JP2014186779A - データアーカイブシステムおよび品質検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】データアーカイブシステムにおいて、光ディスクの記録品質検査により記録品質劣化要因を推定する方法を提供する。
【解決手段】第一の記録媒体に対して第一の品質検査を実施し、該第一の記録媒体の品質が劣化していると判断した場合、該第一の記録媒体とは異なる第二の記録媒体に対して第二の品質検査を実施し、該第二の品質検査において該第二の記録媒体の品質が劣化していると判断した場合、前記情報記録媒体に記録された該第一と第二の記録媒体の属性情報を参照し、該参照した属性情報に基づいて該第一と第二の記録媒体の品質が劣化した要因を推定する。
【選択図】図11
【解決手段】第一の記録媒体に対して第一の品質検査を実施し、該第一の記録媒体の品質が劣化していると判断した場合、該第一の記録媒体とは異なる第二の記録媒体に対して第二の品質検査を実施し、該第二の品質検査において該第二の記録媒体の品質が劣化していると判断した場合、前記情報記録媒体に記録された該第一と第二の記録媒体の属性情報を参照し、該参照した属性情報に基づいて該第一と第二の記録媒体の品質が劣化した要因を推定する。
【選択図】図11
Description
本発明は、データアーカイブシステムおよび品質検査方法に関するものである。
本技術分野の背景技術として、特開2008−204580号公報がある。特許文献1には、「光ディスク管理装置100は、光ディスクの記録品質を測定してディスク管理情報及び測定履歴情報を生成し、更に、これらディスク管理情報及び測定履歴情報に基づいて、次回の記録品質の測定時期として決定する。その決定した測定時期が到来した場合には、光ディスク管理装置100は、再度、光ディスクの記録品質を測定する。」が記載されている。
特許文献1では、光ディスクの品質劣化の要因を推定することや、光ディスクの記録品質検査対象を動的に変更することについて考慮されていない。本発明は、光ディスクの記録品質検査を効率的に実施し、光ディスクの記録品質検査により記録品質劣化要因を推定しユーザに通知するデータアーカイブシステムと、光ディスクの記録品質検査により記録品質劣化要因を推定する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本発明によれば、光ディスクの記録品質検査により、記録品質劣化が起こる要因が存在する可能性があること推定しユーザに通知できる。また、光ディスクの記録品質検査の効率を向上することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、図面を用いて実施例を説明する。
図1はデータライブラリ装置の構成を示すブロック図である。
101はデータライブラリ装置であり、記録時には、データをネットワーク104から受け取り、サーバ103を介してハードディスク105に蓄積し、蓄積したデータを光ディスク109に記録する。再生時には、ハードディスク105または光ディスク109からデータを再生し、サーバ103を介してネットワーク104に送る。
101はデータライブラリ装置であり、記録時には、データをネットワーク104から受け取り、サーバ103を介してハードディスク105に蓄積し、蓄積したデータを光ディスク109に記録する。再生時には、ハードディスク105または光ディスク109からデータを再生し、サーバ103を介してネットワーク104に送る。
103はサーバであり、データライブラリ装置101の内蔵するCPU(Central Processing Unit)102との通信によってデータライブラリ装置を制御するとともに、ハードディスク105を制御し、データの記録再生やネットワーク104を介したデータ送受信等のデータ管理を行う。
105はハードディスクであり、サーバ103に制御されてネットワーク104から送られたデータを蓄える。図1ではハードディスク105をサーバ103の外側に図示したが、サーバ103内に含まれる構成でも良い。
109は光ディスクであり、光ディスク109は光ディスク格納部108の内部に複数枚格納されている。図1では光ディスク格納部108は1つしか図示しないが、複数内蔵してもよく、例えば一方は未記録ディスク格納部、他方は記録済ディスク格納部など、用途に応じて使い分けても構わない。もちろん、光ディスク格納部108の内部を未記録ディスク格納領域と記録済ディスク格納領域とに区切っても構わない。
光ディスク109は、データ記録時、光ディスク運搬部107によって光ディスク格納部108から取り出され、データ記録再生部110、111、112、113のいずれかに装填され、データ記録が終了すると、光ディスク運搬部107によって光ディスク格納部108へと戻される。
一方、データ再生時、光ディスク109は光ディスク運搬部107によって光ディスク格納部108から取り出され、データ記録再生部110、111、112、113のいずれかに装填され、データを再生し、データ再生が終了すると、光ディスク運搬部107によって光ディスク格納部108へと戻される。
110、111、112、113はデータ記録再生部であり、データライブラリ装置のCPU102に制御されて、光ディスク109へのデータ記録または光ディスク109からのデータ再生を行う。また、再生時にはデータ記録再生部110、111、112、113は光ディスク109に記録されたデータを読み出す際に、記録品質(例えば読み出し品質)が取得可能で、CPU102経由でサーバ103に送信することが可能である。読み出し品質とは、読み出す際にどれだけのエラー訂正処理が行われたかなど、記録済みデータの記録品質を示す情報である。
107は光ディスク運搬部であり、データライブラリ装置101のCPU102に制御されて、光ディスク109を光ディスク格納部108から取り出し、運搬し、データ記録再生部110、111、112、113に装填する。あるいは、光ディスク109をデータ記録再生部110、111、112、113から受け取り、運搬し、光ディスク格納部108へと格納する。
また、例えばデータ記録再生部110からデータ記録再生部111へとデータ記録再生部間で光ディスクを運搬してもよいし、光ディスク格納部108内部で光ディスク109を搬送しても良い。また、データライブラリ装置101が光ディスク格納部を複数内蔵する場合、光ディスク運搬部107は、内蔵する光ディスク格納部から別の内蔵する光ディスク格納部への光ディスクを運搬してもよい。
102はデータライブラリ装置101のCPUであり、サーバ103からの要求により、光ディスク運搬部107を制御して、光ディスク格納部108に格納された複数枚の光ディスク109の中から所望の光ディスクを選択し、データ記録再生部110、111、112、113に送る。また、光ディスク運搬部107を制御してデータ記録再生部110、111、112、113から光ディスク109を受け取り、光ディスク格納部108内の所定の位置に光ディスクを格納する。
106はメモリであり、データライブラリ装置のCPU102を制御するためのプログラムや各種の設定情報が記録されている。
図2はデータ記録再生部の構成を示すブロック図である。110はデータ記録再生部であり、ライブラリ装置のCPU102から入力したデータを光ディスクに記録する。また、光ディスクから再生したデータをライブラリ装置のCPU102に出力する。
207はCPUであり、データ記録再生部110の記録処理、再生処理の制御を行う。なお、CPUでなくとも、同様の制御が可能な任意の回路を用いてもよい。
201はデータ記録媒体、例えばBD(Blu−ray Disc)である。また、データ記録媒体は、必ずしも光ディスクに限定されるものではなく、光磁気ディスクやホログラム等の記録媒体であってもよい。202は光ピックアップであり、光ディスク201から信号を読み出して増幅回路203に送る。また、信号処理回路204から送られた変調信号を光ディスク201に記録する。
203は増幅回路であり、光ピックアップ202を介して光ディスク201から読み出した再生信号を増幅して信号処理回路204に送る。また、サーボ信号を生成してサーボ回路206に送る。204は信号処理回路であり、入力信号を復調し、誤り訂正等を行ったデータをインタフェース回路205に送る。また、インタフェース回路205から送られたデータに誤り訂正符号を付加する等を行い、変調して光ピックアップ202に送る。
205はインタフェース回路であり、例えばSATA(Serial Advanced Technology Attachment)あるいは、その他の転送方式に準拠したデータ転送処理を行う。データ転送時には、信号処理回路204から送られたデータをホストであるライブラリ装置のCPUに送る。また、ホストであるライブラリ装置のCPUから送られたデータを信号処理回路204に送る。
208はメモリであり、データ記録再生部を制御するためのプログラムや各種設定情報、光ディスクから取得した媒体情報等を格納する。なお、メモリ208はデータ記録再生部内でCPU207と接続する例を示したが、データ記録再生部内外のどこに接続されていてもよい。また、情報を保持できればメモリでなくてもよく、例えばハードディスクでもよい。206はサーボ回路であり、増幅回路203にて生成されたサーボ信号により光ピックアップ202を制御する。
上記構成のデータ記録再生部によって、データライブラリ装置101のCPU102からの指示に従って光ディスクへのデータを記録し、また、光ディスクからデータを再生してデータライブラリ装置101のCPU102に渡すことができる。なお、ここではデータ記録再生部110について説明したが、データ記録再生部111、112、113も同様の構成である。
図3はデータ記録再生部の動作を示すフローチャートである。
ステップS301においてデータ記録再生部に光ディスクが装着されると、ステップS302においてセットアップ処理を行う。
次にステップS303において、データライブラリ装置のCPUからデータ再生が要求されていたならば、ステップS304においてデータ再生処理を行う。あるいはステップS305において、データライブラリ装置のCPUからデータ記録が要求されていたならば、ステップS306においてデータ記録処理を行う。ステップS307において再生または記録処理が完了していた場合は、処理を終了する。
図4は光ディスク運搬部のブロック図である。
107は光ディスク運搬部であり、データライブラリ装置101のCPU102からの指示を受けて光ディスク109を光ディスク格納部108から取り出してデータ記録再生部110、111、112、113に装填する。また、光ディスクをデータ記録再生部から取り出して光ディスク格納部に格納する。
107は光ディスク運搬部であり、データライブラリ装置101のCPU102からの指示を受けて光ディスク109を光ディスク格納部108から取り出してデータ記録再生部110、111、112、113に装填する。また、光ディスクをデータ記録再生部から取り出して光ディスク格納部に格納する。
401はCPUであり、光ディスク運搬部の制御を行う。402はメモリであり、光ディスク運搬部を制御するためのプログラムや各種設定情報等を格納する。なお、メモリ402は光ディスク運搬部内でCPU401と接続する例を示したが、光ディスク運搬部内外のどこに接続されていてもよい。また、情報を保持できればメモリでなくてもよく、例えばハードディスクでもよい。
403はセンサ制御回路であり、CPU401からの指示に基づいて各種センサを制御する。また、各種センサからの入力信号を受け、CPU401に通知する。404はモータ制御回路であり、CPU401からの指示に基づいて405、406、407のロボットアーム部を駆動する。また、ロボットハンド部408を駆動する。
ロボットアーム部405、406、407は、前進や後進といった直進運動と回転運動により、ロボットハンド部408の位置を調整する。ロボットハンド部408は光ディスク109を破損することなく保持可能な形状から成り、光ディスク格納部108及びデータ記録再生部110、111、112、113に対して光ディスクの出し入れや受け渡しを行う。
上記構成の光ディスク運搬部によって、データライブラリ装置101のCPU102からの指示に従って、データ記録再生部とデータ記録再生部との間で光ディスクを運搬することができる。
なお、ここでは光ディスク運搬部がデータライブラリ装置内に1つ存在する例を示したが、複数の光ディスク運搬部が存在しても構わない。 図5は光ディスク運搬部の動作を示すフローチャートである。ステップS501では、光ディスク運搬部を動作開始するためのセットアップ処理を行う。
次にステップS502においてホストから光ディスクの運搬元がデータ記録再生部であると指定されていたならば、ステップS503においてデータ記録再生部110、111、112、113のいずれが指定されたかの情報を取得する。
次にステップS504において光ディスク格納部内のどのアドレスに光ディスクを運搬し、格納するかの情報を取得し、ステップS505において指定運搬元であるデータ記録再生部から光ディスクを受け取り、受け取った光ディスクを指定運搬先である光ディスク格納部の所定アドレスまで運搬し、格納する。
あるいはステップS506においてホストから光ディスクの運搬元が光ディスク格納部であると指定されていたならば、ステップS507において光ディスク格納部内のどのアドレスに光ディスクを運搬し、格納するかの情報を取得する。
次にステップS508においてデータ記録再生部110、111、112、113のいずれに対して光ディスクを運搬し、受け渡すかの情報を取得し、ステップS509において指定運搬元である光ディスク格納部の所定アドレスから光ディスクを取得し、取得した光ディスクを指定運搬先であるデータ記録再生部まで運搬し、装填する。
ステップS510において運搬処理が完了していた場合は、処理を終了する。
図6はデータアーカイブの構成を示すブロック図である。データアーカイブは、サーバ103に、1つ以上のデータライブラリ装置101と、ハードディスク105と、ネットワーク104とが接続されて構成される。
103はサーバであり、データライブラリ装置101に対してデータの記録再生を中心としたサービスを提供するとともに、ハードディスク105に対するデータの記録と再生、ネットワーク104を介したデータの送受信や管理を行う。
601はサーバ103のCPUであり、データ記録時には、ネットワーク104からネットワーク制御部605を介して受信したデータをハードディスクI/F部604を介してハードディスク105に記録する。
あるいは、データライブラリI/F部603を介してデータライブラリ装置101を制御し、データライブラリ装置101が内蔵する光ディスクに記録する。データ再生時には、ハードディスクI/F部604を介してハードディスク105からデータを読み出し、読み出したデータをネットワーク制御部605を介してネットワーク104に送信する。
あるいは、データライブラリI/F部603を介してデータライブラリ装置101を制御し、データライブラリ装置101が内蔵する光ディスクからデータを再生し、再生したデータを受け取り、受け取ったデータをネットワーク制御部605を介してネットワーク104に送信する。
602はメモリであり、サーバ103のCPU601を制御するためのプログラム、各種の情報が記録されている。
603はデータライブラリI/F部であり、データライブラリ装置101とサーバ103のCPU601との間でのデータ送受信に関する制御を行う。
なお、図では1つのデータライブラリI/F部に複数のデータライブラリ装置が接続されているが、例えば、ネットワークを介して複数のデータライブラリ装置が接続されるような構成でもよい。
604はハードディスクI/F部であり、ハードディスク105とSATAなどの規格に準拠したデータ転送を行う。
605はネットワーク制御部であり、ネットワーク104とサーバ103のCPU601との間でのデータ送受信に関する制御を行う。
606はディスク関連情報管理部であり、ライブラリ装置101などから取得したディスク関連情報を保持し、またディスク関連情報を元に関連のある光ディスク109を検索する。ディスク関連情報についての詳細は後述する。
図7はデータアーカイブの動作を示すフローチャートである。
ステップS701においてネットワーク104を介してサーバ103に再生要求があった場合、サーバ103のCPU601は、ステップS702において再生要求されたデータの格納先を調査する。要求データがハードディスク105内であれば、サーバ103のCPU601は、ステップS703においてハードディスク105からデータ再生処理を行う。再生されたデータはサーバ103のCPU601からネットワーク制御部605を介してネットワーク104に送信する。そして、ステップS704で、再生処理を完了する。
ステップS701においてネットワーク104を介してサーバ103に再生要求があった場合、サーバ103のCPU601は、ステップS702において再生要求されたデータの格納先を調査する。要求データがハードディスク105内であれば、サーバ103のCPU601は、ステップS703においてハードディスク105からデータ再生処理を行う。再生されたデータはサーバ103のCPU601からネットワーク制御部605を介してネットワーク104に送信する。そして、ステップS704で、再生処理を完了する。
あるいは要求データがハードディスク105にないならば、サーバ103のCPU601は、ステップS705において要求されたデータが記録されている光ディスクを特定する。
次に、ステップS706で再生手段判定処理を行う。再生手段判定処理とは、光ディスクを再生するために、どのデータライブラリ装置の、どのデータ記録再生部を使用するかを判定する処理である。この判定処理は、サーバ103のメモリ602に記録されたプログラムが行い、どの装置を利用するかの判定は同じくメモリ602に記録された判定アルゴリズムによって行う。再生手段判定処理によって再生に使用するデータライブラリ装置と使用するデータ記録再生部を決定したならば、次にステップS707において、ステップS706で決定したデータライブラリ装置に対して、使用するデータ記録再生部と再生すべき光ディスクを伝え、データ再生を要求する。再生したデータは随時データライブラリ装置からデータライブラリI/F部603を介してサーバ103のCPU601に送られ、ネットワーク制御部605を介してネットワーク104に送信する。
次にステップS708において処理が完了したならば、処理を終了する。
また、サーバ103のCPU601は、再生処理の制御だけでなく、記録処理の制御も行う。ここでは、記録処理の開始トリガが、ステップS709においてサーバ103のCPU601の判断によるものである場合について詳しく説明する。
ステップS709においてサーバ103のCPU601は、ハードディスク105に記録されているデータのうち、光ディスクに記録すべきデータがあるかを調査する。
光ディスクに記録すべきデータとは、言い換えるならばハードディスク105から光ディスクへと移動すべき、または移動しても支障のないデータである。
光ディスクに記録すべきデータとは、言い換えるならばハードディスク105から光ディスクへと移動すべき、または移動しても支障のないデータである。
どのデータを光ディスクに記録すべきかの判定は、サーバ103のメモリ602に記録されたプログラムが行い、どのデータを光ディスクに記録すべきかの判定は同じくメモリ602に記録された判定アルゴリズムによって行う。判定に際しては、一例として一定期間以上、再生要求のないデータであること、などの基準を用いればよい。
記録すべきデータがあった場合、ステップS710において記録手段判定処理を行う。記録手段判定処理とは、データを光ディスクに記録するために、どのデータライブラリ装置の、どのデータ記録再生部と、どの光ディスクを使用するかを判定する処理である。この判定処理は、サーバ103のメモリ602に記録されたプログラムが行い、どの装置を利用するかの判定は同じくメモリ602に記録された判定アルゴリズムによって行う。
記録すべきデータがあった場合、ステップS710において記録手段判定処理を行う。記録手段判定処理とは、データを光ディスクに記録するために、どのデータライブラリ装置の、どのデータ記録再生部と、どの光ディスクを使用するかを判定する処理である。この判定処理は、サーバ103のメモリ602に記録されたプログラムが行い、どの装置を利用するかの判定は同じくメモリ602に記録された判定アルゴリズムによって行う。
記録手段判定処理によって記録に使用するデータライブラリ装置と使用するデータ記録再生部と使用する光ディスクを決定したならば、次にステップS711において、ステップS710で決定したデータライブラリ装置に対して、使用するデータ記録再生部と使用すべき光ディスクを伝え、また、記録すべきデータを受け渡し、データ記録を要求する。
次にステップS712において処理したかどうかを判定する。
以上の構成により、本実施例のデータアーカイブではネットワークからの再生要求を受けてハードディスクからデータを再生することができる。
本発明においては、以上の構成を備えるシステムをデータアーカイブシステムと呼称する。
続いて、ディスク品質検査方法の一例を説明する。本発明におけるディスク品質検査とは、定期的あるいは何らかの契機において、データ記録再生部の動作により光ディスクの記録品質を示すデータを取得し、品質劣化が起こっているかどうかを検査する処理のことを言う。品質劣化が起こっている場合、例えば読出し時のエラー発生確率が増加し、データを読み出せなくなるリスクが高まる。
品質劣化の判定は、例えばSER(Symbol Error Rate)などの数値などを使用し、その数値に閾値を設け、検査により取得した数値がその閾値を超過していた場合に劣化していると判定することで行う。
とある光ディスクにおいて品質劣化が起こっていると判定された場合、データライブラリ装置でデータを保持し続けるためには、その光ディスク内のデータを別の記録媒体へ複製するなどにより、データが読み出せなくなってしまう事態を回避する方法が考えられる。
図8にディスク品質検査の基本的な処理順序の一例を挙げる。この例では、あらかじめ定めた期間ごとに、サーバが保持しているデータライブラリ装置内の光ディスクの情報に基づき検査対象を決定し、読出し品質の検査を行う場合を示す。ディスク品質検査はデータライブラリ装置ごとにそれぞれ行われるものとし、以降で説明する処理はひとつのデータライブラリ装置内での一連の処理を示す。
定期的な検査契機において、S801ではサーバ103がデータライブラリI/F部603を経由しデータライブラリ装置に対し検査の対象となる光ディスク(以降、検査対象ディスクと表記する)の検査開始を指示する。
次にS802は、検査対象ディスクをデータ記録再生部に搬送する。データ記録再生部が複数ある場合どのデータ記録再生部を使用するかの判断の方法は、例えば記録再生を行っていないデータ記録再生部の中からあらかじめ定めた順番に従って割り当てることで決定するなどが挙げられる。あるいは読み出し品質取得処理専用のデータ記録再生部を定めておいて、それを常に使用する構成でもよい。この場合は、複製処理以外の記録が定常的に絶え間なく行われている場合でも、データ記録再生部が検査専用として確実に使用可能となるメリットがある。
次にS803では、データ記録再生部で検査対象ディスクに対し記録品質読出し処理を行う。ここでは一例として、記録品質を示すデータとしてSERの値が得られるものとする。
続いて、S804では、データライブラリ装置またはサーバが保持しているあらかじめ定めておいた『品質劣化を表す指標』としての閾値との比較を行う。閾値は、品質が劣化していると判断可能な値をユーザが任意に定めてもよいし、その他の基準によってもよい。閾値は例えばデータライブラリ装置内部のメモリ106などに記録しておくことで呼び出し可能である。
S805にて、品質劣化の有無を判定し、劣化なしと判定した場合には、S807へ遷移し、検査結果を例えばサーバ103のメモリなどに記録し処理を終了する。S805にて、品質劣化ありと判断された場合には、データ読出しが不可能になるリスクがあると考えられるため、S806へ遷移し、当該光ディスクを複製対象に設定する。この設定は例えばサーバのメモリなどに保持しておく。以降、ディスク品質検査により記録品質が劣化していると判定された光ディスクを劣化ディスクと表記する。データ複製の具体的な処理の一例については後述する。続いてS807へ遷移し、検査結果を例えばサーバのメモリなどに記録し処理を終了する。以上により、ディスク品質検査を行う。
前述のディスク品質検査の結果、劣化ディスクは複製対象に登録される。
図9にディスク複製処理の基本的な処理順序の一例を挙げる。この例では、あらかじめ定めた期間ごとに、複製の対象となる光ディスク(以降、複製対象ディスクと表記する)内のデータを、複製先となる別の光ディスク(以降、複製先ディスクと表記する)へ複製する処理を行う場合を示す。
S901において、サーバ103がデータライブラリI/F部603を経由しデータライブラリ装置に対し、複製対象ディスク内データの複製開始を指示する。
次にS902は、複製対象ディスクをデータ記録再生部Aに搬送する。複製処理時には、複数個のデータ記録再生部を使用するため、便宜上このデータ記録再生装置をAとし区別する。複数あるデータ記録再生部のいずれかを使用するかの判断の方法は、例えば記録再生を行っていないデータ記録再生部の中からあらかじめ定めた順番に従って割り当てることで決定するなどが挙げられる。あるいは複製処理専用のデータ記録再生部を定めておいて、それを常に使用する構成でもよい。この場合は、複製処理以外の記録が定常的に絶え間なく行われている場合でも、データ記録再生部が複製処理専用として確実に使用可能となるメリットがある。
次にS903では、データの複製先となる複製先ディスクをデータ記録再生部Bへ搬送する。このデータ記録再生装置をBとし区別する。なお、S902とS903の処理は、搬送機構が複数の光ディスクを取り扱うことのできる機構である場合は、同時並行で行われてもよい。そうすることで複製処理に要する時間を短縮することができる。
次にS904では、データ記録再生部Aで再生した複製対象ディスクのデータを、データ記録再生部Bで複製先ディスクに記録する。このとき、データは一時データライブラリ装置内のメモリなどにバッファリングしながら記録を行ってもよいし、逐次データ記録再生部Aからデータ記録再生部Bへ転送しながら記録を行ってもよい。
以上の処理により、光ディスクの記録品質が劣化した場合でも、複製を行うことでデータを保持し続けることができる。複製処理の完了した複製対象ディスクについては、例えば読み取り不可能となるようなデータを上書きしたりすることで安全に廃棄するなどが行われる。
データライブラリ装置のディスク品質検査で劣化ディスクがひとつ発見された場合、データライブラリ装置内部の光ディスク格納部にあるその他の光ディスクについても、品質が劣化している可能性がある。データライブラリ装置に求められる要件であるデータ保持の信頼性の観点から、データを読み出せなくなる事態となる前に、品質が劣化している光ディスクを検出し、その光ディスク内のデータを別の記録媒体などへ複製しておくことが望ましい。
また、光ディスク品質劣化の要因が偶発的なものでなく環境などに依存する可能性がある場合、その要因をユーザが把握し、改善できればよりシステムの信頼性向上が期待できるといえる。本実施例では、光ディスクの品質劣化を検出した場合に、その光ディスクに関連付けて保存される情報を参照することでその要因を推定しユーザに通知可能とする方法を備える。
まずディスク関連情報について説明する。本発明におけるディスク関連情報とは、個々の光ディスクごとに関連付けて保持される情報であり、例えば光ディスクのID、最初に記録を行った日時・時刻、最後に記録を行った日時・時刻、記録を行ったデータ記録再生装置のIDおよびその履歴、データライブラリ装置に格納した日時・時刻、光ディスク格納部格納位置、前回の検査での記録品質指標データの履歴、などの情報を扱う。これら以外にも、例えば温度や湿度、振動状態など、各種センサなどからデータを取得しディスク記録時の状況と紐つけて記録できる場合は、それを関連情報として記録してもよい。
ディスク関連情報は、例えばサーバ103のディスク関連情報管理部606で保持し、管理する。ディスク関連情報は、検索・参照・更新可能な形式であればよく、その形式は情報を列挙したテキスト形式の一ファイルでもよいし、リレーショナルデータベース構造を有しているデータベースとしても本実施例への適用に問題はない。
ディスク関連情報の一例を図10に示す。
この図におけるディスク関連情報の項目について詳細を説明する。この図は、ある複数の光ディスクに紐つけられたディスク関連情報の内容をそれぞれ示している。ディスクIDは光ディスクを一意に特定するための番号であり、例えばBlu−ray Discであれば製造時に一意に割り振られるIDなどを使用する。
格納日時は、この光ディスクをデータライブラリ装置に格納した日時を示し、年月日および時刻の値を保持する。記録開始日時は、この光ディスクに最初に記録を行った日時を示し、年月日および時刻の値を保持する。最終記録日時は、この光ディスクに最後に記録を行った日時を示し、年月日および時刻の値を保持する。ドライブ履歴は、記録に使用したデータ記録再生部のIDを保持し、また、記録の際に複数のデータ記録再生部を使用してこの光ディスク記録を行った場合には、使用した順序の履歴が残るよう例えばあらかじめ定めた個数を上限として追記していく。格納位置は、データライブラリ装置内部の光ディスク格納部のどの位置に格納されているかを示す値を保持し、光ディスク格納部の格納場所と対応付けられた位置情報として扱われる。検査履歴は、これまで実施した検査で得られた記録品質を示す値を保持し。複数回検査が行われた場合は、例えばあらかじめ定めた個数を上限としてその値を追記していき、履歴が残るようにする。
ディスク関連情報は、例えば以下のタイミングでサーバ内のディスク関連情報管理部の処理により更新する。ディスクIDは、データライブラリ装置に光ディスクを格納したときの日時、記録開始日時は、この光ディスクに最初の記録を行う前にその時刻を記録、最終記録日時は、この光ディスクに最後の記録を行った後にその時刻を記録、ドライブ履歴は、光ディスクへの記録後、光ディスクのイジェクト時に以前の履歴に追記、格納日時は、データライブラリ装置に光ディスクを格納し、サーバ内に保持するデータベースに登録されたときの日時、格納位置は、データライブラリ装置に光ディスクを格納し、サーバ内に保持するデータベースに登録された日時、光ディスク搬送後、検査履歴は、この光ディスクの検査終了後、などとする。
図11にディスク品質検査の本実施例における処理順序の一例を挙げる。この例では、あらかじめ定めた期間ごとに、サーバが保持しているデータライブラリ装置内の光ディスクの情報に基づき検査対象を決定し、記録品質(例えば読出し品質など)の検査を行う場合を示す。なお、S1101〜S1104のステップは、前述の図8でのS801〜S804のステップと同じ処理なので説明を省略する。
S1105にて、品質劣化の有無を判定し、劣化なしと判定した場合には、S1112へ遷移し、検査結果を例えばサーバのメモリなどに記録し処理を終了する。S1105にて、品質劣化ありと判断された場合には、データ読出しが不可能になるリスクがあると考えられるため、S1106へ遷移し、当該光ディスクを複製対象ディスクに設定する。この設定は例えばサーバのメモリなどに保持しておく。
続いてS1107へ遷移し、データライブラリ装置内に存在する検査対象となり得る光ディスク全てに対し品質検査を行う。ここでいう検査対象となり得る全ての光ディスクとは、データライブラリ装置内の全ての光ディスクを指す場合や、周期的に定期検査を行っている場合、ある回次において未検査である全ての光ディスクを指す場合もある。この品質検査は、例えば図8で示したシーケンスにより実施される。つまりこのS1107での検査において劣化ディスクが検出された場合には、それぞれ複製対象として登録され、そのディスクIDはサーバのメモリなどに保持される。
S1108では、光ディスク全数検査の結果、劣化ディスクが検出されているかどうかを判定し、劣化ディスクが存在する場合にはS1109へ遷移し、そのディスク関連情報を参照する。この際、例えばディスクIDをキーにして参照が行われる。劣化ディスクが複数個検出されていた場合には、それぞれについてディスク関連情報を参照する。ディスク関連情報の参照はサーバ103のディスク関連情報管理部により行われ、すべての劣化ディスクの関連情報を読出すとS1110へ遷移する。S1108で劣化ディスクが他に検出されていなかった場合には、処理を終了する。この場合は、劣化要因は特定できず、偶発的な劣化として扱うものとする。
S1110では、ディスク関連情報管理部で読み出した関連情報の各項目の値から、それらを比較し、品質劣化要因を判定する。比較および判定方法の詳細は後述する。
続いてS1111では、S1110で得られた判定結果および要因と考えられる情報を、ユーザへ通知する。通知の方法の詳細は後述する。
続いてS1111では、S1110で得られた判定結果および要因と考えられる情報を、ユーザへ通知する。通知の方法の詳細は後述する。
以上の処理の後、S1112において検査の結果をディスク関連情報としてサーバに保存する処理を行い、終了する。
なお、データ記録再生部が複数あり、かつ光ディスク運搬部が複数の光ディスクを扱える構成である場合は、同時並行でディスク品質検査とデータ記録再生処理が行えるので、上記S1106で劣化ディスクを複製対象に追加した後S1107からS1112の処理と並行して、図9で示したような複製対象ディスクのデータ複製処理を行ってもよい。こうすることで、すべての処理に要する時間を短縮できる可能性がある。
次に、S1110における比較および判定方法の例について詳細を説明する。この処理では、劣化ディスクの関連情報から品質劣化要因となる要素があるかどうかを判定するものである。
一つ目の要因の例として、記録時刻に関連した劣化要因がないかを判定する。これは、ディスク関連情報の記録開始日時および最終記録日時の比較により行う。まず劣化ディスクの関連情報のうち記録開始日時を比較し、それらすべてが同じ値、あるいはあらかじめ定めた範囲内で同時刻と判定できる範囲の差を持つ場合、記録開始日時と品質劣化に相関があると推定し、時刻に依存する品質劣化要因があったと判定する。最終記録日時についても同様に判定する。
また、記録開始日時から最終記録日時の期間が重複していた場合にも、その重複期間に品質劣化要因があったと判定する。これら時刻に依存する品質劣化要因とは、例えば地震などにより一時的に振動が大きい状況で記録され、記録時点での品質もあまり良好でなかった場合、それらが同時期に劣化ディスクとして判定されるようになった可能性があると判定する。
他にもデータライブラリ装置の周囲温度が一時的に変化している状況など、時刻依存の要因があったことを抽出できる。この要因については、他のセンサなどから得られる情報(前述の例では振動計や温度計の当時のデータ)と突き合わせることで、さらなる原因究明を図ることができる可能性がある。
このとき、ユーザに通知するメッセージの例としては、「2012/9/16 9:20〜12:44頃に記録された複数の光ディスクの劣化を検出しました。当該時刻に記録品質劣化の要因となる事象が発生した可能性があります」などが挙げられる。これと合わせて、ユーザへ改善を図るよう提案するメッセージ、例えば「当該時刻のデータライブラリ装置設置環境の情報、例えば周囲温度や振動状況のデータ等と照合し、原因追究および対策を実施することをお勧めします」などを通知してもよい。この場合は、ユーザがこの後取るべき行動がわかりやすいというメリットがある。
二つ目の要因の例として、データ記録再生部に関連した劣化要因がないかを判定する。これは、ディスク関連情報のドライブ履歴の比較により行う。まず劣化ディスクの関連情報のうちドライブ履歴を比較し、それらすべてが同じ値である場合に、特定のデータ記録再生部(ドライブ)で記録した光ディスクが当該検査時期に劣化してきていると推定され、データ記録再生部に依存する品質劣化要因があったと判定する。
または、ひとつの光ディスク内のデータを全て同じデータ記録再生部で記録されるとは限らず、履歴としてディスク関連情報に保持しているため、一度でも当該データ記録再生部で記録したことがあれば比較対象に設定するか、あるいは光ディスク内のデータ全て同じデータ記録再生部で記録した場合だけを対象とするかは、任意にユーザが決定できるとしてもよい。これにより特定のデータ記録再生装置に劣化要因があると推定された場合は、例えば検査用のデータが記録された光ディスクを当該データ記録再生部へ挿入し読み出し品質を確認するなどして、データ記録再生部自体が正常かどうかを確認するなどにより改善できる可能性がある。
このとき、ユーザに通知するメッセージの例としては、「データライブラリ装置のドライブBにより記録された複数の光ディスクの劣化を検出しました。ドライブBは故障または性能劣化している可能性があります」などが挙げられる。これと合わせて、ユーザへ改善を図るよう提案するメッセージ、例えば「当該ドライブの校正または交換を実施することをお勧めします」などを通知してもよい。この場合は、ユーザがこの後取るべき行動がわかりやすいというメリットがある。
三つ目の要因の例として、データライブラリ装置に光ディスクを格納した時刻に関連した劣化要因がないかを判定する。これは、ディスク関連情報の格納日時の比較により行う。まず劣化ディスクの関連情報のうち格納日時を比較し、それらすべてが同じ値、あるいはあらかじめ定めた範囲内で同時刻と判定できる範囲の差を持つ場合、格納日時と品質劣化に相関があると推定し、格納した時刻や格納する際の扱いに依存する品質劣化要因があったと判定する。この場合は、例えば同時期に格納した光ディスクの保管方法や運搬方法などに相関があることを示唆しており、その際の作業記録などから要因を明確にできる可能性がある。
このとき、ユーザに通知するメッセージの例としては、「2012/9/14にデータライブラリ装置に格納された複数の光ディスクの劣化を検出しました。当該時刻に格納した光ディスクは記録品質劣化の要因となる事象の影響を受けている可能性があります」などが挙げられる。これと合わせて、ユーザへ改善を図るよう提案するメッセージ、例えば「当該時刻に格納した光ディスクの保管状況や運搬状況といった作業記録等と照合し、原因追究および対策を実施することをお勧めします」などを通知してもよい。この場合は、ユーザがこの後取るべき行動がわかりやすいというメリットがある。
四つ目の要因の例として、データライブラリ装置内の光ディスク格納部の格納位置に関連した劣化要因がないかを判定する。これは、ディスク関連情報の格納位置の比較により行う。まず劣化ディスクの関連情報のうち格納位置を比較し、それらが隣接している位置に格納されている、あるいはあらかじめ定めた範囲内に格納されている場合、格納位置と品質劣化に相関があると推定し、格納位置に依存する品質劣化要因があったと判定する。
この場合は、例えば熱の滞留などにより特定の格納位置の範囲だけ劣化しやすくなる要因があることを示唆しており、その改善を検討したり、その格納位置の範囲を避けて格納するなどの対策を実施することで劣化ディスクとなりやすい状況を回避できるようになる可能性がある。
このとき、ユーザに通知するメッセージの例としては、「データライブラリ装置内の格納位置L026周辺に格納された複数の光ディスクの劣化を検出しました。当該位置に格納した光ディスクは記録品質劣化の要因となる事象の影響を受けている可能性があります」などが挙げられる。これと合わせて、ユーザへ改善を図るよう提案するメッセージ、例えば「当該位置近辺に格納した光ディスクに対する記録品質劣化の原因追究および対策を実施するか、当該位置にディスクを格納しない運用に変更することをお勧めします」などを通知してもよい。この場合は、ユーザがこの後取るべき行動がわかりやすいというメリットがある。
五つ目の要因の例として、ディスクIDに関連した劣化要因がないかを判定する。例えばディスクIDとして、光ディスク製造メーカによって付与される一意なID番号を使用し、かつそのID番号から製造時のロットや製造メーカなどの情報が別途参照できる場合に、特定ロットや特定メーカの光ディスクの劣化のペースが同様である(特に他のロットやメーカと比較して劣化が早い)ケースを検出できる。これは、劣化ディスクのディスクIDを、製造ロットや製造メーカなどの関連を示す情報を別途用意して照合し、同一製造ロットや同一製造メーカであると判定される数値であれば、製造ロットや製造メーカに依存する品質劣化要因があったと判定する。
このとき、ユーザに通知するメッセージの例としては、「特定の製造ロット(または製造メーカ)の複数の光ディスクの劣化を検出しました。当該製造ロット(または製造メーカ)の光ディスクは現時点で記録品質劣化しやすくなっている可能性があります」などが挙げられる。これと合わせて、ユーザへ改善を図るよう提案するメッセージ、例えば「同じ製造ロット(または製造メーカ)の、劣化ディスクとなっていない光ディスクも検査結果を確認し、記録品質が良好でない場合は早めのデータ複製をお勧めします」などを通知してもよい。この場合は、ユーザがこの後取るべき行動がわかりやすいというメリットがある。
これらの指標で相関ありと判断された条件を、品質劣化要因としてユーザへ通知する。通知の方法は、例えばサーバ上で動作しているデータライブラリ装置を管理するソフトウェアの動作により、サーバに接続された端末のディスプレイにメッセージとして表示する方法がある。または、ネットワークで接続されるユーザのコンピュータからHTTP(HyperText Transfer Protocol)などのプロトコルにより実現されるネットワーク通信などの手段を介して参照可能とする方法がある。または、サーバがメールサーバを使用可能であれば、あらかじめ登録しておいたユーザのメールアドレスへ通知メールを送信するなどして行う。この例では、光ディスクの品質検査通知はデータライブラリ装置ごとに実施されるため、通知を行ったユーザライブラリ装置がどれかをユーザが認識できるように一意のIDや名前を設定しておき、それを合わせて表示できるようにしておくことが望ましい。
また、これらの条件はそれぞれ単一で適用してもよいし、複数個の条件を任意の適用順序で適用してもよく、経験的に妥当と思われる条件および適用順序をユーザが設定してもよいし、以前のディスク検査時に品質劣化要因と推定されたものを優先的に適用するようシステムが自動的に選択するなどの処理を行ってもよく、それぞれについてユーザの要望に合った判定精度の範囲を設定でき、その範囲内で同様の効果が期待できる。
また、一つの条件に対し、すべての光ディスクの劣化要因が同一である必要はなく、例えば劣化ディスクのうちの半数が、上記に挙げたような条件に合致すると判定された場合に劣化要因として通知するなど、劣化ディスクの全数でなく一部が同一の条件を満たす場合にその劣化要因を持つと判定するように設定してもよい。
また、劣化ディスクが劣化要因となる複数の条件に合致する場合は、それぞれの要因について通知してもよいし、最も合致する個数の多い条件をひとつ通知してもよく、これらはユーザ設定などにより任意に決定可能であることが望ましい。
関連情報の管理(保存含む)は、上記の例ではサーバ103内部に備える関連情報管理部606にて行っているが、データライブラリ装置が関連情報管理部606を有する構成でも良く、また、関連情報の保存は例えばデータライブラリ装置が扱う記録媒体(光ディスク)で行ってもよい。この場合は、例えば光ディスク格納装置をデータライブラリ装置から取り外して他のデータライブラリ装置に装填することができるような構成では、関連情報を容易に移行できる、つまり関連情報と光ディスク格納装置を紐つけて保持しておくことが有効な場合にメリットがある。
例えば定期的なディスク品質検査で劣化ディスクが検知された場合、それと関連がある光ディスクも同様に劣化ディスクとなっている可能性が考えられる。本実施例では、そのような光ディスクを早期に発見するための効率的な方法を説明する。
本実施例におけるサーバ103は基本的に図6と同様の構成であるが、それに加えて検査対象管理部(図示しない)を備える。検査対象管理部は、検査を行う光ディスクの順序をリストとして保持しておき、その順序に従ってサーバは検査を実行する。この検査対象管理部が保持するリストは検索・参照・更新が可能な形式のデータである。
本実施例におけるディスク品質検査では、検査対象管理部1301が管理する検査順序リストに従って検査対象ディスクを決定し順次検査を実施する。その際に、劣化ディスクを検出した場合、同様の関連情報を持つ他の光ディスクも劣化ディスクとなっている可能性があることを考慮し、サーバ内のディスク関連情報管理部へ問い合わせ、ディスク関連情報の各項目の中から、検出した劣化ディスクと同様の値となる項目を持つ光ディスクを検索する。
ここでいう「同様の値」とは、それぞれが同値である場合か、あらかじめ定めた閾値の範囲内の差となる値となる場合を示すものとする。もし同様の値となる項目を持つ光ディスクがあった場合、それは劣化ディスクと関連のある光ディスク(以降、関連ディスクと表記する)であるとする。
関連ディスクは劣化ディスクとなっている可能性があるので、優先的に品質を検査し、早急に複製処理を行えるよう、検査対象管理部にて、次の検査対象に設定する。つまり検査対象管理部は、検査対象ディスクを記述した検査順序リストを動的に変更・更新する。
図12に、検査順序リストを動的に変更する場合のシーケンスの一例を示す。なお、S1201〜S1204のステップは、前述の図8でのS801〜S804のステップと同じ処理なので説明を省略する。
S1205にて、品質劣化の有無を判定し、劣化なしと判定した場合には、S1210へ遷移し、検査結果を例えばサーバのメモリなどに記録し処理を終了する。S1205にて、品質劣化ありと判断された場合には、データ読出しが不可能になるリスクがあると考えられるため、S1106へ遷移し、当該光ディスクを複製対象に設定する。この設定は例えばサーバのメモリなどに保持しておく。
続いてS1207へ遷移し、関連ディスクの検索を行う。関連ディスクの検索はディスク関連情報管理部606によって行われる。関連ディスク検索処理の詳細は後述する。
S1208では、S1207での関連ディスク検索の結果、関連ディスクの有無を判定し、関連ディスクが存在する場合にはS1209へ遷移し、当該関連ディスクを次の検査対象とするよう、検査順序リストを更新する。複数の関連ディスクがある場合にはS1207での関連ディスク検索処理結果の出力順序に応じた検査順序となるよう検査順序リストを更新する。更新が終わると、S1210へ遷移する。S1208で関連ディスクが特定されなかった場合には、S1210へ遷移する。この場合は、検査順序は変更されず、この後は元の検査順序リストの順序で検査を実施するものとする。
S1210では、検査の結果をディスク関連情報として例えばサーバのディスク関連情報管理部606に保存する処理を行い、終了する。
関連ディスクの検索方法について、具体的な例を以下に示す。
一つ目の例として、記録時刻を元に関連ディスクを検索する。これは、最初に検出した劣化ディスクが、時刻に依存する品質劣化要因、例えば地震などにより一時的に振動が大きい状況で記録され、記録時点での品質があまり良好でなかった場合であると仮定し、同時期に記録された関連ディスクも劣化ディスクとなっている可能性が高いと判定し次の検査対象とするための検索条件である。
検索は、ディスク関連情報の記録開始日時および最終記録日時の比較により行う。まず劣化ディスクの関連情報のうち記録開始日時を抽出し、それと同じ値、あるいはあらかじめ定めた範囲内で同時刻と判定できる範囲の差の値を持つ他の光ディスクを検索する。最終記録日時についても同様に検索する。また、記録開始日時から最終記録日時の期間が重複している光ディスクも検索する。複数該当する光ディスクがある場合には、例えば記録開始日時および/または最終記録日時が近いものを優先する、あるいは記録開始日時から最終記録日時の期間の重複が大きいものを優先するなどの基準をあらかじめユーザやシステムにより定めておき、それに従って検査順序を決定する。
二つ目の例として、記録を行ったデータ記録再生部のIDを元に関連ディスクを検索する。これは、最初に検出した劣化ディスクが、記録を行ったデータ記録再生装置に依存する品質劣化要因により記録時点での品質があまり良好でなかった場合であると仮定し、同じデータ記録再生部で記録された関連ディスクも劣化ディスクとなっている可能性が高いと推定し次の検査対象とするための検索条件である。
検索は、ディスク関連情報の記録開始日時および最終記録日時の比較により行う。まず劣化ディスクの関連情報のうちドライブ履歴を比較し、同じ値を持つ光ディスク、すなわち同じデータ記録再生部(ドライブ)で記録した他の光ディスクを検索する。
三つ目の例として、データライブラリ装置に格納した時刻を元に関連ディスクを検索する。これは、最初に検出した劣化ディスクが、データライブラリ装置格納時の光ディスクの扱いに依存する品質劣化要因、例えば保管方法や運搬方法が同じであったことによる影響があると仮定し、同時期に格納された関連ディスクも劣化ディスクとなっている可能性が高いと推定し次の検査対象とするための検索条件である。
検索は、ディスク関連情報の格納日時の比較により行う。まず劣化ディスクの関連情報のうち格納日時を抽出し、それと同じ値、あるいはあらかじめ定めた範囲内で同時刻と判定できる範囲の差の値を持つ他の光ディスクを検索する。複数該当する光ディスクがある場合には、例えば格納日時が近いものを優先するなどの基準をあらかじめユーザやシステムにより定めておき、それに従って検査順序を決定する。
四つ目の例として、データライブラリ装置内の格納位置を元に関連ディスクを検索する。これは、最初に検出した劣化ディスクが、データライブラリ装置の格納位置に依存する品質劣化要因、例えば熱の滞留などにより特定の格納位置の範囲だけ劣化しやすくなる要因があると仮定し、その近辺に格納された関連ディスクも劣化ディスクとなっている可能性が高いと推定し次の検査対象とするための検索条件である。
検索は、ディスク関連情報の格納位置の比較により行う。まず劣化ディスクの関連情報のうち格納位置を抽出し、それと隣接する値、あるいはあらかじめ定めた範囲内で近辺と判定できる範囲の差の値を持つ他の光ディスクを検索する。複数該当する光ディスクがある場合には、例えば格納位置の距離が近いものを優先するなどの基準をあらかじめユーザやシステムにより定めておき、それに従って検査順序を決定する。
五つ目の例として、これまでの検査履歴を元に関連ディスクを検索する。これは、今回の検査までに複数回検査が実施され、これまでは劣化ディスクでないと判定された光ディスクに対して行われる。最初に検出した劣化ディスクと同様の劣化傾向、すなわち検査履歴にある記録品質を示す指標値の変化率が同様の関連ディスクも劣化ディスクとなっている可能性が高いと推定し次の検査対象とするための検索条件である。
検索は、ディスク関連情報の検査履歴から変化率を示す近似式を求め、その比較により行う。まず劣化ディスクの関連情報の検査履歴を抽出し、それらが複数ある場合に値の推移から近似式を求め、それと同様の近似式を持つ他の光ディスク、あるいは同様の変化率を持つ他の光ディスクを検索する。複数該当する光ディスクがある場合には、例えば変化率が近いほうを優先するなどの基準をあらかじめユーザやシステムにより定めておき、それに従って検査順序を決定する。
これらの検索条件は単一で適用してもよいし、複数個の検索条件を任意の優先順序で適用してもよい。これは経験的に妥当と思われる検索条件および適用優先順序をユーザが任意に設定してもよいし、以前の検索時によく該当する項目があった条件を優先的に適用するようシステムが自動的に選択するなどの処理を行ってもよい。また、複数の検索条件を適用する場合、その検索順序として、深さ優先検索(あるひとつの条件を優先して検索を行う)や幅優先検索(なるべく多くの条件を元に検索を行う)など、あらゆる方法を適用してもよい。これらを任意に設定可能とすることで、ユーザが要求する判定精度に基づいた検査対象設定が可能となるというメリットがある。
また、劣化ディスクを検出した場合、それと同じ回次に以前実行された品質検査で劣化ディスクでないと判定された光ディスクについては関連ディスク検索時に検索対象から除外してもよく、この場合は関連ディスク検索をより効率よく実行できる。
また、実施例1と実施例2を合わせて実施してもよい。実施例1により、劣化ディスク検出し全数検査を行う際に、全数検査の検査順序を実施例2に基づく方法で実施することが可能である。このようにすることで、実施例1の品質劣化要因推定の実施と、劣化ディスクを効率よく検出することが両立できる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
101…データライブラリ装置、102…CPU、103…サーバ、104…ネットワーク、105…ハードディスク、106…メモリ、107…光ディスク運搬部、
108…光ディスク格納部、109…光ディスク、110…データ記録再生部、111…データ記録再生部、112…データ記録再生部、113…データ記録再生部
108…光ディスク格納部、109…光ディスク、110…データ記録再生部、111…データ記録再生部、112…データ記録再生部、113…データ記録再生部
Claims (9)
- サーバとデータライブラリ装置を備えるデータアーカイブシステムにおいて、
前記サーバは、
データアーカイブシステムの全体を制御する全体制御部と、
情報を記録する情報記録媒体と、 前記データライブラリ装置と通信を行うデータライブラリインタフェース部と、
前記データライブラリ装置に格納した前記記録媒体に関する属性情報を記憶する情報記録媒体と、
を備え、
前記データライブラリ装置は、
複数の記録媒体と、
前記記録媒体が格納される記録媒体格納部と、
前記記録媒体にデータを記録および再生する複数の記録再生部と、
前記記録再生部の制御及び前記データライブラリインタフェース部を介して前記サーバと通信を行うライブラリ制御部と、
を備え、
前記情報記録媒体は、前記データライブラリ装置に格納した前記記録媒体に関する属性情報を記憶しており、
前記全体制御部は、第一の記録媒体に対して第一の品質検査を実施し、該第一の記録媒体の品質が劣化していると判断した場合、該第一の記録媒体とは異なる第二の記録媒体に対して第二の品質検査を実施し、
該第二の品質検査において該第二の記録媒体の品質が劣化していると判断した場合、前記情報記録媒体に記録された該第一と第二の記録媒体の属性情報を参照し、該参照した属性情報に基づいて該第一と第二の記録媒体の品質が劣化した要因を推定するよう制御するデータアーカイブシステム。 - 請求項1に記載のデータアーカイブシステムであって、前記品質の劣化の要因は、前記第一と第二の記録媒体の属性情報で共通する属性情報から推定することを特徴とするアーカイブシステム。
- 請求項1に記載のデータアーカイブシステムであって、
前記全体制御部は、前記推定した要因を表示または通知するよう制御することを特徴とするデータアーカイブシステム。 - 請求項1に記載のデータアーカイブシステムにおいて、
前記サーバは、前記データライブラリ装置に格納した前記記録媒体に関する属性情報を記録する情報記録媒体、を備え、
前記第一と第二の検査の対象となる記録媒体は、前記属性情報に基づき選定されることを特徴とするデータアーカイブシステム。 - 請求項1に記載のデータアーカイブシステムであって、
前記属性情報は、前記記録媒体の固有ID、前記記録媒体に最初にデータを記録した日時、前記記録媒体に最後にデータを記録した日時、前記記録媒体に記録を行った記録再生部のIDおよび該記録再生部の履歴、前記記録媒体を前記データライブラリ装置に格納した日時、ならびに前記記録媒体を格納する記録媒体格納部の格納位置の群から選ばれる1または2以上の情報であることを特徴とするデータアーカイブシステム。 - 請求項4に記載のデータアーカイブシステムであって、
前記属性情報は、前記記録媒体の固有ID、前記記録媒体に最初にデータを記録した日時、前記記録媒体に最後にデータを記録した日時、前記記録媒体に記録を行った記録再生部のIDおよび該記録再生部の履歴、前記記録媒体を前記データライブラリ装置に格納した日時、前記記録媒体を格納する記録媒体格納部の格納位置、ならびに前記第一と第二の検査より前に行われた第三の検査の結果の群から選ばれる一または二以上の情報であることを特徴とするデータアーカイブシステム。 - 請求項1または4に記載のデータアーカイブシステムであって、
前記品質の劣化は、SERに基づいて判断することを特徴とするデータアーカイブシステム。 - 記録媒体の記録品質を検査する品質検査方法であって、
第一の記録媒体に対して第一の品質検査を実施し、
前記第一の記録媒体の品質が劣化していると判断した場合、該第一の記録媒体とは異なる第二の記録媒体に対して第二の品質検査を実施し、
前記第二の品質検査において該第二の記録媒体の品質が劣化していると判断した場合、前記情報記録媒体に記録された該第一と第二の記録媒体の属性情報を参照し、
前記参照した属性情報に基づいて該第一と第二の記録媒体の品質が劣化した要因を推定するよう品質検査方法。 - 請求項8に記載の品質検査方法であって、前記品質の劣化の要因は、前記第一と第二の記録媒体の属性情報で共通する属性情報から推定することを特徴とする品質検査方法。
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