JP2014187069A - 太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents

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Yoshitaka Kunihiro
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Abstract

【課題】気泡の発生を防止できる太陽電池モジュールの製造方法を提供する。
【解決手段】前面用透明保護材、前面用封止材、太陽電池素子、裏面用封止材及び裏面用保護材をこの順に積層した積層体を加熱加圧して一体化するラミネート工程と、前記加熱加圧後の積層体を常温にまで冷却する冷却工程とを有し、前記冷却工程において、積層体の中央部分の温度が100℃以下になってから、積層体の端部部分の温度が40℃になるまでの冷却過程において、中央部分の温度が端部部分の温度よりも35℃以上高くなるように保持しながら冷却する太陽電池モジュールの製造方法。
【選択図】図4

Description

本発明は、気泡の発生を防止できる太陽電池モジュールの製造方法に関する。
近年、環境問題やエネルギー問題に対する意識が高まる中、クリーンなエネルギー源として太陽電池が注目されており、現在、種々の形態からなる太陽電池モジュールが開発され、提案されている。例えば、ガラス等を基材とするリジッドな太陽電池モジュールや、ポリイミドやポリエステル系の耐熱高分子材料やステンレス薄膜を基材とするフレキシブルな太陽電池モジュール等が知られている。
太陽電池モジュールは、一般に、前面用透明保護材、前面用封止材、太陽電池素子、裏面用封止材及び裏面用保護材を積層して一体化した積層体構造を有する。
太陽電池モジュールの製造方法としては、これらの各部材を予め所望の形状に切断したうえで積層し、ラミネーターを用いて真空下にて加熱加圧する方法(真空ラミネート法)が一般的である。真空ラミネート法は、特に前面用透明保護材としてガラス等を用いるリジッドな太陽電池モジュールの製造に適している。
このような真空ラミネート法による太陽電池モジュールの製造方法では、得られた太陽電池モジュール中に気泡が発生することがあるという問題があった。
このような問題に対しては、例えば、ラミネート時の温度や圧力を調整する方法(特許文献1、2)、ラミネート時に加圧板を利用する方法(特許文献3)、ラミネート時に積層体を固定する方法(特許文献4)、ラミネート時にスペーサを配置する方法(特許文献5)等のラミネート方法の工夫や、封止材のサイズを調整する方法(特許文献6)等が提案されている。しかしながら、これらの方法も用いてもなお、気泡の発生を防止できないことがあった。
特開2012−9792号公報 特開2001−177119号公報 特開2004−311571号公報 特開2004−179261号公報 特開2002−151711号公報 国際公開第2012/5367号パンフレット
本発明は、上記現状に鑑み、気泡の発生を防止できる太陽電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、前面用透明保護材、前面用封止材、太陽電池素子、裏面用封止材及び裏面用保護材をこの順に積層した積層体を加熱加圧して一体化するラミネート工程と、前記加熱加圧後の積層体を常温にまで冷却する冷却工程とを有し、前記冷却工程において、積層体の中央部分の温度が100℃以下になってから、積層体の端部部分の温度が40℃になるまでの冷却過程において、中央部分の温度が端部部分の温度よりも35℃以上高くなるように保持しながら冷却する太陽電池モジュールの製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
特許文献1〜6等で提案された従来の太陽電池モジュールの製造方法では、各部材を積層した積層体をラミネートする際に気泡の噛み込みを防止することに主眼を置いている。しかしながら、本発明者らは、ラミネート時に気泡の噛み込みを防止できたとしても、ラミネーターから取り出して常温にまで冷却する際に気泡が発生していることを見出した。
図1に、前面用透明保護材、前面用封止材、太陽電池素子、裏面用封止材及び裏面用保護材をこの順に積層した積層体1の断面を示す模式図を示した。
図1の積層体1では、前面用透明保護材11、前面用封止材12、太陽電池素子13、裏面用封止材14及び裏面用保護材15がこの順に積層されている。図1に示したように、封止が充分となるように太陽電池素子13は、前面用透明保護材11等よりも周囲約5〜25mm程度小さい。従って、積層体1を加熱加圧して一体化すると、太陽電池素子13の厚みに相当する段差が太陽電池素子13の周辺に形成される。
一方、ラミネート後の積層体をラミネーターから取り出して常温にまで冷却する際には、前面用封止材12や裏面用封止材14が冷却収縮する。
この冷却収縮により発生した歪みが、上記太陽電池素子13の周辺の段差部分に集中して、前面用封止材12や裏面用封止材14に亀裂が発生し、該亀裂に空気が流れ込んで気泡が形成されるものと考えられる。
本発明者らは、更に鋭意検討の結果、冷却工程において、積層体の中央部分の温度が100℃以下になってから、積層体の端部部分の温度が40℃になるまでの冷却過程において、中央部分の温度が端部部分の温度よりも35℃以上高くなるように保持しながら冷却することにより、冷却工程における気泡の発生を防止できることを見出し、本発明を完成した。
これは、冷却工程において中央部分の温度が端部部分の温度よりも一定以上高くなるように保持しながら冷却することにより、太陽電池素子13の周辺の段差部分が先に冷却され、冷却収縮による歪みが段差部分以外の中央部分に分散され、段差部分に前面用封止材12や裏面用封止材14に亀裂が発生するのを防止できるためと考えられる。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、まず、前面用透明保護材、前面用封止材、太陽電池素子、裏面用封止材及び裏面用保護材をこの順に積層した積層体を加熱加圧して一体化するラミネート工程を有する。
上記前面用透明保護材は、上記太陽電池素子の光電変換層の受光面側に配置され、太陽電池モジュールの最表面において太陽電池素子を物理的損傷から保護したり、水分等の透過により太陽電池素子が劣化するのを防止したりする役割を有する。
上記前面用透明保護材としては、透明性、耐熱性及び難燃性に優れる点で、ガラス板や、ポリカーボネート等からなるプラスチック板や、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレン樹脂(ECTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、テトラフロオロエチレン−パーフロオロアルキルビニルエーテル共重合体(FEP)、ポリビニルフルオライド樹脂(PVF)及びテトラフロオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系樹脂からなるシート状体等が挙げられる。
上記前面用透明保護材がガラス板やプラスチック板である場合、上記前面用保護材の厚みの好ましい下限は0.1mm、好ましい上限は5mmであり、より好ましい下限は1.0mm、より好ましい上限は3.5mmである。
上記前面用透明保護材がフッ素系樹脂からなるシート状体である場合、上記前面用保護材の厚みの好ましい下限は10μm、好ましい上限は100μmであり、より好ましい下限は15μm、より好ましい上限は80μmである。
上記前面用封止材は、太陽電池素子の光電変換層の受光面側に密着して封止する役割を有する。
上記前面用封止材は、熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。熱可塑性樹脂を含有することにより、加熱加圧により容易に太陽電池素子を封止することができる。
上記熱可塑性樹脂としては、常用耐熱温度が100℃以下の低密度ポリエチレン、酸変性ポリエチレン、シラン変性ポリエチレン、エチレン系アイオノマー、及び、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、太陽電池素子との接着性及び真空ラミネート適性に優れる点で、酸変性ポリエチレン、シラン変性ポリエチレンが好ましく、酸変性ポリエチレンがより好ましい。上記酸変性ポリエチレンのなかでも、無水マレイン酸変性ポリエチレン系樹脂が更に好ましい。
上記無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂としては、無水マレイン酸でグラフト変性したオレフィン系樹脂、エチレン又はプロピレンとアクリル酸又はメタクリル酸との共重合体、金属架橋ポリオレフィン樹脂等を挙げることができる。なかでも、無水マレイン酸でグラフト変性したオレフィン系樹脂が好適である。
上記オレフィン系樹脂は、単一のモノマーからなるホモポリマーであっても、2以上の種類のモノマーからなる共重合体であってもいい。
上記ホモポリマーとしては、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等が挙げられる。
上記共重合体としては、具体的には、エチレン−αオレフィン共重合体、ポリプロピレン−αオレフィン共重合体等が挙げられる。
上記オレフィン系樹脂としては、中でも、熱融着の観点からα−オレフィンとエチレンとの共重合体である、α−オレフィン−エチレン共重合体が好ましい。
上記α−オレフィン−エチレン共重合体は、α−オレフィンとエチレンとからなる共重合体であることが好ましい。
上記α−オレフィンは、樹脂の非晶性向上による低融点化、柔軟化のため、炭素数が3〜10であることが好ましく、炭素数が4〜8であることがより好ましい。
上記α−オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられ、なかでも、上記α−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンが好ましい。すなわち、上記α−オレフィン−エチレン共重合体としては、ブテン−エチレン共重合体、ヘキセン−エチレン共重合体、オクテン−エチレン共重合体が好ましい。
上記α−オレフィン−エチレン共重合体は、α−オレフィン含有量が1〜25重量%であることが好ましい。上記α−オレフィン含有量が1重量%未満であると、太陽電池モジュールの製造の際にシワやカールが発生するおそれがある。上記α−オレフィン含有量が25重量%を超えると、太陽電池素子に対する接着性が低下するおそれがある。上記α−オレフィン含有量のより好ましい下限は10重量%、より好ましい上限は20重量%である。
上記α−オレフィン−エチレン共重合体における上記α−オレフィンの含有量については、13C−NMRのスペクトル積分値により求めることができる。具体的には、例えば1−ブテンを用いた場合、重クロロホルム中で10.9ppm付近や26.1ppm付近、39.1ppm付近に得られる1−ブテン構造由来のスペクトル積分値と、26.9ppm付近、29.7ppm付近、30.2ppm付近、33.4ppm付近に得られるエチレン構造由来のスペクトル積分値を用いて算出する。スペクトルの帰属については高分子分析ハンドブック(日本分析化学会編、朝倉書店発行、2008年)等の既知データーを利用するとよい。
上記オレフィン系樹脂を無水マレイン酸でグラフト変性する方法としては公知の方法が用いられ、例えば、上記オレフィン系樹脂と無水マレイン酸とラジカル重合開始剤とを含有した組成物を、押出機に供給して溶融混練してオレフィン系樹脂に無水マレイン酸をグラフト重合させる溶融変性法や、上記オレフィン系樹脂を溶媒に溶解させて溶解液を作製し、この溶解液に無水マレイン酸及びラジカル重合開始剤を添加してオレフィン系樹脂に無水マレイン酸をグラフト重合させる溶液変性法等が挙げられる。なかでも、機上混合できる点で、上記溶融変性法が生産上好ましい。
上記グラフト変性する方法において使用するラジカル重合開始剤としては、従来からラジカル重合に用いられているものであれば特に限定されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシオクトエート、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
上記無水マレイン酸変性オレフィン系樹脂は、無水マレイン酸の総含有量が0.1〜3重量%であることが好ましい。上記無水マレイン酸の総含有量が0.1重量%未満であると、太陽電池素子に対する前面用封止材の接着性が低下するおそれがある。上記無水マレイン酸の総含有量が3重量%を超えると、無水マレイン酸変性オレフィン系樹脂が架橋して、前面用封止材の接着性が低下したり、押出成形性が低下したりするおそれがある。上記無水マレイン酸の総含有量のより好ましい下限は0.2重量%、より好ましい上限は1.5重量%であり、1.0重量%未満であることが更に好ましい。
なお、上記無水マレイン酸の総含有量は、上記無水マレイン酸変性オレフィン系樹脂を用いて試験フィルムを作製し、上記試験フィルムの赤外吸収スペクトルを測定して、1790cm−1付近の吸収強度から算出することができる。具体的には、上記無水マレイン酸変性オレフィン系樹脂中における無水マレイン酸の総含有量は、例えば、FT−IR(フーリエ変換赤外分光装置 Nicolet 6700 FT−IR)を用いて、高分子分析ハンドブック(日本分析化学会編、朝倉書店発行、2008年)等に記載された既知の測定方法で測定することができる。
上記無水マレイン酸変性オレフィン系樹脂は、示差走査熱量分析により測定した吸熱曲線の最大ピーク温度(Tm)が100℃以下であることが好ましい。
上記吸熱曲線の最大ピーク温度(Tm)が100℃より高いと、冷却工程において、上記前面用封止材の冷却収縮が早くなり、冷却時の収縮制御が困難になる場合がある。
なお、上記示差走査熱量分析により測定した吸熱曲線の最大ピーク温度(Tm)は、JIS K7121に規定されている測定方法に準拠して測定することができる。
上記シラン変性ポリエチレンとしては、ポリエチレンに、ラジカル発生剤の存在下で、エチレン性不飽和シラン化合物をグラフト重合することによって得られた樹脂を挙げることができる。
上記ポリエチレンとしては、エチレンとαオレフィンの共重合体等を挙げることができる。
上記αオレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等を挙げることができる。
上記エチレン性不飽和シラン化合物としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリペンチロキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリベンジルオキシシラン、ビニルトリメチレンジオキシシラン、ビニルトリエチレンジオキシシラン、ビニルプロピオニルオキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、およびビニルトリカルボキシシラン等を挙げることができる。
上記ポリオレフィンにグラフト重合するエチレン性不飽和シラン化合物の量は、ポリオレフィン100重量部に対して、上記エチレン性不飽和シラン化合物が0.1重量部以上10重量部未満であることが好ましい。
上記エチレン系アイオノマーとしては、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体の不飽和カルボン酸基の一部又は全部を金属イオンで中和したものであることが好ましい。
上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合としては、少なくともエチレン及び不飽和カルボン酸の共重合成分からなる共重合体が挙げられる。
上記不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フタル酸、シトラコン酸、イタコン酸等が挙げられ、なかでも、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
上記金属イオンとしては、ナトリウムイオン、亜鉛イオンが好ましい。
上記アイオノマーは、公知の方法で製造することができる。
上記エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体としては、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体が好ましい。
上記エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体は、少なくともエチレン、アクリル酸エステル及び無水マレイン酸の三成分からなる共重合体である。
上記アクリル酸エステルは、コスト、重合性の観点から、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、及び、アクリル酸ブチルからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
上記エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体は、エチレン成分の含有量が71〜93重量%であり、アクリル酸エステル成分の含有量が5〜28重量%であり、無水マレイン酸成分の含有量が0.1〜4重量%であることが好ましい。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体としては、通常太陽電池封止材に用いられる、架橋剤入りエチレン−酢酸ビニル共重合体が用いられる。
上記前面用封止材は、更に、エポキシ基を有するシラン化合物を含有することが好ましい。
特に、上記無水マレイン酸変性オレフィン系樹脂を用いた場合は、上記エポキシ基を有するシラン化合物を更に含有することが好ましい。
上記シラン化合物を含有することにより、前面用封止材と太陽電池素子との接着性をより向上させることができる。
上記シラン化合物は、脂肪族エポキシ基、脂環式エポキシ基等のエポキシ基を分子中に少なくとも1個有していればよい。上記エポキシ基を有するシラン化合物としては、下記一般式(I)で示されるシラン化合物であることが好ましい。
Figure 2014187069
式(I)中、Rは、3−グリシドキシプロピル基又は2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基を示し、Rは、炭素数が1〜3であるアルキル基を示し、Rは、炭素数が1〜3であるアルキル基を示し、且つ、nは0又は1である。
は、下記式(II)で示される3−グリシドキシプロピル基、又は、下記式(III)で示される2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基を示す。
Figure 2014187069
Figure 2014187069
上記Rとしては、炭素数が1〜3であるアルキル基であれば、特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられ、メチル基及びエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記Rとしては、炭素数が1〜3であるアルキル基であれば、特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられ、メチル基が好ましい。
上記一般式(I)で示されるシラン化合物としては、例えば、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン等が挙げられる。
上記一般式(I)において、nは0であることが好ましい。
上記シラン化合物としては、特に好ましくは、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及び、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランである。
上記前面用封止材中の上記シラン化合物の含有量は、上記無水マレイン酸変性オレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜1重量部であることが好ましい。上記シラン化合物の含有量が上述の範囲外であると、前面用封止材の接着性が低下するおそれがある。
なお、上記前面用透明保護材としてガラス板等のリジッドな材料を用いる場合には、上記接着剤層中の上記シラン化合物の含有量は、上記無水マレイン酸変性オレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜1重量部であることが好ましい。この範囲内であると、ガラス板からなる前面用透明保護材に対する高い接着性を発揮することができる。
上記前面用封止材には、その物性を損なわない範囲内において、他の添加剤を更に含有していてもよい。上記他の添加剤としては、例えば、UV安定剤、可塑剤、充填剤、着色剤、顔料、抗酸化剤、帯電防止剤、界面活性剤、調色液、屈折率マッチング用添加剤及び分散助剤等が挙げられる。
上記前面用封止材を形成する方法としては、上述した樹脂成分と、上記シラン化合物と、必要に応じて添加される添加剤とを所定の重量割合にて押出機に供給して溶融、混練し、押出機からシート状に押出して接着剤層を形成する方法が挙げられる。
上記太陽電池素子は、一般に、受光することで電子が発生する光電変換層、発生した電子を取り出す電極層、及び、必要に応じて基板から構成される。
上記光電変換層としては、例えば、単結晶シリコン、単結晶ゲルマニウム、多結晶シリコン、微結晶シリコン等の結晶系半導体、アモルファスシリコン等のアモルファス系半導体、GaAs、InP、AlGaAs、Cds、CdTe、CuS、CuInSe、CuInS等の化合物半導体、フタロシアニン、ポリアセチレン等の有機半導体等から形成されたものを挙げることができる。
上記光電変換層は、単層又は複層であってもよい。
上記光電変換層の厚みは、0.5〜200μmであることが好ましい。
上記電極層は、電極材料からなる層である。
上記電極層は、必要に応じて、上記光電変換層上にあってもよいし、上記光電変換層とフレキシブル基材又はガラス基板との間にあってもよいし、上記基板面上にあってもよい。
また、上記太陽電池素子は、上記電極層を複数有していてもよい。
受光面側(表面)の電極層は、透明である必要があるため、上記電極材料としては、金属酸化物等の一般的な透明電極材料であることが好ましい。上記透明電極材料としては、特に限定されないが、ITO又はZnO等が好適に使用される。
透明電極を使用しない場合は、バス電極やそれに付属するフィンガー電極を銀等の金属でパターニングしたものであってもよい。
背面側(裏面)の電極層は、透明である必要はないため、一般的な電極材料によって構成されて構わないが、上記電極材料としては、銀が好適に用いられる。
上記基板としてはガラス基板やフレキシブル基板を用いることができる。
上記ガラス基板としては、光電変換層や電極材が積層されるプロセスに耐え得るガラス基板であって、太陽電池として用いたときに上記光電変換層を汚染するような物質を含まないガラス基板であれば特に限定されず、例えば、ソーダーライムガラス等が挙げられる。
上記ガラス基板の厚みは、0.1〜3mmであることが好ましい。
上記フレキシブル基材としては、可撓性があり、フレキシブル太陽電池モジュールに使用することができるものであれば、特に限定されず、例えば、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン等の耐熱性樹脂からなる基材を挙げることができる。上記フレキシブル基材の厚みは、10〜80μmであることが好ましい。
上記太陽電池素子全体の厚さは3mm以下であることが好ましい。上記太陽電池素子全体の厚さが3mmを超えると、積層体を一体化したときに太陽電池素子の周辺に形成される段差が大きくなり、気泡の発生を防止することが難しくなる。上記太陽電池素子全体の厚さの下限は特に限定されないが、0.1mm未満になると、本発明を適用するまでもなく冷却工程時に気泡が発生することが少なくなる。
上記太陽電池素子を製造する方法としては、公知の方法であれば特に限定されず、例えば、シリコンウェハにpn接合面を作成して電極を印刷後焼成する方法や、上記フレキシブル基材やガラス基板上に上記光電変換層や電極層を配置する方法等の公知の方法により形成することができる。
上記裏面用封止材は、上記太陽電池素子の裏面に密着して封止する役割を有する。
上記裏面用封止材としては、上述した前面用封止材と同様のものを用いることができる。
上記裏面側封止材は、厚みが300μm以下であることが好ましい。上記裏面側封止材の厚みが300μmを超えると、得られる太陽電池モジュールが必要以上に厚く、重いものとなる。なお、上記裏面用封止材の厚みが300μmを大きく超えると、裏面用封止材自体の厚みにより冷却収縮による歪みが吸収されることから、本発明を適用するまでもなく冷却工程時に気泡が発生することが少なくなる。
上記裏面保護材は、太陽電池モジュールの裏面側、即ち、光電変換層の受光面とは反対側の最外層となり得る層である。
上記裏面保護材としては、水蒸気バリア性や耐候性に優れる点で、ガラス板や、ステンレス板や、ポリフッ化ビニル/ポリエステル/ポリフッ化ビニル積層シート、ポリエステル/アルミ/ポリエステル積層シート等の樹脂シート等が挙げられる。なお、上記裏面保護材は、特に透明である必要はない。
上記裏面保護材が上記樹脂シートからなる場合、上記裏面保護材の厚みの好ましい下限は10μm、好ましい上限は500μmであり、より好ましい下限は100μm、より好ましい上限は300μmである。
上記ラミネート工程では、上記前面用透明保護材、前面用封止材、太陽電池素子、裏面用封止材及び裏面用保護材をこの順に積層した積層体を加熱加圧して一体化する。加熱加圧して一体化する具体的な方法は特に限定されず、従来公知の方法を採用すればよいが、ラミネート工程において気泡の噛み込みをできるだけ防止できる方法を採用することが好ましい。
上記ラミネート工程の好ましい一例を示す模式図を図2に示した。
図2に示したラミネート工程では、二重真空方式のラミネーター2を用いる。
二重真空方式のラミネーター2は、ダイヤフラム211を具備した上チャンバー21と、ヒーター221を具備した下チャンバー22とからなる。
図2に示したラミネート工程では、二重真空方式のラミネーター2の下チャンバー22上に、上記前面用透明保護材、前面用封止材、太陽電池素子、裏面用封止材及び裏面用保護材をこの順に積層した積層体1を乗せ、上チャンバー21を重ねて閉じる(図2(a))。この状態で、真空減圧しながら予熱を行う(図2(b))。次いで、ダイヤフラム111により積層体2を加圧しながら加熱して、積層体を一体化する(図2(c))。
上記ラミネート工程における加熱温度の好ましい下限は100℃、好ましい上限は150℃である。上記加熱温度が100℃未満であると、後述する冷却工程にかかる時間が短くなり、冷却工程における冷却条件の制御が困難となることがある。上記加熱温度が150℃を超えると、上記前面用封止材や裏面用封止材が劣化したり、気泡を噛み込んだり、各部材のズレが発生したりすることがある。上記ラミネート工程における加熱温度のより好ましい下限は130℃、より好ましい上限は145℃である。
上記ラミネート工程における加圧圧力の好ましい下限は50kPa、好ましい上限は90kPaである。上記加圧圧力が50kPa未満であると、充分に気泡を追い出すことができず、気泡を噛み込んだりすることがある。上記加圧圧力が90kPaを超えると、各部材のズレが発生したり、太陽電池素子の周囲で裏面用保護材の潰れによる気泡の巻き込みが発生したりすることがある。上記ラミネート工程における加圧圧力のより好ましい下限は65kPa、より好ましい上限は85kPaである。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法では、次いで、上記加熱加圧後の一体化された積層体を常温にまで冷却する冷却工程を行う。
ここで冷却工程において、積層体の中央部分の温度が100℃以下になってから、積層体の端部部分の温度が40℃になるまでの冷却過程において、中央部分の温度が端部部分の温度よりも35℃以上高くなるように保持しながら冷却する。このように冷却条件を制御することにより、冷却工程における気泡の発生を防止することができる。
なお、積層体の中央部分の温度が100℃以下になってから、積層体の端部部分が40℃になるまでとしたのは、上記前面用封止材や裏面用封止材を構成する一般的な熱可塑性樹脂では、この温度範囲内において冷却収縮が特に顕著に発生するためである。積層体の端部部分が40℃になるまでの冷却された段階でも、まだ中央部分の温度が75℃以上であることから、冷却収縮による歪みは段差のある積層体の端部部分ではなく中央部分に分散される。これにより、段差部分での気泡の発生を防止することができる。
本明細書において積層体の端部部分とは、積層体の周辺部において上記太陽電池素子が存在しない領域を意味する。通常の太陽電池モジュールでは、上記太陽電池素子は前面用透明保護材よりも周囲5〜25mm程度小さい。従って、より具体的には、上記前面用透明保護材の端部から5mm内側までの領域を積層体の端部部分とすることができる。
一方、本明細書において積層体の中央部分とは、積層体の重心点を中心とする50%面積相似形範囲内を意味する。より具体的には、積層体が矩形の場合には、対角線の交差点を中心とする前面保護ガラスの50%面積の相似形範囲内を積層体の中央部分とすることができる。
上記積層体の端部部分と中央部分とを示す模式図を図3に示した。図3は、積層体1を前面用透明保護材11側から見た図である。点線で表現された太陽電池素子13は、前面用透明保護材11等よりも周囲約5〜25mm程度小さい。端部部分は、太陽電池素子が存在しない、斜線で示された領域Aで表される。一方、中央部分は、積層体の重心点を中心とする50%面積相似形範囲内である、斜線で示された領域Bで表される。
上記冷却過程において中央部分の温度が端部部分の温度よりも35℃以上高くなるように保持しながら冷却する具体的な方法としては特に限定されず、例えば、図4に示したように、ラミネーターから取り出した積層体1を常温下に置いて自然に冷却させる際に、積層体1の中央部分に断熱材3を当てて中央部分が冷却されにくくする方法や、冷却機構を有するか又は熱容量の大きな枠材を用いて端部部分を覆うことにより、端部部分を優先的に冷却する方法や、ラミネーター中のヒーターの位置を調整して積層体の中央部分を集中的に加熱できるようにすることにより、ラミネーターから積層体を取り出したときに中央部分の温度がより高くなるようにする方法や、ラミネーターから取り出した積層体中の太陽電池素子に一定以上の電圧をかけることにより発熱させて中央部分を加温する方法等が挙げられる。
本発明によれば、気泡の発生を防止できる太陽電池モジュールの製造方法を提供することができる。
前面用透明保護材、前面用封止材、太陽電池素子、裏面用封止材及び裏面用保護材をこの順に積層した積層体の断面を示す模式図である。 ラミネート工程の好ましい一例を示す模式図である。 積層体の端部部分と中央部分とを示す模式図である。 冷却工程の一例を示す模式図である。 実施例1における、積層体端部部分及び中央部分の温度の経時変化を示すグラフである。 比較例1における、積層体端部部分及び中央部分の温度の経時変化を示すグラフである。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
以下に示した前面用透明保護材、前面用封止材、太陽電池素子、裏面用封止材及び裏面用保護材をこの順に積層した積層体を図2に示した二重真空方式のラミネーター2の下チャンバー22上に乗せ、上チャンバー21を重ねて閉じた。この状態で、145℃、ダイヤフラムを介した上下チャンバー間の圧力差0kPaの条件で予熱を行った。次いで、ダイヤフラム111により積層体を80kPaに加圧しながら、145℃、10分間加熱加圧して、積層体を一体化した。
前面用透明保護材:厚さ3mm、大きさ1000mm×1000mmの矩形の白板型板ガラス。
前面用封止材:ブテン含有量が16重量%であるブテン−エチレン共重合体が無水マレイン酸でグラフト変性され、かつ、無水マレイン酸の総含有量が0.9重量%である無水マレイン酸変性オレフィン系樹脂100重量部と、低密度ポリエチレン樹脂150重量部と、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製、商品名「Z6043」)0.6重量部とを押出機に供給して250℃にて溶融混練し、押出成形して得た、厚さ400μm、大きさ1000mm×1000mmのシート状の封止材。なお、JIS K7121に規定されている測定方法に準拠して示差走査熱量分析により測定した封止材の吸熱曲線の最大ピーク温度(Tm)は78℃であった。
太陽電池素子:ガラス基材(旭硝子社製、青板フロートガラス)上に、薄膜状のCIGSからなる光電変換層が形成された、厚さ2mm、大きさ950mm×950mmの矩形の太陽電池素子。
裏面用封止材;前面用封止材と同様の方法により製造した、厚さ150μm、大きさ1000mm×1000mmのシート状の封止材。
裏面用保護材:ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、アルミ箔、PETフィルムを接着剤層を介して積層した、厚さ300μm、大きさ1000mm×1000mmの矩形のシート状体。
二重真空方式のラミネーターより積層体を取り出し、図4に示したように中心部分を断熱材で保温しながら冷却を行った。断熱材として厚さ60mm、大きさ920mm×920mmの矩形のシート状体2個を用い、積層体の両面から挟み込むようにして保温した。
前面用透明保護材の端部から5mm内側にあたる裏面保護シート側の温度を4か所測定し、その平均値を積層体の端部部分の温度とし、積層体の対角線の交差点を中心とする前面保護ガラスの50%面積の相似形範囲内にあたる裏面保護シート側の温度を4か所測定し、その平均値を積層体の中央部分の温度とした。積層体端部部分及び中央部分の温度の経時変化を図5に示した。
図5より、冷却開始5分後に積層体の中央部分の温度が100℃以下となり、9分後に積層体の端部部分の温度が40℃にまで低下した。この5〜9分間において、中央部分の温度と端部部分の温度とは48℃以上の差になるように保たれていた。
(比較例1)
加圧力を95kPaとし、二重真空方式のラミネーターより取り出した積層体を、断熱材で保温せずに冷却を行った以外は実施例1と同様にして、太陽電池モジュールを製造した。
積層体端部部分及び中央部分の温度の経時変化を図6に示した。
図6より、冷却開始4分後に積層体の中央部分の温度が100℃以下となり、20分後に積層体の端部部分の温度が40℃にまで低下した。この4〜20分間において、中央部分の温度と端部部分の温度との差の最大値は44℃、最小値は31℃であった。
(実施例2)
前面用封止材を、シラン変性樹脂(三菱化学社製、リンクロンXLE815N)、加圧力を75kPaとした以外は実施例1と同様にして、太陽電池モジュールを製造した。
冷却開始4分後に積層体の中央部分の温度が100℃以下となり、10分後に積層体の端部部分の温度が40℃にまで低下した。この4〜10分間において、中央部分の温度と端部部分の温度とは40℃以上の差になるように保たれていた。
(比較例2)
加圧力を101kPaとし、二重真空方式のラミネーターより取り出した積層体を、断熱材で保温せずに冷却を行った以外は実施例2と同様にして、太陽電池モジュールを製造した。
冷却開始2分後に積層体の中央部分の温度が100℃以下となり、30分後に積層体の端部部分の温度が40℃にまで低下した。この2〜30分間において、中央部分の温度と端部部分の温度との差の最大値は28℃、最小値は15℃であった。
(実施例3)
前面用封止材を、アイオノマー樹脂(三井・デュポンポリケミカル社製、ハイミラン)、加圧力を90kPaとしたとした以外は実施例1と同様にして、太陽電池モジュールを製造した。
冷却開始8分後に積層体の中央部分の温度が100℃以下となり、10分後に積層体の端部部分の温度が40℃にまで低下した。この8〜10分間において、中央部分の温度と端部部分の温度とは38℃以上の差になるように保たれていた。
(比較例3)
加圧力を101kPaとし、二重真空方式のラミネーターより取り出した積層体を、断熱材で保温せずに冷却を行った以外は実施例3と同様にして、太陽電池モジュールを製造した。
冷却開始5分後に積層体の中央部分の温度が100℃以下となり、21分後に積層体の端部部分の温度が40℃にまで低下した。この5〜21分間において、中央部分の温度と端部部分の温度との差の最大値は35℃、最小値は24℃であった。
(実施例4)
前面用封止材を、エチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー(三井・デュポンポリケミカル社製、ハイミラン1702)、加圧力を65kPaとしたとした以外は実施例1と同様にして、太陽電池モジュールを製造した。
冷却開始5分後に積層体の中央部分の温度が100℃以下となり、9分後に積層体の端部部分の温度が40℃にまで低下した。この5〜9分間において、中央部分の温度と端部部分の温度とは50℃以上の差になるように保たれていた。
(比較例4)
加圧力を101kPaとし、二重真空方式のラミネーターより取り出した積層体を、断熱材で保温せずに冷却を行った以外は実施例4と同様にして、太陽電池モジュールを製造した。
冷却開始27分後に積層体の中央部分の温度が100℃以下となり、10分後に積層体の端部部分の温度が40℃にまで低下した。この10〜27分間において、中央部分の温度と端部部分の温度との差の最大値は15℃、最小値は10℃であった。
(実施例5)
前面用封止材を、エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井・デュポンポリケミカル社製、エバフレックスEV250)100重量部に、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート0.5重量部、三官能モノマーとしてトリアリルイソシアヌレート0.3重量部を混合したもの、加圧力を50kPaとしたとした以外は実施例1と同様にして、太陽電池モジュールを製造した。
冷却開始4分後に積層体の中央部分の温度が100℃以下となり、10分後に積層体の端部部分の温度が40℃にまで低下した。この4〜10分間において、中央部分の温度と端部部分の温度とは48℃以上の差になるように保たれていた。
(比較例5)
加圧力を43kPaとし、二重真空方式のラミネーターより取り出した積層体を、断熱材で保温せずに冷却を行った以外は実施例5と同様にして、太陽電池モジュールを製造した。
冷却開始2分後に積層体の中央部分の温度が100℃以下となり、28分後に積層体の端部部分の温度が40℃にまで低下した。この2〜28分間において、中央部分の温度と端部部分の温度との差の最大値は20℃、最小値は5℃であった。
(評価)
実施例及び比較例で得られた太陽電池モジュールについて、以下の方法により評価を行った。
結果を表1に示した。
(1)気泡の発生の評価
得られた太陽電池モジュールを(光透過性)前面保護材より内部を観察して、目視もしくは、10倍拡大鏡で観察して、気泡の発生について以下の基準により評価した。
○:内部に空隙が観察されなかった。
△:内部に最大部分長さ50mm未満の空隙が一か所のみ観察された。
×:内部に最大部分長さ50mm以上の空隙が観察された、又は、最大部分長さ50mm未満の空隙が二か所以上観察された。
(2)Pmax保持率の評価
得られた太陽電池モジュールをJIS C8990に記載された手順に準拠して、85℃、相対湿度85%の環境下にて500時間放置し、放置前の最大出力(Pmax0)に対する放置後の最大出力(Pmax)の保持率(Pmax/Pmax0×100[%])を算出した。なお、出力測定にはニッシントーア株式会社製1116Nを用いた。
Figure 2014187069
本発明によれば、気泡の発生を防止できる太陽電池モジュールの製造方法を提供することができる。
1 積層体
11 前面用透明保護材
12 前面用封止材
13 太陽電池素子
14 裏面用封止材
15 裏面用保護材
2 二重真空方式のラミネーター
21 上チャンバー
211 ダイヤフラム
22 下チャンバー
221 ヒーター
3 断熱材
A 積層体の端部部分
B 積層体の中央部分

Claims (1)

  1. 前面用透明保護材、前面用封止材、太陽電池素子、裏面用封止材及び裏面用保護材をこの順に積層した積層体を加熱加圧して一体化するラミネート工程と、前記加熱加圧後の積層体を常温にまで冷却する冷却工程とを有し、
    前記冷却工程において、積層体の中央部分の温度が100℃以下になってから、積層体の端部部分の温度が40℃になるまでの冷却過程において、中央部分の温度が端部部分の温度よりも35℃以上高くなるように保持しながら冷却する
    ことを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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