JP2014183894A - 温度測定方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】生体の体表面より奥の深部における温度が測定できるようにする。
【解決手段】温度測定部101は、温度Tからなる未知パラメータを有する体表面より目的の深さの深部に対し、各々波長が異なる赤外域の波長λ1の第1光および赤外域の波長λ2の第2光を照射してOPBS法により測定結果を得る。第1光および第2光は、目的とする体表面からの深さで同じ水の光吸収係数となり、予め求められている赤外域の光の波長と体表面からの深さに依存する水の光吸収係数との関係より決定される。温度導出部102は、予め測定されている血液の第1成分の濃度C1,血液の第2成分の濃度C2,および温度測定部の測定結果から、体表面より奥の設定された深部における温度を決定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、生体の体表面より奥の深部における温度(体温)を測定する温度測定方法および装置に関する。
例えば、乳癌は、40歳後半の女性に発症する確率が高い疾病であり、治療においては、早期の発見が重要となる。このような癌の発見においては、一般に、問診・触診、エコー検査、マンモグラフィー検査などが行われている。また、近年では、腫瘍(しこり)となる前段階で、細胞の温度上昇段階で発見する技術が提案されている。従って、体温の分布を測定することで、乳癌などの早期発見が可能となる。
特開2012−179212号公報 特開2012−026852号公報
しかしながら、生体の体表面より奥の深部に発生する癌の早期発見には、生体の体表面より奥の深部における温度を測定する必要があるが、この測定が容易に行えないという問題がある。現在では、生体の体表面における温度の測定は容易に行えるが、生体の体表面より奥の深部における温度を測定することは容易ではないという問題がある。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、生体の体表面より奥の深部における温度が測定できるようにすることを目的とする。
本発明に係る温度測定方法は、予め求められている赤外域の光の波長と体表面からの深さに依存する水の光吸収係数との関係より、目的とする体表面からの深さで同じ水の光吸収係数となり、各々波長が異なる赤外域の波長λ1の第1光および赤外域の波長λ2の第2光を決定する波長決定ステップと、温度Tからなる未知パラメータを有する体表面より目的の深さの深部に対して第1光および第2光を照射して光パワーバランスシフト(OPBS)法により測定結果を得る温度測定ステップと、予め測定されている血液の第1成分の濃度C1,血液の第2成分の濃度C2,および温度測定ステップの測定結果から、体表面より奥の設定された深部における温度を決定する温度導出ステップとを備え、温度導出ステップでは、温度測定ステップの測定結果をOPBS(λ1,λ2)としたとき、温度測定ステップの測定結果を表現する式OPBS(λ1,λ2)=Q1C1+Q2C2+QtTにより体表面より目的の深さの温度である温度Tを決定する。
上記温度測定方法において、波長決定ステップでは、目的とする体表面からの深さで同じ水の光吸収係数となる波長の光の中で、温度依存性が最も高い第1光および第2光の組み合わせを決定すればよい。なお、第1成分は、アルブミンであり、第2成分は、グルコースであればよい。
また、本発明に係る温度測定装置は、温度Tからなる未知パラメータを有する体表面より目的の深さの深部に対し、各々波長が異なる赤外域の波長λ1の第1光および赤外域の波長λ2の第2光を照射して光パワーバランスシフト(OPBS)法により測定結果を得る温度測定部と、予め測定されている血液の第1成分の濃度C1,血液の第2成分の濃度C2,および温度測定部の測定結果から、体表面より奥の設定された深部における温度を決定する温度導出部とを備え、温度導出部は、温度測定部による測定結果をOPBS(λ1,λ2)としたとき、温度測定部の測定結果を表現する式OPBS(λ1,λ2)=Q1C1+Q2C2+QtTにおいて体表面より目的の深さの温度である温度Tを決定し、第1光および第2光は、目的とする体表面からの深さで同じ水の光吸収係数となり、予め求められている赤外域の光の波長と体表面からの深さに依存する水の光吸収係数との関係より決定されたものである。
上記温度測定装置において、第1光および第2光は、目的とする体表面からの深さで同じ水の光吸収係数となる波長の光の中で温度依存性が最も高い組み合わせとすればよい。なお、第1成分は、アルブミンであり、第2成分は、グルコースであればよい。
以上説明したことにより、本発明によれば、生体の体表面より奥の深部における温度が測定できるようになるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態における温度測定装置の構成を示す構成図である。 図2は、本発明の実施の形態における温度測定方法を説明するフローチャートである。 図3は、照射する赤外光の波長により光吸収が大きく変化する状態を説明するための説明図である。 図4は、照射する赤外光の波長により光吸収が大きく変化する状態を説明するための説明図である。 図5は、光吸収係数が同じになるレーザ光の波長と当該レーザ光が体表面より体内に入り込む深さとの関係を示す特性図である。 図6は、本発明の実施の形態における他の温度測定装置の構成を示す構成図である。 図7は、本発明の実施の形態における他の温度測定方法を説明するフローチャートである。 図8は、異なる温度における光吸収の差を温度差で除した値と、波長との関係を示した特性図である。 図9は、グルコース濃度が既知の3つのサンプル(0g/dL,10g/dL,18.6g/dL)を対象としたOPBS法による測定を行った結果を示す特性図である。 図10は、温度が既知の3つのサンプル(31℃,32℃,36℃)を対象としたOPBS法による測定を行った結果を示す特性図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における温度測定装置の構成を示す構成図である。この温度測定装置は、温度測定部101および温度導出部102を備える。
温度測定部101は、温度Tからなる未知パラメータを有する体表面より目的の深さの深部に対し、各々波長が異なる赤外域の波長λ1の第1光および赤外域の波長λ2の第2光を照射して光パワーバランスシフト(OPBS)法により測定結果を得る。ここで、第1光および第2光は、目的とする体表面からの深さで同じ水の光吸収係数となり、予め求められている赤外域の光の波長と体表面からの深さに依存する水の光吸収係数との関係より決定されたものである。なお、目的とする体表面からの深さで同じ水の光吸収係数となる波長の光の中で、温度依存性が最も高い第1光および第2光の組み合わせを決定すれば、より高感度な温度測定が実現できる。
また、温度導出部102は、予め測定されている血液(体液)の第1成分の濃度C1,血液の第2成分の濃度C2,および温度測定部の測定結果から、体表面より奥の設定された深部における温度を決定する。ここで、温度導出部102は、温度測定部による測定結果をOPBS(λ1,λ2)としたとき、温度測定部の測定結果を表現する式「OPBS(λ1,λ2)=Q1C1+Q2C2+QtT」において体表面より目的の深さの温度である温度Tを決定する。なお、第1成分は、アルブミンであり、第2成分は、グルコースであればよい。
後述するように、OPBS法では、アルブミンおよびグルコースに限らず、血液(体液)中の他の様々な成分の濃度測定が可能である。ただし、血液中においては、グルコースおよびアルブミンが安定して存在しており、これらの濃度は安定して測定することができる。従って、第1成分としてアルブミンを選択し、第2成分としてグルコースを選択することで、より安定した測定が行えるようになる。
次に、実施の形態における温度測定装置の動作(温度測定方法)について、図2のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS101で、予め求められている赤外域の光の波長と体表面からの深さに依存する水の光吸収係数との関係より、目的とする体表面からの深さで同じ水の光吸収係数となり、各々波長が異なる赤外域の波長λ1の第1光および赤外域の波長λ2の第2光を決定する(波長決定ステップ)。なお、前述したように、目的とする体表面からの深さで同じ水の光吸収係数となる波長の光の中で、温度依存性が最も高い第1光および第2光の組み合わせを用いるようにするとよい。
次に、ステップS102で、温度Tからなる未知パラメータを有する体表面より目的の深さの深部に対して第1光および第2光を照射してOPBS法により測定結果を得る(温度測定ステップ)。
次に、ステップS103で、予め測定されている血液の第1成分の濃度C1,血液の第2成分の濃度C2,および温度測定ステップの測定結果から、体表面より奥の設定された深部における温度を決定する(温度導出ステップ)。ここでは、温度測定ステップの測定結果をOPBS(λ1,λ2)としたとき、温度測定ステップの測定結果を表現する式「OPBS(λ1,λ2)=Q1C1+Q2C2+QtT」において体表面より目的の深さまでの温度T(平均温度)を決定する。
次に、OPBS法について、より詳細に説明する。OPBS法は、よく知られたCW光を用いた光音響法の測定により血中のグルコース濃度を測定する技術として、発明者らにより開発されたものである(特許文献1参照)。同様の技術として、発明者らにより、周波数シフト(frequency shift:FS)法が開発されている(特許文献2参照)。
FS法、OPBS法は、血液グルコース濃度と血液アルブミン成分濃度測定に限るものではなく、被測定物に含まれる成分分析に幅広く適用可能であり、さらに温度依存性を利用して測定信号を処理することで、血液の成分濃度および温度を得ることができる。
ただし、原理的に、FS法とOPBS法の温度依存性は異なる。FS法は音速を測る方法であり、成分濃度変化により音波の速度(音速)が変わることを利用している。しかしながら、成分濃度変化ではなく、温度変化でも音速が変わるので、FS法でも温度の測定が可能である。従って、光源と音響センサとの間にあるサンプルにおいて、生じた温度変化または成分濃度変化は、FS法でも測定可能である。
OPBS法では、音響法の測定において、光波長が異なり位相差がπの2つの光ビームのパワーを増減させながら、光音響信号の振幅が極小な箇所の位相の変曲点を探し、この結果から成分濃度や温度を求める。波長が異なる2つの光を用いたOPBS法における測定結果を表現する式「OPBS(λ1,λ2)=C1・Q1(λ1,λ2)+C2・Q2(λ1,λ2)+T・Qt(λ1,λ2)」では、光を照射した領域における血液の成分濃度C1,C2および温度Tが因子となっている。この中で、血液の2つの成分濃度が既知であれば、温度を求めることができる。
上述したように、OPBS法は、同時に2つの光照射による相対光吸収係数の測定である。成分濃度または温度が変化すると光吸収係数が変わるので、成分濃度または温度が測定できる。また、光吸収の変化は、温度に対しては敏感である。ここで、光吸収については、次のよう得な特徴がある。
まず、図3,図4に示すように、照射する赤外光の波長により光吸収が大きく変化する。ここで、図3,図4において、領域(a),領域(b),領域(c),領域(d)は、測定対象における体表面(光源側)からの深さを示している。領域(a)は表面近傍であり、領域(b)は比較的浅い領域であり、領域(c)は中間的な深さの領域であり、領域(d)はより深い領域を示している。図4に示すように、測定対象となる部位401を挟むように、光源402と音響センサ403とを配置する。また、部位401の一方の体表面411に光源402を載置し、他方の体表面412に接して音響センサ403を配置する。
図3,図4に示すように、波長1920nmに近い赤外光は大きな光吸収を持つため、曲線421に示すように光パワーが減衰し、領域(a)にまでしか到達しない。また、波長2000nm程度の赤外光は、曲線422に示すように光パワーが減衰し、領域(b)と領域(c)との間まで到達する。また、波長1000nm付近の赤外光は、光吸収が小さいために、曲線423に示すように光パワーが減衰し、より深い領域(d)にまで到達する。
また、OPBS法では、光が到達する領域の特性が測定可能であり、光が到達しない領域の特性は測定できない。例えば、上述したことから明らかなように、測定に用いる光の波長が1920nm付近の場合、体表面近傍の状態しか測定できない。これに対し、波長が1000nm付近の光を測定に用いれば、体表面より深い部位の状態が測定できる。測定に用いる光は、深い所にまで到達する波長の光を用いることが重要となる。
次に、各々波長が異なる赤外域の波長λ1の第1光および赤外域の波長λ2の第2光の決定について、より詳細に説明する。OPBS法にとっては、波長が異なる2つの光が必要である。また、これら2つの光における水の光吸収係数が異なると、温度依存性が0になるため、これら2つの光は、水の光吸収係数が同じである必要がある。
ここで、図5に、光吸収係数が同じになる、レーザ光の波長と当該レーザ光が体表面より体内に入り込む(光が到達する)深さとの関係を示す。光が到達する深さは、水の光吸収係数の逆数に等しいものとしている。図5に示すように、例えば、深度60mmにおいては、光吸収係数が同じなる波長が、λ1,λ2,λ3と3つあることが分かる。この中で任意の2つの波長を用いればよい。
また、λ1,λ2,λ3の中で、温度依存性が最も高くなる2つの光の組み合わせを用いることで、より高い感度で温度を測定することができる。例えば、深度60nmにおいて光吸収係数が同じになる波長は、λ1=約930nm,λ2=約1020nm,λ3=約1130nmの3つである。従って、「波長930nmの第1光と波長1020nmの第2光の組」、「波長930nmの第1光と波長1130nmの第2光の組」、「波長1020nmの第1光と波長1130nmの第2光の組」の3つの組み合わせが考えられる。この3つの組み合わせについて温度依存性をシミュレーションし、最も温度依存性が高い組を選択すればよい。
前述したように、OPBS法は、血液成分である例えばグルコースとアルブミンの濃度測定に利用可能である。OPBS法では、選択した波長の光の光吸収係数で決まる深さまでの領域において、グルコース,アルブミンの濃度変化に加え、温度の変化も測定できる。これらについては、選択した波長の光の光吸収係数で決まる深さまでの領域における平均値が測定できる。
従って、所望とする体表面からの深さで、水の光吸収係数が同じになる2つの波長の赤外光を選択し、これら2つの光を用いたOPBS法による測定で、既知である血液の2つの成分(アルブミン,グルコース)の濃度を用い、光吸収係数に依存する測定深さまでの測定結果から、温度を求めることができる。
例えば、互いに異なる波長の2波のレーザ光を同一周波数で逆位相の信号により、それぞれ強度変調して矩形波ビームを生成し、これらの矩形波ビームを合波した上で被測定物に照射すると、2つのレーザ光が、対応する光吸収係数αで被測定物に光吸収される。これによるOPBS法の測定結果(血液の成分濃度、温度T)から、対象とする領域の温度を決定する。
また、光吸収係数が各々異なる状態で、上述した測定を複数回行うことで、深さ方向の温度の分布を得ることができる。上述したことから明らかなように、深さの選択は波長の選択により行え、波長を変化させることは自由に行えるので、深さの選択は自由に行える。なお、血液の成分濃度は、時間とともに変化するので、測定の時間間隔は、血液の成分濃度が変化しない範囲で短くすることが重要となる。言い換えれば、十分に短い時間間隔であれば、血液の成分濃度は一定として扱うことができる。
例えば、光源と音響センサの間に厚さ5cmの肉があり、光吸収係数αが小さい波長の組み合わせを選べば、光は光ファイバー先端から音響センサまで到達し、サンプルにおける深さ5cmの箇所の温度Tを測定することができる。また光吸収係数αが大きい波長の組み合わせを選べば、深さ方向に数mmで光が吸収されるため、光源の光出射端からサンプルの深さ数mmまでの温度が測定されることになる。
上述した本発明の温度測定により、例えば、乳癌(腫瘍)となり得る箇所の検出が可能となる。上述したように、光吸収係数が異なる複数の光の組を用いた複数の測定により、深さ方向の温度分布が得られる。
OPBS法により、光波長の組み合わせを変え、複数回(n回)のサンプルまでの温度T1・・Tnを繰り返し測定し、温度プロファイルから乳癌の腫瘍になる場所を検出する。以上の複数回測定を繰り返し、温度プロファイル(皮膚表面からの距離Dと温度T)が図れる。ここで、血液の成分濃度が深さで変わる理由がないため、一定していると仮定できる。このような温度分布の測定により、通常では、なだらかに温度が分布する状態が息災されるが、乳癌(もしくは乳癌となり得る細胞群)が存在していれば、この領域の温度分布の状態が、他の領域とは識別可能な状態で変化する。
上述した測定は、例えば、図6に示す測定装置を用いることで行える。この測定装置は、各々波長が異なるレーザ光を照射する複数のレーザを備えるアレイ光源601,アレイ光源601から出射されたレーザ光の光路を切り替える光路切り替え部602,光路切り替え部602に接続する複数の光ファイバーからなる光ファイバーアレイ603,および複数の音響センサからなるセンサアレイ604を備える。
光ファイバーアレイ603の各光ファイバーに対応し、センサアレイ604の音響センサが配置されている。また、光ファイバーアレイ603の光出射面とセンサアレイ604のセンサ面との間に、測定対象の部位610を配置する。また、少なくともセンサアレイ604は、センサ面を部位610の体表面に接触させて用いる。
この装置では、決定された波長のレーザをアレイ光源601の中で選択して動作させ、決定された波長のレーザ光を出力する。出力させた2つのレーザ光を光カプラなどにより合波した合波光を、光路切り替え部602により光路を切り替えて光ファイバーアレイ603の選択した箇所の光ファイバーに導く。また、センサアレイ604の中で、選択した光ファイバーの位置に対応する音響センサを選択し、選択した音響センサから出力される信号により、温度を導出する。
アレイ光源601により波長の組み合わせが選択でき、この組み合わせを変更して各々測定することで、体表面から深さ方向の温度分布が測定できる。また、光ファイバーアレイ603およびセンサアレイ604において、複数の光ファイバーおよび音響センサの対で測定を行うことで、平面方向の温度の分布が測定できる。これらの測定を組み合わせることで、3次元的な温度の分布が測定できる。このような温度分布の測定により、例えば、皮膚表面から体内の任意の指定深さ(距離)までの温度計測ができる。また温度変化の温度分布を分析することで、腫瘍(がん細胞)となり得る細胞を事前に特定することが可能となる。腫瘍となり得る細胞が存在する場合、他の部位より高い温度となるため、上述した温度分布の測定により、検知することができる。
ところで、上述した温度測定においては、FS法を組み合わせることでより正確な測定が可能となる。この測定方法について、図7のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS701で、予め求められている赤外域の光の波長と体表面からの深さに依存する水の光吸収係数との関係より、目的とする体表面からの深さで同じ水の光吸収係数となり、各々波長が異なる赤外域の波長λ1の第1光および赤外域の波長λ2の第2光を決定する。
次に、ステップS702で、決定された波長λ1の第1光を出射するレーザよりレーザ光を出射させ、音響センサより得られた信号よりFS法により第1FS測定値を算出する。次いで、ステップS703で、決定された波長λ2の第2光を出射するレーザよりレーザ光を出射させ、音響センサより得られた信号よりFS法により第2FS測定値を算出する。
次に、ステップS704で、第1FS測定値と第2FS測定値とが一致するかどうかを判定する。FS法では、波長が異なっても測定値は同じ結果となる。従って、光源となるレーザより設定値に等しい波長のレーザ光が出射されていれば、第1FS測定値と第2FS測定値とは一致する。言い換えると、第1FS測定値と第2FS測定値とが一致していない場合、光源となるレーザから、設定値からずれている波長のレーザ光が出射されていることになる。これらのことより、ステップS704の判断で、一致しない場合、ステップS705で、光源の調整を行い、ステップS702,ステップS703,ステップS704を繰り返す。
ステップS704の判断で一致した場合、ステップS706で、体表面より目的の深さの深部に対して第1光および第2光を照射してOPBS法により測定結果を得る。次に、ステップS705で、予め測定されている血液の第1成分の濃度C1,血液の第2成分の濃度C2,および温度測定ステップの測定結果から、体表面より奥の設定された深部までの温度を決定する。
また、前述した温度分布を得るためには、ステップS701〜ステップS708を、測定対象の箇所の回数だけ繰り返して行えばよい。
次に、光吸収の温度依存性について図8を用いて説明する。図8は、異なる温度における光吸収の差を温度差で除した値と、波長との関係を示した特性図である。図8では、32℃と25℃,36℃と25℃,40℃と25℃,46℃と25℃について示している。図8から分かるように、温度差の大きさにより、光吸収の状態が異なっている。従って、光吸収の状態を把握することで、温度を求めることができることが分かる。
また、グルコース濃度が既知の3つのサンプル(0g/dL,10g/dL,18.6g/dL)を対象としたOPBS法による測定を行うと、図9に示すように、サンプル(異なる濃度)ごとに異なる振幅変化,位相変化が得られた。なお、点(三角,丸,四角)により振幅の変化を示し、実線により位相の変化を示している。
同様に、温度が既知の3つのサンプル(31℃,32℃,36℃)を対象としたOPBS法による測定を行うと、図10に示すように、サンプル(異なる温度)ごとに異なる振幅変化,位相変化が得られた。なお、点(三角,丸,四角)により振幅の変化を示し、実線により位相の変化を示している。以上の結果からも明らかなように、実施の形態によれば、温度が測定可能である。
以上に説明したように、本発明では、目的とする体表面からの深さで同じ水の光吸収係数となり、各々波長が異なる赤外域の波長λ1の第1光および赤外域の波長λ2の第2光を用いたOPBS法により、温度を求めるようにしたので、生体の体表面より奥の深部における温度が、非破壊で測定できるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
101…温度測定部、102…温度導出部。

Claims (6)

  1. 予め求められている赤外域の光の波長と体表面からの深さに依存する水の光吸収係数との関係より、目的とする体表面からの深さで同じ水の光吸収係数となり、各々波長が異なる赤外域の波長λ1の第1光および赤外域の波長λ2の第2光を決定する波長決定ステップと、
    温度Tからなる未知パラメータを有する体表面より目的の深さの深部に対して前記第1光および前記第2光を照射して光パワーバランスシフト(OPBS)法により測定結果を得る温度測定ステップと、
    予め測定されている血液の第1成分の濃度C1,血液の第2成分の濃度C2,および前記温度測定ステップの測定結果から、体表面より奥の設定された深部における温度を決定する温度導出ステップと
    を備え、
    前記温度導出ステップでは、
    前記温度測定ステップの測定結果をOPBS(λ1,λ2)としたとき、
    前記温度測定ステップの測定結果を表現する式
    OPBS(λ1,λ2)=Q1C1+Q2C2+QtT
    により体表面より目的の深さの温度である温度Tを決定する
    ことを特徴とする温度測定方法。
  2. 請求項1記載の温度測定方法において、
    前記波長決定ステップでは、目的とする体表面からの深さで同じ水の光吸収係数となる波長の光の中で、温度依存性が最も高い前記第1光および前記第2光の組み合わせを決定することを特徴とする温度測定方法。
  3. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の温度測定方法において、
    前記第1成分は、アルブミンであり、前記第2成分は、グルコースであることを特徴とする温度測定方法。
  4. 温度Tからなる未知パラメータを有する体表面より目的の深さの深部に対し、各々波長が異なる赤外域の波長λ1の第1光および赤外域の波長λ2の第2光を照射して光パワーバランスシフト(OPBS)法により測定結果を得る温度測定部と、
    予め測定されている血液の第1成分の濃度C1,血液の第2成分の濃度C2,および前記温度測定部の測定結果から、体表面より奥の設定された深部における温度を決定する温度導出部と
    を備え、
    前記温度導出部は、
    前記温度測定部による測定結果をOPBS(λ1,λ2)としたとき、
    前記温度測定部の測定結果を表現する式
    OPBS(λ1,λ2)=Q1C1+Q2C2+QtT
    において体表面より目的の深さの温度である温度Tを決定し、
    前記第1光および前記第2光は、目的とする体表面からの深さで同じ水の光吸収係数となり、予め求められている赤外域の光の波長と体表面からの深さに依存する水の光吸収係数との関係より決定されたものである
    ことを特徴とする温度測定装置。
  5. 請求項4記載の温度測定装置において、
    前記第1光および前記第2光は、目的とする体表面からの深さで同じ水の光吸収係数となる波長の光の中で温度依存性が最も高い組み合わせであることを特徴とする温度測定装置。
  6. 請求項4または5記載の温度測定装置において、
    前記第1成分は、アルブミンであり、前記第2成分は、グルコースであることを特徴とする温度測定装置。
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