以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、携帯電子機器の一例として携帯電話機を取り上げるが、本発明の適用対象は携帯電話機に限定されるものではなく、例えば、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン、ゲーム機等に対しても本発明は適用できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る携帯電子機器の概略構成を示す正面図であり、図2は、図1に示す携帯電子機器の側面図である。図1、図2に示す携帯電子機器10は、無線通信機能と、撮像手段とを有する携帯電話機である。携帯電子機器10は、筺体10Cが複数の筐体で構成される。具体的には、筺体10Cは、第1筺体10CAと第2筺体10CBとで開閉可能に構成される。すなわち、携帯電子機器10は、折り畳み式の筐体を有する。なお、携帯電子機器10の筐体は、このような構造に限定されるものではない。例えば、携帯電子機器10の筐体は、両方の筐体を重ね合わせた状態から一方の筐体と他方の筐体とを互いにスライドできるようにしたスライド式の筐体であってもよいし、重ね合わせ方向に沿う軸線を中心に、一方の筐体を回転させるようにした回転式や、2軸ヒンジを介して両方の筐体を連結したものでもよい。
第1筺体10CAと第2筺体10CBとは、連結部であるヒンジ機構18で連結されている。ヒンジ機構18で第1筺体10CAと第2筺体10CBとを連結することにより、第1筺体10CA及び第2筺体10CBは、ヒンジ機構18を中心としてともに回動して、互いに遠ざかる方向及び互いに接近する方向(図2の矢印Rで示す方向)に回動できるように構成される。第1筺体10CAと第2筺体10CBとが互いに遠ざかる方向に回動すると携帯電子機器10が開き、第1筺体10CAと第2筺体10CBとが互いに接近する方向に回動すると携帯電子機器10が閉じて、折り畳まれた状態となる(図2の点線で示す状態)。
第1筺体10CAには、表示部として、図1に示すディスプレイ12が設けられる。ディスプレイ12は、携帯電子機器10が受信を待機している状態のときに待ち受け画像を表示したり、携帯電子機器10の操作を補助するために用いられるメニュー画像を表示したりする。また、第1筺体10CAには、携帯電子機器10の通話時に音声を出力する出力手段であるレシーバ16が設けられる。
第2筺体10CBには、通話相手の電話番号や、メール作成時等に文字を入力するための操作キー13Aが複数設けられ、また、ディスプレイ12に表示されるメニューの選択及び決定や画面のスクロール等を容易に実行するための方向キー及び決定キー(方向及び決定キー)13Bが設けられる。操作キー13A及び方向キー及び決定キー13Bは、携帯電子機器10の操作部13を構成する。また、第2筺体10CBには、携帯電子機器10の通話時に音声を受け取る音声取得手段であるマイク15が設けられる。操作部13は、図2に示す、第2筺体10CBの操作面10PCに設けられる。操作面10PCとは反対側の面が、携帯電子機器10の背面10PBである。
第2筺体10CBの内部には、アンテナが設けられている。アンテナは、無線通信に用いる送受信アンテナであり、携帯電子機器10と基地局との間で通話や電子メール等に係る電波(電磁波)の送受信に用いられる。また、第2筺体10CBには、マイク15が設けられる。マイク15は、図2に示す、携帯電子機器10の操作面10PC側に配置される。
図3は、図1、図2に示す携帯電子機器の機能の概略構成を示すブロック図である。図3に示すように、携帯電子機器10は、処理部22と、記憶部24と、送受信部26と、操作部13と、音声処理部30と、表示部32と、カメラ40と、モバイルライト(照明部)42と、測距センサ44と、を有する。処理部22は、携帯電子機器10の全体的な動作を統括的に制御する機能を有する。すなわち、処理部22は、携帯電子機器10の各種の処理が、操作部13の操作や携帯電子機器10の記憶部24に記憶されるソフトウェアに応じて適切な手順で実行されるように、送受信部26、音声処理部30、表示部32、カメラ40、モバイルライト42、測距センサ44等の動作を制御する。
携帯電子機器10の各種の処理としては、例えば、回線交換網を介して行われる音声通話、電子メールの作成及び送受信、インターネットのWeb(World Wide Web)サイトの閲覧等がある。また、送受信部26、音声処理部30、表示部32等の動作としては、例えば、送受信部26による信号の送受信、音声処理部30による音声の入出力、表示部32による画像の表示等がある。
処理部22は、記憶部24に記憶されているプログラム(例えば、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。処理部22は、例えば、マイクロプロセッサユニット(MPU:Micro Processing Unit)で構成され、前記ソフトウェアで指示された手順にしたがって上述した携帯電子機器10の各種の処理を実行する。すなわち、処理部22は、記憶部24に記憶されるオペレーティングシステムプログラムやアプリケーションプログラム等から命令コードを順次読み込んで処理を実行する。
処理部22は、複数のアプリケーションプログラムを実行する機能を有する。処理部22が実行するアプリケーションプログラムとしては、例えば、カメラ40の駆動を制御するアプリケーションプログラムや、各種の画像ファイル(画像情報)を記憶部24から読み出してデコードするアプリケーションプログラム、及びデコードして得られる画像を表示部32に表示させたりするアプリケーションプログラム等の複数のアプリケーションプログラムがある。
本実施形態において、処理部22は、カメラ40の動作を制御するカメラ制御部22a、モバイルライト42の動作を制御するモバイルライト制御部22b、測距センサの動作を制御する測距センサ制御部22c、表示部32に表示させる画像を加工し、生成する画像処理部22d、を有する。カメラ制御部22a、モバイルライト制御部22b、測距センサ制御部22c、画像処理部22dがそれぞれ有する機能は、処理部22及び記憶部24で構成されるハードウェア資源が、処理部22の制御部が割り当てるタスクを実行することにより実現される。ここで、タスクとは、アプリケーションソフトウェアが行っている処理全体、又は同じアプリケーションソフトウェアが行っている処理のうち、同時に実行できない処理単位である。
記憶部24には、処理部22での処理に利用されるソフトウェアやデータが記憶されており、上述した、カメラ40の駆動を制御するアプリケーションプログラムを作動させるタスクや、画像処理用プログラムを作動させるタスクが記憶されている。また、記憶部24には、これらのタスク以外にも、例えば、通信、ダウンロードされた音声データ、あるいは記憶部24に対する制御に処理部22が用いるソフトウェア、通信相手の電話番号やメールアドレス等が記述されて管理するアドレス帳、発信音や着信音等の音声ファイル、ソフトウェアの処理過程で用いられる一時的なデータ等が記憶されている。
なお、ソフトウェアの処理過程で用いられるコンピュータプログラムや一時的なデータは、処理部22によって記憶部24に割り当てられた作業領域へ一時的に記憶される。記憶部24は、例えば、不揮発性の記憶デバイス(ROM:Read Only Memory等の不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置等)や、読み書き可能な記憶デバイス(例えば、SRAM:Static Random Access Memory、DRAM:Dynamic Random Access Memory)等で構成される。
送受信部26は、アンテナ26aを有し、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA(Code Division Multiple Access)方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信及び情報通信を行う。操作部13は、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キー等、各種の機能が割り当てられた操作キー13Aと、方向キー及び決定キー13Bとで構成される。そして、これらのキーがユーザの操作により入力されると、その操作内容に対応する信号を発生させる。発生した信号は、ユーザの指示として処理部22へ入力される。
音声処理部30は、マイク15に入力される音声信号やレシーバ16やスピーカ17から出力される音声信号の処理を実行する。すなわち、音声処理部30は、マイク15から入力される音声を増幅し、AD変換(Analog Digital変換)を実行した後、さらに符号化等の信号処理を施して、ディジタルの音声データに変換して処理部22へ出力する。また、処理部22から送られる音声データに対して復号化、DA変換(Digital Analog変換)、増幅等の処理を施してアナログの音声信号に変換してから、レシーバ16やスピーカ17へ出力する。ここで、スピーカ17は、携帯電子機器10の筺体10C内に配置されており、着信音やメールの送信音等を出力する。
表示部32は、上述したディスプレイ12を有しており、処理部22から供給される映像データに応じた映像や画像データに応じた画像を表示パネルに表示させる。ディスプレイ12は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)や、有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネルなどで構成された表示パネルで構成される。なお、表示部32は、ディスプレイ12に加え、サブディスプレイを有していてもよい。
カメラ40は、第2筐体10CBの背面10PBに設けられ、画像を取得する撮像機構である。カメラ40としては、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complimentary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等を備えたものを用いることができる。なお、カメラ40は、レンズを移動させることで合焦する自動焦点(AF:Auto Focus)機構、より好ましくはコンティニュアス自動焦点(Continuous Auto Focus)機構を備えることが好ましい。モバイルライト42は、第2筐体10CBの背面10PBに設けられ、被写体に向かって光を出射する照明機構である。モバイルライト42としては、LED光源、LD光源、ハロゲンライトを光源として備えたものを用いることができる。測距センサ44は、第2筐体10CBの背面10PBに設けられ、携帯電子機器10と被写体との間の距離を測定するセンサである。測距センサ44としては、赤外線LEDとPSD(Position Sensitive Detector)とを備えたものや、レーザ光源とレーザ光センサとを備えたもの等を用いることができる。携帯電子機器10は、基本的に以上のような構成である。
次に、図4を用いて携帯電子機器10の動作、具体的には、カメラ40による撮影時におけるモバイルライト42の制御動作について説明する。図4は、カメラ40による撮影(動画撮影または静止画撮影)時における携帯電子機器10の第1の処理を示すフロー図である。携帯電子機器10は、カメラ40による撮影毎に図4に示す処理を実行する。
まず、処理部22は、ステップS10として、撮影開始操作が操作者により操作部13に入力されたら、カメラ40を制御して撮影を開始する。
次に、処理部22は、ステップS12として、モバイルライト動作開始操作が操作者により操作部13に入力されたか否かを判定し、モバイルライト動作開始操作が操作者により操作部13に入力された(Yes)と判定したら、処理をステップS13に進め、モバイルライト動作開始操作が操作者により操作部13に入力されていない(No)と判定したら、処理をステップS20に進める。
処理部22は、ステップS12でモバイルライト動作開始操作が操作者により操作部13に入力された(Yes)と判定したら、ステップS13として、モバイルライト42を動作させて点灯させる。
次に、処理部22は、ステップS14として、カメラ40内のイメージセンサにより撮影領域の明るさを検知する。より詳細には、処理部22は、カメラ40内のイメージセンサのシャッタースピード及びゲインの少なくとも一方により、撮影領域の明るさ(つまり、画像の明るさ)を検知する。例えば、処理部22は、カメラ40内のイメージセンサのシャッタースピードが速い場合には撮影領域の明るさが明るい(画像が明るい)と検知することができ、シャッタースピードが遅い場合には撮影領域の明るさが暗い(画像が暗い)と検知する。また、処理部22は、カメラ40内のイメージセンサのゲインが高い場合には撮影領域の明るさが明るいと検知し、ゲインが低い場合には撮影領域の明るさが暗いと検知する。なお、処理部22は、シャッタースピードやゲインに基づいて撮影領域の明るさを検出することに限定されない。例えば、カメラ40で検出した明るさ情報を取得してもよく、撮影領域の明るさを検出するセンサを別途設けてもよい。
次に、処理部22は、ステップS16として、モバイルライト42の光量を制御する。例えば、処理部22は、画像全体が暗い場合には、被写体が白飛びしたり色が変わってしまったりし易いので、被写体の明るさが撮影に適する明るさになるように、モバイルライト42の光量を下げる制御を行う。これにより、被写体が白飛びした画像や被写体の色が変わった画像を撮影してしまうことを少なくすることができる。なお、モバイルライト42の光源として用いるLED等の応答性は、処理部22による制御に十分に追随できる程に速い。また、処理部22は、画像全体が明るい場合には、被写体が黒潰れし易いので、被写体の明るさが撮影に適する明るさになるように、モバイルライト42の光量を上げる制御を行う。これにより、被写体が黒潰れした画像を撮影してしまうことを少なくすることができる。
次に、処理部22は、ステップS18として、モバイルライト動作終了操作が操作者により操作部13に入力されたか否かを判定し、モバイルライト動作終了操作が操作者により操作部13に入力されていない(No)と判定したら、処理をステップS14に進め、モバイルライト動作終了操作が操作者により操作部13に入力された(Yes)と判定したら、処理をステップS19に進める。
処理部22は、ステップS18でモバイルライト動作終了操作が操作者により操作部13に入力された(Yes)と判定したら、ステップS19として、モバイルライト42を消灯させる。
処理部22は、ステップS12でモバイルライト動作開始操作が操作者により操作部13に入力されていない(No)と判定したら又はステップS19でモバイルライト42を消灯させたら、ステップS20として、撮影終了操作が操作者により操作部13に入力されたか否かを判定する。処理部22は、撮影終了操作が操作者により操作部13に入力されていない(No)と判定したら、処理をステップS12に進める。一方、処理部22は、撮影終了操作が操作者により操作部13に入力された(Yes)と判定したら、ステップS22に処理を進める。
処理部22は、ステップS20で撮影終了操作が操作者により操作部13に入力された(Yes)と判定したら、ステップS22として、カメラ40を制御して撮影を終了し、図4に示す処理を終了する。
以上の処理により、処理部22は、撮影領域の明るさに基づいてモバイルライト42の光量を制御することができる。これにより、被写体が白飛びした画像や被写体の色が変わった画像や被写体が黒潰れした画像を撮影してしまうことを少なくすることができる。また、モバイルライト42の光量を撮影に適した明るさにすることで、無駄な電力の消費を低減することができる。
なお、ステップS16でのモバイルライト42の光量の制御では、処理部22が、撮影領域の明るさが撮影に適する明るさになるように、モバイルライト42の光量を一度に目標値まで変化させても良いし、少しずつ目標値まで変化させても良い。処理部22がモバイルライト42の光量を少しずつ目標値まで変化させる場合には、処理部22がフレームレートに同期してモバイルライト42の光量を少しずつ変化させても良い。その場合、処理部22が、ステップS14〜ステップS18のループをフレームレートに同期して実行し、ステップS16でモバイルライト42の光量を少しずつ変化させれば良い。
また、処理部22が、モバイルライト42の光量の変化量をフレーム間で一定にするのではなく、フレームの進行とともに変化量を徐々に大きくするようにしてもよい。例えば、フレームレートが15fpsの場合には、フレーム間隔は、約67ms(=1/15)であるので、処理部22が、67ms毎にモバイルライト42の光量の上げ下げを行い、例えば20フレームでモバイルライト42の光量を目標値に合わせるようにすればよい。なお、モバイルライト42の光量を目標値に合わせるのに何フレームかけるかは、操作者により設定可能としても良いし、携帯電子機器10固有の値としてもよい。これにより、被写体の明るさの変化を緩やかにすることができ、見易い画像を撮影することができる。
また、処理部22が、ステップS14で、カメラ40によって撮影された画像に画像認識処理を実施し、画像内に所定サイズ以上の大きさの白い輝点を検出したら又は画像内にハレーションを検出したら、白い輝点又はハレーションがなくなるまでモバイルライト42の光量を下げる制御を行うようにしてもよい。
また、処理部22が、ステップS12でモバイルライト動作開始操作が操作者により操作部13に入力された(Yes)と判定したら、ステップS13でモバイルライト42を点灯させることとしているが、処理部22が、カメラ40のイメージセンサにより撮影領域の明るさを検知し、撮影領域の明るさが所定の明るさよりも暗い場合にモバイルライト42を自動的に点灯させるようにしてもよい。
次に、図5を用いて携帯電子機器10の動作、具体的には、カメラ40による撮影時におけるモバイルライト42の制御動作について説明する。図5は、カメラ40による撮影時における携帯電子機器10の第2の処理を示すフロー図である。携帯電子機器10は、カメラ40による撮影毎に図5に示す処理を実行する。
まず、処理部22は、ステップS32として、撮影開始操作が操作者により操作部13に入力されたら、カメラ40を制御して撮影を開始する。
次に、処理部22は、ステップS34として、モバイルライト動作開始操作が操作者により操作部13に入力されたか否かを判定し、モバイルライト動作開始操作が操作者により操作部13に入力された(Yes)と判定したら、処理をステップS35に進め、モバイルライト動作開始操作が操作者により操作部13に入力されていない(No)と判定したら、処理をステップS42に進める。
処理部22は、ステップS34でモバイルライト動作開始操作が操作者により操作部13に入力された(Yes)と判定したら、ステップS35として、モバイルライト42を動作させて点灯させる。
次に、処理部22は、ステップS36として、携帯電子機器10と被写体との間の距離を検知する。処理部22は、測距センサ44により携帯電子機器10と被写体との間の距離を検知することができる。図6−1及び図6−2は、携帯電子機器10と被写体の例を示す図である。図6−1及び図6−2に示すように、携帯電子機器10と被写体111との間の距離A、Bは、測距センサ44により検知することができる。なお、図6−1及び図6−2において、モバイルライト42から被写体に向けて照射光101が出射されている。図6−1に示すように、携帯電子機器10と被写体111との間の距離Aが短いと、被写体111の画像が白飛びしたり、色が変わったりし易い。また、図6−2に示すように、携帯電子機器10と被写体111との間の距離Bが長いと、十分な明るさが得られず、被写体が暗くなり易い。
なお、カメラ40がAF機構、好ましくはコンティニュアスAF機構を備えている場合には、処理部22は、カメラ40のAF機構のレンズ位置により被写体と携帯電子機器10との間の距離を検知することができる。また、処理部22は、測距センサ44による測距結果とカメラ40のAF機構のレンズ位置による測距結果とを勘案して、携帯電子機器10と被写体との間の距離を検知するようにしてもよい。例えば、処理部22は、測距センサ44による測距結果とコンティニュアスAF機構による測距結果とを平均して、携帯電子機器10と被写体との間の距離を算出するようにしてもよい。また、処理部22は、測距センサ44による測距結果とカメラ40のAF機構による測距結果の双方を受信し、受信した複数の測距結果のうちいずれかの測距結果に基づいて携帯電子機器10と被写体との間の距離を算出するようにしてもよい。
再び図5を参照すると、処理部22は、ステップS38として、携帯電子機器10と被写体との間の距離に基づいて、モバイルライト42の光量を制御する。ここで、携帯電子機器10と被写体との間の距離が短いほど白飛びが発生し易い。
図7−1及び図7−2は、携帯電子機器10と被写体との間の距離と、モバイルライト42の光量と、の関係を示す図である。図7−1及び図7−2において、モバイルライト42の光量が最大発光光量L2である場合、携帯電子機器10と被写体との間の距離がD1以下のときに白飛びが発生する。そこで、処理部22は、携帯電子機器10と被写体との間の距離がD1以下であれば、モバイルライト42の光量を下げる制御を行う。
なお、このとき、処理部22は、図7−1の線121のように、携帯電子機器10と被写体との間の距離が短くなるにつれてモバイルライト42の光量の下げ幅を徐々に増加させ、モバイルライト42の光量を被写体の明るさが確保できる最小光量L1まで変化させても良い。その後、処理部22は、携帯電子機器10と被写体との間の距離が長くなったら、図7−1の線122のように、携帯電子機器10と被写体との間の距離が長くなるにつれてモバイルライト42の光量の上げ幅を徐々に増加させ、モバイルライト42の光量を最大発光光量L2まで変化させても良い。つまり、処理部22は、モバイルライト42の光量の上げ下げの変化をヒステリシス状にしてもよい。これにより、被写体の明るさの変化を緩やかにすることができ、見易い画像を撮影することができる。また、モバイルライト42の光量の最小値を0ではなく被写体の明るさが確保できる最小光量L1とすることで、携帯電子機器10と被写体との間の距離が0であっても、被写体の明るさを確保することができる。
なお、図7−1及び図7−2に示す距離と光量の関係をテーブルとして記憶部24に記憶させておき、処理部22が、携帯電子機器10と被写体との間の距離に対応する値を読み出して、モバイルライト42の光量を制御するようにいてもよい。これにより、モバイルライト42の制御を容易にすることができる。
また、処理部22は、携帯電子機器10と被写体との間の距離が短くなる場合、図7−1の線123のように、携帯電子機器10と被写体との間の距離がD0になるまで、モバイルライト42の光量をL2からL1まで線形に下げ、携帯電子機器10と被写体との間の距離がD0以下ではモバイルライト42の光量をL1とするようにしてもよい。また、処理部22は、携帯電子機器10と被写体との間の距離が長くなる場合、線123のように、携帯電子機器10と被写体との間の距離がD0以下ではモバイルライト42の光量をL1とし、携帯電子機器10と被写体との間の距離がD0からD1までの間は、モバイルライト42の光量をL1からL2まで線形に上げるようにしてもよい。これにより、モバイルライト42の制御を容易にすることができる。また、モバイルライト42の光量の最小値を0ではなく被写体の明るさが確保できる最小光量L1とすることで、携帯電子機器10と被写体との間の距離が0であっても、被写体の明るさを確保することができる。
また、モバイルライト42のドライバによっては、光量を階段状にしか変化させられない場合もある。その場合、処理部22は、図7−2の線131のように、携帯電子機器10と被写体との間の距離が短くなる場合、モバイルライト42の光量をL2からL1まで階段状に下げるようにしてもよい。また、処理部22は、図7−2の線132のように、携帯電子機器10と被写体との間の距離が長くなる場合、モバイルライト42の光量をL1からL2まで階段状に上げるようにしてもよい。このとき、処理部22は、図7−2に示すように、線131と線132との間に差を設ける、つまり、モバイルライト42の光量の上げ下げの変化をヒステリシス状にしてもよい。これにより、被写体の明るさの変化を緩やかにすることができ、見易い画像を撮影することができる。また、モバイルライト42の光量の最小値を0ではなく被写体の明るさが確保できる最小光量L1とすることで、携帯電子機器10と被写体との間の距離が0であっても、被写体の明るさを確保することができる。
再び図5を参照すると、処理部22は、ステップS40として、モバイルライト動作終了操作が操作者により操作部13に入力されたか否かを判定し、モバイルライト動作終了操作が操作者により操作部13に入力されていない(No)と判定したら、処理をステップS36に進め、モバイルライト動作終了操作が操作者により操作部13に入力された(Yes)と判定したら、処理をステップS41に進める。
処理部22は、ステップS40でモバイルライト動作終了操作が操作者により操作部13に入力された(Yes)と判定したら、ステップS41として、モバイルライト42を消灯させる。
処理部22は、ステップS34でモバイルライト動作開始操作が操作者により操作部13に入力されていない(No)と判定したら又はステップS41でモバイルライト42を消灯させたら、ステップS42として、撮影終了操作が操作者により操作部13に入力されたか否かを判定する。処理部22は、撮影終了操作が操作者により操作部13に入力されていない(No)と判定したら、処理をステップS34に進める。一方、処理部22は、撮影終了操作が操作者により操作部13に入力された(Yes)と判定したら、ステップS44に処理を進める。
処理部22は、ステップS42で撮影終了操作が操作者により操作部13に入力された(Yes)と判定したら、ステップS44として、カメラ40を制御して撮影を終了し、図5に示す処理を終了する。
以上の処理により、処理部22は、携帯電子機器10と被写体との間の距離に基づいてモバイルライト42の光量を制御することができる。これにより、被写体が白飛びした画像や被写体の色が変わった画像を撮像してしまうことを少なくすることができる。また、モバイルライト42の光量を撮影に適した明るさにすることで、無駄な電力の消費を低減することができる。
なお、ステップS38でのモバイルライト42の光量の制御では、処理部22が、被写体の明るさが撮影に適する明るさになるように、モバイルライト42の光量を一度に目標値まで変化させても良いし、少しずつ目標値まで変化させても良い。処理部22がモバイルライト42の光量を少しずつ目標値まで変化させる場合には、処理部22がフレームレートに同期してモバイルライト42の光量を少しずつ変化させても良い。その場合、処理部22が、ステップS36〜ステップS40のループをフレームレートに同期して実行し、ステップS38でモバイルライト42の光量を少しずつ変化させれば良い。
また、処理部22が、モバイルライト42の光量の変化量をフレーム間で一定にするのではなく、フレームの進行とともに変化量を徐々に大きくするようにしてもよい。例えば、フレームレートが15fpsの場合には、フレーム間隔は、約67msであるので、処理部22が、67ms毎にモバイルライト42の光量の上げ下げを行い、例えば20フレームでモバイルライト42の光量を目標値に合わせるようにすればよい。なお、モバイルライト42の光量を目標値に合わせるのに何フレームかけるかは、操作者により設定可能としても良いし、携帯電子機器10固有の値としてもよい。これにより、被写体の明るさの変化を緩やかにすることができ、見易い画像を撮影することができる。
また、処理部22が、ステップS34でモバイルライト動作開始操作が操作者により操作部13に入力された(Yes)と判定したら、ステップS35でモバイルライト42を点灯させることとしているが、処理部22が、カメラ40のイメージセンサにより被写体の明るさを検知し、被写体の明るさが所定の明るさよりも暗い場合にモバイルライト42を自動的に点灯させるようにしてもよい。
次に、図8を用いて携帯電子機器10の動作、具体的には、カメラ40による撮影時におけるモバイルライト42の制御動作について説明する。図8は、カメラ40による撮影時における携帯電子機器10の第3の処理を示すフロー図である。携帯電子機器10は、カメラ40による撮影毎に図8に示す処理を実行する。
まず、処理部22は、ステップS52として、撮影開始操作が操作者により操作部13に入力されたら、カメラ40を制御して撮影を開始する。
次に、処理部22は、ステップS54として、モバイルライト動作開始操作が操作者により操作部13に入力されたか否かを判定し、モバイルライト動作開始操作が操作者により操作部13に入力された(Yes)と判定したら、処理をステップS55に進め、モバイルライト動作開始操作が操作者により操作部13に入力されていない(No)と判定したら、処理をステップS62に進める。
処理部22は、ステップS54でモバイルライト動作開始操作が操作者により操作部13に入力された(Yes)と判定したら、ステップS55として、モバイルライト42を動作させて点灯させる。
次に、処理部22は、ステップS56として、撮影領域の明るさ及び携帯電子機器10と被写体との間の距離を検知する。より詳細には、処理部22は、カメラ40内のイメージセンサのシャッタースピード及びゲインの少なくとも一方により、撮影領域の明るさを検知する。処理部22は、カメラ40内のイメージセンサのシャッタースピードが速い場合には撮影領域の明るさが明るいと検知することができ、シャッタースピードが遅い場合には撮影領域の明るさが暗いと検知することができる。また、処理部22は、カメラ40内のイメージセンサのゲインが高い場合には撮影領域の明るさが明るいと検知することができ、ゲインが低い場合には撮影領域の明るさが暗いと検知することができる。
また、処理部22は、測距センサ44により携帯電子機器10と被写体との間の距離を検知することができる。なお、カメラ40がAF機構、より好ましくはコンティニュアスAF機構を備えている場合には、処理部22は、カメラ40のAF機構のレンズ位置により被写体と携帯電子機器10との間の距離を検知することができる。また、処理部22は、測距センサ44による測距結果とカメラ40のAF機構による測距結果とを勘案して、携帯電子機器10と被写体との間の距離を検知するようにしてもよい。例えば、処理部22は、測距センサ44による測距結果とカメラ40のAF機構による測距結果とを平均して、携帯電子機器10と被写体との間の距離を算出するようにしてもよい。また、処理部22は、測距センサ44による測距結果とカメラ40のAF機構による測距結果の双方を受信し、受信した複数の測距結果のうちいずれかの測距結果に基づいて携帯電子機器10と被写体との間の距離を算出するようにしてもよい。
次に、処理部22は、ステップS58として、撮影領域の明るさ及び携帯電子機器10と被写体との間の距離に基づいて、モバイルライト42の光量を制御する。例えば、処理部22は、画像全体が暗い場合には、被写体が白飛びしたり色が変わってしまったりし易いので、被写体の明るさが撮影に適する明るさになるように、モバイルライト42の光量を下げる制御を行う。これにより、被写体が白飛びした画像や被写体の色が変わった画像を撮影してしまうことを少なくすることができる。また、処理部22は、画像全体が明るい場合には、被写体が黒潰れし易いので、被写体の明るさが撮影に適する明るさになるように、モバイルライト42の光量を上げる制御を行う。これにより、被写体が黒潰れした画像を撮影してしまうことを少なくすることができる。
また、処理部22は、携帯電子機器10と被写体との間の距離が短い場合には、図7−1又は図7−2に示すように、モバイルライト42の光量を下げる制御を行う。また、処理部22は、携帯電子機器10と被写体との間の距離が長い場合には、図7−1又は図7−2に示すように、モバイルライト42の光量を上げる制御を行う。なお、処理部22は、被写体の明るさ及び携帯電子機器10と被写体との間の距離を勘案して、モバイルライト42の光量を制御するようにしてもよい。例えば、処理部22は、携帯電子機器10と被写体との間の距離に基づいて、大まかなモバイルライト42の制御を行い、その後、撮影領域の明るさに基づいて、精細なモバイルライト42の制御を行うようにしてもよい。
次に、処理部22は、ステップS60として、モバイルライト動作終了操作が操作者により操作部13に入力されたか否かを判定し、モバイルライト動作終了操作が操作者により操作部13に入力されていない(No)と判定したら、処理をステップS56に進め、モバイルライト動作終了操作が操作者により操作部13に入力された(Yes)と判定したら、処理をステップS61に進める。
処理部22は、ステップS60でモバイルライト動作終了操作が操作者により操作部13に入力された(Yes)と判定したら、ステップS61として、モバイルライト42を消灯させる。
処理部22は、ステップS54でモバイルライト動作開始操作が操作者により操作部13に入力されていない(No)と判定したら又はステップS61でモバイルライト42を消灯させたら、ステップS62として、撮影終了操作が操作者により操作部13に入力されたか否かを判定する。処理部22は、撮影終了操作が操作者により操作部13に入力されていない(No)と判定したら、処理をステップS54に進める。一方、処理部22は、撮影終了操作が操作者により操作部13に入力された(Yes)と判定したら、ステップS64に処理を進める。
処理部22は、ステップS62で撮影終了操作が操作者により操作部13に入力された(Yes)と判定したら、ステップS64として、カメラ40を制御して撮影を終了し、図8に示す処理を終了する。
なお、ステップS58でのモバイルライト42の光量の制御では、処理部22が、撮影領域の明るさが撮影に適する明るさになるように、モバイルライト42の光量を一度に目標値まで変化させても良いし、少しずつ目標値まで変化させても良い。処理部22がモバイルライト42の光量を少しずつ目標値まで変化させる場合には、処理部22がフレームレートに同期してモバイルライト42の光量を少しずつ変化させても良い。その場合、処理部22が、ステップS56〜ステップS60のループをフレームレートに同期して実行し、ステップS58でモバイルライト42の光量を少しずつ変化させれば良い。
また、処理部22が、モバイルライト42の光量の変化量をフレーム間で一定にするのではなく、フレームの進行とともに変化量を徐々に大きくするようにしてもよい。例えば、フレームレートが15fpsの場合には、フレーム間隔は、約67msであるので、処理部22が、67ms毎にモバイルライト42の光量の上げ下げを行い、例えば20フレームでモバイルライト42の光量を目標値に合わせるようにすればよい。なお、モバイルライト42の光量を目標値に合わせるのに何フレームかけるかは、操作者により設定可能としても良いし、携帯電子機器10固有の値としてもよい。これにより、被写体の明るさの変化を緩やかにすることができ、見易い画像を撮影することができる。
また、処理部22が、ステップS56で、カメラ40によって撮影された画像に画像認識処理を実施し、画像内に所定サイズ以上の大きさの白い輝点を検出したら又は画像内にハレーション部分を検出したら、白い輝点又はハレーションがなくなるまでモバイルライト42の光量を下げる制御を行うようにしてもよい。
また、処理部22が、ステップS54でモバイルライト動作開始操作が操作者により操作部13に入力された(Yes)と判定したら、ステップS55でモバイルライト42を点灯させることとしているが、処理部22が、カメラ40のイメージセンサにより撮影領域の明るさを検知し、撮影領域の明るさが所定の明るさよりも暗い場合にモバイルライト42を自動的に点灯させるようにしてもよい。
以上の処理により、処理部22は、撮影領域の明るさ及び携帯電子機器10と被写体との間の距離に基づいてモバイルライト42の光量を制御することができる。これにより、被写体が白飛びした画像や被写体の色が変わった画像や被写体が黒潰れした画像を撮影してしまうことを少なくすることができる。また、モバイルライト42の光量を撮影に適した明るさにすることで、無駄な電力の消費を低減することができる。
なお、処理部22は、撮影領域の明るさ(画像の明るさ)の検出の処理と被写体との間の距離の検出の処理とを、カメラ制御部22a、モバイルライト制御部22bのいずれで行っても良い。また、処理部22は、これらの検出の処理のみを実行する制御部を別途設けても良い。