挿入される凹部であり、内側形状が突設部14812の外部形状と略同一に設定される。また、凹設部14423aの凹設寸法は、突設部14812の突設寸法よりも大きく設定される。従って、凹設部14423aの内側に突設部14812を挿入可能とされる。
通路部材14800は、外形が上下方向に長い長方体に形成されると共に、その内側に内部空間を備えて形成される。通路部材14800は、正面側(第1入賞部材14400側)の上端部に内部空間と外部とを連通できる開口14811と、上端面から上方に突出する突設部14812とを主に備えて形成される。
開口14811は、通路部材14800が遊技盤13に配設された状態において、第1入賞口64の背面側(図36(b)左側)に形成される。これにより、第1入賞口64から背面側に送球された遊技球を、開口14811を通して通路部材14800の内側に送球することができる。
突設部14812は、開口14811側(図36(b)右側)の端部から上方(図36(b)上方)に突出して形成される。突設部14812の凹設部14423aへの挿入は、第1入賞部材14400をベース板60に配設した状態において、通路部材14800をベース板60の背面側に位置させると共に、上方に変位させることで行われる。
なお、通路部材14800は、背面側からネジ(図示しない)を挿通させると共に、そのネジをベース板60の背面側に螺合させることでベース板60に取り付けられる。
以上のように構成される遊技盤13によれば、第1入賞部材14400の遊技釘YKが折れた場合や、遊技釘YKが第1入賞部材14400から抜け落ちた場合に、通路部材14800を取り外した後に、不良の第1入賞部材13400を取り外して新しい(正常な)第1入賞部材14400を取り付けることで修理できる。
ここで、第1入賞部材14400を前面側からのみの作業により取り外し可能とすると、遊技者の不正行為により前面枠14が開放された際に、遊技者が持ち込んだ第1入賞部材14400等に交換されやすくなる。
これに対して、第1入賞部材14400に突設部14812が形成されると共に、その突設部14812を受け入れ可能な凹設部14423aが通路部材14800に凹設され、突設部14812が凹設部14423aに係合されることで、第1入賞部材14400の取り外し方向への移動が規制されるので、突設部14812を凹設部14423aにより外部から遮蔽することができる。よって、突設部14812と凹設部14423aとの係合が不正に解除されることを抑制できる。
さらに、上述したように、通路部材14800は、遊技盤13の背面側からネジ(図示しない)によりベース板60の背面に取り付けられるので、第1入賞部材14400を取り外す不正を防止することができる。
即ち、第1入賞部材14400の突設部14812と通路部材14423の凹設部14423aとが凹設部2060cを介して係合されるので、ベース板60を利用して、正面から通路部材14423へアクセスし難くできる。よって、突設部14812と凹設部14423aとの係合が不正に解除されることを抑制できる。
さらに、第1入賞部材14400が通路部材14800と係合する状態とすることができるので、第1入賞部材14400をベース板60へ締結固定する皿ネジN2が衝撃等で外れた場合に、第1入賞部材14400が、ベース板60の前面側または背面側に移動して、ベース板60から脱落することを防止できる。
次いで、図37を参照して第15実施形態における第1入賞部材15400について説明する。第2実施形態では、第1入賞部材2400がベース板60に締結固定されるのみの場合を説明したが、第15実施形態では、第1入賞部材15400の鈎部15431がベース板60と係合される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
図37(a)は、第15実施形態における第1入賞部材15400の斜視正面図であり、図37(b)は、遊技盤13の断面図である。なお、図37(b)は、図14(c)の断面図に対応すると共に、第2入賞部材2500が取り外された状態が図示される。
図37に示すように、第15実施形態における第1入賞部材15400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部2410と、その本体部2410の背面側(図37(b)上側)から膨出する膨出部2420と、本体部2410の前面側から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
膨出部2420は、本体部2410の長手方向(図37(b)左右方向)における両端部の背面側(図37(b)上方)に突出すると共にその突出先端が本体部2410の長手方向(図37(b)左右方向)外側に屈曲形成される形状の鉤状部15431を備える。
鉤状部15431は、第1入賞部材15400をベース板60に配設した状態において、先端がベース板60の背面側(図37(b)の上方)に重なる位置に配置される。よって、第1入賞部材15400をベース板60に係合した状態にできる。従って、第1入賞部材15400をベース板60に締結する皿ネジN2が衝撃等により外れた場合に、第1入賞部材15400が、ベース板60の前面側(図37(b)下側)に落下することを防止できる。その結果、遊技者の遊技中に皿ネジN2が外れた場合に、遊技者が遊技を継続することができる。
鉤状部15431は、本体部2410に4個形成される貫通孔2413のうちの上方に形成される貫通孔2413と略同一の高さ位置に形成され、突出先端の屈曲形成された部分の背面(図37(b)下側の面)が、貫通孔2413の軸と重なる位置に形成される。即ち、鉤状部15431の屈曲部分の背面が、ベース板60に開口する貫通孔2413を塞ぐ。
また、鉤状部15431は、突出先端の外側面(本体部2410の長手方向外側の面)に傾斜面15431aが形成される。傾斜面15431aは、突出先端ほど細幅となるように傾斜して形成される。
これにより、第1入賞部材15400をベース板60に配設する場合に、ベース板60の前面側から挿入して配設可能とできる。即ち、鉤状部15431は、上述したように本体部2410の長手方向(図37(b)左右方向)に屈曲する分、本体部2410の長手方向における膨出部2420の幅寸法がベース板60の凹設部2060cの対向間の距離寸法よりも大きくされるので、第1入賞部材15400を配設する際に、鉤状部15431が凹設部2060cの対向間を挿通できなくなるところ、鉤状部15431には、傾斜面15431が形成されるので、傾斜面15431aを凹設部2060cの壁面に当接させることで、鉤状部15431を内側に弾性変形させることができ、第1入賞部材15400をベース板60の前面側から挿入して配設可能とできる。
従って、ベース板60への第1入賞部材15400の取り付けに伴い鉤状部15431aを介してベース板60と第1入賞部材15400とが直接係合され、第1入賞部材15400の取り外し方向への移動が規制されるので、第1入賞部材15400の脱落を防止するための工程を別途行う必要がない。よって、第1入賞部材15400の交換作業を簡素化できると共に、第1入賞部材15400の脱落を防止するための工程を実施し忘れることを抑制できる。
また、第1入賞部材15400に鉤状部15431が形成されるので、第1入賞部材15400を交換する際には、その交換に伴って、新しい鉤状部15431を使用できる。即ち、鉤状部16541がベース板60に配設され、爪部が第1入賞部材15400に係合される構成では、交換回数が嵩むと鉤状部16541の弾性変形が繰り返され、弾性力が低下するため、係合が解除されやすくなる。これに対し、第15実施形態によれば、交換回数が嵩んだ場合でも、交換毎に新しい鉤状部15431を使用できるので、係合の信頼性を確保することができる。
一方、第1入賞部材15400をベース板60から取り外す場合には、上述したように鉤状部15431の屈曲先端側の端部が、鉤状部15431と同一の高さ位置に形成される貫通孔2413の軸と重なる位置に形成されるので、第1入賞部材15400とベース板60とを締結する皿ネジN2を取り外した後に、第1入賞部材15400の貫通孔2413に、貫通孔2413よりも外形の小さい円柱状の治具を挿入することで、鉤状部15431を弾性変形させて取り外すことができる。
即ち、例えば、遊技盤13を開放して、その背面側から鉤状部15431の係合を解除する作業を行う必要がなく、遊技盤13を閉じたままで、鉤状部15431の係合を解除できる。よって、遊技盤13から第1入賞部材15400を取り外す作業の作業性を向上できる、即ち、鉤状部15431の係合を解除するために、遊技盤13を開放する必要がなく。遊技盤13を閉じたままの状態で、正面から第1入賞部材15400の交換を完了することができる。
また、通常の遊技状態時には、鉤状部15431aの係合を解除する孔の内部を遊技者から隠すことができるので、遊技盤13の意匠性を確保することができる。
次いで、図38を参照して、第16実施形態における第1入賞部材16400について説明する。第2実施形態では、第1入賞部材2400の膨出部2420の背面側がベース板60の背面と略同一の平面上に配置される場合を説明したが、第16実施形態では、第1入賞部材16400の膨出部16420がベース板60の背面側に突出される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
図38(a)及び図38(b)は、第16実施形態における遊技盤13及び前面枠14の断面図である。なお、図38(a)及び図38(b)では、第2入賞部材2500の図示が省略される。また、図38(a)及び図38(b)は、図14(c)の断面図に対応する。さらに、図38(a)では、第1入賞部材16400がベース板60に取り付けられた状態が図示され、図38(b)では、第1入賞部材16400がベース板60から取り外された状態が図示される。
図38(a)に示すように、第16実施形態では、第1入賞部材16400が、正面視横長矩形状の板状体から形成される本体部2410と、その本体部2410の背面側(図38(a)上側)から膨出する膨出部16420と、本体部2410の前面側から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
膨出部16420は、本体部2410の背面側に膨出して形成されており、前後方向(図38(a)上下方向)における幅寸法L7(図38(a)参照)が、ベース板60に第1入賞部材16400を配設した状態における遊技釘YKの頭部から前面枠14のガラスユニット16までの距離寸法L8(図38(a)参照)よりも大きく設定される(L7>L8)。
従って、図38(b)に示すように、第1入賞部材16400及び第2入賞部材2500をベース板60に締結する皿ネジN1,N2が外れて、第1入賞部材16400が前面側(図38(b)下側)に変位した場合に、第1入賞部材16400がベース板60から抜け出て落下することを抑制できる。
詳しく説明すると、膨出部の幅寸法L7が、遊技釘YKの頭部からガラスユニット13までの距離寸法L8よりも大きく設定されるので、遊技釘YKの頭部とガラスユニット13とが当接する最大距離分、第1入賞部材16400が変位した場合に、膨出部16420の少なくとも一部を凹設部2060cの対向間に位置させることができる。その結果、ベース板60への第1入賞部材16400の締結固定が解除された場合でも、ガラスユニット13を利用して、ベース板60から第1入賞部材16400が脱落することを抑制できる。
また、この場合、第1入賞部材16400の遊技釘YKの先端がガラスユニット13に当接されることで、ベース板60から第1入賞部材16400が脱落することを抑制できる。即ち、遊技釘YKの長さを利用できる分、第1入賞部材16400の厚み寸法(取り外し方向における寸法)を小さくできる。
次いで、図39及び図40を参照して、第17実施形態について説明する。第2実施形態では、第1入賞部材2400がベース板60に締結固定されるのみの場合を説明したが、第17実施形態では、第1入賞部材17400のボールプランジャ17450が、センターフレーム86に係合する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
図39は、第17実施形態における遊技盤13の分解斜視正面図である。図40(a)は、遊技盤13の正面図であり、図40(b)は、図40(a)のXLb−XLb線における遊技盤13の断面図である。なお、図39では、センターフレーム86の図示が省略される。また、図39、図40(a)及び図40(b)では、第2入賞部材2500の図示が省略される。
図39及び図40に示すように、第17実施形態における第1入賞部材17400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部2410と、その本体部2410の背面側(図40(b)左側)から膨出する膨出部2420と、本体部2410及び膨出部2420の上面側(図40(b)上側面)に配設されるボールプランジャ17450と、本体部2410の前面側から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
ボールプランジャ17450は、筒状に形成されると共に一方側(図40(b)下側)が塞がれる保持部17451と、その保持部17451の内側に配設される球状の球体17452と、その球体17452と保持部17451の一方との間に配設される弾性体のバネ部材17453とを主に備えて形成される。
保持部17451は、円筒状に形成されると共に、開放側の他方側(図40(b)上側)の内径が、内部に配設される球体17452よりも小さくされる。よって、球体17452が保持部17451内側から抜け出ることを抑制できる。
バネ部材17453は、螺旋状に巻かれて形成されるバネであり、球体17452と保持部17451の底面との間に予圧縮をされた状態で配設される。これにより、球体17452の一部を保持部17451の外側に突出させた状態で保持できる。
ボールプランジャ17450は、保持部17451の上端面(開放側の面)(図40(b)上端の面)が、第1入賞部材17400の本体部2410及び膨出部2420の上面と同一平面上に位置される。また、ボールプランジャ17450は、本体部17410の長手方向(図40(a)左右方向)略中間位置に配設されると共に、第1入賞部材2410の前後方向(図40(b)左右方向略中間位置に配設される。
センタフレーム86は、その下端部(図40(b)下側端部)に、背面側に屈曲形成された屈曲部17086aを備える。屈曲部17086の下面は、背面側に向かって上方に傾斜する傾斜面17086a1が形成される。
また、傾斜面17086a1の前後方向(図40(b)左右方向)略中央位置から対向するベース板60の端面までの対向間寸法L9は、第1入賞部材17400が、ベース板60に配設されていない状態における、第1入賞部材17400の上下方向(図40(b)上下方向)寸法よりも小さく形成される。よって、第1入賞部材17400をベース板60に配設した場合に、球体17452を保持部17451の内側に挿入した状態にできる。
この場合、上述したように傾斜面17086a1は、背面側に向かって上方に傾斜するので、球体17452がバネ部材17453に押し上げられる力により、第1入賞部材17400全体を背面側(図40(b)左側)に付勢することができる。
従って、第1入賞部材17400をベース板60に締結固定する皿ネジN2が衝撃等で取れた場合に、第1入賞部材17400が、ベース板60の前面側(D09(b)右側)に落下することを抑制できる。その結果、遊技者が遊技中に皿ビスN2が外れた場合に、遊技者に遊技を継続させることができる。
また、ボールプランジャ17450は、球体17452がバネ部材17453により弾性支持された状態とされるので、遊技釘YKに遊技球が衝突される際の入力に対して、球体17452を質量体として作用させることができる。即ち、ボールプランジャ17450をダイナミックダンパとして機能させることができる。その結果、遊技球の遊技釘YKへの衝突に伴う振動を抑制して、遊技釘YK及び第1入賞部材17400の破損を抑制できる。特に、バネ部材17453の伸縮方向(球体17452の弾性支持の方向)が上下方向とされ、遊技球の落下方向(即ち、遊技釘YKへの衝突方向)に一致されるので、上述した遊技球の衝突に対するダイナミックダンパとしての機能(破損防止)を効果的に発揮させることができる。
次いで、図41から図43を参照して、第18実施形態について説明する。第2実施形態では、第1入賞部材2400をベース板60から取り外す際に、第2入賞部材2500を取り外す作業が必要となる場合を説明したが、第18実施形態では、第1入賞部材18400をベース板60から取り外す際に、第2入賞部材2500を取り外す作業が不必要とされる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図41及び図42を参照して、第18実施形態における遊技盤13の全体構成について説明する。図41(a)は、第18実施形態における遊技盤13の正面図であり、図41(b)は、図41(a)のXLIb−XLIb線における遊技盤13の断面図である。図42は、遊技盤13の分解斜視正面図である。なお、図42では、センターフレーム86が取り外された状態が図示される。また、図41及び図42では、第1入賞部材18400及びベース板60の外形が簡略化されて図示される。
図41及び図42に示すように、第18実施形態におけるベース板60は、センターフレーム86が取り付けられる中央開口側から下方(図41(a)下方)に凹設される凹設部18060cと、その凹設部18060cの左右方向(図41(a)左右方向)両端に連なると共に、前面側(図41(b)右側)から背面側(図41(b)左側)に凹設される窪み部18060dと、凹設部18060cの左右方向中央部に連なって下方に凹設される第2凹設部18060jとを備える。
凹設部18060cは、正面視横長矩形状に中央開口側から凹設して形成され、正面視における形状が、後述する第1入賞部材18400の膨出部18420の背面視における形状と略同一に設定される。
窪み部18060dは、凹設部18060cの左右方向両端部に連なって形成されており、ベース板60の前面側から背面側に向かって板厚方向の略中央位置まで凹設される。また、窪み部18060dは、後述する第1入賞部材18400の本体部18410の一部(膨出部18420から下方に突出する部分)を収容する部分であり、正面視において膨出部18420から下方に突出する本体部18410の突出量と略同一の凹設寸法で下方に凹設される。
窪み部18060dには、前面側から背面側に貫通する締結孔1860d4が形成される。締結孔18060d4は、その内側に、第1入賞部材18400をベース板60に締結固定する皿ネジN2を螺合させる雌ねじが形成される。
第2凹設部部18060jは、第2入賞部材2500の第1入賞口64に流入した遊技球をベース板60の背面側に流通可能にする開口であり、第2入賞部材2500の第1入賞64よりも下側に凹設される。
入賞口ユニット18300は、ベース板60の凹設部18060cの内側に配設される第1入賞部材18400と、その第1入賞部材18400及びベース板60の前面側(図41(b)右側)に配設される第2入賞部材2500とから形成される。
第1入賞部材18400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部18410と、その本体部18410の背面側(図41(b)左側)から膨出する膨出部18420と、本体部18410側(前面側)から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
本体部18410は、下側(図41(a)下側)の端部の長手方向(図41(a)左右方向)の両端部に前後方向に貫通して形成される貫通孔18413が形成される。貫通孔18413は、窪み部18060dに形成される締結孔1860d4と同軸上に形成される。これにより、貫通孔18413に挿通した皿ネジN2を、締結孔1860d4に螺合させて、第1入賞部材18400をベース板60に締結固定できる。
また、貫通孔18413は、皿ネジN2が挿入される前面側に向かって拡径して形成される。これにより、皿ネジN2の頭部を貫通孔18413の内側に挿入できる。これにより、第1入賞部材18413をベース板60に締結した場合に、遊技釘YKの先端が遊技領域に突出することを抑制できる。
膨出部18420の上端は、本体部18410の上端と面一に形成されると共に、膨出部18420の下端よりも本体部18400の下端が下方へ突出して形成される。また、膨出部18420は、本体部18400の左右方向全域に亘って形成される。
ベース板60の中央開口に配設されるセンターフレーム86は、ベース板60に第1入賞部材18400が配設された状態において、その一部が第1入賞部材18400の上端部(図41(b)上方端部)と前後方向(図41(b)左右方向)に重なる部分(正面張出部)を有して形成される。よって、第1入賞部材18400を引き抜く方向への移動をセンターフレーム86により規制できるので、ベース板60の形状を簡素化して、その形成を容易とできる。なお、第2入賞部材2500とセンタフレーム86とは、第1入賞部材18400を挟んで重力方向の両側に配設されることがこのましい。ベース板60の形状を簡素化できるからである。
また、センターフレーム86は、ベース板60に第1入賞部材18400が配設された状態において、第1入賞部材18400の上端面と所定の距離を隔てた位置に、正面張出部から背面側に突出する突出部18086bが形成される。
なお、ベース板60に第1入賞部材18400が配設された状態において、突出部18086bと第1入賞部材18400との対向間の距離寸法L10(図41(b)参照)は、第1入賞部材18400と第2入賞部材2500とが前後方向に重なる領域の上下方向寸法L11(図41(b)参照)よりも大きく設定される。
次いで、図43を参照して、第1入賞部材18400をベース板60から取り外す手順について説明する。図43(a)から図43(c)は、遊技盤13の断面図である。なお、図43(a)から図43(c)は、図41(b)の断面図と対応する。また、図43(a)から図43(c)は、第1入賞部材18400を取り外す場合の遷移状態が順に図示される。
初めに、図43(a)に示すように、第1入賞部材18400を取り外す場合には、第1入賞部材18400をベース板60に締結固定している皿ネジN2を取り外す。
第2に、図43(b)に示すように、第1入賞部材18400をベース板60に対して上方に持ち上げる。上述したように、突出部18086bと第1入賞部材18400との対向間の距離寸法L10は、第1入賞部材18400と第2入賞部材2500とが前後方向に重なる領域の上下方向寸法L11よりも大きくされるので、第1入賞部材18400を上方に持ち上げることで、第1入賞部材18400の下方(図43(b)下方)の端部を第2入賞部材2500よりも上方に位置させることができる。
従って、図43(b)に示す状態から、第1入賞部材18400の下方の端部を前方に回転させることで、図43(c)に示すように、第1入賞部材18400の下方の端部をベース板60の正面より前方に位置させることができる。最後に、第1入賞部材18400の下方の端部を本体部18410の短手方向に引き抜くことで、第1入賞部材18400の上方の端部をベース板60から引き出すことができる。なお、第1入賞部材18400を取り付ける場合には、反対の手順を行うことで第1入賞部材18400をベース板60に取り付けることができる。
よって、第1入賞部材18400の遊技釘YKが折れた場合や、遊技釘YKが第1入賞部材18400から抜け落ちた場合に不良の第1入賞部材18400を取り外して新しい(正常な)第1入賞部材18400を取り付けることで修理できる。
ここで、第1遊技盤部材(ベース板60)と、その第1遊技盤部材に配設され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材(第1入賞部材18400)とを備えた遊技機が知られている。かかる遊技機によれば、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材にねじ部材(皿ネジN2)により締結固定されているため、ねじ部材が不正に取り外されたり遊技中の振動により不用意に緩んだりした場合には、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材が脱落するおそれがある。これに対し、本願出願人は、第2遊技盤部材の一部と重畳された状態で第1遊技盤部材に第2部材を配設することで、かかる重畳された部分による両者の係合を利用して、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材から脱落することを抑制する技術に想到した(本願出願時において未公知)。
しかしながら、上述した技術では、第2遊技盤部材の交換作業を行う場合には、第2遊技盤部材だけでなく、第2部材も遊技盤から取り外す必要があるため、その分、工数が嵩み、第2遊技盤部材の交換作業が煩雑になるという問題点があることが分った。
これに対し、第18実施形態によれば、第2入賞部材2500がベース板60に保持された状態で第1入賞部材18400が取り外し可能に形成されるので、その分、工数を抑制して、第1入賞部材18400の交換作業を簡素化できる。即ち、第2入賞部材2500をベース板60から取り外す必要がないので、かかる第2入賞部材2500を取り付け直す工程における工数を抑制するだけでなく、作業者が、第2入賞部材2500を紛失することや、第2入賞部材2500の取り付け方を間違えることを抑制できる。
即ち、第2入賞部材2500は、第1入賞部材18400を引き抜く方向への移動を規制可能な位置に配設され、第1入賞部材18400は、引き抜く方向と異なる上方向へ移動させることで、引き抜く方向への移動が許容されるので、第2入賞部材2500をベース板60から取り外すことなく、第1入賞部材18400を取り外すことできる。また、第2入賞部材をベース板60に配設した状態のままで、第1入賞部材18400を取り付けることができる。よって、その分、工数を抑制して、第1入賞部材18400の交換作業を簡素化できる。
また、第1入賞部材18400の引き抜く方向への移動を許容する際の移動方向が、重力方向と平行とされるので、第1入賞部材18400の引き抜き方向への移動を第2入賞部材2500が規制可能な位置に第1入賞部材18400が配置された状態を、第1入賞部材18400の自重(重力の作用)により維持させることができる。即ち、第1入賞部材18400をベース板60に固定する皿ネジN2が不正に取外されたり、遊技中の振動により不要に緩んだりした場合でも、第1入賞部材18400がその一部を第2入賞部材2500と重畳された位置(引き抜き方向への移動が規制される位置)に維持されるので、重畳された部分による両者の係合により、第1入賞部材18400がベース板60から脱落することを抑制できる。
さらに、第1入賞部材18400は、本体部18410の下端部分が、第2入賞部材2500のベース部材2510の背面と、窪み部18060dの前面との対向間に配設されるので、第1入賞部材18400を締結固定する皿ネジN2が衝撃等で取れた場合に、第1入賞部材18400がベース板60の前面側(図41(b)右側)に落下することを抑制できる。その結果、遊技者が遊技中に皿ネジN2が外れた場合にも、遊技者に遊技を継続させることができる。
次いで、図45及び図46を参照して、第19実施形態について説明する。第2実施形態では、第1入賞部材2400をベース板60から取り外す際に、第2入賞部材2500を取り外す作業が必要となる場合を説明したが、第19実施形態では、第1入賞部材19400をベース板60から取り外す際に、第2入賞部材19500を取り外す作業が不必要とされる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図44及び図45を参照して、第19実施形態における遊技盤13の全体構成について説明する。図44は、第19実施形態における遊技盤13の分解斜視正面図である。図45(a)は、遊技盤13の正面図であり、図45(b)は、図45(a)のXLVb−XLVb線における遊技盤13の断面図である。なお、図44では、センターフレーム86が取り外された状態が図示される。また、図44及び図46では、第1入賞部材18400及びベース板60の外形が簡略化されて図示される。
図44及び図45に示すように、第19実施形態における入賞口ユニット19300は、ベース板60の凹設部2060cの内側に配設される第1入賞部材2400と、その第1入賞部材2400及びベース板60の前面側(図45(b)右側)に配設される第2入賞部材19500とから形成される。
第2入賞部材19500は、正面視菱形の板状体から形成されるベース部材19510と、そのベース部材19510の正面側(図45(b)右側)に突出形成される球入賞部材320と、ベース部材19510を挟んで、球入賞部材320の反対側に位置する通路形成部材19330とを主に備えて形成される。
ベース部材19510は、ベース板60の凹設部2060cよりも正面視において左右方向(図45(a)左右方向)寸法が大きく設定される。これにより、ベース部材19510を凹設部2060cの前面側(図45(b)右側)に配置すると共に、ベース部材2510の左右方向両端部をベース板60の前面に当接させることができる。
ベース部材19510は、正面視において略中央位置に板厚方向(図45(b)左右方向)に開口される開口部311と、左右方向両端部に板厚方向に貫通する摺動溝19512とを主に備えて形成される。
摺動溝19512は、上下方向(図45(a)上下方向)に延設して形成されると共に、前面側から背面側(図45(a)紙面奥側)に向かってその内面が内側に傾斜して形成される。摺動溝19512は、第2入賞部材19500をベース板60に締結固定するための皿ネジN1を挿通する開口であり、内面の幅寸法が皿ネジN1の先端部(軸部)の外形よりも大きく形成される。
また、摺動溝19512は、下端部(図45(a)下側端部)に皿ネジN2の頭部よりも大きい外形の傾斜面に形成される収容部19512aが形成される。さらに、収容部19512aは、第2入賞部材19500が、ベース板60の配設位置(図45に示す位置)に配設された場合に、皿ネジN2の軸と同一軸上に設定される。これにより、第2入賞部材19500の取り付けする位置を位置決めすることができる。また、摺動溝は19512は、上下方向に延設されるので、皿ネジN1の締結を弱めることで、図45に示す位置から第2入賞部材19500を下方に移動させることができる。
通路形成部材19330は、ベース部材19310の開口部311の周囲から背面側に突出して形成される。通路形成部材19330は、背面視において下方側が湾曲する略U字状に形成されており、内側に遊技球を挿通可能な大きさの空間が形成される。これにより、第1入賞口64に流入した遊技球を、通路形成部材19330の背面側に送球すると共に通路形成部材19330の背面側に連通される通路部材19800に送球できる。
また、通路形成部材19330は、その左右両側(図45(a)左右両側)の壁面の後端から後述する通路部材19800の内部に突出される延設部19340を備える。延設部19340は、通路形成部材330の左右両側の壁面の両端から背面側(図45(b)左側)に突出する棒状の一対の突出部19341と、それら一対の突出部19341の突出先端部を左右方向に連結する連結部19342と、その連結部19342と連結され下方に延設される金属体19343とを主に備えて形成される。
突出部19341は、通路形成部材19330の上端部から背面側へ突出され、その突出先端側が、後述する通路部材19800の開口19811の内側に挿入される。また、突出部19341は、その突出先端が通路部材19800の内側に形成される空間の前後方向略中間に位置される。
連結部19342は、棒状体から形成され、両端部が一対の突出部19341の突出先端にそれぞれ連結される。また、連結部19342の下面には、後述する金属体19343が圧入して接続される溝が形成される。なお、連結部19342と金属体19343との連結は、圧入に限られるものではなく、接着やネジ締結等で連結しても良い。
金属体19343は、金属材料(本実施形態では、鉄)から形成される板部材であり、左右方向(図45(a)左右方向)における幅寸法が、後述する通路部材19800の内部空間の幅寸法よりも小さく設定される。また、金属体19343は、連結部19342に接続された状態において、下方(図45(b)下側)に向かうに従って背面側(図45(b)左側)に傾斜する状態で配設される。
金属体19343は、第2入賞部材19500が、ベース部材60に締結固定された状態において、通路形成部材19330の下端面より上方に位置されると共に、通路部材19800の開口19811の下面までの最短の距離寸法L11(図45(b)参照)が遊技球の外径よりも大きく設定される。これにより、第2入賞部材19500の第1入賞口64に流入した遊技球が、通路形成部材19330を転動して通路部材19800の内側に送球された場合に、遊技球を通路形成部材330の前面側に衝突させることができる。
従って、通路部材19800の内壁に遊技球を衝突させて遊技球の送球方向を変更する必要がなくなるので、通路部材19800が破損することを抑制できる。また、金属体19343は、鉄から形成され、通路部材19800を形成する樹脂よりも剛性が高いので、通路部材19800が破損することを抑制できる。さらに、金属体19343が破損した場合には、第2入賞部材19500をベース板60に締結する皿ネジN1を取り外すことで、金属体19343を交換できる。よって、金属体19343の修理を簡易にすることができる。
なお、金属体19343は、鉄に限られるものではなく。後述するセンサ装置SEに検知される材質であれば他の部材を採用してもよい。例えば、アルミやステンレス等で形成しても良い。
通路部材19800は、外形が上下方向に長い長方体形状に形成されると共に、その内側に内部空間を備えて形成される。通路部材19800は、正面側(図45(b)右側)の上端部に開口され内部空間と外部とを連通させる開口19811と、上下方向に延びる通路部材19800の内部空間の上端側に配設されるセンサ装置SEとを主に備えて形成される。
開口19811は、通路部材19800が遊技盤13に配設された状態において、第1入賞口64の背面側(図45(b)左側)に形成される。これにより、第1入賞部材64から背面側に送球された遊技球を、開口19811を通して通路部材19800の内側(内部空間)に送球できる。
センサ装置SEは、通路部材19800の内側を通過する遊技球の球数を検出する部材であり、遊技球の外径よりも大きい内径を有して上下方向に貫通する開口を備える。
なお、通路部材19800は、背面側からネジ(図示しない)を挿通させると共に、そのネジをベース板60の背面側に螺合させることでベース板60に取り付けられる。
次いで、図46を参照して、第2入賞部材19500の変位について説明する。図46(a)は、遊技盤13の正面図であり、図46(b)は、図46(a)のXLVIb−XLVIb線における遊技盤13の断面図である。なお、図46(a)及び図46(b)では、第2入賞部材19500をベース板60に締結する皿ネジN1が緩められた状態が図示される。
図46に示すように、第2入賞部材19500を締結する皿ネジN1が緩められると、皿ネジN1の頭部が第2入賞部材19500の前面から少し離れることで、皿ネジN1の先端側(軸部)が摺動溝19512の内部を摺動可能となり、第2入賞部材19500を下側に変位させることができる。
これにより、第1入賞部材2400と第2入賞部材19500とを前後方向に重ならない位置に配設することができる。従って、第1入賞部材2400の遊技釘YKが折れた場合や、遊技釘YKが第1入賞部材2400から抜け落ちた場合に、第2入賞部材19500をベース部材60から取り外すことなく、不良の第1入賞部材2400を取り外して新しい(正常な)第1入賞部材2400を取り付けることで修理できる。
即ち、第2入賞部材19500は、第1入賞部材2400の取り外しを規制する規制位置と第1入賞部材2400の取り外しを許容する許容位置との間で変位可能にベース板60に配設されるので、第2入賞部材19500を遊技盤13から取り外すことなく、第1入賞部材2400を取り外すことができる。また、第2入賞部材19500をベース部材に配設した状態のままで、第1入賞部材2400を取り付けることができる。よって、その分、工数を抑制して、第1入賞部材2400の交換作業を簡素化できる。さらに、第2入賞部材19500をベース板60から取り外さないので、第1入賞部材2400を交換した場合に、第2入賞部材19500を取り付け忘れることを防止できる。
さらに、第1入賞部材2400の取り外しを許容する第2入賞部材19500の許容位置が規制位置よりも、重力方向下方に設定されるので、第2入賞部材19500をその自重により、許容位置に維持させることができる。即ち、第1入賞部材2400を交換する際に、第2入賞部材19500を作業者が許容位置に保持しておく必要がない。よって、工数を抑制して、第1入賞部材2400の交換作業を簡素化できる。
また、第2入賞部材19500が、下方に変位された状態では、金属体19343の前面と通路部材19800の開口19811の下面との間の最短の距離寸法L12(図46(b)参照)が、遊技球の外径よりも小さくされる。これにより、第1入賞部材2400を交換した後に、第2入賞部材19500を正常な位置に戻し忘れた場合に、遊技球が通路部材19800を通過することを防止できる。その結果、遊技者が有利となる状態で、遊技可能な状態となることを防止できる。
なお、遊技者が有利となる状態としては、第2入賞部材19500が下方に位置し、第1入賞部材2400に打ち込まれた遊技釘YKと離間された状態とれ、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘YKに阻害されず第1入賞口64に入賞する状態が例示される。
さらに、第2入賞部材19500が、下方に変位された状態では、第2入賞部材19500に連結される延設部19340の金属体19343が下方に移動されて、センサ装置SEの開口内部に配置される。金属体19343は、センサ装置SEにより検出可能な材料から形成されるので、第1入賞部材2400を交換した後に、第2入賞部材19500を正常な位置(図45に示す位置)に戻し忘れた場合には、センサ装置SEが金属体19343を検知可能な状態を形成できる。よって、パチンコ機10は、センサ装置SEの検知状態を監視して、所定時間以上の検知が継続されていれば、第2入賞部材19500を所定位置に戻し忘れた状態を検知することができる。これにより、パチンコ機10は、異常状態であることを店員に報知(例えば、異常音や特殊発光等)することができる。
よって、第2入賞部材19500が許容位置に配置されると、金属体19343がセンサ装置SEに検出可能な位置に配置されるので、センサ装置SEによる検出状態(例えば、波形)を監視することで、第2入賞部材19500が許容位置に配置されたままの状態である(即ち、規制位置へ戻し忘れている)ことを検出できる。即ち、球が通過する際にセンサ装置SEがオン(又はオフ)される時間は比較的短いものとされる一方、第2入賞部材19500が許容位置に配置されたままとされた状態ではセンサ装置SEがオン(又はオフ)される時間が継続されるため、センサ装置SEが所定時間(閾値)を越えてオン(又はオフ)された場合には、第2入賞部材19500が許容位置に配置されたままの状態と判断できる。
これにより、第1入賞部材2400を交換した後に第2入賞部材19500を正常な位置に戻し忘れることを防止できる。また、遊技者が遊技中に皿ネジN1が緩んで、第2入賞部材19500が下方に変位した場合にも、店員に報知することができるので、異常な状態になったことに遊技者が気が付かなかったとしても店員に知らせることができる。従って、皿ネジN1が緩んで、第2入賞部材19500が異常な位置となった場合に、遊技者が遊技を継続することで遊技者に不利な状態となることを防止できる。
また、検出部が金属材料から形成され、第2入賞部材19500が規制位置に配置された状態では、遊技球の通過する通路の内壁の一部が金属体19343により形成されるので、通路の耐久性の向上を図ることができる。
なお、第1の通路とその第1の通路の下流側に屈曲して連設される第2の通路における第2の通路の一部(第1の通路から流下される遊技球が衝突される部位)が金属体193943により形成されることが好ましい。破損が生じやすい部位を補強して、耐久性の向上を効果的に図ることができるからである。
次いで、図47及び図48を参照して、第20実施形態における第2入賞部材20500について説明する。第2実施形態では、第1入賞部材2400と第2入賞部材2500とが別々に取り外される場合を説明したが、第20実施形態では、第1入賞部材20400と第2入賞部材20500とが同時に取り外される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図47(a)は、第20実施形態における遊技盤13の正面図であり、図47(b)は、図47(a)のXLVIIb−XLVIIb線における遊技盤13の断面図である。図48は、遊技盤13の分解斜視正面図である。なお、図48では、センターフレーム86が取り外された状態が図示される。
図47及び図48に示すように、第20実施形態における入賞口ユニット20300は、ベース板60の凹設部2060cの内側に配設される第1入賞部材20400と、その第1入賞部材20400及びベース板60の前面側(図47(b)下側)に配設される第2入賞部材20500とから形成される。
第1入賞部材20400は、正面視矩形の板状体から形成される本体部20410と、その本体部20410の背面側(図47(b)上側)から膨出する膨出部2420と、本体部20410側(前面側)から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
本体部20410及び膨出部2420は、左右方向(図47(b)左右方向)略中央位置に下方から上方に向かって凹部20432が凹設され、本体部20410の左右方向両端部には、第1入賞部材20400をベース板60に締結する皿ネジN2が挿通される貫通孔2413が形成される。
凹部20432は、後述する第2入賞部材20500の通路形成部材330の左右方向(図47(b)左右方向)寸法よりも大きく形成されると共に第1入賞部材20400の前面側から背面側に亘って連続して形成される。これにより、第2入賞部材20500を第1入賞部材20400の前方に配設した際に、通路形成部材330を凹部20432の内側に挿通して配設できる。
また、凹部20432は、下方が開放して形成されるので、かかる開放部分を通過せることで、ベース板60から一体(即ち、凹部20432と後述する係合部20513とが係合された状態)で取り外された第1入賞部材20400及び第2入賞部材20500を分解する作業を容易に行うことができる。
第2入賞部材20500は、正面視菱形の板状体から形成されるベース部材20510と、そのベース部材2510の正面側(図47(b)下側)に突出形成される球入賞部材320と、ベース部材2510を挟んで、球入賞部材320の反対側に位置する通路形成部材330とを主に備えて形成される。
ベース部材2510には、開口部311の上端側の左右の縁部から背面側に突出する係合部20513が形成される。係合部20513は、通路形成部材330の左右方向(図47(b)左右方向)両端部の上方に形成される。また、係合部20513は、ベース板2510の背面から背面側(図47(b)上方側)に向かって突出形成されると共に、その突出先端が左右方向外側に向かって屈曲される。
また、係合部20513の背面側への突出寸法L13(図47(b)参照)は、第1入賞部材20500の前後方向(図47(b)上下方向)の厚み寸法と略同一に設定される。また、係合部20513は、基端側(第2入賞部材20500のベース部材20510側)の左右方向の距離寸法L14(図47(b)参照)が、上述した第1入賞部材20400の凹部20432の左右方向における対向間寸法と略同一に設定されると共に、屈曲先端側の左右方向における距離寸法L15(図47(b)参照)が、凹部20432の左右方向における対向間寸法よりも大きく形成される。これにより、第1入賞部材20400に第2入賞部材20500を係合させることができる。
さらに、係合部20513には、弾性変形可能に形成される弾性片20513bと、その弾性片から突出される爪部20513cと、屈曲側の先端向かって背面側から前面側に傾斜する傾斜面20513aとが形成される。これにより、係合部20513の傾斜面20513aを凹部20432の内壁に当接させることで、第2入賞部材20500を第1入賞部材20400の前面側から配設(挿入)可能とできると共に、背面に到達することで、係合部20513を第1入賞部材20400に係合させることができる。
以上のように構成される入賞口ユニット20300によれば、第1入賞部材20300の遊技釘YKが2本とも折れて第1入賞部材20400を交換する場合に、第2入賞部材20500をベース板60から取り外すことで、第1入賞部材20400をベース板60から取り外すことができる。
ここで、第1遊技盤部材(ベース板60)と、その第1遊技盤部材に締結固定され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備えた遊技機が知られている。かかる遊技機によれば、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に対して着脱できるので、第2遊技盤部材に故障や破損が生じた場合には、かかる第2遊技盤部材のみを交換して、遊技盤全体としての交換を不要とすることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材から取り外し難いという問題点があった。例えば、釘が植設された第2遊技盤部材では、作業者は、釘を把持することで、第2遊技盤部材を遊技盤から取り外すことができるところ、釘が折れている場合には、第2遊技盤部材に把持する部位がなくなるため、取り外しが困難となる。第2遊技盤部材と第1遊技盤部材との遊技面どうしが面一となる態様で、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材に埋め込まれている場合には、かかる問題点が特に顕著となる。
これに対し、第20実施形態では、少なくとも皿ネジN2が取り外されると、作業者が第1入賞部材20400を直接または間接に把持可能に形成されるので、ベース板60から第1入賞部材20400を取り外しやすくすることができる。
即ち、第20実施形態では、第1入賞部材20400と第2入賞部材20500とが係合部20513により係合した状態で配設されるので、第1入賞部材20400の遊技釘YKが2本とも折れた場合には、皿ネジN1,N2を取り外してベース板60から前面側に位置して配設される第2入賞部材20500を指で保持して前面側に引き抜くことで、第1入賞部材20400を同時にベース板60から取り外すことができる。その結果、第1入賞部材20400の取り換えを簡易にできる。
さらに、係合部20513は、弾性変形可能に形成される弾性片205013bと、その弾性片から突出される爪部20513cとを備えると共に、その爪部20513cが凹部20432に係合可能に形成されるので、第1入賞部材20400と、第2入賞部材20500とを別々に取り付けた場合でも、弾弾性片20513bの弾性変形を利用して、係合部20513と凹部20432とを係合させることができる。よって、第1入賞部材20400又は第2入賞部材20500を一体化した状態で、ベース板60に取り付ける必要がないので、第1入賞部材20400及び第2入賞部材20500をベース板60に取り付ける際の作業性の向上を図ることができる。
また、第1入賞部材20400を取り外す必要がある場合に、第1入賞部材20400を指で保持しなくても第2入賞部材20500を保持して引き抜くことで第1入賞部材20400をベース板60から取り外すことができるので、第1入賞部材20400の遊技釘YKが作業者に保持されることを抑制できる。上述したように、遊技釘YKは、その2本の間に遊技球が挿通可能な大きさに調整される箇所であるため、第1入賞部材20400を取り外す場合に遊技釘YKを指で保持しては、その調整が狂う(遊技釘YKが曲がる)恐れがある。
これに対し、入賞口ユニット20300は、第2入賞部材20500と第1入賞部材20400とが同時に取り外し可能とされるので、遊技釘YKを保持しなくても第1入賞部材20400をベース板60から取り外すことができる。従って、第1入賞部材20400を取り外した場合に、遊技釘YKの調整が狂う(遊技釘YKが曲がる)ことを抑制できる。
次いで、図49及び図50を参照して、第21実施形態におけるベース板60について説明する。第2実施形態では、第1入賞部材2400がベース板60に直接配設される場合を説明したが、第21実施形態の第1入賞部材2400は、ベース板60との間に弾性部材21510が介在される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図49(a)は、第21実施形態における遊技盤13の正面図であり、図49(b)は、図49(a)のXLIXb−XLIXb線における遊技盤13の断面図である。図50(a)及び図50(b)は、図49(a)のLa−La線における遊技盤13の断面図である。なお、図49及び図50では、第2入賞部材2500が取り外された状態が図示される。
図49及び図50に示すように、第21実施形態におけるベース板60は、凹設部2060cの中央開口(センターフレーム86)側の周囲に前面側(図49(a)紙面手前側)から背面側に向かって凹設される窪み部21060dが形成される。
窪み部21060dは、正面視における外形が第1入賞部材2400の外形と略同一に形成される。これにより、窪み部21060dの内側に第1入賞部材2400を挿入して配設できる。また、窪み部21060dは、正面に突出する円環突起2060d1と、正面から背面に向かって半円形に凹設される湾曲部21060d9とを主に備える。
湾曲部21060d9は、後述する弾性部材21510を内側に挿入する凹部であり、左右方向(図50(a)左右方向)に湾曲して形成される。また、湾曲部21060d9は、背面側への凹設最大距離が後述する弾性部材21510の半径よりも大きく設定される。さらに、湾曲部21060d9は、上下(図49(a)上下)の端部(内壁)が水平方向に平行な平面に形成される。
弾性部材21510は、ゴム材料から円柱状に形成される。また、弾性部材21510は、軸方向寸法が、湾曲部21060d9の上下方向寸法よりも小さく形成される。よって、弾性部材21510を湾曲部21060d9の内部に縦姿勢で配設することができる。
また、上述したように、弾性部材21510は、その半径が湾曲部21060d9の背面側への凹設最大距離よりも小さく形成される。よって、湾曲部21060d9の内側に弾性部材21510を配設する場合に、弾性部材21510を湾曲部21060d9の下面(下側の壁面)に乗せることで配設できる。従って、弾性部材21510を簡易に配設できると共に、本体部2410を配設するまでの間、弾性部材21510を自立させておける。
さらに、弾性部材21510は、その直径が湾曲部21060d9の背面側への凹設最大距離よりも大きく形成される。これにより、弾性部材21510を湾曲部21060d9の内側に配設した場合に、弾性部材21510の一部を窪み部2060dの前方に突出させることができる。
第1入賞部材2300は、ベース板60に弾性部材21510が配設された状態で前面側から凹設部2060cの内側に配設される。これにより、弾性部材21510を弾性的に圧縮変形させつつ、第1入賞部材2300をベース板60に配設できる。
以上のように構成される遊技盤13によれば、第1入賞部材2400をベース板60に配設して皿ネジN2締結固定した状態では、第1入賞部材2400の本体部2410により弾性部材21510を押圧して弾性変形させた状態とすることができる。よって、第1入賞部材2400を交換する場合に、第1入賞部材2400を締結する皿ネジN2を取り外すと、第1入賞部材2400の本体部2410が弾性部材21510の弾性回復力により前面側に押し出される。従って、ベース板60から第1入賞部材2400を突出させ、両者の間に段差を形成することができる。よって、作業者が段差を直接または間接に把持できることで、ベース板60から第1入賞部材2400を取り外しやすくすることができる。
また、第1入賞部材2400の遊技釘YKが2本とも折れて第1入賞部材2400をベース板60から取り外す場合には、皿ネジN2を取り外すことで、第1入賞部材2400が前面側に押し出されることで、第1入賞部材2400を指で掴む部分を形成できる。その結果、第1入賞部材2400をベース板60から取り外し易くできる。
さらに、第1入賞部材2400を取り外す場合に、遊技釘YK以外の箇所を掴むことができるので、第1入賞部材2400を取り外す場合に、遊技釘YKが曲がることを抑制できる。
次いで、図51及び図52を参照して、第22実施形態における入賞口ユニット22300について説明する。第2実施形態では、本体部2410の前面がベース板60の前面と同一平面上に配設される場合を説明したが、第23実施形態では、本体部2410に前面側に突出する突出部22433が形成される。
図51(a)は、第22実施形態における入賞口ユニット22300の分解斜視図であり、図51(b)は、遊技盤13の正面図である。図52(a)は、図51(b)のLIIa−LIIa線における遊技盤13の断面図であり、図52(b)は、図52(a)のLIIb−LIIb線における遊技盤13の断面図である。なお、図51(b)、図52(a)及び図52(b)では、第2入賞部材22300が透明視されると共に、外形が鎖線で図示される。
図51及び図52に示すように、第22実施形態における入賞口ユニット22300は、ベース板60の凹設部2060cの内側に配設される第1入賞部材22400と、その第1入賞部材22400及びベース板60の前面側(図47(a)右側)に配設される第2入賞部材22500とから形成される。
第1入賞部材22400は、正面視矩形の板状体から形成される本体部22410と、その本体部22410の背面側(図52(a)左側)から膨出する膨出部2420と、本体部22410側(前面側)から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
第1入賞部材22400は、遊技釘YKの下方に位置し前後方向に遊技球の外径よりも大きい形状に開口する開口部22434と、その開口部22434の内縁の下端側から前面側に突出する突設部22433と、本体部22410の左右方向両端部に形成され第1入賞部材22400をベース板60に締結する皿ネジN2を挿通する貫通孔2413とを主に備える。
開口部22434は、後述する第2入賞部材22500の開口311の背面側に位置して形成されており、第1入賞口64に流入した遊技球を開口部22434を挿通させてベース板60の背面側に送球できる。
突出部22433は、開口部22434から前面側に突出して形成されており、その上面が背面側に向かって下降傾斜して形成される。また、突出部22433は、その突出寸法が、球入賞部材320の前面322の背面側に当接する寸法に設定される。
第2入賞部材22500は、正面視菱形の板状体から形成されるベース部材2510と、そのベース部材2510の正面側(図52(a)右側)に突出形成される球入賞部材320とを主に備えて形成される。
球入賞部材320の側壁321の内面の下端部に下方には、突出部22433が内嵌される溝部22322aが形成(凹設)される。即ち、溝部22322aは、上述した突出部22433の前面側に形成されており、正面視における外形が、突出部22433の外形と略同一に設定される。これにより、第2入賞部材22500を第1入賞部材22400の前面側に配設する場合に、突出部22433と溝部22321aとで第1入賞部材22400に対して第2入賞部材22500を位置決めできる。
よって、遊技状態では突出部22433を第2入賞部材22500により遊技者から隠して、外観の向上を図りつつ、第2入賞部材22500を取り外した状態では、作業者が突出部22433を把持可能として、遊技盤から構成部材を取り外しやすくすることができる。
また、上述したように突出部22433は、背面側に向かってその上面面が下降傾斜して形成されるので、第1入賞口64に流入した遊技球をその上面に乗せて背面側に転動させることができる。よって、溝部22321aおよび突出部22433を別途設ける必要がなく、通路を形成するための部位として兼用することができるので、その分、製品コストを低減することができる。
以上のように形成される球入賞ユニット22300によれば、第1入賞部材22400の遊技釘YKが2本とも折れて第1入賞部材22400を交換する場合に、第1入賞部材22400ベース板60から取り外し易くできる。
詳しく説明すると、第1入賞部材22400は、ベース板60と前面が同一平面上に配設されるので、遊技釘YKが2本とも取れた場合に、第1入賞部材22400を指で保持する箇所がなくなる。そのため、遊技釘YKが2本とも折れた場合に、第1入賞部材22400をベース板60から取り外し難くなる。
これに対し、第22実施形態では、第1入賞部材22400には、前面側に突出する突出部22433が形成されるので、第1入賞部材22400の遊技釘YKが2本とも折れた場合には、第2入賞部材22500を取り外すことで、突出部22433をベース板60の前面に突出させることができる。従って、突出部22433を指で保持して第1入賞部材22400をベース板60から取り外すことができる。その結果、第1入賞部材22400の取り換えを簡易にできる。
さらに、第1入賞部材22400を取り外す場合に、遊技釘YK以外の箇所を掴むことができるので、第1入賞部材22400を取り外す場合に、遊技釘YKが曲がることを抑制できる。
また、上述したように突出部22433は、溝部22321aに嵌る(内嵌される)ことで、第2入賞部材22400の位置決めをすることができると共に、第1入賞口64に流入した遊技球を背面側に転動させる転動面として利用できる。従って、第2入賞部材22400を位置決めする部分及び遊技球を転動させる部分を新たに形成する必要がなくなるので、入賞口ユニット22300の製造コストを削減できる。
ここで、本実施形態では、第1入賞部材22400に植設される遊技釘YKと突出部22433との相対位置が一定であるため、安定した遊技を遊技者へ提供できる。即ち、突出部22433が入賞口ユニット22300に一体に形成される従来品では、各部品の寸法公差や取り付け作業時の作業公差に起因して、第1入賞部材22400に対する入賞口ユニット22300の取付位置にばらつきが発生するため、突出部22433と遊技釘YKとの相対位置が一定ではない。そのため、それらの位置関係によっては、第1入賞部材22400の一対の遊技釘YKの間を通過して、第1入賞口64に入球したとしても、突出部22433への衝突位置によっては、跳ね返って、第1入賞口64の外へ飛び出してしまうことがあった。
これに対し、本実施形態では、第1入賞部材22400に突出部22433が配設(一体に形成)されるので、第1入賞部材22400に植設される遊技釘YKと突出部22433との相対位置を一定とできる。よって、上述した跳ね返りを抑制でき、安定した遊技を遊技者へ提供できる。
次いで、図53及び図54を参照して、第23実施形態における第1入賞部材23400について説明する。第2実施形態では、第1入賞部材2400を取り外す際に保持する部材が取り付けられなかったが、第23実施形態における第1入賞部材23400は、第1入賞部材23400に第1入賞部材を取り外す際に保持する保持部材23450が配設される。
図53(a)は、第23実施形態における第1入賞部材23400の斜視正面図であり、図53(b)は、遊技盤13の正面図である。図54(a)及び図54(b)は、図53(a)のLIVa−LIVa線における遊技盤13の断面図である。なお、図53(b)では、第2入賞部材2500が透明視されると共に、外形が鎖線で図示される。また、図54(b)は、第2入賞部材2500が取り外された状態が図示される。
図53及び図54に示すように、第23実施形態における第1入賞部材23400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部23410と、その本体部23410の背面側から膨出する膨出部2420と、その本体部23410から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
本体部23410は、遊技釘YKの下方に位置し前後方向に貫通する第2貫通孔23435と、その第2貫通孔23400に挿入される保持部材23450と、左右方向両端部に第1入賞部材23400をベース板60に締結する皿ネジN2を挿通する貫通孔2413とを主に備えて形成される。
第2貫通孔23435は、円形状に形成されると共に、前後方向(図F06(a)左右方向)に貫通して形成される。また、第2貫通孔23435は、前面側に形成される大径部23435aと背面側(図F06(a)左側)に前面側(図F06(a)右側)よりも小さい内径に形成される小径部23435bとを備えて形成される。また、第2貫通孔23435は、その軸が第2入賞部材2500と前後方向に重なる位置に形成される。
大径部23435aは、後述する保持部材23450の頭部23451を挿入する貫通孔であり、頭部23451の外径よりも大きい内径に形成される。小径部23435bは、後述する保持部材23450の軸部23452が挿通される貫通孔であり、軸部23452の外径予知も大きい内径に形成される。
保持部材23450は、円柱状に形成される頭部23451と、その頭部23451と同軸上に配設されると共に、頭部23451の外径よりも小さい外径の円柱状に形成される軸部234542と、その軸部23452の背面側に凹設される溝部23453とを備えて形成される。
頭部23451は、軸方向(図54(a)左右方向長さ)が大径部23435aの軸方向長さよりも小さく形成される。また、軸部23452の周囲に配設されるコイルスプリングSPよりもその外径が大きく形成される。これにより、頭部23451を第2貫通孔23435の内部に挿入した場合にコイルスプリングSPが前面側に抜け出ることを抑制できる。
軸部23452は、上述したように、第2貫通孔23435に挿入され小径部23435bの内側を前後方向に摺動する部材であり、第2貫通孔23435の軸方向長さよりも軸方向に長く形成される。
溝部23453は、Eリング23454を装着する溝であり、Eリング23454の板厚よりも少し大きい幅で軸部23452の周方向に亘って形成される。また、溝部23453は、軸部23452の背面側に形成されており、溝部23453を第2貫通孔23453の背面側(図54(a)左側)から突出させた状態でEリング23454が取り付けられる。
Eリング23454は、第2貫通孔23453の小径部23435bよりも外径が大きく形成される。これにより、保持部材23450を第2貫通孔23435の内側に配設した状態を維持できる。また、軸部23452の周囲にはコイルスプリングSPが配設される。よって、頭部23451は、コイルスプリングSPの弾性回復力により前面側(図54右側)に付勢された状態で保持される。
よって、第1入賞部材23400は、第2貫通孔23435の軸が第2入賞部材2500と前後方向に重なる位置に形成されるので、第2入賞部材2500をベース板60に締結固定した状態では、第2入賞部材2500のベース部材2510により、保持部材23450の頭部23451が背面側に押圧される。これにより、コイルスプリングSPが収縮されて、保持部材23450の頭部23451が、大径部23435aの内側に配置された状態とされる。
一方、図54(b)に示すように、第2入賞部材2500がベース板60から取り外されると、コイルスプリングSPの弾性回復力により、保持部材23450の頭部23451が前面側に押し出される。これにより、保持部材23450を前面側に変位させることができる。
従って、第1入賞部材23400の遊技釘YKが2本とも折れて第1入賞部材23400を交換する場合に、第1入賞部材23400ベース板60から取り外し易くできる。
詳しく説明すると、第1入賞部材23400は、ベース板60と前面が同一平面上に配設されるので、遊技釘YKが2本とも取れた場合に、第1入賞部材23400を指で保持する箇所がなくなる。そのため、遊技釘YKが2本とも折れた場合に、第1入賞部材23400をベース板60から取り外し難くなる。
これに対し、第23実施形態では、第1入賞部材23400に出没可能に配設される保持部材23450と、その保持部材23450を突出方向へ付勢するコイルスプリングSPと、ベース板60に配設される第2入賞部材2500とを備え、第2入賞部材2500が第1入賞部材23400の保持部材23450を没入させる位置に配設されるので、遊技状態では保持部材23450を第2入賞部材2500により遊技者から隠して、外観の向上を図りつつ、第2入賞部材2500を取り外した状態では、作業者が保持部材23450を把持可能として、ベース板60から第1入賞部材23400を取り外しやすくすることができる。
また、第2入賞部材2500の遊技盤への締結方向が、保持部材23450の出没方向と平行な方向に設定されるので、第2入賞部材2500を遊技盤へ締結固定しつつ保持部材23450を没入させることができる。即ち、保持部材23450を没入させる作業工程と、第2入賞部材2500を遊技盤へ締結固定する作業工程とを別々に行う必要がないので、工数を削減でき、その分、第1入賞部材23400および第2入賞部材2500を遊技盤へ取り付ける作業の作業性の向上を図ることができる。
さらに、第1入賞部材23400を取り外す場合に、遊技釘YK以外の箇所を掴むことができるので、第1入賞部材23400を取り外す場合に、遊技釘YKが曲がることを抑制できる。
また、保持部材23450は、頭部23451が軸部23452よりも外径が大きく形成されるので、指に頭部23451を引っ掛け易くできる。よって、その分、第1入賞部材23400をベース板60から取り出し易くできる。
次いで、図55を参照して、第24実施形態における第1入賞部材24400について説明する。第2実施形態では、第1入賞部材24400を取り外す場合に、その第1入賞部材24400の背面に指を係止可能とされる場合を説明したが、第24実施形態の第1入賞部材24400は、開口部24434の内壁に指を係止可能に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図55(a)は、第24実施形態における遊技盤13の正面図であり、図55(b)は、図55(a)のLVb−LVb線における遊技盤13の断面図である。なお、図55(a)及び図55(b)では、第2入賞部材2500が透明視されると共に外形が破線で図示される。
図55に示すように、第24実施形態における第1入賞部材24400は、正面視矩形の板状体から形成される本体部24410と、その本体部24410の背面側(図55(b)左側)から膨出する膨出部2420と、本体部24410側(前面側)から打ち込まれる遊技釘YKとを主にそなえて形成される。
本体部24410は、遊技釘YKの下方に位置し前後方向(図55左右方向)に遊技球の外径よりも大きい形状に開口する開口部24434と、その開口部24434の内縁の上端から下方に突出する突壁24434aと、左右方向両端部に形成され第1入賞部材24400をベース板60に締結する皿ネジN2を挿通する貫通孔2413とを主に備える。
開口部24434は、第2入賞部材2500の開口部311の背面側に位置して形成されており、第1入賞口64に流入した遊技球を開口部24434を挿通させてベース板60の背面側に送球できる。
突壁24434aは、開口部24434の内縁上端の前面側から下方に突出して形成される壁部である。開口部24334の内壁にベース板60の背面側に段差面を向けた突壁24434aが形成されるので、段差面を利用して、第1入賞部材24400をベース板60から引き抜くことができる。即ち、第1入賞部材24400の背面に到達するまで指を通路内へ挿通させて、第1入賞部材24400の背面で指を係止させる必要がなく、比較的浅い位置の段差面で指を係止させることができるので、第1入賞部材24400をベース板60から取り外しやすくできる。
また、第1入賞部材24400は、その下端部分の背面側に第1入賞部材24400の幅方向(図55(a)左右方向)全域にわたって切り欠き形成される切欠き部24436を備える。切欠き部24436は、背面側に向かって上方に傾斜して形成される。これにより、突壁24434aに指を引っ掛けて第1入賞部材24400をベース板60から取り外す場合に、切欠き部24436を利用して、第1入賞部材24400をベース板60から引き抜く際に、開口部24434の段差面が形成される内壁側に位置する第1入賞部材24400の外側面(図55(b)上側の面)を支点として、第1入賞部材24400を回転させる態様を形成できる。よって、ベース板60から第1入賞部材24400を取り外し(引き抜き)やすくすることができる。
次いで、図56及び図57を参照して、第25実施形態における第1入賞部材25400のベース板60への締結方向について説明する。第2実施形態では、ベース板60に形成される円環突起2060d1に皿ネジN2を螺合させる場合を説明したが、第25実施形態では、皿ネジN2が第1入賞部材25400の背面側に配設される締結部材25470に螺合される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図56は、第25実施形態における遊技盤13の分解斜視正面図である。図57(a)は、遊技盤13の正面図であり、図57(b)及び図57(c)は、図57(a)のLVII−LVII線における遊技盤13の断面図である。なお、図57(b)では、遊技釘YKが膨出部25420に打ち込まれる前の状態が図示され、図57(c)では、遊技釘YKが膨出部25420に打ち込まれた後の状態が図示される。また、図56及び図57では、遊技盤13から第2入賞部材2500が取り外された状態が図示される。
図56及び図57に示すように、第25実施形態におけるベース板60は、凹設部2060cの中央開口(センターフレーム86)側の周囲に背面側(図56(b)上方側)から前面側(図56(b)下方側)に凹設される窪み部25060dとを主に備えて形成される。
窪み部25060は、背面視における外形が第1入賞部材25060の外形と略同一に形成される。これにより、窪み部25060dの内側に第1入賞部材25400を配設できる。また、窪み部25060dには、前後方向に貫通する挿通孔25060d3が形成される。
挿通孔25060d3は、正面視円形状に形成されており、ベース板60に後述する第1入賞部材25400を配設した状態において、第1入賞部材25400の挿通孔25418と同軸上に形成される。また、挿通孔25418は、前面側が皿ビスN2の頭部を収容できる大きさに拡径して形成される。
第1入賞部材25400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部25410と、その本体部25410の前面側から膨出する膨出部25420と、その膨出部25420側から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
膨出部25420は、本体部25410の長手方向(図57(b)左右方向)略中央位置に形成されると共に、本体部25410の長手方向において本体部257410よりも短い外形寸法に形成される。本体部25410は、長手方向両端部に前後方向(図57(b)上下方向)に貫通形成される挿通孔25410が形成される。
挿通孔25418は、第1入賞部材25400を締結固定する皿ネジN2の先端を挿通する孔であり、皿ネジN2の先端側(軸部)の外径よりも内径が大きく形成される。また、挿通孔25418は、その軸が、ベース板60に形成される挿通孔25060d3の軸と同軸上に形成される。これにより、皿ネジN2を、ベース板60の挿通孔25060d3を挿通させた後に、挿通孔25418に挿通させることができる。
締結部材25470は、鉄材から形成されると共に、正面視横長矩形の板状体に形成される。締結部材25470は、その長手方向寸法L16(図57(b)参照)が第1入賞部材25400の長手方向寸法L17(図57(b)参照)よりも大きく設定されると共に、長手方向中央位置が本体部25400の長手方向中央位置と前後方向(図57)において同一位置に配設される。
また、締結部材25470は、その短手方向(図57(a)上下方向)における中間位置が遊技釘YKと第1入賞部材25400との連結部分の背面側に設定されると共に、左右の両端に前後方向に貫通形成される締結孔25471を備える。遊技釘YKと第1入賞部材25400との連結部分の背面側に配設される。即ち、遊技釘YKの植設方向の延長線上に締結部材25470を位置させることができる。よって、締結部材25470の面積を抑制しつつ、第1入賞部材25400の支持剛性を効果的に高めることができるので、製品コストを抑制しつつ、第1入賞部材25400の前面に遊技釘YKを植設する際に第1入賞部材25400に割れなどの損傷が生じることを抑制できる。
締結孔25471は、内部に皿ネジN2を螺合できる雌ねじが形成される。締結孔25471は、その軸が上述した第1入賞部材25400の挿通孔25418及びベース板60を挿通孔254060d3と同軸上に形成される。これにより、挿通孔25400d3,25418を挿通した皿ネジN2を、締結部材25470の締結孔25471に螺合させることができる。
よって、ベース板60に第1入賞部材25400を配設した状態で、ベース板60の前面側から皿ネジN2を挿通孔25060d3及び挿通孔25418を挿通させて締結孔25471に螺合させることで、第1入賞部材25400をベース板60に締結固定することができる。
ここで、第1遊技盤部材(ベース板60)と、その第1遊技盤部材に配設され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備え、その第2遊技盤部材に釘(遊技釘YK)が植設された遊技機が知られている。かかる遊技機によれば、第2遊技盤部材を遊技盤に対して着脱できるので、例えば、第2遊技盤部材の釘が折れた場合には、第2遊技盤部材のみを交換して、遊技盤全体としての交換を不要とすることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、釘を植設する作業性が悪いという問題点があった。即ち、第1遊技盤部材に釘を植設する工程とは別に第2遊技盤部材に釘を植設する工程が必要となるため、その分、工数が嵩む。更に、第2遊技盤部材が比較的小さいため、かかる第2遊技盤部材に所定の公差内で釘を植設するためには、第2遊技盤部材の保持精度を高めると共に植設動作の速度を低くすることが必要となり、その分、比較的大きな遊技盤への釘の植設の場合と比較して、工数が嵩む。
これに対し、第25実施形態によれば、ベース板60の前面側から押圧された第1入賞部材25400を支持可能に形成されるので、ベース板60に第1入賞部材25400を配設した状態で、かかる第1入賞部材25400に遊技釘YKを植設できる。よって、第1入賞部材25400に遊技釘YKを植設する作業性の向上を図ることができる。
即ち、一対の皿ネジN2と、それら一対の皿ネジN2がそれぞれ螺合される締結孔25471が形成されると共にベース板60及び第1入賞部材25400よりも剛性が高い材料からなる締結部材25470とを備え、ベース板60の貫通孔2560d3を挿通して第1入賞部材25400の背面側に突出された皿ネジN2が締結部材25470の雌ねじに螺合されるので、ベース板60に第1入賞部材25400が配設された状態において、第1入賞部材25400を背面側から締結部材25400によって支持することができる。よって、第1入賞部材25400の遊技面に遊技釘を植設する際に、第1入賞部材25400にわれ等の損傷が生じることを抑制できる。
この場合、上述したように、締結部材25470は、その長手方向寸法L16が本体部25410の長手方向寸法L17よりも小さく形成されると共に、第1入賞部材25400の左右方向中央位置に配設されるので、締結部材25470が、ベース板60の背面側に乗り上げることを抑制できる。よって、締結部材25470を第1入賞部材25400の背面に密着させやすくして、締結部材25470による第1入賞部材25400の支持剛性を高めることができる。その結果、第1入賞部材25400の遊技面に遊技釘YKを植設する際に、第1入賞部材25400に割れなどの損傷が生じることを抑制できる。
次いで、図58及び図59を参照して、第26実施形態における第1入賞部材26400について説明する。第2実施形態では、膨出部2420の左右方向両端における側面が前後方向(図15(c)上下方向)に平行に形成される場合を説明したが、第26実施形態では、膨出部26420の左右方向両端部における側面が背面側に向かって左右方向中央側に傾斜される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図58は、第26実施形態における遊技盤13の分解斜視正面図であり、図59(a)及び図59(b)は、遊技盤13の断面図である。なお、図59(a)及び図59(b)は、図57(a)の断面図に対応する。また、図59(a)では、遊技釘YKが、本体部2410に打ち込まれる前の状態が図示される。さらに、図58及び図59では、遊技盤13から第2入賞部材2500が取り外された状態が図示される。
図58及び図59に示すように、第26実施形態におけるベース板60は、センターフレーム86が取り付けられるベース板60の中央開口の下側に連続して凹設部26060cが凹設される。第1入賞部材26400は、その一部が凹設部26060cの内側に挿入されると共に、ベース板60の前面側から皿ネジN2により固定される。
凹設部26060cには、内側端面が背面側に向かって左右方向中央側に傾斜する傾斜面26060c1が形成される。傾斜面26060c1は、上下方向に延設して形成される。傾斜面26060c1は、その前後方向長さが、後述する第1入賞部材26400の膨出部26420の前後方向長さよりも小さく設定される。
第1入賞部材25400は、正面視横長矩形の板状体から形成される本体部2410と、その本体部2410の背面側(図59(上方))から膨出する膨出部26420と、本体部2410側から打ち込まれる遊技釘YKとを主に備えて形成される。
本体部2410には、左右の両端部に前後方向に貫通する貫通孔26413が形成される。貫通孔26413は、ベース板60に形成される締結孔26060d4と同軸上に形成されており、第1入賞部材26400をベース板60に配置した状態で、皿ネジN2を前面側から貫通孔26413を挿通させると共に、締結孔26060d4に螺合することで、第1入賞部材26400をベース板60に締結固定できる。
膨出部26420は、本体部2410の長手方向(図59(b)左右方向)略中央位置に形成されると共に、本体部2410の長手方向において、本体部2410よりも短い寸法に形成される。
また、膨出部26420は、その膨出部26420の左右方向(図59(a)左右方向)両端に位置し背面側に向かって左右方向内側に傾斜して形成される当接面26424を備える。当接面26424は、その傾斜角度が上述した傾斜面と略同一の傾斜角度に形成される。さらに、本体部2410側(前面側)の膨出部26420の左右方向(図59(a)左右方向)寸法は、ベース板60の傾斜面26060c1の前面側(窪み部2060dとの境界)における左右方向寸法よりも大きな寸法に設定される。これにより、第1入賞部材26400をベース板60に配設した場合に、当接面26424と傾斜面26060c1とを当接させ、本体部2410の背面と窪み部2060dの正面との間に隙間を設けることができる。
また、第1入賞部材26400をベース板60に前面側から配設する場合に、第1入賞部材26400の当接面26424を傾斜面26060c1に当接させつつ背面側に変位させることで、当接面26424を傾斜面266060c1に案内される。従って、第1入賞部材26400のベース板60への位置決めを簡易にできる。
さらに、第1入賞部材26400が、ベース板60に配設された状態では、当接面26424と傾斜面26060c1とを当接させた状態とできるので、前面側から押圧された第1入賞部材26400がベース部材60へ作用せる力を、ベース板60の板厚に直交する方向へ分散可能に形成される。よって、第1入賞部材26400に遊技釘YKを植設する作業性の向上を図ることができる。
詳しく説明すると、第1入賞部材26400とベース板60とが当接する当接面26424は、遊技釘YKの打ち込み方向に対して傾斜する傾斜面26060c1として形成されるので、第1入賞部材26400に遊技釘YKが植設される際の押圧力を、当接面26424および傾斜面26060c1の傾斜(テーパー角)を利用して、ベース板60の板厚方向(図59(a)上下方向)と板厚に直交する方向(図59(a)左右方向)とに分散させることができる。その結果、ベース板60の負担を軽減して、ベース板60に割れなどの損傷が生じることを抑制できる。
以上、上記各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、1の実施形態の一部または全部を他の1又は複数の実施形態の一部または全部と入れ替えて又は組み合わせて、遊技機を構成しても良い。
上記各実施形態では、ベース板60に着脱自在に配設される対象が入賞口ユニット300等である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の部材や装置であっても良い。他の部材や装置としては、例えば、可動役物、アタッカー、センターフレームなどが例示される。同様に、第1入賞部材2400等には、遊技釘YKが植設される場合や遊技球が通過可能な通路が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。遊技釘YKまたは通路の一方または両方が省略されていても良く、他の部材や装置が配設されていても良い。他の部材や装置としては、風車やセンサ装置などが例示される。
上記各実施形態では、ベース板60(第1遊技盤構成部材)が光透過性の樹脂材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、塗装やシールの貼着により、ベース部材60を光を透過しない形態に形成しても良い。また、別の材料からベース板60を形成しても良い。別の材料としては、木材(例えば、ベニヤ板に代表される合板)が例示される。なお、ベース板60が木材からなる場合には、締結強度の確保が困難であり、特に、複数回の締結には不向きである。そのため、上記各実施形態における構成が特に有効となる。第1入賞部材2400等(第2遊技盤構成部材)の材料についも同様である。
上記第3実施形態では、第1入賞部材3400を締結する皿ネジN2の頭部が遊技者側から視認可能とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上記第4実施形態の第2入賞部材4500の覆設部4511を本体部3510に形成して、皿ネジN2の頭部が遊技者から視認し難くされていても良い。
上記第6実施形態では、ベース部材60の前面側(凹設部2060cの周囲)に窪み部6060dが凹設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、窪み部6060dの凹設を省略しても良い。即ち、凹設部2060cの下面に締結孔6060d4を形成する面が形成されていれば良い。これにより、窪み部6060dの形成を省略できる分、ベース部材60の加工コストを低減でき、製品コストの削減を図ることができる。同時に、第1入賞部材6400の外形も単純化できるので(第6実施形態では本体部6410と膨出部2420の正面視における外形が同一となる直方体形状)、この点からも製品コストの削減を図ることができる。
上記第7実施形態では、貫通孔7060eの断面形状を円形に形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、円形、楕円形、多角形、これらを組み合わせたものでもよい。また、貫通孔7060eは、少なくとも皿ネジN2が挿通可能に形成されれば足り、周面の一部が開放されていても良い。開放部分は、皿ネジN2の挿通方向に沿って連続していても良く、挿通方向の一部のみであってもよい。
上記第7実施形態では、拡径部7060e1は、その凹設寸法が円環突起7414の突設寸法よりも小さく形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、拡径部7060e1の凹設寸法が円環突起7414の突設寸法よりも大きく形成されても良い。この場合、第1入賞部材7400が、ベース板60に対して締結固定された状態では、第1入賞部材7400の前面とベース板60の背面とが当接された状態を形成できる。即ち、円環突起7414の突設先端と拡径部7060e1の凹設底面との間に隙間が形成された状態を形成できる。よって、当接面積を確保して、第1入賞部材7400をベース板60に対して強固に固定することができる。
上記第7実施形態では、ベース板60の中央開口(窓部)にセンターフレーム86が配設される場合を説明したが必ずしもこれに限られるものではない。例えば、センタ―フレーム86の取り付けを省略して遊技盤13を構成してもよい。この場合、第1入賞部材7400は、皿ネジN2を取り外した状態では、ベース板60の前面(遊技面)に平行な方向に沿ってスライド変位されることで、ベース板60の中央開口側へ抜き取り可能に形成されるので、第1入賞部材7400の背面側に他の部材や装置が配設されている場合でも、他の部材や装置(例えば、遊技球を送球する通路を形成する部材)を取り外すことなく、第1入賞部材7400を交換することができる。よって、交換作業の作業性を向上できる。
言い変えると、交換作業のためのスペースを第1入賞部材7400の背面側に確保することを不要とでき、その分、かかる第1入賞部材7400の背面側のスペースを、他の部材や装置(例えば、遊技球を送球する通路を形成する部材)を配設するためのスペースとして利用することができる。
上記第11実施形態では、ネジN3が挿通される挿通孔11418が第1入賞部材11400に形成されると共に、ネジN3が螺合される締結孔6060d4がベース板60に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ネジN3が挿通される挿通孔がベース板60に形成されると共に、ネジN3が螺合される締結孔が第1入賞部材11400に形成されていてもよい。
上記第13実施形態では、背面部材13700は、ベース板60の背面側に配設される場合を説明したが、背面部材13700は、ベース板60に弾性的に係合されてもよい。背面部材13700をベース板60の中央開口の下縁側の内側面に載置された状態に維持しやすくできるからである。なお、弾性的に係合された状態とは、例えば、ベース板60または背面部材13700の一方に弾性変形可能に形成される弾性爪が他方に係合される形態、一方に弾性変形可能に対向配置される一対の対向辺の間に他方が挟持される形態などが例示される。
上記第14実施形態では、通路部材14800の突設部14812と第1入賞部材14400の凹設部14423aとが係合するのみの場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、突設部14812に第1入賞部材14400をベース板60に締結固定する雌ねじを形成しても良い。
この場合、皿ネジN2が螺合される雌ねじが通路部材14800に形成されるので、通路部材14800が配設されていることを、第1入賞部材14400をベース部材60に締結固定するための要件とすることができる。よって、第1入賞部材14400を交換する際に、作業者が通路部材14800を付け忘れることを抑制できる。
なお、通路部材14800が突設部14812を備える場合には、かかる突設部14812に雌ねじを形成する形態が好ましい。突設部14812が不正に除去または使用により破損されている場合に、第1入賞部材14400をベース板60に締結固定することを不能とできるので、不正を抑制できると共に、破損を認識させることができるからである。
上記第14実施形態では、通路部材14800の突設部14812を第1入賞部材14400の凹設部14423aに挿入して係合する場合を説明したが必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1入賞部材14400の凹設部14423aに弾性変形可能に構成される鉤状部を形成して、ベース板60への第1入賞部材14400の取り付けに伴い、鉤状部を介してベース板と第1入賞部材14400とが間接に係合され、第1入賞部材14400の取り外し方向への移動が規制されるので、第1入賞部材14400の脱落を防止するための工程を別途行う必要がないので、第1入賞部材14400の交換作業を簡素化できると共に、第1入賞部材14400の脱落を防止するための工程を実施し忘れることを抑制できる。
上記第19実施形態では、第1入賞部材2400の取り外しを許容する第2入賞部材19500の許容位置が規制位置よりも、重力方向下側に設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、第1入賞部材2400の取り外しを許容する第2入賞部材19500の許容位置が規制位置よりも、重力方向上方に設定されても良い。
この場合、第2入賞部材19500をその自重により規制位置に配置させることができる。即ち、第1入賞部材2400の交換が完了した際には、第2入賞部材19500を作業者が規制位置へ変位させる必要がない。よって、第2入賞部材19500が許容位置に配置されたままの状態とされる(即ち、規制位置へ戻し忘れる)ことを抑制できる。
上記第21実施形態では、弾性部材21510を第1入賞部材2400の左右方向中心位置に対して対称に配設する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、弾性部材21510が第1入賞部材2400の一側に偏倚して配設されていてもよい。
この場合、弾性部材21510の弾性回復力を利用して、ベース板60から第1入賞b部材2400を突出される際には、第1入賞部材2400をその他側を支点として回転させる態様とできる。よって、両者の間の段差(第1入賞部材2400の一側の突出量)をより大きくすることができる。その結果、作業者が段差を直接または間接に握持しやすくでき、ベース板60から第1入賞部材2400を取り外しやすくすることができる。
上記第25実施形態では、締結部材25470は、直線状に形成される場合を説明したが必ずしもこれに限られるものではない。例えば、締結部材25470の第1入賞部材25400の背面に対面される側の面であって、2箇所の締結孔25471の間の領域における面が、第1入賞部材25400の背面に向けて凸の円弧状に湾曲されてもよい。
この場合、2箇所の締結孔25471への皿ネジN2の螺合に伴って、締結部材25470が第1入賞部材25400へ押し付けられ、かかる締結部材25470を第1入賞部材25400の配面に密着させやすくできる。よって、締結部材25470による第1入賞部材25400の支持剛性を高めることができる。その結果、第1入賞部材25400の前面に遊技釘YKを植設する際に、第1入賞部材25400にわれ等の損傷が生じることを抑制できる。
上記第26実施形態では、皿ネジN2が挿通される貫通孔26413が、当接面26414以外の箇所に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、皿ネジN2が挿通される貫通孔26413が、第1入賞部材26413の当接面に形成されると共に、第1入賞部材26400の貫通孔26413に挿通された皿ネジN2が螺合される締結孔26060d4が、ベース板60の傾斜面26060c1に形成されても良い。
この場合、第1入賞部材26400とベース板60との間に隙間が形成されることを抑制できる。よって、皿ネジN2の軸力を確保できるので、ベース板60への第1入賞部材26400を強固に締結固定できる。
上記第26実施形態では、遊技釘YKの植設方向の延長線上と異なる位置に当接面26060c1が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技釘YKの植設方向の延長線上に当接面26060c1及び傾斜面26060c1が形成されていてもよい。
この場合、遊技釘YKの植設に伴う押圧力を当接面26060c1及び傾斜面26060c1へ直接作用させることができる。これにより、第1入賞部材26400の曲げ変形を抑制して、割れなどの破損が生じることを抑制できる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<入賞口ユニット300を一例とする発明の概念について>
第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に締結固定され前記第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備えた遊技機において、前記第1遊技盤部材に前記第2遊技盤部材を締結固定する1又は複数のねじ部材を備え、前記第1遊技盤部材側には、前記ねじ部材が螺合可能な複数のめねじが形成され、前記第2遊技盤部材には、前記ねじ部材が挿通可能な1又は複数の挿通孔が形成され、前記めねじの数よりも少ない数の前記ねじ部材により前記第2遊技盤部材が前記第1遊技盤部材に締結固定されていることを特徴とする遊技機A1。
ここで、第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に締結固定され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2003−310905号公報)。第2遊技盤部材には挿通孔が、第1遊技盤部材にはめねじが、それぞれ形成され、第2遊技盤部材の挿通孔に挿通されたねじ部材が、第1遊技盤部材のめねじに螺合されることで、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材に対して締結固定される。かかる遊技機によれば、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に対して着脱できる。即ち、第2遊技盤部材に故障や破損が生じた場合には、かかる第2遊技盤部材のみを交換して、遊技盤全体としての交換を不要とすることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、第2遊技盤部材を交換する毎に、めねじとねじ部材との螺合が繰り返され、めねじのねじ山にへたり(摩耗やかじり)が生じるため、交換回数が嵩むと、締結固定の信頼性が低下するという問題点があった。
これに対し、遊技機A1によれば、第1遊技盤部材に第2遊技盤部材を締結固定する1又は複数のねじ部材を備え、第1遊技盤部材側には、ねじ部材が螺合可能な複数のめねじが形成され、第2遊技盤部材には、ねじ部材が挿通可能な1又は複数の挿通孔が形成され、めねじの数よりも少ない数のねじ部材により第2遊技盤部材が第1遊技盤部材に締結固定されているので、1のめねじのねじ山にへたり(摩耗やかじり)が生じた場合には、他のめねじを使用できる。よって、交換回数が嵩んだ場合でも、締結固定の信頼性を確保することができる。
なお、挿通孔の断面形状は任意であり、例えば、円形、楕円形、多角形、これらの組み合せが例示される。また、挿通孔は、少なくともねじ部材が挿通可能に形成されれば足り、周面の一部が開放されていても良い。開放部分は、ねじ部材の挿通方向に沿って連続していても良く、挿通方向の一部のみであっても良い。
遊技機A1において、前記挿通孔の数が前記めねじの数よりも少なくされると共に、前記第2遊技盤部材の前記第1遊技盤部材に対する姿勢が第1姿勢または第2姿勢を少なくとも選択可能に形成され、前記第1姿勢と前記第2姿勢とでは、前記挿通孔に連なるめねじが異なるめねじとされることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、第2遊技盤部材の第1遊技盤部材に対する姿勢が第1姿勢または第2姿勢を少なくとも選択可能に形成され、第1姿勢と第2姿勢とでは、挿通孔に連なるめねじが異なるめねじとされるので、1のめねじのねじ山にへたり(摩耗やかじり)が生じた場合には、第2遊技盤部材の姿勢を変更することで、他のめねじを使用できる。よって、交換回数が嵩んだ場合でも、締結固定の信頼性を確保することができる。
特に、遊技機A2によれば、挿通孔の数がめねじの数よりも少なくされるので、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材の正面に視認可能に配設される場合に、ねじ部材が挿通されていない状態で遊技者に視認される挿通孔の数を低減できる。よって、挿通孔を被覆するための他の部材の面積を抑制できる。なお、挿通孔の数と同数のねじ部材により第2遊技盤部材が第1遊技盤部材に締結固定されることが好ましい。この場合には、ねじ部材が挿通されていない状態で遊技者に視認される挿通孔を無くすことができる。よって、他の部材による挿通孔の被覆を不要とすることができる。
また、挿通孔の数が減らせることで、その分、第2遊技盤部材の強度を確保できる。ここで、第2遊技盤部材は、比較的小型となるため、その強度の確保が困難である。一方、釘が植設されるものとして第2遊技盤部材が形成される場合は、釘を植設する際の打ち込み荷重に対し、或いは、遊技中に遊技球が釘に衝突する際の衝撃に対し、強度を確保する必要がある。よって、釘が植設される第2遊技盤部材では、挿通孔の数を減らせることが強度確保の観点から特に有効となる。
遊技機A2において、前記第1遊技盤部材には、前記第2遊技盤部材を支持する座面に所定の傾斜角度が付与され、前記第2遊技盤部材には、前記座面に支持される被支持面に対して垂直に釘が植設されることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、第1遊技盤部材には、第2遊技盤部材を支持する座面に所定の傾斜角度が付与され、第2遊技盤部材には座面に支持される被支持面に対して垂直に釘が植設されるので、第2遊技盤部材の姿勢(第1姿勢または第2姿勢)を変更しても、第1遊技盤部材(遊技面)に対する釘の傾斜角度を一定に維持することができる。
遊技機A3において、前記第1姿勢と前記第2姿勢とで同じ位置に配置されるように前記釘が前記第2遊技盤部材に植設されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、第1姿勢と第2姿勢とで同じ位置に配置されるように釘が第2遊技盤部材に植設されるので、第2遊技盤部材の姿勢(第1姿勢または第2姿勢)を変更しても、第1遊技盤部材(遊技面)に対する釘の位置を所定位置に維持することができる。
遊技機A3又はA4において、前記座面の傾斜方向に沿って延びる前記第2遊技盤部材の正面縁部またはその第2遊技盤部材の正面縁部に並設される前記第1遊技盤部材の正面縁部の一方には、他方へ向けて下降傾斜する傾斜面が形成されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A3又はA4の奏する効果に加え、座面の傾斜方向に沿って延びる第2遊技盤部材の正面縁部またはその第2遊技盤部材の縁部に並設される第1遊技盤部材の正面縁部の一方には、他方へ向けて下降傾斜する傾斜面が形成されるので、両者の正面どうしを滑らかに連ねることができる。即ち、第1遊技盤部材の座面が傾斜されることで、第1遊技盤部材の正面と第2遊技盤部材の正面との間に段差が形成されることを抑制できる。よって、かかる段差を抑制するために、第1遊技盤部材の正面または第2遊技盤部材の正面に他の部材を配設することを不要とできる。
遊技機A1において、前記第2遊技盤部材には、前記複数のめねじに対応する位置に前記挿通孔がそれぞれ貫通形成されることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、第2遊技盤部材には、複数のめねじに対応する位置に挿通孔がそれぞれ貫通形成されるので、1のめねじのねじ山にへたり(摩耗やかじり)が生じた場合には、他のめねじを使用できる。よって、交換回数が嵩んだ場合でも、締結固定の信頼性を確保することができる。
この場合、遊技機A6によれば、他のめねじを使用する場合に、第2遊技盤部材の第1遊技盤部材に対する姿勢を変更する必要がない。即ち、第2遊技盤部材が選択可能な姿勢の数にめねじの数が限定されない。よって、めねじの数をより多く確保することができる。その結果、第2遊技盤部材の交換可能な回数をより多く確保できる。
遊技機A6において、前記第1遊技盤部材に配設される第2部材を備え、前記挿通孔が前記第2遊技盤部材の正面に開口されると共に、前記第2部材が前記第2遊技盤部材の挿通孔の正面に張り出す張出部を備えることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、第1遊技盤部材に配設される第2部材を備え、挿通孔が第2遊技盤部材の正面に開口されると共に、第2部材が第2遊技盤部材の挿通孔の正面に張り出す張出部を備えるので、ねじ部材が挿通されていない挿通孔を被覆して、遊技者から隠すことができる。よって、外観の向上を図ることができる。また、第2遊技盤部材の一側のみがねじ部材により第1遊技盤部材に締結固定されている場合に、第2遊技盤部材の正面に第2部材の張出部が張り出されていることで、第2遊技盤部材の他側の浮き上がりを抑制できる。
遊技機A6において、前記めねじ及び挿通孔が前記第1遊技盤部材の正面に略平行に延設されることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、めねじ及び挿通孔が第1遊技盤部材の正面に略平行に延設されるので、挿通孔またはねじ部材の頭が第1遊技盤部材の正面(遊技面)に露出されないようにできる。よって、ねじ部材が挿通されていない挿通孔を遊技者に視認させ難くできるので、挿通孔を被覆するための他の部材の面積を抑制または不要とすることができる。また、ねじ部材の頭が遊技球の転動面(遊技面)に露出されないので、皿ねじとすることや頭を収容する座繰り(凹部)を設けることを不要とでき、構造を簡素化できる。
遊技機A1において、前記第1遊技盤部材の背面に変位可能に支持されると共に前記複数のめねじが形成される被締結部材を備えることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、第1遊技盤部材の背面に変位可能に支持されると共に複数のめねじが形成される被締結部材を備えるので、1のめねじのねじ山にへたり(摩耗やかじり)が生じた場合には、被締結部材を変位させることで、他のめねじを使用できる。よって、交換回数が嵩んだ場合でも、締結固定の信頼性を確保することができる。
特に、遊技機A9によれば、被締結部材が第1遊技盤部材の背面に支持されているので、第2遊技盤部材を取り外した際に、被締結部材が脱落しないように、又は、第2遊技盤部材を取り付ける際に、ねじ部材を被締結部材のめねじに螺合させるために、第1遊技盤部材の背面から作業者が手で被締結部材を保持しておく必要がない。よって、第2遊技盤部材を交換する際に、第1遊技盤部材(遊技盤)を開放させる必要がなく、第1遊技盤部材(遊技盤)を閉じた状態のままで、正面から第2遊技盤部材の交換作業を行うことができる。よって、第2遊技盤部材を交換する作業の作業性を向上できる。
遊技機A9において、前記被締結部材は、正面視円形に形成されると共に前記円形の中心を回転軸として前記第1遊技盤部材に回転可能に軸支されることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A9の奏する効果に加え、被締結部材が、正面視円形に形成されると共にその円形の中心を回転軸として第1遊技盤部材に回転可能に軸支されるので、ねじ部材を螺合させるめねじを変更するために、被締結部材を回転させても、遊技者から視認される被締結部材の外観を一定に維持できる。特に、第1遊技盤部材が光透過性の材料から形成され被締結部材が第1遊技盤部材を介して透視される場合には、正面視円形の形状が外観の維持に対して有効となる。
遊技機A9又はA10において、前記第1遊技盤部材は、前記第2遊技盤部材が配設される領域に開口形成されると共に前記被締結部材に連通される開口を備えることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A9又はA10の奏する効果に加え、第1遊技盤部材は、第2遊技盤部材が配設される領域に開口形成されると共に被締結部材に連通される開口を備えるので、かかる開口を介して第1遊技盤部材の正面から被締結部材を作業者が操作することを可能とできる。即ち、第2遊技盤部材を取り付ける際に、被締結部材を変位(又は回転)させてめねじの位置を調整しておく必要があるところ、かかる調整を、第1遊技盤部材を閉じた状態のままで行うことができる。よって、第2遊技盤部材を交換する作業の作業性を向上できる。
また、かかる開口は、第2遊技盤部材が配設される領域に開口形成されるので、第1遊技盤部材に第2遊技盤部材を取り付けた状態では、第2遊技盤部材により被覆して開口を遊技者から隠すことができる。よって、外観の向上を図ることができる。
<入賞口ユニット7300を一例とする発明の概念について>
第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に締結固定され前記第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備えた遊技機において、前記第1遊技盤部材に前記第2遊技盤部材を締結固定するねじ部材を備え、前記ねじ部材が挿通される挿通孔が、前記第1遊技盤部材側に形成されると共に、前記第1遊技盤部材側の挿通孔に挿通された前記ねじ部材が螺合されるめねじが、前記第2遊技盤部材に形成されることを特徴とする遊技機B1。
ここで、第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に締結固定され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2003−310905号公報)。第2遊技盤部材には挿通孔が、第1遊技盤部材にはめねじが、それぞれ形成され、第2遊技盤部材の挿通孔に挿通されたねじ部材が、第1遊技盤部材のめねじに螺合されることで、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材に対して締結固定される。かかる遊技機によれば、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に対して着脱できる。即ち、第2遊技盤部材に故障や破損が生じた場合には、かかる第2遊技盤部材のみを交換して、遊技盤全体としての交換を不要とすることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、第2遊技盤部材を交換する毎に、めねじとねじ部材との螺合が繰り返され、めねじのねじ山にへたり(摩耗やかじり)が生じるため、交換回数が嵩むと、締結固定の信頼性が低下するという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、ねじ部材が挿通される挿通孔が、第1遊技盤部材側に形成されると共に、第1遊技盤部材側の挿通孔に挿通されたねじ部材が螺合されるめねじが、第2遊技盤部材に形成されるので、第2遊技盤部材を交換する際には、その交換に伴って、新しいめねじを使用できる。よって、交換回数が嵩んだ場合でも、締結固定の信頼性を確保することができる。
なお、挿通孔の断面形状は任意であり、例えば、円形、楕円形、多角形、これらの組み合せが例示される。また、挿通孔は、少なくともねじ部材が挿通可能に形成されれば足り、周面の一部が開放されていても良い。開放部分は、ねじ部材の挿通方向に沿って連続していても良く、挿通方向の一部のみであっても良い。
遊技機B1において、前記第2遊技盤部材の第1面から突設される突部と、その突部を受け入れ可能に前記第1遊技盤部材の第2面に凹設される凹部とを備え、前記めねじが前記第2遊技盤部材の突部に形成されると共に、前記挿通孔が前記第1遊技盤部材の凹部に連通して形成されることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、第2遊技盤部材の第1面から突設される突部と、その突部を受け入れ可能に第1遊技盤部材の第2面に凹設される凹部とを備え、めねじが第2遊技盤部材の突部に形成されると共に、挿通孔が第1遊技盤部材の凹部に連通して形成されるので、めねじのねじ部(完全ねじ部)の長さを確保できる。よって、その分、ねじ部材の軸力を高めることができ、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に対して強固に締結固定しやすくできる。
なお、第2遊技盤部材は、比較的小型となるため、その強度の確保が困難であるところ、遊技機B2のように、突部にめねじを形成して、ねじ部の長さを確保することで、ねじ部材に所定の軸力を付与可能としつつ、第2遊技盤部材の負担を分散させることができる。即ち、突部にめねじを設ける構成が、強固な締結固定と第2遊技盤部材の破損防止とを両立させる観点から特に有効となる。
遊技機B2において、前記突部の突設寸法が前記凹部の凹設寸法よりも大きな寸法に設定されることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、突部の突設寸法が凹部の凹設寸法よりも大きな寸法に設定されるので、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材に対して締結固定された状態では、突部の突設先端と凹部の凹設底面とが当接された状態を形成できる。即ち、第2遊技盤部材の第1面と第1遊技盤部材の第2面との間に隙間が形成された状態を形成できる。よって、突部の弾性変形を利用して、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に対して相対変位させやすくできる。その結果、例えば、第2遊技盤部材に釘が植設される場合には、遊技中に遊技球が釘に衝突する際の振動を吸収して、釘の破損(折損)を抑制できる。
なお、この場合には、凹部の内径寸法が突部の外径寸法よりも小さい寸法に設定されることが好ましい。また、突部の突設先端と凹部の凹設底面とを除き、他の部分では第2遊技盤部材と第1遊技盤部材とが当接しないことが好ましい。これらにより、突部をより弾性変形しやすくすることができるからである。
遊技機B2において、前記突部の突設寸法が前記凹部の凹設寸法よりも小さな寸法に設定されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、突部の突設寸法が凹部の凹設寸法よりも小さな寸法に設定されるので、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材に対して締結固定された状態では、第2遊技盤部材の第1面と第1遊技盤部材の第2面とが当接された状態を形成できる。即ち、突部の突設先端と凹部の凹設底面との間に隙間が形成された状態を形成できる。よって、当接面積を確保して、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に対して強固に固定することができる。
遊技機B1からB4のいずれかにおいて、前記第1遊技盤部材には、液晶表示装置を視認可能とするための窓部と、前記第2遊技盤部材を配設するための開口とが開口形成され、それら窓部と開口とが連通されていることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB4のいずれかにおいて、第1遊技盤部材には、液晶表示装置を視認可能とするための窓部と、第2遊技盤部材を配設するための開口とが開口形成され、それら窓部と開口とが連通されているので、構造部材を交換する際に、第1遊技盤部材の窓部を利用して、作業者に構造部材を把持させることができる。よって、交換作業の作業性の向上を図ることができる。例えば、第2遊技盤部材に釘が植設される場合には、釘を把持しなくても交換作業ができるので、新たに取り付ける第2遊技盤部材の釘が把持されることを抑制して、釘が屈曲したり釘どうしの間隔が変更されることを抑制できる。
遊技機B5において、前記第2遊技盤部材は、非締結状態では、遊技面に平行な方向に沿ってスライド変位されることで、前記第1遊技盤部材の窓部側へ抜き取り可能に形成されることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、第2遊技盤部材は、非締結状態では、遊技面(第1遊技盤部材の正面)に平行な方向に沿ってスライド変位されることで、第1遊技盤部材の窓部側へ抜き取り可能に形成されるので、第2遊技盤部材の背面側に他の部材や装置が配設されている場合でも、他の部材や装置を取り外すことなく、第2遊技盤部材を交換することができる。よって、交換作業の作業性を向上できる。言い換えると、交換作業のためのスペースを第2遊技盤部材の背面側に確保することを不要とでき、その分、かかる第2遊技盤部材の背面側のスペースを、他の部材や装置を配設するためのスペースとして利用することができる。
遊技機B6において、前記第1遊技盤部材の開口の内側面または前記第2遊技盤部材の外側面の一方から突出される突片と、その突片を受け入れ可能に前記第1遊技盤部材の開口の内側面または前記第2遊技盤部材の外側面の他方に凹設されると共に遊技面に平行な方向に沿って連続して延設され前記窓部に連なる凹溝とを備えることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、第1遊技盤部材の開口の内側面または第2遊技盤部材の外側面の一方から突出される突片と、その突片を受け入れ可能に第1遊技盤部材の開口の内側面または第2遊技盤部材の外側面の他方に凹設されると共に遊技面(第1遊技盤部材の正面)に平行な方向に沿って連続して延設され窓部に連なる凹溝とを備えるので、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材の窓部側へ抜き取ることを可能としつつ、遊技に伴う振動により或いは不正な手段によりねじ部材が緩んだり取り外された場合でも、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材が脱落することを抑制できる。
遊技機B7において、前記第1遊技盤部材の開口の内側面から張り出し前記挿通孔が形成される遊技盤張出部と、前記第2遊技盤部材の外側面から張り出し前記めねじが形成される構成部材張出部とを備え、前記第2遊技盤部材の前記構成部材張出部から前記突片が突出されると共に、前記第1遊技盤部材の前記遊技盤張出部の非形成部分に前記凹溝が凹設されることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B7の奏する効果に加え、第1遊技盤部材の開口の内側面から張り出し挿通孔が形成される遊技盤張出部と、第2遊技盤部材の外側面から張り出しめねじが形成される構成部材張出部とを備え、第2遊技盤部材の構成部材張出部から突片が突出されると共に、第1遊技盤部材の遊技盤張出部の非形成部分に凹溝が凹設されるので、めねじのねじ部(完全ねじ部)の長さを確保できる。よって、その分、ねじ部材の軸力を高めることができ、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に対して強固に締結固定しやすくできる。
なお、第2遊技盤部材は、比較的小型となるため、その強度の確保が困難であるところ、遊技機B8のように、第2遊技盤部材の構成部材張出部から突片を突出して、ねじ部の長さを確保することで、ねじ部材に所定の軸力を付与可能としつつ、第2遊技盤部材の負担を分散させることができる。即ち、第2遊技盤部材の構成部材張出部から突片を突出する構成が、強固な締結固定と第2遊技盤部材の破損防止とを両立させる観点から特に有効となる。
遊技機B7において、前記第1遊技盤部材の開口の内側面から張り出し前記挿通孔が形成される遊技盤張出部と、前記第2遊技盤部材の外側面から張り出し前記めねじが形成される構成部材張出部とを備え、前記第1遊技盤部材の前記遊技盤張出部から前記突片が突出されると共に、前記第2遊技盤部材の前記構成部材張出部の非形成部分に前記凹溝が凹設されることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B8によれば、遊技機B7の奏する効果に加え、第1遊技盤部材の開口の内側面から張り出し挿通孔が形成される遊技盤張出部と、第2遊技盤部材の外側面から張り出しめねじが形成される構成部材張出部とを備え、第1遊技盤部材の遊技盤張出部から突片が突出されると共に、第2遊技盤部材の構成部材張出部の非形成部分に凹溝が凹設されるので、めねじのねじ部(完全ねじ部)の長さを確保できる。よって、その分、ねじ部材の軸力を高めることができ、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に対して強固に締結固定しやすくできる。
なお、第2遊技盤部材は、比較的小型となるため、その強度の確保が困難であるところ、遊技機B9のように、第1遊技盤部材の遊技盤張出部から突片を突出して、ねじ部の長さを確保することで、ねじ部材に所定の軸力を付与可能としつつ、第2遊技盤部材の負担を分散させることができる。即ち、第1遊技盤部材の遊技盤張出部から突片を突出する構成が、強固な締結固定と第2遊技盤部材の破損防止とを両立させる観点から特に有効となる。
遊技機B1からB9のいずれかにおいて、前記第2遊技盤部材には2本の釘が植設され、それら2本の釘を結ぶ仮想線の延長線上には前記めねじが非形成とされることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B1からB9のいずれかにおいて、第2遊技盤部材には2本の釘が植設され、それら2本の釘を結ぶ仮想線の延長線上にはめねじが非形成とされるので、第2遊技盤部材の割れを抑制できる。即ち、2本の釘の植設に伴うひずみ(第2遊技盤部材の弾性変形)が2本の釘を結ぶ仮想線の方向で重なるため、仮想線の延長線上の領域では、第2遊技盤部材の割れが発生しやすいところ、かかる領域には、めねじが非形成とされることで、釘の植設に伴うひずみに、ねじ部材の螺合に伴う負荷が更に重なることを抑制できる。その結果、第2遊技盤部材の割れを抑制できる。
なお、仮想線の延長線とめねじとの離間距離は、第2遊技盤部材の割れを抑制する観点より、ねじ部材の外径の基準寸法(ねじの呼び径)以上に設定されることが好ましく、ねじ部材の外径の基準寸法の2倍以上に設定されることがより好ましい。
<入賞口ユニット10300を一例とする発明の概念について>
第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に着脱自在に配設され前記第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備え、前記第2遊技盤部材に釘が植設された遊技機において、前記釘への外力の作用に伴う前記第2遊技盤部材の破損を抑制可能に形成されることを特徴とする遊技機C1。
ここで、第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に着脱自在に配設され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備え、第2遊技盤部材に釘が植設された遊技機が知られている(例えば、特開2003−310905号公報)。かかる遊技機によれば、第2遊技盤部材の釘に折損が生じた場合には、第2遊技盤部材のみの交換により、遊技盤全体としての交換を不要とすることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、第2遊技盤部材が比較的小型に形成されるため、その第2遊技盤部材の剛性を確保することが困難である。そのため、遊技球の衝突により釘に外力が作用されると、第2遊技盤部材が破損しやすいという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、釘への外力の作用に伴う前記第2遊技盤部材の破損を抑制可能に形成されるので、遊技球の衝突により釘に外力が作用された場合に、第2遊技盤部材が破損することを抑制できる。
遊技機C1において、前記第2遊技盤部材は、前記釘が植設される植設部と、その植設部よりも厚み寸法が小さくされると共に前記第1遊技盤部材に当接されて締結固定される当接部とを備え、前記当接部が、前記第1遊技盤部材との当接面から突設されると共に前記植設部に連なる厚肉部を備えることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、第2遊技盤部材は、釘が植設される植設部と、その植設部よりも厚み寸法が小さくされると共に第1遊技盤部材に当接されて締結固定される当接部とを備え、当接部が、第1遊技盤部材との当接面から突設されると共に植設部に連なる厚肉部を備えるので、その分、植設部の剛性を高めることができる。よって、遊技球の衝突により釘に外力が作用された場合に、第2遊技盤部材(植設部)が破損することを抑制できる。
遊技機C2において、前記第2遊技盤部材には2本の釘が植設され、それら2本の釘を結ぶ仮想線の延長線に沿って前記厚肉部が形成されることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、第2遊技盤部材には2本の釘が植設され、それら2本の釘を結ぶ仮想線の延長線に沿って厚肉部が形成されるので、第2遊技盤部材(植設部)の破損を抑制できる。即ち、2本の釘の植設に伴うひずみ(第2遊技盤部材の弾性変形)が2本の釘を結ぶ仮想線の方向で重なるため、仮想線の延長線上の領域では、第2遊技盤部材の割れが発生しやすいところ、かかる領域に厚肉部が形成されることで、その分、釘の植設に伴うひずみを緩和することができる。よって、釘の植設に伴うひずみに、釘への遊技球の衝突に伴う負荷が更に重なることを抑制できる。その結果、第2遊技盤部材の割れを抑制できる。
遊技機C3において、前記2本の釘を結ぶ仮想線に直交する方向における前記植設部の寸法が、前記2本の釘を結ぶ仮想線に直交する方向における前記厚肉部の寸法よりも大きくされることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、2本の釘を結ぶ仮想線に直交する方向における植設部の寸法が、2本の釘を結ぶ仮想線に直交する方向における厚肉部の寸法よりも大きくされるので、2本の釘を結ぶ仮想線に直交する方向における第2遊技盤部材(植設部)の剛性を高めることができる。その結果、第2遊技盤部材(植設部)の破損を抑制できる。
遊技機C4において、前記第1遊技盤部材に前記第2遊技盤部材を締結固定するねじ部材を備え、前記第2遊技盤部材の当接部には、前記ねじ部材が挿通される挿通孔または前記ねじ部材が螺合されるめねじが、前記厚肉部を挟んだ位置に形成されることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、第2遊技盤部材の当接部には、ねじ部材が挿通される挿通孔またはねじ部材が螺合されるめねじが、厚肉部を挟んだ位置に形成されるので、第2遊技盤部材の剛性を高めるための領域と、第1遊技盤部材に第2遊技盤部材を締結固定するための領域との両者を効率的に確保できる。その結果、第2遊技盤部材の破損の抑制と第2遊技盤部材の小型化との両立を図ることができる。
遊技機C2からC5のいずれかにおいて、前記第1遊技盤部材が、前記第2遊技盤部材の当接部との当接面に凹設され前記厚肉部を受け入れる受入部を備えると共に、その受入部に前記第2遊技盤部材の厚肉部の少なくとも一部が内嵌されることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C2からC5のいずれかの奏する効果に加え、第1遊技盤部材が、第2遊技盤部材の当接部との当接面に凹設され厚肉部を受け入れる受入部を備えると共に、その受入部に第2遊技盤部材の厚肉部の少なくとも一部が内嵌されるので、第1遊技盤部材に厚肉部の少なくとも一部を保持させることができる。即ち、厚肉部の少なくとも一部が保持される分、第1遊技盤部材の剛性を利用して、第2遊技盤部材の剛性を高めることができる。その結果、第2遊技盤部材の破損を抑制できる。
なお、厚肉部の少なくとも一部が受入部に内嵌されるとは、厚肉部の少なくとも一部の外側面が、受入部の内側面に当接されることを意味する。よって、厚肉部の少なくとも一部が弾性的に圧縮変形された状態で受入部の内側面に圧入された状態であっても良い。圧入された状態であれば、厚肉部の少なくとも一部をより強固に保持できるので、第1遊技盤部材の剛性による第2遊技盤部材の剛性の向上効果を高めることができる。
遊技機C1において、前記第1遊技盤部材および第2遊技盤部材よりも弾性係数が小さい材料からなる弾性部材を備え、前記第1遊技盤部材に前記第2遊技盤部材が前記弾性部材を介して配設されることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、第1遊技盤部材および第2遊技盤部材よりも弾性係数が小さい材料からなる弾性部材を備え、第1遊技盤部材に第2遊技盤部材が弾性部材を介して配設されるので、弾性部材の弾性変形を利用して、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に対して相対変位させやすくできる。即ち、その相対変位(弾性変形)により、遊技球の釘への衝突に伴う外力を吸収して、第2遊技盤部材の破損を抑制できる。
遊技機C7において、前記第1遊技盤部材に前記第2遊技盤部材を締結固定するねじ部材を備え、前記ねじ部材が挿通される挿通孔が前記第1遊技盤部材または第2遊技盤部材の一方に形成されると共に、前記挿通孔に挿通された前記ねじ部材が螺合されるめねじが前記第1遊技盤部材または第2遊技盤部材の他方に形成され、前記弾性部材が略筒状に形成され前記挿通孔と前記ねじ部材の軸との間に介設されることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C7の奏する効果に加え、第1遊技盤部材に第2遊技盤部材を締結固定するねじ部材を備え、ねじ部材が挿通される挿通孔が第1遊技盤部材または第2遊技盤部材の一方に形成されると共に、挿通孔に挿通されたねじ部材が螺合されるめねじが第1遊技盤部材または第2遊技盤部材の他方に形成され、弾性部材が略筒状に形成され挿通孔とねじ部材の軸との間に介設されるので、第1遊技盤部材に対して第2遊技盤部材が相対変位する際の変位方向の自由度を高めることができる。即ち、ねじ部材の軸に直交する方向だけでなく、ねじ部材の軸に傾斜する方向(こじり方向)にも相対変位させやすくできる。その結果、遊技球の釘への衝突に伴う外力を吸収して、第2遊技盤部材の破損を抑制しやすくできる。
また、弾性部材の弾性を利用して、ねじ部材の緩みを抑制できると共に、ねじ部材が緩んだとしても、ねじ部材の脱落を抑制できる。
遊技機C8において、前記弾性部材は、前記挿通孔と前記ねじ部材の軸との間に介設される略筒状の筒部と、その筒部の両側の軸方向端部において径方向外方へフランジ状に張り出す一対のフランジ部とを備え、一方のフランジ部が前記第1遊技盤部材と前記第2遊技盤部材との間に介設される共に他方のフランジ部がねじ部材の頭部と第1遊技盤部材または第2遊技盤部材との間に介設されることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C8の奏する効果に加え、弾性部材は、前記挿通孔と前記ねじ部材の軸との間に介設される略筒状の筒部と、その筒部の両側の軸方向端部において径方向外方へフランジ状に張り出す一対のフランジ部とを備え、一方のフランジ部が前記第1遊技盤部材と前記第2遊技盤部材との間に介設される共に他方のフランジ部がねじ部材の頭部と第1遊技盤部材または第2遊技盤部材との間に介設されるので、第1遊技盤部材と第2遊技盤部材とを弾性部材のみで連結できる(即ち、第2遊技盤部材から第1遊技盤部材への振動伝達経路の少なくとも一部に弾性部材のみからなる部分を形成できる)。よって、第1遊技盤部材に対して第2遊技盤部材を相対変位させやすくして、遊技球の釘への衝突に伴う外力を吸収しやすくできる。
また、ねじ部材の軸方向にも相対変位させることができ、第1遊技盤部材に対する第2遊技盤部材の相対変位方向の自由度を高めることができる。よって、この点からも、遊技球の釘への衝突に伴う外力を吸収しやすくできる。
更に、一方のフランジ部が前記第1遊技盤部材と前記第2遊技盤部材との間に介設されるので、第1遊技盤部材に対して第2遊技盤部材が自重で傾倒することを抑制できる。特に、経時に伴う弾性部材の劣化時(へたり時)に有効となる。
遊技機C1からC9のいずれかにおいて、前記第2遊技盤部材は、前記釘が植設される植設面から突出されると共に前記釘の根本を囲む胴部を備えることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C1からC9のいずれかの奏する効果に加え、第2遊技盤部材は、釘が植設される植設面から突出されると共に釘の根本を囲む胴部を備えるので、釘を保持する部分の剛性を胴部により高めることができる。よって、遊技球の衝突により釘に外力が作用された場合に、第2遊技盤部材が破損することを抑制できる。
遊技機C10において、前記釘と前記植設面とに当接された遊技球の外面よりも前記第2遊技盤部材側に前記胴部が位置されることを特徴とする遊技機C11。
遊技機C11によれば、遊技機C10の奏する効果に加え、釘と植設面とに当接された遊技球の外面よりも第2遊技盤部材側に胴部が位置されるので、遊技球が胴部に衝突することを回避して、胴部が破損することを抑制できる。
遊技機C10又はC11において、前記植設面に近接するに従って前記胴部の断面積が大きくされることを特徴とする遊技機C12。
遊技機C12によれば、遊技機C10又はC11の奏する効果に加え、植設面に近接するに従って胴部の断面積が大きくされるので、遊技球が胴部に衝突することを回避しつつ、釘を保持する部分の剛性をより高めることができる。即ち、遊技球が胴部に直接衝突することによる胴部の破損と、遊技球が釘に衝突することによる第2遊技盤部材の破損との両者を効果的に抑制できる。
なお、胴部の断面積とは、釘の植設方向に直交する平面で胴部を切断した断面における面積を意味する。この場合、胴部の断面形状は任意であり、例えば、円形、楕円形、多角形、これらの組み合せが例示される。但し、胴部の断面形状は、円形に形成されることが好ましい。遊技球との衝突を回避しつつ、胴部の体積を最大として、その剛性をより高めることができるからである。
<入賞口ユニット13300を一例とする発明の概念について>
第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に締結固定され前記第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備えた遊技機において、前記締結固定が解除された状態で、前記第1遊技盤部材からの前記第2遊技盤部材の取り外しが規制されていることを特徴とする遊技機D1。
ここで、第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に締結固定され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2003−310905号公報)。かかる遊技機によれば、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に対して着脱できる。よって、第2遊技盤部材に故障や破損が生じた場合には、かかる第2遊技盤部材のみを交換して、遊技盤全体としての交換を不要とすることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、例えば、遊技に伴う振動に起因して、第1遊技盤部材への第2遊技盤部材の締結固定が解除される(緩む)恐れがあり、その場合には、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材が脱落する恐れがあるという問題点があった。
これに対し、遊技機D1によれば、締結固定が解除された状態で、第1遊技盤部材からの第2遊技盤部材の取り外しが規制されているので、例えば、第1遊技盤部材への第2遊技盤部材の締結固定が解除された(緩んだ)場合でも、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材が脱落することを抑制できる。
遊技機D1において、前記第1遊技盤部材に配設される第2部材を備え、その第2部材が前記第2遊技盤部材の取り外し方向への移動を規制可能な位置に配設されることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、第1遊技盤部材に配設される第2部材を備え、その第2部材が第2遊技盤部材の取り外し方向への移動を規制可能な位置に配設されるので、第1遊技盤部材への第2遊技盤部材の締結固定が解除された場合でも、第2部材を利用して、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材が脱落することを抑制できる。
遊技機D2において、前記第1遊技盤部材には、液晶表示装置を視認可能とするための窓部が開口形成され、前記窓部の下縁側の内側面に前記第2部材が配設されることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、第1遊技盤部材には、液晶表示装置を視認可能とするための窓部が開口形成され、その窓部の下縁側の内側面に第2部材が配設されるので、第1遊技盤部材に対する第2部材の保持(例えば、締結固定)が解除されたとしても、第2部材をその自重を利用して窓部の下縁側の内側面に載置された状態に維持することができる。即ち、第2遊技盤部材の取り外し方向への移動を規制可能な位置に第2部材が配設された状態を維持することができる。その結果、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材が脱落することを抑制できる。
この場合、第2部材は、第1遊技盤部材に弾性的に係合可能に形成されることが好ましい。第2部材を窓部の下縁側の内側面に載置された状態に維持しやすくできるからである。なお、弾性的に係合された状態とは、例えば、第1遊技盤部材または第2部材の一方に弾性変形可能に形成される弾性爪が他方に係合される形態、一方に弾性変形可能に対向配置される一対の対向片の間に他方が挟持される形態などが例示される。
遊技機D2において、前記第2遊技盤部材または第2部材の一方に係合部が形成されると共に、その係合部を受け入れ可能な係合凹部が前記第2遊技盤部材または第2部材の他方に凹設され、前記係合部が前記係合凹部に係合されることで、前記第2遊技盤部材の取り外し方向への移動が規制されることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D2において、第2遊技盤部材または第2部材の一方に係合部が形成されると共に、その係合部を受け入れ可能な係合凹部が第2遊技盤部材または第2部材の他方に凹設され、係合部が係合凹部に係合されることで、第2遊技盤部材の取り外し方向への移動が規制されるので、係合部を係合凹部により外部から遮蔽することができる。よって、係合部と係合凹部との係合が不正に解除されることを抑制できる。
遊技機D4において、前記第1遊技盤部材には、前記第2遊技盤部材を配設するための開口が開口形成され、前記第2遊技盤部材が前記第1遊技盤部材の正面に配設されると共に前記第2部材が前記第1遊技盤部材の背面に配設され、前記開口を介して前記係合部が前記係合凹部に係合されることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、第1遊技盤部材には、第2遊技盤部材を配設するための開口が開口形成され、第2遊技盤部材が前記第1遊技盤部材の正面に配設されると共に第2部材が第1遊技盤部材の背面に配設され、開口を介して係合部が係合凹部に係合されるので、第1遊技盤部材を利用して、正面から第2部材へアクセスし難くできる。よって、係合部と係合凹部との係合が不正に解除されることを抑制できる。
遊技機D2からD5のいずれかにおいて、前記第1遊技盤部材に前記第2遊技盤部材を締結固定するねじ部材を備え、前記ねじ部材が挿通される挿通孔が前記第1遊技盤部材および第2遊技盤部材に形成されると共に、前記ねじ部材が螺合されるめねじが前記第2部材に形成されることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D2からD5のいずれかの奏する効果に加え、ねじ部材が挿通される挿通孔が第1遊技盤部材および第2遊技盤部材に形成されると共に、ねじ部材が螺合されるめねじが第2部材に形成されるので、第2部材が配設されていることを、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に締結固定するための要件とすることができる。よって、第2遊技盤部材を交換する際に作業者が第2部材を付け忘れることを抑制できる。
なお、第2部材が係合部を備える場合には、かかる係合部にめねじを形成する形態が好ましい。係合部が不正に除去または使用により破損されている場合に、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に締結固定することを不能とできるので、不正を抑制できると共に、破損を認識させることができるからである。
遊技機D1において、前記第1遊技盤部材または第2遊技盤部材の一方に配設され弾性変形可能に形成される弾性手段を備え、前記第1遊技盤部材への前記第2遊技盤部材の取り付けに伴い、前記弾性手段を介して前記第1遊技盤部材と前記第2遊技盤部材とが直接または間接に係合され、前記第2遊技盤部材の取り外し方向への移動が規制されることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、第1遊技盤部材または第2遊技盤部材の一方に配設され弾性変形可能に形成される弾性手段を備え、第1遊技盤部材への第2遊技盤部材の取り付けに伴い、弾性手段を介して第1遊技盤部材と第2遊技盤部材とが直接または間接に係合され、第2遊技盤部材の取り外し方向への移動が規制されるので、第2遊技盤部材の脱落を防止するための工程を別途行う必要がないので、第2遊技盤部材の交換作業を簡素化できると共に、第2遊技盤部材の脱落を防止するための工程を実施し忘れることを抑制できる。
遊技機D7において、前記弾性手段は、弾性変形可能に形成される弾性片と、その弾性片から突出される爪部とを備え、前記弾性片が前記第2遊技盤部材に配設されると共に、前記爪部が前記第1遊技盤部材に係合可能に形成されることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D7の奏する効果に加え、弾性手段は、弾性変形可能に形成される弾性片と、その弾性片から突出される爪部とを備え、弾性片が第2遊技盤部材に配設されると共に、爪部が第1遊技盤部材に係合可能に形成されるので、第2遊技盤部材を交換する際には、その交換に伴って、新しい弾性手段を使用できる。即ち、弾性片が第1遊技盤部材に配設され、爪部が第2遊技盤部材に係合される構成では、交換回数が嵩むと、弾性手段の弾性変形が繰り返され、弾性力が低下するため、係合が解除されやすくなる。これに対し、遊技機D8によれば、交換回数が嵩んだ場合でも、交換毎に新しい弾性手段を使用できるので、係合の信頼性を確保することができる。
遊技機D8において、前記第1遊技盤部材または第2遊技盤部材の一方に形成される挿通孔に挿通されると共に前記第1遊技盤部材または第2遊技盤部材の他方に形成されるめねじに螺合されるねじ部材を備え、そのねじ部材が取り外された状態では、前記挿通孔およびめねじにより形成される空間の一端が前記第2遊技盤部材に開口されると共に他端が前記第1遊技盤部材に開口され、前記他端の開口に対面される位置において前記爪部が前記第1遊技盤部材に係合されることを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D8の奏する効果に加え、ねじ部材が取り外された状態では、挿通孔およびめねじにより形成される空間の一端が構成第2遊技盤部材に開口されると共に他端が第1遊技盤部材に開口され、他端の開口に対面される位置において爪部が第1遊技盤部材に係合されるので、ねじ部材を取り外した後、挿通孔およびめねじの一端から治具を挿入することで、他端から突出された治具により爪部を押し出して係合を解除することができる。即ち、例えば、第1遊技盤部材を開放して、その背面側から爪部の係合を解除する作業を行う必要がなく、第1遊技盤部材を閉じたままで、爪部の係合を解除できる。よって、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材を取り外す作業の作業性を向上できる。即ち、爪部の係合を解除するために、第1遊技盤部材を開放する必要がなく、第1遊技盤部材を閉じたままの状態で、正面から第2遊技盤部材の交換を完了することができる。
遊技機D1からD9のいずれかにおいて、前記第1遊技盤部材の正面に配設されるガラス板を備え、前記第2遊技盤部材の前記第1遊技盤部材からの取り外し方向が前記第1遊技盤部材の正面側へ向けた方向とされると共に、前記第1遊技盤部材から前記第2遊技盤部材を取り外すために必要とされる前記取り外し方向への距離が、前記第2遊技盤部材と前記ガラス板との間の対向間隔よりも大きくされることを特徴とする遊技機D10。
遊技機D10によれば、遊技機D1からD9のいずれかの奏する効果に加え、第1遊技盤部材の正面に配設されるガラス板を備え、第2遊技盤部材の第1遊技盤部材からの取り外し方向が第1遊技盤部材の正面側へ向けた方向とされると共に、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材を取り外すために必要とされる取り外し方向への距離が、第2遊技盤部材とガラス板との間の対向間隔よりも大きくされるので、第1遊技盤部材への第2遊技盤部材の締結固定が解除された場合でも、ガラス板を利用して、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材が脱落することを抑制できる。
遊技機D10において、前記第2遊技盤部材には釘が植設され、前記第1遊技盤部材から前記第2遊技盤部材を取り外すために必要とされる前記取り外し方向への距離が、前記第2遊技盤部材の釘の先端と前記ガラス板との間の対向間隔よりも大きくされることを特徴とする遊技機D11。
遊技機D11によれば、遊技機D10の奏する効果に加え、第2遊技盤部材には釘が植設され、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材を取り外すために必要とされる取り外し方向への距離が、第2遊技盤部材の釘の先端とガラス板との間の対向間隔よりも大きくされるので、第2遊技盤部材の釘の先端がガラス板に当接されることで、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材が脱落することを抑制できる。即ち、釘の長さを利用できる分、第2遊技盤部材の厚み寸法(取り外し方向における寸法)を小さくできる。
<入賞口ユニット18300を一例とする発明の概念について>
第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に着脱自在に配設され前記第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備えた遊技機において、前記第2遊技盤部材の一部に重畳された状態で前記第1遊技盤部材に配設される第2部材を備え、前記第2部材が少なくとも前記第1遊技盤部材に保持された状態で前記第2遊技盤部材が取り外し可能に形成されることを特徴とする遊技機E1。
ここで、第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に着脱自在に配設され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2003−310905号公報)。かかる遊技機によれば、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材にねじ部材により締結固定されているため、ねじ部材が不正に取り外されたり遊技中の振動により不用意に緩んだりした場合には、第1遊技盤部材(遊技盤)から第2遊技盤部材が脱落するおそれがある。これに対し、本願出願人は、第2遊技盤部材の一部と重畳された状態で第1遊技盤部材に第2部材を配設することで、かかる重畳された部分による両者の係合を利用して、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材から脱落することを抑制する技術に想到した(本願出願時において未公知)。
しかしながら、上述した技術では、第2遊技盤部材の交換作業を行う場合には、第2遊技盤部材だけでなく、第2部材も第1遊技盤部材から取り外す必要があるため、その分、工数が嵩み、第2遊技盤部材の交換作業が煩雑になるという問題点があることが分った。
これに対し、遊技機E1によれば、第2部材が少なくとも第1遊技盤部材に保持された状態で第2遊技盤部材が取り外し可能に形成されるので、その分、工数を抑制して、第2遊技盤部材の交換作業を簡素化できる。即ち、第2部材を第1遊技盤部材から取り外す必要がないので、かかる第2部材を取り付け直す工程における工数を抑制できるだけなく、作業者が、第2部材を紛失することや、第2部材の取り付け方を間違えることを抑制できる。
遊技機E1において、前記第2部材は、前記第2遊技盤部材の第1方向への移動を規制可能に形成され、前記第1遊技盤部材は、前記第2遊技盤部材の前記第1方向とは異なる第2方向への移動であって、前記第2部材による前記第2遊技盤部材の前記第1方向への移動が規制不能となる位置までの移動を許容可能に形成されることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、第2部材は、第2遊技盤部材の第1方向への移動を規制可能に形成され、第1遊技盤部材は、第2遊技盤部材の第1方向とは異なる第2方向への移動であって、第2部材による第2遊技盤部材の第1方向への移動が規制不能となる位置までの移動を許容可能に形成されるので、第2部材を第1遊技盤部材から取り外すことなく、第2遊技盤部材を取り外すことができる。また、第2部材を遊技盤に配設した状態のままで、第2遊技盤部材を取り付けることができる。よって、その分、工数を抑制して、第2遊技盤部材の交換作業を簡素化できる。
遊技機E2において、前記第2方向が少なくとも重力方向上方成分を含む方向であることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、第2方向が少なくとも重力方向上方成分を含む方向であるので、第2遊技盤部材の第1方向への移動を第2部材が規制可能な位置に第2遊技盤部材が配置された状態を、第2遊技盤部材の自重(重力の作用)により維持させることができる。即ち、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に固定する手段(例えば、ねじ部材)が不正に取り外されたり遊技中の振動により不用意に緩んだりした場合でも、第2遊技盤部材がその一部を第2部材と重畳された位置(第1方向への移動が規制される位置)に維持されるので、重畳された部分による両者の係合(第1方向への移動の規制)により、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材から脱落することを抑制できる。
なお、第2方向は、鉛直方向に沿って重力方向上方を向く方向であることが好ましい。第2遊技盤部材の自重(重力の作用)を最大限に利用できるからである。
遊技機E2又はE3によれば、前記第2遊技盤部材の一部に重畳された状態で前記第1遊技盤部材に配設されると共に前記第2遊技盤部材の第1方向への移動を規制可能に形成され第3部材を備えることを特徴とする遊技機E4。
ここで、遊技機E2のように、第2遊技盤部材の第1方向への移動を規制可能とし且つ第1方向への移動の規制を解除可能な位置まで第2遊技盤部材の第2方向への移動を許容可能とする構造を第1遊技盤部材と第2部材とのみで形成するためには、第1遊技盤部材の形状が複雑となり、その成形が煩雑となる(工数が嵩む)。
これに対し、遊技機E4によれば、第2遊技盤部材の一部に重畳された状態で第1遊技盤部材に配設されると共に第2遊技盤部材の第1方向への移動を規制可能に形成され第3部材を備えるので、遊技機E2又はE3の奏する効果に加え、第1遊技盤部材の形状を簡素化して、その成形を容易とできる。
なお、第2部材と第3部材とは、第2遊技盤部材を挟んで第2方向一側および第2方向他側に配設されることが好ましい。上述したように、第1遊技盤部材の形状を簡素化できるからである。この形態としては、例えば、第2遊技盤部材に釘が植設され、第2部材が、球が入球可能な開口と通路とを有する入球装置として、第3部材が、第1遊技盤部材の窓部に装着されるセンターフレームとして、それぞれ形成されるものが例示される。
遊技機E1において、前記第2部材は、前記第2遊技盤部材の取り外しを規制する規制位置と前記第2遊技盤部材の取り外しを許容する許容位置との間で変位可能に前記第1遊技盤部材に配設されることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、第2部材は、第2遊技盤部材の取り外しを規制する規制位置と第2遊技盤部材の取り外しを許容する許容位置との間で変位可能に第1遊技盤部材に配設されるので、第2部材を第1遊技盤部材から取り外すことなく、第2遊技盤部材を取り外すことができる。また、第2部材を第1遊技盤部材に配設した状態のままで、第2遊技盤部材を取り付けることができる。よって、その分、工数を抑制して、第2遊技盤部材の交換作業を簡素化できる。
遊技機E5において、前記許容位置が前記規制位置よりも重力方向下方に設定されることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E5の奏する効果に加え、許容位置が前記規制位置よりも重力方向下方に設定されるので、第2部材をその自重(重力の作用)により許容位置に維持させることができる。即ち、第2遊技盤部材を交換(取り外し及び取り付け)する際に、第2部材を作業者が許容位置に保持しておく必要がない。よって、工数を抑制して、第2遊技盤部材の交換作業を簡素化できる。
遊技機E5において、前記規制位置が前記許容位置よりも重力方向下方に設定されることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E5の奏する効果に加え、規制位置が許容位置よりも重力方向下方に設定されるので、第2部材をその自重(重力の作用)により規制位置に配置させることができる。即ち、第2遊技盤部材の交換(取り付け)が完了した際には、第2部材を作業者が規制位置へ変位させる必要がない。よって、第2部材が許容位置に配置されたままの状態とされる(即ち、規制位置へ戻し忘れる)ことを抑制できる。
遊技機E5又はE6において、遊技球の通過を検出する検出センサを備えると共に、前記第2部材が前記検出センサに検出可能に形成される被検出部を備え、前記第2部材が前記許容位置に配置されると前記被検出部が前記検出センサに検出可能な位置に配置されることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E5,6の奏する効果に加え、第2部材が許容位置に配置されると被検出部が検出センサに検出可能な位置に配置されるので、検出センサによる検出状態(例えば、波形)を監視することで、第2部材が許容位置に配置されたままの状態である(即ち、規制位置へ戻し忘れている)ことを検出できる。即ち、球が通過する際に検出センサがオン(又はオフ)される時間は比較的短いものとされる一方、第2部材が許容位置に配置されたままとされた状態では検出センサがオン(又はオフ)される時間が継続されるため、検出センサが所定時間(閾値)を越えてオン(又はオフ)された場合には、第2部材が許容位置に配置されたままの状態と判断できる。
遊技機E8において、前記第2部材が前記許容位置に配置された状態では、遊技球の通過が前記第2部材の被検出部により規制されることを特徴とする遊技機E9。
遊技機E9によれば、遊技機E8の奏する効果に加え、第2部材が許容位置に配置された状態では、遊技球の通過が第2部材の被検出部により規制されるので、不適切な状態で遊技が行われることを抑制できる。例えば、不適切な状態とは、第2部材に入球口が形成されると共に、その入球口への遊技球の入球に影響を与える釘が第2遊技盤部材に植設され、第2部材が許容位置に配置されると、規制位置に配置されている場合よりも、第2部材の入球口が第2遊技盤部材の釘から離間され、その分、入球口へ遊技球が入球しやすくされる状態が例示される。よって、不正な手段により第2部材を許容位置に配置して、入球口へ遊技球を入球しやすくする不正が行われることを防止できる。
遊技機E8又はE9において、前記被検出部が金属材料から形成され、前記第2部材が前記規制位置に配置された状態では、前記遊技球の通過する通路の内壁の一部が前記被検出部により形成されることを特徴とする遊技機E10。
遊技機E10によれば、遊技機E8,9の奏する効果に加え、被検出部が金属材料から形成され、第2部材が規制位置に配置された状態では、遊技球の通過する通路の内壁の一部が被検出部により形成されるので、通路の耐久性の向上を図ることができる。
なお、第1の通路とその第1の通路の下流側に屈曲して連設される第2の通路における第2の通路の一部(第1の通路から流下される遊技球が衝突される部位)が被検出部により形成されることが好ましい。破損が生じやすい部位を補強して、耐久性の向上を効果的に図ることができるからである。
<入賞口ユニット20300を一例とする発明の概念について>
第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に着脱自在に配設され前記第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備えた遊技機において、前記第1遊技盤部材に前記第2遊技盤部材を締結固定するねじ部材を備え、少なくとも前記ねじ部材が取り外されると、前記第2遊技盤部材を直接または間接に把持可能に形成されることを特徴とする遊技機F1。
ここで、第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に着脱自在に配設され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2003−310905号公報)。かかる遊技機によれば、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に対して着脱できるので、第2遊技盤部材に故障や破損が生じた場合には、かかる第2遊技盤部材のみを交換して、遊技盤全体としての交換を不要とすることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材から取り外し難いという問題点があった。例えば、釘が植設された第2遊技盤部材では、作業者は、釘を把持することで、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材から取り外すことができるところ、釘が折れている場合には、第2遊技盤部材に把持する部位がなくなるため、取り外しが困難となる。第2遊技盤部材と第1遊技盤部材との遊技面(正面)どうしが面一となる態様で、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材に埋め込まれている場合には、かかる問題点が特に顕著となる。
これに対し、遊技機A1によれば、少なくともねじ部材が取り外されると、第2遊技盤部材を直接または間接に把持可能に形成されるので、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材を取り外しやすくすることができる。
遊技機F1において、前記第1遊技盤部材に配設される第2部材を備え、その第2部材に係合部が形成されると共にその第2部材の係合部が係合される被係合部が前記第2遊技盤部材に形成されることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、第1遊技盤部材に配設される第2部材を備え、その第2部材に係合部が形成されると共にその第2部材の係合部が係合される被係合部が第2遊技盤部材に形成されるので、第2遊技盤部材を作業者が把持できない場合であっても(例えば、把持すべき部位が形成されていない又はその部位が破損されている場合など)、第2部材を取り外す際に、係合部と被係合部との係合を利用して、第2遊技盤部材も併せて取り外すことができる。
なお、第2部材は、第2遊技盤部材の取り外し方向への移動を規制可能な位置に配設されることが好ましい。例えば、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に締結固定するねじ部材が不正に取り外されり遊技中の振動により緩んだ場合でも、第2遊技盤部材が第1遊技盤部材から脱落することを抑制できるからである。
遊技機F2において、前記係合部または被係合部の一方は、弾性変形可能に形成される弾性片と、その弾性片から突出される爪部とを備えると共に、その爪部が前記係合部または被係合部の他方に係合可能に形成されることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、係合部または被係合部の一方は、弾性変形可能に形成される弾性片と、その弾性片から突出される爪部とを備えると共に、その爪部が係合部または被係合部の他方に係合可能に形成されるので、第2遊技盤部材と第2部材とを第1遊技盤部材に別々に取り付けた場合でも、弾性片の弾性変形を利用して、係合部と被係合部とを係合させることができる。よって、第2遊技盤部材または第2部材を一体化した状態(即ち、係合部に被係合部を係合させた状態)で第1遊技盤部材に取り付ける必要がないので、第2遊技盤部材および第2部材を第1遊技盤部材に取り付ける際の作業性の向上を図ることができる。
遊技機F3において、前記係合部または被係合部の他方は、前記弾性片が挿通される挿通部分の一部が開放して形成され、その開放して形成される部分を、前記挿通部分に挿通された前記弾性片が通過可能に形成されることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、係合部または被係合部の他方は、弾性片が挿通される挿通部分の一部が開放して形成され、その開放して形成される部分を、挿通部分に挿通された弾性片が通過可能に形成されるので、第1遊技盤部材から一体(即ち、係合部と被係合部が係合された状態)で取り外された第2遊技盤部材および第2部材を分解する作業を容易に行うことができる。
遊技機F1において、弾性変形可能に形成され前記第1遊技盤部材と前記第2遊技盤部材との間に弾性変形された状態で介設される弾性部材を備えることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、弾性変形可能に形成され第1遊技盤部材と第2遊技盤部材との間に弾性変形された状態で介設される弾性部材を備えるので、弾性部材の弾性回復力を利用して、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材を突出させ、両者の間に段差を形成することができる。よって、作業者が段差を直接または間接に把持できることで、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材を取り外しやすくすることができる。
遊技機F5において、前記弾性部材が前記第2遊技盤部材の一側に偏倚して配設されることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F5の奏する効果に加え、弾性部材が第2遊技盤部材の一側に偏倚して配設されるので、弾性部材の弾性回復力を利用して、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材を突出させる際には、第2遊技盤部材をその他側を支点として回転させる態様とできる。よって、両者の間の段差(第2遊技盤部材の一側の突出量)をより大きくすることができる。その結果、作業者が段差を直接または間接に把持しやすくでき、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材を取り外しやすくすることができる。
遊技機F1において、前記第1遊技盤部材に配設される第2部材を備えると共に、前記第2遊技盤部材から前記第2部材へ向けて突出部が形成されると共に、その突出部を受け入れる受入部が前記第2部材に凹設されることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、第1遊技盤部材に配設される第2部材を備えると共に、第2遊技盤部材から第2部材へ向けて突出部が形成されると共に、その突出部を受け入れる受入部が第2部材に凹設されるので、遊技状態では突出部を第2部材により遊技者から隠して、外観の向上を図りつつ、第2部材を取り外した状態では、作業者が突出部を把持可能として、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材を取り外しやすくすることができる。
遊技機F7において、遊技球が通過可能な通路が前記第2遊技盤部材および第2部材に形成され、前記受入部が前記通路により形成されると共に、前記通路における転動面が前記突出部により形成されることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F7の奏する効果に加え、遊技球が通過可能な通路が第2遊技盤部材および第2部材に形成され、受入部が通路により形成されると共に、通路における転動面が突出部により形成されるので、受入部および突出部を別途設ける必要がなく、通路を形成するための部位として兼用することができるので、その分、製品コストを低減することができる。
遊技機F1において、前記第2遊技盤部材に出没可能に配設される出没部材と、その出没部材を突出方向へ付勢する付勢手段と、前記第1遊技盤部材に配設される第2部材とを備え、前記第2部材が前記第2遊技盤部材の出没部材を没入させる位置に配設されることを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、第2遊技盤部材に出没可能に配設される出没部材と、その出没部材を突出方向へ付勢する付勢手段と、第1遊技盤部材に配設される第2部材とを備え、第2部材が第2遊技盤部材の出没部材を没入させる位置に配設されるので、遊技状態では出没部材を第2部材により遊技者から隠して、外観の向上を図りつつ、第2部材を取り外した状態では、作業者が出没部材を把持可能として、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材を取り外しやすくすることができる。
遊技機F9において、前記第2部材は前記第1遊技盤部材に締結固定されるものであり、前記第2部材の前記第1遊技盤部材への締結方向が、前記出没部材の出没方向と平行な方向に設定されることを特徴とする遊技機F10。
遊技機F10によれば、遊技機F9の奏する効果に加え、第2部材の第1遊技盤部材への締結方向が、出没部材の出没方向と平行な方向に設定されるので、第2部材を第1遊技盤部材へ締結固定しつつ出没部材を没入させることができる。即ち、出没部材を没入させる作業工程と、第2部材を第1遊技盤部材へ締結固定する作業工程とを別々に行う必要がないので、工数を削減でき、その分、第2遊技盤部材および第2部材を第1遊技盤部材へ取り付ける作業の作業性の向上を図ることができる。
遊技機F1において、前記第2遊技盤部材には、遊技球が通過可能に形成される通路が形成されると共に、その通路の内壁に前記第1遊技盤部材の背面側に段差面を向けた段差が形成されることを特徴とする遊技機F11。
遊技機F11によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、第2遊技盤部材には、遊技球が通過可能に形成される通路が形成されると共に、その通路の内壁に第1遊技盤部材の背面側に段差面を向けた段差が形成されるので、段差面を利用して、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材から引き抜くことができる。即ち、第2遊技盤部材の背面に到達するまで指を通路内へ挿通させて、第2遊技盤部材の背面で指を係止させる必要がなく、比較的浅い位置の段差面で指を係止させることができるので、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材から取り外しやすくできる。
遊技機F11において、前記通路の前記段差面が形成される内壁と反対側に位置する前記第2遊技盤部材の外側面が、前記第2遊技盤部材の背面へ向かうに従って前記第2遊技盤部材の外形を小さくする方向へ傾斜されることを特徴とする遊技機F12。
遊技機F12によれば、遊技機F11の奏する効果に加え、通路の前記段差面が形成される内壁と反対側に位置する第2遊技盤部材の外側面が、第2遊技盤部材の背面へ向かうに従って第2遊技盤部材の外形を小さくする方向へ傾斜されるので、段差面を利用して、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材から引き抜く際に、通路の段差面が形成される内壁側に位置する第2遊技盤部材の外側面を支点として、第2遊技盤部材を回転させる態様を形成できる。よって、第1遊技盤部材から第2遊技盤部材を取り外し(引き抜き)やすくすることができる。
<入賞口ユニット25300を一例とする発明の概念について>
第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に着脱自在に配設され前記第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備え、前記第2遊技盤部材に釘が植設された遊技機において、前記植設の方向から押圧された前記第2遊技盤部材を支持可能または前記植設の方向から押圧された力を前記第1遊技盤部材の板厚に直交する方向へ分散可能に形成されることを特徴とする遊技機G1。
ここで、第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に着脱自在に配設され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備え、第2遊技盤部材に釘が植設された遊技機が知られている(例えば、特開2003−310905号公報)。かかる遊技機によれば、第2遊技盤部材を第1遊技盤部材に対して着脱できるので、例えば、第2遊技盤部材の釘が折れた場合には、第2遊技盤部材のみを交換して、遊技盤全体としての交換を不要とすることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、釘を植設する作業性が悪いという問題点があった。即ち、第1遊技盤部材に釘を植設する工程とは別に第2遊技盤部材に釘を植設する工程が必要となるため、その分、工数が嵩む。更に、第2遊技盤部材が比較的小さいため、かかる第2遊技盤部材に所定の公差内で釘を植設するためには、第2遊技盤部材の保持精度を高めると共に植設動作の速度を低く(遅く)することが必要となり、その分、比較的大きな遊技盤への釘の植設の場合と比較して、工数が嵩む。
これに対し、遊技機G1によれば、植設の方向(釘を植設する方向)から押圧された第2遊技盤部材を支持可能または植設の方向(釘を植設する方向)から押圧された力を第1遊技盤部材の板厚に直交する方向へ分散可能に形成されるので、第1遊技盤部材に第2遊技盤部材を配設した状態で、かかる第2遊技盤部材に釘を植設できる。よって、第2遊技盤部材に釘を植設する作業性の向上を図ることができる。
遊技機G1において、少なくとも一対のねじ部材と、それら一対のねじ部材がそれぞれ螺合されるめねじが少なくとも2カ所に形成されると共に前記第1遊技盤部材および第2遊技盤部材よりも剛性が高い材料からなる被締結部材とを備え、前記第1遊技盤部材の挿通孔に前記植設の方向から挿通され前記第2遊技盤部材の挿通孔を通過して前記第2遊技盤部材の背面側に突出された前記ねじ部材が前記被締結部材のめねじに螺合される、又は、前記第2遊技盤部材の挿通孔に前記植設の方向から挿通され前記第1遊技盤部材の挿通孔を通過して前記第1遊技盤部材の背面側に突出された前記ねじ部材が前記被締結部材のめねじに螺合されることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、少なくとも一対のねじ部材と、それら一対のねじ部材がそれぞれ螺合されるめねじが少なくとも2カ所に形成されると共に第1遊技盤部材および第2遊技盤部材よりも剛性が高い材料からなる被締結部材とを備え、第1遊技盤部材の挿通孔に植設の方向(釘を植設する方向)から挿通され第2遊技盤部材の挿通孔を通過して第2遊技盤部材の背面側に突出されたねじ部材が被締結部材のめねじに螺合される、又は、第2遊技盤部材の挿通孔に植設の方向(釘を植設する方向)から挿通され第1遊技盤部材の挿通孔を通過して第1遊技盤部材の背面側に突出されたねじ部材が被締結部材のめねじに螺合されるので、第1遊技盤部材に第2遊技盤部材が配設(締結固定)された状態において、第2遊技盤部材を背面側から被締結部材によって支持することができる。第2遊技盤部材のに釘を植設する際に、第2遊技盤部材に割れなどの損傷が生じることを抑制できる。
なお、被締結部材は、金属材料からなることが好ましい。また、第2遊技盤部材への釘の植設位置は、前記一対のねじ部材の間の領域とされることが好ましい。これらにより、被締結部材の剛性を高めると共に、その被締結部材による第2遊技盤部材の支持効率を高めることができ、第2遊技盤部材の割れなどの損傷を抑制しやすくなるからである。
遊技機G2において、前記第1遊技盤部材の挿通孔に前記植設の方向から挿通され前記第2遊技盤部材の挿通孔を通過して前記第2遊技盤部材の背面側に突出された前記ねじ部材が前記被締結部材のめねじに螺合される場合には、前記被締結部材の大きさが、前記第2遊技盤部材の背面のみに当接され、前記第1遊技盤部材の背面には非当接となる大きさに設定されることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、第1遊技盤部材の挿通孔に植設の方向(釘を植設する方向)から挿通され第2遊技盤部材の挿通孔を通過して第2遊技盤部材の背面側に突出されたねじ部材が被締結部材のめねじに螺合される場合には、被締結部材の大きさが、第2遊技盤部材の背面のみに当接され、第1遊技盤部材の背面には非当接となる大きさに設定されるので、被締結部材が第1遊技盤部材の背面に乗り上げることを抑制できる。よって、被締結部材を第2遊技盤部材の背面に密着させやすくして、被締結部材による第2遊技盤部材の支持剛性を高めることができる。その結果、第2遊技盤部材に釘を植設する際に、第2遊技盤部材に割れなどの損傷が生じることを抑制できる。
遊技機G2又はG3において、前記被締結部材は、前記2カ所のめねじの間を直線状に連結する形状に形成され、前記第2遊技盤部材には2本の釘が植設されると共に、それら2本の釘を結ぶ仮想線の延長線上には前記挿通孔が形成とされることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G2又はG3の奏する効果に加え、被締結部材は、2カ所のめねじの間を直線状に連結する形状に形成され、第2遊技盤部材には2本の釘が植設されると共に、それら2本の釘を結ぶ仮想線の延長線上には挿通孔が形成とされるので、釘の植設方向の延長線上に被締結部材を位置させることができる。よって、被締結部材の面積を抑制しつつ、第2遊技盤部材の支持剛性を効果的に高めることができるので、製品コストを抑制しつつ、第2遊技盤部材に釘を植設する際に第2遊技盤部材に割れなどの損傷が生じることを抑制できる。
遊技機G2からG4のいずれかにおいて、前記被締結部材の前記第2遊技盤部材または第1遊技盤部材の背面に対面される側の面であって、前記2カ所のめねじの間の領域における面が、前記第2遊技盤部材または第1遊技盤部材の背面へ向けて凸の円弧状に湾曲されることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G2からG4のいずれかの奏する効果に加え、被締結部材の第2遊技盤部材または第1遊技盤部材の背面に対面される側の面であって、2カ所のめねじの間の領域における面が、第2遊技盤部材または第1遊技盤部材の背面へ向けて凸の円弧状に湾曲されるので、2カ所のめねじへのねじ部材の螺合に伴って被締結部材が第2遊技盤部材または第1遊技盤部材へ押し付けられることで、かかる被締結部材を第2遊技盤部材の背面に密着させやすくできる。よって、被締結部材による第2遊技盤部材の支持剛性を高めることができる。その結果、第2遊技盤部材に釘を植設する際に、第2遊技盤部材に割れなどの損傷が生じることを抑制できる。
遊技機G1において、前記第2遊技盤部材の前記釘が植設される面と反対側に形成される被支持面を前記第1遊技盤部材の座面が支持するように形成され、前記第1遊技盤部材の座面が前記第2遊技盤部材から離間するに従って面間隔が狭くなるテーパー面または前記面間隔が広くなる逆テーパー面として形成されると共に、前記第2遊技盤部材の被支持面が前記第1遊技盤部材の座面に対応して形成されることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、第2遊技盤部材の釘が植設される面と反対側に形成される被支持面を第1遊技盤部材の座面が支持するように形成され、第1遊技盤部材の座面が第2遊技盤部材から離間するに従って面間隔が狭くなるテーパー面または面間隔が広くなる逆テーパー面として形成されると共に、第2遊技盤部材の被支持面が第1遊技盤部材の座面に対応して形成されるので、第2遊技盤部材に釘が植設される際の押圧力を、支持面および座面の傾斜(テーパー角)を利用して、第1遊技盤部材の板厚方向と板厚に直交する方向とに分散させることができる。その結果、第1遊技盤部材の負担を軽減して、第1遊技盤部材に割れなどの損傷が生じることを抑制できる。
遊技機G6において、ねじ部材を備え、そのねじ部材が挿通される挿通孔が前記第2遊技盤部材の被支持面に形成されると共に、前記第2遊技盤部材の挿通孔に挿通された前記ねじ部材が螺合されるめねじが前記第1遊技盤部材の座面に形成されることを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G6の奏する効果に加え、ねじ部材が挿通される挿通孔が第2遊技盤部材の被支持面に形成されると共に、第2遊技盤部材の挿通孔に挿通されたねじ部材が螺合されるめねじが第1遊技盤部材の座面に形成されるので、第2遊技盤部材と第1遊技盤部材との間に隙間が形成されることを抑制できる。よって、ねじ部材の軸力を確保できるので、第1遊技盤部材へ第2遊技盤部材を強固に締結固定できる。
遊技機G6又はG7において、前記釘の植設方向の延長線上に前記座面および被支持面が位置されることを特徴とする遊技機G8。
遊技機G8によれば、遊技機G6又はG7の奏する効果に加え、釘の植設方向の延長線上に座面および被支持面が位置されるので、釘の植設に伴う押圧力を座面および被支持面へ直接作用させることができる。これにより、第2遊技盤部材の曲げ変形を抑制して、割れなどの破損が生じることを抑制できる。
遊技機A1からA11,B1からB10,C1からC12,D1からD11,E1からE10,F1からF12及びG1からG8のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機K1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA11,B1からB10,C1からC12,D1からD11,E1からE10,F1からF12及びG1からG8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機K2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA11,B1からB10,C1からC12,D1からD11,E1からE10,F1からF12及びG1からG8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機K3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機等の遊技機において、第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に着脱自在に配設され第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備え、第2遊技盤部材に釘が植設された遊技機が知られている(特開2003−310905号公報)。しかしながら、上述した遊技機では、第2遊技盤部材が破損しやすいという問題点があった。本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、第2遊技盤部材が破損することを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1記載の遊技機は、第1遊技盤部材と、その第1遊技盤部材に着脱自在に配設され前記第1遊技盤部材と共に遊技盤を形成する第2遊技盤部材とを備え、前記第2遊技盤部材に釘が植設されたものであり、前記釘への外力の作用に伴う前記第2遊技盤部材の破損を抑制可能に形成される。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記第2遊技盤部材は、前記釘が植設される植設部と、その植設部よりも厚み寸法が小さくされると共に前記第1遊技盤部材に当接されて締結固定される当接部とを備え、前記当接部が、前記第1遊技盤部材との当接面から突設されると共に前記植設部に連なる厚肉部を備える。
技術的思想3記載の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、前記第2遊技盤部材には2本の釘が植設され、それら2本の釘を結ぶ仮想線の延長線に沿って前記厚肉部が形成される。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、第2遊技盤部材が破損することを抑制できる。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、第2遊技盤部材が破損することを抑制できる。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2記載の遊技機の奏する効果に加え、第2遊技盤部材の割れを抑制できる。