JP2014183676A - 燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法 - Google Patents

燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】目的地までの燃費を少なくする。
【解決手段】燃料電池システムは、触媒を有する燃料電池と、燃料電池システムの制御を行う制御部と、燃料電池車両の現在の位置から目的地に至るまでの経路を推定するナビゲーション装置と、燃料電池車両の燃料消費量を推定する燃料消費量推定部と、を備え、燃料電池車両の運転状態があらかじめ定められたアイドリング状態に変わったときに、燃料消費量推定部は、ナビゲーション装置から、前記経路を取得し、経路に沿って燃料電池車両が走行したときの燃料消費量について、燃料電池の触媒に対する回復処理が行われたと仮定したときの前記目的地までに消費される第1の燃料消費量と、前記回復処理が行われなかったと仮定したときの目的地までに消費される第2の燃料消費量と、を推定し、制御部は、第1の燃料消費量と回復処理に必要な燃料消費量との和が、第2の燃料消費量以下の場合に、回復処理を実行する。
【選択図】図7

Description

本発明は、燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法に関する。
固体高分子形燃料電池(以下、単に「燃料電池」と呼ぶ)は、通常、プロトン伝導性を有する電解質膜の両面に電極を配置した膜電極接合体を発電体として備える。電極には、燃料電池反応を促進させるための触媒が担持されている。燃料電池車両等に搭載される燃料電池システムでは、燃料電池に高い電圧での運転を継続させると、触媒の表面に酸化被膜が形成され、触媒性能が可逆的に低下(以下「性能低下」と呼ぶ。)してしまう可能性があった。かかる場合に、燃料電池の空気極電位を低下させることにより触媒を回復させる技術が知られている(下記特許文献1等)。
特開2010−0272974号公報
ところで、空気極電位を低下させると、触媒を回復させることにより燃費を向上させることができる。一方、触媒の回復処理中は、燃料電池の電流が増加するので、燃費が悪くなる。目的地によっては、触媒の回復を実行しない方が、触媒の回復を実行するよりも、目的地までの燃料消費量が少なく場合もある。本発明は、目的地までの燃費を少なくすることを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、燃料電池車両に用いられる燃料電池システムが提供される。この燃料電池システムは、電極触媒として白金を含む触媒を有する燃料電池と、前記燃料電池システムの制御を行う制御部と、前記燃料電池車両の出発地から目的地に至るまでの経路を推定するナビゲーション装置と、前記経路に従って前記燃料電池車両が走行する際の燃料消費量を推定する燃料消費量推定部と、を備え、前記燃料電池車両の運転状態があらかじめ定められたアイドリング状態に変わったときに、(i)前記燃料消費量推定部は、前記経路に沿って前記燃料電池車両が走行したときの燃料消費量について、前記燃料電池の触媒に対する回復処理が行われたと仮定したときの前記目的地までに消費される第1の燃料消費量と、前記回復処理が行われなかったと仮定したときの前記目的地までに消費される第2の燃料消費量と、前記燃料電池の回復処理に必要な燃料消費量と、を推定し、(ii)前記制御部は、前記第1の燃料消費量と前記回復処理に必要な燃料消費量との和が、前記第2の燃料消費量より少ない場合に、前記回復処理を実行する。この形態の燃料電池システムによれば、回復処理が行われたと仮定したときの目的地までの第1の燃料消費量と、回復処理が行われなかったと仮定したときに目的地までの第2の燃料消費量とを推定し、第1の燃料消費量と回復処理に必要な燃料消費量との和と、第2の燃料消費量とを比較して、回復処理を実行するか否かを選択するので、目的地までの燃料消費を少なくできる。
(2)上記形態の燃料電池システムにおいて、前記工程(ii)において、前記第1の燃料消費量と前記回復処理に必要な燃料消費量との和が、前記第2の燃料消費量より少ない場合には、さらに、前記制御部は、前記燃料電池の電圧を一旦0.6V以下に下げた後、前記燃料消費量推定部は、前記第1の燃料消費量と前記第2の燃料消費量と回復処理に必要な燃料消費量とを再び推定し、前記制御部は、再推定後の前記第1の燃料消費量と前記回復処理に必要な燃料消費量との和が、再推定後の前記第2の燃料消費量より少ない場合に、前記回復処理を実行してもよい。制御部が燃料電池の電圧を一旦0.6V以下に下げたときには、触媒の表面に形成された酸化被膜が除去されるので、触媒の表面への酸化皮膜形成による燃料電池の性能低下が回復する。この形態の燃料電池システムによれば、触媒の表面に形成された酸化被膜が除去された後において、回復処理が行われたと仮定したときの目的地までの第1の燃料消費量と、回復処理が行われなかったと仮定したときに目的地までの第2の燃料消費量とを推定し、第1の燃料消費量と回復処理に必要な燃料消費量との和と、第2の燃料消費量とを比較するので、回復処理を実行するか否かをより正確に判断できる。
(3)上記形態の燃料電池システムにおいて、前記燃料消費量推定部は、前記燃料電池車両の燃費の履歴を利用して前記第1と第2の燃料消費量を推定してもよい。この形態の燃料電池システムによれば、燃料消費量推定部は、目的地までの燃料消費量をより正確に推定できる。
(4)上記形態の燃料電池システムにおいて、前記ナビゲーション装置は、地図を有しており、前記ナビゲーション装置は、前記地図から前記経路中の道路の勾配を取得し、
前記燃料消費量推定部は、前記道路の勾配と燃費との関係を用いて前記第1と第2の燃料消費量を推定してもよい。この形態の燃料電池システムによれば、燃料消費量推定部は、目的地までの燃料消費量をより正確に推定できる。
(5)上記形態の燃料電池システムにおいて、前記ナビゲーション装置は、地図を有しており、前記ナビゲーション装置は、前記地図から前記経路中の信号の数を取得し、前記燃料消費量推定部は、前記経路中の信号の数と燃費との関係を用いて前記第1と第2の燃料消費量を推定してもよい。この形態の燃料電池システムによれば、燃料消費量推定部は、目的地までの燃料消費量をより正確に推定できる。
(6)上記形態の燃料電池システムにおいて、前記ナビゲーション装置は、道路交通情報を外部から受信する道路交通情報受信部を有しており、前記道路交通情報受信部は、前記経路中の道路の混雑状況を取得し、前記燃料消費量推定部は、前記経路中の道路の混雑状況と燃費との関係を用いて前記第1と第2の燃料消費量を推定してもよい。この形態の燃料電池システムによれば、燃料消費量推定部は、目的地までの燃料消費量をより正確に推定できる。
(7)上記形態の燃料電池システムにおいて、さらに、二次電池を備え、前記燃料消費量推定部は、前記二次電池の現在の充電量と、前記二次電池の目標充電量との差を用いて、前記第1の燃料消費量と、前記第2の燃料消費量と、を補正してもよい。この形態の燃料電池システムによれば、二次電池の充電量を用いて燃料消費量を補正するので、燃料消費量推定部は、目的地までの燃料消費量をより正確に推定できる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、燃料電池システムの他、燃料電池システムの制御方法、燃料電池車両等の形態で実現することができる。
本発明の一実施例としての燃料電池システムの構成を示す概略図である。 燃料電池システムの電気的構成を示す概略図である。 燃料電池の触媒の回復処理の一例を示すフローチャートである。 燃料電池の起動から燃料電池の触媒の回復処理までの燃料電池の電圧の遷移を示すグラフである。 回復処理時間と燃料電池の触媒活性率との関係を示す説明図である。 回復処理電圧と触媒活性と燃料電池内の相対湿度との関係を示す説明図である。 燃料電池の触媒の回復処理を実行するか否かを判断するためのフローチャートである。 回復運転を実行した場合と実行しない場合の燃費(km/kg−H2)を比較するグラフである。 横軸を距離、縦軸を燃費(kg−H2/km)としたグラフである。 勾配と燃費との関係の一例を示す説明図である。 信号の数と燃費との関係の一例を示す説明図である。 道路の混雑状況と燃費との関係の一例を示す説明図である。 二次電池のSOCを示す説明図である。 第2の実施形態の燃料電池の回復処理を示すフローチャートである。 燃料電池の温度と回復処理電圧との関係を示すグラフの一例である。 燃料電池の温度と回復処理時間との関係を示すグラフの一例である。 第2の実施形態の燃料電池の触媒の回復処理を示すフローチャートである。 燃料電池の温度と回復処理時間との関係を示すグラフの一例である。 燃料電池に対して回復処理を実行する場合の回復処理時間と燃料電池からバイパスさせるカソードガスの量との関係を示す説明図である。
第1の実施形態:
図1は本発明の一実施例としての燃料電池システムの構成を示す概略図である。この燃料電池システム100は、燃料電池車両などに搭載され、運転者からの要求に応じて、駆動力として用いられる電力を出力する。燃料電池システム100は、燃料電池10と、制御部20と、カソードガス供給部30と、カソードガス排出部40と、アノードガス供給部50と、アノードガス循環排出部60と、冷媒供給部70とを備える。
燃料電池10は、反応ガスとして水素(アノードガス)と空気(カソードガス)の供給を受けて発電する固体高分子形燃料電池である。燃料電池10は、単セルとも呼ばれる複数の発電体11が積層されたスタック構造を有する。各発電体11は、電解質膜の両面に電極を配置した発電体である膜電極接合体(図示せず)と、膜電極接合体を狭持する2枚のセパレータ(図示せず)とを有する。
ここで、電解質膜は、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す固体高分子、例えばパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマの薄膜によって構成することができる。また、電極は、発電反応を促進させるための触媒が担持された導電性粒子によって構成することができる。触媒としては、例えば、白金(Pt)を採用することができ、導電性粒子としては、例えば、カーボン(C)粒子を採用することができる。
制御部20は、中央処理装置と記憶装置とを備えるマイクロコンピュータによって構成されている。制御部20は、出力電力の要求を受け付け、その要求に応じて、以下に説明する各構成部を制御し、燃料電池10に発電させる。また、制御部20は、燃料電池10が消費する燃料消費量を推定する燃料消費量推定部21を備える。燃料消費量推定部21は、中央処理装置により実行されるコンピュータプログラムとして構成され、記憶装置に格納されていてもよい。
カソードガス供給部30は、カソードガス配管31と、エアコンプレッサ32と、エアフロメータ33と、開閉弁34と、加湿部35と、バイパスバルブ36と、を備える。カソードガス配管31は、燃料電池10のカソード側に接続された配管である。エアコンプレッサ32は、カソードガス配管31を介して燃料電池10と接続されており、外気を取り込んで圧縮した空気を、カソードガスとして燃料電池10に供給する。
エアフロメータ33は、エアコンプレッサ32の上流側において、エアコンプレッサ32が取り込む外気の量を計測し、制御部20に送信する。制御部20は、この計測値に基づいて、エアコンプレッサ32を駆動することにより、燃料電池10に対する空気の供給量を制御する。
開閉弁34は、エアコンプレッサ32と燃料電池10との間に設けられており、カソードガス配管31における空気の流れに応じて開閉する。具体的には、開閉弁34は、通常、閉じた状態であり、エアコンプレッサ32から所定の圧力を有する空気がカソードガス配管31に供給されたときに開く。
加湿部35は、エアコンプレッサ32から送り出された高圧空気を加湿する。制御部20は、電解質膜の湿潤状態を保持して良好なプロトン伝導性を得るために、加湿部35によって、燃料電池10に供給される空気の加湿量を制御し、燃料電池10内部の湿潤状態を調整する。なお、加湿部35は、カソード排ガス配管41と接続されており、排ガス中の水分を高圧空気の加湿に用いる。
カソードガス排出部40は、カソード排ガス配管41と、調圧弁43と、圧力計測部44とを備える。カソード排ガス配管41は、燃料電池10のカソード側に接続された配管であり、カソード排ガスを燃料電池システム100の外部へと排出する。調圧弁43は、カソード排ガス配管41におけるカソード排ガスの圧力(燃料電池10のカソード側の背圧)を調整する。圧力計測部44は、調圧弁43の上流側に設けられており、カソード排ガスの圧力を計測し、その計測値を制御部20に送信する。制御部20は、圧力計測部44の計測値に基づいて調圧弁43の開度を調整する。
バイパスバルブ36は、エアコンプレッサ32と加湿部35との間に配置されている。バイパスバルブ36と、カソード排ガス配管41とは、カソードガスバイパス管37により接続されている。バイパスバルブ36は、燃料電池10の通常運転時には、エアコンプレッサ32送り出された高圧空気を、加湿部35に流すが、後述するように、燃料電池10の触媒活性を回復させる回復運転を実行する場合には、エアコンプレッサ32送り出された高圧空気の一部を、カソードガスバイパス管37を経由してカソード排ガス配管41に流す。
アノードガス供給部50は、アノードガス配管51と、水素タンク52と、開閉弁53と、レギュレータ54と、水素供給装置55と、圧力計測部56とを備える。水素タンク52は、アノードガス配管51を介して燃料電池10のアノードと接続されており、タンク内に充填された水素を燃料電池10に供給する。なお、燃料電池システム100は、水素タンク52に換えて、炭化水素系の燃料を改質して水素を生成する改質部を、水素の供給源として備えているものとしても良い。
開閉弁53と、レギュレータ54と、水素供給装置55と、圧力計測部56とは、アノードガス配管51に、この順序で、上流側(水素タンク52側)から設けられている。開閉弁53は、制御部20からの指令により開閉し、水素タンク52から水素供給装置55の上流側への水素の流入を制御する。レギュレータ54は、水素供給装置55の上流側における水素の圧力を調整するための減圧弁であり、その開度が制御部20によって制御されている。
水素供給装置55は、例えば、電磁駆動式の開閉弁であるインジェクタによって構成することができる。圧力計測部56は、水素供給装置55の下流側の水素の圧力を計測し、制御部20に送信する。制御部20は、圧力計測部56の計測値に基づき、水素供給装置55を制御することによって、燃料電池10に供給される水素量を制御する。
アノードガス循環排出部60は、アノード排ガス配管61と、気液分離部62と、アノードガス循環配管63と、水素循環用ポンプ64と、アノード排水配管65と、排水弁66と、圧力計測部67と、アノード排ガス排出バルブ68と、アノード排ガス排出管69を備える。アノード排ガス配管61は、燃料電池10のアノードの出口と気液分離部62とを接続する配管であり、発電反応に用いられることのなかった未反応ガス(水素や窒素など)を含むアノード排ガスを気液分離部62へと誘導する。
気液分離部62は、アノードガス循環配管63と、アノード排水配管65とに接続されている。気液分離部62は、アノード排ガスに含まれる気体成分と水分とを分離し、気体成分については、アノードガス循環配管63へと誘導し、水分についてはアノード排水配管65へと誘導する。
アノードガス循環配管63は、アノードガス配管51の水素供給装置55より下流に接続されている。アノードガス循環配管63には、水素循環用ポンプ64が設けられており、この水素循環用ポンプ64によって、気液分離部62において分離された気体成分に含まれる水素は、アノードガス配管51へと送り出される。このように、この燃料電池システム100では、アノード排ガスに含まれる水素を循環させて、再び燃料電池10に供給することにより、水素の利用効率を向上させている。
アノードガス循環配管63は、アノード排ガス排出バルブ68と、アノード排ガス排出管69により、カソード排ガス配管41に接続されている。燃料電池10では、膜電極接合体の一方の面にカソードガス(空気)が供給され、他方の面にアノードガス(水素)が供給されて反応が実行される。ここで、カソードガス中に含まれる窒素などが、膜電極接合体を通ってアノード側に移動する。一方、上述したように、アノードガスは循環されている。その結果、アノードガス中の窒素の分圧が上昇し、水素の分圧が下がる。そのため、定期的、あるいは、水素の分圧が下がったときには、アノード排ガス排出バルブ68が開弁され、窒素を含むアノード排ガスは、アノード排ガス排出管69により大気へ排出される。なお、アノード排ガスには、未反応の水素が含まれているため、アノード排ガス排出管69から直接大気に排出されるのではなく、カソード排ガス配管41に排出され、カソード排ガス配管41でカソード排ガスにより希釈されて大気に排出される。
アノード排水配管65は、気液分離部62において分離された水分を燃料電池システム100の外部へと排出するための配管である。排水弁66は、アノード排水配管65に設けられており、制御部20からの指令に応じて開閉する。制御部20は、燃料電池システム100の運転中は、通常、排水弁66を閉じておき、予め設定された所定の排水タイミングや、アノード排ガス中の不活性ガスの排出タイミングで排水弁66を開く。
アノードガス循環排出部60の圧力計測部67は、アノード排ガス配管61に設けられている。圧力計測部67は、燃料電池10の水素マニホールドの出口近傍において、アノード排ガスの圧力(燃料電池10のアノード側の背圧)を計測し、制御部20に送信する。
冷媒供給部70は、冷媒用配管71と、ラジエータ72と、三方弁73と、冷媒循環用ポンプ75と、2つの冷媒温度計測部76a,76bとを備える。冷媒用配管71は、燃料電池10を冷却するための冷媒を循環させるための配管であり、上流側配管71aと、下流側配管71bと、バイパス配管71cとで構成される。
上流側配管71aは、燃料電池10に設けられた冷媒用の出口マニホールドとラジエータ72の入口とを接続する。下流側配管71bは、燃料電池10に設けられた冷媒用の入口マニホールドとラジエータ72の出口とを接続する。バイパス配管71cは、一端が、三方弁73を介して上流側配管71aと接続され、他端が、下流側配管71bに接続されている。制御部20は、三方弁73の開閉を制御することにより、バイパス配管71cへの冷媒の流入量を調整して、ラジエータ72への冷媒の流入量を制御する。
ラジエータ72は、冷媒用配管71に設けられており、冷媒用配管71を流れる冷媒と外気との間で熱交換させることにより、冷媒を冷却する。冷媒循環用ポンプ75は、下流側配管71bにおいて、バイパス配管71cの接続箇所より下流側(燃料電池10の冷媒入口側)に設けられており、制御部20の指令に基づき駆動する。
2つの冷媒温度計測部76a,76bはそれぞれ、上流側配管71aと、下流側配管71bとに設けられており、それぞれの計測値を制御部20へと送信する。制御部20は、各冷媒温度計測部76a,76bのそれぞれの計測値の差から燃料電池10の運転温度を検出する。また、制御部20は、検出した燃料電池10の運転温度に基づき、冷媒循環用ポンプ75の回転数を制御して、燃料電池10の運転温度を調整する。
燃料電池システム100は、さらに、燃料電池車両の車両情報を取得するための、外気温センサ101、車速センサ102、シフトレバーセンサ103と、アクセル104と、ナビゲーション装置105と、を備える。ナビゲーション装置105は、地図106と、経路決定指示部107と、道路交通情報受信部108と、を備える。経路決定指示部107は、現在位置と、運転手から入力された目的地と、を用いて、地図106を参酌しながら目的地に至るまでの経路を算出して運転手に示す。道路交通情報受信部108は、例えば、財団法人 道路交通情報通信システムセンターのVICS(VICSは登録商標)等から、道路の混雑状況などの道路情報を取得する。なお、経路決定指示部107は、目的地に至るまでの経路を算出する際に、VICS等から取得した道路の混雑状況を考慮してもよい。アクセル104は、運転手からの出力要求を検知し、制御部20に伝える。外気温センサ101は、燃料電池車両外部の気温を検出し、制御部20に送信する。車速センサ102は、燃料電池車両の現在の速度を検出し、制御部20に送信する。シフトレバーセンサ103は、シフトレバー(図示せず)のポジション(たとえばP(パーキング)、R(後進)、N(ニュートラル)、D(前進)、B(前進または回生ブレーキ)のどのポジション)か、を取得する。制御部20は、これらのセンサや装置から得られた情報を適宜、燃料電池10の出力制御や回復運転制御のために利用する。なお、パーキングブレーキセンサが備えられていてもよい。
図2は、燃料電池システム100の電気的構成を示す概略図である。燃料電池システム100は、二次電池81と、DC/DCコンバータ82と、DC/ACインバータ83とを備える。また、燃料電池システム100は、セル電圧計測部91と、電流計測部92と、インピーダンス計測部93と、SOC検出部94とを備える。
燃料電池10は、直流配線DCLを介してDC/ACインバータ83に接続されており、DC/ACインバータ83は、燃料電池車両の駆動力源であるモータ200に接続されている。二次電池81は、DC/DCコンバータ82を介して、直流配線DCLに接続されている。
二次電池81は、燃料電池10とともに電力供給源として機能する。二次電池81は、例えばリチウムイオン電池で構成することができる。制御部20は、DC/DCコンバータ82を制御することにより、燃料電池10の電流・電圧と、二次電池81の充放電とを制御し、直流配線DCLの電圧レベルを可変に調整する。
二次電池81には、SOC検出部94が接続されている。SOC検出部94は、二次電池81の充電状態であるSOC(State of Charge)を検出し、制御部20に送信する。ここで、二次電池81のSOCとは、二次電池81の充電容量に対する二次電池81の充電残量(蓄電量)の比率を意味する。SOC検出部94は、二次電池81の温度や電力、電流を計測することにより、二次電池81のSOCを検出する。
制御部20は、SOC検出部94の検出値に基づき、二次電池81のSOCが所定の範囲内に収まるように、二次電池81の充放電を制御する。具体的には、制御部20は、SOC検出部94から取得した二次電池81のSOCが予め設定された下限値より低い場合には、燃料電池10の出力する電力によって、二次電池81を充電する。また、二次電池81のSOCが予め設定された上限値より高い場合には、二次電池81に放電させる。
DC/ACインバータ83は、燃料電池10と二次電池81とから得られた直流電力を交流電力へと変換し、モータ200に供給する。そして、モータ200によって回生電力が発生する場合には、DC/ACインバータ83が、その回生電力を直流電力に変換する。直流電力に変換された回生電力は、DC/DCコンバータ82を介して二次電池81に蓄電される。
セル電圧計測部91は、燃料電池10の各発電体11と接続されており、各発電体11の電圧(セル電圧)を計測する。セル電圧計測部91は、その計測結果を制御部20に送信する。なお、セル電圧計測部91は、計測したセル電圧のうち、最も低いセル電圧のみを制御部20に送信するものとしても良い。
電流計測部92は、直流配線DCLに接続されており、燃料電池10の出力する電流値を計測し、制御部20に送信する。制御部20は、セル電圧と電流の実測値と目標値(制御値)との間に差が生じている場合には、その差が収束されるように、それらの制御値を修正する、いわゆるフィードバック制御を実行する。
インピーダンス計測部93は、燃料電池10に接続されており、燃料電池10に交流電流を印加することにより、燃料電池10全体のインピーダンスを測定し、制御部20へと送信する。制御部20は、インピーダンス計測部93の計測結果に基づき、燃料電池10の電解質膜の湿潤状態を管理する。開閉スイッチ95は、直流配線DCLに設けられており、制御部20の指令に基づき、燃料電池10および二次電池81と、モータ200との間の電気的接続を制御する。なお、制御部20は、インピーダンス計測部93がインピーダンス測定において特定の発電体11を測定したときの値を用いてもよい。
燃料電池車両が運転されると、燃料電池10の発電性能(燃料電池10の触媒活性)が低下することが知られている。そこで、制御部20は、燃料電池10の負荷が小さいアイドリング状態のときに、燃料電池10に対して、燃料電池10の発電性能(燃料電池10の触媒活性)を回復させる回復運転を実行させる。ここで、「アイドリング状態」とは、運転手により、燃料電池車両のアクセルがオフにされて、燃料電池車両の駆動輪に駆動力が供給されていないが、発電のためのガス供給、冷媒供給のための電力と、エアコン、ウインカ、ヘッドライトなどのアクセサリー機器に電力が供給されている状態、且つ、燃料電池10のセル電圧を0.6Vより高く維持した状態を意味する。アイドリング状態となる一例として、燃料電池車両が信号待ちで一時停止している状態、あるいは、下り坂で運転手がアクセルを踏んでいない状態などがあげられる。アイドリング状態では、制御部20は、燃料電池10へのアノードガスやカソードガスの供給量を、通常運転時の供給量よりも低下させてもよい。
図3は、燃料電池の触媒の回復処理の一例を示すフローチャートである。図4は、燃料電池の起動から燃料電池の触媒の回復処理までの燃料電池の電圧の遷移を示すグラフである。
ステップS100では、制御部20は、初期のアイドリング状態における燃料電池10の初期セル電圧V0を取得する。燃料電池10が起動された後、燃料電池車両が走り出す前に、制御部20は、一旦、燃料電池10の個々の発電体11の電圧(以下「セル電圧」とも呼ぶ。)を0.6V以下に下げた後、再びアイドリング状態として燃料電池10の初期のセル電圧V0(以下「初期セル電圧V0」と呼ぶ。)を取得する。この初期セル電圧V0は、今回の燃料電池10の起動後、燃料電池10の運転が終了されるまでの間において、燃料電池10の発電体11がアイドリング状態で発生させることが可能な最大の電圧である。
なお、燃料電池10は複数の発電体11を含んでいる。上述したように、セル電圧計測部91は、各発電体11のセル電圧を計測する。本実施形態および以後の実施形態において、セル電圧という場合には、複数の発電体11のセル電圧の平均値を用いてもよい。また、複数の発電体11のうち、最も電圧の低い発電体11のセル電圧を用いてもよい。また、複数の発電体11のうち、最も電圧の高い発電体11のセル電圧を用いてもよい。
燃料電池10は、連続して使用されると、触媒に酸化皮膜が形成され、あるいは、触媒にスルホン酸イオンなどの陰イオン(アニオン)が付着するアニオン被毒等により性能低下していく。燃料電池10の起動前には燃料電池10は、電圧を発生させておらず、低電圧であると考えられるため、アニオン被毒は、緩和されている。また、酸化皮膜については、燃料電池10の発電体11のセル電圧を0.6V以下に下げることにより、容易に取り除くことが可能である。その結果、初期セル電圧V0は、今回の燃料電池10の起動後、燃料電池10の運転が終了されるまでの間において、燃料電池10の発電体11がアイドリング状態で発生させることが可能な最大の電圧となる。
ステップS105では、運転手による通常運転が実行される。ここで、通常運転とは、運転手がアクセルを踏み、様々な速度で燃料電池車両を運転している状態を意味する。このステップS105においては、運転手が道路状況に基づいて様々な運転を行うため、燃料電池10の発電体11のセル電圧は、運転状態に依存して大きく変動する。なお、この通常運転中には、徐々に触媒に酸化皮膜が形成され、あるいは,アニオン被毒が進んでいき、燃料電池10の触媒が性能低下していく。
ステップS110では、運転手のアクセル104のオフを検知する。たとえば信号待ちにより、燃料電池車両が停車し、運転手がアクセルから足を放したときに、運転手のアクセル104のオフが検知される。
ステップS115では、制御部20は、燃料電池10をアイドリング状態で運転する。なお、燃料電池10をアイドリング状態で運転することを「アイドル運転」とも呼ぶ。
ステップS125では、制御部20は、燃料電池10をアイドリング状態として燃料電池10の発電体11の回復処理直前のセル電圧V1(後述するV1aまたはV1b)を取得する。なお、ステップS100では、制御部20は、一旦、燃料電池10の発電体11のセル電圧を0.6V以下に下げ、再びアイドリング状態として燃料電池10の初期セル電圧V0を取得したが、ステップS125では、燃料電池10の発電体11のセル電圧を0.6V以下に下げる前のセル電圧V1aを取得してもよく、燃料電池10の発電体11のセル電圧を0.6V以下に下げ、再びアイドリング状態としたときのセル電圧V1bを取得してもよい。セル電圧V1bは、セル電圧V1aよりも高い。この理由は、燃料電池10の発電体11のセル電圧を0.6V以下に下げることにより、触媒から酸化皮膜が除去され、酸化被膜に起因する燃料電池10の触媒の性能低下が回復されるからである。なお、酸化皮膜は短時間(0.1秒程度)で除去可能であることから、酸化皮膜が取り除かれた状態におけるセル電圧V1bを用いた方が好ましい。なお、燃料電池10の発電体11のセル電圧を0.6V以下に下げることによるセル電圧の回復は、一時的なものであるため、燃料電池10の発電体11のセル電圧は、時間の経過とともに次第に低下する。
ステップS130では、制御部20は、初期セル電圧V0と、電圧V1bとの電圧差ΔV1bとを用いて、燃料電池10に対して触媒の回復処理を実行するときの燃料電池10の発電体11のセル電圧(回復処理電圧Vt1)と、燃料電池10の発電体11のセル電圧を回復処理電圧に維持する時間(回復処理時間t1)とを取得する。たとえば、電圧差ΔV1bと、回復処理電圧Vt1と回復処理時間t1との関係は、あらかじめマップに登録されており、制御部20は、このマップを用いて電圧差ΔV1bから回復処理電圧Vt1と回復処理時間t1とを取得してもよい。なお、制御部20は、初期セル電圧V0と、セル電圧V1aとの電圧差ΔV1aとを用いて、回復処理電圧Vt1と回復処理時間t1とを取得してもよい。この場合、たとえば、制御部20は、酸化被膜に起因する燃料電池10の性能低下分(V1b−V1a)を経験則からあらかじめ想定しておき、電圧差ΔV1aからこの性能低下分を引いてマップを適用してもよく、電圧差ΔV1aと、回復処理電圧Vt1と回復処理時間t1との関係を別のマップに登録しておき、この別のマップを用いて、電圧差ΔV1bから回復処理電圧Vt1と回復処理時間t1とを取得してもよい。
なお、図4では、回復処理電圧Vt1は0.6Vよりも大きいように図示されているが、図4の回復処理電圧Vt1は一例であり、マップにより、回復処理電圧Vt1の値として、0.6Vよりも小さい値が取得されてもよい。
図5は、回復処理時間t1と燃料電池10の触媒活性率との関係を示す説明図である。燃料電池10の初期セル電圧V0が測定されたときの触媒活性率を100%とし、その後、触媒活性率を60%まで低下させた。そして、回復処理電圧Vt1を0.05Vとして、回復処理時間t1と燃料電池10の触媒活性率との関係を測定し、グラフにした。グラフからわかるように、回復処理時間t1の対数と、触媒活性率との間には、ほぼ直線の関係があり、回復処理時間t1を長くすれば、触媒はより回復することがわかる。なお、触媒活性率を100%近くまで回復させるには、回復処理時間t1を1000分としなければならないように見えるが、実際の燃料電池車両では、たとえば信号待ちごとに触媒の回復処理を実行すれば、触媒活性率が60%まで低下することはなく、もっと短時間で触媒活性率を回復させることが可能である。
図6は、回復処理電圧と、触媒活性と、燃料電池10内の相対湿度との関係を示す説明図である。燃料電池10内の相対湿度が90%のときは、回復処理電圧が0.4Vよりも低いと触媒活性が回復しやすいといえる。また、燃料電池10内の相対湿度が170%と、燃料電池10の膜電極接合体が液水で満たされる状態となると、回復処理電圧が0.65Vよりも低いと触媒活性が回復しやすい。すなわち、燃料電池10の相対湿度が高いほど燃料電池10の触媒の活性を回復させやすいといえる。全体的にみれば、回復処理電圧は、0.4Vよりも低いことが好ましく、0.2Vよりも低いとさらに好ましい。
ステップS132では、制御部20は、燃料電池10の触媒の回復処理を実行するか否かを判断する。
図7は、燃料電池10の触媒の回復処理を実行するか否かを判断するためのフローチャートである。ステップS1000では、ナビゲーション装置105の経路決定指示部107は、燃料電池車両の目的地までの経路を決定する。なお、経路決定指示部107は、ナビゲーション装置105に目的地が入力されると目的地までの経路を決定するので、目的地が入力された時に決定した経路を用いてもよい。
ステップS1010では、燃料消費量推定部21は、決定された経路に基づいて、燃料電池10の触媒に対する回復処理が行われた仮定したときの燃料電池車両の目的地までの走行で消費される燃料消費量と、回復処理が行われなかった仮定したときの燃料電池車両の目的地までの走行で消費される燃料消費量と、を推定する。本実施形態では、回復処理が行われたと仮定したときの燃料電池車両の目的地までの走行で消費される燃料消費量を「第1の燃料消費量」と呼び、回復処理が行われなかったと仮定したときの燃料電池車両の目的地までの走行で消費される燃料消費量を「第2の燃料消費量」と呼ぶ。
図8は、回復運転を実行した場合と実行しない場合の燃費(km/kg−H2)を比較するグラフである。横軸は時間を示し、縦軸は燃費を示している。燃費とは、燃料の単位容量(単位重量)あたりの走行距離(日本、アメリカで使われる)、もしくは一定の距離をどれだけの燃料で走れるか(欧州で使われる)を示す指標である。図8では、縦軸の燃費は、水素の単位重量当たりの走行距離(km/kg−H2)としている。また、横軸には目的地であるQ地点とR地点に到達する時間が示されている。このグラフでは、回復処理がされた場合も、されない場合も、燃料電池車両は同じスピードで目的地(Q地点、あるいはR地点)に到着するものとする。
回復処理は、燃料電池車両が信号待ちなどの停車中に実行される。回復処理中においては、燃料は消費されるが、走行距離がゼロのため、燃費は低下する。そのため、制御部20が回復処理を実行している期間では、燃費のグラフに燃費が低下したことを示す下向きのピークP1が現れる。一方、制御部20が回復処理を実行しない場合には、このような燃費の低下を示すピークは現れない。
燃料電池車両が信号待ち状態から発進した後については、回復処理がされた方が燃料電池10の触媒の活性が高いため、回復処理がされた方が、回復処理がされなかった方よりも燃費がよい。ここで、燃料電池車両が発進してから目的地までの走行距離は、回復処理の有無により変わらない。そのため、燃料電池車両が発進してから目的地までに消費される燃料の量については、回復処理がされた方である第1の燃料消費量の方が、回復処理がされなかった方である第2の燃料消費量よりも少ない。
図9は、横軸を距離、縦軸を燃費(kg−H2/km)としたグラフである。なお、図9の縦軸の燃費は、一定の距離をどれだけの燃料で走れるか(kg−H2/km)を示している。なお、図9の燃費(kg−H2/km)と、図8の縦軸の燃費(km/kg−H2)と、は逆数の関係にある。横軸には、出発地、現在位置、目的地が図示されている。なお、燃料消費量推定部21は、図9のグラフを距離で積分することで、燃料消費量を算出することが可能である。
燃料消費量推定部21は、出発地から現在位置に至るまでの燃料電池車両の燃費(燃料消費率)の履歴を用いて第1の燃料消費量(回復処理有りの場合の燃料消費量)と、第2の燃料消費量(回復処理無しの場合の燃料消費量)を推定することができる。具体的には、例えば、第1の燃料消費量は、以下の燃費を利用して推定することが可能である。
<第1の燃料消費量(回復処理有りの場合の燃料消費量)の推定に用いる燃費>
(1)燃料電池車両の出発後に回復処理が行われた否かに拘わらず、燃料電池車両の出発後にあらかじめ定められた第1の距離(図9ではxkm)まで走行した期間における平均燃費(第1の燃費)
(2)燃料電池車両の出発後に回復処理が行われた否かに拘わらず、燃料電池車両の出発から現在位置に至るまでの走行距離があらかじめ定められた第2の距離(図9ではykm、y<x)以下の場合には、その距離(ykm)の走行期間における平均燃費(第2の燃費)
(3)燃料電池車両の出発後に現在位置に到達する前に燃料電池の回復処理が1回以上行われた場合には、それぞれの回復処理の直後にあらかじめ定められた第1の距離(図9ではxkm)走行した期間における平均燃費の平均値(第3の燃費)
(4)燃料電池車両の出発後に現在位置に到達する前に燃料電池の回復処理が1回だけ行われた場合であって、その回復処理からの走行距離が第2の距離(ykm、y<x)以下の場合には、その距離(ykm)の走行期間における平均燃費(第4の燃費)
また、第2の燃料消費量は例えば以下の燃費を用いて推定することが可能である。
<第2の燃料消費量(回復処理なしの場合の燃料消費量)の推定方法>
(5)燃料電池車両の出発後に現在位置に至るまでのあらかじめ定められた距離(図9ではxkm)の期間に回復処理が行われなかった場合には、その距離(xkm)の走行期間における平均燃費(第5の燃費)
(6)燃料電池車両の出発後に現在位置に到達する前に燃料電池の1回以上の回復処理が行われた場合には、最後の回復処理の直後にあらかじめ定められた距離(図9ではxkm)走行した後から現在位置に至る期間における平均燃費(第6の燃費)
(7)燃料電池車両の出発後に現在位置に到達する前に燃料電池の1回以上の回復処理が行われた場合には、現在位置からxkm離れたT点から現在位置に至る期間における平均燃費(第7の燃費)
但し、燃料消費量推定部21は、上記以外の燃費の履歴を用いて第1と第2の燃料消費量を推定してもよい。例えば、今回の旅程の出発地から現在位置に至るまでの燃料電池車両の燃費を利用する代わりに、過去の複数回の旅程における燃料電池車両の燃費の履歴を利用しても良く、或いは,過去の旅程と今回の旅程における燃料電池車両の燃費の履歴を利用しても良い。
また、燃料消費量推定部21は、現在位置から目的地までの経路の状況、例えば道路の勾配、信号の数、道路の混雑状況を加味して第1の燃料消費量と第2の燃料消費量とを推定してもよい。
図10は、勾配と燃費との関係の一例を示す説明図である。横軸が勾配であり、縦軸は、単位距離当たり走行するのに必要な燃料消費量である。勾配がきつくなれば、同じ走行距離であっても、燃料消費量が増加する。例えば、燃料消費量推定部21は、ナビゲーション装置105に格納されている地図106から、燃費(例えば第1〜7の燃費)を取得したときの道路の勾配を取得できる。燃料消費量推定部21は、道路の勾配と燃費との関係を用いて、第1の燃料消費量と第2の燃料消費量とを推定してもよい。この形態によれば、燃料消費量推定部21は、第1の燃料消費量と第2の燃料消費量とをより正確に推定できる。なお、燃料消費量推定部21は、あらかじめ勾配と燃費との関係(図10の基準のグラフ)を定めておき、基準の燃料消費量と実際の燃費との間に、どれだけ差があるかにより、基準のグラフを上方または下方にシフトして勾配と燃料消費量との関係を補正してもよい。未知の勾配における燃費を推定できる。なお、燃料消費量推定部21は、この補正をしなくてもよい。
図11は、信号の数と燃費との関係の一例を示す説明図である。横軸が単位距離当たりの信号の数であり、縦軸は、単位距離当たり走行するのに必要な燃料消費量である。信号の数が増えれば、燃料電池車両が信号で止まる確率が増加し、燃料電池車両の加速、減速の回数が増加する。その結果、単位距離当たりの信号の数が増加すると、燃料消費量が増加する。燃料消費量推定部21は、ナビゲーション装置105に格納されている地図106から、信号の数を取得してもよい。燃料消費量推定部21は、単位距離当たりの信号の数と燃費とを用いて、第1の燃料消費量と第2の燃料消費量とを推定してもよい。この形態によれば、燃料消費量推定部21は、第1の燃料消費量と第2の燃料消費量とをより正確に推定できる。なお、燃料消費量推定部21は、基準の燃料消費量と実際の燃費との差から、信号の数と燃料消費量との関係を補正してもよい。未知の勾配における燃費を推定できる。なお、燃料消費量推定部21は、この補正をしなくてもよい。
図12は、道路の混雑状況と燃費との関係の一例を示す説明図である。道路が混雑していると、燃料電池車両のスピードが遅くなる。一般に道路が混雑し、燃料電池車両のスピードが遅いと、燃料電池車両の燃料消費量が増加する(燃費が悪化する)。燃料消費量推定部21は、ナビゲーション装置105の道路交通情報受信部108を用いて、例えば、財団法人 道路交通情報通信システムセンターのVICS(VICSは登録商標)からの道路情報を取得し、混雑状況を判断できる。具体的には、道路交通情報受信部108は道路ごとに混雑状況(平均走行速度)を三段階で受信する。燃料消費量推定部21は、混雑状況と、燃費とを用いて、第1の燃料消費量と第2の燃料消費量とを推定してもよい。この形態によれば、燃料消費量推定部21は、第1の燃料消費量と第2の燃料消費量とをより正確に推定できる。なお、燃料消費量推定部21は、基準の燃料消費量と実際の燃費との差から、混雑状況と燃料消費量との関係を補正してもよい。なお、燃料消費量推定部21は、この補正しなくてもよい。
図13は、二次電池81のSOCを示す説明図である。また、燃料消費量推定部21は、二次電池81のSOC(State of charge、充電状態)に基づいて、第1の燃料消費量と第2の燃料消費量と、を推定してもよい。二次電池81のSOCは、所定の上限と下限との間に収まるように制御される。所定の上限と下限との間に目標値が定められている。図13(A)に示すように、現在位置におけるSOCが目標値よりも大きい場合、その差に対応する電力量ΔQ1は、モータ200に供給され、燃料電池車両の目的地までの走行に用いられてもよい。その結果、その分、燃料電池車両の燃料消費量は減少する。一方、図13(B)に示すように、現在位置におけるSOCが目標値よりも小さい場合、その差に対応する電力量ΔQ2は、燃料電池車両の目的地までの間に充電される。このΔQ2は、燃料電池10の発電により生じるため、その分、燃料電池10の燃料消費量は増加する。この影響を加味することで、燃料消費量推定部21は、二次電池81のSOCに基づいて、第1の燃料消費量と第2の燃料消費量とをより正確に推定できる。
次のステップS1020では、燃料消費量推定部21は、回復処理電圧Vt1と回復処理時間t1とを用いて、回復処理に必要な燃料消費量を算出する。
ステップS1030では、制御部20は、第1の燃料消費量と回復処理に必要な燃料消費量との和が、第2の燃料消費量より少ないか否かを判断する。停車中の燃料消費量については、回復処理がされた方が、回復処理がされない方よりも、回復処理のために消費された燃料の量だけ少ない。したがって、目的地までのトータルの燃料消費量について、回復処理がされた方と、回復処理がされない方とで、どちらが少ないかは、回復処理における燃料消費量と第1の燃料消費量との和と、第2の燃料消費量と、を比較することが好ましい。制御部20は、第1の燃料消費量と回復処理に必要な燃料消費量との和が、第2の燃料消費量より少ない場合には、処理をステップS1040に移行し、回復処理を実行する。第1の燃料消費量と回復処理に必要な燃料消費量との和が第2の燃料消費量以上の場合には、制御部20は、回復処理を実行せず、今回のアイドリング状態における処理を終了する。制御部20が回復処理を実行しない方が、目的地までの燃料消費が少なくなると判断されるからである。
図3のステップS135では、制御部20は、燃料電池10の発電体11のセル電圧を回復処理電圧Vt1に下げ、回復処理時間t1の間維持することにより、燃料電池10の触媒の回復処理を実行する。回復処理電圧Vt1に下げる方法としては、アイドリング状態のままカソードガスやアノードガスの燃料電池10への供給量を変えずに、DC/DCコンバータ82(図2)を用いて燃料電池10から大電流を引き、燃料電池10の発電体11のセル電圧を下げてもよい。また、制御部20は、燃料電池10へのカソードガスの供給量を減らして燃料電池10における発電反応を抑制し、燃料電池10の発電体11のセル電圧を下げてもよい。
ステップS140では、回復処理後の燃料電池10のアイドリング状態におけるセル電圧V2aを取得する。ステップS145では、制御部20は、燃料電池10の触媒が回復したか否かを判断する。たとえば、制御部20は、初期セル電圧V0と、回復処理後のセル電圧V2aとの電圧差ΔV2aがあらかじめ定められた値以下である場合には、燃料電池10の触媒が回復したと判断してもよい。
図3のステップS150では、制御部20は、ステップS140で取得したセル電圧V2aをステップS125のセル電圧V1bとして適用し、処理をステップS130に移行する。なお、制御部20は、2回目以降の回復処理電圧と回復処理時間を取得する場合には、マップを変更してもよい。すなわち、1回目の電圧差ΔV1bから取得した回復処理電圧Vt1と回復処理時間t1では、回復処理電圧Vt1が高かった、あるいは、回復処理時間t1が短かったと推定される。そのため、制御部20は、回復処理電圧を低電圧側に移行させ、あるいは、回復処理時間を長時間側に以降させたマップに更新し、新たなマップを用いて、電圧差ΔV2a(電圧差ΔV2a=V0−V2a)から2回目の回復処理電圧Vt2と回復処理時間t2を取得してもよい。なお、制御部20は、マップを更新せずに、従来のマップを用いてもよい。この場合、2回目のステップS135では、制御部20は、従来のマップを用いて回復処理電圧と、回復処理時間を取得し、従来のマップによる回復処理電圧を低電圧側に補正し、あるいは、従来のマップによる回復処理時間を長時間側に補正してもよい。
制御部20は、2回目の以降の回復処理についても同様に実行する。2回目の以降の回復処理後の燃料電池10のアイドリング状態におけるセル電圧V2bを取得し、初期セル電圧V0と、回復処理後のセル電圧V2bとの電圧差ΔV2bがあらかじめ定められた値よりも大きい場合には、同様に回復処理を繰り返してもよい。
本実施形態では、燃料消費量推定部21が、第1の燃料消費量と、第2の燃料消費量とを推定し、制御部20が第1の燃料消費量と回復処理に必要な燃料消費量との和が、第2の燃料消費量以下の場合に、回復処理を実行する。その結果、目的地までの燃料消費を少なくすることが、可能となる。
なお、本実施形態では、制御部20が燃料電池10の発電体11のセル電圧を0.6V以下に下げて触媒の酸化皮膜による性能低下を緩和した後、燃料消費量推定部21が、第1の燃料消費量と、第2の燃料消費量と、回復処理に必要な燃料消費量と、を推定し、制御部20が、第1の燃料消費量と回復処理に必要な燃料消費量との和と、第2の燃料消費量とを比較して、回復処理を実行するか否かを判断している。ただし、制御部20が燃料電池10の発電体11のセル電圧を0.6V以下に下げる前の状態で、燃料消費量推定部21が、第1の燃料消費量と、第2の燃料消費量と、回復処理に必要な燃料消費量と、を推定し、制御部20が、第1の燃料消費量と回復処理に必要な燃料消費量との和と、第2の燃料消費量とを比較して、回復処理を実行するか否かを判断してもよい。この段階で第2の燃料消費量が、第1の燃料消費量と回復処理に必要な燃料消費量との和よりも少なければ、制御部20は、回復処理をしなくてもよい。さらに、制御部20が燃料電池10の発電体11のセル電圧を0.6V以下に下げる前の状態で、回復処理を実行すると判断した場合であっても、さらに、制御部20が燃料電池10の発電体11のセル電圧を0.6V以下に下げて触媒の酸化皮膜による性能低下を緩和した後、もう一度、燃料消費量推定部21が、第1の燃料消費量と、第2の燃料消費量と、回復処理に必要な燃料消費量と、を再び推定し、制御部20が、再び推定された第1の燃料消費量と再び推定された回復処理に必要な燃料消費量との和と、再び推定された第2の燃料消費量と、を比較して、回復処理を実行するか否かを再判断してもよい。この段階で再び推定された第2の燃料消費量が、再び推定された第1の燃料消費量と再び推定された回復処理に必要な燃料消費量との和よりも少なければ、制御部20は、回復処理をしなくてもよい。
第2の実施形態:
第2の実施形態の装置構成は、第1の実施形態の装置構成と同じであるが、その制御方法が異なる。第2の実施形態では、制御部20は、冷媒の温度Ta(燃料電池の温度)を用い、冷媒の温度が一定の範囲内にある場合に回復処理を実行するとともに、初期セル電圧V0と、セル電圧V1bと、冷媒の温度Taと、を用いて、回復処理電圧Vt1と回復処理時間t1を取得する。
図14は、第2の実施形態の燃料電池の回復処理を示すフローチャートである。図14では、図3で示された第1の実施形態の燃料電池の回復処理のフローチャートの各ステップの処理と同じ処理については、同一のステップ番号が付されている。
ステップS200では、図3に示したステップS100、S105、S110の処理が実行される。その後、ステップS115の処理が実行される、これらのS100、S105、S110、S115の処理については、図3ですでに説明しているため、図14の説明においては、説明を省略する。以後、図3において説明したステップと同一のステップについては、説明を省略、または、簡単な説明にとどめる。
ステップS210では、制御部20は、燃料電池の温度Taを取得する。たとえば、制御部20は、冷媒温度計測部76a(図1)を用いて燃料電池10から出てくる冷媒の温度を取得し、冷媒の温度から燃料電池10の温度を推定または算出してもよい。また、制御部20は、燃料電池10に流れる電流と電圧とを用いて、燃料電池10のインピーダンスを取得し、インピーダンスから燃料電池10の温度を推定または算出してもよい。
ステップS220では、制御部20は、燃料電池10の温度調整が必要か否かを判断する。制御部20は、燃料電池10の温度Taが、あらかじめ定められた温度範囲(Tlow〜Thigh)に入っている場合に燃料電池10の触媒の回復処理を実行可能である。燃料電池10の温度Taがしきい値Tlowより低い場合には、燃料電池10内の水分は結露し、燃料電池内は水分過多となっており、フラッディングが発生する場合がある。一方、燃料電池10の温度Taがしきい値Thighよりも高い場合には、燃料電池10内の水分が蒸発し、燃料電池10内は乾燥しているため、回復処理によりアニオン被毒を緩和し難い。したがって、制御部20は、燃料電池10内が適度に湿潤している場合に回復処理を実行する。なお、燃料電池10から出てくる冷媒の温度Taが、Tlowより低い場合や、Thighよりも高い場合には、制御部20は、処理をステップS250に移行し、燃料電池10の温度Taを調整してもよい。具体的には、制御部20は、燃料電池10の温度Taがしきい値Tlowより低い場合には、燃料電池10への冷媒の供給量を減らして燃料電池10の温度を上昇させる。逆に、燃料電池10の温度Taがしきい値Thighよりも高い場合には、燃料電池10への冷媒の供給量を増やして燃料電池10の温度を下降させる。なお、制御部20は、温度について、冷却水の温度だけでなく、燃料電池スタックの最も温度が上がりやすい発電体11のセル温度を基準としても良い。例えば、燃料電池スタックの中央付近の発電体11は、温度が上がり易く、逆に燃料電池スタックの端部付近の発電体11は、温度が下がりやすい。
ステップS125では、制御部20は、燃料電池10の回復処理直前のセル電圧V1bを取得する。ステップS220では、制御部20は、初期セル電圧V0と、セル電圧V1bとの電圧差ΔV1bと、燃料電池10の温度Taと、を用いて、燃料電池10の触媒に対して回復処理を実行するときの燃料電池10の発電体11のセル電圧(回復処理電圧Vt1)と、燃料電池10を回復処理電圧に維持する時間(回復処理時間t1)とを取得する。
図15は、燃料電池の温度Taと、回復処理電圧Vt1との関係を示すグラフの一例である。ここでは、回復処理電圧Vt1は、燃料電池10の温度に対する値として示されている。なお、2本のグラフは、それぞれ、初期セル電圧V0と、セル電圧V1bとの電圧差ΔV1bの大きさが大きい場合と、小さい場合とを示している。制御部20は、燃料電池10の温度Taが、しきい値Tlowとしきい値Thighとの中間の温度のときには、回復処理電圧Vt1を極小とし、燃料電池10の温度Taが温度から高くなっても、低くなっても、回復処理電圧Vt1を高くする。また、制御部20は、電圧差ΔV1bがあらかじめ定められた値と比較して大きい場合には、あらかじめ取得されたマップに従って、回復処理電圧Vt1を低くする。なお、回復処理電圧Vt1が極小となる温度は、電圧差ΔV1bが異なれば、異なってもよい。
図16は、燃料電池の温度Taと、回復処理時間t1との関係を示すグラフの一例である。ここでは、回復処理時間t1は、燃料電池10の温度に対する値として示されている。なお、2本のグラフは、それぞれ、初期セル電圧V0と、セル電圧V1bとの電圧差ΔV1bの大きさが大きい場合と、小さい場合とを示している。制御部20は、燃料電池10の温度Taが、しきい値Tlowとしきい値Thighとの中間の温度のときには、回復処理時間t1を極大とし、燃料電池10の温度Taが温度から高くなっても、低くなっても、回復処理時間t1を短くする。また、制御部20は、電圧差ΔV1bがあらかじめ定められた値と比較して大きい場合には、あらかじめ取得されたマップに従って、回復処理時間t1を長くする。なお、回復処理時間t1が極小となる温度は、電圧差ΔV1bが異なれば、異なってもよい。
図14のステップS230では、制御部20は、初期セル電圧V0と、電圧差ΔV1bと、燃料電池の温度Taと、を用いて、回復処理電圧Vt1と回復処理時間t1とを算出する。次のステップS132、S135、S140では、制御部20は、図3で説明したのと同様に処理を実行する。ステップS145で、制御部20は、触媒が十分に回復していないと判断した場合には、処理をステップS240に移行し、燃料電池10の温度Taを取得する。燃料電池10の触媒の回復処理の間に燃料電池10の温度が変化する場合があり得るからである。その後、制御部20は、ステップS150と同様の処理を行う。
以上、第2の実施形態によれば、電圧差ΔV1bに加えて燃料電池10の温度Taを用いて、回復処理電圧Vt1と回復処理時間t1とを取得し、燃料電池10の触媒の回復処理を実行する。そのため、第1の実施形態よりも、回復処理における燃料消費量を、より細かく算出することが可能となる。また、回復処理電圧Vt1と回復処理時間t1が変われば、燃料電池の触媒の回復量も変わる。第2の実施形態によれば、第1の実施形態よりも、より細かく燃料消費量を推定できるので、目的地までの燃料消費量を抑えることが可能となる。
なお、第2の実施形態において、燃料電池10の温度Taが、あらかじめ定められた温度範囲(Tlow〜Thigh)に入っている場合に、制御部20は、燃料電池10の回復処理を実行する。燃料電池10の温度が低いほど、燃料電池10内の水蒸気は結露し、回復処理によりアニオン被毒を緩和し易くなる。したがって、制御部20は、燃料電池10の温度Taが、あらかじめ定められた温度範囲(Tlow〜Thigh)に入っている場合であっても、燃料電池10への冷媒供給量を多くし、燃料電池10の温度Taが、しきい値Tlowに近づくようにしてもよい。
第3の実施形態:
第3の実施形態の装置構成は、第2の実施形態の装置構成と同じであるが、その制御方法が異なる。第2の実施形態では、制御部20は、燃料電池10の温度Taが所定に範囲内になる場合に燃料電池10の回復処理を実行する。第3の実施形態では、制御部20は、燃料電池10の温度Taだけでなく、シフトレバーの位置を検出して回復処理時間を変更する。燃料電池10の触媒の回復処理は、上述したように、停車中のアイドリング運転中に実行される。ここで、停車時間が長い場合には、回復処理時間t1を長く設定することが可能となる。ところで、運転手によっては、比較的長い信号待ち等において、シフトレバーをP(パーキング)あるいはN(ニュートラル)にする場合がある。さらに、パーキングブレーキを引く場合がある。かかる場合には、制御部20は、回復処理時間t1を長く設定してもよい。なお、近年、足踏み式のパーキンブレーキもあり、この場合パーキングブレーキを「引く」ではなく「踏む」と表現すべきであるが、本願では、「引く」と表現する。
図17は、第2の実施形態の燃料電池の触媒の回復処理を示すフローチャートである。図17では、図3で示された第1の実施形態の燃料電池の触媒の回復処理のフローチャート、あるいは図14で示された第2の実施形態の燃料電池の触媒の回復処理のフローチャートの各ステップの処理と同じ処理については、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
ステップS200(S100、S105、S110)、ステップS115の処理は、図3、14における説明で説明した処理と同じである。次のステップS300では、制御部20は、シフトレバーのポジションを取得する。ステップS210、S220、S125の処理は、図14における説明で説明した処理と同じである。ステップS310では、制御部20は、初期セル電圧V0と、セル電圧V1bとの電圧差ΔV1bと、燃料電池10の温度Taと、シフトレバーのポジションと、を用いて、燃料電池10の触媒に対して回復処理を実行するときの回復処理電圧Vt1と、回復処理時間t1とを取得する。
図18は、燃料電池の温度Taと、回復処理時間t1との関係を示すグラフの一例である。図18では、シフトレバーのポジションがP、Nの場合のグラフと、シフトレバーのポジションがP、N以外の場合のグラフと、を示している。制御部20は、シフトレバーのポジションがP、Nの場合には、P、N以外の場合に比べて、回復処理時間t1を長くする。また、シフトレバーのポジションがNの場合には、制御部20は、さらに、パーキングブレーキが引かれている場合に回復処理時間t1を長くしてもよい。なお、制御部20は、シフトポジションにより異なるマップを用いてもよい。
図17のステップS135以降の処理については、第2の実施形態で説明した処理と同様であるので説明を省略する。
以上、第3の実施形態によれば、シフトレバーのポジションにより、比較的長時間の停車、すなわち、比較的長時間のアイドル運転が実行可能と想定される場合に、燃料電池10の触媒の回復処理時間t1を長くすることが可能となる。第3の実施形態の場合、回復処理時間t1を長くした場合には、燃料電池10の触媒は、より回復するので走行開始後の目的地までの第1の燃料消費量は少なくなる。一方、回復処理により消費される燃料消費量は増加する。したがって、制御部20は、(a)回復処理を実行しない場合、(b)回復処理を実行する場合、(c)さらに回復処理時間を長くして回復処理を実行する場合、の3つ場合のそれぞれについて、目的地までの燃料消費量と、回復処理で消費される燃料消費量との和を推定し、その結果から、(a)、(b)、(c)のうちの、どの処理を実行するか決定することが好ましい。
なお、第3の実施形態では、制御部20は、シフトレバーのポジションにより燃料電池10の回復処理時間t1を長くしたが、たとえば、ブレーキ踏力により、ブレーキ踏力が大きい場合に燃料電池10の触媒の回復処理時間t1を長くしてもよい。また、ブレーキに加えてパーキングブレーキが引かれた場合に燃料電池10の触媒の回復処理時間t1を長くしてもよい。
第4の実施形態:
第1〜第3も実施形態では、燃料電池10の回復処理において、制御部20は、DC/DCコンバータ82で引く電流を制御することにより燃料電池10の発電体11のセル電圧を低下させて回復処理を実行する。これに対して、第4の実施形態では、制御部20は、燃料電池10に供給されるカソードガスの量を減少させることにより、燃料電池10の発電体11のセル電圧を低下させる。すなわち、制御部20は、燃料電池10へのカソードガスの供給量を減らして燃料電池10における発電反応を抑制し、燃料電池10の発電体11のセル電圧を下げてもよい。
燃料電池10の通常運転では、エアコンプレッサ32から送り出された高圧空気(カソードガス)は、加湿部35に送られる。一方、燃料電池10の回復処理では、エアコンプレッサ32から送り出されたカソードガスは、バイパスバルブ36により2方向に分配され、カソードガスの一部がカソードガスバイパス管37を経由してカソード排ガス配管41に流され、カソードガスの残りは加湿部35を経由して燃料電池10に供給される。すなわち、制御部20は、バイパスバルブ36の開閉を制御し、燃料電池10に供給されるカソードガスの量を減少させ、燃料電池10の発電体11のセル電圧を低下させて回復処理を実行する。
図19は、燃料電池10に対して回復処理を実行する場合の回復処理時間と、燃料電池10からバイパスさせるカソードガスの量との関係を示す説明図である。横軸は、回復処理時間t1であり、縦軸は、カソードガスバイパス管37を経由してカソード排ガス配管41に流されるカソードガスの量である。したがって、図19の上に行くほどカソードガスのバイパス量が多く、燃料電池10に供給されるカソードガスの量が少ない。一方、図19の下に行くほどカソードガスのバイパス量が少なく、燃料電池10に供給されるカソードガスの量が多い。
図19には、3本の線が引かれている。横軸に水平な2本の線のうち、上側の線は、燃料電池10の出力の確保の観点から定められている線である。アイドル運転中であっても、燃料電池車両は、エアコンなどに電力が使用される。そのため、燃料電池10は、最低限の電力を出力する。したがって、カソードガスのバイパス量は、この線で示される量よりも少ない量である。なお、外気温等によりエアコン等で消費される電力は異なる。したがって、外気温により、この線の高さを変更してもよい。また、アイドリング中の消費電力に基づいて、この線を定めてもよい。
横軸に水平な2本の線のうち、下側の線は、排気ガス中の水素濃度から定められる。本実施形態では、未反応の水素を含むアノード排ガスは、カソード排ガス配管41に合流されて排出される。ここで、排ガス中の水素濃度は低い方が好ましい。下側の線は、排ガス中の水素濃度を一定以下に抑えるために必要なアノードガス(空気)の量から定められる。したがって、カソードガスのバイパス量は、この線で示される量よりも多い量である。
斜めの線は、燃料電池10の燃費から要求される線である。燃料電池10の発電体11のセル電圧が下がると、燃料電池10の特性から電流が増え、燃料消費量が増加する。燃料消費面からは、制御部20は、回復処理時間t1が長い場合には、燃料電池の電圧を下げられないため、回復処理時間t1が短い場合に比べて、燃料電池10に流すカソードガスの量を少なくする(バイパス量を多くする)。したがって、カソードガスのバイパス量は、この線よりも左下で示される量であればよい。
以上、第4の実施形態によれば、制御部20は、回復処理時間t1と、カソードガスのバイパス量が、以上の3本の線により規定される範囲(図19のハッチングが付された範囲)に収まるように燃料電池10の回復処理を実行することで、燃費を悪化させず、電力不足にならずに効率的に回復処理を実行できる。制御部20は、同様に、回復処理を実行する場合と実行しない場合との目的地までの燃料消費量を推定し、第4の実施形態による回復処理を実行するか否かを決定してもよい。
以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
10…燃料電池
11…発電体
20…制御部
21…燃料消費量推定部
30…カソードガス供給部
31…カソードガス配管
32…エアコンプレッサ
33…エアフロメータ
34…開閉弁
35…加湿部
36…バイパスバルブ
37…カソードガスバイパス管
40…カソードガス排出部
41…カソード排ガス配管
43…調圧弁
44…圧力計測部
50…アノードガス供給部
51…アノードガス配管
52…水素タンク
53…開閉弁
54…レギュレータ
55…水素供給装置
56…圧力計測部
60…アノードガス循環排出部
61…アノード排ガス配管
62…気液分離部
63…アノードガス循環配管
64…水素循環用ポンプ
65…アノード排水配管
66…排水弁
67…圧力計測部
68…アノード排ガス排出バルブ
69…アノード排ガス排出管
70…冷媒供給部
71…冷媒用配管
71a…上流側配管
71b…下流側配管
71c…バイパス配管
72…ラジエータ
73…三方弁
75…冷媒循環用ポンプ
76a…冷媒温度計測部
81…二次電池
91…セル電圧計測部
92…電流計測部
93…インピーダンス計測部
95…開閉スイッチ
100…燃料電池システム
101…外気温センサ
102…車速センサ
103…シフトレバーセンサ
104…アクセル
105…ナビゲーション装置
106…地図
107…経路決定指示部
108…道路交通情報受信部
200…モータ
DCL…直流配線
Ta…温度
Tlow…しきい値
Thigh…しきい値
t1…回復処理時間
t2…回復処理時間
V0…初期電圧
V1…セル電圧
V1a…セル電圧
V1b…セル電圧
V2a…セル電圧
V2b…セル電圧
Vt1…回復処理電圧
Vt2…回復処理電圧
ΔV1a…電圧差
ΔV1b…電圧差
ΔV2a…電圧差
ΔV2b…電圧差

Claims (14)

  1. 燃料電池車両に搭載される燃料電池システムであって、
    電極触媒として白金を含む触媒を有する燃料電池と、
    前記燃料電池システムの制御を行う制御部と、
    前記燃料電池車両の出発地から目的地に至るまでの経路を推定するナビゲーション装置と、
    前記経路に従って前記燃料電池車両が走行する際の燃料消費量を推定する燃料消費量推定部と、
    を備え、
    前記燃料電池車両の運転状態があらかじめ定められたアイドリング状態に変わったときに、
    (i)前記燃料消費量推定部は、前記経路に沿って前記燃料電池車両が走行したときの燃料消費量について、前記燃料電池の触媒に対する回復処理が行われたと仮定したときの前記目的地までに消費される第1の燃料消費量と、前記回復処理が行われなかったと仮定したときの前記目的地までに消費される第2の燃料消費量と、前記燃料電池の回復処理に必要な燃料消費量と、を推定し、
    (ii)前記制御部は、前記第1の燃料消費量と前記回復処理に必要な燃料消費量との和が、前記第2の燃料消費量より少ない場合に、前記回復処理を実行する、
    燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、さらに、
    前記工程(ii)において、前記第1の燃料消費量と前記回復処理に必要な燃料消費量との和が、前記第2の燃料消費量より少ない場合には、さらに、
    前記制御部は、前記燃料電池の電圧を一旦0.6V以下に下げた後、
    前記燃料消費量推定部は、前記第1の燃料消費量と前記第2の燃料消費量と回復処理に必要な燃料消費量とを再び推定し、
    前記制御部は、再推定後の前記第1の燃料消費量と前記回復処理に必要な燃料消費量との和が、再推定後の前記第2の燃料消費量より少ない場合に、前記回復処理を実行する、する、燃料電池システム。
  3. 請求項1または2に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記燃料消費量推定部は、前記燃料電池車両の燃費の履歴を利用して前記第1と第2の燃料消費量を推定する、燃料電池システム。
  4. 請求項3に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記ナビゲーション装置は、地図を有しており、
    前記ナビゲーション装置は、前記地図から前記経路中の道路の勾配を取得し、
    前記燃料消費量推定部は、前記道路の勾配と燃費との関係を用いて前記第1と第2の燃料消費量を推定する、燃料電池システム。
  5. 請求項3または4に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記ナビゲーション装置は、地図を有しており、
    前記ナビゲーション装置は、前記地図から前記経路中の信号の数を取得し、
    前記燃料消費量推定部は、前記経路中の信号の数と燃費との関係を用いて前記第1と第2の燃料消費量を推定する、燃料電池システム。
  6. 請求項3〜5のいずれか一項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記ナビゲーション装置は、道路交通情報を外部から受信する道路交通情報受信部を有しており、
    前記道路交通情報受信部は、前記経路中の道路の混雑状況を取得し、
    前記燃料消費量推定部は、前記経路中の道路の混雑状況と燃費との関係を用いて前記第1と第2の燃料消費量を推定する、燃料電池システム。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料電池システムにおいて、さらに、
    二次電池を備え、
    前記燃料消費量推定部は、前記二次電池の現在の充電量と、前記二次電池の目標充電量との差を用いて、前記第1の燃料消費量と、前記第2の燃料消費量と、を補正する、燃料電池システム。
  8. 燃料電池車両に搭載され、電極触媒として白金を含む触媒を有する燃料電池を有する燃料電池システムの制御方法であって、
    (a)前記燃料電池車両の出発地からから目的地に至るまでの経路を取得する工程と、
    (b)前記燃料電池車両の運転状態があらかじめ定められたアイドリング状態に変わったときに、
    (b−i)前記経路に沿って前記燃料電池車両が走行したときの燃料消費量について、前記燃料電池の触媒に対する回復処理が行われたと仮定したときの前記目的地までに消費される第1の燃料消費量と、前記回復処理が行われなかったと仮定したときの前記目的地までに消費される第2の燃料消費量と、を推定する工程と、
    (b−ii)前記第1の燃料消費量と前記回復処理に必要な燃料消費量との和が、前記第2の燃料消費量より小さい場合には、前記回復処理を実行する工程と、
    を実行する、燃料システムの制御方法。
  9. 請求項8に記載の燃料電池システムの制御方法において、
    さらに、
    前記工程(b−ii)において、前記第1の燃料消費量と前記回復処理に必要な燃料消費量との和が、前記第2の燃料消費量より少ない場合には、さらに、
    前記燃料電池の電圧を一旦0.6V以下に下げる工程と、
    前記第1の燃料消費量と前記第2の燃料消費量と回復処理に必要な燃料消費量とを再び推定する工程と、
    再推定後の前記第1の燃料消費量と前記回復処理に必要な燃料消費量との和が、再推定後の前記第2の燃料消費量より少ない場合に、前記回復処理を実行する工程と、
    が実行される、燃料電池システムの制御方法。
  10. 請求項8または9に記載の燃料電池システムの制御方法において、
    前記燃料電池車両の燃費の履歴を利用して前記第1と第2の燃料消費量を推定する、燃料電池システムの制御方法。
  11. 請求項10に記載の燃料電池システムの制御方法において、
    前記経路中の道路の勾配を取得する工程と、
    前記経路中の道路の勾配と燃費との関係とを用いて前記第1と第2の燃料消費量を推定する工程と、
    を実行する、燃料電池システムの制御方法。
  12. 請求項10または11に記載の燃料電池システムの制御方法において、さらに、
    前記経路中の信号の数を取得する工程と、
    前記経路中の信号の数と燃費との関係とを用いて前記第1と第2の燃料消費量を推定する工程と、
    を実行する、燃料電池システムの制御方法。
  13. 請求項10〜12のいずれか一項に記載の燃料電池システムの制御方法において、さらに、
    道路交通情報を外部から受信して前記経路中の道路の混雑状況を取得する工程と、
    前記経路中の道路の混雑状況と燃費との関係を用いて前記第1と第2の燃料消費量を推定する工程と、
    を実行する、燃料電池システムの制御方法。
  14. 請求項9〜13のいずれか一項に記載の燃料電池システムの制御方法において、
    前記燃料電池システムは二次電池を備えており、さらに、
    前記二次電池の現在の充電量と、前記二次電池の目標充電量との差を用いて、前記第1の燃料消費量と、前記第2の燃料消費量と、を補正する工程を実行する、燃料電池システムの制御方法。
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