JP2014186008A - 熱式流量計 - Google Patents

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Abstract

【課題】流量検出部を備えた部材に作用する応力を低減するとともに、被計測気体を精度良く検出することができる熱式流量計を提供する。
【解決手段】本発明は、主通路124から取り込まれた被計測気体30を流すための副通路と、副通路を流れる被計測気体30との間で熱伝達を行うことにより、被計測気体30の流量を計測するための流量検出部602を備える熱式流量計300である。表カバー303は、副通路溝を覆った状態でハウジング302に溶着することにより、副通路を成形する。ハウジング302と表カバー303を相互に係合する係合部610が、ハウジング302と表カバー303とが溶着された溶着部690とは異なり、かつ、挿入口680の内壁681に囲まれた位置に形成されている。
【選択図】図11

Description

本発明は熱式流量計に関する。
従来から気体の流量を計測する熱式流量計は、流量を計測するための流量検出部を備え、前記流量検出部と計測対象である前記気体との間で熱伝達を行うことにより、前記気体の流量を計測するように構成されている。熱式流量計が計測する流量は色々な装置の重要な制御パラメータとして広く使用されている。熱式流量計の特徴は、他の方式の流量計に比べ相対的に高い精度で気体の流量、例えば質量流量を計測できることである。
しかし、さらに気体流量の計測精度の向上が望まれている。例えば、内燃機関を搭載した車両では、省燃費の要望や排気ガス浄化の要望が非常に高い。これら要望に応えるには、内燃機関の主要パラメータである吸入空気量を高い精度で計測することが求められている。内燃機関に導かれる吸入空気量を計測する熱式流量計は、吸入空気量の一部を取り込む副通路と、前記副通路に配置された流量検出部とを備え、前記流量検出部が被計測気体との間で熱伝達を行うことにより、前記副通路を流れる被計測気体の状態を計測して、前記内燃機関に導かれる吸入空気量を表す電気信号を出力するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
このような熱式流量計として、たとえば、副通路に相当する凹部が形成されたハウジングにカバーを覆うことにより副通路が形成された熱式流量計が提案されている。ここで、ハウジングとカバーの接合は、カバーの縁部を屈曲させ、屈曲した縁部をハウジングの溝部に接着剤を介して挿入することによりなされる(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−252796号公報 特開平11−258019号公報
ところで、上述したハウジングとカバーの接合を行った場合、カバーの縁部とハウジングの溝部とを係合させた状態で接着剤により接合(接着)するが、カバーの縁部とハウジングの溝部の係合と接着剤による接着とが、同じ箇所でなされている。しかしながら、このような場合、係合位置と接合位置とが共通しているため、これらの位置においてハウジングまたはカバーが損傷した場合には、ハウジングからカバーが脱落するおそれがあった。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ハウジングとカバーを接合した構造において、たとえ接合部が損傷した場合であっても、ハウジングからカバーが脱落することを防止することができる熱式流量計を提供することである。
前記課題を鑑みて本発明に係る熱式流量計は、吸気管内の主通路から取り込まれた被計測気体を流すための副通路と、該副通路を流れる被計測気体との間で熱伝達を行うことにより、前記被計測気体の流量を計測するための流量検出部を備え、前記吸気管に形成された挿入口を介して前記吸気管に取り付けられる熱式流量計である。前記流量検出部が前記副通路内に配置されるように、前記副通路の一部を構成する副通路溝を形成した樹脂製のハウジングと、前記副通路溝を覆った状態で前記ハウジングに溶着することにより、前記副通路を成形する樹脂製のカバーと、を備え、前記ハウジングと前記カバーを相互に係合する係合部が、前記ハウジングと前記カバーとが溶着された溶着部とは異なり、かつ、前記挿入口の内壁に囲まれた位置に形成されている。
本発明に係る熱式流量計によれば、ハウジングとカバーを接合した構造において、たとえ接合部が損傷した場合であっても、ハウジングからカバーが脱落することを防止することができる。
内燃機関制御システムに本発明に係る熱式流量計を使用した一実施例を示すシステム図である。 熱式流量計の外観を示す図であり、図2(A)は左側面図、図2(B)は正面図である。 熱式流量計の外観を示す図であり、図3(A)は右側面図、図3(B)は背面図である。 熱式流量計の外観を示す図であり、図4(A)は平面図、図4(B)は下面図である。 熱式流量計のハウジングを示す図であり、図5(A)はハウジングの左側面図であり、図5(B)はハウジングの正面図である。 熱式流量計のハウジングを示す図であり、図6(A)はハウジングの右側面図であり、図6(B)はハウジングの背面図である。 表および裏カバーを取り付けた状態における、図6(B)A−A線矢視における副通路に配置された流路面の状態を示す部分拡大図。 表カバーの外観を示す図であり、図8(A)は左側面図、図8(B)は正面図、図8(C)は平面図である。 裏カバーの外観を示す図であり、図9(A)は左側面図、図9(B)は正面図、図9(C)は平面図である。 図10(A)は、熱式流量計の表側の溶着部を説明するための図であり、図10(B)は、熱式流量計の裏側の溶着部を説明するための図である。 表カバーと、ハウジングを溶着させた状態の熱式流量計を吸気管の壁面に取り付けた状態の模式的拡大断面図である。 図12(A)は、図11に示すハウジングの圧入ピンを、カバーの孔部に挿入する前の状態を説明する模式的斜視断面図であり、図12(B)は、図11に示すハウジングの圧入ピンを、カバーの孔部に挿入した後の状態を説明する模式的斜視断面図である。 図11に示す表カバーとハウジングを溶着させた状態の別の実施例にかかる熱式流量計を、吸気管の壁面に取り付けた状態の模式的拡大断面図である。 図13に示す表カバーとハウジングを溶着させた状態の変形例にかかる熱式流量計を、吸気管の壁面に取り付けた状態の模式的拡大断面図である。 図11に示す表カバーとハウジングを溶着させた状態のさらなる別の実施例にかかる熱式流量計を、吸気管の壁面に取り付けた状態の模式的拡大断面図である。
以下に説明する、発明を実施するための形態(以下実施例と記す)は、実際の製品として要望されている色々な課題を解決しており、特に車両の吸入空気量を計測する計測装置として使用するために望ましい色々な課題を解決し、色々な効果を奏している。下記実施例が解決している色々な課題の内の一つが、上述した発明が解決しようとする課題の欄に記載した内容であり、また下記実施例が奏する色々な効果の内の一つが、発明の効果の欄に記載された効果である。下記実施例が解決している色々な課題について、さらに下記実施例により奏される色々な効果について、下記実施例の説明の中で、述べる。従って下記実施例の中で述べる、実施例が解決している課題や効果は、発明が解決しようとする課題の欄や発明の効果の欄の内容以外の内容についても記載されている。
以下の実施例で、同一の参照符号は、図番が異なっていても同一の構成を示しており、同じ作用効果を成す。既に説明済みの構成について、図に参照符号のみを付し、説明を省略する場合がある。
1. 内燃機関制御システムに本発明に係る熱式流量計を使用した一実施例
図1は、電子燃料噴射方式の内燃機関制御システムに、本発明に係る熱式流量計を使用した一実施例を示す、システム図である。エンジンシリンダ112とエンジンピストン114を備える内燃機関110の動作に基づき、吸入空気が被計測気体30としてエアクリーナ122から吸入され、主通路124である例えば吸気ボディ、スロットルボディ126、吸気マニホールド128を介してエンジンシリンダ112の燃焼室に導かれる。前記燃焼室に導かれる吸入空気である被計測気体30の流量は本発明に係る熱式流量計300で計測され、計測された流量に基づいて燃料噴射弁152より燃料が供給され、吸入空気である被計測気体30と共に混合気の状態で燃焼室に導かれる。なお、本実施例では、燃料噴射弁152は内燃機関の吸気ポートに設けられ、吸気ポートに噴射された燃料が吸入空気である被計測気体30と共に混合気を成形し、吸入弁116を介して燃焼室に導かれ、燃焼して機械エネルギを発生する。
近年、多くの車では排気浄化や燃費向上に優れた方式として、内燃機関のシリンダヘッドに燃料噴射弁152を取り付け、燃料噴射弁152から各燃焼室に燃料を直接噴射する方式が採用されている。熱式流量計300は、図1に示す内燃機関の吸気ポートに燃料を噴射する方式だけでなく、各燃焼室に燃料を直接噴射する方式にも同様に使用できる。両方式とも熱式流量計300の使用方法を含めた制御パラメータの計測方法および燃料供給量や点火時期を含めた内燃機関の制御方法の基本概念は略同じであり、両方式の代表例として吸気ポートに燃料を噴射する方式を図1に示す。
燃焼室に導かれた燃料および空気は、燃料と空気の混合状態を成しており、点火プラグ154の火花着火により、爆発的に燃焼し、機械エネルギを発生する。燃焼後の気体は排気弁118から排気管に導かれ、排気24として排気管から車外に排出される。前記燃焼室に導かれる吸入空気である被計測気体30の流量は、アクセルペダルの操作に基づいてその開度が変化するスロットルバルブ132により制御される。前記燃焼室に導かれる吸入空気の流量に基づいて燃料供給量が制御され、運転者はスロットルバルブ132の開度を制御して前記燃焼室に導かれる吸入空気の流量を制御することにより、内燃機関が発生する機械エネルギを制御することができる。
1.1 内燃機関制御システムの制御の概要
エアクリーナ122から取り込まれ主通路124を流れる吸入空気である被計測気体30の流量および温度が、熱式流量計300により計測され、熱式流量計300から吸入空気の流量および温度を表す電気信号が制御装置200に入力される。また、スロットルバルブ132の開度を計測するスロットル角度センサ144の出力が制御装置200に入力され、さらに内燃機関のエンジンピストン114や吸気弁116や排気弁118の位置や状態、さらに内燃機関の回転速度を計測するために、回転角度センサ146の出力が、制御装置200に入力される。排気24の状態から燃料量と空気量との混合比の状態を計測するために、酸素センサ148の出力が制御装置200に入力される。
制御装置200は、熱式流量計300の出力である吸入空気の流量、および回転角度センサ146の出力に基づき計測された内燃機関の回転速度、に基づいて燃料噴射量や点火時期を演算する。これら演算結果に基づいて、燃料噴射弁152から供給される燃料量、また点火プラグ154により点火される点火時期が制御される。燃料供給量や点火時期は、実際にはさらに熱式流量計300で計測される吸気温度やスロットル角度の変化状態、エンジン回転速度の変化状態、酸素センサ148で計測された空燃比の状態に基づいて、きめ細かく制御されている。制御装置200はさらに内燃機関のアイドル運転状態において、スロットルバルブ132をバイパスする空気量をアイドルエアコントロールバルブ156により制御し、アイドル運転状態での内燃機関の回転速度を制御する。
1.2 熱式流量計の計測精度向上の重要性と熱式流量計の搭載環境
内燃機関の主要な制御量である燃料供給量や点火時期はいずれも熱式流量計300の出力を主パラメータとして演算される。従って熱式流量計300の計測精度の向上や経時変化の抑制、信頼性の向上が、車両の制御精度の向上や信頼性の確保に関して重要である。特に近年、車両の省燃費に関する要望が非常に高く、また排気ガス浄化に関する要望が非常に高い。これらの要望に応えるには熱式流量計300により計測される吸入空気である被計測気体30の流量の計測精度の向上が極めて重要である。また熱式流量計300が高い信頼性を維持していることも大切である。
熱式流量計300が搭載される車両は温度変化の大きい環境で使用され、また風雨や雪の中で使用される。雪道を車が走行する場合には、凍結防止剤が散布された道路を走行することとなる。熱式流量計300は、その使用環境における温度変化への対応や、塵埃や汚染物質などへの対応も、考慮されていることが望ましい。さらに熱式流量計300は内燃機関の振動を受ける環境に設置される。振動に対しても高い信頼性の維持が求められる。
また熱式流量計300は内燃機関からの発熱の影響を受ける吸気管に装着される。このため内燃機関の発熱が主通路124である吸気管を介して、熱式流量計300に伝わる。熱式流量計300は、被計測気体と熱伝達を行うことにより被計測気体の流量を計測するので、外部からの熱の影響をできるだけ抑制することが重要である。
車に搭載される熱式流量計300は、以下で説明するように、単に発明が解決しようとする課題の欄に記載された課題を解決し、発明の効果の欄に記載された効果を奏するのみでなく、以下で説明するように、上述した色々な課題を十分に考慮し、製品として求められている色々な課題を解決し、色々な効果を奏している。熱式流量計300が解決する具体的な課題や奏する具体的な効果は、以下の実施例の記載の中で説明する。
2. 熱式流量計300の構成
2.1 熱式流量計300の外観構造
図2および図3、図4は、熱式流量計300の外観を示す図であり、図2(A)は熱式流量計300の左側面図、図2(B)は正面図、図3(A)は右側面図、図3(B)は背面図、図4(A)は平面図、図4(B)は下面図である。
熱式流量計300はハウジング302と表カバー303と裏カバー304とを備えている。ハウジング302は、熱式流量計300を主通路124である吸気ボディに固定するためのフランジ312と、外部機器との電気的な接続を行うための外部端子306を有する外部接続部305と、流量等を計測するための計測部310を備えている。計測部310の内部には、副通路を作るための副通路溝が設けられており、さらに計測部310の内部には、主通路124を流れる被計測気体30の流量を計測するための流量検出部や主通路124を流れる被計測気体30の温度を計測するための温度検出部452を備える回路パッケージ400が設けられている。
2.2 熱式流量計300の外観構造に基づく効果
熱式流量計300の入口350が、フランジ312から主通路124の中心方向に向かって延びる計測部310の先端側に設けられているので、主通路124の内壁面近傍ではなく、内壁面から離れた中央部に近い部分の気体を副通路に取り込むことができる。このため熱式流量計300は主通路124の内壁面から離れた部分の気体の流量や温度を測定することができ、熱などの影響による計測精度の低下を抑制できる。主通路124の内壁面近傍では、主通路124の温度の影響を受け易く、気体の本来の温度に対して被計測気体30の温度が異なる状態となり、主通路124内の主気体の平均的な状態と異なることになる。特に主通路124がエンジンの吸気ボディである場合は、エンジンからの熱の影響を受け、高温に維持されていることが多い。このため主通路124の内壁面近傍の気体は、主通路124の本来の気温に対して高いことが多く、計測精度を低下させる要因となる。
図2乃至図4に示す熱式流量計300では、フランジ312から主通路124の中央に向かって延びる薄くて長い計測部310の先端部に入口350が設けられているので、内壁面近傍の流速低下に関係する計測誤差を低減できる。また、図2乃至図4に示す熱式流量計300では、フランジ312から主通路124の中央に向かって延びる計測部310の先端部に入口350が設けられているだけでなく、副通路の出口も計測部310の先端部に設けられているので、さらに計測誤差を低減することができる。
2.3 温度検出部452の構造
計測部310の先端側に設けられた副通路よりもフランジ312側の方に位置して、図2および図3に示すように、被計測気体30の流れの上流側に向かって開口する入口343が成形されており、入口343の内部には被計測気体30の温度を計測するための温度検出部452が配置されている。入口343が設けられている計測部310の中央部では、ハウジング302を構成する計測部310内の上流側外壁が下流側に向かって窪んでおり、前記窪み形状の上流側外壁から温度検出部452が上流側に向かって突出する形状を成している。また前記窪み形状の外壁の両側部には表カバー303と裏カバー304が設けられており、前記表カバー303と裏カバー304の上流側端部が、前記窪み形状の外壁より上流側に向かって突出した形状を成している。
温度検出部452の支え部分では、計測部310内の上流側外壁が下流側に向かって凹む形状を成しているので、計測部310内の上流側外壁と温度検出部452との間の距離を長くできる。熱伝導距離が長くなるとともに、被計測気体30による冷却部分の距離が長くなる。従ってフランジ312あるいは熱絶縁部315からもたらされる熱の影響を低減できる。これらのことから計測精度が向上する。上記上流側外壁が下流側に向かって凹む形状(図5および図6を用いて以下で説明する)を成しているので、以下で説明する回路パッケージ400の固定が容易となる。
2.4 フランジ312の構造と効果
フランジ312には、その下面である主通路124と対向する部分に、窪み314が複数個設けられており、主通路124との間の熱伝達面を低減し、熱式流量計300が熱の影響を受け難くしている。フランジ312のねじ孔313は熱式流量計300を主通路124に固定するためのもので、これらのねじ孔313の周囲の主通路124に対向する面が主通路124から遠ざけられるように、各ねじ孔313の周囲の主通路124に対向する面と主通路124との間に空間が成形されている。このようにすることで、熱式流量計300に対する主通路124からの熱伝達を低減し、熱による測定精度の低下を防止できる構造をしている。さらにまた前記窪み314は、熱伝導の低減効果だけでなく、ハウジング302の成形時にフランジ312を構成する樹脂の収縮の影響を低減する作用をしている。
フランジ312の計測部310側に熱絶縁部315が設けられている。熱式流量計300の計測部310は、主通路124に設けられた取り付け孔から内部に挿入され、熱絶縁部315は主通路124の前記取り付け孔の内面に対向し、熱式流量計300のフランジ312によりねじで主通路124に固定される。
2.5 外部接続部305およびフランジ312の構造と効果
図4(A)は熱式流量計300の平面図である。外部接続部305の内部に4本の外部端子306と補正用端子307が設けられている。外部端子306は熱式流量計300の計測結果である流量と温度を出力するための端子および熱式流量計300が動作するための直流電力を供給するための電源端子である。補正用端子307は生産された熱式流量計300の計測を行い、それぞれの熱式流量計300に関する補正値を求めて、熱式流量計300内部のメモリに補正値を記憶するのに使用する端子であり、その後の熱式流量計300の計測動作では上述のメモリに記憶された補正値を表す補正データが使用され、この補正用端子307は使用されない。
3. ハウジング302の全体構造とその効果
3.1 副通路と流量検出部の構造と効果
熱式流量計300から表カバー303および裏カバー304を取り外したハウジング302の状態を図5および図6に示す。図5(A)はハウジング302の左側面図であり、図5(B)はハウジング302の正面図であり、図6(A)はハウジング302の右側面図であり、図6(B)はハウジング302の背面図である。
ハウジング302はフランジ312から計測部310が主通路124の中心方向に延びる構造を成しており、その先端側に副通路を成形するための副通路溝が設けられている。この実施例ではハウジング302の表裏両面に副通路溝が設けられており、図5(B)に表側副通路溝332を示し、図6(B)に裏側副通路溝334を示す。副通路の入口350を成形するための入口溝351と出口352を成形するための出口溝353が、ハウジング302の先端部に設けられているので、主通路124の内壁面から離れた部分の気体を、言い換えると主通路124の中央部分に近い部分を流れている気体を被計測気体30として入口350から取り込むことができる。
上述した表側副通路溝332や裏側副通路溝334で作られる副通路は外壁窪み部366や上流側外壁335や下流側外壁336により熱絶縁部315に繋がっている。また上流側外壁335には上流側突起317が設けられ、下流側外壁336には下流側突起318が設けられている。
この実施例ではハウジング302に副通路を成形するための副通路溝を設けており、カバーをハウジング302の表面及び裏面にかぶせるにより、副通路溝とカバーとにより副通路が完成する構成としている。このような構造とすることで、ハウジング302の樹脂モールド工程でハウジング302の一部としてすべての副通路溝を成形することができる。
図6(B)において主通路124を流れる被計測気体30の一部が入口350を成形する入口溝351から裏側副通路溝334内に取り込まれ、裏側副通路溝334内を流れる。裏側副通路溝334は進むにつれて深くなる形状をしており、溝に沿って流れるにつれ表側の方向に被計測気体30は徐々に移動する。特に裏側副通路溝334は回路パッケージ400の上流部342で急激に深くなる急傾斜部347が設けられていて、質量の小さい空気の一部は急傾斜部347に沿って移動し、回路パッケージ400の上流部342で図5(B)に記載の計測用流路面430の方を流れる。一方質量の大きい異物は慣性力によって急激な進路変更が困難なため、図6(B)に示す計測用流路面裏面431の方を移動する。その後回路パッケージ400の下流部341を通り、図5(B)に記載の計測用流路面430の方を流れる。
熱伝達面露出部436近傍の被計測気体30の流れについて図7を用いて説明する。図5(B)に記載の表側副通路溝332において、上述の回路パッケージ400の上流部342から表側副通路溝332側に移動した被計測気体30である空気は、計測用流路面430に沿って流れ、計測用流路面430に設けられた熱伝達面露出部436を介して流量を計測するための流量検出部602との間で熱伝達が行われ、流量の計測が行われる。計測用流路面430を通過した被計測気体30や回路パッケージ400の下流部341から表側副通路溝332に流れてきた空気は共に表側副通路溝332に沿って流れ、出口352を成形するための出口溝353から主通路124に排出される。
この実施例では、流量を計測するための計測用流路面430の流れ方向における前後に裏側副通路溝334と表側副通路溝332とに貫通する構成から成り、かつ回路パッケージ400の先端側はハウジング302で支持した構成ではなく空洞部382を有し、回路パッケージ400の上流部342の空間と回路パッケージ400の下流部341の空間が繋がった構成である。この回路パッケージ400の上流部342と回路パッケージ400の下流部341を貫通する構成として、ハウジング302の一方面に成形した裏側副通路溝334からハウジング302の他方の面に成形した表側副通路溝332へ被計測気体30が移動する形状で副通路を成形している。このような構成とすることで、1回の樹脂モールド工程でハウジング302の両面に副通路溝を成形でき、また両面の副通路溝を繋ぐ構造を合わせて成形することが可能となる。
また、回路パッケージ400を固定部372で包むことにより、回路パッケージ400を固定しているが、外壁窪み部366により回路パッケージ400を固定することにより、回路パッケージ400を固定する力を増大することができる。固定部372は被計測気体30の流れ軸に沿う方向に回路パッケージ400を包含している。一方外壁窪み部366は被計測気体30の流れ軸を横切る方向に回路パッケージ400を包含している。すなわち固定部372に対して包含する方向が異なるようにして回路パッケージ400を包含している。二つの異なる方向で回路パッケージ400を包含しているので、固定する力が増大している。外壁窪み部366は上流側外壁335の一部であるが、固定する力を増大するためであれば、上流側外壁335の代わりに下流側外壁336で、固定部372と異なる方向に回路パッケージ400を包含しても良い。例えば、下流側外壁336で回路パッケージ400の板部を包含するとか、あるいは下流側外壁336に上流方向に窪む窪み、あるいは上流方向に突出する突出部を設けて回路パッケージ400を包含しても良い。上流側外壁335に外壁窪み部366を設けて回路パッケージ400を包含したのは、回路パッケージ400の固定に加えて、温度検出部452と上流側外壁335との間の熱抵抗を増大する作用を持たせたためである。
温度検出部452の根元部に外壁窪み部366が設けられ、これによりフランジ312あるいは熱絶縁部315から上流側外壁335を介して伝わってくる熱の影響を低減できる。さらに上流側突起317と温度検出部452との間に切欠きにより成形された測温用窪み368が設けられている。この測温用窪み368により上流側突起317を介して温度検出部452にもたらされる熱の伝わりを低減できる。これにより温度検出部452の検出精度が向上する。特に上流側突起317はその断面積が大きいので熱が伝わり易く、熱の伝わりを阻止する測温用窪み368の働きは重要である。
3.2 副通路の流量検出部の構造と効果
図7は、回路パッケージ400の計測用流路面430が副通路溝の内部に配置されている状態を示す部分拡大図であり、図6(B)のA−A断面図である。なお、この図は概念図であり、図5や図6に示す詳細形状に対して、図7では細部の省略および単純化を行っており、細部に関して少し変形している。図7の左側部分が裏側副通路溝334の終端部分であり、右側部分が表側副通路溝332の始端部分である。図7では明確に記載していないが、計測用流路面430を有する回路パッケージ400の左右両側には、貫通部が設けられていて、計測用流路面430を有する回路パッケージ400の左右両側で裏側副通路溝334と表側副通路溝332とが繋がっている。
入口350から取り込まれ、裏側副通路溝334により構成される裏側副通路を流れた被計測気体30は、図7の左側から導かれ、被計測気体30の一部は、回路パッケージ400の上流部342の貫通部を介して、回路パッケージ400の計測用流路面430の表面と表カバー303に設けられた突起部356で作られる流路386の方を流れ、他の被計測気体30は計測用流路面裏面431と裏カバー304で作られる流路387の方を流れる。その後、流路387を流れた被計測気体30は、回路パッケージ400の下流部341の貫通部を介して表側副通路溝332の方に移り、流路386を流れている被計測気体30と合流し、表側副通路溝332を流れ、出口352から主通路124に排出される。
裏側副通路溝334から回路パッケージ400の上流部342の貫通部を介して流路386に導かれる被計測気体30の方が、流路387に導かれる流路よりも曲りが大きくなるように、副通路溝が成形されているので、被計測気体30に含まれるごみなどの質量の大きい物質は、曲りの少ない流路387の方に集まる。このため流路386への異物の流入はほとんど無い。
流路386では、表側副通路溝332の最先端部に連続して、表カバー303に設けられ突起部356が計測用流路面430の方に徐々に突出することにより、絞りが成形される構造を成している。流路386の絞り部の一方側に計測用流路面430が配置され、計測用流路面430には流量検出部602が被計測気体30との間で熱伝達を行うための熱伝達面露出部436が設けられている。この絞りは、被計測気体30の渦を減少させて層流に近づけている作用をする。さらに絞り部分では流速が速くなり、この絞り部分に流量を計測するための熱伝達面露出部436が配置されているので、流量の計測精度が向上している。
図5および図6において、計測用流路面430に設けられた熱伝達面露出部436の裏面である計測用流路面裏面431に、回路パッケージ400の樹脂モールド工程で使用された金型の押さえ跡442が残っている。押さえ跡442は特に流量の計測の障害となるものではなく、そのまま押さえ跡442が残っていても問題ない。
3.3 表カバー303と裏カバー304の形状と効果
図8は表カバー303の外観を示す図であり、図8(A)は左側面図、図8(B)は正面図、図8(C)は平面図である。図9は裏カバー304の外観を示す図であり、図9(A)は左側面図、図9(B)は正面図、図9(C)は平面図である。図8および図9において、表カバー303や裏カバー304はハウジング302の副通路溝を塞ぐことにより、副通路を作るのに使用される。また突起部356を備え、流路に絞りを設けるために使用される。このため成形精度が高いことが望ましい。表カバー303や裏カバー304は金型に熱可塑性樹脂を注入する樹脂モールド工程により、作られるので、高い成形精度で作ることができる。また、表カバー303と裏カバー304には、突起部380と突起部381が形成されており、ハウジング302の嵌合した際に、図5(B)及び図6(B)に表記した回路パッケージ400の先端側の空洞部382の隙間を埋めると同時に回路パッケージ400の先端部を覆う構成となる。
図8や図9に示す表カバー303や裏カバー304には、表保護部322や裏保護部325が成形されている。図2や図3に示すように入口343の表側側面に表カバー303に設けられた表保護部322が配置され、また入口343の裏側側面に、裏カバー304に設けられた裏保護部325が配置されている。
表カバー303の内側面には突起部356が設けられ、図7の例に示す如く、突起部356は計測用流路面430に対向して配置され、副通路の流路の軸に沿う方向に長く延びた形状をしている。この実施例では、絞り部分を有する副通路を、溝の部分と溝を塞いで絞りを備えた流路を完成する蓋の部分とに分け、溝の部分を、ハウジング302を成形するための第2樹脂モールド工程で作り、次に突起部356を有する表カバー303を他の樹脂モールド工程で成形し、表カバー303を溝の蓋として溝を覆うことにより、副通路を作っている。ハウジング302を成形する第2樹脂モールド工程で、計測用流路面430を有する回路パッケージ400のハウジング302への固定(支持)も行っている。このように形状の複雑な溝の成形を樹脂モールド工程で行い、絞りのための突起部356を表カバー303に設けることで、高い精度で図7に示す流路386を成形することができる。また溝と計測用流路面430や熱伝達面露出部436の配置関係を高い精度で維持できるので、量産品においての品質ばらつきを小さくでき、結果として高い計測結果が得られる。また生産性も向上する。
裏カバー304と計測用流路面裏面431による流路387の成形も同様である。流路387の溝部分と蓋部分とに分け、溝部分をハウジング302を成形する第2樹脂モールド工程で作り、裏カバー304で溝を覆うことにより、流路387を成形している。流路387をこのようにして作ることにより、流路387を高精度で作ることができ、生産性も向上する。
3.4 ハウジングとカバーの接合構造とその効果
図10(A)は、熱式流量計の表側の溶着部を説明するための図であり、図10(B)は、熱式流量計の裏側の溶着部を説明するための図である。表カバー303および裏カバー304は、破線で示している。
上述したように、本実施形態にかかる熱式流量計は主通路124から取り込まれた被計測気体30を流すための副通路と、副通路を流れる被計測気体30との間で熱伝達を行うことにより、被計測気体30の流量を計測するための流量検出素子を備える熱式流量計300である。
熱式流量計300の回路パッケージ400は、流量検出部602を備えるとともに、第1の樹脂(熱硬化性樹脂)により成形されたものである。ハウジング302は、副通路340の一部を構成する副通路溝を形成し、回路パッケージ400を固定するように、第2の樹脂(熱可塑性樹脂)により成形されている。
副通路溝は、ハウジング302の表裏両面に形成された表側副通路溝332と裏側副通路溝334とは、湾曲した溝形状となっている。表側副通路溝332と裏側副通路溝334は、回路パッケージ400の流量検出素子が配置された貫通部370に導かれている。この貫通部370は、ハウジング302の両面を貫通する部分である。貫通部370を介して、ハウジング302の両面を表カバー303と裏カバー304で覆うことにより、ハウジングの302の表側に形成される副通路と、裏側に形成される副通路とが繋がって、一つの副通路340を形成することができる。
ここで、表カバー303をハウジング302で覆う際には、図8に示すカバー中央の孔部331と、(後述するカバー縁部近傍の突出部603(図11および図12参照)に形成された)孔部613とを、それぞれ、図5に示すハウジング302に形成されたピン部371およびピン部623に挿入することにより位置決めを行う。
一方、裏カバー304をハウジング302で覆う際には、同様に、図9に示すカバー中央の孔部331と、カバー縁部近傍の係合凸部に形成された孔部614とを、それぞれ、図6に示すハウジング302に形成されたピン部374およびピン部624に挿入することにより位置決めを行う。
さらに、図5(B)および図6(B)に示すように、ハウジングの302には、端子接続部320を含む回路パッケージ400の一部を収納するための回路収納部321aが形成されており、回路収納部321aは、ハウジング302の表側及び裏側に開口しており、回路室形成壁324により区画されている。回路室形成壁324は、上述した、上流側外壁335、下流側外壁336、および、回路パッケージ400を固定する固定部(固定壁)372の一部を含む壁部である。このように、ハウジング302の両側から表カバー303と裏カバー304で、ハウジング302を覆うことにより、上述した如く副通路340が形成されるとともに、上流側外壁335、下流側外壁336および固定部372を含む回路室形成壁324により囲われた空間を密閉する回路室321が形成される。
上述したように、表側副通路溝332および裏側副通路溝334は、被計測気体30の流れる方向に沿って湾曲部分を有している。表側副通路溝332には、表側副通路形成壁に相当する湾曲部分の内側に位置する表側副通路内周壁393と湾曲部分の外側に位置する表側副通路外周壁394が形成されている。一方、裏側副通路溝334には、裏側副通路形成壁に相当する裏側副通路外周壁391と裏側副通路内周壁392が形成されている。
表側副通路外周壁394は、ハウジング302の表側及び裏側に向かって延在した固定部(固定壁)372に連続して形成されている。表側副通路内周壁393と固定部(固定壁)372とは、副通路形成壁の一部を構成する連結壁377を介して形成されている。なお、固定部372は、上述した貫通部370を形成する壁部の一部を構成している。このようにして、表側副通路内周壁393、連結壁377、固定部(固定壁)372、および表側副通路外周壁394が、連続して形成された壁構造となる。このような壁構造を採用することにより、後述するように、これらの連続した壁の端面に沿って、表カバー303を介して、表カバー303側からレーザを照射することができる。これにより、表側の副通路340には連続して切れ目の無い、信頼性の高い溶着部を形成することができる。
同様に、裏側副通路外周壁391は、ハウジング302の表側及び裏側に向かって延在した固定部(固定壁)372に連続して形成されている。裏側副通路内周壁392と固定部(固定壁)723とは、副通路形成壁の一部を構成する連結壁378を介して連続して形成されている。このようにして、裏側副通路内周壁392、連結壁378、固定部(固定壁)723、および裏側副通路外周壁391が、連続して形成された壁構造となる。このような壁構造を採用することにより、後述するように、これらの連続した壁の端面に沿って、裏カバー304を介して、裏カバー304側からレーザを照射することができる。これにより、裏側の副通路340には連続して切れ目の無い、信頼性の高い溶着部を形成することができる。
さらに、この固定部372は、第2の樹脂により回路パッケージ400の表面および裏面の領域を連続して周回するように成形されている。固定部372と回路パッケージ400との関係は、固定部372に回路パッケージ400の断面に相当する大きさの孔を設けて、この孔に回路パッケージ400を挿入するような関係であってもよいが、本実施例の場合には、回路パッケージ400は、固定部372とともに第2の樹脂で一体的に成形されている。
ハウジング302と、表カバー303(裏カバー304)との接合は、レーザによりこれらを溶着させることによりなされる。具体的には、上述した、副通路形成壁と、これに連続して回路室形成壁324の一部の端面に、表カバー303および裏カバー304に当接させた状態を維持し、図10に示す太線で示したラインに沿って、表カバー303および裏カバー304側からレーザを照射しこれらとハウジングとを溶着する。
このようにして、表面側では、表側副通路内周壁393、連結壁377、仕切り壁372a、回路室形成壁324、固定部(固定壁)372、および表側副通路外周壁394の壁端面と、表カバー303とを、切れ目なく溶着させることができる。一方、裏面側では、裏側副通路内周壁392、連結壁378、仕切り壁372a、回路室形成壁324、固定部(固定壁)372、および裏側副通路外周壁391の壁端面と、これらの連続した壁端面を収容する溝部760が形成された表カバー303とを、切れ目なく溶着させることができる。このような結果、ハウジング302と表および裏カバー303,304の間には、副通路壁溶着部391b,393bが形成され、仕切り壁溶着部372bと、副通路壁溶着部391b,393bが切れ目の無く連続して形成されることになる。このような結果、副通路の溶着の信頼性をさらに高めることができる。カバーとハウジング302との溶着の信頼性をさらに高めることができる。
本実施例では、表カバー303と裏カバー304をハウジング302に取り付ける際には、レーザを用いてこれらを溶着することが好ましい。このような場合、表カバー303と裏カバー304の材質に、ハウジング302の材料に比べてレーザが透過し易い熱可塑性樹脂(例えば透明または白色の樹脂)を用い、ハウジング302にカバーの材料に比べてレーザが吸収し易い熱可塑性樹脂(例えばカバーの樹脂を黒色に着色した樹脂)を用いることにより、表カバー303または裏カバー304と、ハウジング302との界面における溶着性をより高めることができる。
ここで、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネイト(PC)、ABS樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)などの熱可塑性樹脂を用いた場合には、これらの樹脂はそのままの状態で透明または白色であるので、これらの樹脂にレーザを透過させることができる。したがって、これらの樹脂でカバーを成形すればよい。一方、レーザを吸収させるために、レーザを吸収する樹脂(ハウジングを構成する樹脂)は、これらの樹脂に対して、レーザ吸収性を有する着色剤を添加したものを用いる。その着色剤として、例えば、カーボンブラック等の炭素系材料、複合酸化物系顔料等の無機系着色料等を挙げることができる。このような結果、カバー側からレーザを照射することにより、レーザはカバーを透過して、カバーに接触した(または略接触した)ハウジングの樹脂が溶融し、ハウジングとカバーとの対向した部分を溶着することができる。さらに、カバーとハウジングの溶着性を高めるためには、双方の樹脂が同じ樹脂であることが好ましい。
4. ハウジングからのカバー脱落防止機構
図11は、表カバーと、ハウジングを溶着させた状態の熱式流量計を吸気管の壁面に取り付けた状態の模式的拡大断面図であり、図12(A)は、図11に示すハウジングの圧入ピンを、カバーの孔部に挿入する前の状態を説明する模式的斜視断面図であり、図12(B)は、図11に示すハウジングの圧入ピンを、カバーの孔部に挿入した後の状態を説明する模式的斜視断面図である。
なお、図11,13〜15では、表カバー303側のカバー脱落防止機構を記載しているが、裏カバー304側にも、同様のカバー脱落防止機構がもうけられており、その詳細な説明は省略している。
本実施形態に係る熱式流量計300は、上述した如く、吸気管600内の主通路124から取り込まれた被計測気体30を流すための副通路340と、副通路340を流れる被計測気体30との間で熱伝達を行うことにより、被計測気体の流量を計測するための流量検出部602を備えている。熱式流量計300は、吸気管600に形成された挿入口680を介して吸気管600に取り付けられる。
上述した如く、樹脂製の(第2の樹脂からなる)ハウジング302は、流量検出部602が副通路340内に配置されるように、副通路340の一部を構成する副通路溝が形成されており、樹脂製の表カバー303および裏カバー304で副通路溝を覆った状態でハウジング302に溶着することにより、副通路340が成形される。なお、ハウジング302と表および裏カバー303,304とに形成された、副通路壁溶着部391b,393bが形成され、仕切り壁溶着部372bと、副通路壁溶着部391b,393bであり、ここではこれらを総称して溶着部690と称す。
以下に示す全ての実施例では、ハウジング302と表カバー303を相互に係合する係合部610が、ハウジング302と表カバー303とが溶着された溶着部690とは異なり、かつ、挿入口680の内壁681に囲まれた位置に形成されている。なお、図11では、挿入口680およびその内壁681の一部しか記載していない。ここで、本発明でいう係合部690とは、熱式流量計300を吸気管内に取り付けた姿勢で、ハウジング302と表カバー303とが剥離した時すなわち未溶着状態時に、ハウジング302と表カバー303とが係合しているものをいい、溶着状態で必ずしも係合していなくてもよい。また、係合とは嵌合の意味も含むものである。
このような係合部610を設けることにより、たとえ溶着部690が損傷等により、表カバー303とハウジング302との溶着が剥離した場合であっても、溶着部690とは異なり、かつ、挿入口680の内壁681に囲まれた位置に係合部610が形成されているので、ハウジング302と表カバー303とが係合し、ハウジング302から表カバー303が脱落することを抑制することができる。
ここで、図11に示す実施例では、係合部610は、表カバー303に形成された突出部603と、ハウジング302に形成され、突出部603に係合した状態で突出部603を収容する収容部633とからなる。
収容部633の開口633aから、吸気管600の挿入口680の内壁681までの距離をAとし、突出部603の先端603aから表カバー303の突出部603が形成された表面と603bは反対側の表面603cまでの距離をBとしたときに、A<Bの関係を満たすように、突出部603と収容部633とが形成されている。
このように、突出部603と収容部633とが形成されるので、表カバー303とハウジング302との溶着部690でこれらが剥離した場合であっても、突出部603が収容部633の壁面に引っ掛かり、ハウジング302から表カバー303が脱落することを確実に防止することができる。また、ハウジング側に、収容部633を設けたことにより、ハウジング側の収容部633の凹部深さを決定すれば、突出部603の高さも必然的に設計できるので、表カバー303の厚さによらず、係合部610を設けることができる。
上述した構造において、図11および図12(A)に示すように、収容部603にはピン部623が形成されており、突出部603にはピン部623が圧入される孔部613がさらに形成されていてもよい。ピン部623の先端は先細に尖っており、孔部613に案内可能となっている。さらにピン部623の軸部632aには、軸方向に沿って一対の羽根部632bが形成されている。
このような一対の羽根部632bを設けることにより、表カバー303をハウジング303に取り付ける際には、図12(B)に示すように、ピン部623の一対の羽根部632bが、孔部613の内壁に押し潰される。これにより、ピン部623と孔部613とが嵌合され、突出部603と収容部633との係合状態をより確実なものとすることができる。ここで、仮に、ピン部623が折損等損傷したとしても、突出部603が収容部633の壁面に引っ掛かり、ハウジング302から表カバー303が脱落することはない。
なお、本実施例では、軸部623aの外径は、孔部613の内径と略同じになっているが、羽根部632bが圧入時に押し潰されるように、その外形が、孔部613の内径よりも大きければ、軸部623aの外径と孔部613の内径との関係は特に限定されない。
図13は、図11に示す表カバーとハウジングを溶着させた状態の別の実施例にかかる熱式流量計を、吸気管の壁面に取り付けた状態の模式的拡大断面図である。図14は、図13に示す表カバーとハウジングを溶着させた状態の変形例にかかる熱式流量計を、吸気管の壁面に取り付けた状態の模式的拡大断面図である。
図13に示すように、この実施形態では、係合部610は、ハウジング302に形成された突出部653と、表カバー303に形成され、突出部653に係合するように突出部653を収容する収容部663とからなる。ここでは収納部663は、凹部となっている。
突出部653の基端653aから挿入口内壁681までの距離をXとし、突出部653の基端653aから先端653bまでの距離をhとし、収容部663の開口663aから表カバー303の収容部663が形成された表面603dとは反対側の表面603eまでの距離をtとしたときに、X<h+tの関係を満たすように、突出部653と収容部663とが形成されている。
このような突出部653と収容部663とが形成されるので、表カバー303とハウジング302との溶着が剥離した場合であっても、突出部653が収容部663の壁面に引っ掛かり、ハウジング302から表カバー303が脱落することを確実に防止することができる。また、カバー側に、収容部663を設けたことにより、表カバー303の厚さを薄くすることができ、よりスリムな熱式流量計300とすることができる。
また、図14に示すように、収容部663を貫通孔としてもよく、この場合には、表カバー303の厚みに依存せず、突出部653の高さを上述した関係(X<h+t)満たすように調整して設計すれば、係合部610を設けることができるので、カバーの厚みを薄くすることができる。なお、図13に示す表カバー303の収納部(収納凹部)の底面に、図12に示すピン部623と同じ構造のピン部を設け、ハウジング303の突出部653に、ピン部が圧入される孔部を設けてもよい。
図15は、図11に示す表カバーとハウジングを溶着させた状態のさらなる別の実施例にかかる熱式流量計を、吸気管の壁面に取り付けた状態の模式的拡大断面図である。これまでの実施例では、ハウジング302および表カバー303のいずれか一方に突出部を設け、その他方に収容部を設けたが、図15に示すように、ハウジング302および表カバー303に係合するピン部材683を係合部610として個別に設け、ハウジング302にピン部材683が埋設部692と、表カバー303にピン部材683を収容する収容部693とを設けてもよい。
この場合、ハウジング302に突出するように埋設されたピン部材683の根元部683a(ハウジング302の表面に位置するピン部材683の部分)から挿入口内壁681までの距離をX’とし、ピン部材683の根元部683aから先端683bまでの距離をh’とし、表カバー303の収容部693の開口693aから表カバー303の収容部693aが形成された表面603dとは反対側の表面603eまでの距離(図では表カバー303の厚み)をt’としたときに、X’<h’+t’の関係を満たすように、ピン部材683と表カバー303の収容部693とが形成されている。
このようなピン部材683と収容部693とが形成されるので、表カバー303とハウジング302との溶着が剥離した場合であっても、ハウジング302に埋設されたピン部材683がハウジング302の収容部693に引っ掛かり、ハウジング302から表カバー303が脱落することを確実に防止することができる。本実施形態の場合には、ピン部材683は、ハウジング302と表カバー303とのレーザ溶着後に取り付けられるが、たとえば、上述した関係(X’<h’+t’)を満たしつつ、ピン部材683の先端683bが、表カバー303の表面603eから飛び出さないのであれば、ハウジング302と表カバー303とのレーザ溶着前に、ピン部材683が取り付けられてもよい。
本発明は、上述した気体の流量を計測するための計測装置に適用できる。
300…熱式流量計
302…ハウジング
303…表カバー
304…裏カバー
305…外部接続部
306…外部端子
307…補正用端子
310…計測部
320…端子接続部
332…表側副通路溝
334…裏側副通路溝
356…突起部
358…突起部
359…樹脂部
361…外部端子内端
365…繋ぎ部
372…固定部
400…回路パッケージ
412…接続端子
414…端子
424…突出部
430…計測用流路面
432…被覆面
436…熱伝達面露出部
438…開口
452…温度検出部
603…突出部
613…孔部
623…ピン部
633…収容部
653…突出部
663…収容部

Claims (5)

  1. 吸気管内の主通路から取り込まれた被計測気体を流すための副通路と、該副通路を流れる被計測気体との間で熱伝達を行うことにより、前記被計測気体の流量を計測するための流量検出部を備え、前記吸気管に形成された挿入口を介して前記吸気管に取り付けられる熱式流量計であって、
    前記流量検出部が前記副通路内に配置されるように、前記副通路の一部を構成する副通路溝を形成した樹脂製のハウジングと、
    前記副通路溝を覆った状態で前記ハウジングに溶着することにより、前記副通路を成形する樹脂製のカバーと、を備え、
    前記ハウジングと前記カバーを相互に係合する係合部が、前記ハウジングと前記カバーとが溶着された溶着部とは異なり、かつ、前記挿入口の内壁に囲まれた位置に形成されていることを特徴とする熱式流量計。
  2. 前記係合部は、突出部と、該突出部を収容する収容部と、からなり、
    前記カバーおよび前記ハウジングのいずれか一方に突出部が形成され、その他方に前記収容部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の熱式流量計。
  3. 前記突出部は、前記カバーに形成され、前記収容部は前記ハウジングに形成されており、
    前記収容部の開口から前記挿入口の内壁までの距離をA、
    前記突出部の先端から前記カバーの突出部が形成された表面とは反対側の表面までの距離をB、
    としたときに、
    A<Bの関係を満たすように、前記突出部と前記収容部とが形成されていることを特徴とする請求項2に記載の熱式流量計。
  4. 前記突出部は、前記ハウジングに形成され、前記収容部は前記カバーに形成されており、
    前記突出部の基端から前記挿入口内壁までの距離をX、
    前記突出部の基端から先端までの距離をh、
    前記収容部の開口から前記カバーの収容部が形成された表面とは反対側の表面までの距離をt、
    としたときに、
    X<h+tの関係を満たすように、前記突出部と前記収容部とが形成されていることを特徴とする請求項2に記載の熱式流量計。
  5. 前記収容部にはピン部が形成されており、前記突出部には前記ピン部が圧入される孔部が形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の熱式流量計。
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