JP2014183896A - 半月板再生基材 - Google Patents

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Abstract

【課題】半月板の再生治療において、膝関節の半月板の欠損部分に充填することで、半月板の再生を促進することができる半月板再生基材を提供する。
【解決手段】半月板の再生治療において、膝関節の半月板の欠損部分に充填することで、半月板の再生を促進することができる半月板再生基材であって、架橋コラーゲンスポンジと膝蓋下脂肪体とからなり、前記架橋コラーゲンスポンジは、厚みが1〜30mm、平均孔径が1〜1000μmである半月板再生基材。
【選択図】 なし

Description

本発明は、半月板の再生治療において、膝関節の半月板の欠損部分に充填することで、半月板の再生を促進することができる半月板再生基材に関する。
半月板は、膝関節内にある軟骨様組織である。以下に図1及び2を用いて膝関節の構造について説明する。図1は、右膝関節の矢状面での断面模式図であり、図2は右膝関節の横断面での断面模式図である。図1に示すように、膝関節は大腿骨4と脛骨5との間に半月板1を有し、大腿骨4と脛骨5とが対向する側にはそれぞれ軟骨3が形成されている。膝の前面には膝蓋骨6があり、その下部には膝蓋下脂肪体(IPFP:Infrapatellar Fat Pad)2がある。膝関節は関節包7で包まれており、関節内部は関節液8で満たされている。図2に示すように、半月板1は膝関節の内側と外側で対抗するように一対形成されており、膝関節の前面側と後面側が厚くなっている。
半月板の変性や損傷は、変形性膝関節症(OA:osteoarthritis)における軟骨変性とともによく見られる病態の一つである。また、半月板を切除することで、軟骨組織が減少し、変形性膝関節症が進行するという報告もある。半月板は、無血管領域を多く含む組織であるため、自己再生能力が乏しく自己修復は困難である。そのため、手術では半月板の治癒を促進する目的で、半月縫合術に加えて、成長因子、滑膜移植、骨髄刺激等の追加処置がなされてきたが、半月板の再生は不充分であった。
近年、間葉系幹細胞(MSC:Mesenchymal Stem Cell)を用いた再生医療が注目され、膝関節に間葉系幹細胞を注入する方法が実験的に用いられている(例えば、非特許文献1参照。)。しかし、治療に充分な間葉系幹細胞を培養するためには長期間培養を要することにより感染を起こす恐れがあり、また、間葉系幹細胞を採取、移植の複数回手術と培養設備を要する。
他の方法としては、半月板を全切除した後、膝関節に膝蓋下脂肪体を移植する方法が検討されている。膝蓋下脂肪体は、間葉系幹細胞を多く含む組織であり、関節液の産生を行い、外傷から関節を保護する機能がある。また、末期の変形性関節症において、関節の変形を抑制することが知られていることから、半月板損傷においても膝関節への移植が有用であると考えられる。
しかし、この方法によると、一時的に軟骨の保護効果は得られるものの、その効果は恒久的ではなく、膝蓋下脂肪体は半月板の代替部材には適さないことが報告されている(非特許文献2参照。)。そこで、恒久的に半月板を再生できる方法が求められていた。
「Stem Cells」、(米国)、2009年、第27巻、p.878−887 「International Orthopaedicts」、(ドイツ)、1997年、第21巻、第4号、p.232−238
本発明は、半月板の再生治療において、膝関節の半月板の欠損部分に充填することで、半月板の再生を促進することができる半月板再生基材を提供することを目的とする。
本発明は、半月板の再生治療において、膝関節の半月板の欠損部分に充填することで、半月板の再生を促進することができる半月板再生基材であって、架橋コラーゲンスポンジと膝蓋下脂肪体とからなり、前記架橋コラーゲンスポンジは、厚みが1〜30mm、平均孔径が1〜1000μmである半月板再生基材である。
以下に本発明を詳述する。
本発明の半月板再生基材は、架橋コラーゲンスポンジと膝蓋下脂肪体とからなる。
架橋コラーゲンスポンジと膝蓋下脂肪体とを併せて用いることで、半月板の再生を促進することができる。これは、膝蓋下脂肪体に多く含まれる間葉系幹細胞が、架橋コラーゲンスポンジを足場として半月板を再生することができるためと考えられる。また、膝蓋下脂肪体は、関節液の産生を行う機能を有するため、半月板の欠損部分に充填することで、外傷から関節を保護しながら半月板の再生を促進することができる。架橋コラーゲンスポンジのみを移植した場合であっても、膝蓋下脂肪体のみを移植した場合であっても、恒久的に充分な半月板を再生することができない。半月板の欠損部分とは、半月板の損傷又は変形により半月板の一部又は全部を切除した場合を含む。
上記架橋コラーゲンスポンジの材料となるコラーゲンとしては、コラーゲンの末端を酵素処理して抗原性をなくしたものを用いることが好ましい。このようなコラーゲンとしては、従来公知のコラーゲンスポンジの原料が広く使用でき、例えば、酸可溶性コラーゲン、中性塩可溶性コラーゲン、酵素可溶化コラーゲン等の可溶性コラーゲン、天然の又は化学修飾されたコラーゲン繊維、及び、可溶性コラーゲンを不溶化した再生コラーゲン繊維等を用いることができる。特にI型コラーゲンを用いることが好ましい。
上記架橋コラーゲンスポンジの厚みの下限は1mm、上限は30mmである。
架橋コラーゲンスポンジの厚みが1mmより薄くても、30mmより厚くても、半月板の切除部分又は欠損部分を充分に埋めることができないことがある。架橋コラーゲンスポンジの厚みの好ましい下限は2mm、好ましい上限は10mmである。架橋コラーゲンスポンジの厚みは、例えば、ノギスにより架橋コラーゲンスポンジと膝蓋下脂肪体との接合面から、接合面と反対面までの距離を、5箇所で測定しその平均値を算出することにより得られる。
上記架橋コラーゲンスポンジの平均孔径の下限は1μm、上限は1000μmである。
上記架橋コラーゲンスポンジは、スポンジ状であり、微細な多数の小孔を有する。上記架橋コラーゲンスポンジの平均孔径が1μm未満であると、線維芽細胞が浸入しにくく治癒が遅れることがあり、1000μmを超えると、半月板再生基材の強度が不足したり、かえって治癒に時間がかかったりすることがある。架橋コラーゲンスポンジの好ましい平均孔径の下限は10μm、好ましい上限は300μmである。架橋コラーゲンスポンジの平均孔径は、例えば、電子顕微鏡(日立社製、Miniscope、TM−1000)による画像解析法等の従来公知の方法により測定することができる。
上記架橋コラーゲンスポンジは、コラーゲンスポンジを架橋することで得られる。
生体内でのコラーゲンスポンジの分解速度は、架橋度を変えることでコントロールすることができ、架橋度が高いほど、生体内でのコラーゲンスポンジの分解速度は遅くなる。架橋コラーゲンスポンジの製造方法の一例を挙げると、まずpH3程度のコラーゲンの希釈溶液を調製し、ホモジナイザーによりホモジナイズして発泡液を得る。得られた発泡液を凍結乾燥し1次コラーゲンスポンジとし、架橋剤により1次コラーゲンスポンジを架橋することで架橋コラーゲンスポンジを得ることができる。
架橋剤としては、特に限定されないが、N−(3−dimethylaminopropyl)−N´−ethylcarbodiimide(EDC)、1,4−dibutandiol diglycidyl ether(BDDGE)、グルタルアルデヒド(GA:glutaraldehyde)が挙げられる。上記架橋コラーゲンスポンジは、グルタルアルデヒドを用いて架橋されることが好ましく、グルタルアルデヒド濃度の好ましい下限は0.01重量%であり、好ましい上限は1重量%である。0.01重量%以上のグルタルアルデヒドを用いて架橋することで、半月板が生成するまでの間、半月板再生基材を半月板の切除部分又は損傷部分に残存させることができるため、より半月板の再生を促進することができる。グルタルアルデヒド濃度のより好ましい下限は0.1重量%であり、より好ましい上限は0.2重量%である。グルタルアルデヒド濃度を0.1重量%以上、0.2重量%以下とすることで、半月板再生基材を充填した部分の周辺組織への影響が少なく、軟骨組織の変性を防ぐことができる。
上記膝蓋下脂肪体は、手術の際に膝関節から採取することができる。
より低侵襲で拒絶反応を起こし難い半月板再生基材を得ることができるため、患者本人の膝蓋下脂肪体を用いることがより好ましい。また、間葉系幹細胞を多く含むため、関節面側の膝蓋下脂肪体を用いることがより好ましい。
上記半月板再生基材は、上記架橋コラーゲンスポンジと上記膝蓋下脂肪体とが積層されている構造であってもよいし、上記架橋コラーゲンスポンジが上記膝蓋下脂肪体に包埋されている構造であってもよい。このような構成とすることで、半月板の再生を促進することができる。
上記半月板再生基材は、上記架橋コラーゲンスポンジに対する上記膝蓋下脂肪体の割合は、下限が1重量%、上限が99重量%であることが好ましい。
架橋コラーゲンスポンジに対する膝蓋下脂肪体の割合が1重量%未満であると、半月板を充分に再生できないことがあり、99重量%より高いと、半月板再生基材としての強度が弱くなることがある。上記架橋コラーゲンスポンジに対する上記膝蓋下脂肪体の割合のより好ましい下限は10重量%、より好ましい上限は98重量%である。
上記半月板再生基材を用いて半月板を再生する方法としては特に限定されないが、損傷又は変形した半月板の一部又は全部を切除し、切除した部分に上記半月板再生基材を充填したり、損傷した半月板の欠損部分に上記半月板再生基材を充填したりする術式が挙げられる。
本発明によれば、半月板の再生治療において、膝関節の半月板の欠損部分に充填することで、半月板の再生を促進することができる半月板再生基材を提供することができる。
右膝関節の矢状面での断面模式図。 右膝関節の横断面での断面模式図。 評価試験1における検体Aの右膝関節の矢状面写真。 評価試験1における検体Bの右膝関節の矢状面写真。 評価試験1における検体Cの右膝関節の矢状面写真。 評価試験2における正常モデルの右膝関節の(a)横断面写真、(b)矢状面写真。 評価試験2における検体Dの右膝関節の(a)横断面写真、(b)前面側の矢状面拡大写真。 評価試験2における検体Eの右膝関節の(a)横断面写真、(b)前面側の矢状面拡大写真。 評価試験2における検体Fの右膝関節の(a)横断面写真、(b)前面側の矢状面拡大写真。 評価試験2における検体Gの右膝関節の(a)横断面写真、(b)前面側の矢状面拡大写真。 評価試験2における検体Hの右膝関節の(a)横断面写真、(b)前面側の矢状面拡大写真。 評価試験2における検体Iの右膝関節の(a)横断面写真、(b)前面側の矢状面拡大写真。 評価試験2における検体Jの右膝関節の(a)横断面写真、(b)前面側の矢状面拡大写真。 評価試験2における検体Kの右膝関節の(a)横断面写真、(b)前面側の矢状面拡大写真。 評価試験2における検体D〜Kのスコアグラフ。 評価試験3における正常モデルの右膝関節の矢状面写真。 評価試験3における半月板の切除のみを行ったモデルの右膝関節の矢状面写真。 評価試験3における検体Dの右膝関節の矢状面写真。 評価試験3における検体Eの右膝関節の矢状面写真。 評価試験3における検体Fの右膝関節の矢状面写真。 評価試験3における検体Gの右膝関節の矢状面写真。 評価試験3における検体Hの右膝関節の矢状面写真。 評価試験3における検体Iの右膝関節の矢状面写真。 評価試験3における検体Jの右膝関節の矢状面写真。 評価試験3における検体Kの右膝関節の矢状面写真。 評価試験3における検体D〜Kのスコアグラフ。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
I型コラーゲン溶液(新田ゼラチン社製、Lot:120312)を原料とし、精製水及び5N−酢酸を用いて濃度0.3%、pH3.0のコラーゲン希釈溶液を調製した。得られたコラーゲン希釈溶液132gを凍結乾燥用のステンレス製枠(12cm×16cm)内に流し込んだ。ステンレス製枠を−40℃に冷却してコラーゲン溶液を凍結し、真空減圧下(0.01mmHg)40℃で24時間凍結乾燥を行った。更に真空減圧下(0.01mmHg)110℃で24時間加熱乾燥を行い、1次コラーゲンスポンジを得た。
得られた1次コラーゲンスポンジを0.1重量%のグルタルアルデヒド/酢酸溶液中に浸漬し、5℃で24時間架橋反応を行った。得られた架橋コラーゲンスポンジをイオン交換水で充分洗浄した後、15%エタノール水溶液で置換した。−135℃で凍結し、真空減圧下(0.01mmHg)40℃で24時間凍結乾燥して2次コラーゲンスポンジ(以下、GA0.1%架橋コラーゲンスポンジともいう。)を作製した。2次コラーゲンスポンジを1cm×1cm、厚さ3mmに切断し、それを半分に折り、重ねあわせ、ウサギから採取した膝蓋下脂肪体を2次コラーゲンスポンジの表面に積層し、実施例1の半月板再生基材を得た。コラーゲンスポンジに対する膝蓋下脂肪体の割合は、98重量%であった。
実施例1の半月板再生基材が有する架橋コラーゲンスポンジについて、厚さ及び平均孔径を測定した。厚さは、ノギスで測定した。平均孔径は、電子顕微鏡で測定した。実施例1の半月板再生基材が有する架橋コラーゲンスポンジの厚さは6mm、平均孔径は100μmであった。
(実施例2)
実施例1と同様にして得た1次コラーゲンスポンジを0.2重量%のグルタルアルデヒド/酢酸溶液中に浸漬し、5℃で24時間架橋反応を行った。その後、実施例1と同様に2次コラーゲンスポンジ(以下、GA0.2%架橋コラーゲンスポンジともいう。)を作製し、膝蓋下脂肪体と積層し、実施例2の半月板再生基材を得た。実施例1と同様に実施例2の半月板再生基材が有する架橋コラーゲンスポンジの厚さ及び平均孔径を測定した。実施例2の半月板再生基材が有する架橋コラーゲンスポンジの厚さは6mm、平均孔径は100μmであった。
(実施例3)
実施例1と同様にして得た1次コラーゲンスポンジを0.4重量%のグルタルアルデヒド/酢酸溶液中に浸漬し、5℃で24時間架橋反応を行った。その後、実施例1と同様に2次コラーゲンスポンジ(以下、GA0.4%架橋コラーゲンスポンジともいう。)を作製し、膝蓋下脂肪体と積層し、実施例3の半月板再生基材を得た。実施例1と同様に実施例3の半月板再生基材が有する架橋コラーゲンスポンジの厚さ及び平均孔径を測定した。実施例3の半月板再生基材が有する架橋コラーゲンスポンジの厚さは6mm、平均孔径は100μmであった。
(比較例1)
実施例1と同様にして得た1次コラーゲンスポンジを架橋せずに、−135℃で凍結し、真空減圧下(0.01mmHg)40℃で24時間凍結乾燥して2次コラーゲンスポンジ(以下、未架橋コラーゲンスポンジともいう。)を作製した。2次コラーゲンスポンジを1cm×1cm、厚さ3mmに切断し、それを半分に折り、重ねあわせ、ウサギから採取した膝蓋下脂肪体を2次コラーゲンスポンジの表面に積層し、比較例1の半月板再生基材を得た。未架橋コラーゲンスポンジに対する膝蓋下脂肪体の割合は、98重量%であった。また、比較例1の半月板再生基材が有する架橋コラーゲンスポンジの厚さは6mm、平均孔径は100μmであった。
(評価試験1)
評価試験1では、上記で得られた半月板再生基材を用いて動物実験を行い、半月板の再生程度について検討を行った。
まず、実験動物として日本白ウサギ(体重:3.0〜3.5kg)を準備し、右膝関節の内側半月板の前節〜中節(図2の点線で囲んだ部分)を切除した。その後、下記表1に示すA〜Cの検体を作製した。検体A〜Cは、半月板除去部にそれぞれ、膝蓋下脂肪体(IPFP)、0.2重量%のグルタルアルデヒド/酢酸溶液中に浸漬し架橋したコラーゲンスポンジ、上記実施例2の半月板再生基材を移植して縫合した。
各検体を術後8週目に犠牲死させ、右膝関節を観察した。図3〜5は、それぞれ評価試験1における検体A〜Cの右膝関節の矢状面写真である。図3に示すように、検体Aでは、脂肪様組織の再生は確認されたが、半月板除去部を完全に埋めることができなかった。図4に示すように、検体Bでは、除去部分を埋める程度に組織が再生しているものの、不充分であった。図5に示すように、検体Cでは、除去部分を完全に埋める程度に半月板様組織が再生していた。
評価試験1の結果から、半月板除去部に、架橋コラーゲンスポンジとIPFPとを積層した半月板再生基材を移植することで、半月板様組織が充分に生成することが分かった。
(評価試験2)
評価試験2では、コラーゲンスポンジの架橋度を変えて、再生した半月板様組織の病理学的特性を評価した。
評価試験2では、評価試験1と同様に、実験動物として日本白ウサギ(体重:3.0〜3.5kg)を準備し、右脚の内側半月板の前節〜中節を切除した。下記表2に示すように、検体D、F,H、Jでは、半月板を除去した部分に、それぞれ、未架橋コラーゲンスポンジ、架橋度が異なるコラーゲンスポンジを移植した。検体E、G、I、Kでは、半月板を除去した部分に、それぞれ、未架橋コラーゲンスポンジとIPFPとを積層した基材、架橋度が異なるコラーゲンスポンジとIPFPとを積層した基材を移植した。検体E、G、I及びKに用いた基材は、それぞれ上記比較例1、実施例1、2及び3の半月板再生基材である。
各検体を術後8週目に犠牲死させ、肉眼所見及び病理所見を得た。半月板様組織の肉眼所見、病理所見ともに、半月板の切除を行っていないモデルを「正常」として評価を行った。図6は、正常モデルの右膝関節の写真であり、図6(a)は横断面写真、図6(b)は矢状面写真である。図7〜14は、それぞれ検体D〜Kの右膝関節の写真であり、各図の(a)は横断面写真、(b)は前面側の矢状面拡大写真である。図6〜14の(b)は、右膝関節の述部の切片を作製した後、サフラニンOにより染色した。
半月板様組織の肉眼所見としては、図7〜14の(a)により、横断面での再生半月板様組織の幅、色調、表面の状態、及び、周囲半月板との結合を観察し、下記表3に示した項目及び評価基準(Modified Mankin score)に基づいて点数をつけた。半月板様組織の病理所見としては、図7〜14の(b)により、欠損部の再生半月板様組織の形状及び染色性、構造を観察し、下記表4に示した項目及び評価基準(Modified Mankin score)に基づいて点数をつけた。表3及び4では、点数が低い方が良好な結果であることを示す。
図15は、表3及び4から得られた検体D〜Kのスコアグラフである。図15に示すように、未架橋コラーゲンスポンジを用いた検体D、Fよりも、架橋コラーゲンスポンジを用いた検体F〜Kの方がスコアが低く、再生した半月板様組織の病理学的特性が優れていることが分かった。
評価試験1及び2の結果から、架橋コラーゲンスポンジとIPFPとを積層した半月板再生基材を移植することで、半月板様組織が充分に再成し、かつ、再生した半月板様組織は正常な半月板に近い組織であることが分かった。
(評価試験3)
評価試験3では、評価試験2で用いた検体D〜Kについて、軟骨組織及び周辺組織への影響を評価した。
評価試験2と同様に、各検体を術後8週目に犠牲死させ、病理所見を得た。図16は、正常モデルの右膝関節の矢状面写真であり、図17は、半月板の切除のみを行ったモデルの右膝関節の矢状面写真であり、図18〜25は、それぞれ検体D〜Kの右膝関節の矢状面写真である。図16〜25は、右膝関節の述部の切片を作製した後、サフラニンOにより染色した。サフラニンOは、軟骨組織を赤く染色するため、軟骨組織の状態を観察することができる。
評価試験3では、図18〜25により、軟骨組織の染色性及び厚さ、軟骨細胞の形状、周囲組織の形状及び染色性を観察し、下記表5に示した項目及び評価基準(Modified Mankin score)に基づいて点数をつけた。表5では、点数が低い方が良好な結果であることを示す。図17〜25では、図16の四角で囲んだ部分に相当する大腿骨及び脛骨の前面側の軟骨組織について評価を行った。
図26は、表5から得られた検体D〜Kのスコアグラフである。図26に示すように、GA0.1%及びGA0.2%架橋コラーゲンスポンジとIPFPとを併せて用いた検体G、Iでは、軟骨及び周辺組織への影響を抑えることができることが分かった。特に、検体Gでは、軟骨組織及び周辺組織への影響が小さいことが分かった。
一方で、未架橋コラーゲンスポンジとIPFPとを併せて用いた検体Eは、未架橋コラーゲンスポンジのみを用いた検体Dよりもスコアが顕著に高く、GA0.4%架橋コラーゲンスポンジとIPFPとを併せて用いた検体Kは、GA0.4%架橋コラーゲンスポンジのみを用いた検体Jよりもスコアが顕著に高いことから、軟骨組織及び周辺組織への影響が大きいことが分かった。
評価試験1〜3の結果から、濃度が0.1重量%以上、0.2重量%以下のグルタルアルデヒドを用いて架橋された架橋コラーゲンスポンジとIPFPとを積層した半月板再生基材を移植することで、正常な半月板に近い半月板様組織を充分に再生することができ、かつ、軟骨組織の変性及び周辺組織への影響を防ぐことができることが分かった。
本発明によれば、半月板損傷の再生治療において、膝関節の半月板の欠損部分に充填することで、半月板の再生を促進し、かつ、軟骨組織の変性を防ぐことができる半月板再生基材を提供することができる。
1:半月板
2:膝蓋下脂肪体
3:軟骨
4:大腿骨
5:脛骨
6:膝蓋骨
7:関節包
8:関節液

Claims (5)

  1. 半月板の再生治療において、膝関節の半月板の欠損部分に充填することで、半月板の再生を促進することができる半月板再生基材であって、
    架橋コラーゲンスポンジと膝蓋下脂肪体とからなり、
    前記架橋コラーゲンスポンジは、厚みが1〜30mm、平均孔径が1〜1000μmである
    ことを特徴とする半月板再生基材。
  2. 架橋コラーゲンスポンジは、濃度0.1重量%以上、0.2重量%以下のグルタルアルデヒドを用いて架橋されることを特徴とする請求項1に記載の半月板再生基材。
  3. 架橋コラーゲンスポンジと膝蓋下脂肪体とが積層されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半月板再生基材。
  4. 架橋コラーゲンスポンジが膝蓋下脂肪体に包埋されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半月板再生基材。
  5. 架橋コラーゲンスポンジに対する膝蓋下脂肪体の割合は、1〜99重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半月板再生基材。
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