JP2014184355A - 汚泥処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】汚泥の濃縮濃度を高めて消化槽に返送することにより、消化槽での消化効率を向上させることができる汚泥処理システムを提供する。
【解決手段】汚泥処理システム10は、有機性排水を消化槽12で処理した消化汚泥を固液分離して濃縮する固液分離装置13と、固液分離装置13からの濃縮汚泥を消化槽12の入口側に返送する返送ライン14とを備え、固液分離装置13には、ろ布ベルト17の上面17aで消化汚泥を搬送しながら重力ろ過する濃縮部18と、濃縮部18を搬送される汚泥をろ布ベルト17による搬送方向と交差する方向に移動させる移動機構20とを備えられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、消化槽からの消化汚泥を処理する汚泥処理システムに関する。
従来より一般的な下水処理設備等では、下水等の有機性排水を嫌気性微生物によるメタン発酵によって消化処理する消化槽(嫌気性消化槽)が用いられている。消化槽を用いることにより、排水処理と同時に、有用なメタンガスを回収することができる。
例えば、特許文献1には、下水処理設備において、消化槽からの消化汚泥を遠心分離装置等の固液分離装置で固液分離し、分離した濃縮汚泥を消化槽に返送するシステムが開示されている。
特開2005−313120号公報
上記特許文献1のような下水処理設備では、消化槽での汚泥の滞留時間を可及的に増加させ、消化効率を向上させることが求められており、そのためには、消化槽の前段に返送する濃縮汚泥の濃縮濃度を向上させることが重要となる。ところが、特許文献1の構成では、固液分離装置として従来から一般的に用いられている遠心分離装置等を用いているため、濃縮汚泥の濃縮濃度を大幅に高めることは難しく、消化槽での汚泥の滞留時間を増加させてその消化効率を高めるためには、消化槽を大型化するか、又は、固液分離装置を大型化して濃縮濃度を高める必要があり、システムの設置スペースが増大することになる。
本発明は、上記従来の問題を考慮してなされたものであり、汚泥の濃縮濃度を高めて消化槽に返送することにより、消化槽での消化効率を向上させることができる汚泥処理システムを提供することを目的とする。
本発明に係る汚泥処理システムは、有機性排水を消化槽で処理した消化汚泥を固液分離して濃縮する固液分離装置と、該固液分離装置からの濃縮汚泥を前記消化槽の入口側に返送する返送ラインとを備える汚泥処理システムであって、前記固液分離装置は、ろ過体の上面で前記消化汚泥を搬送しながら重力ろ過する濃縮部と、該濃縮部を搬送される汚泥を前記ろ過体による搬送方向と交差する方向に移動させる移動機構とを備えることを特徴とする。
このような構成によれば、濃縮部を搬送される汚泥をその搬送方向と交差する方向に移動させる移動機構を固液分離装置に設けたため、ろ過体上で搬送されつつ重力ろ過される汚泥は、その搬送方向と交差する方向に移動させられてその幅方向寸法が縮小され、その高さが増加して圧密されるため、固液分離装置を大型化することなく、汚泥を効率よく濃縮し、その濃縮濃度を高めることができる。これにより、固液分離装置で高い濃縮濃度となった濃縮汚泥を返送ラインによって消化槽の入口側へと返送することができるため、消化槽内での有機物量を増やし、その結果槽内での汚泥の滞留時間を大幅に向上させることが可能となるため、消化槽を大型化することなく、その消化効率を大幅に向上させることができ、システム全体の設置スペースが増大することを回避できる。
前記移動機構は、前記ろ過体による汚泥の搬送方向と交差する方向に延び、その回転によって汚泥を移動させるスクリューを有し、前記ろ過体による汚泥の搬送方向で前記スクリューの下流側であって該スクリューと近接する位置に、前記スクリューによる汚泥の移動を案内する案内板を起立させると、案内板で汚泥をせき止めながらスクリューによって移動させることができ、汚泥を効率的に圧搾し、その濃縮濃度を一層高めることができる。
前記濃縮部を搬送される汚泥に対して、前記移動機構より上流側で薬剤を添加する薬注装置を備えると、移動機構によって薬剤を汚泥中に均一に混練することができ、汚泥の濃縮濃度を一層高めることができる。
前記固液分離装置は、前記移動機構から排出された汚泥を加圧脱水する1次脱水部を備えると、移動機構で圧密された汚泥を1次脱水部で再び扁平に広げながら加圧脱水することができ、汚泥の濃縮濃度を一層高めることができる。
前記返送ラインには、前記濃縮汚泥を脱水処理する脱水装置と、前記濃縮汚泥を前記消化槽の入口側に供給するか、又は、前記脱水装置に供給するかを切り換える経路切換装置とが接続されていると、濃縮汚泥の一部を消化槽に返送し、残部を脱水装置で脱水処理することができる。このため、消化槽での汚泥の滞留時間を可及的に長くしつつ、返送しない濃縮汚泥を脱水ケーキとして排出することができる。
前記固液分離装置は、前記1次脱水部の後段に設けられ、前記1次脱水部から排出される汚泥をさらに加圧脱水する2次脱水部を備え、前記1次脱水部から排出される汚泥を前記返送ラインに供給するか、又は、前記2次脱水部に供給するかを切り換える投入先切換装置を備えてもよい。これによっても、濃縮汚泥の一部を消化槽に返送し、残部を2次脱水部で脱水処理することができるため、消化槽での汚泥の滞留時間を可及的に長くしつつ、返送しない濃縮汚泥を脱水ケーキとして排出することができる。
本発明によれば、固液分離装置を大型化することなく、汚泥を効率よく濃縮し、その濃縮濃度を高めることができ、消化槽での汚泥の滞留時間と消化効率を大幅に向上させることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る汚泥処理システムを備えた処理施設の構成図である。 図2は、図1に示す固液分離装置の全体構成を示す側面図である。 図3は、図2に示す固液分離装置の平面図である。 図4は、図3に示す固液分離装置の移動機構周辺部を拡大した説明図である。 図5は、本発明の第2の実施形態に係る汚泥処理システムを備えた処理施設の構成図である。 図6は、図5に示す固液分離装置の全体構成を示す側面図である。
以下、本発明に係る汚泥処理システムについて好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
1.第1の実施形態に係る汚泥処理システムの説明
図1は、本発明の第1の実施形態に係る汚泥処理システム10を備えた処理施設11の構成図である。本実施形態に係る汚泥処理システム10は、下水や工場排水等の有機性排水を嫌気性微生物を用いたメタン発酵によって消化処理する消化槽12と共に処理施設11を構成するものであり、消化槽12で消化処理された有機性排水を固液分離装置13によって固液分離し、固液分離後の濃縮汚泥を返送ライン14によって消化槽12の入口側へと返送するシステムである。
図1に示すように、処理施設11は、消化槽12と、固液分離装置13及び返送ライン14を有する汚泥処理システム10と、返送ライン14の途中に経路切換装置15を介して接続された脱水装置16とを備える。消化槽12は、例えば、図示しない沈殿池や反応槽から供給される有機性排水を嫌気性微生物によって消化処理(嫌気性消化処理)するものであり、一般的に用いられる公知のものでよい。
1.1 固液分離装置の説明
先ず、固液分離装置13の構成について説明する。図2は、図1に示す固液分離装置13の全体構成を示す側面図であり、図3は、図2に示す固液分離装置13の平面図である。
図2及び図3に示すように、固液分離装置13は、無端軌道で走行するろ布ベルト(ろ過体)17の上面17aで汚泥を重力ろ過(重力濃縮)する濃縮部18と、濃縮部18を搬送される汚泥をろ布ベルト17による搬送方向と交差する方向に移動させる移動機構20と、濃縮部18で重力ろ過された汚泥を1次脱水ローラ22によって加圧脱水する1次脱水部23とを備える。固液分離装置13の直前には、凝集混和槽24が設けられている。凝集混和槽24は、消化槽12から出口管25によって当該固液分離装置13へと搬送される消化汚泥中に、高分子凝集剤(第1の薬剤)F1を混合するためのものである。高分子凝集剤F1としては、一般に公知のものを用いればよく、例えば、アニオン性高分子凝集剤やカチオン性高分子凝集剤が挙げられる。
濃縮部18は、複数のローラ19a,19b,19c,19d,19eに巻き掛けられ、一方向に周回駆動される無端状のろ布ベルト17の上面(外周面)17aで構成され、ローラ19a,19e間に張られたろ布ベルト17の上面17aに汚泥が載置されることで、該汚泥に含まれる水分を重力によってろ過分離する手段である。
ろ布ベルト17は、例えば、通水性を持った長尺帯状のろ布や、微細な孔部が網目状に複数形成された長尺帯状の金属スクリーン等によって構成される。ろ布ベルト17は、十分な張力で各ローラ19a〜19eに巻き掛けられており、図示しないモータ等の駆動源により、図2中に示す矢印の方向(図2では反時計方向)に走行可能である。すなわち、図2及び図3において、右側(上流側)から左側(下流側)に向かう方向が濃縮部18での汚泥の搬送方向となる。
従って、濃縮部18の上流位置に凝集混和槽24の出口ポート24aから投入・載置された汚泥(消化汚泥)は、ろ布ベルト17によって下流側へと搬送されつつ、水分のみが重力によってろ布ベルト17を透過してろ過脱水される。ろ過された水分(分離液、ろ液)は、ろ液受皿32a,32bで回収されて外部に排出される(図2参照)。
ろ布ベルト17の上方には、複数本(図3では、移動機構20の前後に合計12本の構成を例示)の棒体34が立設されている。棒体34は、ろ布ベルト17上を搬送される汚泥に当接して分散させ、その水切りを促進するための障害物であり、その設置位置や本数、形状等は、適宜変更可能である。なお、移動機構20の上流側に設置されている棒体34については、その一部を1次脱水ローラ22と同様なローラ(図示せず)に置き換えてもよい。その場合、該ローラとろ布ベルト17の間には若干の隙間を設けるとよく、該ローラは脱水用としてではなく簡易的な水切り用として用いられる。該ローラは複数あっても構わない。
濃縮部18における移動機構20の上流側には、搬送される汚泥に対して鉄系の無機凝集剤(第2の薬剤)F2を添加する第2薬注装置(薬注装置)36が設けられている。第2薬注装置36は、無機凝集剤F2を貯留する薬品タンク36aと、薬品タンク36aの出口から2方弁36bで分岐した第1ライン36c及び第2ライン36dとを備える。無機凝集剤F2としては、一般に公知のものを用いればよく、例えば、鉄系やアルミ系のものが挙げられる。
図3に示すように、本実施形態では、第1ライン36cをさらに並列に2本に分岐させ、これら2本の第1ライン36c,36cを移動機構20の上流位置でろ布ベルト17の幅方向に渡って延在させ、ろ布ベルト17の両側部近傍にそれぞれ添加ノズル36eを設けている。勿論、第1ライン36cを分岐させずに1本のままで用いてもよい。図2中に破線で示すように、第2ライン36dは、凝集混和槽24へと投入される汚泥に無機凝集剤F2を添加可能に配設されており、図示はしないが第1ライン36cの添加ノズル36eと同様な構成でよい。本実施形態の通常の運転状態では、図示しない制御装置の制御下に、2方弁36bは第1ライン36c側に切換制御されている。
一方、上記した高分子凝集剤F1は、本実施形態の通常の運転状態では、第1薬注装置38によって凝集混和槽24に投入される直前の汚泥に添加される。第1薬注装置38は、高分子凝集剤F1を貯留する薬品タンク38aと、薬品タンク38aの出口から2方弁38bで分岐した第1ライン38c及び第2ライン38dとを備える。
図2に示すように、第1ライン38cは、凝集混和槽24へと投入される汚泥に対し、第2薬注装置36の第2ライン36dの下流位置で高分子凝集剤F1を添加可能に配設されている。図3中に破線で示すように、第2ライン38dは、第2薬注装置36の第1ライン36cの上流位置でろ布ベルト17の幅方向に渡って延在し、ろ布ベルト17の両側部近傍にそれぞれ添加ノズル38eが設けられている。本実施形態の通常の運転状態では、図示しない制御装置の制御下に、2方弁38bは第1ライン38c側に切換制御されている。
通常の運転時、第1薬注装置38からの高分子凝集剤F1が添加された汚泥が導入される凝集混和槽24は、汚泥が貯留されるタンク24bと、タンク24b内の汚泥をモータ24cを駆動源として攪拌する攪拌羽根24dとを備える。攪拌羽根24dによってタンク24b内で高分子凝集剤F1が十分に混合された汚泥は、出口ポート24aからろ布ベルト17の上面17aに投入される。
次に、このような濃縮部18の途中に設けられる移動機構20は、ろ布ベルト17上を搬送される汚泥をスクリューコンベアによって交差方向(図3では直交方向)に移動させつつ、その幅方向寸法を縮小すると同時に汚泥高さを高くすることで圧密する。これにより、移動機構20は、第2薬注装置36によって添加された無機凝集剤F2を十分に混練することができ、濃縮部18及び1次脱水部23での汚泥のろ過効率を向上させ、汚泥濃度を高めることを可能とする。
移動機構20は、ろ布ベルト17の上面17aの上流側全面に向かって開口して汚泥を受け入れ可能となっており、ろ布ベルト17による搬送方向と直交する方向に汚泥を移動させる一対のスクリュー40a,40bと、スクリュー40a,40bの下流側に近接配置され、ろ布ベルト17の幅方向両端側にそれぞれ起立配置された一対の案内板42a,42bとを備える。移動機構20では、案内板42a,42b間の隙間(各スクリュー40a,40b間の隙間と略同一)が、当該移動機構20から下流側へと汚泥を排出するための通路(汚泥通路43)となっている。
スクリュー40a,40bは、ろ布ベルト17による汚泥の搬送方向と直交する方向に延びて該ろ布ベルト17を幅方向に渡るスクリュー軸44と、スクリュー軸44の中央付近を除く両側方の外周面にそれぞれらせん状に設けられたスクリュー羽根41a,41bとを有する。
スクリュー軸44は、図示しない軸受によって両端部がろ布ベルト17の幅方向外側位置で軸支され、例えば、ろ布ベルト17を巻き掛けたローラ19aに対し、チェーンやベルト等の可撓性動力伝達部材39(図2中の2点鎖線参照)によって連係されることで、ろ布ベルト17の走行に伴って回転可能である。ろ布ベルト17の走行動作とスクリュー軸44の回転動作とを同期させる構成とすると、可撓性動力伝達部材39を巻き掛ける各軸の径を適宜設計し又は図示しない減速装置等を搭載することにより、ろ布ベルト17による汚泥の搬送速度と、スクリュー軸44の回転速度(つまり、スクリュー40a,40bによる汚泥の移動速度)との関係を容易に設定・制御することができる。勿論、スクリュー軸44を独自に回転駆動するモータ等の駆動源を設けてもよい。
各スクリュー40a,40bを構成するスクリュー羽根41a,41bは、ろ布ベルト17の幅方向両側方に寄った位置でスクリュー軸44の外周面にそれぞれ設けられ、互いの先端同士が案内板42a,42b間の隙間と同程度の隙間を介して対向している。各スクリュー羽根41a,41bのらせんの方向は、ろ布ベルト17の中心線で対照形状(逆向き)となっており、各スクリュー40a,40bによる汚泥の移動方向は、それぞれ反対方向に設定されている。このため、各スクリュー40a,40bは、互いにろ布ベルト17の幅方向で外側から内側(中央)に向かって汚泥を移動させ、その先端同士が前記隙間を介して離間した中央部では、両外側から移動された汚泥同士が互いに押し合って圧密され、無機凝集剤F2が汚泥中で十分に混練される。各スクリュー40a,40bは、共通のスクリュー軸44を用いた構成ではなく、それぞれ個別のスクリュー軸を用いた構成としてもよい。
本実施形態の場合、スクリュー軸44の中央部、つまり各スクリュー40a,40b間で露出したスクリュー軸44の外周面に、ろ布ベルト17の幅方向中央側を搬送されてきた汚泥と、一対のスクリュー40a,40bによって中央に圧密された汚泥とを下流側へと円滑に排出するためのパドル45が複数枚設けられている。パドル45は、例えば、スクリュー軸44の外周面に周方向に沿って数枚一組で設けられた羽根車である。
案内板42a,42bは、スクリュー40a,40bの下流側であって該スクリュー40a,40bと近接する位置で起立した壁部46と、壁部46の下端をろ布ベルト17による汚泥の搬送方向で上流側へと湾曲させて突出させることでスクリュー40a,40bの下方略半分を覆う底部47とを有する。各案内板42a,42bの中央側の端部には、ろ布ベルト17による汚泥の搬送方向に沿って下流側へと延びた一対の通路板48a,48bがそれぞれ設けられている。各案内板42a,42b間の隙間は、各スクリュー40a,40bによる汚泥の移動方向で前方側に位置しており、この隙間が下流側へと汚泥を排出するための汚泥通路43を形成している。
壁部46は、スクリュー40a,40bの高さと同程度の高さに設定される板状部材であり、その高さは適宜変更可能である。底部47は、図2に示すように、壁部46の下端から搬送方向で上流側に向かって、スクリュー40a,40bの略中心となる位置まで突出形成される板状部材であり、その長さは適宜変更可能である。案内板42a,42bを構成する壁部46や底部47には、微細な孔部を多数形成したスクリーン等を用いてもよい。
各通路板48a,48bは、スクリュー羽根41a,41b間や案内板42a,42b間に形成される隙間と同幅の隙間を挟んで互いに対面するように起立設置されている。通路板48a,48bは、スクリュー40a,40bによってろ布ベルト17の中央付近に圧密された汚泥を、下流側への円滑に排出するための通路を形成する壁部材であり、壁部46と同程度の高さに設定される。なお、実際上、スクリュー40a,40bによって中央に圧密された汚泥は、ろ布ベルト17の走行により、一対の案内板42a,42b(壁部46)間に形成された汚泥通路43から下流側へと搬送されるため、通路板48a,48bは省略することもできるが、通路板48a,48bを設けると、中央に圧密され、高さを増した汚泥を下流側へとより円滑に搬送することができる。
1次脱水部23は、ろ布ベルト17に対してその外周面が圧接配置される1次脱水ローラ22を備え、この1次脱水ローラ22とろ布ベルト17の上面17aとの間で汚泥を加圧脱水する。濃縮部18でろ過濃縮されると共に、移動機構20で無機凝集剤F2が十分に混練され、圧密によって高さを増した汚泥は、1次脱水部23で加圧脱水された後、返送ライン14へと供給される。
1.2 返送ラインの説明
次に、返送ライン14の構成について説明する。
図1に示すように、返送ライン14は、固液分離装置13から排出される濃縮汚泥を消化槽12への入口管50に導入し、消化槽12内へと返送するラインであり、その途中に経路切換装置15を介して脱水装置16が接続されている。脱水装置16は、固液分離装置13からの濃縮汚泥を脱水可能なものであればよく、一般的に用いられる公知のベルトプレス型脱水装置やスクリュープレス型脱水装置等でよい。
経路切換装置15は、固液分離装置13からの濃縮汚泥を消化槽12への入口管50側へと流通させるか、又は、脱水装置16側へと流通させるかを切換可能な2方弁構造を有する。経路切換装置15から返送ライン14をそのまま搬送され、入口管50へと導入された濃縮汚泥は、再び消化槽12で嫌気性消化処理を受ける。脱水装置16へと導入された濃縮汚泥は、脱水装置16でさらなる脱水処理を受け、分離液及び脱水ケーキとして外部に排出される。
経路切換装置15の切換制御タイミングは、基本的には、消化槽12から出口管25によって消化汚泥を抜き出すタイミングに応じて、消化槽12内に投入される汚泥量が一定となるように決定される。すなわち、消化槽12から出口管25によって消化汚泥が連続的に引き抜かれる場合には、経路切換装置15もこれに応じて濃縮汚泥を連続的に消化槽12へと再投入させるために入口管50側に切換えられる。また、消化槽12から出口管25によって消化汚泥が断続的に引き抜かれる場合には、経路切換装置15もこれに応じて濃縮汚泥を断続的に消化槽12へと再投入させるために入口管50に断続的に切換され、残りは脱水装置16側に切換られて濃縮汚泥を脱水装置16に供給する。なお、断続的に消化槽12に濃縮汚泥を再投入する場合には、濃縮汚泥を貯留可能なバッファタンクを設け、消化槽12に戻されない濃縮汚泥を該バッファタンクに一時貯留しておき、その後消化槽12の再投入するようにしてもよい。以上により、固液分離装置13からの濃縮汚泥は、一部又は全部が消化槽12へと再投入され、残部が脱水装置16に導入される。経路切換装置15は、濃縮汚泥を入口管50側又は脱水装置16側へと選択的に切換可能な構成以外でもよく、濃縮汚泥を入口管50側及び脱水装置16側へと同時に所定の配分率で供給可能な構成であってもよい。
1.3 第1の実施形態に係る汚泥処理システムの動作の説明
次に、以上のように構成される汚泥処理システム10の動作について、汚泥処理システム10を図1に示すように処理施設11に適用した場合を例示して説明する。
処理施設11では、図1に示すように、所定の沈殿池等を経た処理対象である有機性排水が入口管50から消化槽12へと供給されると、この消化槽12で有機性排水を嫌気性消化処理すると共に、汚泥処理システム10で消化汚泥の濃縮・脱水、及び消化槽12への返送を行う。
この際、本実施形態に係る汚泥処理システム10では、固液分離装置13において、出口管25から供給される消化汚泥は、先ず、第1薬注装置38の第1ライン38cによって所定の高分子凝集剤F1が添加された状態で凝集混和槽24に導入される。凝集混和槽24のタンク24b内に導入された汚泥は、攪拌羽根24dによって十分に攪拌・混合されてフロック化し、出口ポート24aからろ布ベルト17の上面17aの上流側に投入される。
ろ布ベルト17上に投入された汚泥は、走行するろ布ベルト17によって濃縮部18を搬送され、途中で棒体34による水切り促進作用を受けながら重力ろ過される。この間、図3及び図4に示すように、ろ布ベルト17の幅方向で両側方を搬送される汚泥に対し、第2薬注装置36の添加ノズル36eから所定の無機凝集剤F2が滴下されつつ、該汚泥は移動機構20に到達する。
図4に示すように、移動機構20では、ろ布ベルト17の幅方向で両側方を搬送され、無機凝集剤F2が搬送方向に連続する帯状に添加された汚泥は、各スクリュー40a,40bの回転に巻き込まれると、案内板42a,42bによって案内されつつ、中央部に向かって押し込まれながら移動する。この際、回転するスクリュー羽根41a,41bによって一定間隔で切断されつつ移動される小さな汚泥の各塊には、それぞれ無機凝集剤F2が付着している。
無機凝集剤F2を伴いながらスクリュー40a,40bで移動された汚泥は、ろ布ベルト17の中央部(中心部)を搬送されてきた汚泥と混合される。同時に、各スクリュー40a,40bによる押出力によってろ布ベルト17の中央部で汚泥同士が押し潰され合って圧密される。これにより、汚泥は、その幅方向寸法が縮小して高さ(嵩)が増加した状態で、パドル45の回転力も付与されながら汚泥通路43を通って通路板48a,48b間から下流側へと排出され、この間にも、ろ布ベルト17による重力ろ過が継続されて所望の濃縮濃度まで濃縮される。なお、スクリュー40a,40bの前後位置においてもろ布ベルト17が走行しているため、パドル45を省略した構成としても、スクリュー40a,40bによって圧密された汚泥を、案内板42a,42b間の開口部である汚泥通路43から下流側へと円滑に排出することは勿論可能である。
このような濃縮部18での濃縮過程において、例えば、図2及び図3に示すように、濃縮部18の入口側にろ布ベルト17の幅方向で幅W1に広がって高さh1で投入された汚泥は、移動機構20から排出される際には、幅W1より狭い幅W2に縮小されるため、その平面視での表面積の低下分だけ高さ方向寸法が増して高さh2となり、十分に圧密された状態となっている。このため、汚泥の濃縮濃度は、一般的な濃縮装置で通常の重力ろ過のみを受けた場合に比べて大幅に高まる。また、移動機構20より下流側では汚泥高さが増しているため、その自重によって重力ろ過の効率が一層向上し、しかも無機凝集剤F2がスクリュー40a,40bによって十分に混練されている。従って、移動機構20までの時点で十分に脱水され濃縮された汚泥であっても、さらに重力ろ過による濃縮を促進することができる。さらに、スクリュー40a,40bで汚泥を中央部へと移動させる際に、案内板42a,42bとスクリュー羽根41a,41bの回転力とによって汚泥が移動しながら圧搾されるため、汚泥の濃縮がさらに高まることになる。この際、スクリュー40a,40bによって圧搾された汚泥の水分は、壁部46から底部47を伝って流れ、ろ布ベルト17によってろ過される。
移動機構20によって圧密された汚泥は、その下流側の棒体34による水切り促進作用を受けつつ、さらに下流側へと搬送されて1次脱水部23に導入される。1次脱水部23に導入された汚泥は、1次脱水ローラ22とろ布ベルト17との間で挟持加圧されることで幅W2から幅W3へと広がり、高さh2より低い高さh3となりながら加圧脱水される。
続いて、1次脱水部23から排出された濃縮汚泥は返送ライン14へと供給され、経路切換装置15の所定の切換制御タイミングにより、一部又は全部が入口管50から消化槽12へと再投入され、再び嫌気性消化処理を受ける一方、残部は脱水装置16へと導入され、さらなる脱水処理を受けて脱水ケーキとして外部に排出される。
2.第2の実施形態に係る汚泥処理システムの説明
図5は、本発明の第2の実施形態に係る汚泥処理システム10aを備えた処理施設11aの構成図である。本実施形態に係る汚泥処理システム10aは、上記第1の実施形態に係る汚泥処理システム10に対して、固液分離装置13に代えて固液分離装置13aを備えると共に、固液分離装置13aの途中に返送ライン14が接続されている点が相違している。
本実施形態に係る汚泥処理システム10aについても、上記第1の実施形態に係る汚泥処理システム10と同様、有機性排水を嫌気性微生物を用いたメタン発酵によって消化処理する消化槽12と共に処理施設11aを構成するものであり、消化槽12で消化処理された有機性排水を固液分離装置13aによって固液分離し、固液分離後の濃縮汚泥を返送ライン14によって消化槽12の入口側へと返送するシステムである。以下、第2の実施形態に係る汚泥処理システム10aにおいて、上記第1の実施形態に係る汚泥処理システム10と同一又は同様な機能及び効果を奏する要素には同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
2.1 固液分離装置の説明
固液分離装置13aの構成について説明する。図6は、図5に示す固液分離装置13aの全体構成を示す側面図である。
図6に示すように、固液分離装置13aは、図2及び図3に示す固液分離装置13と同様な濃縮部18、移動機構20、及び1次脱水部23と、これらの後段に設けられ、1次脱水部23から排出・落下された濃縮汚泥をさらに加圧脱水する2次脱水部51とを備える。濃縮部18、移動機構20、及び1次脱水部23については、図2及び図3に示す固液分離装置13と同様な構成であるため詳細な説明を省略する。
図6に示すように、2次脱水部51は、1次脱水部23の出口から投入先切換装置60を介して投入された汚泥を一対のろ布ベルト61,62間で搬送しながら加圧脱水する前段部49と、前段部49で脱水された汚泥をさらに加圧し圧搾する圧搾部52とを備えたベルトプレス型脱水機である。
下側のろ布ベルト61は、例えば、通水性を持った長尺帯状のろ布や、微細な孔部が網目状に複数形成された長尺帯状の金属スクリーン等によって構成される。ろ布ベルト61は、十分な張力で複数のローラ21a,21b,21c,21d,21e,21f,21g,21h,21i,21j,21k,21l,21m,21n間に巻き掛けられており、図示しないモータ等の駆動源により、図6中に示す矢印の方向(図6では時計方向)に走行可能である。
略同様に、上側のろ布ベルト62についても、例えば、通水性を持った長尺帯状のろ布や、微細な孔部が網目状に複数形成された長尺帯状の金属スクリーン等によって構成される。ろ布ベルト62は、十分な張力で複数のローラ21o,21b,21c,21d,21e,21f,21g,21h,21i,21j,21p,21q間に巻き掛けられており、図示しないモータ等の駆動源により、図6中に示す矢印の方向(図6では反時計方向)に走行可能である。
ローラ21b〜21i間での下のろ布ベルト61と上のろ布ベルト62との外周面(表面)同士を上下に蛇行させながら当接又は近接配置した部分が、前段部49を構成しており、この間で汚泥は十分に加圧脱水される。また、ローラ21j,21p間での下のろ布ベルト61と上のろ布ベルト62との外周面同士を当接又は近接配置した部分が、圧搾部52を構成しており、圧搾ローラとなるローラ21j,21p間で汚泥はさらに加圧されて圧搾され、所望の水分率の脱水ケーキとなって外部に排出される。
2次脱水部51の入口付近には、ろ布ベルト61上へと落下・投入された汚泥の高さをある程度均一化させ、ろ布ベルト61,62間に形成された前段部49の入口49aへと円滑に導入するための均し板53が設けられている。均し板53は、1次脱水部23からろ布ベルト61上への汚泥の落下位置のやや下流側上方に配置され、入口49aに向かって次第に下方に傾斜したプレート部材であり、汚泥を下方に押さえつける方向に付勢された板ばね部材で形成してもよい。
2次脱水部51の出口には、ローラ21jの外周面を走行するろ布ベルト61に近接するように、後端下がりの傾斜姿勢で排出トレイ54が設置されている。脱水ケーキは排出トレイ54上を滑りながら排出される。排出トレイ54の上方には、ローラ21pの外周面を走行するろ布ベルト62に近接するように、後端上がりの傾斜姿勢でスクレバ(掻き取り板)56が設置されている。ローラ21j,21p間から排出トレイ54へと排出されず、上のろ布ベルト62に付着したままの汚泥は、スクレバ56によって掻き取られて排出トレイ54へと排出される。なお、下のろ布ベルト61に付着したままの汚泥は、排出トレイ54によって掻き取られ、そのまま排出トレイ54上を滑り落ちる。
このような2次脱水部51において、上段の1次脱水部23から投入先切換装置60を介してろ布ベルト61上に投入された汚泥は、入口49aから前段部49を構成するろ布ベルト61,62間に引き込まれて挟持・加圧された状態で下流側へと搬送される。この間、水分のみが両ろ布ベルト61,62による加圧力によってろ布ベルト61を透過してろ過脱水され、さらに圧搾部52で圧搾された後、脱水ケーキとして排出トレイ54上に排出される。これら前段部49及び圧搾部52でろ過された水分は、ろ布ベルト61を透過して落下し、ろ液受皿58で回収されて外部に排出される。
図6に示すように、固液分離装置13aでは、従来から一般的に用いられている同様なシステムと異なり、濃縮部18及び1次脱水部23のろ布ベルト17と2次脱水部51のろ布ベルト61,62とを兼用とせず、それぞれを独立した無端軌道で走行させる構成としている。このため、前段の濃縮部18のろ布ベルト17の走行速度と、後段の2次脱水部51のろ布ベルト61,62の走行速度とを異なる速度に容易に制御することができる。この場合、濃縮部18のろ布ベルト17の走行速度よりも、2次脱水部51のろ布ベルト61,62の走行速度を遅く設定制御することが好ましい。すなわち、固液分離装置13aでは、濃縮部18に移動機構20を搭載しているため、従来の濃縮装置に比べて脱水率が大幅に高まっており、その結果、2次脱水部51に投入される汚泥の量(ケーキ量)を大幅に減少させることができ、2次脱水部51でのろ布ベルト61,62の走行速度を遅くしても、投入される汚泥全量を十分に脱水処理することが可能となっている。そして、2次脱水部51でのろ布ベルト61,62の走行速度を遅くすることにより、その脱水時にろ布ベルト61,62間を通る時間を長くすることができ、2次脱水部51をコンパクトな構成としつつも、高い脱水性能を得ることができる。
投入先切換装置60は、1次脱水部23からの濃縮汚泥を返送ライン14に供給して消化槽12への入口管50側へと流通させるか、又は、2次脱水部51へと導入するかを切換可能な2方弁構造を有する。投入先切換装置60から返送ライン14へと搬送され、入口管50へと導入された濃縮汚泥は、再び消化槽12で嫌気性消化処理を受ける。2次脱水部51へと導入された濃縮汚泥は、2次脱水部51でさらなる脱水処理を受け、分離液及び脱水ケーキとして外部に排出される。
投入先切換装置60の切換制御タイミングは、基本的には、消化槽12から出口管25によって消化汚泥を抜き出すタイミングに応じて、消化槽12内に投入される汚泥量が一定となるように決定される。すなわち、消化槽12から出口管25によって消化汚泥が連続的に引き抜かれる場合には、投入先切換装置60もこれに応じて濃縮汚泥を連続的に消化槽12へと再投入させるために返送ライン14側に切換えられる。また、消化槽12から出口管25によって消化汚泥が断続的に引き抜かれる場合には、投入先切換装置60もこれに応じて濃縮汚泥を断続的に消化槽12へと再投入させるために返送ライン14側に断続的に切換され、残りは2次脱水部51側に切換られて濃縮汚泥を2次脱水部51に供給する。なお、断続的に消化槽12に濃縮汚泥を再投入する場合には、濃縮汚泥を貯留可能なバッファタンクを設け、消化槽12に戻されない濃縮汚泥を該バッファタンクに一時貯留しておき、その後消化槽12の再投入するようにしてもよい。以上により、固液分離装置13aからの濃縮汚泥は、一部又は全部が消化槽12へと再投入され、残部が2次脱水部51に導入される。投入先切換装置60は、濃縮部18を経た濃縮汚泥を返送ライン14側又は2次脱水部51側へと選択的に切換可能な構成以外でもよく、濃縮汚泥を返送ライン14側及び2次脱水部51側へと同時に所定の配分率で供給可能な構成であってもよい。
2.2 第2の実施形態に係る汚泥処理システムの動作の説明
次に、以上のように構成される汚泥処理システム10aの動作について、汚泥処理システム10aを図5に示すように処理施設11aに適用した場合を例示して説明する。
処理施設11aでは、図5に示すように、処理対象となる有機性排水が所定の沈殿池等を経て入口管50から消化槽12へと供給されると、この消化槽12で有機性排水を嫌気性消化処理すると共に、汚泥処理システム10aで汚泥の濃縮・脱水、及び消化槽12への返送を行う。
この際、本実施形態に係る汚泥処理システム10aでは、上記第1の実施形態に係る汚泥処理システム10の場合と同様に、出口管25から固液分離装置13aに供給された汚泥は、走行するろ布ベルト17によって搬送されつつ、濃縮部18、移動機構20、及び1次脱水部23を経て濃縮される。
続いて、1次脱水部23から排出された濃縮汚泥は、投入先切換装置60によって返送ライン14又は2次脱水部51へと供給される。すなわち、濃縮部18及び1次脱水部23を経た濃縮汚泥は、投入先切換装置60の所定の切換制御タイミングにより、一部又は全部が入口管50から消化槽12へと再投入され、再び嫌気性消化処理を受け、残部は2次脱水部51へと投入されてさらなる脱水処理を受ける。
3. 第1及び第2の実施形態に係る汚泥処理システムの作用効果の説明
以上のように、上記実施形態に係る汚泥処理システム10(10a)では、有機性排水を消化槽12で処理した消化汚泥を固液分離して濃縮する固液分離装置13(13a)と、固液分離装置13(13a)からの濃縮汚泥を消化槽12の入口側に返送する返送ライン14とを備え、固液分離装置13(13a)は、ろ布ベルト17の上面17aで消化汚泥を搬送しながら重力ろ過する濃縮部18と、濃縮部18を搬送される汚泥をろ布ベルト17による搬送方向と交差する方向に移動させる移動機構20とを備える。
このように、当該汚泥処理システム10(10a)では、濃縮部18を搬送される汚泥をその搬送方向と交差する方向に移動させる移動機構20を固液分離装置13(13a)に設けたため、ろ布ベルト17上で搬送されつつ重力ろ過される汚泥は、その搬送方向と交差する方向に移動させられてその幅方向寸法が縮小され、その高さが増加して圧密されるため、固液分離装置13(13a)を大型化することなく、汚泥を効率よく濃縮し、その濃縮濃度を高めることができる。そして、固液分離装置13(13a)で高い濃縮濃度となった濃縮汚泥を返送ライン14によって消化槽12の入口側へと返送できる。このため、消化槽12内での汚泥の含水率を減らして、その量を減らすことができることから、相対的に有機物量を増やしてその滞留時間を増加させ、消化槽12での汚泥の分解率を進めることができるため、消化槽12を大型化することなく、その消化効率を大幅に向上させることができ、システム全体の設置スペースが増大することを回避できる。
この場合、移動機構20は、ろ布ベルト17による汚泥の搬送方向と交差する方向に延び、その回転によって汚泥を移動させるスクリュー40a,40bを有し、ろ布ベルト17による汚泥の搬送方向でスクリュー40a,40bの下流側であって該スクリュー40a,40bと近接する位置に案内板42a,42bを起立させている。従って、案内板42a,42bでせき止めながら汚泥をスクリュー40a,40bによって移動させることができ、汚泥を圧搾し、その濃縮濃度を一層高めることができる。
汚泥処理システム10(10a)では、固液分離装置13(13a)の濃縮部18を搬送される汚泥に対して、移動機構20より上流側で無機凝集剤F2を添加する第2薬注装置36を備える。このため、移動機構20によって無機凝集剤F2を汚泥中に均一に混練することができ、汚泥の濃縮濃度を一層高めることができる。特に、汚泥中への適正添加量が少量に設定される鉄系の無機凝集剤F2を用いた場合であっても、移動機構20を用いることで該少量の無機凝集剤F2を容易に且つ十分に汚泥中に混ぜ込むことができる。
固液分離装置13(13a)は、移動機構20から排出された汚泥を加圧脱水する1次脱水部23を備えるため、移動機構20で圧密された汚泥を1次脱水部23で再び扁平に広げながら加圧脱水することができ、汚泥の濃縮濃度を一層高めることができる。
第1の実施形態に係る汚泥処理システム10では、返送ライン14に、固液分離装置13からの濃縮汚泥を脱水処理する脱水装置16と、濃縮汚泥を消化槽12の入口側に供給するか、又は、脱水装置16に供給するかを切り換える経路切換装置15とを接続している。また、第2の実施形態に係る汚泥処理システム10aでは、1次脱水部23から排出される濃縮汚泥を返送ライン14に供給するか、又は、2次脱水部51に供給するかを切り換える投入先切換装置60を備える。これにより、濃縮汚泥の一部を消化槽12に返送し、残部を脱水装置16又は2次脱水部51で脱水処理することができるため、消化槽12での汚泥の滞留時間を可及的に長くしつつ、返送しない濃縮汚泥を脱水ケーキとして排出することができ、処理施設11(11a)での汚泥の処理量を向上させることができる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
10,10a 汚泥処理システム
11,11a 処理施設
12 消化槽
13,13a 固液分離装置
14 返送ライン
15 経路切換装置
16 脱水装置
17,61,62 ろ布ベルト
18 濃縮部
20 移動機構
23 1次脱水部
25 出口管
36 第2薬注装置
38 第1薬注装置
40a,40b スクリュー
42a,42b 案内板
50 入口管
51 2次脱水部
60 投入先切換装置

Claims (6)

  1. 有機性排水を消化槽で処理した消化汚泥を固液分離して濃縮する固液分離装置と、該固液分離装置からの濃縮汚泥を前記消化槽の入口側に返送する返送ラインとを備える汚泥処理システムであって、
    前記固液分離装置は、ろ過体の上面で前記消化汚泥を搬送しながら重力ろ過する濃縮部と、該濃縮部を搬送される汚泥を前記ろ過体による搬送方向と交差する方向に移動させる移動機構とを備えることを特徴とする汚泥処理システム。
  2. 請求項1記載の汚泥処理システムにおいて、
    前記移動機構は、前記ろ過体による汚泥の搬送方向と交差する方向に延び、その回転によって汚泥を移動させるスクリューを有し、
    前記ろ過体による汚泥の搬送方向で前記スクリューの下流側であって該スクリューと近接する位置に、前記スクリューによる汚泥の移動を案内する案内板を起立させたことを特徴とする汚泥処理システム。
  3. 請求項1又は2記載の汚泥処理システムにおいて、
    前記濃縮部を搬送される汚泥に対して、前記移動機構より上流側で薬剤を添加する薬注装置を備えることを特徴とする汚泥処理システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の汚泥処理システムにおいて、
    前記固液分離装置は、前記移動機構から排出された汚泥を加圧脱水する1次脱水部を備えることを特徴とする汚泥処理システム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の汚泥処理システムにおいて、
    前記返送ラインには、前記濃縮汚泥を脱水処理する脱水装置と、
    前記濃縮汚泥を前記消化槽の入口側に供給するか、又は、前記脱水装置に供給するかを切り換える経路切換装置とが接続されていることを特徴とする汚泥処理システム。
  6. 請求項4記載の汚泥処理システムにおいて、
    前記固液分離装置は、前記1次脱水部の後段に設けられ、前記1次脱水部から排出される汚泥をさらに加圧脱水する2次脱水部を備え、
    前記1次脱水部から排出される汚泥を前記返送ラインに供給するか、又は、前記2次脱水部に供給するかを切り換える投入先切換装置を備えることを特徴とする汚泥処理システム。
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