JP2014184466A - パルスアーク溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】パルスアーク溶接方法を提供し、より具体的には、マグネシウム溶接部の気孔欠陥低減に資する簡便なパルスアーク溶接方法を提供する。
【解決手段】被溶接材と電極との間にアークを発生させて被溶接材を溶接又は補修するパルスアーク溶接方法において、被溶接材と電極との間に流す電流の周波数を略超音波域とし、被溶接材がマグネシウム材を含むこと、を特徴とするパルスアーク溶接方法。
【選択図】なし

Description

本発明はパルスアーク溶接方法に関し、より具体的には、マグネシウム溶接部の気孔欠陥低減に資する簡便なパルスアーク溶接方法に関する。
アーク溶接は、用いる装置が簡易で低コスト等の理由から、現在最も主流な溶接方法の一つであるが、高湿や強風などの厳しい状況下では溶接金属内に水分や空気が混入するため、気孔欠陥が容易に発生する。当該現象はアルミニウム材やマグネシウム材において特に顕著であり、水素をブローホール源とした気孔欠陥の発生が問題となっている。
これに対し、例えば、特許文献1(特開2009−72826号公報)では、溶接ワイヤを送給すると共に、ピーク期間中のピーク電流の通電とベース期間中のベース電流の通電とをパルス周期として繰り返して通電し、溶接電圧値が電圧設定値と略等しくなるようにアーク長の制御を行うパルスアーク溶接制御方法において、切換信号に同期して電圧設定値を周期的に変化させることによってアーク長を周期的に変化させ、かつ、切換信号に同期してピーク期間、ピーク電流又はパルス周期の少なくとも1つ以上のパルスパラメータを変化させ、かつ、切換信号に同期して溶接ワイヤの送給速度を変化させる、パルスアーク溶接制御方法が提案されている。
前記特許文献1に記載されているパルスアーク溶接制御方法においては、切換信号に同期して、電圧設定値、パルスパラメータ及び送給速度を変化させることによって、溶融池へのアーク力が大きく変化し、溶融池を激しく揺動させることができる。その結果、気孔欠陥低減効果を従来技術よりも大きくすることができ、高品質な溶接が可能となるとしている。
また、特許文献2(特開2008−49351号公報)では、溶接母材を加熱して溶融させ、当該溶融部に対して超音波を非接触で照射し、溶融部を振動させながら凝固させる超音波付加溶接方法が提案されている。
前記特許文献2に記載されている超音波付加溶接方法においては、超音波による溶融部の攪拌を均一に行うことができるとともに、溶融手段の移動に同期させて超音波振動子を移動させて溶融部の攪拌を行うことができる。その結果、溶融部の凝固が均一となり、残留応力による溶接割れの発生を抑制することができるとしている。
特開2009−72826号公報 特開2008−49351号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されているパルスアーク溶接制御方法では、各被溶接材の気孔欠陥低減に資する最適なアーク長変化の周期や被溶接材等については言及されていない。
また、上記特許文献2に開示されている超音波付加溶接方法においては、溶接部の気孔欠陥低減効果については全く説明されていない。加えて、溶接機の他に、超音波振を印加するための装置が必要であり、溶接プロセスが極めて複雑となる。
以上のような従来技術における問題点に鑑み、本発明の目的は、パルスアーク溶接方法を提供し、より具体的には、マグネシウム溶接部の気孔欠陥低減に資する簡便なパルスアーク溶接方法を提供することにある。
本発明者は上記目的を達成すべく、パルスアーク溶接方法について鋭意研究を重ねた結果、アークのパルス周波数を最適化し、被溶接材をマグネシウム材とすることで、溶接部の気孔欠陥を効果的に低減できることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、
被溶接材と電極との間にアークを発生させて被溶接材を溶接又は補修するパルスアーク溶接方法において、
前記被溶接材と前記電極との間に流す電流の周波数を略超音波域とし、
前記被溶接材がマグネシウム材を含むこと、
を特徴とするパルスアーク溶接方法を提供する。
なお、ここでいう「溶接又は補修」とは、2枚の被溶接材を突合せ接合する基本的な場合から、複数枚の被溶接材を種々の形態で接合する場合、更には単に被溶接材を溶かす場合も含む概念である。
上記本発明のパルスアーク溶接方法においては、パルス周波数を25kHz以上とすることが好ましく、溶接時に溶融池が被溶接材を貫通する、所謂「貫通溶接」とすることが好ましい。
また、上記本発明のパルスアーク溶接方法においては、溶接又は補修の予備処理として被溶接材の裏面(アークが発生している面とは逆の面)に酸化防止用の油性被膜を形成させ、溶接中におけるマグネシウム材の酸化を防止することが好ましい。
また、上記本発明のパルスアーク溶接方法においては、横向き溶接とすることが好ましい。
本発明によれば、マグネシウム溶接部の気孔欠陥低減に資する簡便なパルスアーク溶接方法を提供することができる。
本発明に用いることができるパルス溶接電源に関する、電気回路概略図の一例である。 本発明に用いることができるパルス溶接電源で得られる、電流および電圧波形の一例である。 溶接機の駆動装置の一例(横向き溶接の場合)である。 AZ31Bマグネシウム合金溶接部の断面写真である。 AZ31Bマグネシウム合金溶接部の気孔率を示した図表である。 片側溶接によって形成させたAZ31Bマグネシウム合金溶接部の断面写真である。 純マグネシウム溶接部の断面写真である。 純マグネシウム溶接部の気孔率を示した図表である。 AZ91Bマグネシウム溶接部の断面写真である。 AZ91Bマグネシウム溶接部の気孔率を示した図表である。 難燃性マグネシウムAMX601溶接部の断面写真である。 難燃性マグネシウムAZX611溶接部の断面写真である。 気孔欠陥低減効果に及ぼす被溶接材質の影響を示した図表である。 防錆油を塗布せずに得られた溶接部の外観写真である。
以下、図面を参照しながら本発明のパルスアーク溶接方法の代表的な実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する場合がある。また、図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、表された各構成要素の寸法やそれらの比は実際のものとは異なる場合もある。
(A)溶接装置
本発明の溶接装置に用いることができる、パルス溶接電源に関する電気回路概略図の一例を図1に示す。交流電源より供給された交流電圧は4つのダイオードからなる整流器で全波整流された後、コンデンサーで平滑化され、直流電圧に変換される。この直流電圧がパルス幅変調回路の制御信号に従って絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)で高速スイッチングされ、パルス電圧を発生させる。
当該パルス電圧は高電圧低電流であるため、高周波トランスで降圧することで低電圧高電流のパルス電圧を得ることができる。なお、パルスアークの周波数は超音波域(16kHz以上)を含む10〜40kHzの範囲で、1kHz毎に細かく設定することができる。
上記パルス溶接電源を用いて得られる、溶接中に流れる1次側の貫通電流を、Agilent Technologies製のオシロスコープで観察した結果を図2に示す。なお、溶接電流は90Aとし、電力周波数は20kHzに設定した。
図2より、電流、電圧ともに約25μsの非常に短い期間での極性の切り替わりが確認できる。当該結果より、上記パルス溶接電源を用いて約20kHzの電力周波数が実現されていることがわかる。
(B)溶接方法
本発明のパルスアーク溶接方法に用いることのできる溶接機の駆動装置の一例に関し、横向き溶接を行う場合の配置を図3に示す。本発明においては、被接合材と溶接トーチ(電極)との間に、種々の周波数を有するパルスアークを発生させ、被接合材又は溶接トーチを移動させることで、溶接を達成することができる。
ここで、パルスアークの周波数は略超音波域とすることが好ましく、25kHz以上とすることがより好ましい。パルスアークの周波数を略超音波域とすることで、溶融池に超音波振動を印加することができ、溶融池中に導入された気体の逸脱が当該振動によって促進されるためである。加えて、パルスアークの周波数を可聴域外である略超音波域とすることで、溶接作業を極めて静かに行うことができる。なお、一般的に16kHz以上の周波数を有する波が超音波と称呼される。
また、溶融池が被溶接材を貫通した状態で溶接する貫通溶接とすることが好ましい。溶接部の気孔欠陥を低減するためには、溶接中に溶融池に導入された気体を除去する必要があるが、貫通溶接とすることで、被溶接材の表面及び裏面の両面から気体を排出することができる。
貫通溶接とする場合、被溶接材の裏面(アークが発生している面とは逆の面)における酸化の進行が問題となる。よって、被溶接材の裏面を不活性ガスでシールドすることが好ましく、溶接の予備処理として、酸化防止用の油性被膜を形成させておくことがより好ましい。
酸化防止用の油性被膜としては、溶接中において被溶接材の裏面を大気中の酸素から保護できるものであれば特に限定されず、例えば、市販の防錆スプレー等を使用することができる。
気孔欠陥を効果的に低減する観点から、溶接姿勢は横向きとすることが好ましい。溶接姿勢を下向きとした場合、溶融池の表面に印加されるアーク圧により、溶融池に発生した気泡の逸脱が阻害されるからである。これに対し、横向き溶接では気泡が容易に溶融池外へと逸脱することができる。
その他、溶接電流、アーク長、溶接速度、シールドガス、および溶接姿勢等の各種溶接条件については、従来使用されている一般的なアーク溶接と同様に、適宜設定することができる。
(C)気孔欠陥低減のメカニズム
上記の本発明のパルスアーク溶接方法においては、パルスアークの周波数を略超音波域とすることで、溶融池中に超音波キャビテーション(液体中に超音波振動を印加した際に、気泡が発生する現象)を発生させることができる。
超音波は加圧と負圧を繰り返す疎密な縦波で構成されている。よって、液体中に超音波を印加すると、圧力の高い加圧状態と圧力の低い負圧状態とが発生する。ここで、負圧状態での圧力が液体中の圧力よりも大きくなった場合、液体中に真空又は減圧状態の空洞が発生する。このように発生した空洞は不安定であるため、液体自身の蒸気や液体中に溶解している気体を容易に取り込むことができ、気泡が形成される。
溶融金属においては、温度の低下に伴い気体の溶解度が低下し、融点付近で急激に減少する。温度低下に伴って溶融金属中に溶解できなくなった気体は、特に溶融金属が凝固する直前に多く放出されることになるため、接合部に気孔欠陥が発生する。よって、接合部の気孔欠陥を低減するためには、溶融金属の凝固以前に気体を排出することが必要となる。
ここで、パルスアークの周波数を略超音波域とし、溶融池中に超音波を印加した場合、上述の通り溶融池中に超音波キャビテーションが発生し、溶融池の温度低下前の溶融初期段階から気泡が強制的に形成される。発生した気泡は溶融池に溶解している気体を吸収した後、気泡自身の浮力や溶融部の対流により、溶融池外へと逸脱することが可能となる。
超音波キャビテーションによって早期に形成された気泡ほど、溶融池が凝固するまでに溶融池外に逸脱する時間が長くなり、溶接部の気孔欠陥が低減される。
(D)被溶接材
本発明のパルスアーク溶接方法は種々の金属材に適用することができるが、どのような溶接態様であっても、マグネシウム材を含んでいることが好ましい。
溶融マグネシウムは760℃で約41cc/100gの水素を溶解することができるが、溶融マグネシウムが凝固して固体になると、マグネシウムの水素貯蔵量は15〜20cc/100gとなることが知られている。よって、溶融池の温度低下に伴う水素の溶解度減少により、少なくとも約20cc/100gの水素が放出され、溶接部における気孔欠陥の原因となる。
マグネシウム溶融池の温度低下に伴う水素の放出量は、他の金属材の場合と比較して多く、溶接部における気孔欠陥が深刻な問題となる。一方で、発明者らが鋭意実験を行った結果、パルスアークの周波数を略超音波域としたパルスアーク溶接の気孔低減効果が、マグネシウム材に対しては他の金属材と比較して顕著に大きいことが確認された(実施例を参照)。
本発明のパルスアーク溶接方法を好適に用いることができるマグネシウム材は特に限定されず、純マグネシウム及び各種マグネシウム合金を用いることができる。マグネシウム合金としては、例えば、展伸材(AZ10A、AZ31B、AZ31C、AZ61A、AZ80A、HK31A、HM21A、HM31A、M1A、WE43A、WE54A、ZC71A、ZK21A、ZK40A、ZK60A)、鋳造材(AM100A、AZ63A、AZ81A、AZ91C、AZ91E、AZ92A、EQ21A、EZ33A、HK31A、HZ32A、K1A、QE22A、WE43A、WE54A、ZC63A、ZE41A、ZE63A、ZH62A、ZK51A、ZK61A)、ダイカスト材(AM60A、AM60B、AS41A、AS41B、AZ91A、AZ91B、AZ91D)等を用いることができる。また、Mg−Al−Mn−Ca合金(AMX材)やMg−Al−Zn−Ca合金(AZX材)等の、カルシウムを添加した難燃性マグネシウム合金に対しても好適に用いることができる。
以上、本発明のパルスアーク溶接方法の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、それら設計変更は全て本発明の技術的範囲に含まれる。また、本発明のパルスアーク溶接方法はマグネシウム材の溶接のみならず、気孔等の欠陥を有するマグネシウム材の補修としても用いることができる。
≪実施例1≫
パルスアークの周波数を10〜40kHzの範囲に設定することができる溶接機を用い、直径1.6mmの2%セリウムを含んだタングステン電極を使用して板厚5mmのAZ31Bマグネシウム合金板に対して貫通溶接を行い、実施溶接部1を得た。用いたAZ31Bマグネシウム合金板の組成を表1に示す。
なお、パルスアーク周波数、アーク長、溶接電流、溶接速度はそれぞれ15kHz、2mm、70A、2mm/minとし、気孔欠陥の発生を意図的に促進させるために、アルゴン−0.3%水素混合ガスをシールドガスとして使用した。また、溶接姿勢は気孔欠陥が溶接部上部に凝集しやすい横向きとし、溶接の予備処理としてAZ31Bマグネシウム合金板の裏面に市販の防錆油を塗布した。
≪実施例2≫
パルスアーク周波数を30kHzとした以外は実施例1と同様にして、実施溶接部2を得た。
≪実施例3≫
パルスアーク周波数を35kHzとした以外は実施例1と同様にして、実施溶接部3を得た。
≪実施例4≫
パルスアーク周波数を40kHzとした以外は実施例1と同様にして、実施溶接部4を得た。
≪実施例5≫
被溶接材を純マグネシウム板とし、パルスアーク周波数を25kHzとした以外は実施例1と同様にして、実施溶接部5を得た。用いた純マグネシウム板の組成を表2に示す。
≪実施例6≫
パルスアーク周波数を30kHzとした以外は実施例5と同様にして、実施溶接部6を得た。
≪実施例7≫
パルスアーク周波数を35kHzとした以外は実施例5と同様にして、実施溶接部7を得た。
≪実施例8≫
パルスアーク周波数を40kHzとした以外は実施例5と同様にして、実施溶接部8を得た。
≪実施例9≫
被溶接材をAZ91マグネシウム合金板とし、パルスアーク周波数を25kHzとした以外は実施例1と同様にして、実施溶接部9を得た。用いたAZ91マグネシウム合金板の組成を表3に示す。
≪実施例10≫
パルスアーク周波数を30kHzとした以外は実施例9と同様にして、実施溶接部10を得た。
≪実施例11≫
パルスアーク周波数を35kHzとした以外は実施例9と同様にして、実施溶接部11を得た。
≪実施例12≫
パルスアーク周波数を40kHzとした以外は実施例9と同様にして、実施溶接部12を得た。
≪実施例13≫
被溶接材をAMX601難燃性マグネシウム合金板とし、パルスアーク周波数を30kHzとした以外は実施例1と同様にして、実施溶接部13を得た。用いたAMX601難燃性マグネシウム合金板の組成を表4に示す。
≪実施例14≫
被溶接材をAZX611難燃性マグネシウム合金板とし、パルスアーク周波数を30kHzとした以外は実施例1と同様にして、実施溶接部14を得た。用いたAZX611難燃性マグネシウム合金板の組成を表5に示す。
≪比較例1≫
市販の交直流用ティグ溶接機Mini Elecon200P(株式会社ダイヘン製)を用い、アーク周波数を60Hzとした以外は実施例1と同様にして、比較溶接部1を得た。
≪比較例2≫
パルスアーク周波数を10kHzとした以外は実施例1と同様にして、比較溶接部2を得た。
≪比較例3≫
溶接中に溶融池が被接合材を貫通しない片側溶接とした以外は実施例1と同様にして、比較溶接部3を得た。
≪比較例4≫
パルスアーク周波数を30kHzとした以外は比較例3と同様にして、比較溶接部4を得た。
≪比較例5≫
パルスアーク周波数を35kHzとした以外は比較例3と同様にして、比較溶接部5を得た。
≪比較例6≫
パルスアーク周波数を40kHzとした以外は比較例3と同様にして、比較溶接部6を得た。
≪比較例7≫
パルスアーク周波数を20kHzとした以外は実施例5と同様にして、比較溶接部7を得た。
≪比較例8≫
市販の交直流用ティグ溶接機Mini Elecon200P(株式会社ダイヘン製)を用い、アーク周波数を60Hzとした以外は実施例5と同様にして、比較溶接部8を得た。
≪比較例9≫
パルスアーク周波数を20kHzとした以外は実施例9と同様にして、比較溶接部9を得た。
≪比較例10≫
市販の交直流用ティグ溶接機Mini Elecon200P(株式会社ダイヘン製)を用い、アーク周波数を60Hzとした以外は実施例9と同様にして、比較溶接部10を得た。
≪比較例11≫
被溶接材をA5083アルミニウム合金板とした以外は実施例1と同様にして、比較溶接部11を得た。用いたA5083アルミニウム合金板の組成を表6に示す。
≪比較例12≫
市販の交直流用ティグ溶接機Mini Elecon200P(株式会社ダイヘン製)を用い、アーク周波数を60Hzとした以外は比較例11と同様にして、比較溶接部12を得た。
≪比較例13≫
被溶接材をA6061アルミニウム合金板とした以外は実施例1と同様にして、比較溶接部13を得た。用いたA6061アルミニウム合金板の組成を表7に示す。
≪比較例14≫
市販の交直流用ティグ溶接機Mini Elecon200P(株式会社ダイヘン製)を用い、アーク周波数を60Hzとした以外は比較例13と同様にして、比較溶接部14を得た。
≪比較例15≫
被溶接材をA1050アルミニウム板とした以外は実施例1と同様にして、比較溶接部15を得た。用いたA1050アルミニウム板の組成を表8に示す。
≪比較例16≫
市販の交直流用ティグ溶接機Mini Elecon200P(株式会社ダイヘン製)を用い、アーク周波数を60Hzとした以外は比較例15と同様にして、比較溶接部16を得た。
≪比較例17≫
被溶接材をA7075アルミニウム合金板とした以外は実施例1と同様にして、比較溶接部17を得た。用いたA7075アルミニウム合金板の組成を表9に示す。
≪比較例18≫
市販の交直流用ティグ溶接機Mini Elecon200P(株式会社ダイヘン製)を用い、アーク周波数を60Hzとした以外は比較例17と同様にして、比較溶接部18を得た。
≪比較例19≫
被溶接材をA2017アルミニウム合金板とした以外は実施例1と同様にして、比較溶接部19を得た。用いたA2017アルミニウム合金板の組成を表10に示す。
≪比較例20≫
市販の交直流用ティグ溶接機Mini Elecon200P(株式会社ダイヘン製)を用い、アーク周波数を60Hzとした以外は比較例19と同様にして、比較溶接部20を得た。
≪比較例21≫
被溶接材をニッケル板とした以外は実施例1と同様にして、比較溶接部21を得た。用いたニッケル板の組成を表11に示す。
≪比較例22≫
市販の交直流用ティグ溶接機Mini Elecon200P(株式会社ダイヘン製)を用い、アーク周波数を60Hzとした以外は比較例21と同様にして、比較溶接部22を得た。
≪比較例23≫
溶接の予備処理としてAZ31Bマグネシウム合金板の裏面に市販の防錆油を塗布しなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較溶接部23を得た。
[評価]
AZ31Bマグネシウム合金に関する実施溶接部1〜実施溶接部4及び、比較溶接部1及び2の断面写真及び気孔率を、図4及び図5にそれぞれ示す。断面形状が変形しているのは重力の影響であり、溶接は写真における試料の右側から行われている。通常のティグ溶接(60Hz)及びパルスアーク周波数が10kHzの場合、溶接部における顕著な気孔欠陥が観察されるが、パルスアーク周波数が15kHz〜40kHzの場合には完全に気孔欠陥が消失していることが確認できる。
AZ31Bマグネシウム合金の片側溶接に関する比較溶接部3〜比較溶接部6の断面写真を図6に示す。AZ31Bマグネシウム合金の貫通溶接に関する結果を示した図4と比較すると、片側溶接では溶接部に気孔欠陥が残存していることが分かる。当該結果より、超音波キャビテーションを利用した溶接部の気孔欠陥低減には、貫通溶接が効果的であることが分かる。
純マグネシウムに関する実施溶接部5〜実施溶接部8及び、比較溶接部7及び8の断面写真及び気孔率を、図7及び図8にそれぞれ示す。通常のティグ溶接(60Hz)及びパルスアーク周波数が20kHzの場合、溶接部における顕著な気孔欠陥が観察されるが、パルスアーク周波数が25kHz〜40kHzの場合には気孔欠陥の形成が抑制されていることが確認できる。
AZ91Bマグネシウム合金に関する実施溶接部9〜実施溶接部12及び、比較溶接部9及び10の断面写真及び気孔率を、図9及び図10にそれぞれ示す。通常のティグ溶接(60Hz)の場合、溶接部における顕著な気孔欠陥が観察されるが、パルスアーク周波数が20kHz〜40kHzの場合には気孔欠陥の形成が抑制されていることが確認できる。特に、30kHzにおいて気孔欠陥の低減効果が顕著である。
難燃性マグネシウムAMX601に関する実施溶接部13及び難燃性マグネシウムAZX611に関する実施溶接部14の断面写真を図11及び図12にそれぞれ示す。溶接部には気孔欠陥が全く観察されず、本発明のパルスアーク溶接方法が効果的に作用していることが確認できる。
本発明のパルスアーク溶接方法の気孔欠陥低減効果に及ぼす被溶接材質の影響を図13に示す(マグネシウム合金の結果(実施溶接部1及び比較溶接部1)とその他の金属材の結果(比較溶接部11〜比較溶接部22)との比較)。本発明のパルスアーク溶接方法によって、マグネシウム合金溶接部の気孔欠陥はほぼ完全に消失しているのに対し、その他の金属に関しては気孔欠陥低減効果がある程度認められるものと全く認められないものが存在する。加えて、マグネシウム合金に関する気孔低減効果は、気孔欠陥低減効果がある程度認められる純アルミニウム及びアルミニウム合金の結果と比較しても、明らかに顕著である。
裏面に防錆油を塗布せずにパルスアーク溶接を施して得られた比較溶接部23の裏面外観写真を図14に示す。顕著な酸化が観察され、良好な継手が得られていないことが分かる。

Claims (5)

  1. 被溶接材と電極との間にアークを発生させて前記被溶接材を溶接又は補修するパルスアーク溶接方法において、
    前記被溶接材と前記電極との間に流す電流の周波数を略超音波域とし、
    前記被溶接材がマグネシウム材を含むこと、
    を特徴とするパルスアーク溶接方法。
  2. 前記周波数を25kHz以上とすること、を特徴とする請求項1に記載のパルスアーク溶接方法。
  3. 溶接時に溶融池が前記被溶接材を貫通すること、を特徴とする請求項1又は2に記載のパルスアーク溶接方法。
  4. 前記溶接又は前記補修の予備処理として前記被溶接材の裏面に酸化防止用の油性被膜を形成させること、を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパルスアーク溶接方法。
  5. 横向き溶接であること、を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のパルスアーク溶接方法。
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